2021年FIA-F4選手権第3戦の決勝が8月21日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#6木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)が今季2勝目を挙げた。
(天候:雨 コース:ウェット)
スタート進行の最中に降り始めた小雨のため、第3戦決勝は当初予定時刻より10分遅れの午後1時35分にセーフティーカー(SC)の先導でスタートした。周回数は11だ。
この時点での路面はハーフウェットだったが、9番手スタートの#40元嶋成弥(SACCESS RACING)を除く上位11人がスリックタイヤを選択。元嶋はグリッド上でウェットに履き替えてレースをスタートした。
SCは2周目にピットイン。3周目から追い越しが可能となる。1コーナーにトップで飛び込んだのはポールポジションの#6木村偉織(HFDP/SRS/コチラレーシング)、2位は#35野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)とここまではスターティンググリッド通りだったが、130Rでアウトから予選3番手の#36荒川鱗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が#35野中をオーバーテイク、続いてシケインの進入で予選4番手の#7太田格之進(HFDP/SRS/コチラレーシング)もアウトから#35野中を抜き去り、それぞれ2位、3位に浮上する。
さらに#7太田は6周目の1コーナーで#36荒川のアウトに並びかけ、2コーナーの立ち上がりで前に出ると、一気にトップの#6木村に迫っていく。中盤から雨が強まってきた影響からか、#6木村のペースが上がらない。
その後方では予選5番手の#5小出峻(HFDP/SRS/コチラレーシング)が130Rでアウトから#35野中を、続くシケインの進入ではインから#36荒川を抜き去って3位に浮上、ここでHFDP勢が1-2-3の状態となる。
そして7周め。#7太田は130Rアウトから#6木村に並びかけてトップに躍り出た。木村も離されまいと懸命に食らいつくが、その背後には#5小出も迫ってきた。
しかしその後方でインディペンデントカップの#44今田信宏(JMS RACING with B-MAX)と#63鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)が接触。#63鳥羽がグラベルに捕まってしまったために再びSCが導入されることとなった。
車両回収ののち、レースはファイナルラップになってようやくリスタートとなる。その頃には雨も止み、路面は次第に乾いてきていた。
するとそれまで苦しい走りを強いられてきた#6木村が息を吹き返し、トップの#7太田を激しく攻め立てていった。ヘアピンでアウトから、続くスプーンでもアウトから並びかけてくる#6木村を巧みに押さえ込んだ#7太田だったが、#6木村はついに130Rで#7太田をアウトから抜き去ってトップを奪い返し、そのままフィニッシュラインに飛び込んだ。
2位は#7太田。#5小出が3位とHFDP勢が表彰台を独占する結果となった。
#6木村偉織の優勝は第1戦富士以来。今季2勝目だ。
またインディペンデントカップは予選でのコースオフで27番手スタートとなった#11ヒロボン(Rn-sports Andare)が見事な追い上げでクラストップに浮上しただけでなく、総合でも11位という圧倒的な速さを見せ、第7戦もてぎに続いて今季3勝目をものにしている。
FIA-F4選手権第4戦決勝は8月22日午前8時45分より11周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO