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2021年12月

SUPER FORMULA

SF:鈴鹿サーキットで中嶋一貴引退セレモニー行われる

12月8日、全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テストが行われている鈴鹿サーキットにおいて、先日レーシングドライバーの引退を発表した中嶋一貴選手の引退セレモニーが行われた。

SFドライバー、多くのチーム関係者、テストを観戦に来た熱心なファンが見守るなか、花束を贈られ、関係者に胴上げされた中嶋選手は笑顔を浮かべ「これからもレースへの応援をお願いします」と挨拶しセレモニーを締めくくった。

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo:Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

SF:新プロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ネクストゴー)」を発表

SUPER FORMULA NEXT50

10月26日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)を運営する日本レースプロモーション(JRP)は、2022年から新たなプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ネクストゴー)」をスタートすることを発表した。

これは、1973年の全日本F2000選手権から始まった国内トップフォーミュラレースが、2022年で50年の節目を迎えるにあたり、新たな50年に向けたサスティナブル(持続可能)な取り組みをホンダ、トヨタをはじめとするパートナー企業とともに行うというもの。

JRP取締役会長 中嶋 悟

具体的には、「ドライバーズファースト」をプロジェクトのビジョンとして「アジアを代表するSUPER FORMULA」を目指し、技術開発と情報発信の取り組みを行う。

「カーボンニュートラル・フューエル」の採用

詳細についての言及はなかったが、先週末オートポリスで開催されたスーパーGT第6戦のGTアソシエイションの定例会見においても発表された内容と同様と思われ、2023年シーズンからガソリンに代わる燃料として「カーボンニュートラル・フューエル」と名付けられた植物由来のエタノールを主成分とする燃料を使用するようだ。すでにホンダとトヨタでは、SFとスーパーGTで使用する共通エンジンを用いてベンチテストを開始しており、2022年は実走のテストを行い、2023年から実戦投入する予定とのこと。(GT会見の内容)

デジタルコンテンツの配信

レースをエンターテイメントとしてとらえ、映像、ゲーム、アニメなどさまざまなコンテンツを活用、配信するもので、まずは現在F1でも配信されている、全ドライバーオンボード映像、ドライバーの無線交信、その他車両情報を配信する。詳細は年明け1月ごろ発表される。

まとめ:Shigeru KITAMICHI
Photo:発表会Youtube配信より

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第17戦もてぎ決勝 ジュリアーノ・アレジが雨中の独走、チームタイトルはトムスの手に

雨の中、最終戦がスタートした

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)第17戦(最終戦)の決勝が17日、ツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートしたジュリアーノ・アレジ(TOM'S)が雨のなか独走優勝を飾った。

朝に行われた第16戦で名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)のドライバータイトルが決まったが、アレジと佐藤蓮(TODA RACING)によるシリーズ2位争い、そしてB-MAXレーシングとトムスによるチームタイトル争いが残っている。特にチームタイトルは、ここまで有効ポイントで僅か1点差という大接戦だ。

コースコンディションは相変わらずのウェット。雨量は朝のレースと同じような状態だ。

スタートは、フロントローイン側2番グリッドの佐藤がエンジンストールで動けず。その後方4番グリッドの名取も佐藤を避けようとして進路を変えたことで大きく遅れてしまう。

1周目はアレジ、三宅淳詞(Rn-sports)、小高一斗(TOM'S)、平良響(TOM'S)、河野駿佑(RS FINE)、名取、佐藤、神晴也(B-MAX RACING TEAM)と続く。

しかし、滑りやすい路面に足を取られるドライバーが続出。2周目の5コーナーで6位名取がオーバーラン、4周目のヘアピンでは代わって6位に上がった佐藤がコースオフ、更にはトップを走るアレジも5周目のV字コーナーでコースを飛び出すなど、上位陣が次々にコントロールを乱してしまう。

それでも、名取以外は大きく順位を落とすことなくコース復帰。それ以降は各ドライバーとも安定した走行を見せる。

レース折返しの10周目には順位も落ち着き、快調なペースを維持するトップのアレジが2位三宅を7秒引き離し独走状態。その後方は小高、平良、河野、佐藤が1~2秒の等間隔で続き、少し離れて神、名取という展開となった。

終盤ペースが良かったのはトップのアレジと佐藤。アレジは14周目に1分57秒124、16周目に1分56秒823と、ファステストラップを次々に塗り替え、“雨のアレジ”を印象づけた。

また、佐藤も13周目の5コーナーで河野を抜き5位へ、16周目の1コーナーで平良を抜き4位へとポジションアップ。雨のなかで果敢に攻める走りを見せた。

一方、名取は序盤の遅れを取り戻せず、チームメイト神の後方8位のポジションで走行を続け、チャンピオンらしくない最終戦になってしまった。どうも前回のもてぎ戦あたりから狂った歯車を元に戻せなかった感じだ。

結局レースは佐藤の追い上げ以外は順位変動はなく、20周のチェッカーを迎え、アレジが今季4勝目を独走で飾った。

この優勝でアレジはシリーズ2位の座を守るとともに、トムスに逆転でチームタイトルをもたらすことになった。

マスタークラスは、今回も今田信宏(B-MAX ENGINEERING)対DRAGON(B-MAX ENGINEERING)の展開になるかと思われたが、DRAGONが序盤でスピンを喫し後退。今田が植田正幸(Rn-sports)の追撃を振り切ってクラス優勝を果たした。

優勝はジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM\'S 320)

決勝で2位に入った三宅淳詞(MAX RACING 320)と3位の小高一斗(Kuoカローラ中京TOM\'S 320)

決勝4位は佐藤蓮(TODA FIGHTEX)

決勝5位は平良響(Kuoカローラ中京TOM\'S 320)

決勝6位は河野駿佑(RS FINE K&N 320) 優勝したジュリアーノ・アレジ(TOM\'S)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

TCR JAPAN SUNDAY

TCRJ-SUN:第5戦もてぎ決勝 ヒロボンがシリーズ2勝目、チャンピオンは最終戦決着へ

優勝したヒロボン(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

TCRジャパンサンデーシリーズ第5戦の決勝が17日、ツインリンクもてぎで行われ、ヒロボン(バースレーシングプロジェクト【BRP】)が雨中のレースを制し、今季2勝目を挙げた。

スタート前から雨が強くなり、セーフィティカー(SC)先導によるローリングスタートとなった。SCランが2周続いた後、スタートが切られた。

ヘビーウエットコンディションのなか、勢いがあったのは加藤正将(Audi Team Mars)とヒロボン。ペースの上がらないポールシッター大蔵峰樹(M-PROTOTYPING Team STILE CORSE)を4コーナーで相次いでかわす。

トップに立った加藤のラップタイムはヒロボンを2~3秒上回り、5周目からは独走状態に持ちこむ。6周目には2位ヒロボンとの差を9秒と開き、完全に安全圏へ逃げたように思われた。

しかし、あろうことか7周目のV字コーナーでトップ加藤がオーバーラン。大きくコースを外れ、復帰する間にヒロボンにトップを奪われてしまった。

加藤はミスを挽回しようと攻め立て、ヒロボンの背後に迫るが、最終ラップ9周目の3コーナーでまたしてもオーバーラン。ヒロボンと2秒差になってしまい万事休す。

これで楽になったヒロボンが逃げ切って、今季2勝目のチェッカーを受けた。

3位は、4周目に大蔵が姿勢を崩す隙を突いて前に出た塩谷烈州(全薬工業 with TEAM G/MOTION')が入った。塩屋は療養期間を経ての復帰戦で表彰台を射止めた。

4位以下は、大蔵、Mototino(55MOTO RACING)、猪爪杏奈(DOME RACING)の順でフィニッシュ。

この結果、サンデーシリーズのチャンピオン争いはヒロボン有利ではあるものの、最終鈴鹿戦で決着することになった。

トップ3のドライバーとチーム

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA LIGHTS

SFL:第15戦もてぎ決勝 ジュリアーノ・アレジがポールtoウィン、名取鉄平のチャンプ決定は持ち越し

決勝がスタートした

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)第15戦の決勝が16日、ツインリンクもてぎで行われ、ジュリアーノ・アレジ(TOM'S)がポール・トゥ・ウィンを飾り、名取鉄平(B-MAX RACING TEAM)のチャンピオン決定を阻止した。

直前に行われたスーパーフォミュラの予選は雨に翻弄されたが、SFLの決勝スタート時刻が近づくにつれ路面は乾き、全車スリックタイヤを装着してのスタートとなった。

注目は、予選でトップタイムを叩き出したものの、練習走行で不調になったエンジンを換装したため5グリッド降格となり、6番手スタートとなったシリーズリーダー名取の追い上げだ。

スタートは、好ダッシュを見せたポールシッター・アレジ、小高一斗(TOM'S)、佐藤蓮(TODA RACING)と続くが、1周目の4コーナーで小高と佐藤が接触。小高は順位を落としてしまい、代わって5番手スタートの三宅淳詞(Rn-sports)が3位に上がる。

注目の名取は、予選4位チームメイトの神晴也(B-MAX RACING TEAM)がスタートのエンジンストールで遅れたことで、三宅に次ぐ4位でコントロールラインに戻ってくる。

2周目以降は、アレジと佐藤が、三宅、名取、小高の3位グループを引き離す展開が続き、その差は周を重ねるごとに開いていく。

三宅に前を塞がれる形になった名取は、3位フィニッシュでチャンピオンが決定するため、前に出ようと90度コーナーで進路を変えて牽制する。しかし、焦る様子はなく、三宅のミスを誘ってあわよくば前に出ようという作戦のようだ。

レース折返しとなる7周終了時には、トップ・アレジ、2秒遅れて佐藤、7秒遅れて3位集団の三宅、名取、小高、そして1.4秒遅れて平良響(TOM'S)という展開。その後も上位陣に順位変動はなく、快走を続けるアレジは、13周目にファステストラップとなる1分43秒851をマークしてポイントを追加。

結局、アレジが佐藤と約3秒の差を保ったままフィニッシュ。ポール・トゥ・ウィン+ファステストラップの完全勝利で3勝目を飾った。

この結果、名取のチャンピオンは決まらず、明日の第16戦以降に持ち越しとなった。

マスタークラスは、今年のチャンピオン今田信宏(B-MAX ENGINEERING)がこちらもクラスポール・トゥ・ウィン。終盤には、昨年のチャンピオンDRAGON(B-MAX ENGINEERING)に迫られる場面もあったが、新旧チャンピオンによる攻防をきっちり制し、ファステストラップを加えたフルマークで12ポイントを加算した。

優勝はジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM\'S 320)

決勝2位は佐藤蓮(TODA FIGHTEX)

決勝3位は三宅淳詞(MAX RACING 320)

トップでゴールするジュリアーノ・アレジ(Deloitte. TOM\'S 320)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

TCR JAPAN SATURDAY

TCRJ-SAT:第5戦もてぎ決勝 大蔵峰樹が初優勝、ヒロボンのチャンピオンが決定

決勝がスタートした

TCRジャパンサタデーシリーズ第5戦の決勝が16日、ツインリンクもてぎで行われ、大蔵峰樹(M-PROTOTYPING Team STILE CORSE)がポール・トゥ・ウィンで参戦2年目にして初優勝を飾った。

また3位でフィニッシュのヒロボン(バースレーシングプロジェクト【BRP】)が最終戦を待たずにチャンピオンを決定した。

決勝スタート時の天候は曇り。雨の心配はなさそうだ。

レースは、初のポールとなった大蔵が好スタートを決め、グリッド順で1コーナーをクリアして幕を開けた。

初のポールポジションから快調に飛ばす大蔵は、2位争いを繰り広げる塩谷烈州(全薬工業 with TEAM G/MOTION')、ヒロボン、加藤正将(Audi Team Mars)を尻目に差を広げていく。

その差は、ヒートアップする2位争いのおかげもあって、5周目4秒、6周目5.6秒、7周目7.8秒と完全に安全圏内。大蔵は初優勝のチェッカーに向けてひた走る。

2位争いに決着がついたのは7周目。5コーナーのブレーキングで2位塩屋と3位ヒロボンが接触。2台がバランスを崩す間に加藤が前に出て、以降はそのままの順位となる。

8周目から優勝を確信した大蔵は、ややペースを落とす余裕を見せ、そのまま11周を走り切り初優勝のチェッカーを受けた。

2位加藤に続いてチェッカーを受けた3位ヒロボンは、これで最終鈴鹿戦を待たずにサタデーシリーズのチャンピオンを決めた。

初参戦の猪爪杏奈(DOME RACING)は1周目に順位を上げて4位を走行していたが、3周目の1コーナーでインを差してきた加藤と接触。スピンを喫し大きく後退。8位フィニッシュとややほろ苦いTCRJデビューとなった。

ヒロボンと塩谷烈州のバトル

優勝は大蔵峰樹(M-PROTOTYPING Team STILE CORSE)

決勝2位は加藤正将(Audi Team Mars)

決勝3位はヒロボン(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

優勝した大蔵峰樹(M-PROTOTYPING Team STILE CORSE)

チャンピオンを獲得したヒロボン(バースレーシングプロジェクト【BRP】)

トップ3のドライバーとマシン

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10,11戦SUGO 三浦愛インタビュー「課題がクリアできたレース」

今大会の三浦愛は、FIA-F4などで活躍する若手が多く参戦するなかで、第10戦は予選3位、決勝はスピンもあり5位フィニッシュ。第11戦の予選は3回の赤旗中断のなか5位、決勝は追い上げてきたシリーズリーダー古谷悠河を抑え切ったものの順位は4位と、表彰台に届かずに終わった。

それでも初めてファステストラップを記録するなど収穫はあったようだ。本人にレースを振り返ってもらった。

#8三浦愛(ARTA F111/3)

「第10戦は、スタートで順位は守ったものの、レインボーで接触しそうになって失速、追いつかなくちゃと思った次の周にS字でスピン。すぐコースには戻りましたが、その後、今田選手を抜くのに手こずってしまいました。でもファステストを狙って走りました。終盤は思うような走りができたように思います」

「第11戦は、レースの内容としては悪くはなかったと思いますが、序盤のペースが課題です。(古谷選手との攻防では)自分の良いところと古谷選手の良いところを見極めて、落ち着いて走れたように思います。後半雨量が増えてきましたが、ペースは回りよりも良かったので、やっぱり序盤が課題です」

(三浦選手が抑え切ったことで古谷選手のチャンピオン決定が最終大会に持ち越しになりましたが)

「それは良かったです(笑)。それだけは阻止しようと思って臨みましたので」

#8三浦 愛(ARTA F111/3)

「今回は表彰台には立てませんでしたが、第10戦で初めてファステストラップを記録しました。今までぎりぎりで逃していましたが、やっと取れました。第11戦は、最後まで古谷選手を抑えることができましたし、今シーズン課題としていたことのうち2つがクリアできました。最終戦に向けて手応えを得ることができました」

「まだ、タイヤが温まっていないときのタイムの出し方や、レースのポジション取りなど課題はありますが、最終戦も気持ちで負けないようにしたいと思います」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第11戦SUGO優勝コメント 澤龍之介「鈴鹿も出たいです」

総合優勝 #77澤龍之介(D'stationF111/3)

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

「第10戦は少しマシンセッティングやタイヤの内圧を外してしまったので、今回はアジャストして臨みました。それが良かったと思います」

「大草選手は雨が強い印象があったので、後半追い上げられているときは不安でした。でも、エンジニアが無線で状況を教えてくれたので冷静に走れました」

「まだ何も決まってはいませんが、鈴鹿もぜひ出たいです」

マスタークラス優勝 #7畑 享志(F111/3)

#7畑 享志(F111/3)

「今度はちゃんと勝てました(笑)。クラッチがだめになっていてスタートは諦めていたんですが、意外にうまくいきました。もし出遅れても、最終コーナーが速かったので、そこで抜けるだろうとは思っていました」

「終盤はタイヤが限界を迎えてかなり厳しくて、ステキナレーシングの若手2人が迫ってきていましたが、意地で抑えました」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第11戦SUGO決勝 澤龍之介がポール・トゥ・ウィンで2勝目を飾る

10月9日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第11戦の決勝が宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、澤龍之介(D'stationF111/3)がポールポジションから逃げ切って今季2勝目を飾った。

マスタークラスは、序盤で順位を上げた#7畑享志(F111/3)が第10戦に続き連勝を飾った。

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

一向に好転しない天候は、第11戦のスタート時刻になっても冷たく細かい雨を降らし続けた。今回は全車レインタイヤを装着してスタートを迎えた。

ポールポジションの#77澤は好スタートで1コーナーに飛び込むと、1周目で早くも2.8秒のギャップを築いてコントロールラインに戻ってくる。これを追うのが予選2位の#45大草りき(PONOS Racing)と予選3位の#3小川颯太(Sutekina Racing)だが、#3小川はペースが上がらず、この後ズルズルと順位を落としてしまう。

#45大草りき(PONOS Racing)

一方、予選のクラッシュで最後尾スタートとなった#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)は、1周目に6位までジャンプアップ。まずは前を行く#8三浦愛(ARTA F111/3)を攻略しようと攻め立てる。

トップ#77澤は快調に飛ばし、7周目には2位#45大草に対し、6秒という大きなマージンを築くが、この頃から雨足が強くなり、やや硬目のセッティングで臨んでいた#77澤は#45大草に徐々に追い上げられることになる。

トップ2車には置いていかれたものの、3位#11太田格之進(Rn-sportsF111/3)は単独3位の座を確固たるものにし、その後方では#8三浦、#28古谷のバトルが続く。

降り続く雨の中、トップ2車の差は周回を重ねる度に縮まっていき14周目には2.8秒となった。

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

しかし、トップ#77澤は「大草選手に追い上げられてかなり不安でした」とは言うものの、残り周回を安定して走りきり、富士大会に続き、ここ菅生でも1勝をあげた。しかも、今回はポール・トゥ・ウィンという完勝だった。

#8三浦愛と#28古谷のバトルは終盤まで続いたが、#8三浦愛が「古谷選手と速いところが違っていたのでそこを確実に抑えるようにしました」と最後まで前には出さず、この結果、#28古谷のチャンピオン決定を最終鈴鹿大会に持ち越すことに成功した。

#7畑 享志(F111/3)

マスタークラスは、「最終コーナーが他車より速かった」という#7畑が、序盤で一気にトップに躍り出ると、そのまま逃げ切って連勝のフィニッシュ。

#7畑の連勝により、マスタークラスのチャンピオン争いは混沌としてきた。こちらも鈴鹿大会で決することになった。

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10戦SUGO優勝コメント 古谷悠河「チームに感謝です」

総合優勝 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)

「珍しくスタートが決まりました。スタートで抜くのは2回目くらいです(笑)。1周目はペースが上がらずに苦しかったですが、何とか守りきって、2周目以降は良いペースで走れました」

「Q2で自分のミスでマシンを壊してしまいましたが、こんなに完璧なマシンを用意してくれたチームに感謝です。次のレースは最後尾スタートですが、このペースで走れれば何とかなると思います」

マスタークラス優勝 #7畑 享志(F111/3)

#7畑 享志(F111/3)

「自分らしいレースでした(笑)。雨なのでスタートで早めに2速に入れたら、全然前に進まなくて抜かれました。そこからは気持ちを切り替えて1台ずつ抜くことを心掛けました」

「途中までなかなかペースが上がらなかったのですが、乾いたラインを走るようにしたら、どんどんペースが上がって前に追いつきました。最後は前が接触し、今田選手のペースが落ちていたので前に出ることができました」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Asako SHIMA

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10戦SUGO決勝 古谷悠河が独走で今季3勝目を飾る

10月9日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第10戦の決勝が宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、2番グリッドから好スタートを決めた古谷悠河(TOM'S YOUTH)が独走で今季3勝目を飾った。

マスタークラスは、スタートで出遅れたもののトップ2車の接触で、#7畑享志(F111/3)がクラス優勝を飾った。

#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)

上空には暗い雲が垂れ込めているものの、雨は上がり、ややコンディションが回復しつつあるなか、スタート時刻を迎えた。

ほとんどのマシンがレインタイヤを履いてレースに臨むが、#3小川颯太(Sutekina Racing)と#5塩津佑介(Sutekina Racing)のチームメイト2人は、優勝を狙ってスリックタイヤでスタートするというギャンブルに出た。

好スタートを見せたのは、フロントローイン側、2番グリッドの#28古谷。スタートで出遅れることの多い#28古谷だが、ポールスタートの#77澤龍之介(D'stationF111/3)を1~2コーナーでかわしてトップに躍り出る。

この後、ややペースの上がらない#28古谷を、2周目に2位に上がった#45大草りき(PONOS Racing)、#77澤、#11太田格之進(Rn-sportsF111/3)が攻め立てるが、それを何とか凌いだ#28古谷は3周目から徐々に独走態勢を築いていく。

チャンピオン争いで#28古谷に先行したい#8三浦愛(ARTA F111/3)は、スタート後の混乱のなかで遅れ、おまけにスピンも喫してしまい、マスターズのなかに埋もれてしまう。

スリックタイヤでスタートした#3小川、#5塩津の2人は、完全に賭けが外れてしまい、後方に沈んでしまった。

#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)

周回を重ねる度に上位陣の差は開いていき、6周目からは縦に長い展開になる。快走を続ける#28古谷は、濡れた路面をものともせず、6周目3.4秒、8周目4.8秒、10周目6.5秒と着実に2位#45大草との差を開いていく。

結局、17周を危なげなく走りきった#28古谷が、2位を11秒以上離す独走で今季3勝目を飾るチェッカーを受け、シリーズチャンピオンを大きく引き寄せた。

マスタークラスは、終盤15周目の1コーナーでドラマが起きた。

#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

トップを走る#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)のインに#96TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)が飛び込むが、両者は接触。#4今田は遅れ、#96TAKUMIがトップでチェッカーを受けたが、1コーナーの行為が危険行為と判定されプラス10秒のペナルティ。

漁夫の利を得た#7畑が、今季2勝目を飾った。

#7畑 享志(F111/3)

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10,11戦SUGO予選PPコメント 澤龍之介「最後の1周は集中していきました」

第10,11戦総合PP #77澤龍之介(D'stationF111/3)

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

「1回目の予選は、プッシュし続けないとタイヤの温度が下がってしまうので常に前へ、前へという気持ちで走りました。結果として逆転できたという感じです」

「2回目は、大草選手にトップに出られたときは不安で仕方なかったです。最後の1周は集中していきました。最後の最後にタイムが出せて本当に嬉しいです」

「雨は得意意識はなかったのですが、こうして結果が出たので決勝は自信を持って臨みたいと思います」

第10戦マスタークラスPP #7畑 享志(F111/3)

#7畑 享志(F111/3)

「無理はしていないんですけど、それなりに走っての結果です。スーパーフォーミュラ・ライツで雨の菅生は経験がありましたので、その慣れはあったのかなと思います」

「予選2回目のクラッシュは一瞬でした。クルマが直れば、仕上がりは良いので、スタートで前に出られればいけると思います」

第11戦マスタークラスPP #4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

「昨日のドライの専有走行はめちゃくちゃ良かったのでドライでやりたかったですが、雨も苦手意識はありません。どちらかというと好きです」

「1回目は、さぁ行こうというときに赤旗が出てしまいました。2回目の最後はワンラップはベストの走りをしようと思っていきました」

「まだチャンピオンの可能性はあるので、残りレースは4連勝を狙います」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第11戦SUGO公式予選 澤龍之介が雨中の予選で連続ポールを獲得

10月9日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第11戦の予選が宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、第10戦に続いて#77澤龍之介(D'stationF111/3)がポールポジションを獲得した。

マスタークラスは、#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がクラスポールを獲得した。

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

第10戦の予選に続いて行われた第11戦の予選は、開始時間が近づくにつれ、小粒の雨ながら雨足がやや強くなってくる。

このため、雨に足をすくわれる選手が続出。度々赤旗で中断される予選となった。

開始早々、クラッシュを演じてしまったのは、シリーズリーダーの#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)。「自分のミスだった」とSPコーナーの出口で姿勢を崩しスピン。アウト側のガードレールに激しく接触。サスペンションを痛めてしまった。

これで1回目の中断。

残り12分で再開した予選だったが、ここまでマスタークラスのなかで抜き出たタイムをマークしていた第10戦のクラスポールシッター、#7畑享志(F111/3)が#28古谷と同じような形でクラッシュ。リアウイングを失ってしまった。

これで2回目の中断。

#45大草りき(PONOS Racing)

ここまでの順位は、#45大草りき(PONOS Racing)、#77澤、#3小川颯太(Sutekina Racing)がトップ3。マスタークラスは、#7畑、#4今田、#30DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)と続く。

残り5分で再開した予選だったが、今度は#3小川がレインボーコーナーでコースアウト。グラベルにハマってしまった。

これで3回目の中断。

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

そして、残り3分で再開した予選はワンラップアタックとなった。

このチャンスをものにしたのが#77澤。雨の中、集中した走りで中断前に#45大草がマークしていた1分33秒141を僅か1000分の9秒上回り、逆転で連続ポールポジションをものにした。

マスタークラスは、逆転でシリーズチャンピオンを狙う#4今田が、現在のリーダー#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)を抑えてクラスポールを獲得した。

#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

第11戦の決勝は、本日午後3時40分から25分レースとして行われる。

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10戦SUGO公式予選 澤龍之介がポールポジションを獲得

10月9日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第10戦の予選が宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、前回初参戦の富士で優勝を飾った#77澤龍之介(D'stationF111/3)がポールポジションを獲得した。

マスタークラスは、#7畑享志(F111/3)がクラスポールを獲得した。

#77澤龍之介(D'stationF111/3)

シリーズも残すところ今回を含め2大会4レースだが、終盤になって若手ドライバーのエントリーが増えてきた。今回は新たにFIA-F4を戦う#11太田格之進(Rn-sportsF111/3)が加わり、もてぎ大会で2勝をあげた#45大草りき(PONOS Racing)も再エントリー。優勝候補となる若手は7人に増えた。

誰が勝ってもおかしくない状態だけに、予選から白熱した戦いが期待された。

未明から降った雨でコースコンディションはウエット。各ドライバーは15分という短い時間のなかで、慎重さを保ちながらも果敢にアタックを続ける。

開始からトップタイムをマークし続けたのは#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)。これに#77澤、#8三浦愛(ARTA F111/3)が続く形で進んだ。

#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)

#28古谷は少しずつタイムを上げ、1分33秒485まで詰めるが、コースコンディションも回復しつつあった終盤、#77澤が1分32秒519で逆転。#28古谷も1分32秒746で迫るが僅かに届かず。

#77澤が更にタイムアップし1分32秒489をマークしたところで、マスタークラスの#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)がS字コーナー手前でコースアウト。ストップしてしまったため、赤旗が提示され予選は終了となった。

再逆転を狙っていた#28古谷にとっては、悔しい終わり方となってしまった。

マスタークラスは「ウエットコンディションなので無理をしないよう走った」と言いながらも#7畑がクラスポールを獲得。最後に逆転ポールを狙っていた#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)は赤旗終了に悔しがることしきりだった。

#7畑 享志(F111/3)

第10戦の決勝は、本日午前11時40分から25分レースとして行われる。

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第10,11戦SUGOプレビュー 今シーズン最高のバトルに期待

今週末行われるフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権(FRJ)、スポーツランドSUGO大会のエントリーが発表された。 前回の富士大会に比べると台数は若干減ったものの、オーバーオールを争う若手が7台と過去最多になった。

FRJ第7戦富士スタートシーン

メンバーは、スポット参戦ながら第4,6戦もてぎで優勝の大草りき(PONOS Racing)、オーディションを勝ち上がり第9戦富士で優勝を遂げた澤龍之介(D'station Racing)、第8戦富士で2~3位に入った#3小川颯太(Sutekina Racing)と#5塩津佑介(Sutekina Racing)、そして初登場の太田格之進(Rn-sportsF111/3)はマスタークラスの常連、植田のマシンでの参戦だ。

これを迎え撃つシリーズフル参戦組は、第5,7戦を制した古谷悠河(TOM'S YOUTH)と第8戦で初優勝を遂げた三浦愛(ARTA F111/3)だ。シリーズチャンピオンを争う2人、特に逆転チャンピオンを狙う三浦愛にとっては、FIA-F4経験のある若手を抑えての優勝が必要なだけに正念場となる。

マスタークラスも、田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)、TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)、三浦勝(CMS F111)によるシリーズ争いがし烈になっており、こちらも目が離せない。

抜きにくい中速コースのスポーツランドSUGOが舞台なだけに、予選から激しい戦いが見られそうだ。

なお、今回は日程が変更になった関係で、10月9日(土)のワンデーレースとなる。

タイムスケジュール
08:00~第10戦予選
08:25~第11戦予選
11:40~第10戦決勝 【Youtubeライブ】
15:40~第11戦決勝 【Youtubeライブ】

エントリー
Driver(Car)/Entrant
#3 小川颯太(Sutekina Racing)/SUTEKINA RACING TEAM
#4M 今田信宏(JMS RACING with B-MAX)/B-MAX ENGINEERING
#5 塩津佑介(Sutekina Racing)/SUTEKINA RACING TEAM
#7M 畑 享志(F111/3)/Super License
#8 三浦 愛(ARTA F111/3)/Super License
#11 太田格之進(Rn-sportsF111/3)/Rn-sports
#28 古谷悠河(TOM'S YOUTH)/TOM'S YOUTH
#30M DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)/B-MAX ENGINEERING
#34M 三浦 勝(CMS F111)/CMS motor sports project
#39M 田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)/イーグルスポーツ
#45 大草りき(PONOS Racing)/PONOS Racing
#77 澤龍之介(D'station Racing)/D'station Racing
#96M TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)/B-MAX ENGINEERING
※ゼッケン後のMマークはマスタークラス

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

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B-MAXストーリー(10)目指すチーム像と目標

B-MAXストーリー

目指すチームはトムス

短期間でトップカテゴリーにまで辿り着いたB-MAXレーシングだが、チームづくりはまだ道半ばだ。

二人三脚でチーム運営をする組田と宮田は、口を揃えて「目指すのはトムス」と言う。トムスは別格だと。だから、チームをスタートさせたときから、トムスに追いつけ追い越せを目標にやってきたという。

組田と宮田のタッグは、本田宗一郎と藤澤武夫に似ているかもしれない

組田と宮田のタッグは、本田宗一郎と藤澤武夫に似ているかもしれない

組田は、かつてトムスの強さはどこにあるのかをレース関係者に聞いて回ったことがある。そこで見い出した強さの秘訣は、チームスタッフの定着率が高いこと、同じメンバーでやり続けることだった。

そこで、長期間一緒に働ける環境づくりを目指し、ある時からチーム運営のコアな部分は社員で行う路線に切り替え、社員を一人ずつ増やしていった。

チーム発足から11年で確実に目指す形には近づいている。あとは結果だ。

まずは1勝が目標

チームの目標を尋ねると、組田はこう答えた。

「目標は、スーパーフォーミュラでチャンピオンを取り、名実ともに日本一になることです。F3までは達成してきましたので、スーパーフォーミュラでチャンピオンを取るまでは続けたいと思っています」

「ただ、1勝もしていないのにチャンピオンなんて口にするのはおこがましい。まずは1勝です。今シーズンの残り2戦で何とか達成したいと思います」

B-MAXレーシングがまた一歩階段を上がることができるのか、10月17日の第6戦(もてぎ)、10月31日の最終戦(鈴鹿)に注目だ。

情熱を注ぐドライバー育成

B-MAXレーシングは、これまで全日本F3、SFライツで何人ものドライバーをサポートしてきた。

今シーズンSFライツで走る名取鉄平もその一人だ。名取は昨シーズンでホンダの育成枠を外れることになった。ただ、組田は育て方次第で伸びると見て声をかけた。組田は「彼がチャンピオンを獲って、どこかのメーカーに声をかけられたら僕の目標は達成です」と言う。

現在チャンピオン最右翼の名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)

現在チャンピオン最右翼の名取鉄平(Byoubugaura B-MAX Racing 320)

この組田の取り組みを、何のためにやっているのかと訝しがる関係者もいる。しかし、組田は意に介す様子はまったくない。「これは僕のパッション(情熱)です。それに尽きます」と言い切る。そして、可能であれば、自動車メーカーの育成プログラムにも関わりたいという。

組田のドライバー育成に対する拘りは、自らが若くして経営者になったとき、周りの人たちの助けで成長できた実体験が影響しているように思える。若者の可能性を信じ、手を差し伸べることが、相手と自分の人生において、また社会にとって財産になることを信じている。そして、組田にとってはそれが至上の喜びであり、情熱を注ぐに値することなのだ。

B-MAXへの期待

初回に、B-MAXレーシングは「特異な存在」と書いた。

そう感じるのは、メーカー色の薄いチームであること、外国人ドライバーを積極的に起用すること、海外のチームとジョイントすること、多くのカテゴリーに参戦していることなど、外から見えることだけではない。

それは、オーナーである組田のキャラクターによるところが大きいが、閉鎖的になりがちなレース界にあって、オープンな空気を醸し出しているところからくるものだと思う。これはB-MAXレーシングの大きな魅力である。

ぜひ、新しい風として、レース界、特にスーパーフォーミュラに刺激を与え、たとえ小さくてもファンのために変革を起こしてくれることを期待したい。

最後に、今回ファクトリーにお邪魔をし、組田、宮田両氏には貴重な時間を割いて話を聞かせていただいた。また丁寧な応対をいただいたことに深く感謝を申し上げたい。

(了)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
Shigeru KITAMICHI

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B-MAXストーリー(9)トップフォーミュラへの想い

B-MAXストーリー

望むはプロスポーツ化

フォーミュラカーの面白さに魅了され、スーパーFJからSFライツまで数多くのレースに参戦してきた組田のフォーミュラに対する想いは熱い。

スーパーフォーミュラで争うドライバーの凄さを十分に知るからこそ、国内最高峰のフォーミュラカーレースは、純粋にドライバーの戦いであってほしい、プロスポーツであってほしいと強く願っている。

松下信治はエンジンサプライヤー(ホンダ)の意向によって第2戦からの参戦を余儀なくされた

松下信治はエンジンサプライヤー(ホンダ)の意向によって第2戦からの参戦を余儀なくされた

「他のプロスポーツでは、アスリートはスポンサーと対等であるのに比べ、スーパーフォーミュラではドライバーは自動車メーカーのサラリーマンのようになってしまっている」

「このため移籍も限定的で、これはプロスポーツとしての面白さをスポイルしている。トップフォーミュラに乗る選ばれたドライバーは、育成してくれたメーカーに縛られることなく自由に移籍ができるようになってほしい。そう思います」

B-MAXレーシングのファクトリー内には本格的なドライビング・シミュレーターが備えられている

B-MAXレーシングのファクトリー内には本格的なドライビング・シミュレーターが備えられている

「自動車メーカー、チーム、ドライバー、そしてメディアも、プロスポーツとしてスーパーフォーミュラをどう盛り上げていくのかを、真剣に考え、取り組んでほしい」

「ドライバーの争いだけではなく、技術競争の側面もあって、素晴らしいことをやっているのに、それが一般の人たちに伝わらないのが何とも歯痒いんです」

矢継ぎ早に溢れ出てくるトップフォーミュラへの想い。

この想いが形になるには時間がかかるだろうが「少しずつでも変えていきたい」と組田は言う。そのためには、まずは結果を出し、チームが力をつけることが必要だ。

スーパーフォーミュラは最高の勝負

組田はスーパーフォーミュラとスーパーGTの違いをこう表現する。

「スーパーGTは最高峰の“レース”、スーパーフォーミュラは最高の“勝負”」

勝負師の組田らしい表現だが、言い得て妙である。そして、こう付け加える。

勝負の拠点、ファクトリー内の作業スペースは非常にゆったりとしている

勝負の拠点、ファクトリー内の作業スペースは非常にゆったりとしている

「スーパーGTは、ハンデキャップ制であえて勝ち続けることができないルールになっています。魅せるレースとして大成功だと思います。重くなったり(燃料の流量を)絞られたり、そういう中で速く走らせる技術というのは本当に凄い。ただ、フォーカスされるのはドライバーよりもクルマです」

「一方、スーパーフォーミュラはドライバーの勝負です。今年でいえば野尻選手はずば抜けて速い。あの速さは手が付けられない。野尻は速い。もうそれに尽きます。クルマが速いとは誰も言いません」

(10)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
Shigeru KITAMICHI

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B-MAXストーリー(8)念願のトップフォーミュラ参戦へ

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スーパーフォーミュラへの参戦

B-MAXレーシングとして参戦するようになった2014年からの3年間は、全日本F3では名門トムスを脅かす存在になり、スーパーGT(GT300クラス)でもコンスタントにシリーズ上位に名を連ねるようになった。

組田自身も“DRAGON”として全日本F3(Nクラス)にステップアップを果たし、毎年順調に戦績を積み重ねていた。

しかし、チームの戦績や経営が安定し始めると、組田のなかでトップフォーミュラへの想いが募っていく。その想いは日に日に膨らんでいき、ついに2017年から念願のスーパーフォーミュラへ打って出ることを決断する。

参戦初年度は小暮卓史を起用して戦ったが最高位は12位、ノーポイントに終わった

参戦初年度は小暮卓史を起用して戦ったが最高位は12位、ノーポイントに終わった

組田は自分の性格を「慎重な部分と無謀な部分が同居している」と分析する。そして、「レースに関しては無謀な部分が出る」とも。

これまでも「結果は後で考えよう、とりあえずやってしまえという感じでした」。その典型がスーパーフォーミュラへのチャレンジだった。

この参戦をきっかけに、組田はB-MAXレーシングを会社組織として独立させるが、その社長に就くことになった宮田は当時のことをこう振り返る。

「組田さんから何の相談もなく(スーパーフォーミュラを)やるから、と言われました(笑)。僕はお金がとんでもなくかかりますからやめた方がいい。F3とは桁が違いますよと言いました」

これまで何かにつけて宮田に相談をしてきた組田だったが、トップフォーミュラへの想いは強く、その決断が揺らぐことはなかった。ここからのチームの苦労は想像に難くない。

新興チームの苦悩

他チームには、監督にタレント性、スター性があり、スポンサーを比較的集めやすいチームもある。しかし、B-MAXレーシングにはスター監督もいなければ、ネームバリューもない。このため、チーム運営はミドルフォーミュラに参戦するジェントルマンドライバーからの運営受託、屏風浦工業からのスポンサード、ドライバーの持ち込みスポンサーフィーなどが活動資金の中心になる。

ドライバーの選定にあたっても、いわゆるメーカー系チームではないB-MAXレーシングは、トヨタ、ホンダ系の有力若手ドライバーを乗せることは叶わない。必然的にその選択肢は限られ、勝てる可能性のある外国人ドライバーを乗せることになる。

2019年は海外チーム、motoparkとのジョイントでルーカス・アウアー(Red Bull SF19)を走らせ第3戦で初表彰台

2019年は海外チーム、motoparkとのジョイントでルーカス・アウアー(Red Bull SF19)を走らせ第3戦で初表彰台

しかし、コロナ禍の2020年は外国人ドライバーの来日がままならず、苦しいシーズンを過ごすことになった。

満を持して、昨年終盤好走を見せた松下信治を起用してフル参戦しようとした今シーズンも、スーパーGTで日産車に乗る松下がドライブすることに、エンジンサプライヤーのホンダが難色を示し、出鼻をくじかれてしまった。メーカーの支援を受けないチームの苦労は絶えない。

本山監督の起用

それでも、組田は勝つためにあらゆる手を尽くす。1998年、2001年、2003年、2005年とトップフォーミュラで4度のチャンピオンを獲得し、勝ち方を知る本山哲を監督に招聘したのもそのひとつだ。

「本山さんのレースに対する熱量は凄くて、勝つための厳しさも持っています。チームは厳しさのなかでしか急成長できないと思っています。だから、弱小チームですが来てくれませんかとお願いしたんです」と組田。

現役時代はずば抜けた強さを誇った本山哲を監督に迎えたことも結果に結びついている

現役時代はずば抜けた強さを誇った本山哲を監督に迎えたことも結果に結びついている

ここまで読んだ方にはお分かりだろうが、組田が見込んで起用した人材は必ずチームに貢献し、結果をもたらす。

2019年ルーカス・アウアーとハリソン・ニューウェイが表彰台を獲得し、2020年はシリーズ終盤からドライブした松下が最終戦で表彰台に登った。今シーズンも出遅れは響いたが、第3戦オートポリスで3位、第4戦SUGOで4位、第5戦もてぎで3位と、安定したリザルトを残し、チームは確実に力をつけてきている。

もちろん、監督だけの力ではないが、チームをまとめ上げ、結果に繋げるうえで監督の果たす役割は大きい。

松下というポテンシャルの高いドライバーを得たことで、チームが目指す「まずは1勝」もそう遠くないところまできている。

(9)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
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B-MAXストーリー(7)開けたトップチームへの道

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初年度でF3チャンピオンを獲得

2011年、関口を擁して臨んだ全日本F3選手権で、第3戦からの参戦にもかかわらず、関口は6勝を上げいきなりチャンピオンに輝く。関口のドライバーとしての才能が花開くとともに、宮田のエンジニアとしての能力が参戦初年度にして実証されたのである。

2011年9月、関口雄飛(B-MAX F308)がチャンピオンを決めたレースのスタートシーン

2011年9月、関口雄飛(B-MAX F308)がチャンピオンを決めたレースのスタートシーン

翌2012年は山内英輝、2013年は千代勝正を起用し、シリーズ3位を獲得したB-MAXエンジニアリングは、その実績をもって、ニスモに全日本F3におけるNDDP(ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム)を任せてほしいと申し出る。

当時、トヨタやホンダのように独自のドライバー育成システムを持たなかった日産は、全日本F3(Nクラス)とスーパーGT(GT300クラス)で、NDDPとして育成プログラムを展開していた。

その交渉が進むなかで、ニスモ側から思わぬ提案がなされた。全日本F3のNDDPを任せるので、セットでスーパーGTもやらないかというものだった。

スーパーGTへの参戦

フォーミュラに傾倒していた組田は、スーパーGTにはあまり興味がなかった。しかし、全幅の信頼を置いていた宮田が「日本でレースをやる以上、スーパーGTは絶対やるべきだ。チャンスがあるならやった方がいい」と助言し、スーパーGTにおいてもNDDPとのジョイントが決まった。

B-MAXレーシングが最初に手掛けたスーパーGTマシン B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)

B-MAXレーシングが最初に手掛けたスーパーGTマシン B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ルーカス・オルドネス)

これを機に、B-MAXレーシングチームに改称し、2014年から全日本F3では「B-MAX Racing Team with NDDP」として、スーパーGTではエンラント名こそ「NDDP RACING」のままであったが、3号車のメンテナンスと開発を請け負うことになったのである。

こうして、また一歩階段を登ることになったB-MAXレーシングは、2017年から自チームでスーパーフォーミュラへの参戦を開始し、2018年からはスーパーGTでGT500クラスのGT-Rを任されることになる。

工場の片隅でスーパFJ2台から始まった弱小チームは、僅か8年という短期間で国内トップチームの仲間入りを果たすことになるのである。

(8)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
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B-MAXストーリー(6)宮田エンジニアとの出会い

B-MAXストーリー

急きょ決まったF3参戦

関口のF4での雨中の激走を見ていた人がいた。名門チーム、トムスの監督、関谷正徳である。関谷は関口の走りに光るものを感じ、B-MAXエンジニアリングで全日本F3選手権に参戦することを提案する。提案にはトムスで空いているマシンをレンタルすることも付け加えられた。

2011年全日本F3第3戦、関口雄飛(B-MAX ENGINEERING)は復帰レースで初優勝を飾る

2011年全日本F3第3戦、関口雄飛(B-MAX ENGINEERING)は復帰レースで初優勝を飾る

これはF3に戻りたかった関口にとっては願ってもない提案だったが、B-MAXエンジニアリングにとっては戸惑いもあった。従業員が2人しかいないのにF3なんてできるのだろうか。不安になった組田はメカニックに尋ねた。するとメカニックは「F3をやるのが夢だった。せひやりたい」と言った。

B-MAXエンジニアリングにとって大きな賭けとなる挑戦が決まった瞬間だった。

宮田雅史エンジニアとの出会い

F3参戦は決めたものの、やはり経験のあるエンジニアがいないと話にならない。そこで、白羽の矢を立てたのが、現在B-MAXレーシングの社長を務める宮田雅史である。

宮田を組田に紹介したのは関口であるが、この必要なタイミングで最良の人物と巡り逢う強運は、組田が生来持ち合わせているものかもしれない。

組田の右腕としてB-MAXレーシングを取り仕切る宮田

組田の右腕としてB-MAXレーシングを取り仕切る宮田

当時、宮田はスーパーGTにランボルギーニで参戦していたJLOCチームのエンジニアを務めていた。国内ではあまり知られた存在ではなかったが、ルマン商会(現在のチームルマン)を経て、単身ヨーロッパに渡り、ルマン24時間レースに参戦したチーム郷、マクラーレン、アウディスポーツなどを渡り歩いた経歴を持つ隠れた逸材だったのだ。

「宮田との出会いは僕にとって非常に大きかった。彼の優秀さはすぐに分かりました。B-MAXをレーシングチームとして発展させるには手放してはいけない人材だと思いました」と組田の評価は高く、その後6年間、宮田はB-MAXエンジニアリングの専属エンジニアを務めることになる。

6年後の2017年、組田はB-MAXレーシングを別会社として立ち上げることになるが、その社長に宮田を就任させ、そこから本格的に、組田と宮田による二人三脚のチーム運営が始まるのである。

(7)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Shigeru KITAMICHI

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B-MAXストーリー(5)関口雄飛との出会い

B-MAXストーリー

オリジナルF4マシンの開発

2010年からF4にも進出したB-MAXエンジニアリングは、すでに入門用フォーミュラマシンのノウハウも蓄積していたため、コンストラクターとしても名乗りを上げることになる。

当時のF4は、日本自動車工業会(JMIA)が開発した共通のカーボンモノコックを使っており、いくつかのコンストラクターがマシン製作を行っていた。

RK-01は現在もJAF-F4において活躍中だ。画像は2016年西日本シリーズの澤田真治(B-MAX・RK01・TODA)

RK-01は現在もJAF-F4において活躍中だ。画像は2016年西日本シリーズの澤田真治(B-MAX・RK01・TODA)

B-MAXエンジニアリングも、屏風浦工業と取引きのあった東京R&DのF4マシンをベースに、オリジナルF4マシン「B-MAX RK-01」を造り上げた。RKは組田龍司のイニシャルである。

そして、このマシンのデビューを演出したのが、今や押しも押されぬトップドライバーの関口雄飛である。

鮮烈のデビューウィン

2011年4月、東日本大震災の影響で開幕戦がキャンセルになったF4東日本シリーズの実質の開幕戦、第2戦が富士スピードウェイで開催された。ここにシェイクダウン間もないRK-01が登場し、関口雄飛のドライブにより雨の予選、ドライの決勝ともに圧倒的な速さを見せデビューウィンを飾ったのだ。

この勝利はマシン性能もさることながら、関口の力によるところが大きかったのは言うまでもない。

2011年若き日の関口雄飛(23歳)

2011年若き日の関口雄飛(23歳)

関口はこの頃、2008年の海外挑戦を資金的な都合で断念し、帰国後参戦した全日本F3でもシートを失っていた。そこでスーパーFJでコーチを務めていた繋がりで、自らRK-01の開発ドライバーを志願しての参戦だった。

実は、関口を組田に引き合わせたのは、B-MAXエンジニアリングでスーパーFJに乗り、レーシングカート時代から関口を良く知るジェントルマンドライバー吉田基良だった。この縁がなければ、今のトップカテゴリーに参戦するB-MAXレーシングはなかったはずである。

「関口はその頃からちょっとアウトローな感じでした。僕はそういう選手が好きなんです。ちょっと跳ねっ返りぐらいの方が面白いじゃないですか」と組田は当時を思い出しながら目を細める。自身もそうだったから惹かれるのかもしれない。

このF4での勝利が、B-MAXエンジニアリングと関口にとって思いがけない飛躍をもたらすことになるのである。

(6)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI

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B-MAXストーリー(4)B-MAXエンジニアリング誕生へ

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勝負師・組田の決断

話は遡るが、2006年からポルシェカレラカップに出場した組田は、3年間の参戦のなかで釈然としない思いを抱いていた。

それは、組田の勝負師たる性格、実業家としての経験に大いに起因するのだが、一つは、イコールコンディションと言われるレースでもマシンの差が大きく、速いチームで走らないと結果はついてこないということ、もう一つは、コスト面が明朗会計ではなく、投資額が速さに繋がっているのか曖昧であることだった。これにはどうしても納得できなかった。

B-MAXエンジニアリングのファクトリーにて

B-MAXエンジニアリングのファクトリーにて

「勝負師」と書いたが、組田は勝負事は好きだがギャンブルは一切やらない。生きた金の使い方をすることに拘るのである。

「これは自分で納得できるよう、自らやる方がいい」。そう思った組田は、早速行動を起こす。本業がリーマンショックでダメージを受ける最中ではあったが、知り合いのメカニックを誘って、2010年にB-MAXエンジニアリングを立ち上げる。

工場の片隅からのスタート

ネーミングの由来は、屏風浦の「B」、一番になりたいという思い、常に全開という意味の「MAX」を組み合わせたものだ。

メンテナンスするのは、組田と、知り合いのスーパーFJが2台、従業員は1人という小さな所帯だったが、クルマをいかに速く走らせるかは本業にも役立つと考え、屏風浦工業のレース事業部としてスタートさせた。

現在、B-MAXエンジニアリングでは、SFライツ5台、FRJ4台、FIA-F4,3台ものフォーミュラを整備している

現在、B-MAXエンジニアリングでは、SFライツ5台、FRJ4台、FIA-F4,3台ものフォーミュラを整備している

現在は、トップカテゴリーに参戦するB-MAXレーシングと、ミドルフォーミュラを中心にメンテナンスをするB-MAXエンジニアリングに分かれており、規模も比較にならないほど拡大しているが、チームは11年前に工場の片隅から始まったのである。

(5)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Shigeru KITAMICHI

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B-MAXストーリー(3)組田龍司は何者なのか② 募るフォーミュラ愛

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念願のレース出場へ

社業で忙殺される毎日だったが、組田の唯一の趣味であるクルマやレースを忘れることはなかった。この間もサーキット走行会やレース観戦に出かけていた。

そして、会社を軌道に乗せた組田が37歳になった頃、親しくしていた、レースやチューニングカーの世界では知らぬ者はいないRE雨宮の社長から「レースをやりたいなら無理してでもやりなよ、やらないと後悔するよ」という一言をかけられる。この言葉が眠っていたレース参戦への想いを呼び覚ますことになる。

2004年ポッカ1000km PROMODET JUジャナイトポルシェ993(組田龍司/清水隆広/吉田泉)

2004年ポッカ1000km PROMODET JUジャナイトポルシェ993(組田龍司/清水隆広/吉田泉)

2004年、知り合いのチューニングショップのポルシェ993で、まだスーパーGT選手権に組み込まれる前の「インターナショナル・ポッカ1000kmレース」に参戦。念願のレースデビューを果たすことになる。組田がレース参戦を志してから実に15年の時が流れていた。

翌2005年も同レースにRX-7で参戦する。この年、組田は現在使用するドライバーネーム“DRAGON”に通じる“ドラゴン・クミタ”の名前で出場している。

その後、2006年から3年間、ポルシェカップに出場する。ただ、あくまでも自分の手の届く範囲での参戦で、リセールバリューのあるポルシェなら、一番お金がかからないと判断してのことだった。

フォーミュラに魅了される

念願のレース参戦を果たし公私ともに充実した日々を送っていた組田だったが、順調だった会社経営にピンチが訪れる。2008年の終わりに世界を揺るがしたリーマンショックである。組田も会社のことを考え、一旦はレースの継続を断念しようと考えた。

しかし、長年の夢であったレースをどうしても諦めることができず、一番お金のかからないカテゴリーを探すなかでスーパーFJと出会う。後に組田がのめり込むフォーミュラカーの扉を開けた瞬間だった。

ここからの組田は、フォーミュラの魅力にハマっていく。

組田はフォーミュラカーを操るためにトレーニングを欠かさない

組田はフォーミュラカーを操るためにトレーニングを欠かさない

2009年から4年間は、全国で行われていたスーパーFJの地方シリーズに挑戦し、JAF-F4にもスポット参戦をする。ここでフォーミュラカードライビングの基礎を学んだ組田は、2013年、全日本F3選手権(Nクラス)にステップアップ。5年目には念願のNクラスチャンピオンを獲得する。

目標だったマカオGPに参戦

このチャンピオン獲得により実現したのが、当時組田が目標としていたマカオGP参戦だ。2017年の参加ドライバー中最高齢の49歳ではあったが、組田は年齢を感じさせない果敢な走りを見せた。しかし、世界屈指の難コースはそう簡単に攻略できるはずもなく、予選でクラッシュを演じるという洗礼を受けた。

翌年もマカオGPに参加が許された組田は、手堅く完走狙いに切り替え、見事18位というリザルトを残した。「人生で最も記憶に残る出来事。できることならもう一度チャレンジしたい」と、組田のマカオGPに対する想いは強い。

原動力はフォーミュラ愛

組田は、2018年からは全日本F3選手権のオーバーオールクラス、2020年からは新設されたSFライツとFRJに参戦し、マスタークラスのトップコンテンダーとしての地位を確実なものにしてきた。それは54歳の今も現在進行形である。

「フォーミュラに乗り始めたらもうハコ(ツーリングカー)には興味がなくなり、とにかくフォーミュラに乗りたくて、アマチュアが乗れる一番上のF3までまで行ったという感じです」と笑う組田だが、参戦を継続するための努力も怠らない。

多忙ななかにあっても、週5日、毎日2時間のトレーニングは欠かさないという。54歳にして体脂肪率は驚異の1桁である。

もし、サーキットで組田を見かけたら、こっそり観察してみることをお勧めする。その体躯はとても50代のものとは思えないほどである。

とにかく、この組田のフォーミュラ愛こそが、B-MAXレーシングの大きな原動力であることは間違いない。

さて、オーナー組田の考え方などはこの後も度々登場するが、組田が何者かはここで一区切りにして、いよいよ次回はB-MAXレーシングの誕生に迫っていこう。

(4)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
Motorsports Forum

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B-MAXストーリー(2)組田龍司は何者なのか① 抱き続けたレースへの想い

B-MAXストーリー

クルマとバイクに明け暮れた青春時代

組田龍司(以下、組田)は1967年、神奈川県横浜市で生まれた。育ちも横浜の生粋の浜っ子である。

この時代の若者には珍しくはないが、クルマとバイクをこよなく愛し、愛車を改造しては峠を走り、それを生き甲斐として日々暮らしていた。

走り屋なら誰もが抱くレースへの憧れも持ち続けてはいたものの、具体的な行動を起こしたのは、自動車メーカーに勤める社会人として、それなりの収入を得られるようになった22歳の頃。意外に遅かった。

昔の思い出を語るB-MAXレーシング/エンジニアリングの組田龍司代表

昔の思い出を語るB-MAXレーシング/エンジニアリングの組田龍司代表

地元横浜でレースに参戦しているショップへ行き、レースに出るにはどのくらいの費用が必要なのかと尋ねた。当時、富士フレッシュマンレースにS13型のシルビアクラスが新設され、それに出場することを考えていた。

ところが、ショップから提示された額は「当時の給料では到底支払えるものではなかった」と、ここで膨らんでいたレース参戦の夢はあえなく萎んでしまう。借金をしてまでやることは考えず、俺には無理だとあっさり諦めてしまった。今ならレーシングカートから始めるのかもしれないが、当時の組田はその存在すら知らなかった。

遅咲きの組田は今や日本のジェントルマンドライバーの代表格だ

遅咲きの組田は今や日本のジェントルドライバーの代表格だ

屏風浦工業の若き社長へ

時をほぼ同じくして、組田の父が創業した屏風浦(びょうぶがうら)工業にピンチが訪れる。父が癌を患い余命宣告されてしまったのだ。会社の経営に携わっていた父のブレーンからは後を継いでほしいと懇願され、組田は弱冠22歳にして経営のトップに就くことになる。

ちなみに屏風浦工業というやや古風に思える社名は、創業の地、横浜市磯子区の地名である。主な業務は、自動車メーカーが開発する新型車両(試作車)の部品製造である。

【屏風浦工業ホームページ】(リンク)

B-MAXレーシングのトランスポーターにも屏風浦工業のロゴが入っている

B-MAXレーシングのトランスポーターにも屏風浦工業のロゴが入っている

そこからの苦労は筆舌に尽くしがたいものだったようだ。中小企業は社長個人の信用、人脈で成り立っているものだということを思い知らされたという。もちろんレースに費やす時間はなく、社業に専念することになる。

「20代前半から30代半ばまでの経験は、ものすごく辛かったですが良い経験でした」と組田が語るように、そこで培われた反骨心とビジネスセンスは現在のレーシングチーム運営でも大いに発揮されている。

社長就任当時から組田にはぶれない思いがある。それは会社に世襲制は持ち込まないということだ。当時、自身が何の苦労もせずに会社を継いだことに後ろめたさがあったという。「一生懸命やっても上に上がれないのではやる気を失う。誰にもチャンスはあるようにしたい」と、今は日々社員を鼓舞し、その中から優秀な人が出ることを願っている。

この誰にもチャンスを与え、育てるという考え方も、レーシングチームの運営に生きている。

(3)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Shigeru KITAMICHI

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SUPER FORMULA | SUPER FORMULA LIGHTS | SUPER GT

B-MAXストーリー(1)いま気になるチーム、B-MAXレーシング

B-MAXストーリー

いま、国内レースで気になるチームはどこかと尋ねたら、B-MAXレーシングチーム(以下、B-MAXレーシング)と答えるレースファンは多いのではないだろうか。

スーパーフォーミュラ、スーパーGT(GT500クラス)の2大トップカテゴリーに、ここ4、5年の間に相次いで参戦を開始しただけでなく、参戦を継続しているスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)、昨年からスタートしたフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ(FRJ)など、実に多くのカテゴリーでB-MAXのロゴを目にするようになってきた。

2021年のスーパーフォーミュラを戦う松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)

2021年のスーパーフォーミュラを戦う松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF19)

スーパーフォーミュラでは、トヨタ、ホンダ系と言われるチームの多いなか、メーカー色の薄いチームとして活動し、外国人ドライバーを積極的に起用したり、海外のチームとジョイントしたりするなど、やや特異な存在としてシリーズに刺激を与えている。

今シーズン、スーパーGTにおいてGT-Rに乗る松下信治選手のスーパーフォーミュラへの起用を巡って、紆余曲折の末に第2戦から参戦にこぎ着けたことは記憶に新しい。

2021年のスーパーGTを戦うCRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)

2021年のスーパーGTを戦うCRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)

また、チーム代表の組田龍司氏が現役のレーシングドライバーとして、SFライツ、FRJ、FIA-F4などに積極的に参戦していることも、他のチームには見られないユニークな点だ。

B-MAXレーシングはどのように生まれ、発展してきたのか、オーナーの組田龍司氏とは何者なのか、多くのレースファンが抱いている疑問を解くために、B-MAXのファクトリーに突撃取材を試みた。

まずはB-MAXレーシングのオーナー組田龍司氏とは何者なのかから紐解いていこう。

(文中敬称は略させていただきます)

(2)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第9戦富士決勝コメント 澤龍之介「最高の気分です、スッキリしました」

総合優勝 澤龍之介(D'stationF111/3)

優勝した澤龍之介(D\'station Racing)

「最高の気分です。めちゃめちゃスッキリしています。昨日のレースは後味が悪かったので本当に嬉しいです。スタートで絶対行くと決めていましたし、スタートは自信もありました。決まって良かったです」

「古谷選手が2番手に上がってきたときは、どう抑えるかを考えていましたが、ペースもあまり変わりませんでした。終盤は濡れた路面に気をつけて走りました」

「昨日の1レース目からチームと相談しながら徐々にセットアップして、今日のレースは最高の状態になりました。チームに感謝しています」

総合2位 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

決勝2位の古谷悠河(TOM\'S YOUTH)

「スタートが全然ダメでした。前回のもてぎでは上手くいっていたのですが。レース中は内圧が上がらなかったのか、ずっとタイヤが温まらないままでした。あとは雨に乗ってしまってBコーナー(ダンロップコーナー)でミスをしてしまいました。でもあのミスがなくても追いつくのは厳しかったと思います」

「スピードは金曜日からありましたし、クルマの仕上がりは凄く良かったのですが、それを生かせなくて残念です。とにかくスタートですね。次の菅生では頑張ります」

総合3位 三浦 愛(ARTA F111/3)

決勝3位の三浦愛(Team Super License)

「スタートも決まって、セーフティカーが入る前までは凄くいい展開だったのですが……。リスタートはリズムが掴めずに1コーナーまでに(澤選手に)詰められてしまいました。ニュータイヤで行ったのですが、リスタートから数周は温まらずに、ニュータイヤの良いところを使えずに終わってしまった感じです」

「菅生は皆テストができていないはずなので、同じ条件でやれると思います。自分の走りに集中できれば(優勝の)可能性はあると思っています。今回かなり手応えがありましたので、菅生もリズム良く走れればと思います」

マスタークラス優勝 田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)

マスタークラス優勝の田中優暉(イーグルスポーツ)

「昨日のレースは良くなかったので、今回は慌てないようにしました。スタートが上手くいったのが勝てた要因です。バトルするとタービュランスで上手く走れないので、単独のほうが安定しています」

「若手2人が前で競ってくれたので、上手くスリップストリームも使えてついていけました。途中、抜こうとも思ったのですが、チームから止められました(笑)。当たるとまずいので最後は間隔を開けました」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第9戦富士決勝 澤龍之介が歓喜の初優勝を飾る

15周の決勝がスタートした

9月26日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第9戦の決勝が静岡県・富士スピードウェイで行われ、セーフィティカーラン明けのリスタートで好ダッシュを見せた澤龍之介(D'stationF111/3)が、昨日の雪辱を果たす走りで初優勝を飾った。

マスタークラスは、田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)が総合を争う若手に劣らぬ速さを見せて独走優勝を飾った。

レースはスタート直後のアクシデントでセーフティーが導入された 1コーナーで三浦愛をパスする澤龍之介 優勝は澤龍之介(D\'station F111/3) 決勝2位は古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 決勝3位は三浦愛(ARTA F111/3) マスタークラス優勝は田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) マスタークラス決勝2位はTAKUMI(B-­MAX ENGINEERING FRJ) マスタークラス決勝3位は三浦勝(CMS F111)

富士スピードウェイの上空はどんより曇り、かなり肌寒い天候となった決勝。

初のポールポジションを奪った#8三浦愛(ARTA F111/3)と#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)、チャンピオンを争う2人のレギュラードライバーがフロントローに並び、その後方には、スポット参戦の#3小川颯太(Sutekina Racing)、#5塩津佑介(Sutekina Racing)、#77澤がスタートで前に出ようと虎視眈々と狙う。

スタートを制したのは#8三浦。ライバル#28古谷は鬼門のスタートで出遅れ5位まで後退。。1コーナー(TGRコーナー)は#8三浦、#3小川、#77澤と続き、#8三浦にとっては願ってもない幕開けとなった。

ところが、後方グリッドの#86大阪八郎(Dr.DRY F111/3)、#23YUGO(S2R Racing)がスタート後のストレートエンドで接触。コースサイドに止まってしまったため、1周目からセーフティカーが入る。

車両撤去まで3周を費やし、4周が終了したところで再スタート。タイミングを上手く取れなかったトップ#8三浦の後方に、1コーナで#3小川をかわした#77澤が迫る。次の周、勢いのある#77澤はストレートで#8三浦のスリップストリームに入ると1コーナーでトップに躍り出る。

その後、#8三浦は順位を挽回してきた#28古谷にも抜かれ3位にドロップ。しかし、#3小川、#5塩津とのバトルは制して3位を死守する。

8周を終えた順位は、トップ#77澤、2秒遅れて#28古谷、3秒遅れて#8三浦、更に2秒遅れて#3小川、#5塩津、そしてマスタークラスの#39田中が僅差で続く。

その後、周回を重ねる度に各車の間隔は開いていくが、唯一詰まっていったのがトップ#77澤と2位#28古谷の差。両者の差は10周目2.0秒、11周目1.8秒、12周目1.6秒と僅かずつ#28古谷が追い上げる。

しかし、この頃から雨が落ち始めコース後半が濡れ始める。この雨に足をすくわれたのが#28古谷。12周目のダンロップコーナーでブレーキをロックさせてしまい、僅かなタイムロスではあったものの、地道な追い上げが振り出しに戻ってしまった。

これで楽になったトップ#77澤は残り周回を着実に走りきって、初優勝のチェッカーを受けた。昨日はトップでチェッカーを受けながらペナルティで10位になってしまった悔しさを晴らす優勝に、マシンを降りた#77澤は何度も何度もガッツポーズを見せた。

マスタークラスは、序盤から総合を争う若手に伍して走った#39田中が今季3勝目。2位は#96TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)、3位には#34三浦勝(CMS F111)が入った。

優勝した澤龍之介(D\'station Racing) 優勝した澤龍之介と抱き合うチームオーナーの星野敏 マスタークラスの表彰式 表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第8戦富士決勝コメント 三浦愛「力がついていると実感しています」

総合優勝 #8三浦 愛(ARTA F111/3)

優勝した三浦愛(Team Super License)

「今回は(ストレートスピードを稼ぐため)ダウンフォースを減らす方向にセッティングしました。その分コーナー区間はきつかったですが、決勝はこの方向で良かったと思います」

「2レース目は失敗するジンクスがあるんですが、スタートも決まりましたし、レース中も前に追いつこう、前の2台とバトルしたいと思っていてずっと集中できました」

「自分の力がついてきたという実感がありますし、それに(優勝という)結果がついてきたので自信になりました。これに満足はできませんが、明日のレースに向けて良い流れはできたと思います」

「これでシリーズポイントでも古谷選手との差を縮めることができましたし、まだシリーズチャンピオンも狙えますので、残りのレースも集中して臨みます」

優勝監督 松浦孝亮監督(チーム・スーパーライセンス)

「棚ぼたですけれど優勝は嬉しいですね。あの位置にいなければ優勝はありませんし、今回ストレートスピードが伸びずに苦しむなかでも、塩津選手など若手の前できちんとフィニッシュできたことは評価できると思います。澤選手にも決して負けていなかったと思います。競り合いでやや弱いところがあるので、そこが課題ですね」

総合2位 #3小川颯太(Sutekina Racing)

決勝2位の小川颯太(SUTEKINA RACING TEAM)

「リージョナルには昨日始めて乗りました。徐々にタイムは上がっていますが、まだ慣れていない感じです。結果には納得していませんが、結果だけでなくリージョナルマシンを乗りこなすことを課題としています」

「レース中は第3セクターで離れる傾向があって、やはり走り込みが足りないと感じています。明日のレースでも経験を積み重ねていきたいと思います」

総合3位 #5塩津佑介(Sutekina Racing)

決勝3位の塩津佑介(SUTEKINA RACING TEAM)

「棚ぼたの3位なので嬉しさはあまりありません。でも、開幕戦ではレースペースが後半落ちてしまっていましたが、富士に来ての2レースはその課題はクリアできたように思います」

「新品タイヤも残していますし、明日のレースが一番良い状態で迎えることができると思いますので、チャレンジャーとして明日のレースを終えたときに成長していると思えるようにしたいです。今年はスーパー耐久メインですが、TCRやこのリージョナルなどチャンスを頂いているので、結果でお返ししたいと思います」

マスタークラス優勝 今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

マスタークラス優勝の今田信宏(B-MAX ENGINEERING)

「常々総合を争う若手と絡むようなレースがしたいと思っていました。今回は抜くところまでは至りませんでしたが、何度か並びかけるところまでいけたので良かったと思います。最後までプッシュできて満足のいくレースでした。明日は5番手スタートなので少し厳しいと思いますが頑張ります」

「コーチに佐々木大樹選手がついてくれて、シフトのタイミングやステアリングの舵角など細かいところまで指摘してもらっているので、それは大きいと思います。その積み上げがタイム短縮に繋がっていると思います」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第8戦富士決勝 三浦愛が今季8戦目にして初優勝を飾る

スタート直後のダンロップコーナー

9月25日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第8戦の決勝が静岡県・富士スピードウェイで行われ、上位のアクシデントはあったものの、三浦愛(ARTA F111/3)が今シーズン8レース目、自身FRJ10レース目で嬉しい初優勝を飾った。

マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が総合でも5位に入る走りで連勝を飾った。

マスタークラスの攻防 トップに立った澤龍之介(D\'station F111/3)だったが…… 優勝は三浦愛(ARTA F111/3) 決勝2位は小川颯太(Sutekina Racing) 決勝3位は塩津佑介(Sutekina Racing) マスタークラス優勝は今田信宏(JMS RACING with B-MAX) マスタークラス決勝2位は田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) マスタークラス決勝3位は植田正幸(Rn-sports F111/3)

秋の気配が漂うなか、この週末の2レース目、第8戦のスタートを迎えた。

速さでは群を抜いているポールポジションの#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)だが、またしてもスタートをミス。#77澤龍之介(D'stationF111/3)、#8三浦愛が(ARTA F111/3)、#28古谷のオーダーで1周目を終える。

レース前「スタートで前に出て抑えられるところまで抑える」と言っていた#77澤は、その言葉どおり、2周目に#8三浦愛をかわして2位に浮上した#28古谷と好バトルを展開する。

#77澤はストレートスピードに勝る#28古谷を必死で抑え、1コーナーでインを刺されても2コーナー以降で並走して前に出るという、非常に見応えのある勝負を4周目から7周目まで見せた。

しかし、この攻防も8周目のコカコーラコーナーで終わることになる。ユーズドタイヤでややブレーキングポイントの手前だった#28古谷に、#77澤が追突。#28古谷は押し出される形でコースアウト。6位まで順位を落としてしまった。

これで#77澤、#8三浦愛、#3小川颯太(Sutekina Racing)、#5塩津佑介(Sutekina Racing)、#4今田、大きく遅れて#28古谷のオーダーになり、9周目からは膠着状態が続いた。

その後は、最終ラップに#28古谷が#4今田をかわして5位まで順位を回復した以外、上位陣に変動はなく、レースはそのままフィニッシュを迎えた。

しかし、レース後、#28古谷に追突した#77澤に対して30秒加算の裁定が下り、#77澤は10位に後退。2位フィニッシュの#8三浦愛がFRJ初優勝を飾ることになった。

やや後味の悪い幕切れになってしまったが、優勝をした#8三浦愛は「今回は前を追うことに集中できたことが結果に繋がったと思う」と結果が残せたことにほっとした表情を見せた。

マスタークラスは、#4今田が大きなリードを築いて連勝のフィニッシュ。2位にはオープニングラップで#30DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)と接触して順位を落としていた#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)が徐々に順位を上げて入った。

第9戦の決勝は、明日午前10時35分から15周で行われる。

マスタークラスの表彰式 表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第7戦富士決勝コメント 古谷悠河「こういうレースがしたかったんです」

総合優勝 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

優勝した古谷悠河(TOM\'S YOUTH)

「本当にクルマが仕上がっていました。ただ、スタートで失敗しました。ホイールスピンが多くて。でも、焦ることなくストレートでスリップに入って1コーナーでパスすることができました」

「こういうレースがしたかったという形のレースがようやくできました。次のレースではデータを見てスタートを改善したいと思います」

総合2位 澤龍之介(D'stationF111/3)

決勝2位の澤龍之介(D\'station Racing)

「スタートでトップまで行けそうな感じもしましたが、接触してはいけないので無理はしませんでした。レース中は後方からのプレッシャーもあってきつかったですね」

「次のレースはスタートでトップに立って、抑えられるところまで抑えようと思います」

総合3位 三浦 愛(ARTA F111/3)

決勝3位の三浦愛(Team Super License)

「スタートで前に出ていけるかなと思ったんですけど、2周目のストレートで抜かれてしまいました。原因は分からないのですが、少しエンジンの伸びが悪くてきつかったです。最後もついていくのが精一杯で横に出て並べる感じではありませんでした」

「マシンは予選で少しアンダー気味だったので、決勝ではセットチェンジしましたが、それが良い方向にいったと思います。あとはエンジンの伸びが戻ればいけると思います」

マスタークラス優勝 今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

マスタークラス優勝の今田信宏(B-MAX ENGINEERING)

「見栄えが良くない勝ち方でしたね。実力で勝ちたかったですが追いつけませんでした。DRAGON選手のトラブルは後ろから見ていて分かりました。後輪が徐々におかしくなっていきました」

「前半のペースがもうちょっと良ければとは思います。田中選手と競り合ったり、植田選手を抜くのに手こずりましたから。でも、6位スタートで2位まで上がって、優勝が転がり込んで来ましたから結果的には良かったと思います」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第7戦富士決勝 古谷悠河が独走で今季2勝目を飾る

15周の決勝がスタートした

9月25日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第7戦の決勝が静岡県・富士スピードウェイで行われ、古谷悠河(TOM'S YOUTH)がスタートで出遅れたものの、すぐにトップに返り咲き、独走で今季2勝目を飾った。

マスタークラスは、好スタートから独走していたDRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)が最終ラップにトラブルで失速。今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が今季クラス初優勝を飾った。

1コーナーで三浦愛(ARTA F111/3)をパスする澤龍之介(D\'station F111/3) 田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)と今田信宏(JMS RACING with B-MAX)の争い 優勝は古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 決勝2位は澤龍之介(D\'station F111/3) 決勝3位は三浦愛(ARTA F111/3) マスタークラス優勝は今田信宏(JMS RACING with B-MAX) マスタークラス決勝2位は田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) マスタークラス決勝3位はDRAGON(B-­MAX ENGINEERING FRJ)

やや怪しげな雲が近づくなか、各チームは雨を心配し空を見上げながら、マシンをグリッドに並べる。

スタートはポールシッター#28古谷がホイールスピンをしてしまい、予選2位の#8三浦愛(ARTA F111/3)に先行を許してしまう。しかし、この週末、ドライコンディションで抜群の速さを見せる#28古谷は焦ることなく、2周目のストレートエンドで#8三浦愛に並ぶと、難なくパスしてトップ奪還に成功。

その後の#28古谷はラップタイムで0.7秒から1秒程度後続より速いペースで周回を重ね、見る見るうちにその差を開いていく。

一方2位争いは、#8三浦愛、「混乱のなかで前に出るのは得意」とスタートでジャンプアップした予選5位#77澤龍之介(D'stationF111/3)、予選4位#5塩津佑介(Sutekina Racing)の3人がスタートから約1秒の等間隔で周回を重ねる。

この2位争いに迫ったのがマスタークラストップの#30DRAGON。レース前半は4位#5塩津を追い上げる勢いだったが、8周目あたりから明らかにペースが落ちてしまう。何とリアホイールのナットが緩んでしまい、バイブレーションと格闘しながら走っていたのだ。

トップをひた走る#28古谷の勢いは後半になっても衰えるどころか、ガソリンが減り軽くなったマシンでファステストラップを連発。2位との差を8周目6.7秒、9周目7.8秒、10周目9.7秒と着実に開いていく。

終盤、熾烈になった2位争いを尻目に#28古谷はその後もペースを緩めることなく、最終的に15周レースで13.7秒という大差を築いてチェッカーを受けた。

2位争いは#77澤が「ストレートの伸びがいまひとつだった」という#8三浦の追撃を抑えきってフィニッシュ。FRJ初レースで表彰台を射止めた。

マスタークラスは、ナットの緩みと格闘しながらもトップを守っていた#30DRAGONだったが、最終ラップについにその症状が酷くなりスローダウン。漁夫の利を得た昨年のチャンピオン#4今田が今季初優勝を飾った。

第8戦の決勝は、午後3時10分から17周で行われる。

マスタークラスの表彰式 表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第7,8,9戦富士予選ポールシッターコメント 古谷悠河「予想以上に差がつきました」 三浦愛「手応えはありました」

第7戦、第9戦総合PP 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

第7戦、第8戦ポールポジション、第9戦予選2位の古谷悠河(TOM\'S YOUTH)

「予選1回目は路面が濡れていて、後半のタイムが出るときに毎ラップ他車に引っかかってしまって、ポールが取れるとは思いませんでした。予選が終わったときはこれはマズいと思っていましたが、セカンドも2位で意外に良かったという感じです」

「予選2回目は自分は練習走行のときとあまり変わらなかったのですが、他があまり良くなかったのかなと思います。自分としては想定していたタイムでしたが、こんなに差がついているとは思いませんでした」

第8戦総合PP #8三浦 愛(ARTA F111/3)

第7戦予選2位、第8戦予選3位、第9戦ポールポジションの三浦愛(Team Super License)

「1回目は凄く難しい路面でした。セクター3で舗装が変わったところがあって、そこが結構濡れていました。後半は乾いていきましたがラインを探って走る状態でした。後ろのクルマが段々離れていくのをミラーで確認して、無線でも古谷選手との差を聞いていました。自分の感覚とタイムの上がり方という点で、手応えは感じながら走れました」

「べストタイムのときもちょっとミスをしたり、もっと上手くまとめられたような気がしています。富士は走り込んでいますし、ここのところレースも続いているので、あとは気持ちの部分で負けないようにするだけです」

第7戦、第9戦マスタークラスPP 田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)

第7戦、第9戦ポールポジション、第8戦予選2位の田中優暉(イーグルスポーツ)

「路面が部分的に乾いていたりして難しいコンディションでした。もう少し行けそうな気もしていましたが、内圧も上がらなかったので無理をせずに抑えて行きました。でももう少し総合を争う若者に迫りたかったですね」

「2回目は走っている位置が悪かったですね。近づきすぎてしまってタービュランスの影響を受けてしまいました。スリップを上手く使える位置にいることができませんでした。経験不足です」

第8戦マスタークラスPP #4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

第8戦ポールポジションの今田信宏(B-MAX ENGINEERING)

「1回目はスピンをしてタイヤにフラットスポットを作ってしまい、ペースを上げようがなかったです。本当に悔しい。最低の予選でした。」

「2回目は1回目の鬱憤を晴らすつもりで行きました。あれでもミスをしていました。せっかくですから、総合でももうちょっと上に行きたかったですね。フロントローは無理でもセカンドローあたりに」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第8戦富士公式予選 古谷悠河がぶっちぎりのポールポジションを決める!

9月25日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第8戦の予選が静岡県・富士スピードウェイで行われ、古谷悠河(TOM'S YOUTH)が2番手を大きく引き離しポールポジションを決めた。

マスタークラスは、1回目(第7,9戦)の予選を失敗した#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が立て直してクラスポールを獲得した。

1回目の予選終了から40分という短いインターバルで行われた2回目の予選だが、この間に他のレースの予選も行われ路面コンディションは急速に回復。完全ドライでのアタックとなった。

ここで他を圧倒する速さを見せたのが#28古谷。「予選1回目は上手く行かなかった」という#28古谷はアタック3周目から1分37秒台を連発すると、アタック4周目に1分36秒925をマーク。早々にライバルたちにダメージを与える好タイムを叩き出した。

熾烈だったのが2番手争い。#8三浦愛(ARTA F111/3)、#77澤龍之介(D'stationF111/3)にマスタークラスの#4今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が割って入るという展開を見せた。

「フロントローは無理としてもセカンドローは狙っていた」という#4今田は、最後まで総合の争いに加わったものの、最後は#3小川颯太(Sutekina Racing)に逆転を許し、総合5番手で予選を終えた。もちろんマスタークラスではトップタイムだ。

総合の2番手争いに決着がついたのはアタック最終周。#77澤が#8三浦愛を逆転してフロントローを獲得。それでも#77澤は「タイムには納得していない。コーナーの積み上げがこのタイム差だと思う」と0.928秒という大きな差にショックを隠せない様子だった。

第8戦の決勝は、本日午後15時10分から15周で行われる。

ポールポジションの古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 予選2位の澤龍之介(D\'station F111/3) 予選3位の三浦愛(ARTA F111/3) 予選4位の小川颯太(Sutekina Racing) 予選5位でマスタークラスポールポジションの今田信宏(JMS RACING with B-MAX) 予選6位の塩津佑介(Sutekina Racing) 予選7位でマスタークラス予選2位の田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) 予選8位でマスタークラス予選3位のDRAGON(B-­MAX ENGINEERING FRJ)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第7,9戦富士公式予選 古谷悠河、三浦愛がポールポジションを獲得!

9月25日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第7戦および第9戦の予選が静岡県・富士スピードウェイで行われ、古谷悠河(TOM'S YOUTH)が第7戦の、三浦愛(Super License)が第9戦のポールポジションを獲得した。

マスタークラスは、#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)が第7,9戦のダブルクラスポールを獲得した。

今大会はシリーズで最も多い16台がエントリー。D'Stationレーシングのオーディションを勝ち抜いた#77澤龍之介(D'stationF111/3)、そのオーディションで澤と争った#5塩津佑介(Sutekina Racing)、そして#3小川颯太(Sutekina Racing)とFIA-F4で実績のある3人が参戦。これを迎え撃つレギュラードライバーの#28古谷、#8三浦愛とのポールポジション争いが注目された。

季節はすっかり秋めいてきた。未明に雨が降ったため、コースはやや濡れたところも見られるという難しいコンディションでのアタックとなった。この予選1回目のベストタイムが午後に行われる第7戦の、セカンドタイムが明日行われる第9戦のグリッドとなる。

コースに濡れている部分もあったため、各ドライバーはコンディションの確認とタイヤを温めるために2周を費やし、3周目からアタックに入る。

ここでリードしたのはレギュラー組の#28古谷。路面コンディションの回復につれてベストタイムを更新し続け、タイムチャートのトップに名を連ね続けた。

これに食い下がったのが開幕戦でポールシッターとなった#5塩津、初参戦の#3小川、そして初のポールを狙う#8三浦愛。3人は常に#28古谷に迫るタイムをマークして逆転ポールを狙う。

このなかから予選終了直前、路面の回復とともに一気に台頭してきたのが#8三浦愛。その時点でトップに立っていた#5塩津(1分40秒592)、#28古谷(1分40秒719)の2人を上回る1分40秒531を叩き出し、トップに躍り出る。

しかし、最後のラップに#28古谷が意地を見せて1分40秒048をマーク。再逆転で第7戦のポールポジションを決めた。2番手は#8三浦愛、3番手は#3小川と続いた。

セカンドタイムで決まる第9戦のグリッドは、#8三浦愛が嬉しい初ポール。#28古谷、#3小川と続き、トップ3は第7戦と同じ顔ぶれとなった。

総合と同様に熾烈なアタック合戦を見せたマスタークラスは、#7畑享志(F111/3)、#11植田正幸(Rn-sportsF111/3)、#30DRAGON(B-MAX ENGINEERING FRJ)、#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)の4人が順位を入れ替えながらアタックを続けたが、「単独走行で自分のペースで走れた」という#39田中が安定した速さを見せ、第7,9戦のクラスポールを獲得した。

第7戦の決勝は、本日午後12時05分から15周で行われる。

第7戦ポールポジション、第9戦予選2位の古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 第7戦予選2位、第9戦ポールポジションの三浦愛(ARTA F111/3) 第7戦、第9戦とも予選3位の小川颯太(Sutekina Racing) 第7戦、第9戦とも予選4位の塩津佑介(Sutekina Racing) 第7戦、第9戦とも予選5位の澤龍之介(D\'station F111/3) 第7戦、第9戦ともマスタークラスポールポジションの田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) 第7戦マスタークラス予選2位、第9戦同クラス4位の植田正幸(Rn-sports F111/3) 第7戦マスタークラス予選3位、第9戦同クラス予選2位のDRAGON(B-­MAX ENGINEERING FRJ)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

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FRJのこれからを考える(5)エピローグ

FRJのこれからを考える

予想はしていたが、国井氏、組田氏はFRJの現状についてかなり悲観的な認識を持っていた。その根底には、シリーズ立ち上げ時の構想が崩れ、一向にコンセプトの定まらないことへの不信感があるように感じた。

今シーズンから運営を引き継ぎ、シリーズを軌道に乗せなければならない小林事務局長の重責はいかばかりかと察するが、同時にその手腕には大きな期待を寄せたいと思う。

それは、FRJがこの先、日本のレースカテゴリーとして定着するか否かは、日本のレース界の行方を占う上で非常に重要だと感じているからである。

#45大草りき(PONOS Racing)

1996年にスタートしたフォーミュラ・ニッポン以来、日本のトップフォーミュラは長年独自路線を歩んできた。FIAのフォーミュラ再編のなかでSFLもこれを追随することになったが、日本のフォーミュラレースがFIAの構築したヒエラルキーから完全に外れるのか、または留まるのか、今はその分岐点に立っているように思う。

国井氏が指摘したように、アジア圏のレースをリードしている日本のレースは、このままでは徐々に取り残されていく不安を感じる。日本の人口が減少に転じた今、国内だけで未来永劫レースイベントや産業が成り立つとは思えない。

そういう視点では、FIA規格のFRJはアジアと交流できるカテゴリーとして、FIA-F3へのステップアップカテゴリーとして、またアジアのドライバーがSFを目指すときのカテゴリーとして残しておくべきと思う。

一方で、現実を顧みたときに、組田氏の提案は至極真っ当な路線と思える。近年のジェントルマンドライバーの台頭は眼を見張るものがあり、参戦するカテゴリーもスーパーGT、スーパー耐久、SFL、FIA-F4など多岐にわたる。それらのカテゴリーは経済的に恵まれたジェントルマンに支えられている面があることは誰もが認めるところだろう。

#34三浦 勝(CMS F111)#23YUGO(S2R Racing)

そこで、折衷案のようになるが、FRJをこういう形態にしてはどうだろう。

ジェントルマンと若手ドライバーが組んでFRJを走らせるのである。いわば、オーナードライバーが若手を乗せるスーパーGT300クラスのフォーミュラ版のような形である。

ツーリングカーのように1レースを交互に乗るわけにはいかないが、レースウィークの土曜日はジェントルマン、日曜日は若手というように、2人で同じマシンを使用するのだ。

活動資金は主にジェントルマンが負担し、ジェントルマンは自ら走るだけでなく若手のスポンサーとしての顔も持つ。若手は資金のサポートを受ける代わりにコーチとしてドライビングをサポートするのである。

現状でSFLのシートを得られるドライバーは、FIA-F4でメーカー系チームに在籍していた者にほぼ限られる。シートを得られなかったドライバーの、SFLへのステップアップカテゴリーとして、また海外志向のドライバーの受け皿として、参戦する若手が増えることでFRJの存在価値は上がるように思う。

若手のレースはFIA規格のレースとして出場資格などもルールに則り運営し、スーパーライセンスポイントも与えられる。独自にチームポイントがあっても面白いかもしれない。

#34三浦 勝(CMS F111)

今回インタビューをするなかで思いついた案だが、FIAの冠は外さずに若手のステップアップカテゴリーとして継続し、同時にジェントルマンが楽しめるレースとしてステータスも確保するのである。もちろんホスピタリティの充実は必須だ。

今回、関係者の話を聞いて筆者が抱いていた危惧は的外れではないことが分かった。いや、想像以上に事態は深刻だった。船出したばかりのFRJだがその改善に与えられた時間は少ない。鉄は熱いうちに打て、である。

この「FRJのこれからを考える」が、多くの関係者やファンがFRJの現状を知り、シリーズのこれからを考えるきっかけになればと思う。そして、早期に関係者による情報共有、話し合いの場が持たれることを切に願っている。

「FRJのこれからを考える」(了)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

(1)プロローグ(2)FRJ事務局 小林氏(3)SuperLicence 国井氏(4)B-MAX 組田氏(5)エピローグ

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FRJのこれからを考える(4)B-MAX 組田代表に聞く

FRJのこれからを考える

B-MAXレーシングチーム&エンジニアリング代表 組田龍司氏インタビュー

今や日本のレースシーンに欠かせない存在となったB-MAX。日本のトップレースであるスーパーフォーミュラ(SF)、スーパーGTから、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)、FIA-F4などのミドルフォーミュラまで、そのロゴを見ないレースはないほどだ。

それらの活動を統括し、チームやメンテナンスガレージのオーナー、そしてレーシングドライバーなど多彩な顔を持つのが代表の組田氏だ。現在の国内レース事情を最も広く知り、あらゆる立場から見ることができる人物と言って過言ではないだろう。

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権(FRJ)にも初年度からチームとして、また自身もドライバーとして参戦している組田氏の目に今のFRJはどのように映っているのだろうか。率直な意見を聞いた。

B-MAXレーシングチーム&エンジニアリング代表 組田龍司氏

FRJは中途半端な位置にいる

「シリーズが始まって2年目を迎えましたが、立ち位置としては中途半端なところにいて、今後の発展を考えると非常に難しいと言わざるを得ません」

「FIAのスーパーライセンスポイントを獲得できるという点は、FIA-F3を経てF1を目指すドライバーにとっては魅力だと思います。この点があるので、2年前はSFLとFRJが両方あった方がいいと思っていました。しかし、ホンダがF1からの撤退を表明しF1が遠い存在になりつつあるなかで、そこに価値を見出す人がどれ程いるのかということです」

「国内でのステップアップを考えると、メーカー系チームの参戦しているFIA-F4で成績を残して、SFLに上がるという既定路線ができています。となると(上を目指すドライバーにとって)FRJは必要のないカテゴリーとなってしまいます。今はFIAの冠がつくレースはF4だけでいいんじゃないかという気がしています」

「FRJからSFやSGTのダウンフォースカーに乗れるかというとパフォーマンスに差がありすぎるので正直難しいと思います。現状ではSFLは通過しないと日本でプロドライバーにはなれないと感じています」

「2024年からマシンがリニューアルされるFIA-F4は、ヘイローが付いてオープンデフからLSD付に変わり、車重が重くなってパワーアップすると聞いています。そうなったら、ますますFRJの存在価値がなくなってしまいます」

#96TAKUMI(B-MAX ENGINEERING FRJ)

コストパフォーマンスも良くない

「コスト面もネックになっているように思います。エントリーフィーひとつ取ってみても、FRJは高い割に(年間約250万円)レースウィークの走行時間が少ない。SFLも同額程度ですが走行枠が多いです」

「車両にかかるコストは、パフォーマンスやレース内容を考えると妥当だと感じていますが、上を目指す若いドライバーがこのシリーズに参戦して何を得られるのかと考えると、コストをかけて参戦する価値があるかは疑問です。もしFRJがFIA-F4のコストでできるなら、クルマもいいしFIA-F4より速いですからこっちをやるとは思いますが」

「コスト面はFIAの冠を背負っていることで上がっている面が多分にあると思います。FIAフォーミュラ・リージョナルとしている限りコスト面の改善は難しいんじゃないかと感じています」

重要なのはコンセプトを明確にすること

「FRJはそもそも船出の段階から躓いてしまったように思います。僕はSFLもFRJにも関わっていたので経緯はすべて知っていますが、SFLはコンセプトがブレていない。FIAのフォーミュラ再編から外れていくなかでも、ハイダウンフォース、軽量、そこそこのエンジンパワー、ハイグリップタイヤ……これを崩していません」

「もちろん全日本F3選手権からの歴史的な背景もありますが、FIA-F3が車体が重くどんくさいクルマになっていくなかでも、SFとの繋がりを重視してコンセプトを変えなかったことが良かったと思います。またシリーズを盛り上げるために本山哲選手や山本左近選手を参戦させたり、冠スポンサーを付けたり、総力戦でなんとかしようとする努力が見えます」

「片やFRJは、当初、童夢が抱いていた構想から大きく変わってしまいました。最初はアジアF3を見習ってホスピタリティも充実させるような話でしたが、経営者が変わり、主催者が変わる過程でコンセプトがブレブレになってしまいました。クルマのデリバリーも遅れ、タイヤのコンセプトも変わり、一貫性のなさを今も引きずっていて、それが参加者の不信感に繋がっています」

#27SYUJI(B-MAX ENGINEERING FRJ)

ジェントルマンレースへの転換を検討すべき

「世界のレースシーンを見ても完全なプロレースは、F1、インディ、DTM、スーパーGT(500クラス)など数えるほどしかありません。アマチュアが混走したり、ジェントルマンが支えていること自体は良い方向だとと思います」

「SFLもマスタークラスがありますが、その構成比率はFRJとは逆になっています。若手の多いSFLはステップアップカテゴリーとしての役割を果たしていると言えます。この現状から考えて、SFLはプロを目指す場として、FRJはジェントルマンのレースとして棲み分け、ジェントルマンやアマチュアが満足するレースフォーマットに切り替えていく方がいいように思います」

「私見ですが、FRJはジェントルマン、アマチュア志向のレースにしないと先はないと思っています。極論になりますが、FIAの冠は取り払って日本独自のカテゴリーとして運営すべきという気がしています。そうすればフォーマットも自由に決めることができ不要なコストもカットできます」

「FIA-F4のインディペンデント(マスター)クラスに10数台出ていますが、あのドライバーたちがFRJに移行して盛り上がれば、タニマチ的に若いドライバーにチャンスを与え、コーチとして雇ってSFLの参戦をサポートしたりするケースも出てくると思います」

#11植田正幸(Rn-sportsF111/3)

お手本はポルシェカレラカップ

「FRJのジェントルマンレース化はポルシェカレラカップジャパン(PCCJ)と同じ構図です。PCCJは2001年から始まりましたが、ヨーロッパのポルシェカップと比べたらオジサンレース、アマチュアレースです。でも、あれはあれで割り切って成功していると思います。PCCJのフォーミュラ版として見習えばいいと思います」

「今はFRJはまるっきり草レースの雰囲気ですが、ジェントルマンメインのレースとして、PCCJのようにホスピタリティを充実して盛り上げる演出をすることでシリーズを追うドライバーは増えると思います」

「今FIA-F4に出ているジェントルマンは同じ顔ぶれで勝った負けたと言って盛り上がっています。あのコンペティティブさに演出が加わればシリーズの雰囲気も随分変わると思います」

「ただそのためにはFIAの冠を背負ったままでは難しいような気がします。今もFIAの縛りがあって運営側の努力ではどうしようもできない部分があると聞いています」

(5)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Shigeru KITAMICHI

(1)プロローグ(2)FRJ事務局 小林氏(3)SuperLicence 国井氏(4)B-MAX 組田氏(5)エピローグ

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FRJのこれからを考える(3)SuperLicence 国井代表に聞く

FRJのこれからを考える

スーパーライセンス代表 国井正巳氏インタビュー

スーパーライセンスは、早くからアジアのレースに目を向け、ドライバー育成を目的に2011年からフォーミュラ・マスターズ・チャイナに参戦を開始。2018年からは新たにスタートしたアジアF3(リージョナル規格)に戦いの場を移して活動してきた(現在は新型コロナの影響で活動休止中)。

その陣頭指揮をとってきた国井氏は、国内ではARTAのレース活動、特にドライバーの育成プログラムに長く携わってきた。

昨年スタートしたフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権(FRJ)にチームとして参戦したのも、このカテゴリーが掲げる若手育成という部分に魅力を感じてのようだ。

しかし、現在のFRJに対する国井氏の評価はかなり厳しい。それでも歯に衣着せぬ言葉の裏にはこのシリーズをより良いものにしなければという思いが垣間見えた。

Super Licence 代表 国井正巳氏

日本のレース全体を統括するところがない

「まず言いたいのは、日本のレース界のあり方に問題があると感じています。全体的に統括するところがない。本来はJAF(日本自動車連盟)がその役割を果たすべきかもしれませんがJAFにその力はない。トップにはスーパーGTを統括するGTアソシエイション(GTA)とスーパーフォーミュラを統括する日本レースプロモーション(JRP)がありますが双方の考え方は違います。そこが大きな問題と捉えています」

「国内フォーミュラに限ってもヒエラルキーがはっきりしていません。原因の一つは、みんなが自分の都合、ビジネス面だけ考えてレースカテゴリーを立ち上げてしまうことだと思っています。そこにはユーザーの視点が欠けています」

「その結果、FIA-F4の上に、FRJとスーパー・フォーミュラ・ライツ(SFL)が存在し、この2つはライバル関係のようになってしまっています」

国内レースの方向性を示すことが重要

「世界基準でいくのか日本独自でいくのか、それを決めて指針を示さないとダメだと思います。日本全体のレースをどうするかという指針です。ただ現状ではそれを示す人がいません。JAFでは無理ですから、GTAとJRPが一緒になって日本のレースを考えてほしいと思います。リーダーとなって日本のレースを引っ張っていける人が必要です」

「若手の育成に関しては自動車メーカーがドライバーを抱えるようになってから歪(いびつ)になったように感じています。若いドライバーもメーカーの担当者の顔色を窺うようになっていて、結果を出すというよりも、気に入られたいという考えが優先してしまっているように感じます」

「日本でプロドライバーになるにはメーカーと契約することが必須のように思われていますが、それはメーカーお抱えのドライバーであって本当のプロではないと思っています」

#8三浦 愛(ARTA F111/3)

SFLとFRJはどちらかあればいい

「参加者として言うと、僕はアジアF3でリージョナルマシンを走らせていて興味があったからFRJに参戦しましたが、次のステップをどうするかというと非常に難しい。このFRJの曖昧さが台数が集まらない要因だと思います。ステップアップするならFIA-F4からSFLを目指せばいい、となると、FRJは必要のないカテゴリーとなってしまいます。ただSFLも台数は伸び悩んでいるという現状があります」

「SF行くのにSFLを経ないとダメだと言う人がいますが、それは違うと思っています。FRJは今は台数が少ないですが、多くなればレベルも上がりますし、ここからSFにも上がれるはずです。海外ならこのレースからF1に行くドライバーもいます」

「流れさえ作れば若いドライバーは育っていきます。今はそういう場がSFLだからそこを経なければと言われているだけです。SFLとFRJはどちらかでいい。そう思っています」

FRJは立ち上げで躓いた

「FRJを始めるとき、うちはアジアでリージョナルをやっていたから協力しましたが、僕は童夢製マシンでやるのは今はタイミングが悪い、日本でやるならアジア、ヨーロッパでも使われているタトゥースでやった方がいいと主張しました」

「それは、当時アジアのオーガナイザーが、日本、アジア、ヨーロッパでタトゥースを使うならリージョナルの統一戦をマカオでやろうと言っていて、マカオ政府からも良い感触を得ていた、ということもあります」

「まずはタトゥースで始めて、次の世代のときに日本とアジアのシリーズで童夢製のマシンを使えば良いと考えていました。でも童夢は自分のところでクルマを造ろうとしていてそこは譲りませんでした。コンストラクターとしては理解できますが、自分たちの事情を優先して、シリーズを盛り上げるため、ユーザーのためにはどうすれば良いか、という視点が十分ではなかったように思います」

#7畑 享志(F111/3)

アジアに目を向けないと取り残される

「今は経済情勢が良くないので、皆が目先のことばかり考えてパイを奪い合っていますが、もっとユーザー目線で世の中全体の動きなどを考えないといけないと感じています」

「FRJを始めるときにアジアF3に参戦しているヨーロッパの関係者に声をかけましたが、日本ではやりたくない、日本でやっても何もいいことはないと言われました。金もかかるし商売にもならない、言葉の問題もある、と」

「日本はアジアのレースを下に見る傾向があります。自分たちはレベルの高いことをやっていると思い込んでいますが、向こうからは相手にされていません。アジアのシリーズと同じ目線にならないといけないと思います」

「GTAの坂東代表とスーパーGTのアジア開催を一緒にやったときにもそんな話をしました。坂東代表は理解していると思います。だから、スーパーGTはアジアとの交流を図っていますし、FIA-F4も成功しているのだと思います」

「SFも日本だけでやるんじゃなく、アジアに目を向けていかないといずれマーケットとしても成り立たなくなると思います」

#8三浦 愛(ARTA F111/3)

FRJはこのままではなくなる、アジアとの交流を

「FRJはマシンは皆良いと言っていますが、レース自体の魅力がありません。今のままではFRJは終わると思います。来年はマスタークラスだけになって、さらに翌年は5~6台になって……そんな感じがします」

「やはりアジアF3とFRJは連携をとって行くべきだと思います。ただ、タトゥースと童夢のマシンが一緒に走るのは難しいと思いますので、アジアではタトゥースを使って、日本では童夢を使って交流戦をやる方法を模索するしかないかもしれません」

「アジアF3は25台位いて盛り上がっていますから、今は向こうは日本との交流戦はやりたくないかもしれないですけどね」

「レーススケジュールも今年は外的な要因はありましたが変則すぎます。ドライバーのことを考えて5~10月でコンスタントに組んでほしい。10月にはシリーズが終わってくれないと翌年のスポンサー交渉もできません」

「若手育成を目的にするなら、テストにはリミットをかけて、その代わりレース前にテストをしっかり組むという方向にすべきと思います」

(4)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Shigeru KITAMICHI

(1)プロローグ(2)FRJ事務局 小林氏(3)SuperLicence 国井氏(4)B-MAX 組田氏(5)エピローグ

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FRJのこれからを考える(2)FRJ事務局長・小林泰司氏に聞く

FRJのこれからを考える

FRJ事務局長 小林泰司氏インタビュー

1980年代後半からオーガナイザーとしてレース運営に携わってきた小林氏は、過去スーパー耐久や全日本F3に携わり、現在もTCRジャパンなどに関わる。今シーズンからフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権(FRJ)の運営を担うことになった。シリーズの明暗を分けるキーパーソンとして、エントラントからの期待も大きい。

事務局長という立場上、慎重に言葉を選んでのインタビューとなったが、柔和な人柄を窺わせる丁寧な受け答えからは、FRJを何とか軌道に乗せたい、発展させたという強い思いが伝わってきた。

FRJ事務局長 小林泰司氏

シリーズの運営主体が変更になった経緯

「立ち上げ当初、関係者で望ましいオーガナイズの形を検討し、スーパー耐久シリーズ(S耐)に組む形でスタートしました。ところが、S耐は台数も多くピットの使用ができないため、パドックにテントを張って運用するようになりました」

「しかし、テントではセッティングもままならず、S耐のサポートとしての継続は難しいとの声がエントラントからも出てきました。そこでエントラントの環境を優先して運営形態を変えることにして、運営主体をS耐をオーガナイズするSTO(スーパー耐久機構)から、F3などの運営経験のある私の会社(ニューパシフィックスポーツマーケティング株式会社/NPSM)が引き継ぎました」

スケジュールは参加者の環境優先で

「チームによって事情は違いますが、ビッグレースに参戦しているところが多いので、バッティングしないようにカレンダーを組んでいます。参加者からも今の形が良いという声をいただいています」

「今年は残念ながら中止になりましたが、富士大会は世界耐久選手権(WEC)のサポートレースとして組んでいました。年1大会はそういう形にして、あとはスポンサーアピールというより、参加者の環境を優先させてローカルレースに組み込んでいます」

#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)

若手は徐々に増えると期待

「このカテゴリーに限らず、コロナ禍のなかドライバーは一生懸命スポンサー活動をしていますが、先行き不透明ななかで企業の業績とスポンサードは連動していないのが現状だと思います」

「FRJの現状を見ると、今は楽しみながら経験を積んでいるジェントルマンの比率が高いですが、次の富士大会あたりから少し求めている形に近づいていくと思います。D'Stationチームが公開オーディションという形で若手育成のプログラムを始めましたが、ああいう動きが少しずつ広がっていくと期待しています」

「また、8月13日にJAFの公示があり、来年から限定Aライセンスで一定条件をクリアすれば参戦できるようになります。制度としても若手にチャンスは広がりつつあると感じています」

(参考)【2022年日本レース選手権規定改正】

FRJの位置づけ、SFLとの棲み分け

(スーパーフォミュラ・ライツ(SFL)が存在する現状でFRJの位置づけが曖昧という意見がある)

「マシンスペックを考えると、国内ではFRJ→SFL→スーパー・フォーミュラ(SF)というステップアップが一番オーソドックスな形だと思います。ただ、スーパーGTをゴールと考えるドライバーにとっては少し違うかもしれません」

「我々としては、FIAが再構築したヒエラルキー(階層)のなかで、FRJから海外に出てF1を目指すようになればと思っていますが、もちろん国内でSFを目指すドライバーがいてもいいと思っています」

「FIAの定めたピラミッドでは、パワーウエイトレシオやコストキャップが決まっていますので、今はFIA-F3(日本ではSFL)の下位カテゴリーとしてやっていくしかないと思っています」

FRJアルファロメオエンジン

国産エンジンの採用、カーボンニュートラルへの対応

「手を挙げれば誰でも買えるという条件のなかで、国産エンジンはコストが合うかという問題があります。アルファロメオエンジンはメンテナンス性も良く、ライフも長い、大きなトラブルもない。FRJに向いているパワーユニットだと思っています」

「国産エンジンを使うと、メーカー系ドライバーといわれる選手の参戦が難しくなる可能性があります。今後どうなるかはわかりませんが、今はそういう足かせのないアルファロメオエンジンがやり易いように感じています」

「カーボンニュートラルは視野に入れなければいけないと思っています。サスティナビリティ(持続可能性)という面からも、どうやって未来の技術を取り入れていくかは継続を左右しますし、それらを考慮したパワーユニットの可能性は常々考えています。ただ、導入のタイミングは難しいと感じています」

エントリー増加策、今後の見通し

「台数は次の富士が今年のピークになると思います。16台程度が参戦する予定です。来年はそこからスタートして20台程度までいきたいと思っています」

「ジェントルマンがこのレベルのフォーミュラに多く参戦しているのは日本だけだと思います。海外では大体監督やコーチに収まっています。その現状を考えると、ジェントルマンの楽しみは残しつつ、若手はここから巣立っていけるように、シリーズを発展させていきたいと考えています」

「D'Stationのオーディションには140名を超える応募があり、大きな反響がありました。今後は若手の参戦を促すため、ああいう取り組みに事務局としても関わっていけたらと思います」

「私は今年1年目ですが、徐々に分かってきたところもありますので、来年から色々仕掛けたいと思っています。若手とジェントルマンの比率は半々を目指して、組み込んでいくレースも少し大きなものにして環境を整えていきたいと思います」

(3)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Shigeru KITAMICHI

(1)プロローグ(2)FRJ事務局 小林氏(3)SuperLicence 国井氏(4)B-MAX 組田氏(5)エピローグ

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FRJのこれからを考える(1)プロローグ

FRJのこれからを考える

FIA(国際自動車連盟)によるフォーミュラレース再編のなかで、昨年から新たに始まったフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権(FRJ)。地方選手権として、童夢F111/3+アルファロメオエンジン+ダンロップタイヤというパッケージのマシンで、5サーキットを転戦するシリーズだ。

シーズン初年度となる昨年は、6大会14レースを戦い阪口晴南選手が初代チャンピオンに輝いた。しかし、シリーズ全戦を追うドライバー、特に若手の参加が少なく、やや盛り上がりに欠けた感は否めなかった。

そして、2年目を迎えた今シーズンも残念ながらその傾向は変わっていない。

#39田中優暉(ASCLAYIndサクセスES)

9月4~5日に開催されたツインリンクもてぎ大会もエントリーは10台。そのうち総合を争う若手は3台のみ。若手育成を主な目的とする同シリーズとしては先行きが不安視される状態だ。

新開発の専用マシン、世界標準の規定価格によるコスト低減、F1に乗るためのスーパーライセンスポイントの付与など、多くのセールスポイントがあるのに盛り上がりに欠けるのはなぜだろうか。シリーズのスタートが新型コロナ感染の拡大と重なるという不運はあったものの、理由はそれだけではなさそうだ。

同シリーズのキーパーソン3人が語る現状や展望から、FRJのこれからを考えてみたい。

FRJのキーパーソン

ツインリンクもてぎで話を伺ったのは、今年からシリーズを運営することになったFRJ事務局長 小林泰司氏(画像左)、エントラントとして、アジアのレースにも精通するチーム・スーパーライセンス代表 国井正巳氏(画像中央)、今や日本のレースシーンには欠かせない存在となったB-MAXレーシングチーム&エンジニアリング代表 組田龍司氏(画像右)の3人だ。

エントラントの2人からはかなり辛口な意見もあったが、どれもFRJ発展のためには貴重なものであった。

(2)に続く
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Shigeru KITAMICHI

(1)プロローグ(2)FRJ事務局 小林氏(3)SuperLicence 国井氏(4)B-MAX 組田氏(5)エピローグ

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FRJ:三浦愛インタビュー「充実の日々のなかで新たな目標へ」

三浦愛

昨年9月、フォーミュラ・リージョナル選手権にスポット参戦を果たした三浦愛はかなり追い詰められていた。

全日本F3選手権(当時)のシートを失い、参戦していたのはKYOJO CUPのみ。話を聞くなかで「引退」の2文字が何度が口をついて出た。

当時のインタビュー記事のタイトルは「『岐路に立つ』三浦愛」。それほど思い悩んでいる気持ちが伝わってきた。

あれからちょうど1年。三浦愛を取り巻く環境は当時と比較すると大きく変化した。もちろん良い方に、である。フォーミュラ・リージョナル、スーパー耐久、TCRジャパンなどへの参戦、そしてスーパーフォーミュラやTCRJではレポーターや解説も務め、毎週サーキットを飛び回っている。

フォーミュラ・リージョナル第4~6戦の行われたツインリンクもてぎでこの1年の変化、そしてこれからのことを聞いた。

三浦愛(ARTA F111/3)

1年を振り返って

去年ここでリージョナルに出たときは、メインスポンサーを失ったことで活動資金の問題に直面していました。ずっとフォーミュラに乗れていませんでしたし、その時点ではKYOJO CUPしか出られるものがありませんでした。そんなとき、国井さん(Super Licenseチーム国井正巳代表)に出会って参戦のチャンスをいただきました。

それが今年のリージョナル参戦に繋がっています。スーパー耐久に関してもチームが今年乗るドライバーを探しているタイミングと運が重なって参戦が実現しましたが、少なからず私のやっていることを見てくれている人がいたということを改めて感じました。

最初はただただ運が良かったと思っていましたが、でもこの運やタイミングが凄く重要で、そこから他のカテゴリーへの参戦が実現しましたし、少しずつ結果もついてきています。そういう積み重ねが今に繋がっていて、自分でも成長していることを実感しています。

レポーターの仕事で得たもの

気持ちとしてはドライバーに集中したいというのはありますが、でもレポーターの仕事がプラスになっているのは間違いないと思います。レポーターは正直言うとやりたかったわけではないのですが(笑)、スーパーフォーミュラだからお引き受けしたという部分はあって、今まで知らなかった世界を見ることで自分の糧になると思いました。

実際にトップドライバーの話を直に聞くとためになることばかりでした。レースへの取り組み方などは、今まで自分なりには頑張っていたつもりでしたが、やっぱり足りていなかったというのを痛感しました。そこから感じたことを自分なりに実践することで、チーム内での自分の立ち位置が少しずつ変化して、より良い環境になったという気がしています。

三浦愛(ARTA F111/3)

レースへの取り組み、気持ちの変化

具体的には、普段のトレーニングであったり、精神的な部分、モチベーションの上げ方だったりです。このあたりは1年前とは全然違っていると思います。

今まではずっとレースのことを考えてがむしゃらにやっていましたが、一人ひとり違っているはずですし、自分に合ったやり方があるはずだと気付いて、オンとオフの切り替えを意識しています。ずっとオンのままでは持ちませんよね(笑)。

あとは色々な人の話を聞くようにしています。F3に参戦しているときは社員として会社の中にいて、チームも一つで同じ環境で人との繋がりがそんなに広くありませんでした。

でも、国井さんを通じて色々な方と知り合うことができて考え方も柔軟になったように思います。スーパー耐久で組んでいる平中(克幸)選手や国本(雄資)選手などトップカテゴリー経験のあるドライバーと話す機会も増えましたし、ドライバー以外の方からも貴重な意見を頂くことで、さまざまな視点から物を見ることができるようになったと思います。

もちろんドライバーとしての目標は勝つことで、そこに変わりはありませんが、そこに至るまでのプロセスやアプローチの仕方は何通りもあって、行き詰まったときにどう立て直すかということとか、自分なりに回避したりすることも上手くできるようになってきたと思います。

三浦愛

次世代の女性ドライバーに繋げることを目標に

今シーズンのレースに集中できる環境は周りの方のおかげで整っていると思います。毎週サーキットに行くので余計な事を考える時間がなく、自分が速くなること、成長することを考えるので精一杯というのが正直なところです。

ただ、もう歳なので(笑)若いときのように「F1に行きたい」とは言えません。今の目標は、プロとして、女性として、次の世代の女性ドライバーに残せるようなポジションづくりをしたいと思っていいます。少しずつですが、そういう環境ができつつあるように感じています。もちろんまだまだ頑張らなくちゃいけませんが。

この目標が今の自分のレース活動の根っこの部分です。それは最終的に自分が頑張った結果として付いてくるものだと思っています。今は自分自身が勝つこと、結果を出すことが最優先ですが、その結果でレース界のなかで次世代の女性たちに道を開くことができたらと思っています。

海外にも目を向けていきたい

これまでずっと国内でやってきたので海外で揉まれた方がいいんじゃないかということも国井さんからは言われていて、Wシリーズなどについても話をしています。自分としても世界を見てみたいという気持ちもあるので、コロナが落ち着いたら、そういう可能性も探ってみたいとは思ってます。それは先ほど言った次の世代に繋げるという点からも大事なことだと思います。

あと、今までは会社員として仕事をしながらレースをしていましたが、今はレースが仕事となっていますので、自分が走るだけではなくモータースポーツを知ってもらう活動ができたらと思っています。レポーターをするのもその一環ですし、子どもたちにカートを体験してもらうことなどもできたらと思います。

三浦愛

昨年のインタビュー時点では2021シーズンの予定も白紙だった三浦だが、レース界はこの魅力あるドライバーを放っておくことはなかった。国井代表をはじめさまざまな人が手を差し伸べ、三浦もそれに応えた。それはひとえに三浦のレースに対するひた向きな努力の成せる業だろう。国井代表も三浦のレースに対する姿勢は高く評価している。

ドライバーとしての可能性、伸びしろも気になるところだ。この週末は順位こそ3レースすべてで3位に終わったが、実はこんなことがあった。

2レース目にコースサイドでチーム監督兼ドライビングコーチの松浦孝亮氏が、コース前半の三浦の走りをチェックし無線で指示を飛ばした。するとそれまでより明らかにペースが上がり終盤はトップ2車との差を詰め始めたのだ。松浦氏も「できるならもっと早くやれって話ですけどね」と笑っていたが、アドバイス1つでタイムを上げられる余力があるということはやや驚きだった。

様々なカテゴリーを経験することでドライバーとしても幅が出てきた三浦。全日本F3に参戦していたときはやや背伸びをしているように見えたものだが、その頃より、今の方がレーシングドライバーとして良い環境で充実した日々を送っているようだ。やや回り道をしたが仕切り直して改めてレースを学んでいる。そんなところだろうか。

今シーズン、残るフォーミュラ・リージョナルレースでの戦いぶり、そして来シーズンはどんな舞台へ飛び出すのか、身内の気持ちで見守り、応援したくなるような魅力を持った三浦愛の動向に注目したい。

Text:Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第6戦もてぎ優勝コメント 大草りき「普通のスタートが切れて良かったです」 三浦勝「思いどおりの展開でした」

総合優勝 大草りき(PONOS Racing)

第6戦優勝 大草りき

「決して良くはありませんでしたが普通のスタートが切れました。それが今回の目標でした(笑)。普通のスタートさえ切れれば勝てるというところを見せることができて良かったです」

「楽なレースではありませんでしたが、ワンメイクということもあって、あのような展開になるのは仕方ないように思います。自分のメンタルトレーニングにはなったとプラスに考えています」

「次の富士は出ませんが、たぶん菅生のレースは走れると思いますので頑張ります」

マスタークラス優勝 三浦勝(CMS motor sports project)

マスタークラス優勝 三浦勝

「クラスポール・トゥ・ウィンを狙っていたので思いどおりの展開になって良かったです。前は(クラスも違うので)全然気にせず、2位との差を見ながら走りました。もてぎはブレーキに厳しいコースなので終盤はそこをいたわりつつという感じでした」

「今年はフル参戦しますので、次の富士も勝てるように頑張ります」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Asako SHIMA

FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP

FRJ:第6戦もてぎ決勝 大草りきが逃げ切って2勝目! マスタークラス三浦勝も連勝!

決勝レースがスタートした

9月5日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第6戦の決勝が栃木県・ツインリンクもてぎで行われ、大草りき(PONOS Racing)が#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)の追撃をかわしポール・トゥ・フィニッシュを飾った。

マスタークラスも三浦勝(CMS motor sports project)がポールから逃げ切って2連勝を飾った。

曇り空のもと夕闇が迫りつつある雰囲気のなかスタートを迎えた。コンディションはドライ。レースウィーク2日目は雨に振られることなくレースを終えることができそうだ。

第5戦でエンジンを壊してしまった#39田中優暉(イーグルスポーツ)のチームクルーは、懸命の作業で2時間半でエンジンを載せ替え、マシンをグリッドに並べた。この週末の殊勲賞だ。

レースはポールスタートの#45大草が三度目の正直で「普通のスタート」を決め、#28古谷は「ややホイールスピンをさせてしまった」とグリッド順で1コーナーに飛び込む。#8三浦愛(Super License)もそれに続く。

マスタークラスも#34三浦勝、#39田中、#11植田正幸(Rn-sports)と、こちらもグリッド順でレースが始まる。

序盤からレースは膠着状態。逃げる#45大草、追う#28古谷、少し離れて#8三浦愛。その後方にやや離れてマスタークラスの#34三浦勝、#39田中、#11植田正幸(Rn-sports)が等間隔で続くという展開のまま後半へ入っていく。

トップ#45大草と#28古谷は、6周目から15周目まで0.6秒から0.8秒差を保ったまま動きはない。これは前車に近づくと気流が乱れて後ろのマシンが不安定になることもあって下手に近づけないという理由もあるが、実力が拮抗する両者では致し方のないところだ。

マスタークラスは#34三浦勝が徐々にクラス2位#39田中との差を開くと、第5戦同様に後方との間隔を見ながらペースを調整して周回を重ねる。

動きがあったのは、11周目にマスタークラス3位を走行していた#11植田が最終ビクトリーコーナーでスピンして順位を落とし、代わってクラス3位に浮上した#7畑亨志(Super License)が前を行く#39田中を追い詰めはじめたことくらい。

結局、上位陣に順位変動はなく、#45大草が#28古谷との神経戦を制して、拳を振り上げてチェッカーを受け、この週末2勝目。マスタークラスも#34三浦勝が2勝目を飾った。

次の大会(第7~9戦)は、9月25,26日の富士スピードウェイだ。D'Stationチームのオーディションで選ばれたドライバーなど、参加台数の増加も見込まれており、高速コースでのバトルに期待したい。

優勝は大草りき(PONOS Racing) 決勝2位は古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 決勝3位は三浦愛(F111/3) マスタークラス優勝は三浦勝(CMS F111) マスタークラス決勝2位は田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) マスタークラス決勝3位は畑亨志(F111/3)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第5戦もてぎ優勝コメント 古谷悠河「割と余裕がありました」 三浦勝「次はポールtoウィンで」

総合優勝 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

第5戦優勝 古谷悠河

「長かったなぁという感じですね。去年の途中からずっと2位ばかりでしたから、何回2位が続くんだろうって思っていました(笑)」

「序盤から後ろにつかれてしまってきつかったのは確かですが、きちんと抑えれば大丈夫だろうと思っていました。割と余裕はありました。(タイヤの内圧の)セッティングもレース後半寄りにしていたので、終盤は逃げ切れるだろうと思っていました」

マスタークラス優勝 三浦勝(CMS motor sports project)

第5戦マスタークラス優勝 三浦勝

「スタートで田中選手が出遅れたのであとは自分のペースを守ってという感じでした。ペース的には良かったと思います。特にセーフティカーラン明けは植田選手と差がついたので、あとはペースコントロールしながら走りました。前も何とか追えたかもしれませんが、クラスが違うので無理はしませんでした」

「セッティングも昨日の決勝から変えて良くなりました。次のレースもスタートをミスしなければいけると思います。クラスポール・トゥ・ウィンを目指します」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第5戦もてぎ決勝 古谷悠河が待望の初優勝! マスター三浦勝も初クラスウィン!

17周の決勝がスタートした

9月5日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第5戦の決勝が栃木県・ツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションスタートの古谷悠河(TOM'S YOUTH)が、大草りき(PONOS Racing)の追撃を振り切り、待ちに待った初優勝を飾った。

マスタークラスは好スタートでトップに出た三浦勝(CMS motor sports project)が終始危なげない走りで独走。こちらもクラス初優勝。

昨日のウェットコンディションとは打って変わり、時折日の差す完全ドライコンディションで決勝のスタートを迎えた。ドライコンディションでは各車のタイム差が詰まることで、スタートの重要性がより増すことになる。

今季初のポールポジションからスタートする#28古谷は好スタートを決めるが、対照的に#45大草はまたしても苦手意識のあるスタートをミス。昨日に引き続き#28古谷、#8三浦愛(Super License)の後ろでレースを始めることになる。

それでも#45大草はオープニングラップの4コーナーで#8三浦をかわすと、前を行くトップ#28古谷に照準を合わせる。ここからレースは完全に#28古谷と#45大草の一騎討ち。

2周目、マスタークラスのポールシッター#39田中優暉(イーグルスポーツ)が、コースアウトした際にグラベルの石がエンジン部分のベルトに噛んでしまったことでエンジンブロー。マシンは白煙を上げコースサイドにストップ。この回収のためにセーフティカーランとなる。

5周終了したところで再スタート。ここで#45大草は#28古谷の背後にピタリとつけると、90度コーナーで横に並び前に出ようと試みる。しかし、ここは#28古谷が冷静に抑え、以降、両者は0.5秒から0.7秒の差を保ったまま周回を重ねる。

前半こそ勢いのあった#45大草だが、徐々にタイヤが厳しくなったことで、ラップタイムこそ大きく落ちることはなかったが「正直ついて行くのがやっとだった」という状態になり、最後は古谷が差を開いて初優勝のチェッカーを受けた。

フル参戦2年目、通算19レース目にして念願の初優勝を手に入れた#28古谷は、はにかみながらも「長かったですね」とポツリ。これで一皮剥けたはずの#28古谷が目指すのはもちろんチャンピオンだ。

序盤トップ2車に引き離されたものの、じわじわと追い上げ3位に入った#8三浦愛の終盤の走りは眼を見張るものがあった。トップ2車がペースダウンするなか、15周目に1分49秒622、16周目に1分49秒415を叩き出し、しかも両ラップはコース前半のセクター1タイムが全体ベストを更新するという激走だった。

マスタークラスは、クラスPPの#34田中がスタートミス、コースアウトと自滅する形で消えてしまい、クラス2位スタートの#34三浦勝(CMS motor sports project)が、2位#11植田正幸(Rn-sports)との差を測りながらペースコントロールする余裕を見せて逃げ切り、クラス初優勝を遂げた。

第6戦の決勝は午後4時25分から17周で行われる。

古谷悠河と大草りきのトップ争い 優勝は古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 決勝2位は大草りき(PONOS Racing) 決勝3位は三浦愛(F111/3) マスタークラス優勝は三浦勝(CMS F111) マスタークラス決勝2位は植田正幸(Rn-sports F111/3) マスタークラス決勝3位はTAKUMI(B-­MAX ENGINEERING FRJ) トップでゴールする古谷悠河(TOM\'S YOUTH)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第6戦もてぎ予選ポールシッターコメント 大草りき「決勝はぶっちぎります」

総合PP 大草りき(PONOS Racing)

第6戦PP大草りき

「今週初めてのニュータイヤでしたが、ピークグリップのときにうまく合わせられなかったことと、セッティングをややレイン方向に振ってしまったことで、第5戦のポールを取られてしまいました」

「決勝はぶっちぎる予定です。(横に来た古谷選手を横目で見ながら)絶対に負けないです!(笑)」

マスターズクラスPP 三浦 勝(CMS motor sports project)

第6戦マスタークラスPP三浦勝

「(田中選手との)タイム差がコンマ1秒と聞いていたので最後のアタックで逆転を狙いましたが、ちょっと突っ込みすぎました(笑)」

「昨日の予選は全然ダメでセッティングを変えて決勝では良くなったので大丈夫と思います。決勝はとりあえず表彰台は目指したいと思いますので無理しないで頑張ります」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Aasako SHIMA

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FRJ:第5戦もてぎ予選ポールシッターコメント 古谷悠河「初優勝を目指します」

総合PP 古谷悠河(TOM'S YOUTH)

第5戦PP古谷悠河

「昨年の最終戦以来のポールポジションです。昨日の決勝は内圧の設定を高めにしてしまい、大草選手に逆転を許してしまいましたが、その反省も踏まえてドライのセッティングは上手く行っていると思います」

「大草選手とのタイム差もないので、決勝はスタートがポイントになると思いますが、出遅れないようにして初優勝を手に入れたいと思います」

マスターズクラスPP 田中優暉(イーグルスポーツ)

第5戦マスタークラスPP田中優暉

「コースはまだラバーがのっていないこともあって、まだコース本来のグリップではないように思いました。これからクルマが走ってグリップも上がりますので、決勝はそれに合わせてセッティングを少し変えるかもしれません」

「昨日スピンもしているので、決勝は無理な追い越しはしないで安全運転でいきます(笑)」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第5,6戦もてぎ公式予選 古谷悠河、大草りきがポールポジションを分け合う!

9月5日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第5,6戦の予選が栃木県・ツインリンクもてぎで行われ、第5戦は古谷悠河(TOM'S YOUTH)が、第6戦は大草りき(PONOS Racing)がポールポジションを獲得。午後に行われる決勝2レースは、今週末のライバル2人が位置を入れ替えフロントローに並ぶことになった。

マスタークラスも同様に第5戦は田中優暉(イーグルスポーツ)、第6戦は三浦勝(CMS motor sports project)がクラスポールを獲得した。

昨晩まで降り続いた雨がようやく止み、コースの所々は濡れてはいるものの、この週末初めてドライコンディションでのセッションとなった。

午前10時から15分間行われた予選では、ベストタイムで第5戦、セカンドベストで第6戦の決勝グリッドが決定する。このため一発のアタックではなく、短い時間のなかでコンスタントにタイムを出す必要がある。

各ドライバーはコースインするとまず1周をウォームアップに費やした後アタックに入るが、序盤から#28古谷と#45大草がしのぎを削る展開となる。

前半をリードしたのは#45大草。1分48秒933までタイムを削り、#28古谷の49秒068を僅かながら上回る。#8三浦愛(Super License)も49秒297と2人に迫るタイムをマークする。

アタック5周目に一旦クールダウンラップを挟んだ後、最後のアタックに入るが、ここで#28古谷が渾身の走りを見せ、1分48秒679と100分の2秒差で#45大草を逆転。今シーズン初、自身2度目のポールポジションを決めた。

ベストタイム争いに破れた#45大草だが、セカンドベストタイムでは#28古谷をコンマ1秒上回り、第6戦のポールポジションを手にした。

チーム名こそ違えど、同じトムスがメンテナンスするマシンに乗る2人はピットも隣同士。予選後もお互いに称え合い決勝の健闘を誓い合った。

マスタークラスも総合のポール争い同様に混戦模様となった。まず#34三浦が1分50秒610で先行したが、これを#39田中が50秒084で逆転。#34三浦も最後のアタックで再逆転を試みるが小さなミスを犯し50秒111と僅かに届かず。#39田中が第5戦のポールシッターとなった。

ただし、セカンドベストは#34三浦が上回り、こちらも2人がクラスポールを分け合う形となった。

決勝は、第5戦が本日午後0時50分から17周で、第6戦が午後4時25分から17周で行われる。

第5戦ポールポジション、第6戦予選2位の古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 第5戦予選2位、第6戦ポールポジションの大草りき(PONOS Racing) 第5戦、第6戦とも予選3位の三浦愛(F111/3) マスタークラス第5戦ポールポジション、第6戦予選2位の田中優暉(ASCLAYIndサクセスES) マスタークラス第5戦予選2位、第6戦ポールポジションの三浦勝(CMS F111) マスタークラス第5戦、第6戦とも予選3位の植田正幸(Rn-sports F111/3)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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FRJ:第4戦もてぎ優勝コメント 大草りき「終始全力でした」 畑亨志「7キロ減量しました」

総合優勝 大草りき(PONOS Racing)

第4戦優勝 大草りき

「フォーメイションスタートのときに低回転でスタート練習したらエンジンストールしてしまったので、決勝は意識して回転を上げたらホイールスピンをしまくりでした。課題はスタートだけです。サーキットに来る前からそう思っていましたし、リージョナルは少しクセのあるクラッチなのも分かっていたのですが、予想どおりでした(笑)」

「クルマは問題ないのは分かっていたので、トップから逃げれればぶっちぎれたと思うと悔しいですが、見せ場が作れて良かったです(笑)。前に標的がいるとブレーキングもいけますし、コンディションの回復にクルマのセッティングも合っていたと思います」

「三浦選手を抜くときは背後からプレッシャーをかけてミスを誘うように仕掛けました。古谷選手はなかなかミスをしてくれませんでしたが、残り周回も十分あったのでをトップまでいけるとは思っていました。とはいえ終始全力でした」

マスタークラス優勝 #7畑 亨志(Super License)

第4戦マスタークラス優勝 畑亨志

「開幕戦が不甲斐なくて悔しかったので、やはりスポーツですし2か月で体重を7キロ減らして身体を絞ってきました。そのおかげもあったと思います」

「植田選手はスタートで少し前に詰まった感じでしたが、アウト側のラインは少し乾きかけていたので、絶対抜くぞと思ってブレーキングで思い切り奥まで行きました」

「この週末は初日から雨は速かったのでトップに出れば抜かれないという自信はありました。路面が乾いてきてからは尚更ペースが良くなって差を広げることができました。タイヤもタレることなく凄く良い状態でした」

まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: Asako SHIMA

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FRJ:第4戦もてぎ決勝 大草りきがスタートのミスを挽回し初優勝を飾る

ウエット路面で決勝はスタートした

9月4日、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)第4戦の決勝が栃木県・ツインリンクもてぎで行われ、スタートで出遅れた大草りき(PONOS Racing)が先行する古谷悠河(TOM'S YOUTH)を逆転し、嬉しい初優勝を遂げた。

マスタークラスは好スタートでトップに出た畑亨志(Super License)がクラス初優勝を果たした。

雨は止んだものの路面はウェット。全車レインタイヤを履いての出走となった。

フォーメイションラップで#96TAKUMI(B-MAX ENGINEERING)がスピンをしてしまったため、フォーメイションが1周追加され決勝は16周で行われることになった。

スタートに苦手意識があったというポールシッター#45大草は、その悪い予感が当たってしまいホイールスピンにより#28古谷、#8三浦愛(Super License)の先行を許してしまう。

3位まで後退してしまった#45大草だが、3周目に#8三浦をパスするとトップ#28古谷を追う。この時点で両者の差は5秒以上あったが「トップまで追いつけると思った」という#45大草はここからファステストラップを更新しながら怒涛の追い上げを見せる。

またとない初優勝のチャンスを手に入れた#28古谷だったが、5周目に5.5秒あった両者の差は、路面コンディションが回復するにつれ、6周目4.8秒、8周目3.6秒、10周目2.0秒と見る見るうちに接近し、12周目には#45大草が#28古谷の背後に迫る。

そして、14周目の1~2コーナーで並んだ#45大草は3コーナーでインを奪うと、ついにトップ奪還に成功。その後も手を緩めることなく15周目にファステストを叩き出して大逆転での初優勝を飾った。#28古谷はこれで4戦連続の2位フィニッシュ。

単独走行となった#8三浦も最後まで攻め続け、終盤2分01秒台のベストラップをマークする走りで3位に入った。

マスタークラスは、クラスPPの#11植田正幸(Rn-sports)がスタートで先行車に前を塞がれる形になってしまい#7畑がトップに躍り出る。その後もウェットコンディションが得意な#7畑は#11植田を若干上回るペースで安定した走りを見せ、最終的に7.3秒という大差を築いて、こちらもクラス初優勝を飾った。

明日は、午前10時から予選、午後0時50分から第5戦(17周)、午後4時25分から第6戦(17周)の決勝が行われる。

三浦愛と大草りきの2位争い 古谷悠河と大草りきのトップ争い 古谷悠河をパスした大草りき 優勝は大草りき(PONOS Racing) 決勝2位は古谷悠河(TOM\'S YOUTH) 決勝3位は三浦愛(F111/3) マスタークラス優勝は畑亨志(F111/3) マスタークラス決勝2位は植田正幸(Rn-sports F111/3)

Text:Shigeru KITAMICHI

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FRJ:第4戦もてぎ予選ポールシッターコメント 大草りき「最後は狙っていました」

総合PP 大草りき(PONOS Racing)

ポールシッター大草りき

「今回は1か月前に急に参戦が決まったのですが、良い体制で参戦することができ安心して予選に臨めました。去年スポット参戦の経験が生きていると思います。去年の参戦があってのポールポジションだと思います。」

「走っていて水しぶきが減ってくるのが分かりましたので、序盤に攻めすぎないように注意しました。最終ラップはミスしないで良かったです。一応狙ってはいましたが、正直少し焦っていました(笑)。最後のラップに決めることができて自分としても成長したように思います。」

「決勝は天候が心配ですが、今回は速さがあると思いますのでそれを生かしていきたいと思います。今回は勝ちます」

マスタークラスPP 植田正幸(Rn-sports)

マスタークラスPP植田正幸

「仕事の都合もあって専有走行に間に合わず、木曜日の最後のセッションから走り始めたので周回数が足りずに不利な状況でした。それもあって予選はレインコンディションの方が良いと思っていました」

「チームも頑張ってくれて、(タイヤの)内圧を上げて前半にタイムを出せるようにセッティングしてくれました。それがドンピシャでした。コンディションの良くなった最後の周は内圧が上がりすぎてダメでしたけど、まぁそれは仕方のないことで結果オーライです」

まとめ&Photo: Shigeru KITAMICHI

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