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第1戦鈴鹿JRPサタデーミーティング 今季中のCNF導入、F1併催や海外開催を含めたイベント数の拡大にJRPが言及

 3月10日に三重県の鈴鹿サーキットで行われた日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングでは、カーボンニュートラル燃料(CNF)の導入やF1との併催、そしてイベント数の拡大と海外でのレース開催についてメディアの質問に答えた。

 まず今シーズンの観客動員について近藤会長がコメント。今年は年間入場者数の目標を22万人とし、かつて行われた全日本F3000選手権に匹敵する盛り上がりを期待したいとしている。

 懸案となっているCNFについても、今シーズン中に導入する方向で検討しているという。ただしサプライヤーの選定などはまだ正式には決定していないとのこと。

 また、近藤会長が就任当初F1日本グランプリとの併催については、簡単には行かないと感じつつも、交渉を行ったF1側の歩みよりも見られたといい、いつの日か実現するように、引き続き働きかけをおこなっていくという。

 上野社長からもF1に限らず様々な方法でイベント数を拡大していくことにより、シリーズとしての価値を上げていきたいとの発言が出あった。

 今シーズンはテオ・プルシェール一人だけとなっている外国人選手についても、F2に参戦中のドライバーを中心に増やしていきたいとしており、そのためにも来年以降はイベント数の拡大に取り組んでいくという。

 その一環として、海外でのレース開催についても、ロジスティクスの問題やチームの経済状態などを考慮する必要はあるとしつつも、イベント数拡大の一環として視野に入れていくとしており、上野社長からは、「決して現状のイベント数に満足しているわけではない」との認識も示された。

 シリーズの価値を高めるためのこうした取り組みがいつどれだけ実現していくのか、スーパーフォーミュラの今後の動向に注目していきたい。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

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第1戦鈴鹿決勝会見 野尻智紀「チャンピオンシップにもつながる大きな一日だった」

第1戦優勝 野尻智紀(TEAM MUGEN)

決勝記者会見:優勝した野尻智紀(TEAM MUGEN)

 「今朝のフリー走行のペースが少し良くなかったので、『劣勢なのかな?』と思っていました。今日は気温、路面温度が低かったので、スタートの蹴り出しでホイールスピンしやすいかなという懸念がありましたが、すごくうまくスタートが決まりました。スタート直後の1コーナーにトップで入ってからは、自分の流れでレースが進められると確信しました。そのあとは後続の様子を見ながらタイヤのマージンを保ってセーブしながら走っていました。あとはアウトラップが難しいところなので、後ろの選手や先にピットインした選手とのタイム差やラップタイムをチームに見てもらいながら、ピットストップのタイミングを決定しました。チームには素晴らしい判断をしてもらいました。昨日は僕としてもチームとしても課題の見える一日でしたが、今日は非常に良いレースがチームと一緒にできたので、そこは嬉しく思いますし、次のレースにつながる、チャンピオンシップにもつながる大きな一日だったなと。寒い中、たくさんのお客さんにもきてもらいましたし、今後も盛り上がっていくスーパーフォーミュラでありたいなと思います」

 「クルマの状態は先頭で走っている分には良かったんですが、集団の中に入るとまだまだ劣っている部分もあるのではと感じています。今回は先頭に利のある状況でした」

 「(足裏を削ってペダル操作が繊細になったとXで書き込んだ件について)あれは気のせいです(笑)削るとヒリヒリして敏感になったような気がするでしょ?ただそれだけでした」

第1戦決勝2位 山下健太(KONDO RACING)

決勝記者会見:2位の山下健太(KONDO RACING)

 「過去2回のテストと似たようなコンディションの中でレースができました。テストでは常に上位にいられるような良いパフォーマンスがあったので、予選ではもうちょっと上に行きたかったんですが、今日はすごく良い組み立てができたなという感じでした。アウトラップの難しさはありましたが、自分としては(タイヤ交換のタイミングは)ミニマムかな? という実感が昨日からありました。11周目で入ったのは良い判断だったと思いますし、タイヤ交換作業が早かったのに自分もびっくりしました。アウトラップも想像より速かったので、自力では1台も抜いていませんが、戦略がうまくいって2位が取れたのを嬉しく思います」

 「近藤監督からは『トンネル抜けたな』って言われましたが、自分としてはまだまだトンネルの中にいる感じです」

 「(Juju選手の参戦についての感想を求められて)僕としては女性が参加するのはすごく良いことだと思いますけど、正直メディアの盛り上がり方は微妙かなと思っています。実力のある選手が上がってきて盛り上がるなら良いと思いますけど、そうではないので。ちょっとどうかなと思います」

第1戦決勝3位 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)

決勝記者会見:3位の山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)

 「去年も表彰台に絡める場面がありましたが、自分のミスも含めてチャンスをフイにしてしまっていました。今週末はクルマの調子も良かったし、自分も落ち着いて走ることができ、チームとしてミスなく戦うことができたことがこの3位につながったのかなと思います。開幕戦で表彰台に上がれたということは嬉しかったです」

 「スタートは良かったんですが、行き場がなくてポジションを2つ上げるに留まりました。そこからミニマムでピットに入ることは事前に決めていて、一緒にピットインした中では一番前でコースインできたので、アウトラップが勝負だと思って一生懸命頑張りました。オーバーカットされることも予想できたので福住選手と太田選手が前に出てきたとこまでは想定内でした。ただし山下選手はかなり前にいたので、あそこまでは追いつけないな、とは感じていました」

 「昨年のアクシデントで自分の体にメスを入れるという経験をして、他のアスリートが怪我から復帰してきたことに対して、今まで以上のリスペクトを感じるようになりました。メスを入れる怖さ、再起にかける大変さを身をもって実感しました」

決勝フォトセッション:上位3名のドライバーたち

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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合同テストもてぎ1回目結果

SFL占有テスト -RIJ- (2024/03/11) Official Testing 1 Weather:Fine Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Official Testing モビリティリゾートもてぎ 4.801km

Pos Cls Cls
Pos
Driver Car Time Behind Gap km/h
1 38     小林 利徠斗 モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC 1'42.987 - - 167.823
2 2     荒尾 創大 HFDP WITH TODA RACING 1'42.999 0.012 0.012 167.804
3 35     中村 仁 モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC 1'43.102 0.115 0.103 167.636
4 50     小出 峻 HFDP WITH B-MAX RACING 1'43.121 0.134 0.019 167.605
5 36     野中 誠太 PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC 1'43.189 0.202 0.068 167.495
6 37     古谷 悠河 Deloitte. HTP TOM'S 320 1'43.226 0.239 0.037 167.435
7 130     木村 偉織 TEAM DRAGON 324 1'43.742 0.755 0.516 166.602
8 40     佐々木 大樹 JMS RACING TEAM 1'44.743 1.756 1.001 165.010
9 300     菅波 冬悟 TEAM DRAGON 324 1'45.287 2.300 0.544 164.157
10 1     ケイレン・フレデリック Pilot ONE Racing with B-MAX 1'45.519 2.532 0.232 163.796
11 80     菅波 冬悟 GNSY 324 1'45.761 2.774 0.242 163.421
12 4 M 1 今田 信宏 JMS RACING TEAM 1'46.678 3.691 0.917 162.017
13 30 M 2 DRAGON TEAM DRAGON 324 1'48.130 5.143 1.452 159.841
14 8 M 3 清水 康弘 GNSY 324 1'48.329 5.342 0.199 159.547
15 13 M 4 藤原 誠 TEAM DRAGON 324 1'48.728 5.741 0.399 158.962

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合同テストMRもてぎ1日目 小林利徠斗がトップタイム、初参戦組が上位を占める

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の合同テスト1日目が、3月11日、モビリティリゾートもてぎで行われ、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)がトップタイムをマークした。

 今シーズンのSFL選手権はは、若干モデファイされたダラーラ324(320)+トムス製エンジン+クムホタイヤという新しいパッケージで行われるため、各ドライバーは感触を探りながら走り込みを行った。

 今回のテストは2日間に渡って行われるが、2日目が雨予報のため、当初のスケジュールを変更し、初日は走行時間が3時間に延長となった。

 セッション開始から積極的に周回を重ねたのはトムス勢とTODAレーシング。B-Maxは1号車、50号車に原因不明のトラブルが出てしまい、その修復にかなりの時間を費やした。

 安定した速さを見せたのは、トヨタ育成ドライバーの中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)。セッション終盤までタイムチャートのトップに居続けた。

 終盤のアタック合戦では、2023FIA-F4チャンピオンの小林と、フランスF4、GB3を経てSFライツに参戦する荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が僅かに中村のタイムを更新したが、3人は僅差で並び適応力の高さを見せた。


 三人に続いたのは、前半トラブルで走れなかった小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)、そして野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)の参戦継続組。

 実力が未知数なのが、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)。小出と同じく原因不明のトラブルに見舞われ、初のコースを満足に走ることができずに終わってしまった。昨年の岡山のテストでは抜き出た速さを見せているだけに、明日の走行で天候が持つのを祈るしかない。

 明日のテスト2日目は、9時30分〜11時30分(2時間)、14時30分〜15時30分(1時間)の2セッションが行われる。ただし、明日は昼前から降雨予報だ。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

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合同テスト2回目結果

第1回合同テスト -RIJ- (2024/03/12) Official Testing 2 Weather:Rain Course:Wet
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Official Testing モビリティリゾートもてぎ 4.801km

PosClsCls
Pos
DriverCar
Team
Engine
TimeBehindGapkm/h
150小出 峻HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1'57.197--147.475
235中村 仁モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'57.272 0.075 0.075147.380
336野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'57.967 0.770 0.695146.512
42荒尾 創大HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
1'58.063 0.866 0.096146.393
51ケイレン・フレデリックPilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
1'58.132 0.935 0.069146.308
6130木村 偉織TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'58.207 1.010 0.075146.215
737古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
1'58.372 1.175 0.165146.011
838小林 利徠斗モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'58.533 1.336 0.161145.813
940佐々木 大樹JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1'59.434 2.237 0.901144.713
10300菅波 冬悟TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
2'00.243 3.046 0.809143.739
1130M1DRAGONTEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
2'00.881 3.684 0.638142.980
1213M2藤原 誠TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
2'02.464 5.267 1.583141.132
134M3今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
2'02.698 5.501 0.234140.863
148M4清水 康弘GNSY 324
GNSY RACING
2'03.076 5.879 0.378140.430

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合同テストMRもてぎ2日目 小出峻が貫禄のトップタイム、中村仁が食い下がり僅差の2位

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の合同テスト2日目が、3月11日モビリティリゾートもてぎで行われた。生憎の雨模様となったが、参戦2年目、昨年ランキング3位の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が貫禄のトップタイム。これに新人、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が続いた。

 天候の悪化が予想されるため、当初のスケジュール(午前2時間、午後1時間)を変更して、午前3時間のみの走行となった2日目。雨の降りが強くないうちに周回を重ねようと、走行開始から全車がコースイン。

 走り始めは継続参戦組の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が1分57秒797、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が1分58秒498をマークして上位に並ぶが、この二人に食い込んできたのが、昨日トラブルで十分走行できなかったケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)。1分58秒211と、初体験のコースでのウェットコンディションをものともせずに小出に次ぐタイムを記録した。

 開始から1時間が経過する頃には雨足がやや強くなるが、そんななかでベストタイムを更新していたマスタークラスの清水康弘(GNSY 324)がコースオフ。グラベルに捕まり、車両回収のため走行が中断となった。

 初参戦組のなかでは最も元気が良い走りを見せる中村 仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が、1時間20分経過時に1分57秒886をマークして小出に次ぐ2位に浮上。さらに、コンディションが若干回復するなかで1分57秒598までタイムアップ。

 走行残り1時間を迎える頃になっても二人によるトップ争いは続き、迎え撃つ小出が自身のベストタイムを塗り替える1分57秒197をマークして迫る中村を突き放すと、中村も57秒550、57秒372、57秒272と必死に食らいつく。テストではあるがこの2人の攻防は見応えがあった。

 二人以外にも、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)57秒967、荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)58秒063、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)58秒132と、自身のベストタイムを更新して上位につけた。

 マスタードライバーは、今季参戦する4台がコーチと乗り換えながら、走行を続け、DRAGON(TEAM DRAGON 324)、藤原誠(/TEAM DRAGON 324)、今田信宏(JMS RACING TEAM)、清水康弘(GNSY 324)の順でテスト2日目を終えた。

 昨年までの今田vsDRAGONの一騎討ちの構図がどのように変わるのか、こちらも注目したい。

Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

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第1戦鈴鹿優勝監督会見 田中洋克監督「統一ダンパーへの対応が重要な課題」

優勝チーム監督記者会見:田中洋克監督(TEAM MUGEN)

優勝チーム監督 田中洋克(TEAM MUGEN)

 「今シーズンが始まって、最高のスタートが切れたことを本当に嬉しく思っています」

 「みなさんご存知のように、今シーズンからレギュレーションが変わって統一ダンパーを使うことになりました。我々もルーキーテストで初めてこのダンパーを使って、あまりの違いに『このダンパーに合わせていけるのか』と非常に驚きましたが、ルーキーテストと前回の公式テストでデータを取りましたが、まだ引き出しにいろんなデータがない状況です。まあ全チーム一緒かなとは思いますけど、我々も不安がある中で鈴鹿にきました。走り出しの野尻選手は好調な部分と、セットを変えると真逆に振れてしまう状況もあり、それをどのように反転させるかが重要な課題になっています。それを今週全て整理できるわけでもなく、悩んでいたところでした」

 「予選はポールを取れるかな、という油断した状況もあった中、Q2に向けてセットを変えたのが若干裏目に出たようで、残念ながらポールを取れなかったんですね。それを踏まえて、悪いところを理解しつつ、レースセットにどう反映するか、というところで色々考えて今日の午前中とウォームアップを走ったんですが、野尻選手はなかなか良いペースで走れなかったので、今日のレースは苦戦するかな、と思いました」

 「スタートを決められないと難しいかと思っていましたが、ご覧の通り野尻選手はすごく良いスタートを決めてくれて、1位で1コーナーに入ってくれました。そうなると野尻選手の得意のパターンでもありますので、うまく逃げ切ってくれたと。野尻選手がすごく頑張ったレースだったと思います」

 「岩佐選手についてもセットアップに苦労はしていました。リザルトだけ見ると悪いところばかり見えちゃうんですが、良いところも当然あって、この先の可能性があるなとすごく期待しています。SFというクルマのスピードを上げていくためにどう取り組んでいくかが課題だと思いますし、自分のフィーリングだけでクルマを作っていけるのか、という点で修正しないといけない部分があります。またエンジニアもドライバーのコメントを元にどう修正するかということを予選とレースでやってみて、お互いの課題がわかってきました」

 「結果論になるんでなんとも言えないんですが、元々岩佐選手は周りの様子を見ながらできるだけ引っ張ろうという当初の作戦で、たらればで言えばもうちょっと早くピットインするべきだったかなと思いますし、データを取るために今回はこういう作戦で進めたというところもあります」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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第1戦鈴鹿決勝後のコメント 阪口晴南「朝のフリー走行の時点で『勝つことはないな』と思った」

 2024年の開幕戦で自身初のポールポジションを獲得した阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)。決勝では初勝利が期待されたが、スタートで野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)の先行を許してしまう。

 「路温がめちゃめちゃ低いのを考慮し切れませんでした。クラッチミートは良かったんですけど、ホイールスピンさせてしまった。そこが一番ダメでした。スタート練習は決まっていたんですけど、思ったより冷えちゃった」

 この結果、前半を3位で走行していた阪口は、10周目から相次いてタイヤ交換を敢行したライバルたちを尻目に周回を重ね、レースが終盤に差し掛かろうという19周目にようやくピットに飛び込む。しかし今回のこの作戦は裏目に出てしまい、コースに戻った時は11位にまで後退していた。

 「当初予定していたプランだったんですけど、今日は失敗です。僕以外にも引っ張った選手は軒並み損していたので、選択を間違ってしまったかなと。それプラス、僕はペースが良くなかったですね。ピットアウト後もそうだし、その前もでしたので、そこは考え直さないと勝てないなと思いました。今朝のフリー走行で初めてロングランをしましたが、そこで上位陣との差が明らかだったので、そこで勝つことはないなと。表彰台で終われたら理想だなと思っていたんですが、それも叶いませんでした」

  それでもなんとか7位まで追い上げ、4ポイントを獲得。ポールポジションの3ポイントと合わせて7ポイント、ドライバーズランキング5位でシーズンをスタートした。

 「今回の予選で速かったことをオートポリスでも活かしつつ、チームの戦略面で今回はコミニュケーションが取れてなかった部分があったので、そこも次に向けて改善していきたいです。臨機応変に対応できるようにしたいし、ロングランも一からやり直しですね」

Text: Kazuhisa SUEHIRO

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第1戦鈴鹿決勝後のコメント 岩佐歩夢「悪くないレースだったからこそ、予選の結果が悔やまれる」

ヨーロッパから帰国した岩佐歩夢は決勝9位

 これまでフランスF4、FIA-F3そしてFIA-F2とヨーロッパを拠点に活躍してきた岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。今シーズンは心機一転、日本でスーパーフォーミュラを戦うことになった。

 そして開幕戦。岩佐は予選11番手からスタート、レース終盤の26周目までタイヤ交換を引き伸ばす作戦が功を奏し、ポジションを二つ上げて9位でフィニッシュ。見事2ポイントを獲得した。

 「決勝レースは確実にポイントを取れたなとは思います。トータルのパフォーマンスを考えても、悪くないレースだったんじゃないかと思います。第1スティントを引っ張るストラテジーでしたが、最後はタイヤが悪い中でもペースは良かったですし、そのあともオーバーテイクもできました。だからこそ予選の結果が悔やまれます。それも踏まえて、次戦以降はトータルのパフォーマンスを更に上げられるように準備していきたいです」

 「ストラテジーについてはケースバイケースでその場で判断するという具合に事前に決めていました。今回は基本的にエンジニアの判断で引っ張りました。自分のタイヤマネジメントと、あとは前が空いた時にペースを上げていくということをこなしていたので、それを見てエンジニアが判断したという形です」

 これまで海外で活動していた岩佐にとって、次戦の舞台オートポリスをはじめ、スーパーフォーミュラで使用されるサーキットのほとんどが未経験だ。走ったことがあるのはスクールの開講されていた鈴鹿サーキットと、あとはモビリティリゾートもてぎくらいだという。

 「オートポリスは走ったことがないので、難しいレースになると思いますが、そこは着実に組み立てていかないとと思います。今回一番の反省点は、フリー走行の90分間から予選に向けての組み立て方が重要だった、ということなので、そこをしっかり事前準備して積み上げていきたいと思いますし、そこが野尻さんの強みなんかないかと思うので、そこをうまく吸収して自分の強みにつなげたいなと思います」

 共にF2を戦ったテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が18位という悔しい結果に終わったのとは対照的に、初戦からポイント獲得というまずまずの結果を残した岩佐。今後の更なる成長に期待したい。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Kastuhiko KOBAYASHI

v.Granzもてぎ

第1戦もてぎ公式予選 渡会太一が大差のポールポジション獲得

ポールポジションを獲得した渡会太一選手(BRM v.Granz)

 今年からもてぎで開催されることとなったv.Granzによるスプリントレースの第1戦予選が3月10日にもてぎチャンピオンカップ第1戦内で開催され、渡会太一(BRM v.Granz)が2番手に1.188秒の大差をつけてポールポジションを獲得した。

 昨年のMEC120分耐久レースで初めてモビリティリゾートもてぎでレースが行われたv.Granzの初のスプリントレースは10台のエントリーを集めて午前8時から15分間の予選を開始。

 朝には氷点下まで下がったもてぎの気温は依然、4度と低い状態。路面も冷え切っており、各車タイヤの発動を待ってウォームアップを行う。

 まずは残り残り8分、v.Granzでは初レースの渡会が2分2秒616のトップタイムをマーク、2番手は昨年のもてぎVITAチャンピオンのイノウエケイイチ(ワコーズEDニルズ)の4秒884。3番手大山正芳(ダイワN通商アキランドV.Grant)5秒290と続く。

 渡会は続く周回で2分1秒926と2分1秒台に突入。イノウエも自己ベストを縮めるが渡会とは1.94秒の差がある。3番手には下垣和也(WEST-SOUEISHA-v.Granz)3秒957でポジションアップ。下垣も今回が初めてのv.Granzでのレース参戦だ。

 残り4分、#12渡会選手はさらにタイムを詰めて2分1秒117として、2分3秒373で2番手の#98下垣選手とは2.156秒差をつけるとガレージイン、早々に予選を終了するとマシンを降りてタイミングモニターで他車のタイムを見守る。

 そんな中で残り2分、イノウエが2分3秒001をマークして2番手へ進出。下垣を挟んでスーパーGTにも参戦するイダ タイヨウ(ワコーズEDニルズ)が4秒248で4番手に進出するが、すがさず中里紀夫(v.Granz)4秒163で4番手のポジションを取り戻す。さらに大山も2分4秒173で5番手、これでイダは6番手へ。

 15分が経過しチェッカードフラッグが振られる中、各車は最後のタイムアタック。大山が2分3秒844で4番手で浮上、いむらせいじ(オートルック V.GRANZ)も4秒132で5番手へ。しかしこのタイムはイエローフラッグ提示中だったため抹消となり7番手へ。そして最後にベストタイムを更新したのが2番手イノウエで2分2秒305まで短縮。それでも渡会とは1.188秒と大差がついた。以下3番手下垣、4番手大山、5番手中里、6番手イダという順になった。

Text & Photo: Junichi SEKINE

v.Granzもてぎ

第1戦もてぎ公式予選ドライバのコメント PP・度会太一「決勝に向けてタイヤを温存」

ポールポジション 12号車・渡会太一選手(BRM v.Granz)/2分1秒117
 「とりあえずポールポジション取れてよかったです。昨日から走行始めたのですけれど、1本目から調子よく走れていたので、今回はなにも不安要素はなく、レースができます。この調子のままで決勝も走れたな、と思います。路面温度はちょっと低かったですね、タイヤの暖まりも悪かったです。もう1周行っていればタイムを更新できたかな、と思いますけれど、決勝にむけてタイヤ温存の意味もあったので、これでやめました」
2位 99号車・イノウエケイイチ選手(ワコーズEDニルズ)/2分2秒305(+1.188秒)
 「ちょっと若い子にはついていけませんね(苦笑)。オーバー50のクラスで頑張ります。路面温度低くてタイヤ(のグリップが)来なかったですね。決勝にむけては淡々と、レンタカーなのでぶつけないように頑張ります<」
3位 98号車・下垣和也選手(WEST-SOUEISHA-v.Granz)/2分3秒273(+2.156)
 「(v.Granzが)一昨日乗ったのが初めてなので、一周をまとめきれなかったので、ちょっと悔しいところがあります。タイム詰める余地はまだだいぶあるのですけれど、やっぱり慣れていない。初めてだとクルマの動きが習得しきれてなかったのと、初めての新品タイヤだと。リヤが僕の思っていたのより押し気味だったので、うまく曲がれなかったです。(まだまだ伸びる余地がある?)もうちょっと慣れていけば、もう少し伸びるかなと思います」
Text: Junichi SEKINE

v.Granzもてぎ

第1戦もてぎ決勝 渡会太一がスタート失速もぶっちぎりの優勝

優勝した渡会太一(BRM v.Granz)

 3月10日にモビリティリゾートもてぎで開催されたv.Granzによるスプリントレース決勝は、ポールポジションから発進の渡会太一(BRM v.Granz)がスタートで失敗するも即座にリカバリー、そこから毎ラップ2位以下に大差をつける展開で10周のレースを独走、2位に25秒差という圧倒的なスピードを見せて優勝を飾った。

 朝の予選に比べて気温が8度まで上昇した午前11時40分、10台のマシンがグリッドに整列。路面温度もやや上昇し、絶好のレースコンディションとなった。

2番手に1秒以上の差をつけてポールポジションについた渡会はレース前にも余裕の表情を見せ、スターティンググリッドに歩を進め、レッドライトが消えてレーススタート。

 しかしここで、渡会の蹴り出しが鈍く、第1コーナーへの加速で2番グリッドから発進のイノウエケイイチ(ワコーズEDニルズ)がスルスルと前に出てトップで第1コーナーへ進入。渡会は2番手にポジションダウン。後方でも中里紀夫(v.Granz)が第3コーナーで大山正芳(ダイワN通商アキランドV.Grant)のインを突いて4位へポジションアップ。さらにアウトにはらんだ大山のインをイダ タイヨウ(ワコーズEDニルズ)が差して5位へ浮上する。

 それでも自分の速さ絶対の自信をもっていた渡会は落ち着いてイノウエの背後につけると、第4コーナーからの加速でオーバーテイク、トップを奪い返して第5コーナーへと飛び込む。

 先頭に立った渡会選手はギャップをぐいぐいひろげて、オープニングラップだけで2位イノウエに2.177秒の差をつけてコントロールラインを通過。3位はスタートのポジションを守った下垣和也選手(WEST-SOUEISHA-v.Granz)がつけている。

 2周目に入ってヒートアップしていたのが4位争いで、第1コーナーで大山がインから中里をオーバーテイク、さらにイダが第5コーナーで中里に襲いかかりインから攻略に成功。中里は一気に6位までダウン。

 3周目、渡会は2分1秒734のファステストラップを出して2位9イノウエに8.106秒の差を築き早くも独走状態。追い上げたいイノウエだが下垣が0.504秒差と詰め寄ってきている。

 渡会は4周目さらに11.695秒まで差を拡げる一方で2位グループは混戦。2分4秒台でペースの上がらぬイノウエを3秒台の下垣、大山が追い詰める。ダウンヒルストレートで下垣がイノウエの右サイドに出ると90度コーナーでインからオーバーテイク、2位を奪い取る。しかし続く5周目の第5コーナーで今度はイノウエが2位を奪回する。一方V字コーナーでは4位を走っていた大山選手が単独スピン、グラベルでストップ。これで2イダが4位、中里5位と順位を上げ6位には8番グリッドから着実に順位を上げてきた米谷浩(K.Kヨネタニ アキランド)が進出。

 6周目、2位イノウエと下垣はテール・ツー・ノーズ状態で連なり、ダウンヒルストレートでは下垣選手がプレッシャーをかけ、90度コーナーではアウト側から仕掛けるがブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、イノウエがポジションを守り切る。後方では米谷の勢いがよく、中里を攻略して5位にポジションアップする。

 7周目、イノウエと下垣の4位争いが依然としてくり広げられる一方で、6位に落ちた中里選手に勢いがなく、いむらせいじ(オートルック V.GRANZ)がこれを仕留めて6位にあがると、いむらは続く8周目に米谷も攻略、5位に浮上する。

 後方でのバトルを後目に渡会はその後もペースを緩めることなくゴールまで突っ走り、2位イノウエに25秒の大差をつけてぶっちぎりの優勝を飾った。その後方で淡々とレースを進めた下垣選手は1.3秒差の3位。以下4位イダ、5位いむら、6位米谷という上位になった。

 もてぎでのv.Granzレース、次戦は10月20日に予定されている。

決勝2位のイノウエケイイチ(ワコーズEDニルズ)

決勝3位の下垣和也(WEST-SOUEISHA-v.Granz)

表彰式

Text & Photo: Junichi SEKINE

v.Granzもてぎ

第1戦もてぎ決勝レース後のコメント 優勝・度会太一「やらかしたけど気持ちよく走った」

優勝した渡会太一(BRM v.Granz)

優勝 12号車・渡会太一(BRM v.Granz)
 「スタートだけちょっとやらかしてしまって。クラッチつなげるタイミングがけっこう難しくて、本番もミスちゃって。その後すぐ(順位を)取り戻せたので、よかったです。後はもうペースよく、安定して走るだけでした。クルマもすごいよかったので、気持ち良く走れました」
2位 99号車・イノウエケイイチ(ワコーズEDニルズ)
 「スタートだけ(よくて)、5コーナーで抜かれちゃったけど(笑)。いいところはスタートだけでした。その後は(2番手争いが)楽しいレースでした。調子自体は普通でしたね(笑)。また次の機会があれば頑張ります」
3位 98号車・下垣和也(WEST-SOUEISHA-v.Granz)
 「(v.Granzの)初めてのレースで表彰台というのは上出来かなと思います。2位争い楽しくできたので、なかなか楽しいレースで勉強になりました」
Text & Photo: Junichi SEKINE

VITAもてぎ・菅生

第1戦もてぎ公式予選 ベテランのイシカワヨシオがポールポジション獲得

 今年からもてぎ・菅生シリーズとして開催されるVITAレースは3月10日にもてぎチャンピオンカップ第1戦で開幕を迎え、昨年のシリーズランキング2位、イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)がポールポジションを獲得した。

 今年のもてぎ・菅生シリーズとして開催されるVITAレースは、もてぎで3大会4レース、SUGOで2大会2レース、計6レースでシリーズチャンピオンを争うことになる。

 第1戦のエントリーは15台。昨年のチャンピオン、イノウエケイイチ選手はv.Granzスプリントレースに出場するが、昨年シリーズ2位のイシカワや同3位カワモトミツル(シンエイジャパンwithオートルックVITA01)など役者がそろっている。

 午前9時25分から15分間の予選開始。気温は6度と低く路面もまだ冷え切っている。

 各車ウォームアップを行い、残り9分ごろから本格的なタイムアタックを開始。まずはイシカワが2分12秒816をマークしてトップに立つ。2番手はカワモト選手の13秒640、イシカワ選手とは0.824秒の差がある。3番手に13秒909の小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)がつけて4番手に西濱康行選手(ETA白波ワークス VITA)が続く。西濱は続く周回で2分13秒572まで自己ベストを更新して小松選手を上回り3番手へ。5番手には昨年ランク6位の相馬充寿(ブライルマースアイテック01)が進出し、6番手山口浩明(RSかなやエンドレスVITA)と続く。

 後方では今回がVITAレースデビューの星野雅空(star field vita)が2分15秒560で8番手と健闘中。星野は昨年は富士の86/BRクラブマンレースやポルシェ911GT3での筑波タイムアタックなどに出ているが、本格的なレーシングマシンは初めてということでまだドライビングを模索中とのこと。

 星野の上の7番手には佐藤純一(ELIVレーシングVITA)が2分15秒095でつける。佐藤選手は前日の練習走行中にエンジンがブロー、レース参戦が危ぶまれたが、前田代表が奔走してエンジンを調達。ピットガレージ内でエンジン換装作業を行い、夜には積み替えが完了し出場にこぎつけた。

 残り5分、イシカワはベストタイムを2分12秒768まで短縮。2番手カワモトは0.37秒差の2分13秒138。さらに残り3分でカワモトが2分12秒858までタイムを削りトップに0.090秒差まで肉薄すると、次の周回で2分12秒642をマークしてついに首位に立つ。

 これで予選は決したかと思われたが、チェッカードフラッグが振られる中イシカワ選手が最後のタイムアタックで2分12秒440を叩き出して再度トップに返り咲き、ポールポジションを獲得した。2番手カワモト選手、その差は0.202秒。3番手西濱2分13秒083、4番手小松選手2分13秒093と続き、終盤にポジションを上げた辻かずんど(MARS RACING VITA)が2分13秒544で相馬を追い落として5番手のポジションを獲得した。ルーキー星野も2分14秒212まで自己ベストを短縮して7番グリッドを獲得、エンジン換装の佐藤が8番手で4列目に並んだ。

 決勝は午後2時コースイン予定だ。

Text: Junichi SEKINE

VITAもてぎ・菅生

第1戦もてぎ公式予選ドライバーコメント PP・イシカワヨシオ「孫を抱いて腰が痛い」

ポールポジション 8号車・イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)/2分12秒440
 「途中で「8」が一番上になかったから、あれやっぱりカワモト君か、と思ったのですけれど。とりあえずポール取れてよかったです。クルマは絶好調なのですけど身体がいまいちで、孫を抱くので腰が痛くて、決勝はちょっとヤバいですね(笑)」
2位 32号車・カワモトミツル(シンエイジャパンwithオートルックVITA01)/2分12秒642 (+0.202秒)
 「最後に抜かれちゃいましたか、残念です。でもイシカワ選手選手速いので、(自分も)一生懸命走ったので、こんなもんです。偉大な大先輩であこがれの存在なので、決勝は胸を借りるつもりで、ぶつかっていきたいと思います」
3位 17号車・西濱康行(ETA白波ワークス VITA)/2分13秒083 (+0.643秒)
 「ニュータイヤを使うのが1年ぶりぐらいだったので、前日練習までニュータイヤ使っていなかったので(タイヤの)感触を確かめながら走っていたところがあったので、最後詰めきれなくて、12秒台入りそうな感触はあったのですけれど、5周目くらいに13秒が出て、そこから伸びそうで伸びない感じで終わってしまいました。予選3位には満足していますけれど、内容はちょっと物足りないな、という感じがしています。決勝は僕よりキャリアの長い方がたくさんいらっしゃいますので、胸を借りるつもりで頑張ろうと思います」
Text: Junichi SEKINE

VITAもてぎ・菅生

第1戦もてぎ決勝 スタート直後にアクシデント、SC明けも盤石のイシカワヨシオが優勝

優勝したイシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)

 もてぎ・菅生シリーズVITAレースは3月10日に決勝が行われ、ポールポジションから発進のイシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)が、SC明けのリスタートもトップを守り切り、優勝を飾った。

 もてぎ・菅生VITA第1戦決勝は午後2時コースイン。気温は9度まで上昇し路面も暖まってきて、コースコンディションも良好だ。午後2時10分フォーメーションラップ開始。15台全車がグリッドに戻り、レッドライトが消灯して10周の決勝レースがスタート。

 ポールスタートのイシカワが好スタートでホールショットを奪うとトップで第1コーナーにターンイン、フロントロウから出たカワモトミツル(シンエイジャパンwithオートルックVITA01)、3番手スタートの西濱康行(ETA白波ワークス VITA)とグリッド通りにレースを開始。その後ろでスタートがよかったのが6番グリッドから発進の相馬充寿(ブライルマースアイテック01)で、スタート直後の加速で5番手スタートの辻かずんど(MARS RACING VITA)の前に出ると、第3コーナーで小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)をインからオーバーテイク、4位にジャンプアップした。

 この第3コーナーではVITA初レースの星野雅空(star field vita)と小原康二(Schatz Raacing 爆速VITA)が接触、共にスピンするがすぐにレースに復帰している。

