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2022年10月

SUPER FORMULA

第10戦鈴鹿決勝会見 野尻智紀「今まででベストと言えるレースでした」

優勝 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

決勝記者会見:優勝した

 「ずっとポールから勝てないというレースが続いていて、勝ちたいという気持ちがどんどん強くなっていた時期もありました。ただ、今はチャンピオンを見据えて走るときだと自分に言い聞かせているという状態が、シーズン中ずっと続いていました」

 「今回は(そういうことが)何もないのでリスクを負って最初から最後までプッシュし続けました。昨日のレースが終わって、自分に挑戦するレースにしたいと思っていました。自分自身と戦い続け、個人的には今まででベストと言えるレースができたと思います」

2位 大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)

決勝記者会見:2位の

 「チャンスがあるのはスタートだと思い、そこに集中していました。スタートはかなり良く、野尻選手を抜くまでには至りませんでしたが、2番手で前半走れたのはレース展開を見据えると良かったと思います」

 「ピットに入るタイミングはちょっと早かったのですが、早かったことでSCが入って、トップに立てるチャンスがあるかもとも思いました。結局それは叶わなかったのですが、2番手の位置でしっかり走りきれました。今年の初表彰台になりますが、ダンディライアンに移籍して、なかなか上手くいかないことが多かったので、最後の最後でまとめることができて、チーム、応援してくれた皆さんに感謝したいです」

3位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)

決勝記者会見:3位の

 「今日のレースは、スタートは改善されたのですが、後ろのホンダ勢が速くて抜かれてしまいました。その後3番手に上がって、セーフティカー出るまではクリーンエアーになってペースを上げることができました」

 「昨日のストラテジー(戦略)どおり進めようとしたところでセーフティカーが入ってしまって、ちょっと不運だったという印象です。タイヤ交換後は、皆マイレージはほぼ一緒ですし、追い抜くこともできませんでした。でも、自分の中ではクルマの課題点や改善点を確認できたレースでした」

決勝フォトセッション:トップ3のドライバーたち

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第10戦鈴鹿決勝会見 優勝監督・田中洋克「2台体制はタイトルのために必要でした」

決勝記者会見:優勝チーム監督の田中洋克(TEAM MUGEN)

優勝チーム監督 田中洋克(TEAM MUGEN)

 「素直に嬉しいです。最終戦で優勝できればベストと思っていましたが、本当に優勝できて嬉しく思っています」

 「(野尻選手と笹原選手のピットインのタイミングが重なったことについて)笹原選手のフロントウィングが壊れたのはイレギュラーでしたし、野尻選手はセーフティカーも入りましたので、あれは仕方ないと思います。チームの皆も冷静に対応してくれましたので、大勢に影響はありませんでした」

 「最終戦が本来の野尻選手の持っている力だと思います。昨日まではチャンピオン獲得のプレッシャーが凄くかかっていて、守りに入るという力も働いたように思います。今日は全てのことから解き放たれて良いパフォーマンスを出してくれました。昨日とは全く顔つきが違っていました」

 「今年は2台体制での参戦でしたが、野尻選手の連続タイトルを取るためには必要なことでした。やはり1台では限界もあります。山本選手のときも1台でやってきましたが、非常に辛かったです。良いときはいいのですが、ハマってしまうと出られなくなってしまうというのが1台体制の弱点です。今年は何としても2台でやりたいという気持ちが強くありました」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第10戦鈴鹿予選会見 野尻智紀「優勝を待ち望んでいる方に応えたい」

PP 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

予選記者会見:ポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN)

 「今シーズン始まる前にはここまでポールポジション(PP)をたくさん取れるとは思っていませんでした。選手全員がほしいPPを6回も取れたことは嬉しく思います。チームの支えとファンの皆さんの支えがあってこそです。優勝を待ち望んでいる方も多いと思いますので達成できるよう、がんばります」

2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)

予選記者会見:2位の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

 「今日も2番グリッドですが、タイム差は縮まったと思います。昨日からポテンシャルを上げることができたので安心しました。過去は(同じ状況で)悪い流れになることがありましたが、良いポテンシャルで走ることができました。昨日はチーム側のミスもあって順位を大きく落としてしまったので、最後のレースは皆で達成感を味わえる素晴らしいレースにしたいと思います」

3位 大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)

予選記者会見:3位の大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

  「昨日の予選、決勝ともにペースが良くなくて、特に予選を大きく改善しなくてはいけないという状況だったのですが、チームと昨日夜遅くまでミーティングを重ねて、これまで良かったテストの雰囲気などを思い返して、データと照らし合わせて今日に臨みました。Q1の走り出しからタイヤのグリップが全く違って、Q1を2番手で通過でき、さらにそこからトップを取るしかないという気持ちで、攻めたセッティングを試みましたが、トップとは差がついてしまいました。でも、3番手で予選を終えられたことは嬉しく思っています」

予選フォトセッション:トップ3のドライバーたち

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第9戦鈴鹿決勝 4位大湯都史樹「かなり厳しいレースでした」

決勝4位の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 金曜日のフリー走行から好調だったにもかかわらず、決勝では苦しみながらの4位フィニッシュを果たした大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。レース後に話を聞くと意外にもペースが上がらないのは走る前から分かっていたという。

 「かなり厳しいレースでした。ペースは序盤から……というより走る前からダメだろうな、というのはありました。フリー走行や予選もそうでしたが、予選だから何とか前へ行けましたが、ロング(ラン)は相当ダメだろうなという想定のもと決勝に臨みました。それでも何とか4位を死守できたので、良かったのは良かったですけど、ただ、やっぱり普通に考えたらポイント取れないレベルのペースしかないので、ちょっと厳しいですね」

 「ピットインは11周あたりですけれど、あれはペースがないのでそのタイミングしかなかったという感じです。それに合わせて上位のどちらかは入るだろうとも思っていました。あの(ピットインの)判断は間違っていなかったと思います。あのまま走ってもどんどんペースが悪くなってどうにもならなくないという状態になりかねなかったと思います」

 「ペースの改善策は今から考えるんですが、すぐ無限チームのレベルに行けるかというと、そんなことはないので、少しでも……今日でいうと佐藤蓮選手に後半抜かれましたけれど、あそこで抜かれない程度のペースは欲しいという感じですね」

 「(終盤の宮田選手とのバトルは)あそこで守らないと、その後ろも来ていましたし、1周で2~3台抜かれかねない状況だったので、あそこは引けないところです。意地ですね。バトルはクリーンだったと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第9戦鈴鹿決勝会見 優勝監督・田中洋克「ワンツーは嬉しいの一言です」

優勝チーム監督 田中洋克(TEAM MUGEN)

優勝チーム監督の田中洋克氏(TEAM MUGEN)

 「嬉しいの一言です。ワンツーを取りたいというのはどのチームも思っていることですが、とてつもなく難しいことなんです。ドライバーとチームタイトルの決まったレースでワンツーというのは本当に嬉しいです。サポートしていただいた多くの皆さまに感謝します。言葉にできないくらい嬉しいです。ありがとうございました」

 「右京選手が2勝目を挙げることができましたが、前回はペースカーの入るタイミングなどがあって、運も味方につけての勝ちでした。でも、今日に関してはガチで、スピード、テクニックなども含めて勝てました。」

 「これまでも予選さえ前に行ければ勝てるというドライバーでしたので、今日は野尻選手を抜い優勝できたというのは本当に良かったと思います」

 「戦略的には野尻選手と(ピットインのタイミングが)被らないようにというのは考えていました。野尻選手のチャンピオンがかかっているので、オーダーを出すか出さないかはチーム内でも議論はしましたが、基本は自由に戦うということにして、自分たちのレースをしてくれということにしました」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第9戦鈴鹿決勝会見 笹原右京「思うように操れるマシンでした」

優勝 笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)

決勝記者会見: 優勝した笹原右京(TEAM MUGEN)

 「率直に嬉しいです。昨日からなかなかペースを上げることができなかったのですが、決勝に関してはチームが用意してくれたクルマが素晴らしくて、スタートもうまく決まりましたし、その後のペースも良く、自分が思うように操れるマシンでした」

 「前回の優勝はいろいろな要素があって、流れもありましたので、実力で勝ちきったとはいえませんでした。今回は純粋に鈴鹿を楽しんで全力で走り切るということができました。結果よりも自分の今あるものをすべて出し切れれば良いと思っていたので、最後の最後までプッシュしし続け、チェッカー受けたときは疲れたというのが率直な印象でした」

2位 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

決勝記者会見: 2位の野尻智紀(TEAM MUGEN)

 「今日に関してはチャンピオンシップもあるので、どれだけリスクを負うかというのが軸となった部分と思います。最初はトップでスタートを切れてペースを作っていましたが、プッシュしても笹原選手が追いついてきたので、これは厳しいなぁと。特にピットイン後は低内圧でプッシュしてしまうとタイヤ壊してしまうことが多いので、無理せず状況が整うまでプッシュしなかったというところもありました」

 「チャンピオンシップが取れたことは非常に嬉しいのですが、最近勝てないレースが続いて勝ち方を忘れてしまっているので、明日はしっかりと勝ち方を思い出させてもらうよう、優勝だけを狙って戦いたいと思います」

3位 佐藤 蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)

決勝記者会見: 3位の佐藤蓮(TEAM GOH)

 「前日のフリープラクティスでは少しハマっているところがあって、そこを夜遅くまでチームが分析してくれて、予選で大幅に改善することができ、決勝では更に良いクルマをつくってくれたので、本当に良いペースで走れてオーバーテイクもでき、この順位まで来ることができました。初表彰台は嬉しいですが、明日に向けてさらに期待が持てるよう、予選を改善できるよう分析して備えたいと思います」

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーたち

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第9戦鈴鹿予選会見 野尻智紀「今ある力をすべて出し切れました」

PP 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

予選記者会見:ポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN)

 「昨日は本当に不調でしたが、過去の実績と照らし合わせて何がいけないのかを自分たちなりに突き止め、そこを修正しました。Q1を走った段階で、クルマはかなりポテンシャルがあると感じました。Q2に関しても良いアジャストができました。チームも含め、今ある力をすべて出し切れた予選だったと思います」

 「個人的に、少しネガティブなイメージばかりが頭の中を駆け巡っていましたが、気持ちの面でみんなの頑張りに助けられました。みんなの支えとともに決勝も力一杯戦いたいと思います」

2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)

予選記者会見:2位の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)

 「フリー走行は何とも言えないコンディションで終わって、予選に向けてアジャストをどこまでやったら良いのか分かりませんでした。Q1は悪くはなかったのですが、もっと突き詰めないとポールポジションは取れないだろうと思い、Q2に臨みました。Q2は良いところもあれば悪いところも残っているという状態でした」

 「2番グリッドは取れましたし、トヨタ(エンジン)ユーザーでは一番速いので、やれることはやったと思っています。でも満足はしていないので、もっと速くなれるようにしたいと思います。まずは今日のレースをしっかり戦い抜きたいと思っています」

3位 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

予選記者会見:3位の大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 「悔しいですね。昨日のフリー走行のままの順位であってほしかったと思います。僕自身はベストを尽くせましたし、実際昨日のフリー走行では良いタイムを出せていましたが、個人的には良いパフォーマンスを出せていないというところがありました。そこを今日に向けて変えていこうと思っていましたが、問題としていた部分は改善されませんでした」

 「(昨日は下位に沈んだ)野尻選手が上がってくるだろうとは思っていましたが、やはりQ2ではぽーんと来て、またしてもやられてしまったな、という思いです。悔しいです」

公式予選フォトセッション: トップ3のドライバーたち

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第9, 10戦ランキングトップ3会見 野尻智紀「楽しむ余裕はないです」

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権の最終大会「JAF鈴鹿グランプリ」の公式セッションを明日に控えた金曜日、ランキングトップ3の記者会見が行われた。

ランキング1位 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

 「チャンピオンを目標に鈴鹿に来ました。その目標達成のために精一杯やりたいと思います」

(チャンピオン争いでプレッシャーと楽しみどちらかというツイッターでのファンからの質問に対して)

 「楽しみなんてひとつもないというのが正直な気持ちです。(チャンピオン獲得は)1回目より2回目のほうが重い。取ってあたりまえというように見られますし、自分をコントロールするのは難しいですが、チャンピオンになったときのことを思い浮かべて、そういう方向に持っていたらと思います」

(今年印象に残っているレースは?)

 「第2戦目の富士ですね。今シーズンの流れを決定づけることができた瞬間かと思います。逆に悪かったのは菅生ですね。クルマの調子も良かったのに、スタートを失敗して、その後抜くこともできずにレースを終わらせてしまいました。非常に反省点のあったレースだと思います」

(去年1人で行った会見と比較して心境は?)

 「去年の会見は楽しかったので心境は違いますね。今年はピリピリしている自分がいます。ダブルヘッダーということで、流れを掴めなかったら逆転される可能性もあるのではないかと思っています。そこを乗り切ることの大変さは良くわかっていますので、それでピリ付いていると思います」

ランキング2位 サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

 「鈴鹿に戻ってこられて嬉しいです。今シーズンの成績は安定しませんでしたが、それでもチャンピオン争いに残ってますので、難しいとは思うが諦めないで頑張ります」

(プレッシャーと楽しみどちらか)

 「楽しみしかないですね(笑)。自分には失うものは何もありませんから。まずは予選の3ポイントが大事になると思いますのでベストを尽くします。久しぶりのチャンピオン争いを楽しみたいと思います」

(1日で予選と決勝を行うことについてメンタル面できつくはないですか?)

 「確かに同じ日にやるのは身体もメンタルも厳しいですね。朝からぶっつけ本番でニュータイヤで走りますから。朝からアラームで起こされたような感じです。ただ、全員同じ条件ですし、個人的には朝からノリノリで楽しいです」

ランキング3位 平川 亮(carenex TEAM IMPUL SF19)

 「シーズンの初めは良かったのですが、安定したシーズンではありませんでした。それでもチャンピオ争いに残っているので諦めずに残り2戦を戦いたいと思います」

(プレッシャーと楽しみどちらか)

 「プレッシャーはあまり感じていないですね。ポイントもかなり離れてしまっていますし。自分は予選で苦しんできたので、そこは楽しみでもあり、プレッシャーもあります」

(今シーズン一番印象に残っている会心のオーバーテイクは?)

 「この二人を抜いたときですかね(笑)。一つに絞るのは難しいですが、やはり野尻選手を抜いて優勝した開幕戦がですね。今シーズンのベストレースですし。明日、明後日もそれ以上のレースができるよう頑張ります」

Text: Shigeru KITAMICHI

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第9, 10戦占有走行 驚速! 大湯がトップタイム

占有走行:トップタイムは大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権もいよいよ最終大会。前戦から約2ヶ月のインターバルを経て「JAF鈴鹿グランプリ」を迎えた。

 今回はダブルヘッダーの土日1戦ずつで行われるため、金曜日に1時間半の占有(フリー)走行枠が設けられた。

 チャンピオンに向け絶対的優位に立つ、2021チャンプ・野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)[113p]、逆転を狙うサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)[81p]と平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)[79p]の争いも見逃せないが、他のドライバーもJAFグランプリの冠のつくレースで存在感を示し、来季に繋げようとフリー走行から張り詰めた空気が漂う。

 ここで存在感を示したのが、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。走行が折り返しを迎えたあたりから徐々にタイムを詰め、残り15分となったところで1分37秒487という抜き出たタイムをマークする。

 そして、残り5分から始まった予選さながらのアタック合戦でも、大湯自身を含めこのタイムを上回るものは出なかった。2番手は坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)1分37秒829、3位はフェネストラズ1分37秒966、以下、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)、平川、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)と続いた。

 ただ、大湯の抜き出たタイムは、コースの随所でOTS(オーバーテイクシステム)を使っていたとの情報もあり、実際は上位陣はかなり僅差の模様だ。

 予想外だったのが野尻の16位。また第3戦に雨の鈴鹿で大逆転優勝を果たした松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)に至っては最下位と、明日の予選に向け不安を残して走行を終了した。

 明日は朝9時15分からA,Bグループに分けられた予選Q1、続いて上位12台によるQ2が行われる。

占有走行:2位は坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)

占有走行:3位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

B-Maxがホームタウンである綾瀬市と連携協力の覚書を締結

 国内レースシーンで今や欠かせない存在となっているB-Maxレーシングチーム(組田龍司総代表)が、活動の本拠地である綾瀬市と「綾瀬市の活性化に向けた連携協力に関する覚書」を締結した。

 10月25日に綾瀬市役所で行われた締結式には、古塩政由・綾瀬市長、組田総代表をはじめ、本山哲チーム監督、松下信治選手、またスーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)の上野禎久・代表取締役社長も立会人として同席。古塩市長と組田代表による覚書への署名を見守った。

 自治体とスポーツチームがタッグを組んで地域を盛り上げる試みは、Jリーグのホームタウン制度などではあるが、モータースポーツ界では極めて珍しい。

 5月に鈴鹿での優勝報告で市長を表敬訪問したことをきっかけに、両者の話し合いが続けられ、松下選手の高校での講義、オープンファクトリー(工場見学)などを経て、今回の締結に至った。

 サーキットにまで足を運びレースに魅了されつつある古塩市長は、「レースを観戦し、工場も見学させていただき、速く走るということだけでなく、カーボンニュートラルにも取り組まれていることなど、行政としても大変参考になりました。締結を機に綾瀬市に素晴らしいレーシングチームがあることを市民に伝え、地域の活性化に繋げていきたいと思います」とコメント。

 組田代表も市長のコメントを受け、「非常に光栄で身の引き締まる思いです。ぜひチームの活動を多くの方に知っていただき、応援をお願いしたいと思います。チームが悲願の日本一を達成した際には、綾瀬市民の皆さまと喜びを分かち合いたいと思っています」とコメントし、最後に「希望として、ぜひレーシングカーによる公道でのパレードランを実現したいと思っています」と付け加えた。

 同席した本山監督は「今回の締結により、多くの方に“綾瀬市のレーシングチーム”として認知していただければと思います。チームの成績が地域の活性化にも繋がるよう綾瀬市と協力していければと思います」、松下選手は「良い成績を上げることが自分のキャリアアップに繋がり、自動車メーカー、チーム、スポンサーなどの喜びになるということを考えてきました。そこに地域の方々の喜びが加わることによって、大きなモチベーションになると感じています」とコメント。

 立会人として列席した上野JRP代表取締役社長は「スーパーフォーミュラ選手権は来年50周年を迎えますが、このタイミングで行政とチームの連携が行われることは大変喜ばしいことと思います。レースは産業との結びつきが非常に強いスポーツです。スーパーフォーミュラにおけるカーボンニュートラルの取り組みが、地域の産業にも良い影響を与えられるものと思っています」と自動車レースと地域産業は密接なつながりがあることをアピールした。

 なお、今回の連携協力の締結に伴い、今週末に開催されるJAF鈴鹿グランプリには「AYASE PRIDE」のロゴをマシンに貼って走り、小塩市長が応援に駆けつけることも明らかにされた。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: B-Max Racing Team

SUPER FORMULA

B-Max、オープンファクトリーでファンと交流を図る

 10月1日、スーパーフォーミュラ選手権をはじめ、国内レース各カテゴリーで存在感を放つB-Maxレーシングチーム(組田龍司総代表)が、オープンファクトリー(工場の一般公開)を行った。

 これは工場のある神奈川県綾瀬市の工業組合の企画「あやせ工場オープンファクトリー」の一環で、参加者は事前に申し込んだ100人という限定ではあったが、レーシングチームにおいてこのような催しは非常に珍しい。

 当日は、スーパーGTオートポリス戦と重なっていたため、所属する全ドライバーの参加は叶わなかったが、SFチームの本山哲監督、SFライツの菅波冬悟選手が参加し、レーシングカー見学はもちろんのこと、コックピットの着座体験、シミュレーター実演見学、タイヤ交換作業体験など、用意されたメニューも盛りだくさんだった。




 参加者からは、「最高でした。本山監督、チームの皆様との質問や雑談、工場内見学など、貴重で濃厚な時間を過ごせました」、「子どもたちが目を輝かせていたのが見ていて微笑ましかったです」、「あまりにナチュラルに本山監督がいてびっくり。菅波選手によるシミュレーター実演やタイヤ交換体験など短時間で濃密な見学でした」などの声がSNSに投稿され、参加者もスタッフも充実した時間を過ごしたようだ。

 秘密の多いレーシングチームで、このような企画はあまり聞かないが、ファンサービスや地域貢献の催しとして、今後他に波及することを期待したい。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: B-Max Racing Team

SUPER FORMULA LIGHTS

2022チャンピオン記者会見 小高一斗「オートポリスが転機でした」

2022シリーズチャピオン 小高一斗(TOM'S)

2022年度スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンの小高一斗(TOM\'S)

Q: 午前中のレースでチャンピオンを決めて今の気分は?

 「今はかなりリラックスしています」

Q: 今季ターニングポイントになったレースは?

 「ある意味オートポリスかな、と思います。3レースとも6位になって1ポイントしか取れないレースが続いて、せっかく鈴鹿で良い流れで終わったのに、オートポリスで駄目になって、この先もそういう状況になりかねないと思いました。今回の岡山もチャンピオンがかかっていましたので、しっかり準備してきました。オートポリスのような結果にならないようにという思いがありましたので、やはりあそこで気が引き締まったと思います」

Q: チャンピオンを獲得して次のステップは?

 「日本で走るとなればスーパーフォーミュラになると思いますが、どこになってもステップアップした先でしっかり結果を残せるドライバーになりたいです」

Q:SFライツに参戦した3年間で心に残っていることは?

 「2年前に富士スピードウェイで初優勝したときですね。宮田選手と一緒に走っていた年です。あの同世代のメンバーのなかでの優勝はすごく印象に残っています」

Q: あの年は優勝キャップが自分は1つしかないと嘆いていましたが、今年はたくさん取りました。今はすっきりした気分でしょうか?

 「はい、かなり(笑)。優勝するまでのプロセスは本当にすごく苦しいものでした。F3からSFライツになって、走らせ方やセットアップなどが上手くいかなくて、良くて2番、常に3番という状態が2年間続いて、本当に苦しみました。でも、それがあって今があるので良い経験になっています」

2022年度スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンの小高一斗(TOM\'S)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第18戦岡山決勝記者会見 優勝・太田格之進「良い終わり方ができました」

優勝 太田格之進(TODA RACING)

決勝記者会見: 優勝した太田格之進(TODA RACING)

 「チームの地元の岡山で2勝できて大変嬉しく思っています。前大会はスタートが不安がありましたが、チームといろいろ準備をしてきて、今回もポジションを失うことなくトップで逃げ切ることができて本当に良かったです」

 「今年はルーキーイヤーということで、楽しくとできるよう考えていましたが、シーズン中盤でトップに立ってからはチャンピオンを意識して、自分にもプレッシャーをかけてしまって考えすぎたこともありました。最終大会は楽しくやろうと思って岡山に来ました。その結果として来年に向けて良い終わり方ができたと思います」

2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見: 2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「レース1(第16戦)と同じような状況で1コーナーに入ることになりましたが、レース1よりは粘ることができたと思います。抜けなかったのは悔しいですが、気持ちを切り替えてファステストを取るということに集中して、取って終わることができたので、やることはやったという感じです」

 「今年、ゼッケン1を背負って、チャンピオンを前年に取ったチームで走るということで、ホンダとB-Maxに素晴らしい環境でレースをさせていただきました。でも、自分のミスで台無しにしてしまったりして、速さを結果に繋げられず、シーズンを通して歯痒い思いをしていました。太田選手と戸田レーシングにも迷惑をかけたりしましたが、こういうことがないよう気持ちを引き締めてシーズンオフを過ごしたいと思います」

3位 野中誠太(TOM'S)

決勝記者会見: 3位の野中誠太(TOM\'S)

 「3レース目でタイヤのチョイスが僕だけ異なるという、チャンスがあるなかでのレースだったので、スタートから集中していきました。1、2周目でもっと順位を上げたかったところでしたが、なかなか上手くいかず、その後もチャンスを窺ってはいましたが、同等のペースで走ることが精一杯でした。タイヤのマージンを考えたら、接近したレースのなかで、もっとスピードを上げなければいけないというのは感じました」

 「昨年はFIA-F4とライツをスポットで参戦しましたが、切り替えに時間がかかってしまったという面がありました。今年はライツに集中して参戦できたのですが、考えすぎてしまったところがありました。シーズンオフに、チャンピオンを取った小高選手のデータを見たりして、自分のレベルを上げていけるように頑張っていきたいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第17戦岡山決勝記者会見 優勝・小高一斗「スタートは自信がありました」

優勝 小高一斗(TOM'S)

決勝記者会見: 優勝した小高一斗(TOM\'S)

 「スタートには自信を持っていました。スタートしかないと思っていましたし、そこがすべてだったと思います。タイトルはかなり意識していました。朝ご飯が喉を通らないほどでした。でも、へんに緊張せずにスタートも普段どおりやれば大丈夫と思っていました」

 「昨日のレースも木村選手はレースペースが速かったので気を抜けないレースでした。でも、自分も昨日からセットアップをして、コンスタントに良いペースで走れたと思います。最終戦もしっかりスタートを決めたいと思います」

2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見: 2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「昨日からレースペースは良かったので、スタートだけ上手くやれば勝てると思っていましたが、そこを落としてしまったのが敗因です。チャンスがあればと思って、最後まで食らいついて絶対抜いてやるという気持ちでしたが……」

 「最終戦は2番手からのスタートですが、自分のできることをやり切って悔いのないように終わりたいです」

3位 太田格之進(TODA RACING)

決勝記者会見: 3位の太田格之進(TODA RACING)

 「(タイトルを考えると)スタートで小高選手の前に出るというのが最低条件でしたが、木村選手がスタートを失敗して詰まる感じになりましたし、小高選手の方がスタートが良く、チャンスはなかったです」

 「チェッカーを受けてチャンピオンが決まったと思い、悔しい気持ちはありましたが、僕も全力で戦いましたし、シーズン前半と中盤でポイントを落としてしまうレースが何回かありました。そういうところも小高選手の方が、ポイントを取り続けて勝利を重ねていました。彼の力だと思います。素直におめでとうと言いたいです」

 「最終戦はポールからのスタートですし、戸田レーシングの地元でもあるので、優勝して今シーズンを締めくくりたいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第16戦岡山決勝記者会見 優勝・太田格之進「スタートだけに集中しました」

優勝 太田格之進(TODA RACING)

決勝記者会見: 優勝した太田格之進(TODA RACING)

 「久しぶりに優勝できて嬉しいです。ここ何戦かはスタートで順位を失うことが多かったので、今日はスタートだけに集中してポジション守ることを意識しました。自分としては決まったスタートでした。1周目トップで帰ってきてからは後ろとのギャップを見ながら、無理をしない範囲でペースを保つことに気をつけました」

 「(このコースは)抜くのが難しいので、明日は良いスタートを切って、後半もし前にクルマがいた場合は、前半でタイヤマネージメントをして後半で抜きに行くというという姿勢で戦いたいと思います」

2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見: 2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「2番手ゴールという悔しい結果になりましたが、スタートは前回のもてぎから自信をつけています。今回もベストなスタートができて、並ぶところまではいけたのですが、太田選手のブロックが上手く、抜き切るところまではいけませんでした」

 「チャンスがあればと、プレッシャーをかけ続けたのですが、チャンスは巡ってくることはなくレースが終わってしまったという感じです。でも、最後まで諦めずに走り切れたことは良かったと思います」

3位 小高一斗(TOM'S)

決勝記者会見: 3位の小高一斗(TOM\'S)

 「スタート自体は悪くなかったと思いますが、抜くことはできませんでした。前半ファステストを狙って(セッティングを)柔らかくしましたが、後半はペースが上がらずに前の二人とは離れてしまいました」

 「明日の2戦もポールからのスタートではありませんが、明日の1レース目は(チャンピオンを争う)太田選手の前からのスタートですし、しっかりスタートを決めて優勝、そしてチャンピオン目指して頑張りたいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA LIGHTS

ロベルト・メリ選手インタビュー「きっと明日は良くなるはず」

スーパーフォーミュラ・ライツ初参戦のロベルト・メリ(B-MAX Racing)

 急きょ参戦が決まったロベルト・メリ(登録名:ロベルト・メルヒ・ムンタン)選手は、今回の参戦を足がかりに来シーズン、スーパーフォーミュラのシートを得たいと思っている。その点でメリ選手にとって今回の結果は重要だ。

 フリー走行の順位は、セッション1(ドライ)7位、2(ウェット)4位、3(ドライ)8位、4(ドライ)8位と、ウェットでは速いところを見せているが、ドライコンディションでは僅差ではあるものの決して思い描いていた結果ではない。

 2日間、4セッションのフリー走行を終えたメリ選手に聞いた。

 「今日はウェット、セミウェット、ドライと、すべてのコンディションで練習することができました。それぞれのコンディションでベストは尽くしましたが、僕にとっては初めてのクルマなので、理解するのに時間を費やしました」

 「トラブルも出てしまい、必ずしも思ったような結果は出ていませんが、今はあまり考え込まないようにしています」

 「スーパーフォーミュラ・ライツは、パワーはあまりありませんが、エアロダイナミクスは効いていてコーナリングスピードは速いですし、ドライブしていてとても楽しいクルマです」

 「タイヤはグリップも良いですし、寿命の面でも非常に優れているように感じます。これは重要で、何周かアタックを続けることができます」

 「明日の予選、そして決勝レースはどうなるか分かりませんが、できるだけ上位に食い込むつもりですし、きっと明日は今日より良くなるはずです」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

TCR JAPAN SUNDAY

第5戦富士決勝 猪爪杏奈が独走で初優勝を飾る

 TCRジャパンサンデーシリーズは9月11日、富士スピードウェイで第5戦の決勝を行い、ポールポジションスタートの猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)が他を寄せつけない走りで独走優勝を飾った。

 FRJに続く早朝の決勝レースは快晴の下で行われた。

 ポールポジションの猪爪は、スタートでやや出遅れ、1コーナで並ばれるなどしたが、コカコーラコーナーまでにはトップに立つ。猪爪が他車と競り合ったのはこの場面のみ。

 以降はまったく他を寄せつけず、4周目3.4秒、8周目6.0秒、12周目9.1秒と、2位大蔵峰樹(Alfa Romeo GIULIETTA Veloce TCR)とのマージンを着実に築いていった。

 念願の優勝を果たした猪爪は、クルマを降りると全身で喜びを表した。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦富士レース15決勝コメント 小川颯太「マシンコントロールに集中していました」HIROBON「楽しいバトルでした」

Race15優勝 小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

 「スタートは決して悪くはなかったですが、完璧という感じでもなかったです。でも徐々に良くなっています。タイヤも予選で使用しただけの新品に近いものだったので、前半プッシュしようと思ったのですが、マシンのセットを大きく変えてオーバーステアになっていたので、思うようにいかなかったです。小山選手の追い上げは、少しやばいかなとは思っていましたが、小山選手もかなりタイヤが厳しそうだったので、そんなに心配はしていませんでした。それよりも自分のマシンをコントロールすることに集中していました」

 「2勝目ですが、まだ気持ちの良い優勝はないので、鈴鹿でぜひそれを果たしたいと思います。セッティングを試す時間は少ないのですが、今回学んだことを鈴鹿で生かしたいと思います」

Race15マスタークラス優勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)

 「スタートで畑選手が飛び出したのはラッキーでした。このまま行けるのかと思っていましたが、後半見る見る近づいてきました。ついにきたな、と思いました(笑)。5秒ペナルティは知っていましたが、それでも勝ちたいと思っていました。田中選手も含めたバトルは楽しかったですね。今年のリージョナルではああいうバトルはあまりありませんから」

 「(チャンピオンは決まりましたが)来季の予定はまだ決まっていません。SFライツも含めて検討しています。もしライツをやるならそれに絞ってやりたいと思っています」

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦レース15決勝 小川颯太が逃げ切って2勝目、HIROBONはマスタークラスチャンピオンを決める

 
 9月11日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦レース15の決勝が、富士スピードウェイで行われ、スタートでトップに出た小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が小山美姫(TGR-DC F111/3)の追撃を抑えて優勝を飾った。

 マスタークラスは、三者による接戦を制したHIROBON(Rn-sportsF111/3)がクラス優勝。8勝目を挙げチャンピオンを確定した。


 世界耐久選手権のサポートレースということもあって、スタートは午前8時10分。早朝のレースとなった。

 ポールスタートの大草りき(Sutekina Racing)は、スタートしたもののマシントラブルで満足に加速せず、1周を終えてピットに滑り込み、ここでレースを終えてしまった。

 大草の脱落でトップに立ったのは小川。小山を従えて1コーナーをクリアすると、2周目には小山との差を1.8秒と開く。しかし、両者の差がこれ以上開くことはなかった。ニュータイヤで序盤に差を開きたい小川だったが、昨日のレース後のセッティング変更でオーバーステアとなったマシンと格闘していたのだ。

 それでも、小川は追ってくる小山に対して「抜かれることはない」と自信を持ってレースを進める。両者に差は徐々に詰まっていき、11周目にはストレートでテール・トゥ・ノーズ状態になるが、ここでも小川は焦ることなく抑えきり、そのまま自身2勝目のチェッカーを受けた。


 マスタークラスは、ポールスタートの畑亨志(A-NeKT F111/3)が、スタート後の1コーナーでオーバーラン。HIROBONと田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が競り合い続けるが、10周目にはこのバトルに遅れを取り戻してきた畑も加わる。

 勢いに勝る畑は、最終ラップでHIROBONの前に出てこの勝負に決着をつけた……はずだったが、すでに畑にはレース中にフライングスタートの裁定(結果に+5秒)が出ており、順位はHIROBON、田中、畑となった。

 この結果、最終戦を待たずに、HIROBONの2022年マスタークラスチャンピオンが決定した。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦富士レース14決勝コメント 小山美姫「勝ってチャンピオンを決めることができて良かったです」畑亨志「クルマが良かったので楽でした」

Race14優勝 小山美姫(TGR-DC F111/3)

 「シリーズも終盤に入っていますので、集大成となるようなレースがしたいと思っていました。今シーズンは課題を克服しながらレベルが確実に上がってきているんですが、予選やレース1(第13戦)で出しきれませんでした。小川選手より前でフィニッシュすればチャンピオンでしたが、守ってチャンピオンではなく、勝ってチャンピオンと思っていましたので、その通りになって良かったと思います」

 「チャンピオンになった実感はあまりないのですが、とにかく今はこの1勝が嬉しいです。チームのみんなも喜んでくれましたし、富士では勝っていなかったので、そういう面でも嬉しいです」

Race14マスタークラス優勝 畑 亨志(A-NeKT F111/3)

 「前回のスタートも悪くはなかったのですが、HIROBON選手がニュータイヤだったので、抜くスキを与えてもらえませんでした。今回はお互いユーズドでしたし、前に出たらこちらの方が絶対に速いと思っていたので、特に心配はしていませんでした。後ろは見ないようにして自分のペースで走りました。クルマが良かったので本当に楽でした。WEC車両が走った後だったので、クリップが良いラインもちょっと違っていたので、それを探りながら走りました」

Text: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦レース14決勝 小山美姫が逆転優勝でチャンピオンを決める

 9月10日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦レース14の決勝が、富士スピードウェイで行われ、スタートで遅れた小山美姫(TGR-DC F111/3)が、前を行く2台を次々に抜き去る快走を見せ優勝。同時に今シーズンのチャンピオンに輝いた。

 マスタークラスは、畑亨志(A-NeKT F111/3)が完璧なレース運びでクラスポール・トゥ・ウィンを飾った。

 かなり日が傾くなか迎えた決勝は、スタートこそポールシッターの大草りき(Sutekina Racing)が決め、逃げ切るのかと思われたが、その後はかなりドラマチックな展開となった。

 スタートで大草の後に続いたのは、4番グリッドの片山義章(Team LeMans F111/3)。しかし、スタートこそ良かったが、4周を終えても大草との差を詰められず、逆に上位陣の中では最もペースの良い3位小山に攻められることになる。

 5周目、小山はストレートで片山に並ぶと、1コーナーでアウトから抜き去る。2位の座を小山に明け渡した片山は、ミスからか大きく遅れてしまう。

 小山の勢いは止まらず、7周目にはトップの大草に襲いかかると、片山と同じようにアウトから抜き、待望のトップに躍り出る。

 ユーズドタイヤを使いペースの上がらない大草は、小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)にも抜かれ3位に後退してしまう。

 「勝ってチャンピオンを決める」との決意でレースに臨んだ小山は、2位に上がった小川との差を徐々に広げ今季7勝目のチェッカー。同時に、14戦7勝、勝率5割という強さで今シーズンのチャンピオンに輝いた。

 マスタークラスは、ポールスタートの畑亨志(A-NeKT F111/3)が、スタートを決めた後は「後ろを気にすることもなかった」と、総合クラスと遜色ないペースで走り続け、2位HIROBON(Rn-sportsF111/3)に10秒という大差を築いて、今季4勝目を飾った。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

TCR JAPAN SATURDAY

第5戦富士決勝 HIROBONが独走優勝、猪爪杏奈が大バトルを制し2位

 TCRジャパンサタデーシリーズは9月10日、富士スピードウェイで第5戦の決勝を行い、ポールポジションスタートのHIROBON(CUPRA TCR)が独走で優勝を飾った。

 日が傾き西日が眩しくなってきた午後3時35分にスタートを迎えた。周回数は23分+1周というTCRJのルールによるもので、富士のコースでは14周あたりだ。

 ポールポジションのHIROBON(CUPRA TCR)は危なげないスタートでトップを守ると、そのまま1周1秒ずつ後続を引き離していく。

 このHIROBONの独走を助けたのが熾烈だった2位争い。加藤正将(Audi RS3 LMS)、上松淳一(Alfa Romeo GIULIETTA Veloce TCR)、猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)の三者による攻防は周を重ねるごとにヒートアップ。

 終盤、大量リードを築いて単独で逃げるHIROBONとは好対照に、2位争いはさらに激しさを増したが、このなかで気を吐いたのが猪爪。8周目のヘアピンで上松をインから抜くと、終盤には加藤の攻略にも成功。最後は加藤を従えて、パッシングしながらチェッカーを受けた。

 この結果、チャンピオン争いは、最終戦で猪爪勝利、HIROBONノーポイントでも同点となり、勝利数で上回るHIROBONがチャンピオンを獲得することになった。(※9/11修正)

Text:Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦富士レース13決勝コメント 大草りき「きつかったです」HIROBON「ずっと後ろを見ていました」

Race13優勝 大草りき(Sutekina Racing)

 「勝ててほっとしています。今まででダントツに良いスタートでした。スタートしか抜けないと思っていたので、それが上手くいって良かったです。途中差が開きましたが、後半僕の方はタイヤがかなりタレて、逆に小山選手はあまりタレなかったようで、差が詰まりました。あの距離だとスリップが効くので引き離せないんです。思っていたよりキツかったですね。かなりタフでした」

Race13マスタークラス優勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)

 「タイヤを温存しながら、ずっと後ろとの間隔を見ながら走っていました。終盤はたぶん畑選手のペースが落ちて差が開いたのだと思います。終盤、追い上げてきた小川選手が追いついてきたときに、どこで抜いてもらおうか迷って、それで畑選手との差が詰まる場面はありましたが、終始、畑選手をマークしていました。作戦としては予選でタイヤを温存して、決勝重視にしました。グリット位置が少し悪くても、スタートはいつも何とかなりますので。チャンピオンは意識はしないようにしています。TCRJとのダブルエントリーもかなり慣れました(笑)」

Text: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦レース13決勝 大草りきが好スタートから優勝を飾る

 9月10日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦レース13の決勝が、富士スピードウェイで行われ、2番グリッドから好スタートを決めた大草りき(Sutekina Racing)がそのまま逃げ切って優勝を飾った。

 マスタークラスも、スタートでトップに出たHIROBON(Rn-sportsF111/3)がクラスウィン。

 慌ただしいスケジュールの中で迎えた決勝は、フロントローイン側の大草の好スタートで幕を開けた。ポールシッターの小山美姫(TGR-DC F111/3)はやや出遅れ、インに飛び込んだ大草を抑えることはできなかった。

 2周目の1コーナーで3位走行中の小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)と、追い上げてきた片山義章(Team LeMans F111/3)が競り合いのなかで軽く接触。小川は態勢を崩してスピン。最後尾まで順位を下げることになってしまった。

 序盤、3位に上がった片山のペースはトップ2車より良く、2周目に1.7秒あった2位小山との差を5周目には0.9秒まで詰めることに成功した。しかし、その後はタイヤのグリップが落ちたのか徐々に引き離されてしまった。

 一方、逃げるトップ大草、追う小山というトップ2車の攻防は、レース中盤になっても変わることはなく、0.5~0.7秒という間隔でレース後半に突入する。

 終盤10周目になって、1.0秒とやや開くかに見えた両者の差だが、小山が踏ん張り13周目には再び0.6秒にまで詰め寄った。

 トップ大草も「かなり必死でした」という攻防だが、最後は小山が0.4秒差まで追い上げたところでチェッカー。スポット参戦の大草がようやく勝利を手にしてホッとした表情を見せた。

 マスタークラスはHIROBONが得意のスタートで、ポールスタートの畑亨志(A-NeKT F111/3)をかわすと、こちらも総合のトップ争いと同様に約1秒差を保ったままレースが進んだ。

 しかし、この間隔はトップHIROBONにとっては計算どおり。畑との間隔を計りつつタイヤを温存するという作戦で、最後まで走り切り優勝。チャンピオンをぐっと引き寄せた。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦富士レース13-15公式予選コメント 小山美姫「攻めきれませんでした」大草りき「決勝が楽しみです」

Race13総合PP 小山美姫(TGR-DC F111/3)

 「ちょっと攻めきれなかったという感じです。昨日(の練習)はタイムだけじゃなくて自分としても攻めきったという感じがありました。周りと比べても(クルマの)ベースは良いと思いますし、富士はスリップストリームを使うための位置取りとかありますが、15分間の中でまだできたことはあったんじゃないかという気がしています。とにかく昨日と比較してもやり切れなかった、そう感じています。勝ってチャンピオンを取りたいという思いが、プレッシャーになっている面もあると思います。今までで一番緊張しています」

Race14,15総合PP 大草りき(Sutekina Racing)
 「昨日は調子が悪くて、セットを大幅に変更しましたが、1回目はちょっとやりすぎたかもしれません。2回目に向けてアジャストして、何とか一発のタイムが出た、という感じです。でも昨日の不調が解決したのでレースに向けてはポジティブです。タイヤのタレも少なくて小山選手とほぼ互角になったと思いますので決勝が楽しみです。でも、そう簡単にはいきませんので気合入れ直していきます」

Race13,14,15マスタークラスPP 畑 亨志(A-NeKT F111/3)

 「1回目はフロントのグリップがなかったですね。2回目はちゃんとフロントが入っていました。クルマは凄く速いです。タイヤがタレてきてもあまりオーバーが唐突に出ることもないですし。リージョナルで富士を走るのは1年ぶりです。でも、スーパーFJ富士チャンピオンレース出身なので、富士は好きではないですが走っていますから。スタートさえミスらなければ、そんなに難しいレースにはならないと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI

TCR JAPAN SUNDAY

第5戦富士公式予選 猪爪杏奈が今季3度目のポールポジションを獲得

 TCRジャパンサンデーシリーズは9月10日、富士スピードウェイで公式予選を行い、猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)がポールポジションを獲得した。

 世界耐久選手権のサポートレースのため、サタデーシリーズの予選が終了して5分後にサンデーシリーズの予選が始まった。

 路面温度も高くなっており、序盤は各チームとも様子見のため軽く流す程度。ピットインをして本格的なアタックが始まったのは、開始11分を過ぎた頃だった。

 まず、トップタイムをマークしたのは、大蔵峰樹(Alfa Romeo GIULIETTA Veloce TCR)。1分48秒476と、路面温度の上がるなかではまずまずのタイムだ。

 これを即座に上回ったのが、1分48秒011を叩き出した猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)。HIROBON(CUPRA TCR)、鈴木建自(Audi RS3 LMS)らも48秒台に入れるが、猪爪のタイムには及ばず。猪爪が今季サタデーシリーズで3度目のポールを決めた。

 ポールポジションからスタートしながらもなかなか優勝に結びつかない猪爪だが、三度目の正直が成るのか、明日の決勝が注目される。

Text:Shigeru KITAMICHI

TCR JAPAN SATURDAY

第5戦富士公式予選 HIROBONがポールポジションを奪う

TCRジャパンサタデーシリーズは9月10日、富士スピードウェイで公式予選を行い、ポイントリーダーのHIROBON(CUPRA TCR)がポールポジションを獲得した。

 夏の日差しが戻ってきたような暑さのなか、予選が行われた。今回は世界耐久選手権のサポートレースのため、通常のスケジュールとは異なり、サタデー&サンデーシリーズの予選が続けて行われる。

 序盤、まだ各車タイムアタックを行う前の段階で、精力的に周回を重ねていた滝川聡(Audi RS3 LMS)が100R出口でコントロールを失いクラッシュ。赤旗が提示され予選は中断となってしまった。

 再開後は、残り4分という短い残り時間のなかでのアタックとなったが、HIROBONが1分47秒570と唯一人48秒を切るタイムを叩き出す。

 HIRONBONのチャンピオン奪取を阻止したいシリーズ2位の猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)が、終了間際まで渾身のアタックを試みるが、48秒124まで詰めるのがやっと。

 HIROBONがサタデーシリーズ今季3回目のポールポジションを獲得した。

Text:Shigeru KITAMICHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第5戦富士レース13-15公式予選 大草りきが2レース、小山美姫が1レースでポールを奪う

 9月10日、フォーミューラリージョナルジャパニーズ選手権第5戦Race13-15の公式予選が、富士スピードウェイで行われ、Race13は小山美姫(TGR-DC F111/3)、Race14,15は大草りき(Sutekina Racing)がポールポジションを獲得した。

 マスタークラスは畑亨志(A-NeKT F111/3)が3レースともにクラスPPを奪った。

予選1(Race13,15予選)

 予選1は、ベストタイムがRace13、セカンドベストタイムがRace15の予選結果となるため、一発だけではない安定した速さが求められる。

 今回は、世界耐久選手権(WEC)のサポートレースのため、スケジュールもタイトで予選1と2のインターバルが僅か5分という慌ただしい予選となった。

 昨日の練習走行で好調だった小山は、序盤は大草、小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)に先行を許したが、12分すぎに1分38秒179、38秒007を立て続けにマークしてトップに躍り出た。

 終了直前に、大草(38秒034)、小川(38秒328)もタイムアップを果たすが小山のタイムには届かず。ただし、セカンドベストは大草が38秒044で、小山の38秒105を上回り、小山のWポールを阻止した。

 マスタークラスは、リージョナルマシンで富士を走るのは1年ぶりという畑亨志(A-NeKT F111/3)が、1分39秒027をマークしてトップ。セカンドベストも制してでRace13,15のクラスPPを獲得した。

予選2(Race14予選)

 予選1よりも熾烈な戦いとなった予選2は、大草、小山、小川が三つ巴の戦いを見せた。

 開始8分過ぎ、最初のアタックで大草が1分38秒112をマークすると、小川が38秒063と僅かにこれを上回り、小山も38秒262で続く。

 予選1からの僅かな時間でセッティングをアジャストした大草は、次の周にさらにタイムを縮め、37秒587と今日初の37秒台に乗せる。小山も37秒925、小川も37秒896と38秒を切ってくるが、大草のタイムには届かず。

 それでも諦めない二人は、終盤小山が37秒793、小川が37秒836までタイムを削り取るが、大草を上回ることはできず、大草がRace14のポールシッターとなった。

 マスタークラスは、好調な畑が1分38秒598と1回目を大きく上回るタイムをマークし、田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)を抑えて、トリプルポールと完璧な形で予選を終えた。

Text:Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

第8戦もてぎ決勝会見 関口雄飛「抜かれない自信はありました」

優勝 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)

決勝記者会見: 優勝した関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)

 「3年ぶりと少し間が空きましたが7番グリッドから優勝できてすごく嬉しいです。ペースは平川選手の方が速かったですが、抜かれないという自信はありました。ミスなく抑えきることができてホッとしたという感じです」

 「(早いピットインは)トラフィックに引っかかってしまって、自分としてはもっと速く走れたので失敗したかなとも思いましたが、それは結果論で、もっとクルマがいれば勝てていなかったと思います」

2位 平川 亮(carenex TEAM IMPUL SF19)

決勝記者会見: 2位の平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 「しっかりポイントを獲得できて良かったです。6番手から2位という結果は上出来だったと思います」

 「前が開けるまで我慢をして、でもそこからも20周あったので、まだプッシュはせずにタイヤを残しておくことを意識していました。タイヤを変えてから抜くという作戦だったので、ギャップは広げるよう走りました。ピット作業も早かったから関口選手へのアタックのチャンスも生まれたと思います」

3位 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)

決勝記者会見: 3位の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 「5番手から3位にポジションを上げることはできましたが、関口選手をオーバーテイクするまでにはならず、難しい展開でした」

「(早めのピットインは)戦略的に失敗したかもと思いましたが、レースペースも良かったので、結果的に良い方向にいったと思います。予選順位がもう少し良ければもっと楽になるとも思います」

優勝監督代行 星野一樹(carenex TEAM IMPUL)

決勝記者会見: 優勝チーム監督代行の星野一樹氏(carenex TEAM IMPUL)

 「関口選手、平川選手、お互いが勝てるようにという作戦を取りました。37周マックスで戦って接戦でゴールできたということはチームとして良かったと思います。平川選手はすごく前に出ない限りはステイアウトとして、最後の5、6周でピットインして抜き返すというプラン通りでした。結果として最後は19号車との戦いになったということです」

 「最後は監督が横にいたので『このままやらせますよ』と言ったら、『おぉやらせろ、やらせろ』と凄い興奮して叫んでいたので、これがチームインパルだなと(笑)最後90度コーナー立ち上がったところで危ない場面もありましたが、あれもチームインパルだと思って見ていました」

決勝記者会見: トップ3のドライバーたち

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第8戦決勝 関口雄飛がチームメイトとの好バトルを制して優勝

1-2フィニッシュを決めるチームインパルの関口雄飛と平川亮

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の決勝が、8月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が最終ラップにもつれこんだチームメイト平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)との勝負を制して優勝を飾った。チームインパルはワンツーフィニッシュ。

 昨日とは打って変わって日差しが強く、真夏の暑さのなかスタートを迎えた。

37周の決勝がスタートした

 ポールシッターの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が好スタートを決め、これに3番グリッドの野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)、2番グリッドのサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)が追う形でレースが幕を開けた。

 1周目、後方スタートの福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)が、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF19)との接触で右リアタイヤをパンクさせピットイン。福住はその影響からか5周目にマシンを止めてリタイアとなる。

 タイヤ交換が許される10周までは小康状態が続くが、10周終了時に6位関口、11位松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)、12位ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)がピット・インし、タイヤ交換。

 次の周には、7位牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、8位山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、10位阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)もピットに滑り込む。

 レースは、早めのピットインを選択したグループと、ステイアウトしたグループに分かれる形になった。

 早めにピットインしたなかでは、関口のペースが抜群に良く、ペースの上がらないトップ大湯との差を確実に詰めていく。

 14周から16周にかけてトップ3の大湯、野尻、サッシャがピットインするが、コースに戻ったときには3人とも関口に先行を許してしまう。

 これでトップに立ったのは関口のチームメイト平川。ステイアウト組のなかでは平川のペースが良く、レース折り返しを過ぎた19週目には、早くも平川vs関口の構図が見えてきた。

 こうなると焦点は、平川がいつタイヤ交換をするのかという点。ニュータイヤの効果を最大限引き出すには何周目が良いのか。チームはレースの流れを見ながらその判断をしなければならない。

 そして、平川がピットインを敢行したのは、残り7周となった30周終了時。コース復帰したときは4位だったが、ニュータイヤの優位性を発揮し、32周目に野尻を、34周目に牧野をかわすと、トップ関口に急接近。勝負は最終ラップにまでもつれ込んだ。

 オーバーテイクシステムを駆使しながら迫る平川。見ている者を唸らせる防御テクニックで防戦する関口。チームオーダーもなく、真剣勝負をする両者は、最後の90度コーナーで並走したが、この攻防を制したトップ関口が僅かに平川を抑えてチェッカーをかいくぐった。

 優勝した関口は、前回の富士戦で優勝を目前にしながらタイヤが外れるという不運な出来事もあったが、インパルチームと関口はそれを帳消しにする見事な勝利とワンツーフィニッシュを飾った。

 この結果、野尻のチャンピオンは最終大会鈴鹿に持ち越しになった。

優勝は関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)

決勝2位は平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)

決勝3位は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)

野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)以下の4位争い

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

第8戦もてぎ予選会見 大湯都史樹「PPへの思いがずっとありました」

予選記者会見: トップ3のドライバーたち

PP 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

予選記者会見: ポールポジションの大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

 「素直に嬉しいです。ポールポジション(PP)を取りたいという思いはスーパーフォーミュラに来てからずっとありました。チームクルーや応援してくれる人たちもPPを取ってほしいと願っていたと思います。これまで速さを追求してきたこともありますし、自分の走りができたという面でも本当に良かったです」

2位 サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

予選記者会見: 予選2位のサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)

「本当に嬉しいです。まるで昨日の予選のコピーのような感じです。安定した良い予選でした。PPを狙っていましたが、それにはセットアップをもうワンランク上げなければいけないと思います。そこが課題ですね。でも、昨日よりタイム差は詰まりました。あと少しでしたね。山下選手も4位でチームとしても良い予選でした」

3位 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

予選記者会見: 予選3位の野尻智紀(TEAM MUGEN)

「昨日はミスもあって予選の会見には来られませんでした。決勝に向け良いポジションだと思います。チャンピオンシップはサッシャ選手と、このレースは速さを取り戻している大湯選手との戦いになると思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第8戦もてぎ公式予選 大湯都史樹が初ポールポジションを獲得

ポールポジションは大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の予選が、8月21日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)がスーパーフォーミュラにおいて自身初のポールポジションを獲得した。

 サーキット上空は雲に覆われ、かなり蒸し暑い。

 昨日の第7戦は山本の2年ぶりの勝利で幕を閉じたが、連戦2レース目の第8戦はどのような展開になるのか。抜きにくいコースなだけに予選の比重は大きい。

 コースはドライではあるものの、夜半の雨でコンディションはあまり良くなさそうだ。

Q1 Aグループ

(笹原、サッシャ、関口、牧野、アレジ、山本、阪口、松下、佐藤、国本、大嶋)

 開始4分、笹原がヘアピンでコースアウト。グラベルにハマってしまい、回収のため赤旗が提示され中断となる。これで笹原は予選出走はできず。

 残り6分で予選再開。最初にサッシャが1分31秒658をマークし、これをターゲットタイムとして各車が続々タイムを更新。そのなかで昨日の勝者、山本が早々に31秒を切る1分30秒978を叩き出す。

 以下、牧野30秒997、松下31秒239、関口31秒450、サッシャ31秒511、佐藤31秒677と、ここまでがQ1突破。阪口、国本、アレジ、大嶋、そして笹原が脱落となった。

Q1 Bグループ

(野尻、山下、平川、大津、宮田、大湯、坪井、三宅、可夢偉、福住)

 Aグループよりコンディションも良くなり、全体的にタイムアップしたBグループ。

 この戦いを制したのは、1分30秒628をマークした大湯。ナカジマレーシングは、これでA、B両グループでのトップだ。

 以下、山下30秒895、野尻30秒902、三宅30秒927、可夢偉30秒995、平川31秒054までがQ1突破。昨日予選で低迷したチーム・ゴウは2台とも通過という躍進だ。

 100分の2秒差で涙をのんだ福住をはじめ、坪井、大津、宮田が脱落となった。

Q2

 Q1を突破した12台によるQ2は僅差の戦いとなった。

 Q1からの速さに磨きをかけ、僅差の戦いのなかでやや抜き出た速さを見せたのが大湯。昨日のレースの悔しさを晴らす走りで1分30秒313を叩き出し、初のポールポジションを獲得した。

 2位、3位は昨日の決勝で表彰台に登ったサッシャ30秒462、野尻30秒497がつけ安定した速さを示した。

 以下、山下、牧野、平川、関口、山本、三宅、佐藤、松下、可夢偉という結果となった。

 決勝は、午後2時30分から37周で行われる。

予選2位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

予選3位は野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYSHI

SUPER FORMULA

第7戦もてぎ決勝会見 山本尚貴「嬉しいの一言です」

PP 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

 「嬉しいの一言です。どのチームもウェットセットに変更できないなか、ドライバーの頑張り次第と思って、失敗しないよう気をつけました。SCスタートになってリスクが減ったことも良かったと思います。余力はあまりありませんでしたが、サッシャ選手、野尻選手がペースを上げたときに対応できるように、できる限りタイヤマネジメントしていました」

 「今シーズンここまで上手くいかず、以前と変わらず努力をしているのになぜなんだろうと思うこともありましたが、腐らず諦めずやってきて良かったと思います」

2位 サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

 「最高のレースでした。スタート前はタイヤ選択に悩みました。でも、結局雨のレースになって、途中飛び出しそうになることもありましたが、落ち着いて2位をキープすることができました。トラブルはバイザーから水が入って前が良く見えなかったことです」

 「終盤プッシュすることも考えましたが、とにかくポイントを取ることが重要と思って2位をキープしました。苦労をしてくれたチームのためにも、良い結果だと思います」

3位 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

 「優勝できなかったことは悔しいですが、チャンピオンシップを考えると、攻めるリスクと我慢することのバランスを考え、結果として良かったと思います。大湯選手のトラブルでポジションを上げることになりましたが、できることならバトルをして順位を上げたかったと思います」

 「でも、明日に繋がるレースはできました。明日に向けてしっかり準備したいと思います」

優勝監督 中嶋悟(TCS NAKAJIMA RACING)

 「本当に久しぶりの優勝です。シーズン前半は酷かったのでどうなることかと心配していましたが、SUGOあたりから速さを取り戻しつつありました。山本選手の頑張りはもちろんですが、天候もスタートからフィニッシュまで変わらなかったのも我々に味方しました」

 「サッシャ選手が迫ってきたときは正直ビビりました。SCランがどちらに転ぶのかわかりませんでしたが、山本選手がリスタートできっちり差をつけてくれたので良かったです。みんなが本当に良く頑張ったと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

第7戦決勝 山本尚貴が雨のレースを制し地元もてぎで初優勝

優勝した山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が、8月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、雨のなかを冷静に走った山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が嬉しい地元初優勝を飾った。

 決勝スタート前になって、雨粒が落ちてきた。各チームスタッフは空を見上げているが、徐々に降りが強くなりコンディションが読めない状況となった。

 2番グリッドのサッシャ選手がグリッド上でスリックからレインタイヤに交換したのを皮切りに、各チーム続々と交換作業に入り、結局全車レインタイヤでのスタートとなった。

 さらに、スタートもスタンディングではなく、セーフティカー(SC)先導によるスタートに変更された。

雨の中37周の決勝がスタートした

 スタートはポールポジションの山本が無難にこなし、ポジションをキープして1コーナーをクリア。ほぼ予選順位どおりの隊列でレースは進む。

 5周目に8位松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)が、7周目に10位平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)がコースオフをして順位を落とすが、山本、サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)、野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)など、上位陣は安定して周回をこなす。

 12周目、レースの約3分の2を消化したところで、最後尾スタートの福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF19)が16位まで上がってきている。

 14周目、3位走行中の大湯がストレートでスピードダウンし9位まで順位を落とす。しかし、一時的にギヤが変わらなかったのか、その後は何事もなかったように走り続ける。

 15周を過ぎたあたりから、上位陣の中で最も速いラップタイムを刻み続ける3位野尻が2位サッシャを攻め立て始める。この攻防は4周続いたところで、野尻がOTSを温存するために意識的に引いたのか、両者の間隔が開く。

 20周目、大湯のマシンに再びトラブルが発生しスローダウン。そのままピット入るが、明日のレースを見据え修復をして終盤コースに復帰する。

 20周を過ぎて、トップ山本に、2位サッシャが僅かずつ迫る。

 27周目、強くなった雨に足をすくわれたのか、11位を走行していた平川がビクトリーコーナーでコースアウト。グラべルにはまって動けなくなり、撤去作業のためSCが導入された。逆転チャンピオンを目論んでいた平川にとっては痛いリタイアだ。

 30周終了したところで、SCランが解除され、リスタート。

 終盤、元気が良かったのがSCランの間にタイヤ交換をしたジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)。9位関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)を攻め36周目には前に出ることに成功。しかし、その直後に単独スピンをして順位を落としてしまう。

 また、福住と三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)が接触してリタイアするなど、上位陣とは対照的に中団以降は最後まで雨に翻弄されることになった。

 結局、レースはポールポジションスタートの山本が逃げ切って、2年ぶり、地元栃木での初優勝を飾った。2位サッシャ、3位野尻を含めトップ3は、雨のなか終始安定した走行を見せた。

 この結果、シリーズポイントではサッシャ(74P)が平川(64P)を逆転して2位に浮上。しかし、リーダー野尻(104P)のリードは大きく、明日の結果次第では今週末でチャンピオン決定の可能性もある。

優勝は山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

トップでゴールする山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

決勝2位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

決勝3位は野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

第7戦もてぎ予選会見 山本尚貴「なぜポールが取れたのか自分でも理解できていません」

PP 山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

「ここ数戦の流れから、ポールポジションを取れる雰囲気は感じていませんでした。昨日は大湯選手のデータを参考にセットアップをしました。大湯選手も3位に入り、チームの力が証明できたのは嬉しいです。なぜ、ポールポジション取れたのかは正直自分でも理解できていません」

2位 サッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

「正直驚いています。富士戦の後まったく新しいクルマになって、昨日のフリー走行も思うように走れませんでした。昨日の状況を考えると、フロントローが取れるとは思っていませんでした。クルマを造り直してくれたチームのメカニックに感謝します」

3位 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

「昨日から調子は良かったです。サーキット入りしてから手応えを感じていて、チーム2台がここ(記者会見)に来られたことは良かったと思います。シーズン序盤は苦しい時期が続いていましたが、こういう結果になって嬉しいです。これからも常に上位にいられるよう頑張りたいと思います」

Text:Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

第7戦予選 速さを取り戻した山本尚貴がポールポジションを獲得

ポールポジションは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の予選が、8月20日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が復活の狼煙を上げるポールポジションを獲得した。

 予報は曇りだが、サーキットは朝から日が差してかなり暑い。

 今大会は、開幕の富士大会以来の2レース制。土曜日に第7戦の予選、決勝が、日曜日に第8戦の予選、決勝が行われる。

Q1 Aグループ

(笹原、平川、山下、宮田、大津、松下、阪口、大湯、佐藤、国本)

 最初にアタックをかけたのは松下。1分31秒328と悪くはないタイムだ。続いて平川が1分31秒452をマークする。

 しかし、その後、大津30秒958、大湯30秒840、笹原30秒719と、続々と30秒台を叩き出し、逆転チャンピオンを狙う平川は7位でQ1敗退という予想外の結果でAグループのQ1が終了した。

Q1 Bグループ

 (野尻、関口、サッシャ、アレジ、牧野、坪井、山本、三宅、可夢偉、福住、大嶋)

 前回の大クラッシュからマシンを修復して臨んだサッシャが最初にアタックをし1分31秒182をマーク。これを坪井が31秒090と僅かに逆転するも、王者野尻が30秒743とトップに躍り出る。

 その後、牧野31秒081、関口31秒056と上位に食い込んでくるが、31秒を切ったのは野尻のみ。チーム無限がA、B両グループでトップを奪った。福住はトラブルか、アタックせずに終わってしまった。

Q2

 Q1を突破した12台(野尻、笹原、山下、サッシャ、牧野、大津、関口、宮田、坪井、松下、山本、大湯)によるQ2は熾烈な戦いとなった。

 搭載エンジンを見るとホンダ7台、トヨタ5台という内訳だ。

 終了直前にアタックをかけるのはいつものことだが、Q1Aグループトップだった笹原が、位置取りをするなかで、最後のアタックに入る直前にチェッカーが出てしまうというミスを犯してしまう。

 そんな波乱含みのQ2を制したのは何と、昨シーズンから不調に喘いでいた山本。1分30秒423と、2位サッシャを0.3秒差に退けるという見事な復活劇を見せた。

 以下、大湯、野尻、牧野、坪井、山下、松下、宮田、関口、大津、笹原という結果となった。

予選2位はサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)

予選3位は大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース12決勝 優勝コメント 小山美姫「運に助けられた週末でした」 HIROBON「Wエントリーはつらいです」

Race11優勝 小山美姫(TGR-DC F111/3)

優勝した小山美姫(Super License)

 「最後のレースは皆と同じ条件で勝てたので良かったですが、このレースウィークは運が良かったです。予選では大草選手がタイム抹消になったり、レース11でも小川選手が止まったり、自分の力ではないところで運に助けられた感じです。最後ももてぎのときのようなズバ抜けたポテンシャルがあったわけではないですが、皆ギリギリの状態で走っている中で勝てて良かったと思います。運に助けられて、ポイントも開くことができて本当に感謝です」

Race11マスタークラス優勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)

マスタークラスで優勝したHIROBON(Rn-sports)

 「前半はいろいろ絡んでしまって離されてしまいましたが、終盤までタイヤが残っていたので良かったです。(大木選手を抜いた場面は)最後はバトルはしないようにと思っていましたが、抜けるタイミングがあったのでいきました。でも、TCRとのダブルエントリーは辛いですね。TCRが思い通りの結果ではなくてメンタル的にも良くなかったですし、もうちょっと身体が楽なときに(FRJに)集中して走りたいですね。どうしても最後は集中力が切れてしまいます」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOIME

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦レース12決勝 シリーズリーダー小山美姫が週末を優勝で締めくくる

優勝した小山美姫(Super License)

 7月24日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース12の決勝が、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションスタートの小山美姫(TGR-DC F111/3)が優勝。レースウィークを笑顔で締めくくった。

 マスタークラスは、先行した畑亨志(A-NeKT F111/3)がスピンで自滅。漁夫の利を得たHIROBON(Rn-sportsF111/3)がこの週末クラス2勝目を飾った。

 日が傾き、やや暑さも和らぐなかスタートを迎えた。

 スタートは、ポールポジションスタートの小山、2番グリッドの大木一輝(PONOS Racing)、3番グリッドの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)の3台が並ぶようにして1コーナーに飛び込むが、小山がきっちりトップを守ってレースをリードする。

 2位に上がった小川は、トップ小山の1秒後方につけ、この2台が3位大木以下を周を追うごとに引き離していく。

 3位大木はペースが上がらず、6周目に最後尾から追い上げてきた大草りき(Sutekina Racing)にその座を譲ることになり、その後も徐々に順位を落としてしまった。

 序盤ハイペースで飛ばす小山は、2位小川との差を、5周目には1.6秒、10周目には2.1秒と開いていくが、「後半にペースを維持できるセッティングにした」という小川が、15周を過ぎたあたりから、徐々に差を詰め始める。

 小川は、小山に広げられた差を、逆に15周目1.9秒、20周目1.5秒と、少しずつではあるが削り取っていった。

 しかし、最後まで諦めなかった小川の追走も僅かに届かず。1.1秒まで詰め寄ったところでフィニッシュを迎えた。

 この結果、第4戦の3つのレースはすべてウィナーが変わるというFRJでは珍しいパターンとなった。

 今大会前までは5連勝。この週末の2レースは2位2回と安定したリザルトを残してポイントリーダーの座を守った小山は「この週末は運にも助けられました。でも優勝で締めくくれて良かったです」と、安堵の笑顔を見せた。

 マスタークラスは、ポールスタートの田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が、前レースに続いて畑に先行を許し、さらに畑を追った5周目にスピンを喫し、後方に沈んでしまった。田中は予選の速さが結果に結びつかないレースが続いてしまった。

 トップに出た畑は、若手にも劣らないペースで快調に走っていたが、13周目の2コーナー立ち上がりで前を行く大木をかわした直後にスピン。自らクラストップの座から滑り落ちてしまった。

 これでマスタークラスのトップにはHIROBONが躍り出ることになり、残るレース後半をきっちり走りきって、レース10に続いてこの週末2勝目を挙げた。

スタートシーン

優勝は小山美姫(TGR-DC F111/3)

決勝2位は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

決勝3位は大草りき(Sutekina Racing)

マスタークラス優勝は

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

TCR JAPAN SUNDAY

第3戦SUGO決勝 加藤正将が昨日に続きポール・トゥ・ウィン

優勝は加藤正将(Audi Team Mars)

 TCRジャパンサンデーシリーズは7月24日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、ポールポジションスタートの加藤正将(Audi RS3 LMS)が昨日のサタデーシリーズ戦に続き優勝を飾った。

 快晴だった上空にまた雲が多くなってきた。今日は晴れと曇を繰り返している。

 スタートはフロントローイン側の猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)の出足が良かったが、PPスタートの加藤がインに被せるようにして抑え、トップで1コーナーに飛び込む。

 このスタートが唯一のトップ争い。以降は、トップを快走する加藤と猪爪の差は少しずつ開いていく。また、猪爪と3位HIROBON(CUPRA TCR)の差も周を重ねるたびに開いていき、トップ3は縦に長い展開になっていく。

 対照的に4位争いは僅差の戦いとなった。Mototino(Honda CIVIC TCR)、塩谷烈州(Honda CIVIC TCR)、上松淳一(Alfa Romeo GIULIETTA Veloce TCR)、鈴木建自(Audi RS3 LMS)の4台がスタートから連なる。

 しかし、この争いも7周目に上松、8周目にMototinoにスタート違反の裁定が下り、ドライブスルーペナルティをこなすこととなり、終止符が打たれてしまう。

 その後レースは縦に長い展開となり、17周のレースは、加藤が2位猪爪に6秒の差を築いてポール・トゥ・ウィン。昨日に続いて連勝を飾った。

オープニングラップ

決勝2位は猪爪杏奈(DOME RACING)

決勝3位はHIROBON(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース11決勝 優勝コメント 大木一輝「めちゃくちゃキツかったです」 畑亨志「狙い通りの内容でした」

Race11優勝 大木一輝(PONOS Racing)

優勝した大木一輝(TOM\'S FORMULA)

 「前半逃げてマージンをつくるセットで臨んだので、後半厳しくなることは覚悟していました。でも、想像以上にきつかったです。小川選手が迫ってきたときはひやひやしましたが、自分の走りをしようと心掛けました。最後までめちゃくちゃしんどかったですが、タイヤと自分のペースに気をつけながら走りきったという感じです。このような(上のカテゴリーの)レースで勝てて本当に嬉しいです」

Race11マスタークラス優勝 畑 亨志(A-NeKT F111/3)

マスタークラスで優勝した畑亨志(Super License)

 「1コーナーでインを取って前に出ました。片山選手が後ろから来たので、これは競らずに早めに前に出そうと思って、そうしました。後半に合わせて内圧を低めにしたので、序盤は最終コーナーでアンダーがきつくて、田中選手に攻められました。途中からアンダーが消えたので逃げ切れました。ほぼ狙い通りの内容でした」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦レース11決勝 大木一輝が苦しみながらも初優勝を飾る

優勝した大木一輝(TOM\'S FORMULA)

 7月24日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース11の決勝が、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションスタートの大木一輝(PONOS Racing)が、タイヤの摩耗に苦しみながらも逃げ切ってFRJ初優勝を飾った。

 マスタークラスは、スタート直後の1コーナーで前に出た畑亨志(A-NeKT F111/3)が、ポールスタートの田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)を抑えきってクラス優勝。

 天候が一気に快方へ向かい、強い日差しが照りつけるなか、スタートを迎えた。

 ポールポジションの大木が好スタートを決め、1周目から後続を引き離す。2位以下は小山美姫(TGR-DC F111/3)、小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)と予選順で続くが、何と8番手スタートの片山義章(Team LeMans F111/3)が一気に4位まで浮上してくる、。

 2周目以降は、トップ大木が逃げ、2秒後方で小山、小川、片山が2位集団を形成するという展開になる。4車の緊迫した争いはこの後10周以上も続くことになる。

 均衡が崩れたのが13周目。3位小川がハイポイントコーナーから馬の背コーナーで2位小山のミスを誘い、攻略に成功。前を行くトップ大木を追う。

 「後半に備えていた」という小川は、16周目にこのレースのファステストラップとなる1分20秒472をマークして一気に大木との差を詰める。18周目には背後にぴたりとつけ、レースは完全に勢いに勝る小川のものと思われた。

 ところが、次の周にあろうことか小川を不運が襲う。「ガス欠症状が出てしまった」という小川は急激にスローダウン。力なく4コーナーのイン側にマシンを停めた。

 小川は「あそこまでは思い描いていたレースが出来ていたのに……」とレース後、悔しさを滲ませた。

 これで楽になった大木は「最後まで気は抜けなかった」と言いながらも、小山、片山を従えて、初優勝のチェッカーを受けた。

 マスタークラスは、スタート後の1コーナーで前に出た畑が「序盤は最終コーナーでアンダーが出てキツかった」と言うものの、後方から攻め立てる田中を終始冷静に抑えきって優勝を飾った。

 クラス3位は最終レースのためにタイヤを温存したHIROBON(Rn-sportsF111/3)が入った。

オープニングラップ

優勝は大木一輝(PONOS Racing)

決勝2位は小山美姫(TGR-DC F111/3)

決勝3位は片山義章(Team LeMans F111/3)

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

TCR JAPAN SUNDAY

第3戦SUGO公式予選 加藤正将が昨日に続きポールポジションを獲得

ポールポジションは加藤正将(Audi Team Mars)

 TCRジャパンサンデーシリーズは7月24日、スポーツランドSUGOで公式予選を行い、加藤正将(Audi RS3 LMS)が、昨日のサタデーシリーズに続きポールポジションを獲得した。

 雲は多いが時折陽が差しており、雨の心配はなさそうだ。

 午前9時から15分間で行われた予選は、まず開始7分にHIROBON(CUPRA TCR)が1分27秒670のトップタイムをマーク。以降はこのタイムをターゲットに各選手がアタックを開始。

 開始10分となったところで、猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)が1分27秒474と、HIROBONのタイムを上回りトップに躍り出る。

 昨日のサタデーシリーズでポールtoウィンを果たした加藤も同じ周にアタックするが、1分27秒529と猪爪のタイムに僅かに届かない。

 しかし、加藤は次の周もアタックを続け、今度は1分27秒385と猪爪を逆転。昨日に引き続きポールポジションを獲得した。

 サンデーシリーズの決勝は、午後0時45分から、23分+1周で行われる。

予選2位は猪爪杏奈(DOME RACING)

予選3位はHIROBON(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

TCR JAPAN SATURDAY

第3戦SUGO決勝 加藤正将がポール・トゥ・ウィン

優勝した加藤正将(Audi Team Mars)

 TCRジャパンサタデーシリーズは7月23日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、ポールポジションスタートの加藤正将(Audi RS3 LMS)が優勝を飾った。

 スタート時刻には、すっかり天候も回復し、サーキット上空には夏の空が広がった。

 スタートを制したのは加藤。2位猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)、そして1つポジションを上げたHIROBON(CUPRA TCR)、塩谷烈州(Honda CIVIC TCR)と続く。

 1周目にレインボーコーナーで、鈴木建自(Audi RS3 LMS)がコースアウト。コース脇にマシンを止めたため、この回収でセーフティカー(SC)が入る。

 SCランが5周に渡って続き、7周終了時にリスタート。

 ここでも加藤は完璧なスタートを見せ、以降は1分28秒後半から29秒前半のタイムを刻み、猪爪との差を少しずつ広げる。

 結局SCラン解除後に順位変動はなく、加藤が盤石の走りでポール・トゥ・ウィンを飾った。

 レースは23分+1周という規定のため、SCランの時間もあり14周でフィニッシュを迎えた。

優勝は加藤正将(Audi Team Mars)

決勝2位は猪爪杏奈(DOME RACING)

決勝3位はHIROBON(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース10決勝 優勝コメント 小川颯太「自分の走りに集中できました」 HIROBON「総合の表彰台に登れず残念」

Race10優勝 小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

優勝した小川颯太(Bionic Jack Racing)

 「コースは気にするほど濡れていませんでした。序盤、大木選手が離れてからはミラーを見ずに走りました。終盤、小山選手がコンマ2~3秒ずつ追い上げているのは分かっていました。でも、前半少しタイヤを温存していたので、タイヤがタレ始めてからの2、3周はプッシュしました。最後の方はオーバー傾向だったので抑えて走りました。自分の走りに集中できたと思いますが、後ろが気になったり、ミスをしてしまったり、というのもありましたので、明日のレースはそこを改善したいと思います」

Race10マスタークラス優勝 HIROBON(Rn-sportsF111/3)

マスタークラスで優勝したHIROBON(Rn-sports)

 「リージョナルは乗れば何とかなるんですが、でもTCRと(ダブルエントリーで)ごっちゃになってましたね。(スタートは)イン側は濡れていたのでアウト側は有利でした。レース中、ずっと後ろにいるのは畑選手だと思っていました。とにかくミスしないように必死で、22周は長かったです。最終コーナーは(自分の方が)速かったので、そこは少し余裕があって、そこを抑えれば何とかなると思っていました。総合3位になったのに、TCRのレースがあって表彰台に登れなかったのが一番残念です」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOIME

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース10決勝 小川颯太が小山美姫の追撃をかわして2勝目を飾る

優勝した小川颯太と髙木真一監督(Bionic Jack Racing)

 7月23日、フォーミューラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース10の決勝が、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションスタートの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が、終盤の小山美姫(TGR-DC F111/3)の追撃を振り切って優勝。自身2勝目、新体制のチームで初の優勝を飾った。

 マスタークラスは、スタートでトップに出たHIROBON(Rn-sportsF111/3)が総合でも3位に入る健闘を見せてクラスウィン。

 予選後、かなり強い雨が降るなど不順な天候だったが、決勝スタート前には青空が広がった。

 ただし、コースは所々濡れており、特に日陰になるストレートイン側は乾かず、イン側スタートは明らかに不利になると思われた。

 スタートでは案の定、アウト側スタートの選手が前に出て、1周目のオーダーは、小川、大木一輝(PONOS Racing)、小山、そして、マスタークラスのHIROBON、これに予選のクラッシュから修復なった片山義章(Team LeMans F111/3)が続く。

 トップ小川は、徐々に2位大木を引き離しにかかり、その差は5周を終えて3秒と、すでに安全圏に逃げたように思われた。大木の1秒後方では小山が終盤の追い上げてに備えてタイヤを温存しているようだ。

 このオーダーが変わることは難しいと思われたが、5周目、2位の大木に反則スタートのペナルティが課される。大木は7周目にドライビングスルーを消化し、これで勝負権を失ってしまった。

 前の開いた小山は、ここからトップ小川の追撃を開始。その差は、8周目3.8秒、10周目3.2秒、12周目2.9秒と確実に詰まっていき、18周目には1.4秒まで縮まった。

 しかし、トップ小川もこうなることを予想してか「前半にタイヤを温存するように走った」と、終盤ペースアップ。追撃をかわして小山の連勝記録を5でストップさせるとともに、自身2勝目のチェッカーを受けた。

 小川は、今シーズンから高木真一監督のもと新たな体制で参戦しているが、チームにとっても嬉しい勝利となった。

 マスタークラスのHIROBONは、大木の脱落で労せずして総合3位に上がり、後方から迫る片山を従えて22周を走り切り、殊勲の3位表彰台。

 ところが、この日HIROBONは、次に決勝が行われるTCRジャパンカップとダブルエントリーだったため、決勝を終えると走ってTCR-Jマシンに乗り込んだ。表彰台には代理のスタッフが登ったが「こんなチャンスは滅多にないのに」と悔しがることしきりだった。

優勝は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

決勝2位は小山美姫(TGR-DC F111/3)

決勝3位、マスタークラス優勝はHIROBON(Rn-sports F111/3)

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース10-12公式予選 ポールシッターコメント 小川颯太「一発出せて良かった」 田中優暉「タイヤ温存しました」

Race10総合PP 小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

レース10ポールポジションの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

 「何とか一発(のタイムを)出せて良かったのですが、路面ができていない状態に上手く合わせられただけです。みんな(2回目は)1回目に比べてセットを合わせてきているので、そこの対応能力の差が出てしまっていると思います。とりあえず昨日(専有走行)のような順位にならずに、戦えるタイムが出て良かったです。予選2は黄旗で引っかかったりはしましたが、コンスタントに走ることができました」

Race11総合PP 大木一輝(PONOS Racing)

レース10ポールポジションの大木一輝(PONOS Racing)

 「1回目は赤旗が出た周がアタックラップだったので、(タイヤの)ピークを過ぎてしまって思うようにアタックできませんでした。2回目は(タイヤの)温め方も自分なりにできて、良いアタックができたと思います。先週のS耐で初めてSUGOを走って、フォーミュラは今週が初めてです。攻めないとタイムが出ないコースだと思いますが、走っていて楽しいです。抜きにくいコースですので、スタートは決めたいと思います」

Race12総合PP 小山美姫(TGR-DC F111/3)

レース10ポールポジションの小山美姫(TGR-DC F111/3)

 「1回目はベストが出ていた周でミスをしてしまいました。あれがなければコンマ2秒くらい速かったと思います。でも、抑えてまとめるよりも、少しでもクルマのポテンシャルを引き出したかったので仕方ないと思っています。2回目は大草選手が前を走っていてアタックできずに残念でした。コースインを遅らせたのは、コースが良い条件のときにアタックできればと思ってのことです」

Race10,11,12マスタークラスPP 田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)

レース10~12ポールポジションの田中輝揮(アスクレイ☆イーグルスポーツ)

 「ミスなく走ることができて良かったです。タイヤを温存して最小限の周回でと思っていました。他のドライバーよりも1周でも少なければ有利ですので、そういう作戦でいきました。結果として上手くいったと思います。決勝は、接戦なのでちょっとしたミスでどうなるか分かりませんから、集中して、良いポジションで完走したいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

第4戦SUGOレース10-12公式予選 小川颯太、小山美姫、大木一輝の3者がPPを分け合う大混戦

 7月23日、フォーミューラリージョナルジャパニーズ選手権第4戦Race10-12の公式予選が、スポーツランドSUGOで行われ、Race10は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)、Race11は大木一輝(PONOS Racing)、Race12は小山美姫(TGR-DC F111/3)と、三者がポールポジションを獲得するという、大混戦の予選となった。

 マスタークラスは田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が3レースともにクラスPPを奪った。

予選1(Race10,12予選)

 予選1は、ベストタイムがRace10、セカンドベストタイムがRace12の予選結果となるいつものシステム。

 路面はまだ濡れたところも残るなか、1回目のアタックでは大草が1分21秒309をマークしてトップに立つが、開始5分過ぎに片山義章(Team LeMans F111/3)が馬の背コーナーでクラッシュ。赤旗が提示され予選は中断。

 片山はマシンにダメージを負い、これ以降の走行はできず。チームはマシン修復の作業に入ることになった。

 再開後は、小川、大草、小山と目まぐるしくトップが変わる大接戦となったが、最後に一発の速さを見せた小川が、小山を僅か1000分の3秒差で逆転。自身FRJ初となるポールポジションを獲得した。

 セカンドベストタイムで決まるRace12は、小山がポール、大木一輝(PONOS Racing)、小川と続いた。

 なお、今回スポット参戦の大草りき(Sutekina Racing)は、予選後の再車検で最低重量違反となり、タイム抹消となった。

 マスタークラスは、田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)が、ベスト、セカンドベストともにトップタイムをマーク。Race10、Race12のクラスPPを獲得した。

予選2(Race11予選)

 予選1から10分のインターバルで行われた予選2は、徐々に回復しつつある路面コンディションのなか行われた。

 最初のアタックで気を吐いたのは、予選1では良いところのなかった大木。ライバルたちが1分19秒を切れないなか、1分18秒964をマークしてトップに立った。

 これを大草が僅かに逆転するが、前述のとおり大草はタイム抹消のため大木のトップタイムは変わらず。

 その後、小山と小川も逆転を試みるが、イエローフラッグが出てしまうなどタイミングが悪く、大木を上回ることはできずに予選は終了。

 大木が初ポールを奪うとともに、この週末3人目のポールシッターとなった。

 マスタークラスは、1分19秒788のトップタイムをマークした田中を、畑亨志(A-NeKT F111/3)が何とか逆転しようとアタックするが届かず、田中がRace11のクラスポールも奪い、完璧な予選を演じた。

レース10ポールポジションの小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)

レース12ポールポジションの小山美姫(TGR-DC F111/3)

レース11ポールポジションの大木一輝(PONOS Racing)

レース10, 12, 11マスタークラスポールポジションの田中輝揮(アスクレイ☆イーグルスポーツ)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kauhiro NOINE

TCR JAPAN SATURDAY

第3戦SUGO公式予選 加藤正将がポールポジション HIROBONは4位に沈む

ポールポジションは加藤正将(Audi Team Mars)

TCRジャパンサタデーシリーズは7月23日、スポーツランドSUGOで公式予選を行い加藤正将(Audi RS3 LMS)がポールポジションを獲得した。

サーキット上空には雲が垂れ込め、時折雨がぱらつくというコンディション。コースはハーフウェットだ。

15分間の予選をリードしたのは加藤。3周目に1分27秒634をマークしてトップに立ち、猪爪杏奈(Honda CIVIC TCR)1分28秒152、塩谷烈州(Honda CIVIC TCR)1分28秒354が続く。

現在、サタデー、サンデー両シリーズでポイントリーダーのHIROBON(CUPRA TCR)は、最初のアタックで1分28秒603をマークするが、それ以降タイムを伸ばすことができず、4位に沈んだ。

残り3分となったところで、滝川聡(Audi RS3 LMS)が3コーナーでコースオフ。グラベルにはまったため赤旗が提示され予選は中断。

残り3分で再開するが、タイムアップする選手は現れず、加藤がポールポジションを決めた。

予選2位は猪爪杏奈(DOME RACING)

予選3位は塩谷烈州(全薬工業with TEAM G/MOTION\')

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOIME

SUPER FORMULA

松下信治選手が高校生に「夢の大切さ」を語る特別講義を行う

 B-Maxレーシングチームの松下信治選手と組田総代表が、7月19日、チームが拠点を構える神奈川県綾瀬市の県立綾瀬高等学校(校長:竹本弥生)で特別講義を行った。

 テーマは「夢を持つことの大切さ」で、全校生徒(978人)を対象に、オンライン形式と体育館での対面式で行った。

 松下選手は、挫折を味わいながらもF1ドライバーになる夢を追って、F2選手権に何度も挑戦した経験を話し、行動することの大切さ、他人の評価に惑わされないことなどを生徒たちに伝えた。

 組田総代表は、チーム創設の経緯や松下選手とともに夢を追いかけていることなどを話し、綾瀬市の仲間として、自分も日本一になるまで諦めないので、生徒のみなさんも諦めないでほしいとエールを送った。


 講義後は、松下選手によるサイン会や記念撮影が催され、生徒たちと交流し大いに盛り上がった。

 松下選手は講義後、「僕ができることは自分がやってきたことを伝えること。それをどう判断するかは聴いた人それぞれだと思います。今日の講義がいつの日か皆さんの役に立てば嬉しいです」とコメント。

 組田総代表は「このような機会をいただき、学校関係者の方に感謝申し上げます。生徒の皆さんには、夢と目標をもって諦めずに努力してくださいと伝えさせていただきました。同じ綾瀬地区で頑張る仲間として、今日の講義が少しでも心に残ってくれたら嬉しいですね」と語った。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

第6戦決勝 笹原右京が大荒れのレースを制し初優勝

優勝した笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)

 2022年全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が、7月17日、静岡県の富士スピードウェイでで行われ、荒れたれースを冷静に走った笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が、運も味方に嬉しい初優勝を飾った。

 雲は多いものの完全に天候は回復。ドライコンディションのなかで決勝のスタートを迎えた。

 ところが、天候とは裏腹にレースは序盤から大荒れとなった。

 まず、フォーメイションラップの最終コーナーを立ち上がったところで、松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)がタイヤを温めようとしてバランスを崩しエンジンストップ。コースサイドにマシンを止める。

 これでスタートディレイとなり、改めてフォーメイションラップを行い1周減算された40周のレースとなった。

 波乱は続き、スタート後のTGRコーナーで、11番手スタートの平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)に、スタートで抜かれた大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が後方から接触。スピン状態になった平川のフロントノーズに三宅淳詞(TEAM GOH G01 SF19)が乗り上げる形となり、マシンにダメージを負った平川と三宅はリタイア。大湯にはドライビングペナルティが課されることになった。

 さらに3周目のTGRコーナー立ち上がりで、6位争いを演じていたサッシャ・フェネストラズ(REALIZE Corporation KONDO SF19)に山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が接触。コントロールを失ったサッシャはアウト側のバリアに激しくクラッシュ。モノコックと後方のエンジン部分が真っ二つになるほどの衝撃だった。

 このアクシデントで6周に渡ってセーフティカーが導入されることになる。

 この時点のトップは関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)。以下、野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)と続く。

 9周終了時に再スタートが切られ、規定の10周を過ぎると、何台かのマシンがピットインを始める。その筆頭が2位を走行していた野尻だ。トップ奪還を目論んで早めのピットを敢行する。

 その後は落ち着いた展開になり、関口、坪井、牧野、そして後方から混乱をくぐり抜けた笹原が上がってくる。トップの関口が気になるのはピットインを済ませた野尻の位置だ。

 レース折り返しの20周を過ぎた時点で、ピットインを済ませたマシンは10台。トップ関口を含めた上位陣はピットインをしないままレースは後半に突入。

 関口が動いたのは25周終了時。ピットに滑り込むと5秒台という驚異の速さでタイヤ交換を済ませコースに復帰。関口は野尻の前でコースに戻り、してやったりの展開かと思われた。ところが、ここで後半の波乱が待っていた。

 あろうことか、ダンロップコーナーで関口の左リヤタイヤが外れ、コントロールを失った関口はたまらずスピン。コース上にストップしてしまった。

 これで2度目のセーフティカーとなるが、ここで勝負の明暗が分かれた。ここまでピットインしていなかった坪井は26周目、笹原は27周目にピットに滑り込むと、まんまと野尻の前に出ることに成功。

 トップに立った笹原は、リスタート後の残り10周レースで坪井の追撃を振り切って、初優勝のチェッカーを受けた。

 今シーズン、ぎりぎりまで参戦が決まらず、参戦後も野尻の影に隠れた存在だった笹原だが、一気にランキング6位に躍り出ることになった。

Text & Photp: Shigeru KITAMICHI

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