筑波・富士S-FJ選手権

第4、5戦富士公式予選 岡本大地が2戦ともにポールポジション獲得

第4戦、第5戦ともポールポジションは岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)

 2022年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第4戦/第5戦公式予選が6月25日(土)に富士スピードウェイで開催され、岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)がベストタイム、セカンドベストタイムともに最速で2レースのポールポジションを獲得した。

 今回の富士スピードウェイのラウンドは2レース開催。予選は1度に行われ、各ドライバーのベストタイムで第4戦、セカンドベストタイムで第5戦のスターティンググリッドを確定させる。今回エントリーは26台。筑波/富士シリーズ戦だが今年は年末の日本一決定戦がここ富士で行われ、その前の唯一のシリーズ戦のため、日本一決定戦を目指し他のエリアのシリーズで走る選手もエントリーして来ている。

 予選は朝午前8時50分開始、天候は曇りで時折小雨が落ちるが路面はドライコンディション。全車スリックタイヤを装着し、戸谷友規(DEEP-R・10V・ED)を先頭にコースインして20分間の予選が開始。

 前日の練習走行は雨でラバーが乗っていないコースに各車は慎重にウォームアップを行い、序盤は1分54秒台がトップタイム。そして残り13分となった辺りから本格的にタイムを出す選手が現われはじめる。

 まずは残り13分、鈴鹿から遠征の森山冬星(DIXCEL/ROYAL)が1分52秒755でトップに立つ。森山は前週の鈴鹿シリーズ戦で優勝しシリーズトップに立ち、好調をキープして富士にやって来た。2番手は稲葉摩人(ZAP SPEED 10VED)の53秒556。稲葉は昨年11月に地元である富士でレースデビュー。予選では2番手に0.5秒以上の大差をつけ、ペナルティで7番グリッドまで降格したものの、そこからトップに這い上がってデビューウイン、と驚速ルーキーぶりを見せつけている。3番手には岡本が53秒567と0.011秒の差で続く。

 残り11分、森山は52秒328と自己ベストを縮め、岡本が52秒560で2番手へ浮上。岡本も鈴鹿シリーズが主戦場だが鈴鹿以外の各シリーズ戦からピックアップされる「スーパーFJジャパンチャレンジ」も意識しており、第1戦/第2戦のスポーツランドSUGO戦で連勝して3年連続王者の目がある。3番手には卜部和久(MYST KK-SII)の52秒991で、53秒が切れない稲葉は4番手へドロップ。

 残り9分30秒、小松響(Okabe Rn-sports KKS2)が52秒759で3番手へ、トップ4台は鈴鹿からの遠征組で占められている。小松はさらにタイムを刻み52秒438で2番手へ浮上する。森山は残り7分で51秒814とひとり1分51秒台に入れてトップをキープ、さらにセカンドベストタイムでもトップの位置にいる。

 残り5分30秒、岡本が1分51秒577を叩き出してトップに立つが、セカンドベストでは森山が上にいる。また田上蒼竜(AsカンパニーZAP10VED)が52秒628で4番手に上がってくる。筑波富士シリーズともてぎSUGOシリーズの両方で現在首位に立っている田上は直近の筑波で連勝しておりこちらも好調さをキープしている。

 岡本はさらに51秒467までタイムを削り、森山が51秒639、小松が51秒865と続く。ここまでが1分51秒台で、稲葉が52秒322と田上を逆転、4番手に浮上する。

 残り1分、岡本はさらにタイムを詰めて1分51秒248としてポールポジションを確定。セカンドベストでも森山を上回りこちらもトップに立つ。森山~小松のタイムは変わらず、稲葉も52秒309まで縮めたが4番手で変わらず。ただし、セカンドベストでは52秒438の小松より52秒322の稲葉の方が速く、第5戦のスターティンググリッドは稲葉3番手、小松4番手となる。

 そして最後にタイムを上げたのがは卜部で52秒423と田上を追い落とし5番手へ。ただしセカンドベストでは田上の方が上で第5戦は田上5番手、卜部6番手でスタートする。

第4戦、第5戦とも予選2位は森山冬星(DIXCEL/ROYAL)

第4戦予選3位、第5戦予選4位は小松響(Okabe Rn-sports KKS2)

第4戦予選4位、第5戦予選3位は稲葉摩人(ZAP SPEED 10V ED)

第4戦予選5位、第6戦予選6位は卜部和久(MYST KK-SII)

第4戦予選6位、第5戦予選5位は田上蒼竜(AsカンパニーZAP ED)

■予選後のコメント

5号車・岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)
  第4戦 ポールポジション 1分51秒248
  第5戦 ポールポジション 1分51秒467

第4戦、第5戦ともポールポジションの岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)

 「(目標通りのタイム?)ポールが取れるとは全然思っていなかった。練習走行から遅いし、鈴鹿のレースからずっとストレートが悩まされていたので、このレースは4番手5番手からスリップ使って前に出ていくレースかなと思っていたのですけど。たまたま予選で、全周にわたっていいスリップ(ストリーム)が使えて、それでタイムが出せたのでトップになれたのですけど絶対、逃げ切りはないと思うので、レースしながらということになると思います。レースの展開と組み立て(が重要)になると思うので、ミスなくレースするしかないと思います。(富士でスーパーFJは初めて?)初めてです。ストレートも長いし、コーナーはいかにロスなく走るかということになってくるので、鈴鹿とセッティングも違うし、他のSUGOとかオートポリスとかとも違うあまりないタイプのサーキットだと思います。(決勝は前にいるのが有利とは限らない?)レースはぐちゃぐちゃになると思うので、何とかレースを組み立てて、レース勝ちしたいと思います」

56号車・森山冬星(DIXCEL/ROYAL)
  第4戦 2位 1分51秒639 トップとの差0.391秒
  第5戦 2位 1分51秒664 トップとの差0.197秒

第4戦、第5戦とも予選2位の森山冬星(DIXCEL/ROYAL)

 「(岡本選手と一騎討という感じの予選だった?)スリップが使えるのでこのタイムは狙えていたものだし、このベストタイムと他車にちょっとジャマされてちょっとしくじった部分もある。このまま決勝を勝てればいいと思っています。(先週の鈴鹿も勝って、調子いい?)今週も今年もずっと調子いいです(笑)。久々に富士に来たので去年(4位)のリベンジで、2レースとも優勝します」

15号車・小松響(Okabe Rn-sports KKS2)
  第4戦 3位 1分51秒865 トップとの差0.617秒
  第5戦 4位 1分52秒438 トップとの差0.971秒

第4戦予選3位、第5戦予選4位の小松響(Okabe Rn-sports KKS2)

 「(タイム的にはどうでした?)自分としては(良いのか良くないのか)よく分からなかったです(笑)。走りが決まったわけでもなく、ミスしたわけでもないので、ボチボチ走ったらこのタイムだった、という感じで、あまり手ごたえがなかったです。(その印象の割にはタイムが出ている感じ?)その通りです。タイム出ているなとは思っていましたが、51秒台に入るとまでは思っていなかったので、そう考えるとうまく行ったな、という感想です。年末の日本一決定戦に向けて練習の意味での参戦で、コースは昨日が初めてだった。中々時間のない中で、その中では筑波組にうまく割って入れたかな、と思います。鈴鹿ではダンゴになるレースはあまりないので、(スリップつかった)バトルの面ではまだちょっと自信ないので、そこはちょっと落ち着いて行きたいなと思います」

14号車・稲葉摩人(ZAP SPEED 10VED)
  第4戦 4位 1分52秒309 トップとの差1.061秒
  第5戦 3位 1分52秒322 トップとの差0.855秒

第4戦予選4位、第5戦予選3位の稲葉摩人(ZAP SPEED 10V ED)

 「ベストタイムが出た周も場所取りがあまりよくなくて(前に)詰まってしまった所があった。セクターベストが出ている時もあったけど、その後のセクションで詰まってしまった、というのがあって、その点やっぱり今ポールとセカンドにいる彼らは場所取りが巧かったので、そこで1本取られたな、と思います。スリップが効いてもその後詰まってしまったので、そこはちょっと改善の余地があったかな、と思います。(決勝は?)そういう事を考えればまだ1秒ぐらいは詰められると思うので、レースはついて行けると思います」

87号車・卜部和久(MYST KK-SII)
  第4戦 5位 1分52秒423 トップとの差1.175秒
  第5戦 6位 1分52秒791 トップとの差1.324秒

第4戦予選5位、第5戦予選6位の卜部和久(MYST KK-SII)

 「(走りは)うまくまとめられたのですけど、もうちょい、いい感じにスリップ使えたらもっとタイム出たと思います。(富士のスリップは効く?)もうめちゃくちゃ効いて1秒前後変わる時もある。僕はRD10Vの選手の後に付いたのですが、クルマの特性の違いで、ココは速いけどココは遅い、みたいな一長一短があって、そのせいで意外とうまくスリップにつけなくて、やっぱりKKS-2同士の同じ特性のクルマ同士の方が、うまく合わせられてスリップ使えたと思うので、そこはひとつ発見になりました。決勝に向けてはうまく集団についていきたいと思っています。レースは荒れると思うので、しっかり表彰台ねらって頑張ります」

13号車・田上蒼竜(AsカンパニーZAP10VED)
  第4戦 6位 1分52秒447 トップとの差1.189秒
  第5戦 5位 1分52秒628 トップとの差1.161秒

第4戦予選6位、第5戦予選5位の田上蒼竜(AsカンパニーZAP ED)

 「序盤が前に詰まりすぎて、ちょっと出る場所を失敗したな、と。そこでタイヤの美味しいところが終わってしまったので、もったいなかったな、と反省していました。スリップが1回も使えなくて、それでタイムが稼げなかったです。データ見ても最終コーナーからコントロールラインまででコンマ5秒くらい違っていて、そこで稲葉選手に逆転されてしまったので、場所取りが悪かったな、というのが課題です。ペース的には悪くないし、ここ(富士)はスリップ使えて、たぶん大バトルもするでしょうし、前から離れなければ絶対チャンスあると思うので、そこを活かしてまとめて行きたいです。去年も走っているがタイヤも季節も違うしあまり覚えていないです(笑)。昨日、一昨日とコンデションが悪くて雨だし風がすごくて、例えば100Rが昨日は向かい風で全開で曲がっていけたのに、今日は全然いけないとか、そういう部分をしっかりアジャストしながらいかないと。前にクルマがいるともっと(ダウンフォースが)効かなくなるので、そういうところもちゃんと合わせながら、頑張りたいと思います」

 第4戦決勝は11時5分スタート予定。6月としては猛暑の富士スピードウェイ。練習走行では雨が多く、高温のドライコンディションでのテストが不十分と各選手が言う状況でどんなレースが展開するか。上位を占める鈴鹿組にレギュラーが一矢報いることができるか、注目だ。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA


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