 さらにV字コーナーで4台が絡むアクシデントが発生。4山口浩明(RSかなやエンドレスVITA)と中島正之(ビーンズスポーツ2年目VITA)、さらに太田和輝選手(SUNRAISE BLVD. VITA-01)と金山和弘(Team橋本組 モータークラブ)も巻き込まれてスピン、コースアウトする。このうち中島と太田がコース上にストップしたためセーフティカー(SC)の投入が宣言される。

 SCランは3周目まで続き4周目からレース再開。イシカワはリスタートを決めると2位カワモト選手との間合いをひろげる。3位を守った西濱をはさんで。4位相馬選手、5位小松、6位辻のチームメイト3台がテール・ツー・ノーズ状態でダウンヒルストレートへ。90度コーナーに向けてアウトから小松が相馬選手をオーバーテイク。4位に進出する。

 カワモトが5周目、6周目と2分13秒台を叩き出しイシカワとのギャップを0.37秒差まで切り詰めるが、イシカワも負けじと7周目に2分13秒513、8週目13秒335とファステストラップを連発して再びリードを広げる。MARS RACINGの隊列は8周目に#74辻選手がピットイン、ミッションの不具合ということだ。

 トップ2台はそのままのポジションでフィニッシュ、1.152秒の差でイシカワが優勝で飾った。昨年の開幕戦ではポール・ツー2位で悔しさをにじませていたが、今年はポール・ツー・ウインで会心のレースとなった。カワモトは終始プレッシャーをかけ続けたが突破口が見いだせず2位。トップ争いには絡めなかったがポジションをしっかり守った西濱が3位、以下5小松4位、旧型エンジンで頑張る相馬が5位、そして前日のエンジンブローから復活を遂げた佐藤純一(ELIVレーシングVITA)が星野を0.0024秒の差で振り切って6位フィニッシュ。前田代表はじめチームの面々の努力に報いた。

 もてぎ・菅生VITAシリーズ第2戦は4月20日(土)、スポーツランド菅生SUGOで初レースとして行われる。

決勝2位のカワモトミツル(シンエイジャパンwithオートルックVITA01)

決勝3位の西濱康行選手(ETA白波ワークス VITA)

表彰式

Text & Photo: Junichi SEKINE

VITAもてぎ・菅生

第1戦もてぎ決勝ドライバーコメント 優勝・イシカワヨシオ「SCで救われた」

優勝したイシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)

優勝 8号車・イシカワヨシオ(東京IRCニルズvivoVITA)
 「SCで救われました(笑)。10周あったらちょっと持たなかったと思います。(カワモト選手からのプレッシャーは?)あんまり。今回は(後ろを)見なかったので。いつも見ちゃうのですけれど、見るなってメカニックさんからも言われてて。練習からずっとタイムが出ていたので、普通に走れば勝てるかなって思っていたのですけれど、今回は去年のチャンピオンのイノウエ君も出ていないので、鬼の居ぬ間に点数稼がないと」
2位 32号車・カワモトミツル(シンエイジャパンwithオートルックVITA01)
 「(イシカワ選手)速かったですね。SC入ったからなんてイシカワさん言ってましたけど。それでも一番ミスしちゃいけない時に自分がV字でやらかしてしまいましたので。イシカワ選手はスポーツ走行からずっと速かったので。今シーズンはずっとこんな感じになると思うので、これにめげずに、超えなきゃいけない壁なので、超えたいと思います」
3位 17号車・西濱康行(ETA白波ワークス VITA)
 「予選の順位からそのまま3位なので、結果はよかったですけれど、内容的にはもっと頑張れるな、と思います。次は頑張ります」
Text & Photo: Junichi SEKINE

SUPER FORMULA

第1戦鈴鹿決勝後のコメント 松下信治「最低限の結果だが、この週末はすごく楽しめた」

 今シーズンのエントリーリストの中で、唯一埋まっていなかった55号車(TGM GP SF23)のシートは最終的に松下信治が獲得することになった。松下がスーパーフォーミュラをドライブしたのは昨年12月に鈴鹿で行われたルーキーテスト以来。実に3ヶ月以上のブランクを経て今週末を迎えたわけだが、終わってみれば予選9位、決勝は8位で3ポイントを獲得と、幸先の良いスタートを切ることができた。

 「元々チームが強いのはわかってたんで、最低限の結果かなと思います。ただ個人的にはこの週末はすごく楽しめましたね。フリー走行で今年初めて乗るクルマだったんで、それに対して自分がやるべきタスクは多かったんですし、その全てを消化できたわけではありませんが、与えてもらったチャンスを喜びたいし、ポイントを取れたってことで良い結果だったんじゃないでしょうか」

 「12月の時は最終戦のすぐあとだったんで違和感はなかったですし、ずっとGTのテストはやらせてもらっていたんですが、速度域が全く違うので、最初は『おおっ』ってなりました。予選に関しては自分のドライビングについてタラレバがありました。Q1を突破できたのはチームのおかげです」

 そして開幕戦で手応えを掴んだ松下は、次戦オートポリスでさらなる高みを目指す。

 「オートポリスでは絶対表彰台に上がりたいですね。今回もレースは速かったんで、予選順位をもう少し前でスタートしていれば、圧倒的にレースタイムも良くなりますから。スーパーフォーミュラはやっぱり予選が大事です。予選を頑張ってトップ3でスタートできればいいんじゃないでしょうか。レースは僕強いんで。チームもこれで自信がついたと思うんで、頑張りたいです」

 「クルマは良かったです。みんなテストをしてるけど、僕らはしてないって部分でビハインドはありましたが、ここから上げていきたいなと」

 松下信治とTGM Grand Prixの挑戦は続く。

Text: Kazuhisa SUEHIRO 

SUPER GT

公式テスト岡山セッション1 トヨタ移籍の福住仁嶺(14号車ENEOS X PRIME GR Supra)がトップタイムをマーク

公式テスト1回目セッション1:GT500クラストップは大嶋和也/福住仁嶺組(14号車・ENEOS X PRIME GR Supra)

 2024年最初のスーパーGT公式テストが3月16日岡山県美作市の岡山国際サーキットで始まった。午前中に行われたセッション1では14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)がGT500クラスのトップタイム。GT300クラスは88号車JLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップだった。

 公式テスト1回目の走行は午前9時より180分間で行われた。開始5分で50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3がコース脇にストップしたことにより一度赤旗中断があったが、その後は大きなアクシデントもなく最後まで進行した。

 GT500クラスは開始から15分が経過した時点で36号車au TOM'S GR Supra(山下健太)が1分20秒809でトップ。山下はその後も1分19秒669までタイムを縮めるが、この辺りから他のチームもペースを上げてきており、12号車MARELLI IMPUL Z(ベルトラン・バゲット)が1分19秒156でトップに浮上。このほか23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正)が1分19秒469、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛)が1分19秒477、17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT(塚越広大)1分19秒557と続く。

 さらにバゲットは次の周で1分19秒130にタイムアップするが、これを100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴)が上回り、1分18秒975でトップに立つ。なおチーム国光は牧野任祐が体調不良により今回不参加となったため、山本が一人で100号車をドライブしている。

 続いて23号車も千代が1分18秒677までタイムを縮めて山本を上回ると36号車の山下は1分18秒766、19号車WedsSport ADVAN GR Supra(阪口晴南)が1分18秒945、8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀)1分18秒997と各車18秒台にタイムを上げてきた。

 そして開始から40分が経過したところで千代が1分17秒901とこの日最初の17秒台のタイムを記録。これを山下が1分17秒834で上回り、再びトップに浮上する。

 山下はその後1分17秒825までタイムを縮めるが、セッションが半ばを過ぎたあたりで14号車ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺)が1分17秒591を叩き出し、この日初めてトップに躍り出た。

 その後は各車ロングランに入ったためにタイムの更新はなく、セッション1は14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)がトップ、36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が2番手、23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)が3番手という結果になった。

公式テスト1回目セッション1:GT300クラストップは小暮卓史/元嶋佑弥組(88号車・TBN)

 GT300クラスは序盤96号車K-tunes RC F GT3(新田守男)が1分26秒382でトップに立っていたが、セッション中盤に2号車muta Racing GR86 GT(平良響)が1分25秒870を記録。さらに88号車JLOC(小暮卓史)がこれを上回る1分25秒826をマークした。

 この結果、88号車JLOC(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップ、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が2番手、3番手には18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)がつけた。

公式テスト1回目セッション1:GT500クラス2位は坪井翔/山下健太組(36号車・au TOM'S GR Supra)

公式テスト1回目セッション1:GT500クラス3位は千代勝正/ロニー・クインタレッリ組(23号車・MOTUL AUTECH Z)

公式テスト1回目セッション1:GT300クラス2位は堤優威/平良響組(2号車・muta Racing GR86 GT)

公式テスト1回目セッション1:GT300クラス3位は小林崇志/小出峻/三井優介組(18号車・UPGARAGE NSX GT3)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山 GTAが新レギュレーションの説明会を実施 公式予選はタイム合算方式に!

坂東正明(GTA代表取締役社長)

 スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は3月16日、公式テストが行われている岡山県美作市の岡山国際サーキットにおいて、先日発表した2024年版のスポーティングレギュレーションについての説明会を開催した。

 今回の改訂の1番のポイントはタイヤの持ち込みセット数の削減と、それに伴う予選フォーマットの改訂だ。

 まずドライタイヤの持ち込み本数は昨年の5セットから1セット減の4セット(16本)となる(300kmレースの場合)。これにより、コロナ前の2019年には61セットだった年間使用数を40セットにまで削減することができる。これはレースタイヤの製造時に投入される資源やエネルギーの削減を目的としたものだ。参考までに2019年の総レース距離は3,050kmだったが、今年は更に多い3,160kmが予定されている。

 なお持ち込みセット数はレース距離によって異なり、3時間レース(第2戦富士、第3戦鈴鹿、第7戦オートポリス)は6セット、350kmレース(第4戦富士、第5戦鈴鹿)は5セットとなる。

 そしてこのタイヤ本数の削減に伴い、公式予選においてはQ1、Q2を通じて使用できるドライタイヤは1セットのみとなり、これを決勝レースのスタートにも使用しなければならなくなった。

 また、公式予選の順位はQ1とQ2のタイム合算によって決められるとともに、GT500、GT300ともに全車がQ2に出走することになった。

 特にGT300は、従来通りA組、B組に分かれてQ1を行い、各組の上位8台(グループ1)とそれ以下の車両(グループ2)に分かれてQ2を走る方式に改められた。

 さらにグループ1で13位以下になった車両と、グループ2の上位4台の計8台についてはタイム順で順位の入れ替えを行う。これによりQ2の走行を見合わせてタイヤを温存する作戦が採りにくくなる。

 またA、Bの組み分けは前戦のリザルトを元にGTAブルテンにて公示するが、出走順は前戦のGT300クラスの優勝ドライバーがくじ引きを行なって決定する。

 この新方式に対応するため、Q1、Q2の合算をリアルタイムで表示する専用の計時システムをGTAが用意し、レースを開催する各サーキットに持ち込むことになった。またライブタイミングを表示できるiPhone用の公式アプリも既に岡山テストからこの方式に対応している。

 この日の午後のセッション2では早速この予選方式のシミュレーションが実施され、GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が、GT300クラスは31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)がトップとなっている。

 新たな予選方式の導入でこれまでにない面白さとレース展開が大いに期待できそうな2024シーズン。開幕戦は4月13-14日にこの岡山国際サーキットで行われる。

服部尚貴(GTAレースディレクター)

GTA記者会見

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション2 新方式の予選シミュレーションは36号車au TOM'S GR Supraがトップ

公式テスト1回目セション2:GT500クラストップは坪井翔/山下健太組(36号車・au TOM'S GR Supra)

公式テスト1回目セション2:GT300クラストップは小高一斗/中村仁組(31号車・apr LC500h GT)

 スーパーGT公式テストセッション2が3月16日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた。このセッションは新たに導入される予選方式のシミュレーションとして実施され、GT500クラスは36号車、GT300クラスは31号車がトップとなった。

 予選形式で実施されるセッション2は午後2時にGT300クラスA組のQ1がスタート。天候は晴れ。路面はドライだ。

 ここでトップに立ったのはルーキーの中村仁(31号車apr LC500h GT)で、タイムは1分26秒245だ。2番手は前年チャンピオンの吉田広樹(52号車Green Brave GR Supra GT)で1分26秒248、吉本大樹(60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT)が1分26秒379で3番手とJAF-GT勢が上位を占めた。

 今シーズンから久々に参戦する777号車D'station Vantage GT3もマルコ・ソレンセンが1分26秒628で5番手につけ、Q2をグループ1で走ることになった。

 B組は小暮卓史(88号車JLOC)が1分25秒865でトップ。小林崇志(18号車UPGARAGE NSX GT3)が1分26秒097で2番手、谷口信輝(4号車グッドスマイル 初音ミク AMG)が1分26秒516で3番手という結果に。

 中村と同じくルーキーの小林利徠斗(30号車apr GR86 GT)も1分26秒690で7番手と、こちらもグループ1入りを果たしている。

 続いて行われたGT500クラスのQ1は計測3周目に1分17秒317を記録した福住仁嶺(14号車ENEOS X PRIME GR Supra)がトップタイム。山下健太(36号車au TOM'S GR Supra)が1分17秒409で2番手、山本尚貴(100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が1分17秒695で3番手となった。

 Q2はまずGT300クラスのQ1で17位以下だった車両によるグループ2の走行が午後2時54分より行われ、井口卓人(61号車SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分26秒977を記録。合計2分53秒803でこのグループのトップに立った。2番手は冨林勇佑(9号車)で1分26秒839(2分54秒373)、3番手には佐々木大樹(56号車)が1分27秒322(2分55秒004)で続いた。

 グループ1は午後3時10分にコースオープンとなり、Q1の上位16台が出走。ここで小高一斗が1分25秒974をマーク。合計2分52秒219でこのクラスのトップとなった。2番手はこちらもQ1同様に野中誠太(52号車Green Brave GR Supra GT)が1分26秒323(2分52秒571)で2番手。3番手はケイ・コッツォリーノ(45号車PONOS FERRARI 296)が1分26秒161(2分52秒736)で3番手となった。コッツォリーノは今回一人だけでテストに参加しており、Q1とQ2を一人で走行している。

 また、古谷悠河(50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3)が1分27秒025(2分53秒808)、永井宏明(30号車apr GR86 GT)が1分28秒800(2分55秒490)に終わったため、順位の入れ替えが行われて61号車が15番手、9号車が17番手、56号車が18番手となり、30号車は19番手に後退した。

 GT500クラスのQ2は午後3時24分にコースオープン。ここで坪井翔(36号車au TOM'S GR Supra)が1分17秒544を記録。合計2分34秒953でトップとなった。Q1トップの14号車ENEOS X PRIME GR Supraは大嶋和也が1分17秒873に終わり、合計2分35秒190で2番手。3番手には関口雄飛(39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1分17秒859(2分35秒630)で続き、GRスープラが1-2-3という結果となった。

 ホンダシビック勢の最上位は Q1とQ2を一人で走った山本尚貴(100号車 STANLEY CIVIC TYPE R-GT)の4番手、ニッサンZは23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)の5番手が最高だった。

 スーパーGT公式テストは17日も引き続きセッション3、セッション4がおこなわれる。

公式テスト1回目セション2:GT500クラス2位は大嶋和也/福住仁嶺組(14号車・ENEOS X PRIME GR Supra)

公式テスト1回目セション2:GT500クラス3位は関口雄飛/中山雄一組(39号車・DENSO KOBELCO SARD GR Supra)

公式テスト1回目セション2:GT300クラス2位は吉田広樹/野中誠太組(52号車・Green Brave GR Supra GT)

公式テスト1回目セション2:GT300クラス3位はケイ・コッツォリーノ(PONOS FERRARI 296)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション3 岩佐歩夢が出走 トップタイムは36号車au TOM'S GR Supra

合同テスト1日目セション3:GT500クラストップは坪井翔/山下健太組(36号車・au TOM'S GR Supra)

合同テスト1日目セション3:GT300クラストップは片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン組(6号車・VELOREX FERRARI 296 GT3)

 岡山県美作市で行われているスーパーGTの公式テストは3月17日午前にセッション3を行い、GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が1分17秒418でトップタイム。GT300クラスは6号車VELOREX FERRARI 296 GT3(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が1分25秒964でトップだった。

 セッション3は午前9時より180分間で行われた。サーキットの上空を厚い雲が覆い尽くし、いつ雨が降ってきてもおかしくないコンディションで各車コースインしていった。

 なおこのセッションから、体調不良で公式テストを欠席した牧野任祐(100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT)に代わり、岩佐歩夢がチームに合流、100号車をドライブすることになった。

 その100号車はまず山本が走り始めて7周目にピットイン。ここで岩佐に交代して15周目までを走行、1分22秒台後半から23秒台前半のペースで周回を重ねて再び山本に交代している。

 開始から30分が経過した時点のトップは23号車MOTUL AUTECH Zでロニー・クインタレッリが1分17秒949をマークしている。

 開始から間も無く50分が経過しようかというところで14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也)が1分17秒796を20周目にマークしてトップに。14号車はそのままピットに戻ってきた。。

 更に開始から55分が経過したところで、36号車au TOM'S GR Supra(山下健太)が1分17秒418までタイムを縮めてトップに浮上。100号車の山本は1分18秒473を20周目に出して6番手まで上がってきた。

 そして開始から1時間45分が経過したところでコース上に雨が降ってきたため、各車相次いでピットイン。その後は多くのチームがピットにとどまる中、14号車と19号車WedsSport ADVAN GR Supraは1分30〜32秒台で精力的に周回を重ねていった。途中からは36号車、16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16らもこれに加わる

 セッション3は天候の急変などはあったものの、赤旗中断や大きなアクシデントもなく正午にチェッカーフラッグが提示されて終了。

 GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が1分17秒418でトップタイム、14号車ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が1分17秒796で2番手、38号車KeePer CERUMO GR Supra(石浦宏明/大湯都史樹)が1分17秒938で3番手とここでもGRスープラ勢が1-2-3という結果となった。

  ニッサンZ勢の最上位は23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)の4番手、ホンダシビック勢は8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)の6番手が最高だった。

 GT300クラスは6号車VELOREX FERRARI 296 GT3(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が1分25秒964でトップタイム。65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が1分26秒004で2番手とFIA-GT3勢が1-2、3番手には1分26秒165で52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)がつけた。

 スーパーGT公式テストはこのあと午後1時45分よりスタート練習を行い、午後2時よりセッション4が120分間で行われる。

合同テスト1日目セション3:GT500クラス2位は大嶋和也/福住仁嶺組(14号車・ENEOS X PRIME GR Supra)

合同テスト1日目セション3:GT500クラス3位は石浦宏明/大湯都史樹組(38号車・KeePer CERUMO GR Supra)

合同テスト1日目セション3:GT300クラス2位は蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹組(65号車・LEON PYRAMID AMG)

合同テスト1日目セション3:GT300クラス3位は吉田広樹/野中誠太組(52号車・Green Brave GR Supra GT)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山セッション4 ウェットコンディションを制したのは24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z

公式テスト1回目セッション4:GT500クラストップは松田次生/名取鉄平組(24号車・リアライズコーポレーションADVAN Z)

公式テスト1回目セッション4:GT300クラストップは荒聖治/ニコラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラー組(7号車・Studie BMW M4)

 岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われている、2024年スーパーGT公式テストの最後のセッションが3月17日午後から120分間で行われ、GT50024号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が、GT300クラスは7号車Studie BMW M4(荒聖治/ニコラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラー)がトップタイムを記録した。

 午後1時45分からのスタート練習に続いて、今週末最後の走行となるセッション4が始まった。ただし今回は午前中から降り始めた雨のため、スタート前からウェット宣言が出され、セーフティーカーの先導で3周を走ってからオールグリーン、という手順で走行を始めることになった。

 まずは福住仁嶺(14号車ENEOS X PRIME GR Supra)が5周目に1分30秒563でトップに。これを野尻智紀(8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)が11周目に1分30秒496で上回る。路面は依然としてウェットだ。

 続いて名取鉄平(24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z)が14周目に1分29秒803でトップに浮上、同じ周で山下健太(36号車au TOM'S GR Supra)が1分30秒313で2番手につける。雨はこの辺りから止んでいたが、路面はなかなか乾いていかず、ウェットタイヤでの走行が続く。

 セッションは開始から35分が経過したところで石浦宏明(38号車KeePer CERUMO GR Supra)がダブルヘアピンで白煙を上げてストップしたために赤旗中断となる。

 車両回収後、午後2時50分に走行は再開。この時点では依然としてトップは24号車。名取は25周目に1分29秒625までタイムを縮める。

 残り時間36分で山下が33周目に1分29秒473を出してトップへ。笹原右京(37号車Deloitte TOM'S GR Supra)も35周目に1分29秒606までタイムを縮めて2番手に浮上するが、名取も39周目に1分29秒521までタイムを上げて2番手に。

 その後はホンダ勢が相次いでタイムアタックに入り、上位に名を連ねる展開になる。

 まずは残り31分で松下信治(8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)が1分28秒815でトップに。続いて塚越広大(17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT)が1分28秒740で8号車を上回る。

 しかしその後もラップタイムはどんどん更新され、残り28分を切ったところで笹原が1分27秒900を記録。続いて坪井翔(36号車au TOM'S GR Supra)も1分27秒980で2番手につける。

 更に国本雄資(19号車WedsSport ADVAN GR Supra)が1分27秒587でトムス勢を上回るが、塚越が1分26秒282で再びトップに躍り出ると、その後も1分25秒739までタイムを縮めてきた。

 しかしセッション終盤に入り、松田次生(24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z)1分25秒063を叩き出してトップに浮上。結局24号車がトップのままチェッカーが提示され、セッション4は終了した。2番手は17号車、3番手には平峰一貴が1分26秒314を記録した12号車MARELLI IMPUL Zが入った。

 GT300クラスは終盤まで6号車VELOREX FERRARI 296 GT3(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)がトップにつけていたが、最後の最後にブルーノ・スペングラーが1分31秒952を叩き出した7号車がトップに躍り出て走行を終えている。3番手には18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻/三井優介)がつけた。

 スーパーGTはこのあと3月23-24日に舞台を富士スピードウェイに移し、開幕前最後の公式テストを行う。

公式テスト1回目セッション4:GT500クラス2位は塚越広大/太田格之進組(17号車・Astemo CIVIC TYPE R-GT)

公式テスト1回目セッション4:GT500クラス3位は平峰一貴/ベルトラン・バゲット組(12号車・MARELLI IMPUL Z)

公式テスト1回目セッション4:GT300クラス2位は片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン組(6号車・VELOREX FERRARI 296 GT3)

公式テスト1回目セッション4:GT300クラス3位は小林崇志/小出峻/三井優介組(18号車・UPGARAGE NSX GT3)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山一日目のコメント 福住仁嶺「すぐ結果を残すことも大事だが、まずはちゃんと仕事をこなす」

 スーパーGT公式テスト初日、最初のセッションでトップタイムを記録したのは、今季チームを移籍し14号車ENEOS X PRIME GR Supraをドライブすることになった福住仁嶺だった。福住は午後の予選シミュレーションでもQ1でトップタイムを記録してみせた。

 「岡山以外のサーキットでもテストをしてきましたが、乗り始めから違和感なく、順調にテストをこなしていますし、長い距離を走った上でこの公式テストを迎えられたので、非常に充実した一日を過ごせました」

 過去のレースリザルトを振り返っても、TGR TEAM ENEOS ROOKIEにとって岡山は非常に相性の良いサーキット。そのことを福住に尋ねると以下の答えが返ってきた。

 「相性がいいからこそ、失敗できないというプレッシャーを感じます。なるべく僕も落ち着いて、チームに貢献できるように頑張ります。開幕戦の目標は優勝ですけど、あまり考えすぎないように(笑) 移籍してすぐに結果を残すことも大事ですが、ちゃんと仕事をこなせるように心がけます」

Text: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

公式テスト岡山一日目のコメント 中村仁「小高先輩に少しでも近づけるように」

 昨年までFIA-F4を戦い、今季から31号車apr LC500h GTでGT300に参戦することになった期待のルーキーの一人が中村仁だ。この日行われた予選シミュレーションではQ1を担当し、A組のトップタイムをマークする。

 「まずは午前中のルーキーテストに合格できて一安心でした。午後は新品タイヤを履かせてもらってQ1でアタックしました。ちょっと反省すべき点もあるなか、それでもトップタイムを出すことができたのは良かったです。正直いうともう少し詰められる部分はありましたが」

 続いて今季ドライブすることになったLC500h GTの印象を尋ねた。

 「すごくポテンシャルの高いクルマだと思います。今回の予選シミュレーションでもQ1、Q2共にトップタイムでしたし、うまくチームとコミニュケーションが取れているので、これからも速くなっていくだろうと思います」

 チームメイトの小高一斗も中村と同じルートを通って現在はGT300とスーパーフォーミュラを戦っている。中村にとっては良いお手本となる存在だろう。

 「いろんな話をしてくれます。レースのコミニュケーションだけでなく世間話みたいなことも結構してくれます。すごく良い先輩です。スーパーフォーミュラ・ライツのことも、乗る前にいろいろアドバイスをくださいました」

 最後に今季の目標を尋ねた。

 「初年度なので、まずはクラッシュしないでちゃんと走り切ることを第一の目標とし、小高先輩に少しでも近づけるよう心がけて、チームの皆さんと頑張っていきます」

 まずは開幕戦岡山でどれだけの結果を残せるか。若いドライバーたちの活躍に注目しよう。

Text: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

公式テスト岡山二日目のコメント 松田次生「8年ぶりの勝利を近藤監督にプレゼントしたい」

公式テスト1回目:チームを移籍した松田次生(KONDO RACING)

 終始ウェットコンディションの中で行われた岡山テスト最後のセッションは、24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z(松田次生/名取鉄平)が制した。セッション終盤にトップタイムを叩き出した松田に話を聞いた。

 「このコンディションなんでね。ウェットコンディションの中で初めてヨコハマさんのタイヤを履いたんですが、すごく良い感触でした。自分の中でもすごくフィーリングを掴めました。ただ、この気温でのタイヤと、この先のコンディションのタイヤは違ってくるので、そこでどう合わせこむか、ということをしっかりやっておかないといけません。でもパッと乗ってこのタイムを出せるのはすごくポジティブです。進化を感じます。感じますがこのコンディションでレースをするとは限らないんで、暖かい時を見据えて開発を進めていかないといけません。でも横浜さんには良い刺激になったんじゃありませんか」

 「予選シミュレーションではブリヂストン勢がQ1とQ2でタイムの落ち込みが少なかったですね。そこでヨコハマ勢は後れをとってしまいました。もっともっと貪欲に開発しないといけませんが、向いてる方向性は一緒なので、それをどう実現していくかが課題ですね」

 「タイヤにポテンシャルはあると思うし、クルマの方もエンジニアの村田(卓児)さんとはフォーミュラで一緒にやったことがあるので、すごく良いフィーリングです。まだまだ改良の余地はあると思いますが」

 続いて新しいチームの印象を聞いた。

 「ワークスはいろんなミーティングが多かったりしましたが、KONDO RACINGはアットホームというか、昔フォーミュラをやっていた時と同じ感じで。みんな同じ方向を向いていて、やる気もあるし、すごく楽しみですね。名取選手もウェットの中で非常に良いタイムを出しているので、すごくポジティブな雰囲気だなと思います」

 最後に今シーズンの抱負を聞いた。

 「チャンピオンは難しいかもしれませんが、それはやってみないとわからないことです。チームとして8年間優勝がないと聞きましたので、まずは勝利を挙げて近藤監督にプレゼントしたいです。僕の最多勝(25勝)もかかっていますしね」

 KONDO RACINGの8年ぶりの勝利と自身の通算最多勝を目指して、松田は今シーズンも全力で戦う。

公式テスト1回目:チームを移籍した松田次生(KONDO RACING)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

公式テスト岡山二日目のコメント 岩佐歩夢「想像以上にハコ車だな、と思った」

公式テスト1回目:急きょテストに参加した岩佐歩夢(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)

 今週末最大のサプライズは昨年までFIA-F2で活躍し、今シーズンからスーパーフォーミュラを戦うことになった岩佐歩夢の参加だろう。昨日急遽決まったというGT500マシンのドライブ。まずは今日のテストの感想を尋ねた。

 「すごく楽しめましたね。ドライは5周くらいでしたが、その5周の中でも感覚はすぐに掴めましたし、ウェットも走らせてもらえて、ドライ、ウェット両方乗れたことは大きな経験値になりました。ただ、ドライでもう少し走りたかったな、というのはあります。運転していてすごく楽しいクルマでしたので」

 「本当に急遽決まった感じです。元々は明日から海外に戻る予定にしていたんですが、牧野(任祐)が走れなくなったということでこの機会をいただきました。僕の経験の足しになれば、ということで参加を決めました。今季はSFに参戦しますが、目標はあくまでF1です。そのための経験値の足しになればということです」

 続いて実際に乗ってみてのGT500マシンの印象を尋ねた。

 「いろんなドライバーさんに話を聞くと、ハコの形だけどフォーミュラに近いよ、という答えが返ってきました。それを聞いてイメージしていたせいもあったのか、乗ってみたら想像以上にハコ車だな、と感じました。でも自分は四輪レースにはスーパー耐久から入っているので、自分のハコ車に乗っていた時の感覚が戻ってきた感じがして、数周の間に馴染めました。充実した周回でした」

 「岡山は2019年にスーパー耐久で走ったことがあったので、初めてではなかったんですが、かなり久しぶりだったので、まずはコースを思い出すところから始めました」

 今後のスーパーフォーミュラに活かせる点はどのあたりなのか。岩佐はこのように考えていた。

 「基本的にエアロダイナミクスを活かして走るクルマなので、ハコ車ですけどそこは似ています。このぐらいダウンフォースの効いているクルマというのは世の中にあまりないので、それに乗ることができたという点が自分のドライビング面の収穫でした」

 「自分が今季チャンピオンシップを戦うのはスーパーフォーミュラなので、今回の経験から活かせるものをピックアップして、スーパーフォーミュラで使い、自分のパフォーマンスを上げたいと考えています」

 「基本的にSFのため、という気持ちで今回来ています。スーパーフォーミュラの走行機会は多くないので、こうやってハイスピードでダウンフォースの効いたマシンで走れたというのはポジティブに捉えています」

 岩佐が今後再びGT500をドライブすることはあるのだろうか。このことを尋ねると、こんな答えが返ってきた。

 「もう一度GT500に乗るということは全く考えていません。今回はスケジュール的に空いていたし、レッドブルからもハイパフォーマンスなマシンに乗る機会があるなら積極的に乗ったほうがいい、と言われていましたので、ドライバーとしての経験を積ませてもらう機会として乗りました。このマシンの性能を肌身で感じられたこと、SFに活かせる点を感じられた事が今回の収穫でしたね」

 岩佐の目標はあくまでもF1。そこに繋がるチャンピオンシップとして今季はスーパーフォーミュラに専念する。そのことが改めて明らかになった一日だった。

公式テスト1回目:急きょテストに参加した岩佐歩夢(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

もてぎ・菅生S-FJ選手権

RiNoA Racing project、2024年の体制発表

 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズに参戦する、里見乃亜代表率いるRiNoA Racing project「群馬トヨペットTeam RiNoA」が今シーズンの参戦体制を発表した。

 2020年に参戦を開始した同チームは 2021年に佐藤樹選手、昨年は内田涼風選手がそれぞれシリーズチャンピオンを獲得し、毎年トップ争いを見せている。今年は81号車に丸山陽平選手、82号車に大川烈弥選手を起用しシリーズ連覇、そして年末の日本一決定戦での優勝を目指す。

 丸山選手はカートレース出身で昨年はGRPシリーズ戦での優勝経験もある。大川選手は2021年からスーパーFJもてぎ・菅生シリーズに参戦、2022年は菅生で表彰台を獲得しシリーズ8位にランクインしている。

 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ開幕戦は4月27日、28日の2レース開催で幕を開ける。今年も「群馬トヨペットTeam RiNoA」の戦いぶりに注目が集まる。

Text: Junichi SEKINE

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筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波注目選手インタビュー 石井大雅「自分の走りを見せて、優勝めざしてがんばりたい」

 2024年JAF地方選手権、スーパーFJ筑波/富士シリーズが開幕を迎え、昨年とは大幅に選手が入れ替わった。今回は新人やカムバック組など8名について前日のスポーツ走行の合間にインタビューを行った。

 まずは今回スーパーFJのデビューレースを迎えた6名のドライバー。

横田康志朗(ELEVレーシング制動屋S2)

 72号車「ELEVレーシング制動屋S2」をドライブする横田康志朗。前田代表率いるELEVレーシングはエースの91号車角間と、各レースでスポット参戦する選手の2台体制でレースに出場する。横田は普段はメカニックを行っているが、その合間のトレーニングで成果が見られたことでフォーミュラマシンでのレース参戦とあいなった。

 ――レース参戦は初めて?

 「JAF戦が初めてなので、緊張しています。レーシングカートも遊び程度でした。

 ――練習やってみての感想は?

 「だいぶうまくなったなって感じると、もっと速い方がたくさん、上には上がいるんだなっていう感じでいて、心が折れちゃうような時もあるんですけれど。ただ、楽しもうと思っています」

 ――練習はかなり積んだ?

 「8か月ぐらいの間で月に1回とか2か月に1回とかでした。タイムは59秒7とかやっと入れたって感じですね」

 ――今後の参戦については?

 「いまのとこと考えていないですね。ただ今年はELEVさんのところで整備やチームのサポートというかたちで1年間続けて行こうとは思っています。後は今日(練習)と明日(レース)の結果次第で、自分はもっと伸びると思っているので、楽しみながら成長したいです。速い方がたくさんいるので学びながら成長できればと思います」

塚本凜世(F-BrainウィンズS2 ED)

 39号車「F-BrainウインズS2ED」の塚本凛世。2022年には全日本カート選手権に出場していた。

 ――練習はかなり積んだ?

 「今回の為に練習はかなりしました。だいたいいい感じには仕上がってきたので、結果が出せるといいな、という感じです」

 ――ここまで練習走行での調子は?

 「悪くはなかったかなーとは思います」

 ――カート出身という事でフォーミュラとの違いは苦労しなかった?

 「かなり苦労して、車重が重い分コントロールの難しさがより強くなって、そこにかなり苦戦していました」

 ――本番に向けて自信のほどは?

 「(自信は)あるかな(笑)。やれるだけがんばります」

石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)

 53号車「ファーストガレージ制動屋S2」の石井大雅はSIMレース出身だ。

 ――もともとはSIMレーサーだった?

 「グランツーリスモ中心にやって、その後iRacingとかやっていて、オーディションがあったのでファーストガレージさんを受けた、という感じです。マツ耐っていうマツダ車のレースには出ていましたが、JAF戦のレースは初めてです」

 ――実車に慣れるのは大変だった?

 「けっこう(クルマの)動かし方とかが違ったりとか、そのへんがけっこう難しいなとは思っています」

 ――その点は克服した?

 「半年間練習してきたので、そこはもう自信もってやって行きたいと思っています」

 ――明日のレースに向けては?

 「けっこう強敵ぞろいなので、がむしゃらにという訳ではないですけれど、自分の走りを見せて、優勝めざしてがんばりたいと思います」

津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

 52号車「ファーストガレージKK-SⅡ」の津田充輝はカートレース経験者。

 ――カートレースは何年ぐらいやった?

 「中学1年から始めて高校2年まで5年間やっていました。今19歳です」

 ――練習はかなり積んだ?

 「カートの練習は地元のサーキットでやっていたのですけれど、スーパーFJに関しては、1月くらいから本格的に始めて、月2,3回練習していたので、カートよりは練習回数少なくなってしまったです。その中でも全力を出せるようにがんばります」

 ――カートとフォーミュラの違いは大きい?

 「大きく感じます。特に車重が4倍くらいあるので、挙動の変化が自分の感覚とずれていて、そこにけっこう苦しんでいる面もあるので」

 ――そこはまだ慣れ切っていない

 「ただちょっと使いこなせてないところがちょっとある感じです」

 ――明日の目標は?

 「もちろん優勝です」

水谷誠(HC桶川MRPYTT ZAP ED)

 18号車「HC桶川MRPYTTZAPED」水谷誠はカートはじめモータスポーツ経験がまったくない状態でのレースデビューだ。

 ――今までレースに経験は?

 「何もないです(笑)、初レースになります」

 ――練習はけっこう積んだ?

 「走りましたね。ZAPさんのオーディションの時から2年ぐらい練習して」

 ――ここまで調子は?  「まだぜんぜん、58秒台に入れていないので、未経験な部分が多いです。そこを経験積んで勉強していきたいなと思います」

 ――明日の目標は?

 「まず完走というのがひとつと、真ん中ぐらい(の順位)に入れればいいなとは思います」

畠山退三(ZAP SPEED KK-SII)

 38号車「ZAP SPEED KKS-Ⅱ」畠山退三は主にサーキットトライアルで活躍してきた。

 ――今回がレースデビュー?

 「そうです、タイムアタックは経験あります」

 ――フォーミュラの練習はどのくらい積んだ?

 「1年くらいですね」

 ――タイムアタックとフォーミュラの違いはどう感じる?

 「ヨーを出してどう曲がるかというのがスーパーFJは必要なのですけれど、ハコ車は逆にそういうのはないので、旋回のしかたとかがまったく違いますね」

 ――筑波自体は慣れたコース?

 「1年練習しましたからね。それまではあまり」

 ――明日の目標は?

 「58秒台に入れたいですね、今は59秒2がベストです」

 ――決勝は18周と長いが大丈夫そう?

 「初めてなんでわからないですね(笑)。タイムアタックとは集中のしかたも違うと思うので。レースに出て課題が見えれば成長できるかなと思います」

 そして今回がデビューではないが注目の2選手。

酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

 55号車「ファーストガレージKK-S2」の酒井翔太は筑波では初レースだが2月の鈴鹿クラブマンレースでデビューし、Formula-BeatとスーパーFJにダブルエントリー。雨の中F-Beでは2位に55秒の大差をつけて優勝と鮮烈なデビューを飾る一方で、同日のスーパーFJではトップから56秒の遅れで13位と真逆のリザルトとなり周囲を驚かせている。

 ――筑波の印象は?

 「普通のコースと違うライン取りだとか、コース独特のラインが今ちょっと苦戦しているところです。練習ではあまりいい結果残せていないのですよ。明日のレースに向けて今日調整できればなと思っています」

 ――練習はけっこうできた?

 「練習行ける時に行っていたので、ちょくちょくは来られていました」

 ――先月の鈴鹿はF-BeとS-FJで対照的な結果だったが原因は?

 「(マシンの)乗り換えだったり、ラインも少し違っていて、タイヤの太さも全然ちがうので、そこで一番苦戦しちゃったかな、と思います」

 ――カートの経験は?

 「2年くらいですね」

 ――カートからフォーミュラへの乗り換えは苦労しなかった?

 「(切り替えは)スムーズだったのかなという感じです。ギアの操作の違和感とかはあったのですけれど、そこさえ慣れれば、後は大丈夫でした」

 ――明日に向けての抱負は?

 「筑波で初めてのレースですけれど、周りのみんなに負けないように、ぶっちぎっての優勝目指して頑張ります」

伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

 14号車「ZAP SPEED 10VED」の伊藤駿は2020年の筑波S-FJチャピオン。新型コロナの影響で4戦に縮小されたシリーズの3戦に出て全勝という強さを見せた。今回4シーズンぶりのレース参戦となる。

 ――4年ぶりのS-FJでのレースで、その間に何かレースはしていた?

 「そうですね、公式のレースは出ていなくて、個人的にクルマ乗り回したりKT100(レーシングカート)は乗ったりしていました」

 ――当時の調子は取り戻せている?

 「タイヤがついていればみんな同じなので、時になんの問題もないですから。ただ今年はけっこう速い人が多いらしくて、さすがに自信を持って優勝できるとは思わないですけれど、いいところまで行けたらな、と思います」

 ――今シーズンはフル参戦の予定?

 「そうです。あとはどこかしらスポットで遠征もしたいです」

 カートレース、SIMレース、サーキットトライアル、はたまた未経験からのレースデビューなど様々なルートからスターティンググリッドに並ぶ彼らの活躍に期待したい。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波公式予選結果

筑波チャレンジクラブマンレース第1戦 -RIJ- (2024/03/16) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2024 筑波/富士スーパFJ選手権シリーズ Round 1 筑波サーキット 2.045km

Pos Cls Cls
Pos
Driver Car
Maker Model
Time Behind Gap km/h
1 73     センドラ船戸 アレックス翔太 TRS・10V・ED
TOKYO R&D RD10V
57.866 - - 127.225
2 52     津田 充輝 ファーストガレージKK-SII
MYST KK-S2
58.112 0.246 0.246 126.686
3 91     角間 光起 ELEVレーシング10V ED
TOKYO R&D RD10V
58.113 0.247 0.001 126.684
4 22     内藤 大輝 RCIT RaiseUP ED
MYST KK-S2
58.176 0.310 0.063 126.547
5 55     酒井 翔太 ファーストガレージKK-S2
MYST KK-S2
58.310 0.444 0.134 126.256
6 14     伊藤 駿 ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
58.327 0.461 0.017 126.219
7 53     石井 大雅 ファーストガレージ制動屋S2
MYST KK-S2
58.375 0.509 0.048 126.116
8 3 M 1 秋山 健也 スーパーウィンズKKS2
MYST KK-S2
58.594 0.728 0.219 125.644
9 39     塚本 凜世 F-BrainウィンズS2 ED
MYST KK-S2
58.682 0.816 0.088 125.456
10 15     黒川 史哉 ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
58.706 0.840 0.024 125.405
11 72     横田 康志朗 ELEVレーシング制動屋S2
MYST KK-S2
59.052 1.186 0.346 124.670
12 38 M 2 畠山 退三 ZAP SPEED KK-SII
MYST KK-S2
59.164 1.298 0.112 124.434
13 18     水谷 誠 HC桶川MRPYTT ZAP ED
TOKYO R&D RD10V
59.183 1.317 0.019 124.394
14 46 M 3 本間 隆史 MATレーシングPJ 10V
TOKYO R&D RD10V
59.612 1.746 0.429 123.499
---- 以上基準タイム(130% - 1'15.439)予選通過 ----

筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波予選 久々参戦のセンドラ船戸アレックス翔太が他を圧するタイムでがポールポジション獲得

ポールポジションはセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権開幕戦公式予選が3月17日(日)に筑波サーキットで開催され、2022年の最終戦以来の出場となるセンドラ船戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)がただ一人57秒台に入れて2番手の津田充輝(ファーストガレージKK-SⅡ)に0.246秒の差でポールポジションを獲得した。

 開幕を迎えた筑波・富士シリーズ。昨年の王者小村明生をはじめ上位ランカーがかなり抜け、替わりに新人や久々参戦の選手などを迎えて14台がエントリー。新たな勢力図が構成されることになる。

 午前8時43分、昨年ランキング4位、終盤2戦を連勝で終えて今シーズンはチャンピオン目指しての参戦となる角間光起(ELEVレーシング10VED)を先頭にコースイン。気温11度、路面温度16度のドライコンディションだ。

 各車ウオームアップを終えて残り17分、まずは内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)が59秒374でトップに立つ、2番手は津田で59秒452、3番手角間59秒564と続く。各車ここから本格的なタイムアタックを開始。

 残り16分、アレックスがいち早く59秒を切って58秒803でトップに出るが、直後に角間が58秒590、内藤58秒624とアレックスを上回る。4番手にはマスターズクラスの秋山健也(スーパーウィンズKKS2)が59秒012で進出。秋山は今シーズンからKKS2にマシンを変えて参戦を表明していたが、セッティングがまだ不十分ということで使い慣れたKKSでの出場となった。5番手酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)、6番手にはこちらもルーキーの塚本凛世(F-BrainウインズS2ED)が上がってくる。

 残り13分。アレックスは58秒268をマークして再びトップに立つと続く周回で58秒180までタイムを短縮。2番手角間も58秒398まで詰めるが0.218秒の差。3番手内藤58秒572で4番手には津田が58秒607でポジションを上げてくる。5番手の酒井を挟んでこちらもデビュー戦の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)が6番手へ。

 残り10分を切って予選は折り返し、ここからが勝負。内藤が58秒349で2番手に上がり角間3番手。さらに残り9分30秒で津田が58秒309で内藤を上回るが、すかさず内藤が58秒176を出してアレックスを上回りトップに立つ。また4シーズンぶり参戦の2020年チャンピオンの伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)が58秒626で6番手に上がってくる。

 残り8分、アレックスが58秒134で再びトップを奪回。0.042秒の差で内藤。3番手以降は津田~角間~酒井と続き6番手には石井が伊藤を逆転。

 残り7分、アレックスは58秒を切って57秒979、さらに57秒866とタイムを削り取る。2番手は津田が58秒112でポジションアップ。内藤は3番手にドロップ。4番手酒井、5番手角間、6番手石井の順。石井は残り5分で58秒310を出して5番手にアップ。

 その後アレックスを脅かすものは現れず、2番手津田に0.246秒の差をつけてポールポジションを獲得した。最後にポジションを上げたのが角間で残り3分時点で58秒260の4番手、さらに残り1分を切って58秒113をマークしたが津田に千分の1秒及ばずでフロントロウは獲得できず3番手。内藤4番手、酒井5番手に続いてチェッカー周に伊藤が58秒327を出して6番手に滑り込んだ。

 3台が出走のマスターズクラスは終始総合8番手前後のポジションを守っていた秋山が全体8位でクラストップ、今回初レースの畠山退三(ZAP SPEED KKS-Ⅱ)が全体12位クラス2番手、本間隆史(MATレーシングPJ10V)が全体14位のクラス3番手となった。

 決勝は午前11時25分コースイン予定。練習走行で好タイムを出して注目されていたアレックスが下馬評通りの速さを見せるか、デビュー戦の津田がカート仕込みの勝負強さを見せるか、昨年終盤一気に覚醒した感がある角間がその勢いを継続しているか。予選後に何人かの選手から今回供給されているダンロップタイヤについてロット違いによる性能差の指摘もあり、それがレースでどう作用するか、目が離せない。

予選2位は津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

予選3位は角間光起(ELEVレーシング10V ED)

予選4位は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

予選5位は酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

予選6位は伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

マスタークラスポールポジションは秋山健也(スーパーウィンズKKS2)

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE

筑波・富士S-FJ選手権

第5戦筑波公式予選ドライバーコメント PP・センドラ船戸アレックス翔太「狙っていたタイムより出た」

ポールポジション 73号車・センドラ船戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)57秒866

ポールポジションのセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 「狙ったタイムより出ましたね。57秒台は入るかなと思っていましたが、なんとか入ることはできました。クルマがバッチリで、問題なかったです。これから決勝も頑張ります」

2位 52号車・津田充輝(ファーストガレージKK-SⅡ)58秒112 トップと0.246秒差

予選2位の津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

 「まず前半は自分の出だしもよくて、いい感じで周回できていたのですけれど、後半になってから、自分の車両コントロールがうまくできなくなってしまって、そこは決勝の時にどうやって補正できるかっていうのが課題になってくると思います。(コントロールができないというのはドライビングの問題?)昨日から抱えていた問題があって、それが後半再発しているところがあって、今日は少しセッティング変えてみてトライして、1本目(のアタック)はよかった感じだったのですけれど、そこから後半になって気温が高くなるにつれて、また同じ症状が再発している感じではあります。決勝にむけてはそのへんを考えて、対策します」

3位 91号車・角間光起(ELEVレーシング10VED)58秒113 トップと0.247秒差

予選3位の角間光起(ELEVレーシング10V ED)

 「ちょっと不完全燃焼というか、うまく自分のベストをつなげることができなかったな、というところ。正直2番手の方とも千分の1秒差というすごい僅差なので、ちょっと悔しい結果に終わってしまったなという印象です。決勝はとにかく去年以上に接近しているというか、予選のタイムもみんな同じくらいで、バトル激しくなると思うので、バトルに関してはけっこう自信持っているので、なんとかそこで2番手、ないしはトップを狙って、挽回していきたいなと思います」

4位 22号車・内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)58秒176 トップと0.310秒差

予選4位の内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

 「最初の方は(調子が)よくて、ただ後半でタイヤの空気圧の問題とかあってちょっと(ペースが)落ち込んできたので、いったんピットに入ったのですけれど。その後もうまくいかなくて、そのままのタイムになってしまったという感じです。決勝はマシンというよりどちらかと言えばドライバーの問題なので、どうすれば速くなるか、というのを考えつつ、頑張りたいと思います」

5位 55号車・酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)58秒310 トップと0.444秒差

予選5位の酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

 「昨日の最後の練習と比べると、タイムは上がっているのですけれど、セットも変えているので、それで多少はよくなっているのですけれど。最後にちょっと(タイヤが)タレちゃって、思った以上にヒートが早くて、再度もうタイムを出せないな、と思っちゃったのですけれど。他の選手の後ろのスリップ(ストリーム)についてタイム出そうかなと思ったのですが、タイミング悪くて誰にもつけなくて、苦しい予選になっちゃったかな、という感じです。決勝はスタートをちゃんと決めて、抜かせられるところでしっかり抜いて、とりあえず1位めざして頑張ります」

6位 14号車・伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)58秒327 トップと0.461秒差

予選6位の伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

 「今回は自分じゃなくてタイヤの問題ですね。タイヤがダメで、なんかロットがちがうらしいです。新しいロットの方はよく(路面を)喰うらしくて。自分自身は何も問題ないです。クルマも全然問題なくて、ひたすらタイヤですね。決勝に向けては苦し紛れと言うか、セットいじって戦いやすくするか、みたいな感じですね。なんかちょっとふがいない結果なので、本当だったらここ(57秒台)行きたいのですけれど、ま、しょうがないですね」

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

SUPER GT

公式テスト岡山二日目のコメント 名取鉄平「次生さんも僕もトップタイムで終われていい感じだった」

 昨年GT300クラスを戦ったKONDO RACINGで今度はGT500クラスに挑戦する名取鉄平(リアライズコーポレーションADVAN Z)。二日間の公式テストを終えての感想を聞いてみた。

「(GT500昇格の話は)昨年暮れにニスモさんからお話をいただいたので、しっかり準備に集中することができました」

 「(GT500には)テストで既に乗っていたので、特別何かあるというわけではありませんが、初めて500で岡山を走ってみてタイヤ開発が難しいな、と感じていました。二日目の午後は常にトップタイムでセッションを進められて、僕も次生さんもトップタイムで終わることができたので、いいフィーリングでした。ですがドライタイヤには課題が多いので、次生さんやチームと力を合わせてBSとの差を詰めたいです」

 「チームとしては8年優勝がないという状況なので、チームと次生さんとヨコハマタイヤさんと力を合わせて、なんとか優勝したいです。僕も初優勝がかかっているし、次生さんも通算最多勝がかかっているので」

 ベテラン松田次生とのコンビでチームに8年ぶりの優勝をもたらす日はいつか。名取の活躍に期待しよう。

Text Kazuhisa SUEHIRO

筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波決勝結果

筑波チャレンジクラブマンレース第1戦 -RIJ- (2024/03/17) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 筑波/富士スーパFJ選手権シリーズ Round 1 筑波サーキット 2.045km

Pos No Cls Cls
Pos
Driver Car
Maker Model
Lap Time Behind Gap
1 73     センドラ船戸 アレックス翔太 TRS・10V・ED
TOKYO R&D RD10V
18 23'26.425 - -
2 52     津田 充輝 ファーストガレージKK-SII
MYST KK-S2
18 23'28.378 1.953 1.953
3 91     角間 光起 ELEVレーシング10V ED
TOKYO R&D RD10V
18 23'29.785 3.360 1.407
4 22     内藤 大輝 RCIT RaiseUP ED
MYST KK-S2
18 23'30.670 4.245 0.885
5 14     伊藤 駿 ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
18 23'31.850 5.425 1.180
6 55     酒井 翔太 ファーストガレージKK-S2
MYST KK-S2
18 23'33.854 7.429 2.004
7 53     石井 大雅 ファーストガレージ制動屋S2
MYST KK-S2
18 23'34.911 8.486 1.057
8 3 M 1 秋山 健也 スーパーウィンズKKS2
MYST KK-S2
18 23'36.786 10.361 1.875
9 39     塚本 凜世 F-BrainウィンズS2 ED
MYST KK-S2
18 23'37.849 11.424 1.063
10 15     黒川 史哉 ZAP SPEED 10V ED
TOKYO R&D RD10V
18 23'38.281 11.856 0.432
11 72     横田 康志朗 ELEVレーシング制動屋S2
MYST KK-S2
18 23'44.058 17.633 5.777
12 38 M 2 畠山 退三 ZAP SPEED KK-SII
MYST KK-S2
18 23'50.623 24.198 6.565
13 46 M 3 本間 隆史 MATレーシングPJ 10V
TOKYO R&D RD10V
18 23'51.163 24.738 0.540
---- 以上規定周回数(90% - 16 Laps)完走 ----
- 18     水谷 誠 HC桶川MRPYTT ZAP ED
TOKYO R&D RD10V
13 23'49.345 5Laps 5Laps
  • Fastest Lap: CarNo. 73 センドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED) 58.245 (18/18) 126.397 km/h

筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波決勝 ポールシッターのセンドラ船戸アレックス翔太がスタートでの出遅れを挽回して初優勝

優勝したセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権開幕戦決勝が3月17日(日)に筑波サーキット18周で行われ、ポールポジションのセンドラ船戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)がスタートに失敗するもセーフティカー(SC)明けの9周目にトップの座を奪い返すと、2位津田充輝(ファーストガレージKK-SⅡ)を寄せ付けずにフィニッシュまで走り切り、レースキャリア初の優勝を飾った。

 朝の予選に続いて決勝は午前11時39分フォーメーションラップ開始。晴れ間が覗くコースは気温17度、路面温度26度という絶好のドライコンディション、レッドライトが消灯しレーススタート。

決勝のスタートシーン

 スタートがよかったのはフロントロウから発進の津田で一気にトップに立つとホールショットを奪い第1コーナーへ。反対にポールポジションのアレックスは蹴り出しが弱く後続の集団にのみ込まれ、予選3番手の角間光起(ELEVレーシング10VED)にもインを差されて3位でターンイン。さらに予選4番手の内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)もS字に向けてアレックスのスキを窺うが、ここはアレックスがポジションを守ると、これでアレックスのスイッチが入ったかS字出口で角間に並びかけると第1ヘアピンまで並走するが、ダンロップコーナー進入では再び角間が前に。しかしアレックスも諦めず第2ヘアピンで角間のテールに張り付くと最終コーナー入口でイン側から勝負をかけてバックストレートで並びかけ、サイド・バイ・サイドでメインストレートに出るとコントロールライン上では全くの同タイム。トップ津田から共に0.960秒で通過した。そこからの加速はアレックスに伸びがあり、第1コーナー手前で角間の前に出て2位へとポジションを上げ、津田追撃に取りかかる。4位内藤も0.234秒の差で3位に落ちた角間にプレッシャーをかける。

 後方では7番手スタートのルーキー石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)が前から発進の伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)をS字でとらえて、チームメイトの酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)に続いて6位で第1ヘアピンに飛び込む。しかし4シーズンぶり参戦の伊藤のカンは鈍っておらず、ダンロップコーナー進入でアウトから石井をオーバーテイク、さらにバックストレートで酒井もかわして5位に進出してオープニングラップを終えた。

 各車2周目に突入。ここで今回レースデビューの水谷誠(HC桶川MRPYTTZAPED)が第1コーナーでスピン、アウト側のグラベルにはまった状態でストップしてしまい、コントロールタワーからSC投入が宣言される。

 SCランはそのまま7周目まで行われ、8周目からレース再開。津田を先頭にアレックス~角間~内藤~伊藤~酒井の順だ。

 この展開が利したのが2位のアレックス。スタートの失敗と角間とのバトルで1秒近くまで開いていたトップ津田との差が帳消しになり、8周目終了時には0.243秒差と津田のテールに迫った状態で9周目に突入。テール・ツー・ノーズ状態でチャンスを窺うと最終コーナーでイン側からオーバーテイク。津田を仕留めてトップの座を奪回すると0.194秒差で10周目へ。

 ここからアレックスは連続でファステストラップを更新、2位津田に対して10周目0.753秒差、11周目1.449秒差、12周目1.533秒差とジワジワ突き放しにかかる。その後ろでは3位角間に内藤が接近。その差は10周目0.266秒、11周目0.254秒、12周目0.39秒と一触即発の状態に。5位伊藤はこのペースについて行けず1.075秒のビハインド。さらに6位酒井もやや遅れ気味だ。

 2位津田は13周目に自己ベストを更新してアレックスとのギャップを1.195秒まで挽回するが、そこからアレックスが再度スパート。再び間合いを拡げると17周目、ファイナルラップと連続でファステストラップを更新して勝負あり。最終的に1.953秒までマージンをひろげてチェッカードフラッグの下を通過、2022年の最終戦でデビューし、その時2位でお預けになっていた初優勝を実力でもぎ取った。

 2位は津田、今回がフォーミュラでの初レースだったがしっかりポジションを守ってフィニッシュした。角間対内藤の3位争いは終盤に角間が踏ん張りギャップをひろげ、0.885秒差で表彰台の一角を守った。内藤4位、伊藤5位から2秒以上遅れたが15歳の酒井がチームメイトの石井を振り切って6位入賞。

 表彰台横にマシンを並べたアレックスはマシンに駆け寄ったピットクルーとがっちり握手。応援のメンバーとも抱擁を交わしてからヘルメットを脱ぐと満面の笑顔でガッツポーズをとった。

 3台が出走のマスターズクラスは8番グリッドからスタートの秋山健也(スーパーウィンズKKS2)がポジションを守り切りクラストップでフィニッシュ。全体12位の畠山退三(ZAP SPEED KKS-Ⅱ)がクラス2位、全体13位の本間隆史(MATレーシングPJ10V)がクラス3位となった。

 筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第2戦は4月13日(土)に舞台を富士スピードウェイに移して行われる。筑波とは打って変わって高速コースとなり、今回見られた勢力図がどう変化するか。興味は尽きない。

優勝はセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

決勝2位は津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

決勝3位は角間光起(ELEVレーシング10V ED)角間光起(ELEVレーシング10V ED)

決勝4位は内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

決勝5位は伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

決勝6位は酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA

筑波・富士S-FJ選手権

第1戦筑波決勝ドライバーコメント 3位・角間光起「表彰台は死守しようとめちゃくちゃ頑張りました」

優勝 73号車・センドラ船戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

優勝したセンドラ瀬戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)

 「スタートは失敗しましたね。で、なんとかその後角間君と並んで第1ヘアピンもサイド・バイ・サイドで、ダンロップ(コーナー)でちょっと前に出られちゃって、そこで引かないで並んで行こうとするとたぶん当たっていたと思うので、一回前に行かせて3番手に落ちたのですけれど。で、第2ヘアピンで仕掛けてまたサイド・バイ・サイドになりまして、最終コーナー立ち上がっても向うが前でしたけれど、なんとか右側に出られて、インからストレートで抜く事ができました。ちょうど黄旗の手前でそこがけっこう重要で、そこで抜いてなかったら1位までは難しかったのではないかなと思います。SC明けはよかったです(笑)、狙って行けた感じで。本当はスタートがうまく行けばという事で、今後も練習してスタートはうまくならないと、もし前が本当に一緒ぐらいのペースの人だったらたぶん抜けないのじゃないかなって思いましたね。今回は2位のペースがそこまで一緒ではなかったので、抜けたのですけれど、スタートは今後の課題で、決められないとドライバーとして満足できないです」

2位 52号車・津田充輝(ファーストガレージKK-SⅡ)

決勝2位の津田充輝(ファーストガレージKK-SII)

 「スタートはよかったです。その前に練習走行の時もけっこうスタート練習っぽいことをしていたので、その中でいい感じの回転数を見つけたのがよかったです。あとは今日のフォーメーションラップ中に、下(メーター)の回転数を見ていて試して、いい感じの回転を決められたので、スタートはうまくいったと思います。(リスタート後の状況は?)抜かれる前のコーナー(第2ヘアピンか)で少しミスをしたのがあって、そこからスリップストリームにつかれて、すっと入られた時に、自分としても並走からどうやって並びきればいいのかがわからなくて、それでちょっと簡単に抜かれてしまったのがあります。大きいクルマでどう戦えばいいのかが分からなくて、ていう感じがありました」

ファーストガレージ エグゼクティブアドバイザー・佐々木孝太

佐々木孝太エグゼクティブアドバイザー(ファーストガレージI)

 「(津田選手は)ちょっと練習では悩んでいたところもあったので、それが明確なところだったから、そこを直せば行けるんじゃない? と言ったら、今日本当に開花してくれたというか。練習ではウチの中では一番遅いぐらいっだったのですけれど。それで彼も一気に速くなってくれたし、レースは勝てればよかったけれど、ちょっとSCで(後ろに)つかれて、若干そこでプレッシャーに耐えられなかったのかな、というところはあるので。それでも上出来だと思います。これで自信つければもっと行けると思うし、次からいけると思います」

3位 91号車・角間光起(ELEVレーシング10VED)

決勝3位の角間光起(ELEVレーシング10V ED)

 「アレックス選手がスタート出遅れてくれて、そこを突いたという感じだったのですけれど、レースペースでもアレックス選手は一枚上とういか、常にどこのセクターでも速い感じだったので。逆にアレックス選手と津田選手が争っている間に漁夫の利じゃないですが、狙っていこうかなって思っていたのですけれど、そこにはちょっとペースが足りなかったなという感じですね。(終盤の内藤選手からのプレッシャーは?)けっこう感じていましたね(苦笑)。内藤選手も攻める時はアグレッシブに攻めるという印象を持っているので、ここで差されたらそれこそ表彰台はもちろん、2番手より上を狙うチャンスもなくなると思って、そこはなんとか死守しなきゃ、とめっちゃ頑張りました(笑)。それでもトップ3は何度か並びかけてバトルもありましたけれど、ちゃんとスペースも残して、フェアに戦ってくれたな、と思います、そこは十分楽しいバトルができたかな、と思います」

4位 22号車・内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

決勝4位の内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)

 「(角間とのバトルは?)筑波は元々抜きにくいコースというのもあって、抜けそうな感覚ではあったのですけれど、なかなか入るまでには至らない感じがずっと続いてしまって。無理やり飛び込めば入れるとは思うのですが、接触とかレース中にするものではないので、普通にちゃんとレースしようと思うと、なかなか飛び込むチャンスはなかったですね」

5位 14号車・伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)

決勝5位の伊藤駿(ZAP SPEED 10V ED)

 「スタートから順位を落とさなかっただけマシかな、と思います。一つ上げられたし。(どこで順位を上げた?)スタートの混戦をうまく切り抜けた感じですね。そこは経験値が出たかな、強気に行った方が勝てるし、で、そういう差かなと思います。あとは間違いなくタイヤです。中盤あたりは前のクルマと同じようなラップタイムを刻めていたので、なのでそうなんだろうな、と」

6位 55号車・酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

決勝6位の酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)

 「全然ダメでしたね。朝いちのセットのままで行ったら、路面温度とか路面の状況が変わってしまって、すごいオーバーステアになって、自分でうまくアジャストできればよかったと思っていいるのですけれど、序盤からぜんぜんそれができていなくて、苦しいレースになりました」

Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

2024シーズンFIA-F4参戦体制(B-Max)

 HFDP WITH B-Max Racing Team(チーム代表 宮田雅史)は、2024シーズンのFIA-F4選手権の参戦体制を、下記のとおり決定いたしました。

 既報のとおり、ドライバーは、50号車に選手権参戦2年目となる野村勇斗選手、51号車にはHRS-Suzuka(ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿)においてスカラシップを獲得した洞地遼大選手を起用します。洞地選手も選手権フル参戦は2年目となります。

 監督(兼アドバイザー)には、HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)において広くドライバー育成に尽力している武藤英紀氏が就任いたします。

 今シーズンのFIA-F4選手権は、新型車両の導入によって、より安全でコンペティティブなシリーズとなることが予想されます。チームとして、若き才能を育てることはもちろんですが、彼らの夢を実現するためにも、チャンピオン獲得を至上命題にして1レース毎に結果を追い求めてまいります。応援よろしくお願いいたします。

Car No.

50

車両名 HFDP RACING TEAM
Driver 野村 勇斗 Yuto Nomura(18歳)
2023戦績 FIA-F4選手権4位(1勝)
エンジニア:今関 佳斗
Car No.

51

車両名 HFDP RACING TEAM
Driver 洞地 遼大 Ryota Horachi(17歳)
2023戦績 HRS Formulaスカラシップ獲得(次席)

FIA-F4選手権10位

エンジニア:村井 寛太
チーム代表 宮田雅史コメント
 「新たにHondaとのジョイントで参戦できることを光栄に思います。プロジェクトの目的である育成に主眼を置いて、武藤監督のもと、ドライバーが着実にトップカテゴリーへの道を歩むことができるよう、チームとして全力でサポートしていきます。結果を求めながら、1戦1戦を大切に戦っていきたいと思います」
チーム監督 武藤英紀コメント
 「このような⽴場でレースに関われる環境を⽤意してくださったHonda、B-Max Racing Team をはじめとする関係者の皆様に感謝申し上げます。今シーズンはマシンが⼀新され、チーム体制も⼤きく変わりました。ドライバーは昨年に続き野村勇⽃と、新たに洞地遼⼤が加⼊し戦います。⽬標はシリーズタイトル獲得ですが、何より⼤事なのはそこに⾄るまでのプロセスです。チーム全体が集中し、実⼒を発揮できる環境づくりに努めます。今シーズンの応援、よろしくお願いします」
50号車ドライバー 野村勇斗選手コメント
 「今シーズンは、チームがHFDP WITH B-Max Racing Team に変わり、マシンも新型になったので、新たな気持ちでシーズンに挑みます。⽬標はもちろんチャンピオンですが、皆様の⽬に留まるようなレースをして、開幕戦から圧倒的な強さでシリーズをリードしたいと思っています」
51号車ドライバー 洞池遼大選手コメント
 「今シーズンは、環境が変わりHFDP WITH B-Max Racing Team からFIA-F4に参戦することになり⼤変嬉しく思います。最終⽬標はシリーズチャンピオンを獲ることですが、その過程も⼤事にして、セッティングの勉強や⾛りの幅を増やすなど、ステップアップに必要なことをたくさん学んでいきたいと思います」
B-Max Racing Team Release

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

スプリングトレーニング富士1回目結果

【総合】

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 1 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverTeamTimeBehindGapkm/h
151洞地 遼⼤HFDP WITH B-max Racing Team2'00.056--136.826
250野村 勇斗HFDP WITH B-max Racing Team2'00.414 0.358 0.358136.419
336卜部 和久TGR-DC Racing School2'00.630 0.574 0.216136.175
435佐野 雄城TGR-DC Racing School2'01.193 1.137 0.563135.542
587下野 璃央Dr. Dry2'01.406 1.350 0.213135.305
637鈴木 斗輝哉TGR-DC Racing School2'01.572 1.516 0.166135.120
762森山 冬星HELM MOTORSPORTS2'02.103 2.047 0.531134.532
897白崎 稜Bionic Jack Racing2'02.465 2.409 0.362134.135
916新原 光太郎HYDRANGEA kageyama Racing2'02.567 2.511 0.102134.023
1054佐藤 凛太郎PONOS RACING2'02.702 2.646 0.135133.876
1196藤原 優汰AKIRAND RACING2'02.725 2.669 0.023133.850
1299田中 風輝Bionic Jack Racing2'02.757 2.701 0.032133.816
1338梅垣 清TGR-DC Racing School2'02.795 2.739 0.038133.774
1434清水 啓伸Drago CORSE2'02.953 2.897 0.158133.602
1545大宮 賢人PONOS RACING2'02.982 2.926 0.029133.571
1633佐藤 樹Drago CORSE2'03.494 3.438 0.512133.017
1757鈴木 悠太ZAP SPEED2'03.686 3.630 0.192132.811
1860熊谷 憲太OTG MOTORSPORTS2'03.838 3.782 0.152132.647
1946有村 将真フジタ薬局レーシング2'04.499 4.443 0.661131.943
2044IC1今田 信宏B-MAX RACING TEAM2'05.073 5.017 0.574131.338
2114村田 将輝ZAP SPEED2'05.470 5.414 0.397130.922
2290Lin ChenghuaAKIRAND RACING2'05.875 5.819 0.405130.501
232IC2仲尾 恵史AKILAND RACING2'06.746 6.690 0.871129.604
2426三枝 拓己FALCON MOTORSPORT2'07.149 7.093 0.403129.193
259IC3ケン・アレックスBuzz Racing2'07.236 7.180 0.087129.105
2664HIROBONHELM MOTORSPORTS2'07.470 7.414 0.234128.868
2798IC4IKARIBionic Jack Racing2'08.590 8.534 1.120127.746
2863IC5鳥羽 豊HELM MOTORSPORTS2'08.832 8.776 0.242127.506
2930IC6DRAGONB-MAX RACING TEAM2'09.540 9.484 0.708126.810
3011IC7植田 正幸Rn-sports2'10.66610.610 1.126125.716
3110IC8MOTOKIRn-sports2'11.04810.992 0.382125.349
3271IC9大山 正芳AKILAND RACING2'11.68511.629 0.637124.743
3340IC10⾚松 昌⼀朗イーグルスポーツ2'11.90111.845 0.216124.539
3465富下 李央菜HELM MOTORSPORTS2'12.02311.967 0.122124.424
3586IC11大阪 八郎Dr. Dry2'14.62414.568 2.601122.020
3655IC12KENTAROFIELD MOTORSPORTS2'15.30115.245 0.677121.409
3761IC13坂井 フォックス・ウィリアムHELM MOTORSPORTS2'17.34617.290 2.045119.602
3823IC14YUGON-SPEED2'39.11139.05521.765103.241
395IC15小谷 泰弘Team 5ZIGEN2'48.89048.834 9.77997.263

【クラス別】

■Champion Ship Class

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 1 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing C class 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoDriverTeamTimeBehindGapkm/h
151洞地 遼⼤HFDP WITH B-max Racing Team2'00.056--136.826
250野村 勇斗HFDP WITH B-max Racing Team2'00.414 0.358 0.358136.419
336卜部 和久TGR-DC Racing School2'00.630 0.574 0.216136.175
435佐野 雄城TGR-DC Racing School2'01.193 1.137 0.563135.542
587下野 璃央Dr. Dry2'01.406 1.350 0.213135.305
637鈴木 斗輝哉TGR-DC Racing School2'01.572 1.516 0.166135.120
762森山 冬星HELM MOTORSPORTS2'02.103 2.047 0.531134.532
897白崎 稜Bionic Jack Racing2'02.465 2.409 0.362134.135
916新原 光太郎HYDRANGEA kageyama Racing2'02.567 2.511 0.102134.023
1054佐藤 凛太郎PONOS RACING2'02.702 2.646 0.135133.876
1196藤原 優汰AKIRAND RACING2'02.725 2.669 0.023133.850
1299田中 風輝Bionic Jack Racing2'02.757 2.701 0.032133.816
1338梅垣 清TGR-DC Racing School2'02.795 2.739 0.038133.774
1434清水 啓伸Drago CORSE2'02.953 2.897 0.158133.602
1545大宮 賢人PONOS RACING2'02.982 2.926 0.029133.571
1633佐藤 樹Drago CORSE2'03.494 3.438 0.512133.017
1757鈴木 悠太ZAP SPEED2'03.686 3.630 0.192132.811
1860熊谷 憲太OTG MOTORSPORTS2'03.838 3.782 0.152132.647
1946有村 将真フジタ薬局レーシング2'04.499 4.443 0.661131.943
2014村田 将輝ZAP SPEED2'05.470 5.414 0.971130.922
2190Lin ChenghuaAKIRAND RACING2'05.875 5.819 0.405130.501
2226三枝 拓己FALCON MOTORSPORT2'07.149 7.093 1.274129.193
2364HIROBONHELM MOTORSPORTS2'07.470 7.414 0.321128.868
2465富下 李央菜HELM MOTORSPORTS2'12.02311.967 4.553124.424

■Indipendent Cup Class

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 1 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing Indipendent Cup class 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoDriverTeamTimeBehindGapkm/h
144今田 信宏B-MAX RACING TEAM2'05.073--131.338
22仲尾 恵史AKILAND RACING2'06.746 1.673 1.673129.604
39ケン・アレックスBuzz Racing2'07.236 2.163 0.490129.105
498IKARIBionic Jack Racing2'08.590 3.517 1.354127.746
563鳥羽 豊HELM MOTORSPORTS2'08.832 3.759 0.242127.506
630DRAGONB-MAX RACING TEAM2'09.540 4.467 0.708126.810
711植田 正幸Rn-sports2'10.666 5.593 1.126125.716
810MOTOKIRn-sports2'11.048 5.975 0.382125.349
971大山 正芳AKILAND RACING2'11.685 6.612 0.637124.743
1040⾚松 昌⼀朗イーグルスポーツ2'11.901 6.828 0.216124.539
1186大阪 八郎Dr. Dry2'14.624 9.551 2.723122.020
1255KENTAROFIELD MOTORSPORTS2'15.30110.228 0.677121.409
1361坂井 フォックス・ウィリアムHELM MOTORSPORTS2'17.34612.273 2.045119.602
1423YUGON-SPEED2'39.11134.03821.765103.241
155小谷 泰弘Team 5ZIGEN2'48.89043.817 9.77997.263

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

スプリングトレーニング富士2回目結果

【総合】

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 2 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverTeamTimeBehindGapkm/h
136卜部 和久TGR-DC Racing School2'00.697--136.099
250野村 勇斗HFDP WITH B-max Racing Team2'00.851 0.154 0.154135.926
351洞地 遼⼤HFDP WITH B-max Racing Team2'00.964 0.267 0.113135.799
437鈴木 斗輝哉TGR-DC Racing School2'01.084 0.387 0.120135.664
535佐野 雄城TGR-DC Racing School2'01.675 0.978 0.591135.006
633佐藤 樹Drago CORSE2'01.870 1.173 0.195134.790
787下野 璃央Dr. Dry2'01.881 1.184 0.011134.777
834清水 啓伸Drago CORSE2'02.097 1.400 0.216134.539
954佐藤 凛太郎PONOS RACING2'02.250 1.553 0.153134.371
1096藤原 優汰AKIRAND RACING2'02.379 1.682 0.129134.229
1199田中 風輝Bionic Jack Racing2'02.490 1.793 0.111134.107
1216新原 光太郎HYDRANGEA kageyama Racing2'02.910 2.213 0.420133.649
1397白崎 稜Bionic Jack Racing2'03.013 2.316 0.103133.537
1438梅垣 清TGR-DC Racing School2'03.855 3.158 0.842132.629
1544IC1今田 信宏B-MAX RACING TEAM2'04.303 3.606 0.448132.151
1614村田 将輝ZAP SPEED2'04.487 3.790 0.184131.956
1762森山 冬星HELM MOTORSPORTS2'04.517 3.820 0.030131.924
1826三枝 拓己FALCON MOTORSPORT2'05.183 4.486 0.666131.222
1945大宮 賢人PONOS RACING2'05.242 4.545 0.059131.160
2060熊谷 憲太OTG MOTORSPORTS2'05.315 4.618 0.073131.084
2157鈴木 悠太ZAP SPEED2'05.384 4.687 0.069131.012
2230IC2DRAGONB-MAX RACING TEAM2'05.705 5.008 0.321130.677
2346有村 将真フジタ薬局レーシング2'05.978 5.281 0.273130.394
2490Lin ChenghuaAKIRAND RACING2'06.821 6.124 0.843129.527
2598IC3IKARIBionic Jack Racing2'07.690 6.993 0.869128.646
2664HIROBONHELM MOTORSPORTS2'07.952 7.255 0.262128.383
272IC4仲尾 恵史AKILAND RACING2'08.781 8.084 0.829127.556
2811IC5植田 正幸Rn-sports2'09.061 8.364 0.280127.279
2963IC6鳥羽 豊HELM MOTORSPORTS2'09.612 8.915 0.551126.738
3065富下 李央菜HELM MOTORSPORTS2'09.749 9.052 0.137126.604
319IC7ケン・アレックスBuzz Racing2'09.749 9.052 0.000126.604
3210IC8MOTOKIRn-sports2'10.87710.180 1.128125.513
3386IC9大阪 八郎Dr. Dry2'11.42510.728 0.548124.990
3440IC10⾚松 昌⼀朗イーグルスポーツ2'12.42011.723 0.995124.051
3561IC11坂井 フォックス・ウィリアムHELM MOTORSPORTS2'16.25615.559 3.836120.558
3655IC12KENTAROFIELD MOTORSPORTS2'16.50015.803 0.244120.343
375IC13小谷 泰弘Team 5ZIGEN2'26.80026.10310.300111.899
3823IC14YUGON-SPEED2'50.10449.40723.30496.569

【クラス別】

■Champion Ship Class

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 2 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing C class 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoDriverCarTeamTimeBehindGapkm/h
136卜部 和久TGR-DC Racing School2'00.697--136.099
250野村 勇斗HFDP WITH B-max Racing Team2'00.851 0.154 0.154135.926
351洞地 遼⼤HFDP WITH B-max Racing Team2'00.964 0.267 0.113135.799
437鈴木 斗輝哉TGR-DC Racing School2'01.084 0.387 0.120135.664
535佐野 雄城TGR-DC Racing School2'01.675 0.978 0.591135.006
633佐藤 樹Drago CORSE2'01.870 1.173 0.195134.790
787下野 璃央Dr. Dry2'01.881 1.184 0.011134.777
834清水 啓伸Drago CORSE2'02.097 1.400 0.216134.539
954佐藤 凛太郎PONOS RACING2'02.250 1.553 0.153134.371
1096藤原 優汰AKIRAND RACING2'02.379 1.682 0.129134.229
1199田中 風輝Bionic Jack Racing2'02.490 1.793 0.111134.107
1216新原 光太郎HYDRANGEA kageyama Racing2'02.910 2.213 0.420133.649
1397白崎 稜Bionic Jack Racing2'03.013 2.316 0.103133.537
1438梅垣 清TGR-DC Racing School2'03.855 3.158 0.842132.629
1514村田 将輝ZAP SPEED2'04.487 3.790 0.632131.956
1662森山 冬星HELM MOTORSPORTS2'04.517 3.820 0.030131.924
1726三枝 拓己FALCON MOTORSPORT2'05.183 4.486 0.666131.222
1845大宮 賢人PONOS RACING2'05.242 4.545 0.059131.160
1960熊谷 憲太OTG MOTORSPORTS2'05.315 4.618 0.073131.084
2057鈴木 悠太ZAP SPEED2'05.384 4.687 0.069131.012
2146有村 将真フジタ薬局レーシング2'05.978 5.281 0.594130.394
2290Lin ChenghuaAKIRAND RACING2'06.821 6.124 0.843129.527
2364HIROBONHELM MOTORSPORTS2'07.952 7.255 1.131128.383
2465富下 李央菜HELM MOTORSPORTS2'09.749 9.052 1.797126.604

■Indipendent Cup Class

Spring Training -RIJ- (2024/03/25) Official Testing 2 Weather:Rain Course:Wet
2024 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Official Testing Indipendent Cup class 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoDriverCarTeamTimeBehindGapkm/h
144今田 信宏B-MAX RACING TEAM2'04.303--132.151
230DRAGONB-MAX RACING TEAM2'05.705 1.402 1.402130.677
398IKARIBionic Jack Racing2'07.690 3.387 1.985128.646
42仲尾 恵史AKILAND RACING2'08.781 4.478 1.091127.556
511植田 正幸Rn-sports2'09.061 4.758 0.280127.279
663鳥羽 豊HELM MOTORSPORTS2'09.612 5.309 0.551126.738
79ケン・アレックスBuzz Racing2'09.749 5.446 0.137126.604
810MOTOKIRn-sports2'10.877 6.574 1.128125.513
986大阪 八郎Dr. Dry2'11.425 7.122 0.548124.990
1040⾚松 昌⼀朗イーグルスポーツ2'12.420 8.117 0.995124.051
1161坂井 フォックス・ウィリアムHELM MOTORSPORTS2'16.25611.953 3.836120.558
1255KENTAROFIELD MOTORSPORTS2'16.50012.197 0.244120.343
135小谷 泰弘Team 5ZIGEN2'26.80022.49710.300111.899
1423YUGON-SPEED2'50.10445.80123.30496.569

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

スプリングトレーニング富士 雨のなかTH育成ドライバーが上位を占める

 恒例のFIA-F4スプリングトレーニングが、3月25日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、セッション1はホンダ育成ドライバーの洞地遼大(HFDP with B-Max Racing Team)が、セッション2はトヨタ育成ドライバーの卜部和久(TGR-DC Racing School)がトップタイムをマークした。

 5月のGWの開幕まで1か月と少し。今シーズンの参加者が一同に会して行われる合同テスト「スプリングトレーニング」は、各チーム、ドライバーにとって自分たちのポジションを確認するうえで非常に貴重な機会となる。

 また、F4に注目するコアなファンにとっては、このトレーニングで勢力図が見えてくるだけに、ここでの結果は非常に興味深い。特に今季は、新型車両MCS4-24+新開発のTOM'S製エンジンTMA43が導入される初年度となるだけに、気になるところだ。

 ところが、残念なことに当日は朝から雨模様。コースも前日からの雨で完全ウェットとなった。これでドライにおける勢力図は見えなくなってしまったが、こうなるとドライバーのポテンシャルが大きなウェイトを占めることになる。

 予定されたセッションは2回。1回目は予定どおり午後1時から3時30分まで。そして、2回目は当初スタート練習に当てられるはずだった30分間(午後4時30分から5時)が悪天候にため走行時間となった。

 結果からいうと、やはりトヨタ、ホンダの育成ドライバーが速かった。

 特に継続参戦となる3人、トヨタ育成の卜部和久と佐野雄城(TGR-DC Racing School)、ホンダ育成の野村勇斗(HFDP with B-Max Racing Team)は安定した速さを見せ、セッション1では、2位野村(2分00秒414)、3位卜部(2分00秒630)、4位佐野(2分01秒193)だった。

 そして、この3人を出し抜いたのが、やはりフル参戦2年目の洞地(2分00秒056)だ。今季からホンダ育成として参戦する17歳は、セッション終了間際にうまく1周をまとめてきた。

 注目は、この4人に続いて5位に入った下野璃央(Dr.Dry)だ。昨年はランキング19位と良いところなく終わってしまったが、今年に懸ける思いは強そうだ。

 セッション2は、卜部がトップタイム(2分00秒697)をマークし、野村、洞地、鈴木斗輝哉(TGR-DC Racing School)佐野と続き、トップ5を育成ドライバーたちが占めた。

 ただ、今回は終日雨だったこと、また、車両のデリバリー時期に差があり、すでに走り込んでいる者もいれば、今回がシェイクダウンだった者もいるなど、バラつきがあり、エンジンの走行距離による微妙なパワー差もあったようだ。

 なお、今シーズンから総合を争う若手によるチャンピオンクラス、ジェントルマン対象のインディペンデントクラスに明確に分けられ、予選も別々、グリッドも分けられることになった。

 そのインディペンデントクラスは今回15台の出走があり、セッション1,2ともに、SFライツにも参戦し、今や最速ジェントルマンの今田信宏(B-MAX RACING TEAM)がトップタイムをマークした。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

合同テスト富士1日目は悪天候により中止


 3月26、27日の両日、富士スピードウェイで行われる予定だったスーパーフォーミュラ・ライツの合同テストだが、初日は連日降り続いた雨によりコースコンディションが悪化。午後1時30分から予定されていた走行はキャンセルとなった。

 明日は天候の回復が見込まれるため、予定どおり、午前2時間(9時〜11時)、午後2時間(1時20分〜3時20分)でテストが行われる予定だ。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

クムホタイヤとSFLAによる会見が行われる

 2024年からスーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)のコントロールタイヤを供給するクムホタイヤと、SFLアソシエーション(SFLA)の共同会見が、3月26日、合同テストの行われている富士スピードウェイで行われた。

 クムホタイヤからはアジア営業担当役員兼日本法人長のキム・ソン氏、SFLAからは水野雅男代表理事が出席した。

 ソン氏は「クムホタイヤは2002年からスーパー耐久に、2006年からはスーパーGT300クラスにタイヤ供給してきました。その後は、タイヤ供給をしてきませんでしたが、今回のSFLをきっかけに、日本のレースファンにクムホタイヤをアピールすることができ嬉しく思います。日本の市場でもシェアを広げられるよう頑張ります」とコメントしました。

 クムホタイヤは今シーズンから2年間、SFライツのコントロールタイヤとして供給される。

(参考)SFLAのコントロールタイヤ決定のリリース
https://superformula-lights.com/topics/2024/02/29/2024_cont_tyre/

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第2回合同テスト富士1回目結果

第2回合同テスト -RIJ- (2024/03/27) Official Testing 1 Weather:Fine Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Official Testing 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverCar
Team
Engine
TimeBehindGapkm/h
138小林 利徠斗モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.712--177.181
236野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.761 0.049 0.049177.087
335中村 仁モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.827 0.115 0.066176.961
4130木村 偉織TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'33.070 0.358 0.243176.499
537古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
1'33.190 0.478 0.120176.272
62荒尾 創大HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
1'33.193 0.481 0.003176.266
71ケイレン・フレデリックPilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
1'33.477 0.765 0.284175.731
850小出 峻HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1'34.385 1.673 0.908174.040
9300菅波 冬悟TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'35.253 2.541 0.868172.454
104M1今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1'35.938 3.226 0.685171.223
118M2清水 康弘GNSY 324
GNSY RACING
1'36.219 3.507 0.281170.723
1213M3藤原 誠TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'37.039 4.327 0.820169.280
1330M4DRAGONTEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'37.507 4.795 0.468168.468

SUPER FORMULA LIGHTS

第2回合同テスト富士2回目結果

第2回合同テスト -RIJ- (2024/03/27) Official Testing 2 Weather:Fine Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Official Testing 富士スピードウェイ 4.563km

PosClsCls
Pos
DriverCar
Team
Engine
TimeBehindGapkm/h
136野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.648--177.303
22荒尾 創大HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
1'32.797 0.149 0.149177.019
338小林 利徠斗モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.811 0.163 0.014176.992
435中村 仁モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.864 0.216 0.053176.891
537古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
1'33.153 0.505 0.289176.342
61ケイレン・フレデリックPilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
1'33.207 0.559 0.054176.240
7300菅波 冬悟TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'34.005 1.357 0.798174.744
850小出 峻HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1'34.214 1.566 0.209174.356
94M1今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1'35.307 2.659 1.093172.357
1013M2藤原 誠TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'35.473 2.825 0.166172.057
118M3清水 康弘GNSY 324
GNSY RACING
1'36.545 3.897 1.072170.147
1230M4DRAGONTEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'38.016 5.368 1.471167.593

SUPER FORMULA LIGHTS

第2回合同テスト富士総合結果

第2回合同テスト -RIJ- (2024/03/27) Total Testing Weather: Course:
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 102 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Team
Session1
Session2
TimeBehindkm/h
136野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1'32.761
*1'32.648
1'32.648-177.303
238小林 利徠斗モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
*1'32.712
1'32.811
1'32.712 0.064177.181
32荒尾 創大HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
1'33.193
*1'32.797
1'32.797 0.149177.019
435中村 仁モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
*1'32.827
1'32.864
1'32.827 0.179176.961
5130木村 偉織TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
*1'33.070
-
1'33.070 0.422176.499
637古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
1'33.190
*1'33.153
1'33.153 0.505176.342
71ケイレン・フレデリックPilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
1'33.477
*1'33.207
1'33.207 0.559176.240
8300菅波 冬悟TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'35.253
*1'34.005
1'34.005 1.357174.744
950小出 峻HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1'34.385
*1'34.214
1'34.214 1.566174.356
104M1今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1'35.938
*1'35.307
1'35.307 2.659172.357
1113M2藤原 誠TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1'37.039
*1'35.473
1'35.473 2.825172.057
128M3清水 康弘GNSY 324
GNSY RACING
*1'36.219
1'36.545
1'36.219 3.571170.723
1330M4DRAGONTEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
*1'37.507
1'38.016
1'37.507 4.859168.468

SUPER FORMULA LIGHTS

合同テスト富士 野中誠太がトップタイムで締めくくる

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)の合同テストが、3月27日富士スピードウェイで行われた。快晴のもと行われたテストは、トムス勢が好調。午前は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、午後は野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)がトップタイムを記録した。

 本来テストは2日間行われる予定だったが、初日は降り続いた雨でコースコンディションが悪化してキャンセルとなり、1日のみとなった。2日目は快晴、絶好のテスト日和となった。

セッション1

 午前のセッションは、今シーズンは数で勝るトムス勢が、TODA、B-Maxのホンダ勢を退ける形となった。

 唯一、B-Max勢で気を吐いたのはコーチ役としてマスタークラスの藤原車を駆った木村偉織(TEAM DRAGON 324)。1時間を経過する時点で、1分33秒070をマークして、2位荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)を0.5秒以上引き離し、チャンピオンの貫禄を見せた。

 セッション後半に入ると、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)らがトップタイムを更新。中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)も3番手タイムをマークし、最終的にトップ3はトムス勢が占めた。

 昨年のSFLシリーズ3位の実績を持つ小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)は、車両にエンジントラブルが出てしまい、満足にアタックすることができなかった。


セッション2

 午後に入っても、トムス勢がリードする形でセッションは進み、なかでもルーキーの二人が鎬を削った。開始50分過ぎに小林が1分33秒000という2番手以下を引き離すタイムをマークすると、その30分後に中村が1分32秒969と僅かに更新。

 この二人に同じくルーキーの荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が続いた。

 終盤に入ると、参戦4年目を迎える野中が意地を見せ、残り15分で1分32秒763トップに立つと、最後のアタックで更にタイムを縮め、1分32秒648でテストを締めくくった。

 2位には荒尾が食い込み、トムス勢の上位独占を阻止した。

 いまひとつ調子の上がらない昨年のチャンピオンチーム・B-Maxは、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が6位。小出に至っては、トラブルの修復に時間を要し、遅れてコースインしたものの、その後もエンジンは完調とは言い難く、トップスピードで5km/h以上遅いという状態が続き、消化不良のままテストを終えてしまった。

 今シーズンは4台に増えるマスタークラスは、終盤まで昨年のFIA-F4インディペンデントカップ王者の藤原誠(TEAM DRAGON 324)がトップタイムだったが、最後のアタックでSFLマスタークラスチャンピオンの今田信宏(JMS RACING TEAM)が逆転。先輩の意地を見せた。

 SFLの開幕は1か月後、4月27、28日にモビリティリゾートもてぎで迎える。

Text: Shigeru KITAMICHI

VITA岡山

2時間耐久レース岡山公式予選結果

岡山チャレンジカップレース第2戦 -RIJ- (2024/03/24) Qualifying Weather:Rain Course:Wet
2024 VITA岡山シリーズ Round 2 岡山国際サーキット 3.703km

PosClsCls
Pos
DriverCarTimeBehindGapkm/h
128N1-861中村 賢明
松下 仁
HTP. JSMILE 862'03.138--108.259
211v.Granz1K.K
飯田 裕樹
TOMISAN
HOJUST RACING ABBEY2'04.060 0.922 0.922107.454
375VITA1清水 康友
伊東 黎明
ENDLESS☆カーブテイックTrace2'06.942 3.804 2.882105.015
4999VITA2松本 匡史
徳升 広平
m・dent with萬雲塾VITA2'07.527 4.389 0.585104.533
5*106VITA3中川 徹
太田 達也
Giddy Up VITA2'08.707 5.569 1.180103.575
681v.Granz2長谷川 睦
寺島 大
大野 宗
CLEANLIFE ITAL ABBEY2'09.319 6.181 0.612103.085
766VITA4中西 亮平
有岡 綾平
BASIS RACING☆NAMS2'10.222 7.084 0.903102.370
8219VITA5中島 僚斗
大崎 達也
&Gコーポレーション大崎塾VITA2'10.963 7.825 0.741101.791
9*88VITA6MAKOTO
妹尾 智充
まこと君VITA2'11.726 8.588 0.763101.201
1086VITA7竹中 優
貫戸 幸星
HOJUST RACING VITA2号2'11.876 8.738 0.150101.086
1178VITA8橋村 剛
TAKE chan
恵比寿アキランドVita制動屋2'12.793 9.655 0.917100.388
1214VITA9下垣 和也
前嶋 秀司
SOUEISHA-VITA2'12.945 9.807 0.152100.273
13525VITA10CHAY
妹尾 俊郎
KRS VITA2'13.033 9.895 0.088100.207
14333VITA11上田 裕司
西沢 耕治
野郎レーシング☆萬雲塾VITA2'13.040 9.902 0.007100.201
1539VITA12猪股 京介
武地 孝幸
odula TONE TMR VITA2'13.17510.037 0.135100.100
164VITA13蘭牟田 政治
HIROBON
JOKER☆ダイワN通商NUTEC制動屋2'13.38410.246 0.20999.943
1757VITA14武連 良治
中野 匠
TBR RAYBROS VITA2'15.16312.025 1.77998.628
1816VITA15MC 平田
青合 正博
Racing TEAM HERO'S2'15.45712.319 0.29498.414
1935N1-R1下坂 和也FIRST RACINGロードスター2'15.52612.388 0.06998.363
2012VITA16近藤 説秀
田中 徳二郎
恵光院TSA-VITA2'15.75812.620 0.23298.195
21223VITA17横山 慎太郎
友浦 淳成
TOMOURA BASE☆テックVITA2'17.26114.123 1.50397.120
2219N1-862永井 良周
長尾 秀義
GR Garage倉敷with NAGOYA2'18.29915.161 1.03896.391
23105VITA18谷川 達也
吉村 雅一
ヨシムラオートVita2'19.13015.992 0.83195.815
2436VITA19戸田 淳也
松本 恭典
真栄金属Vita2'19.60616.468 0.47695.489
25*61VITA20木村 一廊
川福 健太
KOO′ON with ABBEY2'19.85216.714 0.24695.321
2643N1-R2大井 正伸
雨宮 恵司
OTPアクレTSモリモトAZUR2'22.27719.139 2.42593.696
2780VITA21森村 彰博
金城 貴洋
恵比寿B※RIGHT-VITA2'23.37120.233 1.09492.981
28111VITA22高橋 裕史
柿沼 一峰
リーガルトップ☆GプラチナVITA2'23.82320.685 0.45292.689
---- 以上基準タイム予選通過 ----
-102v.Granz-大原 学
甲野 将哉
アイフォア神戸vGranz2'02.379 0.759-21.444108.930
  • CarNo. 88, 106は、FIA国際モータースポーツ競技規則付則H項2.5.5.1 b)(黄旗区間での追い越し)により、ベストラップタイムを抹消した。
  • CarNo. 61は、FIA国際モータースポーツ競技規則付則H項2.5.4.1 b)(赤旗中の追い越し)により、ベストタイムを抹消した。

VITA岡山

2時間耐久岡山公式予選 N1-86の中村賢明/松下仁組が総合のポールポジションを獲得

総合&N-86クラスポールポジションの中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)

 岡山国際サーキットで行われる名物・ハコレースの祭典「チャレンジカップ2時間耐久レース」は24日、チャレンジカップレース第2戦で公式予選を行い、中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)が総合のポールポジションを獲得した。

 チャレンジカップ2時間耐久レースは日曜日のワンデーレース。24日に公式予選と決勝が行われる。参加可能クラスは、N1ロードスター(NA/ND)、N1-86、Nゼロ-86(クラス1/クラス2)、VITA、v.Granz、OTHERS CLASS(クラスI~IV)と多彩だ。

 VITAが22台、v.Granzが3台、N1-86が2台、N1ロードスターが2台と合計29台が岡山国際サーキットに集結した。

 公式予選は午前9時50分より25分間の予定で始まった。昨日から降り続いた雨は小雨となったが、路面はフルウエットでウェット宣言が出された。四国では桜の開花も伝えられるようになり、岡山国際サーキットも気温は暖かめ。サーキットを囲む山々は霧にかすんでいる。

 ドライバーは最大3名まで登録可能で、もっとも速いドライバーのタイムで予選順位は決定するが、登録ドライバー全員が上位3名の平均130%をクリアしなければ予選順位は認定されない。

 v.Granzは、予選序盤まずは、大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)の甲野が2分3秒382でトップに立つ。2位にはK.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)のTOMISANが、3位には長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)の大野がつける。

 VITAは、中島僚斗/大崎達也組(219号車・&Gコーポレーション大崎塾VITA)の中島が2分10秒963で、2位には竹中優/貫戸幸星組(86号車・HOJUST RACING VITA2号)の貫戸が、3位には下垣和也/前嶋秀司組(14号車・SOUEISHA-VITA)の下垣が続く。

 予選中盤には、甲野がタイムを2分2秒379まで縮めv.Granzトップのまま。VITAトップには清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)の伊東が7秒490で、同2位には松本匡史/徳升広平組(999号車・m・dent with萬雲塾VITA)の徳升が8秒790で上がってきた。

 ここで、松本恭典(36号車・真栄金属Vita)がアトウッドで、田中徳二郎(12号車・恵光院TSA-VITA)が1コーナーでコースアウトしたため赤旗が提示される。

 予選は10時13分から10時21分まで、残り8分で再開されるが、今度もアトウッドで柿沼一峰(111号車・リーガルトップ☆GプラチナVITA)と竹中優(86号車・HOJUST RACING VITA2号)がコースアウト。このため2回目の赤旗が提示された。

 各車、グリッドに整列し再開を待つが、予選は再開されることなく2回目の赤旗をもって終了。各ドライバー消化不良のまま予選は終了した。

 v.Granzでトップタイムを記録したのは甲野だったが、2度の赤旗でチームメートの大原学が乗るタイミングを失い予選落ち。ポールポジションはK.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)で、同2位には同僚の長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)が入った。

 VITAは、清水がタイムを2分6秒942まで縮めポールポジションを獲得。徳升もタイムを7秒527まで縮めたものの及ばず2位で予選を終えた。

 3位には中川徹/太田達也組(106号車・Giddy Up VITA)が、4位にはMAKOTO/妹尾智充組(88号車・まこと君VITA)が入ったがこの2台は黄旗追い越しでベストタイムを抹消された。

 106号車はセカンドベストが採用されても3位のままだったが、88号車は6位に降格。繰り上がって4位には中西亮平/有岡綾平組(66号車・BASIS RACING☆NAMS)が、5位には中島僚斗/大崎達也組(219号車・&Gコーポレーション大崎塾VITA)が入った。

 7位には竹中優/貫戸幸星組(86号車・HOJUST RACING VITA2号)が、8位には橋村剛/TAKE chan組(78号車・恵比寿アキランドVita制動屋)が、9位には下垣和也/前嶋秀司組(14号車・SOUEISHA-VITA)が、10位にはCHAY/妹尾俊郎組(525号車・ KRS VITA)が続いた。

 総合トップは、102号車が予選落ちとなったため序盤から総合の2位につけていたN1-86の中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)が入った。

 N1-ロードスタークラスのポールポジションは下坂和也(35号車・FIRST RACINGロードスター)が獲得した。

v.GranzクラスポールポジションのK.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)

VITAクラスポールポジションの清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)

Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

VITA岡山

2時間耐久岡山公式予選ドライバーコメント v.Granz2位・長谷川睦/寺島大/大野宗組「目的の湯郷宴会は達成」

■v.Granz

ポールポジション K.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)
TOMISAN「時間ギリギリで乗りました。後ろにつながないといけないし、1周回っただけでアタックもできない状況でした。決勝は行けると思います。優勝めざして頑張ります」
2位 長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)
大野「1周回って帰ってきました。決勝ですが、ぼくらはABBEYの2群チームなので、周りの人が沈んでいくのを待って完走を目指します。スリックとレインなので、どこかでスリックに履き替えることになれば難しくなると思います。速いマシンなので不確定要素は少ない方がいいです。昨日は湯郷温泉に泊りました。目的の一つの宴会は達成しました(笑)」

■VITA

ポールポジション 清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)
伊東「昨日の雨の練習も調子がよかったので、今日もポールが取れると思い、ちゃんと取れたので、よかったです。決勝はこんな感じの微妙な天気だと思うので、オーナーの清水さんとしっかり走りきれば結果はついてくると思います。そろそろ優勝したいですね」
2位 松本匡史/徳升広平組(999号車・m・dent with萬雲塾VITA)
徳升「めちゃ悔しいです。しょうがないです。乗ってる感じではポールだと思っていました。自分の走ってる感覚とタイムにずれがありました。決勝は2時間あるので、せっかくチームに呼んでもらえたので、コツコツ走って最後は笑顔で終れたらいいと思います」
3位 中川徹/太田達也組(106号車・Giddy Up VITA)
太田「急きょ出場であんまり経験がないんですが、中川さんにいろいろ教えてもらいながら楽しんでいます。後半に行ったんですが、赤旗でクリアも取れず難しかったです。なんとか出せたタイムでした。ひとまず3番手になれてよかったです。決勝もこんなコンディションだと思うし、2人とも速く走れるので、優勝目指してがんばります」
4位 中西亮平/有岡綾平組(66号車・BASIS RACING☆NAMS)
有岡「最初に中西さんが走って、次にぼくが走ったんですが、出たら赤旗でアタックができずに終わってしまいました。決勝は2時間もあるのでその間に取り返したいと思います。目標は優勝ですが鈴鹿で速かったり、GTに乗ってた人もいるので、そこと勝負して何か得られればいいかなと思います」
5位 中島僚斗/大崎達也組(219号車・&Gコーポレーション大崎塾VITA)
中島「予選は大崎さんメインでしたが、タイムはぼくが出しました。とりあえずタイヤを暖めて基準タイムをクリアしようと思っていました。でも大崎さんに渡したときが赤旗続きでアタックできませんでした。タイムは狙ってなかったんですが、よかったです。金曜日からメカニックの人たちがクルマを作ってくれたので乗りやすかったです。決勝はサポートをしていただいている人たちの恩返しで、トップを目指して走りきります。」
6位 MAKOTO/妹尾智充組(88号車・まこと君VITA)
妹尾「普通にちゃんとまとめられたらポールはいけたと思うんですが、赤旗が出たタイミングで決められなくて、ペナルティーが出れば2グリッドくらい降格になるので、決勝は自分のお尻は自分で拭いて、追い上げようと思います。相方のMAKOTO選手も練習を頑張っててドライではすごく速いので、MAKOTO選手と一緒に頑張りたいと思います」
7位 竹中優/貫戸幸星組(86号車・HOJUST RACING VITA2号)
貫戸「VITAは初めてです。タイヤが暖まるのにすごく時間がかって、走り続けた人が上にきてるので、代わらなければよかったと思います。代わってすぐに赤旗だったので、タイヤの一番おいしいところを逃しました。決勝は順位を考えずに、危ないレースを無事生き残りたいです」
Text: Yoshinori OHNISHI

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