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VITA岡山

2時間耐久レース岡山 最後尾から28台抜きのv.Granz・大原学/甲野将哉組が総合優勝

総合&v.Granzクラスで優勝した大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)

 「チャレンジカップ2時間耐久レース」は24日、岡山サーキットで行われているチャレンジカップレース第2戦で2時間の決勝を行い、最後尾からスタートしたv.Granzの大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)が、53周を回って総合優勝を飾った。

 決勝は午後2時にセーフティーカー(SC)先導で、フォーメーションラップが始まった。雨は降ったりやんだりで、コースはウェット。ウェット宣言が出された。

 レース時間は2時間で、3分間のピットストップを2回行う義務がある。その際、ドライバー交代義務は無く、燃料給油も任意だ。VITA、N1-86、N1ロードスターに2時間耐久特別規則で規定されたポイント(通常の3分の2程度)が与えられるが、対象ドライバーは20分以上ドライブしなければならない。

 SCは1周を回ってピットロードに入り、いよいよ2時間レースの幕が開いた。

■v.Granzクラス

 3台が参加したv.Granzは、序盤から総合2位につけたK.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)がクラストップでレースをリード。しかし、後方から驚異的なペースで追い上げて来たのが、予選不通過で最後尾スタートとなった102号車アイフォア神戸vGranz(大原学/甲野将哉)だった。

 最後尾、29番グリッドからスタートした102号車は、2周目には早くも総合で11位、3周目には8位に上がると前を走るクラス3位の長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)を捉えて総合3位に浮上。

 11周目には総合2位でクラストップの11号車も捉えて、ついにv.Granzのトップに立った。さらに15周目には総合トップの車両までも捉え、わずか15周で28台抜きを達成した。

 102号車はこのまま一度もクラストップを明け渡すことなく2時間・53周を走ってぶっちぎりの優勝。2位には11号車が、3位には81号車が入った。

■VITAクラス

 22台が参加し最大勢力となったVITAクラスは、ポールシッター・清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)の清水が1コーナーでコースアウトして最後尾に落ちるという波乱で始まった。

 その後方でも、予選6位・MAKOTO/妹尾智充組(88号車・まこと君VITA)の妹尾と予選9位・SOUEISHA-VITA(14号車・下垣和也/前嶋秀司)の前嶋が接触。妹尾はスピンを喫し大きく順位を落とした。

 1周目、VITAのトップに立ったのは松本匡史/徳升広平組(999号車・m・dent with萬雲塾VITA)の徳升で、2位に中西亮平/有岡綾平組(66号車・BASIS RACING☆NAMS)の有岡、3位に中川徹/太田達也組(106号車・Giddy Up VITA)の太田、4位に中島僚斗/大崎達也組(219号車・&Gコーポレーション大崎塾VITA)の中島、5位に14号車・前嶋、6位に橋村剛/TAKE chan組(78号車・恵比寿アキランドVita制動屋)の橋村が続く。

 7周目、5位と一つ順位を落としていた219号車・中島がヘアピンでスピンしてストップ。ここで1回目のSCが導入された。

 この時点での順位はトップ999号車・徳升、2位106号車・太田、3位66号車・有岡、4位14号車・前嶋、5位竹中優/貫戸幸星組(86号車・HOJUST RACING VITA2号)の貫戸、6位にはスピンから追い上げて来た88号車・妹尾が上がってきた。

 レースは11周目から再開されるが、12周目には20位を走っていた戸田淳也/松本恭典組(36号車・真栄金属Vita)が1コーナーでコースアウト、早くも2回目のSCが導入された。

 15周目にはトップを走る999号車・徳升が1回目のピットストップを行いドライバーを松本に交代。これでトップには106号車・太田が上がり、2位に66号車・有岡が、3位には怒濤の追い上げを見せてきた88号車・妹尾が、4位には蘭牟田政治/HIROBON組(4号車・JOKER☆ダイワN通商NUTEC制動屋)のHIROBONが、5位には14号車・前嶋が、6位には木村一廊/川福健太組(61号車・KOO′ON with ABBEY)の川福が続く。

 19周目、トップを走っていた106号車・太田が1回目のピットストップ。ドライバーを中川に交代すると、トップには66号車・有岡が浮上、2位には88号車・妹尾が、3位には4号車・HIROBONが、4位には14号車・前嶋が、5位には78号車・橋村が、6位には谷川達也/吉村雅一組(105号車・ヨシムラオートVita)の谷川が上がってきた。

 21周目には14号車・前嶋が、22周目には88号車・妹尾が、23周目には78号車・橋村が、24周目には4号車・HIROBONがピットイン。14号車・は下垣に、88号車・妹尾は連続ドライブ、78号車・はTAKE Chanに4号車は藺牟田にドライバーを交代した。

 26周目にはヘアピンでコースアウトした車両があり、この日3度目のセーフティーカーが導入された。

 セーフティーカーが退くと、トップは66号車の有岡が、2位MC平田/青合正博組(16号車・Racing TEAM HERO'S)の平田、3位CHAY/妹尾俊郎組(525号車・KRS VITA)とまだピットインしていない3台が占める。そして4位には序盤のスピンで最後尾に落ち75号車・清水から交代した伊東が怒濤の追い上げで浮上してきた。

 28周目に66号車・有岡と16号車・平田が、31周目に525号車・妹尾がピットインすると、トップに浮上した75号車・伊東は32周目に2度目のピットイン。伊東は連続スティントでコースに復帰した。

 これでトップに立ったのは88号車・妹尾、2位に14号車・下垣、3位に66号車・有岡、4位に4号車・藺牟田、5位に78号車・TAKE Chan、6位に16号車・青合となる。

 39周目に88号車・妹尾と16号車・青合が、41周目に14号車・下垣が、42周目に66号車・有岡がピットインした。

 これでトップに立ったのは75号車・清水、2位には106号車・太田が浮上してきたが、その差は35秒と大量のリードとなった。3位には88号車・MAKOTOが続く。

 4位には猪股京介/武地孝幸組(39号車・odula TONE TMR VITA)の猪俣がつけた。39号車は序盤の5周目にピットインし猪股から武地に交代、29周目に再び猪股が乗り込むという変則のピット戦略が功を奏したようだ。

 5位には66号車・中西が、6位には14号車・前嶋が続く。

 43周目、レースは終盤に差し掛かってきた。大量リードのトップ75号車・清水、3位を20秒以上離す2位106号車・太田は安泰だが、3位の88号車・MAKOTOはペースが上がらず苦しい。6秒後方には4位の39号車・猪股が虎視眈々と3位浮上をうかがう。5位には66号車・中西が、6位には14号車・前嶋が続き、その背後には7位4号車・HIROBONが迫る。

 46周目、3位を走る88号車・MAKOTOはついに39号車・猪股に捉えられ4位に順位落とす。

 レースは終了。75号車・清水はVITAでただ一人53周を走ってぶっちぎりの優勝。2位には106号車・太田が、3位には39号車・猪股が、4位には88号車・MAKOTOが入った。66号車・中西はチェッカー直前にコースアウトしてチェッカーを受けられず。代わって5位には14号車・前嶋が、6位には4号車・HIROBONが入った。

 7位は999号車・徳升、8位は78号車・橋村、9位は66号車・平田、10位は61号車・川福の順でチェッカーを受けた。

 シリーズポイントランキングは、開幕戦優勝の武地が3位に入り6ポイントを追加して21、優勝した清水が10ポイント追加で22としたため清水がシリーズリーダーに立ち、武地は2位に落ちた。15ポイントのMAKOTOが3位で続いている。

■N1-86クラス

 N1-86は2台が参加。総合のポールポジションを獲得した中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)が、序盤から総合トップを快走。最終的には52周を走って総合6位、クラス優勝を果たした。クラス2位には総合9位、50周で永井良周/長尾秀義組(19号車・GR Garage倉敷with NAGOYA)が入った。

■N1ロードスタークラス

 N1ロードスターは2台が参加。50周を一人で走りきった下坂和也(35号車・FIRST RACINGロードスター)が総合20位でクラス優勝。2位には48周を回り総合25位の大井正伸/雨宮恵司組(43号車・OTPアクレTSモリモトAZUR)が入った。

2時間レースの幕が切って落とされた

レースは雨の中、3度セーフティーカーが出る荒れた展開となった

総合&v.Granzクラス優勝の大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)

VITAクラスで優勝した清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)

N1-86クラスで優勝した中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)

N1ロードスタークラスで優勝した下坂和也(FIRST RACINGロードスター)

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum

VITA岡山

2時間耐久レース岡山ドライバーコメント 総合優勝・大原学/甲野将哉組「ぼくたち真面目に生きているので」

■v.Granz

優勝 大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)
甲野「予選は、雨が降ってきたのでドライバーをピットに入れたらそれが違反だったようです。最後尾スタートから15周でトップですが、VITAの方たちが紳士的で抜かせてくれたので走りやすかったです。前のマージンをつぶそうと思ったときにセーフティーカーが入ったのもよかったです。ぼくたち真面目に生きているのでいいことがあるんですよ」
2位 K.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)
TOMISAN「必死に走っていました。無事に最後までつないでいただいてなんとか完走できたので、楽しかったです。雨は途中から上がりましたが、ブレーキは難しかったですね。優勝できませんでしたが、健闘したと思います」
3位 長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)
大野「スピンも無く、コースアウトも無く、ペナルティーも無く、ピット作業違反も無く、安全運転でした。運転免許はブルーですが今日はゴールド免許でした。計算違いは総合3位の予定がクラス3位だったことです。まーいいかなと。耐久レースは完走してなんぼなのでよかったです」

VITAクラス

優勝 清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)
伊東「最後尾まで落ちましたが、ピットに入るタイミングとセーフティーカーがばっちりでした。これで清水さんのランキングも首位に近いところまできたので、チャンピンをめざして頑張っていただきたいです。これからもそのフォローを精いっぱいしていきます」
2位 中川徹/太田達也組(106号車・Giddy Up VITA)
太田「ぼくたちはピットの戦略に恵まれませんでした。トップの方たちがいいところで入ったので厳しいと思いました。2人ともノーミスで頑張っていいペースで走れて、慎重に走り、接触もしなかったのでよかったです」
3位 猪股京介/武地孝幸組(39号車・odula TONE TMR VITA)
猪股「初めて雨の岡山を走って苦しかったですが、チームが完璧な作戦を立ててくれて、それをなぞっていったら3位になれました。スティントは最初僕が10分くらいで入って、そこから1時間弱ずつでした。最初のスティントを極端に短くする作戦で、セーフティーカーも入り、まさに作戦勝ちでした」
4位 MAKOTO/妹尾智充組(88号車・まこと君VITA)
妹尾「スタートして2コーナーでぶつけられて、スピンして内側に飛んでいきました。そこから必死に追い上げて、セーフティーカーが出る前にクラス2位でオーナー(MAKOTO)さんに渡しました。2台に抜かれて4位でしたが、見せ場を作れたので、内容的には悪くないし、オーナーさんをミニマムでなくて3~40分乗せることにしているので、妥当な順位なのかと思います」
5位 下垣和也/前嶋秀司組(14号車・SOUEISHA-VITA)
前嶋「サポートとしてきていますが、レースは楽しく走りたいので、最後けっこう盛り上がって残り1周くらいで5位に上がれたので面白かったです。最後は、前が見えて、にんじんがポロンとぶらさがった感じでした」 下垣「届かないと思っていましたが最後5周で一気に追いついて、見ていて最後の3周が一番面白かったです。助っ人が大活躍でした」
6位 蘭牟田政治/HIROBON組(4号車・JOKER☆ダイワN通商NUTEC制動屋)
HIROBON「ドライを想定していたので、雨のセットがうまく見つからず、序盤は苦戦しました。最後は雨量が減ってきてペースがよくなりました。でも、もうちょっと行きたかったですね」
Text: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA LIGHTS

開幕大会は車両パーツの問題発生により延期が決定

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)を運営する、一般社団法人SFLアソシエーション(SFLA)は、4月27〜28日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催を予定していた開幕大会(第1、2、3戦)を延期すると発表した。

 今シーズンから、トムス製エンジンのワンメイクとなり、それに伴いアップデートされた車両(ダラーラ324)を用いるSFLは、すでに合同テストも2回行われ、開幕に向け参加チームは準備を進めていた。

 SFLAのリリースによると、アップデートパーツとしてダラーラ社から供給されたとパーツ(ベルハウジング)が、製造工程上の問題によりクラックが発生していることが先週になって確認されたとのこと。

 これにより、安全に配慮し た結果、延期という判断になったという。SFLAとしては代替開催に向け日程を調整中とのことだ。

 スーパーフォーミュラへの登竜門として、今シーズンもトヨタ、ホンダ両メーカーの育成ドライバーが鎬を削るSFLは、参加台数こそ少ないものの、注目の若手が参戦するシリーズ。レースウィークには多くの走行時間が設けられることから、育成カテゴリーとして果たす役割も大きい。

 不測の事態で開幕大会が延期されることになってしまったが、当初の予定どおり6大会18レースが開催されることを期待したい。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER GT

第1戦岡山公式練習結果

■GT500クラス

OKAYAMA GT 300km RACE -RIJ- (2024/04/13) Official Practice Weather:Fine Course:Dry
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 1 GT500 class 岡山国際サーキット 3.703km

PosNoDriverCar
Maker Model
Team
TireTimeBehindGapkm/h
136坪井 翔
山下 健太
au TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM au TOM'S
BS1'17.923--171.077
28野尻 智紀
松下 信治
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8
Honda CIVIC TYPE R-GT
ARTA
BS1'18.458 0.535 0.535169.910
3100山本 尚貴
牧野 任祐
STANLEY CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
STANLEY TEAM KUNIMITSU
BS1'18.581 0.658 0.123169.644
412平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
MARELLI IMPUL Z
NISSAN Z GT500
TEAM IMPUL
BS1'18.701 0.778 0.120169.385
539関口 雄飛
中山 雄一
DENSO KOBELCO SARD GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM SARD
BS1'18.713 0.790 0.012169.360
617塚越 広大
太田 格之進
Astemo CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
Astemo REAL RACING
BS1'18.783 0.860 0.070169.209
714大嶋 和也
福住 仁嶺
ENEOS X PRIME GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM ENEOS ROOKIE
BS1'18.814 0.891 0.031169.143
823千代 勝正
ロニー・クインタレッリ
MOTUL AUTECH Z
NISSAN Z GT500
NISMO
BS1'18.944 1.021 0.130168.864
916大津 弘樹
佐藤 蓮
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16
Honda CIVIC TYPE R-G
ARTA
BS1'19.040 1.117 0.096168.659
103高星 明誠
三宅 淳詞
Niterra MOTUL Z
NISSAN Z GT500
NISMO NDDP
BS1'19.044 1.121 0.004168.650
1137笹原 右京
ジュリアーノ・アレジ
Deloitte TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM Deloitte TOM'S
BS1'19.052 1.129 0.008168.633
1238石浦 宏明
大湯 都史樹
KeePer CERUMO GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM KeePer CERUMO
BS1'19.225 1.302 0.173168.265
1324松田 次生
名取 鉄平
リアライズコーポレーションADVAN Z
NISSAN Z GT500
KONDO RACING
YH1'19.250 1.327 0.025168.212
1464伊沢 拓也
大草 りき
Modulo CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
Modulo Nakajima Racing
DL1'19.950 2.027 0.700166.739
1519国本 雄資
阪口 晴南
WedsSport ADVAN GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM WedsSport BANDOH
YH1'21.547 3.624 1.597163.474

■GT300クラス

OKAYAMA GT 300km RACE -RIJ- (2024/04/13) Official Practice Weather:Fine Course:Dry
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 1 GT300 class 岡山国際サーキット 3.703km

PosNoDriverCar
Maker Model
Team
TireTimeBehindGapkm/h
161井口 卓人
山内 英輝
SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ GT300
R&D SPORT
DL1'26.119--154.795
296新田 守男
高木 真一
K-tunes RC F GT3
TOYOTA LEXUS RC F GT3
K-tunes Racing
DL1'26.286 0.167 0.167154.496
388小暮 卓史
元嶋 佑弥
JLOC Lamborghini GT3
Lamborghini HARUCAN GT3 EVO2
JLOC
YH1'26.356 0.237 0.070154.370
42堤 優威
平良 響
muta Racing GR86 GT
TOYOTA GR86
muta Racing INGING
BS1'26.371 0.252 0.015154.343
552吉田 広樹
野中 誠太
Green Brave GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
埼玉Green Brave
BS1'26.579 0.460 0.208153.973
631小高 一斗
中村 仁
apr LC500h GT
TOYOTA LEXUS LC500h
apr
BS1'26.720 0.601 0.141153.722
720平中 克幸
清水 英志郎
シェイドレーシングGR86 GT
TOYOTA GR86
SHADE RACING
MI1'26.819 0.700 0.099153.547
86片山 義章
ロベルト・メルヒ・ムンタン
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI
Ferrari 296 GT3
Team LeMans
YH1'26.965 0.846 0.146153.289
918小林 崇志
小出 峻
UPGARAGE NSX GT3
Honda NSX GT3
TEAM UPGARAGE
YH1'27.087 0.968 0.122153.075
1065蒲生 尚弥
篠原 拓朗
LEON PYRAMID AMG
Mercedes AMG GT3
K2 R&D LEON RACING
BS1'27.105 0.986 0.018153.043
1156佐々木 大樹
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
KONDO RACING
YH1'27.211 1.092 0.106152.857
129阪口 良平
冨林 勇佑
PACIFICぶいすぽっNAC AMG
Mercedes AMG GT3
PACIFIC RACING TEAM
YH1'27.264 1.145 0.053152.764
13777藤井 誠暢
マルコ・ソーレンセン
D'station Vantage GT3
Aston Martin Vantage GT3 EVO
D'station Racing
DL1'27.267 1.148 0.003152.759
1460吉本 大樹
河野 駿佑
Syntium LMcorsa GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
LM corsa
DL1'27.298 1.179 0.031152.705
157荒 聖治
ニコラス・クルッテン
Studie BMW M4
BMW M4 GT3
BMW M Team Studie × CRS
MI1'27.372 1.253 0.074152.575
164谷口 信輝
片岡 龍也
グッドスマイル初音ミクAMG
Mercedes AMG GT3
GOODSMILE RACING & TeamUKYO
YH1'27.399 1.280 0.027152.528
1745ケイ・コッツォリーノ
リル・ワドゥー
PONOS FERRARI 296
Ferrari 296 GT3
PONOS RACING
MI1'27.454 1.335 0.055152.432
1850イゴール・オオムラ・フラガ
古谷 悠河
ANEST IWATA Racing RC F GT3
TOYOTA LEXUS RC F GT3
ANEST IWATA Racing with Arnage
YH1'27.755 1.636 0.301151.909
195藤波 清斗
塩津 佑介
マッハ車検エアバスターMC86マッハ号
TOYOTA 86 MC
TEAM MACH
YH1'27.916 1.797 0.161151.631
2062平手 晃平
平木 湧也
HELM MOTORSPORTS GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
HELM MOTORSPORTS
YH1'27.961 1.842 0.045151.554
2125菅波 冬悟
松井 孝允
HOPPY Schatz GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
HOPPY team TSUCHIYA
YH1'28.555 2.436 0.594150.537
22360大滝 拓也
青木 孝行
RUNUP RIVAUX GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
TOMEI SPORTS
YH1'28.696 2.577 0.141150.298
2348井田 太陽
柴田 優作
脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
NILZZ Racing
YH1'28.811 2.692 0.115150.103
2430永井 宏明
小林 利徠斗
apr GR86 GT
TOYOTA GR86
apr
YH1'28.904 2.785 0.093149.946
2522和田 久
加納 政樹
アールキューズAMG GT3
Mercedes AMG GT3
R'Qs MOTOR SPORTS
YH1'28.992 2.873 0.088149.798
-87松浦 孝亮
坂口 夏月
METALIVE S Lamborghini GT3
Lamborghini HARUCAN GT3
JLOC
YHno time---

SUPER GT

第1戦岡山公式練習 GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supraがダントツのトップ!

公式練習:GT500クラストップタイムはau TOM\'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

 2024オートバックス スーパーGTがついに開幕。第1戦の公式練習が4月13日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、他を寄せ付けない速さを見せた36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)がトップタイムを記録した。

 公式練習は午前9時30分より混走85分間、専有走行10分間で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。

 開始早々にGT300車両がトラブルによりバックストレート脇でストップしたため、早くも赤旗中断となったが、停止車両は直ちにFROによって回収され、走行は午前9時37分に再開された。

 開始から15分が経過したところで坪井翔が自身の4周目に1分18秒082を記録。36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)がトップに立つ。坪井は6周目に1分17秒923までタイムを縮めてきた。

 2番手には39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大/太田格之進)が3番手で続く。

 日産勢では千代勝正が1分18秒944を記録した23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)が最上位の6番手につける。

 開始から間も無く30分が終了しようかというところでベルトラン・バゲットが1分18秒701を記録し、12号車MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が2番手に上がってきた。

 セッション中盤に入ると牧野任祐が1分18秒607を記録して100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が2番手に浮上するが、すぐに松下信治が1分18秒458を記録して8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)がこれを上回る。

 この結果、36号車がトップ、8号車が2番手、100号車が3番手で混走は終了した。

 午前11時05分からの10分間の専有走行では大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が自己ベストを更新。38号車は1分19秒414で混走の14番手から13番手に浮上。続いて高星明誠(Niterra MOTUL Z)も1分19秒044で3号車を12番手から10番手に押し上げる。

 一方、トップの山下健太(au TOM'S GR Supra)は1分19秒151とタイム更新ならず。牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)は1分18秒581までタイムを縮めるも、順位は3番手のまま。そして野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)はセクター1で自己ベストを更新するが、ダブルヘアピンの一つ目で痛恨のスピン。ここでアタックを断念することに。

 この結果、公式練習は36号車au TOM'S GR Supraがトップ、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8が2番手、そして100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが3番手という結果となった。

 Q1とQ2の合算という新方式に生まれ変わった注目の公式予選は、このあと午後2時34分にスタートする。

公式練習:GT500クラス2位はARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)

公式練習:GT500クラス3位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山公式練習 GT300トップは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT

公式練習:GT300クラストップタイムはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

 岡山国際サーキットで行われている2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式練習、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が混走序盤に最速タイムを記録。午後の公式予選に向けて幸先のいい滑り出しとなった。

 公式練習は始まっていきなり87号車METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)がバックストレートのコース脇でストップ。早くも赤旗中断となる。ドライバーは松浦孝亮だった。直ちにFROに牽引されてピットに戻ってきた87号車はエンジンが降ろされ、大掛かりな修復作業に入っており、公式予選への影響が懸念される。

 車両回収ののち、走行は午前9時37分に再開されたが、今度はピット出口で45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー)がストップ。FROが回収に向かうが、セッションはそのまま続行された。開幕戦ということもあり、各車さまざまなトラブルを抱えての走行となっている模様。

 なお、今シーズンよりJAF-GT仕様のフェアレディZを新たに製作して参戦することが発表されている11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎/石川京侍)は、車両の準備が間に合わず、開幕戦を欠場する旨がチームより発表された。

 そうしたなか、序盤トップに立ったのは6周目に1分26秒119を記録した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)。96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)が2番手につけ、88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が3番手だ。

 その後は各車ロングランに入ったか、大きな順位の変更はなく混走が終了、10分間の専有走行に移行した。

 だが、ここでも上位陣に大きなタイムアップは見られず、GT300クラスの公式練習は61号車、96号車、88号車の順位のままで終了した。

 昨年の第4戦での炎上事故から欠場の続いていた25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟/松井孝允)はクラウドファンディングによる資金調達の成果もあって見事な復活を遂げ、このセッションではトップから2秒436落ちの1分28秒555を記録。21位からの再出発となった。

 公式予選はこのあと午後2時より、A組のQ1がスタートする。新方式の導入がどうグリッドに影響するのか、要注目だ。

公式練習:GT300クラス2位はK-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)

公式練習:GT300クラス3位はJLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山公式予選 GT500クラスは36号車au TOM'S GR SupraがPPを獲得

GT500クラスポールポジションはau TOM\'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

 2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300km」の公式予選が4月13日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、公式練習トップの36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が新方式で初めての予選を制し、ポールポジションを獲得した。

(天候:晴れ コース:ドライ)

ニスモ新加入の千代勝正がトップタイム

 GT500クラスの予選Q1は午後2時34分に走行開始。既報の通り今シーズンから予選2セッションと決勝スタートを1セットのタイヤで戦うことになり、それに伴って公式予選はQ1とQ2に全車が参加し、タイム合算でスターティンググリッドを決めることとなった。このため全てのドライバーがタイヤの消耗を最小限に抑えながら順位を争うという難しいミッションに取り組む必要に迫られた。

 コースオープンとともに走行を開始するチーム、やや遅れてピットを離れるチームと判断が分かれるなか、高星明誠(Niterra MOTUL Z)、福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra)、千代勝正(MOTUL AUTECH Z)らはやや遅れてコースへ。松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)も残り5分でようやくピットを離れていった。

 まずは山下健太(au TOM'S GR Supra)がアウトラップに続いてウォームアップラップを2周行い、1分17秒813でトップに立つ。牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)も1分17秒841で2番手。平峰一貴(MARELLI IMPUL Z)が1分18秒033で続く。

 しかしその直後、新たにトヨタ陣営に加わった大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が1分17秒649を叩き出し、山下のタイムを上回る。

 続いて千代勝正(MOTUL AUTECH Z)が1分17秒489と大湯のタイムをも上回ってトップに躍り出た。

 松下もセクター1で全体ベストを叩き出す攻めの走りを見せるが、最終コーナー手前で痛恨のオーバーラン。10番手相当のタイムを記録するも、タイム抹消となり、惜しくも最下位の15番手に終わった。

 この結果23号車がトップタイム。38号車が2番手となり、3番手には福住仁嶺のドライブした14号車ENEOS X PRIME GR Supraが続き、36号車は39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一)に次ぐ5番手に終わった。

終盤の大逆転劇!! 36号車au TOM'S GR SupraがPP獲得

 予選Q2は3時24分に走行開始。Q1ではタイム抹消で15番手に終わった8号車を除く14台がコースイン、タイムアタックに取り掛かる。結局8号車最後までピットに留まったため、明日の決勝をピットからスタートすることになった。

 コース上ではまずは三宅淳詞(Niterra MOTUL Z)が1分18秒301(2分36秒434)でトップに。これを石浦宏明(KeePer CERUMO GR Supra)が1分18.504(2分36秒151)で上回る。

 続いて山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が1分18秒042(2分35秒883)、関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1分17秒995(2分35秒787)と次々にタイムが更新されていく。

 そしてチェッカーフラッグ直前、坪井翔(au TOM'S GR Supra)が1分17秒748とQ1の山下をも上回るタイムを叩き出し、合算2分35秒561でトップに躍り出た。

 これにより36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)がポールポジションを獲得、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が予選2番手、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が3番手という結果に。

 Q1でトップタイムを記録した23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)は日産勢最上位ではあるものの、Q2のベストタイムが1分18秒757(2分36秒246)に留まり、6番手に終わっている。

 第1戦決勝は明日の午後1時30分より82周(300km)で行われる。初戦を制するのは果たしてどのチームになるのだろうか。

GT500クラス予選2位はDENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

GT500クラス予選3位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山公式予選 GT300クラスは65号車LEON PYRAMID AMGがポール獲得。 グループ2上位3台が下剋上を達成

GT300クラスポールポジションはLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)

 岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われている、2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」GT300クラスの公式予選は、予選Q2で蒲生尚弥がトップタイムを叩き出し、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)がポールポジションを獲得した。

予選Q1 復活の25号車HOPPY Schatz GR Supra GTがグループ1進出!

 グループAは午後2時に走行開始。 天候は晴れ。気温は23℃、路面温度29℃とTシャツで過ごせる暖かさだ。

 まずは吉田広樹(#52 Green Brave GR Supra GT)がウォームアップ2周で1分26秒933でトップに立つ。

 ケイ・コッツォリーノ(PONOS FERRARI 296)は1分28秒237で2番手、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)は1分30秒135で3番手だ。

 山内は4周目に1分25秒862までタイムを縮めてトップに浮上。2番手はコッツォリーノで1分26秒258、吉田が3番手、平中克幸(シェイドレーシングGR86 GT)が4番手。このトップ4は5周終わりで早々とピットイン。

 小林利徠斗(apr GR86 GT )もピットに戻ってくるが、こちらは2周をしたのみで最下位の13位に終わった。

 その後、小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)が1分27秒051で4番手に浮上、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)が5番手で続くが、終了間際に小暮卓史(JLOC Lamborghini GT3)が1分26秒849で4番手に割って入った。

 この結果、61号車、45号車、52号車、88号車、18号車、56号車と20号車、そして25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟)がグループ1でQ2を走ることとなった。

 グループBは2時18分に走行開始。4周目に1分26秒118を記録した平良響(muta Racing GR86 GT)がトップに立ち、篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)が1分26秒182で2番手につける。ニコラス・クルッテン(Studie BMW M4)が3番手だ。

 平良は次の周で1分25秒985までタイムを縮めるとそのままピットへ。上位陣はいずれもチェッカーを待たずにピットへ。Q2に向けてタイヤを温存したいということか。

 結局、Bグループは2号車がトップ、65号車が2番手、7号車が3番手で終了。以下96号車K-tunes RC F GT3(新田守男)、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口夏月)、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)、4号車グッドスマイル初音ミクAMG(片岡龍也)そして5号車マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(藤波清斗)までがグループ1に進出した。

予選Q2 蒲生尚弥が地元岡山でPPを獲得!!

 予選Q2は2時54分にグループ2の走行で始まった。

 まずは河野駿佑(Syntium LMcorsa GR Supra GT)が3周目に1分27秒141(2分53秒678)でトップに立つが、これを冨林勇佑(PACIFICぶいすぽっNAC AMG)が4周目に1分26秒664(2分53秒439)で上回る。3番手は小高一斗(apr LC500h GT)で1分26秒900(2分53秒703)だ。

 9号車、60号車はここでピットイン。31号車はアタックを継続、5周目に1分26秒807(2分53秒610)でグループ2番手を確保した。

 グループ1の走行は3時10分に走行開始。グループAトップの井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分26秒651(2分52秒513)を叩き出すと、蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)がこれを上回る1分26秒016(2分52秒198)を叩き出してトップに。蒲生はそのまま終了まで3分を残してピットに戻ってきた。

 続いて堤優威(muta Racing GR86 GT)が1分26秒360(2分52秒345)を叩き出して61号車を上回る。堤はなおもアタックを続行するが、タイムは1分26秒280(2分52秒265)と65号車には一歩及ばず、2番手に終わった。3番手は61号車だ。

 その結果、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)がポールポジションを獲得、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が2番手、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が3番手となった。

 また、グループ2トップの9号車PACIFICぶいすぽっNAC AMG(阪口良平/冨林勇佑)は全体でも8番手のタイムを記録したことになり、順位入れ替えにより13番グリッドから明日の決勝に臨む。31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)も14番手、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)は15番手スタートとなった。

GT300クラス予選2位はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

GT300クラス予選3位はSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山ポールポジション会見 山下健太「(新予選方式は)今までより面白い感じもある」

GT500クラス 36号車au TOM'S GR Supra(TGR TEAM au TOM'S)

山下健太(TGR TEAM au TOM'S)

予選記者会見:GT500クラスポールポジションの山下健太(TGR TEAM au TOM\'S)

 「ポールを取れたということで、最高のスタートを切れましたが、嬉しい反面、自分の結果は5番手という微妙な結果で、そこから大どんでん返しというぐらいの坪井選手のアタックが凄くて、坪井選手に感謝、チームに感謝という感じです。今後は足を引っ張らないようにしないと、という気持ちの方が強いです」

 「アタックは必ず1周で終わらせるというのと、インラップもなるべくタイヤを使わないで帰ってくる、というのを公式テストの段階から意識していましたが、アタック自体を控えめにするという意識はありませんでした」

 「自分が新品タイヤでアタックしたタイムを中古タイヤで肥えられてしまうのは非常複雑ですが、助けてもらえる部分もあるので、今までとは明らかに違いますね。やることは違いますが、今までよりも面白い感じはあります」

 「ロングランの調子はまずまずなので、決勝では自分が順位を落としたりしないように、しっかり開幕戦を優勝できるよう頑張ります」

坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)

予選記者会見:GT500クラスポールポジションの坪井翔(TGR TEAM au TOM\'S)

 「朝から調子は割と良くて、特に僕が走った時のコンディションが良く、1分17秒台が出せるほどでした。予選でも割とその景色感に近い感じで走ることができました。1コーナーでは大失敗してしまったので、まだ伸び代があるなと思っていたので、帰ってきてポールだと聞かされた時にはびっくりしました。クルマのバランス的にもまだ詰め切れていない部分があり、乗り辛い中でQ1、Q2を走ることになりましたが、伸び代が感じられるという意味では凄くいい流れだし、テストからずっと好調できているので、この流れをしっかりキープして、明日につなげたいなと思います。岡山は時期的にもQ2の時間に気温や路面温度が下がるので、あまりタイムが落ちないんです」

 「そういえば僕がちゃんと走ってポールを取るのはこれが初めてなんです。嬉しいです。この予選方式だとQ2はそれなりにしか行けないので、Q1を走る方が負担は大きいんじゃないかと思いました」

 「いつも36号車は決勝が強いと思っていますが、今年パッケージが変わったので、やってみないとわからない部分はありますが、予選よりは決勝に自信を持っているつもりです。朝のフリー走行でも手応えは悪くなかったので、充分チャンスがあると思います。岡山は300kmとレース距離が短いので、予選順位が大事になることはわかっていました。一番前からスタートできることは有利ですし、あとは展開次第です。混乱に巻き込まれないように注意すれば勝機はあると思うので開幕戦を優勝したいです」

GT300クラス 65号車LEON PYRAMID AMG(K2 R&D LEON RACING)

篠原拓朗(K2 R&D LEON RACING)

予選記者会見:GT300クラスポールポジションの篠原拓朗(K2 R&D LEON RACING)

 「ものすごく嬉しい気持ちでいっぱいです。Q1ではちょっとだけ悔いの残る部分がありましたが、Q2での蒲生選手のものすごいアタックで全てをひっくり返していただいたので、本当に感謝しかないです。合算の予選ということで今までのようQ1に通ればいいということでは無くなったので、結構緊張する予選でした。こういう結果で終われて本当にホッとしています」

 「公式テストの段階から、周回数を少なくしないといけない、という課題を持ってやってきたので、今回もその課題を感じながら走りました」

 「この予選方式のおかげで自分もポールを取ったと言えるのは嬉しいです」

 「予選Q1、Q2で使ったタイヤでまた明日スタートしますが、気温が上がる中でどこまで持つかわかりませんが、できるだけ持たせて勝ち切るレースがしたいなと思っています」

蒲生尚弥(K2 R&D LEON RACING)

予選記者会見:GT300クラスポールポジションの蒲生尚弥(K2 R&D LEON RACING)

 「シーズンの開幕戦で最高のスタートを切れたので、大変嬉しく思っています。Q1を走った篠原選手からのフィードバックと、チームのクルマのアジャストがうまく行ってQ2もうまく走ることができてよかったです」

 「ここまで来たら第1スティントのタイムを見て判断すると思いますが、明日も同じようなコンディションだろうと思うので、このままの調子で行けたら最高だなと思います」

予選フォトセッション:両クラスのポールシッター

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山GTA/オートバックスセブン共同会見 小林喜夫巳会長「色んなところでモータースポーツファンをたくさん作っていきたい」

坂東GTA代表とオートバックスセブン会長の小林氏

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は4月14日、シリーズ第1戦が行われている岡山県美作市の岡山国際サーキットで、長年同シリーズのタイトルスポンサーを務めてきたオートバックスセブンとの共同会見を行った。

 2024年はスーパーGTの前身である全日本GT選手権(JGTC)が本格始動した1994年から数えて30年目の節目の年でもあり、オートバックスセブンにとっても大阪府大東市にオートバックス第1号店がオープンした1974年11月から数えて50周年の節目の年でもある。

 会見にはGTAの坂東正明代表と、オートバックスセブン取締役会長の小林喜夫巳氏が出席。

 小林会長は「昨シーズンはコロナ禍が明けたか明けてないかという中で始まり、本当に五感で感じられるレースが展開された。今シーズンもあの感じを忘れないように坂東代表と進めていきたい。スーパーGTは30年、我々も50年の節目の年を迎える。色んなところでモータースポーツファンをたくさん作っていきたいという思いで、さまざまなイベントをサーキットの近隣の店舗で行い、ファンに楽しんでいただきたい」と挨拶。

 坂東代表も「本当に長い間タイトルスポンサーとしてご協力いただいた。今後も引き続きやっていただく。モータースポーツの振興発展、認知度の向上をきちんとやっていく上でも、既存の600店舗という基盤の上に乗せていただいて、一緒に作り上げてくることができて本当によかった。それがあるから今があると思っている。継続して日本のモータースポーツ界を引っ張っていくリーダーとして、認知度の向上、価値観。そしてモータースポーツに関わる人々の手によって産業が成立し、経済効果を生み出す。それがモータースポーツの歴史、文化になっていくと思う。スーパーフォーミュラ、スーパー耐久といった国内レースを含めて、日本のモータースポーツのあり方というものを、F1やフォーミュラE、WRC、WECといった世界選手権から学びながら、方向性を固めて作り上げていきたい」とスーパーGTのみならず日本のモータースポーツ界全体を視野に入れた抱負を語った。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

第1戦岡山決勝結果

■GT500クラス

OKAYAMA GT 300km RACE -RIJ- (2024/04/14) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 1 GT500 class 岡山国際サーキット 3.703km

PosNoDriverCar
Maker Model
Team
TireLapTimeBehindGap
136坪井 翔
山下 健太
au TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM au TOM'S
BS822:02'48.219--
239関口 雄飛
中山 雄一
DENSO KOBELCO SARD GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM SARD
BS822:02'59.23011.01111.011
3100山本 尚貴
牧野 任祐
STANLEY CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
STANLEY TEAM KUNIMITSU
BS822:03'00.48112.262 1.251
438石浦 宏明
大湯 都史樹
KeePer CERUMO GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM KeePer CERUMO
BS822:03'09.31921.100 8.838
523千代 勝正
ロニー・クインタレッリ
MOTUL AUTECH Z
NISSAN Z GT500
NISMO
BS822:03'12.76024.541 3.441
63高星 明誠
三宅 淳詞
Niterra MOTUL Z
NISSAN Z GT500
NISMO NDDP
BS822:03'13.64325.424 0.883
737笹原 右京
ジュリアーノ・アレジ
Deloitte TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM Deloitte TOM'S
BS822:03'13.99525.776 0.352
88野尻 智紀
松下 信治
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8
Honda CIVIC TYPE R-GT
ARTA
BS822:03'29.53441.31515.539
916大津 弘樹
佐藤 蓮
ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16
Honda CIVIC TYPE R-G
ARTA
BS822:03'31.22643.007 1.692
1064伊沢 拓也
大草 りき
Modulo CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
Modulo Nakajima Racing
DL812:03'12.0751Lap 1Lap
11*12平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
MARELLI IMPUL Z
NISSAN Z GT500
TEAM IMPUL
BS812:03'16.1261Lap 4.051
1224松田 次生
名取 鉄平
リアライズコーポレーションADVAN Z
NISSAN Z GT500
KONDO RACING
YH812:03'55.4241Lap 39.298
1319国本 雄資
阪口 晴南
WedsSport ADVAN GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM WedsSport BANDOH
YH792:03'58.0973Laps2Laps
---- 以上規定周回数(57 Laps)完走 ----
-*14大嶋 和也
福住 仁嶺
ENEOS X PRIME GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500
TGR TEAM ENEOS ROOKIE
BS432:03'42.52639Laps36Laps
-17塚越 広大
太田 格之進
Astemo CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
Astemo REAL RACING
BS0no time82Laps43Laps
  • Fastest Lap: CarNo. 36 坪井翔(au TOM'S GR Supra) 1'20.674 (11/31) 165.243 km/h
  • CarNo. 12(ベルトラン・バゲット)は、SpR 13.1(危険なドライブ行為)により、ドライビングスルーペナルティーを科した。
  • CarNo. 14(大嶋和也)は、SpR 13.1(危険なドライブ行為)により、ドライビングスルーペナルティーを科した。

■GT300クラス

OKAYAMA GT 300km RACE -RIJ- (2024/04/14) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2024 AUTOBACS SUPER GT Round 1 GT300 class 岡山国際サーキット 3.703km

PosNoDriverCar
Maker Model
Team
TireLapTimeBehindGap
12堤 優威
平良 響
muta Racing GR86 GT
TOYOTA GR86
muta Racing INGING
BS772:03'34.432--
265蒲生 尚弥
篠原 拓朗
LEON PYRAMID AMG
Mercedes AMG GT3
K2 R&D LEON RACING
BS772:03'39.327 4.895 4.895
37荒 聖治
ニコラス・クルッテン
Studie BMW M4
BMW M4 GT3
BMW M Team Studie × CRS
MI772:03'55.06020.62815.733
452吉田 広樹
野中 誠太
Green Brave GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
埼玉Green Brave
BS772:03'59.33024.898 4.270
531小高 一斗
中村 仁
apr LC500h GT
TOYOTA LEXUS LC500h
apr
BS762:03'02.2841Lap 1Lap
696新田 守男
高木 真一
K-tunes RC F GT3
TOYOTA LEXUS RC F GT3
K-tunes Racing
DL762:03'04.3501Lap 2.066
787松浦 孝亮
坂口 夏月
METALIVE S Lamborghini GT3
Lamborghini HARUCAN GT3
JLOC
YH762:03'07.5731Lap 3.223
888小暮 卓史
元嶋 佑弥
JLOC Lamborghini GT3
Lamborghini HARUCAN GT3 EVO2
JLOC
YH762:03'22.2651Lap 14.692
94谷口 信輝
片岡 龍也
グッドスマイル初音ミクAMG
Mercedes AMG GT3
GOODSMILE RACING & TeamUKYO
YH762:03'22.6391Lap 0.374
106片山 義章
ロベルト・メルヒ・ムンタン
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI
Ferrari 296 GT3
Team LeMans
YH762:03'23.4591Lap 0.820
1145ケイ・コッツォリーノ
リル・ワドゥー
PONOS FERRARI 296
Ferrari 296 GT3
PONOS RACING
MI762:03'24.9391Lap 1.480
1260吉本 大樹
河野 駿佑
Syntium LMcorsa GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
LM corsa
DL762:03'25.4841Lap 0.545
1320平中 克幸
清水 英志郎
シェイドレーシングGR86 GT
TOYOTA GR86
SHADE RACING
MI762:03'35.3201Lap 9.836
1425菅波 冬悟
松井 孝允
HOPPY Schatz GR Supra GT
TOYOTA GR Supra
HOPPY team TSUCHIYA
YH762:04'02.3231Lap 27.003
15*56佐々木 大樹
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
KONDO RACING
YH762:04'04.6051Lap 2.282
1618小林 崇志
小出 峻
UPGARAGE NSX GT3
Honda NSX GT3
TEAM UPGARAGE
YH752:01'54.6142Laps1Lap
1750イゴール・オオムラ・フラガ
古谷 悠河
ANEST IWATA Racing RC F GT3
TOYOTA LEXUS RC F GT3
ANEST IWATA Racing with Arnage
YH752:03'05.0862Laps1'10.472
1862平手 晃平
平木 湧也
HELM MOTORSPORTS GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
HELM MOTORSPORTS
YH752:03'05.3782Laps 0.292
19777藤井 誠暢
マルコ・ソーレンセン
D'station Vantage GT3
Aston Martin Vantage GT3 EVO
D'station Racing
DL752:03'48.5832Laps43.205
20360大滝 拓也
青木 孝行
RUNUP RIVAUX GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
TOMEI SPORTS
YH752:03'52.4462Laps 3.863
21*9阪口 良平
冨林 勇佑
PACIFICぶいすぽっNAC AMG
Mercedes AMG GT3
PACIFIC RACING TEAM
YH752:03'59.7392Laps 7.293
225藤波 清斗
塩津 佑介
マッハ車検エアバスターMC86マッハ号
TOYOTA 86 MC
TEAM MACH
YH732:02'48.3464Laps2Laps
2330永井 宏明
小林 利徠斗
apr GR86 GT
TOYOTA GR86
apr
YH722:02'55.0595Laps1Lap
24*48井田 太陽
柴田 優作
脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT3
NILZZ Racing
YH722:03'33.2555Laps38.196
2522和田 久
加納 政樹
アールキューズAMG GT3
Mercedes AMG GT3
R'Qs MOTOR SPORTS
YH722:03'43.1595Laps 9.904
26*61井口 卓人
山内 英輝
SUBARU BRZ R&D SPORT
SUBARU BRZ GT300
R&D SPORT
DL661:48'32.94111Laps6Laps
---- 以上規定周回数(53 Laps)完走 ----
  • Fastest Lap: CarNo. 61 山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT) 1'28.018 (4/36) 151.455 km/h
  • CarNo. 9(冨林勇佑)は、SpR附則3.16(SC中のピットイン)は、SpR附則3.16(SC中のピットイン)により、ペナルティーストップ60秒を科した。
  • CarNo. 48(柴田優作)は、SpR附則3.16(SC中のピットイン)は、SpR附則3.16(SC中のピットイン)により、ペナルティーストップ60秒を科した。
  • CarNo. 61(山内英輝)は、SpR 13.1(危険なドライブ行為)により、ドライビングスルーペナルティーを科した。
  • CarNo. 48(井田太陽)は、SpR附則4.2.2(FCY中の減速違反)によりドライビングスルーペナルティーを科したが、SpR.13.10(ペナルティ未消化)により、決勝結果に40秒を加算した。
  • CarNo. 56(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、SpR.13.11(複数回の黒白旗)により、決勝結果に40秒を加算した。

SUPER GT

第1戦岡山決勝 GT500は36号車au TOM'S GR Supraが優勝 トヨタGRスープラが1-2フィニッシュ!!

GT500クラスで優勝した坪井翔/山下健太組(au TOM\'S GR Supra)

 2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月14日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が他を寄せ付けない速さでスタートから逃げ切り、見事ポール・トゥ・フィニッシュを達成した。

(観客動員数:予選日8,500人/決勝日15,500人/大会総入場者数24,000人)

 第1戦決勝は午後1時30分より82周で行われた。スタート時点の気温は26℃、路面温度は39℃だ。

 なお前日の予選Q1でタイム抹消となり、Q2への出走を見合わせた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8は規定によりピットスタートとなったため、岡山県警の先導によるパレードランを終えるとそのままピットイン、若干量の給油をおこなって最後尾で戦列に加わった。

GT500クラスのスタートシーン

 スタートでトップに立ったのはポールシッターの坪井翔(au TOM'S GR Supra)。予選2番手の関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が2位、3番手の牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が3位、大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が4位とここまでは予選順位通りだ。

 しかしその後方では予選6番手のロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z)が大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)に押し出される形で1コーナー立ち上がりで膨らみ、9位まで順位を落とす。

1周目のアクシデントでリタイアした太田格之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT)

 14号車の大嶋はベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z)とのバトルの末、12号車に押し出される格好でリボルバーの立ち上がりでスピン、これを避けきれなかった太田格之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT)が14号車に追突してしまい、コース外でストップしてしまった。

 またGT300クラスでも2台がアトウッドカーブで接触して1台がコースを飛び出すアクシデントが発生したため、早くも2周目からセーフティーカーが入った。

 14号車はリヤフェンダーとカウルにダメージを負っており、12号車も右フロントにダメージ。このためSC中に2台はピットに戻ってきたが、12号車がガムテープでの補修でコースに復帰したのに対し、14号車はガレージで大掛かりな修復作業をすることになり、コースに戻った時には39周遅れとなっていた。なおこの接触により12号車にはドライビングスルーペナルティが課せられることになった。

 7周終わりでSCはピットイン。8周目からレースは再開となる。すかさず逃げを打つ36号車の坪井の後方では39号車の関口、100号車の牧野、38号車の大湯が接近戦を展開。高星明誠(Niterra MOTUL Z)が5番手で続く。

 トップの坪井は12周を終えたところで3秒628のリード。その後ろで展開されている2位争いには3号車の高星も加わってきた。

 14周目のヘアピンで38号車の大湯がアウトから100号車の牧野に並びかける。押さえる牧野。すかさずリボルバーでインを狙って行く大湯。ここでも押さえる牧野。しかし18周目のアトウッドカーブで大湯は牧野にアウトから被せ、3位に浮上する。

 後方ではピットスタートを選択した野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)がSC導入にも助けられて着実に順位を上げていき、20周目の1コーナーで伊沢拓也(Modulo CIVIC TYPE R-GT)のインに飛び込んで10位に浮上。21周目には名取鉄平(リアライズコーポレーションADVAN Z)をも捉えて9位に浮上すると、後半を担当した松下信治も46周目に12号車を攻略して8位に浮上、見事ポイント圏内でフィニッシュしてみせた。

 一方、トップの36坪井は20周終わりで9秒667。規定周回の3/1を超える28周終わりには12秒071と着実にリードを広げていった。

 29周目には38号車と100号車が同時にピットに飛び込むが、ここで38号車は右フロントの交換に手間取ってしまい、100号車の先行を許してしまった。

 2位の39号車は31周終わりで23号車、64号車と共にピットイン。

 トップの36は32周終わりでピットイン。山下に交代する。これで暫定トップは笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)に。笹原はトップの山下と比較しても遜色のないペースで53周目まで引っ張り、ようやくジュリアーノ・アレジに交代。この作戦が功を奏して37号車は予選11番手から7位でフィニッシュすることに成功している。

 これでトップに返り咲いた36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は55周目に8秒213。70周目には7秒418、75周目には10秒421と着実にリードを広げていき、最後は2位以下に11秒011の大差をつけてチェッカーを受けた。これによりTGR TEAM au TOM'Sは昨年の第7戦オートポリスから負け無しの三連勝を達成。39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が100号車の追撃を退けて2位でフィニッシュしたことにより、トヨタGRスープラは開幕戦を1-2フィニッシュで飾ることとなった。

 また惜しくも3位に終わった100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)だが、シビックType Rのデビュー戦での表彰台獲得は必要最低限の結果だったとも言えるだろう。

 次戦の舞台はシリーズ最大の観客動員数を誇る富士スピードウェイ。5月4日に今季初の3時間レースが行われる。

F-15のウエルカムフライト

白バイ隊のパレード

GT500クラス優勝はau TOM\'S GR Supra(坪井翔/山下健太)

GT500クラス決勝2位はDENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)

GT500クラス決勝3位はSTANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)

GT500クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山決勝 GT300クラスはタイヤ無交換が的中した2号車muta Racing GR86 GTの作戦勝ち

GT300クラスで優勝した堤優威/平良響組(2号車・muta Racing GR86 GT)

 4月14日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」のGT300クラス決勝は、予選2番手からタイヤ無交換作戦を敢行した2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が待望の勝利を挙げた。

GT300クラスのスタートシーン

 第1戦決勝はポールシッターの篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)がスタートからトップを快走。予選2番手の平良響(muta Racing GR86 GT)が2位、井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が3位と序盤は予選順位のままでオープニングラップを完了する。その後方では和田久(アールキューズAMG GT3)に柴田優作選手(#48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R)がアトウッドカーブで追突、22号車がコースを飛び出すアクシデントが発生し、セーフティーカー導入の一因となっている。

 8周目にセーフティーカーがピットインし、レースが再開されると、トップ3には変動はないものの、その後方では片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)を荒聖治(Studie BMW M4)が猛追する熾烈な4位争いが展開される。

 片岡は荒の猛攻を退けつつ、3位61号車との差を詰めていき、29周目にこれを捉えて3位に浮上する。

 33周目には2位の2号車がピットイン。タイヤ無交換で平良から堤優威に交代する。3位の4号車もこの周でピットイン、タイヤ交換を行って谷口信輝に交代した。

 一方、トップの65号車は50周目まで引っ張ってようやくピットイン。タイヤ4本を交換して蒲生尚弥が吉田広樹(Green Brave GR Supra GT)の後ろ、3位でコースインした。52号車も25周目のピットインでタイヤ無交換作戦を敢行しており、順位を上げることに成功していた。

 これでトップに立ったのは堤優威(muta Racing GR86 GT)だ。

 後方では藤波清斗(マッハ車検エアバスターMC86マッハ号)と井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が8位争いをしていたが、59周目のダブルヘアピンで山内が藤波に追突してしまい、5号車はスピン。藤波がコース復帰に手間取ったこともあり、競技団からはFCYが宣言される。これにより5号車は22位まで後退することとなった。

 一方、3位に後退していた65蒲生は消耗したタイヤで周回を重ねる52号車を追い詰めていき、65周目のヘアピンでアウトから並びかけ、続くリボルバーでインを取って2位に浮上する。

 しかしトップの2号車との間には大きなギャップができており、蒲生は1周あたり1秒以上上回るペースで追い上げを図ったもののついに2号車のテールを捉えることはできなかった。

 この結果、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)はコンビ結成以来初の勝利をここで達成、2位には65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が続き、71周目のヘアピンで52号車を捉えた7号車Studie BMW M4(荒聖治/ニコラス・クルッテン)が3位に入った。

GT300クラス優勝はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

GT300クラス2位はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)

GT300クラス3位はStudie BMW M4(荒聖治/ニコラス・クルッテン)

GT300クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山優勝会見 坪井翔「第1戦、第2戦、第7戦、第8戦の4つを取りに行く」

GT500クラス 36号車au TOM'S GR Supra(TGR TEAM au TOM'S)

坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)

決勝記者会見:GT500クラスで優勝した坪井翔(TGR TEAM au TOM\'S)

 「3連勝ってGTではまずできることではないので、ここまでできたのはチームと、相方の山下選手と、みんなの力だと思うので、今回はすごく良かったと思います」

 「僕のスティントはセーフティーカーのあとのリスタートで3秒くらい離せたのかな、あれがかなり効いて余裕が生まれました。最初にチームと山下選手から『20秒ちぎってくれ』と言われていましたが、10秒ちょっとしかちぎれなかったので『あとは山下選手頼む』という感じでした」

 「次まではまだ(勝機が)あると思います。富士ですし。ですので第1戦、第2戦、第7戦、第8戦の四つを取れれば自ずと(チャンピオンが)見えてくると思いますので、この4つを取りに行くます」

山下健太(TGR TEAM au TOM'S)

決勝記者会見:GT500クラスで優勝した山下健太(TGR TEAM au TOM\'S)

 「本当に内容的にいいレースで、チームにも坪井選手にも本当に感謝しています」

 「自分のスティントは、坪井選手が10秒くらい(リードを)築いてくれたのもあって、割と余裕を持って走れました。長いスティントだったので、チームから『タイヤをしっかりマネージしてね』と言われており、かなりマネージしたつもりでしたが、ちょっとやりすぎて4秒差くらいまで詰められる場面もありました。最後はもういいかなと思ってペースを上げて、10秒くらいまで差を広げられましたので、組み立てとしてはまあ良かったのかなと思いました」

GT300クラス 2号車muta Racing GR86 GT(muta Racing INGING)

平良響(muta Racing INGING)

決勝記者会見:GT300クラスで優勝した平良響(muta Racing INGING)

 「初優勝ということで非常に嬉しいです。去年は悔しい2位が何回もあったので、今年こそは、と挑んだシーズンでした。優勝で始めるシーズン、非常に流れがいいのかなと思います」

 「スタートしてからは65号車を追っていく形でしたが、僕らは最初からタイヤ無交換でいく作戦だったので、タイヤを痛めず、残したまま堤選手に渡そうかなと。最後に周回遅れの集団にひっかったタイミングでピットに入れたので、非常にいいタイミングだったなと思います。その辺はチームとの連携がうまく取れましたし、自分の判断も良かったと思います」

堤優威(muta Racing INGING)

決勝記者会見:GT300クラスで優勝した堤優威(muta Racing INGING)

 「非常に嬉しく思います。昨年は2位を3回取りましたが、勝てないシーズンを送ったので、開幕戦で勝てたことは非常に良かったです」

 「レース展開としては、最初から無交換でいくとチームから聞いていましたが、正直乗っていても非常にキツくて、ライバルとしては埼玉(トヨペット)勢を目安としてタイムを見ていましたが、タイムがどんどん落ちていく中で、どうやって走るかを自分なりに試しながら走って、なんとかLEONに追い付かれずに勝てたというところで。平良選手からもらったギャップがあったので、少しは楽に走れましたが、少しのミスも許されない展開で、非常に疲れました」

※ なお、会見前に行った抽選により、第2戦の公式予選Q1ではGT300クラスはグループB(このレースの決勝順位偶数のチーム)が先に走行することが決まった。

決勝フォトセッション:両クラスのウイナー

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

第1戦岡山GTA定例会見 新たなシリーズパートナーにPONOS、シリーズスポンサーにアサヒビールが参画

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は4月14日に岡山国際サーキットで行われた定例会見の中で、ポノス株式会社がシリーズパートナーに、アサヒビール株式会社がシリーズスポンサーに加わったことを発表した。

 ポノスは「にゃんこ大戦争」をはじめとしたゲーム事業を展開している会社で、モータースポーツにおいても過去にトムスをスポンサードしており、現在もスーパーフォーミュラにおいてはナカジマレーシングのメインスポンサーとなっているほか、スーパーGTにもポノスレーシングとしてGT300クラスに参戦、この岡山大会でも11位と善戦した。また代表取締役の辻子依旦氏自身もドライバーとしてレースに参戦しており、先日鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリで併催されたポルシェカレラカップ・ジャパンではアマチュアクラス3位入賞を果たした実力を持つ。

 またアサヒビールは「アサヒスーパードライ」をはじめとしたビール類、酒類の製造販売を行う会社として広く知られており、今回はノンアルコールのビールテイスト飲料「ドライゼロ」のプロモーションの一環としてスーパーGTをスポンサードするほか、第2戦富士、第3戦鈴鹿、第4戦富士そして第5戦鈴鹿の4大会において特設ブースを開設してサンプリングを行うという。

 会見にはポノスの辻子依旦代表取締役と、アサヒビールからは村尾雄一副部長が出席。今回スーパーGTをサポートすることになった経緯と狙い、今後の展開について語った。

ポノス代表取締役 辻子依旦氏のコメント

坂東代表とポノスの辻子代表取締役

 「我々はゲーム事業を軸としてエンタメ事業を展開しており、スーパーGTにもポノスレーシングとして参加しております。このタイミングでレース事業を軸にしていきたいなと思い、多くの方に知っていただくきっかけになればと参画させていただくことになりました」
アサヒビールマーケティング本部新価値創造推進部 担当副部長村尾雄一氏のコメント

アサヒビールの村尾副部長と坂東代表

 「スーパーGTさんは今年で30周年を迎えられるということで、そういった節目の年に参加できることを非常に嬉しく思っております。ドライゼロは今年『気持ちアガる瞬間に』というテーマのもとにさまざまなプロモーションを展開しております。私も昨年の最終戦を視察させていただきまして、レースの迫力、サーキットの持つ高揚感、熱狂的な団の姿を目にし、ブランドの持つ世界観と一致するなということで協賛することにいたしました。自動車ファンが多いということもあり、ノンアルコールのドライゼロならではのことを考えられないかと、4大会においてブースを出展し、ドライゼロに氷を入れて飲んでいただくという体験の場を作っていきたいと考えております」
GTA代表取締役 坂東正明氏のコメント
 「また新たにパートナーを迎えることができて嬉しく思います。お互いにWin-Winになれる関係を作り上げ、モータースポーツをより一層知っていただければと思います。我々がより多くのお客さんをここに集めて見ていただける状態を作り上げれば、自ずから投資をしていただける皆さんも増えていくと思います。どうやってその環境を作っていくか。ここへくるお客さんに満足してもらって、またスーパーGTに来てみたいと思ってもらえるかをきちんと作り上げれば、パートナーの皆さんにもお返しができると思いますし、モータースポーツがより盛り上がると思います」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士公式予選結果

富士チャンピオンレースシリーズ第1戦 -RIJ- (2024/04/13) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2024 筑波/富士スーパFJ選手権シリーズ Round 2 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverCar
Maker Model
TimeBehindGapkm/h
115黒川 史哉ZAP SPEED 10V
TOKYO R&D RD10V
1'51.176--147.755
273センドラ瀬戸 アレックス翔太TRS・10V・ED
TOKYO R&D RD10V
1'51.195 0.019 0.019147.730
314伊藤 駿ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
1'51.238 0.062 0.043147.673
4*53石井 大雅ファーストガレージ制動屋S2
MYST KK-S2
1'51.767 0.591 0.529146.974
5*11梅本 幸汰Rn-sports制動屋KK-S2
MYST KK-S2
1'51.954 0.778 0.187146.728
622内藤 大輝RaiseUP RCIT ED
MYST KK-S2
1'52.039 0.863 0.085146.617
755酒井 翔太ファーストガレージKK-SII
MYST KK-S2
1'52.157 0.981 0.118146.463
88M1野村 大樹WRS NOMURA KKS-II
MYST KK-S2
1'53.288 2.112 1.131145.000
938M2畠山 退三ZAP SPEED KK-S2
MYST KK-S2
1'53.460 2.284 0.172144.781
103M3秋山 健也スーパーウィンズKKS・ED
MYST KK-S
1'53.886 2.710 0.426144.239
1147M4山根 一人光精工TK-Sport MYST
MYST KK-S2
1'53.951 2.775 0.065144.157
1218水谷 誠HC桶川MRPYTT ZAP ED
TOKYO R&D RD10V
1'55.423 4.247 1.472142.318
1325M5フェリペ昌WRS MASA KKS-II
MYST KK-S2
1'56.636 5.460 1.213140.838
---- 以上基準タイム(130% - 2'24.563)予選通過 ----
  • CarNo. 53は、一般競技規則第5章第17条3(走路の安全規定、走路外走行複数回)により、予選結果より5グリッド降格のペナルティーを科す。
  • CarNo. 11は、一般競技規則第5章第17条3(走路の安全規定、走路外走行複数回)により、予選結果より3グリッド降格のペナルティーを科す。

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士予選 不調を脱した黒川史哉が連勝を狙うセンドラフナトアレックス翔太を残り50秒で下してポールポジション獲得

ポールポジションは黒川史哉(ZAP SPEED 10V)

 2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第2戦公式予選が4月13日(土)に富士スピードウェイで開催され、黒川史哉(ZAP SPEED 10V)が終盤のタイムアタックで1分51秒176を叩き出し、開幕戦優勝で好調の波にのるセンドラフナトアレックス翔太(TRS・10V・ED)に0.019秒の差でポールポジションを獲得した。

 標高の高い富士スピードウェイではコース脇では桜が咲き誇っている。4月らしいうららかな陽気で天気は快晴。午前8時30分の予選開始時点で気温は14度のドライコンディションだ。13台がドライタイヤでコースインすると20分間の予選が開始された。

 残り15分となったころから各車タイムアタックを開始、まずアレックスが1分52秒896のトップタイムを出すと、すぐさま黒川が1分52秒105でトップに立つ。黒川は前戦筑波では不調を訴えていたが、その後タイヤに起因するものと分かり自信を取り戻した模様だ。3番手は前戦がデビューレースだった石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)の52秒902。4番手にルーキーの酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)が53秒257でつけたが、すかさず2020年筑波王者の伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)が1分53秒016をマークして酒井を逆転する。6番手はジェントルマンクラス首位の野村大樹(WRS NOMURA KKS-II)ジェントルマンクラス2番手は今回も旧型のKKSを持ち込んだ秋山健也(スーパーウインズKKS-ED)が全体9番手。

 残り12分、石井が自己ベストを1分52秒180まで縮めて2番手へ浮上。アレックスに続く4番手には梅本幸次(Rn-sports制動屋KK-S2)が52秒521でつけるが、すぐに伊藤が52秒501で逆転。

 残り10分、石井が1分51秒839と1分51秒台に入れてトップ、アレックスも51秒867で2番手に立つが、すぐに黒川が51秒618でトップの座を奪い返す。黒川は最高速が212.598キロ/hと唯一時速210キロを超えている。石井2番手で伊藤が51秒850で3番へ割り込んでアレックスは4番手へドロップと目まぐるしく順位が入れ替わる。

 残り8分、それまで7位以下に沈んでいた酒井が1分52秒237で5番手へあがり、6番手には上位の常連、内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)が52秒368で続く。

 さらに残り7分で伊藤が51秒589でトップに躍りでる。伊藤も前戦ではタイヤに苦しんでいたが今回は好調なようだ。黒川も51秒602と自己ベストを更新するが0.013秒の差で2番手。以下石井~アレックス~酒井~内藤と続く。

 2位番手に陥落した黒川だったが続く周回で1分51秒415を出して再び首位を奪回。しかし残り4分30秒、アレックスが51秒195をマークして黒川に0.2秒以上の差でトップへ。さらに伊藤が51秒238で2番手へ。黒川3番手へダウン。伊藤はここが限界とみたか2分を残してピットイン。

 黒川は次の周回で51秒254までタイムを削るがアレックスに0.059秒及ばず3番手のまま。これで予選も確定かと思った残り50秒。コントロールラインを通過した黒川のタイムは1分51秒176。アレックスを0.019秒上回りポールポジションを獲得。連勝を目指すアレックスがフロントロウに並び、伊藤3番手、石井4番手、梅本5番手、内藤6番手という結果に。

 しかしその後、走路外走行複数回の判定で石井は5グリッド、梅本は3グリッドそれぞれ降格となり、内藤が4番手、セカンドロウを確保。5番手には酒井、そして6番手にジェントルマンクラストップの野村が並ぶこととなった。以下7番手にジェントルマンクラス2位の畠山退三(zap speed KK-S2)梅本は8番手へ降格、同じく9番手に降格の石井とジェントルマンクラス3位の秋山が5列目に並んだ。

 決勝は午前11時40分コースイン予定。トップ黒川から3番手伊藤まで0.062秒の差しかなく、メインストレートでのスリップストリーム合戦が勝負のあやとなる富士スピードウェイでは最後まで激しいポジション争いが見られそうだ。

予選2位はセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

予選3位は伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

予選4位は内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

予選5位は酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

予選6位、マスタークラスPPの野村大樹(WRS NOMURA KKS-II)

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士公式予選ドライバーコメント 3位・伊藤駿「スリップを使ってないので、このタイムなら上出来」

ポールポジション 黒川史哉(ZAP SPEED 10V)1分51秒176

ポールポジションの黒川史哉(ZAP SPEED 10V)

 「今回の新品のタイヤで中々データがなくて、昨日初めてはいてどうかなって感じだったので、正直不安もあったのですけれど、なんとかポール取れてよかったです。(タイムは満足?)ギリ50秒台入るかなという予想ではあったのですけれど、最後に僕が第3セクターのミスがあって、51秒止まりにはなったのですけれど、でもまぁよかったんじゃないかな。(スリップストリームは効いた?)どうなんだろう?ベストタイムが出た周はちょっと前が間が開いていたので」

2位 センドラフナトアレックス翔太(TRS・10V・ED)1分51秒195 +0.019秒

予選2位のセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 「ベストタイムの周が、ファーストガレージのスリップを取っている周で、それまで前半は向うが僕のスリップ使って、後半は僕が使う感じで。だけどその僕がベストの周は向うが第3セクターのシケインの前でミスして、そこから僕はスリップなしで単独だったので、そこがスリップがあればもっとタイムは出ていたかな、と思います。(まだまだ行ける感じだった?)あとギアの問題もあって、そこはわからないですね。(富士は初めて?)初めてです、まぁ楽しいサーキットですね、好きなコースです」

3位 伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)1分51秒238 +0.062秒

予選3位の伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

 「何だかんだ0.06秒以内なので、しかも一人で走ってスリップ(ストリーム)使って走っていないので、それでこのタイムなら上出来だろうと、最高ですね。前回の不調が自分のせいではないとわかって満足です」

4位 内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)1分52秒039 +0.863秒

予選4位の内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

 「富士自体が一昨年の日本一決定戦以来で、予選ぶっつけだったので、正直思ったよりタイム出ていたので、そこはよかったのですけれど。もうちょい(タイムが)出る感じだったので、ちょっと前に引っかかったりと、位置取りでうまく行かない所があって。決勝はもう少し前で戦えるかな、というイメージがあります。富士はスリップ効く分筑波よりバトルもできると思うので、前の方とバトルして、もう少し前(の順位)で終われたらいいかな、と思います」(6位→4位へ繰り上がり)

5位 酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)1分52秒127 +0.981

予選5位の酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

 「昨日初めてS-FJでドライブして、ずっと単独走行になっちゃって、ラインも分からないままで予選だったのですけれど、前のクルマのラインを見て自分も走り方を変えて、昨日よりはタイムも上がってきているので、決勝まもう少しそこにアジャストできれば、いいのかなって思っています」(7位→5位へ繰り上がり)

8位 梅本幸次(Rn-sports制動屋KK-S2)1分51秒954 +0.778秒

予選8位の梅本幸汰(Rn-sports制動屋KK-S2)

 「富士のレースは2回目です。(タイムはどうだった?)51秒台は練習で出ていなかったので出そうと思っていて、そこはクリアできましたですけれど、四脱(走路外走行)が多かったのと、第2セクターで1回34秒台入っていたのに、そのベストのラップがミスっていて、そこをまとめていたらもっと上に行ったかな、とは思うのですけれど。調子自体は悪くはないですけれど、もっとまとめたかったです。決勝はスタート決めて表彰台狙えるように頑張りたいです」(ペナルティで3グリッド降格 5位→8位)

9位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)1分51秒787 +0.591秒

予選9位の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

「富士は初めてです。けっこう楽しいですけれど、タイムを見るとセクター2のタイムが遅れているので、そこは改善できれば、と昨日までは思っていたのですけれど、全然だめでした。スリップは使えて。富士ならではの楽しい部分は経験できました。決勝はセクター2を改善できるようにまた勉強して、活かせるように頑張ります」(ペナルティで5グリッド降格 4位→9位)

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士決勝結果

富士チャンピオンレースシリーズ第1戦 -RIJ- (2024/04/13) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 筑波/富士スーパFJ選手権シリーズ Round 2 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Maker Model
LapTimeBehindGap
173センドラ瀬戸 アレックス翔太TRS・10V・ED
TOKYO R&D RD10V
1222'31.644--
214伊藤 駿ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
1222'31.774 0.130 0.130
315黒川 史哉ZAP SPEED 10V
TOKYO R&D RD10V
1222'33.045 1.401 1.271
453石井 大雅ファーストガレージ制動屋S2
MYST KK-S2
1222'38.059 6.415 5.014
555酒井 翔太ファーストガレージKK-SII
MYST KK-S2
1222'46.08814.444 8.029
622内藤 大輝RaiseUP RCIT ED
MYST KK-S2
1222'46.12414.480 0.036
711梅本 幸汰Rn-sports制動屋KK-S2
MYST KK-S2
1222'48.76317.119 2.639
838M1畠山 退三ZAP SPEED KK-S2
MYST KK-S2
1223'01.48429.84012.721
93M2秋山 健也スーパーウィンズKKS・ED
MYST KK-S
1223'02.99331.349 1.509
1047M3山根 一人光精工TK-Sport MYST
MYST KK-S2
1223'03.74332.099 0.750
118M4野村 大樹WRS NOMURA KKS-II
MYST KK-S2
1223'19.47247.82815.729
1225M5フェリペ昌WRS MASA KKS-II
MYST KK-S2
1223'43.0561'11.41223.584
1318水谷 誠HC桶川MRPYTT ZAP ED
TOKYO R&D RD10V
1223'46.3171'14.673 3.261
---- 以上規定周回数(90% - 10 Laps)完走 ----
  • Fastest Lap: CarNo. 53 石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2) 1'51.802 (12/12) 146.928 km/h

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士決勝 ドッグファイトの末に最終コーナーからの立ち上がりに賭けたセンドラフナドアレックス翔太が優勝

トップ3のドライバー

 2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第2戦決勝が4月13日(土)に富士スピードウェイで行われ、12周のレースは富士らしいスリップストリーム合戦の末にフロントロウからスタートのセンドラフナドレックス翔太(TRS・10V・ED)が伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)を0.130秒差で振り切って優勝、前戦筑波に続いての開幕2連勝を飾った。

 予定より10分ほど遅れて決勝は正午ちょうどにフォーメーションラップ開始。気温は18度で絶好のドライコンディションだ。13台全車がグリッドに並んでレーススタート。

決勝のスタートシーン

 ポールポジションから発進の黒川史哉(ZAP SPEED 10V)は蹴り出し良くホールショットを奪ってTGRコーナーにトップで飛び込んだのに対して、フロントロウに並んでいたアレックスは出遅れて3番手スタートの伊藤に2位を奪われてターンイン。しかしアレックスはただちに追撃態勢をとって伊藤の背後につける。後方では9番手スタートの石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)がエンジンストールでグリッドに取り残される。予選4番手タイムを出していながら走路外走行のペナルティで5グリッド降格の憂き目を見ていた石井はさらに最後尾からレースを戦うことに。

 スタートこそ失敗したもののアレックスは伊藤にプレッシャーをかけ続けると最終コーナーをテール・ツー・ノーズ状態で立ち上がり、スリップストリームから右サイドに抜け出して伊藤に並びかけると0.027秒と僅かに前に出て2位を奪い返してオープニングラップを終了。2台のバトルの間にトップ黒川は0.668秒の差をつけている。4位はTGRコーナーで3ワイドから抜け出した酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)がひとつポジションを上げ、5位には降格で8番グリッドからスタートの梅本幸次(Rn-sports制動屋KK-S2)がジャンプアップ、逆にTGRコーナーで順位を落としたのが内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)で6位にダウン。しかし内藤はダンロップコーナー進入のブレーキングで逆転。梅本の前に出る。

 2周目、さっそくアレックスはトップ黒川の追撃を開始し、0.398秒差までギャップを削り取る。3位伊藤もアレックスを追走、0.388秒差につけると3周目のコントロールライン上では0.044秒差に接近、隙あらば仕掛けるそぶりを見せつけ続ける。上位3台からやや離されて4位争いも激化、3周目に内藤が4位に浮上するも0.232秒差で酒井、0.062秒差で梅本と続き、3ワイドで4周目のTGRコーナーにアプローチ。並走のままでコカ・コーラコーナーに飛び込むと梅本が痛恨のスピン、4位争いからは脱落。ジェントルマンクラストップの畠山退三(zap speed KK-S2)に続く8位でコースに復帰。こうした中団の混戦に乗じてポジションを上げているのがスタートを大失敗した石井で、11位まで挽回して1周目を終えると3周目には8番手まで進出。4周目にはここまでファステストラップとなる1分52秒024で6位までポジションを戻す。

 その4周目の第3セクターではトップ争いが勃発。ダンロップコーナー進入でアレックスがオーバーテイクに成功、首位に立つ。さらに伊藤も黒川に襲いかかり、最終コーナー立ち上がりで2位を奪い取ると、スリップストリームに引っ張られた勢いでアレックスに接近、一気に並びかけるとコントロールライン上では僅かに前に出て0.005秒の差でトップ躍り出る。これで黒川は3位にドロップ。伊藤はトップに立ったものの、アレックスからの激しいプレッシャーにさらされて逃げを打てない状態。一方3位黒川は様子見を決めたか2台からやや間合いを取る。アレックスはストレートで並ぶとトップを奪い返して5周目を終了。伊藤は0.018秒差、黒川は1秒以上の差をつけられている。4位内藤、5位酒井と続き、石井はこの周も51秒921とただ一人1分51秒台に入れてファステストラップを更新、酒井に1.231秒差まで接近。台風の目となりつつある。

 6周目もトップ2台は依然としてテール・ツー・ノーズ状態。ここで伊藤が焦れたのか7周目のコカ・コーラコーナー出口でアウト側にはみ出すがそこで踏みとどまる。これでアレックスとの差が0.6秒まで拡がるが、伊藤は再び追い上げを開始。8周目には0.113秒差と再びテール・ツー・ノーズ状態へ持ち込む。さらにこれをチャンスとみたか黒川もスパート。1分51秒829のファステストラップで0.664秒差まで伊藤に近づく。4位争いも再燃、内藤~酒井~石井が0.195秒以内のワンパックとなり3ワイドでストレートを通過するとそのままTGRコーナーからコカ・コーラコーナーまで並走。ここでポジションが入れ替わり石井4位、酒井が続き内藤は6位に落ちるがただちにリカバリ、第2セクターで酒井をかわして5位へ、酒井は6位。この2台がバトルしている間に石井は1.6秒までギャップをひろげて単独4位に持ち込む。

 9周目、ストレートでアレックスに並びかけた伊藤はTGRコーナー進入でオーバーテイク。再度トップに立つがアレックスが激しくプレッシャーをかけ、最終コーナー立ち上がりからスリップストリームに入ると並びかけてオーバーテイク、0.126秒差でトップの座を奪回する。伊藤も負けじと10周目のTGRコーナー進入でインから差し返すがここはアレックスが守り切る。3位黒川は0.961秒の差。アレックスと伊藤の接近戦は続き、10周目のコントロールを0.014秒差で通過するとサイド・バイ・サイドでTGRコーナーへ、ここでイン側を取った伊藤が再び前に出ると、そのままポジションを守って0.068秒差でファイナルラップへ突入。黒川はこの2台について行けず1.5秒の差。さらに5秒以上の差で石井が単独4位、5位内藤と6位酒井は依然として0.386秒差の接近戦が続く。ジェントルマンクラスは全体8位の秋山健也(スーパーウインズKKS-ED)がトップ、しかしクラス2位の畠山が0.014秒差とこちらもテール・ツー・ノーズ状態。

 ファイナルラップ、アレックスはコーナーごとに伊藤をつけ狙うが伊藤もスキを見せない。じりじりとした膠着状態のまま最終セクターへ。伊藤のテールに食らいついたアレックスが最終コーナーをクリア、スリップストリームから抜け出すと2台はフィニッシュラインに向けてサイド・バイ・サイドで身をよじるようにドラッグレースを展開。僅かにアレックスが前に出た状態でチェカードフラッグの下を通過、0.130秒の差で伊藤を振り切って優勝を飾った。伊藤は僅かに届かず2位。黒川3位と続き4位石井はファイナルラップにもファステストラップを更新、予選のペナルティ、スタートでのエンジンストールで最下位まで落ちたものの9台抜きを演じた。5位争いはストレートで内藤を仕留めた酒井が制し内藤6位。ジェントルマンクラスのトップ争いも第1セクターで畠山が秋山を逆転して振り切り、全体8位でクラス優勝を飾った。クラス3位には山根一人(光精工 TK-Sport MYST)が入った。

 激しいバトルを演じたアレックスと伊藤はポディウムに戻ってくるとクリーンなレースをたたえ合った。

 筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第3戦は5月5日(日)に筑波サーキットで恒例の「筑波サーキット・カーフェスティバル」として開催される。子供の日イベントとしてアトラクションやステージが行われふだんの筑波のスーパーFJでは見られない賑わいを見せるイベントで、どんなレース展開を見せるか。開幕2連勝のアレックスを誰が阻止するか。注目だ。

4位争い

優勝はセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

決勝2位は伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

決勝3位は黒川史哉(ZAP SPEED 10V)

決勝4位は石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

決勝5位は酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

決勝6位は内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

マスタークラス優勝は畠山退三(ZAP SPEED KK-S2)

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE

筑波・富士S-FJ選手権

第2戦富士決勝ドライバーコメント 優勝・センドラフナトアレックス翔太「みんなにお礼を言いたいです」

優勝 センドラフナトアレックス翔太(TRS・10V・ED)

優勝したセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 「今まで一番楽しいレースでした。(最後のオーバーテイクは作戦通り?)そうですね(笑)、ホントは最終ラップがもう1周あるかと思っていたので、そこで前に出て最終ラップをトップで走るっていう予定だったのですけれど、その前に抜く事ができたので。(最終コーナーからの立ち上がりに自信があった?)スリップに入れば、あのクルマであんなに長いストレートでは誰でもタイミングよくアクセル踏めばコンマ何秒も追いついちゃうので、そこはもうペースというよりスリップをどう使うか、っていうことで。最後に、マシンを仕立ててくれたチームやメカニックの方々、そして応援してくれるみんなにお礼を言いたいです」

2位 伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)

決勝2位の伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

 「激しいレースでしたね。駆け引きと言えば駆け引きですけれど、ま、しょうがないかなっていう気分で。(レースの)中身は全然悪くなかったし、自分もかなりいい走りができたので、結果は悔しいですけれど、結果以上に満足感がありますね。(いいバトルでした?)いや勝ちかったですけれど、やっぱり悔しいや(笑)。(最終コーナーの位置関係は?)あの距離だったらチェッカーの所までは大丈夫じゃないかな、って思ったのですけれど、思った以上にスリップストリームが効いていましたね。前を走っている時に、ああいう場面はどうしたらいいのかなってまだ分からないので、どこかの場面でそういうのを学べたらなと思います」

3位 黒川史哉(ZAP SPEED 10V)

決勝3位の黒川史哉(ZAP SPEED 10V)

 「途中シフトが、3と4でミスしちゃって、そこで一瞬心が折れかかったというか、立て直すのに時間がかかったというのがあります。(そこまではいいバトルだった?)途中で手が力み過ぎちゃって、4速のシフトをミスして、またペースが下がっちゃって。(前戦の筑波よりはいい感じになってきた?)筑波の時はタイヤの問題でちょっと(悩みが)ありましたけれど、条件が揃って本来の自分の速さがちょっとは出たのかなっていう感じがはあります」

4位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

決勝4位の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

 「最初にストールしてしまって、最後尾から追い上げようと、予選でもタイムよかったので落ち着いて行こうと思って、まぁごぼう抜きをすることができました。スタートはギアの位置が悪かったみたいでもったいなかったです。自分がファステストラップを出したらしいので、そこは自信を持っていきたいなと思います」

5位 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

決勝5位の酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)

 「スタートの特にホイール掻きすぎちゃって、白煙上げちゃったのでそれがなかったら、もうちょっとトップの方に関われたのかな、って思います。それも自分が(マシンを)乗り換えた時の動かし方がまだ全然なので、そこが何とかできればよかったかな、と思います。(最後に内藤選手をオーバーテイクしたのは?)あれはもう何回も抜きにいったりしていたのですけれど、アウトから被せられて、これは厳しいなと思って、冷静に最後スリップ使って抜こうと考えていました、計算通りに抜けましたのでよかったと思います」

6位 内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

決勝6位の内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

「最後の最後に酒井君にストレートでスリップ使われて行かれちゃいましたね(苦笑)。それまではけっこういい感じではきていて、前のペナルティで4番手スタートだったのですけれど、元々予選6番手だったので、そこは元の位置にいる形なので、2年ぶりの(富士の)走行にしては、まぁまぁだったかなと思います。クルマの調子はかなりよくて、もっとドライバーが詰められればもっと上を狙えるクルマかなという感じです。富士はあと1戦ありますので、それまで練習して、もうちょい良い順位で終われるようにしたいです」

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

Forumula Beat

第2戦富士公式予選結果

富士チャンピオンレースシリーズ第1戦 -RIJ- (2024/04/13) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2024 Formula Beat Round 2 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverCar
Maker Model
TimeBehindGapkm/h
181卜部 和久H・R F108
ZAP F108
1'42.664--160.005
227徳升 広平BLUE☆MAX-AAA-RK
B-MAX RK-01
1'43.413 0.749 0.749158.847
36酒井 翔太ファーストガレージFG108
FG108
1'43.604 0.940 0.191158.554
486椎橋 祐介ファーストガレージ
TATUUS TT104ZZ
1'44.324 1.660 0.720157.459
59G1KAMIKAZEFIRST GARAGE & 04W
TOKYO R&D SYNERGY RD04W
1'44.534 1.870 0.210157.143
611G2植田 正幸Rn-sports制動屋KK-ZS
MYST KK-ZS
1'44.588 1.924 0.054157.062
716ISHIKENHMRハンマーR☆ハヤテ
疾風
1'44.756 2.092 0.168156.810
83G3船井 俊仁ファーストガレージFG108
FG108
1'45.617 2.953 0.861155.532
90G4渡辺 義人エクシズレーシングWXR-MkII
WXR MK-II
1'46.798 4.134 1.181153.812
1022G5みきてぃLP・Shop kts24
kts24
1'46.902 4.238 0.104153.662
1117G6田中 諭ミスト・制動屋
Dallara F307
1'48.983 6.319 2.081150.728
1276G7松本 隆行SHOUEI☆ミスト
Dallara F307
1'49.125 6.461 0.142150.532
1336G8富澤 もぐら松伏光運転代行ハンマーR疾風
疾風
1'49.198 6.534 0.073150.431
1421G9村瀬 和也ミスト関口:制動屋:勝男武士
MYST KK-ZS
1'50.931 8.267 1.733148.081
1578G10鈴木 尊文ウルトラ☆ハンマーR疾風
疾風
1'52.387 9.723 1.456146.163
1688G11JUN TSUKASAハンマーR☆疾風オッタントット
疾風
1'54.31611.652 1.929143.696
---- 以上基準タイム(130% - 2'14.195)予選通過 ----

SUPER GT

第1戦岡山GTA定例会見 早ければ来季にもマレーシア戦実現か?!

 4月14日に岡山国際サーキットで行われたGTアソシエイション(GTA)の定例会見では、GT300クラスへのカーボンニュートラル燃料の使用や、タイヤの持ち込み本数の削減など、現在行なっている環境対策の今後の展開や、それに関連するGT500クラスの新たな車両規定の採用についての現状と今後のスケジュール、そして海外戦の復活など、今後のスーパーGTを取り巻く様々な重要課題について坂東正明代表取締役が答えた。要旨は下記の通り。 

(2024シーズンに向けた抱負)
 フォーミュラEに始まり、F1、秋にはWEC、WRCという4つの世界選手権が行われる中で、自分達としては学べるものを学んで日本のモータースポーツのあり方を考え、オーガナイザーや自動車メーカーとの関係、チームとの関係を踏まえて作り上げていく。

 自分達の部分としては、今年からGT300にも合成燃料50%の新しい燃料を使用する。我々はカーボンニュートラル燃料と呼んでいるが、近い将来にE-Fuelと呼べるものを使用したい。これを作る方法、作っていただけるところを検討し、最終的にはこれを国産化していくという考え方は今も変わっていない。

 それをやっていくために、今年のレギュレーションでは環境というものを考え、生産から運搬、組み込むタイヤの本数、リサイクルの方法まで見直して、本数を削減していく。岡山大会においては各チームの持ち込みセット数を4セットとしている。かなり大きな変化になるが、これをやりながら、E-Fuelの採用や環境に応じたクルマ作り、GT500クラスの将来像を考える。HEVを入れるのか、キャパシタの方向性など、どういった形で2027年規定を作り上げるのか。そういうものを踏まえる大事な年になる。2027年にテスト走行をしたいとなると、レギュレーションは2026年には決まっていないといけない。そのために2025年にはきちんとした方向を定めないといけないということで、昨日(13日)にもステアリングコミッティーを開催している。

 安全性については、GT500について5mmの車高アップを行った。これによりダウンフォースの削減を図ったが、クルマによって影響の出方は様々だ。いかなる状況においても技術陣は勝つためにスピードを取り戻そうとする。追いかけっこになるかもしれないが、いかにカーボンモノコックであっても(アクシデントの際の)痛みとかは出るので、今後もコーナリングスピードの低減に取り組んでいく。

(予選インターバルの変更、リザーブドライバー制度について)
 公式テストでの予選シミュレーションの結果から、今の8分間だとタイヤの温まりが不十分だということで、エントラント側から変更を求めてきた。そこでGTE(GTエントラント協会)とコミニュケーションを取りながら、(GTAの)テクニカル部会などと話し合った結果、導き出された結果だ。

 リザーブドライバー制度については、先日の富士テストで牧野任祐が体調不良で欠席となった時に、GT300のドライバー(小出峻)を代役に起用した実例がある。それならマニファクチャラーの側でGT300のチームのフォローをきちんとやるべきである、という考えのもとに設定した。

(海外ラウンドの復活について)
 スーパーGTは全日本選手権ではなく、インターシリーズであるので、海外戦を再度構築することはやっていかなければならないと考えている。コロナ禍の中でのロジスティクスの問題、実際コストを計算して費用対効果を検証しているが、まだ着地点が見つかっていないというのが現状だ。現時点で可能性があるのはマレーシアだと考えている。今のカレンダーだと6月、7月が空いているので、もし開催するならばそこになると思う。また海外戦が多くなって来れば、ウィンターシリーズを構築するという格好で東南アジアで何戦かを行うということを常に考えている。

 可能であれば来シーズンにもマレーシア戦をやりたいと思っているが、どこまで煮詰まるか。JAFのカレンダー申請が6月にあるので、そこまでに目処を立てたい。立たなければ再来年という格好になると思うが、できる限り努力していく。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

Forumula Beat

第2戦富士公式予選 卜部和久が2番手以下を大きく引き離してポールポジション獲得

ポールポジションは卜部和久(H・R F108)

 2024年Forumula Beat(F-Be)地方選手権第2戦の公式予選が4月13日(土)に富士スピードウェイで開催され、卜部和久(H・R・F108)が2番手に0.749秒の大差をつけてポールポジションを獲得した。

 F-Beは2月25日、氷雨が降る鈴鹿での開幕戦からひと月半のインターバルをおいて、桜が舞い散る春うららの富士スピードウェイにやってきた。朝から穏やかに晴れて雪が残る霊峰富士を見上げながら午前8時に16台のマシンがコースイン。気温13度、路面はドライで20分間の予選が開始された。

 まずは残り15分を切ったあたりから各車タイムアタックに入ると卜部が1分45秒164のトップタイムを出しターゲットになる。2番手は今年からチームを移った徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)の45秒397、3番手は酒井翔太(ファーストガレージFG108)の46秒563。酒井はスーパーFJとのダブルエントリーで、今回は予選/決勝ともにF-Beの直後にS-FJが行われるタイムスケジュールのため、忙しい1日を過ごすことになる。4番手ISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)で47秒882。ISHIKENも同日開催の富士86BRZチャレンジカップとのダブルエントリーだ。5番手は今回初のF-Be参戦の椎橋祐介(ファーストガレージ)で48秒112。椎橋は昨年はS-FJもてぎ・SUGOシリーズに参戦、シリーズ2位の結果を残している。6位はジェントルマンクラストップのKAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)で48秒283。注目なのはKAMIKAZEがドライブする「SYNARGY RD04W」で、東京アールアンドデーが主体で開発されたニューマシンで、昨年10月SUGOでのシリーズ最終大会で実戦デビュー、第11戦でジェントルマンクラス3位でフィニッシュしており、さらなる熟成を目指して今シーズンから本格的に実戦を戦うことになっているマシンだ。

 残り12分、卜部はトップタイムを1分44秒275まで短縮。徳升44秒326、酒井も44秒938と僅差で続く。4番手にジェントルマンクラストップの植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)が45秒972で浮上し、ISHIKEN、椎橋と続く。

 残り9分、徳升が1分43秒838でトップに立つが、直後に卜部が43秒277をマークしてトップを奪い返す。3番手は酒井で変わらず4番手にはISHIKENが45秒125で上がり、植田5番手、6番手KAMIKAZE。

 残り7分、卜部は43秒005をマークすると続く周回で43秒を切って1分42秒914までトップタイムを短縮。徳升も43秒413まで自己ベストを縮めるが卜部とは0.499秒の差がある。4位には植田が44秒588でポジションを上げて、ISHIKENに続く6番手に45秒204で椎橋がつける。椎橋は残り2分を切った時点で44秒669まで自己ベスト削りISHIKENを上回り5番手へ。

 残り30秒、卜部は1分42秒664とダメ押しのタイムを出してポールポジションを決定づける。2番手徳升との差は0.749秒まで拡大した。終始3番手の座を守った酒井は43秒604と最後は徳升に0.191秒差まで肉薄したがフロントロウ獲得はならず。さらにチェカードフラッグ直前にコントロールラインを通過した椎橋が44秒324を出してセカンドロウに並んだ。

 ジェントルマンクラスのトップ争いはチェッカー周まで続き、最後にKAMIKAZEが44秒534でSYNARGY RD04Wを総合5番手、クラストップに導いた。植田は44秒588と0.054秒及ばず6番手でクラス2位、それぞれ3列目に並んだ。

 F-e第2戦決勝は午前10時30分コースイン予定。ポールシッターの卜部に対して0.7秒のビハインドを徳升が挽回するか。セカンドロウに並んだファーストガレージのルーキー2名の表彰台争いが見られるか、そしてジェントルマンクラスの争いも見逃せない。

予選2位は徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

予選3位は酒井翔太(ファーストガレージFG108)

予選4位は椎橋祐介(ファーストガレージ)

予選5位、ジェントルマンクラスポールポジションはKAMIKAZE(FIRST GARAGE & 04W)

予選6位、ジェントルマンクラス2位は植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE

Forumula Beat

第2戦富士公式予選ドライバーコメント ポールポジション・卜部和久「決勝は自信をもっていどみたい」

ポールポジション 卜部和久(H・R・F108)1分42秒664

ポールポジションの卜部和久(H・R F108)

 「レースウィークに入って2セッション走ったのですけれど、その中でもうまくセットアップ詰めて行けたと思うので、レースウィークの組み立てはうまくいっていると思います。タイムは自分的にはもうちょっと行けそうだと思ったのですけれど。いい感じにスリップも使えて、悪くないアタックだったかなとは思います。決勝はちょっとセットアップ微調整して、自信もっていどみたいと思います」

2位 徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)1分43秒413 +0.749秒

予選2位の徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

 「(厳しい予選だった?)難しかったですね。自分のミスもあったので、何とも言えないのですけれど、計算上では(トップと)おなじくらい行くと思ったのが・・・というところですね。昨日メカニックさんに仕事をさせてしまって、エンジンが昨日ブローしたのを徹夜で仕上げてくれたので何とか予選走れたので。なんとか好位置なので、決勝は前の方に行けるように頑張りたいと思います」

3位 酒井翔太(ファーストガレージFG108)1分43秒604 +0.940秒

予選3位の酒井翔太(ファーストガレージFG108)

 「富士でF-Beをドライブするのは今日が初めてです。練習はF-Beでよくしてきたのですけれど、今日の予選が卜部さんのイメージで走っていたのですけれど、序盤のスピードが足りなくて、それで離されちゃって、後半もタイム出すのが遅くて、単独(走行)になったのが、ちょっと(タイムを)出し切れなかったので、それがダメだったのかなっていう感じです。ポジション取りもですけれど、卜部さんの方が初期のスピードが速くて、前には出たのですけれど、すぐ抜かれて、その後もタイムが上がるのが早かったので、それがもうちょっと自分が練習であげられていれば、ついて行けたかな」

4位 椎橋祐介(ファーストガレージ)1分44秒324 +1.660秒

予選4位の椎橋祐介(ファーストガレージ)

「(F-Beの印象は?)難しいです(笑)。準備期間が短くて、このクルマもほぼ1年間走っていなかったのでマシン側も直近のデータがなくて、いろいろ大きな変更を加えながらやっとここまで来たかなって感じです。(まだまだ改善の余地がある?)今のパッケージだと、あとコンマ5秒くらいしか見えていないですけれど、まだ改良できる所がたくさんあるかなと思うので、1年かけて少しずつやっていこうかな。決勝に向けてはちょっとシフトにトラブルが出ていたのを今メカさんに見直してもらっているので、そこが良くなれば。序盤のペースだけ改善できれば(前に)ついては行けるかな、と思います」

5位(ジェントルマンクラストップ) KAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)1分44秒534 +1.870秒

予選5位、ジェントルマンクラスポールポジションのKAMIKAZE(FIRST GARAGE & 04W)

 「(SYNARGY RD04Wの感触は?)去年のSUGOの最終戦にテスト参戦して、今年僕的にはこの富士が開幕戦ですけれど。すごくジェントルマン向きで、マイルドな仕様になっていて、乗りやすいですね。(開発は?)まだまだこれからじゃないですかね。(ドライバーの調子は?)昨日の練習走行でクラッシュしてしまい、まともに昨日練習できていないので、今日の予選がぶっつけ本番みたいな感じで。メカさんが昨夜よく頑張って修理してくれたので決勝は完走できるように、ジェントルマンクラスの表彰台上がれるように、頑張ります」

6位(ジェントルマンクラス2位) 植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)1分44秒588 +1.924秒

予選6位、ジェントルマンクラス2位の植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

 「まだいまいちでしたね、一番いい時に黄旗が2回あったり、それで(アタックを)やめて。うまく前のスリップ使えたな、と思ってセクター1ベストタイムでしたけど、前の方がやめちゃって引っかかったり、タイミングもよくなかったですし。まぁでも十分ですよ。44秒は入れたいなと思いながら昨日練習して、そこは入ったので。KAMIKAZEさんがちょっと速かったので、なんとか決勝はひとつでも前に行きたいですね」

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

Forumula Beat

第2戦富士決勝結果

富士チャンピオンレースシリーズ第1戦 -RIJ- (2024/04/13) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 Formula Beat Round 2 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Maker Model
LapTimeBehindGap
181卜部 和久H・R F108
ZAP F108
1325'02.540--
227徳升 広平BLUE☆MAX-AAA-RK
B-MAX RK-01
1325'11.770 9.230 9.230
36酒井 翔太ファーストガレージFG108
FG108
1325'20.46417.924 8.694
486椎橋 祐介ファーストガレージ
TATUUS TT104ZZ
1325'23.53320.993 3.069
511G1植田 正幸Rn-sports制動屋KK-ZS
MYST KK-ZS
1325'28.23125.691 4.698
6*16ISHIKENHMRハンマーR☆ハヤテ
疾風
1325'38.95336.41310.722
73G2船井 俊仁ファーストガレージFG108
FG108
1325'43.01840.478 4.065
80G3渡辺 義人エクシズレーシングWXR-MkII
WXR MK-II
1325'53.68751.14710.669
922G4みきてぃLP・Shop kts24
kts24
1325'58.43955.899 4.752
1076G5松本 隆行SHOUEI☆ミスト
Dallara F307
1326'29.5401'27.00031.101
1121G6村瀬 和也ミスト関口:制動屋:勝男武士
MYST KK-ZS
1326'39.3561'36.816 9.816
1278G7鈴木 尊文ウルトラ☆ハンマーR疾風
疾風
1326'40.0051'37.465 0.649
1388G8JUN TSUKASAハンマーR☆疾風オッタントット
疾風
1225'36.6021Lap 1Lap
---- 以上規定周回数(90% - 11 Laps)完走 ----
-9G-KAMIKAZEFIRST GARAGE & 04W
TOKYO R&D SYNERGY RD04W
0-13Laps12Laps
-36G-富澤 もぐら松伏光運転代行ハンマーR疾風
疾風
0-13Laps-
-*17G-田中 諭ミスト・制動屋
Dallara F307
-失格--
  • Fastest Lap: CarNo. 81 卜部和久(H・R F108) 1'43.177 (8/13) 159.210 km/h
  • CarNo. 16は、一派競技規則第8章28条4.4.d(スタート手順)違反により、タイムペナルティー10秒を科した。
  • CarNo. 17は、H項違反(SC中の追い越し)により、ドライビングペナルティーを科したが、H項違反(Dボード無視)により、失格とした。

Forumula Beat

第2戦富士決勝 卜部和久が2位以下を寄せ付けない完勝で優勝

優勝は卜部和久(H・R F108)

 2024年Forumula Beat(F-Be)地方選手権第2戦の決勝は4月13日(土)に富士スピードウェイで開催され、13周のレースはスタート直後のアクシデントでセーフティカー(SC)ランとなるが、4周目のリスタートからポールシッターの卜部和久(H・R・F108)が毎ラップリードを拡大する完璧なレース運びで優勝を飾った。

 F-Be決勝は午前10時40分コースイン開始。朝から穏やかに晴れた富士スピードウェイは気温18度。気温はこれから上がる予報だが、現時点ではほどほどの温度で絶好のレース日和だ。16台のマシンがグリッドにつくとレッドライトが消灯してレーススタート。

決勝のスタートシーン

 ポールシッターの卜部、2番手徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)はスムーズに発進する一方で3番手の酒井翔太(ファーストガレージFG108)は加速が弱くセカンドロウに並んだチームメイト椎橋祐介(ファーストガレージ)の先行を許してしまう。

 さらにその後方では混乱が発生。5番手スタートのKAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)はピクリとも動かずグリッドに釘付けに。後続車両は右に左にこれを回避するが、13番手スタートの富澤もぐら(松伏光運転代行ハンマーR疾風)がKAMIKAZEに接触してコース脇にストップしてしまう。これでただちにSCランが宣言される。

 KAMIKAZEによるとスタートでエンジンストール、再度発進しようとしたがここでもストールしてしまったとのこと。「SYNARGY RD04W」の低速トルクが不足気味なのかスタンディングスタートが難しく、特にレーススタートとなるとドライバーも操作がラフになる部分があり、それでスタートできなかったという。マシンの特性としてはジェントルマンクラスのドライバーでも操作しやすくピーキーな部分がないので、今後さらに熟成させる中で改善したいそうだ。

 この混乱の中スタートがよかったのが7番手のISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)で、動かないKAMIKAZEをかわすと第1コーナー立ち上がりで植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)もオーバーテイク。5位にポジションを上げている。

 SCラン開始時点での順位はトップ卜部、2位徳升に続いて3位椎橋~4位酒井~5位ISHIKENと続き、6位ジェントルマンクラスのトップ植田、7位同クラス2位のみきてぃ(LP・Shop kts24)という順。みきてぃもスタートの混乱に乗じて10番グリッドからポジションを上げている。

 SCランは3周目まで続き、4周目からリスタート。ここでも卜部はしっかりペースをコントロールし、最終コーナーから一気に加速。徳升に3車身程度の差をつけてコントロールラインを通過、レースを再開する。後方ではISHIKENが酒井に仕掛けて、アウトからTGRコーナーにアプローチするがここは酒井がポジションを守る。

 卜部はそのまま徳升をじわじわと引き離し、1.545秒の差をつけて4周目を終了。3位椎橋に対してISHIKENを抑えた酒井が接近。アドバンコーナー進入でぐっと車間を詰めると0.451秒差まで接近して5周目に入ると第2セクターでテール・ツー・ノーズ状態に持ち込み、最終コーナー出口で椎橋をオーバーテイク。3位のポジションを奪い返す。

 6周目、卜部は1分43秒514とここまでのファステストラップをマーク。徳升との差を2.551秒までひろげる。3位酒井は椎橋をしりぞけた後は1.474秒までギャップをひろげるが、徳升とは4.9秒の差。ISHIKENは5位をキープするが6位、ジェントルマンクラスのトップ植田がISHIKENより速いラップタイムで間合いを0.725秒に詰めている。

 植田は続く7周目にISHIKENをオーバーテイク、5位にポジションを上げる。加えてISHIKENにはスタート手順違反があり、決勝タイムに10秒加算が宣言される。

 8周目、卜部はファステストラップを再度更新、1分43秒177をマークし徳升との差を4.657秒まで拡大。3位酒井~4位椎橋~5位植田~6位ISHIKENの間隔もじわじわとひろがっている。ジェントルマンクラス2位は総合7位を走る松井俊二(ファーストガレージFG108)で同3位は総合8位の渡邊義人(エクシズレーシングWXR-MkII)。

 レースはこのまま膠着状態になり、卜部は毎ラップ徳升との差を1秒ずつひろげ、10周目6.3秒、11周目7.2秒、12周目8.5秒と完全な独走状態。3位以下も動きがない中で緊張が高まったのがジェントルマンクラスの入賞争いで、クラス6位を走っていた田中論(ミスト制動屋)にSCラン中の追い越しによるドライビングスルーのペナルティが宣言され、これにより9周目時点で7位の村瀬和也(ミスト関口:制動屋:勝男武士)と8位の鈴木尊文(ウルトラ☆ハンマー疾風)が0.814秒の間合いで6位入賞を争うこととなる。両者は10周目1.210秒、11周目0.156秒、12周目1.070秒とつかず離れずのままでファイナルラップに突入する。

 卜部はそのまま徳升を突き放し続けて9.23秒までギャップをひろげてフィニッシュ。ポール・ツー・ウインの完勝を飾り、FIA-F4トヨタ育成ドライバーの実力を見せつけた。徳升は最後まで自己ベストを更新し続けて卜部を追ったが一度もチャンスを得ることなく2位でフィニッシュ。3位酒井は椎橋を逆転した後はつけ入る隙を見せず3秒差で開幕戦優勝に続いて連続の表彰台を獲得した。F-Beデビュー戦の椎橋が4位。

 5位にはジェントルマンクラス優勝の植田、6位ISHIKENは10秒のタイムペナルティが加算されたがそれでもポジションを守った。ジェントルマンクラスの2位は総合7位の松井、クラス3位は総合8位の渡邊という結果になった。ドライビングスルーペナルティ未消化の田中は失格となり、ファイナルラップまで入賞を争ったジェントルマンクラスの6位は村瀬が0.649秒の差で守り切った。

 F-Be第3戦決勝は4月28日にモビリティリゾートもてぎで開催される。

決勝2位は徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

決勝3位は酒井翔太(ファーストガレージFG108)

決勝4位は椎橋祐介(ファーストガレージ)

決勝5位、ジェントルマンクラス優勝は植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

表彰式

ジェントルマンクラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE

Forumula Beat

第2戦富士公式決勝ドライバーコメント 優勝・卜部和久「普通にやれば勝てるということを改めて実感できた」

優勝 卜部和久(H・R・F108)

優勝した卜部和久(H・R F108)

 「普通にやれば勝てるっていうことを改めて実感できたので、これからいろんな難しいレースあると思うのですけれど、その時もいつも通り自信を持っていくことが大事だな、と思いました。(不安要素はまったくなかった?)最初ちょっと(タイヤを)ロックしたり、クルマのセットの微妙な部分でまだ上げられるなというのもあったのですけれど、その中でもうまくクルマをコントロールして、ミスを最小限に抑えて走れたかなと思います」

2位 徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

決勝2位の徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

 「疲れました(笑)、敗北です、出直して頑張ります。徹夜で直してくれたチームにありがとうって言いたいです。何とか2位表彰台、ありがとうございます。次また頑張ります」

3位 酒井翔太(ファーストガレージFG108)

決勝3位の酒井翔太(ファーストガレージFG108)

 「スタートが、最初の発進はよかったのですけれど、その後にタイヤ掻きすぎちゃって、それで後ろのドライバーの方に抜かれちゃって。その後すぐにSCだったので、ちょっと切り替えて頑張ろうと思って。SC明けはストレートで自分がついて行けなくてコーナーで抜くしかないなと思って、コーナーで仕掛けて無事3番手取って、元の順位に戻れただけでもよかったな、と思います」

4位 椎橋祐介(ファーストガレージ)

決勝4位の椎橋祐介(ファーストガレージ)

「スタートをちょっと失敗したのですが、翔太(酒井)の方がより失敗していたので、とりあえずいったん前に出て、2台で追えるかなと思ったのですが。SC明け序盤のペースがつらくて、自分の方がストレートは速くて、二人でいいところが違っていて、うまく展開を作れなかったです。次はSUGO戦なので、そこまでに今回けっこう突貫工事でクルマを作ったので、じっくりやろうかなと思っています」

5位(ジェントルマンクラス1位) 植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)

決勝5位の植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

 「予選はKAMIKAZEさんが(クラスの)ポールだったので隣にいたので。あのクルマ速いのでスタート決めて前に出て抑えようと思ったのですけれど、KAMIKAZEさんがエンジンストールしちゃったので、そこから楽になって。後はオーバーオールクラスを1台でも抜けたらなぁと思いながら。で、ISHIKENさんを抜けて、前の方に一瞬近づいたのですけれど、年齢的にも疲れちゃって(苦笑)、まあいいかっていう。でもラッキーでした。KAMIKAZEさんがストールしたのでレースは楽にやれました」

6位 ISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)

決勝6位のISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)

 「(タイムペナルティ10秒込みで6位)よかったです。初めてスタートでフライングしました(苦笑)。スタートで何台か抜けてよかったのですけれど、思ったより(コカ・コーラ)コーナーから100Rが遅くて、そこで植田さんに迫られてダンロップで抜かれたのですけれど、これまでのレースの流れからしたら、自分的には満足なレースだったかな、って感じです」

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

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