2023年のオートバックス スーパーGTがついに開幕。第1戦「OKAYAMA GT 300km RACE」の公式練習が4月15日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われたが、雨の影響でコースアウトやスピンが相次ぐ大荒れの展開となった。
GT500のトップタイムは39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)で1分31秒164。しかし39号車はセッション中盤に大きなクラッシュに見舞われており、このあとの予選への出走が危ぶまれる状況だ。GT300クラスは7号車Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー)がトップで、タイムは1分37秒041だった。
公式練習は午前9時10分に走行開始。開幕の地、岡山は前夜からあいにくの雨。雨はコースオープン直前には一旦上がったものの、走行が始まると再び降り始め、どんどん勢いを増していく。そのため気温は12℃、路面温度は13.9℃という肌寒さだ。
序盤トップに立ったのは39号車の関口で、5周目に1分31秒914を記録。7周目には1分31秒164までタイムを縮めた。福住仁嶺(ARTA MUGEN NSX-GT)が2番手、笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)が3番手で続くが、宮田莉朋(au TOM'S GR Supra)が9周目に1分31秒336を叩き出して二人を上回り、2番手に浮上、千代勝正(Niterra MOTUL Z)も8周目に1分31秒431を記録して3番手につけた。
開始15分過ぎには16号車の福住が1コーナーでコースオフ。その数分後には平峰一貴(カルソニックIMPUL Z)もヘアピンでGT300車両と接触してスピン。続いてこの時点で2番手にいた36号車の宮田も1コーナーで止まりきれずにコースを飛び出したが、この3台はすぐにコースに復帰した。
しかし開始から30分が経過しようというところで、39号車の中山が1コーナーでスピンアウト。中山はすぐに走行を再開したものの、次の周のモスエスで再びスピン状態に陥ってバリアに激しく突っ込み、39号車は横転してしまった。中山は自力でクルマを降りたが、このクラッシュの影響で車両回収とバリアの修復のために赤旗が提示され、公式練習は中断されてしまった。
走行は午前10時10分に再開されたが、コースオープンから5分もたたないうちに大湯都史樹(ARTA MUGEN NSX-GT)が1コーナーでスピン。続いて石浦宏明(ZENT CERUMO GR Supra)、も1コーナーでコースオフ。松下信治(Astemo NSX-GT)も相次いでコースを飛び出すこととなった。
このため、競技団はここで2度目の赤旗を提示。すでに専有走行開始まで残り1分を切っていたが、この赤旗を持って公式練習を終了し、以降の専有走行は行わないとの決定を下した。
これによりGT500の順位は中断前と同じ39、36、3がトップ3となった。
GT300クラスはドイツツーリングカー選手権(DTM)で活躍したブルーノ・スペングラーが加入した7号車Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー)が1分37秒041でトップタイム。3月の岡山公式テストでも好調ぶりをみせた88号車JLOCランボルギーニGT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が1分37秒401で2番手につけ、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が1分37秒852で3番手という結果に。
富士の公式テストでクラッシュしてしまい、搬入直前まで修理に当たっていた25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/野中誠太)は修理後初の走行をクラス18番手の1分40秒738で終えている。
スーパーGT第1戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI