
2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリー第1戦決勝が3月9日にモビリティリゾートもてぎで開催され、ポールポジションからスタートの酒井翔太(ファーストガレージ KK-SII)がスタート直後に譲ったトップをすぐに奪い返すとそのまま10周のレースを走り切って優勝を飾った。
前夜から降りつづいた雪が残っていたモビリティリゾートもてぎだが、朝からスタッフがコース上の除雪を行い予定より50分遅れでタイムスケジュールがスタート。午前10時50分開始予定だったスーパーFJの決勝は午前11時40分にフォーメーションラップが開始された。コース上には日が差し、路面はほぼドライコンディションとなったが、メインストレートのコントロールライン上に架かるブリッジから水がしたたっており、ピットウォール寄りの半分ほどに水たまりが残っているのが気になるところだ。またコースサイドに雪が残っている個所もあり、チームによってはドライバーに「絶対コースアウトはするな」と厳命したというところもあった。
12台全車がスリックタイヤでグリッドに整列してレッドライトが消灯してレーススタート。ポールシッターの酒井と2番グリッドの松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)はスムーズに発進したが、3番グリッドの中村ブンスーム(ファーストガレージKKS2)は蹴り出しが悪くポジションダウン、さらに4番グリッドのKODAI YOSHIDA(T's TECHNO)は水たまりで一瞬グリップを失ったか失速、こちらも順位を落とす。逆に出足がよかったのが3列目6番手からスタートのジェントルマンクラス、畠山退三(Hobbybaase&zapsp)で5番手スタートのルーキー、三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)をスタートでかわすとセカンドロウの中村、YOSHIDAも仕留めて3位にポジションを上げる。
松原が酒井に迫ると第1コーナーではインから並びかけてターンイン、続く第2コーナーでは松原が完全に前に出る。しかしそこからの加速で酒井が逆転、トップを奪い返して第3コーナーへとアプローチする。3位畠山と4位中村は第2コーナーをサイド・バイ・サイドで立ち上がると第3コーナーでアウトから被せた畠山が前に。さらにスタートダッシュに成功した石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)が8番グリッドから5位までポジションを上げ、6位三ツ井が続き、スタート失敗のYOSHIDAは7位までドロップ。
第4コーナーからの立ち上がりで酒井は松原をじわりと離し一車身ほどの差をつける。そこから5メートルほどの間合いで畠山~中村~石井がワンパックになっている。中村と石井のファーストガレージ勢がファーストアンダーブリッジから130Rを抜けてS字まで並走すると中村が前に出る。その間に3位畠山が集団から抜け出す。V字コーナーではYOSHIDAが三ツ井のインを差して6位に順位を挽回。この辺りはデビュー戦の三ツ井に対し参戦経験があるYOSHIDAに1日の長があるか。トップ2台の間合いは変わらずダウンヒルストレートを通過、3位畠山は10メートル以上離されている。
オープニングラップを終えてトップ酒井と2位松原の差は0.604秒。3位畠山はそこから1.3秒以上離され4位中村が0.248秒差と背後につけ、石井も0..413秒差でそれに続く、6位はYOSHIDAだが、ここも三ツ井と五十嵐文太郎(Drago CORSE)が0.772秒、0.446秒と僅差でと続いている。
2周目に入り中村と石井が畠山への攻勢を強め、まずS字の入り口で中村が畠山をインからオーバーテイク。続いて石井がV字コーナーで畠山のインを差して前に出る。これで3位中村、4位石井、5位畠山の順に。6位YOSHIDAの後方で三ツ井に五十嵐が接近する。2周目を終えてトップ酒井と2位中村の差は0.772秒とほぼ変わらず。3位に上がった中村はバトルの間に2.3秒以上ギャップが開いてしまった。以下0.516秒差で石井、0.317秒差で畠山、0.291秒差でYOSHIDAと4台が連なる。
3周目。畠山に対して6位のYOSHIDAが間合いを詰めて、S字で畠山をロックオン、V字コーナーでインからオーバーテイクするがヘアピンからの立ち上がりでは再び畠山が前に出る。しかしYOSHIDAはダウンヒルストレートで畠山の右サイドに出ると90度コーナーで再度オーバーテイク、5位に進出。ここで畠山に対しては反則スタートによるドライビングスルーペナルティが課される。ロケットスタートかに見えたが僅かに早かったか。トップ酒井はこの周も2分4秒741と最速ラップを刻み松原との差を1.181秒まで拡大すると4周目には4秒553とさらに最速タイムを更新し1.492秒差。着実に間合いを拡げていく。中村~石井~YOSHIDA~畠山と続き、五十嵐が第3~第4コーナーで三ツ井を料理して7位へ。
ペナルティが課された畠山だが気が付いていない様子で、そこにペースで勝る後続車が接近し4周目を終えて五十嵐0.184秒差、三ツ井0.602秒差で5周目に入ると、まず第1コーナーで五十嵐が畠山のインを差してオーバーテイクして6位。第5コーナーでは畠山がポジションを取り戻そうとアウトから被せるが、オーバースピードでアウト側のグラベルぎりぎりまでラインを乱す。畠山をけん制した五十嵐には三ツ井が襲い掛かりファーストアンダーブリッジで並びかけると130Rで仕留めて6位に進出、7位五十嵐、8位畠山の順に。
トップ酒井はその後も松原をじわじわと突き放し、5周目1.807秒、6週目2.040秒と間合いを拡げていく。その後方4位争いはYOSHIDAのペースがよく、石井を0.441秒差に追いつめている。ペナルティを消化していない畠山にはブラックフラッグの提示。 7周目にはいると松原が奮起、2分4秒467とここまでの最速タイムを出して酒井とのギャップを1.783秒と削り取る。3位中村は単独走行で、石井対YOSHIDAの4位争いは第5コーナーでYOSHIDAがインを突くがここは石井が守る。両車はテール・ツー・ノーズ状態のまま130R~S字と通過、石井はブレーキングでタイヤをロックさせながらもポジションを守る。しかしS字ではYOSHIDAがインから前に出てターンイン。石井はクロスラインでYOSHIDAの右サイドに出て、ダウンヒルストレートを駆け降りる。そのまま並んで90度コーナーへ飛び込むとサイド・バイ・サイドのままで通過、両車譲らずセカンドアンダーブリッジを通過、ビクトリーコーナーでYOSHIDAが前に出て4位を奪い取る。
YOSHIDA対石井のバトルは8周目も継続。石井が激しくチャージするがYOSHIDAもしっかり防御する。しかし勢いがいいのは石井でS字への進入でインを突いてポジションを入れ替える。さらに後方で三ツ井~五十嵐~畠山の集団に小林留魁(アルビ新潟第一ホテルED)が追いつき4台がワンパックで6位を争いながらヘアピンを通過。続くダウンヒルストレートから90度コーナー進入で五十嵐が三ツ井を、小林が畠山をそれぞれ攻略。五十嵐が6位、以下三ツ井~小林~畠山の順に。松原はこの周も2分4秒195と酒井の予選タイムを上回るファステストラップを叩き出し、1.604秒差とする。ここでようやく畠山がピットへ。
9周目も4位争いは続き、第5コーナーでYHOSHIDAが石井のインを突き再び並走、S字でいったんは石井が前に出るがV字コーナーへのブレーキングでYOSHIDAが逆転。ヘアピンでは石井が再度並びかけるとダウンヒルストレートをホィール・ツー・ホィールで下っていく。右にYOSHIDA、左に石井という並びで90度コーナーではYOSHIDAがイン側から前に出て勝負あり。後方6位争いは五十嵐が前で、小林が三ツ井を攻略して7位へ。
ファイナルラップ、トップ酒井と2位松原のギャップは1.626秒と変わらず、3位中村は7秒以上遅れて単独走行。4位YOSHIDAと5位石井は0.413秒と依然僅差だ。6位争いが五十嵐を先頭に小林、三ツ井が0.5秒以内のワンパックで展開している。YOSHIDAと石井は再びダウンヒルストレートでサイド・バイ・サイド。前の周のリプレイのようにイン側YOSHIDA、アウト側石井で90度コーナーへアプローチ。
しかしここでYOSHIDAがスピン! アウト側に止まってしまう。これで石井が4位、5位五十嵐、6位小林の順となり、YOSHIDAは再スタートを切ったものの10位まで順位を落としてしまった。
優勝は酒井、スタート直後に松原の先行を許したが、挽回後は危なげない走りでほぼ完勝を飾った。2位は松原、昨年後後半あたりから成長を見せていて、今回もファステストラップを出し次戦に期待が持てる結果だった。3位中村もうれしいS-FJで初の表彰台だ。以下石井、五十嵐、小林というトップ6になった。2台が出走のジェントルマンクラスはペナルティの畠山に代わって片岡聡(NRS KK-S2)が優勝した。
2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第2戦は5月11日、スポーツランドSUGOで行われる。












Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第1戦 -RIJ- (2025/03/09) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-SII MYST KK-S2 | 10 | 20'54.701 | - | - |
| 2 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 20'56.583 | 1.882 | 1.882 |
| 3 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKS2 MYST KK-S2 | 10 | 21'06.594 | 11.893 | 10.011 |
| 4 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 10 | 21'13.655 | 18.954 | 7.061 |
| 5 | 43 | | | 五十嵐 文太郎 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 10 | 21'14.721 | 20.020 | 1.066 |
| 6 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルED MYST KK-S2 | 10 | 21'14.770 | 20.069 | 0.049 |
| 7 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoAカヤバED MYST KK-S2 | 10 | 21'15.130 | 20.429 | 0.360 |
| 8 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoAカヤバED MYST KK-S2 | 10 | 21'20.266 | 25.565 | 5.136 |
| 9 | 15 | | | 松下 彰臣 | HOSHO&PARM Abel ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'22.546 | 27.845 | 2.280 |
| 10 | 3 | | | KODAI YOSHIDA | T's TECHNO MYST KK-S2 | 10 | 21'24.412 | 29.711 | 1.866 |
| 11 | 84 | G | 1 | 片岡 聡 | NRS KK-S2 MYST KK-S2 | 10 | 21'47.565 | 52.864 | 23.153 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9 Laps)完走 ---- |
| - | 38 | G | - | 畠山 退三 | Hobbybase&zapsp MYST KK-S2 | 6 | 14'55.463 | 4Laps | 4Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 14 松原将也(ZAP MARUTOKU 10V ED) 2'04.195 (8/10) 139.165 km/h
- CarNo. 38は、もてぎチャンピオンカップレースシリーズ規則第36条1(反則スタート)により、ドライビングスルーペナルティーを科したが、未消化のため競技結果に対して1周減算のペナルティーを科した。
- ポールポジション 酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)2分4秒427
-

「とりあえずポール取れてよかったですが、自分で想定していたタイムが出なかったので。今週は2分3秒台入るかなと思っていたので、気温が低すぎかったのか、タイムの上りも遅かったので。でも最後松原さんが最後の1周でポンと4秒台入ってきていたので、僕もラスト1周いけばもぅちょっと行けたかな、という気はします。でもとりあえずポールポジションは取れたので、そこはよかったと思います。まだもうちょっと行けるかなというつもりで走っていたので、時間が足りなかったのは残念ですが、明日の決勝でそこは活かせるのかなと思います」
- 2位 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)2分4秒758(+0.331秒)
-

「(最後に一発タイムが出た?)スクラブしてあるタイヤで行ったので、もうちょっと早い段階でタイムを出したかったのですが、前のクルマに追いついちゃって(苦笑)、なかなかタイムが出せなくて、最後の最後で何とかタイムが出たという感じですね。ベストラップの周も全然まとまっていない周で、フリー走行の時の方がいい感じでした。でもスリップストリームもつかったりしながら、何とかまぁ、というところです。最後もスリップ使ったらビクトリーコーナーで引っかかったりしているので、単独で走れば、翔太君と同じくらいで行けるのかなって感触ですね」
- 3位 中村ブンスーム(ファーストガレージKKS2)2分5秒346(+0.919秒)
-

「最後にタイムがぐっと上がったのですが、ところどころミスもあったので、満足いくタイムではないです。もっともっと(タイムを)詰められる余地があるので、レースに向けて、どこが悪かったのかを分析してレースに臨んでいこうと思います」
- 4位 KODAI YOSHIDA(T's TECHNO)2分5秒794(+1.346秒)
-

「(去年の最終戦で初めてもてぎ走った時に比べれば)コーチに教えてもらったこともあって、自分的にはレベルが上がったと思います。タイムはもっと出ていた日もあるので、もうちょっと出てほしかった、出したかったなという気持ちはあるのですが。4番手だったので、レースではチャンスあるかな、という感じです。決勝に向けてはこのまま(のセッティング)で行くか、ちょっと雨が降りそうでもあるので、変更もあるかもしれません。自分としては勝負権があると思います」
- 5位 三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)2分5秒890(+1.463秒)
-

「自分のミスがけっこう目立ってしまいました。最後のベストラップ出した周も、けっこう大きなミスをしてしまっています。なのでもっとタイムは上げられたはずだと思うので、そこは悔いが残っているのですが、練習の時に比べると、調子は思っていたよりはいいかな、という感じはあるので、このまま決勝向けて、頑張っていきたいと思います」
- 6位 畠山退三(Hobbybaase&zapsp)2分6秒116(+1.689秒)
-
「ベストタイムが全然でなくて、もうちょっとタイム出したかったです。(11月に鈴鹿で田上蒼竜選手が日本一決定戦で走らせたので)マシンのセットアップが決まってきましたので、決勝はもうちょっと上の順位を目指したいですね」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第1戦公式予選が3月8日にモビリティリゾートもてぎで開催され、酒井翔太(ファーストガレージ KK-SII)が2位の松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)に0.331秒の差をつけてポールポジションを獲得した。
3月に入り日によって寒暖の変化が大きいというモビリティリゾートもてぎだが、本日は朝に氷点下まで気温が下がり「寒」の方の気候で、時折陽がさすものの、午後2時30分の段階でも気温5度、ドライコンディションだが風も出てきて路面温度はかなり低そうだ。エントリーは12台。昨年からの継続参戦組に加えて3名のルーキーが出場する。KODAI YOSHIDA(T's TECHNO)を先頭に全車がコースイン、20分間の予選が開始された。
モビリティリゾートもてぎではシーズンオフにコースを一部改修。ファーストアンダーブリッジを抜けた後右にターンする130Rのアウト(左)側、その直後に左へ曲がるS字の入り口のアウト(右)側、さらに右曲がりのビクトリーコーナー手前のイン(右)側の3カ所についてコース縁側の芝生がアスファルト舗装に張り替えられた。これによってコースからはみ出した車両が芝でグリップを失うことがなくなり安全になる。昨年S-FJでもてぎを走っている何人かのドライバーに影響を聞いたが、この場所を積極的に使ってタイムを詰めるということはないようで、おおむね走らせ方に変化はないという意見。酒井に至っては「変わったことに気づかなかった」という感想だった。
各車念入りにタイヤのウォームアップを行い残り時間12分を切ったころからタイムアタックが始まり、まず残り10分、松原が2分6秒977のトップタイムを出すが直後に酒井が5秒997をマークして逆転、さらに中村ブンスーム(ファーストガレージKKS2)が6秒281で2番手へ上がり松原3番手、そこからやや離されて4番手が今回デビューレースの三ツ井光輝(群馬トヨペットTeam RiNoA ED)の8秒137。以下YOSHIDA、松下彰臣(HOSHO&PARM Abel ZAP 10VED)が続く。
この頃から雪がちらちらと降り始めるが、コースコンディションが変わるほどではない。
残り8分30秒、松原が2分5秒502で再度トップに出るが、すかさず酒井が4秒975と2分4秒台に入れて再逆転、中村が5秒778で3番手変わらず、4番手は先月鈴鹿でS-FJレースデビューした五十嵐文太郎(Drago CORSE)の7秒049と、トップ3台が突出している。
残り6分30秒、昨年筑波富士シリーズ2位を獲得した石井大雅(ファーストガレージ制動屋SII)が2分6秒506で4番手に浮上すると、三ツ井が6秒478を出してすかさず逆転。さらに中村が5秒470で2番手へ。酒井のトップは変わらず中村が5秒472で2番手、以下松原~三ツ井~石井と続き五十嵐は6番手へドロップ。そしてジェントルマンクラスの畠山退三(Hobbybaase&zapsp)が6秒788で7番手まで上がってきた。
残り4分30秒、松原が2分5秒361で再度2番手へ浮上。中村は5秒470と0.02秒自己ベストを更新したが3番手にドロップ。YOSHIDAが2分5秒852と自己ベストを更新して8番手から4番手にポジションアップ。そして酒井は4秒599とトップタイムを削り取り、松原とは0.762秒と大差がついている。残り2分、好調な畠山が6秒116までタイムを更新し5番手、ジェントルマンクラス2位の片岡聡(NRS KK-S2)には1.5秒以上の差をつけている。
残り20秒、五十嵐が6秒271で6番手に上がるが、直後にコントロールラインを通過した三井が6秒238で五十嵐を追い落とす。
20分が経過しチェカードフラッグが振られる中、酒井はさらにベストタイムを更新、2分4秒427を叩き出す。中村が5秒136で再度2番手となるが、松原が2分4秒台に入れて4秒758までタイムを詰めて逆転でフロントロウを獲得。しかし酒井とは0.331秒の差がある。セカンドロウは3番手中村で酒井からは0.798秒の差、YOSHIDAは5秒794までタイムを詰めたが4番手変わらずトップから1.367秒差。3列目の争いは最後の最後に5秒890を出した三ツ井が5番手に上がり6番手ジェントルマンクラスの畠山というトップ6になった。
もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第7戦決勝は3月9日、午前10時50分開始予定だ。ちらちら降りだした雪が夜から朝まで降ると予報されており、コンディションは予断を許さない。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第1戦 -RIJ- (2025/03/08) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-SII MYST KK-S2 | 2'04.427 | - | - | 138.906 |
| 2 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'04.758 | 0.331 | 0.331 | 138.537 |
| 3 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKS2 MYST KK-S2 | 2'05.346 | 0.919 | 0.588 | 137.887 |
| 4 | 3 | | | KODAI YOSHIDA | T's TECHNO MYST KK-S2 | 2'05.794 | 1.367 | 0.448 | 137.396 |
| 5 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoAカヤバED MYST KK-S2 | 2'05.890 | 1.463 | 0.096 | 137.291 |
| 6 | 38 | G | 1 | 畠山 退三 | Hobbybase&zapsp MYST KK-S2 | 2'06.116 | 1.689 | 0.226 | 137.045 |
| 7 | 43 | | | 五十嵐 文太郎 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 2'06.118 | 1.691 | 0.002 | 137.043 |
| 8 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 2'06.206 | 1.779 | 0.088 | 136.948 |
| 9 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルED MYST KK-S2 | 2'06.346 | 1.919 | 0.140 | 136.796 |
| 10 | 84 | G | 2 | 片岡 聡 | NRS KK-S2 MYST KK-S2 | 2'06.943 | 2.516 | 0.597 | 136.152 |
| 11 | 15 | | | 松下 彰臣 | HOSHO&PARM Abel ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'07.639 | 3.212 | 0.696 | 135.410 |
| 12 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoAカヤバED MYST KK-S2 | 2'07.708 | 3.281 | 0.069 | 135.337 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'42.296)予選通過 ---- |


2025年JAF地方選手権スーパーFJもてぎ・SUGOシリーズ第1戦では、共にレーシングカートからフォーミュラカーレースへと歩を進めた二人のドライバーが、里見乃亜代表率いるRiNoA Racing project「群馬トヨペットTeam RiNoA」にてレースデビューを飾った。
81号車をドライブする小野大地は17歳、限定Aライでの出場。82号車をドライブする三ツ井光輝は21歳、やや遅咲きながらも4年のカートレース経験を経てステップアップしてきた。
初めのレースで予選を控えた両名にショートインタビューを行った。
81号車 小野大地
――これまでのレースキャリアは?
「今まではレーシングカートで、全日本に出たりしていました。一番結果がよかったのは去年でFS125クラスで全日本シリーズランキング4位でした」
――デビューに向けて練習はいっぱい積んだ?
「去年の夏あたりから練習してきました」
――カートからフォーミュラへの乗り換えは苦労しなかった?
「何もかもが違っていたので、最初はスタートすらままならなくて(苦笑)、難しかったですね。今はある程度違和感はなくなりました」
――今シーズンと今回のレースの目標は?
「もちろんシリーズチャンピオンが目標で、今日はポールポジションめざしてがんばります。とはいえタイムは正直言うとトップからは足りない感じです。それでも今日も代表にいろいろ教えてもらったので、それを実践できるようにがんばります」
――里見代表は怖い?
「そんなことはまったくなくて、めちゃめちゃ優しいです(笑)」
82号車 三ツ井光輝
――これまでのレースキャリアは?
「今まではレーシングカートで、鈴鹿サーキットの南コースで行われる『カートレース in SUZUKA』に出ていまして、SUPER SSというクラスからAVANTIというクラスまで合計4年間レースをして、そこからスーパーFJに上がってきました。この4年間がカート歴のすべてで、そこから2年くらいブランクがあって、今年から、という形です」
――練習はどのくらいやった?
「本格的に練習を始めたのはこの冬から、12月入ってからですね」
――カートとスーパーFJの違いは問題なかった?
「カートとは操作性とか全然違っていて、速く走るためには一度カートの感覚は完全に忘れて、頭の中リセットしてから走らないとならないかな、というイメージがあります」
――そこの切り替えはもうできた?
「けっこうまだ……(苦笑)厳しいところがあるのですが、乗り始めたころに比べればしっかりと走れるようにはなってきたので、そこには自信を持っています」
――今シーズンと今回のレースの目標は?
「今回のレースは表彰台を取ることで、シリーズはチャンピオンを取れるように、一戦一戦成長していけるように、したいと思っています」
――里見代表は怖い?
「(笑)ぜんぜん怖くないです、優しいし、面白いし、すごく楽しく(レースを)させてもらっています」
昨シーズンはやや不本意な結果だった「群馬トヨペットTeam RiNoA」の復活を託された二人のドライバーが里見代表の期待にどう応えるか期待だ。


Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE

2022年に17歳でFIA-F4に参戦、2023年には非メーカー系のチームに所属しながら第10戦SUGOで初優勝を達成した卜部和久。翌2024年はTGR-DC入りを果たして大いに活躍が期待されたが、始まってみれば刷新された車両とフィーリングが合わなかったのか、シーズンを通じて苦戦が続き、最上位は第9戦SUGOの4位という厳しい結果に終わった。
その卜部が今シーズンはB-MAXからスーパーフォーミュラ・ライツに参戦することになった。ご存知の通りB-MAXは木村偉織、小出峻そして今季は野村勇斗とホンダの育成ドライバーを預かるチームだ。これまでトヨタ系のチームでFIA-F4を戦ってきて、今シーズンもINGINGからGR86でGT300クラスの第3ドライバーとしてエントリーしている卜部がどのような経緯でB-MAX入りを果たしたのか。鈴鹿サーキットでの公式予選終了後に卜部に話を聞いた。
「今年乗るとしたら戸田さんかB-MAXさんで考えていました。去年の年末のテストは戸田さんから参加させていただいたんですけど、今シーズンはB-MAXさんっていう形になりましたね。その二択で考えてました」
「いろんな道があったんですけど、もともと去年の年末のライツのテストの雰囲気とか様子とかを見て、レース続けるかやめるかを考えていました。まあそこである程度実力もわかりますし。去年(テストで)二番手っていう結果で終われて、クルマが自分の好みに合ってたら、そこそこ走れるのかな?っていう話し合いの結果になりました。もともとメーカー系外れたらレース引退する予定だったんで。それぐらい腹を括ってやってたんですけど、今年こういうチャンスをもらえて参戦っていうことになりました」
「SFはホンダでやってますけど、いろんなメーカーの、例えば阪口晴南さんだったり、関口雄飛さんとか、どんなドライバーでも受け入れてくださるチームなんで、今年お世話になろう、ってなりました」
初戦の予選(1回目10位、2回目8位)を終えての感想を聞くと、全然不完全燃焼だったとの返事が返ってきた。
「1回目の予選はなんか直線が遅かったです。ダウンフォースも多分、その速度が出てない分、グリップが感じられなくて、うまく攻めきれずに、すごい。カウンターあててて、S字の中もカウンター当てまくったりして終わっちゃいました。2回目の予選は1回目のフィーリングを相談して、エンジニアさんがセット変えてくださって、普通に直線伸びていました。全然まっすぐの速さが違うんで、全然あてにならないですけど、悪い方向には間違いなく行ってないんで、そこのコミュニケーションの部分ではすごい満足してますね」
参戦が決まってチームに合流したのは今年の年始だったという。1回だけトラブルチェックでもてぎを3セッションだけ走ってシート合わせを行い、本格的な走行は鈴鹿入りしてからだったとか。
「でもシートも合わなくて、もう木曜日の練習で背中がバキバキになっちゃって、いろいろつぎはぎつぎはぎなシートです。でももちろん開幕戦だからといって悪くてもいいっていうわけでもないですし。もちろんスタートも決めて。自分にできる精一杯をこれからもやり続けたいなと思ってます」
まだまだクルマは開発途上とのことだったが、決勝では第1戦6位、第2戦5位と2戦連続でポイントを獲得。残念ながら第3戦はスタートに失敗して入賞はならなかったが、クルマが仕上がればそれ以上が期待できる。そう思わせるレースウィークだったと言えよう。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

先日鈴鹿で開幕した全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権。その開幕直前の2月25日になって新規参戦を発表したのがDELiGHTWORKS RACINGだ。チーム代表兼監督を元レーシングドライバーの下山征人が務め、レーシングアドバイザーに野尻智紀と松下信治を迎える注目のチームだ。そのドライバーとして起用されたのが荒尾創大と三井優介。
荒尾はフランスF4選手権や英国のGB3で活躍し、昨年からスーパーフォーミュラ・ライツに参戦して2年目のシーズンを迎える。
一方の三井は2022年にホンダの育成選手としてFIA-F4に参戦、初年度からあの小出峻と最後までチャンピオンを争う強さを見せ、翌年も大いに期待されたが、ここでもタイトル獲得はならず。翌2024年はフォーミュラを離れ、活動の場をスーパーGTとスーパー耐久に移すことになった。
その三井が再びフォーミュラに戻ってきた。開幕戦の行われている鈴鹿サーキットで本人の意気込みを聞いた。
「去年一年、メインはスーパー耐久で、スプリントレース、自分一人のレースっていうのは全然やってこなかったので、FIA-F4以来ずっとレースをしたいな、自分のスプリントのレースをしたいなと思っていました。で、今回こういう話をいただいて、代表兼監督にもすごい感謝してますし、お話いただいた時、もうめちゃくちゃ嬉しくて、なんとしてもチャンピオン取りに行こうと。F4で取れなかったチャンピオンを取りたいなっていう意気込みできました」
「きっかけは野尻さんなんですよ、野尻さんがこのチームに紹介してくださいました。僕はなんか乗れるところないかなと思って、野尻さんに相談したところ、じゃあっていう話になりました」
続いて三井が今年加わったチームの印象を聞いた。DELiGHTWORKS RACINGは戸田レーシングがメンテナンスを担当しており、荒尾も昨年と同じカーナンバー2を使用しているものの、実態は運営母体が全く別なのだという。また下山監督はかつてSRS-F卒業生としてフォーミュラドリームやスーパーGTで活躍していた経歴を持つ。
「クルマを触っている方は戸田レーシングなんですが、去年の戸田を引き継いだというより、新しくさらに良いものを作っていこうという形でみんなで頑張っています。僕がSRS-Fを受講していた時のスクールカーはフォーミュラドリーム(FD)だったんですが、そのFDのレースがあった時代に下山監督が活躍されてたのも知ってて、尊敬してました。ご自身が経験者ということでドライバーの側に立っていろいろ相談に乗っていただいているので、すごくいい環境です。実はレースを始めたのが下山さんの兄さん(下山和人氏)がやられてるサーキットだったんです。そういう意味でもご縁があったなと」
鈴鹿大会の三井は第1戦で予選7位から決勝5位。第2戦は予選10位から決勝7位。第3戦は5番手スタートから決勝6位と表彰台にはあと一歩及ばなかったが、第1戦、第3戦ではスタートを決めて一時4番手を快走する場面もあり、今後に期待できる内容だったと言えよう。
次戦の舞台は九州のオートポリス。三井の躍進に期待したい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権をプロモートする日本レースプロモーション(JRP)は3月8日、シリーズ第1戦が行われている鈴鹿サーキットでサタデーミーティングを開催し、KYOJO CUPを運営するインタープロトモータースポーツとイベントに関するパートナーシップを締結したことを発表した。
KYOJO CUPは女性だけで行われるワンメイクレースとして2017年に誕生。これまでは主にインタープロトシリーズとの併催でレースが行われてきたが、昨年富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラ第4戦(7月)と第6、第7戦(10月)でもサポートレースとして開催され、公式アプリであるSFgoでライブ配信された実績がある。これまではWEST VITA-01が使用されていたが、今シーズンからはKCMGの製造するFIA-F4に車両が変更となる。
KYOJO CUPはインタープロトモータースポーツ代表の関谷正徳氏の掲げる「ドライビングアスリート」というビジョンのもとで行われており、これがスーパーフォーミュラの謳うヒューマンモータースポーツとも共鳴すること、かつ今季からはフォーミュラカーのシリーズとして再出発することから、今回のパートナーシップを結ぶこととなった。 2025シーズンも昨年同様に7月19-20日のラウンド2と10月11-12日のラウンド4がスーパーフォーミュラと併催となるほか、SFgoでのライブ配信が行われる。 会見にはJRPの上野禎久社長と関谷氏、そして同シリーズに参戦する3人の女性ドライバーが出席。今後への期待と抱負を語った。
- インタープロトモータースポーツ代表 関谷正徳

- 「KYOJO CUPを初めて9年になります。今後より高いステージに上がるためには、スーパーフォーミュラとコラボした方がいいんじゃないかと考えました。そこで富士スピードウェイとJRPに併催を申し入れ、昨年7月と10月に実現しました。以前から我々と上野さんたちの考えは同じ方向を向いていると感じており、今年からKYOJOはフォーミュラになることで、スーパーフォーミュラとKYOJOが同じ船に乗ります。同じ船に乗って一緒にモータースポーツを盛り上げていきたいですね」
- 翁長実希(Kids com Team KCMG)
-

「沖縄県出身でKYOJO CUPに沖縄から挑戦したとき、デビューウィンと最多優勝でシリーズを終えました。Vitaの時代に女王としてずっと優勝をし続けてきました。最後のシリーズはチャンピオンは取れませんでしたが、車両が変わって、イコールコンディションに限りなく今年のレースでしっかりチャンピオンをとって、またさらに最多優勝できるよう、またスーパーフォーミュラと併催の時には勉強させていただきながら、しっかり結果を残したいと思います」
「沖縄というサーキットがない土地でモータースポーツというとドリフトやジムカーナがありますが、サーキットのレースがない中で、私と平良(響)がこうやって出てきて、同じフィールドで戦わせていただけることを心から嬉しく思います」
- 織戸茉彩(TGM Grand Prix)
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「父(織戸学)がレーシングドライバーということもあり、幼い頃からサーキットに来る機会は多かったのですが、ドライバーとしてこの場に立たせていただく日が来るとは思っていませんでした。今年はフォーミュラに変わることですごく大きなステップアップになりますが、ドライバーとして強く速いドライバーになることはもちろんですが、これからモータースポーツに馴染みのない方にも楽しんでいただけるようなレースができればなと思っています」
「私自身がもともとクルマ好きで育ったわけではなく、ファッションとか美容の方がすごく好きで、20歳くらいまで生きてきたんです。まあ父の影響もあってクルマが身近にあったこともあるんですけど。私が意識しているのは、まず女性として。例えば身だしなみをすごくきれいに保っているとか、他の方から見て『いいな』と思ってもらえる女性っていうのをアピールできるのが、まあソーシャルメディアかなと思っていて。そこで自分がクルマと楽しんでいる姿とか、レースに参戦している姿を投稿させてもらって、クルマに馴染みがない方にも『この女性カッコいいな』って思ってもらって、そういう姿を他の人に共有できればなと思っています」
- 平川真子(ROOKIE racing)
-

「私も初めてのフォーミュラのレースになることでとてもワクワクしてるんですけど、私たちのこの新たなレースで未来の女性ドライバーがどんどん増えていったらいいなと思ってます。5大会10戦あるので、毎戦しっかり目標を持って着実に成長していきたいと思います。兄の(平川)亮は世界に行っちゃったんで、日本は私が(笑)。女性ドライバーみんなで頑張っていきますので、ぜひ応援よろしくお願いします」
「(ラリーでの活動について)私の将来の夢が、男女関係なく海外で活躍できるドライバーになりたいと思っていまして。まあ亮以外にも、私はちょっとラリーを本業でやってるんですけど、勝田(貴元)くんとかも今すごく活躍していて、世界でも日本人は戦えるんだぞっていう勇気とモチベーションをすごくもらっていると思います。亮っていうより勝田くんかもしれないです(笑)」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori ONISHI
- 第1戦優勝 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-

「今までは前に出て出て逃げるという展開が多かったんですけれど、今日はオーバーテイクをして勝てたというところで、速さだけじゃなくて、鈴鹿の強さというところを証明できたかなというところで、非常に気持ち良いです」
「冬場ということなのか、ストレートでドラッグがやはり結構でかいので、後ろに着くと一度ぐらい下がっても、次のコーナーで刺しにいけるぐらいスリップストリームが効くので、多くはないと思いつつも、しっかりと集中していけばオーバーテイクするチャンスはあるのかなっていうふうには思っていました」
「セーフティーカーが出て、あのタイミングのセーフティーカーは野尻選手や牧野選手には不利に働いたので、岩佐選手と一騎打ちになるなっていうのは感じました。まあ実際に3番手で走ってる時も、野尻選手よりは自分のペースがあるだろうということで、仕掛けてはいましたけど、岩佐選手とはペース的にどっちが速いのかがわからない状態でした。正直チャンスはSC明けてタイヤが温まりきる前のところが一番だろうって思っていて、実際SC明けた1周目は岩佐選手がスライドする場面が多かったので、もうここがチャンスだなというふうに考えて、OTSを積極的に使っていたという感じですかね」
「過去のレースからもても、そこからは逃げれるかなと思ったんですけれども、岩佐選手もかなり速くて、スリップストリームが結構効く中で、なかなか逃げれなくて、最後まで本当にプレッシャーをかけられて、なかなかタフなレースでしたね、今までと違って」
「チャンピオンシップ自体はもちろん一番目指してる部分でありますけど、今日ここに並んでる、F4で僕をボコボコにした佐藤蓮、ヨーロッパで活躍した岩佐歩夢、そしてアメリカで戦ってる僕と、若い僕たちがバチバチでトップで戦ってチャンピオン争いをできたら面白いかなというふうに思っています」
- 第1戦決勝2位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
-

「クルマ自体は間違いなくポテンシャル高かったと思います。フォローイングというか、誰かと一緒になって走った時のポテンシャルっていうのは、昨年からずっとあまりポジティブな印象がなかったんで、2番手に落ちてしまった後、あんまり勝負しにいけないのかなって思っていたんですが、諦めずにあの攻めた結果、勝負に持ち込むことはできていたので、やっぱりポテンシャルは非常に高かったかなと思います」
「本当にあのリスタートからの流れで、あのワンチャンスを相手に与えてしまったのがもうすべての敗因なので、まあ本当にそこに関しては悔しさが残りますし、大きな反省点だと思います。ただポジティブに捉えれば勝てるポテンシャルっていうのは大いにあったっていうところがあるので、明日に向けて切り替えて、またポルティブに狙っていきたいと思います」
「あのセーフティーカーの数だとやっぱりタイヤのウォームアップのマネジメントだったり、その辺っていうのがイレギュラーに入ってくるので、もちろん自分なりに即興でいろいろトライはしていったんですけど。抜かれたのはリスタート直後のええ1周2周目ですけど、リスタート自体にも自分的にはちょっと課題の残るレースだったかなと思います」
「エンジニアからもOTSの情報も入ってたんで、ワンチャンスあるよっていうのは聞いてましたし、最終ラップ、かなりプッシュして行ったんですけど、ちょっとトップスピードに対して課題があって、ストレートでの攻防が難しいというのもありました。ただまあ、今日に関しては、ストレートもそこそこ戦えてたマシンだと思うので、単純にまあ自分の力不足だったかなというふうに思います」
- 第1戦決勝3位 佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
-

「なかなか表彰台に乗れそうで乗れなかったのが続いてた中で、開幕戦から乗れたっていうのは、自分としてもチームとしても非常にポジティブです。去年の年末からのポテンシャルを引き続き発揮できたというのは非常に良かったかなと思います」
「リスタートのタイミングがいつもよりも少し変則的で、結構待っている状況だったので、もうここしかチャンスないと思って、こう気を遣って抜きに行って、ちょっと太田選手もトーを貸してくれたので、ありがとうと思いながら抜きました」
「今日はコンディション的にはうちとしてはちょっと不利な状況ではあったんですけれども、明日は昨日のフリー走行と同じようなコンディションになることが予想されるので、ええ、もっと上の順位でレースできたらと思います」
- 第1戦優勝チームプリンシパル 村岡潔(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-

「いやもう嬉しい以外に何もないです。もう毎回会った時に聞かれるんですけど、やっぱり今、一番嬉しいですね。前よりも今勝ったのが一番嬉しいです。あの暴れん坊の2人ですから、暴れてくれると思った通りの展開で。まあ、すごく楽しみました、私も」
「(牧野選手のストールについて)本人の問題ではなくて、クルマ側の問題で止まったんで、それだけはちょっと不運ですよね。それ以外にあの状態で2台がタイヤ交換をすれば、2台目は野尻くんぐらいの位置になっちゃうので、もうそれは仕方がない。だからまあ1台目に出たドライバーたちがね、こうやってバトルして、いい結果を残してくれたんで、それがまあ楽しめたんで、お客さんも含めてね。チームもイコールコンディションで戦ったんで、素晴らしいレースだったと思います。もうこの3人が今日はヒーローだと思います。」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝が、3月8日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、鈴鹿を得意とする太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が優勝を飾った。太田は、昨年の最終大会から鈴鹿では負けなしの3連勝。
2025年シーズンの幕開けとなるレースは、セーフティカー(SC)が三度導入される波乱含みのものとなった。
特にルーキーは厳しい洗礼を受けることとなり、予選上位につけた二人、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、そのグリッドを生かすことができなかった。
まず、スタート前のウォームアップ走行で、フラガがコースオフ。エンジンが止まってコースに戻れず、8番グリッドからのスタートを失うことになった。また、7番グリッドを得た小出も、フォーメイションラップでギヤトラブルが発生。2速を失い、スタートで大きく遅れることとなってしまった。
そんな状況のなか、スタートを制したのは、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)。ポールシッターのチームメイト、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)に競り勝って、トップで1〜2コーナーをクリア。
しかし、オープニングラップで最初のアクシデントが起きる。三宅淳詞(ThreeBond SF23)がS字先でダートにタイヤを落としてコントロールを失い、クラッシュ。これで最初のSCランとなった。
4周目にリスタートするも、今度はS字で10位争いをしていた大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)と小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が接触。両者ともにストップしてしまい、これで二度目のSCランとなる。
このSCランの最中に、ピットインが許される10周を迎えたため、全車が10周終了時にピットに続々と滑り込むが、4位の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がエンジンを止まってしまい、始動に時間を要して後退することになった。野尻も大きく順位を落とし、逆に坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)はここで順位を上げることに成功し3位に浮上した。
ピット作業を終えたトップ10順位は、岩佐、太田、坪井、佐藤、阪口、小林、オサリバン、野尻、大嶋、高星。
優勝争いは二人に絞られ、逃げるトップ岩佐、追う2位太田という展開となり、14周目の1コーナーでアウトから仕掛けた太田がついにトップに躍り出る。
しかし、その後方のシケインで、12位を争っていた平良響(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)と福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が接触。福住の車両はダメージを負ってストップ。このアクシデントにフラガも巻き込まれてしまった。
これで三度目のSCランとなり、リスタートとなった17周目からの残り11周での勝負となった。太田と岩佐は、お互いにオーバーテイクシステム(OTS)を駆使して、岩佐がOTSを使って追えば、太田もOTSをオンにして逃げるという展開が続いた。
最後は、0.197秒差という僅差で、太田が逃げ切り4勝目。そのすべてが鈴鹿での勝利で、昨年の最終大会から3連勝と、「鈴鹿マイスター」と言える強さを見せている。
3位には二人から3秒遅れたものの、安定したレース運びを見せ、後半、坪井の前に出た佐藤が入った。
第2戦は、明日9日。午前10時15分から予選、午後2時40分から決勝(31周)が行われる。
明日の決勝は、10周のピットイン規定がない初のレース。スタート直後にピット作業を行うチームも出ると思われ、面白い展開になりそうだ。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'16.061 | - | - |
| 2 | 15 | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'16.258 | 0.197 | 0.197 |
| 3 | 64 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'19.472 | 3.411 | 3.214 |
| 4 | 1 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'22.388 | 6.327 | 2.916 |
| 5 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'22.854 | 6.793 | 0.466 |
| 6 | 38 | 阪口 晴南 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'27.864 | 11.803 | 5.010 |
| 7 | 16 | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'29.411 | 13.350 | 1.547 |
| 8 | 4 | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'30.723 | 14.662 | 1.312 |
| 9 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'35.221 | 19.160 | 4.498 |
| 10 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'36.156 | 20.095 | 0.935 |
| 11 | 37 | サッシャ・フェネストラズ | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'38.090 | 22.029 | 1.934 |
| 12 | 20 | 高星 明誠 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 27 | 59'42.409 | 26.348 | 4.319 |
| 13 | *14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'43.889 | 27.828 | 1.480 |
| 14 | 50 | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 27 | 59'43.956 | 27.895 | 0.067 |
| 15 | 29 | 平良 響 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 27 | 59'47.539 | 31.478 | 3.583 |
| 16 | *10 | ジュジュ | HAZAMA ANDO Triple Tree SF23 HAZAMA ANDOTriple Tree Racing Honda M-TEC HR-417E | 27 | 1:00'14.886 | 58.825 | 27.347 |
| 17 | *19 | 野中 誠太 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 27 | 1:00'55.994 | 1'39.933 | 41.108 |
| 18 | 65 | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 26 | 59'47.696 | 1Lap | 1Lap |
| ---- 以上規定周回数(90% - 24 Laps)完走 ---- |
| - | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 12 | 30'00.540 | 15Laps | 14Laps |
| - | 39 | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 8 | 18'08.763 | 19Laps | 4Laps |
| - | 28 | 小高 一斗 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 8 | 18'09.041 | 19Laps | 0.278 |
| - | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 0 | - | 27Laps | 8Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 15 岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)1'38.922 (19/27) 211.330 km/h
- CarNo. 14は、全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第21条11(リリース時の安全確認不足)により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 10は、全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第26条9(ピットレーン速度)違反により、ドラビングスルーペナルティーを科した。
- CarNo. 19は、全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第23条3(タイヤ交換)違反により、罰金10万円および競技結果に対して60秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 19は、国際モータースポーツ競技規則付則H項2.10.11(SC中のオーバーラン)により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
- 第1戦優勝 佐野雄城(TOM'S)
-

「繰り上がりっていう形になったんですが、開幕戦デビューレースで優勝することができて嬉しいです」
「レースを振り返ると、序盤から終始野村選手のペースにはかなわなかったなっていう部分はあるので、明日のレース2、レース3でそこら辺を改善して臨めればなと思います」
「まずスタートを決めることができて、でまあ自分の中では結構プッシュしている中でのオープニングアップだったんですけど、もうその状況で、結構野村選手が速いペースで追いついてきました。油断はもちろんしなかったですし、想像以上に野村選手のペースがオープニングラップから早かったな、という印象です」
「正直、対野村選手で考えると、そこまで発見っていうのはなかったです。まあ自分のドライビングの中で気になるところだったりはあったので、そこら辺改善していければなと思います。今週末、いい流れでこれているので、この調子で明日のレースも優勝できるように頑張ります」
- 第1戦決勝2位 野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)
-

「まずスタート2番手からだったんで、優勝狙える順位と思ってたし、自信もあったのですが、スタートでクラッチをちょっと多くバイトさせすぎてしまって、一瞬前に進んでしまいました。本当にもったいないなっていう感じですね。クルマも本当に良かったし、チームの皆さんがいろいろセット考えてくれて、予選から決勝に向けてもいい流れだったので、ここは本当に悔しいです」
「鈴鹿に来て、練習もほとんどできなかったので、まずは慣れるという意味で木曜日から進めてきたんですけど、まあ徐々に上り調子でここまで来れていて。予選では自分の思っていたよりトップに迫れたなっていう感覚で。これがレースも行けるっていう思いで走りました」
「決勝ペースは本当にいいことはこのレースでわかったので、レース2は4位で、レース3は2位スタートなんですけど、しっかり巻き返して優勝も狙っていきます」
- 第1戦決勝3位 小林利徠斗(TOM'S)
-

「このレースは3位スタートでしたので、まあ正直トップツーとは大変差さがあるなというのは感じてはいたので。いかにスタートで仕掛けられるか、その後はもし抜けたら守り切れるかっていうところでした。スタートは悪くはなかったんですけど、ちょっと決めきれなかったところもあって、3位に落ち着きました。なんとかスリップでついていけないかなというところもあったんですけど、なかなかちょっと次元が違う速さでトップツーが逃げていってしまったので、まああとは自分のクルマと格闘するしかできなかったですね」
「昨年の年末にも鈴鹿でテストが行われていて、まあそこまではある程度、順調に走っているなというふうに思っていたんですけど、今週レースウィーク入った段階から、ちょっと鈴鹿のコンディションだったり、舗装の関係だったり、未だに明確な原因というところまではつかめてないんですけれども、なかなか不調でして。途中マシントラブルもありながら、なんとか表彰台という形まで持ってこれたのは、レース全体として成長した部分もあるのかなとは思います」
「ただ根本的にレースペースが足りていないので、そこは明日に向けて少しでも改善できるところを見つけていきたいと思います。今の段階ではまだ頭の中の整理もついてはないんですけど、やれるだけのことをやっていきたいと思います」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
- 第1戦ポールポジション 野尻智紀(TEAM MUGEN)
-

「今日は本当にいいクルマを用意してもらって、ありがとうございました、という感じで。いい予選でした。タイムはやっぱり昨日と比べると遅いので、難しい部分も多かったんですけれども、このペースでいってても周りがもっといいタイムを出したらした意味ないですし。まあ自信はそんなになかったですけれども、まあ、あの結果としてポール取れたんで。みんなもう1分35秒台で走る、このスピード感に慣れてるんで、これでいいのかなって思ってるとこも大いにあると思うんですけれども。まあその中でもポールが取れたので、いいスタートが切れたなと思います」
- 第1戦予選2位 岩佐歩夢(TEAM MUGEN)
-

「手応えはありましたね。クルマも昨日から良かったですし、ポールは取れる自信はあったんですけど、ただそれをしっかりと一周まとめることができませんでした。ちょこちょこ細かいミスがあって。取りこぼしたのは自分のミスであり、改善点かなというふうに思います」
「正直ロングのペースだったり、いろいろ細かい部分はわかりませんけど、しっかりと準備して。もうやってみるしかないんで、これに関しては。まあ出たとこ勝負じゃないですけど、臨機応変にいろんなシチュエーションにしっかりアジャストしていきたいなと思います」
- 第1戦予選3位 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-

「セク1がもう全然ダメで。多分(予選)10番ぐらいだなと思ったら3番で、しかもコンマ1って言われました。セク1のどこというか、もう全体的に。もう1個目からよくないくて、オーバー出しちゃってみたいな感じですね。逆バンクとかもう最悪だったんで。ちょっと今回の予選はトリッキーだったかなと思います。Q1でも昨日のグリップ感が全くなかったんで、そこからQ2、どれだけトラックエボで上がるかっていうところを僕たち予想しながら行かないといけない中で、Qツーは結構激しめに行ったんですけど、ちょっとオーバープッシュというか、まあクルマ的にも足りてなかったなというふうな感じですね」
「(Q2のコンディション変更というのは?)風ですね。圧倒的に風です。だから走りやすくなったところもありますけど、それに関しては特に向かい風が少なくなって」
「ロングランはあんましてないんですが、それは他もみんなそうだと思います。5号車はしてるんでそのデータ使えると思いますけど、基本的にそんなに大きく外れたロングのデータを持ってないんで、まあ心配してないですね」
「個人的にはここ5、6戦で僕と野尻さんしか勝ってないんで、一騎打ちになるなったら面白いなと思いますけど」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦の決勝が、3月8日、鈴鹿サーキットで行われ、、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がデビューレースをポール・トゥ・ウィンで飾った。
2周目に佐野をかわしてトップに立った野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)は、フライングの裁定でレース中にプラス5秒のペナルティが課され、トップでチェッカーを受けたものの、2位となった。
マスタークラスは、2台による戦いとなったが、清水康弘(GNSY 324)がクラスポールから独走してクラスウィンを飾った。
朝行われた予選で、ダブルポールを奪った佐野は、スタートも決めてトップで1コーナーに飛び込んだ。2番グリッドからスタートした野村は、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)に並びかけられるも、何とか抑えて2位でオープニングラップを終える。
ペースの良い野村は、1周目にトップ佐野に迫ると、2周目の1コーナでアウト側から仕掛けて、見事なパッシングを見せる。
5周を終えた順位は、野村、佐野、小林、スタートで順位を上げた三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、荒尾創大(DELiGHTWORKS)と続く。
ところが、翌周、検証中だったスタートの判定が出され、トップ野村と、スタートで遅れ10位走行中のケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)にフライングでプラス5秒が課されることとなった。
このとき、トップ野村と2位佐野の差は約1秒。残る10周でその差を5秒まで広げることは至難の業。佐野にとっては、野村を視界に入れ大きく離されなければ優勝を手に入れることができる状況になった。
それでも、野村は渾身のラップを続け、10周目に2.1秒、15周目に2.6秒まで差を広げたものの、ここまでが精一杯。3位の小林は野村から10秒以上離れていたため、トップでチェッカーを受けた野村が2位、佐野が優勝と、デビュー戦の2人が見事なレースを見せた。
4位以下は、鈴鹿初体験ながら大健闘のデビッドが入り、5位には三井、6位には3台による争いを制した卜部和久(B-MAX RACING 324)が入り、SFライツデビューレースのルーキーたちが貴重なポイントを獲得した。
マスタークラスは、スタートから安定したペースで周回を重ねるたびにDRAGON(TEAM DRAGON 324)を引き離し、独走に持ち込んだ清水が幸先よく優勝を飾った。
第2、3戦の決勝は、明日3月9日の午前8時20分、午後0時50分からそれぞれ12周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 16 | 30'19.023 | - | - |
| 2 | *50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'21.162 | 2.139 | 2.139 |
| 3 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 16 | 30'29.248 | 10.225 | 8.086 |
| 4 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'33.733 | 14.710 | 4.485 |
| 5 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 16 | 30'37.339 | 18.316 | 3.606 |
| 6 | 1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'43.732 | 24.709 | 6.393 |
| 7 | 4 | | | 森山 冬星 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 16 | 30'46.202 | 27.179 | 2.470 |
| 8 | *2 | | | 荒尾 創大 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 16 | 30'50.551 | 31.528 | 4.349 |
| 9 | *58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'51.780 | 32.757 | 1.229 |
| 10 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 16 | 30'55.150 | 36.127 | 3.370 |
| 11 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 16 | 31'03.984 | 44.961 | 8.834 |
| 12 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 16 | 31'12.263 | 53.240 | 8.279 |
| 13 | 30 | M | 2 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 16 | 31'27.916 | 1'08.893 | 15.653 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 14 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 50 野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)1'52.993 (8/16) 185.013 km/h
- CarNo.50は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第31条10(反則スタート)により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo.2は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第19条2(走路外走行)により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
- No.58は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第31条10(反則スタート)により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。

全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の予選が、3月8日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)がポールポジションを獲得。岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が2位と、チーム無限がフロントローを独占した。
今年から2レース制が増え、全12戦で争われるスーパーフォーミュラシリーズ。その幕開けとなる第1戦の予選が、土曜日の午前9時50分から行われた。
■Q1 Aグループ
ほとんどの車両が3周のウォームアップ後にアタックに入り、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)が1分38秒770をマーク。しかし、その直後に岩佐が1分37秒034と、他を圧倒するタイムを叩き出す。
この後、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)らが次々にアタックするも、1分38秒を切るものは現れず。
岩佐が、2番手に食い込んだイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)に1秒以上の差をつけて、このグループトップでQ2に進んだ。
久々の参戦となったサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)はハーフスピンを犯してしまい、最下位に沈んでしまった。
順位:岩佐-フラガ-牧野-大湯-オサリバン-小林/小高-三宅-Juju-高星-フェネストラズ
■Q1 Bグループ
Bグループは、路面状況が好転し、タイムはAグループよりも上回った。
まず、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が、1分37秒782と好タイムをマーク。これを即座に野尻が1分36秒983で上回り、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も続々と1分37秒台をマーク。
結局、野尻以外に1分36秒台に入れる者は現れず、太田、佐藤、そして、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、チャンピオン坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)を抑えて4位に食い込む健闘を見せた。
順位:野尻-太田-佐藤-小出-坪井-福住/阪口-山下-大嶋-野中-平良
■Q2
Q1の状況から1分36秒台の争いになると思われた。
最初にアタックに入ったのは小出。1分37秒153と僅かに36秒台には届かず。佐藤も1分37秒128で届かずという状況の中、Q1から段違いの速さを見せるチーム無限の二人は、岩佐1分36秒527、野尻1分36秒505と、あっさり37秒の壁を破り36秒台半ばまでタイムアップ。
最後に逆転を狙った太田がアタックするも、1分36秒632まで詰めるのがやっと。野尻、岩佐のフロントローが決まった。
デビュー戦の二人、小出とフラガの争いは、100分の4秒差で小出に軍配が上がった。
順位:野尻-岩佐-太田-牧野-福住-佐藤-小出-フラガ-坪井-オサリバン-小林-大湯
決勝は、午後2時40分から27周で争われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
- 第1戦、第2戦ポールポジション 佐野雄城(TOM'S)
-

「振り返ると、昨日から調子状況で進められていて、結果的にはダブルポールという形になりました。昨日からのフィーリングとか考えると、やっぱり大きく違った部分はあったので、そこら辺の合わせ込みっていう部分はまだ反省が残りますが、結果的にはダブルポール取れたんで、そこはすごい嬉しいです」
「(1戦目は野村選手と1000分の3秒差だったが)去年負けてばっかりだったんで、まずは勝てたっていうか。まあまあレースが本番ですけど、予選でまだ前にいて、優勝一番近いところからスタートできるんで、まずは一勝目を目指して頑張りたいなと思います」
「(去年リージョナル乗ったことでアドバンテージはあった?)そこら辺は難しいですね。でもやっぱりF4に比べたらリージョナルの方がパワーありますし、それを経験できたのは良かったかなと思いますけど、ダウンフォースレベルで行くとすごいリージョナルとライツで差はあるんで、そこら辺はかけ離れてたなっていうのが正直な感想です。でもそういう経験も含めて今回のポールにつながってるかなと思います」
「初戦なので決勝は気負いすぎずしっかりと、自分のやることをやって優勝できるように頑張ります」
- 第1戦予選2位、第2戦予選4位 野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)
-

「昨日の練習走行の調子から考えると、1回目はまず見えてるかっていうのはすごく良かったですし、でもすごい僅差の2位だったんで、本当に悔しかったんですけど。二回目の予選に向けては自分たちもアジャストしていったんですけど、それ以上に他の選手たちもタイムを上げてきて4位という結果になってしまいました。まずは開幕戦のレースが午後からあるんで、二番手グループからできることをやって勝てるように頑張ります」
「結構自分の中ではベストな出来だったなっていうミスもほとんどしなかったですし、結構まとめられたなっていう感じだったんで。その中で2位と4位って本当に詳しいですけど、この位置からでも勝てるとは思ってるので、ちゃんとスタート決めて」
「(荒尾選手とは久々の対決となるが)2022年ぶりですね。幼馴染で同い年ですし、それこそ小学生、中学生ぐらいからずっと一緒にレースやってきてたんで。ちょっと頑張らないと」
「(第1戦、第2戦の目標は?)もちろん優勝ですね。あとはベスト尽くせるようにっていうことですね」
- 第1戦予選3位、第2戦予選2位 小林利徠斗(TOM'S)
-

「結果としては、もちろんポールでないのは悔しい部分もあるんですが、予選の走り出しとしてはある程度掴めました。そこは予選の走行をまとめられたというところでは、昨年よりは成長できたと思います。まとめた上でもまだトップには足りてない部分もあるので、クルマだったり走り方だったりで何か見つけて、2年目なので決勝では良いレースをしたいと思います」
「今週末に入った時点で、鈴鹿の新舗装の路面に苦戦してまして、安定して走ることが難しかったんです。そこからは幾らかは改善されたなと思います」
「(第2戦の予選終盤について)それぞれの前後にクルマがいたりいなかったりがありました。アタック自体は結構決めた方だとは思ったんですけど、それでも足りてないですし、実質的にはたぶんコンマ2、3は足りてないと思っています。そういう部分で、ちゃんと本質的な速さを求めていきたいなと思います」
「それなりには感触は良かったんですけど、タイムが見合ってないというか、佐野選手があまりにも速いので、現状足りてはいないですね。チーム内でデータの共有はしているんですけど、悔しいですね。予選のアタックで本当にミスしたとかだったら、まとめられなかったなってなるんですけど、それなりにはちゃんと走ったつもりではあるので」
「(決勝2レースの目標は)2年目として昨年1年間学んだことを活かして、強いレースができるように頑張りたいと思います。とりあえずやってみるしかないかなっていう状況ですけど、頑張ります」
- 第1戦予選5位、第2戦予選3位 荒尾創大(DELiGHTWORKS RACING)
-

「予選2回目は結局走路外走行で、3位になってしまいました。それでも、予選1回目か2回目にセット変更して、パフォーマンスが上がって。で、まあ5番手から3番手になりました。実際にタイムは1番手ですよね。まあ、いい状況かなと思います」
「朝一はやっぱり路面が悪いんで、そこからまたタイムアップしてって感じです。ロングランを昨日できてないっちゃできてないんで、まあ、ちょっと微妙なとこではありますけど、ライツはスタートがまあメインなんで。そこでまあトップ取れるように頑張りたいと思います」
「(新しいチーム体制については)人も増えてますし、チームプリンシパルが下山(征人)さんになりました。メーカー系は緊張をとてもさせられるというか、プレッシャーがすごいんですが、ここはまあやり方が違って、僕たちがリラックスできるようにしてくれますし、僕たちが心配していることも心配しなくていいっていう言葉もかけてくれます。メーカー系とはまた違ったその良いチームの雰囲気作りができてて、すごい心地よいです」
「(今年ステップアップしてきた野村選手について)それぞれ二年別の場所で戦って、まあ僕としてはライツは二年目で、経験値としては上ですけど。まあ、野村選手はチャンピオンカーに乗れてるんで。それはまあ経験で賄って勝ちたいですけど、野村選手も上手なんで簡単ではないです。一年通して、最終的に、野村選手だけを気にするわけではなくて、チャンピオンを取れればいいなと思います」
「今週は第1レースが5位、の第2レースが3位からで、ルーキーの選手がどう転ぶのかわかんないですけど、まずは自分のベストを尽くして、いいリザルトを残したいと思います。去年1勝もしてないんで、もちろん優勝は欲しいですけど、年間戦っていく上で無理はしすぎないようにしたいと思います」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が、3月8日、鈴鹿サーキットで行われ、第1戦、第2戦ともに、デビュー戦となる佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY 324)が、両レースともクラスポールを奪った。
いよいよ2025年の開幕を迎えた。今シーズンはルーキーが多く参戦しており、誰が抜け出すのか予想のつきにくい状況だ。
トムスからエントリーのエステバン・マッソンは急きょ参戦を取りやめ、代役に野中誠太が指名された。しかし、スーパーフォーミュラ(SF)のオリバー・ラスムッセンが昨日のフリー走行でクラッシュし、今度はその代役にも野中が指名されたことで、野中はSFに集中することになり、SFライツへの出走はキャンセルした。
木、金曜日に行われた専有走行で速さを見せたのは佐野。2日間のトータルでもトップとなった。これに、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)らが続いた。鈴鹿初走行となるザック・デビッド(B-MAX RACING 324)も7番手につけ、対応力の高さを見せた。
第1戦公式予選
曇天の下で行われた予選は、午前8時30分から10分間で行われた。各車、じっくりウォームアップした後、4周目からアタックを開始。
まず、野村が1分51秒401をマークしトップに立つと、小林1分51秒784、そして、デビッドが1分51秒975で続く。野村は次の周に1分51秒233とトップタイムを更新。これで決まりかと思われたが、最後の最後に佐野が1分51秒230と、野村を1000分の3秒上回り、ポール獲得。
この結果、今回がデビュー戦となる佐野、野村のルーキー二人がフロントローに並ぶこととなった。なお、4番手タイムのデビッドだったが、走路外走行の判定でベストタイムは採用されず9位に沈んだ。



第2戦公式予選
10分間のインターバルを経て始まった第2戦予選。第1戦同様、野村が1分51秒250でアタック合戦の口火を切ると、小林1分51秒184、佐野1分50秒908、荒尾1分50秒731と続々とトップタイムが更新される。
アタック2周目では、さらにタイムは上がり、野村1分50秒796、小林1分50秒655、佐野50秒628と1回目のアタック同様にトップタイムが次々に書き換わると、締めくくりに荒尾が1分50秒615を叩き出して、ポール争いを決着させた……と思われた。
しかし、荒尾の最後のラップに走路外走行の裁定が下り、タイムは抹消。荒尾はセカンドタイムで4位となり、佐野がダブルポールを獲得する結果となった。
マスタークラスは、昨年後半から速さを見せている清水が、チャンピオンDRAGON(TEAM DRAGON 324)を退けて、連続クラスポールを奪った。



第1戦決勝は、本日午後0時30分から16周で、第2、3戦の決勝は、明日3月9日の午前8時20分、午後0時50分からそれぞれ12周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Weather: Fine Course: Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Gr. | Driver | Car Team Engine | Q1 | Q2
|
| 1 | 16 | B | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.983 | 1'36.505 |
| 2 | 15 | A | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'37.034 | 1'36.527 |
| 3 | 6 | B | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.026 | 1'36.632 |
| 4 | 5 | A | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'38.552 | 1'37.053 |
| 5 | 8 | B | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.703 | 1'37.112 |
| 6 | 64 | B | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.539 | 1'37.128 |
| 7 | 50 | B | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'37.572 | 1'37.153 |
| 8 | 65 | A | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'38.325 | 1'37.194 |
| 9 | 1 | B | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTA TRD 01F | 1'37.690 | 1'37.413 |
| 10 | 4 | A | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'38.694 | 1'37.697 |
| 11 | 7 | A | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'38.770 | 1'37.892 |
| 12 | 39 | A | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'38.681 | 1'37.925 |
| ---- 以上Q2で決定 ---- |
| 13 | 38 | B | 阪口 晴南 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'37.782 | |
| 14 | 28 | A | 小高 一斗 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'38.835 | |
| 15 | 3 | B | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'38.035 | |
| 16 | 12 | A | 三宅 淳詞 | ThreeBond SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'38.914 | |
| 17 | 14 | B | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'38.706 | |
| 18 | 10 | A | ジュジュ | HAZAMA ANDO Triple Tree SF23 HAZAMA ANDOTriple Tree Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'39.908 | |
| 19 | 19 | B | 野中 誠太 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'39.587 | |
| 20 | 20 | A | 高星 明誠 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'40.291 | |
| ---- 以上予選通過---- |
- | 29 | B | 平良 響 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'57.098 | |
| - | 37 | A | サッシャ・フェネストラズ | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'55.695 | |
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Knock Out Q2 Weather:Cloudy Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Gr | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 16 | B | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.505 | - | - | 216.623 |
| 2 | 15 | A | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.527 | 0.022 | 0.022 | 216.574 |
| 3 | 6 | B | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.632 | 0.127 | 0.105 | 216.338 |
| 4 | 5 | A | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.053 | 0.548 | 0.421 | 215.400 |
| 5 | 8 | B | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.112 | 0.607 | 0.059 | 215.269 |
| 6 | 64 | B | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.128 | 0.623 | 0.016 | 215.234 |
| 7 | 50 | B | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'37.153 | 0.648 | 0.025 | 215.178 |
| 8 | 65 | A | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.194 | 0.689 | 0.041 | 215.087 |
| 9 | 1 | B | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTA TRD 01F | 1'37.413 | 0.908 | 0.219 | 214.604 |
| 10 | 4 | A | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'37.697 | 1.192 | 0.284 | 213.980 |
| 11 | 7 | A | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.892 | 1.387 | 0.195 | 213.554 |
| 12 | 39 | A | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'37.925 | 1.420 | 0.033 | 213.482 |
■Aグループ
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Knock Out Q1 Weather:Cloudy Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 class 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 15 | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'37.034 | - | - | 215.442 |
| 2 | 65 | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'38.325 | 1.291 | 1.291 | 212.613 |
| 3 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'38.552 | 1.518 | 0.227 | 212.124 |
| 4 | 39 | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'38.681 | 1.647 | 0.129 | 211.846 |
| 5 | 4 | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'38.694 | 1.660 | 0.013 | 211.818 |
| 6 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'38.770 | 1.736 | 0.076 | 211.655 |
| ---- 以上Q2進出 ---- |
| 7 | 28 | 小高 一斗 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTATRD 01F | 1'38.835 | 1.801 | 0.065 | 211.516 |
| 8 | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond SF23 ThreeBond Racing HondaM-TEC HR-417E | 1'38.914 | 1.880 | 0.079 | 211.347 |
| 9 | 10 | ジュジュ | HAZAMA ANDO Triple Tree SF23 HAZAMA ANDOTriple Tree Racing HondaM-TEC HR-417E | 1'39.908 | 2.874 | 0.994 | 209.245 |
| 10 | 20 | 高星 明誠 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTATRD01F | 1'40.291 | 3.257 | 0.383 | 208.445 |
| ---- 以上基準タイム(107% - 1'43.826)予選通過 ---- |
| - | 37 | サッシャ・フェネストラズ | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTATRD 01F | 1'55.695 | 18.661 | 15.404 | 180.692 |
■Bグループ
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Knock Out Q1 Weather:Cloudy Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 class 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 16 | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'36.983 | - | - | 215.555 |
| 2 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'37.026 | 0.043 | 0.043 | 215.460 |
| 3 | 64 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'37.539 | 0.556 | 0.513 | 214.327 |
| 4 | 50 | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max HondaM-TEC HR-417E | 1'37.572 | 0.589 | 0.033 | 214.254 |
| 5 | 1 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTATRD 01F | 1'37.690 | 0.707 | 0.118 | 213.995 |
| 6 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'37.703 | 0.720 | 0.013 | 213.967 |
| ---- 以上Q2進出 ---- |
| 7 | 38 | 阪口 晴南 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'37.782 | 0.799 | 0.079 | 213.794 |
| 8 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'38.035 | 1.052 | 0.253 | 213.242 |
| 9 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTATRD 01F | 1'38.706 | 1.723 | 0.671 | 211.793 |
| 10 | 19 | 野中 誠太 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTATRD 01F | 1'39.587 | 2.604 | 0.881 | 209.919 |
| ---- 以上基準タイム(107% - 1'43.771)予選通過 ---- |
| - | 29 | 平良 響 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTATRD 01F | 1'57.098 | 20.115 | 17.511 | 178.527 |
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/08) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 35 | | | 佐野 雄城 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'51.230 | - | - | 187.946 |
| 2 | 50 | | | 野村 勇斗 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 1'51.233 | 0.003 | 0.003 | 187.941 |
| 3 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL TOM'S | 1'51.503 | 0.273 | 0.270 | 187.486 |
| 4 | 2 | | | 荒尾 創大 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 1'52.018 | 0.788 | 0.515 | 186.624 |
| 5 | 58 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 1'52.120 | 0.890 | 0.102 | 186.454 |
| 6 | 4 | | | 森山 冬星 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 1'52.779 | 1.549 | 0.659 | 185.364 |
| 7 | 3 | | | 三井 優介 | DELiGHTWORKS DELiGHTWORKS RACING | 1'52.927 | 1.697 | 0.148 | 185.121 |
| 8 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 1'53.017 | 1.787 | 0.090 | 184.974 |
| 9 | 51 | | | ザック・デビッド | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'53.268 | 2.038 | 0.251 | 184.564 |
| 10 | 1 | | | 卜部 和久 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 1'53.937 | 2.707 | 0.669 | 183.480 |
| 11 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY RACING 324 GNSY RACING | 1'54.391 | 3.161 | 0.454 | 182.752 |
| 12 | 30 | M | 2 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 B-MAX RACING TEAM | 1'55.120 | 3.890 | 0.729 | 181.595 |
| 13 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S SFL TOM'S | 1'58.190 | 6.960 | 3.070 | 176.878 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'02.454)予選通過 ---- |


3月7日、2025年のスーパーフォーミュラ開幕大会(第1戦、第2戦)のフリー走行が鈴鹿サーキットで行われ、午前は野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、午後は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマークした。
今シーズンの幕開けとなるフリー走行は、先月のテストから2週間強を経て、風が冷たい寒空の下で行われた。13チーム、22名のドライバーの顔ぶれはテストと同じだ。
■フリー走行1回目
午前11時から行われたフリー走行1回目をリードしたのは、チーム無限。走行前半は、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が1分36秒412、後半は野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)が1分36秒333で、この二人がワンツーという結果で1回目を締めくくった。
無限の二人に続いたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。そして、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)のチーム・ダンディライアンコンビ。
フラガは、先日結婚したことを発表しているが、プライベートも充実し、ルーキーとは思えない安定した速さを示している。
セッション終盤、ルーキーのオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)がデグナーでフロントからクラッシュ。身体へのダメージもあったようで、チームからラスムッセンは大事をとって今大会の出走を見合わせ、代役として野中誠太を起用することが発表された。
■フリー走行2回目
走行開始の午後3時30分になっても、気温は低いまま。
このセッションで気を吐いたのは、ナカジマレーシングの二人。走行前半、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)とフラガが、交互にトップタイムを叩き出した。
これに続いたのは、ダンディライアンコンビ。やはり本命といえる二人は安定した速さを見せた。
走行後半になると、テストで好調だった三宅淳詞(ThreeBond SF23)、そして阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)も上位に食い込んでくる。
最後のアタックに入ってもナカジマレーシングの二人の速さは衰えず。佐藤がトップタイムを更新し、唯一36秒を切る1分35秒972をマーク。フラガが1分36秒081で続いた。
以下、太田、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、阪口、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)と続いた。
結果表では、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)がトップタイムとなっているが、これは最後のアタックにおいてシケインで止まりきれず行き過ぎた結果のタイム。走路外走行の判定が出ており、本来は無効となるべきタイムのはずだが……。
午前トップタイムの野尻は、走行序盤でホイールナットが緩むトラブルを抱え、修復に時間を要し満足に走行ができなかった。
開幕大会は2レース制。8日(土)に第1戦の予選、決勝。9日(日)に第2戦の予選、決勝が行われる。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/07) Free Practice 2 Weather:Sunny Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 39 | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'35.875 | - | - | 218.046 |
| 2 | 64 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.972 | 0.097 | 0.097 | 217.826 |
| 3 | 65 | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.081 | 0.206 | 0.109 | 217.579 |
| 4 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.173 | 0.298 | 0.092 | 217.371 |
| 5 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'36.430 | 0.555 | 0.257 | 216.791 |
| 6 | 15 | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.474 | 0.599 | 0.044 | 216.693 |
| 7 | 38 | 阪口 晴南 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'36.591 | 0.716 | 0.117 | 216.430 |
| 8 | 50 | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'36.595 | 0.720 | 0.004 | 216.421 |
| 9 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'36.629 | 0.754 | 0.034 | 216.345 |
| 10 | 37 | サッシャ・フェネストラズ | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'36.652 | 0.777 | 0.023 | 216.294 |
| 11 | 1 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTA TRD 01F | 1'36.714 | 0.839 | 0.062 | 216.155 |
| 12 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'36.718 | 0.843 | 0.004 | 216.146 |
| 13 | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'36.758 | 0.883 | 0.040 | 216.057 |
| 14 | 16 | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.998 | 1.123 | 0.240 | 215.522 |
| 15 | 4 | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'37.049 | 1.174 | 0.051 | 215.409 |
| 16 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.077 | 1.202 | 0.028 | 215.347 |
| 17 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'37.377 | 1.502 | 0.300 | 214.683 |
| 18 | 28 | 小高 一斗 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'37.470 | 1.595 | 0.093 | 214.478 |
| 19 | 29 | 平良 響 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'37.510 | 1.635 | 0.040 | 214.390 |
| 20 | 20 | 高星 明誠 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'39.247 | 3.372 | 1.737 | 210.638 |
| 21 | 10 | ジュジュ | HAZAMA ANDO Triple Tree SF23 HAZAMA ANDOTriple Tree Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'40.463 | 4.588 | 1.216 | 208.089 |
NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権 -RIJ- (2025/03/07) Free Practice 1 Weather:Sunny Course:Dry
2025 SUPER FORMULA Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 16 | 野尻 智紀 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.333 | - | - | 217.010 |
| 2 | 15 | 岩佐 歩夢 | AUTOBACS MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.412 | 0.079 | 0.079 | 216.832 |
| 3 | 65 | イゴール・オオムラ・フラガ | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.707 | 0.374 | 0.295 | 216.170 |
| 4 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.806 | 0.473 | 0.099 | 215.949 |
| 5 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.859 | 0.526 | 0.053 | 215.831 |
| 6 | 1 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOMʼS TOYOTA TRD 01F | 1'36.869 | 0.536 | 0.010 | 215.809 |
| 7 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.101 | 0.768 | 0.232 | 215.293 |
| 8 | 39 | 大湯 都史樹 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'37.304 | 0.971 | 0.203 | 214.844 |
| 9 | 64 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.319 | 0.986 | 0.015 | 214.811 |
| 10 | 4 | ザック・オサリバン | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'37.426 | 1.093 | 0.107 | 214.575 |
| 11 | 50 | 小出 峻 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'37.470 | 1.137 | 0.044 | 214.478 |
| 12 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'37.500 | 1.167 | 0.030 | 214.412 |
| 13 | 37 | サッシャ・フェネストラズ | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'37.558 | 1.225 | 0.058 | 214.285 |
| 14 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.607 | 1.274 | 0.049 | 214.177 |
| 15 | 38 | 阪口 晴南 | SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'37.667 | 1.334 | 0.060 | 214.046 |
| 16 | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'37.822 | 1.489 | 0.155 | 213.707 |
| 17 | 28 | 小高 一斗 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'37.889 | 1.556 | 0.067 | 213.560 |
| 18 | 19 | オリバー・ラスムッセン | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'38.375 | 2.042 | 0.486 | 212.505 |
| 19 | 29 | 平良 響 | KDDI TGMGP TGR-DC SF23 KDDI TGMGP TGR-DC TOYOTA TRD 01F | 1'38.834 | 2.501 | 0.459 | 211.518 |
| 20 | 20 | 高星 明誠 | ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'39.460 | 3.127 | 0.626 | 210.187 |
| 21 | 10 | ジュジュ | HAZAMA ANDO Triple Tree SF23 HAZAMA ANDOTriple Tree Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'39.560 | 3.227 | 0.100 | 209.976 |
| 22 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'46.336 | 10.003 | 6.776 | 196.596 |

2月22~23日に鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿チャンピオンカップレース、スーパーFJで、五十嵐文太郎が4輪レースにデビューを果たした。五十嵐の父、五十嵐勇大氏は、2000~2003年にフォーミュラ・ニッポン(現スーパーフォーミュラ)や、全日本GT選手権(現スーパーGT)で活躍したドライバーだ。

五十嵐勇大
五十嵐は、山形県在住の高校2年生で17歳。小学3年生からレーシングカートを始め、昨年はOKクラスに出場する傍ら鈴鹿のレーシングスクールも受講していた。今回、カートで所属していた道上龍率いるDrago CorseからスーパーFJにデビューを果たした。
22日に行われた公式予選で五十嵐は20台中6位と健闘。翌23日の決勝では、スタートの混乱をすり抜け5位にポジションアップ。上位のアクシデントで4位に上がるも、4周目に3位を走る選手をデグナー1個目でパスしようとしてオーバーラン。コースアウトして戻ったところで、他車と接触してスピンしコース中央で停止した。これを避けようとした後続のマシン同士が接触して2台がリタイアとなった。五十嵐は再スタートを切り、12位でフィニッシュしたものの危険なコース復帰をし、アクシデントの原因となったためペナルティーを受け、16位に降格となった。

ほろ苦いレースデビューとなった五十嵐にレース後、話しを聞いた。
「走る前は緊張しましたが、スタートしてからはプッシュできたのでよかったです。3位の選手をデグナーの1個目で抜こうとしましたが、抜ききれずにアウトにはらんで、そこに入ってきたクルマとデグナー2個目でぶつかりました。4脱して、戻ったときに当たったので、危険な復帰というペナルティーでした。デグナーはいる前から冷静に考えていたら抜けていたかも知れません。まだ正しい判断ができていない感じです」
「いろんなコースを走る為にシリーズを追うことは考えていません。将来はF1に乗ってチャンピオンを取りたいです」
五十嵐は今週末、9~10日にモビリティーリゾートもてぎで行われるもてぎチャンピオンカップレースでもスーパーFJに出場する。今後注目の選手だ。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Keiichiro TAKESHITA
Yoshinori OHNISHI
優勝 吉田馨(TAKE FIRST kks2)

「スタートはぼくもミスりましたが、PPの箕浦選手はもっとミスったのでトップに立てましたが、そこから箕浦選手が速かったのできつかったです。デグナー2個目の接触でフロントウイングが曲がって順位を落としましたが、シケイン立ち上がりのクラッシュはうまくよけることができ、ポジションアップしました。残りも全部出てチャンピオンを目指します」
2位 酒井翔太(ファーストガレージKK-SⅡ)

「決勝は200kmを走ったタイヤで、周りは50~60kmのタイヤだったので厳しいと思っていました。やはりペースもぜんぜんなくて、序盤からずるずる離されて、セーフティーカー(SC)に助けられたレースでした。SCが出なければ表彰台には乗れてないと思います。まだチャンピン争いはできるので今後も頑張ります」
3位 元山泰成(株式会社エコテク)

「予選は必死に出したタイムだったので、決勝は後ろの選手に追いつかれないように頑張ろうと思っていました。クルマは前を目指せる感じじゃなかったんですが、いざレースになればなんか抜けました。あと1周あれば酒井君がふらふらだったので、追いつけたと思います。チームメート板倉さんとのバトルはやりにくかったですが、裏ストレートで譲ってもらえました。楽しかったです」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI
スーパーFJ地方選手権鈴鹿・岡山シリーズ第1戦は23日、鈴鹿サーキットで行われた「SUZUKA CHAMPION CUP RACE第1戦」で決勝を行い、予選2位からスタートした吉田馨(TAKE FIRST kks2)が、2度のセーフティーカーが出る荒れたレースを制して、初優勝を飾った。
決勝は午後2時30分に2周のフォーメーションラップが始まった。昼頃、鈴鹿の上空を覆っていた雲も去り、天候は快晴だが肌寒い。20台(うち3台がジェントルマンクラス)がグリッドに着き、9周となった決勝のスタートが切られた。
ポールポジションの箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ)はスタートをミス。予選2位の吉田馨(TAKE FIRST kks2)が先頭で1コーナーへ向かう。箕浦は、予選4位から3位に上がった杉田悠真(LAPS with REV RACING)にも迫られるが、ここは1コーナーでインを絞め2位は死守。杉田が3位で、後ろには予選3位の酒井翔太(ファーストガレージKK-SⅡ)が続く。
その後方では、イン側から予選8位の元山泰成(株式会社エコテク)、予選4位の鈴木七瀬(ネッツトヨタ三重with FORM)、予選7位の永原蒼翔(ピットワークながはら/MYST)、予選6位の五十嵐文太郎(Drago CORSE)が4ワイド。このバトルで、中央の2人、鈴木と永原が接触。2台はもつれるようにコースアウトしてグラベルでストップした。自己最高位のポジションからスタートした鈴木と永原のレースは、数百メートルで幕を閉じた。ここで早くもセーフティーカーが導入されることとなった。
SC中、1周目の順位は、トップ吉田、2位箕浦、3位杉田、4位酒井、5位ルーキーの五十嵐、6位元山、7位ジェントルマンの山根一人(光精工TK-Sport MYST)、8位大ベテランの板倉慎哉(AMORE TOKYO☆表参道☆KKSⅡ)、9位藤井翔太(Drago CORSE)、10位中川賢太(イーグルスポーツ)だ。
SCは2周で退き、レースは3周目から再開された。ここから2位箕浦のペースが速い。箕浦はNIPPOコーナー立ち上がりからデグナー1個目で吉田に急接近すると、デグナー2個目でインにねじ込む。立ち上がりでは、吉田は箕浦に押し出される形で、グラベルにタイヤを落とし失速。これで吉田は箕浦、杉田にの2台にパスされ3位に落ちた。この混乱で接触があり、吉田はフロントウイングを曲げてしまう。
トップに立った箕浦には2位の杉田が迫る。杉田は130Rで箕浦の背後につけると、シケイン侵入でアウトから並びかけるも、ここは箕浦が杉田を押さえ込む。この2台はテールトゥノーズでシケインを立ち上がるも、箕浦はシフトアップをミスして失速。直後につけていた杉田にプッシュされスピンし、後方集団に飲み込まれてしまった。
続くストレートでは、箕浦と絡んだ杉田のストレートスピードが伸びず、吉田が急接近。4周目に入った1コーナーで吉田がインから杉田をパスしてトップを奪い返した。3位には酒井が、4位には五十嵐が、5位には元山を1コーナーで捉えた板倉が続く。
デグナー1個目では、3位酒井のインをうかがっていた五十嵐が、立ち上がりでコースアウト。戻ってきたところを他車と接触してスピンしコース中央に止まった。これを避けようとした中川賢太(イーグルスポーツ)と宮本颯斗(J-LOC)が接触してコースアウト。この場でリタイアとなった。五十嵐は再び動き出したが大きく順位を落とした。この混乱で2度目のSCが導入された。
SC中の順位は、トップ吉田、2位杉田、3位酒井、4位坂倉、5位元山、6位には予選16位から東慎之介(サンセルモMYST/ORM)、7位には予選14位からルーキーの土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)、8位KODAI YOSHIDA(T's TECHNO)、9位藤井、10位山根だ。
SCは6周終わりで退き、レースは7周目から残り3周で再開された。1コーナーでは、土橋が東を攻略して6位に上がる。ウイングを曲げながらトップを走行する吉田に、杉田が徐々に接近し始める。
8周目、バックストレートでは5位を走る元山が前を走る板倉をパスして4位に浮上。チームメート同士の抜きつ抜かれつのバトルは元山に軍配が上がった。
9周目、トップ吉田と2位杉田は1秒を切る0秒9差でファイナルラップに突入。ここでも吉田は杉田を押さえながら各コーナーを通過。5位を走るペースの上がらない板倉は130Rで土橋にもパスされ6位に落ちた。
このままレースは終了。ウイングを曲げながらも2位の杉田を押さえきった吉田が参戦2戦目で初優勝。2位には杉田が入ったが、箕浦との接触で30秒加算のペナルティーを科され14位に後退。繰り上がって3位には元山が入った。
初レースの土橋は4位と大健闘。5位板倉、6位藤井、7位YOSHIDA、8位にはジェントルマンクラス優勝の山根が続く。
序盤でスピンした箕浦は最終ラップにファステストラップをたたき出す意地を見せ、9位でフィニッシュ。10位には東が入った。
次大会は岡山国際サーキットに舞台を移し、4月29日、30日に第2戦、第3戦が開催される。









Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI
- 優勝 金井亮忠(チームNATS正義001)
-

「スタートは決まって、翔太君が出遅れ、1周目にマージンを築けたのが大きかったと思います。スタート直後の2、3周は向こうの方が秒単位で速いのであっという間に追いつかれてしまいました。その間、ぼくのタイヤも暖まってきて同じようなペースで走れるようになりました。セーフティーカー開けは、トラクションをしっかりかけて加速が鈍らないように意識して走りました。学生も卒業なので、1年の最後のレースを一番いい形で終えられてよかったです」
- 2位 酒井翔太(ファーストガレージFG108)
-

「スタートはほぼストールして、クラッチを切ったらエンジンがかかっていたので、よかったです。その後のペースはありましたが、バトルになったときに抜けなくて、そこは自分のだめなところです。人が前にいてダウンフォースが抜けると自分の走りができませんでした。セーフティーカー開けは、リスタートは決まりましたが、確実に行けるチャンスはなかったです」
- 3位 ハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーR疾風)
-

「1週間前の鈴鹿の練習で他のカテゴリーのクルマとクラッシュして、そのダメージが治らなくて、極端に操縦安定性が悪くなりました。練習でも調子悪いなかで3秒台に入りそうだったので、本調子なら上の2台とバトルできていました。次回までに直したいと思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

フォーミュラ・ビート地方選手権シリーズ第1戦は23日、鈴鹿サーキットチャンピオンカップレース第1戦で決勝を行い、ポールポジションからスタートした金井亮忠(チームNATS正義001)が、ポールトゥウインを飾った。
フォーメーションラップは午前11時15分より始まる。快晴だが風が強く肌寒い。予選3位から装備品不備(アンダーウエア未着用)でペナルティーを受けた梅本幸汰(ファーストガレージ FG01)は最後尾に回り、ピットレーン速度違反の杉山寛(ミスト☆菱洋商事株式会社)はピットスタートとなった。
フォーメーションラップ1周目には、舩井俊仁(ファーストガレージFG108)が2コーナー立ち上がりでストップ、赤旗が提示された。このため周回数は1周減算され8周のレースとなる。エクストラフォーメーションラップ2周が行われ、各車グリッドに着きスタートが切られた。
ポールポジションの金井亮忠(チームNATS正義001)が好スタートを切る一方、予選2位の酒井翔太(ファーストガレージFG108)はストール気味で3位に後退。2位には予選3位から加藤智(FEEL・TAKEFIRST)が浮上するも、酒井はすかさずスプーンコーナーでインから加藤を攻略し、2位を奪い返す。
オープニングラップの1周終わりには、金井が2位の酒井を2秒4離し戻ってきた。加藤は3位に落ち、4位に予選5位からハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーR疾風)が上がり、5位に鈴木智之(テイクファースト★C72制動屋)が、6位に予選4位から後退した植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)が、7位には早くも最後尾から梅本が上がってきた。
ここから2位の酒井がファステストラップを出しながら、トップ金井に急接近。酒井は、2周目にその差を1秒5とすると、3周目には予選を上回り、フォーミュラビートのコースレコードを更新する2分2秒585をたたき出し、その差を0秒6とした。3位の加藤は2位酒井から8秒8離れ、優勝争いは上位2台の一騎打ちとなった。
4周目には金井と酒井はテールトゥノーズになる。しかし、この頃から金井のタイヤも暖まり、巧みに金井が酒井を押さえ、先行を許さない。
5周目、1コーナーで4位伊澤が加藤をパスして3位に上がる。ヘアピンでは、6位植田と7位梅本が接触。植田はコースアウトし、梅本はフロントウイングを壊した。このため、ここでセーフティーカー(SC)が導入された。
SCは7周を回ってピットイン。レースは残り1周での争いとなった。リスタートを決めた酒井は金井の背後につけ、隙をうかがう。しかし、ここでも金井は冷静に酒井を押さえきり、最終ラップを走行。金井がトップでゴールし、ポールトゥウィンを飾った。酒井は2位、3位には伊澤が入った。
4位には加藤が、5位には鈴木、6位には梅本が入ったがペナルティーで後退。代わって、6位はジェントルマンクラストップの田中諭(ミスト・制動屋)が入った。
次大会は富士スピードウェイに舞台を移し、3月15、16日に第2戦、第3戦が開催される。







Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI
SUZUKA CHAMPION CUP RACE第1戦 -RIJ- (2025/02/23) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 S-FJ鈴鹿・岡山シリーズ Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST kks2 MYST KK-S2 | 9 | 26'44.351 | - | - |
| 2 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-SⅡ MYST KK-S2 | 9 | 26'47.499 | 3.148 | 3.148 |
| 3 | 1 | | | 元山 泰成 | 株式会社エコテク MYST KK-S2 | 9 | 26'47.906 | 3.555 | 0.407 |
| 4 | 11 | | | 土橋 皇太 | Rn-sports制動屋KK-S2 MYST KK-S2 | 9 | 26'49.929 | 5.578 | 2.023 |
| 5 | 55 | | | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆KKSⅡ MYST KK-S2 | 9 | 26'50.526 | 6.175 | 0.597 |
| 6 | 34 | | | 藤井 翔太 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 9 | 26'54.230 | 9.879 | 3.704 |
| 7 | 33 | | | 吉田 紘大 | T's TECHNO MYST KK-S2 | 9 | 26'54.794 | 10.443 | 0.564 |
| 8 | 47 | G | 1 | 山根 一人 | 光精工TK-Sport MYST MYST KK-S2 | 9 | 26'55.098 | 10.747 | 0.304 |
| 9 | 56 | | | 箕浦 稜己 | MYST SEIDOYA KK-SⅡ MYST KK-S2 | 9 | 26'56.144 | 11.793 | 1.046 |
| 10 | 57 | | | 東 慎之介 | サンセルモMYST/ORM MYST KK-S2 | 9 | 26'57.418 | 13.067 | 1.274 |
| 11 | 37 | | | 阪本 一世 | 免許取るなら大阪サヤマ☆EAGLE MYST KK-S2 | 9 | 27'02.493 | 18.142 | 5.075 |
| 12 | 4 | G | 2 | 古里 拓 | FLEET REV KK-SII MYST KK-S2 | 9 | 27'02.900 | 18.549 | 0.407 |
| 13 | 72 | | | 久保 直也 | AQUAだーはまレーシングNUTEC WEST 07J | 9 | 27'11.083 | 26.732 | 8.183 |
| 14 | *10 | | | 杉田 悠真 | LAPS with REV RACING MYST KK-S2 | 9 | 27'14.828 | 30.477 | 3.745 |
| 15 | 5 | G | 3 | 高橋 浩史 | BBK☆レヴレーシング MYST KK-S2 | 9 | 27'15.467 | 31.116 | 0.639 |
| 16 | *43 | | | 五十嵐 文太郎 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 9 | 27'28.722 | 44.371 | 13.255 |
| ---- 以上規定周回数(90%- 9Laps)完走 ---- |
| - | 52 | | | 中川 賢太 | イーグルスポーツ MYST KK-S2 | 3 | 9'16.514 | 6Laps | 6Laps |
| - | 12 | | | 宮本 颯斗 | J-LOC MYST KK-S2 | 3 | 9'17.327 | 6Laps | 0.813 |
| - | 18 | | | 鈴木 七瀬 | ネッツトヨタ三重with FORM MYST KK-S2 | 0 | - | 9Laps | 3Laps |
| - | 15 | | | 永原 蒼翔 | ピットワークながはら/MYST MYST KK-S2 | 0 | - | 9Laps | - |
- Fastest Lap: CarNo. 56 箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ) 2'15.502 (9/9) 2'14.502 155.427 km/h
- CarNo. 10は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第59条1.1(危険なドライブ行為)により、競技結果に対して30秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 43は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第59条1.6(危険なドライブ行為)により、競技結果に対して30秒加算のペナルティーを科した。
鈴鹿クラブマンレース第1戦 -RIJ- (2025/02/23) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 Formula Beat Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 72 | | | 金井 亮忠 | チームNATS正義001 NATS 001 | 8 | 20'31.641 | - | - |
| 2 | 6 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージFG108 FG108 | 8 | 20'32.084 | 0.443 | 0.443 |
| 3 | 1 | | | ハンマー 伊澤 | アルカディア☆ハンマーR疾風 疾風 | 8 | 20'34.774 | 3.133 | 2.690 |
| 4 | 10 | | | 加藤 智 | FEEL・TAKEFIRST B-MAX RK01 | 8 | 20'36.673 | 5.032 | 1.899 |
| 5 | 43 | | | 鈴木 智之 | テイクファースト★C72制動屋 ZAP F108 | 8 | 20'37.542 | 5.901 | 0.869 |
| 6 | 17 | G | 1 | 田中 諭 | ミスト・制動屋 Dallara F307 | 8 | 20'49.241 | 17.600 | 11.699 |
| 7 | 76 | G | 2 | 松本 隆行 | SHOUEI☆ミスト Dallara F307 | 8 | 20'49.460 | 17.819 | 0.219 |
| 8 | 21 | G | 3 | 村瀬 和也 | ミスト関口:制動屋:勝男武士 MYST KK-ZS | 8 | 20'51.307 | 19.666 | 1.847 |
| 9 | 33 | G | 4 | 杉山 寛 | ミスト☆菱洋商事株式会社 MYST KK-ZS | 8 | 20'51.934 | 20.293 | 0.627 |
| 10 | *35 | G | 5 | 髙橋 忠克 | 髙宮商事ミストKK-ZS MYST KK-ZS | 8 | 20'54.685 | 23.044 | 2.751 |
| 11 | *92 | | | 梅本 幸汰 | ファーストガレージ FG01 FG101 | 8 | 21'18.068 | 46.427 | 23.383 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 7 Laps)完走 ---- |
| - | 11 | G | - | 植田 正幸 | Rnsports制動屋KKZS MYST KK-ZS | 4 | 8'31.476 | 4Laps | 4Laps |
| - | 3 | G | - | 舩井 俊仁 | ファーストガレージFG108 FG108 | - | d.n.s | - | - |
- Fastest Lap: CarNo. 6 酒井翔太(ファーストガレージFG108) 2.02.585 (3/8) 170.536 km/h
- CarNo. 35は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第54条5(反則スタート)により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
- CarNo. 92は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第59条1.1(危険なドライブ行為)により、競技結果に対して40秒加算のペナルティーを科した。
- ポールポジション 箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ)
-

「位置取りは悪かったんですが、調整してトップを取れたのでよかったです。想定していたタイムが出たので、多分ポールはいけると思いました。ぶっちぎれたのは、周りよりぎりぎりでマシンを使いこなしているのかなと思います。決勝はスタートが苦手なので、そこを決めて優勝したいと思います」
- 2位 吉田馨(TAKE FIRST kks2)
-

「うまくまとめてた周にシケインでロックしてしまいました。それがなければ箕浦選手には近づけたと思います。決勝は、古いタイヤでもいいタイムが出てるので、そこは自信を持って行こうと思います。スタートは微妙ですが、前に出られればなんとかなるので、頑張りたいと思います」
- 3位 酒井翔太(ファーストガレージKK-SⅡ)
-

「新品タイヤを履いたらよくなくて、朝の練習で走り続け80kmくらい使ったタイヤで予選に臨みました。前半はタイムがポンポン上がったんですが、後半はリアタイヤが無くなってきて、一発を出そうとしてもタイムがぜんぜん上がりませんでした。新品タイヤをうまく使えないというのが課題だったので、それをどうにかできれば新品の方がよかったかもしれません。1秒以上タイム差があるので、決勝は前に食いついていければと思います」」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

スーパーFJ地方選手権鈴鹿・岡山シリーズ第1戦は22日、鈴鹿サーキットで公式予選を行い箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ)がポールポジションを獲得した。
公式予選は、前プログラムで赤旗が出たため定刻より5分遅れの午後3時45分より行われた。通常予選は20分間だが、路面張替を行ったことと低気温を考慮して5分延長され25分間となった。参加は20台でうち3台がジェントルマンクラスで、初出場は、五十嵐文太郎(Drago CORSE)と土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)の2人だ。正午過ぎまで降り続いていた雪もやみ、雲がはけるとほぼ快晴となった。WET宣言が出されているが、全車ドライタイヤを履いてコースインした。
序盤、予選をリードしたのは吉田馨(TAKE FIRST kks2)。計測1周目に2分17秒719を出すと、同2周目には15秒018まで縮める。
しかし計測4周目には箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SⅡ)が2分14秒とトップに立つ。吉田も14秒566までタイムを縮めるも2位に落ちた。3位には酒井翔太(ファーストガレージKK-SⅡ)が14秒814でつける。
計測6周目にはトップ箕浦が2分14秒028と若干タイムアップ。同7周目には酒井が14秒282で2位に浮上した。吉田は14秒366までタイムを削るも3位に後退。
計測8周目、トップ箕浦が2分13秒577とタイムを大幅に短縮。2位には13秒941で吉田が再浮上。酒井はタイムアップならず、14秒282のままで3位に落ちた。
計測10周目には箕浦が2分13秒155とさらにタイムを縮め、2位以下を突き放す。2位の吉田、3位の酒井ともタイム更新はならず、このまま25分間の予選は終了した。
計測6周目に2分14秒920で4位に浮上した鈴木七瀬(ネッツトヨタ三重with FORM)は、その後徐々にタイムを縮め同9周目に14秒308まで縮めるも順位は変わらず、4位で予選を終えた。
計測8周目には10位まで順位を落としていた杉田悠真(LAPS with REV RACING)は、最終となった同10周目に2分14秒733までタイムを縮め5位に浮上した。
ルーキーの五十嵐は、常にトップ6内の順位につける健闘で、最終的にタイムを2分14秒875まで縮め6位に滑り込んだ。
ジェントルマンクラスは、山根一人(光精工TK-Sport MYST)が一時は総合6位につけ大健闘。最終的には総合9位で予選を終えたが、文句なしで同クラスのポールポジションを獲得した。
ポールポジションの箕浦と予選2位の吉田は、ともに昨年末の日本一決定戦がスーパーFJのデビュー戦で、いきなり1-2につけ大躍進を果たした。
箕浦は岐阜市在住の16歳で、鈴鹿のカートX30でチャンピオンを獲得。ミストのエースカー56号車のパフォーマンスを引き出し、ぶっちぎりでのポールとなった。
決勝は明日23日、午後2時30分からだが、天候状態を考慮しフォーメーションラップが2周となったため当初予定の10周から1周減算され9周で行われる。





Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
- ポールポジション 金井亮忠(チームNATS正義001)
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「酒井君がむちゃくちゃ速くてぼくが6秒台のときに3秒台が出ていたので、これはかなわないと思いました。でも僕もだんだんタイムを上げることができたので抜けた感じですね。決勝は、前半のタイムの上がり方が課題で、そこをもう少し見直して、序盤からタイムが出るように改善していきたいと思います」
- 2位 酒井翔太(ファーストガレージFG108)
-

「ぽっと3秒台のタイムが出て、練習のときから誰もこのタイムが出てなかったので、これはいけるだろうと、チームからも帰って来いという指示があったのでピットに戻りました。金井さんやハンマーさんのタイムを見て、行くかどうか考えていましたが、金井さんに終了ぎりぎりにタイムを出されたので行けませんでした。ベストが出た次の周もマイナス表示だったので、もう1周走れば2秒台が出たと思います。悔しいですが、決勝にタイヤを温存でき、フロントローなので優勝は狙えると思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

フォーミュラ・ビート地方選手権シリーズ第1戦は22日、鈴鹿サーキットで公式予選を行い金井亮忠(チームNATS正義001)が逆転でポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時20分より行われた。通常予選は20分間だが、路面張替を行ったことと低気温を考慮して5分延長され25分間となった。参加は13台、うち7台がジェントルマンクラスだ。直前まで降り続いていた雪もやみ、雲間からは青空も広がりつつある。WET宣言が出されているが、全車ドライタイヤを履いてコースインした。
計測2周目には、酒井翔太(ファーストガレージFG108)がいきなり2分3秒431という素晴らしいタイムでトップに立つ。2位の金井亮忠(チームNATS正義001)はまだ7秒台だ。これを見て、酒井はほぼポールポジションを確信したのかピットイン。他車の動向を見つつ決勝に向けてタイヤを温存し、ピットで待機する作戦に出た。
計測3周目、2位金井はタイムを2分6秒427まで縮めるもトップ酒井との差はまだまだ大きい。3位加藤智(FEEL・TAKEFIRST)は7秒630、4位梅本幸汰(ファーストガレージ FG01)は7秒984、5位植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)は8秒233、6位鈴木智之(テイクファースト★C72制動屋)は13秒792だ。
計測4周目、梅本が2分6秒011で2位に浮上した。同6周目には金井が4秒567で2位を奪い返し、徐々にトップ酒井との差を削り始める。
その後、金井は計測8周目に2分3秒545とトップ酒井との差を僅差に持ち込むと、同9周目には3秒313まで縮めついに酒井を逆転してトップに立った。予選も終了直前で酒井は再アタックするチャンスを失い、2位に後退することとなった。
3位には梅本が入ったが、ドライバーの装備品違反でタイムを抹消され後退、3位には繰り上がって加藤が入った。
4位にはジェントルマンクラストップの植田が、遅れてピットアウトしたディフェンディングチャンピオンのハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーR疾風)は徐々にタイムを縮め5位まで浮上、6位には鈴木が入った。
決勝は明日23日、午前11時15分からだが、天候状態を考慮しフォーメーションラップが2周となったため当初予定の10周から1周減算され9周で行われる。





Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
鈴鹿クラブマンレース第1戦 -RIJ- (2025/02/22) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2025 S-FJ鈴鹿・岡山シリーズ Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 56 | | | 箕浦 稜己 | MYST SEIDOYA KK-SⅡ MYST KK-S2 | 2'13.155 | - | - | 156.999 |
| 2 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST kks2 MYST KK-S2 | 2'13.941 | 0.786 | 0.786 | 156.078 |
| 3 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-SⅡ MYST KK-S2 | 2'14.282 | 1.127 | 0.341 | 155.681 |
| 4 | 18 | | | 鈴木 七瀬 | ネッツトヨタ三重with FORM MYST KK-S2 | 2'14.308 | 1.153 | 0.026 | 155.651 |
| 5 | 10 | | | 杉田 悠真 | LAPS with REV RACING MYST KK-S2 | 2'14.733 | 1.578 | 0.425 | 155.160 |
| 6 | 43 | | | 五十嵐 文太郎 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 2'14.875 | 1.720 | 0.142 | 154.997 |
| 7 | 15 | | | 永原 蒼翔 | ピットワークながはら/MYST MYST KK-S2 | 2'14.969 | 1.814 | 0.094 | 154.889 |
| 8 | 1 | | | 元山 泰成 | 株式会社エコテク MYST KK-S2 | 2'15.070 | 1.915 | 0.101 | 154.773 |
| 9 | 47 | G | 1 | 山根 一人 | 光精工TK-Sport MYST MYST KK-S2 | 2'15.078 | 1.923 | 0.008 | 154.764 |
| 10 | 33 | | | 吉田 紘大 | T's TECHNO MYST KK-S2 | 2'15.190 | 2.035 | 0.112 | 154.636 |
| 11 | 34 | | | 藤井 翔太 | Drago CORSE MYST KK-S2 | 2'15.291 | 2.136 | 0.101 | 154.520 |
| 12 | 55 | | | 板倉 慎哉 | AMORE TOKYO☆表参道☆KKSⅡ MYST KK-S2 | 2'15.402 | 2.247 | 0.111 | 154.394 |
| 13 | 52 | | | 中川 賢太 | イーグルスポーツ MYST KK-S2 | 2'15.461 | 2.306 | 0.059 | 154.326 |
| 14 | 11 | | | 土橋 皇太 | Rn-sports制動屋KK-S2 MYST KK-S2 | 2'15.564 | 2.409 | 0.103 | 154.209 |
| 15 | 12 | | | 宮本 颯斗 | J-LOC MYST KK-S2 | 2'15.597 | 2.442 | 0.033 | 154.172 |
| 16 | 57 | | | 東 慎之介 | サンセルモMYST/ORM MYST KK-S2 | 2'16.046 | 2.891 | 0.449 | 153.663 |
| 17 | 4 | G | 2 | 古里 拓 | FLEET REV KK-SII MYST KK-S2 | 2'16.995 | 3.840 | 0.949 | 152.598 |
| 18 | 37 | | | 阪本 一世 | 免許取るなら大阪サヤマ☆EAGLE MYST KK-S2 | 2'17.311 | 4.156 | 0.316 | 152.247 |
| 19 | 72 | | | 久保 直也 | AQUAだーはまレーシングNUTEC WEST 07J | 2'19.020 | 5.865 | 1.709 | 150.375 |
| 20 | 5 | G | 3 | 高橋 浩史 | BBK☆レヴレーシング MYST KK-S2 | 2'19.960 | 6.805 | 0.940 | 149.366 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'53.930)予選通過 ---- |
鈴鹿クラブマンレース第1戦 -RIJ- (2025/02/22) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2025 Formula Beat Round 1 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 72 | | | 金井 亮忠 | チームNATS正義001 NATS 001 | 2'03.314 | - | - | 169.528 |
| 2 | 6 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージFG108 FG108 | 2'03.431 | 0.117 | 0.117 | 169.368 |
| 3 | 10 | | | 加藤 智 | FEEL・TAKEFIRST B-MAX RK01 | 2'04.891 | 1.577 | 1.460 | 167.388 |
| 4 | 11 | G | 1 | 植田 正幸 | Rnsports制動屋KKZS MYST KK-ZS | 2'05.134 | 1.820 | 0.243 | 167.063 |
| 5 | 1 | | | ハンマー 伊澤 | アルカディア☆ハンマーR疾風 疾風 | 2'05.146 | 1.832 | 0.012 | 167.046 |
| 6 | 43 | | | 鈴木 智之 | テイクファースト★C72制動屋 ZAP F108 | 2'05.843 | 2.529 | 0.697 | 166.121 |
| 7 | 35 | G | 2 | 髙橋 忠克 | 髙宮商事ミストKK-ZS MYST KK-ZS | 2'10.167 | 6.853 | 4.324 | 160.603 |
| 8 | 17 | G | 3 | 田中 諭 | ミスト・制動屋 Dallara F307 | 2'10.879 | 7.565 | 0.712 | 159.730 |
| 9 | 76 | G | 4 | 松本 隆行 | SHOUEI☆ミスト Dallara F307 | 2'11.060 | 7.746 | 0.181 | 159.509 |
| 10 | 21 | G | 5 | 村瀬 和也 | ミスト関口:制動屋:勝男武士 MYST KK-ZS | 2'12.285 | 8.971 | 1.225 | 158.032 |
| 11 | 3 | G | 6 | 舩井 俊仁 | ファーストガレージFG108 FG108 | 2'12.490 | 9.176 | 0.205 | 157.787 |
| 12 | *33 | G | 7 | 杉山 寛 | ミスト☆菱洋商事株式会社 MYST KK-ZS | 2'13.229 | 9.915 | 0.739 | 156.912 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'41.042)予選通過 ---- |
| - | *92 | | | 梅本 幸汰 | ファーストガレージ FG01 FG101 | タイム抹消 | - | - | - |
- CarNo. 33は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第62条1.2(ピットレーン速度違反により、決勝時ピットスタートとする。
- CarNo. 92は、SUZUKA CHAMPION CUP RACEシリーズ規則第14条3(ドライバーの装備品)違反により、失格とする。
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 -RIJ- (2024/11/30) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos |
No |
Cls |
Cls
Pos |
Driver |
Car
Team |
Lap |
Time |
Behind |
Gap |
| 1 |
50 |
|
|
小出 峻 |
HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM |
20 |
35'11.029 |
- |
- |
| 2 |
38 |
|
|
小林 利徠斗 |
モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S |
20 |
35'12.175 |
1.146 |
1.146 |
| 3 |
13 |
|
|
荒川 麟 |
TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON |
20 |
35'21.577 |
10.548 |
9.402 |
| 4 |
2 |
|
|
荒尾 創大 |
HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING |
20 |
35'22.017 |
10.988 |
0.440 |
| 5 |
35 |
|
|
中村 仁 |
モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S |
20 |
35'22.690 |
11.661 |
0.673 |
| 6 |
1 |
|
|
ケイレン・フレデリック |
Pilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM |
20 |
35'30.065 |
19.036 |
7.375 |
| 7 |
37 |
|
|
古谷 悠河 |
Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S |
20 |
35'31.544 |
20.515 |
1.479 |
| 8 |
60 |
|
|
伊東 黎明 |
LMcorsa OTG 320
LM corsa |
20 |
35'37.881 |
26.852 |
6.337 |
| 9 |
4 |
|
|
菅波 冬悟 |
JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM |
20 |
35'38.564 |
27.535 |
0.683 |
| 10 |
5 |
|
|
入山 翔 |
IRISアルビレックス-RT
ALBIREX RACING TEAM |
20 |
35'46.844 |
35.815 |
8.280 |
| 11 |
30 |
M |
1 |
DRAGON |
TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON |
20 |
36'29.034 |
1'18.005 |
42.190 |
| 12 |
8 |
M |
2 |
清水 康弘 |
GNSY 324
GNSY RACING |
20 |
36'29.461 |
1'18.432 |
0.427 |
| ---- 以上規定周回数完走 ---- |
| - |
36 |
|
|
野中 誠太 |
PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S |
0 |
- |
20Laps |
20Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 38 小林利徠斗(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC) 1'44.762 (5/20) 164.980 km/h
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が両レースともポールポジションを獲得。タイトルを争う野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が下位に沈んだことで、小出がチャンピオンに向け大きく前進した。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY 324)が、両レースともクラスポールを奪った。

本来は開幕大会として開催されるはずだったMRもてぎ大会だが、今シーズンから導入された車両のアップデートパーツに不具合があり、一旦は12月6,7日に延期されることが決定していたが、SUPER GT鈴鹿大会が悪天候で同日に延期となり、押し出される形で今週末の開催となった。
前大会の鈴鹿戦では、B-Max勢の調子が上がらず、29ポイントあった小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)と野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)の差は9ポイントまでに縮まった。計算上は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)と中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)にも可能性はあるが、実質は小出と野中の一騎討ちだ。
このタイトルのかかった最終決戦に、B-Max勢は、欠場するマスタークラスの今田信宏と藤原誠の車両に、昨年優勝も経験している菅波冬悟、今季速さを見せている荒川麟の二人を乗せ、小出のタイトル獲得をサポートしようという狙いだ。
一方、トムス勢は、レギュラー勢の中村、小林、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が、野中をサポートすることになる。最終大会は、数も実力も拮抗する両チームの、まさに総力戦だ。
木、金曜日に行われた練習走行でも、速さは拮抗していたが、小出が僅かにリードしている印象を受けた。初日、小出は駆動系トラブルに見舞われたが、これが練習初日で出たことも、小出に流れがあるように思われた。
第1戦公式予選
快晴となった予選は、午前9時55分から10分間で行われ、小出、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が真っ先にコースイン。
僅差のタイトル争いではポールポジションポイント1も重要になってくる。小出はじっくり3周のウォームアップ後にアタックをかけ、1分43秒085のトップタイムをマークすると、続けて、42秒808、42秒779とタイムを削り取り、コースレコードでポールポジションを獲得した。
小出の対抗となったのは小林。小出より1周少ない2周のウォームアップ後にアタックし、43秒353、42秒855をマークしてフロントローに並んだ。
一方、小出とのタイトル争いを繰り広げる野中は、トラブルでペースが上がらず、44秒848と下位に沈んでしまい、厳しい状況に追い込まれた。
マスタークラスは、前戦から速さを見せている清水がDRAGONを僅かに抑える1分46秒167をマークしてクラスポールポジションを獲得した。

第2戦公式予選
10分間のインターバルを経て始まった第2戦予選も、第1戦予選と同じ展開となった。
まずは、小林が1分43秒356をマークするも、小出が42秒791で即座に逆転。荒川も43秒263で続き、B-Max勢が望む形になってくる。
小出は、42秒613までタイムを縮め、コースレコードを更新するとともに2戦連続ポールを確実なものとした。最後に小林が43秒245にタイムアップして2位に食い込み、トップ3は第1戦と同じく、小出、小林、荒川の順となった。
野中は短いインターバルではトラブルを解消することはできず、またしても11位。タイトル獲得の可能性は限りなく低くなってしまった。
マスタークラスは、DRAGON車にトラブルが発生し、清水が連続クラスポールを奪った。
第1戦決勝は、本日午後1時20分から20周で、第2、3戦の決勝は、明日12月1日の午前9時20分、午後1時25分からそれぞれ14周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 -RIJ- (2024/11/30) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 50 | | | 小出 峻 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | R1'42.779 | - | - | 168.163 |
| 2 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | R1'42.855 | 0.076 | 0.076 | 168.039 |
| 3 | 13 | | | 荒川 麟 | TEAM DRAGON 324 TEAM DRAGON | 1'43.346 | 0.567 | 0.491 | 167.240 |
| 4 | 2 | | | 荒尾 創大 | HFDP WITH TODA RACING TODA RACING | 1'43.452 | 0.673 | 0.106 | 167.069 |
| 5 | 4 | | | 菅波 冬悟 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 1'43.561 | 0.782 | 0.109 | 166.893 |
| 6 | 1 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 1'43.590 | 0.811 | 0.029 | 166.846 |
| 7 | 35 | | | 中村 仁 | モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | 1'43.841 | 1.062 | 0.251 | 166.443 |
| 8 | 60 | | | 伊東 黎明 | LMcorsa OTG 320 LM corsa | 1'44.229 | 1.450 | 0.388 | 165.823 |
| 9 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S 320 TOM'S | 1'44.257 | 1.478 | 0.028 | 165.779 |
| 10 | 5 | | | 入山 翔 | IRISアルビレックス-RT ALBIREX RACING TEAM | 1'44.608 | 1.829 | 0.351 | 165.223 |
| 11 | 36 | | | 野中 誠太 | PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | 1'44.848 | 2.069 | 0.240 | 164.844 |
| 12 | 8 | M | 1 | 清水 康弘 | GNSY 324 GNSY RACING | 1'46.167 | 3.388 | 1.319 | 162.796 |
| 13 | 30 | M | 2 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 TEAM DRAGON | 1'46.481 | 3.702 | 0.314 | 162.316 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 1'53.292)予選通過 ---- |
- 'R'マークは従来のコースレコード(1'42.884)を更新した。
- 優勝 小松響(Rn-sports F110)
-

「何とか(ポール・ツー・ウイン)できました。ヒヤヒヤでしたけれど(苦笑)。スタートはうまく行きましたが、最初の第3コーナーで後ろを気にしたらタイヤをロックさせちゃって。その時にフラットスポットができてしまって、そこから大変でした。最初の3~4周は(後ろが)ビタビタだったのでぎりぎりで、集中して走って、後ろが飛び出したりして離れてからはちょっと気楽に走れたのでよかったです。後半は今週走れなかった分をいろいろ試せたのでよかったです。明日もこの調子でばしっと勝ちたいです」
- 2位 酒井翔太(ファーストガレージF110)
-

「ミスが結構多かったですね。(スタートで)何とか前に出られたのですが、ペース上がらなくて途中で抜かれてしまって。明日はそのあたりをもっと考えていきます」
- 3位 落合蓮音(ファーストガレージF110)
-

「スタートは普通にミスした感じですね。(でも挽回できた)翔太君がミスしてなんとか前に出られただけだったので、あのまま行ってたら前に出られたかというと、厳しい感じでした。(調子はよかった?)ちょっとコーナーごとに速いコーナー、遅いコーナーがあって。その僕の方が速いコーナーはあったのですが、その速さより、僕の方が遅いコーナーの遅さ度合いが大きかったので、それで(酒井に)詰められちゃったかな、という感じです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
Junichi SEKINE

F110 CUP東日本王者決定戦レース1決勝予選が10月19日(土)、モビリティリゾートもてぎにて行われ、ポールポジションからスタートの小松響(Rn-sports F110)が、一度もトップを譲らぬ走りで完勝した。
午前中の予選に続いて行われた決勝は午後2時50分にフォーメーションラップ開始。曇り空からは時折小雨がパラつくが路面を濡らすほどではない。6台の旧FIA-F4マシンがグリッドに整列。10周のレースがスタートした。
ポールポジションの小松がスムーズに加速したのに対して、2番グリッドの落合蓮音(ファーストガレージF110)は蹴りだしが弱く3番手スタートの酒井翔太(ファーストガレージF110)にポジションを奪われる。出足がよかったのは5番手の岸風児(HELM MOTORSPORTS F110)で、第1コーナーに向けて前を行く小野陽平(REVERSAL STIRIT)のインから飛び込むが、こちらは小野が第2コーナーからの立ち上がりで岸を抑える。酒井に2位を奪われた落合は第3コーナーでチャンスを伺うが、酒井がポジションを守る。後方のポジション争いも激しく、小野に抑え込まれた岸にチームメイトの鈴木悠太(HELM MOTORSPORTS F110)が襲い掛かる。鈴木はトラブルで予選を中断したためグリッドこそ最下位だが、トラブルが出るまでは4番手につけて、地力があることはわかっている。S字からヘアピンにかけて岸に迫りダウンヒルストレートでテール・ツー・ノーズになると続く90度コーナー出口で岸がプレッシャーに負けたかアウト側の縁石まで大きくはみ出し、鈴木が前に出て5位に上がる。
オープニングラップを終えてトップ小松は2位酒井に0.361秒の差、酒井と3位落合も0.429秒差とほぼ等間隔。この3台がワンパックで、そこから1.237秒差で4位小野~5位鈴木~6位岸も1.3秒以内に等間隔の集団を形成している。
2周目に入り勢いがあるのが鈴木で、5コーナーへのブレーキングで前を行く小野に接近すると、こちらも小野がアウト側の縁石にはみ出して失速。ファーストアンダーブリッジ内でサイド・バイ・サイドになると130Rへの進入でインから小野を仕留めて4位まで浮上する。
小松は2周目、3周目と最速ラップを刻みながら2位の酒井に0.869秒の差をつける。一方酒井には落合が0.378秒差でプレッシャーをかけ続けている。4位以下はやや離される中、岸が5位に落ちた小野に対してヘアピンからの立ち上がりでテール・ツー・ノーズ状態になるとそのままダウンヒルストレートで右サイドに出てオーバーテイク、90度コーナーまでに前に出て5位を奪う。
小松が4周目もファステストラップを更新し酒井を1.127秒差まで引き離すと、5周目に入り2位を争う16歳同士の対決がいよいよ火花を散らし始める。落合は酒井にプレッシャーかけ続けると、ビクトリーコーナー出口で酒井はラインを乱してアウト側の縁石ぎりぎりまではらんで失速。すかさず落合が並びかけて一気に前に出てコントロールラインを通過、2位の座を奪回する。酒井もすぐに立て直して落合を追い、落合のテールに食らいつくが、落合はスキを見せない。
ファーストガレージの2台がポジションを争う間に小松はギャップをひろげ6周目も2.52秒差。さらに7周目には2分0秒983と今回のファステストラップを叩き出して3.054秒までリードを広げる。その後も小松は手綱をゆるめることなく走り抜け、最終的に2位落合に4.776秒の大差をつけて10周のレースをポール・ツー・ウインで飾った。落合と酒井の2位争いは終盤まで続いたが、落合は冷静に酒井の攻勢をしのぎ、2位のポジションを守った。酒井3位、4位鈴木は中盤からは単独走行となり、酒井にじわじわと1.044秒差まで近づいてフィニッシュ。岸対小野の5位争いは0.680秒差で岸が逃げ切った。
ポディウムに戻ってきた小松は歓喜というよりはFIA-F4経験者としての役割を果たしたような落ち着いた様子で、それでもチーム関係者と握手を交わす頃には笑顔を見せた。
F110 CUP東日本王者決定戦レース2は明日10月20日に予選/決勝が行われる。安定の小松かファーストガレージの16歳か はたまた新たな名が表彰台に刻まれるか、期待は尽きない。







Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
Junichi SEKINE
もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2024/10/19) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 F110 CUP Round 3 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 11 | 小松 響 | Rn-sports F110 Rn-sports | 10 | 20'20.432 | - | - |
| 2 | 22 | 酒井 翔太 | ファーストガレージF110 FIRST GARAGE | 10 | 20'25.208 | 4.776 | 4.776 |
| 3 | 21 | 落合 蓮音 | ファーストガレージF110 FIRST GARAGE | 10 | 20'25.576 | 5.144 | 0.368 |
| 4 | 61 | 鈴木 悠太 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 10 | 20'26.620 | 6.188 | 1.044 |
| 5 | 62 | 岸 風児 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 10 | 20'34.962 | 14.530 | 8.342 |
| 6 | 78 | 小野 陽平 | REVERSAL SPIRIT 小野 陽平/Yohei Ono | 10 | 20'35.642 | 15.210 | 0.680 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 11 小松響(Rn-sports F110) 2'00.983 (7/10) 142.680 km/h
- ポールポジション 小松響(Rn-sports F110)2分0秒987
-

「ほぼライン上は乾いていたのですが、ちょっと外すと濡れちゃう感じで、なので注意して走っていました。去年乗っていたカテゴリーなので、感覚はわかっています。(自信をもってレースに挑める?)そうですね(笑)。昨日から走ったのですがこのクルマに乗るのが1年ぶりとかで、雨だったのでドライをあまり走れていないので、ぶっつけ本番みたいになっちゃったのがどうかな? どう走れるかな? というのが現状ですね」
- 2位 落合蓮音(ファーストガレージF110)2分1秒377(+0.390秒)
-

「初めてのF110のドライブで2位を取れたというのは嬉しいという気持ちもありますけれど、やっぱり1位を取りたかったなという方が強かったので、そこはすごく悔しいです。決勝はスタートからついていくレースというより、1位に出て逃げ切る、という作戦で行きたいです。クルマの感触は結構いい感じで、スーパーFJと違って、タイヤが太い分グリップ感や安心感があって、踏んでいける感じがあったので、そこでまずいつもよりいいなというのと同時にセットも間違っていなかったので、それでタイムも出たのかな、と思います」
- 3位 酒井翔太(ファーストガレージF110)2分1秒517(+0.530秒)
-

「最後のラップに第1、第3セクターで全体ベストが出ていたのですが、第2セクターの5コーナーで飛んで行っちゃって、そこでコンマ5~6秒落ちたのかな、という感じがありますね、あと赤旗の時はぎりぎり大丈夫かなと思ったらコントロールタワー通過する前に赤が出ちゃって、そのタイム抹消されてしまって。と、いろいろツイていなかったな、という感じです。ただ周りのペース考えたら僕の方が速いので。でも結構抜くのは大変そうかなってイメージもあります。そこは何とかできれば、いけます。F110は岡山でレースやって以来だったので久しぶりぶりです。ほかの選手もレース出ている人ばかりみたいですが、『この人速いな』って思っている相手はいないので、自信をもって行きたいです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

F110 CUP東日本王者決定戦レース1予選が10月19日(土)、モビリティリゾートもてぎにて行われ、昨年FIA-F4に参戦していた小松響(Rn-sports F110)がポールポジションを獲得した。
昨年までFIA-F4シリーズ戦で使われていたDOME F110で行われるF110 CUPは4月に岡山で開催された西日本王者決定戦に続いて、東日本王者決定戦がモビリティリゾートもてぎで10月19日~20日にわたって開催される。エントリーは6台と少ないものの、FIA-F4経験者やスーパーFJ経験者、そしてカートから4輪レースへ転向して今回初レースの選手など16歳から23歳までと、カテゴリーの狙いにマッチした顔ぶれになっている。
まずはレース1予選が19日の午前10時5分から15分間で開始。朝まで降っていた雨がところどころにウエットパッチになって残るコンディションで、レースコントロールは「WETコンディション」を宣言しているが、全車スリックタイヤでコースイン。25度の気温に路面は乾いていくという判断か。
各車路面の確認とウォームアップを行い残り時間10分を切ったあたりからタイムアタックを開始。まずは岡山で開催されたF110 CUP西日本大会にも出場した16歳の酒井翔太(ファーストガレージF110)が2分4秒301のトップタイム。2番手には酒井のチームメイトで今年からスーパーFJに参戦を始めた落合蓮音(ファーストガレージF110)が4秒335でつける。こちらも16歳だ。3番手小松、4番手は小松同様FIA-F4経験者の19歳、小野陽平(REVERSAL STIRIT)、5番手の鈴木悠太(HELM MOTORSPORTS F110)は今年からS-FJに参戦しているカート出身の16歳だ。6番手岸風児(HELM MOTORSPORTS F110)もカート出身の17歳で今回がレースデビュー。ちなみに「風児(ふうじ)」という名前は両親がレースファンで富士スピードウエイから取ったそうで、双子の姉の名は「紗加(すずか)」だという。
残り8分、小松が2分2秒984でトップに立つもすぐに酒井が2秒347で再度トップへ。小松2番手で3番手に落合が3秒143で続く。このタイミングで鈴木が第3コーナー手前でストップ。トラブルのようだ。
2番手にドロップした小松だが残り6分30秒で1秒438をマークして再びトップに立つ。さらに落合が2秒272までタイムを削って2番手へ浮上、酒井3番手に後退。ここで鈴木のマシンの回収のため赤旗が提示され予選は中断となる。
この時点での順位は
- 1位 小松 2分1秒438
- 2位 落合 2秒272(+0.834秒)
- 3位 酒井 2秒347(+0.909秒)
- 4位 鈴木 3秒605(+2.167秒)
- 5位 岸 3秒956(+2.518秒)
- 6位 小野 4秒000(+2.562秒)
鈴木の車両が回収されて残り6分秒から予選は再開。レコードラインはほぼドライになっている。鈴木を除く5台は次々とコースに復帰し再度タイヤに熱をいれるとタイムアタックに入る。まずは岸が残り1分50秒で2分2秒303をマークして3番手へ浮上。小松もベストタイムを2分1秒276まで短縮、落合1秒565、酒井2秒029までタイムを詰めるが順位変わらず、それまで最下位だった小野が2秒102で4番手へ。
残り1分を切って各車最後のアタック。酒井が第1セクターで小松のベストタイムを塗り替えると落合も第2セクター全体ベストを出す。しかし最終的にベストタイムをマークしたのは小松で、2分0秒987をマークしてポールポジションを獲得。落合は1秒377、酒井1秒517とそれぞれ自己ベストを更新したが順位は変わらず2番手、3番手。以下4番手小野、5番岸、6番手鈴木という順でレース1のグリッドが確定した。
レース1決勝はこのあと午後2時50分より10周で行われる。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2024/10/19) Qualifying Weather:Sunny Course:Wet
2024 F110 CUP Round 3 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 11 | 小松 響 | Rn-sports F110 Rn-sports | 2'00.987 | - | - | 142.855 |
| 2 | 21 | 落合 蓮音 | ファーストガレージF110 FIRST GARAGE | 2'01.377 | 0.390 | 0.390 | 142.396 |
| 3 | 22 | 酒井 翔太 | ファーストガレージF110 FIRST GARAGE | 2'01.517 | 0.530 | 0.140 | 142.232 |
| 4 | 78 | 小野 陽平 | REVERSAL SPIRIT 小野 陽平/Yohei Ono | 2'02.102 | 1.115 | 0.585 | 141.551 |
| 5 | 62 | 岸 風児 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 2'02.153 | 1.166 | 0.051 | 141.491 |
| 6 | 61 | 鈴木 悠太 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 2'03.605 | 2.618 | 1.452 | 139.829 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'13.423)予選通過 ---- |
- 優勝 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)
-

「序盤は3号車のトラブルが自分も同じシステムなので(問題が出ないか)確認をしていました。ただ大丈夫そうだと思って、そこから普通にアクセル踏んでいきました。(スタート直後に新倉が迫ったが?)アウディは出だしがいいので、そこは彼がうまく活かしてくれたのでよかったです、僕の愛車なので(笑)。明日のレースは3号車(の調子)が完璧に戻ったら、どうなるかわからないですね。(ところで、トランスポーターに飾られているパンダは何?)(笑)これは韓国のエバーランドという動物園のパンダです。うちのメンバーがエバーランドが好きだということでKMSAさんからプレゼントされたものです」
- 2位 新倉涼介(Audi Team Mars)
-

「オープニングラップのコースアウトはブレーキングのミスです。仕掛けるなら1周目しかないと思っていたので、けっこう肩肘張ってスタートしたので。蹴り出しが悪くなかったので「こりゃもしかしたら一回前に出られるかな?」って思って第3コーナーで頑張ったら行っちゃいました(苦笑)。戻ってこられたのでよかったです。その後の走りにも影響なかったので。あとはもう加藤さんとのペース差がものすごくあったので、タイヤとブレーキのマネジメントを勉強しながら走る、というレースでした。タイヤは予選の時のものでキツくはなかったのですが、後半ブレーキがタレてきちゃって。その経験を、明日2レースあるので課題として考えます」
- 3位 キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)
-

「今回は台数が少ないですが、リタイヤせずに3位になることができて、皆さんに感謝しています。走りは楽しめました。明日も完走が目標です。今回初めてのレースで、いつもスポンサーとして関わりはありましたが、これからは自分で走りながら、だんだん腕を磨いて、いい成績を出せるよう頑張りたいです」
- R チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)
-

「点火プラグの異常が発生して、明日のレースの為にクルマのコンディションを守るために、無理せずにリタイヤしました。すでに原因を把握していて直しましたので、明日もがんばります」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

TCRJ第1戦決勝は8月10日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションから発進のチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がトップに立つも2周目にリタイヤ。フロントロウからスタートのチームメイト、加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)がトップに立つと2位以下を毎周引き離す独走で23分間+1周、計12周を走り切り優勝を飾った。
午前中の予選に続いて開催の第1戦決勝は午後1時ちょうどにフォーメーションラップ開始。気温は33度、路面温度もかなり高くなっているのが感じられる。4台がグリッドについてレーススタート。
ポールシッターのチェが好スタートを切ったのに対して、2番手の加藤の加速がやや鈍く、3番グリッドからの加速がよかった新倉涼介(Audi Team Mars)が、加藤の背後につけて第1コーナーを通過する。新倉がドライブする「Audi RS3 LMS」 は加藤が所有するマシンで、加藤が「Hyundai Elantra N TCR」をドライブすることになったことで新倉にチャンスが回ってきたという経緯があり、熟成され加速の良さが武器のアウディでオーナーに仕掛ける新倉だったが、勢い余って第3コーナーでオーバーシュート。アウト側のグラベルを走って、4位にポジションダウン、キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)の後塵を拝することになる。
オープニングラップを終えてトップのチェは2位加藤に0.312秒の差。この2台が後続を大きく引き離し、3位キムは約9秒の遅れ。第3コーナーでコースアウトした新倉はそこからさっそくリカバリーをはじめ、ヘアピンからダウンヒルストレートにかけてキムの背後に迫るが仕留めるには至らず0.296秒の差で2周目に入ると、第1コーナーでようやくオーバーテイクに成功。3位にポジションを戻す。その直前に第1コーナーでは加藤がチェを攻略、トップに躍り出る。
トップに立った加藤とチェの間隔はじわじわとひらいていく。加藤が引き離しているというよりチェのスピードが鈍っているようで、新倉が次第に接近してセカンドアンダーブリッジを通過、そこでチェは進路を右にとりピットロードへ。そのまま1番ピット前に止まるとピットクルーがエンジンフードを開いてチェックを始める。チェはしばらくコックピットに座っていたが、レース復帰は無理という事でマシンを降りてリタイヤ。レース直後に聞いたところ点火系のトラブルで1気筒が失火しているとのことだ。
トップ加藤は2分5秒から4秒のペースで2位に上がった新倉との間合いをぐいぐいとひらき、3周目2.307秒、4周目4.485秒、5周目7.931秒と一人旅。唯一の不安はストップしたチェと同じマシンだということで当初はトラブルが出ないか様子を見ていたという。
加藤のペースはその後も揺らぐことはなく、容赦なく新倉とのギャップをひろげて10周目には24秒の差を気築いて11周目に突入。ここでスタートから23分が経過し、続く12周目がファイナルラップと宣言される。この周にも加藤は2分4秒243のファステストラップを叩き出してフィニッシュラインを通過。優勝を飾った。
2位は新倉、スーパーFJでタイトルを取ったもてぎとはいえ金曜日に初めてドライブしたマシン、初めてのFFの箱車ということでスピードの差はいかんともしがたく大差をつけられたが、しっかり完走しての2位は納得のリザルト。3位のキムも初めての本格的なレースを未知のもてぎでうれしい表彰台を獲得した。
TCRJ第2戦、第3戦は明日8月11日に同じくモビリティリゾートもてぎで開催される。







Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizune NOINE