全日本F3選手権第12戦の決勝が8月21日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が序盤から一気にリードを広げ、昨日に続いて2連勝。今季通算4勝めを達成した。
Nクラスも予選トップの#78片山義章が今季6勝目を挙げた。
第12戦決勝は午前10時15分より20周で行われた。
ポールシッターのマーデンボローはうまくスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込むと、そのまま一気に2位#36山下健太(ZENT TOM’S F312)とのギャップを広げていく。
なんとかトップについて行こうとした山下だったが、スタートが思い通りに決まらず、グリップ不足にも悩まされてなかなかペースを上げることができなかった。
その結果マーデンボローは8.12秒もの大差をつけて20周のレースを制し、今週末2連勝を達成、通算勝利数を4としてチャンピオンシップでもさらにリードを広げることになった。
しかし山下も敗れたとはいえこれが4戦ぶりの表彰台であり、この結果が後半戦に向けてこれまでの悪い流れを断ち切るきっかけになったかもしれない。
こうしてワンサイドゲームに終わったトップ争いとは対照的に終盤まで白熱したのが3位争いだ。
オープニングラップでは何度も山下に並びかけていた#37坪井翔(ZENT TOM’S F314)のペースが中々上がらなかったことで、レース中盤には予選4位の#12牧野任祐が次第に坪井の背後に接近、さらには周回を重ねるごとに着実に順位を上げてきた9番手スタートの#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)もこの2台に追いつき、12周めには3台が団子状態となった。
そして15周め、満を持して牧野が90度コーナーで坪井のインに飛び込むと、坪井もギリギリの間合いで牧野を封じ込めにかかり、二人は併走のままセカンドアンダーブリッジを通過。最終コーナー手前でようやく牧野が前に出た。
続いて高星も16周めの1コーナーで坪井のインを突くが、縁石ギリギリで踏ん張った坪井に立ち上がりのラインを押さえ込まれてたまらずスピンアウト、一気に8位に後退してしまった。
こうして昨日に続いての表彰台を手にしたかに見えた牧野だったが、17周めのダウンヒルストレートでなんと自分の放った捨てバイザーがインダクションポッドの入り口を塞いでしまい、まさかのスローダウンを強いられてしまった。
この結果、坪井が3位を奪い返してそのままゴール。今季11度めの表彰台を獲得した。
Nクラスは予選トップの#78片山と同2位の#30DRAGON(B-MAX Racing F306)が揃ってスタートシグナルの間合いを読み誤って順位を落とす中、#5アレックス・ヤン(ALEX YANG Hanashima F306)が一時トップに浮上する。
しかし片山は3周めまでに2位まで挽回、次第にヤンとの差を詰めていくと、9周めのダウンヒルストレートでインからヤンをかわしてトップを奪い返し、そのままトップでチェッカーを受けた。
DRAGONも11周めの3コーナーでヤンをかわし、片山の背後に迫ったが、ファイナルラップで痛恨のコースオフ。このレースも2位で終えることとなった。
次戦の舞台はオートポリスの代替戦となる岡山国際サーキット。9月10-11日開催だ。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum