3月7日、8日の2日間、全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テストが鈴鹿サーキットで行われている。走行時間は両日とも2時間ずつ2セッション。開幕前の貴重なテストとなる。
セッション1(3月7日10時15分~12時20分)
気温が低かったため路面状況が回復するまで待機するチームが多いなか、TEAM GOHの2台、53号車・佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)と55号車・三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)は、セッション開始と同時にコースイン。3号車・山下健太(REALISE Corporation KONDO SF19)、7号車・小林可夢偉(Kid's com KCMG Cayman SF19)、64号車・山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)らが続く。
セッション開始15分を過ぎたあたりから各車が続々とコースイン。30分経過時点での順位は、19号車・関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)1分35秒819、37号車・宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)1分36秒219、38号車・坪井 翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)1分36秒604と、トヨタエンジン搭載車が上位につける。昨日の鈴鹿ファン感謝デーのアタックとは明らかに異なる雰囲気だ。
1時間経過。トップ2は変わらず。3位に20号車・平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が1分36秒327で上がり、インパル勢2台は好調そうだ。4位以下は、38号車・坪井、6号車・大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)、5号車・牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、12号車・福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)と続き、ホンダエンジン勢ではダンディライアン勢が安定した速さを見せている。
1時間15分を経過したところで、55号車・三宅がコースオフ。車両回収のために走行中断。これにより走行時間が5分延長された。
1時間22分経過、15号車笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が1分36秒664をマークして5位に浮上した。ホンダエンジン搭載車ではトップだ。
残り20分、ディフェンディングチャンピオンの1号車・野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)が1分35秒530と貫禄のトップタイム。53号車・佐藤も1分36秒442で5位に浮上。これを皮切りに、各車セッション終了間際のアタックモードに入った。
7号車・可夢偉1分35秒963、4号車・サッシャ・フェネストラズ(REALISE Corporation KONDO SF19)1分35秒707、5号車・牧野1分35秒868、6号車・大津1分35秒653、3号車・山下1分35秒878と続々と35秒台をマークして上位に食い込んでくるが、そんななか、最後の最後に38号車・坪井が、野尻のタイムを100分の6秒上回る1分35秒470を叩き出してセッション1を締めくくった。
Text: Shigeru KITAMICHIa
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
第1回公式合同テスト -RIJ- (2022/03/07) Official Testing 1 Weather:Cloudy Course:Dry
2022 SUPER FORMULA Official Testing 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 38 | 坪井 翔 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'35.470 | - | - | 218.971 |
| 2 | 1 | 野尻 智紀 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'35.530 | 0.060 | 0.060 | 218.834 |
| 3 | 6 | 大津 弘樹 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.653 | 0.183 | 0.123 | 218.552 |
| 4 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'35.707 | 0.237 | 0.054 | 218.429 |
| 5 | 19 | 関口 雄飛 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'35.819 | 0.349 | 0.112 | 218.174 |
| 6 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.868 | 0.398 | 0.049 | 218.062 |
| 7 | 3 | 山下 健太 | KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'35.878 | 0.408 | 0.010 | 218.040 |
| 8 | 7 | 小林 可夢偉 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'35.963 | 0.493 | 0.085 | 217.846 |
| 9 | 65 | 大湯 都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.969 | 0.499 | 0.006 | 217.833 |
| 10 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE Honda M-TEC HR-417E | 1'36.154 | 0.684 | 0.185 | 217.414 |
| 11 | 64 | 山本 尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.158 | 0.688 | 0.004 | 217.405 |
| 12 | 50 | 松下 信治 | B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'36.167 | 0.697 | 0.009 | 217.384 |
| 13 | 37 | 宮田 莉朋 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'36.219 | 0.749 | 0.052 | 217.267 |
| 14 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'36.253 | 0.783 | 0.034 | 217.190 |
| 15 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'36.279 | 0.809 | 0.026 | 217.131 |
| 16 | 20 | 平川 亮 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'36.327 | 0.857 | 0.048 | 217.023 |
| 17 | 53 | 佐藤 蓮 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'36.442 | 0.972 | 0.115 | 216.764 |
| 18 | 15 | 笹原 右京 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.664 | 1.194 | 0.222 | 216.267 |
| 19 | 39 | 阪口 晴南 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'36.759 | 1.289 | 0.095 | 216.054 |
| 20 | 18 | 国本 雄資 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'36.854 | 1.384 | 0.095 | 215.842 |
| 21 | 55 | 三宅 淳詞 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'37.335 | 1.865 | 0.481 | 214.776 |
鈴鹿60周年ファン感謝デーのもう一つの目玉、SUPER GTプレシーズンマッチの第2レースが3月6日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、昨日に続いて白熱のデッドヒートが展開された。
この日のプレシーズンマッチは午後3時30分に山本尚貴、関口雄飛のトークショーで始まり、3時45分にピットオープン。55分にフォーメーションを開始した。周回数はフルコース4周だ。
トヨタ勢は大嶋和也(No.14ENEOS X PRIME GR Supra)、国本雄資(No.19WedsSport ADVAN GR Supra)、ジュリアーノ・アレジ(No.36au TOM'S GR Supra)、石浦宏明(No.38ZENT CERUMO GR Supra)、中山雄一(No.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)。
ホンダ勢は福住仁嶺(No.8 ARTA NSX-GT)、笹原右京(No.16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)、塚越広大(No.17 Astemo NSX-GT)、伊沢拓也(No.64 Modulo NSX-GT)、牧野任祐(No.100 STANLEY NSX-GT)。
そしてニッサン勢は平峰一貴(No.12カルソニック IMPUL Z)、佐々木大樹(No.24リアライズコーポレーション ADVAN Z)がドライブを担当した。
ポールポジションは36号車、2番手に19号車とトヨタ勢が続き、7番手以降にホンダ勢、最後尾2台がニッサン勢というグリッドだ。
ホールショットはポールのアレジ。フェネストラズが2番手につける。後方からは平峰が着実に順位を上げ、8位でコントロールラインに戻ってきた。
2周目に入るとフェネストラズがトップに浮上。一気に後続を突き放しにかかり、2位アレジの背後には中山が迫る。
しかしさらにその後ろから16笹原が急接近。4周目の1コーナーで中山をかわして3位に浮上すると、立て続けにアレジをも抜き去ってフェネストラズを追い上げてきた。
そして笹原は最終コーナー立ち上がりで37号車に並びかけ、2台は並走状態でフィニッシュラインを通過。わずかに37号車が前だったように見えたが、デモレースということで計時が行われていないため、ここは同着としたいところだ。そういうことでご容赦願いたい。
2022年のオートバックス スーパーGTシリーズの開幕は4月16-17日。岡山国際サーキットで第1戦が300kmで行われる。それに先立ち、公式テストが来週12-13日に同じ岡山で予定されている。鈴鹿サーキットでは5月29日に第3戦決勝が300kmで、8月28日には第5戦決勝が450kmで行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デーを締めくくるイベントとして、名物となっている「永遠のライバル対決~60周年復活スペシャル~」の決勝が行われた。
元祖ライバル対決は、1970年代から20年に渡ってトップフォーミュラやグループCカーによる耐久レースで争い、今はチーム監督としてライバルの星野一義、中嶋悟の2人によるもの。
もうひとつは新・ライバル対決として、2000年前後のフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)、全日本GT(現スーパーGT)を盛り上げた本山哲、道上龍、脇阪寿一の3人によるもの。今も現役ドライバーとしてレースに参戦し、トップチームを率いる監督としても第一線で活躍している。
トークショーに続いて行われた決勝レースはGR86(ハチロク)を使用。昨日のN-ONEによる予選レースで決定したグリッドにより、新ライバル、元祖ライバルの順にスタート。東コース3周で行われた。
夕方になり冷えてきたサーキットでは、スタート前に雨が落ちてきたが、そんななか意外にも真面目に勝負が繰り広げられ、両対決ともに、スタートで前に出た脇坂、中嶋が逃げ切ってチェッカーを受けた。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの2回目が6日午後2時よりに三重県の鈴鹿サーキットで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。
午後の走行に参加するのは、朝の予選で上位10番手までに入ったドライバーだ。天候は曇り、気温7℃とは依然として低いものの、終始スリックタイヤでの走行となった。
最初に出走したのは予選10番手のジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)だ。2周のウォームアップ走行を念入りに行い、1分39秒360をマークした。
2番手は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で昨年中盤まで参戦が叶わなかったサッシャ・フェネストラズ(REALISE Corporation KONDO SF19)。慎重な走りで1分40秒126。今後行われる公式テストで徐々に感覚を取り戻してほしいところだ。
続いてフル参戦2年目の阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)。セクター1、セクター3でベストタイムを更新し、1分39秒125でこの時点でのトップに立つ。
大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はセクター2でベストを更新したが、それ以外がいまひとつ伸びず、1分39秒227でこの時点の2番手となった。
5番目に出走した宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)は全区間でベストを更新、1分37秒939を叩き出し、トップに躍り出た。
続いて国本雄資(Kid's com KCMG Elyse SF19)は1分38秒678で宮田に次ぐ2番手。
今季チームを移籍した福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)は手堅い走りで1分39秒446。
昨年圧倒的な強さでタイトルをものにした野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は1分39秒797と今回はいま一つのタイム。
予選2番手の大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)は1分39秒342で5番手。
予選トップのルーキー佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)はバックストレートで最高速を更新するも、最後のシケインで痛恨のスピン、惜しくもノータイム。
この結果、唯一の1分37秒台を叩き出した宮田が総合トップ、午前中のアタックでトップだった山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が総合2位、国本が総合3位となった。
全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月9-10日に富士スピードウェイで第1戦、第2戦を行い、鈴鹿サーキットでは同24日に第3戦を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
60周年記念ファン感謝デー -RIJ- (2022/03/06) ONE LAP ATTACK 2 Weather:Cloudy Course:Dry
2022 SUPER FORMULA 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 37 | 宮田 莉朋 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'37.939 | - | - | 213.451 |
| 2 | 18 | 国本 雄資 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'38.578 | 0.639 | 0.639 | 212.068 |
| 3 | 39 | 阪口 晴南 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'39.125 | 1.186 | 0.547 | 210.897 |
| 4 | 65 | 大湯 都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.227 | 1.288 | 0.102 | 210.681 |
| 5 | 6 | 大津 弘樹 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.342 | 1.403 | 0.115 | 210.437 |
| 6 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'39.360 | 1.421 | 0.018 | 210.399 |
| 7 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE Honda M-TEC HR-417E | 1'39.446 | 1.507 | 0.086 | 210.217 |
| 8 | 1 | 野尻 智紀 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'39.797 | 1.858 | 0.351 | 209.477 |
| 9 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'40.126 | 2.187 | 0.329 | 208.789 |
| 10 | 53 | 佐藤 蓮 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'53.323 | 15.384 | 13.197 | 184.474 |
鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの1回目が3月6日に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がトップタイムを記録した。
午前10時05分より行われた1回目の走行は、予選11番手以下の10人が対象だが、平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が出走しなかったため、9台での走行となった。ドライバー2周のウォームアップを行い、1周のタイムアタックに入る。
最初に出走した松下信治(BYOBUGAURA B-MAX SF19)はピットアウト直後の1コーナーでまさかのコースオフ。スピンターンを披露してコースに復帰した。タイムは1分39秒805。
続いて出走した坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)はコース幅を目一杯使う走りで1分39秒087。
関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)は持ち前のアグレッシブな走りで1分38秒304を叩き出した。
今季ついにレギュラーシートを射止めた笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)は1分39秒507。
ベテラン大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)は1分38秒842とまずまずのタイム。
小林可夢偉(Kid's com KCMG Cayman SF19)はセクター2、セクター3と関口を上回ったが、1分38秒440とわずかに及ばず。
ルーキーの三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)はウォームアップ2周目でトラブルが出たか、そのままアタックせずにピットに戻ってしまった。
3度の年間王者に輝く山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)はセクター1、セクター2とベストタイムを更新、貫禄の走りで1分38秒128を叩き出し、この時点でのトップへ。
最後に出走した牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)は1分38秒997と惜しくも5番手に終わった。
SF DRIVER'S 1LAP ATTACK2回目の走行は午後2時より行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
60周年記念ファン感謝デー -RIJ- (2022/03/06) ONE LAP ATTACK 1 Weather:Cloudy Course:Dry
2022 SUPER FORMULA 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 64 | 山本 尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'38.128 | - | - | 213.040 |
| 2 | 19 | 関口 雄飛 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'38.304 | 0.176 | 0.176 | 212.659 |
| 3 | 7 | 小林 可夢偉 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'38.440 | 0.312 | 0.136 | 212.365 |
| 4 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'38.842 | 0.714 | 0.402 | 211.501 |
| 5 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'38.997 | 0.869 | 0.155 | 211.170 |
| 6 | 38 | 坪井 翔 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'39.087 | 0.959 | 0.090 | 210.978 |
| 7 | 15 | 笹原 右京 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'39.507 | 1.379 | 0.420 | 210.088 |
| 8 | 50 | 松下 信治 | B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'39.805 | 1.677 | 0.298 | 209.460 |
| 9 | 55 | 三宅 淳詞 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'45.954 | 7.826 | 6.149 | 197.304 |
鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー注目のコンテンツ、SF DRIVER'S 1LAP ATTACKの予選が3月6日に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ルーキーの佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)が総合トップタイムを記録した。
今回は全20台をA、Bの2グループに分け、各10分間の走行で午前と午後の2回に分けて行われるワンラップアタックの出走順を決定する。AB総合の上位10位以内が午後、11位以下が午前のアタックだ。
Aグループに割り当てられたのは牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、小林可夢偉(Kid's com KCMG Cayman SF19)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF19)、笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)、平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、松下信治(BYOBUGAURA B-MAX SF19)、三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。
午前9時00分より9時10分までの走行は開始早々に小雨が降り始めたこと、路面温度が低いことなどから発熱の早いレインタイヤに履き替えるドライバー、そのままピットで待機するドライバーと判断が分かれることになった。
10分経過時点でのトップは山本で1分54秒536だったが、終了間際に牧野が1分53秒605を記録、それをアレジが上回り1分51秒818でトップに立つ。
しかし結局Aグループの走行でタイムを記録したのはこの3人の他に三宅と小林のみ。
他の5名はタイム計測できないままBグループの走行となった。
Bグループの走行は午前9時15分から25分まで。コースオープン時点ですでに雨は止んでおり、レインとスリックタイヤ入り乱れての走行となった。
まずはウェットタイヤの大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)が1分47秒474をマーク。続いて同じウェットタイヤの宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM’S SF19)が1分46秒685、国本雄資(Kid's com KCMG Elyse SF19)が1分46秒674を記録する。しかし路面が乾いてきたこともあり、大津はすぐにピットに戻ってスリックに履き替えた。
終盤に入ると、スリックタイヤで周回を重ねていたルーキーの佐藤蓮が1分45秒989を叩き出してトップに立った。佐藤はさらにアタックを続け、1分41秒626、1分39秒480と順調にタイムを上げて走行を終了、A、B両グループを通じてのトップで午後の1ラップアタックに臨むことになった。
2番手には終了間際に1分40秒580を記録した6大津が続き、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)が1分41秒229で3番手だった。
なお、このグループ9位のサッシャ・フェネストラズ(REALISE Corporation KONDO SF19)が1分50秒669。 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)はタイム計測できなかったため、Aグループトップのアレジは総合で10番手となり、Aグループの2位以下は全員午前のアタックに回ることになった。
SF DRIVER'S 1LAP ATTACK、11番手以下の走行は午前10時05分、トップ10の走行は午後2時より行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsprts Forum
■Aグループ
60周年記念ファン感謝デー -RIJ- (2022/03/06) A Group Qualifying Weather:Rain Course:Wet
2022 SUPER FORMULA 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'51.818 | - | - | 186.957 |
| 2 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'53.605 | 1.787 | 1.787 | 184.017 |
| 3 | 64 | 山本 尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'54.536 | 2.718 | 0.931 | 182.521 |
| 4 | 55 | 三宅 淳詞 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'59.463 | 7.645 | 4.927 | 174.993 |
| 5 | 7 | 小林 可夢偉 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 2'01.226 | 9.408 | 1.763 | 172.448 |
| - | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | no time | - | - | - |
| - | 15 | 笹原 右京 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | no time | - | - | - |
| - | 20 | 平川 亮 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | no time | - | - | - |
| - | 38 | 坪井 翔 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | no time | - | - | - |
| - | 50 | 松下 信治 | B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | no time | - | - | - |
■Bグループ
60周年記念ファン感謝デー -RIJ- (2022/03/06) B Group Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2022 SUPER FORMULA 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 53 | 佐藤 蓮 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'39.480 | - | - | 210.145 |
| 2 | 6 | 大津 弘樹 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'40.580 | 1.100 | 1.100 | 207.846 |
| 3 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE Honda M-TEC HR-417E | 1'41.229 | 1.749 | 0.649 | 206.514 |
| 4 | 1 | 野尻 智紀 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'41.996 | 2.516 | 0.767 | 204.961 |
| 5 | 18 | 国本 雄資 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'46.674 | 7.194 | 4.678 | 195.973 |
| 6 | 37 | 宮田 莉朋 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'46.685 | 7.205 | 0.011 | 195.953 |
| 7 | 65 | 大湯 都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'46.697 | 7.217 | 0.012 | 195.931 |
| 8 | 39 | 阪口 晴南 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'48.080 | 8.600 | 1.383 | 193.423 |
| 9 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'50.669 | 11.189 | 2.589 | 188.898 |
| - | 19 | 関口 雄飛 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | no time | - | - | - |
3月5日、6日の二日間にわたって三重県の鈴鹿サーキットで行われている「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」1日目の最後のイベントとしてスーパーフォーミュラのフリー走行が30分間で行われ、チームを移籍したばかりの大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)トップタイムを記録した。
フリー走行は当初予定より5分遅れの午後3時35分より30分間で行われた。この日の天候は曇り、路面はドライだ。なお今回は山下健太(KONDO RACING)が参加しなかったため、全21台中20台での走行となった。
大津は走り始めて3周目に1分37秒197を記録、これがそのままこのセッションのトップタイムとなった。すぐに大湯も1分37秒626を記録して大津に続く。開始から12分が経過したところで宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が1分37秒852を出して3番手に浮上したが、すぐに昨年王者の野尻智紀(TEAM MUGEN)がこれを上回る1分37秒806を出し、フリー走行はホンダエンジン勢の1-2-3という結果に。それでも宮田はトヨタエンジン勢最上位の4番手で走行を終えた。
またルーキーの佐藤蓮(TEAM GOH)もセッション中盤に1分38秒268を記録し、6番手につけた。もう一人のルーキー、三宅淳詞(TEAM GOH)も1分38秒723で11番手とまずまずの位置。昨年、一昨年とスポット参戦を続け、今季晴れてフルシーズン契約を獲得した笹原右京(TEAM MUGEN)は1分38秒519で8番手という結果になった。
明日6日は「DRIVERS 1LAP ATTACK」と題し、参加全ドライバーによる渾身の1ラップアタックが予定されている。午前9時からが計時予選、それに基づいた走行順で午前10時05分と午後2時00分の2回のアタックを行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーGTシリーズを運営するGTアソシエイション(GTA)は3月5日、各大会のレース距離が決定したことを発表した。
それによると今シーズンは開幕戦岡山(4月17日決勝)を始め5大会はは通常通り300kmレースとなるが、第2戦富士(5月4日決勝)、第4戦富士(8月7日決勝)、そして第5戦鈴鹿(8月28日決勝)の3大会が450kmレースで開催されることになった。
レース距離の延長は昨年行われたGTAの定例会見でも坂東正明代表が言及しており、それが実際に導入されることになったわけだが、5月と8月の富士は従来も500km、800kmでの開催実績があり、8月の鈴鹿はかつて鈴鹿1000kmとして開催されてきた。それが今回450kmというレースフォーマットに統一された格好だ。
2022シーズンのスケジュールとレースフォーマットは下記の通り。
第1戦岡山国際サーキット 4月16-17日 300km
第2戦富士スピードウェイ 5月3-4日 450km
第3戦鈴鹿サーキット 5月27-28日 300km
第4戦富士スピードウェイ 8月6-7日 450km
第5戦鈴鹿サーキット 8月27-28日 450km
第6戦スポーツランドSUGO 9月7-18日 300km
第7戦オートポリス 10月1-2日 300km
第8戦モビリティリゾートもてぎ 11月5-6日 300km
Text:Kazuhisa SUEHIRO
60周年記念ファン感謝デー -RIJ- (2022/03/05) Free Practice Weather:Cloudy Course:Dry
2022 SUPER FORMULA 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 6 | 大津 弘樹 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.197 | - | - | 215.081 |
| 2 | 65 | 大湯 都史樹 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.626 | 0.429 | 0.429 | 214.136 |
| 3 | 1 | 野尻 智紀 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'37.806 | 0.609 | 0.180 | 213.741 |
| 4 | 37 | 宮田 莉朋 | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'37.852 | 0.655 | 0.046 | 213.641 |
| 5 | 19 | 関口 雄飛 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'38.166 | 0.969 | 0.314 | 212.958 |
| 6 | 53 | 佐藤 蓮 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'38.268 | 1.071 | 0.102 | 212.737 |
| 7 | 20 | 平川 亮 | carenex TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'38.286 | 1.089 | 0.018 | 212.698 |
| 8 | 15 | 笹原 右京 | TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'38.519 | 1.322 | 0.233 | 212.195 |
| 9 | 50 | 松下 信治 | B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'38.557 | 1.360 | 0.038 | 212.113 |
| 10 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'38.583 | 1.386 | 0.026 | 212.057 |
| 11 | 55 | 三宅 淳詞 | TEAM GOH Honda M-TEC HR-417E | 1'38.723 | 1.526 | 0.140 | 211.756 |
| 12 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE Honda M-TEC HR-417E | 1'38.767 | 1.570 | 0.044 | 211.662 |
| 13 | 39 | 阪口 晴南 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'38.855 | 1.658 | 0.088 | 211.473 |
| 14 | 36 | ジュリアーノ・アレジ | Kuo VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'38.857 | 1.660 | 0.002 | 211.469 |
| 15 | 4 | サッシャ・フェネストラズ | KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'39.031 | 1.834 | 0.174 | 211.098 |
| 16 | 38 | 坪井 翔 | P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'39.170 | 1.973 | 0.139 | 210.802 |
| 17 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'39.188 | 1.991 | 0.018 | 210.763 |
| 18 | 18 | 国本 雄資 | KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'39.539 | 2.342 | 0.351 | 210.020 |
| 19 | 64 | 山本 尚貴 | TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'55.432 | 18.235 | 15.893 | 181.104 |
| - | 7 | 小林 可夢偉 | KCMG TOYOTA TRD 01F | no time | - | - | - |
「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」の行われている三重県の鈴鹿サーキットで3月5日、「SUPER GTプレシーズンマッチ」と題したデモレースが行われた。
このデモレースにはGT500クラスに参戦する全15台のうちの13台が参加し、午後2時05分より4周にわたって本番さながらのバトルを披露した。
ポールポジションからスタートしたのは昨年王者のNo.36au TOM'S GR Supra(坪井翔)。2番手にはNo.8ARTA NSX-GT(野尻智紀)がつけ、今年からニッサンZで参戦するNo.12カルソニック IMPUL Z(平峰一貴)が3番手だ。
平峰はスタートでフロントローの2台の間に割って入り、一気にトップに躍り出る。2番手には6番手からスタートしたNo.17Astemo NSX-GT(松下信治)がつけ、1周目には接戦を演じるが、次第に平峰が差を広げていき、そのままトップを快走してチェッカーを受けた。
その後方からは12番手スタートのNo.16Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(大湯都史樹)、同13番手のNo.64Modulo NSX-GT(伊沢拓也)が次第に順位を上げ、大湯が3位、伊沢が4位でチェッカーを受けた。
「SUPER GTプレシーズンマッチ」は明日6日も午後3時30分より行われる予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権を開催するニホンレースプロモーション(JRP)は3月5日、三重県の鈴鹿サーキットにて会見を開き、2022年を通じたフォーミュラカーの開発計画と、そこで使用される2台のテストカーを発表した。
今回の開発のポイントは①カーボンニュートラルの実現に向けた「素材」「タイヤ」「燃料」の実験、②ドライバーの力が最大限引き出せるエアロダイナミクスの改善、③エンターテインメントの魅力向上につながる車両開発の三つをテーマとして掲げている。
素材については、現在多くの部分で使用されている炭素繊維(カーボンファイバー)を、麻などの天然素材を活用したバイオコンポジット材に置き換えていく。会場には実際にバイオコンポジット材によって製造されたエンジンカバーが展示されていた。これらの使用により、同等の剛性と重量を確保しながらCO2を75%削減しうるという。今回素材開発を担当するBcomp社はスイスに拠点を置くベンチャー企業で、彼らの技術はマクラーレンF1チームのレーシングシートにも採用されている。スーパーフォーミュラでは今後段階的に使用範囲を拡大していく。
2023年以降のレーシングタイヤについては、引き続き横浜ゴムとのパートナーシップを継続していくことを2月17日に発表済みだが、この分野においても籾殻やアブラヤシなどの天然由来の配合材やリサイクル素材、再生可能原料を活用したレーシングタイヤの開発を共に進めていく。
また燃料はホンダ、トヨタの両自動車メーカーと綿密に連携し、「e-fuel」や「バイオfuel」といった複数のカーボンニュートラル燃料をテストし、今後の導入に向けて実験を重ねていく。同様にカーボンニュートラル燃料の導入に向けて準備を進めているGTアソシエイション(GTA)とも連絡を密に取り合っているという。
こうした環境への取り組みと併せて、スーパーフォーミュラが世界最高峰のドライバーズレースであるために、ドライバーの魅力を最大限引き出せるクルマ作りを進めていく。具体的にはエアロダイナミクスを見直すことで前車からの影響をより少なくし、オーバーテイクの可能性を増やしていくことで、バトルのしやすいクルマ、ファンが応援したくなるクルマ作りを目指す。そのために、SF19を供給しているダラーラと連携して、ボディワークやアンダーパネルの形状に手を入れていくとのことだ。
エンターテインメントの面では、1月31日に発表したデジタルプラットフォーム「SFgo」の導入に向け、車両側でも様々なテストを実施していく。「SFgo」はレースのオンボード映像や車両データ、無線音声などのあらゆる情報をオープンにし、ファンに新たな視聴環境を提供することを目指している。こうした情報を参戦する21台から収集し、すべてのサーキットで支障なくリアルタイム発信していくため、公募した300名の開発サポーターの声を反映しながら開発を進めていくという。
こうした様々な項目の開発を、今回発表した2台のテストカーを用いて、年間7回のスーパーフォーミュラ各大会の前後で実施していく。このテストでは、石浦宏明と塚越広大の二人がテストドライバーとして年間を通じて参加していくことも明らかになった。
第1回のテストは4月6-7日の両日、シリーズ第1-2戦が行われる富士スピードウェイで実施される。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキット開業60周年を記念して行われる「鈴鹿60周年ファン感謝デー」が3月5日、三重県の鈴鹿サーキットで始まった。従来は「鈴鹿モータースポーツファン感謝デー」として行われてきた恒例のイベントだが、昨年、一昨年は新型コロナウィルスの感染拡大の影響で中止となったこともあり、今回が3年ぶりの開催となった。
コース上での最初のイベントは「永遠のライバル対決~60周年復活スペシャル~」。午前9時10分より行われた。
2012年に「鈴鹿50周年ファン感謝デー」で初めて行われ、2018年までF1、スーパーフォーミュラ、スーパーGTとクルマを変えながら15回にわたって行われた星野一義と中嶋悟の因縁の対決。そして2019年の「モースポーフェス2019」では装いも新たに「新・永遠のライバル対決」として本山哲vs脇阪寿一vs道上龍の3人のバトルがスーパーGT500クラスマシンを用いて展開された。
そして今回は星野一義vs中嶋悟と本山哲vs脇阪寿一vs道上龍の二本立てという豪華ラインナップで5日に予選、6日に決勝というスケジュールだ。今日の予選はホンダN-ONEを用いて東コースで3周のレースを行い、その結果で明日の決勝グリッドが決定される。
星野vs中嶋対決はスタートでトップに立った星野を2周目の1コーナーで中嶋が大外から抜いていったが、3周目には星野が1コーナーでインをつき、トップを奪い返してそのままチェッカー。明日のポールポジションを獲得した。
鈴鹿開業当時は中学2年生だったという星野。「こりゃ勉強なんかしてる場合じゃない」と思ったそう。今回使われたN-ONEについては、日産チェリーで戦っていた当時を振り返りながら「昔のFFはアクセルを踏んだ途端にどこに飛んでいくか分からなかったけど、今はそういう癖もなく、FFって感じがしないね」とのこと。対する中嶋「明日に備えて力を温存した。まだ69なので70代の人を立てた」と余裕の表情だ。果たして明日の決勝でチャンピオンベルトを手にするのはどちらのドライバーか?
本山vs脇阪vs道上対決は東コースの各所で3ワイドになる激しいバトルが3周にわたって展開され、最終的に本山がトップでチェッカーを受けた。N-ONEオーナーズカップに参戦経験のある、ピエール北川アナウンサーのアドバイス通りに走ったのが功を奏したとのことだ。
「永遠のライバル対決〜60周年復活スペシャル〜」決勝は6日午後4時10分より、トヨタGR86を用いて行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
- 優勝 岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)
-
「冬星選手と2人になってから勝負をかけようと様子を見ていました。彼のリアがすごくきつそうで、後ろが追いついてきたので、まずいと思い先に行って逃げるために、早めにしかけました。逃げ切れて良かったです。タイヤには課題があります。みんなもそうだと思いますが、10周のレースでもまだこのタイヤを使い切れないところがあるので理解するまでは時間がかかると思います」
- 2位 冬星(DIXCEL/ROYAL/MYST)
-
「スタートは悪くなかったんですが、岡本選手が決まって抜かれてしまいました。ペースは良かったのですぐに抜き返せました。岡本選手もタイヤを温存してたので自分も3位以下との差を見ながら温存しました。岡本選手は速かったですが、いいデータは取れたのでチャンピオンを目指し、次からは全戦全勝で行きたいと思います」
- 3位 居附明利(SACCESS Racing ES)
-
「予選まではセッティングがぜんぜん決まってなかったんですが、決勝に向けて改善できました。最終ラップはエンジンをオーバーホールしたばかりなので、バックストレートでは抜けないと思ってスプーンで仕掛けました。でもバックストレートで負けました。セッティングも決まってきたので次は予選からポールを狙います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI
スーパーFJ地方選手権鈴鹿シリーズ第1戦は27日、鈴鹿クラブマンレース第1戦で決勝を行い、岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)が優勝、開幕戦を制した。
決勝は午後2時40分、24台が参加しフォーメーションラップが始まった。FJ予選終了時から天候は急変、風も強くなり一時は雨も落ちたが、午後から上空には再び青空が広がってきた。強いフォーローの風が1コーナーに向かって吹く。
スタート直後の1コーナーを制したのは予選2位の岡本。ポールポジション冬星(DIXCEL/ROYAL/MYST)のインからトップに立った。2位には冬星が付ける。
1周目、トップでコントロールラインに戻ってきた岡本だが、2周目に入った1コーナーでは冬星にトップを譲り2位に後退。3位には予選4位の卜部和久(MYST KK-SII)が、4位には予選5位の山本聖渚(MYST KK-S Ⅱ. Team Sena)が、5位には予選6位の居附明利(SACCESS Racing ES)が、6位には予選3位の大木一輝(M2 KK-SⅡ)が続く。
ここから3位以下を引き離しながら冬星と岡本のテールトゥノーズの争いが始まる。しかし、トップ冬星も岡本もタイヤを温存するため無理をせず、2台は接近戦のままレースは推移する。
このため、上位2人のペースが上がらず、4周目には3秒弱あった3位以下との差が徐々に縮まることとなった。
これを見て6周目に岡本が動く。シケインで冬星に並びかけた岡本がインから攻略し再びトップに立った。
トップに立った岡本はこのままタイヤマネジメントを行い、10周を走り初戦を制した。
予選6位からスタートした居附は決勝でのセッティングが決まり、3周目に5位、4周目に4位に上がる。7周目にはこのレースのファステストラップをたたき出し、8周目には前を走る大木が2コーナーで失速したため3位に上がり、冬星の背後0秒3まで迫ってきた。
ファイナルラップ、居附はスプーンで冬星をパスして2位に上がるが、立ち上がりで冬星に並びかけられ130Rでは再び3位に後退。結局、冬星が2位に、3位には居附が入った。
4位には大きく遅れて予選9位から岸本尚将(Tamayura Athle ABBEY KKSII)が、5位には痛恨の失速で後退した大木が、6位にはルーキー最上位の卜部が入った。
第2戦は4月10日、ここ鈴鹿サーキットの西コースで開催される。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
鈴鹿クラブマンレース第1戦 -RIJ- (2022/02/27) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2022 S-FJ鈴鹿シリーズ Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 8 | 岡本 大地 | FTK・レヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 22'29.717 | - | - |
| 2 | 56 | 冬星 | DIXCEL/ROYAL/MYST MYST KK-S2 | 10 | 22'31.134 | 1.417 | 1.417 |
| 3 | 39 | 居附 明利 | SACCESS Racing ES MYST KK-S2 | 10 | 22'31.231 | 1.514 | 0.097 |
| 4 | 51 | 岸本 尚将 | Tamayura Athle ABBEY KKSII MYST KK-S2 | 10 | 22'38.962 | 9.245 | 7.731 |
| 5 | 20 | 大木 一輝 | M2 KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 22'40.040 | 10.323 | 1.078 |
| 6 | 87 | 卜部 和久 | MYST KK-SII MYST KK-S2 | 10 | 22'41.462 | 11.745 | 1.422 |
| 7 | 55 | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆KKSII MYST KK-S2 | 10 | 22'41.834 | 12.117 | 0.372 |
| 8 | 34 | 清水 啓伸 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 10 | 22'42.549 | 12.832 | 0.715 |
| 9 | 12 | 小川 涼介 | M2 KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 22'48.801 | 19.084 | 6.252 |
| 10 | 1 | 元山 泰成 | Ecotech Racing MYST KK-S2 | 10 | 22'49.086 | 19.369 | 0.285 |
| 11 | 19 | 松田 大輝 | K-TACK MYST KK-SII MYST KK-S2 | 10 | 22'56.040 | 26.323 | 6.954 |
| 12 | 7 | 中平 凌央 | FTK・レヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 22'57.456 | 27.739 | 1.416 |
| 13 | 68 | 山本 聖渚 | MYST KK-S Ⅱ. Team Sena MYST KK-S2 | 10 | 22'58.038 | 28.321 | 0.582 |
| 14 | 69 | 鶴岡 秀麿 | MYST・ゼンカイレーシング・KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 22'58.528 | 28.811 | 0.490 |
| 15 | 21 | 太田 浩 | ミスト・セキグチ・制動屋 MYST KK-S2 | 10 | 22'59.089 | 29.372 | 0.561 |
| 16 | 24 | 碓井 ツヨシ | C.O.B-KART MYST KK-S2 | 10 | 23'14.161 | 44.444 | 15.072 |
| 17 | 60 | 前田 樹 | NAVY AUTO MYST KK-S2 | 10 | 23'14.550 | 44.833 | 0.389 |
| 18 | 10 | 小合 将司 | LOVCA teamNoel F.Tworks MYST KK-S2 | 10 | 23'15.069 | 45.352 | 0.519 |
| 19 | 9 | 上吹越 哲也 | FTK・レヴレーシング MYST KK-S2 | 10 | 23'22.016 | 52.299 | 6.947 |
| 20 | *61 | 高木 悠帆 | MYST KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 23'27.840 | 58.123 | 5.824 |
| 21 | 5 | 高橋 浩史 | BBK☆レヴレーシング MYST KK-S2 | 10 | 23'28.092 | 58.375 | 0.252 |
| 22 | 70 | 南部 和哉 | タイヤカスレプリKK-SII MYST KK-S2 | 10 | 23'28.428 | 58.711 | 0.336 |
| 23 | 71 | ハヤシ ヒロキ | ZENKAI RACING真不同MURB遊技闘速 MYST KK-S2 | 10 | 23'53.006 | 1'23.289 | 24.578 |
| 24 | 98 | 天谷 伶奈 | スキルスピード゙KKSⅡ MYST KK-S2 | 10 | 23'54.524 | 1'24.807 | 1.518 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 39 居附明利(SACCESS Racing ES) 2'14.192 (7/10) 155.786km/h
- CarNo. 61は、鈴鹿クラブマンレースシリーズ規則第61条1①(危険なドライブ行為)により、決勝結果に40秒を加算した。
スーパーFJ地方選手権鈴鹿シリーズ第1戦は27日、鈴鹿クラブマンレース第1戦で公式予選を行い、冬星(DIXCEL/ROYAL/MYST)がポールポジションを獲得した。
いよいよ今シーズンのスーパーFJ選手権が、他のシリーズ(もてぎ・SUGO、筑波・富士、オートポリス)に先駆けて鈴鹿シリーズが開幕した。
今シーズンから3年毎に行われる入札により、タイヤがヨコハマからダンロップに変更された。
出走は24名と開幕から多くのエントリーを集めた。うち7名がルーキーと参加者の新陳代謝も進んでいる。
予選は午前9時10分から。鈴鹿は快晴、風も無くようやく春めいた気候のなかで20分間のタイムアタックが行われた。
まずは3周目に1分13秒828で冬星がトップに立ち、2位には14秒062で大木一輝(M2 KK-SⅡ)が付ける。冬星は4周目に13秒774までタイムを縮め、中盤にはピットインして他のドライバーのタイムアタックを見守る。
ダンロップタイヤはヨコハマに比べ、ピークが短かく2~3周をウオームアップ、グリップのピークが訪れる3~5周目あたりでアタックをかけるのがよさそうだ。
早々にアタックを切り上げた冬星に対してゆっくりとコースインしたのは2年連続鈴鹿シリーズチャンピオンの岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)。「まだアタックラップではなかった」というもののいきなり13秒953を出し、冬星と大木の間に割って入った。
しかし、ここで1コーナーでコースアウトした車両があり、黄旗が提示される。この黄旗は予選終了まで解除されることは無く、岡本はアタックをできず。結局、冬星がうれしい初ポールポジションを決めることとなった。
2位には岡本が、3位には序盤のタイムで大木が入った。
4位にはルーキーで最上位に入った卜部和久(MYST KK-SII)が、5位にはこちらもルーキーの山本聖渚(MYST KK-S Ⅱ. Team Sena)が付け、6位には居附明利(SACCESS Racing ES)が続いた。
黄旗にアタックを阻まれたり、タイヤのマネジメントに苦労した選手もあり、上位陣のタイム差も大きく、全般的に消化不良で予選を終えたドライバーも多かったようだ。
決勝は本日午後2時40分より10周で行われる。新タイヤの特性をつかみ、セッティングが決まれば下位から上位に進出することも可能で、予断を許さない決勝になりそうだ。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
鈴鹿クラブマンレース第1戦 -RIJ- (2022/02/27) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2022 S-FJ鈴鹿シリーズ Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos |
№ |
Driver |
Car
Maker Model |
Time |
Behind |
Gap |
km/h |
| 1 |
56 |
冬星 |
DIXCEL/ROYAL/MYST
MYST KK-S2 |
2'13.774 |
- |
- |
156.273 |
| 2 |
8 |
岡本 大地 |
FTK・レヴレーシングガレージ
MYST KK-S2 |
2'13.953 |
0.179 |
0.179 |
156.064 |
| 3 |
20 |
大木 一輝 |
M2 KK-SⅡ
MYST KK-S2 |
2'14.062 |
0.288 |
0.109 |
155.937 |
| 4 |
87 |
卜部 和久 |
MYST KK-SII
MYST KK-S2 |
2'14.703 |
0.929 |
0.641 |
155.195 |
| 5 |
68 |
山本 聖渚 |
MYST KK-S Ⅱ. Team Sena
MYST KK-S2 |
2'14.706 |
0.932 |
0.003 |
155.191 |
| 6 |
39 |
居附 明利 |
SACCESS Racing ES
MYST KK-S2 |
2'14.715 |
0.941 |
0.009 |
155.181 |
| 7 |
61 |
高木 悠帆 |
MYST KK-SⅡ
MYST KK-S2 |
2'14.734 |
0.960 |
0.019 |
155.159 |
| 8 |
*34 |
清水 啓伸 |
Drago CORSE
MYST KK-S2 |
2'14.795 |
1.021 |
0.061 |
155.089 |
| 9 |
51 |
岸本 尚将 |
Tamayura Athle ABBEY KKSII
MYST KK-S2 |
2'15.007 |
1.233 |
0.212 |
154.845 |
| 10 |
12 |
小川 涼介 |
M2 KK-SⅡ
MYST KK-S2 |
2'15.098 |
1.324 |
0.091 |
154.741 |
| 11 |
55 |
板倉 慎哉 |
AMORE TOKYO☆表参道☆KKSII
MYST KK-S2 |
2'15.115 |
1.341 |
0.017 |
154.722 |
| 12 |
7 |
中平 凌央 |
FTK・レヴレーシングガレージ
MYST KK-S2 |
2'15.541 |
1.767 |
0.426 |
154.235 |
| 13 |
19 |
松田 大輝 |
K-TACK MYST KK-SII
MYST KK-S2 |
2'15.605 |
1.831 |
0.064 |
154.162 |
| 14 |
69 |
鶴岡 秀麿 |
MYST・ゼンカイレーシング・KKS-2
MYST KK-S2 |
2'16.224 |
2.450 |
0.619 |
153.462 |
| 15 |
1 |
元山 泰成 |
Ecotech Racing
MYST KK-S2 |
2'16.537 |
2.763 |
0.313 |
153.110 |
| 16 |
24 |
碓井 ツヨシ |
C.O.B-KART
MYST KK-S2 |
2'17.450 |
3.676 |
0.913 |
152.093 |
| 17 |
21 |
太田 浩 |
ミスト・セキグチ・制動屋
MYST KK-S2 |
2'17.696 |
3.922 |
0.246 |
151.821 |
| 18 |
10 |
小合 将司 |
LOVCA teamNoel F.Tworks
MYST KK-S2 |
2'17.747 |
3.973 |
0.051 |
151.765 |
| 19 |
70 |
南部 和哉 |
タイヤカスレプリKK-SII
MYST KK-S2 |
2'17.888 |
4.114 |
0.141 |
151.610 |
| 20 |
60 |
前田 樹 |
NAVY AUTO
MYST KK-S2 |
2'18.017 |
4.243 |
0.129 |
151.468 |
| 21 |
9 |
上吹越 哲也 |
FTK・レヴレーシング
MYST KK-S2 |
2'18.021 |
4.247 |
0.004 |
151.464 |
| 22 |
5 |
高橋 浩史 |
BBK☆レヴレーシング
MYST KK-S2 |
2'18.794 |
5.020 |
0.773 |
150.620 |
| 23 |
98 |
天谷 伶奈 |
スキルスピード゙KKSⅡ
MYST KK-S2 |
2'20.602 |
6.828 |
1.808 |
148.684 |
| 24 |
71 |
ハヤシ ヒロキ |
ZENKAI RACING真不同MURB遊技闘速
MYST KK-S2 |
2'21.188 |
7.414 |
0.586 |
148.066 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'54.108)予選通過 ---- |
- CarNo.34は、鈴鹿クラブマンレースシリーズ規則第58条1(黄旗中のスピン)により、予選結果より2グリッド降格とする。
今シーズンから全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するチーム・ゴウは、チーム監督に元ホンダF1マネージングディレクターの山本雅史氏を迎えることを発表した。ホンダF1の中心的な存在だった氏の手腕が、新たな舞台でどのように発揮されるのか注目だ。

また、すでに発表されているドライバーの佐藤蓮選手が、新たにレッドブル・ジュニアチームに登録され、レッドブルレーシングとホンダによるドライバー育成プログラムの一環として参戦することも発表された。これにより、佐藤選手がドライブする53号車はレッドブルカラーとなり、三宅淳詞選手がドライブする55号車は、チーム・ゴウカラーになる。


新体制での始動は、3月5~6日に鈴鹿サーキットで開催される「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」となるが、SF参戦ドライバーによるワンラップアタックも予定されており、ここでの走りにも注目だ。
新規参戦、ルーキードライバー2人の起用、山本氏の監督就任と、参戦初年度から話題満載のチーム・ゴウが、今後シリーズをどのように盛り上げるのか楽しみだ。
Text: Shigeru KITAMICHI

株式会社日本レースプロモーション(JRP)と横浜ゴム株式会社は17日、来年2023年以降のスーパーフォーミュラ(SF)へのタイヤ供給について発表した。
横浜ゴムは2016年から日本国内のトップフォーミュラであるSFへのタイヤ供給に復帰。今年で7シーズン目を迎える。今回、さらに23年以降の供給継続を発表した。
また今シーズンからJRPが推し進める「SUPER FORMULA NEXT50」プロジェクトに呼応し、持続可能なモータースポーツ業界づくりに向けて、横浜ゴムがこれまで培ってきたノウハウを活かし、⾃然由来の配合剤や再利⽤サスティナブル素材を活⽤したレーシングタイヤの開発を共に進めることも併せて表明した。
今後、どのような素材、スペックのSF用レーシングタイヤが供給されるのか、JRPと横浜ゴムの挑戦に期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHI
Image: The Yokohama Rubber Co., Ltd.
昨年チーム結成2年目にして、スーパーFJ茂木・菅生シリーズのチャンピオンドライバーを輩出した、里見乃亜代表率いるRiNoA Racing project「群馬トヨペットTeamRiNoA」が今シーズンの参戦体制を発表した。
同チームはカート出身の内田涼風(うちだすずかぜ)選手を起用し今年もスーパーFJ茂木・菅生シリーズに参戦、そして12月には富士スピードウェイで開催される「スーパーFJ日本一決定戦」出場も予定する。
昨年はシリーズ6戦中5戦に参戦して全てポールポジションを獲得、4勝と2位一回とほぼシリーズを制圧した感があり、ルーキーを起用しての戦いに注目が集まる。
以下、チームリリース。

RiNoA Racing project『群馬トヨペットTeamRiNoA』は2022年シーズンは昨年と同じくS-FJ茂木・菅生シリーズと日本一決定戦に出場致します。
昨シーズンは出場レース全戦ポールポジションの快挙を達成。そして5戦中4勝の強さでチーム発足2年の最短でシリーズチャンピオンを獲得する事が出来ました。
2022年度も新たにレーシングカートからのステップアップドライバーであるルーキーの内田涼風を起用し連続チャンピオン目指します。
本年度も皆様のご支援・ご声援宜しくお願い致します。
- ドライバー 内田 涼風
-
今シーズンRiNoA Racing Project から茂木菅生シリーズに参戦します。まだまだ開幕までに課題が山積みですが1つずつクリアしていき、1シーズンを勝ち抜くつもりで走ります。応援よろしくお願いします!
- チーム監督 里見 乃亜
-
2022年シーズンは昨年からの練習生でもあるドライバーを今シーズンの正ドライバーに昇格しての参戦となります。昨年のチャンピオンチームとしてより一層気を引き締めて連続チャンピオン目指して努めて参ります。2022年も応援宜しくお願い致します。
| 参戦クラス | Super FJ |
| エントラント名 | RiNoA Racing project |
| チーム代表 | 里見 乃亜 |
| 車両名称群馬トヨペット | Team RiNoA |
| カーナンバー | 81 |
| 車両メンテナンス | NRS |
| 使用オイル | Moty’s |
| ドライバー | 内田 涼風 |
| メインスポンサー | 群馬トヨペット株式会社 |
RiNoA Racing project

スーパーGT300クラスに参戦をしているアルナージュレーシングが11日、今シーズン2022年の参戦体制を発表した。
加納政樹は今シーズンも参戦を継続、チームを離れた柳田真孝に代わり昨年ムータレーシングインギングでエボーラMCをドライブした阪口良平が加入した。また、第3ドライバーには2020年に在籍していた山下亮生が復帰した。
また昨年までのマシンMercedes AMG GT3は、R'Qsモータースポーツが使用することになったため、マシンもMC86に変更して参戦する。
- 車両 MC 86
- チーム名:Arnage Racing(アルナージュレーシング)
- タイヤ:YOKOHAMA TYRE
- メインスポンサー:ハウスコンサルタント フィールド・セリオス
- ドライバー:加納政樹 阪口良平 山下亮生
- 監督:松浦佑亮
- エンジニア:松山靖
Arnage Racing
今シーズンから新たに全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するチームゴウだが、2人目のドライバーとして三宅淳詞を起用することが発表された。

三宅は、昨シーズン全日本フォーミュラ・ライツ選手権を戦いシリーズ4位。昨年末、鈴鹿サーキットで行われたルーキーテストでは、トヨタエンジンを搭載するKCMGから参加しており意外性のある発表になった。しかし、ルーキーテストでは安定した速さを見せており関係者の評価は高かったようだ。
これで、すでに発表されている佐藤蓮と2人のルーキーで戦うことになったチームゴウだが、新規参入とはいえ、昨年の無限チームとのジョイントである程度の経験とデータは持ち合わせている。他チームの顔ぶれが大きく変わらないなかでは、注目される存在になりそうだ。
Text: Shigeru KITAMICHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権は6日、ホンダレーシングサンクスデー2021-2022にて、ショーランを行った。
今シーズン同シリーズに参戦する各チームより、ドコモチームダンディライアンレーシングからは牧野任祐が、スリーボンドドラゴコルセからは福住仁嶺が、B-MAXレーシングチームからは松下信治が、TCSナカジマレーシングからは山本尚貴の4台が走行した。
走行後には、同シリーズに出走する全選手がスタンド前に並び、今シーズンの活躍を観客に約束した。
今シーズンは富士スピードウェイで開幕。4月9日に第1戦が、10日に第2戦が行われる。



Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
Honda Racing サンクスデーの行われている鈴鹿サーキットで、今シーズンは新たに福住仁嶺選手を迎えスーパーフォーミュラ選手権を戦うThreeBond DragoCORSEの道上龍監督に聞いた。

---福住選手が移籍することになった経緯を聞かせてください
「今年インディシリーズに参戦することになったタチアナ・カルデロン選手とは昨シーズンで契約が終わりました。チームとしてはさらに上を目指そうと考え、外国人ドライバーの起用も考えましたが、やはりコロナ禍で難しい。それなら日本人のホンダ系ドライバーということになり、ホンダとも相談をして福住選手の起用が決まりました。本人もうちへ来ることを希望してくれたようです」
---今シーズンの目標を聞かせてください
「福住選手は間違いなくトップドライバーですが、福住選手が来たからといって、今のスーパーフォーミュラはすぐに勝てるカテゴリーではないというのはよく分かっています。そのあたりはスポンサーも理解をしてくれています」
「チームとしても福住選手が乗ることで、良いリザルトを期待していますが、同時に、チームとしてもレベルアップをしなければならないという緊張感はあります」
「今年は予選方式が変わりましたが、常にQ2進出と決勝でのポイント獲得、そしてまずは表彰台を狙いたいと思っています」
まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

ホンダファンにに向けたホンダレーシングサンクスデー2021-2022が6日、快晴の鈴鹿サーキットで開幕した。このイベントは毎年、シーズン終了後にツインリンクもてぎ(現、モビリティリゾートもてぎ)で行われていたが、一昨年はコロナ禍のため中止、2年3ヶ月ぶりに鈴鹿サーキットに舞台を移し開催された。
開幕セレモニーは午前10時55分より行われた。2輪からは地元四日市出身で全日本トライアル選手権チャンピオンの小川友幸が、4輪からは全日本スーパーフォーミュラ選手権チャンピオンの野尻智紀がファンに向けて挨拶を行った。
この後、4輪関係ではN-ONEオーナーズカップスペシャルレース、スーパーフォーミュラショーラン、スーパGTショーランなどが行われる。

Text: Yosninori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
Honda Racing サンクスデーの行われている鈴鹿サーキットで、今シーズンも松下信治選手を擁してスーパーフォーミュラ選手権を戦うB-Maxレーシングチーム、本山哲監督に聞いた。

---今シーズンの展望を聞かせてください
「チームとしては確実に進歩していることを実感しています。クルマの速さもありますし、トップチームと遜色ないレベルにあります。あとはドライバーが優勝に導くだけという感じです。ノブ(松下選手)ももちろん速さはありますし、もう勝つ一歩手前というところまではきています」
---今シーズン優勝できる確率はどのくらいですか
「優勝の確率は6割から7割はあると思っています。シーズンの早い段階で勝てれば2勝目もいけると思います。ノブと田坂エンジニアのコンビも昨年に引き続きですが、田坂さんはクルマの素性を生かしたセッティングをするという印象を持っています。そのためコンディションの変化にも確実に対応できます」
---B-Maxはどんなチームですか
「組田代表も田坂さんも自分も感覚派ですから、一人くらいは理論派がいてもいいと思います(笑)。感覚と情熱で突き進むチームでしょうか(笑)。でも、直感というのは意外に合っていることが多いです」
(組田代表補足)「直感とは言いますが、本山さんも田坂さんも実績に裏付けられたものですから、正しい判断と思います」
まとめ: Shigeru KITAMICHI
1月31日、スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は、2022年シリーズの開催概要を発表した。
1大会2レース制の導入などレースフォーマットの変更だけでなく、デジタルコンテンツの配信、開催サーキットでのイベント、ファンシートの設置など、シリーズを盛り上げるための新たな試みが目白押しだ。

■1大会2レース制の導入(一部)
開幕戦の富士大会、もてぎ大会、最終戦鈴鹿大会の3大会は2レース制に。この結果2022年のスケジュールは7大会全10戦となる。
- 4/9-10 第1,2戦富士スピードウェイ
- 4/23-24 第3戦鈴鹿サーキット(2輪併催)
- 5/21-22 第4戦オートポリス(2輪併催)
- 6/18-19 第5戦スポーツランドSUGO
- 7/16-17 第6戦富士スピードウェイ
- 8/20-21 第7,8戦モビリティリゾートもてぎ
- 10/29-30 第9,10戦鈴鹿サーキット
※レースウィークのスケジュールは次のとおり。
- 1大会1レースの場合:土曜日:フリー走行、予選/日曜日:決勝
- 1大会2レースの場合:金曜日:専有走行/土曜日:第1レース予選、決勝/日曜日:第2レース予選、決勝。
※決勝レースはすべて14時30分スタート。
※ノックアウト予選方式は変わらないが、従来のQ1,Q2,Q3方式からQ2までのシンプルな形に。
※シリーズポイントは1大会1レース、2レースにかかわらずフルポイント。有効ポイント制は採用しない。
■デジタルプラットフォーム「SFgo」(エスエフゴー)の提供
全ドライバーの車載映像に加え、各種データ(ギア、車速、エンジン回転数、燃料状況、タイヤ温度など)、ドライバー無線などがライブ配信されるデジタルコンテンツ(有料)を提供する。2022年は限定公開。2023年から本格運用。
2022年はファン300名を開発サポーターとして募集。(詳細は下記へ)
https://superformula.net/sf2/headline/33770
■開催サーキットでのファンサービス
- 各開催サーキットにおいて、下記イベントを展開する。
- 「SF NEXT50ビレッジ」:メーカーや全チームブースを設置
- 「モビリティキッズパーク」:子ども、家族向けの体験型コンテンツの提供
- 「カーボンニュートラルスクエア」:環境関連企業・行政のPRコーナーなどを設置
- チームファンシートを設置
上記のように、チームにとっても、ファンにとってもかなり多くの変化がありそうだ。期待してシーズンインを待とう。
Text: Shigeru KITAMICHI
ホンダは1月14日に東京都港区のホンダウェルカムプラザにて、2022年のモータースポーツ活動計画に関する発表会を行った。
すでに報じられている通り、これまで二輪のレース活動を運営してきた株式会社ホンダレーシング(HRC)に今季から四輪のレース活動が追加され、それぞれが持っている技術・ノウハウの相互連携と運営の効率化を図ることで、より強いレースブランドを目指してモータースポーツ活動に取り組み、HondaのDNAであるモータースポーツを将来に向けて確実に継承していけるような強い基盤を築いていくという。
四輪のレース活動については、F1においてレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリに今季からパワーユニットを供給するレッドブル・パワートレインズをHRCが支援していくとともに、FIA-F2にDAMSから参戦する岩佐歩夢をサポートしていく。
国内では、全日本スーパーフォーミュラ選手権の6チーム10台にエンジンを供給する。ラインナップはTEAM MUGEN(野尻智紀)、DOCOMO TEAM DANDELION RACING(牧野任祐/大津弘樹)、ThreeBond Drago CORSE(福住 仁嶺)、B-Max Racing(松下信治/TBN)、TCS NAKAJIMA RACING(山本尚貴/大湯都史樹)、TEAM GOH(佐藤蓮/TBN)だ。
佐藤蓮は昨年スーパーフォーミュラ・ライツに参戦し、17戦中4勝を挙げ、ランキング3位につけたホンダ期待の若手。20歳でのスーパーフォーミュラデビューとなる今季はどのような活躍を見せてくれるだろうか。
また彼を起用したTEAM GOHは昨年TEAM MUGENとパートナーシップを結び、大津弘樹を走らせていた。今季はMUGENを離れて2台体制を敷くという。大津はDOCOMO TEAM DANDELION RACINGへ移籍する。佐藤のパートナーには果たしてどんなドライバーが起用されるだろうか。
スーパーGTでは、GT500クラスにNSX-GT TypeSを投入して王座奪還を目論む。供給先は昨年同様ARTA(野尻智紀/福住仁嶺)、TEAM Red Bull MUGEN(笹原右京/大湯都史樹)、Astemo REAL RACING(塚越広大/松下信治)、Modulo Nakajima Racing(伊沢拓也/大津弘樹)、TEAM KUNIMITSU(山本尚貴/牧野任祐)の5チーム。
中でも注目は、昨年カルソニックIMPUL GT-RでGT500クラスに参戦し、第6戦SUGOで1勝を挙げた松下の加入だろう。
松下はSRS-Fのスカラシップ生として2012年にフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)に参戦。その年に同シリーズのチャンピオンを獲得し、2013年から全日本F3にステップアップ。2014年にチャンピオンを獲得すると、翌年からはヨーロッパに渡り、ホンダの支援のもとGP2そしてFIA-F2を戦ってきた。2018年には日本に戻り、スーパーフォーミュラに参戦するが、2019年には再び渡欧、2020年の中盤までFIA-F2に参戦した。2020年はホンダを離れての挑戦だった。そして昨年はTEAM IMPULで初のスーパーGT500クラスデビューを果たし、平峰一貴とともに最終戦までチャンピオン争いに加わる活躍を見せた。その松下のホンダ復帰、そしてベテラン塚越とのコンビ結成はシリーズを大いに盛り上げてくれるに違いない。
GT300クラスは、TEAM UPGARAGE(小林崇志/太田格之進)、ARTA(武藤英紀/木村偉織)の2チームがNSX-GT3を走らせる。
太田は昨年のFIA-F4選手権5位、木村は同シリーズ3位を獲得しており、今季はGT300と併せて全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権にも参戦する。太田はTODA RACINGから、木村はB-Max Racingからの参戦だ。
2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月9-10日に静岡県小山町の富士スピードウェイで、スーパーGTシリーズは4月16-17日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで開幕する。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
里見乃亜代表率いる「RiNoA Racing project」は18才の新人、佐藤樹選手を擁して2021年もてぎ・菅生スーパーFJ選手権シリーズ選手権を戦い、全6戦中優勝4回2位1回という強さでシリーズチャンピオンの座を獲得。チャンピオンチームとして鈴鹿サーキットで開催された「スーパーFJ日本一決定戦」にやって来た。
チーム参戦2年目にしてシリーズを制圧した同チームの日本一決定戦での戦いぶりをレポートする。(以下敬称略)
2021年「スーパーFJ日本一決定戦」は12月10日(金)の練習走行からイベントが開始。チームは前日までに現地入りして2回の練習走行で準備を整えなくてはならない。今シーズンの活動をもてぎ・菅生シリーズと日本一決定戦と定めていた「RiNoA Racing project」は、シリーズ参戦の合間をぬって鈴鹿への遠征も実施。鈴鹿シリーズ第3戦、第4戦、第6戦に出場し12位、9位、5位と次第に順位を上げてコースに習熟していった。またもてぎ・菅生シリーズのタイトルを第5戦までに決めたことで最終戦をスキップし、その分を鈴鹿サーキットでの練習走行にあてた。その甲斐あって「上位グループで勝負ができる」感触を手にしていた。
練習走行の間、里見代表はS字コーナーのスタンドに陣取りドライバーの走りとマシンの挙動をチェックする。チームの武器であるという無線を片手に走行中の佐藤にアドバイスを送り、少しずつ走りの精度を上げさせていく。
鈴鹿のS字コーナースタンドはライバルを観察するにも絶好のポイントで、スムーズに連続コーナーを抜けていく佐藤に対して、鈴鹿を地元として今回も優勝候補と目される選手は一見危うげな挙動のように見えて、しかし速い。
2回目の練習走行を見た後にピットを訪れると里見代表、佐藤、そしてメカニックがマシンを挟んで長い時間セットアップについて話し込んでいた。佐藤は身振り手振りでマシンの感触を説明する。既に鈴鹿で実戦を経験しているチームとマシンではあるが、日々コンディションが変わるサーキットに合わせた微調整は必須。万一大幅な見直しが必要だという事になれば、それはいわゆる「持ち込みセット」を失敗していた事になる。
佐藤によると「リヤが少しピーキー(変化に敏感すぎて落ち着きがない)なので、それが少し落ち着くようにしたい」という事で対策について話しあっていたとの事で、里見代表に調整のポイントを尋ねる訪ねると、車高、ウエィトバランス、タイヤの向きを示す「トー」の値だとのこと。
<予選> 12月11日
参加台数が多い「日本一決定戦」では予選(20分間)と第1レグ(6周)と呼ばれるレースがA、B二つのグループに分けて実施され、第1レグの結果でファイナル(決勝10周)のスターティンググリッドが決まる。今回エントリーは48台。かろうじてフルグリッドではないので予選や第1レグで敗退して足切りになる事はない。
佐藤がドライブする「群馬トヨペットTeam RiNoA ED」はBグループ。鈴鹿シリーズ王者の岡本大地こそいないがランキング2位の佐藤巧望、4位の富田自然(あるが)など有力選手がひしめいている。
10時ちょうど、まずはAグループの予選が始まり、里見代表と佐藤もモニターでタイムの推移を見守る。Aグループの予選は岡本と鈴鹿シリーズ3位の上野大哲の一騎打ちとなり、お互い2分14秒前半のタイムを出し合ってトップを奪い合い、結局岡本が2分14秒170と13秒台に迫るタイムでA組のポールポジションを獲得。
Aグループの予選を見つめる佐藤に感想を求める。
「(2分14秒台は見えてる感じ?)うーん、どうかな?。走ってみないと分からない。(昨日の感触とセッティングの変更の伸びしろ含めて)ドライビングも全体的にうまく行けば、出せると思う」
10時35分、Bグループ24台の予選が開始。朝から快晴だがまだ気温は上がっている最中。路面温度も冷えている感触だ。佐藤のピットは第1コーナー寄りの2番。4台のマシンが同居しているピットで佐藤のマシンはコース寄りの場所を陣取っている。早めにコースインする事でコース上での混雑を回避して、少しでも予選を有利に始めようと、各車が我先にとピット出口に並ぼうとするが、佐藤はピット位置の有利さもあり2番手でコースインして、20分間の予選が開始。
ウオームアップを終えて佐藤はまず2分16秒171をマーク、この時点で3番手。次の周回では15秒992と15秒台に入れ、続いて15秒882を出すがポジションは7番手にダウン。トップは15秒404。
里見代表はサインガードへ出て佐藤が通過するのを見送るとピットに戻ってモニターでタイムを見て「思ったよりタイムが出てないな」とつぶやいた。
残り5分を切って各車のタイムアタックが激しくなり、トップは2分14秒台に突入。佐藤は15秒799、15秒735と僅かずつタイムを削り取るがポジションは6番手どまり。ピットでは「伸びないなー」という声が出る。
予選終了、最後の周回で佐藤は自己ベストの2分15秒658をマークしたが順位を逆転され、トップから0.860秒差の7番手に終わった。
佐藤が戻ってくるまでの間に里見代表に感想を求める。
思ったよりタイムが伸びなかった。どのセクターでもトップからコンマ2秒ずつ遅れているので、ちょっとした部分が甘いというか・・。ベストタイムが出た周も全部の区間を(ベストタイムで)つなげられていない。(各区間のベストタイムで)つなげれば、コンマ5秒は速くなる計算だが、それでもトップには全然届いていないので、要改善だ。ドライバーが帰って本人にコメントを聞いてから考える」
佐藤がピットに戻り、ヘルメットを脱ぐ間も惜しんでラップタイムを確認する。それからマシンを前に里見代表とメカニックを交えて予選の走りについてディスカッションする中で「後半からオーバーステアになった」という佐藤の声。
予選後の佐藤のコメント
「タイムはもう少し上げる余地がある感じだった。課題は少し見えているので、そこを改善して第1レグでどれだけ順位を上げられるかだ。(予選後3人で話しこんでいたのは?)リヤのスタビライザーが片方取れていた。それも(タイムに響いた部分が)あると思う」
<第1レグ> 12月11日
6周で行われるBグループの第1レグは午後3時30分開始。スタート前に里見代表にコネントを求める。
「予選後に調べたらリヤのスタビライザーが折れていた。たぶん途中で折れたのだと思う。丁度タイムが上がり始めた時に折れて、それでタイムが伸びなかったのだろう。本人も「突然リヤが出るようになった」と言っており、そのタイミングと合っている。それを直したので、ここ(の順位)から上がっていければ、周りは(レースでは)タイムが落ちる方向で、こちらは上がる方向なので、前向きに考えている。第1レグで3位以内を目指して、決勝を5番6番以内でスタートできれば(勝負の)見込みがあるので、まずはそれを目標に4台くらいは追い上げて欲しい」
スターティンググリッドは4列目アウト側。前に並ぶのは鈴鹿シリーズ上位ランカーと優勝経験者ばかりである。里見代表はグリッド退去ぎりぎりまで佐藤の横についてアドバイスを与え、最後に握手でレースに送り出した。
レーススタート。佐藤は7位をキープして発進。前方では2番手スタートの高口がスタートをミス。順位を落とすとともに、後続が密集した状態で第1コーナーに進入する。佐藤もこの集団の中で第1~第2コーナーをクリアして行き、ピットでは「いやな集団に呑み込まれてしまったなぁ」との声が上がる。
佐藤はトップから3.123秒差の7位で1周目のコントロールラインを通過。6位小松の0.331秒後方に食らいついているが、背後からは0.153秒差で大木に脅かされている。
2周めに入り1コーナーで佐藤は6位小松の隙を伺うが、頭を抑えられた格好になり、大木にインを差されるが、これはなんとか抑えきる。前方では3位グループが4台になり、テール・ツー・ノーズ状態でシケインに進入すると小松と富田が接触、スピン。これに乗じて佐藤は5位にポジションを上げる。4位高口とは1.738秒の差。ピットでは歓声があがる。しかし予選2番手だった高口のペースは速く、佐藤を突き放して3位に浮上。佐藤の目標は4位に落ちた八巻に変わる。4周めにその差は2.232秒。
佐藤は2分15秒台とトップとそん色ないタイムを出して4位を追い上げるがギャップは縮まらない。6位とは0.939秒差である。
ファイナルラップ。佐藤は4位八巻まで1.137秒まで追い上げるが届かずチェッカー。5位で第1レグを終えた。
第1レグ後のコメント
- 里見代表
-
「ラップタイムも上がってきて、最後は第4セクターで全体ベストが出た。クルマ的にはいい仕上がりになってきたんだと思う。前半混雑した中でタイヤもあまり暖まらかったはずで、最初からフリーで走れればもっとタイムは上がりそうだ。明日は10番手スタートなので、なんとか(前に)食らいついていければ・・。勝負も仕掛けるべき所ではちゃんと仕掛けられていたので、戦いぶりはかなりよかったと思う。そんな中でちゃんと生き残って帰ってこられた。また今日話してクルマを仕上げて、明日の決勝に挑みたい」
- 佐藤樹選手
-
「(周りが)荒れたところもうまく避けて順位を上げられたが、ペースはよくないので課題はあるなという感じ。(トップグループとそん色ないタイムだったが?)もっと改善できるかなという感覚はあるのでそこを修正して、ファイナルでは行けるところまで行ければな、と思う。(序盤は頭を抑えられてた?)前に詰まってしまって、(追い越しの)タイミングもうまく合わなかった。本当は序盤でもっとうまく動いて早めに前に仕掛けられればよかった。そこがうまくいかなかった」
この後チームは再び長いミーティングに入り、明日のファイナルに向けた最後の調整ポイントの検討を行い、マシンは車両保管所へと運ばれた。
<決勝>
明けて12月12日(日)。スーパーFJのファイナルレースは大会当日の最後を飾るレースである。スタート予定時刻は午後3時30分。したがって各チームがピットに現れたのは普段のレースでは考えられない午前半ば過ぎ。こんなゆっくりサーキット入りしたことはないと笑っている選手も多かった。
さっそく里見代表を捕まえて、昨日の第1レグから何か変更したのかと問うと「結局何も変えていない」との事。タイヤの摩耗もいい感じで、これなら決勝はベストコンディションで戦えると笑顔を見せる。
佐藤は前のレースの様子をモニターで見つつ身支度を整えマシンに乗り込む。里見代表がシートベルトの装着を手助けしつつ、一言二言と言葉を交わしている。このあたりはシリーズ戦のスタート前にも見られた儀式だ。
3時15分スタート進行開始。里見代表とメカニックが佐藤のマシンをピット前に押し出して、他のマシンの切れ目を見てピットアウトを指示する。佐藤がピット出口からコースインしたのを見送ると、10番グリッドへと向かう。グリッドで佐藤を迎えるとひとしきりゲストの激励をうけ、最後に里見代表と佐藤ががっちり握手して、レースはスタートを迎えた。
スタート、佐藤の蹴り出しはそれほど悪くないように見えたが、そこからの加速が弱く、順位を落として後続車両の群れに呑み込まれてしまったように見える。ピットでは里見代表が身じろぎもせずにモニターを見つめる。1周目のコントロールラインを佐藤は12位で通過、前との差は1.074秒。コースを映すモニターはトップを中心に映すため、佐藤が見える前に画面が切り替わることが多い。チームの頼りはもう一つの区間タイムが表示されるラップタイムモニターだ。
2周め、佐藤は前とのギャップを0.462秒まで削り取りメインストレートを通過。テール・ツー・ノーズ状態で3周めのデグナーコーナーを抜けていくのがモニターに写り、その後バックストレートで前に出て11位に浮上する様子をカメラがとらえた。ピットでは「よし!」という掛け声。
佐藤のペースはよいようで、4周めの終わりには10位のマシンに0.588秒まで迫ってサインガードに出た里見代表の前を通過。続く5周めには10位にポジションを上げて帰ってくる。
6周め、7周め、8周めと佐藤は毎ラップ9位との差を削っていくが、差はまだ1.334秒。あと2周では届かないかと思われた9周め、4位グループの3台がシケインへの進入で接触。1台が大きく順位を落とす。これで佐藤は9位に浮上、ひとけた台に入ってきた。
ファイナルラップ。佐藤はさらに上を目指して8位のマシンに詰め寄ったが0.527秒届かず9位でチェッカードフラッグの下を通過した。ピットからはため息ともどよめきともつかない声があがり、里見代表はスポンサーなど関係者に頭を下げた。
ファイナルレース後コメント
- 里見代表
-
「クルマをいじらない方向で、ドライビングを詰める作業を行ったが、決勝のラップタイムを見てもかなり上がっているしクルマ的にも問題なかったので、スタートさえミスらなければ、もうちょっといい所には行けたのかなと思う。だがスタートをミスって(順位が)落ちても焦らず着実に順位は上げて来たので、バトルに関しても、タイムもそれほど悪くなかった。スタートさえうまく行って、中盤から争っていればまた違った展開になっていたかもと思うと、悔しいの一言だ。佐藤も相当悔しがっていると思う。1年間頑張って、鈴鹿も何回か出て、もてぎ・菅生シリーズはうまくいったが鈴鹿で結果が出せなかった。ドライバーもスタートミスしてしまった訳だが、見守るこちら側としても、鈴鹿でもっと(走りを)詰めさせてあげることができなかったことはチームとしての反省点だ。ドライバーだけのミスとは思っていない、スタートミス以外は100%の事をやってくれたので、よくやったと思う。来年またドライバー替わって、ホームコースのもてぎでこそ日本一を目指して同じように育成していく」
- 佐藤樹選手
-
「(スタートは?)最初のクラッチミートは良かったが、その後1速からシフトアップでミスしてしまって、その後のリカバリも焦ってうまくできなくて、全然ダメだった。スタートでミスしてしまうとすごいロスになってしまうので、余計なミスをしてしまった。そのミスが無ければもっと前が狙えるレースだったので、本当に悔しい。(オーバーテイクはスムーズにできた?)抜くのはすぐに(落ち着いて)できた。今後はこういうくだらないミスをしないように頑張りたい」
ここまで開幕戦の2位を除いて全て勝っているレースを取材しているから当然ではあるが、ここまで悔しさを前面に出した里見代表と佐藤を見たことはなかった。それでも鈴鹿で揉まれた経験はチームもドライバーも財産となる。来年「RiNoA Racing project」は再び新人を育てるところから始めて、今度はホームコースであるもてぎで日本一決定戦を迎える。その時に里見代表とクルー、ドライバーの最高の笑顔が見られることを期待したい。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Junichi SEKINE
Motorsports Forum
里見乃亜代表率いる「RiNoA Racing project」は18才の新人、佐藤樹選手を擁して2021年もてぎ・菅生スーパーFJ選手権シリーズ選手権を戦い、全6戦中優勝4回2位1回という強さでシリーズチャンピオンの座を獲得。チャンピオンチームとして鈴鹿サーキットで開催された「スーパーFJ日本一決定戦」にやって来た。
参戦2年目にしてシリーズを制した同チームの素顔と、日本一決定戦での戦いぶりをレポートする。
まずは里見乃亜代表へのインタビュー。(以下敬称略)
里見乃亜代表は1995年生まれの26才、10才の頃からカートレースに参戦。2014年に19才でスーパーFJレースにデビューした。もてぎでのデビューレースでいきなり2位に入り頭角を現すと、この年シリーズ3位。2016年にはJAF-F4に参戦し東日本シリーズ3位、グランドチャンピオンの方ではHクラスのチャンピオンを獲得している。翌2017年もJAF-F4東日本シリーズに参戦、Sクラスでランキング2位となる。2018年から2019年にかけてはS-FJ鈴鹿シリーズへのスポット参戦とJAF-F4及びFIA-F4のアドバイザー兼テストドライバーを務めた。
日本一決定戦については2014年(もてぎ)S-FJで7位、2016年(もてぎ)JAF-F4のHクラス優勝、2017年(鈴鹿)JAF-F4で総合2位、と結果を残している。
2019年鈴鹿でのS-FJ日本一決定戦を最後にコックピットを離れて「RiNoA Racing project」のチーム代表に専念、ツインリンクもてぎをホームとして2020年よりレース活動を開始した。
2020年は松澤亮佑を起用してもてぎシリーズ3位、もてぎで開催された日本一決定戦においても3位という結果を残し、今年はS-FJもてぎ・菅生シリーズで佐藤樹が開幕戦で2位に入るとそこから4連勝でシリーズチャンピオンを獲得した。
里見代表の若さもさることながら、毎年新人を起用し2シーズン結果を出し続けたチームは、S-FJもてぎ・菅生シリーズの主役に躍り出ている。
インタビューは12月10日(金)の練習走行が終わった後に実施した。
ー-まずはチーム設立の経緯から伺いたい、「RiNoA」というロゴは現役時代のレーシングスーツにも付いていたようだが?
「元々リノアという会社があって、そこで現役時代からドライビングのインストラクターやコーチングを行ってた。その会社を自分が引継ぎ、会社の名前をそのままレーシングチームでも使う事にして、「RiNoA Racing project」という活動を去年から始めた」
ー-リノア(RiNoA)というネーミングの由来は?
「RaceのR、現在進行形のingのi、それに自分の名前のNoaです。ベタですけど(笑)」
ー-25才という若さでドライバーからチーム代表に転身したのは何がきっかけだったか?
「2017年のJAF-F4日本一決定戦で角田裕毅選手が勝って自分が2位で、シーズン通じてもずっと2位で角田に負け続けた。この先ステップアップするならF3しかなくて、そこは資金的に厳しかった。S耐という選択肢もあり声をかけて下さったチームもあったが、ハコよりはフォーミュラにこだわっていたので、ステップアップできなかった。その後中日本自動車短期大学から起用されて2019年は鈴鹿のS-FJに参戦したが行き詰った」
「一方で2015年ごろからレーシングカートのアドバイザーもやっていて、子供たちのコーチとかも経験していた。自分のキャリアが行き詰った事でレース業界から離れることも考えたが、やはりレースに関わっていきたいと思い、若手の育成を手がけて、自分がつまづいてきたところを乗り越え進めるようなルートを作ってあげる事をしようと思った」
「関東には若手のレーシングドライバーを育成できるチームが少ない。自分もカートからステップアップする時にチームもスーパーFJもよく知らなくて苦労した。鈴鹿ならホンダがいてチームも沢山あり、ステップアップのルートもいろいろ選べる
「カートをやっているうちから(フォーミュラの)練習ができて、スポンサーさん(群馬トヨペット)がついてくれている事で、選手の参戦費用をギリギリまで減らすことができて、若い子に毎年入れ替わりでチャンスを与えられるチームが関東で出来たらいいな、と思ってこのチームを始めた」
「そういう事を2018年から19年にかけて考えていて、2019年にS-FJのクルマを購入してシェイクダウンして、2020年に参戦を始めた。本当はプロドライバーとして喰っていきたかったが、ドライバーがダメならレーシングチーム立ち上げていこうと思い、それが形になったのが去年だった」
ー-現在のチームの体制は?
「メンテナンスやメカニックはNRS(ノセレーシングサービス)さんに委託している。クルマも普段はそこに預けている。マシン自体は自分のチームのものだ。本来であればチームでメカニックも雇って社員でやろうと思ったが、メカニックも中々見つからない。NRSさんはMYSTの関東の代理店でもあるので、パーツが来るのも早いしデータも持っているので、業務委託としてやってもらっている」
「自分の立ち位置はドライバーに教えるのがメインで、メンタル面や技術のケアも行っている。セッティングなどはメカの人と相談しながら決めている」
ー-今シーズンを振り返り佐藤選手の評価は?
「去年は1勝もできなかったので、今年はまず1勝は必ずしたいというのが自分の目標だった。それがこれだけ連勝してチャンピオンを取れるとは最初は思っていなかった。(チャンピオンには)3年はかかるかな、と思っていたので、期待以上のドライバーだった」
「こちらの言う事もすぐ理解して、度胸もあり、ドライバーのおかげでチャンピオンを取れたと言える。彼にはレースドライバーやらせつつ、会社のインストラクター業務も担って「人に教える」仕事も少しずつやってもらっている」
ー-ドライバーの起用を原則1年と決めている理由は?
「S-FJは長くても2年以内に結果を出すカテゴリーだと思っている。自分のチームは1年で結果を出すことを目標にして、1年でFIA-F4に上がれるような、ステップアップさせるチームだと考えている。そう考えると、ドライバーには長くて2年、できれは1年で次の段階に進んでくれることを期待している」
ー-ステップアップに関しての支援は?
「特別なコネクションはないが、自分が知っている上のチームの様子をドライバーに教えてあげたりする程度のことはできる。ステップアップ支援よりは、現時点での活動について負担を減らす方に力を入れていて、結果を出した人ほどサポートを手厚くするようにしている」
ー-先日オーディションの案内を拝見したが、ドライバーはどうやって発掘している?
「カートの実績はあまり関係なく、S-FJに乗りたいという子が年に何人かやってくるので、その中で選抜して、練習生としてマシンに乗せて見てみる。予算の兼ね合いもあるし、本気でステップアップしたいと思っている子を毎年決めて起用してきた。最初のドライバーだった松澤は榛名のカートレースでチームが一緒だったので面識があり、彼ともう一人S-FJで走りたいという選手とで選抜して起用を決めた。来年は2台体制で行こうと考えてマシンも用意したのだが、起用を決めていた子が全日本カートをもう1年やりたいという事で、それは立ち消えになった。その子が全日本のタイトルを手土産に戻ってくれば再来年は2台体制かもしれない」
ー-メインスポンサーである「群馬トヨペット」との関係は?
「群馬トヨペットさんはアメリカのNASCARの服部茂章さんのチームをサポートしているが、国内のレースは行っていなかった。社内でカート部を作ってレンタルカートで走るようになった時に、インストラクターを頼まれてご縁ができた。ちょうど自分がレースチームを立ち上げようとしていたタイミングだったので、支援していただけることになった。以来群馬トヨペットさんと一緒に活動しているような形になっている」
ー-自分のチームの強みはなんだと思う?
「教える側の自分がカートからJAF-F4までステップアップして、つい最近までS-FJをドライブしていて、最新のマシンを知る人間が教えることができるのが一番の強みだと思う。また最近のレース体制だと、コースサイドまで走りを見に行くことができない場合が多い。うちは練習の時は無線を使ってスポッターのようにコーナーで観察しながらリアルタイムでドライバーにアドバイスを与えている。そういう事ができているのはうちのチームだけだと思う。他のチームはコースサイドまで見に行けている場合でも、それをドライバーにアドバイスするのは走行後になる」
ー-毎年新しいドライバーを起用するという事は、毎シーズン戦績がリセットされて(主戦場である)もてぎ・菅生シリーズで勝つ、というのが目先での目標になる?
「その通りだ、まずはJAF地方戦のもてぎ・菅生シリーズでしっかりチャンピオンを取って、最後は日本一決定戦で日本一になることを毎年の目標にしている。今年地方戦でチャンピオンを取れたことでデータも取れて、速いクルマもあるので、最低限地方戦でチャンピオンを取り、日本一も取って来る、という事をチームの目標にする」
ー-来年起用する内田涼風選手への期待は?
「まだあまり経験を積めていない(10月の筑波のレースに初参戦)ので、まだまだ鍛えないといけない。真面目な子だが教えた事に集中しすぎてしまって他の事がおろそかになる部分がある。オン-オフの切り替えが難しいみたいで、そういう部分では今までの選手は切り替えがうまかった。やるべき時はやるが、それ以外の時はオフにしてリラックスするという事がまだできていない印象だ」
「うちとしてはドライバーが居心地がいいチームを目標にしていて、自分もカートの時から居心地悪いと感じると結果が出なかった。まだ成長過程のドライバーの子の言うことでもまずは聞き入れて、それが間違っていれば2人で考えて直していき、一緒に成長していける、というチームを目指している」
「その意味では空気のなごやかさもチームの売りのひとつだ。その雰囲気づくりも自分の役割だと思っている。自分が若くてドライバーと年代が近いという事はそこではいい方に作用していると思う。チームの監督というよりはお兄さん的な立ち位置で接しているので、些細な事でもコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作っているチームだと思う」
ー-チームの未来像として何か考えている事はあるか?
「FIA-F4はやってみたいなと思っている。ただトヨタさんやホンダさんのワークスと言えるチームに対抗するのは難しいかなと思う。近い将来の目標として、ハコ(ツーリングカー)の耐久レースをやりたいなという希望があり、2,3年後にスーパー耐久に出られたらいいなと思っている。その時はチームの卒業生をプロとして起用して参戦したい。彼らがお金を払ってレースに出るのではなく、お金を貰ってレースに出るという事をモチベーションにできるようにしたい。自分も経験した事だが雇われて使命感を持ってレースに出るという経験も大事なので、育成の一環としてそういう機会を作れたらいいと思う。その先にはスーパーGTでしょうかね(笑)」
僅か参戦2年でもてぎ・菅生シリーズのチャンピオンチームとなった「RiNoA Racing project」だが、ドライバーの比重が大きいスーパーFJにおいて常勝チームの称号を得るには年ごとに起用するドライバーの戦績がカギになる。里見代表が今後どんな原石を見つけ出すか、楽しみである。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Junichi SEKINE
Motorsports Forum
2021インタープロトシリーズPOWERED BY KeePer第4大会レポート
2021インタープロトシリーズPOWERD BY KeePer第4大会が、快晴に恵まれた富士スピードウェイで12月11日)土)~12日)日)に開催され、プロフェッショナルレースの第7戦は#37 福住仁嶺)キーパー号)が優勝を飾った。シリーズ最終戦となる第8戦は#3 阪口晴南)INGING MOTORSPORT)が逆転優勝。第8戦で2位に入った福住がシリーズチャンピオンとなり連覇を果たすことになった。
11日)土)に行われた公式予選は路面温度が低いタフなコンディションとなったが、#44 山下健太)NAVUL)が1分44秒387の好タイムでポールポジションを奪った。2番手に着けた福住はトップから僅か1000分の4秒差。3番手の阪口、4番手の#16 ロニー・クインタレッリ)ララパルーザ)までがコンマ1秒以内にひしめく混戦状態で、決勝レースでの好バトルに期待が集まった。
12日)日)に行われた決勝レースは期待に違わず、激しいバトルが繰り広げられ、見守る熱心な観客から喝さいを浴びることになった。第7戦は、2番手グリッドからスタートした福住が、スタートで阪口にパスされたもののすぐに抜き返し、7周目のパナソニックコーナーでポールから快走を続けていた山下をパス。そのまま逃げ切ってシーズン2勝目をマーク、タイトル獲得に大きく近づくことになった。
第7戦の決勝順にグリッドが決定する第8戦も、激しいバトルの応酬となった。ポールからスタートした福住を、山下と阪口が追いかける展開となるが、序盤はこれに#96 中山雄一)岡山トヨペットK-tunes)が加わり、4台が、ある時は一列縦隊のテールトゥノーズで争い、またある時は2台ずつに分かれてトップ争いと3位争いを繰り広げた。4周目のTGRコーナーで山下が仕掛けて福住をパス。これでトップに立った山下だったが、福住を振り切るには至らない。
山下と福住は、その後も接近戦のドッグファイトを続けていたが、レースも後半戦に入ったところでその隙を縫うように阪口が2台をかわしてトップに立ち、これを福住と山下が追う展開となった。速さでは阪口に勝るとみられた福住と山下だったが、阪口は懸命に防戦。そのまま逃げ切って鈴鹿大会以来となるシーズン3勝目を手に入れることになった。
阪口をとらえるには至らなかった福住だが、この第8戦で24ポイントを獲得。第7戦の30ポイントも併せてランキングトップで逃げ切り、連覇を果たすことになった。
#38 石浦宏明)P.MU RACING SUPRA)と#45 片岡龍也)NTP SUPRA)のマッチレースが続いているSUPRAクラスは、今回は予選から片岡が先行し、石浦がこれを追いかける展開となった。終始激しいバトルでファンの注目を集めたが、結局最後まで片岡が石浦を封じ込め、第7戦と第8戦を連勝。片岡がシリーズチャンピオンも手に入れている。
LEXUS のIS Fをベースにサーキット走行に特化したエボリューションモデルで争われるCCS-Rクラスは予選から優位に運んだ#87 松井孝允)NAVUL NTP CCS-R)が第7戦と第8戦を連覇。シリーズタイトルは#10 阪口良平)NTP CCS-R)が獲得した。
- 第8戦優勝ドライバー 阪口晴南)#3 INGING MOTORSPORT)
-
「第8戦では勝つことができましたが、福住選手や山下選手の速さについて行けないのも分かっていました。2人が争っていたタイミングで、上手く隙をついてトップに立つことができましたが、レースがもう数周長かったら福住選手に抜かれていたと思います。本当にいいタイミングで2人を抜くことができたのが、このレースの勝因です。チーム体制も良くて、クルマも凄くよくなっています。これまで鈴鹿でしか勝ったことがなくて、富士は苦手なコースだったのですが、今のクルマは富士でも速く走れるようになりました。もしかしたら鈴鹿では遅くなっているかもしれませんが)苦笑)。それにしてもIPSは面白いレースですね。国内のトップドライバーが勢ぞろいしている感じで、クルマも接近戦のバトルができるようなキャラクターで、僕にとってはとても勉強になるレースです。来年のことはまだ決まっていませんが、できればこのチームで参戦してチャンピオンを獲りたいと思っています」
- 第7戦優勝/シリーズチャンピオンドライバー 福住仁嶺)#37 キーパー号)
-
「予選ではあと少しでポールを獲れたと思いますが、決勝レースでのロングランではペースが良いことは分かっていたので、無難にスタートしてチャンスを待つ作戦でした。ところが第7戦ではスタートで阪口選手にパスされてしまい、慌てて抜き返すことに専念しました。レース中盤までは山下選手を追い詰めていって、最後に逆転してトップに立つという、思い描いていた通りのレースになりました。第8戦では前半はバランスが良くなくてペースもなかなか上げることができませんでした。山下選手に先行されクルマも厳しかったのですが、最低でも2位で完走すればチャンピオンが確定すると頑張りました。チャンピオンを獲ることができてホッとしています。このクルマは前を走っているときはバランスがおかしくて大変なんですが、誰かの後ろから着いて行くときはとても安定して走りやすいんです。その理由を探っていくことがこれからの課題ですね」
インタープロトシリーズ
2021 KYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM 第4戦レポート
12月12日(日)、冬晴れの富士スピードウェイで2021年のKYOJO CUP SUPPORTED BY MUSEE PLATINUM第4戦が行われ、#37 翁長実希(KeePer VITA)が第3戦に続いて2連勝を飾り、3位に入った#18 辻本始温(ORC ARUGOS VITA)がシリーズチャンピオンを獲得した。
午前中に行われた公式予選では、辻本がただ一人、2分を切って1分59秒922をマークしポールポジションを獲得。2位の#36 荻原友美(KNC VITA)から#34 下野璃央(YGF Drago VITA)、#86 猪爪杏奈(Dr.DRY VITA)まで3人が2分00秒台前半で続く。前回の第3戦で辻本の連勝を止め、チャンピオン争いの権利を残して今回の最終戦に臨む翁長も2分00秒599で5番手につけ連勝を狙っていた。
決勝レースはスタート直後に荻原が遅れ、辻本、下野、猪爪、翁長のオーダーでオープニングラップを終えるが、2周目の1コーナーでは下野が仕掛け辻本をかわしてトップに立つ。さらに2周目の1コーナーでは翁長が猪爪に仕掛け、Aコーナーまでサイドバイサイドのドッグファイトの末、3位へとポジションアップを果たした。
翁長はさらに、6周目の1コーナーで辻本をもかわして2番手に進出。4周目にマークしたファステストタイムを6周目には自ら塗りかえる速さで、トップを逃げる下野を追い詰めていく。そして8周目の1コーナーで下野がオーバーランする間にこれをかわしてトップに立った。
9周目の1コーナーで、今度は翁長自身もブレーキをロックさせるが、何とかコース上に留まって下野に再逆転を許さない。そしてそのまま逃げ切った翁長は、前回の第3回大会に続いて2連勝を飾ることになった。
ポールからスタートしたもののスピードに伸びを欠いた辻本は、6周目には3位にまでポジションを落としたものの、そこで踏ん張り2位の下野に続いて3位でレースを走り切り、デビューから2シーズン目で戴冠。シリーズチャンピオンに贈呈される文部科学大臣杯が授与された。またオープニングラップで遅れた荻原は、その後粘り強く追い上げて4位の猪爪にコンマ6秒差まで迫ったところでチェッカーとなった。
- 優勝ドライバー #37 翁長実希(KeePer VITA)
-
「逆転チャンピオンの可能性があるのも分かっていましたが、レース中はポイントのことは何も考えず、行けるところまで行こう、と自分の走りに集中して走りました。走り始めからクルマの調子もよく、予選でもリズム良く走ることができました。デビューシーズンから3年連続でシリーズ2位。本当に“万年2位”で皆さんに期待してもらいながら、その期待を裏切り続けることになってしまいました。でも、今日のレースではミスもなく、自分の走りでレースを走り切ることができました。その結果優勝することもできて、前回の第4回大会から2連勝を飾ることができ、来年につながる内容となりました。またもチャンピオンを獲れなかった悔しさをパワーに換えて、来年こそはチャンピオンを獲りたい
と思います」
- シリーズチャンピオンドライバー #18 辻本始温(ORC ARUGOS VITA)
-
「デビューシーズンとなった去年は、最高位が4位で表彰台にも上がったことがなかったのに、今年は開幕から2連勝で、それ以外でも表彰台に立てるようになり、自分でも成長を感じることができました。練習の時から自分なりに工夫して周りのドライバー(の走行しているポジションなど)を見ながら、良い線の時のポジション取りだとかを考えたり予選やレースの組み立てを考えながら走るように工夫しました。速さは出てきたと思うのですが、それを安定して発揮できていないのが自分の課題です。だから走っていない時でもフィジカルやメンタルのトレーニングをしてきました。結果としてチャンピオンを獲ることができて、本当に嬉しいです。来年はフォーミュラに乗りたいと思っていますが、KYOJO CUP の代表だという気持ちで最後まで諦めないで戦っていきたい。自分はKYOJO CUP で育ってきた、KYOJO CUP で速くなった、と自信をもって言えるように頑張りたいで
す」
KYOJO CUP
- 優勝 加藤智(FEEL・TAKE FIRST)
-
「(初優勝が日本一決定戦)今まで一度もJAF-F4で勝ったことがなかったので、まさかこんないい思いを日本一決定戦でできるとは思わなかったので、嬉しい。(途中の接戦は?)ハンマーさんも金井先生も通常のラップなら自分の方が遅かったので、どういうふうに抑えようかとしか考えていなかった。ラスト3周でオイルなのか水なのか(コースに)出ていてデグナーの出口で滑って一度は抜かれたが、ハンマーさんもヘアピンでふらついて(失速していった)、金井先生もコーナーでフラついていたのでこれなら無理はしてこないだろうな思った。ファイナルラップに入るまで自分がトップだとは知らなかったので、気が付いたのは物凄遅かった(笑)。今年5年ぶりにレースを再開したのだが、親父が「死ぬまでにお前のレースを見てみたい」と言ってくれたおかげでレースに出ることができた。親と子供に感謝しかない」
- 2位 金井亮忠(チームNATS・正義・001)
-
「(中盤の3台でのバトルは?)中盤までは自分の方がちょっとペースが速いかなと思っていた。それで追いついて行って、そんな矢先にオイルがそこいらじゅうに出ていて、結構な勢いで滑ってしまって、3台とも滑ってやっとの思いでコース上に留まっている状態だった。その後ハンマーさんがオーバーランしたりして、クラッシュは無かったが生き残り戦みたいになってしまった。(トラブルが出ないのも実力のうち?)僕たちはマシン製作もメンテナンスも自分たちで行っているので、トラブルや故障起こさないことは目標のひとつだし、その結果生き残って結果を出すことができたのは、よかった。まだ上がいるので、来年はさらに上位を目指して、学生たちと頑張りたい」
- 3位 鈴木智之(テイクファースト★C72制動屋)
-
「ありがとうございます、と言ってよいのか分からないくらい棚ぼたの表彰台だ。最後は人もクルマもヘロヘロになっていて、それでも何とかゴールだけはしないといかんなと思っていた。フィニッシュ後にパルクフェルメに誘導される時に「3番だよ」と言われて、いや自分は4位だろう?とかやりとりして、後から(自分が)3位だと知った(笑)。そう思ってしまうくらい、今回元嶋選手のレースは鉄壁で先に行かれてしまっていて、(リタイヤしていたのが)気付かないくらいちぎられていたって事だ。そこはちょっと考えないといかん。自分は(今回優勝した)加藤さんの影響でレースを始めたので、いつかは同じカテゴリーでレース出来たらいいね、と話していた。で今回一緒の参加できて、一緒に表彰台に乗れたというのが素直にうれしい」
Text & Photo: Junichi SEKINE
- 1位 元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST)
-
「(スタートの出遅れは?)アクセル踏み過ぎて(タイヤが)空転してしまった。(スタート直後に鈴木選手と接触があったようにも見えたが?)ギリギリで避けられた。自分は逃げ場がなくて、横にいるハンマーさんもギリギリだったのだが、当たってはいない。(スプーン入口でトップを奪い返したのは?)ヘアピンで前がミスしたので、ここだと思った、自分の方が速いのはわかっていたので、チャンスがあれば行こうと思っていた」
- 2位 加藤智(FEEL・TAKE FIRST)
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「(スタートがよかったが?)5番グリッドからスタートで4台抜けたのは驚きだった(笑)。(SC明け後の72号車とのシケインでの攻防は?)金井先生とは5年前から一緒にレースしているので、ブレーキで詰めてくる人だというのは分かっていたので身構えていたが、向うが(ミスして)外に行ってくれたので楽になった」
- 3位 ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ) 2分05秒201 トップと0.764秒差
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「スタートでミスしてしまったのが全てだった、SC明けのリスタートは失敗しないだろうと思っていたのだが、前の3台が130R手前から一気に行ってしまって、そこで後れを取ってしまった。(その後リカバリして72号車に追いついたが?)予選の様にはいかなくて、タイヤの状態が変わってきているのか、いまいちうまく走れなかった」
Text & Photo: Junichi SEKINE
- ポールポジション 元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST) 2分04秒437
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「2分3秒に入れたかったので頑張ってアタックしていたのだが、タイヤの美味しいところがあまりなくて、最後は(アタックを)やめた。(予選後にマシンを調べていたが?)ミッションが不調でギアが落ちにくかったので診てもらったが、問題はないとの事で、そのままで走る」
- 2位 ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ) 2分05秒201 トップと0.764秒差
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「打倒元嶋選手が目標なので、まだまだだ。(2月の鈴鹿の予選では2分8秒台で、かなりの進歩を遂げた?)前回は予選を失敗してしまったが、決勝ではそん色ないタイムで走れた。それを考えると離されてしまっている。その時とは(元嶋選手は)違うクルマだけど、もうちょっと近づけないといけない。セミファイナルでは頑張る」
- 3位 金井亮忠(チームNATS・正義・001) 2分05秒747 トップと1.310秒差
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「ちょっと元嶋選手が飛びぬけてしまっている。予選中に一緒に走れる機会があったのだがレベルが違った。2番を目指す訳ではないが、出来るだけ速いタイムで自分のベストは尽くせた。日本一決定戦だけあってタイムも拮抗しているので、レースも最後まで諦めずに頑張る」
Text & Photo: Junichi SEKINE
B-Max Racing Team(SFチーム代表 宮田雅史)は、12月7~8日、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テストに参加し、安定した速さを示してテストを終えました。
2022年シーズンに向けてマシンのベースづくりになる今回のテストは、2021年レギュラードライバーの松下信治選手が参加し、より高いレベルのマシンに仕上げるため、サスペンションを中心に数々のトライを行いました。
■テスト1日目(12月7日(火)
Session1:8:45~10:45/Session2:14:00~16:00)
前日から降り続く雨により、予定されていた走行は2セッションともウェットコンディションで行われました。
午前の走行では、松下選手はコース状況を探りながらピットインを繰り返し、徐々にタイムアップ。終了間際のアタックで1分52秒台をマークしましたが、気温の低いウェットコンディションとはいえ、納得できる走りとは言い難いものでした。
午後は、時折雨が強く降るなど、やや不安定なコンディションでした。修正したセッティングによって午前中の課題はほぼ改善され、開始50分過ぎからの連続アタックで、2位を1秒以上引き離すトップタイムをマーク。その後、雨足が強くなったため、一旦ピットで待機。最後にコースに出ましたが、コース状態が悪かったためアタックはせずに走行を終了しました。
| ドライバー | Ses.1 ベストタイム(順位) | Ses.2 ベストタイム(順位) |
| 50号車 | 松下信治 | 1分52秒879(9/19) | 1分53秒800(1/17) |
- Ses.1 天候:雨、コース:ウェット、気温:11.8→12.9 度、路面温度:12.1→13.5 度
- Ses.2 天候:雨、コース:ウェット、気温:12.8→12.0 度、路面温度:13.4→12.1 度
■テスト2日目(12月8日(水)
Session3:8:30~11:00/Session4:14:00~16:10)
ドライでの走行時間を確保するため、開始時間を30分繰り上げて始まったセッション3ですが、朝方までの雨で走行開始時の路面はウェット。しかし、走行が始まるとライン上は徐々に乾いていき、開始30分過ぎにはドライタイヤでの走行が始まりました。
松下選手はウェット路面での走行後、一旦ピットに戻り、路面状況の回復を待ってコースイン。サスペンション、ウィング、タイヤ内圧など細かな調整をしながら周回を重ね、残り30分時点でトップタイムをマーク。セッション終了前のアタックでさらに1分36秒773までタイムを縮めトップから0秒115という僅差で5位でした。
午後は、開始から40分まではロングランテストを行い、1分40~41秒ペースで安定してタイムを刻めることを確認した後、ソフトタイヤを投入。3セットのニュータイヤを使ってアタックを繰り返し、最終的に1分36秒482までタイムアップしたところで走行終了。5位でテストを終えました。
| ドライバー | Ses.3 ベストタイム(順位) | Ses.4 ベストタイム(順位) |
| 50号車 | 松下信治 | 1分36秒773(5/21) | 1分36秒482(5/20) |
- Ses.3 天候:曇り→晴れ、コース:ウェット→ドライ、気温:13.7→14.4度、路面温度:9.7→15.7度
- Ses.4 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:14.8→12.9度、路面温度:14.6→9.6度
- チーム代表 宮田雅史コメント
-
今年はシーズンを通して好調を維持できていましたが、今回のテストでも基本的な速さを持っていることが確認できました。アクシデントもなく終えることができ、良いテストでした。来シーズンに向け、マシンを含めチーム全体でさらに進化できればと思います。
そのためにも、来年は2台体制でフルシーズン戦うことが目標です。オフの間にしっかり
準備を進めたいと思います。
- チーム監督 本山 哲コメント
-
今シーズンのおさらいとしてのセットアップに加え、新たなチャレンジもできましたので、有意義なテストでした。来シーズンに向けてチームの武器となるようなものをいくつかトライしました。今回のテストではそれがタイムとして現れることはありませんでしたが、ベースとなるレベルは非常に高いということを確認できました。
今回のテストで得られたデータをオフの間に分析し、来年こそは初優勝を成し遂げることができるよう、チーム一丸で取り組みたいと思います。
- エンジニア 田坂泰啓コメント
-
最終戦はポールポジションを獲得することができましたが、それに甘んじることなく進化を続けないとすぐに追い越されてしまうのがレースの常です。今回のテストではそのためのトライをしました。すぐに結果には出ることはありませんが、コンディションの変化もあって、来シーズンに向けて考えるべき材料は随分見つかりました。あとはそれをどうするかです。
例えれば、料理の材料はたくさん仕入れました、レシピはこれからです、というところでしょうか。シーズンオフの間にじっくり考えたいと思います。
- ドライバー 松下信治選手コメント
-
レインコンディションのパフォーマンスはすごく良かったですし、ドライは少し足りない部分が見えてきました。全体的に速さは見せることができましたし、良いテストだったと思います。
今シーズン、B-Maxレーシングチームとともに戦い、確実にレベルアップしていることを実感できました。来シーズンはさらに飛躍してくれることを期待しています。
B-Max Racing Team Press Release
スーパーFJ日本一決定戦は12日、鈴鹿サーキットで最終の決勝を行い、予選3位からスタートした上野大哲(SACCESS RACING ES)が優勝、日本一の称号を手にした。
日本一が決定する最終レースは午後3時30分にフォーメーションラップが始まった。上空の雲ははけ、再び青空が広がってきたが、冬至間近の太陽は低く傾き、ピットビルの影はストレートを覆った。2台が出走を取りやめたため46台がグリッドに並びシグナルブラックアウトを待つ。
スタートでは上位陣はグリッド順のまま1コーナーを通過。トップはポールポジションの岡本大地(FTK・レヴレーシングガレージ)、2位に佐藤巧望(MYST.KK-SII.制動屋.佐藤歯科)、3位に上野大哲(SACCESS RACING ES)、4位に髙口大将(FTK・レヴレーシングガレージ)が続く。
トップに立った岡本が2位との間隔を広げつつレースは始まるが、オープニングラップでは3位の上野がヘアピン立ち上がりから2位の佐藤に並びかけ、スプーンではアウトから2位に浮上した。
1周目、トップの岡本は2位に上がった上野を1秒6離して戻ってきたが、ここから上野が岡本との差を徐々に詰め始める。
5周目のシケインで岡本のテールに張り付いた上野は、ストレートでスリップを使い、6周目の1コーナーでインから岡本の前に出る。しかし岡本も負けじとクロスラインを取り2コーナーで上野を抜き返し順位をキープした。
上野は7周目のストレートで再び岡本とテールトゥノーズに持ち込むと、8周目の1コーナーで岡本をパス。今度はインを開けずに2コーナーに侵入すると岡本のクロスラインを許さず、トップに出ることに成功する。
2位に落ちた岡本も上野に食い下がるが、上野はトップを堅守して10周を走りきり優勝。日本一の称号を手にした。2位には岡本が入った。
序盤で3位に落ちた佐藤は背後に迫る4位・高口の追撃を耐え忍んでいたが、9周目の1コーナーでついに高口が佐藤を捉え3位に浮上。佐藤は4位に落ちた。
さらにこの周のシケインでは、4位・佐藤にインから5位・八巻渉(中日本自動車短期大学MSE学科KKS-Ⅱ)が並びかけるが、アウトにいた佐藤と6位の居附明利(SACCESS Racing ES)が接触。佐藤は八巻にパスされ、居附は大きく順位を落とした。
結局、3位には高口が入り、4位は八巻、5位に佐藤、6位に森山冬星(DIXCEL☆ROYAL/MYST)が続いた。
これで今シーズンのスーパーFJシリーズはすべて終了。来シーズンも各サーキットでの熱戦を期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
S-FJ日本一決定戦 -RIJ- (2021/12/10) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2021 Super FJ S-FJ日本一決定戦 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 38 | 上野 大哲 | SACCESS RACING ES MYST KK-S2 | 10 | 22'40.361 | - | - |
| 2 | 8 | 岡本 大地 | FTK・レヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 22'41.525 | 1.164 | 1.164 |
| 3 | 7 | 髙口 大将 | FTK・レヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 22'46.024 | 5.663 | 4.499 |
| 4 | 88 | 八巻 渉 | 中日本自動車短期大学MSE学科KKS-Ⅱ MYST KK-S2 | 10 | 22'47.047 | 6.686 | 1.023 |
| 5 | 56 | 佐藤 巧望 | MYST.KK-SII.制動屋.佐藤歯科 MYST KK-S2 | 10 | 22'49.158 | 8.797 | 2.111 |
| 6 | 87 | 森山 冬星 | DIXCEL☆ROYAL/MYST MYST KK-S2 | 10 | 22'49.351 | 8.990 | 0.193 |
| 7 | 61 | 高木 悠帆 | MYST KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 22'51.184 | 10.823 | 1.833 |
| 8 | 20 | 大木 一輝 | M2 KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 22'52.779 | 12.418 | 1.595 |
| 9 | 81 | 佐藤 樹 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 10 | 22'53.306 | 12.945 | 0.527 |
| 10 | 11 | 三島 優輝 | Rn-Sports制動屋KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 22'56.405 | 16.044 | 3.099 |
| 11 | 39 | 居附 明利 | SACCESS Racing ES MYST KK-S2 | 10 | 22'59.022 | 18.661 | 2.617 |
| 12 | 34 | 渡会 太一 | オートバックスドラゴコルセ TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'02.795 | 22.434 | 3.773 |
| 13 | 36 | 太田 達也 | M.I.D JAPAN ALBIREX 10V TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'03.261 | 22.900 | 0.466 |
| 14 | 69 | 鶴岡 秀麿 | MYST・ゼンカイレーシング・KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 23'07.090 | 26.729 | 3.829 |
| 15 | 79 | 三瓶 旭 | 中日本自動車短期大学MSE学科KKS-Ⅱ MYST KK-S2 | 10 | 23'07.141 | 26.780 | 0.051 |
| 16 | 91 | 白崎 稜 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'08.619 | 28.258 | 1.478 |
| 17 | 55 | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆KKSII MYST KK-S2 | 10 | 23'12.474 | 32.113 | 3.855 |
| 18 | 13 | 田上 蒼竜 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'15.054 | 34.693 | 2.580 |
| 19 | 51 | 岸本 尚将 | Tamayura Athle ABBEY KKSII MYST KK-S2 | 10 | 23'17.531 | 37.170 | 2.477 |
| 20 | 59 | 松田 大輝 | K-TACK MYST KK-SII MYST KK-S2 | 10 | 23'18.535 | 38.174 | 1.004 |
| 21 | 26 | 吉元 陵 | 安藤商会オートパンサーNEO鹿児島ED MYST KK-S2 | 10 | 23'19.600 | 39.239 | 1.065 |
| 22 | 57 | 吉田 宣弘 | EXTREME☆MYST☆KKSⅡ☆GY MYST KK-S2 | 10 | 23'20.087 | 39.726 | 0.487 |
| 23 | 21 | 太田 浩 | ミスト・セキグチ・制動屋 MYST KK-S2 | 10 | 23'21.314 | 40.953 | 1.227 |
| 24 | 70 | 南部 和哉 | タイヤカスレプリKK-SII MYST KK-S2 | 10 | 23'23.309 | 42.948 | 1.995 |
| 25 | 12 | 小川 涼介 | M2 KK-SⅡ MYST KK-S2 | 10 | 23'31.473 | 51.112 | 8.164 |
| 26 | 53 | 鈴木 七瀬 | TQS・A-ONE KKS-II MYST KK-S2 | 10 | 23'31.833 | 51.472 | 0.360 |
| 27 | 52 | 安田 航 | Fガレージ&SウィンズSll MYST KK-S2 | 10 | 23'33.386 | 53.025 | 1.553 |
| 28 | 24 | 碓井 ツヨシ | C.O.B-KART MYST KK-S2 | 10 | 23'34.446 | 54.085 | 1.060 |
| 29 | 97 | 益田 富雄 | KMTS.RTミストKKS-II Dallara KK-S2 | 10 | 23'37.183 | 56.822 | 2.737 |
| 30 | 37 | 池内 比悠 | アルビMAKE WINNER GIA ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'37.255 | 56.894 | 0.072 |
| 31 | 0 | 夕田 大助 | LAPS・レブレーシング MYST KK-S2 | 10 | 23'42.723 | 1'02.362 | 5.468 |
| 32 | 17 | 武者 利仁 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 23'48.371 | 1'08.010 | 5.648 |
| 33 | 23 | 宮本 健一 | KMTS-RT KK-SII ミスト MYST KK-S2 | 10 | 23'53.824 | 1'13.463 | 5.453 |
| 34 | 86 | 木村 龍祐 | 制動屋CF亜衣KK-S2 MYST KK-S2 | 10 | 23'54.089 | 1'13.728 | 0.265 |
| 35 | 30 | 入江 裕樹 | スラッシュ☆タツミレーシング MYST KK-S2 | 10 | 24'01.767 | 1'21.406 | 7.678 |
| 36 | 89 | 高橋 裕和 | タイカメンテナンス/制動屋/イワモトR MYST KK-S2 | 10 | 24'05.110 | 1'24.749 | 3.343 |
| 37 | 44 | 篠田 義仁 | イワモトレーシング・制動屋・SJ MYST KK-S2 | 10 | 24'05.255 | 1'24.894 | 0.145 |
| 38 | 5 | 高橋 浩史 | BBK☆レヴレーシング MYST KK-S2 | 10 | 24'26.388 | 1'46.027 | 21.133 |
| 39 | 10 | 小合 将司 | LOVCA teamNoel F.Tworks MYST KK-S2 | 10 | 24'26.652 | 1'46.291 | 0.264 |
| 40 | 98 | JUN | Blue style・オガテック17J WEST 17J | 10 | 24'51.817 | 2'11.456 | 25.165 |
| 41 | 18 | 大隅 雄策 | フィオーレMS、オガテック 、ミシマ11j WEST 11J | 10 | 25'00.667 | 2'20.306 | 8.850 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9Laps)完走 ---- |
| - | 71 | ハヤシ ヒロキ | 真不同MURBゼンカイレーシング遊技闘速 MYST KK-S2 | 6 | 14'39.973 | 4Laps | 4Laps |
| - | 6 | 谷川 文啓 | LOVCA F.T works MYST KK-S2 | 6 | 15'15.696 | 4Laps | 35.723 |
| - | 9 | 上吹越 哲也 | FTK・レヴレーシング MYST KK-S2 | 4 | 9'56.009 | 6Laps | 2Laps |
| - | 33 | 伊藤 慎之典 | テイクファースト&チャリ走! 10V TOKYO R&D RD10V | 1 | 2'24.490 | 9Laps | 3Laps |
| - | 54 | 山田 健 | nutecレプリRD10V TOKYO R&D RD10V | 1 | 3'27.885 | 9Laps | 1'03.395 |
- Fastest Lap: CarNo. 39 居附明利(SACCESS Racing ES) 2'15.204 (8/10) 154.620km/h
- 第13戦総合優勝&2021チャンピオン 古谷悠河(TOM'S YOUTH)
-
「チャンピオン獲れたのは嬉しかったですが、最後は優勝して終わりたいと思っていたので、本当に良かったです。ドライのスタートがちゃんと決まったのは初めてかもしれません。2年間やってきて、ようやく普通のスタートがきれた感じです(笑)」
「リスタートのときはタイヤを温めるようにしましたが、意外に温まりも良かったのでセーフティカーランが終わっても大丈夫だろうと思っていました。あとは大草選手のペースを見ながら、タイヤがタレないようにセーブしながら丁寧に走っていました」
- 第13戦マスタークラス優勝 今田信宏(JMS RACING with B-MAX)
-
「自力チャンピオンはなかったのでベストを尽くすだけと思っていました。この週末2勝できたのでそれ以上はやりようはありませんし。なかなかそこ(チャンピオン)までは行きませんでした」
「来年はとりあえず(スーパーフォーミュラ)ライツをメインでやると思います。リージョナルは他と重なるのもあると思いますので、シリーズフル参戦はないと思います」
- マスタークラス2021チャンピオン 畑 享志(F111/3)
-
「予選からエンジンが火を吹いて最後尾スタートになって厳しいとは思っていました。スタートでは2コーナーまでに2台抜いて、厳しいなぁと思っていたら前3台がいなくなって、組田選手を追うしかないと思っていました」
「タイヤもフラットスポットができていたものだったので厳しかったですが、組田選手もミッショントラブルを抱えていたようで、スプーンで飛び出して前に出ることができました。とにかく最後までプッシュするつもりでした」
「タイトル獲った実感はあまりないですが、いろいろ勉強になった1年でした。レースは安定して予選から波がないようにしないとダメだと思いました」
まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
JAF-F4日本一決定戦は12日、鈴鹿サーキットで最終のレースを行い、加藤智(FEEL・TAKE FIRST)が優勝。日本一の称号を手にした。
最終レースは午後1時35分にフォーメーションラップが始まった。午前中、快晴だった空には雲が広がってきたが、この時期にしては暖かい。黒沼聖那(ファーストガレージ&Sウインズ)が出走を取りやめたため、F4協会が制定するグランドチャンピオンには決勝を待たずして、ハンマー伊澤(令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ)が獲得することになった。
スタートでは予選2位の加藤智(FEEL・TAKE FIRST)の蹴り出しが良く、ポールポジションの元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST)に並びかけるが、元嶋は1コーナーでアウトからかぶせポジションを守った。2位には加藤、3位には伊澤、以下予選順位のまま、4位・金井亮忠(チームNATS・正義・001)、5位・鈴木智之(テイクファースト★C72制動屋)、6位・早坂公希(CMSルノー)と続く。
元嶋は1周目に2位以下を1秒4離すと、その後も1~2秒速いペースで後続を突き放していく。
2位には加藤。3~5位の伊澤、金井、鈴木は1秒前後の差で3位争いを繰り広げていたが、やがて鈴木が遅れだし、伊澤、金井の2台が加藤に接近。5周目以降は、加藤、伊澤、金井の2位争いとなった。
7周目には伊澤が加藤をパスして2位に上がるが、この周、伊澤のシフトがスタック。シフトチェンジできなくなり、スローダウン。その後ピットに入ってリタイアした。
さらに7周目には2位以下を11秒離して独走態勢を築いていた元嶋のマシンの油温が突然上昇。エンジンがパワーダウンしたため、たまらずピットイン。ここでリタイアすることとなった。
