ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP 1997 GT INSIDE REPORT Round 1 SUZUKA GT300km 30 March '97 Race Topics 決勝の話題 FMOTOR4版 ------------------------------------------------------------------------- 注:カーNo.前の#はGT500、*はGT300を表します ☆決勝日(30日)のトピック *51池谷勝則(コブラポルシェ・フリー走行クラストップ) 「予選ではポルシェ勢の2番手だった。トップのポルシェ(*26タイサンスターカー ドRSR)は速すぎるよ。本番では金曜日のテストくらいのタイムでいけるでしょう。 クルマもいいし、うまくいってます。去年のクルマは清水さんに売ったんです。今年 はRSRのエンジンを積んでます。中速からのピックアップがいいですね。スタートは 石原さんで、17周で交代する予定です」 ◎STPタイサンポルシェGT-2 今回、土屋圭市・松田秀士のコンビでエントリーしていたが、直前になってエント リーを取り消した。千葉監督によれば「チームタイサンwithアドバンということで契 約して、クルマも黒赤に塗り替えていたんですが、土屋選手の都合で出場しなくなり ました。今後についてはまだ未定です。ドライバーを替えて出場することは考えてい ません」とのこと。 ◎96年チャリティ募金贈呈式 GTC開催時のピットウォークで、チャリティ募金(1,000円以上)をすると、その場で ドライバーやキャンギャルと一緒にポラロイド写真を撮ってもらえる通称"ポラロイ ド・チャリティ"は、今やGTCの名物となった感がある。昨年GTCが開催された寄せら れた募金の総額を5つのサーキットで割った平均額は92万2,269円。この募金は鈴鹿 サーキットランドを通じて、慈善団体に寄付されることとなった。30日の午後1時過 ぎより表彰台にて、この昨年度募金の贈呈式が行われた。プレゼンテーターはGTCエ ントラントを代表して長谷見昌弘選手が行った。なお、贈呈式は各サーキットで毎回 行なわれる。 #38 カストロール・セルモ・スープラ 絶好調のトムス勢に比べ、直前のテストで97モデルをクラッシュさせ、96モデルで臨 んでいるセルモ陣営は、予選結果が芳しくなかった。それでも朝のフリー走行後、竹 内浩典に話を聞いてみると、「(96の方は)テストをしていなかったんで、予選も ずっとセッティングしていたようなもんなんです。でもようやく朝のフリー走行で セットが決まりましたから、決勝はかなりいけると思いますよ」とのことで、決勝で は本来の実力を発揮してくれそうな雰囲気だった。一方今年から竹内とステアリング を握る金石勝智も、「決勝はガンガン行けると思います。ただね、亜久里さんがうる さいんですよ(笑)。さっきもわざわざ舘さん使って『路面が濡れてるから気をつけ ろ』って言うてきて、わかってるちゅうねん(笑)」と、表情は明るかった。気にな る97モデルの投入に関しては、「クラッシュしたボディを修理して使うか、新品にす るか、それとも96のボディに97のエンジンとミッションを載せるか今悩んでるんで す」と佐藤代表。投入は早くて第2戦だが、第3戦になる可能性が高いとのこと。 ◎ンボルギーニ・ディアブロの現況 開幕戦には間に合わなかったディアブロだが、現在ニューマシンはフランスで製作 中で、第2戦には間に合う予定になっている。マシンはセンターのチューブラーフ レームを残して前後はカーボンで造り直し、外観もかなり変わっているという。マク ラーレンF1のように、ノーマルがディアブロGT、レース仕様がディアブロGTRという ネーミングになる。エンジンは6リッターで、ドライサンプ化されているため従来よ り15cmほど低く搭載できる。1号車は4月下旬にシェイクダウン予定で、そのクルマ がそのまま日本に来る。2号車はFIA-GT選手権に出場し、鈴鹿1000kmにはやってくる 予定。ドライバーは和田孝夫だけは決定しているがもう1人は未定。今年は本気で勝 ちにいくつもりですと、チーム関係者は意欲満々である。 ◎300クラスにニューカマー、インプレッサが ラリー、ダートラ、ジムカーナで知られるキャロッセでは、かねてから残る1つの フィールドのレースに参戦したいという希望があった。当初は、'97年シーズンから 投入したいという意向はあったが、他のカテゴリーとの兼ね合いもあり、デビューは 第3戦のハイランドに予定されている。ドライバーは、昨年は500クラスのJUNスカイ ラインをドライブした小林且雄とキャロッセの加勢裕二代表の予定だ。マシンは、今 年から全日本ジムカーナで投入したインプレッサだ。 「以前からレースをやりたいという構想はあった。ただ、人手はないようでメカニッ クもダートラと兼任なんで、シーズンが始まっちゃった。シャシーは7割ぐらい出来 てるんだけど、マシン全体ではパーツをまだ作っているので、3割ぐらいの完成度で す。シャシーバランスは良いし、水平対向エンジンは低重心で重量バランスも良い。 ただ、セダンのボディは空力が今一歩なんですが、まあWRカーのようなイメージで す。シャシーや足回りはキャロッセ製なんで、早く煮詰まるでしょう。チューナーと して信用できるし、現役のドライバーですからクルマのセッティング能力も高いんで す。変わったクルマが出るのも可能性を秘めていて面白いでしょう。今年は、走らせ てみて一回でも良いから結果を残したいですね」(小林且雄) 「エンジンは当面2リッターです。製作はあちこちに協力してもらっています。クル マはFRと4WDの両方のパーツを用意し、両方テストをします。ミッションはシーケン シャルの6速の予定です。今年、ジムカーナのCクラスのクルマで既にシーケンシャ ルは使っていますから」(加勢裕二代表) ○決勝スタート直前 13時45分現在 天気:曇り 気温:16度 湿度:51% 路面温度:17度 入場者数:3/30 42,000人(3/29 11,000人) *リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ) No. 原因 周回数 -------------------------------------------------- *21 エンジン 3L #12 駆動系 3L *6 ミッション 10L *333 エンジン 11L *20 コース上でストップ 16L *7 デフ・オイル漏れ 23L #36 ギアボックス 39L *26 タイサンスターカードRSR 黒旗提示:ピットロードでの速度違反:ペナルティ10秒 *26 新田守男(タイサンスターカードRSR) 「ピットインする前に*19シルビアをスプーン入り口で抜くことが出来た。最初はず いぶん離されてしまって、心配でしたよ。でも何とか自分の仕事が出来たと思いま す」(ドライバー交代直後) *19 福山英朗(RS☆Rシルビア) 「満タン状態では、ウチの方が速かったけど、軽くなってからは*26ポルシェの方が バランスが良いみたいだね。でも、あちらはペナルティがあるみたいだし、もう飛ば すことないじゃないかな」(残り10周時点) #37 関谷正徳(総合3位、カストロール・トムス・スープラ) 「セッティングを失敗したのか、よく分からないけど、なぜかオーバーステアだっ た。利男に悪いことしちゃったよ」 #39 影山正美(総合2位、デンソーズープラGT) 「兄貴抜くのに手こずっちゃった。いやぁ、面白かったですねぇ。ブロックが結構き つかったけど。大丈夫でしょ、レースだから。兄貴も分かってますよ。本当にチーム がいいクルマを造ってくれたからできた走りです。ホントは1番がいいんでしょうけ ど、とりあえず表彰台に上がれてよかったです」 #39 オリビエ・グルイヤール(総合2位、デンソースープラGT) 「マサミがよいポジションでクルマを渡してくれたんんで、とてもイージーだった よ。クルマはすごく快調だった。ただ、終盤ちょっと4速と5速が入り辛くて注意し ながら走らなければならなかった。コースの一部で追いつかれてしまったのはそのた めだ。タイヤもよかったし、開幕戦としてはたいへんよい結果が残せたと思う。この チームがそろって最初のレースでこの順位はとてもうれしい。スズキ(利男)選手と 競り合ったが、彼は非常にフェアで、とても気分よく走れた。激しく競り合っても フェアに走らなければならない。自分もそうしたし」 #2 ZEXELスカイライン(総合優勝) 柿本監督:「長かったですね。クルマのほうはまったく問題ありませんでした。ピッ ト作業で10秒は稼げましたよ。あれで勝てました。(メカニックが「言われたとおり にやりましたよ。なんかください(笑)」) #556 KURE R33(総合5位) 影山正彦:「前を走っていた星野さんが急に遅くなって当たったんだ。きっとトラブ ルだろう。大きなダメージはなかったけど、エアジャッキの口がへこんでピットで時 間をくった。正美はこれで運を使っちゃたから、もうないよ(笑)」 近藤真彦:「ここからひとつずつ順位を上げていきたい。4、3、2、1、1位でノルマ OKですね(笑)」 ☆ウィニング・インタビュー 総合優勝 鈴木亜久里(#2 ZEXELスカイライン) 「チームは喜んでました。NISMOがGTで勝つのは5年ぶりでスカイラインの100勝めっ て言ってました。NISMOも日産も改めてスタートを切ろうといったレースで優勝でき たのは嬉しですね。スタートはポールの関谷さんがアクセル踏むまでは待ってようと 思ってました。エンジンのトルクがあるんでスカイラインの方がひとつのギアが長い ので、スタートは少し有利かなと思ってました。それで前に出れて、少し楽になる なって。それで最初は一生懸命逃げたんです。2分7秒くらいのハイペースで逃げまし た。36号車が追い上げてくるのは分かってました。その時はブレーキが少し深くなっ て、最初に攻めすぎたんで少しタイヤがきつかったんですが、何とか押さえられる なって。このままトップでエリックに渡せば、彼が何とかしてくれるのは分かってま したから。今回はスープラはトラブルだったんですが、次回トヨタも対策してくると 思いますし、我々も早く新しい車を導入したり、強化をしていきたいですね。今期の 目標は、まず土曜日の夜にトムスの舘監督の誘いに乗らない、夜遊びに付き合わない ですね(笑)。昨日も誘われたんですが、11時までに引き上げたんで、勝てたんです。 あとはレースの神様が決めることですから、まじめにレースやっていけば何回か勝て るんじゃないかなと」 エリック・コマス(#2 ZEXELスカイライン) 「日産での最初レース勝ててうれしいです。いいスタートになった思います。みんな のおかげです。なぜなら...(以下日本語で)あぐりさん、ちょべりぐっどすたーとで すね。そう、あとでわたしはキープポジション。と、36のくるま、ちょっとはやいで した。でもラップタイムがおなじくらい。あとで36ばんのくるまリタイア。そのご、 かんたんでした。もちろん、レースおわりまでゆっくりいきました。なぜなら、ゆう しょうしたいからです。すかいらいん、このくるまとてもすきです。いまきょねんの くるまですね。もうすこし、97ねんのくるま、たぶん、とてもはやいです。このしゅ うまつはすーぷらとすかいらいんおなじくらいのはやさでした。そう、コンペティ ティションがハイレベル。(英語に戻って)この選手権はとてもすばらしいので、日 産の勝利の為に頑張りたいです」 GT300クラス優勝 福山英朗(*19 RS☆Rシルビア) 「(レース後かなり厳しい顔でしたが?)状況は分かってました。けど、まあたいして 若くないんですけど(笑)、若い選手を育ててくれって言われてましたから、キツイ顔 するところはしないと、育ちもしませんから。ぴっと締めるっと。今日はかなりラッ キーな部分もあって優勝できました。クルマは去年のシルビアとはまったく別物で、 生まれたばかりの赤ちゃんみたいなクルマなんで、もっともっと仕上げていかない と、シーズン通しては厳しくなると思います。26のポルシェが追い上げてた時にピッ トで呪いかけてましたから(笑)、黒旗でピットに入った時は、天井を突き破るくらい 飛び上がって喜びました(笑)。今年はタイトルは取りたいので、僕らも、開発のス タッフも頑張りますから、運良く取れればありがたいですね。え、今年のうちのキャ ンギャルの衣装が過激ですって? それがそもそも全ての間違いです(笑いながら織戸 の方を見る)」 織戸 学(*19 RS☆Rシルビア) 「ラスト1周で『ああ、あと1周だぁ』と思ったら、ちょっと心の中でいろいろ考える ことがあって。胸に込み上げるものとか、ちょっとニヤニヤしちゃって。で、自分の 不注意ですピンしちゃったんですけど。(福山「優勝したら、キャンギャルとなんか約 束してたんじゃないの(笑)」)。まあ、状況はそんな感じです(笑)。そうしたら、 (ストレートに戻って)チェッカーを受けるはずが、こうやって(オフィシャルがピッ トを指した)入れられちゃったんで、もしかしたらGT300はピットに入んなきゃいけな いのかなって、勝手に解釈しちゃったんです。それが混乱の原因です。これは僕のミ スです。交代してからは順位を考えないで走ってました。練習というとおかしいです が、自分がこれから学ばなければいけないことがたくさんあるからと、それを心がけて 走りました。今日はほんとに、福山さんを始めメカニックの人たちがやってくれてれ、 僕は走るだけだったですけど、こういういい結果が残せてうれしいですね」 *ランキング表に続く GTアソシエイション事務局 GTインサイドレポート班 古屋 知幸 = QYB04322 =