
(C)Toyota
全日本F3選手権
第19/20戦(最終戦) もてぎ
全日本F3最終ラウンド J.コートニーが連勝で有終の美
インギングのR.クインタレッリが2戦連続2位。
トヨタは今季のF3全部門タイトル制覇
最終第10大会でも連勝。今季13勝を上げてチャンピオンを獲得したトムスチー
ムのJ.コートニー 今季の全日本F3選手権もいよいよ最終戦。第10大会(第
19戦、第20戦)が10月18日(土)、19日(日)の両日、栃木県のツイン
リンクもてぎ・ロードコースで開催された。
同大会には、すでに今季チャンピオンを確定したJ.コートニー(トムス/トヨ
タ・トムス3S-GE)をはじめ12台が出場。このうちトヨタ・トムスエンジン
搭載車は8台を占めた。
この週末のツインリンクもてぎは、18日の朝に降雨があったものの、19日は
清々しい秋晴に。サポートレースとして人気の「エッソ・フォーミュラトヨタ」第
8戦のほか、「ネッツカップ・ヴィッツ関東シリーズ」第7戦も盛況なエントリー
を集めて行われた。
◆予選◆
18日(土)午前9時5分から15分間づつ公式予選が行われた。まず第19
戦のセッションでは、これに先立つヴィッツレースの予選前半まで小雨が断続的に
降り、開始時点ではところどころ路面に濡れたところもあったが、周回を重ねるご
とにコースコンディションは好転。レコードラインが完全ドライとなったセッショ
ン終盤に向けて各車がベストタイムを更新する展開となった。
この中でシーズン後半に入って速さを増したR.クインタレッリ(インギング/
トヨタ・トムス3S-GE)がトップに立つが、予選終了間際の最終周にJ.コー
トニーがギリギリで逆転。0.035秒差でポール・ポジションを獲得した。予選
3番手には横溝直輝(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が続き、トヨタ勢
は予選1番手から3番手グリッドを独占。
続く第20戦の予選セッションでは、若干コースに土が載っているものの路面は完
全ドライとなって各車ペースアップ。再びR.クインタレッリが好調にトップタイ
ムを記録するが、6周目に再びJ.コートニーが逆転。コースレコードを更新する
タイムで連続ポールポジションを獲得した。2番手にはR.クインタレッリが入り、
2戦連続で外国人選手がフロントローを独占、3番手には、アンダーステア対策で
若干セッティングを変更して予選に臨んだ片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S
-GE)が、予選終了間際にコースレコードを更新するタイムでポジションを確保
した。
◆第19戦決勝◆
午後1時20分から14周で行われた第19戦決勝は、J.コートニーが絶妙な
スタートを切り、トップで1コーナーへ。これにR.クインタレッリ、横溝直輝ら
が続いて序盤戦に突入。
1周目の90度コーナーで5位のP.モンティン(ニッサンSR20VE)が若
干コースオフ。この間隙に予選6番手スタートの片岡龍也は5位にポジションアッ
プし、さらに前方の山西康司(無限MF204C)を猛追。
J.コートニーは序盤からハードプッシュを続け、後続との間隔を広げるがその
後もペースを緩めず、11周目にはコースレコードとなるファステストラップタイ
ムを記録。思うようにペースの上がらないR.クインタレッリに7.368秒差を
つけ、ポール・トゥ・フィニッシュで見事今季12勝目を獲得。
また、山西康司とのバトルを抑え切った横溝直輝が3位を獲得、トヨタエンジン
勢は表彰台を独占する強さを見せた。
◆第20戦決勝◆
今季最終レースとなる第20戦は19日午前11時から20周で激戦を展開。ポー
ルポジションのJ.コートニーは再び完璧なスタートを決め、トップで1コーナー
へ。これにR.クインタレッリ、クラッチミートを失敗して出遅れた片岡龍也をパ
スして3位へ躍進したP.モンティン、4位には山西康司と続き、片岡龍也は5位
でレースを開始。
前戦と同じく序盤のハードプッシュでリードを広げるJ.コートニーの後方では、
片岡龍也と山西康司の熾烈な4位争いが観客を沸かせるが、抜きどころの限られた
ロードコースに苦戦。
中盤ややペースダウンしたところでミスも見られたJ.コートニーであったが、
終盤戦は再びプッシュし、ファステストラップタイムも記録する完全試合を決めて
2戦連続ポール・トゥ・フィニッシュで破竹の6連勝。今季13勝目を挙げてチャン
ピオン獲得に花を添え、シーズンを締めくくった。
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トムスチームのJ.コートニーのコメント:
クルマの調子はもちろんベストの状態だった。今大会もフォーミュラ・ニッポンと
掛け持ちでの参戦だったため落ち着かない状態だったが、チームが良くやってくれ
た。シリーズチャンピオンも決まり、決勝はプレッシャーの無い中で思い切り走る
ことができた。今季は自分にとって最高のシーズンになったと思う。
インギングモータースポーツ R.クインタレッリのコメント:
決勝では、新品タイヤではタイムが伸びるのに、摩耗したタイヤではジェームス
(コートニー)についていけないという、今までと同じパターンにはまってしまっ
た。とはいえ、今シーズンを振り返れば、F3参戦初年度としては満足すべき結果
だと思う。来季も全日本F3を走ることを希望している。
トムスチーム 片岡龍也のコメント:
今週は予選やスタートなどでミスが目立った。 シーズンを通してみれば筑波で自力
優勝を決められたし、成長出来たかなと思うが、今回の結果には満足していない。
この鬱憤を晴らすべくマカオGPでは全力で頑張る。
トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント:
今季はチームタイトルとエンジンチューナータイトル、エンジンメーカータイトル、
そしてJ.コートニーによるドライバーズタイトルと全ての部門でチャンピオンを
決めることが出来、本当に良いシーズンだった。しかし、こうした強豪外国人ドラ
イバーと一緒に走らせることで日本人若手ドライバーを育成するというプログラム
については、必ずしも満足の行く結果とは言えない。我々の努力がまだ足りない部
分もあるのだろう。今後も頑張って行きたい。
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第19戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選
1 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)TOM'S 25'18.618 14 1
2 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 7.388 14 2
3 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 12.086 14 3
4 1 山西康司 ホンダ(無限MF204C) 童夢レーシングチーム 13.005 14 5
5 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 13.505 14 6
6 12 P.モンティン(イタリア) ニッサン(ニッサンSR20VE)Three Bond Racing 15.468 14 4
7 33 吉本大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 29.564 14 8
8 32 番場 琢 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 34.648 14 10
9 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 38.438 14 9
10 19 柴田裕吉 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 42.504 14 11
第20戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選
1 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE)TOM'S 36'14.743 20 1
2 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 8.133 20 2
3 12 P.モンティン(イタリア) ニッサン(ニッサンSR20VE) Three Bond Racing 13.994 20 5
4 1 山西康司 ホンダ(無限MF204C) 童夢レーシングチーム 15.467 20 4
5 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 16.322 20 3
6 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 18.628 20 6
7 33 吉本大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 38.026 20 8
8 10 R.オースティン(イギリス) ホンダ(無限MF204B) 童夢レーシングチーム 39.476 20 10
9 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 45.035 20 9
10 8 小早川済瑠 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 45.765 20 7
ドライバーズポイント
(最終戦終了時での有効得点:暫定)
順位 ドライバー名 エンジン ポイント
1 J.コートニー トヨタ・トムス 305
2 P.モンティン ニッサン 209
3 片岡達也 トヨタ・トムス 207
4 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 200
5 横溝直輝 トヨタ・トムス 109
9 吉本大樹 トヨタ・トムス 52
11 小早川済瑠 トヨタ・トムス 51
11 柴田裕吉 トヨタ・トムス 50
13 番場琢 トヨタ・トムス 42
マニュファクチャラーポイント
(最終戦終了時までの有効得点:暫定)
順位 メーカー(エンジン名) ポイント
1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 310
2 ニッサン(ニッサンSR20VE) 207
3 ホンダ(無限MF204B/C) 196
※ポイントはシリーズ全戦の80%が有効
