スーパー耐久シリーズ最終第6戦は15日、岡山国際サーキットでグループ1の決勝を行い、ST-Xクラスの星野敏/荒聖治/近藤翼組(D'station Porsche)今季初の総合優勝を飾った。
グループ1の決勝は午後1時45分から。午前中から降ったりやんだりしていた雨は、スタート時刻頃には本降りとなった。このためレースはセーフティーカー(SC)先導で始まり、3周終わりでSCがピットインして、4周目からレースはスタートした。
レースはポールシッター荒聖治(D'station Porsche)がリードして始まる。2位には予選順位通りに藤井誠暢(スリーボンド日産自動車大学校GT-R)が、3位には山内英輝(ENDLESS・ADVAN・GTR)が付ける。
トップの荒は2位藤井を4秒ほど離してレースは進行。3位の山内は上位2人に付いていけず徐々に遅れ始める。
荒はペースを上げ10秒ほど藤井を離した39周目にピットイン。星野敏にドライバーを交代。2位の藤井と3位の山内も40周終わりでピットインしそれぞれドライバーを内田優大とユーク・タニグチに交代する。
トップでバトンを受け継いだ星野敏は藤井の築いたリードをさらに広げ始める。2位内田と、3位タニグチのペースは上がらない。53周目にはスタートドライバーの植松忠雄(Y`s distraction GTNET GT-R)から交代し4位まで上がっていた星野一樹にタニグチが、54周目には内田がそれぞれパスされ3位と4位に落ちる。星野一樹は2位に上がった。
60周を回って内田は平峰一樹に、タニグチは元嶋佑弥にドライバーチェンジ。この間、最後尾スタートから順位を上げてきた永井宏明(ARN Ferrari 488 GT3)から交代した佐々木孝太が2位に浮上。星野は3位に落ちた。
61周目にはトップを走る星野敏は近藤翼に交代。かろうじて2位佐々木の前でピットアウトに成功。また、星野一樹も藤波清斗に交代し3位のままでピットアウトする。4位平峰、5位元嶋と続くが、2位の佐々木はあと1回のピット義務を残している。
75周目にはトップ近藤の背後まで迫っていた佐々木がピットインし再び永井にステアリングを託すと、2位に上がってきたのは37秒差で藤波、3位には平峰が、4位には元嶋をかわしてきたAfiq Yazid(CARGUY ROGER DUBUIS HURACAN GT3)が浮上。元嶋は5位、永井が6位で続く。
40秒ほどリードのある近藤は悠々とトップを独走。4位を走り勢いのあるYazidは84周目に平峰を捉え3位上がると、2位を走る藤波の背後に迫り、この2人は終盤を盛り上げるドックファイトを繰り広げる。
しかし93周目の1コーナーで藤波とYazidは接触。Yazidはピットに戻り、藤波も元嶋にパスされ3位に落ちた。
2位以下の混乱を尻目に近藤は独走。3時間・102周を走って星野敏/荒聖治/近藤翼組(D'station Porsche)が今季初優勝を飾った。
2位にはユーク・タニグチ/山内英輝/元嶋佑弥組(ENDLESS・ADVAN・GTR)が、3位には植松忠雄/星野一樹/藤波清斗組(Y`s distraction GTNET GT-R)が入った。5位に入った永井宏明/佐々木孝太組(ARN Ferrari 488 GT3)はシリーズチャンピオンを決めた。
ST-TCRクラスは伊藤真一/幸内秀憲/中野信治組(Modulo CIVIC TCR)が序盤からレースをリード。総合9位、96周を走り2位以下を大きく離して今季2勝目を飾った。2位にはフィリップ・デベサ/密山祥吾組(Racingline PERFORMANCE GOLF TCR)が、3位には田ヶ原章蔵/白坂卓也/竹田直人組(LIQUI MOLY RS3 LMS)が入った。石川京侍が昨日のクラッシュの影響で欠場しピットスタートとなった黒澤琢弥/加藤寛規組(Modulo CIVIC TCR)は完走して5位。今シーズンのチャンピオンを決めた。
1台のみ参加のST-1クラスは総合8位、97周を走った小川勝人/影山正美/富田竜一郎組(Nissoku Porsche991 GT3 Cup)が優勝した。
ST-2クラスは総合15位の冨桝朋広/菊地靖/大橋正澄組(新菱オート☆DIXCEL☆EVOⅩ)がポールトゥウインで今季2勝目。2位にはすでにチャンピオンを決めている大澤学/後藤比東至組(DAMD MOTUL ED WRX STI)が、3位には下垣和也/松本武士/近藤説秀組(RSオガワADVANランサー)が入った。
ST-3クラスも総合12位に入った手塚祐弥/前嶋秀司/鈴木陽組(ADVICS TRACY RC350 DPS)がポールトゥウインで今季2勝目。2位に入った嵯峨宏紀/中山雄一/山下健太組(DENSO Le Beausset RC350)が今シーズンのチャンピオンを決めたと思われたが、レース後の再車検で燃料タンクの最低地上高違反の裁定が下され失格。チャンピンは優勝した手塚祐弥/前嶋秀司/鈴木陽組が獲得した。2位には堀田誠/阪口良平組(muta Racing TWS IS350)が入った。
来シーズンのスーパー耐久シリーズは6月初めに富士スピードウェイで24時間の耐久レースが予定されている。ますますパワーアップする"エスタイ"に注目だ。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Keiichiro TAKESHITA
Hiroyuki MINAMI
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