2007スーパーGT第7戦、もてぎ300kmレースは、
#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が待ちに待った今季初勝利を見事なポール・トゥ・フィニッシュで達成した。
GT300クラスは、スタートでトップに立った#26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)が、
こちらも後続に全く付け入る隙を与えない完璧な内容で逃げ切り、今季初勝利を挙げることとなった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:38,000人)
第7戦決勝は午後2時にフォーメーション開始。
燃料系のトラブルからピットスタートとなった#4EBBRO350Rを除く40台が隊列を組んでグリッドを離れていく。
スタートでは予選3番手から一気に上位を狙いにいった#32エプソンNSXのロイック・デュバルが2コーナーでスピンアウト。
逆にクラス最後尾に後退することになってしまった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターのTAKATA童夢NSX。スタートドライバーの小暮は毎ラップファステストを更新する快走で、
2位#38ZENTセルモSCとのギャップを着実に広げていく。
万事順調に見えた18号車だったが、実はこのとき小暮はギヤの不具合を抱えながらの走行を強いられていたのだった。
上位2台が後続を引き離して神経戦を繰り広げる一方で、3位以下はまさに混戦状態となった。
スタートでジャンプアップを果たした#22モチュールオーテックZが3位、4位には#25エクリプスアドバンSC、
それを#3イエローハットZのセバスチャン・フィリップが激しく攻めたてる。その後方では#23ザナヴィZを先頭に、
#6フォーラムエンジSC、#8ARTA NSX、#35バンダイ00SC、#100レイブリックNSX、
#12カルソニックZらが集団で連なり、抜きつ抜かれつを繰り返しながら周回を重ねていく。
スタートで一旦はクラス最後尾に落ちていた#32エプソンNSXも着実に順位を回復して、この集団の背後に迫ってきた。
ところが10周目。5コーナーで周回遅れの#666楽天BOMEX 320Rがスピンしたところに運悪くこの集団がやってきてしまい、
これを避けようとした#100ドミニク・シュワガーと#12星野一樹が激しく接触、ここでレースを終えることとなってしまった。
カルソニックZはこのクラッシュで燃料漏れを起こしており、排除作業中に出火する不運にも見舞われた。
更に43周目には、ポイントリーダーの#8ARTA
NSXとランキング2位の#23ザナヴィZが5コーナーからS字まで一歩も譲らぬサイド・バイ・サイドのバトルを展開した挙句に接触。
2台は大きく順位を落とした上、#23本山哲にはドライビングスルーのペナルティが課せられてしまう。
それでも1ポイントでも獲得しておきたい#8伊藤大輔と#23本山は、ファステストラップ獲得を狙ってレース終盤にタイヤ交換を敢行するが、
この試みは不発に終わった。
こうした後続の混乱を尻目に#18小暮は#38高木虎之介との差を9秒以上に広げて30周終わりでピットイン。
道上にステアリングを託す。
2位のZENTセルモSCも同じ周でピットイン。立川祐路に交代して巻き返しを図る。
しかし#18道上と#38立川とのギャップは中々縮まっていかない。
そうしているうちに、#38立川は59周目のバックストレッチで右リヤタイヤをバーストさせてしまい、戦列を去ることになってしまった。
これで敵のいなくなった18号車はギヤをいたわりながらも2位に繰り上がった#22モチュールZとの差を20秒弱に保って63周を走りきり、
ポール5度目にして待望の優勝を達成。
ポール、ファステストラップと併せて24ポイントを計上してシリーズランキングでも一気に2位に浮上した。
3位には、中団の混戦を制した#6フォーラムエンジSC430が入った。
GT300クラスは、
ストレートスピードの伸びを利してスタートを制した#26ユンケルパワーポルシェがそのまま後続に全く付け入る隙を与えずに逃げ切り、
今季初勝利。チームタイサンにとっては、カーナンバーと同じ通算26勝目だ。
2位には#62ウィルコムアドバンヴィーマックがつけ、ポールシッターの#43ARTAガライヤは3位でレースを終えた。
今週末不運続きのポイントリーダー、#101トイストーリーMR-Sにはまたしても不運が襲った。大嶋和也の果敢なドライブで、
一時は最後尾グリッドからクラス12位まで順位を上げていたが、
26周目の90度コーナーで#33ハンコックポルシェに追突されてコースアウト。
なんとか再スタートは切ったものの、今度は43周目に左リヤタイヤがバーストと、散々な結果となってしまった。
その一方で、ランキング2位の#2プリヴェKENZOアセット紫電は、手堅いドライブで着実に順位を稼ぎ、クラス6位でこのレースを終え、
見事5ポイントを獲得してランキングトップに躍り出た。
いよいよ終盤戦に入り、チャンピオン争いはますます混沌としてきたスーパーGTシリーズ。
次回第8戦はオートポリス。10月14日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第7戦もてぎの決勝前フリー走行は#32エプソンNSX(ロイック・デュバル/ファビオ・
カルボーン組)がトップタイム。GT300は#26ユンケルタイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)がトップだった。
観客を乗せたバスがコース上を走行する脇をGTマシンが駆け抜けるという、迫力のサーキットサファリを10分間行った後、
そのまま9時45分よりフリー走行が開始された。
今季5度目のポールを獲得した#18TAKATA童夢NSXが開始10分で1分47秒225でトップに立ち、
決勝に向けての仕上がりのよさを見せ付ける。
しかし残り10分を切ったところでダンロップタイヤを履くエプソンNSXを駆るロイックデュバルは1分47秒083と、
18号車をコンマ2秒上回ってトップを奪った。
3番手には#38ZENTセルモSCがつけている。
Z勢の最上位は#22モチュールオーテックの5位。すぐ後ろには#12カルソニックも続いている。
GT500クラスはトップから8位の#100レイブリックNSXまでが1秒以内にひしめく状態で、
決勝での接戦が大いに期待できそうだ。
GT300クラスは、昨日の予選でも好タイムを連発していた#26ユンケルポルシェが開始10分足らずでトップにたった。
持ち前のストレートスピードの速さを決勝で発揮できれば、今季初勝利も期待できるか。
2番手には#5マッハ号320Rの竹内が健闘。ポールシッターの#43ガライヤは3番手につけて、
こちらは5番手の#13エンドレスZまでが1秒以内だ。
一方、
昨日ホイールベースの違反で予選タイム抹消の憂き目に遭った#101トイストーリーMR-Sはこのセッションでもスタータートラブルに見舞われる不運で、
1周もできずにフリー走行を終えることに。ポイントリーダーの座が危うくなってきた。
なお、1点差で101号車を追う#2紫電はこのセッションを15位で終えている。
注目の第7戦決勝は午後2時より、63周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

GT500クラス TAKATA童夢NSX
小暮 卓史
初めての試みとなるノックダウン予選ですが、タイヤは1セットしか使えないということで、どうやって走ろうかと悩んでたんです。それで、
エンジニアや監督、道上さんとも相談したなかで、うまくやることができました。
セッション1、2は8,9割方の力で走って、滑らせないようにしたら意外にいいタイムが出ました。3度目は100パーセントでプッシュして、
またポールを取れたって感じです。
バックストレートに入って「ポールだ」って無線で聞きました。そのあとはもうリヤの内圧が上がってズルズルでしたし、
ブレーキングでも振られちゃってたので、いずれにせよあれ以上のタイムは無理でした。
決勝では、最近いいレースができていないのでここらで流れを変えたいです。堅実なレースをして、できれば1位を狙っていきたいです。
道上 龍
これまで何度もポールを獲っているのに勝ちにつながっていませんでした。前回の鈴鹿1000キロでは大クラッシュでクルマも大破しましたが、
ホンダレーシングと童夢が頑張ってクルマを直してくれました。
台風で金曜は午前中走れなかったし、新しいノックダウン方式という予選をやるということで、殆ど小暮が練習していたんですが、
そんな中でもクルマはいい感触だったし、タイムもよかったので『ポール取れるかな?』と思いました。
予選1回目ではレースセットで、ガソリンもそこそこ積んで走ったんですが、まぁまぁ悪くない。ただ、気温の関係でどうしてもリヤが厳しい。
ここは特にブレーキングが重要ですから、そうしたリヤの不安定な部分をなんとか明日に向けて改善したいです。
明日は38との戦いになると思います。
GT300 ARTA Garaiya
高木 真一
初めてのノックダウン予選ということで、タイヤも1セットしか使えないので、最初はなるべくタイヤを使わないよう、
アウトラップから暖めずに、熱を入れない状態でまとめる、という難しさがありました。
最後のセッションはタイヤがなくなるまで思い切り走りました。今回は硬めのタイヤをチョイスしたので、だめかな?と思ってたんですが、
逆にこの方がタイヤのタレがなかったので。
今年はぶつけられたり、運がついてないので、明日の決勝ではそういうことのないよう、たとえ抜かれても堅実に走って表彰台を目指します。
新田 守男
真一はいろいろ言ってましたけど、今日の朝の時点でタイヤは決めていました。路温が高い状態になればポールは獲れるだろう、と思ってました。
で実際に真一は他の車に引っかかったりせず綺麗な走りをしてくれたので、ポールをとることができました。
この予選方式は、スーパーラップに比べれば集中力落とし目でいけていいんでしょうけど、見てるほうは今ひとつ興奮しないなぁと思いました。
明日は周りを気にせず、自分たちの走りに徹して3番以内を狙います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
初のノックダウン方式で行われた2007スーパーGT第7戦もてぎの公式予選2回目は、
#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が今季5度目のポールポジションを獲得する結果となった。
GT300クラスは#43ARTA Garaiya(新田守男/高木真一組)が今季初のポールを獲得した。
午後2時40分、いよいよ注目のノックダウン方式による公式予選2回目が開始された。
これは予選セッションを各クラス3つづつにわけ、それぞれのセッションで下位のチームを順番にふるいにかけていくという、
F1でもおなじみの方式だ。
更にGTではこの3セッションを1セットのタイヤで走行しなければならず、
いかにタイヤを温存しながらタイムを出していくかという難題が突きつけられることとなった。
15分間で行われるセッション1では、GT500は上位12台、GT300は上位20台がセッション2へ進むことができ、
それ以下はここでグリッドが確定する。
GT300クラスでは、車検不通過の#101トイストーリーMR-Sの最後尾グリッドが確定、
黒澤翼が基準タイムに及ばなかった#67tripleaガイヤルドが24番手となる。
それでも101号車は大嶋和也の果敢なアタックで1分55秒783と、このセッションのベストタイムを叩き出し、
ポテンシャルの高さを見せ付けた。
101号車を除いてのトップタイムは#26ユンケルタイサンポルシェの谷口信輝。大嶋には及ばないながらも56秒225を叩き出した。
2位には#13エンドレスZの影山正美。
3位には#62ウィルコムヴィーマックの黒澤治樹がつけ、最終的に上記2台のほか#9レイジュンダンロップMT900、
#66tripleaガイヤルド、#71外国屋ポルシェらがここで脱落した。
続いて始まったGT500では、残り時間8分あたりから続々とコースインする車が現れ、
トップから最後尾までめまぐるしいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
こうした中、なんと昨年、一昨年ともてぎラウンドを連覇している#100レイブリックNSXのドミニク・
シュワガーが13位に終わる大波乱があり、このレイブリックとともに#17リアルの金石年弘が14位と、
本来もてぎを得意とするはずのNSXが2台もセッション1で姿を消すこととなった。
このほか、#39デンソーサードSCが15位、#24ウッドワンZが16位と、この4台のグリッドが確定した。
トップタイムは1分45秒219を叩き出した#18TAKATA童夢の小暮。2番手には#38ZENTセルモSCの立川祐路がつけ、
#25エクリプスアドバンSCの土屋武士が3番手だった。
7分間のインターバルをおいて開始されたセッション2では、各クラス10分間の走行でGT500は12台中8台、
GT300が20台中10台がセッション3へ進むこととなる。特にGT300にとっては厳しいセッションだ。
GT300クラスは、セッション1でトップの26号車を駆る谷口がいきなり56秒524を叩き出してトップ。
しかしすぐに62号車の黒澤、#46宝山Zの佐々木孝太らが谷口のタイムを上回り、26号車は結局6位でセッション2を終えることとなった。
一方、ここでは10台が脱落するとあってボーダーライン上はめまぐるしく顔ぶれが変わり、そのタイムさも非常に接近した厳しい戦いとなった。
その結果、セッション1で2位につけた13号車の影山が僅か1000分の1秒の差で#4EBBRO 350Rの田中哲也に破れ、
11位に終わることとなった。他に#19ウェッズセリカ、#77クスコインプレッサ、#47宝山Z、#55フォードGT、
#112クムホボクスター、#33ハンコックポルシェ、#333ウエマツ320R、#11ジムセンターF360、
#666楽天320Rらがここで脱落した。
GT500クラスは、GT300の走行が終了するのを待って残り7分でコースイン。
ここでは38号車の立川がトップ、#22モチュールオーテックZのミハエル・クルムが2位につけ、18号車の小暮は3位。
一方、#6フォーラムエンジSC、#35バンダイSC、#23ザナヴィZ、の3台のほか、
前回鈴鹿1000kmで優勝した#1宝山SCまでもがここで姿を消すこととなった。
再び7分間のインターバルの後、いよいよポールポジションを決めるセッション3が開始された。
こちらも与えられた時間は各クラス10分間。
既に2度の全開アタックを経たタイヤがどこまで性能を維持しているかが勝負のカギを握る。
GT300は、26号車の谷口が最初のアタックでいきなり55秒732と、
これまでの自身のタイムを大きく上回る好タイムを叩き出してきた。62号車の黒澤、5号車の竹内も自己ベストを更新して上位進出を目論むが、
谷口のタイムには及ばない。
谷口はセッション終了を待たずして悠々ピットへ。これでポールは26号車に決まりかと思われたが、最後の最後、
チェッカーラップで#43ガライヤを駆る高木真一が1分55秒696を叩き出し、一気にポールポジションの座をものにした。
続いて行われたGT500クラスでは、残り3分で1分45秒720を叩き出した18号車小暮が一気にトップを奪うと、
38号車立川もセクター1、2と区間ベストを更新して猛然とアタック。しかし一歩及ばず45秒987で2位に留まった。
3番手には#32エプソンNSXのロイック・デュバルがつけ、ポイントリーダーの#8ARTA
NSXは6番グリッドから明日の決勝に臨むこととなった。
18号車のポール獲得は今季5回目。アタックを担当した小暮にとっては、今季4度目となる。
第7戦決勝は明日午後2時より、63周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第7戦の公式予選は、GT初採用となるノックダウン方式で開催されることとなった。
このため午前中の予選では基準タイムクリアが目標となり、GT500クラスは全車が基準クリアしたが、
GT300クラスは#67tripleaガイヤルドの黒澤翼が基準タイムをクリアできなかったほか、
なんと目下ランキングトップの#101トイストーリーレーシングMR-S(大嶋和也/石浦宏明組)が車検落ちとなり、
午後のセッション1で再度基準クリアを目指すこととなってしまった。
各クラスのトップタイムは、GT500クラスが1分45秒601を出した#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)、
GT300クラスは1分55秒540を出した#26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)だった。

予選1回目は午前10時25分より、GT300専有走行、GT500専有走行、2クラス混走各20分間で行われた。
ここまでは従来と同じだが、今回はここでの結果がグリッドに反映されることはなく、またスーパーラップ進出をかけた争いもない。
今回採用されたノックダウン方式の予選では、午後の予選をF1で実施されているように3つのセッションに分け、
セッションごとに下位の車両をふるいにかけて全てのグリッドを決めていく。
これに参加する条件として、午前中の予選で参加する両ドライバーともが予選基準タイムをクリアすることが求められる。
もしここで一人または両方のドライバーが基準タイムをクリアできなかった場合、即予選落ちとはならないが、
午後のセッション1で基準タイムをクリアすることが求められ、かつセッション2以降の予選に進むことができなくなるのだ。
更には、午後の3セッション全てを1セットのタイヤで走行しなければならないため、
午前中にはクルマのセッティング以外にタイヤの磨耗の進み具合も把握しておかなければならない。
この二つのテーマを消化するため、今回は両クラスとも様子見でガレージに留まるチームはなく、
コースオープンと同時に各車一斉にコースに飛び出していくこととなった。
ところがGT300クラスでは、開始5分で#9モスラーがS字でストップしてしまい、赤旗が出されることに。
5分のインターバルの後に予選は再開されたが、これで9号車は専有走行を続けることができなくなった。
この時点で田中勝喜は基準タイムをクリアできていたが、筒井克彦は走行のチャンスすらなく、
9号車は混走セッションで基準タイムクリアを目指すことに。
また、101号車は予選後に行われた車検でJAF国内競技車両規則 第7章JAF-GT規定3.2.2違反と判断され、
予選タイムが無効となってしまった。
ホイールベースが規定より長かった、ということのようだ。
ここまでポイントリーダーながら、鈴鹿1000kmで優勝した#2紫電が1ポイント差に迫っており、
シーズンを考えても厳しい状況になってきた。
一方、GT500は全車が基準タイムをクリア。
専有走行前半で小暮の出した1分45秒601がベストとなったが、各チームともタイム更新よりも精力的に周回を重ね、
午後への調整に専念している様子だった。
カルソニックインパルではタイヤを氷水で冷やす試みを行っている。
これはかつてF2やGCで予選専用タイヤを使用していた時代にはよく見られた光景だ。ただし今回は、
ピットレーン上でタイヤに水をかける行為に関しては、公式通知で明確に禁止しており、
インパルではガレージ内にタイヤを持ち込んで水に浸していた。
注目のノックダウン予選は今日午後2時40分より行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
ST1クラス優勝
青木孝行(#3エンドレスアドバンZ)
「右タイヤを交換していないこともあって、
ホントギリギリのレースでした。1つ1つのコーナーで気を抜けず、最後まで走りきれた。久しぶりに良いレースでした。
負けたとしても悔いはなかったです。正美さんをはじめ、みんなが良い条件を作ってくれたから結果につながったと思います」
Text:Keiichiro TAKESHITA
2007スーパー耐久シリーズ第5戦、岡山500kmレースは、
#3エンドレスアドバンZ(影山正美/青木孝行/藤井誠暢組)が#50ペトロナスシンチウムBMW
Z4Mクーペとの熾烈なトップ争いを制し、今季4勝目を挙げた。
ST2クラスは#11オーリンズランサーEVO・MR(木下隆之/中谷明彦組)が開幕以来土付かずの5連勝。
ランキング2位の#13エクセディシーケンシャルエンドレスCSがリタイヤに終わったため、終盤2戦を残して早くもシリーズタイトルを決定した。
またST3クラスは#27FINA GSX ADVAN(長島正興/村田信博/小林且雄組)、
ST4クラスは#73コミックバスターPSY.ERG.ED.DC5(山本すばる/小林崇志組)がそれぞれクラス優勝という結果となった。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:12,900人)
決勝レースは午後1時20分にフォーメーション開始。
気温は32℃、路面温度は39℃と、相変わらずの暑さ。しかし心配された雨は遂に降ってこなかった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#3エンドレスZ。予選2番手の#50BMW Z4Mが2番手で続く。
ところがオープニングラップのアトウッドコーナーでST3クラス5台が関係する多重クラッシュが発生したため、
いきなり2周目からセーフティーカーが導入されることとなった。
セーフティーカーが引き揚げ、レースが再開されたのは5周目から。
ここで一気に後続を突き放したいエンドレスZの影山だったが、Z4Mクーペのスタートを任された柳田真孝の猛烈な追い上げにより、
逆に13周目のバックストレートでトップを明け渡すことになってしまった。
トップに立った柳田はその後も着実にリードを広げていき、2位影山に15秒以上の差をつけて50周終わりでピットイン。フェリーク・
ハイムランにステアリングを託す。
一方の影山は55周終わりでピットイン。青木に交代して50号車の27秒737後方でコースイン。
ここから青木の猛烈な追い上げが始まった。
周回遅れの処理に手間取り、なかなかペースを上げられないハイムランとの差は、徐々に縮まっていき、75周目で20秒を切り、
85周目には10秒を切って、94周目には遂に1秒を切ってZ4MクーペとエンドレスZがテール・トゥ・ノーズの状態になった。
すかさず青木は95周目のダブルヘアピンで仕掛けていき、巧みなライン取りでハイムランのインをこじ開けてトップを奪い返した。
抜かれた50号車は次の周回でピットイン。再び柳田がステアリングを握り、青木の直前、ほぼ1周遅れの状態でコースに復帰した。
柳田は98周目から1分39秒台のラップタイムを連発、101周目には38秒320と、
この日のファステストラップと遜色ないタイムをレース終盤になって叩き出す。
エンドレスZは103周終わりで2度目のピットイン。そのまま青木のドライブで柳田の23秒552前方でコースへ。
しかしこの差は104周目には16秒943、114周目には10秒932と着実に縮まっていく。
このままいけば柳田が最終ラップまでにトップを捉えることも不可能ではないと思われたが、
青木は周回遅れの処理を巧みに利用して柳田に付け入る隙を与えず、最後は実に0秒941差で柳田の追撃を退けた。
ST2クラスは、#11オーリンズランサーの中谷明彦が序盤トップを走る#2フジツボインプレッサの松田晃司を激しく追い上げ、
31周目のダブルヘアピンでこれを抜き去ると、その後は後続に全く付け入る隙を与えずにフィニッシュラインまで逃げ切り、
開幕以来の5連勝を達成した。
さらにポイントランキング2位の13号車が41周目にコースアウト、リタイヤに終わったため、
今季2戦を残して早々と2007シーズンのタイトルをも手にすることとなった。
今回最も荒れたのが、ST3クラスだろう。
オープニングラップでは、
一気にジャンプアップを狙った#113カルラレーシングZの大井貴之がアトウッドカーブで大胆にインに飛び込んだことが引き金となり、
同クラスの車両4台を巻き込む多重クラッシュが発生してしまった。
ここで早くもポイントリーダーの113号車のほか、#15岡部自動車、#19バーディクラブ、
#333H.I.SといずれもZばかりが戦列を去ることとなった。
#74アラビアンオアシスもこのクラッシュに巻き込まれ、車体を大きく破損したが、こちらはどうにかピットにたどり着き、
修復の後15周遅れでレースに復帰した。
この混乱の最中、ST3のトップに立ったのは#14協新マイロードRX-7だったが、
5周目のレース再開で#7アメニティホームRX-7にトップを奪われると、その後もじりじり順位を落とし、
26周終わりでガレージに戻ってレースを終えることに。
代わってトップに立った7号車も、60周目に#27BMW M3にトップを明け渡すと、レース終盤には#41SABOTAGE
Zとの激しい2位争いの末に接触、バンパーと左フロントフェンダーを破損してオレンジボールを出され、大きく後退することに。
これにより27号車が最後までトップで逃げ切ることとなり、
ポイントランキングでもノーポイントに終わった#113カルラレーシングZを抜いてトップに立った。
ST4クラスは、#73、#4、#34のインテグラ3台による激しい2位争いを尻目に悠々とトップを快走していた#51AGY・
RIVETに57周終わりのピットストップでまさかのトラブルが発生、51号車はクラス6位に後退、その後も順位を上げられずに終わった。
51号車が後退してからも、#4、#34、#73の3台による激しいバトルは続いていたが、
結局は最初のSCランで1度目のピットストップを消化した73号車の作戦が奏功し、今季2勝目を挙げることとなった。
次回はスポーツランドSUGO。10月28日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパー耐久シリーズ2007第5戦、岡山500kmレースの決勝前フリー走行は、
#23CAR-CHANNELアドバンZ33(田中哲也/星野一樹/山田英二組)が1分37秒926でトップタイムだった。
フリー走行は午前8時5分より30分間で行われた。
前夜に降った雨は上がり路面はドライコンディション。朝方厚い雲に覆われていた岡山国際サーキットにも、
フリー走行が終わる頃には強い陽射しが降り注ぐようになった。
今日も蒸し暑い一日になりそうだ。
昨日の予選で3番手につけた23号車はフリー走行でも好調。
山田英二がセッション前半で早くも38秒台前半をマークすると、終了間際には星野一樹が37秒台までタイムを縮めてみせた。
2番手につけたのは前回優勝の#8黒豆リボイスGT3。竹内浩典が38秒275をマークした。
その一方で、ポールシッターの#3エンドレスアドバンZはタイムが振るわず、1分42秒514がベストでクラス最下位。
総合順位でも16位に留まった。
ST2クラスはポイントリーダーの#11オーリンズランサーEVO・MRがここでも好調。
総合でも6位に食い込む1分40秒692を記録した。予選でST2トップの#2プローバフジツボインプレッサが僅差で続く。
ST3トップは#27FINA GSXアドバンM3、ST4は黒木親子の駆る#51AGY・RIVET・
DC5が予選に続いてクラストップでフリー走行を終えた。
第5戦決勝は今日午後1時20分より、135周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
青木孝行(#3エンドレスアドバンZ)
「ちょっと前回は負けましたけど、ダンパーとブレーキがエンドレスになってかわってきた。
今回は路面がタイヤ選択のセオリーどおりに行かないというか、昨日はハード目のタイヤが良かったので、
まあソフトも悩んだんですが僕はハード目のタイヤを選んだんですが、間違ってミディアムハードになってて、
まあそれが良い方に転んだという感じです。クルマはバランスもいいし、
予選のタイヤにしても好きなのを選んでいいよと正美さんが言ってくれてるのでやりやすいです。決勝は#50も速いと思いますが、
予選の3ポイントが取れてよかったですね。#50とか#23、#8や#1もそんなに差はないと思うので面白いレースになると思います。
もちろん勝ちたいです」
Text:Keiichiro TAKESHITA
スーパー耐久シリーズ2007第5戦、岡山500kmレースの公式予選は、#3エンドレスアドバンZ
(影山正美/青木孝行/藤井誠暢組)がポールポジション。青木が渾身の走りで1分35秒664を叩き出してBMW Z4クーペを上回った。
ST2クラスは#2プローバフジツボインプレッサ(吉田寿博/松田晃司/川口正敬組)、ST3クラスは#14開成商事エッグルウRX-7
(増田芳信/入口秀輝/吉富章組)、
ST4クラスは久々登場の黒木親子の駆る#51AGY・RIVET・DC5(井尻薫/黒木英春/黒木健次組)がそれぞれクラストップだった。
Aドライバーの公式予選は午後1時より、各クラス15分間で行われた。
気温は28℃、路面温度は41℃。連日の猛暑もひと段落、といったところか。
ST1クラスは、2台のZとポルシェ勢が開始早々から周回を重ねて徐々にタイムアップしていったのに対して、#50BMW
Z4の柳田はセッション後半にアタックを開始、走行終了ぎりぎりに1分36秒280を出してトップに立った。
2番手には#3エンドレスZの影山、3番手に#23C-WESTの田中と2台のZがつけ、
ポルシェ勢の最上位は前回優勝の#8黒豆リボイスの清水となった。
ST2クラストップは#13エクセディランサーの和田久。2番手#2フジツボインプレッサの吉田がつけ、
にランキングトップの#11オーリンズランサー木下はここでは振るわず3番手に終わった。
続いて行われたST3、ST4クラスのAドライバー予選は、#7アメニティホームRX-7の井入宏之がST3のトップ。
総合でも9位に食い込む大健闘だ。2番手には前回優勝の#113カルラレーシングZの大井がつけ、#333H.I.SZの前嶋が3番手。
ST4クラスは#51AGYインテグラの井尻がトップ。2位に#34オートバックスインテグラの北川がつけ、
ランキングトップの#76シビックの玉本はタイムが振るわず最下位に終わった。
ST3、ST4の走行終了から15分のインターバルをおいて、Bドライバーの公式予選が開始された。
柳田とは違い、開始早々から積極的にアタックを行ったフェリーク・
ハイムランは2周目のアタックで柳田のベストをも上回る1分36秒182をマーク。7分以上を残して悠々とピットに戻った。
しかしその直後、#3エンドレスZを駆る青木がこの日唯一の35秒台となる1分35秒664を叩き出した。
これにより、エンドレスはAドライバーのタイム差をも覆し、タイム合算でトップに立った。
これを見て再びコースに戻るハイムランだったが、ここでのアタックは37秒台に留まり、エンドレスZのポールポジションが確定した。
ST2クラスは#6関がトップ。2番手に#11中谷、3番手に#2松田がつけ、
Aドライバーがトップの#13HINOKIはクラス5位に終わったため、タイム合算では#2フジツボインプレッサがトップとなった。
続いて行われたST3、ST4のBドライバー予選では、#14入口、#15古谷とRX-7が1-2。
しかしAドライバートップの#7アメニティホームは赤鮫がクラス7番手に終わり、タイム合算のトップは#14開成商事RX-7となった。
ST4クラスはここでも#51黒木英春がトップタイムを叩き出してクラストップを確定させた。
第5戦決勝は明日午後1時20分より135周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

アンドレ・ロッテラー(優勝)
スタートはすごくよかった........けど、疲れちゃっててその後のことはよく憶えていないんですよ(笑)。とにかくタフなレースで、
本当に疲れました。
レース序盤は、クルマの調子がいいにもかかわらずロイックに抜かれて離されたので、『ああ、彼は違うストラテジーなんだな』と思いました。
後半カタオカとバトルになりましたが、なかなか抜けませんでした。
こっちは6速がなくなってきたし、カタオカとのバトルにも慣れていなかったのであまりリスクを背負いたくなくて、『これしかない』
というタイミングを待つことにしました。
最初は彼がラップリーダーだとわかっていなかったので、ストレートで寄せられたときはクレイジーだと思ったし、『何で青旗出さないんだ!』
って不満に思っていました。チームから無線で彼が本当にラップリーダーだと知らされてからも『嘘だろ?!』と思ったくらいです。
最後はハードにプッシュしましたが、ブノワも速くてなかなか振り切れませんでした。
今日勝てたことについては、チームに感謝しています。
正直今は自分がポイントランキングのどの辺にいるのかも把握していないので、これからどうすべきかも判りませんけど、
一つ一つのレースで勝つことを目標に走っていれば、そのうちチャンピオンシップも見えてくるのかなと思います。
ブノワ・トレルイエ(2位)
セーフティーカーランの最中も、自分の膝とタイヤが最後まで持つか心配していたので、今日はあまり無茶をしないようにしようと思っていて、
前に離された時も最初はなんとなく2ストップかなと思っていたんですが、途中で単に自分のペースが遅いだけだと気が付いて、
そこで目が覚めて、すごくハードにプッシュしました。
前でアンドレがなかなかカタオカを抜けないのが見えたので、これはチャンスかもしれないと、
この集団から絶対離されないようにしようと思いました。
アンドレがカタオカを抜くタイミングで自分もポジションを上げていこうと思いました。
今日は最後まで本当に大変なレースでした。
(ランキング2位に上がったことについて)自分としては嬉しいですけど、
チームはマツダにもポイントを獲って欲しかったんじゃないでしょうか。
ロイック・デュバル(3位)
スタートはすごくよかったんですけど、すぐ前でコグレがストールしていたので、もうちょっとでぶつかるところでした。
ファーストスティントのタイヤはすごくよかったので、いいペースで走れたんですが、
ピットストップの3周前あたりで遅いクルマに引っかかってペースが上げられませんでした。2スティント目はペースが上がらなかったんですが、
前のほうでアンドレがカタオカに引っかかってるのを見て、まだチャンスがあるなと思って、
ペースは自分のほうがアンドレより速いと思っていたのでとにかくついていきました。
アンドレがカタオカを抜くときに、ボクもブノワに抜かれてしまったのは残念でした。
でも、ここで無理をするよりも、今日は確実に結果を残すことを優先しました。
舘 信秀(優勝チーム監督)
実はセーフティーカーランの時は、アンドレもピットに入れようかと迷ったんですが、アンドレは予選もよかったし、他の上位陣の動きも考えて、
ここは王道でいこうと決めました。荒についてはやる価値があると思ったのでピットに入れました。結果的に両方ともうまくいきましたね。
F3でも勝てたので、本当によかったです。今日はカーナンバー36デーでしたね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
富士スピードウェイで開催された2007全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦決勝は、
スタートでアクシデントが発生してセーフティーカーが導入される波乱の幕開けとなった。
この乱戦を制したのは#36アンドレ・ロッテラー(DHGトムス)。
SCランの最中にピットストップを済ませたことでレース中盤トップに立った#7片岡龍也を8周にもわたるドッグファイトの末に競り落とし、
見事昨年11月の第9戦鈴鹿以来9ヶ月ぶりの優勝を達成することとなった。
第6戦決勝は午後2時30分にスタート。
ここで2番グリッドの#32小暮卓史がエンジンストール。#20ミハエル・クルムがこれをよけきれずに追突してしまい、
この2台が大破した状態でコース上に留まったため、2周終了時点でセーフティーカーが導入されることとなった。
この時点でのトップはポールシッターの本山哲。2番手にはロッテラーがつけ、小暮のチームメイトの#31ロイック・デュバルが3番手だ。
ロッテラーは松田次生がグリッド降格となったために小暮の真後ろからスタートせずに済み、難を逃れた格好だ。
セーフティーカーランの続く中、3周終わりで片岡がピットイン。4周終わりで#37荒聖治、
5周終わりで#6吉本大樹もピット作業をここで済ませた。
このことがレース後半大きな意味を持つことになる。
セーフティーカーは6周終わりでピットロードへ。7周目からレース再開となった。
すかさず1コーナーでアウトからトップの本山に挑みかかるロッテラー。がっちりインを閉める本山。
しかし立ち上がりで本山がアウトに膨らんでしまい、ロッテラーがトップに立つ。
本山はペースが上がらず、8周目にはデュバル、10周目にはトレルイエ、12周目には立川と次々にパスされていく。
本山は19周終わりで早めのピットストップを済ませ、挽回を図るが、トラブルを抱えている様子で再びじりじりと順位を落としていき、
44周で自らガレージに戻ってレースを終えた。
そのころ上位陣では、デュバルがハイペースでロッテラーを追い上げ、13周目の1コーナーでインをついてトップに浮上する。
デュバルは、そのまま一気に突き放しにかかり、15秒以上ものリードを築き上げて33周終わりでピットインに飛び込んだ。
作業時間は35秒。かなり軽めの燃料搭載量でスタートしていたようだ。
これでトップは再びロッテラーに。
ロッテラーは36周終わりでピットへ。こちらの作業時間は13.9秒だ。
ロッテラーは難なくデュバルの前でコースに復帰した。
こうしてレース中盤に上位陣が次々にルーティンストップを済ませる度に、じりじりと順位を上げていくドライバーが二人いた。
SCランの最中にピットストップを済ませた片岡と荒だ。
片岡は41周目には2位に。そして46周終わりで最後までコースに留まっていた#33ロニー・
クインタレッリがピットに飛び込んだところで遂にトップに立った。
後ろからはロッテラーが猛然と追い上げてきている。
ロッテラーは44周目の最終コーナーで遂に片岡のスリップにつくと、一気にホームストレートで並びかけにかかる。
しかし片岡はこれをけん制。1コーナーでのブレーキング競争では懸命にロッテラーを押さえ込む。
片岡が同一周回だと気づかないロッテラーは困惑し、こぶしを振り上げてアピールする。
無線でチームから彼がラップリーダーであることを知らされても、俄かには信じられない。
それでも果敢に1コーナーで片岡に挑んでいくロッテラー。
既に40周以上を走って消耗しきったタイヤに苦しみながらも、それを必死で押さえ込む片岡。
両者のバトルは延々9周に及んだ。
走しているうちに後方からデュバルとトレルイエも接近し、48周が過ぎる頃には、4台の団子状態でのトップ争いとなっていく。
50周目の1コーナーでタイヤスモークを上げながら強引にアウトから被せにかかるロッテラー。
がっちりインを固めて譲らない片岡。
一旦は前に出たロッテラーは立ち上がりでアウトに膨らみ、再び片岡の先行を許す。
この周のダンロップコーナーでは、トレルイエがデュバルを進入で抜き去り、3位に浮上した。
ここからロッテラーは1位片岡、3位トレルイエの二人を相手にしなければならなくなった。
しかし片岡のタイヤはもう限界。この気に乗じてリードを築くこともままならない。
次第にロッテラーは、1コーナーだけでなくありとあらゆるポイントで片岡に仕掛けていくようになった。
そして53周目の1コーナー。
インに並びかけたロッテラーの隣で踏ん張っていた片岡が、立ち上がりでタイヤをダートに落として失速。遂にここで均衡が破れることとなった。
すぐさま2位に落ちた片岡に挑みかかるトレルイエ。ダンロップ進入でオーバーランした片岡を、トレルイエが、デュバルが、
荒が抜き去っていく。
とうとう力尽きた片岡は、次第に順位を落としていき、58周目のコカコーラコーナーで立川を押さえ込もうとしてスピン。
ここでレースを終えることとなった。
トップを奪い返したロッテラーは、トレルイエの追撃を跳ね除けながら残り12周を走りきり、長く激しい戦いを勝利で終えた。
この勝利はロッテラーにとって今季初。昨年11月の第9戦鈴鹿以来の勝利だ。
一方、ポイントリーダーの松田は序盤こそ着実に順位を上げていたものの、
途中インダクションポッドに雀が飛び込む予想外のアクシデントで失速、ノーポイントに終わった。
これにより、2位でフィニッシュしたトレルイエはシリーズポイント2位に浮上するとともに、松田に2ポイント差に迫ることとなった。
次回はスポーツランドSUGO。9月16日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

大嶋 和也(優勝)
昨日に比べてかなり気温が高かったので、大きくセッティングを変更しました。
スタートは悪くなかったんですけど、塚越に前に行かれてしまいました。でもオープニングラップでチャンスを見つけて前に出ました。
早いうちに抜いておかないと抜くのが難しくなりますからね。
(ランキングトップになったことについて)嬉しいことは嬉しいですけど、まだ5戦残ってますし、
僕はこれまでにも3戦レースを落としていますから気は抜けません。とにかく次の仙台は気合を入れて臨みます。
塚越 広大(2位)
気温が高くなったのでセッティングを変更して、ウォームアップでチェックしたんですが、そのセットがよくて思ったとおりに走れました。
スタートはここまでで一番の出来で、前をかわすことができました。ですが、ダンロップでミスしてしまって、
そのせいでストレートが伸びなくて相手にチャンスを与えてしまったのかなと思います。でも全般的にはいいレースでした。
後半は追いつきこそしませんでしたが同じくらいのペースで走れましたし、昨日よりはよくなってきていると思います。
それでも終わってみればあれだけの大差をつけられましたし、やはり勝たないうちは課題が残っていると思います。
オリバー・ジャービス(3位)
スタートは良くも悪くもないできでした。前の二人には追いつけませんでしたが、ミスなく走りきれましたので、
自分としてはいいレースだったと思います。
(仙台に向けて)初めて走るコースですが、台風などでテストがキャンセルにでもならない限りチャンスはあると思います。
これからはとにかく勝たないとチャンピオンの権利はないと思うので、勝てるよう頑張ります。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本F3選手権第15戦決勝は、
ポールシッターの#36大嶋和也(TDPトムス)が第14戦と同様に磐石の走りで後続を圧倒して連勝。
今季5勝目を挙げて見事ポイントランキングトップに浮上した。
第15戦決勝は12時55分スタート。
ポールの大嶋と同タイムながら惜しくも2番手スタートとなった塚越広大が見事ホールショットを決めてトップに立った。
しかし抜かれた大嶋はオープニングラップを終えて戻ってきた塚越の背後にぴったりと張り付き、
1コーナー手前でインからトップの座を奪い返すと、そのまま一気に後続を突き放しにかかった。
懸命に大嶋を追う塚越だったが、両者の差は周回を重ねるごとに開いていく。
結局大嶋は2位に6.615秒差をつけて今季5勝目を挙げ、今週末の富士ラウンドを連覇。オートポリスでの第13戦からの3連勝を達成した。
ポイントランキングでも、ポール、優勝、ファステストラップのフルポイントを2戦連続で獲得し、
今週末だけで44ポイントを荒稼ぎしてトップに浮上した。
昨日に続いて2位に終わった塚越は、一時はオリバー・ジャービスに背後を脅かされる場面もあったが、
レース中盤からペースを挙げてこれを退けた。
遂にポイントランキングトップの座を大嶋に明け渡したストレイトは、後方スタートながら着実に順位を稼ぎ、
最後は4位に浮上してレースを終えた。
次回は仙台ハイランドの3連戦。10月6、7日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦決勝を目前に控えた26日午前、予選3番手だった#2松田次生(モバイルキャスト・
チームインパル)に対して、なんと10グリッド降格の裁定が下されることとなった。
10時45分に出された公式通知によると、
今朝のフリー走行において2007フォーミュラニッポン統一規則第13条2および3の違反があったためという。
第13条はタイヤの規定であり、2項は使用可能な本数、3項はマーキングについての記述であることから、
どうやら松田はマーキングのされていないタイヤでフリー走行を走ったものと思われる。
これにより、松田は13番グリッドから決勝をスタートすることとなった。
第6戦決勝は午後2時30分スタート。ピットストップありの65周だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

日本レースプロモーション(JRP)は8月26日、
フォーミュラニッポン第6戦の開催されている富士スピードウェイで2009年~2011年の中期計画報告会を実施した。
今後の基本方針として、オーバルや市街地での開催や、環境に配慮したエンジンの研究に取り組むほか、
オーストラリアや中国など海外での開催も視野に入れることが明らかとなった。
同時に、この会見では2009シーズンから使用する車両の概要も併せて発表された。

これによると、シャシーはスウィフト製のワンメイク。
数社から提案のあった中で、日本独自のカテゴリーとして、先見性や斬新さを重視して選定した結果、同社の採用が決まった。
会見で公開された画像からも、フロントウィングやサイドポンツーンの形状など、これまでにない斬新なデザインがなされていることがわかる。
しかし見た目も斬新さだけでなく、車体下面で発生するダウンフォース量も増大するという。
現状では240km/h走行時で750kgを発生しているが、スウィフトの新シャシーは1トンを発生させる。
これにより、前後ウィングでの発生分を減らすことが可能となり、後方への乱流の影響を減少させ、オーバーテイクのしやすい車両が実現する。
エンジンは既報のとおりGT500車両と同一の3.4リッターV8の自然吸気エンジンとなる。
ただしこちらはリストリクターでなく、従来どおり10300回転でレブリミッターが作動する仕様となる。
設計上想定される最高出力は600馬力以上。これはGP2に代表される、昨今のF1の一つ下のカテゴリーにおける世界標準ともいえる数字だ。
その他、パドルシフトやカーボンディスクブレーキの採用など、多くの変更点が盛り込まれ、
2009年のフォーミュラニッポンは一層斬新でエキサイティングなものになることが期待される。
発表概要【参考】
2009~2011 JRP基本方針
ハード・ソフトの組み合わせにより日本独自のトップカテゴリーとして地位を確立し、アジア、
パシフィック地域を代表するレースを構築する。
- 世界から目標とされるシリーズの構築
- 新シャーシー、新エンジンの導入
- ハイブリッド、水素、バイオエタノールなどの環境に配慮したエンジンの研究
- ファンの満足度アップとなる最も面白いレースの提供
- 新規レースの調査、研究(市街地レース、オーバルレース)
- 大会数は最大で国内10戦、海外1戦としパシフィックエリア開催を目指す
新シャーシーコンセプト
- 日本独自のカテゴリーとして、今までにない斬新なデザインの追及(先進性と変化)
- よりスリリングなレース展開が可能な車両
- 最低3年間使用可能な安全性と耐久性の確保
シャーシー新旧比較
車両レギュレーションは現行のJAF F3000を基本とする。(2007年8月26日現在案)
|
新型車両 |
現行車両 |
備考 |
| 車両最大幅 |
2000mm |
1800mm |
車両中心線からタイヤ外側まで実測で1000mm以内 |
| 車体最大幅 |
1600mm |
1450mm |
ウイングを除く、ボディワークの最大幅 |
| フロントウィング幅 |
1900mm |
1450mm |
|
| リアウィング幅 |
1150mm |
1000mm |
|
| 車両重量 |
670kg |
660kg |
ドライバー乗車時 |
| 燃料タンク容量 |
115L |
135L |
車体サイドに設ける給油口から給油可能な最大値 |
| ミッション |
パドルシフト |
シーケンシャル |
|
| ブレーキ |
カーボン |
スティール |
|
| フロントタイヤ |
265/55R13 |
235/55R13 |
|
| リヤタイヤ |
325/45R13 |
340/620R13 |
|
新エンジンレギュレーション概要
より多くのエンジンメーカーが参加しやすいレギュレーションを確立する。現状の音量規制を遵守し、かつ、より魅力ある音を追求する。
- 目標出力: 600馬力以上
- 3.4リッター、V型8気筒
- 最低重量: 120kg
- パドルシフトの採用
- 3レースで使用できるエンジンは1基とする
エンジン新旧比較
|
新型エンジン |
現行エンジン |
備考 |
| 排気量 |
3400cc |
3000cc |
|
| 出力 | 600/hp+α |
550/hp |
|
|
| 気筒数 |
V型8気筒 |
V型8気筒 |
バンク角90度 |
| 吸気 |
自然吸気 |
自然吸気 |
|
| 重量 |
120kg |
127kg |
エアボックス、エアフィルター込み |
| 回転数制限 |
10300rpm |
10300rpm |
|
| 回転数制限方式 |
ECU |
ECU |
|
新シャーシー・エンジン導入スケジュール
| 2007年 |
11月中旬 |
車両最終デザイン発表 |
| 2008年 |
2月初旬 |
新エンジン開発テスト走行開始 |
| 2月中旬 |
車両中間検証 |
| 5月中旬 |
車両最終検証 |
| 6月下旬 |
新型車両発表会および新車両、新エンジン組み合わせによる走行テスト |
| 8月上旬 |
車両デリバリー開始 |
| 12月上旬 |
全車両納入終了 |
| 2009年 |
2月中旬 |
公式合同テスト開始 |
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori
OHNISHI
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦の決勝前フリー走行は、#32小暮卓史(PIAAナカジマ)がトップタイム。
決勝に向けて好調な仕上がりぶりをアピールした。
午前8時30分、30分間のフリー走行が開始された。
天候は快晴。陽射しは強いが日陰に入るとかなり涼しく、富士スピードウェイには確実に秋の気配が近づいてきているようだ。
昨日ポールポジションの#19本山哲は入念なチェック作業に終始し、このセッションでは1分29秒256、12番手に終わった。
予選3番手でポイントリーダーの#2松田次生は終了間際に1分29秒047を出して7番手でこのセッションを終えている。
彼らとは対照的に、予選ではセッティングに悩んでいたと記者会見でコメントしていた予選2番手の小暮は精力的に周回を重ね、
最終的に1分28秒502までタイムを縮めてトップでこのセッションを終えた。
2番手には#7片岡龍也が1分28秒561で続き、小暮のチームメイト、#31ロイック・デュバルが1分28秒785で3番手だった。
第6戦決勝は今日午後2時30分より、65周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
日本フォーミュラスリー協会は8月25日、全日本F3選手権第14、15戦が開催されている富士スピードウェイで記者会見を開き、
来年度から導入する「F3ナショナルクラス」の概要を発表した。
このナショナルクラスを全日本F3選手権クラスと混走させることにより、より多くのドライバーがF3に参加できる環境を整え、
若手ドライバーのスキルアップを図るとともに、減少しつつある参加台数に歯止めをかける。
F3では過去にもJクラス、Bクラスなどの名称で中古シャシーを用いた下位クラスを開催したことがあるが、
いずれもコストがネックとなり参加台数を集めることができなかったため、今回は大幅なコスト削減策に踏み切ることとした。
まず、
シャシーはホモロゲーション更新により全日本戦で使えなくなる2005年~2007年モデルを各エントラントから購入することとする。
エンジンについてはトムス3S-Gのワンメイク供給。
こちらも全日本戦が1AZ-FEに切り替わるために現行エンジンが余るということで、現状で13~14台の供給が可能とのこと。
可能な限り中古部品を活用することで、年間リース料を通常の5分の1にあたる300万円に設定する。
他にも、ブレーキ、クラッチ、ダンパーを指定部品とすることでコストを削減し、
トータルの参戦コストは2900万円程度と協会では見積もっている。
これにより、FTやFCJ、F4、FJなどの国内カテゴリーだけでなく、海外からも広くエントリーを募り、
ひいては全日本F3選手権の発展につなげていく。
なお、詳細な規定は10月ごろに改めて発表される予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
大嶋 和也(優勝)
予選でポールが獲れましたし、スタートさえ失敗しなければ問題ないと思っていました。
ウォームアップで少しオーバーが出ていましたので、それを修正して決勝に臨みました。
ここに来る前にスタート練習をいっぱいやって、一度も失敗しなかったので、心配はしていなかったし、
決勝に向けてのセットアップも完璧でした。
明日もスタートさえ決めれば勝てると思います。
塚越 広大(2位)
スタートで前のドライバーが失敗していたので2位にあがることができました。
でも大嶋選手にはついていけなくて、レース終盤はジャービス選手に追いつかれましたので、課題の残るレースになりました。
大嶋選手に対しては、特にどこが遅いということではなく、コース全体でついていけなかった感じです。
明日の決勝は、予選で悔しい思いをしたので、それをバネにして頑張ります。
オリバー・ジャービス(3位)
予選1回目の結果は非常に悪かったのですが、2回目は少しよくなったので、セットアップの方向性は合ってきたのかなと思います。
今日の決勝は7番手スタートから少しでも多くのポイントをとろうと思って走りました。
前の車がホイールスピンしていたので前に出ることができましたが、その後もロベルトをアウトから抜くことができたように、
クルマの状態はよかったので、もし前の車がスタートを失敗していなくても3位に上がれたんじゃないかと思います。
明日は4番手スタートということでチャンスはあると思います。トップが獲れれば最高ですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
本山 哲(ポールポジション)
今回は走り出しからベースの状態がすごくよかったので、予選1回目からクルマはほとんどイジらずに、
ウィングの微調整くらいでアジャストしていって、最後のアタックでは思い通りに走れて、トップで終われました。
午後は気温と路面温度が上がってタイム更新は難しいかな、と思っていましたが、いざ始まってみると気温、路面温度はほとんど同じで、
そうなると路面コンディションは午後のほうがよくなるので、コンマ2、3のタイムアップはいけそうかなと。
そういう中で細かいアンダーとかオーバーをアジャストしていって、最後は一番いい状態で思い切りアタックできた結果、一番だと。
シーズンを考える上でも非常に重要なこの富士のレース、になると思うし、そういう中で今日一番になれたということは、
このレースだけでなくシーズン全体の中でも意義があるな、と思います。
レースはもちろんトップでゴールしたいと思ってるんですけども、できれば今日みたいな接戦ではなく、
大差をつけて勝てるように頑張りたいですね。
小暮 卓史(予選2位)
持ち込みからクルマはある程度完成されてまして、金曜日も速いタイムが刻めて、今日に臨んだんですけど、
セクター2とセクター3のマシンバランスがちょっと違う、というのですごく悩んで、どっちかを取ればどっちかが犠牲になる、
というところで最後は妥協しつつも一番いいところかな、という状態で4セット目を走って、
僕の中ではほぼイメージどおり走れたんですけどもトップには届かなかった、と。
決勝に関しては、セッティングもまだまだ詰めるところがありますし、決勝セットも決して悪くないと思ってますんで。
(スーパーGTのクラッシュの影響は)首と背中に筋肉痛みたいなのはありますけど、だいぶ復活してきたので大丈夫です。
松田次生(予選3位)
持ち出しの時点でクルマの調子が良くなくて、オーバーステアが主に出ていたので、それをどうしようかと。
ストレートスピードも伸びていなかったので、予選1回目もセットアップに費やした状態だったんですけども、
2回目はクルマのほうもうまくまとめてこれたので、なんとか3番手になりました。ただちょっとトップは見えてない状況なので、
まだ車のほうは変えていかないといけない状況です。
レースはなるようにしかならないと思うので、勝ちを意識しすぎず、でもポイント差を詰められすぎないように、できれば優勝したいです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦の公式予選は、#19本山哲(アラビアンオアシス・チームインパル)が1分26秒901と、唯一の26秒台を叩き出し、今季初めてのポールポジションを獲得することとなった。
公式予選2回目は午後2時に開始された。
開始と同時に各車一斉にコースに飛び出し、最初のアタックで#32小暮卓史と#2松田次生がいきなり1分27秒台に入れてくるなど、
序盤から激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
7分経過時点までのトップは小暮の27秒658だったが、8分過ぎに#36アンドレ・ロッテラーが1分27秒431と、
早くも午前中の自己ベストを更新してトップに上がってきた。
午前中トップの本山は9分経過時点で4番手タイム。
開始18分過ぎから小暮が2回目のアタックを開始。1分27秒234とこちらも午前中のタイムを更新して再びトップに躍り出る。
直後にブノワ・トレルイエが27秒364で2番手に。
ロッテラーも26分過ぎに27秒183を出してきたが、
このときヘアピン先のコース脇に#3柳田真孝がスピンしてとまっていたため黄旗が出ており、このタイムは後に無効とされた。
本山は28分過ぎに2回目のアタックに取り掛かり、27秒283で2番手に。
松田は27秒412とトップ3に届かない。
残り時間が6分を切ったところで、ほぼ全てのドライバーが4セット目のニュータイヤを投入して最後のアタックに取り掛かった。
ロッテラーは残り時間3分30秒でコースイン。
ロッテラーは無効とされたタイムを更に上回る、1分27秒144をここで叩き出し、一躍トップに。
すぐに小暮が27秒082でトップを奪い返す。
しかしチェッカーが出された直後、本山が1分26秒901と、この日唯一の26秒台を叩き出してトップに躍り出た。
松田も27秒102を最後の最後に叩き出し、3番手に浮上。
これで上位4人が午前中のベストタイムを更新したため、予選2回目の順位、1位本山、2位小暮、3位松田、
4位ロッテラーでグリッド順が確定した。
会心のアタックを終え、何度も小さくガッツポーズをしながら本山はピットロードに戻ってきた。
彼にとってこれ2005年第8戦もてぎ以来。実に1年10ヶ月ぶりのポールポジション獲得だ。
第6戦決勝は明日午後2時30分より、ピットストップありの300kmフルディスタンス、65周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第15戦の公式予選は、#36大嶋和也(TDPトムス)と#10塚越広大(ホンダレーシング・チームリアル)
が同タイムで並ぶ接戦となった。
規定により、先にタイムを出した大嶋がここではポールとなり、大嶋はオートポリスでの第12戦、
13戦以来4戦連続でポールポジションを獲得することとなった。
第14戦の予選終了から10分のインターバルをおき、第15戦の公式予選は午前11時30分に開始された。
ここでも大嶋の速さは変わらず、始まってすぐに1分37秒659と、
前戦のポールタイムには僅かに及ばないながらもいきなり37秒台を出してきた。
しかし今回は塚越も37秒台に入ってみせ、なんと大嶋と同じ37秒659を出してきた。
二人はその後もアタックを繰り返したが、最後までベストを更新できず、同タイムのまま予選は終了した。
この場合、先にタイムを出したほうを上位にする規定となっており、かつ、3位以下のドライバーがいずれも二人のタイムを上回れなかったため、
大嶋のポールが確定。
大嶋はオートポリス戦以来4戦連続でポールからスタートすることとなった。
3番手には#37石浦宏明、4番手には#1オリバー・ジャービスがつけ、#3ロベルト・ストレイトは5番手に終わった。
第15戦決勝は明日12時55分より、21周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第14戦の公式予選が富士スピードウェイで行われ、#36大嶋和也
(TDPトムス)が1分37秒582でポールポジションを獲得した。
フォーミュラニッポンの赤旗中断の影響で、第14戦の公式予選は5分遅れの11時5分に予選開始となった。
大嶋は開始早々から好タイムを連発。開始8分で38秒227までタイムを上げてトップに立つ。
#10塚越広大も38秒231を出して大嶋に迫るが、大嶋もすぐに37秒582を叩き出してみせ、塚越を引き離す。
更にはセッション終盤に大嶋のチームメイト、#37石浦宏明も37秒882までタイムを削って2番手に上がってきた。
塚越も懸命にアタックを続けるが、38秒009が精一杯の状況だ。
結局、1位大嶋、2位石浦と、トムス勢が1-2を形成して予選は終了した。
一方、同じくトムスのオリバー・ジャービスはこのセッション7位と低迷。ポイントランキングトップの#3ロベルト・
ストレイトも5番手に終わった。
第14戦決勝は今日午後4時5分より、15周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦富士スピードウェイの公式予選1回目は、#19本山哲(アラビアンオアシス・
チームインパル)が1分27秒374でトップ。
2番手には#11立川祐路(チームセルモ)がつけ、
先週の鈴鹿1000kmで大クラッシュを演じた#32小暮卓史(PIAAナカジマ)は3番手と、健在ぶりをアピールした。
公式予選1回目は午前10時から45分間で行われた。
空は快晴で陽射しは強いが、時折涼しい風が吹いている。
開始8分で#8高木虎之介がネッツコーナーでスピン。コースにかかった状態でエンジンをストールさせてしまったため、
早くも赤旗中断となった。
車両回収作業による10分間の中断の後、予選は再開され、#1ブノワ・トレルイエ、#7片岡龍也、
#4J.P.オリベイラらが早速コースイン。
ここでトレルイエが1分27秒805を出してトップに立った。
その5分後、本山が1分27秒775を出してトップに躍り出ると、直後に#2松田次生が27秒733、
#32小暮卓史が27秒516と次々にトップタイムを塗り替えていく。
#36アンドレ・ロッテラーも1分27秒686を出して2番手に上がってきた。
残り時間5分で各ドライバー一斉にニュータイヤを投入しての2度目のアタックを敢行。
ここで本山が小暮のタイムを上回る1分27秒374で再びトップに。そしてここでいきなり立川が27秒429を叩き出し、
一気に2番手に上がってきた。
一方、本山のすぐ前を走っていた小暮は僅かに自己ベストに届かず、3番手に後退。松田は4番手で午前中の予選を終えた。
赤旗の原因を作った高木は結局20番手に終わった。
公式予選2回目は午後2時5分より、同じく45分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

GT500クラス #1宝山トムスSC430
- 脇阪寿一
-
今日は本当は勝つつもりはなく、淡々とレースをしていたんです。
今まで勝とう勝とうと思いすぎて悪い流れになっていましたが、今日はリラックスしてレースに臨めて、いい結果が出せました。
雨が降ってきたときは、なんとしてもポジションを守らないといけなかったし、ドライビングも難しかったんですが、同時に
『これはアンドレの路面だ』と思っていたので、レインでもスリックでもイケると思ったし、
ラルフとアンドレでいい勝負をしてくれると思ったのでワクワクしましたし、実際非常に面白かったです。
今ポイントがどうなってるか把握してませんけど、これからもファンに喜んでもらえるようなレースをしていきたいです。
- アンドレ・ロッテラー
-
今は最高の気分です。こんなに沢山のファンの前で勝てたことは一生忘れられないでしょうね。
最初のスティントは、いろいろ確認することが目標でしたが、周囲がミステイクをしてくれたおかげで順位を上げられました。
2番目のスティントでも8番のホンダは依然として速く、
100kgもウェイトハンデを積んでるのにどうしてあんなペースで走れるのか不思議に思っていました。
雨が降ってきて、コースアウトする場面もありましたが、それでも速いペースを保つことができましたから、
深溝を履いたのは正しかったと思いますし、スリックに換えたタイミングも正しかったと思います。
終盤明らかに路面が乾いてきましたが、暗くてよく見えなかったので、フィーリングだけで判断してスリックに換えました。
チームから交換を打診されてから半周走ってみて判断しました。
このままではどのみちラルフには追いつけないと思いましたし。
スリックに変えたのは正しいタイミングだったと思いますし、クルマも今日のコンディションに遭っていたと思います。
- オリバー・ジャービス
-
ファンタスティックなフィーリングです。
今日は走ることができませんでしたが、チームはすごくよくしてくれたので、感謝していますし、おめでとうといいたいです。
来年またGTに参加したいです。
すばらしい結果でしたし、大勢のファンの前でポディウムに上がれたのも嬉しいです。
GT300クラス #2プリヴェKENZOアセット紫電
- 加藤寛規
-
ようやく勝てました。
これまで何回もフロントローからスタートしたのに表彰台に上がれませんでしたが、今回は吉本君にも来てもらって、勝てたので嬉しいです。
ファーストスティントはトップで1コーナーをぬけることだけを考えていたんですが、
26号車が2位に上がって後続を押さえてくれたこともあって、楽な展開になりました。それでも見えない部分で問題はあったんですが、
チームがうまくこなしてくれました。
これでウェイトはフルになりますから、これからはどうやって1ポイントを獲っていくかを、高橋さんと考えていきます。
- 高橋一穂
-
最初は涼しくなって楽なコンディションになってから30周ほどいく予定だったのに、雨の中を走ることになってしまいました。
雨って大嫌いなんですよねぇ(笑)それでもあとから晴れてくれたので、結果オーライです。
今回は何百人も応援団が来てくれてましたし、どこかで勝てるならここで勝つのが一番だとは思っていました。
- 吉本大樹
-
久しぶりのGTでしたが、車内が暑くて大変でした。
レースは一瞬たりとも気が抜けない展開でしたが、加藤さんが大きなギャップを広げてくれたので助かりました。
雨が降ってきてしまったのは、高橋さんによると、ボクが雨男だかららしいんですが(笑)コースアウトしたときは、
路面が半分ドライで半分ウェットという状況でした。一瞬ヒヤっとしましたが、あれもパフォーマンス、ということで。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

鈴鹿サーキットで開催された2007スーパーGT第6戦、ポッカ1000kmは、#1宝山トムスSC430(脇阪寿一/アンドレ・
ロッテラー/オリバー・ジャービス組)が、いち早くスリックタイヤに履き替えたロッテラーの好判断により逆転に成功、
見事に今季初勝利を挙げることとなった。
GT300クラスは終始トップを快走した#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)
が後続に大差をつけて逃げ切り、こちらも待ちに待った初勝利を挙げてみせた。
(観客動員数:35,500人)

全てのチームを大混乱に陥れた雨は140周を過ぎたあたりから徐々に弱まり、路面は次第に乾いていった。
このコンディション変化にいち早く対応したのが昨年のチャンピオンチーム、トムスだった。
1号車はロッテラーの判断で159周終わりでピットに飛び込み、スリックタイヤに履き替えてコースに戻った。
この時点でトップの#8ARTA NSXとは6秒以上の差が開いており、一方3位の#23ザナヴィZとは1周近い差があった。
アウトラップではGT300の周回遅れにも追いつかれるほどの苦しい走行となったロッテラーだが、タイヤに熱が入るにつれ、
他のレインタイヤ勢とは明らかに違うペースで走れるようになっていく。
これを見て8号車は161周終わりでスリックへの交換を決断する。
しかし既に2周を消化して充分に温まった1号車のタイヤと、履き替えたばかりの8号車のタイヤの性能差は如何ともしがたく、
8号車がピットアウトした時点でホームストレート1本分あった両者の差は、あっというまに縮まっていった。
そして遂にロッテラーは、デグナーカーブで#8ラルフ・ファーマンのインに飛び込み、トップの座を奪い取ることに成功すると、
そのまま一気にファーマンを突き放しにかかる。
162周終了時点でその差は既に5.962秒にまで開き、164周を終える頃には11.598秒となった。
数周後にはファーマンもロッテラーをしのぐペースで周回を始めるが、時既に遅く、
フィニッシュ時に9.940まで迫るのが精一杯だった。
9部9厘手中にしかけた勝利を惜しくも逃した伊藤とファーマンだったが、それでも厳しいハンデの中で15ポイントをもぎ取ったことは、
チャンピオンシップを戦う上では大きなアドバンテージになったはず。
これでシリーズポイントを76まで伸ばし、有効ポイントでも73と、2位以下との差を26に広げた。
3位にはオープニングラップでクラス最後尾まで後退を余儀なくされた#23ザナヴィニスモZが、粘りの走りで順位を挽回し、
表彰台の一角をもぎ取って見せ、ポイントランキングでも#100レイブリックNSXを抜いて2位に浮上した。
GT300クラスは、#2紫電が終盤スリック換装と加藤へのドライバー交代を行う磐石の構えでこの波乱の一線を悠々と制すとともに、
今回ドライブシャフトのトラブルに見舞われてノーポイントに終わった#101トイストーリーMR-Sを総合ポイントで上回り、
有効ポイントでも1点差に迫った。
雨の中をハイペースで追い上げた#43ARTAガライヤが#62ウィルコムヴィーマックを追い詰め、
148周目の1コーナーでインから抜き去って2位に浮上したものの、遂にトップをひた走る#2紫電を脅かすまでには至らなかった。
3位にはスリックタイヤで追い上げる#46宝山Zの追撃を退けた#62ウィルコムヴィーマックが入った。
次戦はツインリンクもてぎ。9月9日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2007スーパーGT第6戦決勝はスタートから5時間を経過。
依然トップの#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン/井出有治組)は145周を消化したが、
突然降ってきた雨にペースが上がらず、2位宝山SCの猛追を受けている。
GT300トップも依然として#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)だが、
レインタイヤへの交換に手間取り、アドバンテージを失うこととなった。
レースが130周を過ぎたあたりから突然雨が降ってきた。
雨脚は一気に強まり、コース上のあちこちで激しい水煙が上がる状態に。
これには堪らず各車一斉にピットになだれ込み、レインタイヤに履き替える。
この混乱の最中、135周目のヘアピンで#32エプソンNSXと周回遅れの#19ウェッズスポーツセリカが接触。
32号車は右フロントの足回りにダメージを負ってピットに戻り、レースを終えた。
トップの8号車も137周目のスプーンで堪らずコースアウト。その周終わりでレインタイヤを装着。
しかしここから先のペースがなかなか上がらない。
逆に2位の#1宝山SCを駆るアンドレ・ロッテラーはここで一気にペースを上げて、トップとの差を詰めにかかった。
ロッテラーが2度のコースアウトを喫したにもかかわらず、一時は9秒近くまで開いていた両者の差は瞬く間に2秒前後まで詰まってきた。
周回遅れをかわすタイミングで差は増減を繰り返すが、明らかにロッテラーのペースが速い。
こうした状況の中、5位を走っていた#18TAKATA童夢NSXが142周目の1コーナーで大クラッシュ。
ドライバーの小暮卓史は無事だったが、クルマは大きなダメージを受けてコース脇にストップしてしまった。
GT300クラストップの紫電も127周目のデグナーでコースアウト。ドライバーの吉本は懸命にピットを目指し、
最後のスティントを高橋に託す。
しかしここで、インパクトレンチのホースが外れるアクシデントが発生。作業に1分近くを要したが、
2位の62号車との差がほぼ1周ちかいこともあり、なんとかトップでコースに復帰した。
5時間経過時点での順位は、GT500クラスが145周を消化して
8-1-23-100-17-3-38-24-6-22-39-18-32
GT300は134周を消化して
2-62-7-46-43-13-47-4-31-55-333-19-666の順だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第6戦決勝は、スタートから4時間が経過した。
依然としてトップは#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン/井出有治組)。
GT300クラスは#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)がこちらもトップを維持している。
順調に周回を重ねるトップの8号車を僅差で追い上げる2番手の#1宝山SC。
両者は104周終わりで同時にピットに入ってきた。
この時点での1-2位の差は2秒強。
しかしタイヤ4本交換の1号車に対して、8号車はここでもリヤ2本交換を敢行。
この結果、1号車が作業に46秒を費やしたのに対し、8号車は37秒でピットアウトすることができ、
この結果10秒ものアドバンテージを築くことに成功した。
ドライバーは8号車がラルフ・ファーマンから伊藤大輔に。1号車はアンドレ・ロッテラーから脇阪寿一に交代した。
2台ともサードドライバーを登録しているが、ここまでは一度も登場の機会がない。
GT300クラスは、#2紫電が順調にトップをひた走る一方で、
#7雨宮RX-7と#62ウィルコムヴィーマックによる2位争いが接近。
両者は98周終わりで同時にピットイン。
ここで給油量の多いRX-7を尻目にヴィーマックが2位に浮上した。
その後方では#43ガライヤの高木真一と#13エンドレスZの影山正美の激しい5位争いが展開され、
102周目に一旦は13号車が前に出たものの、高木は同じ周の最終コーナーで影山のインに並びかけて5位を奪還。
更には#46宝山Zをも攻略して4位に浮上した。
#2紫電は100周終わりでピットイン。クールスーツにトラブルを抱えながらも加藤はトップを守りきって再び吉本に交代した。
ARTA NSXは4時間終了時点で118周を消化。ここまでの順位は
8-1-32-100-18-23-17-39-3-24-38-6-22
GT300は紫電が110周を消化して
2-62-7-43-46-13-31-19-47-4-55-333-11の順となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第6戦決勝はスタートから3時間が経過。
総合トップの#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン/井出有治)も88周を消化して、
周回数の上でも折り返し点を過ぎたところだ。
GT300クラスのトップは依然として#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)。加藤、吉本、加藤とつないで、
現在は加藤が2度目の走行を担当している。
スタートから2時間もの間、トラブルとアクシデントが頻発した今年のポッカ1000kmだが、
ここにきて少し落ち着いた展開となってきた。
GT500クラスは#8ARTA NSXと#23ザナヴィZがルーティンストップのたびにトップを入れ替える。
8号車は69周終わりで2度目のピットストップ。ドライバーは再びラルフ・ファーマンに。
23号車は80周終わりで3度目のピットストップ。こちらもリチャード・ライアンが2度目の走行に入っている。
88周終了時点での順位は、
8-1-32-100-18-23-17-39-24-3-38-6-22。
2位の#1宝山SCが僅差で8号車を追い、一旦はペナルティで後退した32エプソンNSXも順位を挽回してきた。
GT300クラスは、トップの紫電が82周を消化して、
2-7-62-13-46-19-43-47-31-55-4-333-666
ここまで順調に上位を走っていた#26ユンケルポルシェにトラブルが発生し、ガレージでの修復作業が続いている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第6戦決勝はスタートから2時間を経過。
この時点でのトップは#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン/井出有治)。59周を消化した。
GT300クラスは依然として#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)が順調にトップを快走している。
序盤からアクシデントの頻発する荒れたレースとなった今年のポッカ1000kmだが、1時間を過ぎてもまだ波乱は相次いだ。
まず序盤トップに躍り出た#38ZENTセルモSCが高木虎之介に後退して間もない32周目の1-2コーナーでコースアウト。
コース復帰後もスロー走行のままピットへ向かう。
左のリヤタイヤのエアが完全に抜け切っており、高木はタイヤ交換してそのままコースへ復帰した。
周回遅れをかわす際に#39デンソーSCと接触した#24ウッドワンZには危険行為の最低が下されてドライブスルーのペナルティが課せられた。
24号車は33周終わりでピットへ。
#18TAKATA童夢NSXは33周終わりでピット作業を行った際、燃料漏れから出火。しかしすぐに消し止められ、
コースへ復帰した。
34周終わりではトップの#25エクリプスSCと2位の#8ARTA NSXが同時にピットイン。
両者ともリヤタイヤのみの交換でドライバーチェンジを済ませてコースイン。
ここでいち早く作業を済ませたARTAがトップに立った。
2位には#23ザナヴィZが割って入った。
更にザナヴィZを駆るリチャード・ライアンは36周目の1コーナーで#8伊藤大輔のインを突いてトップに躍り出る。
その一方で、
130Rでコースアウトを喫した#22モチュールZはフロントタイヤのスローパンクチャーにより40周終わりでピットインを強いられることになり、
同じニスモ勢で明暗が分かれる格好となった。
23号車の背後には8号車、25号車がぴったりとつけ、一時は団子状態で周回を重ねていたが、
3位の25号車は50周目のダンロップで右リヤタイヤがバースト、これにより右側のボディーワークの大半がダメージを受けてしまい、
ここで戦列を離れることとなってしまった。
4位以下も#1宝山SC、#3イエローハットZ、#6フォーラムエンジSC、#32エプソンNSXらが激しいバトルを展開するが、
6号車は度重なるスピンとコースアウトにより下位に後退。しかし走行は続けている。
#23ザナヴィZは50周終わりで2度目のルーティンストップ。
この間に#8ARTA NSXがトップに立つ。2番手には#1宝山SCが繰り上がった。
2時間終了時点での順位は、59周を消化したGT500クラスが
8-1-32-100-17-18-23-3-24-39-38-6-22の順。
GT300クラスは
2-26-7-62-43-46-13-55-47-19-333-31-77。
2位以下がめまぐるしく順位を入れ替える一方で、#2紫電は快調にトップをひた走っている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第6戦、ポッカ1000kmは予定通り午後1時にスタート。
1時間経過現在のトップは#25エクリプスアドバンSC(土屋武士/織戸学組)。GT300クラスは#2プリヴェKENZOアセット紫電
(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)がポールポジションから順調にトップを快走している。
GT500ポールの#3イエローハットZはセバスチャン・フィリップのドライブで序盤トップを快走していたが、
タイヤの消耗が進むにつれて次第にペースを落とし、
遂に8周目の1コーナーで#38ZENTセルモSCの立川祐路にインを突かれてトップを明け渡すことに。
#3フィリップはその後も#32エプソンNSXの猛追を受け、16周目のスプーンで両者は接触、17周目のヘアピン先で#32が前に出る。
しかし2位に上がった32号車も、13周目のダンロップコーナーで#43ガライヤを周回遅れにする際にこれを押し出し、
スピンアウトさせたためにドライブスルーの裁定が下っており、この周終わりでピットインすることに。
タイヤの消耗によりペースの上がらない3号車はその後もじりじりと順位を落として20周でピットイン。
Z勢には他にも相次いでトラブルやアクシデントが襲い掛かった。
まず#23ザナヴィがオープニングラップでスピンを喫して暮らす最後尾に落ち、#12カルソニックはブノワ・
トレルイエのアグレッシブな走りで序盤一気に順位を上げ、一時は3位まで浮上したが、
18周目のダンロップで#18TAKATA童夢NSXと接触してスピン状態に陥って後退、
更にはこの周終わりでピットストップを行った際に燃料漏れから出火と、散々な状態で下位に沈むこととなった。
#24ウッドワンは24周終わりにトラブルに見舞われた#77インプレッサを周回遅れにする際、
直後を走行していた#39デンソーSCに気づかずに接触、ピットウォールに激しくぶつかって修復を余儀なくされた。
更に#22モチュールは1度目のピットストップを終えてミハエル・クルムから松田次生に交代した直後の24周目の130Rでコースアウト。
コースには復帰したものの大きく順位を落とすことになってしまった。
なお、#12カルソニックと接触した#18TAKATA童夢NSXにも10秒ストップのペナルティが課せられ、
スタートドライバーの小暮卓史は25周終わりでピットインしている。
トップの38号車は2位以下を15秒突き放す快走の後、24周終わりでピットイン。
これにより#25エクリプスSCがトップに立っている。
30周終わった時点での順位は
25-8-100-1-6-32-17-18-38-23-3-24-39
GT300クラスはこの時点でトップが28周を終了
2-43-26-62-7-46-31-13-55-101-19-333-47の順となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GTアソシエイションの坂東正明委員長は、
第6戦決勝の行われた鈴鹿サーキットでの定例会見においてさる8月10日付でJAFより発表された2009年以降のGT車両規定についてコメントした。
坂東委員長は、今回の規定はJAF技術部会とGTAのテクニカル部会が相談しながら決めてきたものであり、
あくまでJAF-GT規定に準拠することを重視していくこと、同時に年毎に見直し、歴史にあったものにしていくことを強調した。
GT500のエンジンをフォーミュラニッポンの同一の自然吸気の3.4リッターV8に統一することや、ホイールベース、
前後オーバーハングを各メーカー同一とすることについても、コストダウンにつながる有効策として3メーカーと話し合いながら決定したもので、
同条件の中でも各社の特性を生かしたクルマ作りは可能であり、決してNASCARのようにワンメイクにするわけではないとした。
(NASCARでは今年からフロントマスクとテールランプ周り以外は4メーカー同一形状のCOT(カー・オブ・トゥモロー)規定の車両を導入、
来年から全レースで使用することになっている)
また、国内3メーカー以外の特に海外メーカーの参戦についてもウェルカムであると明言、
その場合は特認車両として性能調整を図りながら受け入れていくとのこと。
またGT300については、費用面や、日本のコンストラクターを育成する目的から、現行規定を踏襲することとするが、
現状はベース車両に使える2ドア車が殆どなくなっていることから、
今後は4ドア車を受け入れる準備をしなければならないことを併せて公表した。
(現在はクスコスバルインプレッサ1台のみが4ドア車両)
2009年以降のGT500車両の規定はこちら(13ページ)
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第6戦、ポッカ1000kmの決勝前フリー走行は、昨年優勝の#12カルソニックインパルZ(ブノワ・
トレルイエ/星野一樹/ジェレミー・デュフォワ組)がトップタイム。トレルイエが1分57秒979を記録し、
決勝に向けて好調な仕上がりを見せた。
GT300クラスは#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)がトップ。タイムは2分07秒951だった。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは昨日に続いて朝から蒸し暑い天候。ただし、上空には雲が多く漂っており、陽射しはそれほど強くない。

フリー走行は午前9時に開始。決勝に向けての最終調整を行う30分間のセッションだ。
開始早々から好タイムを記録したのは、予選で惜しくもSL進出を逃した#23ザナヴィZ。
本山哲が1分58秒888を出してトップに立つ。
レクサスSC勢も、#38ZENTが立川祐路のドライブで1分58秒667、#1宝山がアンドレ・
ロッテラーのドライブで1分58秒521と本山を上回るが、本山も58秒441にタイムアップ、
その直後にはトレルイエが1分58秒066でトップに。
続いて開始10分過ぎにはトレルイエがこのセッション唯一の57秒台に入れてみせた。
2番手には#1宝山SCのロッテラー、3番手に#23ザナヴィZがつけ、本山と同タイムで#8ARTA NSXが続く。
NSX勢ではこのARTAが最上位だ。
ポールシッターの#3イエローハットZは9位に終わったが、トップのカルソニックとは僅か1.021秒差であり、
決勝での接戦を予想させるに充分な結果となった。
GT300クラスは#43ガライヤの新田守男がいち早くトップタイムを記録。この週末を通して順調な仕上がりを見せている。
2番手には#62ウィルコムヴィーマック。ポールシッターの#2紫電はセッション終盤に加藤寛規がタイムを縮めて3番手につけた。
第6戦決勝は今日午後1時スタート。173周の長く熱い戦いだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2007スーパーGT第6戦、ポッカ1000kmは、#3イエローハットYMSモバHO!トミカZ(セバスチャン・
フィリップ/柳田真孝組)が今季初のポールポジションを獲得。
GT300クラスは#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹組)が今季3度目のポールポジションを獲得した。

午後3時00分、GT300クラスからスーパーラップが開始された。
#7雨宮RX-7の井入宏之、#5マッハ号320Rの竹内浩典らが午前中のタイムを上回れずに終わる一方、
#26ユンケルポルシェの谷口信輝が圧倒的なストレートスピードを生かして順位を3つ上げ、5番手スタートをもぎ取った。
今季初のSL進出を果たした#77クスコスバルインプレッサは、山野哲也がセクター1、セクター2で好タイムを記録したものの、
ストレートスピードが伸びずに10番手に終わった。
ランキングトップの#101トイストーリーMR-S石浦宏明も、80kgのウェイトハンデはさすがに厳しく、7番手に終わった。
そうした中、7番目に出走した#2紫電の加藤寛規は、全てのセクターでベストタイムを叩き出す構想で2分06秒684を記録。
午前中暫定ポールの#43ARTAガライヤの新田守男、#62ウィルコムヴィーマックの柴原真介、
#13エンドレスZの影山正美らを退けて見事今季3度目のポールポジションを獲得した。
GT500クラスは、午前中8番手の#6フォーラムエンジSCのビヨン・ビルドハイムや、
ここまで4戦連続ポールの#18TAKATA童夢NSXの小暮卓史らがタイムを伸ばせずに順位を落とす一方、最初に出走した#38ZENT
SCの立川祐路が1分56秒115と、自身の午前中のタイムを大きく上回って一気に4番手に進出してきた。
リストリクターを絞ることでウェイトハンデを50kgに留めた、前回優勝の#8ARTA
NSXの伊藤大輔も立川に0.004秒及ばず、5番手に終わった。
救済でリストリクター2ランクアップの#25エクリプスアドバンSCの土屋武士は241km/hのストレートスピードを生かして1分55秒919で2番手にジャンプアップ。
続いて出走した#3柳田も1分55秒781までタイムを上げてトップに躍り出た。
柳田にとっては、これがGT500での初めてのポールだ。
午前中2番手タイムを叩き出した#12カルソニックZのブノワ・トレルイエはセクター1で柳田を上回ったが、
デグナー一つ目で痛恨のコースアウト。クルマは激しくバリアに突っ込んだが、幸いダメージは殆どなし。
しかしこれで明日は10番手からのスタートとなってしまった。
しかしこれによりセッションは中断。既にウォームアップを始めていたエプソンNSXのデュバルも仕切りなおしを強いられ、
そのせいかタイムも1分55秒898に留まった。
第6戦決勝は明日午後1時より、173周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
スーパーGT第6戦鈴鹿の公式予選2回目は、#25エクリプスアドバンSC
(土屋武士/織戸学組)が1分58秒227でGT500クラスのトップ。
GT300クラスはここでも#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)が2分08秒525でトップだった。
スーパーラップ前の最後の調整、公式予選2回目は午後2時15分より開始された。
気温は既に34℃を超え、強い陽射しが降り注ぐ厳しいコンディションだ。
GT300クラスは、午前中トップの#43ガライヤがここでも好調。
開始早々に08秒525を記録してこのセッションでもトップタイムとなった。
午前中の公式予選1回目で基準タイムをクリアできなかった#67ガイヤルドは、2分16秒台に留まり、
このままいけば出走嘆願での最後尾スタートとなりそうだ。
GT500クラスは#25エクリプスSCがトップ。
午前中走行していない#1オリバー・ジャービス、#17伊沢拓也、
コースアウトを喫してしまった#8井出有治らのサードドライバーも無事基準タイムをクリアした。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第6戦、ポッカ1000kmの公式予選1回目が8月18日、鈴鹿サーキットで行われ、
GT500クラスは#32エプソンNSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組)、
GT300クラスは#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)が暫定ポールを獲得した。
猛暑の続く日本列島。公式予選日を迎えた鈴鹿サーキットも朝から気温30℃を越える猛暑となった。
スーパーラップ進出を賭けた予選1回目は午前10時、GT300の専有走行から始まった。
#77クスコスバルインプレッサ、#101トイストーリーMR-Sらが開始早々から好タイムを連発する中、
開始10分で#43ガライヤを駆る新田守男が2分06秒696を叩き出し、早々と暫定ポールを獲得。
2番手には#62ウィルコムヴィーマック、3番手には#13エンドレスZがつけ、以下#2紫電、#101MR-S、#77インプレッサ、
#31MR-S、#26ポルシェ911GT3、#5ヴィーマック、#7RX-7までがスーパーラップ圏内。
6位の#77クスコスバルインプレッサは今季初のSL進出を果たした。
11番手には#46Z、12番手には#4ヴィーマックがつけており、#46Zと#7RX-7の差は僅か0.07秒。
この2台は最後の混走セッションでSL進出を狙って再アタックを敢行したが、僅かに及ばなかった。
GT500クラスは#6フォーラムエンジSC、#24ウッドワンZ、#35バンダイSC、
#39デンソーSCらが序盤から精力的に周回を重ねる一方で、他のチームは開始10分過ぎまでガレージで待機、
後半一斉にアタックに飛び出していった。
専有残り時間2分で#18小暮卓史が1分56秒141、#8伊藤大輔が1分56秒284を出してNSX勢が1-2位を占めると、
残り1分30秒で前回菅生を休んだ#12ブノワ・トレルイエが1分55秒881で一気にトップに躍り出る。
しかし残り1分で#32ロイック・デュバルが1分55秒817と更に上回り、結局このタイムがこのセッションのトップとなった。
専有終了時点での順位は#32NSX、#12Z、#18NSX、#8NSX、#6SC、#17NSX、#38SC、#1SC、
#100NSX、#23Zの順。
しかし、混走開始直後に#3イエローハットZの柳田真孝が4番手、#25エクリプスSCの土屋武士が5番手にジャンプアップを果たした。
#100レイブリックNSXも混走開始3分で再び9番手まで順位を戻してきた。
この結果#1宝山SC、#23ザナヴィZが弾き出されることとなった。
公式予選2回目は午後2時15分、スーパーラップは午後3時より行われる予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
富士スピードウェイで開催された、スーパー耐久2007第4戦SUPER TECは、
#8黒豆リボイスGT3(清水康弘/竹内浩典組)が今季初の総合優勝を達成した。ポールシッターの#50ペトロナスシンチウムBMW
Z4Mクーペ(柳田真孝/フェリーク・ハイムラン組)はレース終盤までトップを独走していたが、トラブルにより後退、
総合20位でレースを終えた。
ST2クラスは#11オーリンズランサーEVO・MR(木下隆之/中谷明彦組)が激戦を制して開幕以来の4連勝を達成。
ST3クラスは#113カルラレーシング☆ings北海Z(大井貴之/伊橋勲組)、
ST4クラスは#18FUNKY-SコスモソニックFKingsDC5がそれぞれクラス優勝を遂げた。

第4戦決勝は午後1時にスタート。気温は28℃、路面温度は43℃。時折霧雨の降る蒸し暑いコンディションだ。
ポールシッターの#50BMW Z4が序盤からトップを快走、後続をどんどん引き離していく。その後方では、#8の911GT3、
#3エンドレスZ、#23カーチャンネルZらが激しく順位を入れ替えながら周回を重ねていく。
ところがトップの#50柳田が39周目に入ったところでST2クラスの車両2台によるアクシデントが発生。
2台はいずれも大破してコース上にストップしたため、セーフティーカーが導入されることとなった。
ちょうどスタートから1時間あまりが経過していたこともあり、このタイミングを利用して各車相次いで1回目のピットストップを行うが、
ここでいち早くピットに飛び込んだ#1マカオポルシェが4位から一気にトップへジャンプアップに成功する。
#50BMW Z4は40周終わりでピットイン。ハイムランに交代して2位でコースに復帰するが、44周終わりでセーフティーカーが離れ、
レース再開となるとすかさず追い上げにかかり、49周目のダンロップ進入でインを付いてトップを奪い返した。
ハイムランはその後もハイペースで逃げに逃げ、2位以下に15秒以上の大差をつけて87周目に柳田に交代、
柳田もペースを緩めずにリードを20秒以上に広げていくが、スタートから3時間以上が経過し、
104周目に入ったところでシフトリンケージのトラブルに見舞われて緊急ピットインを余儀なくされる。
チームスタッフの懸命の修復作業により、なんとかレースには復帰したが、その時点で既にトップからは8周遅れ。
結局50号車は9周遅れの総合20位、クラス最下位でレースを終えた。

代わってトップに立ったのは、#8黒豆リボイスGT3。#3エンドレスZ、#23カーチャンネルZ、
#1マカオポルシェらはSC導入前後に黄旗追越をしたとしてペナルティストップを課せられており、既に8号車とは大差をつけられていた。
#8竹内は着実に残りの周回をこなして126周で4時間のチェッカーを受け、今季初勝利を挙げた。
2位には#3エンドレスZ、3位には#23カーチャンネルZが入った。

今回最も激しいトップ争いが展開されたのがST2クラスだった。
スタートからアクシデント発生まで、1位から5位が3秒以内にひしめく接戦が展開され、#11オーリンズランサー、#6新菱オートランサー、
#20RSオガワランサー、#12ゼルスランサーワゴンとめまぐるしくトップが入れ替わる。
そして総合トップの#50BMW Z4が39周目に入ったところで、事件はおきた。
最終コーナー先のホームストレート上で#20砂子と#6関が接触。二人に怪我はなかったものの、
クルマはいずれも車体の前後を激しく損傷してコース上にストップしてしまい、
これを排除するためにセーフティーカーが導入されることとなった。
この時点でトップに立っていたのは#11オーリンズ。しかしピットストップを行った後、SCのすぐ後ろでコースに戻ってしまい、
1周早くピットに入ってSCの前でコースに復帰した#2フジツボインプレッサとはほぼ1周近い差がついてしまった。
それでも中谷、木下の両ドライバーは着実に2号車との差を削っていき、
88周目の最終コーナーで木下が#2川口正敬のインを突いてトップを奪い返すと、
そのまま後続との差を30秒以上引き離す脅威のペースで4時間を走りぬき、開幕以来土付かずの4連勝を達成した。

ST3クラスは、ペースの安定しないポールシッターの#14RX-7に#113、#333、#41、#15のZ勢が次々に襲い掛かり、
最後は#113カルラレーシングZが今季初勝利を挙げた。
#333H.I.S.ZはSC明けの44周目に周回遅れの#100BMW M3と1コーナー先で接触してクラッシュ、戦列を去ることとなり、
終盤順位を上げてきた#27FINA BMW M3がZ勢に割って入って2位をもぎ取った。
3位には#41SABOTAGE Zが入った。

ST4クラスは予選1位の73号車、2位の87号車が序盤に相次いでトラブルに見舞われ、戦列を去る中、#18インテグラ、
#34インテグラ、#76シビックの3台が順次トップに立つ展開となったが、
34号車のピットストップに乗じて63周目にトップに立った18号車がそのまま逃げ切った。
2位には3度目のピットストップを終えてコースに戻ってきた34号車を1コーナーで差しきった#76シビックが入った。
次戦は岡山国際サーキット。9月2日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパー耐久2007第4戦SUPER TECの決勝前フリー走行は、#50ペトロナスシンチウムBMW
Z4Mクーペ(柳田真孝/フェリーク・ハイムラン組)が1分48秒536でトップ。予選に引き続いての好調ぶりを見せ付けた。

決勝日を迎えた富士スピードウェイは曇天。予選日に続いて今日も蒸し暑い一日になりそうだ。
フリー走行は午前8時より、30分間で行われた。
昨日の予選でコースレコードを叩き出したBMW Z4がここでも速い。
走り始めてすぐに49秒フラットのタイムを記録すると、その後もハイペースで周回を重ね、
最終的には48秒536までペースを上げて走行を締めくくった。
2番手にはチェッカー直後に竹内浩典が1分48秒922を記録した#8黒豆リボイスGT3。
3番手には#23カーチャンネルアドバンZ33がつけた。
ST2クラスは1分51秒677を記録した#11オーリンズランサーEVO・MRがトップ。
#12ゼルスランサーEVOワゴンMRが2番手につけ、インプレッサ勢は#2プローバ・フジツボインプレッサの6位が最上位だった。
ST3クラスのトップは#74アラビアンオアシスZ。昨日クラストップの#14協新マイロード岡部自動車RX-7は7位だった。
ST4クラスは#73PSY.ERG.ED.A-ONE.DC5がトップ。注目の#76シビックタイプRは6位特選が続く。
第4戦決勝は午後1時より、4時間で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
柳田真孝(#50 PETRONAS SYNTIUM BMW Z4M
COUPE)
初のPPです。速いというか、まあ速くて当たり前なんですが、ずっと結果が残ってなかった。
ストレートの伸びが他のZやポルシェよりはあるようです。富士は良いけれど、鈴鹿やSUGOなんかはつらいでしょうね・・・
元々のクルマはもっとリアウイングが後ろの位置にあって、バランスが日本のレース仕様になっているのでフロントヘビーです。
踏めばいいってもんじゃないので、乗りやすさはまだまだですが、クルマのポテンシャルはあるから、
あとは決勝でちゃんとまだレース完走できていないので、クルマもドライバーもノートラブルで完走したいですね。
Text:Keiichiro TAKESHITA
スーパー耐久シリーズ2007第4戦SUPER TECの公式予選が8月4日、富士スピードウェイで行われ、
1分46秒304のコースレコードを樹立した#50ペトロナスシンチウムBMW Z4(柳田真孝/フェリーク・
ハイムラン組)がポールポジションを獲得した。
台風5号の直撃は免れた富士スピードウェイだが、公式予選日は朝から蒸し暑く、空はどんよりと曇っている。
Aドライバーの公式予選は午後0時50分、ST1-2クラスから開始された。
1周のウォームアップの後タイムアタックを開始するST1、2合わせて16台の車両。
#30RSオガワワコーズランサーは今回出走を取り止めている。
最初のアタックでトップに立ったのは#1ユーロメビウスマカオポルシェ。山野直也は1分48秒539を出してきた。
ST2は#11オーリンズランサーの木下隆之が1分50秒039でトップだ。
#23カーチャンネルZ33の田中哲也も48秒436を出して一旦はトップに立つが、すかさず山野も48秒391にタイムを上げる。
すると今度は、徐々にペースを上げていた#8黒豆リボイスGT3の清水康弘が1分48秒160を出してきた。さらにその直後には、#
50ペトロナスBMW Z4の柳田真孝が1分47秒390と、一気に47秒台に突入してトップに躍り出た。
#50柳田はなおもペースを上げ、ST1クラスのコースレコードとなる1分46秒304を叩き出す。
結局これがこのセッションのベストタイムとなった。
2番手には最後のアタックで47秒880を叩き出した#8清水。#23田中が3番手と、ここではBMW Z4、911GT3、
フェアレディZ33が上位を分け合う結果となった。
ST2は#11木下がトップ。2位に#2フジツボインプレッサの吉田寿博、3位に#20RSオガワランサーの阪口良平がつけた。
続いて行われたST3-4のAドライバー予選は、#
113カルラレーシングZの大井貴之が最初のアタックで叩き出した1分52秒636を誰も破ることができず、
そのまま大井がST3のトップとなった。2番手には#7アメニティホームRX-7の井入宏之がつけた。
ST4クラスは終了2分前に1分58秒359を出した#73PSY.ERG.DC5の山本すばるがトップ。#
87K'ZモチュールDC5の金森敏一が2位。
15分間のインターバルをおいて開始されたBドライバーの予選でも、BMW Z4の速さは揺るがず、フェリーク・
ハイムランが1分47秒348でトップ。
2番手、3番手もAドライバーと同じく#8ポルシェGT3の竹内浩典、#23フェアレディZの星野一樹の順となった。
ST2クラスは#6DIXEL新菱オートEVOの関豊がトップ。#11中谷明彦は2位に終わったが、タイム合算では#
11オーリンズランサーがトップ。#6ゼルスランサーが2番手となった。3番手には#2フジツボインプレッサがつけた。
ST3クラスは開始早々に#14岡部自動車RX-7の入口秀輝が1分51秒114のコースレコードを叩き出し、
タイム合算でもクラストップに躍り出た。
2番手には#113の伊橋勲。3番手には#39BENELOP NSXの佐々木雅弘がつけ、Aドライバー2番手の#
7RX-7は佐々木孝太のタイムが伸びず11番手に終わった。
タイム合算では#113カルラレーシングZが2番手、#333H.I.SのZが3番手となった。
ST4は#73花岡隆弘が1分58秒699でトップ。#87水谷大介が2位となり、タイム合算でも#73PSY.ERGがトップ、#
87K'Zモチュールが2番手となった。このセッションの3番手には#4BOMEXの太田侑弥が入り、
タイム合算では両ドライバーが4位に入った#18FUNKY-Sが3番手スタートとなった。
第4戦決勝は明日午後1時より、4時間で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラス #8ARTA NSX
伊藤 大輔
雨が来るという予報は知ってましたが、思った以上に降りましたね。レインを履くほどじゃなく、
浅溝でいけると思っていたんですが。
前半ラルフが順位を上げてトップに立ち、リードを広げてくれましたけど、
コンディションの変化によってはセーフティマージンにならないと思っていました。
途中から路面が乾き始めたので、スリックに変えるタイミングでピットストップを済ませようとしばらく待っていました。
本当はもう2周ぐらい待ったほうが良いかな、というタイミングでアクシデントがあって、
セーフティーカーが出るかもしれないとラルフが判断して入ってきました。
まだアウトラップでは路面が滑りやすくて、タイヤを充分に暖められなかったのと、
トラフィックに引っかかったのとで1と18に先に行かれてしまいました。
そのあとはいろいろありすぎて覚えてないんですけど(笑)最終的には1号車にペナルティ、ということで。寿一さんもうまかったし、
かなりきわどかったんですけど、最後は僕のほうに運が回ってきて良かったです。
次はウェイトが重くなってしまいますが、鈴鹿ですし、長いレースになるので、何があるかわかりません。
できる範囲でポイントを獲りにいきます。
ラルフ・ファーマン
ドライには自信があったんですが、
スタートの30分前から雨になってしまって、ダイスケと一緒に溝の深さとかコンパウンドなど、タイヤチョイスでかなり悩んでしまって、
難しいレースになるなと思いました。
レースが始まってから驚いたのは、セーフティーカーランがあまりにも長すぎたことです。あれにはフラストレーションがたまりましたが、
その後トラフィックを使って18を追い越せたのはよかったです。
路面がどんどん乾いていったので、スリックに履き替えるタイミングをうかがっていたんですが、
そうしてるうちに大きなクラッシュが発生したので、SCが入るかも、と思ってピットに入りました。
ホンダにとっても久しぶりの1-2-3フィニッシュになったことは、ホンダにとっても、チームにとっても、良かったと思います。
次の鈴鹿は長いレースですから、厳しい状況ですがポイントを獲りつづけて後半戦を乗り切っていきたいです。
GT300クラス #19ウェッズスポーツセリカ
飯田 章
正直ほっとしてます。
シーズン当初から苦戦するだろうとは思っていましたが、予想どうりで、クルマもうまく走ってくれませんでした。
それでもここまでのチーム作りがうまくいったのと、救済で空力面が良くなったのとで、勝つなら菅生しかない、とは思っていたんです。
路面が乾くまではコースに留まるのがやっとの状況でしたから、路面が乾くまでじっと待っていました。
(関口は)ちゃんと走れば速いし、結果も出せると思ってましたが、そそっかしい面もあるので無線で指示をしながら見ていました。
今までは気持ちよく走れるような環境が整っていなかったので、つらい思いもさせたと思いますが、
まずはちゃんと走れるクルマをつくらないといけないのが我慢させていました。
速さはもってるので、もっと全体を見渡せるようになれば上にいけると思います。
チャンスがあったらニッサンでもホンダでもどんどん上に行ってほしいですね。
関口 雄飛
1スティント目が雨だったのでレインでスタートしましたが、
路面が乾いたといってもピットに入る2~3周前までは予選ベストの9秒落ちくらいしか出てなかったので、スリックで走り始めて1、
,2周は怖かったです。
Zが目の前に見えてきてからは『ぶち抜いてやるぞ』って思って思い切り行きましたが、いざトップに立ってみると、
それまではイケイケだったのに『ここでミスしたらチームに会わせる顔がないな』ってビビってイケなくなっちゃいました(笑)
表彰式では、自分が今までやってきたFTやF3とは違って、ものすごい数の人たちが集まっていたので、うれしかったです。
2007オートバックス・スーパーGT第5戦、SUGO GT300kmは、#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・
ファーマン組)が#18TAKATA童夢NSXの追撃を振り切り、今季2勝目を挙げることとなった。3位には#32エプソンNSXが入り、
2001年第1戦岡山(当時はTIサーキット英田)以来6年ぶりにNSXが1-2-3フィニッシュを達成した。
GT300クラス優勝は#19ウェッズスポーツセリカ(飯田章/関口雄飛組)。関口のアグレッシブな走りと果敢なオーバーテイクが光った。
(観客動員数:29,000人)

ウォームアップランの頃からぽつぽつ降り始めていた雨は、スタート進行が始まり、
コースインが開始されるとほぼ同時に強くなってきた。
路面は完全にウェットのコンディションだ。
このため、決勝はSCスタートとなり、セーフティーカーの先導で6周を消化した後、7周目から追い越しOKとなった。
雨はスタート直前に一旦は止んだものの、4周目に入ったところで再び降り始めた。
ポールポジションの#18小暮卓史がトップで1コーナーへ。2位の#8ファーマンも懸命に追いすがる。
#8ファーマンは12周目のSP二つ目で#18小暮が周回遅れのGT300に引っかかった隙にアウトから抜き去ってトップに浮上する。
抜かれた小暮は周回遅れに行く手を阻まれ、なかなかペースが挙げられない。そのうちに、
3位の#32エプソンNSXを駆るロイック・デュバルが迫ってきた。
レースが進むにつれて雨は止み、路面は次第に乾き始めた。
それにつれてラップタイムも当初は32秒台だったのが、25秒、22秒と短縮されていく。
一時は小暮の背後を脅かしていたデュバルは次第に遅れ始め、逆に4位の宝山SCを駆るロッテラーが迫ってきた。
ロッテラーは26周目の3コーナーでデュバルがコースをはみ出すのを見逃さずに3位に浮上する。
続いてロッテラーはその先を走る小暮との差をも削り始め、31周目にはテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込む。
この周終わりで#23ザナヴィZがピットイン。スリックに履き替えてコースに復帰する。
続いて#22モチュールZが38周終わりでピットへ。
これを見たトップのファーマンは39周終わりでピットイン。スリックに履き替えて伊藤大輔にステアリングを託す。
これで暫定トップに繰り上がったのは#1宝山SC。
40周目のハイポイントコーナーで周回遅れの#13エンドレスZと接触した#18TAKATA童夢NSXの脇をすり抜けた。
宝山SC、TAKATA童夢NSXの2台は43周終わりで揃ってピットイン。
トムスのチームクルーは素早いピット作業で宝山SCを送り出し、TAKATA童夢NSXに付け入る隙を与えない。
2台はARTA NSXの前でコースに復帰した。
ARTAの伊藤はスリックタイヤの熱入れとトラフィックの処理に手間取ったためにペースを上げられず、2台の先行を許したが、
45周目にはTAKATA童夢を攻略して実質2位に。
ところが46周目の1コーナーで伊藤はコースオフ。すぐに復帰したが#18道上の先行を許す。
2台は争いながらも#1宝山SC脇阪寿一の背後に迫り、遂に最終コーナー立ち上がりで並びかけていった。
互いにぶつかり合い、飛び跳ねながら併走状態でホームストレートを駆け抜ける3台。
このバトルを制したのは脇阪。1コーナーでラインをクロスさせた伊藤が道上を抜いて脇阪に続く。
この47周目で、それまでピットストップを引き伸ばしてトップを走っていた#39デンソーサードSCがピットイン。
これで#1宝山SCが晴れてトップに立った。
ところが。
宝山SCはピットインの際にホワイトラインカットを犯しており、62周目にドライブスルーペナルティのボードを提示されてしまう。
やむなく63周終わりでピットスルーを消化した脇阪は、#3イエローハットZの後ろ、6位でコースに復帰した。
これで#8ARTA NSXが再びトップに。
#18道上も懸命に追い上げ、66周目にはテール・トゥ・ノーズに持ち込み、何度もオーバーテイクを仕掛けるが、
伊藤はファイナルラップまで全く付け入る隙を与えない。
両者は最後まで接近戦を展開。フィニッシュラインでの両者の差は僅か0.282秒差だった。
3位には23秒遅れで#32エプソンNSXが入り、6年ぶりにNSXが1-2-3フィニッシュを達成することとなった。
GT300クラスは、
スタートで2位にジャンプアップした#46宝山Zが接触による右リヤフェンダー破損でオレンジボールを出されて21周で後退すると、
今度は滑りやすい路面でAWDの利点を生かした#77クスコスバルインプレッサが順位をぐんぐん上げて2位に浮上、
次第にトップの#2紫電に迫っていく。
そして遂に41周目の1コーナーでインプレッサは紫電のインに飛び込み、クラストップに立ってそのままピットイン。
しかしインプレッサはその後もピットイン、アウトを繰り返し、47周でレースを終えることとなった。
こうした後続の脱落に助けられながらトップを快走していた#2紫電だったが、1スティント目を引っ張ったのがあだになり、
ルーティンストップを終えてコースに戻ってみると、#47宝山Zにトップの座を奪われ、自身は5位まで後退することになってしまった。
加藤寛規から交代した高橋一穂は果敢に追い上げを試みるが、4位でレースを終えることに。
代わってトップに立った#47宝山Zの背後には、
次第に#19ウェッズスポーツセリカが迫ってくる。
19号車の後半を担当した関口は、途中何度もコースをはみ出すアグレッシブな走りでトップと差を詰めていき、
遂に72周目の最終コーナーで#47脇阪薫一のインに飛び込んでトップの座を奪い取ることに成功、そのまま75周のチェッカーを受け、
GT初優勝を達成した。
次戦は鈴鹿サーキット。伝統のPOKKA1000kmは8月19日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GTAは7月29日、スーパーGT第5戦の行われているスポーツランドSUGOにて行った定例会見の中で、
第7戦もてぎでノックダウン方式の予選の実施を検討していることを明らかにした。
ノックダウン方式とは、昨年からF1で採用されているもので、予選セッションを三つのピリオドに区切り、
それぞれのピリオドで上位の決められた台数のみが次のピリオドに進めるという方式だ。
スーパーGTでは午前中の予選1回目は予選通過基準タイムをクリアするためのセッションと位置づけ、
予選2回目をノックダウン方式で行う意向。
これに伴い、8月2日にツインリンクもてぎで行われるGT合同テストでシミュレーションを実施する予定だ。
今回はツインリンクもてぎサイドからの提案だったいうが、GTAとしても「土曜日もお客さんを呼べる」
ということで採用に動き出したとのこと。
なお、計時システムの制約などがあり、この予選方式は残念ながら第7戦一回限りとなる模様だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第5戦の決勝前フリー走行は、#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組み)がトップタイム。
GT300クラスは#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)がトップだった。

決勝日を迎えたスポーツランドSUGOの天候は曇り。上空に厚い雲が覆いかぶさり、今にも雨が降ってきそうな状態だ。
現時点での降水確率は30%、気温も23℃と、昨日とはうって変わって涼しい気候だ。
フリー走行は午前9時より開始されたが、開始5分で#87マルホンムルシエRG-1がトラブルのためバックストレート脇にストップ。
この際エンジンルーム付近より出火したため、赤旗中断となった。
消火作業と車両回収の後、9時25分にフリー走行再開。
再び各車一斉にコースへ出て行った。
昨日の予選に続いてここでもNSX勢が上位に名を連ねる。
再開直後の順位は1位#32エプソン、2位#17リアル、3位#100レイブリックだ。
4連続ポールのTAKATA童夢、今回予選2番手のARTAも次第にペースを上げ、
セッション半ばを過ぎたあたりで#18TAKATAを駆る小暮卓史が1分16秒771でトップに立つ。
ARTAもそのすぐ後にラルフ・ファーマン16秒727を叩き出してトップに。
一時はトップ5が全てNSXという状態であったが、#1宝山が16.935を出して3番手、5番手に#38ZENTと、
レクサスSC勢もセッション後半にペースを上げてNSX勢に割って入った。
一方Z勢は#3イエローハットの8番手が最上位と苦戦。9番手にザナヴィが続き、
トレルイエ欠場の#12カルソニックはクラス最下位の16番手に終わった。
GT300クラスは、#46宝山Zが走行再開直後からトップに立っていたが、
セッション終了間際に#43ガライヤが1分23秒124を出してトップに。ポールシッターの#2紫電はクラス4番手に終わった。
第5戦決勝は今日午後2時より、81周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラス TAKATA童夢NSX
小暮 卓史
まず、この場にこられたことについて、チームスタッフをはじめ関係者の皆さんに感謝します。
予選1回目では14秒台が出せていたのに、スーパーラップが15秒台に終わったのは残念です。フロントタイヤの皮をむいとけば、もうちょっといいタイムが出たのかな、と思いますが、ポールが取れたので満足しています。
(3戦連続ポールについて)まるで去年のフォーミュラニッポンみたいですね(笑)
(決勝に向けては)これから道上さんとも話し合って決勝セッティングを詰めていきます。それさえ決まれば、優勝に一番近い位置からスタートするんですから、勝てるはずです。
菅生は何も考えないでもリズムを取れるくらい相性のいいコースです。
道上 龍
岡山から小暮が3戦連続、チームとしては4連続ポールです。うれしいことはうれしいですが、できれば自分もレースを戦った後でこの場に来たいですね。
明日はトラブルが出ないことだけを願っています。トラブルさえ出なければ優勝できると思いますから。
ここ数戦はボクがレースセットアップを入念にやってるんですが、今回も金曜からいい方向に行ってますが、明日までにやらないといけないことも残ってるんで。
クルマは雨でも晴れでも問題ありませんが、途中で天気が変わると難しいことになるので、運も見方につけたいですね。
GT300クラス プリベKENZOアセット・紫電
加藤 寛規
昨日の最後のセッションと今朝とで路面が違ってました。それに対するクルマのバランスはそんなに悪くはなかったんですが、もうちょっと改善すべきところがあって、それを午後のセッションで調整してスーパーラップに臨みました。
クルマの仕上がりに関しては、チームもタイヤメーカーさんもだいぶ頑張ってくれてたんですが、午前のガライヤのタイムには届かなかったので、『今日は2番かな』と思っていたら、ガライヤさんがポールをプレゼントしてくれた、って感じです。
明日は天気も含めてレースのうちなので、気にせずにベストを尽くします。
高橋 一穂
いつものことですが、またプレッシャーをかけていただきまして。
明日の決勝で気になる点は、2番目に乗るドライバー何じゃないかと思います。
セパンではいろんなところでぶつかって、最後はガス欠にもなって、その結果15kgのウェイトを降ろせたのでこの結果なんだと思います。そういう意味ではボクも貢献できたんじゃないかと(笑)
これ以上言うとまた2ちゃんねるで『高橋うざい』とか言われかねないですね(笑)
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第5戦、SUGO GT 300kmは、
#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)がポールポジションを獲得。
TAKATA童夢は第2戦岡山から4戦連続、アタックを担当した小暮にとっても3戦連続のポールポジション獲得となった。
GT300クラスは#2プリベKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)が、第2戦岡山以来、
今季2度目のポールポジションを獲得した。
公式予選2回目が終了して5分後、GT300クラスからスーパーラップが開始された。
空は幾分雲が厚くなってきたが、天気はなんとかSL終了まで持ちこたえた。
午前中10番手だった#110アークテックボクスターから始まったこのクラスのスーパーラップでは、
そのボクスターを駆る黒澤琢弥が順位を一つ上げたが、予選終了後に車両規則違反とされ、タイム抹消のペナルティが下された。
明日のスタート順位は午前中と同じく10番手だ。
このほか、#62ウィルコムヴィーマックの黒澤治樹が午前中8番手から一気に5番手に、
#13エンドレスアドバン洗剤革命Zの影山正美が午前中5位から3位までジャンプアップしてきた。
ポイントリーダーの#101トイストーリーMR-Sを駆る石浦宏明は、前半セクションでは影山を上回る快走を見せたが、
80kgものウェイトハンデが祟って後半セクションのタイムが伸びず、順位を二つ落とす結果となった。
9番目に出走した#2紫電の加藤は前半セクションだけで影山を0.438秒も上回るハイペースで攻め、1分22秒760と、
午前中の自己ベストをも更新してみせる。
一方午前中トップの#43ARTAガライヤは、高木真一がアタックを担当するが、1分22秒886と僅かに加藤に届かなかった。
続いて行われたGT500クラスのスーパーラップでは、今回5台中3台をSLに送り込んだZ勢が失速。
午前中8番手の#22モチュールを駆るミハエル・クルムが9位、同じく5番手の#3イエローハットを駆るセバスチャン・
フィリップが6位に終わったほか、午前中2番手と健闘した#23ザナヴィのリチャード・ライアンにいたっては、
なんと10位にまで後退してしまう有様だった。
SC勢は#38ZENTの立川祐路が順位を二つ上げたが、#1宝山のアンドレ・ロッテラーは4位のまま。
その一方でNSX勢は、#100レイブリックのドミニク・シュワガーが9位から二つ順位を上げてきたほか、
#8ARTAの伊藤大輔も45kgのウェイトハンデをものともせず、午前中7位から一気に2位にジャンプアップしてみせた。
しかしその伊藤をもってしても、この日の小暮の勢いにはかなわなかった。
小暮の駆る#18TAKATA童夢は午前中の14秒台にこそ届かなかったものの、2位をコンマ4以上上回る1分15秒120を叩き出し、
第2戦岡山以来4戦連続でポールポジションを獲得した。
小暮にとってもこれは第3戦富士以来3戦連続のポールポジションである。
予選での圧倒的な速さとは対照的に、決勝ではトラブルやアクシデントに見舞われてなかなか結果を残せないTAKATA童夢。
果たして菅生では念願の優勝を手にすることができるだろうか。
第5戦決勝は明日午後2時より、81周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第5戦の公式予選2回目もまた、#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)がトップタイム。
好調な仕上がりぶりをアピールした。
GT300クラストップは#5クムホプロμマッハ号320R(玉中哲二/竹内浩典組)だった。
午後2時30分、公式予選2回目が開始された。
GT300、GT500の順でそれぞれ15分づつのこのセッションでは、スーパーラップに向けての最終調整や、
決勝をにらんだセッティング作業が中心だ。
なお今回の菅生ラウンドでは、最大出走台数が38台となっているため、午前中の予選で下位に留まった#9モスラーMT、
#67ランボルギーニガイヤルド、#70ポルシェ996GT3は基準タイムをクリアしたものの予選落ち扱いとなっている。
GT300クラスは開始早々から#5マッハ号が好タイムを連発。今回SL進出はならなかったが、
決勝に向けて着々と調整が進んでいるようだ。
2番手には#2紫電、3番手は#62ウィルコムヴィーマック。
午前中トップの#43ARTAガライヤは4番手でこのセッションを終えた。
GT500クラスは#18TAKATAの快進撃がとまらない。
このセッションでも1分15秒918のトップタイムを叩き出す。2番手の#32エプソンは16秒664。
NSXの1-2ながら大きな差が開いた格好だ。
3番手には#23ザナヴィZ、4番手には#38ZENT SCがつけた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007スーパーGT第5戦、菅生GT300kmレースの公式予選1回目は、
またしても#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が暫定ポールを獲得することとなった。
タイムは1分14秒784と、小暮が只一人14秒台を記録した。
GT300トップは#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)。こちらも新田が唯一の22秒台となる1分22秒665を記録した。
公式予選日を迎えたスポーツランド菅生は快晴。朝から降り注ぐ強い夏の陽射しの下、午前11時から公式予選1回目が開始された。
GT300クラスの専有では、暫定ポールのガライヤの他、#31MR-S、
#101MR-Sのapr勢がセッション序盤から速さを見せ、#101石浦宏明が4番手、
#31峰尾恭輔が7番手といずれもスーパーラップ進出を果たした。
2番手には#2紫電の加藤寛規が1分23秒082でつけ、
3番手には佐々木孝太の駆る#46宝山Zが専有終了ぎりぎりのタイミングで滑り込んだ。
なお、このセッションは開始20分で#9モスラーMTがSPコーナーの一つ目でバリアに突っ込んだために赤旗が出され、
そのまま専有走行は終了となった。
予選は13分後にGT500クラスの専有走行から再開された。
暫定ポールのTAKATAをはじめ、今シーズン何度も速さを見せつけているNSX勢に対し、今回はZ勢も好調であり、
#23ザナヴィZのリチャード・ライアンが専有終了間際に1分15秒621を叩き出して2番手に食い込んだほか、
#3イエローハットZが5番手、#22モチュールZが8番手でスーパーラップ進出を果たした。
ここ菅生で6連勝中のトヨタ勢は#1宝山SCの4位が最上位。10番手に#38ZENTが入ったのみ。
ここまで不運の続いたディフェンディングチャンピオンの宝山の巻き返しに期待が集まる。
2クラス混走となる最後の20分間は、いずれのチームも基準タイムクリアに照準を合わせて周回を重ねていった。
しかしそんな中で唯一、#7雨宮RX-7の井入宏之が戦終了時12番手から一気に9番手にジャンプアップを果たし、
予選終了直前にスーパーラップ進出を決めた。
公式予選2回目は今日午後2時30分より、各クラス15分間。
その後午後3時5分より、スーパーラップが行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ(ARTA)は、スーパーGT第6戦ポッカ1000kmで#8ARTA
NSXの第三ドライバーに井出有治を起用することを7月27日付のリリースで発表した。
井出は8月1、2日のGTA合同テスト(ツインリンクもてぎ)にも参加する。
昨年の井出は発足したばかりのスーパーアグリからF1念願のF1デビューを果たして序盤3戦を戦ったが、
その後はスーパーライセンスの停止などがありシートを喪失。
その後は帰国してポッカ1000kmでザナヴィZの第三ドライバーを務めた。
今年は開幕からARTAの55号車のドライバーとしてフォーミュラニッポンに参戦し、第5戦の鈴鹿で3位を獲得、
久々の表彰台に上がっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO