'94全日本GT選手権 Rd.2 仙台ハイランド Date 6/11 6月11~12日 GT インサイド・レポート No. 5 for FMOTOR4 14.TRD鳩谷和春主査 噂のスープラGTを語る TRDで開発中のスープラGTは、3リッターの6気筒ターボエンジンに換えて4 気筒の3SGターボエンジンを搭載しています。 小型/軽量の3SGターボエンジンを少々大柄なスープラと組み合わせることによ って、重心位置を自由にアジャスト出来るようになるため、バランスの良いシャシー とすることが出来ます。 理論的には、ターボの方がNAよりもパワーでは劣りますが、ターボエンジンはト ルクが大きく、特性もかなり自由に設定出来るというメリットがあります。 しかも、代表的なトヨタの大排気量NAであるセルシオ用V8よりも、3SGター ボエンジンの場合は30キロ程度軽くマシンを仕立て上げることが出来ます。 小排気量のターボエンジンは過給圧を高く設定しなければなりませんが、小径のター ボの回転数に余裕のあるツインターボではなく、IMSAと同様にシングルターボで 開発しています。大径のシングルターボでも、サージングをうまくコントロールする ことで、良好なトルク特性を設定出来る自信が我々にはあります。3SGターボエン ジンは、グループCとIMSAで十分な開発が行われてきたトヨタの主力エンジンで あり、40基以上を現在はキープしております。 トヨタにはスープラよりも小型のMR2がありますが、MR2はその小さなサイズ が足科せとなっています。450馬力以上のGTマシンに見合ったクーリングを得る のが難しく、そのままのフェンダーでは28インチ径のタイヤは入りません。エンジ ンが横置きであるため、リア駆動であっても不等長のドライブシャフトの影響でトル クステアの問題も出ると考えられます。 これらの理由から、スープラGTのパッケージングは決定されました。 予定通りであるならば、6月23日にシェイクダウンを行って、8月の第3戦で実 戦にデビューすることとなります。 15.服部尚貴の仙台ハイランド攻略法 #14 CCIあめんぼうシルビアを駆るヤングドライバー、服部尚貴が超テクニカ ル・コースである仙台ハイランドレースウェイの攻略法を明かしてくれた。 彼が、予選で最も重視するのが第1コーナーから第4コーナーまでの短い直線を挟 んだ複合コーナー区間。単にここを速く走るのではなく、メインとバックの両ストレー トを生かす走りをしなくてはいけないと、彼は言う。時速230kmにもなるメインスト レートでのトップスピードを少しでも短い区間で減速、いかにスピードを殺さずスムー ズに複合コーナーを抜けて、脱出速度を上げ、バックストレートでマシンをスピード に乗せる。これが一番むずかしいのだ。彼が重視しているもう一つのポイントが、こ のコースでもっとも高いところにあるスプーンカーブだ。この複合コーナーは非常に 高速で、ここでタイムを稼ぐのが最も効率がいいらしい。 次に決勝レースでのパッシング・ポイントとして服部が狙っているのが、まずバッ クストレートあとのシケインの突っ込みだ。バックストレートで相手のスリップスト リームに入り、シケイン進入でインに鋭く切り込むのだと言う。そして次なるパスポ イントは、スプーンコーナーの進入。長い登りが終わり、微妙に曲がり込むこのコー ナーでライバルを捕らえると言う。 予選、決勝での観戦ポイントに、ぜひこれらのコーナーへ運んでみてはいかがだろう か。特に服部ファンには、絶対のお勧めだ。 16.ニスモ 夏以降に、ニスモがフェアレディ300ZXのGTマシンを(#10スカイラインに替えて)投入するという噂が流れているが、現時点では、まったくの噂に過ぎないようだ。少なくとも6月半ばの時点では、ニスモには300ZXは運び込まれていない。 提供:GTアソシエーション事務局 古屋 知幸 = MGG01235 =