ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)は7月27日付けのリリースで、
スーパーGT第6戦ポッカ1000kmに出場する#23ザナヴィ・ニスモZの第三ドライバーに安田裕信を起用することを発表した。
安田は昨年、ニッサン・ドライバーズ・デベロップメント・プログラム(NDDP)の支援を受けてフォーミュラチャレンジ・
ジャパン(FCJ)に参戦、最多勝を記録してシリーズ3位を獲得したほか、
スーパーGTのGT300クラスで#47吉兆宝山Zをドライブしている。
今年はスリーボンドレーシングから全日本F3選手権に出場するほか、スーパー耐久のST3クラスでアラビアンオアシスZをドライブしている。
日産自動車およびニスモは、将来性のある若手ドライバーにチャンスを与えるため、安田の起用を決定した、としている。
安田は8月1、2日にツインリンクもてぎで行われるGTA合同テストにも参加の予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGTでカルソニック・インパルZを走らせている、チームインパルは7月26日にリリースを出し、ブノワ・
トレルイエの第5戦菅生欠場を発表。併せて、代役にジェレミー・デュフォアを起用することを明らかにした。
トレルイエは7月8日に鈴鹿サーキットで行われた、フォーミュラニッポン第5戦決勝におけるクラッシュで負傷しており、
これが未だ完治していないため第5戦を欠場して治療に専念するとのこと。
次回第6戦には復帰する予定だ。
これにより今回ドライバーに起用されることになったデュフォアは、
昨年のポッカ1000kmで第3ドライバーとしてカルソニックZをドライブ、優勝に貢献した実績がある。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第3戦もてぎ決勝は、トップが189周を消化した時点で6時間に達したため、規定によりチェッカーが出されることとなった。
総合トップは#22ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)。
開幕以来3戦連続の勝利を挙げるとともに、ライバルの無限クラージュがノーポイントに終わったため、
最終戦を待たずしてLMP1クラスのシリーズチャンピオンをここで決定した。
クラージュはオフィシャルの車両に回収されてピットに戻ってきたが、無限スタッフの懸命の修復作業も実らず、
117周でレースを終えることとなった。
総合2位はLMGT1クラスの#21ダンロップフェラーリ550GTS(飯田章/藤井誠暢組)。
スタートに手間取って4周遅れでレースに加わったものの、そこから終始安定したペースで着実に順位を上げ、3戦連続のクラス優勝。
LMP1のザイテックとともに一ツ山レーシングが3連続1-2を達成することとなった。
同時に、#7スクーデリア・フォルムGT3-Rがリタイヤに終わったために、ここでクラスタイトルを決めた。
3位はLMGT2クラスの#27KRH F430GT(青山光司/新田守男/高木真一組)。
途中クールスーツのトラブルに見舞われた以外は至って順調に6時間を走りきった。
こちらも3連続クラス優勝。ライバルと目された#20ダンロップポルシェ997はトラブルに苦しんで総合7位、クラス3位に終わった。
LMP2クラスは、総合4位に入った#15KK-LM MAXミストアドバン(伊藤俊哉/植田正幸/高見沢一吉組)がクラス優勝。
途中までトップを快走していた#18エイムスポーツGC-21(富澤勝/麻生裕二/松下昌輝組)は終盤トラブルからピットインを繰り返し、
総合5位、クラス2位に終わった。
これにより、LMP2クラスのポイントランキングは、富澤/麻生組が14ポイント、伊藤/植田組が13ポイントと、
僅か1ポイント差で最終戦に臨むこととなった。
JLMC最終戦は10月28日、岡山国際サーキットで開催される。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
JLMC第3戦もてぎ決勝は5時間を消化。
ここまで快調にトップを走行していた#22ダンロップザイテック05sだったが、
166周終わりでピットインした際に電気系にトラブルが出た模様で、そのままピットに留まった。
ザイテックはピットレーン上で20分間もの作業を行った後、漸くピットアウト。ドライバーは野田から山崎に交代した。
大幅にタイムロスをしたザイテックだが、かろうじてトップを守っている。
コース脇にストップした無限クラージュLC70は駆動系にトラブルを抱えている模様。
ドライバーの黒澤治樹は修復を試みる、とコメントしているが、残り時間から考えると規定周回数を走りきるのはきわめて困難と思われる。
LMP2ではトップを走行していた#18エイムスポーツGC-21が143周でガレージへ引っ込んでしまった。
18号車は3スティント目(112周)までは順調に走行していたが、その後127周、136周、143周と頻繁にピットに戻ってきていた。
LMGTクラスは、GT1の#21フェラーリ550GTSがGT2の#27フェラーリF430を抜いて総合2位に。
両者ともクラストップは変わらない。
5時間経過時点での順位は
#22、#21、#27、#15、#18、#910、#16、#20、#5、#37、#7だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第3戦もてぎ決勝は4時間を消化した。
トップは依然として#22ダンロップザイテック05s。
ここまで132周を消化して4度目のピットストップを行った。
もしこのままのペースだと、200周前後で6時間が経過してしまうものと思われる。
これまで2周遅れの2位を走行していた#16無限クラージュLC70は、
黒澤治樹が2スティント目に入ってわずか15周、 112周目の90度コーナーでスピンアウト。
コースには復帰したものの、113周終わりでピットインし、そのままガレージへ。
ミッショントラブルのようだ。
16号車は20分以上にわたってギヤボックス下部にエアを吹きつけた後、コースに復帰したが、この時点で既に順位は総合5位まで後退。
ザイテックとは17周もの大差が付いてしまった。
一旦は1分45秒台までペースを戻した黒澤だったが、118周目のファーストアンダーブリッジ先で再びコースアウト。
そのままスロー走行で130R先のグリーンゾーンまで移動して、黒澤はクルマを降りた。
その他のクラスでは、#37GC-21、#7ポルシェ996が駆動系のトラブルによりリタイヤ。
これにより、最終戦を待たずしてLMGT1のシリーズタイトルは#21ダンロップフェラーリ550GTSのものとなった。
さらにクラージュがこのままレースを終えることになれば、LMP1クラスのタイトルも#22ザイテックに決定してしまう。
4時間終了時点での順位は、
#22、#18、#27、#21、#16、#15、#910、#20、#6、#37、#7だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第3戦もてぎ決勝はスタートから3時間を経過した。
依然としてトップは#22ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)。
2番手には#16無限クラージュLC70が2周遅れで続いている。
3位以下は#18、#27、#21、#15、#910、#20、#37、#7、#5の順。
99周終わりでザイテックは3度目のルーティンストップ。野田英樹から山崎信介に交代した。
ここまでザイテックはきっちり1時間33周のペースで1スティントを消化しており、その都度タイヤ交換とドライバー交代を行っている。
対照的にクラージュはタイヤとドライバーを2スティントもたせる作戦。
ただし2スティント目、3スティント目とも32周と、1周短い走行となっている。
97周終わりで3度目のピットストップを終えた後も、黒澤治樹がドライブしている。
LMP2クラスはここまで2連勝中の#18エイムスポーツGC-21がトップ。
#5、#37がブレーキトラブルに苦しんで大きく順位を落とし、ランキング2位の#15RS
KK-LMもコースアウトを繰り返して順位を上げられないでいる。
LMGT1は#21フェラーリ550がトップ。#7ポルシェ996はトラブルに苦しんでいる。
LMGT2は#27フェラーリF430がトップを快走。総合でも4位につけている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第3戦決勝はスタートから2時間が経過。
依然としてトップは#22ダンロップザイテック05s。
2位に#16無限クラージュLC70。トップとの差は2周。
以下、#18、#27、#15、#21、#910、#37、#7、#4、#20、#5の順。
激しい追い上げで総合2位まで順位を挽回し、なおもザイテックとの差を着実に詰めていたクラージュの中野だったが、
33周目のバックストレッチでに突如スローダウン。
中野信治は惰性とセルモーターを駆使してなんとかダウンヒルストレートを下りきり、90度コーナーでエンジンを再始動させてピットへ。
ガス欠症状が出ていたようだ。
クラージュはタイヤ交換、ドライバー交代を行わず、給油のみを行ってコースイン。
これに先立ってトップのザイテックも33周終わりでルーティンストップを行い、
こちらはタイヤ交換を行ってドライバーも山崎信介にスイッチした。
山崎はコンスタントに45秒後半から46秒前半のタイムを連発、クラージュを徐々に引き離しながら66周終わりで再びピットへ。
きっちり33周、1時間づつの走行で再び野田英樹にステアリングを託した。
クラージュも65周終わりで2度目のルーティンストップ。ここでタイヤ交換とドライバー交代を行って黒澤治樹に交代した。
両者の差は依然として2周ながら。ほぼ3周差に近づきつつある
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第3戦もてぎの決勝は正午にスタートしたが、
始まっていきなりポールポジションの#16無限クラージュLC70の中野信治が1コーナーで飛び出すアクシデントが発生した。

中野は#22ダンロップザイテック07sの野田英樹とスタート直後から激しい先陣争いを繰り広げ、
2台併走状態で1コーナーに入っていった。
その結果、中野がグラベルに飛び出すこととなってしまった。
コースマーシャルの手を借りてクラージュはコースに復帰したが、その時点で既に2周遅れになってしまった。
しかし中野はハイペースで追い上げを開始し、トップが27周を消化した時点で総合2位まで順位を回復してきた。(中野自身は25周目)
その後も中野は野田を2秒以上上回るハイペースで追い上げている。
その他、LMGT1クラスの#21ダンロップフェラーリ550GTSがスタートでエンジンストール。
ガレージに押し戻して再始動を試みることとなり、4周遅れでコースに復帰した。
トップが30周消化時点での順位は7位。クラストップの7号車がトラブルによりガレージに入ったため、GT1クラスのトップに浮上している。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝前フリー走行は、#22ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)
が1分54秒552と、昨日の予選で#16無限クラージュの記録したポールタイムをも大きく上回るトップタイムを記録した。
フリー走行は午前8時30分より30分間で行われた。
夜半に降った雨は上がっているが、依然として雲は厚く垂れ込めており、路面はウェット。
メインポストからは「ライトオン」の指示が出された。
参加各車ともスリックか、ウェットか、タイヤチョイスに悩む難しいコンディションとなった。
そんな中、LMP1の2台は開始早々から好タイムをマーク。
クラージュの中野信治がいきなり1分56秒865を出してみせれば、その直後にザイテックの山崎も1分56秒724と中野を上回る。
更にセッション後半にそれぞれ野田、黒澤治樹にスイッチすると、野田がいきなり1分55秒589でトップに立った。
野田はセッション終盤には1分55秒260、54秒552と更にペースを上げ、
最後も1分494と終始55秒前半のラップで周回して走行を終えた。
対する黒澤も1分55秒261と、こちらもグリッド予選での自身のベストタイムを大幅に上回ったが、僅かにザイテックには届かなかった。
総合3番手には#37のGC-21。石浦宏明が2分05秒902を記録し、LMP2クラスのトップとなった。
以下、4番手にLMGT1クラスの#21フェラーリ550マラネロ、5番手にLMGT2クラスのフェラーリF430が入り、
決勝に向けて好調ぶりをアピールした。
第3戦決勝は今日正午スタート。
209周または6時間の戦いだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

JLMC第3戦もてぎ 予選後の記者会見より
LMPクラス #16無限クラージュLC70
中野 信治
今日はチームに感謝です。トラブルもなかったし、タイヤも安定していて、
ボクはただ普通に走らせただけなのにタイムが出せました。
治樹も良い仕事をしてくれて、セットアップもちゃんとできていました。
明日はとにかく結果を残す、勝つしかない、という決意でボクも治樹もチームもここへ来ました。
とにかく良いレースを治樹やチームと力を合わせてやりたいですね。
黒澤 治樹
今回から新しいシステムを入れたんですけど、その擦り合わせも、
セットアップもうまくいきました。
でも、一番は明日勝つことです。今日は信治さんが頑張ってくれましたが、明日はボクも頑張ります。
新しいシステムはシフトチェンジに関するもので、ライバルのザイテックのものを入れています。今まではシフト操作をエアでやっていましたが、
今度のは電気で操作します。ここまで一度もトラブルの出ていない、信頼性の高いシステムです。
LMGTクラス #27KRH F430
新田 守男
今年から新しいクルマになって、雨でF430を走らせるのは初めてだったので、
不安はありました。
ミシュランタイヤはGTでも使っているので信頼していますが、F430に履かせてどうなるかは不安でしたし、
ライバルは雨で滅法速い997に雨に強いダンロップを履かせているので気になっていましたが、
走らせてみるとミシュランもF430もすごくいい感じでした。
最近のハコのレーシングカーはフォーミュラチックな方向に仕上がっていることが多いのですが、これはジオメトリーなど、
市販車の素のよさを生かす方向で作られています。こういう言い方はアレですけど、イタリア人が作ったとは思えないレベルの高さです。
高木 真一
ボクは2周しか走ってないので........
997とダンロップの組み合わせはボクも気になっていましたが、フェラーリとミシュランのマッチングもよかったです。
同じミシュランといっても、GTで使っているのとはかなりフィーリングが違うんですが、
こんなコンディションでも悪い方向に行きませんでしたね。雨でも晴れでもいい方向に行くタイヤなんだ、ってことがわかりました。
青山光司
トップタイムを出したのは新田さんなので......
素人なので、雨だとうまく走れなくて、だから梅雨時のレースはヤだな、って思っていたんですが、
この前台風が来たときに岡山で高木選手に特訓してもらいました。
横に乗ってもらって、ハンドルの切り方から全部教えてもらいました。
このシリーズが2年でなくなってしまうのは残念です。
いつかはシード権を得て、ルマンにも出てみたかったし、そういうことも考えて、3年は乗るつもりで今のフェラーリを買いましたからね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA
JLMC第3戦は、#16無限クラージュLC70(黒澤治樹/中野信治組)が1分55秒243でトップタイム。
無限クラージュはこれで開幕以来の3連続ポールを達成した。
グリッド予選は午後3時25分に開始された。
雨はかなり小降りになり、路面からあがる水しぶきも徐々に少なくなってきた。
クラージュのアタックを担当した中野信治は早めのコースイン。最初の10分間で1分55秒243を叩き出して主導権を握った。
対するザイテックは野田英樹がアタックを担当。こちらは残り13分まで様子を伺ってコースへ。
周回を重ねるにつれて徐々にペースを上げて要った野田だったが、チェッカーラップで叩き出した自己ベストタイムも1分55秒432に留まり、
僅かにクラージュに届かなかった。
LMP2クラスでは、今回から参戦してきた#37QED.宮本整骨院EBBRO
GC-21が常連の#18エイムスポーツを抑えてトップ。アタッカーは全日本F3の成長株、石浦宏明だ。
GT1はトップ常連の#21フェラーリ550マラネロにまさかのトラブル、ノータイムに終わったため、
最後尾タイムながら#7スクーデリア・フォルムGT3-Rがクラストップとなった。
GT2は前回に続いて#27KRH F430GTが新田守男のドライブでトップタイムを記録した。
第3戦決勝は明日正午スタート。
209周または6時間の戦いだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA
スポーツカー エンデュランス レース オペレーション(SERO)は7月21日、
第3戦の公式予選が行われているツインリンクもてぎで記者会見を開き、2008年以降のジャパン・ルマン・
チャレンジ(JLMC)シリーズの開催中止を発表した。
当初の予定では、3年目からはルマン24時間やALMSなどと同様に、
ACOの技術規則に適合した車両のみでレースを開催することになっていたが、参加車両の増加の見通しが不透明な現状を鑑み、
シリーズの継続は困難と判断したとのこと。
今後はもてぎと岡山で開催される残り2戦で有終の美を飾るべく、努力していくという。
また、当初予定していたは2008年シーズンの各クラスチャンピオンを翌年のルマン24時間へ送り込む計画については、
1年前倒しで2008年のルマンに出られるよう、ACOと調整中とのことだ。
また、ACOとしては今後もアジア地域でシリーズ戦を行う意向があるとのこと。
そこにSEROがどういう形で関わっていくのか、日本開催の可能性があるのか、ACOの今後の動向からは目が離せそうにない。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権(JLMC)第3戦のドライバーズ予選は、#22ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)
が総合トップ。タイムは1分57秒555だった。
公式予選日を迎えたツインリンクもてぎは朝から小雨が降り続き、コースは完全なウェットコンディション。
気温、路面温度もそれぞれ22.8℃、24℃と、7月とは思えない低さだ。
ドライバーズ予選は午前10時40分より、1時間で行われた。
LMP1クラスは#22ザイテックと#16無限クラージュが走り出しから僅差でしのぎを削った。
トップは#22ザイテックだが、#16クラージュも黒澤治樹が1分57秒671と、その差はごく僅かだ。
総合3番手にはLMGT1の#21ダンロップフェラーリ550GTS。4番手にLMGT2の#27KRH
F430と2台のフェラーリが続く。
21号車は残り18分のところで同じGT1の#7ポルシェ996GT3-RとS字で絡み、赤旗中断の原因となってしまったが、
予選再開後も問題なく走り続け、好調ぶりを見せつけた。
LMP2クラスは#18エイムスポーツGC-21がトップだった。
明日のスターティンググリッドを決める、グリッド予選は午後3時25分より、20分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
本山 哲(優勝)
正直こんな結果になるとは思ってませんでした。予選がうまくいかなくて、6位という微妙なポジションからスタートすることになりましたが、
前を走るクルマはみんな1ストップだろうから、なんとか表彰台には上がれるかな、とは思っていましたが。
事故の直後はブノワが心配になりましたが、モノコックから必死で出ようとしてるのを見たので、安心しました。
シリーズを考えれば、ここで最低でも表彰台に上がらなければ、と思っていました。
今週末はチームの雰囲気は良かったし、クルマも悪くなかったんですが、
予選ではタイミングの問題で中途半端なグリッドに終わってしまったので、予想以上の結果が出せてトクした気分ですね。
ビヨン・ビルドハイム(2位)
今日はストラテジーが良かったです。ホンダ系のチームのいくつかが1ストップだと事前に知ってましたし、
1スティント目は前を走るモトヤマより速く走れていたので、赤旗がなければもっと良かったんじゃないかと思っては居ますけどね。
ですが、ブノワが幸運にも無事だったのは良かったです。
チームにとっても今回はいい週末だったんじゃないでしょうか。
井出 有治(3位)
朝の時点では1ストップで行くつもりでしたが、お昼の間にエンジニアから『(ノーピットで)行ってくれ』と言われました。
フリー走行でのタイヤの磨耗は悪くなかったので、やってみようという気持ちになりました。
赤旗のときに周囲にいたクルムさんやファビオのタイヤを見たんですが、僕のタイヤが一番良い状態でした。
それでも終盤はリヤタイヤがきつくなって、クルムさんを抑えるので精一杯でした。
レース再開後は自分がどの辺を走っているのか判ってなかったんですが、途中で『今3位だから、頑張って』と無線で言われて、正直
(プレッシャーになるので)聞きたくなかったなぁ、と思いました。
服部 尚貴(優勝チーム監督)
あのポジションからスタートすることと、朝のタイヤの磨耗状態を考えて、ノーピットで勝つ可能性がありそうだと考えていたんですが、
松田が予想以上に速いペースでギャップも開いていったので、正直序盤は『あ、失敗したかも』と思っていました。
中断の間にクルマの調整をすることができ、ノーピットのデメリットもなくなったので、本当にブノワには申し訳ないんですけど、
赤旗が出てラッキーでした。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

塚越 広大(優勝)
昨日のレースを踏まえて、今日は何をしたらいいのかを考え、グリッドに着く前にセットを試して、良いほうのセットでレースに臨みました。
自分の課題はスタートなので、それさえ決めれば勝てる自信はありましたが、スタートがうまくいって、
トップで1コーナーに入ることができました。
序盤はジャービス選手が迫ってきたので少しあせりもありましたが、その後は攻めれば攻めるほどよくなりましたので、
クルマもいい状態だったのだと思います。
前回の岡山はラッキーな部分もあったので、今回のようにちゃんと『勝ち』というのをホームコースである鈴鹿でとりたいと思っていましたから、
最高の結果になりました。
いい流れができてきていると思うので、オートポリスでもこの流れで3つとも勝つつもりでチームと一緒に頑張ります。
オリバー・ジャービス(2位)
今日は非常にタフなレースでした。スタートが良かったので、ロバートを追い越すのに集中していたため、
イン側にカズヤが居るのに気が付かなくて当たってしまいました。カズヤには申し訳なく思っています。
ロバートはストレートスピードで苦しんでいたので、抜くことができましたが、ツカコシは思った以上にペースが速かったし、
カズヤもすぐに追いついてきたので、それ以後は2位のポジションを守るのに必死でした。
昨日から今日にかけてセッティング変更したのが裏目に出て、少しアンダーが出ていました。
オートポリスは走ったことがないので、テストで少しでも多く走りたいです。まぁ岡山も初めてだったのにいい結果が出せたので、
自信はあります。
大嶋 和也(3位)
今日もいいスタートが切れたんですが、オリバーに当たってしまい、6位まで下がってしまいました。そこからなんとか追い上げたんですが、
3位が精一杯でした。
当たったときにクルマが少しおかしくなったようですが、コントロールできる範囲でした。
いいバトルをしながら追い上げることができたことには満足していますが、
せっかくいいクルマを用意してくれたチームのためにも連勝したかったので、そこは残念です。
オートポリスでは去年も勝っているので、自信はあります。抜きにくいコースで、予選が重要ですから、そこに集中して臨みます。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキットで開催された全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦は、
20周目に発生した激しいクラッシュにより赤旗が出される波乱の展開となった。
およそ30分の中断の後、セーフティーカーランにより再開された決勝レースを制したのは本山哲(アラビアンオアシス・チームインパル)。
上位陣の多くが1ストップ作戦を採る中、ノーピットで43周を粘り抜き、第2戦鈴鹿に続く今季2勝目を挙げることとなった。
なお、車体が前後真っ二つになるほどの激しいクラッシュに見舞われたブノワ・トレルイエには幸いにも怪我はなかった模様だ。
第5戦決勝は午後2時30分にフォーメーションラップが開始された。
ポールシッターの松田次生がインに切り込みながら後続をけん制してトップで1コーナーへ。
2位にはトレルイエ、3位には本山がジャンプアップしてきた。
4番手スタートのロニー・クインタレッリも勢いよく飛び出して上位進出を狙ったが、1コーナー進入でトレルイエと本山に囲まれ、
行き場を失って4位に留まり、その背後には7番手スタートのアンドレ・ロッテラーが迫ってきた。
その一方で、3番手スタートの小暮は出遅れて6位に後退することとなった。
ロッテラーは、クラッチトラブルによりペースダウンしたクインタレッリを1周目のスプーンであっさりとかわすと、
その後も目覚しいペースで本山との差を詰め、2周目の1コーナーで早くも抜き去って3位に浮上する。
小暮もロッテラーに続いて1周目のスプーンでクインタレッリを、2周目のシケインで本山をかわして一気に4位まで挽回してきた。
前戦の勝者クインタレッリはそのままガレージに戻ってレースを終えた。
ロッテラーと小暮は前方の2台よりも明らかに速いペース。
それは燃料搭載量の違いを疑うに充分なほどだった。
4周目にはトレルイエの背後に迫ったロッテラーは、しぶとく押さえにかかるトレルイエと5周にわたってドッグファイトを展開する。
その間に小暮もじわじわと接近してきた。更にその後方からは立川祐路の姿も。
結局、ロッテラーは7周目、小暮は8周目に、同じく1コーナーでトレルイエを攻略し、松田の追撃に取り掛かった。
立川も9周終わりで0.379秒後方に迫ってきた。
懸命にトレルイエの隙をうかがう立川。巧みなライン取りで抵抗するトレルイエ。
両者のバトルは意外な形で決着することとなった。
20周目のスプーンで姿勢を乱したトレルイエと、その隙を突いて抜きに罹った立川が交錯。
アクセル全開のままインに巻き込んだトレルイエがガードレールに激突したのだ。
トレルイエのクルマはエンジンとモノコックの接合部から真っ二つにちぎれ飛び、そこらじゅうにパーツを散乱させてコース上に止まった。
ノーズは完全につぶれ、足回りもばらばらの状態だ。
このため、トップ3が21周を消化した時点で赤旗が提示され、レースは中断となった。
幸いトレルイエの生命には別状なく、意識もはっきりしており、本人が自力での脱出を試みていたことが後に明らかとなったが、
事故直後はサーキット中が騒然とする状態となった。
事故車両の排除のため28分50秒の中断の後、セーフティーカーの先導でレースは再開された。
この時点までにグリッド上では全車がタイヤ交換を済ませた。
また、このSCランのタイミングを利用して金石年弘、柳田真孝が21周目、ロッテラー、小暮、
横溝直輝らが22周目にピットインして給油を行った。
ここで小暮が給油に26秒以上を要した挙句にエンジンストール。
中断前まで3位を快走していた小暮はこれにより一気に17位まで後退することとなった。
これによりトップは松田、2位に立川、3位にデュバル、序盤大幅に順位を落とした本山が4位に浮上することとなった。
さらに立川は松田のコンマ5秒後方まで迫りながらも27周終わりでピットイン、同じ周にデュバルもピットに飛び込み、
これにより本山が2位に繰り上がる。
松田もまた、1ストップ組の一人だったが、34周まで粘って僅か14秒2で作業を済ませ、6位でコースに復帰するが、
これにより自動的に本山がトップに立つこととなった。
2位にはビヨン・ビルドハイム、3位には井出有治、4位にはミハエル・クルムがつけてきた。彼らはノーピットのままゴールを目指す作戦だ。
赤旗中断でレース前半のリードを失った松田と、
無給油ながらタイヤ交換をすることができた本山の間には挽回しがたい大差ができてしまった。
それでも諦めずに順位挽回を狙う松田は、40周目の2コーナーで5位のカルボーンを競り落とし、
ファイナルラップの1コーナーで4位クルムを攻略し、一気に3位を走る井出の背後を脅かす。
最後のシケインで勝負に出る松田、懸命に抵抗する井出。
軍配は井出に上がった。
松田は最終コーナーイン側のダートにはみ出し、
最終コーナーで逆にクルムの追撃を受けながらかろうじて4位を守ってフィニッシュラインを通過した。
松田とクルムの差は僅か0.100秒だった。
本山はこうした後方の混乱などまったく知らぬ顔で43周を走りきり、今季2勝目を前回と同じ鈴鹿で挙げることとなった。
これでシリーズポイントを23に伸ばし、ポイントランキングでも2位に浮上した。
次戦は富士スピードウェイ。8月26日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第10戦は、ポールポジションからスタートした塚越広大(ホンダレーシング・リアル)
が後続に付け入る隙を全く与えない完璧な走りで17周を走りぬき、今季2勝目、F3通算3勝目を挙げた。
2位にはオリバー・ジャービス、3位に大嶋和也が入り、ポイントリーダーのロベルト・ストレイトは4位に終わった。
第10戦決勝は12時55分にフォーメーションがスタートした。
これまでに何度もポールポジションを獲得しながら、スタートの失敗でチャンスをことごとくフイにしてきた塚越だったが、
今回は見事にトップの座を明け渡さずに1コーナーに飛び込んでいった。
その後方では2番手スタートのストレイトを攻略しようとしたジャービスが、
更にその後方から見事なスタートダッシュを決めてきた大嶋と接触、これにより大嶋は4番手スタートから一気に6位に後退してしまった。
ジャービスは1周目から積極的にストレイトに仕掛けていき、2周目の1コーナーでアウトから抜き去って2位に浮上すると、
一旦は1.7秒差まで開いた塚越との差を少しづつ詰めていく。
5周目には0.782秒差まで接近したジャービスだったが、そこから塚越もペースを上げて対抗する。
塚越は6周終わりで1.110秒差に戻すと、7周目には1.342秒に、8周目には再びジャービスが差を詰めて1.048秒と、
11周目まで一進一退の攻防が繰り広げられた。
なんとか塚越に追いつきたいジャービスだったが、その後方からは6位に後退したはずの大嶋が再び追い上げてきていた。
大嶋は3周目の1コーナーで伊沢拓也を抜き差って5位に浮上すると、4周目のシケインでは関口雄飛のインに飛び込み、
更には7周目の1コーナーで3位を走行するストレイトをもアウトから被せて抜き去って3位に上がってきていたのだ。
一時は4秒近くもあったジャービスと大嶋の差は1周当たりコンマ5秒以上のペースでぐんぐん縮まっていき、15周目には1秒032、
16周終わりでは0.902秒まで接近する。
それにつれて塚越とジャービスの差は徐々に開いていき、両者は1.830秒差でファイナルラップを迎えることとなった。
結局塚越はジャービスの1.906秒前方でチェッカーを受け、大嶋はジャービスに0.579秒差まで迫ったが、
遂に追い抜くまでは至らなかった。
これで塚越はシリーズポイントを116とし、8位に終わった石浦宏明を抜いてランキング4位に浮上、
3位大嶋まであと7ポイントに迫った。
ポイントリーダーは依然としてストレイトだが、2位ジャービスとの差は7ポイントに縮まった。
次戦はオートポリスでの3連戦。8月4日、5日開催だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦の決勝前フリー走行は、小暮卓史(PIAAナカジマ)がトップタイムを記録した。
タイムは1分45秒699
2番手には同じPIAAナカジマのロイック・デュバルが46秒335で続き、この2台が3位以下をコンマ5秒以上突き放す結果となった。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは曇り。午後からは晴れる予報で、雨の心配はないものの、蒸し暑い一日となりそうだ。
フリー走行は午前8時30分より30分間で行われた。
本山を先頭に各車一斉にコースに飛び出していくが、なんと2番手スタートのブノワ・
トレルイエがアウトラップでマシントラブルによりストップしてしまう。場所はヘアピン先の通称「松っちゃんコーナー」だ。
トレルイエはそのままクルマを降りてしまった。
また、セッション半ばには荒聖治もデグナーでクラッシュバリアに突っ込み、走行を終えることとなった。
一方、このセッションでトップとなった小暮は、3周目には早くもベストタイムとなる45秒699を出したうえ、
その後も46秒後半から47秒前半のタイムをコンスタントに記録した。
チームメイトのデュバルもハイペースで周回を重ねる。
ナカジマ勢以外ではINGINGの横溝直輝が終了間際に46秒919を出したほかは軒並み47秒台の走行だ。
ポールシッターの松田次生もここでは47秒873で9番手に留まった。
第5戦の決勝レース距離は、4月開催の第2戦鈴鹿2&4と同様の250kmであり、
殆どのドライバーが今回もノーピットを選択するものと思われるが、フリー走行でのペースの違いを見る限り、
小暮の1ストップの可能性が俄然現実味を帯びてきた。
注目の決勝レースは午後2時30分より、43周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

ロベルト・ストレイト(優勝)
スタートはうまくいきました。オオシマのスタートも良くて、2番手スタートのドライバーを抑えてくれたのにも救われましたね。
その後の目標は、オオシマとの差をキープすることでしたが、彼はストレートスピードが速かったし、ペースもすごく良かったので、
それは簡単な作業ではありませんでした。
僕らの今後の課題はストレートスピードの向上ですね。クルマ自体は悪くないんですけどね。
明日は、今日の結果を踏まえてセットアップを見直さないといけませんね。
大嶋 和也(2位)
本当はポールを獲って優勝したかったんですけど、コンディションの見極めが良くなくて、予選が振るいませんでした。
それでも課題のスタートは決められましたし、表彰台に上がれたのは良かったです。
ここ最近は、ついてなかったり、僕のミスがあったりでなかなか表彰台に上がれていなかったので、今回自力で上がれたのは良かったです。
決勝ではストレイトより速いペースで走れていたんですけど、追いつけても並ぶまでのスピードがなくて、抜けませんでした。
塚越 広大(3位)
予選2位は悪くないポジションでしたが、岡山で3位に入ったときのスタートが悪くなかったので、
そのイメージでいったらうまくいかなくて3位になってしまいました。
その後も前の二人についていくのが精一杯で、後半は自分のミスなどもあってペースを乱してしまい、徐々に離されていってしまいました。
今日のレースは自分のミスでだめにしてしまいましたね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

松田 次生(ポールポジション)
レギュレーションが変わったので、セッティングに関しては金曜からいろいろトライしてみて、最終段階でうまくいってトップタイムが出ました。
今日は朝から雨がふって『きついな』と思ったんですが、最終的にはレイン組のトップになれたので、クルマは調子いいな、
午後晴れればイケルな、と思いました。
内容的には詰めたい方向でセットを進めたら、どんぴしゃりだった、という感じです。
午後は自分としては最後にベストを更新できなくて残念でした。もうちょっといけるかなと思っていたんですが、
ギヤレシオをちょっと間違ってしまったようですね。
前回の岡山でも予選は振るわなかったけど決勝はファステストを獲れ、ペースは良かったので、
今回も同じようにいければものすごく楽しい展開になると思うので、期待しています。
ブノワ・トレルイエ(予選2位)
(スピンの状況は)1回目のアタックがうまくいかなかったので、ポールを獲る最後のチャンスだと思ってハードに攻めていったら、
2コーナーの立ち上がりでタイヤをダートに落としてしまい、5,6回転してエンジンをストールさせてしまいました。
今週末はクルマの調子が良くなくて、特にウェットのセッティングが決まっていません。ドライはまぁまぁいい状態になりましたが、
明日の決勝がウェットだと厳しいかもしれませんね。
小暮 卓史(予選3位)
1回目の予選は、セッティングが決まらなくて、思うように走れませんでした。タイムは出ませんでしたが最終的に順位は上がったので、
クルマの方向性はいいのだと思います。
2回目の予選ですが、1セット目のタイヤはもうキちゃってて、攻め切れませんでした。それから雨が降ってきて『まずいな』と思ったんですが、
2セット目でそこそこの走りができました。最後のアタックでもトップには届きませんでしたが、タイムは出ましたから、
クルマは調子いいと思います。
ちょっと守りに入っちゃった部分があったので、3位に終わったんだと思います。
決勝に向けて考えていることはありますけど、それがうまくいくかどうかは今の時点では判りませんね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本F3選手権第9戦の決勝が7月7日、鈴鹿サーキットで行われ、ロベルト・ストレイトが今季3度目の勝利をポール・トゥ・
フィニッシュで決めてみせた。
フォーミュラニッポンの予選を翻弄した雨は既に止み、薄日すら射すほどになってきた。
それにつれて路面もF3決勝が始まる頃には完全にドライに回復、
第9戦は絶好のコンディションで午後4時ちょうどにフォーメーションラップが開始された。
ポールシッターのストレイトが順調にスタートを決めてトップで1コーナーに入っていく一方で、
2番手スタートの塚越広大はここでも出遅れ、3番手スタートの大嶋和也が2位に浮上してきた。
その後方では、伊沢拓也と石浦宏明が接近戦を演じながら4位を走るアスマーに次第に近づいていく。
更にその後ろからは、予選9番手と低迷したオリバー・ジャービスも安田裕信を抜き去って追い上げてくる。
ジャービスは3周目に石浦をパスして6番手に浮上すると、6周目の1コーナーで伊沢のインをついて5位に、
続く7周目には早くもアスマーをも抜き去って4位に浮上してきた。
ジャービスのラップタイムは上位3人をも上回るほどだったが、 4位に浮上した時点で3位塚越との差は7秒以上に開いており、
これ以上のジャンプアップは不可能だった。
一方、2位につけた大嶋は懸命にストレイトを追うが、
ストレイトは見事にペースをコントロールして大嶋との差をコンマ6秒から1秒の間に保って周回を重ねていく。
大嶋は7周目の1コーナーでオーバーテイクを試みるが、追いつくことはできても並ぶまでには至らない。
3位塚越も序盤こそファステストラップを樹立するなど好調ぶりを見せたが、次第にペースを乱して上位2台に置いていかれるようになり、
最終的にはトップの2.6秒後方でチェッカーを受けることとなった。
塚越にとっては3戦連続の表彰台だが、内容的には決して満足のいくものではなかっただろう。
結局ストレイトは大嶋のコンマ5秒前方でチェッカーを受け、第6戦もてぎに続く今季3勝目を上げ、
ポイントランキングトップの座を守った。
第10戦決勝は明日12時55分より、17周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports
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全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦鈴鹿は、松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)が1分43秒041を記録し、
今季3度目の、そして第2戦に続いて地元鈴鹿で2戦連続のポールポジションを獲得することとなった。
公式予選2回目は午後2時40分に開始された。
その前に行われたFCJ決勝は完全なドライコンディションだったが、フォーミュラニッポンの予選開始直前になって再び霧雨が降り始めた。
このため、少しでもいい条件のうちにタイムを出しておこうと、開始直後から各ドライバー一斉にコースに飛び出していく。
気温24℃、路面温度29℃という好条件もあり、
この最初のアタックで殆どのドライバーが午前中にデュバルの出した暫定ポールタイムを上回った。
最初にタイムアタックを行ったのは本山哲。タイムは1分47秒787。
続いて吉本大樹が47秒783、荒聖治が47秒120と見る見るうちにタイムが短縮されていく。
遂には小暮卓史が44秒741、松田が43秒839と、ほぼ金曜テストと同等のタイムを出してきた。
小暮はユーズドタイヤでこのタイムを出していた模様。
ところが各ドライバーが2セット目を装着してコースに戻ろうとしていた開始10分過ぎあたりから路面が滑りやすくなり、
これに文字通り足元をすくわれたブノワ・トレルイエがデグナー一つ目でグラベルに飛び出してしまう。
これを見て他のドライバーは次々にアタックを断念してピットへ。天候の回復を待つこととなった。
タイムアタック合戦が再開されたのは残り時間が14分を切ったあたりから。
ここでアンドレ・ロッテラーが1分44秒424を叩き出して2番手に上がってくる。
続いて小暮が43秒746と松田のタイムを上回ってトップへ。しかし直後に松田も43秒041を叩き出し、再びトップを奪い返す。
3番手には午前中トップのデュバルがつけてきた。
残り時間は8分を切った。
この後、金石年弘、横溝直輝、井出有治らも自己ベストを更新し、順位を上げてくるが、いずれも上位3人には及ばない。
しかし早々と4セット目を投入したトレルイエが、残り5分を切ったところで43秒458で2番手に上がってきた。
同時に松田も3セット目のアタックに取り掛かるが、西コースの区間タイムが伸びず、43秒226に留まる。
それでもトップは堅持している。
残り時間1分を切ったところで最後のアタックに出ていた小暮は43秒573までタイムアップしたが3番手に留まった。
その直後、4セット目のスリックでアタックを続行していたトレルイエが2コーナー立ち上がりでスピン。コース上でストップしてしまい、
ここでチェッカー。松田の今季3度目のポールポジションが確定した。
第5戦決勝は明日午後2時30分より、第2戦と同様、43周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports
Forum
全日本F3選手権第10戦の公式予選は、塚越広大(ホンダレーシング・リアル)が2分00秒921でトップ。
こちらも今季2度目のポールポジションとなった。
第9戦の予選終了から10分のインターバルをおいて、
第10戦の予選は午前11時35分より開始された。
コースコンディションは更に良くなり、タイムも走り出しから一気に2分4秒台が記録された。
序盤のトップは塚越。タイムは2分04秒043だ。
これを残り時間5分あまりでロベルト・ストレイトが上回り、2分03秒829でトップに立つ。しかしその直後、
ストレイトはS字の2つ目でコースを飛び出し、タイヤバリアに突っ込んでしまう。
このストレイトの車両を排除するため、赤旗が提示されて予選は一時中断となった。残り時間は4分50秒だ。
午前11時50分、予選再開。
4分足らずの限られた時間ながら、各車一斉にコースイン、最後のアタックに取り掛かる。
コースはほぼドライの状態となり、全員が大幅なタイムアップを果たすこととなった。
そうした中、塚越は2分00秒921と唯一0秒台を記録し、第5戦もてぎ以来のポールポジションを獲得した。
2番手には前戦ポールのストレイト。コースアウトの影響を微塵も感じさせない2分01秒279の好タイムを記録した。
3番手にはオリバー・ジャービス。2分01秒553だった。
第10戦決勝は明日12時55分より、17周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports
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全日本F3選手権第9戦の公式予選は、ロベルト・
ストレイト(インギング)が2分07秒623で今季2回目のポールポジションを獲得した。
フォーミュラニッポンの予選1回目終了後もコースはどんどん乾いていき、レコードラインはほぼドライの状態となった。
このため、F3の予選では全員が最初からスリックタイヤを装着してタイムアタックに出て行った。
ラップタイムも走り始めの2分16秒台から、14秒、12秒と走るたびにタイムアップしていく状態だ。
トップもストレイト、石浦宏明、塚越広大、伊沢拓也とめまぐるしく交代する。
結局、殆どのドライバーが最後のアタックで自己ベストを更新する展開となり、
この予選終了間際の接戦をストレイトが制することとなった。
2番手には塚越、3番手に大嶋がつけた。
第9戦決勝は今日午後4時より、12周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦の公式予選1回目は、最後の最後にスリックタイヤに履き替えたロイック・デュバル(PIAA
NAKAJIMA)が2分02秒390で暫定ポールを獲得した。
公式予選日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から時折小雨の降るコンディション。路面は完全なウェットだ。
雨はFCJの予選中に一旦は止んだが、フォーミュラニッポンの予選走行開始間際には再び降り始めた。
このため、予選開始前にウェット宣言が出され、ほぼ全車がレインタイヤで予選1回目を走り出すこととなった。
コースの各所では激しい水しぶきが上がっており、走り始めのタイムは2分7秒が精一杯の状況だったが、
セッションが進むにつれて雨は止み、コースは徐々に乾いていった。
5分経過時点でのトップタイムは金石年弘の2分07秒370。
10分経過時点では松田次生が2分05秒135までタイムを削ってきた。
さらにその1分後には本山哲が2分04秒741と、どんどんタイムが縮まっていく。
その後も20分経過時点で松田が2分04秒615、
30分経過時点では井出有治が2分04秒257と久々にリーダーボードの上位に名を連ねてきたが、
その2分後には本山が2分03秒605を叩き出して再びトップに立った。
しかし残り時間5分で松田が2分02秒753と、遂に2秒台に突入してトップに。
このあたりから各ドライバー最後のアタックに取り掛かっていく。
松田も区間ベストを塗り替えながらコースを攻めていくが、その直後を更に速いペースで駆け抜けるドライバーがいた。
最後の最後にスリックタイヤを投入したデュバルだ。
デュバルはチェッカー直後のラップで2分02秒390を叩き出し、一気にトップに躍り出た。
松田はセクター1、2で自己ベストを更新するも、西コースでタイムロスして03秒046に留まった。
公式予選2回目は今日午後2時40分より、45分間で行われる。
天気はこれから徐々に回復に向かうようだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

左から2位のトレルイエ、初優勝のクインタレッリ、3位の松田
ロニー・クインタレッリ(優勝)
本当にうれしい。勝ったなんてまだ信じられない。
去年から何回か勝つチャンスがあったけど、僕がミスしたり、天気の影響だったりで勝てなかった。今回は昨日から完璧だったね。
クルマのバランスも最高だったし、チームのピットワークもすばらしかった。
チームの関係者、ファンにも、ありがとうと言いたいね。
1周目にトップに立って、小暮との差が開いていったから、クルマのバランスがいいなと感じた。序盤はブノワにプッシュされたけど、
燃料が軽くなるにつれてこっちもラクになってきた。僕のチームのクルマは燃料が重いときはバランスが今ひとつだけど、
ピットストップが近づくにつれて良くなる。
ピットストップの後は、スタートほど燃料を積んでないし、タイヤが新しいので更に良くなる。だから今日はラクにレースできた。
2004年にインギングでF3チャンピオンになって、去年から新しいチャレンジを始めて、今日勝てて、本当にうれしい。
ビッグチームにいて勝つのも気分いいだろうけど、僕らのように家族みたいなチームで勝つのはもっとうれしいよ。
(全て本人が日本語でコメントした)
ブノワ・トレルイエ(2位)
少し疲れました。全体的には退屈なレースでしたね。
セーフティーカーが出たことで、次々にピットインするドライバーが出て、
目の前で小暮もピットインしたので彼は2ストップだろうなと思いました。
それからクインタレッリにプレッシャーをかけ続けたんですが、彼は付け入る隙がまったくなかったので、
ポジションをキープすることにしました。
ここでのオーバーテイクはリスキーなので、ピットストップのときに前に出るチャンスがあるかと思ったんですが、
前に出られなくてがっかりしました。
松田 次生(3位)
昨日の予選が5位に終わったので、今日は表彰台にあがることと、できれば優勝も目標に掲げていました。
最初はトップ2台の後ろにつけて隙をうかがってたんですが、次第にブレーキがフェードするようになって、
ペースを落とすしかありませんでした。
前を抜けそうな状況にもっていくと、決まってブレーキがフェード気味になるので、フラストレーションがたまりました。
フェードの原因はわかっているので、リスクを負ってでも狙っていった結果だからしょうがないと思ってはいます。
由良 拓也(優勝チーム監督)
フォーミュラニッポンでの優勝は初めてなので、表彰台に上がれて気持ちいいなと思いました。いい経験をさせてもらえて感謝しています。
このチームは本拠地が山口県にあるというのが特徴です。日本のレース界の中心は御殿場なので、そこから離れれば離れるほど、
情報も入ってこなくなって大変なんですよ。京都にもチームはありますが、彼らも苦労していますからね。
新しいチーム形態で苦労も多いですが、今日のロニーは完璧でしたね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

左から2位の大嶋、優勝の塚越、3位のストレイト
塚越 広大(優勝)
スタート前に雨がちょっとずつ降りだしてセーフティーカーが入ったので、ああこれで苦手なスタートをやらなくていいや、
って(笑)
でも雨が強くなって、みんなが次々にレインタイヤに履き替えるようになったときは不安になって、『どうしよう』って感じでした。
ですが僕はここでF4をやっていたので、そのときの経験から『意外とスリックでもいける』と知っていたし、
田中監督も無線で背中を押してくれたので、気合を入れていきました。『これでいくしかないんだ』って。
路面が乾いてからは、誰がトップで誰と誰が前にいるのかもわからない状況でしたが、必死で追い上げました。そのうちに
『ロベルトを抜けばトップだ』って無線で教えてもらい、トップに立ってからもベストを尽くして最後まで走りました。
大嶋 和也(2位)
本当にこのところ、もてぎもそうでしたが、僕がミスをしたせいでいいレースができていませんでしたから、
今度こそいい方向に持っていければな、と思っていました。
結果的には予選で失敗したことでいい方向にレースが展開して、ラッキーでした。もし予選上位にいたら、
多分みんなと同じようにレインに履き替えていたはずですから。
ニュータイヤを決勝で履くことになって、濡れた路面では皮むきも充分できませんでしたけど、どっちにしろグリップしてなかったので、
気にはなりませんでした。
既にここまで3戦落としていますから、もうこれ以上落とせません。ここから巻き返しにいきます。クルマはいい方向に行ってますし。
ロベルト・ストレイト
セーフティーカーランが長すぎました。なんで5周も入る必要があったのか理解できません。
1周目にレインに履き替えたチームの判断は正しかったと思います。今回は安全に、リスクを犯さないように心がけていましたから。
レース後半は縁石に乗るとなぜかミスファイヤするようになったので、最後まで走りきれてほっとしています。
今回はジャービスやイシウラの前でフィニッシュできたことに満足しています。オオシマとはポイント差が大きいですし、
ツカコシはまだタイトル争いに加わるとこまで来ていませんから、今回は安全を期して完走を目指しました。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第4戦の決勝が6月10日、岡山国際サーキットで行われ、ロニー・
クインタレッリ(BOSSインギング)が念願の初勝利を参戦2年目のチームとともに祝う結果となった。
(観客動員数19,700人)
午後2時30分、フォーメーションラップが開始され、68周の戦いの幕が切って落とされた。
ポールシッターの小暮卓史はスタートで出遅れ、2番手スタートのクインタレッリがトップで1コーナーへ。
小暮はブノワ・トレルイエ、松田次生のインパル勢2台をけん制しながら2番手に踏みとどまってオープニングラップを走り抜ける。
ところがこの周のヘアピンで、アンドレ・ロッテラー、本山哲、荒聖治、井出有治らが絡む多重クラッシュが発生。
ロッテラーと井出がコース上でストップしてしまったため、これを排除するためにセーフティーカーが導入される。
ロッテラーに追突してフロントウィングを破損した本山はすぐにピットイン。荒もそれに続いてピットに戻り、本山の前でコースに復帰する。
このセーフティーカーランに乗じてピットストップを済ませたのが2番手の小暮だ。チームメイトのロイック・デュバルや、立川祐路、
ミハエル・クルム、吉本大樹らもここで給油とタイヤ交換を済ませてタイムロスを最小限に食い止めようと目論んだ。
しかし予定通りのスケジュールでピットストップを行ったクインタレッリ、トレルイエ、松田らに対し、
小暮のラップペースはなかなか上がらず、当初10秒足らずだったトップとの差は1周1秒近いペースで開いていき、
40秒以上にまで達してしまった。
44周終わりで2位のトレルイエがピットイン、難なく小暮の前でコースに戻った。
トップのクインタレッリと松田は45周終わりで同時にピットへ。
クインタレッリはトレルイエの前、松田はトレルイエの後ろでコースに復帰した。
再三にわたって僚友トレルイエの背後を脅かし、2位浮上のチャンスを狙っていた松田だったが、
実はレース序盤からブレーキのフェードに悩まされており、これに対処するために時折ペースを落とさざるを得ない状況に追い込まれていた。
結局松田は着実に結果を残すことを選び、3位でレースを終えた。
2位のトレルイエも、クインタレッリの背後からトップ浮上のチャンスをうかがっていた。
しかし、この日のクインタレッリはまったくミスを犯さない完璧な走りでトレルイエに付け入る隙をまったく与えず、
68周を危なげなく走りきって自身初のフォーミュラニッポン優勝を成し遂げた。
この勝利は同時に、参戦2年目を迎えたばかりのチームインギングにとっても待ちに待った初勝利であり、
今年から監督に就任した由良拓也氏にとっては1992年鈴鹿での全日本F3000最終戦以来、
実に15年ぶりの国内トップフォーミュラ優勝でもあった。
フォーミュラニッポン第5戦はその鈴鹿で、7月8日に開催される。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
岡山国際サーキットで行われた全日本F3選手権第8戦の決勝は、塚越広大(ホンダ・チーム・リアル)が、ウェット-
ドライとめまぐるしく変化する路面コンディションに見事に対応し、今季初、通算では昨年7月の鈴鹿以来の2勝目を挙げることとなった。
スタート直前に降り始めた雨のため、第8戦決勝はセーフティーカーの先導のもと、午後0時40分にスタートした。
雨は次第に強くなったため、1周終わりでロベルト・ストレイトがピットインしたのを皮切りに、
レインタイヤに履き替えるドライバーが相次いだ。
そうした中、予選4位の塚越と、最後尾スタートの大嶋和也は敢えてスリックのままコースに留まることを選んだ。
この結果、隊列は塚越を先頭にストレイト、大嶋の順になった。
5周のセーフティーカーランの後、6周目に追越が解除された。
早速2番手につけていたストレイトが1コーナーで塚越に襲い掛かるが、塚越も暴れるクルマを操りながら押さえ込みにかかる。
しかしスリックタイヤでレインのストレイトに抗うことは容易ではなく、巧みにラインをクロスさせたストレイトに2コーナーでインに並ばれ、
トップを奪われてしまう。
塚越はその後も立て続けに安田裕信、関口雄飛、オリバー・ジャービス、石浦宏明、嵯峨宏紀らに順位を明け渡さざるを得ず、
結局7周を走り終えたときには8位にまで後退してしまう。
同じくスリックの大嶋も同様に、塚越の後ろ、9位に後退した。
しかしこの頃になって雨は止み、8周目、9周目と次第に路面は乾き始めた。
そして遂に9周目のセクター1、2で大嶋と塚越が区間ベストを更新した。
10周目には塚越がファステストを更新、直後に大嶋がそのタイムを塗り替えてみせた。
トップのストレイトは1分39秒台のペースだが、スリックの二人は35秒台に入ってきた。
ここから塚越と大嶋の逆転劇が始まった。
塚越は12周目の2コーナーで嵯峨を抜くと、13周目には安田、関口を立て続けにかわして4位に浮上。
石浦は9周目のアトウッドで既にスピンを喫して後退していた。
前を走るのはポイントリーダーのジャービスだ。
ジャービスはウェットタイヤながらも36秒台にペースを上げて逃げにかかるが、塚越はなおもジャービスを追い詰め、
15周目のアトウッドでこれをかわすと、続くヘアピンで3位の伊沢をも抜き去って一気に2位に浮上した。
残るはトップのストレイト。
しかし1周4秒もの差をつけて追い上げる塚越は、17周目の1コーナーで早くもストレイトを抜き去り、トップに立った。
その後も塚越は次第にペースを上げて後続を突き放し、最後は2位に7.7秒もの大差をつけて波乱の25周を制した。
2位には最後尾スタートの大嶋。3位には塚越のチームメイトの伊沢が入った。
次戦は鈴鹿サーキット。第9戦は7月7日、第10戦は7月8日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第4戦岡山の決勝前フリー走行は、本山哲(アラビアンオアシス・
チームインパル)が1分18秒874でトップ。決勝での巻き返しに向けて期待を抱かせる結果となった。
めまぐるしく変わる天候に翻弄された予選とはうって変わり、決勝日を迎えた岡山国際サーキットは朝から快晴となった。
午前9時30分、30分間のセッションが始まった。
本山、松田次生のインパル勢は開始早々から1分19秒台のハイペースでタイムを刻み、開始5分で1位、2位の位置を占める。
3番手にはポールシッターの小暮卓史がつけた。
他のドライバーもほぼ1秒以内につけ、決勝への最後の調整に取り掛かっている。
しかしこのセッションは、開始から14分が経過したところで金石年弘のクルマから白煙が上がり、
ほぼコース全周にわたってオイルをまいてしまったため、赤旗中断となってしまう。
金石はピットガレージにクルマを入れ、修復作業に取り掛かる。
金石のクルマは大量のオイル漏れを起こしており、エンジンへの影響が心配される状態だ。
コース上のオイル処理が終わり、走行が再開されたのは10時04分。残り時間は16分だ。
トップタイムは本山が開始10分で出した1分18秒874で変わらないものの、2番手にはここで井出有治が上がってきた。
更に3番手にはブノワ・トレルイエがつけ、松田は4番手、小暮は5番手でこのセッションを終えた。
6番手にはデュバル、7番手に赤旗の原因となった金石がつけており、インパル、中嶋企画、ARTAが僅差で入り乱れる結果となり、
決勝での接戦が大いに期待できそうだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

左から2位のジャービス、優勝の石浦、3位の塚越
石浦 宏明(優勝)
木曜に入ったときから、ここのカギはフォーミュラニッポンが走った後のセッションだと思っていました。
チームもそのコンディションに合ったクルマを作ってくれましたから、晴れれば問題ないと思ってました。
レース前に雨が降りましたが、決勝はドライでいけて、運も味方してくれましたね。
予選1回目は思ったよりもいいタイムが出ました。2回目の前にクルマをアジャストしたら更に完璧になりました。
ですから決勝は、スタートさえ良ければ逃げれる、と思ってましたし、初優勝のときに比べたら落ち着いていました。
スタートで前に出て、プッシュしていたら、後ろが少しづつ離れていったので、そこからは落ち着いて走れました。
岡山はフォーミュラトヨタの頃から冬に3~4日テストをやってますし、一番走ってるサーキットです。GTでも勝ちましたし、
相性もいいのだと思います。
オリバー・ジャービス(2位)
結果にはがっかりしています。ポールを狙っていたし、スタートで前に出たかったのにうまくいきませんでした。
イシウラはいいレースをしていたので、彼にはおめでとうといいたいです。
チームメイトの初優勝は嬉しいですけど、友情は友情、レースは別の話なので、明日は1コーナーでなんとしても前に出たいです。
イシウラとはセクター3で差がついていたと思いますが、明日はクルマも変えますから、同じようにはいきませんよ。
塚越 広大(3位)
予選からずっとトムスが速くて。昨日の午後は調子が良かったので、今日もうまくいけば、と思っていました。
自分としてはまだ詰められるところがありますけど、前みたいに順位を落として3位じゃなく、ポジションキープの3位なので、
ほっとしています。
足りない部分に関しても克服したいと思っています。
田中監督や金石オーナーが一生懸命やってくれていましたが、それに応えることができました。歯車が噛み合ってきましたし、
チームの雰囲気も良くなってきました。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

左からクインタレッリ(予選2位)、小暮(同PP)、デュバル(同3位)
小暮 卓史(ポールポジション)
去年何回もポールを獲っていますが、今年チームを移ってからこんなに早く獲れるとは思っていませんでした。
今回は午前中に早めに2セット使ってしまうつもりでしたが、最初のアタックのときはコンディションもまだ良くなくて、
『出て行くのが早すぎたかな?』と思ったんですが、思ったよりいいタイムが出ました。結果的に中嶋さんの判断が正しかったわけで、
感謝しています。
(初開催の岡山について)GTでも走ってますし、そんなに違和感なく、気持ちよく走れました。
(明日は2ストップでいくのか、という質問に対して)もてぎよりリスクが大きくなるので、あくまで選択肢の一つとして考えてる、
という感じですね。
ロニー・クインタレッリ(予選2位)
(日本語でコメント)うれしい。2番手はすばらしいポジション。
昨日はクルマがあまり良くなかったので、エンジニアとデータ見て、そしたら今日の1回目はだいぶ良くなった。
関係者もエンジニアもすごく頑張ってくれました。ありがとう。
(横溝がコースアウトした後は)すぐ後にヘアピンを通ったら黄旗が出ていて、次に通ってもまだ出ていたので、『もうタイムアップは無理』
と思ってピットに入った。
予選2回目は、雨が降ったけど、最後の5分はドライになると思って一回ピットから出たが、3コーナーがウェットなので『タイムアップは無理』
と思って戻った。
ロイック・デュバル(予選3位)
(日本語でコメントするか?と聞かれて)ノー。(笑)
昨日よりクルマが良くなっていました。追い越しの難しいおコースなので、いいポジションにつけられたと思います。
(小暮は前回2ストップで勝ったが?という質問に対して)僕は4ストップで行きます(笑)
ストラテジーについては今ははっきりいえませんが、僕はニュータイヤを3セット残しているので、なんとでもできると思います。
(F1開催の実績のあるコースを走ってどう思ったか、と聞かれて)スズカも開催しているし、今年はフジも使われますから、ここが特別どう、
という感じはありませんね。いつもどおりです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
岡山国際サーキットで開催された全日本F3選手権第7戦は、
ポールシッターの石浦宏明(TDPトムス)がスタートから着実に後続を突き放し、見事ポール・トゥ・フィニッシュで今季初優勝を挙げた。
第7戦の決勝レースは午後4時10分にフォーメーションラップを開始した。
予選7位のマルコ・アスマーはコースインの際にダブルヘアピンでストップしてしまったため、ピットスタートとなってしまっている。
ポールから飛び出した石浦は2番手のオリバー・ジャービスをけん制しながらトップのままで1コーナーへ。
そのままジャービスに1秒2の差をつけてオープニングラップを終えた。
その後も石浦はジャービスよりコンマ2~3秒速いペースで周回を重ねていく。
3番手には予選順位どおり塚越広大がつけているが、こちらも2位のジャービスにじりじりと離される展開となった。
その後方では、予選でのクラッシュにより最後尾スタートとなった大嶋和也がスタートで一気に9位に浮上、
オープニングラップを終える頃には8位まで上がってきた。
さらに大嶋は2周目のアトウッドカーブで安田裕信を捉えて7位に上がると、6番手を走る関口雄飛との差をもじりじりと詰めていく。
関口のテールにぴったり張り付いて隙をうかがう大嶋だったが、関口も落ち着いた走りで大嶋の追撃を退け、結局関口6位、
大嶋7位でこのレースを終えることとなった。
一方、トップの石浦は8周目にジャービスとの差を2秒にまで広げると、その後も着実にリードを築き上げ、
最後は2位以下に4.9秒の大差をつけて18周を走りきった。
石浦にとってこの勝利は今季初、そして通算では昨年10月のツインリンクもてぎ以来の2勝目であり、同時に、
4月に開催されたスーパーGT第2戦に続く岡山国際サーキットでの2連勝ということになる。
これで石浦はポイントランキングでも大嶋を抜いて3位に浮上、
トップのジャービスを8ポイント差で追う形で第8戦を迎えることとなった。
第8戦決勝は明日午後0時40分より、25周で戦われる。
ここで石浦が勝利し、ジャービスが3位以下に終われば、ポイントリーダー浮上の可能性も出てきた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Motorsports Forum
岡山国際サーキットで開催されている、フォーミュラニッポン第4戦は、小暮卓史(PIAAナカジマ)が昨年の第8戦もてぎ以来、
8ヶ月ぶりにポールポジションを獲得することとなった。
予選2回目は午後2時25分より開始されたが、予選開始直前に雨が降り出し、コースは完全なウェット状態になってしまった。
これにより、予選1回目での、横溝のコースアウトによる黄旗提示でベストタイムを抹消されたドライバー、
特に予選通過基準タイムを出せていないアンドレ・ロッテラー、井出有治、吉本大樹、金石年弘、ミハエル・クルム、
そして2番手タイムを無効にされた本山哲の6人にとっては、予選通過を賭けた厳しい戦いを強いられることになった。
雨は予選中も降ったり止んだりを繰り返し、アトウッドコーナーからバックストレートにかけては、
おびただしい水しぶきが上がる状態になってしまった。
セッション開始当初は20秒台、21秒台が出ていたタイムも、それにつれて33~34秒台まで落ち込んできた。
それでも残り時間15分を切ったあたりから徐々に路面は乾き始めた。
ウェットタイヤで走行していたドライバーも次々にスリックに履き替えていく。
それにつれてタイムも再び24秒台、22秒台と上がっていく。
そして、残り10分を切ったところでARTAの2台、井出が22秒623、金石が22秒620と、そろって基準タイムをクリアする。
続いて、午前中21番手だったクルムが21秒216でこの時点でのトップに立った。
吉本も21秒598を出し、基準タイムをクリアした。
残り1分を切る頃には、クルム20秒699、ロッテラー20秒456と相次いで20秒台が飛び出し、
最後の最後には本山が20秒108、クルムが20秒137を叩き出し、
アラビアンオアシスインパルの2台が1-2でこのセッションを締めくくった。
予選2回目のベストタイムが20秒台に留まったため、午前中に1分17秒409を記録した小暮のポールポジションがここで確定。
小暮は昨年のツインリンクもてぎでの第8戦以来8ヶ月ぶり、今季中嶋企画に移籍して初めてのポールポジションだ。
第4戦決勝は明日午後2時30分より、68周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権、第8戦の公式予選は、第7戦に続いて石浦宏明(TDPトムス)が1分24秒879でポールポジションを獲得。
2番手にはオリバー・ジャービスがつけ、トムスが2戦連続でフロントローを独占した。
第7戦の赤旗中断の影響もあり、当初予定より5分遅れて11時30分に第8戦の予選は開始された。
しかしここでもまた、開始10分で赤旗が出されることとなった。
今度は関口雄飛。場所はバイパーコーナーだ。
しかし関口はクルマを壊すことなく、オフィシャルの手を借りてコースに戻ったため、ごく僅かな中断で予選は再開された。残り時間は5分だ。
ここでもトップは石浦。タイムを24秒879まで上げて好調ぶりをアピールした。
2位もまたジャービス。3位には終了間際にタイムを上げたロベルト・ストレイトが入り、4番手に塚越広大という結果となった。
なお、第7戦でフロントサスペンションを壊した大嶋和也は、車両の修復が間に合わず、この予選に出走できなかった。
第8戦決勝は明日午後0時40分より、25周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第7戦の公式予選は、石浦宏明(TDPトムス)が1分25秒549を記録してポールポジションを獲得した。
午前11時00分、公式予選が開始された。残り時間は7分だ。
真っ先にコースインしたのは石川資章。他のドライバーは開始3分過ぎに漸くコースに出て行った。
しかし、各ドライバーが徐々にペースを上げ、
本格的なアタックに入った開始7分過ぎに大嶋和也が1コーナーでコースアウトしたために赤旗中断となってしまう。
大嶋のダラーラは左フロントサスペンションを破損し、走行を続けられない状態に。
しかも大嶋はこの時点でまだタイムを出していなかったため、ここで予選最後尾が確定してしまった。
大嶋の車両を回収した後、11時11分に予選は再開された。
ここでトップタイムを記録したのは大嶋のチームメイトの石浦だ。
オリバー・ジャービス、塚越広大がそれに続き、ポイントリーダーのロベルト・ストレイトは4番手となった。
第7戦決勝は今日午後4時10分より、18周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
岡山国際サーキットで初開催となる、全日本選手権フォーミュラニッポン第4戦の公式予選1回目は、
小暮卓史(PIAAナカジマ)が1分17秒409で暫定ポールを獲得した。
公式予選1回目は午前10時より45分間で行われた。
朝降った雨の影響でウェット宣言が出ているが、路面は乾き始めている。
最初にコースインしたのは平中克幸。ウェットタイヤを装着しての走行は1分45秒台に留まった。
続いてブノワ・トレルイエ、吉本大樹らもコースに出て行くが、この二人はコントロールラインを通らずにピットへ。
この時点でのトップはミハエル・クルムの1分27秒台。まだアタックには厳しい状況のようで、
他のドライバーはガレージに留まって路面が乾くのを待っている。
予選開始から30分が経過した頃になってようやく、スリックタイヤでのアタックが開始された。
最初にタイムを出してきたのはロイック・デュバル、小暮卓史のナカジマ勢だ。
ここでデュバルが1分17秒804、小暮は1分17秒409を記録し、これがこのセッションにおける彼らのベストタイムとなった。
残り時間が5分を切る頃にはほぼ全車がアタックに入った。
ここでクインタレッリがデュバルを上回って2番手に上がってきた。
ディフェンディングチャンピオンのトレルイエは4番手、松田次生が5番手につけた。
その直後、残り3分で横溝直輝がヘアピンでコースを飛び出し、グラベルにつかまってしまう。横溝はこの時点で6番手だった。
チェッカー直後には本山哲が2番手タイムを記録したが、この時点ではまだヘアピンが黄旗区間となっていたため、
このタイムは無効となる模様だ。
公式予選2回目は午後2時25分より、45分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

LMP1クラス優勝 ダンロップザイテック05S
野田英樹
ここに来る前から、コース特性から考えてもクラージュのほうが速いと予想してまして、予想通りの予選結果になりました。
でも、とにかくそれに惑わされないよう、我々にできることを考えながら諦めないで最後まで走ったことで、
流れがこっちに向いたのだと思います。
僕らは33秒台後半から34秒台前半を想定していたんですが、決勝が始まってみると予想より遅くて、
クラージュは安定して33秒台前半を出していたので、僕らは遅すぎました。
今回はとにかく勝ってポイントを取りたかったので、(規定時間内に1000km)いこうと思えばいけたと思いますが、
クルマをいたわることを優先しました。
山崎信介
僕らには不利なコースでしたし、走り出しのフィーリングも良くなかったのですが、
チームスタッフがピットストップの度に改良してくれたので2スティント目からは33秒台に入れることができてました。
結果的には信頼性が勝因ということになりました。
LMP2クラス優勝 エイムスポーツGC-21
富澤勝
僕らのクルマはストレートスピードの一番遅いクルマだろうと思ってここに来たんですけど実際その通りで、
決勝ではインフィールドで抜いてもストレートで抜き返されるんじゃないかと想定してて、
難しいレースになるんじゃないかと思ってたんですけど、実際やってみるとインフィールドでも安定して抜くことができて、
ラップタイムも安定していたので、途中から燃費走行に切り替えて、大事を取って最後に一回給油して、
万全の体制でチェッカーを受けるようにしました。
2戦連続でクラス優勝できたことを嬉しく思います
麻生裕二
ストレートが遅いので苦しいだろうなと思ってたんですが、その分セッティングは決まってたのでコーナーは速くて、良かったと思います。
チームの能力、作戦もうまくいったし、すごくいいレースになりました。
おまけで総合2位というのも手に入ったのですごく嬉しく思います。
黒澤翼
金曜日からGCに初めて乗ったんですけど、何年か前にF3に乗ってたのですぐ慣れました。
スタートは僕がやらせてもらったんですけど、最後まで走れて良かったです。
LMGT1クラス ダンロップフェラーリ550GTS
飯田章
すごい振動だったので、「エンジンいったのかな」とも思ったんですけど、
もしかしたら何か起きてるのかと思って早めにチェックしてもらったんですけど、エンジンはなんともなくて。
いわれてみれば6速だと振動が消えるし、ストレートも伸びていたので、おそらく2速のドグが割れるかなにかしたのかなと。
それが原因でミッションが壊れる心配があったので、自分が様子を見るつもりでいたわって走って藤井に渡しました。
何とか完走できたかな、という感じです。
藤井誠暢
トラブルが出たときは、エンジンかエキゾーストに異常があるんじゃないかと心配してたんですけど、章さんが「どこだろう」
って探しながら走ってくださって、結果的に2速ギヤだな、ということが判ったんで、2速を使わずに3,4,5,6で走ってみて、
クルマそのものには異常がないのがわかったので、いたわりながら最後まで走りました。
LMGT2クラス KRH F430GT
青山光司
最初はペースがつかめなくて、どうしようと思ってたんですけど、997RSRに抜かれてから
「これではまずい」と思って離されないように必死で付いていったらプッシュできるようになって、
結果的には総合3位でここに呼んでもらうことができました。ありがとうございました。(飯田章のほうに会釈)
高木真一
練習走行から調子が良くて、菅生と同じ感覚で後ろを引き離せました。
そういうことで大きなマージンを得たので、いろんなことにチャレンジしてみようと思い、最後のスティントではテストがてら、
新田さんが使ったタイヤをそのまま僕は2スティト走って持たせてみましたが、見事3スティントもつタイヤでしたね。
新田守男
僕らのチームにとっては完璧な展開だったのかな、と思います。
最初ミケロットの指定したセッティングで持ち込んだら、思いのほか富士にあわなかったので、バネレートを換えてみたら良くなりました。
ミケロットはヨーロッパでは使ったことのないバネレートだと難色を示したんですが、
富士のような高荷重のサーキットがヨーロッパにはないのかな、と思いました。
河村隆一(LMGT2優勝チーム監督)
なにぶん今年初めて持ち込んだクルマなので、故障なのかそういう特性なのかがわからないことがいくつかあったんですけど、
どうもそういう味付けなんだということがわかって、フェラーリって本当に壊れないクルマなんだな、と感じました。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スポーツカー耐久選手権第2戦、富士1000kmは、
LMP1クラスの#22ダンロップザイテック05S(野田英樹/山崎信介組)が開幕戦菅生に続いて2連勝を達成した。
LMP2クラスは#18エイムスポーツGC-21(麻生裕二/富澤勝/黒澤翼組)、
LMGT1クラスは#21ダンロップフェラーリ550GTS(飯田章/藤井誠暢組)、
LMGT2クラスは#27KRH F430GT(青山光司/高木真一/新田守男組)、
がそれぞれクラス優勝となった。
(観客動員数:4,500人)
第2戦決勝は午後0時30分、フォーメーションラップがスタートした。
ポールポジションの#16無限クラージュLC70は、スタートドライバーの伊藤大輔が序盤からコンスタントに1分33秒台を連発し、
2位ザイテックとの差をどんどん広げていく。
圧倒的な速さで後続を次々に周回遅れにしていくクラージュは
71周目の1コーナーで遂にザイテックのインを突き、これにより全車を周回遅れにしてしまう。
更に抜かれたザイテックに対して、73周終わりで2度目のピットストップを行った際、
山崎がピットレーン入り口のホワイトラインをカットしたとして、ピットで1分間エンジン停止という厳しいペナルティが下されてしまう。
これでクラージュとの差は2周に開いてしまった。
その後もコンスタントに33秒台後半~34秒台前半で周回を重ねるクラージュの荒と伊藤に対し、ザイテックの野田、
山崎両名もレースが折り返しを迎える108周あたりから33秒台に入れてくるようになった。
とはいえトップとの差は2周以上。到底追いつける状況ではないと思われた。
しかし127周目、それまで快調に飛ばしていたクラージュが緊急ピットイン。ギヤシフトの油圧警告灯は点灯したためだ。
この原因究明に無限チームは5分あまりを費やしてしまい、この間に2周のギャップを埋めてきたザイテックがトップに立つ。
クラージュは一旦はコースに戻ったものの、132周終わりで再度ガレージへ戻ってしまう。
そしてメカニックの懸命の作業もむなしく、トップが163周目に入ったところでチーム無限はリタイヤ届けを出さざるを得なかった。
無限クラージュが戦列を去った後、ダンロップザイテックの座を脅かすものはなく、
ザイテックは2位以下に10周以上の大差をつけて周回を重ね、開幕戦菅生以来2戦連続の総合トップ、LMP1クラス優勝を達成した。
しかし1分ペナルティなどの影響もあり、1000km220周にはあと僅か1周足りない219周で規定の6時間に達してしまい、
今回も1000km走破はならなかった。

第3戦はツインリンクもてぎ。7月22日決勝だ
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
LMC第2戦富士1000km決勝は、
総合トップの#22ダンロップザイテック05S(野田英樹/山崎信介組)が219周に入ったところでレース時間が6時間に達したため、
チェッカーが提示されることとなった。
最終順位は
#22-#18-#27-#15-#20-#21-#910-#7-#16-#4
となった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第2戦、富士1000kmは800kmを消化、いよいよ残りは200kmとなった。
総合トップは#22ダンロップザイテック05S(野田英樹/山崎信介組)。
2位以下に12周以上の差をつけて1分36秒台で悠々とトップを快走している。
このままいくと、計算上は6時間ぎりぎりのゴールとなりそうだ。
2位はLMP2トップの#18エイムスポーツGC-21、3位にはLMGT2トップの#27KRH F430GTがつけており、
LMGT1のトップは総合7位の#21ダンロップフェラーリ。21号車はピットストップの際、
ピットアウト時にライトを点灯しなかったとして、ストップ・アンド・ゴーペナルティが課せられている。
なお、懸命の修復作業を行っていた#16無限クラージュLC70は、正式にリタイヤ届けが出された。
ここまでの順位は
#22-#18-#27-#15-#20-#910-#21-#7-#16-#4
となっている
Text:Kazuhisa SUEHIRO

JLMC第2戦富士1000km決勝において、
トップを快走していた#16無限クラージュLC70が127周を終えたところで予定外のピットイン、ガレージにクルマを入れて作業に入った。
ギヤボックスの油圧警告灯が点灯したため、点検を行ったようだ。
クラージュは約5分後に一旦はピットアウトしたものの、その直後にピットストップ規定違反でストップ・アンド・
ゴーのペナルティが下されてしまった。
この間に#22ダンロップザイテック05Sが2周のビハインドを取り返してトップに立っている。
クラージュは132周終わりで再びピットインし、ガレージに入って修復作業に取り掛かっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
JLMC第2戦決勝はレース距離の半分を消化した。
トップは依然として#16無限クラージュLC70(荒聖治/伊藤大輔組)だが、
3スティント目を担当する荒聖治のペースは34秒台~35秒台に落ち着いてきた。
その一方で、痛恨の1分ペナルティを貰って2周遅れとなった#22ダンロップザイテック05Sを駆る野田英樹は、
ここにきて1分33秒台までペースを上げてきており、108周目には自身のベストラップを更新する1分33秒363を記録した。
野田は110周終わりで3度目のルーティンストップに入り、山崎信介に交代した。
一方の無限クラージュは113周終わりでピットストップ。伊藤大輔にバトンタッチした。
GTクラスではバイブレーションにより予定外のピットストップを強いられ、
大きく後退した#21ダンロップフェラーリ550GTSが再びピットイン。原因がまだ突き止められていない模様。
110周終了時点での順位は
#16-#22-#18-#27-#15-#20-#910-#21-#7-#4
の順。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JLMC第2戦富士1000kmは全周回の5分の2、88周を消化した。
依然としてトップは#16無限クラージュLC70(荒聖治/伊藤大輔組)。
荒聖治はコンスタントに33秒~34秒台で周回を重ね、
71周目の1コーナーで遂に2位の#22ダンロップザイテック05Sをインから抜き去り、2位以下を全て周回遅れとした。
荒は75周終わりで2度目のピットイン。ここではドライバー交代をせず、引き続き荒が3スティント目を担当している。
一方、2位のザイテックは、クラージュより1秒近く遅いペースで走行している上、
73周終わりで2度目のルーティンストップを行った際、山崎信介がピットロード入り口のホワイトラインをカットしてしまったため、
ピットで1分間のエンジン停止ペナルティを受けることに。
これでクラージュに対して2周のビハインドを追うことになってしまった。
LMGTクラスでは、GT1トップを独走していた#21ダンロップフェラーリ550GTSが60周を消化したところで緊急ピットイン。
ドライブしていた飯田章がバイブレーションを感じたためだが、原因が判明せず、そのままタイヤ交換と給油のみを行ってピットアウト。
これにより、総合3位から8位に後退、この時点でトップから14周遅れとなってしまった。
これによりGT2の#27KRHフェラーリF430がGTクラストップに立っている。
400km消化時点での順位は
#16-#22-#18-#27-#15-#20-#910-#21-#7-#4
となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
1000km220周の長丁場もちょうど5分の1、44周を消化した。
トップは依然として#16無限クラージュLC70(荒聖治/伊藤大輔組)。
伊藤、荒の両名ともコンスタントに1分33秒台中盤~34秒代前半のタイムを連発して、
2位の#22ダンロップザイテック05Sに1分07秒306の大差をつけている。
ザイテックは36周終わりで最初のピットストップ。野田英樹から山崎信介に交代した。山崎も野田に劣らないペースで走行しているが、
二人のペースは1分34秒~35秒台に留まっており、周回を重ねるごとにクラージュとの差がついてしまっている。
クラージュはザイテックの1周後、37周終わりでルーティンストップを行い、伊藤から荒に交代した。
44周終了時点での順位は、
#16-#22-#21-#18-#15-#27-#20-#910-#7-#4
の順。
12周終わりでピットガレージに入っていた#7ポルシェ996GT3Rはトップが23周目に入ったところでコースに復帰し、
44周終了時点で18周遅れとなっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権第2戦の決勝前フリー走行は、
#22ダンロップザイテック05S(野田英樹/山崎信介組)が1分33秒039でトップ。
ポールポジションの#16無限クラージュLC70も僅差で2位につけており、決勝での接戦を大いに期待させるものとなった。
決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。
午後には気温も上がってきそうだ。
フリー走行は午前8時より、30分間で行われた。
LMP1クラスの2台は走り始めてすぐにベストタイムを記録。
#22ザイテックは野田英樹のドライブで1分33秒039。
対する#16クラージュは伊藤大輔が1分33秒294を記録した。
予選ではクラージュがザイテックを1秒以上上回ったが、ここではコンマ3秒と僅差だ。
2台はドライバー交代を行った後も、ほぼ33秒台で周回を重ねてこのセッションを終えた。
LMP2は#18のGC-21、LMGT1は#21フェラーリ550GTS、LMGT2は#27フェラーリF430がクラストップで、
ここは予選どおりの結果となった。
なお、昨日の予選に出られなかった#4コルベットもこのセッションに出走。吉冨章が1分53秒996を記録したが、
他のドライバーが走行していないため、決勝に出走できるかどうかは微妙なところだ。
第2戦決勝は午後12時35分より、220周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

LMPクラス #16無限クラージュLC70
伊藤 大輔
久々に風の当たるクルマに乗れて気持ちよかったです。
サポートの整った形での初走行だったので、無難に走れました。
グリッド予選では、タイムアタックに入ったところでパワステが効かなくなり、ピットに入って直そうかとも思ったんですが、
時間がなかったのでそのまま行きました。
ポールは取れないかなと思っていたんですが、クルマはスムーズだったので、『トラブルは出たが、ポールは獲れた』という感じですね。
今日は一発アタックだったのでなんとかなりましたが、同じトラブルが決勝で出たら致命的なので、明日は出ないように願っています。
荒 聖治
今回はスポット参戦という形になりましたが、昨年に続いて無限からこのレースに出ることができて嬉しく思います。
僕自身、ルマンには特別な思いがあるので、このシリーズに出られるのは嬉しいです。
大輔とは初めて組みますが、明日はいいレースをしていい結果が出ればいいな、と思っています。
LMGTクラス #21ダンロップフェラーリ550GTS
飯田 章
クルマは仕上がっているので、特にやることもなく、たんたんと走りました。
アタックではブレーキやタイヤに気を使いましたが、それ以外は特にすることもなかったので、明日は無事に1000km走りきれればいいな、
とそれだけ思っています。
ノバのメンテナンスもいいし、ドライバーも何の問題もありません。
決勝ではLMPが頑張ってくれれば5時間半で終わると思うので、どうかかよろしくお願いします(笑)
藤井 誠暢
昨日からロングランを担当していますが、今回持ってきたタイヤはもちもいいので、いいペースでレースできるかな、と思います。
予選では飯田選手が頑張ってくださって、ポールを獲ってきてくれたので、今回は狙っていけると思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スポーツカー耐久選手権第2戦、富士1000kmのグリッド予選が6月2日、富士スピードウェイで行われ、
#16無限クラージュLC70を駆る伊藤大輔が1分31秒065をマークしてポールポジションを獲得した。
午後2時40分、グリッド予選が開始された。
本来ならこのグリッド予選は、LMPクラス、LMGTクラスそれぞれが20分間の専有走行を行う40分間のセッションだが、
今回も菅生に続いてエントリー台数10台という状況であるため、「参加台数の合計が20台に満たない場合には、
全てのクラスの混走による20分間の予選時間に短縮することが許される」という規定を適用して20分間で行われることとなった。
LMP2、LMGT1、GT2の各エントラントが予選開始早々から積極的にアタックに出て行く中、
LMP1の2台は残り時間6分を切ったところで漸くアタックを開始した。
まずは#22ザイテックを駆る野田英樹が1分32秒909をマーク、次の周回では32秒579までタイムを縮めて見せると、
#16クラージュをドライブする伊藤大輔は2周目のアタックで一気に1分31秒065と、午前中の自己ベストを更に上回るタイムを叩き出し、
あっさりとポールポジションを手中に収めた。
伊藤は、残り時間1分あまりでピットイン、早々と予選を切り上げた。
すると、他のドライバーもこれに続くように相次いでピットイン。
終了30秒前までには全車が走行を終えるという、なんともあっさりとした予選となった。
LMP2クラストップは総合3位の#18エイムスポーツGC-21、
LMGT1トップは総合4位の#21ダンロップフェラーリ550GTS、LMGT2トップは総合5位の#27KRH F430GTだった。
JLMC第2戦決勝は明日午後1時30分より、220周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本スポーツカー耐久選手権第2戦、富士1000kmのドライバーズ予選は、#16無限クラージュLC70(荒聖治/伊藤大輔組)
が1分31秒613でトップ。GTクラスはLMGT2の#27KRH F430(青山光司/高木真一/新田守男組)が1分42秒364と、
GT1のF550マラネロを抑えてトップタイムを記録した。
午前10時40分、決勝出場をかけた1時間のセッションが開始された。
ここで各クラス最上位タイムの115%以内、かつ、上位3車種の平均タイムの125%以内に入ることが決勝出場の条件となる。
開始早々にトップタイムを記録したのは無限クラージュの伊藤大輔。無限は今回、
レギュラードライバーの中野信治と黒澤治樹がルマン24時間の合同テストに参加しているため、昨年ドライブしていた荒聖治と、
初参戦の伊藤大輔がステアリングを握る。
伊藤はアタックを開始して2周で、昨日の公式練習のベストを1秒以上上回る1分31秒816を出してきた。
開幕戦優勝の#22ダンロップザイテック05Sは野田英樹が1分32秒819と、クラージュに1秒のビハインド。
菅生の決勝では速さを見せつけたザイテックだが、ここ富士では昨日今日とクラージュに水をあけられた格好だ。
LMP2クラスはGC-21を持ち込んだ#18エイムスポーツ(富澤勝/麻生裕二/黒澤翼組)が1分41秒199でトップ。
LMGT1は#21ダンロップフェラーリ550GTSが1分42秒369を出したが、
これをGT2の#27フェラーリF430が42秒364と僅かに上回った。
なお、今回LMGT1にエントリーしている#4ZIPSPEEDコルベットはこのセッションに出走していない。
昨日の公式練習でも1周したのみでタイム計測されておらず、明日の決勝への出走が危ぶまれる。
第2戦のグリッド予選は今日午後2時40分より、20分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA

小暮卓史(優勝)
スタートは決まってポジションキープで1コーナーに入っていけました。
フリー走行も軽い状態でそこそこいけると感じてましたし、1ストップだとインパル勢を抜くのに苦労するだろうと思ったので、
最初から2ストップのつもりでした。1スティント目さえうまくいって前に出られれば、あとはなんとかなると思っていましたが、
そのとおりになりましたね。
ピットストップに不安はありませんでした。みんなプロフェッショナルですから。
アンドレ・ロッテラー(2位)
今日の結果はハッピーです。表彰台に立て たし、スタッフも喜んでると思います。
今シーズンを振り返ると、富士ではクラッチが壊れ、鈴鹿では予選でクラッシュして最後尾スタートになって、と結果が出せませんでしたが、
クルマ自体はいいパッケージに仕上がってますので、これからも期待できると思います。
終盤マツダに追いつかれたことからも、今後の課題は、2スティント目を早くすることですね
松田次生(3位)
今回はスタートは悪くなかったんですが、そのあとのペースが上がりませんでした。最後の1周でマッピングを以前のものに戻したら、
すぐにペースがあげられたので、判断ミスもあったと思います。
燃費もきつかったし、レースセットもできていませんでした。
去年とは正反対のクルマですね。
中嶋悟(優勝チーム監督)
理想はこの形(2ストップ)というのは以前から判っていました。今まではなかなかうまくいかなかったのですが、
今回小暮がそれを実現してくれたということです。
一番短い時間でレース距離を走りきるにはどうすればいいかを考え、追い求めた結果がようやく出ました。
ピット作業の1回目は予定より2秒早く給油リグを引き抜いてしまったのですが、
2回目を早めに入ればいいだけのことなので大きな影響はありませんでした。2回目は無線が聞き取りにくくて、
小暮とのコミュニケーションに時間がかかっただけです。
今回はドライバーがしっかりといい仕事をこなしてくれた結果、ということですね。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO