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SGT:第6戦富士 立川祐路/平手晃平組 LEXUS SC430が今季初勝利! GT300クラスではトヨタ プリウスが2位表彰台獲得 (TOYOTA)

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「ホーム」富士で今季初勝利を挙げた立川祐路、平手晃平と
3位に入ったアンドレア・カルダレッリ、伊藤大輔

 SUPER GT第6戦「FUJI GT 300km RACE」が9月7日(土)、8日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催された。

 シーズン全8戦で争われるSUPER GTも既に5戦を終え、シリーズ戦は残すところ3戦と、後半戦に入った。しかし、タイトル争いは僅差となっている。

 LEXUS SC430勢では、脇阪寿一/石浦宏明組のDENSO KOBELCO SC430 39号車がランキング5位ながら首位とは僅か5点差。ランキング6位と7位に中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のPETRONAS TOM'S SC430 36号車、伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組のKeePer TOM'S SC430 37号車と、トムスの2台がやはり8点、13点差で続いている。

 次戦はウェイトハンデが獲得ポイント×1kg、最終戦はノーハンデとなるため、今大会は最大のウェイトハンデを搭載することとなる。2011年秋の富士大会でコンビ初優勝を挙げた立川祐路/平手晃平組のZENT CERUMO SC430 38号車は、今季第3戦以降不運が続き、ランキング11位と厳しい戦いを強いられているが、ライバルに比べ軽いウェイトハンデも活かし、タイトル争いに加わりたいところだ。

 富士でのSUPER GT開催はゴールデンウィークの大会に続き今季2回目。春の大会は500kmだったが、夏を締めくくる今大会は300kmで争われる。春の大会でLEXUS SC430がトップ4を独占するなど得意とする『ホーム』富士で、タイトル奪還へ向け勢いに乗るべく挑んだ。

◆予選◆

 午後2時、気温25度、路面温度33度という過ごしやすい気候の下、ノックアウト方式の予選Q1がスタート。上位8台がQ2へ進出する。

 15分のセッションで、残りが8分ほどとなったところで各車コースイン。チェッカーまで、次々にタイムが塗り替えられていくアタック合戦の中、残り1分を切ったところで、38号車の平手晃平が他車を引き離すタイムでトップに躍り出た。国本雄資が駆るENEOS SUSTINA SC430 6号車が3番手、伊藤大輔の37号車が5番手、ジェームス・ロシターの36号車が6番手でQ2へ進出。

 一方で74kgと重いウェイトハンデを負うDENSO KOBELCO SC430 39号車は、惜しくもコンマ2秒及ばず12番手。WedsSport ADVAN SC430 19号車が13番手で、この2台がQ1敗退となった。

 Q2でも38号車の速さはずば抜けており、立川祐路が2位にコンマ3秒近い差を付けてのポールポジションを獲得。立川はJGTC時代からの通算で、自身の持つポールポジション記録を塗り替える18回目、富士スピードウェイでは8回目のポールポジション獲得。

 2位以下は非常に僅差での争いとなったが、アンドレア・カルダレッリが好走を見せた37号車が今季最上位グリッドとなる2番手タイムをマーク。LEXUS SC430が最前列グリッドに並んで決勝レースをスタートすることとなった。

 2番手から7番手まで、6台がコンマ3秒以内に入るという激しい争いとなったQ2で、36号車は5番手、6号車が6番手につけ、3列目に並んだ。

 GT300クラスでは、春の大会で初優勝を飾ったPanasonic apr PRIUS GT 31号車がQ2へ進出し、9番手グリッドを獲得した。

◆決勝◆

 8日(日)、決勝レースを前にして行われたフリー走行は、セッション開始直前に雨に見舞われ、ウェットでの走行となったが、その後、雨は止み、午後2時の決勝レーススタートは完全なドライコンディションで迎えることとなった。

 しかし、空は雲が覆い、いつ雨が落ちてきても不思議はない、難レースを予感させる状況でスタートが切られた。  順当なスタートで、序盤、上位勢は予選順位のまま推移。首位を逃げる平手の38号車と2位の37号車は後続を着実に引き離して行った。

 しかし、19周目にストレート上でクラッシュが発生したため、セーフティカーが導入。これで38号車、37号車が築いた後続への大きなマージンは帳消しになってしまった。

 加えて、このセーフティカーランの間に、ドライバー交代が可能な周回数となったため、ピットオープンと共に、1台を除いた全車がピットへ。ピット作業で順位が入れ替わり、38号車が3位、37号車が5位、6号車が6位、39号車が8位、36号車が10位で25周目に再スタート。再スタート後、36号車はコースオフを喫し、39号車との接触もあり、2台は大きく順位を落としてしまった。

 立川へとドライバーを交代した38号車は前走車をパスするべくプッシュしたが、前をふさぐGT300クラス車両をかわしながらのバトルの中で、ライバルの先行を許しポジションダウン。37号車にもかわされ、一旦は5位に後退。

 まもなく雨がぱらつき始め、この後の展開に各チーム頭を悩ませることとなったが、結局レインタイヤに交換するほどには雨は降らず、全車スリックタイヤのまま走行を続行した。

 ペースを取り戻した38号車は追い上げを開始。33周目に37号車をかわすと、セーフティカーラン中にピットインしなかった車両のピットと、再スタートでのペナルティを受けた車両が後退したことで2位へとポジションアップ。予選時から圧倒的な速さを見せてきた38号車と立川の勢いは止まらず、42周目には、ついに首位を奪還した。

 その後、KEIHIN HSV-010 17号車の追い上げを受けた38号車だったが、立川は次々に現れる周回遅れのGT300車両をかわしながらも隙を見せず、逃げ切って見事今季初勝利のチェッカーを受けた。立川にとっては、JGTCシリーズからの通算でGT500クラス最多タイとなる15勝目。3位に37号車、4位に6号車が続き、LEXUS SC430は1-3-4フィニッシュを果たした。

 今大会の結果、シリーズタイトルは更に僅差の争いに。優勝した38号車の立川祐路/平手晃平がランキングでレクサス勢最上位へと浮上。順位は4位ながら、首位との差は僅か3ポイント。6位の37号車(6ポイント差)、8位の39号車(9ポイント差)、9位の36号車(12ポイント差)、10位の6号車(14ポイント差)も、十分に逆転可能なポイント差で残り2戦へ臨むこととなった。

 GT300クラスでは、9番手スタートのプリウス31号車が、セーフティカー導入時に好判断でピットイン。素早い作業によりポジションアップを果たし、2位でチェッカー。第2戦に続き今季2度目の表彰台を獲得した。

ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
 ここまで結果の出ないレースが続いて来たが、それでも我々の為に頑張ってくれたチームやTRD、レクサス陣営の皆に感謝している。優勝出来て本当に嬉しいし、この優勝でタイトル争いに生き残れたのは良かった。目標はチャンピオンを獲得することであり、まだ喜んではいられない。残り2戦も勝つつもりで頑張りたい。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
 いつもクルマはとても良いコンディションだったのにここまで結果が出ず、フラストレーションのたまるレースが続いていた。今回はウェイトハンデも軽いし、チームの皆と入念に準備をして今大会に照準を合わせて、やるしかないと言う気持ちで富士に臨んだ。それだけに、こういう形で終えられて本当に良かった。セーフティカーで自分の築いたマージンを失うことになったが、頑張ったので自分を誉めたいと思う。
KeePer TOM'S SC430 37号車 ドライバー 伊藤大輔:
 悔しい。しかし、着実に生き残ってポイントを稼ぎ、最低限のポイントは獲れたと思っている。良い仕事をしてあのポジションでコースに戻してくれたチームにも感謝している。途中、雨が降って来た時に立川選手と接触し、空力パーツを失って後半は苦しい戦いを強いられた。ここ数戦ポイントをしっかり獲ることでタイトル争いに残っているので、あと2戦を大事に戦っていきたい。
KeePer TOM'S SC430 37号車 ドライバー アンドレア・カルダレッリ:
 ポイントを獲得し、表彰台にも上ることが出来て良かった。ただ、セーフティカーで自分が築いたマージンがなくなったのは残念だった。38号車を捕えたかったが、スティントのことを考えると序盤はあまりプッシュ出来なかった。とはいえ、チームは今日もとても頑張ってくれたし、ポイント争いもタイトになって来て、我々にもチャンスがあるので、結果的にハッピーなレースだった。
Panasonic apr PRIUS GT 31号車 ドライバー 新田守男:
今日のレースは、セーフティカーが導入されたタイミングで、チームの判断でピットに入ったが、チームが素早い作業でコースに戻してくれたのが大きかった。セーフティカーランの間に、クラッチが切れない状況になり、交代した時にの再スタートが心配だったが、嵯峨選手がうまく対応してくれて、問題はなかった。後半のスティントも、コンディションの悪い中、嵯峨選手の頑張りで良い結果をもたらすことが出来た。
Panasonic apr PRIUS GT 31号車 ドライバー 嵯峨宏紀:
セーフティカーのタイミングと、チームの判断が抜群に良く、今日のレースはとても上手く行った。予選で下位に沈んではいたものの、チームの迅速なピット作業に助けられ、良いポジションでコースに戻ることが出来た。チームの皆にとても感謝している。残り2戦は勝つつもりで頑張る。
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