2007年全日本選手権フォーミュラニッポン第9戦の決勝前フリー走行は、#32小暮卓史(PIAA
NAKAJIMA)がトップタイム。1分43秒256だった。
チームメイトのロイック・デュバルは3番手と、ナカジマ勢がここでも好調ぶりを見せつけた。
2007年最終戦の決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは快晴。しかし時折強風が吹きつける、
フォーミュラカーには厳しいコンディションとなった。
フリー走行は午前9時から30分間で行われた。
ポールシッターの小暮は開始10分でこのセッションのベストタイムを記録すると、その後はピットに留まり、
残り10分とチェッカー直前に44秒台で走行したのみ。タイトル争いに向けて準備は万端のようだ。
2番グリッドからスタートするデュバルも43秒564と、4位のブノワ・トレルイエにコンマ5秒の差をつけている。
3番手スタートの本山はトレルイエから0.035秒差の5位。
ナカジマ勢とインパル勢の差が何を意味するのかは、現時点では不明だが、2ストップやハーフタンクでのスタートなど、
何度も思い切った作戦を採ってきたPIAAナカジマが、ここでも何かをやってくる可能性は否定できないだろう。
また、残り時間7分で2番手タイムを出してきた、ビルドハイムの動きにも目が離せない。
一方、ランキング3位の松田次生は9番手と、ここでも苦戦している。
注目のカナーンは15番手。決勝では得意のロケットスタートが見られるのかにも注目したいところだ。
第9戦決勝は午後1時45分スタート。ピットストップ1回以上が求められる51周の戦いだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

(今日の予選について)
難しかったよ。予選1回目はまぁまぁの出来だったし、2回目の前半も良かったんだけど、
ニュータイヤを履いて出て行くタイミングが良くなくて、トラフィックにつかまってしまったんだ。
12位以内が目標だったけど、そのせいで18位になってしまった。
でも皆さんが知ってるように、インディカーでの僕はスタートが得意で、いつも4、5ポジションは稼いでるから、
明日もスタートを決めて12位くらいにジャンプアップしたいね。
まだまだ勉強中だ。この場を借りて全てのドライバーに感謝したい。JRPにもね。
日本に来てからすごく楽しい時間を過ごしてるよ。
(2回目の予選の状況について)
残り5分でニュータイヤで出て行って、2周暖めてからアタックに入るつもりだったんだけど、そこでトラフィックにつかまってしまったんだ。
だから次の周でもう一度チャレンジしようとしたんだけど、そこで丁度チェッカーが出てしまった。
(今回参戦した経緯について)
今まで11年にわたるホンダとの関係もあるし、JRPからも打診があった。もてぎのインディカーでは優勝もしてるし、
面白いチャレンジになる、とも思ったから、すぐにOKしたんだ。
事前にテストのチャンスはあったんだけど、丁度そのときに息子が生まれて、妻の手伝いをしなきゃならなかったんで、走れなかったんだ。
招待してくれて感謝している。フォーミュラニッポンは日本のトップドライバーが集う、F1に次ぐビッグレースだから、
今回招待されたことには感謝しているよ。日本はブラジルの次に僕のファンの多い国だしね。アメリカよりも多いんだよ。
このシリーズを体験することを楽しみにしていたんだ。だからファンのみんなの前で良い走りをしたいね。
ナカジマチームはトップチームだし、僕に本当によくしてくれる。まだ良い結果は出せてないけど明日は期待して欲しい。
(カーナンバーを27にしたことについて)
27はダリオの使っていた番号だけど、来年はヒデキさんも使うことになってる。
だから彼にプレッシャーをかけてやる意味でも27を使うことにしたんだよ(笑)
(スタート方式の違いについて)
間違って僕だけローリングスタートしちゃうかもね(笑)
スタンディングスタートは12年ぶりだから、木曜日に練習したけど、どうなるかわからないね。
(ロングディスタンスを走った感想)
フルタンクでは昨日走ったよ。かなり体力的に厳しいと思ったね。日本人はみんな痩せているのに、
なんであんな重いハンドルで長時間ドライブできるのかな?きっとスシに何か秘密があるんだろうね(笑)
(武藤英紀について)
ヒデキさんからはいろいろアドバイスを貰ってて、とにかく速く走って勝つことが大事だといわれてる。
彼のことは知っていたけど、今まで話したことはなかったんだ。今週になって初めて話をしたんだけど、良い機会になったね。アンドレッティ・
グリーンレーシングはドライバー同士の関係を大事にするんだ。
彼はチームに期待されてるよ。だから僕からはプレッシャーに負けないことが大事だとアドバイスしてるんだ。
ウチのチームはいいドライバーがそろってて、ダニカ・パトリックも期待されてるし、マルコ・アンドレッティも期待されてる。
だけど僕はもうトシだから、そんなに期待されてないんじゃないかな。
(ステアリングの重さについて)
話題づくりになると思って重い重いって言ってきたけど、体力的に問題はないんだ。
でもレースが終わったら病院に直行かもね(笑)
(スポッターがいないなどのレース方式の違いについて)
ヨーロッパのレースも経験してるから大丈夫だよ。インディカーでもロードコースのレースはあるから、
ストラテジーの違いもそんなに問題はないよ。
今回はヒデキと無線で話す事になってるから、僕が文句を言えば逐一チームに伝わると思う。
でも話す内容はピットストップのタイミングとか、その程度じゃないかな。
(日本にいるブラジル人のファンについて)
金曜日に子供たちに会ったし、450通も応援の手紙を貰ったんだ。日本にこんなに沢山のブラジル人が住んでるのか、って驚いてるよ。
だからみんなの前で良い走りをしたけど、18番手からだからねえ。
でも昨日テレビを見ていたら、日本対ブラジルのバレーボールの試合をやってて、ブラジルが勝ったようだね。だから僕も頑張るよ。
(セナについて)
セナは今でも僕のヒーローだよ。彼は僕のキャリアをサポートしてくれたし、いろんなアドバイスをくれた。
一緒にカートで走ったこともあるんだ。
セナは日本を第2の故郷だと言っていたし、鈴鹿はすばらしいコースだから是非走るべきだと言っていた。
今まではテレビゲームでしか走ってなかったけどね。
だからカンパネラ(鈴鹿サーキット内のイタリアンレストラン)に彼の席があると聞いて、
彼にあやかろうと思って撫で回してきたよ(笑)
(ブラジルのファンへのメッセージ)
頑張ります。ベテランぞろいの中でレースをして、奇跡が起きることはないと分かってるけど。
(ホンダファンに向けて)
今回は必ずホンダがチャンピオンを獲ります。トヨタも速いけど、コグレがきっと勝つよ。
(所有しているホンダ車について)
アコードもMDXも持ってる。子供のためにオデッセイも買ったよ。次はシビックにインディカーのエンジンを載せようと思ってるんだけど、
どうしてもエンジンを譲ってくれないんだよねぇ。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

小暮 卓史(ポールポジション)
1セット目のアタックのときは、水温センサーにトラブルが出て、思うように走れませんでした。
そのときは原因も良く分からなかったんですけど、2回目の予選までには直すことができました。
午後は3セットアタックしたんですが、ロイックが速くて、いつも彼を追いかける展開になりました。
走るたびにセッティングを変えていって、そのたびに納得できない部分を消し、
僕の持ってるイメージに近づけていく形で気持ちよく3セット走れました。
08タイヤを履けば、39秒台に入るかも、と言われていたので、今日のタイムは予想していました。
タイトルはブノワの順位次第ですけど、優勝することで可能性は上がります。今日ポールを獲れたことで、明日の決勝は変なプレッシャーもなく、
モチベーションの高い状態で挑めるようになりましたね。
ロイック・デュバル(予選2位)
悪くない結果ですが、満足はしていません。今朝の予選からポールポジションを狙っていましたから。
クルマは良かったんですが、午後はセットアップの時間が充分じゃなかったです。
でも、チームにとっては、チャンピオンシップを考える上でもフロントローを独占できたことは良かったんじゃないかと思います。
僕自身はポールが取れなくて残念ですが。
ニュースペックのタイヤはグリップが高いので、明日の決勝はフィジカル面でもタフなレースになると思います。
勿論勝つことが目標ですけど、チームメイトがチャンピオン争いをしているのですから、必要になればアシストするつもりです。
本山 哲(予選3位)
チャンピオンの権利はなくなりましたが、今年2勝してる鈴鹿で勝って終わりたいですね。
PIAAナカジマが速いので、それに近づけるようにここまで考えてきました。そのおかげで走り始めからクルマは乗りやすく、
