全日本GT選手権

GTインサイドレポートAllStar/3

■ NICOS CUP GT ALL STAR RACE'99 in AUTOPOLIS
■ GT INSIDE REPORT                          FMOTOR4 EDITION
   Race Report                      決勝日レポート               99/11/28
 -------------------------------------------------------------------------
NICOS CUP GTオールスター戦'99 オートポリス(11/27,28)

Mobil 1 NSXが完璧なレース運びでGTオールスター戦連覇!!
RAYBRIG NSX2位で、国さんのラストランを飾る


 今シーズンを締めくくるビッグイベント、NICOS CUP GTオールスター戦'99 in 
AUTOPOLISの決勝レースが11月28日、大分県・上津江オートポリスで開催された。
 昨晩から早朝までは小雪がちらつくあいにくの天候だったが、決勝レースが始ま
る昼過ぎには時折雨が降るもののおおむね曇りという状況となった。
 とは言え、やはり気温は5度程度。路面温度も6度。しかもレース前に一端、雨
は止んだもののコースはウエットのまま。初開催のサーキットだけに天候の変化の
予測が出来ず、各チームタイヤ選択に頭を悩ませた。
 そして、定刻の13時30分にフォーメーションラップがスタート。気温の低さを考
慮してフォーメーションは2周行われた。そして、スタートではポールポジション
のNo.64 Mobil 1 NSX(光貞秀俊)が好スタート。これに予選2位のNo.16 Castrol
無限NSX(道上龍)がピタリと付ける。この2台は浅溝のレインタイヤ。ところが、
予選3位のNo.18 TAKATA童夢NSX(金石勝智)はカットスリックを選択したのだが、
これが裏目に出て2周目にスピンし大きく出遅れる。また、予選4位のNo.6 ESSO 
Tiger Supra(ワイン・ガードナー)、No.12 カルソニックスカイライン(星野一
義)はスリックタイヤを使うというギャンブルに出たが、思うように路面は好転せ
ずに、一気に最後尾まで順位を下げてしまった。しかもNo.6 ESSOは10周目にスピン
アウトし、コースに復帰するもののレースからは脱落した。
 トップNo.64、No.16は僅差で、ともに1分55秒から54秒のハイペースで後続に差
を付けていく。予選で中段に付けたNo.38 FK/マッシモセルモスープラ(竹内浩
典)、No.36 カストロール・トムス・スープラ(黒澤琢弥)らスープラ勢は低い路
面温度にタイヤがマッチせず、順位をさげ、代わって3番手を争うのはNo.100 
RAYBRIG NSX(高橋国光)とNo.1 ペンズオイル・ニスモGT-R(エリック・コマ
ス)。そして、予選12位のNo.2 ARTAゼクセルスカイライン(ミハエル・クルム)、
No.3 ユニシアジェックススカイライン(長谷見昌弘)が一気にジャンプアップして
この後ろに付けた。
 レース序盤は雨が降ったり止んだりと、微妙な状況。雨がおさまった序盤はイン
ターミディエイト・タイヤのNo.1 ペンズオイルが、No.100 RAYBRIGを抜き、トップ
2台のNSXに1秒差程度までグッと迫るが、また雨が強く降り出すと、引き離されて
しまう。このような天候に悩んだ、No.1 ペンズオイルは思い切って20周で早くも
ピットイン。ドライバーは本山哲に、タイヤもレインに代えた。24周目には3番手
走行のNo.100 RAYBRIG NSXもピットイン。今季で引退する高橋は、ステアリングを
飯田章に譲り、最後の走りを終えた。
 一方、トップを行くNo.64 Mobilと2番手No.16 Castrolはピットインを先に延ば
す作戦に出た。No.64は31周目にピットイン。ドライバーはトム・コロネルに代わ
る。追い上げるNo.16 castrolは規定ギリギリの34周目にピットイン。タイヤを換
えずにピット作業時間短縮を狙った。だが、ドライバーが中子修に代わる時に、シー
トベルトのバックルが不調になり時間を使ってしまい、せっかくの作戦がムダにな
る。コースに戻ったときにはすでに、トップNo.64 Mobilは6秒以上前を行ってし
まった。とは言え、後半の追い上げに期待を掛けたが、なんとこの頃から雨が完全
に上がって日差しも出てくるなど、無交換のタイヤには一気に不利となり、追うど
ころかペースはどんどん落ちてしまう。
 ペースが2分1秒程度と上がらないNo.16 Castrolに対して、No.100 RAYBRIGと
No.1 ペンズオイル、No.2 ARTAゼクセルスカイラインは1分56~57秒と急激に差が
詰まる。中でもNo.100 RAYBRIG NSXは55秒台を連発し、43周目にはNo.16をかわし
て、トップのNo.64に迫っていく。とは言え、この時点でNo.100に20秒以上の差を
付けていたNo.64だったため、簡単に逃げ切るかと思えた。だが、No.64はシフトに
トラブルを抱え、思うようにペースは上がらない、なんとかNo.100との間を考えな
がらコロネルが残りを走りきろうと頭脳戦に出る。そして、ラストラップには3.5秒
差まで迫られたが、なんとか逃げ切って、No.64 Mobil 1 NSXそしてコロネルにとっ
ては2年連続のGTオールスター戦勝利となった。3位には終盤No.16とNo.1をかわ
したNo.2 ARTAゼクセルスカイラインが入った。

クスコスバルインプレッサがオールスター初勝利!
STPアドバンタイサンGT3Rはペナルティとトラブルに沈む

 GT300クラスでは、クラスポールのNo.19 ウエッズスポーツセリカが、スリック
タイヤを選択するというギャンブルに出たが、見事に裏目に出て、最後尾に落ち
る。代わってトップに出てきたのは予選2番手のNo.77 クスコスバルインプレッサ
だった。しかし、土曜日午前の練習走行でクラッシュし、予選に出走出来なかった
ために最後尾スタートとなったNo.26 STPアドバンタイサンGT3Rが驚異的なスピー
ドで追い上げ、2番手No.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7、そしてトップのNo.77 クス
コスバルインプレッサを相次いでかわしてトップに立つ。このまま逃げ切ると思わ
れたNo.26だったが、なんとピットでの制限速度違反でペナルティを受け、さらに
エンジントラブルでコース上にストップし、勝利を逃してしまった。これでNo.77 
クスコスバルインプレッサは一気に楽になり、そのまま逃げ切ってGTオールスター
戦初勝利を挙げた。2位には序盤にスピンして、一度は順位を大きく下げながらも
追い上げたNo.7 RE雨宮マツモトキヨシRX7が入り、3位にはねばり強く走りきった
No.15 ザナヴィARTAシルビアが入った。


GT500優勝
No.64 Mobil 1 NSX
光貞秀俊「スタート前のタイヤの選択はとてもむずかしかった。トムとじっくり
考えて決めたのがうまくいったということですね。スタートもうまくいって、序盤
は道上(#16)とペースを作れました。いいレースの流れができたことが勝利につ
ながったと思います。選んだタイヤはレインだったんですが、途中でブロー気味に
なってアンダーが出たんですが、ちょうどそのころに霧雨が降り出して、ストレー
トでも水のあるところを走るなど、タイヤをいたわって走りました」
トム・コロネル「今日のような展開では、レースをコントロールすることがだいじ
で、それがうまくいきました。ボクとしては、コースに出て最初の2、3周を速く
走れたことがよかったですね。ウェットタイヤだったので、途中からコースが乾き
出したのは苦労しました。それと終盤にクラッチがおかしくなってシフトダウンが
スムーズにできなくなって、スロットルを使ってごまかしました。飯田選手が追い
上げてきたのは中嶋さんから無線で聞いていまして、その差をつねに伝えてもらい
ました」


GT500優勝
No.77 クスコスバルインプレッサ
小林且雄「最後はドライになってきて、タイヤを保たせるのを気にした走りになっ
て、走りはつまらなかったけど、結果はオーライだったね」
谷川達也「午前中も雨だったんですが、ぜんぜんダメでした。本気で走ってもタイ
ムでちぎられていました。でも決勝に向けてセットを変えたら楽しく走れるように
なった。これだけコロッと変えてくれたんで、チームのおかげです。金曜にエンジ
ンが壊れて載せ換えてるんで、壊れないことを祈って、最後までヒヤヒヤしてみて
いました。シリーズでいいことなかったんで、(今回の優勝は)来年にもつながる
結果になったと思います」


以上
                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース