全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同・ルーキーテスト(1日目)が、12月10日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)がトップタイムをマークした。
2025シーズンが幕を閉じたばかりだが、恒例のシーズンオフのテストが3日間の予定で始まった。
このテストには例年、来季チームが起用するドライバーがドライブすることが多く、その意味でも注目されるが、チーム無限、ダンディライアン、トムス、ナカジマのトップ4チームは、2日目まではレギュラードライバーが乗ることになっている。
ホンダエンジンを搭載するチームは、来季に向け動きが少なそうだが、今回のテストでは、B-Maxの50号車をSFライツチャンピオンの野村勇斗が、ThreeBondの12号車を今シーズンB-Maxで走った小出峻がドライブする。
一方で、トヨタエンジン搭載チームは、かなり移籍がありそうだ。今回も、山下健太(KONDO→KCMG)、ザック・オサリバン(KONDO→IMPUL)、小林可夢偉(KCMG→TGMGP)、福住仁嶺(KCMG→ROOKIE)と、乗り換えが行われている。
また、今回のテストには話題性のある外国人ドライバーも参加している。筆頭は世界ラリー選手権を2度制しているカッレ、ロバンペラ(ROOKIE)だろう。また、元F1ドライバーを父に持つチャーリー・ブルツ(TEAM GOH)、F1経験のあるジャック・ドゥーハン(KONDO)などが、レギュラードライバーに伍してどこまでやるのか、興味は尽きなかった。
しかし、蓋を開けてみれば、午前、午後のセッションともにレギュラードライバーが上位を占めた。
両セッションでトップタイムをマークしたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。チームメイトの佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も4位、2位と好調で、ナカジマレーシングは最終戦の勢いを維持している感じだ。
ダンディライアンの二人、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も相変わらず安定した速さを見せており、移籍のなさそうなトップチームは来季も盤石だ。
今季で引退した大嶋和也の後を引き継いだ福住仁嶺(docomo business ROOKIE SF23)も5位、6位と、来季は上位の常連になりそうな気配だ。
また、今回のテストは1台のみの参加となっているIMPULから出走の、ザック・オサリバン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)も本来の速さを示し、低迷しているチームは来季に向けての手応えを感じているようだ。
そして、レギュラーに劣らない速さを見せたのが、SF初体験の野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)だ。順位こそ、12位、13位ではあったが、最初のセッションから光るものを感じさせた。
外国勢は、ロバンペラは午前は走行したもののアタックするまでには至らず、午後は体調不良で出走を取りやめた。ドゥーハンは午後のセッションの1時間経過したところでデグナーでクラッシュ。ブルツは、笹原右京が午前にマシンチェックをした後、午後にドライブしたが、20位に沈んだ。
テストは、明日も午前、午後に2時間15分ずつのセッションが予定されている。
Text: Shigeru KITAMICHI Photo: Atushi BESSHO



