全日本GT選手権

GTインサイドレポートAllStar/7

■ NICOS CUP GT ALL STAR RACE'99 in AUTOPOLIS
■ GT INSIDE REPORT                          FMOTOR4 EDITION
   GT INSIDE REPORT      インサイドレポート4       99/11/28
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NICOS CUP GTオールスター戦'99 オートポリス(11/27,28)

■朝のフリー走行後のコメント
*81ダイシンシルビア
福山英朗「タイヤの温度が低すぎてセッティングが出てこないし、合ってない。コ
ンディションがまた変わちゃって、詰めている時間がないんですよ。ここ(オート
ポリス)はグループA、F3000で5、6回走っていて、いいコースだと思う。嫌いじゃ
ないですね。でもホントはちゃんとセッティングしてからじゃないと言えないんだ
けどね。決勝ですか? オールスターに選ばれたんですから、来てくれたお客さん
によろこんでもらえる走りをしたいですね」

*26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「(予選を走れなかったのは)外人さんがぶつかっちゃったみたい(笑)。
クルマにけっこう大きいダメージがあって、メカは寝てないんですよ。でも、おか
げで今朝に間に合いました。ウェットに関しては状況しだいだからなんとも言えま
せん。でも、今のタイムはあと2、3秒は縮まるでしょう。今朝はクルマの状態を
把握するために走ったというレベルですから。うちはドライだときびしいと思う。
このあと仮に晴れても、雪解け水でウエットになるだろうし。そういえば、大昔に
鈴鹿でそんなことがあったね。スタートはボクです」

*25 モモコルセ・アペックスMR2
新田守男「今朝は(高木)真一がセッティングを担当した。スタートも彼がいくこ
とになってる。でもね、実はさっき真一がピットサインを見逃して、ボクは乗れな
かったんだよ(苦笑)。決勝レース? ちょっとわからないな。MR2にとってはきつ
い状況。クルマがピーキーで、ウエットだとちょっと辛いね。予選はタイヤを温存
して決勝を考えてセッティングしていたんだけど、今日のこの天気で意味なし。裏
目に出たちゃったな」

*15 ザナヴィARTAシルビア
井出有治「クルマがコースに合ってないみたいですね。ここは免許取ったころにス
クールで来て以来です。レースカーで走るのは初めて。クルマのバランスは悪くな
いんだけど、タイムに結びついていない。朝は2番手ですが、土屋さんが路面状況
のよくなった終盤に出したタイムです。スタートはボクです。決勝は粘りづよい走
りをして、ゴールに入ったときに前にいられるようにしたいですね」

#18 TAKATA童夢NSX
脇阪寿一「クルマはアンダーが少し強すぎましたね。たぶんほかのクルマのほうが
決まってると思います。トップタイムが出せたのは、走ったタイミングだけじゃな
いかな。でも、決勝はアンダーを直せば大丈夫だと思います。今は雨も降ってない
し、決勝ではがんばります」

#64 Mobil 1 NSX
光貞秀俊「出ていこうとしたらなかなかエンジンがかからなくて、セッションの半
分ぐらいしか走れませんでした。でも、たいした問題ではなかったし、クルマは雨
でもバランスがいいから大丈夫。決勝は微妙なコンディションになると思うので、
作戦はぎりぎり直前になってから決めますけどね」


☆決勝スタート直前情報
 天候:曇り時々雨  路面状況:ウェット  気温:5度  路面温度:6度
 決勝日(28日)入場者数:4万8800人(予選日:1万4800人)


■レース中のコメント
#18 TAKATA童夢NSX
金石勝智「(スピンアウトし、ピットに戻るもリタイア)カットスリックで出ていっ
て、けっこう(雨が)降ってきたときにいきなり足許をすくわれたという感じでス
ピンしてしまった」

#16 Castrol無限NSX
道上龍「ドライバー交替のときにシートベルトの爪が1個外れなくて、それで時間
がかかって抜かれてしまいました。あれがなければトップだったんだけど…」

*26 STPアドバンタイサンGT3R
松田秀士「エンジンが壊れちゃったみたいね。(シュワガーに)交替してピットア
ウトするときにスピード違反しちゃったみたいで1回ペナルティで入って、そのあ
とインプレッサ(*77)の後ろに入ってテール・トゥ・ノーズになっていたんだけ
ど…」

No.32 cdmaOne セルモスープラ
木下隆之「みんなタイヤで悩んだようだけど、オレはインターミディしかないと思っ
てた。ドーンと降ることも晴れることもないだろうし。心配だったのはスープラは
タイヤが温まるのに時間がかかるから、それだけだった。99(年型)でレースがで
きて、上位でやれるのはほんと楽しいよ」


*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因            周回数
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72    接触によるダメージ      14L
18    コースアウトによるダメージ  23L
37    コースアウトによるダメージ  24L
26    エンジントラブル       39L(完走扱い)


■レース終了後のコメント
#100 RAYBRIG NSX(GT500 2位)
飯田章「(#64に)追いつくかと思ったけど甘かったですね。国さんに表彰台の一
番高いところをプレゼントしたかったんで、目いっぱい追ったんですけど…。出て
いってすぐ、みんななんでこんなに速いんだろうって思いましたよ」

#2 ARTAゼクセルスカイライン(GT500 3位)
ミハエル・クルム「スタートでレインを選んだら序盤はペースが上がらなかったん
だけど、雨が降ってきたのでこのタイヤでできるだけ引っぱろうと決めて、そうし
た。アグリに交替してからはインターミディエイトに換えたが、ABSが効かなくなっ
た。それでもラップタイムが速くてペンズオイル(#1)を抜くことができた。今年
最後のレースで表彰台に乗ることができてうれしい」
鈴木亜久里「ピットアウトするときホイールスピンさせてしまってABSのスイッチが
切れてしまった。入れ直すには1回エンジンを切んなきゃなんないんで、しょうが
なくABSなしで走った。今回は予選がよくなかったし、レース自体を楽しもうと思っ
てたから、楽しむことができて、よかったよ」

*15 ザナヴィARTAシルビア(GT300 2位)
土屋武士「コンディションがむずかしかったレースでした。これが1年の最後なん
で、また来年がんばります」
井出有治「最後に、土屋さんが(順位を)上げられてよかったです。ほんとうに最
後だったんで、1年いろいろ教えてもらって、できれば勝ちたかったです」

*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(GT300 3位)
松本晴彦「2ヘア(第2ヘアピン)でつまったんです。ESSO(#6)が失速して、そ
の時に*15ザナヴィに(先に)いかれてなかなかパスできなくて、1コーナーで1回
スピンしました。そこから追い上げたけど、リアタイヤがズルズルで、また雨が降っ
てきて思うような走りもできなかった。できれば勝ちたかったんで、くやしいです」
山野哲也「ラップは安定して重ねるしかなかった。リアタイヤが横Gがかかるとズ
ルズル滑って、ペースを上げられなかった。自分たちにとってよかったのは天候が
味方をしてくれたこと。クルマにとっては得意なコンディションだった。いい気分
で1年が終われた。あとは、やっぱり雨さんはいい人だった(笑)」

#16 Castrol無限NSX
中子修「タイヤ交換なしでいったのがウラ目に出てしまったかな…。ぜんぜんタイ
ムが上げられなかった。ピットでもベルトで時間くっちゃったし…。練習でも出な
かったトラブルが出ちゃうんだね」

#37 カストロール・トムス・スープラ
片山右京「NSXが速いから、ついついつられてミスっちゃった。序盤でタイヤが温ま
りきってなかったのもあるかもしれないけど、自分のミスなんで…。またがんばり
ます。ピットロードの手前でクルマを止めたのは、タイロッドが曲がっていたので
ピットロードに入ってから止まっちゃうとみんなに迷惑をかけると思ったからです」

#36 カストロール・トムス・スープラ
黒澤琢弥「BSにやられちゃったね。今回は(ミシュラン勢は)3台じゃなくて2台
か…。それしかやってないからしょうがない」

*81 ダイシンシルビア
福山英朗「タイヤは柔らかめのレインを選んだんだけど、早めにブローしちゃった
から、それが失敗といえば失敗だったかな。(*72との接触は)まさに譲ったところ
でぶつけられちゃったからね。あとで謝りに来てたみたいだけどね。そのあとはア
ライメントが狂っちゃったみたいで、クルマがカニ走りをしてました」

#3 ユニシアジェックススカイライン
田中哲也「長谷見さんのときインターミディエイトでいって、ボクに交替してレイ
ンに換えたんですが、最後のほうはけっこう路面状況がよくなってきたので、ウラ
目に出ちゃった格好ですね。最悪ですよ。ウーン、おもしろくない」
長谷見昌弘「ボクが走っているときはワイパー使うくらいだったんだけど、田中に
交替してピットアウトしたら日が射してきたんだよ。田中はつらかっただろうね。
まあ、あの状況はまったく読めないからしょうがない。クルマはまったく問題なかっ
たんだけどね。今年はR33とR34とではクルマがまったく違ったからね。来年はレギュ
レーションが変わって、ズバ抜けたクルマはなくなると思うから、なんとかウチも
いい方向で話が決まってくれればいいけどね。あと1週間ちょっとで決まってくる
んじゃないかな」

#12 カルソニックスカイライン
星野一義「ケンカになんなかったね。雨が上がると思ってスリックにかけたんだけ
ど、路面がよくならなかった。我慢して走ってたけど、ガードナー(#6)と二人で
ツルツルやってたね。レインに換えてからも、朝と同じでアンダーがひどくてやん
なっちゃったよ」

*19ウェッズスポーツセリカ
織戸学「タイトルがかかってないし、おもしろいレースができるかなと思ってスリッ
クを選んだんです。5周もすればラインができると思ったんですが、まったく逆に
なっちゃった。コースにいるのがやっとで、よくスピンしなかったと思う。ちょっ
と失敗でしたね」

#1ペンズオイル・ニスモGT-R
エリック・コマス「インターミディエイトを選んで、20周くらいまではよかったん
だけど、そこで雨が降ってきてペースを上げられなくなったので早めにピットに入っ
てレインに換えて、モトヤマに交替した。そのレインタイヤが温まらなくて、グリッ
プがなくてペースが上がらなかった」


■優勝者インタビュー
#64 Mobil 1 NSX(GT500優勝)
光貞秀俊「まずは、ほんとうに1年間お疲れさまでした。スタート前のタイヤの選
択はとてもむずかしかった。トムとじっくり考えて決めたのがうまくいったという
ことですね。スタートもうまくいって、序盤は道上(#16)とペースを作れました。
いいレースの流れができたことが勝利につながったと思います。選んだタイヤはレ
インだったんですが、途中でブロー気味になってアンダーが出たんですが、ちょう
どそのころに霧雨が降り出して、ストレートでも水のあるところを走るなど、タイ
ヤをいたわって走りました。道上とは抜きつ抜かれつってバトルではなかったけど、
緊張感ある戦いができたかな。自分としてはリラックスできていて、間合いを見な
がら走れていました」
トム・コロネル「今日のような展開では、レースをコントロールすることがだいじ
で、それがうまくいきました。ボクとしては、コースに出て最初の2、3周を速く
走れたことがよかったですね。ウェットタイヤだったので、途中からコースが乾き
出したのは苦労しました。それと終盤にクラッチがおかしくなってシフトダウンが
スムーズにできなくなって、スロットルを使ってごまかしました。飯田選手が追い
上げてきたのは中嶋さんから無線で聞いていまして、その差をつねに伝えてもらい
ました。最後にまた優勝できて、今年はたいへんいい年でした。来年はステップアッ
プするつもりでいますので、日本では走らないと思います。でも、現実はむずかし
い。まだF1が少し可能性がありますし、インディも検討しています。でも、1年も
したらまた日本が恋しくなりそうで、中嶋さんには、来年のオールスターのときは
電話をくれって言っておきました(笑)」

*77 クスコスバルインプレッサ(GT300優勝)
谷川達也「セリカ(*19)がスリックを選んだのを見て、これは大丈夫だと思ったん
ですが、今朝RX7(*7)やシルビア(*15)が速かったんで、抜かれるかなってそっ
ちが心配でした。ポルシェ(*26)はぜんぜん考えていなかった(笑)。クルマのほ
うは朝はぜんぜんダメだったんですが、サスのセットを変えたらガラッと変わりま
して、これが当たりました。チームのみんなのおかげですね。スタートで前へ出ら
れたので、最初は思いきってプッシュしていきました」
小林且雄「今年はもう勝てないかと思いましたよ。このクルマのボディは2シーズ
ン使って疲れているんです。だからこれが最後で、それで勝てたのはよかったです。
ボクに替わってから、すでにトップのポルシェ(*26)には差をつけられていたの
で、後ろのRX7(*7)との差だけを(無線で)聞いていました。だから、自滅しない
程度にいこうと。そしたら、ピットの出口で突然ポルシェが目の前に現れて。彼ら
のペナルティのことは聞いていなかったんで、びっくりしましたよ。でも、これ抜
けばトップかって『よしっ!』って攻めました。それで、抜いて2、3周したら来
なくなっちゃったんで、また気が抜けちゃいました。あとはタイヤをいたわってい
きました。クルマは完璧でしたね。ドライバーとしてはだいじにいく部分が多かっ
たんで、ちょっとつまらなかったですね」

*特別インタビュー
#100 RAYBRIG NSX(GT500 2位、このレースで現役引退を表明)
高橋国光「今日はもうみなさんに感謝する気持ちでいっぱいです。今日は天候が微
妙だったので、急遽ボクが先にいくことに変わりました。走る前に見上げたスタン
ドには観客がいっぱいで『ああ、よかった』って思いました。スタートしたときは、
ひょっとしたらおいていかれちゃうかなと思ったんですが、なんとか3、4番手を
キープできました。自分としては、力いっぱいいくと言うよりあまりむりしないで
いったんです。チェッカーは受けたいと思ったから。でも表彰台に、2位にまでな
れてほんとうにうれしかった。これはアキラ(飯田章)とチームのおかげです。ア
キラと交代するとき(の気持ち)は…。一言では言えないですね。2輪のホンダ時
代、ニッサン、プライベート、またホンダで走れて…。自分で言うのもなんですが、
世界を見回してもこれだけ走ったのはいないだろうな、と。走り屋としてドライバー
として、職人になれた。そして、チームを持ってケイちゃん(土屋圭市)やアキラ
を走らせて…。現実を見つめると、歳を取ったなって。それで、降りるんです。で
も、野球の長嶋さんじゃないけど、チーム国光は永遠で、これからもモータースポー
ツをエンジョイして、楽しむモータースポーツには関わっていきたいです。もて耐
(もてぎ7時間耐久)とか出たいですね。(鈴鹿1000kmは?)そうですねぇ、また
出たいですねぇ。あとル・マンとか…(場内笑)」


*GTインサイドレポート特集に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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