2025オートバックス スーパーGT第7戦「オートポリスGT3時間レース」の公式予選が10月18日、大分県日田市のオートポリスで行われ、GT500クラスは3号車Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)がポールポジションを獲得。23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)が2位につけ、ニッサン勢がフロントローを独占する結果となった。
FIA-F4の暫定表彰が始まった頃からコース上には雨が降りタジメタため、公式予選はウェット宣言が出される中での走行となった。午後2時40分の開始時点の気温は21℃。路面温度は23℃にとどまる。
それでも予選Q1はGT300、GT500共にドライタイヤでのアタックが可能であったが、GT300クラスのグループAのQ1において61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がマシントラブルによりコース脇にストップ。この影響で路面にオイルが撒かれたため、グループB以降の走行予定が15分遅れることとなる。
予選Q1 大クラッシュからの復活!! 大草りきがトップタイム
GT500クラスのQ1は午後3時33分にコースオープン。走行時間は10分間だ。コース上は小雨がぱらついていたこともあり、路面コンディションの悪化を嫌って各チームとも序盤から相次いでコースイン、ドライタイヤで走れるうちにと早め早めのタイムアタックに取り掛かる。
開始直後に大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)が1コーナーでオーバーシュートするあわやの場面もあったが、大嶋はなんとかコースに復帰、アタックを開始した。
まずは大津弘樹(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16)が計測2周目に1分33秒581でトップに。大草りき(Modulo CIVIC TYPE R-GT)が1分33秒983でこれに続き、大嶋の14号車が1分35秒275で3番手につける。
大草は計測3周目にも区間ベストを更新しながらアタックを継続。1分32秒623でトップに立った。
石浦宏明(KeePer CERUMO GR Supra)も同様のハイペースで計測3周目にアタックを行うが、第3セクターに入ったところでまだウォームアップ中の関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)と笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)に行手を阻まれてアタックを中断、仕切り直しを余儀なくされる。
続いて三宅淳詞(Niterra MOTUL Z)が同じ計測3周目に1分32秒638で2番手につけ、阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)が計測4周目に1分32秒687で3番手に上がってきた。
結局、大草のタイムを上回るドライバーは現れず、64号車がトップでQ2進出を果たすことに。第6戦SUGOではGT300クラスのアクシデントに巻き込まれる形でクルマを大破させたModulo Nakajima Racingだったが、その状況から第7戦に修復を間に合わせチームとHRCの懸命の作業に、大草が結果で報いた格好だ。なお、ホンダ勢ではこれが唯一のQ2進出となった。
2位には3号車、19号車が3位となり、ポイントリーダーの山下健太(au TOM'S GR Supra)も7位、前戦優勝の松田次生(リアライズコーポレーションADVAN Z)も8位でQ2に駒を進めている。
予選Q2 佐々木大樹涙のPP獲得!!
GT300クラスのQ2終盤に大木一輝(GAINER TANAX Z)が11コーナーアウト側のバリアに激しく突っ込むクラッシュが発生した影響もあり、GT500クラスのQ2開始時刻はさらに遅れ、午後4時17分にようやくコースオープンとなった。
走行開始を待つ間にも雨脚は次第に強まり、路面は完全なウェットに。これを見た各チームはコースオープンを目前に各車慌ただしくウェットタイヤに履き替える事となった。
まずは福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra)が計測1周目に1分40秒560、2周目に1分39秒853と早めのアタックでタイムを削ってきた。
続いて大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)も計測2周目に1分40秒431、千代勝正(MOTUL AUTECH Z)も計測2周目に1分40秒216を記録。千代はさらに3周目にもアタックを継続し、1分39秒845までタイムを縮めるが、佐々木大樹(Niterra MOTUL Z)がさらにこれを上回る1分39秒460を記録してトップに浮上する。
結局これがこのセッションのトップタイムとなり、第7戦は3号車Niterra MOTUL Z(佐々木大樹/三宅淳詞)がポールポジションを獲得、23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/高星明誠)が2位につけ、NISMO勢がフロントローを独占する結果に。昨シーズンをGT300クラスで戦った佐々木にとっては2023年の第4戦富士以来、実に2年2ヶ月ぶりのポール獲得だ。パルクフェルメでクルマを降り、ポールポジションを獲得したと知らされた佐々木の目には光るものがあった。
予選3位には14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が23号車から僅か0.008秒差で続き、38号車KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が4位という結果となった。
一方、ポイントリーダーの1号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)はQ2の途中から2セット目のウェットタイヤを投入する作戦に出たが、残り3分ではタイムを更新することも叶わず、1セット目に記録した1分42秒158がベストタイムとなり、予選7位に。Q1トップの64号車Modulo CIVIC TYPE R-GT(伊沢拓也/大草りき)は計測2周目以降にタイムを更新できず、1分43秒961で8位に終わっている。
第7戦決勝は明日の午後1時10分スタート。第2戦富士以来2度目の3時間レースを行う。
Text:Kazuhisa SUEHIROPhoto: Kazuhiro NOINE



