全日本F3選手権第6戦は13日、富士スピードウェイで決勝を行い、総合でアレックス・パロウ(THREEBOND)がNクラスでDRAGON(B-Max Racing F306)が優勝した。
午前中の予選直後からさらに強さを増した雨は、午後から行われたサポートレース決勝のうち2レースをセーフティーカー先導のまま赤旗チェッカーという結果を強いたが、しかしその雨もF3のコースインが始まる頃には小雨となり、午後3時45分予定通りフォーメーションラップが始まった。
スタートはポールポジションのアレックス・パロウ(THREEBOND)がトップで1コーナーへ向かう。予選2位の坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)は出遅れ、2位には予選3位の高星明誠(B-MAX NDDP F3)が上がってきた。しかし3位に落ちた坪井はすかさずオープニングラップのダンロップコーナーでインから高星を差し2位にポジションを戻す。
この間、トップに立ったパロウは1周目に2位以下を2秒9離して戻ってくると、4周目には2位坪井との差を4秒2とさらに開く。
パロウのぶっちぎりでレースは進行すると思われたが、ここからパロウと坪井のラップタイムが拮抗し始める。
坪井は8周目にこのレースのファステストラップとなる1分50秒138を出すと3位の高星との差を開きながら、徐々にパロウに接近。9周目にその差を3秒4とすると10周目に周回遅れに詰まったパロウとの差を一気に2秒とし射程に捉えた。
14周目のストレートでパロウの背後に付いた坪井は1コーナーでインから並びかけるもここは抜けず、逆にリードを広げられてしまう。
最終15周目は出始めた霧と水しぶきで視界が悪くなる中、1コーナー手前で「ブレーキングをしたらパロウが見えたので前を突っ切ろうと思った」という坪井がパロウのマシンの横っ腹に追突。パロウは最小限のダメージでコースに復帰したが、坪井はコースに復帰するもフロントウイングを壊し万事休す。
手負いでペースの上がらない坪井はダンロップコーナー立ち上がりで高星にパスされ3位、さらに大津弘樹(TODA FIGHTEX)にも背後まで迫られるがなんとか押さえて3位でゴールに滑り込んだ。しかし、この1コーナーでの接触でペナルティー30秒を加算され8位まで順位を落とすこととなった。
優勝はパロウで、今季2勝目。2位に入った高星も再車検でインテークシステム制御違反が見つかり失格。大津が繰り上がり2位。3位にイェ・ホンリー(KRC with B-Max F315)。以下、阪口晴南(HFDP RACING F316)、宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)、ブルーノ・カルネイロ(AlbirexRT-WILSON)と続いた。
Nクラスはスタート時、前方で失速したマシンに行く手を阻まれたポールポジションのDRAGON(B-Max Racing F306)が順位を落とす中、トップに立ったのは植田正幸(Rn山下製作所F308)。しかし植田もコカコーラコーナーで前のマシンに詰まった隙に長谷川綾哉(Alb新潟第1ホテルSuger)にパスされ2位に落ちると、ヘアピンでは、DRAGONにかわされた際にイン側の水たまりに乗りスピンし、最後尾まで落ちてしまう。
その長谷川も3周目のコカコーラコーナーでスピンをし、トップをDRAGONに明け渡すこととなる。
トップに立ったDRAGONはその後も2位との差を広げ15周を走って今季3勝目。2位には長谷川が、3位には最後尾から追い上げた植田が入った。
第7戦決勝は明日14日、午前11時25分より21周で行われる。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Motorsports Forum