2020鈴鹿選手権シリーズ カートレース IN SUZUKAの最年少カテゴリー、カデットオープンクラスの第3戦が、真夏の鈴鹿サーキット国際南コースで開催された。全5戦で行なわれる2020シリーズは、ここが折り返し点。エントリーは26台と今回も盛況だ。空は快晴。まぶしい陽光に照らされたサーキットは、朝から厳しい暑さとなった。
公式予選(タイムトライアル)でトップタイムをマークしたのは、ジュニアカート選手権FP-Jr Cadetsクラスの東地域で2連勝中の酒井龍太郎(ミツサダ PWG RACING)だ。0.126差の2番手はポイントリーダーの中井悠斗(Team EMATY)。3番手には第2戦のウィナー城優輝(ERS with SACCESS)が続いた。
8周の予選ヒートでは、オープニングラップに4番グリッドからトップを奪った田邊琉揮(TAKAGI PLANNING)を、酒井が2周で抜き返して先頭に復帰。酒井はその後、激化する2番手争いにも乗じてリードを広げ、独走のトップゴールで決勝のポールを獲得した。
酒井の背後で展開されたセカンドグループの戦いは、田邊が中井を抑えて2位に。中井は3戦連続のポール獲得ならず3位。前戦2位の金子准也(ラムレーシング)が第3集団を抜け出し4位でゴールした。
決勝は12周。先頭でオープニングラップを終えたのは、2番グリッドの田邊だ。その真後ろに酒井が続いている。3・4番手に着けていた金子と中井は、2周目を迎えた1コーナーでスピン。これでレースは序盤から田邊と酒井のマッチレースとなった。
田邊の後ろでたびたびラインを変えながら様子をうかがっていた酒井は、レースが折り返し点を迎えた7周目にトップへ。すると、田邊がすぐに抜き返す。ここからトップ争いはしばらく静かな展開が続いたが、残り3周となったところからバトルが再燃。田邊と酒井は時に横並びでコーナーへ突っ込み、二転三転の熱戦を繰り広げる。
最後は酒井が最終ラップの3コーナーで先頭に立ち、田邊の鼻先で最終コーナーを立ち上がると早々にガッツポーズを披露して、鈴鹿選手権初優勝のチェッカーをくぐった。田邊は勝利こそ逃したが、自己最上位をひとつ更新する2位獲得だ。
優勝争いの後方では、城、秋枝璃空(サーティーズレーシング)、白石麗(HRS JAPAN)、白石庵(HRS JAPAN)、遠藤新太(AAA motor sports)の5台が一列に連なり、何度となくポジションを入れ替えあう熱いバトルを延々と展開。この戦いは、遠藤がラスト2周で集団の先頭に立って3位表彰台を手に入れた。4番手でゴールした白石麗には、コリドー違反でペナルティが。これで4位に秋枝が、5位に城が繰り上がった。
第3戦を終えてのシリーズランキングは、合計ポイントを47点に伸ばした城が首位に立った。スピンから挽回の中井は10位に留まるも、40点で2番手に。田邊は開幕戦に続く表彰台で3番手をキープしている。
- 酒井龍太郎のコメント
- 先週の本庄(ジュニア選手権)でも優勝できたので、2週続けて勝ってやるぞ、という気持ちでレースに臨みました。最初から2台で3番手以下をどんどん離すことができて、うれしかったです。レース中盤で前に出たのは、それで相手が抜き返しにくるかどうするかを確かめたかったから。そこからは、逃げるのは難しいと思って2番手をキープしました。最後のバトルでは、一気に抜いて勝負を着けてやろうと思って戦いました。
Photo: Y'sPHOTO(Yoshiaki YOKOTA)