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SUPER GT第8戦鈴鹿決勝 ZENTセルモスープラが勝って王座を獲得!

051106_04スーパーGT第8戦SUZUKA GT 300KMの決勝が11月6日、雨の鈴鹿サーキットで行われ、GT500は#38ZENTセルモスープラ(立川祐路/高木虎之介組)が見事に優勝でシリーズタイトルを決めた。
GT300は#11JIM GAINER FERRARI DUNLOP(田中哲也/パオロ・モンティン組)が優勝し、ポイントリーダーの#30RECKLESS MR-S(佐々木孝太/山野哲也組)が3位に入ったため、佐々木/山野組がシリーズチャンピオンとなった。
(観客動員数:33,500人)

フリー走行が終了したあたりから降り始めた雨は、その後も降り続け、サポートレースはいずれもウェットコンディションで行われることとなった。
このため、GTの決勝スタート前のウォームアップランは15分に延長されることとなったが、雨によるコースコンディションの悪化は深刻で、このままスタートすれば危険である、と判断され、スタート5分前の時点でスタートディレイが宣告されることとなった。

結局、大会事務局は当初52周が予定されていた周回数を39周に減算し、セーフティーカースタートとする決定を下した。
ただし、最大運転時間は変更されなかったため、ドライバーは連続して35周もの走行可能となり、このことがレース戦略に大いに影響することとなった。

最初に動いたのは#1ザナヴィZ、#22モチュールZのニスモ勢。一人あたり必要最小限の周回数である4周を消化した時点で相次いでピットへ。セーフティーカーラン中にルーティンストップを済ませ、タイムロスを最小限に抑える目論見だ。
#100レイブリックNSX、#30レクリスMR-Sらも同様に4周目でのピットストップを敢行した。

しかしこの4周消化時点でセーフティーカーがピットイン。レースは5周目から追い越し可能となったが、ここで#18TAKATA NSXが最終コーナーで痛恨のスピン。折角の4位スタートを生かすことが出来なくなった。

続いて5周終了時点でトップ2の#38ZENT、#6エッソのスープラ勢が相次いでピットへ。
ここで#6エッソスープラが逆転に成功し、#38ZENTの前でピットアウトしていったものの、8周目のシケインで#6脇阪寿一はスピンを犯してしまい、再び#38立川が前に。
この時点でのトップは、ピットストップを引っ張る作戦に出た#37オープンインターフェーススープラの片岡龍也/山本左近組だ。ポイントリーダーの#8ARTA NSXがそれに続く。#37号車と同様の作戦を採ったランキング2位のチームメイト、#36号車は7周目のS字でコートニーがスピンをしてしまったものの、そこからハイペースで追い上げ、上位陣のピットストップなどにも助けられて#8号車の背後、3番手にまで迫ってきた。

早めのピット作業で追い上げるか、天候の変化を睨んでぎりぎりまで引っ張るか。
レース序盤の時点ではどちらにも可能性があるように思えたが、事態は16周を終えた時点で急変した。

スプーン立ち上がりでクラッシュした#111ARKTECH 968を排除し、ドライバーをメディカルセンターへ収容するため、ここで再びセーフティーカーが入ったのだ。
これにより、既にピットストップを済ませていたチームが抱えていたビハインドは瞬く間になくなっていき、コースに留まっていたチームのアドバンテージがなくなってしまった。
この時点で#36土屋/コートニー組のタイトル獲得の目は無くなったと言っていいだろう。

このSCランは20周目まで続いた。
この間に#8ARTAはピットストップを済ませ、被害を最小限にとどめようとしたが、あろうことか周回遅れとの接触を問われ、28周目にドライビングスルーのペナルティを食らう羽目に。
これで#8伊藤大輔は大きく順位を落とし、タイトル獲得は絶望的となった。

この時点でタイトル争いは#38ZENTスープラと、#1ザナヴィZに絞られたといえるだろう。
この2台は未だピットストップを済ませていない#36号車、#12号車に次ぐ3、4番手を走行しており、このままトップ2台がピットに入れば1位、2位に繰り上がることは確実だ。

まさにレース終盤はこの2台による熾烈な優勝争い、チャンピオン争いが繰り広げられることとなった。
#1リチャード・ライアンは#38立川との間にあった6秒もの差をじりじりと詰めていき、35周終了時点で3.7秒差としてきた。一方の立川はタイヤの消耗と相次いで現れる周回遅れの処理のために思うようにペースを上げられないでいる。

ファイナルラップを迎えて、両者の差は遂に1.4秒にまで縮まってきた。
なおも周回遅れに悩まされる立川との差を詰めてくるライアン。
セクター2を通過した時点で遂にその差は1秒を切り、コンマ7秒にまで迫ってきたが、ここで立川も最後の踏ん張りを見せ、なんとかライアンを抑え切ってトップでチェッカーを受け、今季3度目の勝利と、通算2回目のタイトルを手中に収めた。

051106_06GT300は、二度目のSCランの際に絶妙のタイミングでピットストップを済ませた#11フェラーリが、反対にピット出口で隊列の通過を待たされた#0EBBRO NSXとの間に大きなマージンを築くことに成功して見事に最後まで逃げ切り、今季初優勝を達成した。
更に、予選では相次ぐトラブルに苦しんだ#30レクリスが序盤にピットストップを済ませた好判断で3位に入り、#43ARTA Garaiyaがタイヤ交換のために2度目のピットストップを余儀なくされて8位に後退した為、クラスタイトルは#30佐々木/山野組のものとなった。

(Text:末廣和久 Photo:Keiichiro TAKESHITA)



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