これでトップに立ったのは加藤。このまま逃げ切り優勝を飾り日本一の称号を手にした。2位には金井が、3位には鈴木が、4位には早坂が入った。
最後尾スタートのヒロボンは前車を次々とパスして5位まで順位をアップしてゴールを迎えた。6位には米谷浩(KK・ヨネタニ)が入った。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
F4日本一決定戦 -RIJ- (2021/12/12) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2021 JAF F4 F4日本一決定戦 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 10 | G | 1 | 加藤 智 | FEEL・TAKE FIRST B-MAX RK-01 | 10 | 21'13.069 | - | - |
| 2 | 72 | | | 金井 亮忠 | チームNATS・正義・001 NATS 001 | 10 | 21'14.865 | 1.796 | 1.796 |
| 3 | 43 | | | 鈴木 智之 | テイクファースト★C72制動屋 ZAP F108 | 10 | 21'19.287 | 6.218 | 4.422 |
| 4 | 99 | G | 2 | 早坂 公希 | CMSルノー フォーミュラルノー | 10 | 21'33.563 | 20.494 | 14.276 |
| 5 | 11 | G | 3 | ヒロボン | Rnsports制動屋KKZS KK-ZS | 10 | 21'38.042 | 24.973 | 4.479 |
| 6 | 8 | G | 4 | 米谷 浩 | KK・ヨネタニ Dallara F301 | 10 | 21'40.861 | 27.792 | 2.819 |
| 7 | 33 | G | 5 | 中島 功 | SHINSEI・KK TOKYO R&D RD10W | 10 | 21'44.800 | 31.731 | 3.939 |
| 8 | 13 | | | 安井 和明 | 佐藤製作所★TOMEI★ミスト TT104ZZ | 10 | 21'46.199 | 33.130 | 1.399 |
| 9 | 17 | G | 6 | 植田 正幸 | Rn制動屋MYST4 TATUUS | 10 | 21'53.582 | 40.513 | 7.383 |
| 10 | 12 | G | 7 | 佐藤 敦 | 佐藤製作所KKZS★TOMEI KK-ZS | 10 | 21'57.311 | 44.242 | 3.729 |
| 11 | 34 | | | 西村 和則 | CMS NUTECルノー ルノーFC106 | 10 | 22'00.242 | 47.173 | 2.931 |
| 12 | 86 | | | 川原 悠生 | ファーストガレージ&Sウインズ ZAP F108 | 10 | 22'03.632 | 50.563 | 3.390 |
| 13 | 9 | | | 勝亦 勇雅 | スーパーウインズ&ISP RENAULT(FR2000) | 10 | 22'11.778 | 58.709 | 8.146 |
| 14 | 0 | G | 8 | 渡辺 義人 | チームNATS・エクシズWXR WXR MK-2 | 10 | 22'37.560 | 1'24.491 | 25.782 |
| 15 | 20 | G | 9 | 佐藤 健介 | ハンマーR疾風20 ZENKAI 疾風(ハヤテ) | 10 | 22'45.497 | 1'32.428 | 7.937 |
| 16 | 40 | | | 元嶋 成弥 | Kデンタルオフィス★MYST ルノーFC106 | 8 | 16'57.207 | 2Laps | 2Laps |
| 17 | 19 | G | 10 | ハンマー 伊澤 | 令和雪合戦ハンマーR☆ハヤテ 疾風(ハヤテ) | 8 | 18'09.323 | 2Laps | 1'12.116 |
| ---- 以上規定周回数(70% - 7Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 40 元嶋成弥(Kデンタルオフィス★MYST) 2'04.782 (5/8) 167.534km/h
12月12日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第13戦(最終戦)の決勝が三重県・鈴鹿サーキットで行われ、スタートでトップに立った古谷悠河(TOM'S YOUTH)が逃げ切って今季4勝目を飾った。
チャンプ決定戦となったマスタークラスは、クラスPPスタートの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が連勝で4勝目。2位に入った畑享志(F111/3)が3ポイント差でチャンピオンに輝いた。
午前のレースから約2時間のインターバルを経て、第13戦(最終戦)のレースを迎えた。総合のチャンピオンはすでに決定したため、残るは大混戦のマスタークラスのタイトル争いだ。
ポールスタートの45号車・大草りき(PONOS Racing)はまたしてもスタートで出遅れ、28号車・古谷に先行を許してしまった。以下、5号車・塩津佑介(Sutekina Racing)、3号車・小川颯太(Sutekina Racing)、9号車・高橋知己(アネスト岩田Dome F111/3)と続くが、9号車・高橋はスタート時に少し動いてしまい、レース結果に+5秒のペナルティが課されることになる。
1周目に39号車・田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)と接触した96号車・TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)がウィングを失い1コーナーでクラッシュ。これでセーフティカー(SC)ランとなる。39号車・田中もピットに戻ってレースを終えた。
4周終了時にSCランが解除になるが、リスタート後もトップ2のペースは速く、逃げる28号車・古谷、追う45号車・大草が、後続を引き離していく。この状態はレース終盤まで続く。
トップ28号車・古谷と45号車・大草の差は1秒以内に収まっていたが、後半になると45号車・大草はタイヤのグリップが落ちてきたようで、8周目0.6秒だった差は、10周目には1.0秒と開いていき、ここで勝負は決まった。
「最後はチャンピオンらしい走りを見せたかった」という28号車・古谷は、その言葉どおりのレースを見せ、4勝目をあげ最終戦を締めくくった。45号車・大草は、2戦続いての悔しい2位に終わった。3位は5号車・塩津が入った。
チャンピオン争いの熾烈な戦いが繰り広げられたマスタークラスは、最後尾スタートの7号車・畑に女神が微笑む展開となった。
混乱をくぐり抜け、1周を終えて一気にクラス3位まで順位をあげた7号車・畑だったが、この時点ではトップの4号車・今田、2位の30号車・DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)までは7秒の差があり、この順位のままでは同点で今田がチャンピオンになる展開だった。
しかし、2周目からのSCランが救いとなり、苦せずしてその差を詰めることに成功。勢いのある7号車・畑は、ミッションに問題を抱える30号車・DRAGONとの差を、ジワジワ詰めていき、ついに10周目に逆転。
レースは、独走でトップを守った4号車・今田、7号車・畑、30号車・DRAGONの順でフィニッシュ。畑(196ポイント)が今田(193ポイント)を僅差で退け、マスタークラスチャンピオンに輝いた。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
鈴鹿クラブマンレースFinal Round -RIJ- (2021/12/12) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2021 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 13 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 28 | | | 古谷 悠河 | TOM'S YOUTH TOM'S YOUTH | 12 | 27'12.865 | - | - |
| 2 | 45 | | | 大草 りき | PONOS Racing PONOS Racing | 12 | 27'15.469 | 2.604 | 2.604 |
| 3 | 5 | | | 塩津 佑介 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 12 | 27'20.947 | 8.082 | 5.478 |
| 4 | 3 | | | 小川 颯太 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 12 | 27'21.435 | 8.570 | 0.488 |
| 5 | 8 | | | 三浦 愛 | ARTA F111/3 Team Super License | 12 | 27'25.069 | 12.204 | 3.634 |
| 6 | *9 | | | 高橋 知己 | アネスト岩田Dome F111/3 Team Super License | 12 | 27'28.188 | 15.323 | 3.119 |
| 7 | 4 | M | 1 | 今田 信宏 | JMS RACING with B-MAX B-MAX ENGINEERING | 12 | 27'39.357 | 26.492 | 11.169 |
| 8 | 7 | M | 2 | 畑 亨志 | F111/3 Team Super License | 12 | 27'49.527 | 36.662 | 10.170 |
| 9 | 30 | M | 3 | DRAGON | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 12 | 27'50.883 | 38.018 | 1.356 |
| 10 | 34 | M | 4 | 三浦 勝 | CMS F111 C.M.S motor sport's project | 12 | 27'56.411 | 43.546 | 5.528 |
| 11 | 27 | M | 5 | SYUJI | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 12 | 28'27.062 | 1'14.197 | 30.651 |
| 12 | 11 | M | 6 | 植田 正幸 | Rn-sports F111/3 Rn-sports | 11 | 25'53.323 | 1Lap | 1Lap |
| ---- 以上規定周回数(90% - 10Laps)完走 ---- |
| - | 39 | M | - | 田中 優暉 | ASCLAYIndサクセスES イーグルスポーツ | 2 | 5'55.361 | 10Laps | 9Laps |
| - | 96 | M | - | TAKUMI | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 1 | 2'25.648 | 11Laps | 1Lap |
- Fastest Lap: CarNo. 28 古谷悠河(TOM'S YOUTH) 1'58.908 (7/12) 175.810km/h
- CarNo. 9は、鈴鹿クラブマンレースシリーズ規則第55条1)(反則スタート)により、競技結果に5秒を加算した。
- 第12戦総合優勝 小川颯太(Sutekina Racing)
-
「昨日の予選は、自分が一発のタイムをまとめられなかっただけで、クルマはバランスも良く速さは持っていました。スタートは不安がありましたが、そこしかチャンスはないとも思っていましたので、かなり緊張しました」
「初優勝は嬉しいですし、チームや応援してくれる人たちに恩返しすることができて良かったと思います。ただ、SCラン明けの最後の1周は守りに入ってしまい、全力で攻めることができなかった点は悔しさが残ります」
「レース2は3番手スタートですが、今回より攻めた走りができるように頑張ります」
- 第12戦マスタークラス優勝 今田信宏(JMS RACING with B-MAX)
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「良いペースで走れたので、それを維持するように気をつけました。リスタートは、タイヤが結構硬いので冷えたタイヤでスピンだけはしないように気をつけて、後ろとの距離を見ながら走りました」
「ラストラップの田中選手のスピンは無線で聞きました。不謹慎ですがこれはポイント差が縮まったなと(笑)。大逆転もあるかもしれませんが、浮かれてミスをしないように、午後のレースもきっちり走りたいと思います」
まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
12月12日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第12戦の決勝が三重県・鈴鹿サーキットで行われ、小川颯太(Sutekina Racing)が初優勝を果たし、シリーズチャンピオンは5位フィニッシュの古谷悠河(TOM'S YOUTH)に決定した。
マスタークラスは、クラスPPスタートの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が、危なげなく逃げ切り、逆転クラスチャンピオンに一歩近づいた。
この季節にしては温かい絶好のレース日和となった決勝日。
注目のスタートは、「スタートは苦手」と言っていたポールスタートの45号車・大草りき(PONOS Racing)の出足がやや鈍く、3号車・小川がトップに躍り出る。大草は1コーナーで9号車・高橋知己(アネスト岩田Dome F111/3)にも先行され3位にドロップ。
2周目の1コーナーで45号車・大草は9号車・高橋をインから抜き2位に浮上。トップ2車のペースは3位以下に比べ1秒上回っており、周回を重ねるたびに一騎討ちの様相を呈していく。
ファステラップを更新しながら逃げる3号車・小川に必死に食い下がる45号車・大草だったが、僅かずつ差は開いていく。その差は8周目には2.3秒まで開くが、ここで大草にとってまたとないチャンスが訪れる。
マスタークラス4位を走行していた30号車・DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)が2コーナーでシフトトラブルからスピン。グラベルにマシンを止め、撤去のためにセーフティーカー(SC)ランとなったのだ。
SCラン解除となったのは、残り1ラップ。勝負のラストラップは、冷えたタイヤでやや慎重な走りになったトップ3号車・小川に、最後の130Rから差を詰めた45号車・大草がシケインで仕掛けるが抜くには至らず。小川が嬉しい初優勝を飾った。
4台による3位争いは、9号車・高橋、5号車・塩津佑介(Sutekina Racing)、28号車・古谷、#8三浦愛(ARTA F111/3)の順でフィニッシュ。古谷はシリーズポイントで10ポントを加算し215ポイント、2位三浦愛(169ポイント)との差を開き、最終戦を残してシリーズチャンピオンに輝いた。
シリーズポイントで大混戦となってるマスタークラスは、4号車・今田が2位7号車・畑享志(F111/3)に対し、毎周ラップタイムで1秒近い差をつけ独走。今季3勝目を飾った。
シリーズリーダーの39号車・田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)は、クラス3位を走行していたが、SCラン明けのラストラップで痛恨のスピン。クラス5位となり、シリーズの行方をさらに混沌とさせることになった。
この結果、シリーズポイントは、畑178p(3勝)、田中173p(3勝)、今田168p(3勝)、TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)165p(0勝)となり、午後の最終レースで決着することとなった。
最終戦・第13戦は12時35分から12周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
鈴鹿クラブマンレースFinal Round -RIJ- (2021/12/12) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2021 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 12 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 3 | | | 小川 颯太 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 12 | 27'38.671 | - | - |
| 2 | 45 | | | 大草 りき | PONOS Racing PONOS Racing | 12 | 27'40.020 | 1.349 | 1.349 |
| 3 | 9 | | | 高橋 知己 | アネスト岩田Dome F111/3 Team Super License | 12 | 27'41.371 | 2.700 | 1.351 |
| 4 | 5 | | | 塩津 佑介 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 12 | 27'41.936 | 3.265 | 0.565 |
| 5 | 28 | | | 古谷 悠河 | TOM'S YOUTH TOM'S YOUTH | 12 | 27'42.670 | 3.999 | 0.734 |
| 6 | 8 | | | 三浦 愛 | ARTA F111/3 Team Super License | 12 | 27'42.980 | 4.309 | 0.310 |
| 7 | 4 | M | 1 | 今田 信宏 | JMS RACING with B-MAX B-MAX ENGINEERING | 12 | 27'45.073 | 6.402 | 2.093 |
| 8 | 7 | M | 2 | 畑 亨志 | F111/3 Team Super License | 12 | 27'46.259 | 7.588 | 1.186 |
| 9 | 96 | M | 3 | TAKUMI | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 12 | 27'50.087 | 11.416 | 3.828 |
| 10 | 34 | M | 4 | 三浦 勝 | CMS F111 C.M.S motor sport's project | 12 | 27'50.571 | 11.900 | 0.484 |
| 11 | 39 | M | 5 | 田中 優暉 | ASCLAYIndサクセスES イーグルスポーツ | 12 | 27'54.625 | 15.954 | 4.054 |
| 12 | 27 | M | 6 | SYUJI | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 12 | 27'57.985 | 19.314 | 3.360 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 10Laps)完走 ---- |
| - | 11 | M | - | 植田 正幸 | Rn-sports F111/3 Rn-sports | 9 | 27'51.970 | 3Laps | 3Laps |
| - | 30 | M | - | DRAGON | B-MAX ENGINEERING FRJ B-MAX ENGINEERING | 7 | 14'28.568 | 5Laps | 2Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 3 小川颯太(Sutekina Racing) 1'58.776 (6/12) 176.005km/h