SUPER GT

SGT:第3戦富士 TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が3位表彰台 (HONDA)

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TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が3位表彰台
RAYBRIG NSX(井出有治/細川慎弥組)が4位

2008年5月4日(日) 決勝 会場:富士スピードウェイ(4.563km) 天候:予選/曇り時々雨 決勝/曇り 気温:22℃(14:00現在) 路面温度:32℃(14:00現在) 決勝レース:110周(501.93km) コースコンディション:決勝/ドライ 観客:5万6900人(主催者発表)

 5月4日(日)、静岡県・富士スピードウェイにおいて、2008 オートバックス SUPER GT第3戦「FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが開催された。

 今シーズンのHonda NSX-GT勢は、開幕戦こそGT-Rの勢いに押されて苦戦を強いられたものの、第2戦岡山で好パフォーマンスを見せて各チームの士気も高まってきている。開幕時点では、マシンの基本重量がミッドシップハンデの重量を加えて1150kgとなっていたが、今回から10kg減らされて1140kgとなった。さらに、マシン開発においても空力の向上が図られたことにより、長いホームストレートを持つ高速コースの富士スピードウェイでの活躍に期待が高まった。

 5月3日(土)は、曇り空ながらも雨が時折り降る難しいコンディションでの公式予選となった。NSX-GT勢は予選1回目の上位10台で決勝グリッドが争われるスーパーラップに、4台が出場することとなった。前戦で3位表彰台を獲得した#1 ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組(ARTA NSX)は、天候が好転する中での路面状況の変化に対応しきれずに、惜しくも予選11番手となりスーパーラップに出場することはかなわなかった。

 予選2回目のスーパーラップは完全なドライコンディションで行われ、#18 道上龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が1分34秒941を記録して、今シーズン初のポールポジションを獲得した。4番手には#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)が入り、6番手に#100 井出有治/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)、#32 ロイック・デュバル/平中克幸組(EPSON NSX)は7番手からの決勝スタートとなった。

 4日(日)は、天候に恵まれた中で決勝レースを迎えることとなった。ゴールデンウィークにサーキットへ駆けつけた5万6900人のファンが見守る中、気温22℃、路面温度32℃、湿度14%というコンディションのもと、総勢42台(GT500クラス計16台)のマシンが14時にローリング・スタートを切った。

 ホールショットは、ポールポジションからスタートした#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手。4番手からスタートした#17 REAL NSXの金石年弘選手はポジションを1つ落として5位。続いて#100 RAYBRIG NSXの井出選手が6位に続く。

 5周目、井出選手が金石年弘選手をパスして5位に浮上。#32 EPSON NSXのL.デュバル選手は8位、#1 ARTA NSXのR.ファーマン選手は11位を走行する。トップを快走する小暮選手は2位に約2秒5の差をキープしてレースの主導権を握る。

 16周目、4位の#36 PETRONAS TOM'S SC430に対して果敢なアタックを繰り広げていた井出選手はバックマーカーをパスする隙をみつけてイン側に飛び込み、ポジションを上げた。

 22周目、約5秒までマージンを広げながらトップを走行していた#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手が300Rの先のダンロップ・コーナーで単独スピンを喫する。コースへと復帰したものの、トップと約5秒差の2位にポジションを下げる。27周目に#1 ARTA NSXがピットイン、29秒4のピット作業でR.ファーマン選手のままコースに復帰した。続いて32周終了時に2位の小暮選手がピットイン。こちらもドライバーは交代せずに多めの燃料補給とタイヤ交換を40.9秒で済ませてコースに復帰した。#17 REAL NSX、#100 RAYBRIG NSX、#32 EPSON NSXも1回目のピットインでドライバーは交代せずコースに復帰している。

 ほぼ全車が1回目のピットインを終えた42周目時点で、トップを走行するのは#38 ZENT CERUMO SC430、約9秒差の3位に#100 RAYBRIG NSXの井出選手が浮上。#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手は、ピットストップでの再スタート時に始動に手間取ったことにより、アウトラップでバックマーカーに引っかかってポジションを4位に落とした。さらに小暮選手はタイヤの内圧不適正によるハンドリング不調によりペースを上げられず、苦しい走りを強いられた。#32 EPSON NSXのL.デュバル選手は5位、#1 ARTA NSXのR.ファーマン選手は7位、#17 REAL NSXの金石年弘選手は11位を走行する。

 49周目あたりから、3位の井出選手が2位を走る#35 宝山 KRAFT SC430の背後に迫り、プレッシャーを与える。しかし、なかなか差を縮められないまま2秒弱のビハインドを抱えて、69周終了時に細川選手に交代した。 66周目にポジションを1つ落として5位となった#18 TAKATA童夢NSXの小暮選手も68周終了時に道上選手に交代している。

 2回目のピットインが終了した時点で、#38 ZENT CERUMO SC430がトップを走行。#100 RAYBRIG NSXの細川選手はピットインのタイミングで4位に下がったものの、#36 PETRONAS TOM'S SC430、#35 宝山 KRAFT SC430とともに激しい2位争いを繰り広げる。その背後に道上選手が迫り、レース終盤戦は気を抜けない様相を見せてきた。

 76周終了時に8位を走行していた#1 ARTA NSXの伊沢選手が緊急ピットイン。スピンによる駆動系のダメージにより無念のリタイアとなる。

 約2秒の差に4台が続く2位争いでは、86周目の最終コーナー手前で細川選手が#35 宝山 KRAFT SC430をパスして#100 RAYBRIG NSXが3位に浮上。さらに、2位を走る#36 PETRONAS TOM'S SC430に迫り、テール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げる。その後方では、道上選手が4位となった#35 宝山 KRAFT SC430の背後につける。細川選手は、ホームストレートで何度も#36 PETRONAS TOM'S SC430の真後ろにつけてスリップストリームに入るが、抜くことができない。粘り強く攻め続けていた細川選手は、98周目のホームストレートでついに並ぶと、1コーナーで前に出て2位に浮上してさらに引き離しにかかる。続いて道上選手も4位に浮上した。

 2位を走行していた細川選手だったが、残り5周となる106周目のヘアピンコーナーで単独スピンを喫してしまう。すぐにコースに復帰したが、道上選手の後方となる4位へとポジションを下げてしまう。これで3位に浮上した道上選手は、このままチェッカーフラッグを受けて#18 TAKATA童夢NSXが3位表彰台を獲得した。細川選手の#100 RAYBRIG NSXは悔しい4位。7位に#32 EPSON NSXの平中選手、10位に#17 REAL NSXの金石勝智選手が入って完走を果たした。優勝は、#38 ZENT CERUMO SC430だった。

コメント
白井裕|NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「今回、18号車が予選でポールポジションを獲得したことでNSX-GTの速さを証明することができました。ただし、決勝ではレースの流れを支配できなかったと思います。レース中に小さなミスが重なったことで、残念な結果に終わってしまいました。しかしながら厳しい状況の中、18号車が表彰台を獲得し、100号車の2人ががんばってくれたことは収穫といえます。また、NSX-GTの信頼性の向上が確認できたので、今回の結果をさらに分析して、第4戦セパンに臨みたいと思います。今後とも皆様のご声援をお願いします」
道上龍選手 (3位、#18 TAKATA童夢NSX)
 「開幕から2戦続けて昨年の速さを見せることができませんでしたが、セッティングの方向性を見直した結果、ポールポジションを取ることができました。決勝は気温が上がることを想定し、タイヤに厳しいレースになることは分かっていたのですが、思った以上に厳しい展開となりました。担当したスティントでは、4位争いをしていたときにストレートスピードで追い抜くことができず、ブレーキングで無理をしようとしてもタイヤの状態が厳しく、かなり苦労しました。最後は相手のミスを待って抜くことを考えました。表彰台を獲得できたことはうれしいですが、同じNSXの細川選手ががんばっていながら残念な結果に終わっていたので複雑な気持ちです。次戦も、それほどウエイトは積まれないですし、セパンでの事前テストも調子がよかったので、ポールポジションを取って優勝できるようにがんばりたいと思います」
小暮卓史選手(3位、#18 TAKATA童夢NSX)
 「予選は満足のいく仕事ができたと思います。でも、決勝ではトップを走行しながら自分のミスでリードを無くしてしまったので、とても悔しく思っています。1回目のピットインのあとの2セット目のタイヤは内圧が高すぎて、思ったようなペースで走ることができませんでした。この悔しさをバネに、次戦以降は全力で戦っていきたいと思います」

Text & Photo: HONDA



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