SUPER GT

第3戦鈴鹿決勝 GT500クラスは37号車Deloitte TOM'S GR Supraが今季初優勝!!

 2024オートバックス スーパーGT第3戦「鈴鹿GT3時間レース」の決勝が6月2日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が3時間で92周を走りきり、今季初優勝。笹原とアレジにとってはこれが嬉しいスーパーGT初勝利となった。

(天候:曇り 路面:ドライ 観客動員数:予選日17,500人/決勝日25,000人/大会総入場者数42,500人)

 決勝前に行われているウォームアップ走行では正午のコースオープンから雨が降り始めたが、20分の走行が終わるまでに天候は回復。コースには所々濡れた箇所は残っていたが、全15台がドライタイヤを装着してスタートに臨んだ。

 午後1時30分、三重県警の7台の白バイと4台のパトロールカーの先導でパレードランが始まり、1周のフォーメーションラップに続いて午後1時38分04秒に第3戦の決勝がスタートした。

 ポールポジションの笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)がトップで1コーナー。すぐ後ろから大津弘樹(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)が追い上げる。3位に福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra)、4位に松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)とここまでは予選順位通りだ。

 笹原は後方の16号車を牽制しながらホームストレートを戻ってきた。

 2位の16号車はクルマのバランスが万全ではなかったようで、そこからは苦しい走りを強いられ、トップを追うどころか14号車の猛追にさらされることになり、4周目のシケインではこれを退けたものの、続く5周目の1コーナーでアウトから並びかけられ、大津の懸命の抵抗も虚しく3コーナーの進入で2位を明け渡してしまった。

 続いて14号車の福住は37号車を追い上げ、5周終わりで0.880差に追い詰める。

 しかし笹原は14号車との差を7周目には1秒063とすると、10周目には2秒241まで広げる。

 その後方では16号車と8号車が3位争いを展開、さらにその後方では大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)を先頭に高星明誠(Niterra MOTUL Z)、ベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z)、松田次生(リアライズコーポレーションADVAN Z)の3台のZが僅差で追っていた。

 12周目には福住が37号車との差を1.334秒まで縮めるが、笹原も13周目に1秒444にリードを広げる。その後も2台は周回遅れを交わしながら一進一退の攻防を続ける。27周目に入ったところでコースの一部で小雨が降ってきたが、これはレース展開に影響するほどのものではなく、すぐに止んだ。

 そして2位の14号車は32周目、トップの37号車は33周目に最初の給油を行った。ここで14号車は福住から大嶋和也に交代したが、37号車はそのまま笹原が実質トップでコースに復帰、2スティント目を担当した。

 その後、40周目のシケインで千代勝正(MOTUL AUTECH Z)が大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)に追突するアクシデントが発生、これにより競技団はトップが42周目に入ったところでこの日最初のフルコースイエロー(FCY)を宣言した。

 23号車はその場でスピンアウトし、レースには復帰したもののドライビングスルーペナルティを課せられることとなり、38号車はリヤ周りを大破して41周目にピットイン。そのままレースを終えることとなる。

 FCYは43周目に解除となる。ここで14号車が猛然と37号車を追い上げるが、37号車も負けじとペースを上げ、両者の差はその後も開いたり近づいたりを繰り返す。

 52周目には山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)がトラブルによりコースサイドでストップしてしまったため、この日2度目のFCYが宣言され、53周目に入ったところで解除となるが、ここでも笹原は大嶋の追撃を退ける。

 そして60周目、最大運転時間ギリギリの周回で笹原はピットイン。2度目の給油を行ってジュリアーノ・アレジにステアリングを託す。

 これを見てとった大嶋はこれをチャンスとばかりに攻めに攻めて62周目にピットイン。再び福住に交代する。その甲斐あって14号車は37号車の遥か前方でコースに復帰。ここでトップに躍り出てその後もリードを広げていった。

 しかしこのピット作業において14号車は100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTの鼻先を掠める形でピットレーンに飛び出してしまったため、競技団はこれを「ピットエリア遵守事項違反」と判定。14号車にドライビングスルーペナルティを課す裁定を下した。

 これにより14号車の福住は69周終わりでピットインすることとなり、一気に4位に後退してしまった。

 そこから猛然と追い上げを開始した福住は72周目130R手前で山下健太(au TOM'S GR Supra)を抜いて3位に浮上すると、78周目のシケインでは大津弘樹(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)のインに飛び込んで2位を奪い返した。

 しかし前を行く37号車のアレジとは12秒985の大差がついており、再逆転は極めて困難な状況。

 アレジもそこからペースを上げて福住の追撃を許さず、最後は10秒968差で3時間92周を走り切り、37号車Deloitte TOM'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が今季初優勝をものにした。

 一時はトップに立った14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)は惜しくも2位。16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)は終盤12号車MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)の猛追を受けたが、辛くも逃げ切って3位表彰台を獲得した。

 また、ポイントリーダーの36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は予選11番手と後方からのスタートながら坪井と山下が着実に順位を上げ、一時は3位を走る快走を見せて5位でフィニッシュ。依然としてドライバーズランキングでトップに立っている。

 次戦は今季2度目の富士スピードウェイ大会。8月4日に今季初の350kmレースが行われる。

三重県警先導のパレードラップ

3時間レースのスタートシーン(GT500)

GT500クラス優勝はDeloitte TOM\'S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)

GT500クラス決勝2位はENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)

GT500クラス決勝3位はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)

GT500クラス決勝4位はMARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

GT500クラス決勝5位はau TOM\'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

GT500クラス決勝6位はAstemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)

Text: Kazuhisa SUEIRO
Photo: Atsushi BESSHO


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