Japanese F3

SKILL SPEED F3 REPORT 06/05

SPEEDMASTER SKILLSPEED INFORMATION

全日本F3選手権シリーズ第5戦
富士スピードウェイ
6月5日/土曜日
公式予選

『2列目から優勝を狙う』
伊藤大輔(スピードマスターF399ホンダ無限)
フリー走行3番手/予選4位

 快晴に恵まれた全日本F3選手権第5戦は、再び富士スピードウェイに戻っ
てきた。ペースに乗り切れず予選7番手、決勝7位という苦渋を味わったあの
第3戦から1ヶ月ぶりの富士、前戦美祢ラウンドで得た表彰台の勢いをそのま
まキープし、リベンジ気分で富士に乗り込んできたわけだ。ここ数戦トヨタ勢
の猛攻を受け厳しい戦いを強いられてきたが、前戦から今回までのインターバ
ルでマシンにモディファイパーツを加えその効果が注目された。

 今回は金曜日から走りはじめたのだが、午前4番手、午後2番手という結果
を残しまずまずの手応えを得ていた。加えた改造パーツの方向性も正しかった
ことも確認できた。タイム差もトップのフィリップ選手に対して1000分の
2秒差まで迫り、条件さえ揃えばポールポジションを狙える仕上がりを見せて
いたのだ。土曜日に入り、朝のフリー走行においてもスピードマスター
F399ホンダを操る伊藤大輔は、好調を維持していた。トップのビルタネン
選手から遅れることコンマ2秒だが、結果表で伊藤の前後のドライバーたちは
富士ならではのスリップストリームを利用してのタイム。伊藤自身はストレー
トラインスピード向上に有益なスリップストリームに頼らず単独走行で出した
タイムだ。ここは予選でベストなタイミングを見定めて、いっきに勝負を畳み
かけたいところだった。

 そうして迎えた公式予選。上位陣はセッションが開始して10分ほどしてか
らコースイン。その時点のトップタイムはマニング選手の1分27秒777。
そのマニング選手はさらにタイムを更新していくが、伊藤はコースイン3周目
に28秒フラットをマークして3番手に浮上しながらその差を詰めていく。5
周目、フィリップ選手の背後に迫りスリップストリームを活用したものの、ス
トレードエンドで思い通りのラインを走行することができず27秒998。今
ひとつタイムが伸ばすことができなかった。その後、チームではピットインさ
せ、残り5分でニュータイヤに履き替え最後のアタックに送り出した。

 懸命にアタックを繰り返す伊藤であったが、最後のひと絞りが出ない歯がゆ
い数分が続く。その間に巧みにスリップストリームのタイミングをつかんだ松
田選手がタイムを更新、3番手に浮上した。一方、伊藤は周囲にスリップスト
リームを有効に使えそうなマシンも現れず、最後のラップは単独での走行とな
ってしまった。渾身の力を振り絞ってアタックした伊藤だったが、タイムは
27秒942。わずかに更新したにすぎず4番手にとどまった。

 好調を維持しポールを取れる力があっただけに、4番手という結果は残念。
しかし、富士のレースでは2列目スタートのドライバーにとっても充分優勝を
狙えるチャンスがあることは知っている。だからこの結果には悲観してはいな
い。明日の決勝は、まさに空中戦の如く、激しいものとなるのは必至だが、チ
ャンスをつかんで連続表彰台、それも前戦よりひとつ上の段を露骨に狙ってい
く。

■公式予選結果(トップ10)
 1:D・マニング   1分27秒217 F399/トヨタ TOM'S
 2:S・フィリップ  1分27秒693 F399/無限  INGING
 3:松田 次生    1分27秒755 F399/無限  NAKAJIMA HONDA
 4:伊藤 大輔    1分27秒942 F399/無限  SPEEDMASTER SKILLSPEED
 5:R・ビルタネン  1分27秒994 F399/トヨタ TEAM 5 ZIGEN
 6:荒  聖治     1分28秒154 F399/トヨタ TOM'S
 7:谷川 達也    1分28秒163 F399/トヨタ PAL SPORT
 8:W・エブラヒム   1分28秒325 F399/無限  TODA RACING
 9:黒澤 治樹    1分28秒460 F399/無限  LIAN RACING TEAM
10:金石 年弘    1分28秒478 F399/無限  DOME CO LTD

伊藤大輔:「フィリップのスリップを使えた時、もらった! と思いました
が、ストレートエンドで少しマシンを寄せてきた。その結果、ブレーキングに
集中できずタイムをロスさせてしまった。マシンも午前の仕様と比較するとや
やオーバーステアが出ていて、理想のドライビングをすることができなかっ
た。なんとか自分を合わせて走ろうとベストを尽くしたんだけど、最後まで乗
りこなせなかった。自分としては今の仕様でスリップストリームを使わない限
りあれ以上のタイムは出せなかった。今回はポールにこだわっていただけに、
取れなかったのは残念だけど、前の富士の時は4列目スタートだったことを考
えると、大きな進歩。チームの努力でマシンの特性を変えて、戦闘力も上がっ
ている。予選では負けたけど、明日の決勝では充分チャンスがあるのでじっく
りと前の二人を料理できるよう頑張ります」

百田義弘チーム監督:「ややオーバーステア傾向になったのは意図通りのこと
で、決勝前にどうしても試してみたかったこと。この仕様で フィリップ選手
のスリップストリームを有効に使いきることができなかったのは残念でした。
富士に来る前に製作した対策パーツの狙いも外れておらず、伊藤もうまくその
新しい仕様のマシンを操ってくれている。4番手というポジションは富士では
まったく問題ない。今から午前の仕様でいくか、または午後のものでいくか伊
藤と話し合い決めます。どちらの仕様でいったとしても、明日は序盤戦から前
の2台に絡んでいくことができれば勝算あると、私は考えています」

深尾栄一チームマネージャー:「明日は熾烈な戦いとなるでしょうが、その中
で伊藤が最後までどんな戦いをしてくれるか楽しみですね。富士はシンプルな
レイアウト故に、その駆け引きがとても難しい。マシンの仕上がりもよく、伊
藤のテンションも高い。ここは伊藤にすべて託す、そんな気持ちで送り出した
い。現在、シリーズ4位ですが同ポイントで他に2名います。また、シリーズ
2番手との差も大きくないので、明日のレースでいっきにシリーズ上位に躍り
出たいですね」


Eiichi FUKAO/Skill Speed


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