Formula Nippon

FN:第5戦鈴鹿 NAKAJIMA RACINGが今季初の1-2フィニッシュ (HONDA)

ロイック・デュバル選手が今季3勝目でランキングトップに浮上

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  • 2009年7月12日(日)決勝
  • 会場:鈴鹿サーキット(5.807km)
  • 天候:予選/曇り 決勝/晴れ
  • 気温:29℃(14:30時点)
  • 路面温度:43℃(14:30時点)
  • 決勝レース:43周(249.701km)
  • コースコンディション:決勝/ドライ
  • 観客:1万5000人(主催者発表)

 7月12日(日)、三重県・鈴鹿サーキットにおいて2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5戦の決勝レースが開催された。

 今大会からシーズンは後半戦へと突入し、ポイントランキングにおいてもし烈な争いが展開されている。前戦の富士でポール・トゥ・フィニッシュにより今季2勝目を飾った#31 ロイック・デュバル選手(NAKAJIMA RACING)は、トップとわずか1ポイント差のランキング2位まで詰め寄っている。

 11日(土)の早朝に行われたフリー走行では、L.デュバル選手と第3戦もてぎで優勝した#32 小暮卓史選手が駆るNAKAJIMA RACINGの2台のみが、1分41秒台をマークする好調な走りをみせた。午後に行われたノックアウト方式による公式予選では、小暮選手が1番手、L. デュバル選手が2番手で第1セッションを通過。同じくHondaエンジンを駆る#10 塚越広大選手(HFDP RACING)は5番手。#40 リチャード・ライアン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が10番手。#41 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が11番手のタイムを記録し、出場5選手全員が第2セッションへ駒を進めた。

 11台から8台に絞られる第2セッションでは、トップを争うNAKAJIMA RACINGの順位が入れ換わり、L.デュバル選手が1番手、小暮選手が2番手のタイムを記録。塚越選手は8番手で第3セッションへと進んだ。

 決勝グリッドを決める第3セッションでは、L.デュバル選手がファステストタイムとなる1分41秒214を叩き出し、前戦に続いて2戦連続のポールポジションを獲得した。この時点でL.デュバル選手には1ポイントが加算されたため、シリーズランキングにおいてトップタイに躍り出た。小暮選手は0秒 479差の2番手となり、NAKAJIMA RACINGがフロントローを獲得。また、塚越選手も力強い走りで3番手に入り、Honda勢がトップ3グリッドを独占して、翌日の決勝レースを迎えることとなった。

 12日(日)に行われた決勝では、予選2番手の小暮選手が好スタートを切ってホールショットを奪取。2位にL.デュバル選手、塚越選手は4位。オープニングラップは伊沢選手が8位にポジションアップ、R.ライアン選手が10位を走行する。

 小暮選手とL.デュバル選手は、2台のみ2分45秒台の驚異的なタイムを記録して3位以下を引き離しにかかる。その後、塚越選手と伊沢選手、R.ライアン選手を含む計5台のマシンが反則スタートによるドライビングスルー・ペナルティの裁定が下されたため、4位以下の順位が大幅に変動することとなった。

 13周終了時点でトップの小暮選手と2位のL.デュバル選手は、3位に15秒142もの大差をつける。17周目あたりから、1分46秒台を重ねるトップの小暮選手に対し、L.デュバル選手のタイムが1分47秒台に下がったため、2周終了時点で2台の差は6秒854に広がった。それでもトップ2台は、3位と22秒以上もの大差をつけて独走している。

 24周終了時に2位のL.デュバル選手が燃料補給とタイヤ交換のためにピットイン。20秒1のピット作業でコースに復帰した。その2周後にトップの小暮選手がピットイン。同じく20秒1のピット作業でコースに戻り、トップのポジションをキープした。

 26周目のシケインでは、塚越選手が前車をパスして11位に浮上。すべてのマシンがピットインを行った31周終了時点で、トップに小暮選手、11秒179差の2位にL.デュバル選手、10位に伊沢選手、11位に塚越選手、R.ライアン選手は13位を走行する。

 33周目、トップを独走していた小暮選手のマシンにパドルシフトのトラブルが発生し、4速ギアしか使用できなくなったために大幅なペースダウンを余儀なくされてしまう。そのため、次周のヘアピンカーブで追いついた2位のL.デュバル選手がバックストレートで小暮選手をパスしてトップに浮上した。小暮選手はトラブルを抱えながらも走行を続け、一時はラップタイムを1分53秒台まで落とすものの、38周目にトラブルから復旧してペースを取り戻し、2位のポジションを守りきることに成功した。

 勢いを取り戻した小暮選手は、40周目に1分45秒191のファステストラップを記録しながらトップを追うが、チームメートのL.デュバル選手が安定した走りで2戦連続のポール・トゥ・ウインのチェッカーフラッグを受け、今シーズン3勝目を飾った。小暮選手が今シーズン2度目の表彰台となる2位に続き、NAKAJIMA RACINGは今シーズン初の1-2フィニッシュとなった。伊沢選手は8位入賞、塚越選手は9位、R.ライアン選手は13位で完走を果たした。

 この結果、L.デュバル選手はついにシリーズポイントにおいて37ポイントでトップに立ち、小暮選手は22ポイントで3位に躍り出た。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR09E」開発責任者
 「今週は大変ドラマチックな週末になりましたが、いい結果を出すことができてうれしく思っております。今回の鈴鹿ラウンドから後半戦に向け、最高出力の向上を目指した新バージョンのエンジンを投入しました。そのかいもあってか、予選でも1位、2位、3位を獲得し、決勝においてもNAKAJIMA RACINGの2台が今シーズン初の1-2フィニッシュを飾るとともに、HR09Eとしては4連勝となりました。ドライバーズランキングでもL.デュバル選手がトップになり、次戦のもてぎラウンドではリーダーズレッドをつけて戦うことができます。2位の小暮選手にとっては大変残念な結果でしょうが、あきらめずに善処して2位を守ったことはすばらしいことだと思います。次戦のもてぎでも最善を尽くすべく、マッピングなどを見直して皆様の期待に応えたいと思っております。ぜひとももてぎに来場いただき、熱いご声援をお願いします」
ロイック・デュバル選手(優勝 #31 NAKAJIMA RACING)
 「スタートで小暮選手に先行されてしまい、厳しい展開のレースとなりました。レース前半で徐々にオーバーステアがきつくなりましたが、ピットストップ時にチームスタッフの働きで解消されました。小暮選手に起きたトラブルは不運でしたが、自分自身が100%の力を出しきれば勝てると信じて走りました。優勝できたことをうれしく思っています。シーズンが後半戦に入り、ライバルも力をつけてくると思いますし、これから勝つことがますます困難になってきますから、自分もチームも一層の進化を続けていきたいと思っています」
小暮卓史選手(2位 #32 NAKAJIMA RACING)
 「今日はいいスタートを切ることを考えてレースに挑み、スタートでトップに立つことができました。後半、ギアが4速に固定されるトラブルがありましたが、ピットからの指示に従ってマシンを操作し、復旧させることができました。4速のままで走行している際に、それほどタイムを落とすことが無かったのは、マシンバランスが優れているからだと思います。すばらしいマシンを用意してくれているチームにとても感謝しています。次戦のもてぎは自分の得意なコースでもありますし、セットアップでもいい要素がいくつか見つかっているので、絶対に勝ちにいくつもりで挑みます」
Text & Photo: HONDA


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