
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が、7月20日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、2番グリッドからスタートした太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、終盤トップに立ち、そのまま逃げ切って優勝を飾った。
2位は岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、3位には第6戦優勝の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が入った。
スタートからポールポジションの坪井が先行し、太田が1秒以内の差で追い、その後方には、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、少し離れて牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が続き、トップ2車も両者の攻防だけに集中するわけにはいかない緊迫した展開が、レース中盤まで続いた。
レースが大きく動いたのは17周目。13コーナーで、13位を走っていた野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)の左フロントタイヤが外れ、野中がコースサイドに車両を停めたことで、セーフティカー(SC)が導入された。
これにより、上位のほとんどのクルマが、義務となっているタイヤ交換のためにピットに次々に滑り込んだ。
この思いがけない展開になったことで、トップに立ったのは、7周目にすでにタイヤ交換を済ませていた岩佐。ギリギリながら、ピットからコースに戻った坪井の前に出ることに成功し、坪井、太田、佐藤らを従えて、SCランを続ける。
25周目にリスタートとなると、岩佐は摩耗したタイヤで坪井らを抑えてトップを死守。そして、岩佐と坪井がバトルを繰り広げる間に太田も迫り、さらに佐藤もトップグループに加わるという大混戦の見ごたえあるレースとなった。
31周目、太田が1〜2コーナーで坪井を捕らえて2位に浮上すると、勢いそのままに33周目には同じ1コーナーで岩佐も攻略し、ついにトップに躍り出た。
トップグループの中では太田の速さは際立っており、その後は2位岩佐との差を開いて、41周のレースを走りきって、今季3勝目のチェッカーを受けた。
2位には、不利なタイヤで坪井を抑えきった岩佐が入った。4位は31周目に佐藤をかわしたベテラン小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)。以下、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、SCランのピットアウト時にコースを外れてしまった佐藤はプラス5秒のペナルティで6位だった。
なお、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)は、中団に埋もれたまま、12位でレースを終えた。
第8戦は、8月9〜10日、スポーツランドSUGOで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI