全日本GT選手権

GTインサイドレポート 99Rd.4/5

■ 1999 AUTOBACS CUP ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
■ GT INSIDE REPORT
■ Round 4 MINE GT RACE                                    FMOTOR4 EDITION
   GT INSIDE REPORT      インサイドレポート2       99/07/11
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'99AUTOBACS CUP GTC第4戦MINE CP MINE GT RACE(7/10,11)

■決勝日朝のフリー走行後のコメント
#6 ESSO Tiger Supra
野田英樹「昨日はハンドリングに問題を抱えててちょっと危ないくらいの状態だっ
たんだけど、それはだいぶよくなって、まともに走れるようになりました。もっと
よくなってほしいという欲はありますが、いいレースはできるレベルにはなってい
ます。雨は想定してなくてギャンブルになってしまうんで、ドライでいってほしい
です」

#16 Castrol無限NSX
中子修「レースでは最初に道上が乗るんだけど、そううまくいけるかどうかはわか
らないよね。そう簡単には抜けないんじゃないかな。なにごともなく、四隅が当たっ
てない状態で渡してもらえればいいよ。クルマは、道上がブレーキを心配してる。
オレは後半だからレースの流れに沿っていくけど、道上は前半で、いけるだけいく
からね。それが心配のタネ」

*19ウェッズスポーツセリカ
織戸学「ちょっと足回りが壊れちゃったけど、今トラブルが出てよかった。(セッ
ティングの)方向をいろいろふってみて、決勝はそんなに悪くないかなっていう感
じなんだけど、予選で遅かったから最初はキツいよね。ポイントとりますよ。固い
タイヤを生かすセットにしてるんですけど、雨降るかもしんないし…。スタートは
ボクがいきます」

*25アペックス・モモコルセMR2
新田守男「満タンで走ってみて、3番手ですね。きびしいっすね…。ウェイトがき
いていると思いますし、リストリクターの影響もあるのかストレートが遅い。スター
トはボクがいきます」

#38 FK/マッシモセルモスープラ
立川祐路「駆動系が突然壊れたのですぐに自分からマシンを止めました。今調べて
いますが、たぶんプロペラシャフトだと思います」

*15ザナヴィARTAシルビア
井出有治「チェッカーを受けたあと車内に煙が充満してきて、火が出てたらまずい
のですぐに止めました。ブレーキのダクトが外れて中途半端にタイヤにひっかかっ
たみたいです。クルマのバランスはいいし、どこも当たってないので決勝は問題な
いです」

*81ダイシン シルビア
福山英朗「マシンはあいかわらず快調です。心配ごとはとりあえずないんだけど、
ミッションも新スペックだし、まだ出てこないトラブルが恐い。ただ、今は不安材
料は探さなければない状況です。かえってこういうときのほうが緊張します。あれ
もこれも心配なほうが気がまぎれますよね。雨が降ったほうが勝利の確率は減ると
思います。なにも考えずにフルスイングするだけですね」

#35 マツモトキヨシ・トムススープラ
ピエール・アンリ・ラファネル「トラブルはABS。走り出して最初のうちは効いて
いるんだけどすぐに効かなくなる。昨日原因がわかったはずだったんだけど…。菅
生でもレース終盤に同じトラブルが出たし、ここのテストのときも出た。それに昨
日も。37号車のコースアウトも同じ問題だと思うよ。直ることを期待しているよ」

*26アドバンタイサンポルシェ
ドミニク・シュワガー「ポルシェは初めてですけど、タイヤと馬力、シャシーのコ
ンビネーションがいいですね。前回菅生ではバイパーに乗ったんですけど、ここは
バイパーにはきびしいでしょうね。ポルシェのほうが乗っていて楽しいです。バイ
パーも楽しいんですけどここではポルシェのほうですね。ただ、トヨタやニッサン
のマシンはレース用に大幅に改造されている、まさにレーシングカーそのものです
が、ポルシェはロードカーに近いですから(勝てる)チャンスはないですけど、と
もかくベストをつくすだけです。自分にとってはいい経験になりますし、できれば
来年もGTCに出たいですから。できれば来年GT500に乗りたいです」

#30綜警McLarenGTR
岡田英樹「ここはマクラーレン向きではないですね。基本的にはアンダーステアが
強いんですけど、それはセッティングの問題ではなくてクルマの基本特性によると
ころが大きいですから。ただ、ロングランでは悪くないし、満タンでもハンドリン
グの変化はそんなにないんで、フリー走行のタイムもよかった。ウチのチームとし
ては次の富士は期待できるんじゃないでしょうかね。ストレートが速いし。エンジ
ンの優位も出るだろうし。今回はあまりムリせずにいきます」

#2 ARTAゼクセルスカイライン
ミハエル・クルム「ドライバー交代して出ていったらホイールが外れてしまった。
なにかおかしいと思ってすごくスローダウンして、おそらく30km/hくらいで行って
いたんだけど、最終コーナーで外れてしまった。それでピットまで戻れなくなって
しまった」(チームでは現在原因を究明中だが、ナットは完全にロックされ、ピン
も装着されていたという)

◎マツダスピードが閉鎖
マツダスピードサービス部杉野芳彦課長「6月14日、7月いっぱいで閉めるという
話を聞きました。現在、GT300クラスに2台のマツダ車ユーザーがいますが、マツ
ダスピードとしてはどうすることもできないんです。会社がなくなるわけですから。
今後については交渉中です。今シーズンの残りについては(マツダスピードの)社
長がマツダ本社に希望をもっていくので、悪いようにはならないと個人的には思っ
ています。結論は出てないんですが、突き放すようなかたちはないと思います。
GTCでは、スペアパーツは3、4台分はあるんです。ただ、来年どこで供給できる
かが問題です。マツダスピードというブランド名は残りますが、市販車のパーツし
かやらない予定なので…。N1クラスは市販車と共通パーツが多いんで、このへんは
残ると思います」

オークラロータリーレーシング(*72オークラRX7)
大倉従道監督「先週の月曜日に日刊自動車新聞に出ていたのが正式発表ですが、6
月の14~15日には従業員の方に話されたそうです。いろんなルートからこうなるか
なというウワサは聞いていたんですが、まさかと思いました。登りかけたところで
ハシゴを外された気分です。シーズン途中でマツダスピードがなくなってしまうと
いうことは、完全に本社のほうがコントロールしてくれることを逆に期待していま
す。そうあってほしいというほのかな期待です。当面のアフターパーツ、とくに足
回りを確保できないとお手上げです。それに3ローターのエキセントリックシャフ
トはパーツがないんです。あちこち外国ルートも探したんですが、2週間前に2本
だけあったんですが、1本は仲間のところへいったんです。日本ではまったく手に
入らないので、アフターマーケットで作ったものかどうか確認中です。3ローター
はだんだん難しくなりますね、パーツを確保するのが…。われわれの意向はマツダ
スピードに伝えたんですが、今後スタッフの方と連絡がつかなくなる可能性がある
んで、アプローチをどこへやればいいのか困っています。なりゆきにまかせてやっ
てみる以外ないと思っています」

RE雨宮レーシング(*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7)
雨宮勇美代表「マツダスピードのフォローがあるからモータースポーツをもっと盛
り上げようと思ってGTのクルマを作ったんですよ。それがいきなりのストップです
から、なんのためにやってきたか…。やっぱりメーカーがやる以上、1年かぎりじゃ
なく継続してやってくれないと…。今(マツダスピードと)話をしてるところです。
極端な話、ミラージュ(カップ・レース)みたいにクルマ(使用したレース車両)
を引き取ってくれって言ってますよ。お互いにモータースポーツを勝負抜きに盛り
上げないといけない。メーカーにこのへんをわかってもらいたい。ファンの方々へ
は、自分たちでできるかぎりロ-タリーでGTCに続けて出たいと思っていますので
応援してください」


■タイヤメーカーに訊く
ブリヂストン
「ドライ用はソフトとハードの2種類、ウェット用は浅ミゾ、深ミゾ、カットスリッ
クの3種類です」

 以下はインサイドレポート班調べ
 BSユーザー各チームのチョイス
 ソフト:#6 ESSO Tiger Supra、NSX全車、#1ペンズオイル・ニスモGTR
 ハード:#30McLaren GTR、#38 FK/マッシモセルモスープラ、
     #12カルソニックスカイライン、#3ユニシアジェックススカイライン、
     #2 ARTAゼクセルスカイライン、#32 cdmaOneセルモスープラ

ヨコハマ
「GT500クラスのほうは構造で3種類、ゴムで3種類用意してます。バイパー(#55 
STPアドバンタイサンバイパー)はハード構造のハードコンパウンド、サード(#39
デンソーサードスープラGT)は従来型の構造でコンパウンドはソフトです。雨用は、
レインタイヤが4種類、インターミディエイトが2種類あります。
 GT300はセリカ2台(*19ウェッズスポーツセリカ、*20オートレットセリカ)が
ミディアム、ほかはすべてソフトです。もう一種類、バックアップ用にハードも用
意はしてあります。雨用は、ゴムとしては3種類。レインとインターミディエイト
があります」

トーヨー
「GT500はソフトとハードの2種類。ソフトをチョイスしてます。雨用は浅ミゾと
インターミディエイトの2種類です。
 GT300はFTO(*61テイボン・トランピオ・FTO)用がソフト、ミディアム、ハード
の3種類。プラス使う予定はありませんがバックアップとしてさらにハードなもの
も用意しています。チームが選んだのは3種類のまんなか、ミディアムです。雨用
は深ミゾ、浅ミゾ、インターミディエイトの3種類。リア用にソフトコンパウンド
も用意してます。ハチロク(*86 BPアペックスKRAFTトレノ)とBMW(*21BP-トラン
ピオ-BMW)はドライ用がソフトとハードの2種類。そのうちソフトを選んでいます。
雨用は浅ミゾとインターミディエイトの2種類です」

ミシュラン
「ドライ用は3種類。ミディアムと、ソフトが構造違いで2種類あります。35号車
と37号車がソフト1、36号車はミディアムを選んでいます。ソフトのほうが温まる
のは早いんですが、ライフ後半のタイムの落ちが若干あります。ライフ自体は1ス
ティントは問題ありません。どちらを選ぶかはドライバーのフィーリングでしょう。
ウェット用はソフトとハードの2種類と、インターミディエイトが1種類あります。
実はウェットのテストはできていないので、もし雨が降ってきたらエイヤッで選ぶ
しかないんです」


☆決勝スタート直前情報
 天気:曇り  路面状況:ドライ  気温:24度  路面温度:28度
 入場者数   7月11日=4万2200人       7月10日=1万4800人

 ピットスタート
  *21 BP-トランピオ-BMW(ブレーキ)
  *7 RE雨宮マツモトキヨシRX7(ミッション)


■レース中のコメント
*61テイボン・トランピオ・FTO
中谷明彦「オーバーヒートです。ボクが乗っているときから症状は出ていました。
序盤は調子がよかったので残念です」

#88ノマドディアブロGT-1
和田久「今日は残念な結果でしたが、マイナートラブルなので次こそ上位をねらっ
ていきます。ストレートが速いので富士ではポテンシャルが発揮できると思います」

#36カストロール・トムス・スープラ
関谷正徳「序盤からABSが壊れちゃった。まあしょうがないね。琢弥もそのまま我
慢して乗ってるよ」

*7 RE雨宮マツモトキヨシRX7
松本晴彦「ピットスタート後は順調に走ってたんだけど、ポルシェと接触して1回
スピンしちゃいました。それからはラップタイムを落とさないよう心がけて走りま
した。スタート前に交換したミッションはギア比が合ってないんですが、トラブル
はないです」


*リタイア(GTインサイドレポート班調べ)
No   原因            周回数
-------------------------------------------
88   ドライブシャフト破損    5L
26   ミッショントラブル     5L
32   コースアウト        17L
81   ホイール破損        18L
10   *99と接触          21L
61   オーバーヒート       32L
64   エンジントラブル      51L



■レース終了後のコメント
#37カストロール・トムス・スープラ(総合2位)
鈴木利男「しょうがないね。朝のクラッシュの影響はなかったんだけど、もうブレー
キがスコンスコンだった。20周いく前にもうブレーキが全然なくなってた。でも、
オレは一番で渡せたから、まあいいか」
片山右京「利男さんから渡されるとき、ブレーキがないよって言われて、最初は大
丈夫かなと思ったけど、3周目くらいから全然なくなっちゃった。直線でもポンピ
ングしてたし、コーナーなんかホントに大変だった。ラップ遅れに出会うタイミン
グも悪くて、抜かれたときは目の前のラップ遅れがスピンしたんで、直線スピード
が伸びなかった」

#16 Castrol無限NSX(総合3位)
道上龍「昨日まではブレーキがよくなくて片効きしたり全然効かなかったりしてた
んだけど、今朝のフリー走行では安定して走れるようになっていた。レースはでき
るだけボクがひっぱる作戦。最初はようすをみてたんだけど、前がどんどんつぶれ
ていったんで、作戦どおりにいきました。35~36周目からタイヤがキツくなって、
28秒台がやっとだったんですけど、なんとか走りきることができました」
中子修「(No.2 ARTAゼクセルスカイラインが直後にいたが)便所下のコーナーか
ら先はウチが速かったんで、抜かれるとは思わなかった。道上から渡されたときは
クルマは完璧で、心配していたブレーキも問題なかった。道上がいたわって走って
くれたんだと思う。次はウェイトハンディが70kgになってしまうんで、富士は大変
だと思います」

*25モモコルセ・アペックスMR2(GT300クラス2位)
新田守男「状況からして、結果的には一番いいポジションでしたね。ストレート(ス
ピード)があんまり違うんで、どうにもならない。使いたくないタイヤ使わないと
勝負にならなかった。序盤はダンゴに入らないようにしたかったけどできなかった
んで、このへんが課題ですね」
高木真一「きびしかった…。つまるんだけど抜けない。壊れることの心配もあって、
シリーズ考えるとこれでオーライかなと思います。地元で表彰台も、まあ、勝ちで
はないですけど気持ちいいですね」

*19 ウエッズスポーツセリカ(GT300クラス3位)
織戸学「これがボクらのレースですよ(笑)。予選はきびしかったけど、(決勝は)
運がよかった。内容はよくなかったけど、こんなもんでしょう」
原貴彦「運のついたレースでした。足回りにトラブルもあって目一杯はいけなかっ
た。5~6秒遅いペースでいったんです」

*86 BPアペックスKRAFTトレノ
田中実「テストをやれてないんで、とにかく完走(でOK)です。ストレートは速い
んで次の富士は期待できると思います」

*81ダイシン シルビア
大八木信行「今回はすごくいいペースで走れて、しめしめと思っていた矢先に、最
終コーナーでクリップについたらなんの前触れもなくバーンという音がしてコース
アウトしてしまった。アップライトのボルトがホイールに接触して、ホイールを割っ
てしまったようです。なんとかピットに戻って直そうとしたんだけど、完全に割れ
ていて直せる状態じゃなかった。とにかく残念です」


■優勝者インタビュー

総合優勝
#1ペンズオイル・ニスモGTR
本山哲「1番はすごくうれしいんですけど、ボクが乗ってる後半にギアボックスの
トラブルが出てまして、はっきり言って降りたときには完走できるとは思えなかっ
た。完走できることだけを祈ってる状態から勝てたので、信じられないです。タイ
ヤも温存しながらいってて、クルマのセッティングもよくて、それとチームのこと
ですけれどピットストップがすごく速くて、それが順位を上げていったと思います。
具体的には4速がなくなって、4速がない状態でいかに速く走るかボクのときから
考えていて、それを無線でピットやエリックに伝えたりして、あとはエリックにま
かせました」
エリック・コマス「今日はとても楽しくレースができました。右京さんとのバトル
はギリギリまで攻めてもお互いに押し出すようなことはしませんでしたし、2人と
もハードなバトルでしたけれどいいレースができました。ピットストップの後に4
速がなくなっていたのはわかっていたので、なんとかクルマを保たせようと考えて
いました。チャンピオンシップのために少しでもポイントを稼ごうと考えていたん
ですけど、その結果で勝つことができてほんとうによかったです。右京さんとのバ
トルはラスト20周ぐらいからとりあえず2位をキープしよう、なんとかチャンピン
シップのために15点獲ろうと考えたんですけれど、そのうち右京さんのクルマがブ
レーキなのかタイヤなのか、ちょっと調子が悪いようだと気がついて、こちらはギ
アボックスのトラブルを抱えていたのですが、勝負をかけてみようかと思いました。
渋滞をうまく使うことができたので非常にラッキーだったと思います」

GT300クラス優勝
*15ザナヴィARTAシルビア
土屋武士「マージンは前半からあったんですが、見た目以上にきびしくて、ダイシ
ンシルビアの大八木さんがすごく速かったんで、ペース配分もなく最初から全開で
いきました。目一杯でこのまま走っちゃったら最後まで走れないなというペースで
走ってもついてきてるんで、本当に(ダイシンのリタイアは)ラッキーてしたね」
井出有治「交替したときに後ろと15秒くらい差があったと思うんですけど、タイム
を見て自分でがんばってさらにタイムを拡げました。前回の優勝のときよりも余裕
がありました。このまま連勝できるようにがんばります」


*その3に続く

                       GTアソシエイション事務局
                        GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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