ポテンシャルが上がってるのが実感できたので、ポールを獲るつもりでしたけど、まだ届きませんでしたね。
明日はとにかく勝ちたいです。まだ戦略は決めてませんけど、スタートで前に出ることを基準に考えていくつもりです。
チームオーダーとかは今のところ考えていませんよ。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007全日本選手権フォーミュラニッポン第9戦の公式予選2回目は、#32小暮卓史(PIAA
NAKAJIMA)が1分40秒510と、コースレコードを大幅に更新して3戦連続、今季4度目のポールポジションを獲得。
逆転タイトル獲得に向けて大きく前進することとなった。
2番手にはロイック・デュバルがつけ、中嶋企画が3戦連続でフロントローを独占した格好だ。
公式予選2回目は午後3時10分より、45分間で行われた。
午前中の予選で本山哲、松田次生らが2セットを投入したのに対し、デュバル、ブノワ・トレルイエ、小暮、アンドレ・
ロッテラーらは2回目の予選に向けてニュータイヤを3セット温存している。
大半のドライバーは開始早々にユーズドタイヤでコースに出て行ったが、デュバル、トレルイエ、
ビルドハイムらはガレージに留まってアタックのタイミングを待つ作戦に出た。
トレルイエは開始10分過ぎに最初のアタックを開始。ニュータイヤで1分41秒264を出して午前中のトップタイムを上回って見せた。
その3分後にロッテラーがアタック。こちらは41秒879に留まった。
トレルイエがアタックを終えてピットに戻るのと入れ替わりに、今度はデュバルがアタックを開始。
小暮も2セット目のタイヤを投入してデュバルのすぐ後ろを走り始めた。
ここでデュバルが出したタイムは1分41秒012。第2戦鈴鹿で松田次生の記録したコースレコード、41秒115を早くも更新してみせた。
小暮は41秒288でこの時点での3番手だ。
残り時間18分でトレルイエが3セット目を投入、セクター1、セクター2とダントツの速さでアタックを続け、
最初に41秒の壁を破った。タイムは1分40秒934だ。
しかし残り11分で3セット目を投入した中嶋企画の二人はこのタイムを更に上回り、デュバル40秒769、
小暮は40秒549を叩き出す。
アタックを終えた二人はピットですぐに4セット目を装着してコースへ。
残り時間はすでに5分を切り、他のドライバーたちも4セット目を履いてアタックを始めている。
最後のアタックで小暮はタイムを更に削って40秒510。
デュバルは40秒787と僅かに更新ならず。
3番手には本山が飛び込んできた。タイムは1分40秒929だ。
その他、ロッテラーも41秒087を記録し、このセッションで上位5人がコースレコードを更新することとなった。
一方トレルイエは逆バンクでイン側の縁石にフロントタイヤを引っ掛けて姿勢を乱し、アタックを断念。
松田も41秒805までしかタイムを縮められず、11位。タイトル獲得はかなり難しくなってしまった。
注目のトニー・カナーンも、ニュータイヤでアタックを始めたところでトラフィックにつかまり、
タイム更新のチャンスを失ったため、18位に終わった。
第9戦決勝は明日午後1時45分より、51周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2007年全日本選手権フォーミュラニッポン第9戦の公式予選1回目が11月17日、鈴鹿サーキットで行われ、#31ロイック・
デュバル(PIAA NAKAJIMA)が1分41秒534を記録して暫定ポールを獲得した。
注目のインディカードライバー、トニー・カナーン(カナーン・レーシング)は13番手だった。
2007年のフォーミュラニッポンもいよいよ最終戦。
タイトルの行方はブノワ・トレルイエ、小暮卓史、松田次生の3人に絞られた。
しかもランキングトップのトレルイエから3位の松田までの差はわずか4ポイントと接近しており、今日の予選、
明日の決勝と3人による白熱のタイトル争いが大いに期待できる。
しかも今回は、アメリカのインディカーシリーズからトニー・カナーンが参戦。
カナーンは2004年のインディカーチャンピオンであるとともに、今年のインディ・ジャパン300でも優勝している。
誰もが認めるアメリカンオープンホイールのトップドライバーが、日本の最高峰フォーミュラでどんな走りをするかにも注目だ。
公式予選1回目は午前11時15分より45分間で行われた。
いつものように殆どのドライバーがセッション半ばまでピットに待機する中、カナーンは開始10分でコースイン。
最初のアタックで1分42秒846を記録した。
続いて残り27分でミハエル・クルムがコースイン。1分42秒351を出してレギュラードライバーの満目を保った。
残り時間が20分を切ったあたりから他のドライバーもアタックを開始。
ここでトレルイエが1分41秒554と一気に41秒台中盤のタイムを出してみせる。
一方、ここまで2連勝してランキング2位に上がってきた小暮は、柳田のコースアウトでデグナーに黄旗が出たために一旦ピットに戻ったが、
残り11分でアタックを再開。
小暮がコースに復帰した直後、デュバルがこのセッションのベストタイムとなる1分41秒534を記録した。
小暮のアタックは1分42秒094。結局これがこのセッションのベストとなり、小暮は5番手に留まった。
残り5分を切ったあたりで大半のドライバーが2セット目のアタックに取り掛かる中、デュバルとトレルイエは走行を切り上げ、
午後の予選にタイヤを温存する作戦に出る。
2セット目を投入したドライバーの中では本山哲が目覚しい走りを見せた。
本山がチェッカー直前に叩き出したタイムは1分41秒535。トップのデュバルまでは僅か1000分の1秒だ。
ランキング3位の松田もここでタイムアップを果たしたが、1分42秒252、8番手に留まった。
カナーンは2セット目を投入するも、タイムアップならず。13番手で最初の予選を終えた。
第8戦もてぎから苦戦の続く松田。午後の予選でどこまで挽回できるか。
ここまで2連続ポールの小暮の逆転はあるのか。
注目の予選2回目は午後3時10分より同じく45分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
総合優勝&ST-1クラス優勝 #8黒豆リボイスGT3
清水康弘
竹内さんと1年間やってきて、いろいろ勉強になりました。
自分の力を信じて全力で走りきることができて、最高の1年の締めくくりのレースになりました。
#50はスタート直後の3コーナーでさしました。タイヤがまだ暖まってなかった状態でした。その後、
1回抜かれましたが#50のトラブルでまたトップになりました。
次は#1とのテールtoノーズのバトルになりましたがなんとかおさえることができて、
雨が少なくなり理想的な展開で逃げ切ることができました。雨が多くなると結構危なくて、マシンがフラフラでしたね。
竹内浩典
雨は、危なかったですよ。
清水君がBMWを抜いてトップでボクに渡してくれたんで、この1年間ですごく成長したしそれが勝因ですね。
最後に2勝目を飾れてよかったですね。
まとめ:Keiichiro TAKESHITA
スーパー耐久シリーズ2007第7戦、SUPER TAIKYU MOTEGI 500kmの決勝は、時折強く降ってくる雨のため、
セーフティーカーが3度も入る波乱の展開となった。
この影響で全体のペースも上がらず、午後2時40分には午後4時をもってレース終了、との公式通知が出され、
トップが92周を終了した時点でチェッカーが出されることとなった。
この混戦を制したのは、#8黒豆リボイスGT3(清水康弘/竹内浩典組)。
富士スピードウェイに続いて今季2勝目を挙げた。
(観客動員数:6,200人)
フリー走行での赤旗中断などもあり、スケジュールの遅延が懸念されたが、結局当初予定通り正午にフォーメーションラップが開始され、
第7戦決勝がスタートした。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#50BMW Z4を駆る柳田真孝だったが、
3-4コーナー区間で#8ポルシェの清水康弘が柳田を抜いてトップに立った。
抜かれた柳田も清水との間隔を1秒強に保ってしぶとくついていき、徐々にその間隔を詰めていく。
そして13周目のホームストレートで遂に清水に並びかけ、1コーナーを制して再びトップに。
ところがこの周の最終コーナーで50号車は駆動系のトラブルから突然スローダウン、一気に3位に後退してしまう。
それでも柳田は、8号車と1号車のポルシェ2台が熾烈なトップ争いを展開する隙に徐々に差を詰め、
雨が激しくなったために導入された最初のセーフティーカーを巧く利用してピットストップを行った結果、41周目にトップに返り咲いた。
ところが43周めの5コーナーで駆動系のトラブルが再発、柳田は立体交差下にストップしてレースを終えることとなった。
50号車はこれで第4戦の富士以来4戦連続でトップを走行しながら勝利を逃したことになる。
時折強まる雨のため、セーフティーカーはこの後も54周目と65周目に導入されることとなった。
コース上では8号車の後塵を拝し続けた1号車だったが、
最初のセーフティーカーでタイミングよくピットストップを行って順位を上げることができ、
その後は50号車のリタイヤにも助けられて総合トップに繰り上がって周回を重ねていった。
しかし3度目のセーフティーカーが入ったところで8号車がタイミングよく2度目のピットストップを行ってトップを奪い返すと、
1号車は66周終わりで交代したヘンリー・ホーのペースが上がらなかったために徐々に順位を落とすこととなり、結局総合5位、
ST1クラス4位でレースを終えることとなった。
3度目のセーフティーカーランで再びトップに立った8号車は、
竹内浩典が後続を全く寄せ付けない堅実な走りで午後4時のチェッカーまで走りきり、
第4戦富士以来の今季2勝目を挙げて2007シーズンを締めくくることとなった。
ST2クラスは#11オーリンズランサーEVO・MR(木下隆之/中谷明彦組)が混戦を制し、今季土付かずの7連勝を達成。
スタート直後から5、6台がトップ集団を形成して激しいバトルが展開されたが、ポールの#2フジツボインプレッサ、
#20RSオガワランサーらが接触やコースアウトで後退、
#13エクセディシーケンシャルに至ってはスリックタイヤでスタートするというギャンブルが外れて、勝利を逃す結果になった。
こうしたライバルたちのトラブルを尻目に、11号車は木下、中谷とも堅実かつハイペースな走りで最後まで踏みとどまり、7戦全勝を達成した。
ST3クラスは、#41SABOTAGE Z(塩渕誠二/脇阪薫一/吉田広樹組)が優勝。
#113カルラレーシング☆ings北海Z(大井貴之/伊橋勲組)が5位に入ってシリーズタイトルを獲得した。
4台がタイトル獲得の権利を持って最終戦に臨んだST3クラスだったが、
ポールシッターでランキング3位の#7アメニティホームRX-7がスタート手順の違反でドライブスルーペナルティをもらって最初にタイトル争いから脱落することとなった。
ランキング2位の#27FINAアドバンM3と同4位の#74アラビアンオアシスZはレース中盤から激しく優勝争いを展開したが、
そこへ割って入ったのが41号車だった。
スタートドライバーの脇阪からバトンを受け取った塩渕は、76周目のV字コーナーで#27小林且雄を攻略、トップに躍り出ると、
その後は#27と#74のドッグファイトに乗じて差を広げ、チェッカーまで逃げ切った。
一方、ポイントトップでもてぎ入りした113号車は、ピットストップ時に再始動に手間取るハプニングなどもあり、
更にはスピンを喫したこともあって一時はクラス6位まで後退してタイトル獲得に黄信号が灯ったが、
クラス5位を走行していた#39NSXが終盤コースアウトしたことに助けられて5位に浮上、10ポイントを加算して辛くも逃げ切った。
ST4クラスは#51TUBE FOUR TRUST GOCHI(松本玲二/黒木英春/黒木健次組)が終始レースをリード。
SCランを利用してピットストップを済ませた#34オートバックスDC5にトップを奪われる場面もあったが、
後半を担当した松本が72周目の90度コーナーで積極的に仕掛けてトップを奪い返してクラス優勝をものにした。
また、ランキングトップの#76ホンダアクセスシビック(玉本秀幸/小林正吾/古橋譲組)は見事3位表彰台を獲得し、
今季初登場のシビックタイプRがシリーズタイトルを獲得することとなった。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
スーパー耐久第7戦、SUPER TAIKYU MOTEGI500kmの決勝前フリー走行は、開始早々に大クラッシュが発生、
赤旗中断となる波乱の展開となった。
23分の中断をはさんで行われたこのセッションで総合トップタイムを記録したのは、#50ペトロナスシンチウムBMW Z4Mクーペ
(柳田真孝/ファリーク・ハイムラン組)。
昨日のポール獲得に続いて好調ぶりを見せ付けた。
決勝日を迎えたツインリンクもてぎの天候は曇り。予選日から降っていた雨は朝方には止んだものの、路面はまだウェットの状態だ。
フリー走行は午前8時45分から30分間で行われた。
開始6分過ぎに#12ランサーワゴンが最終コーナーでクラッシュ。クルマは前後を大破しており、
フレームにまでダメージが及んでいる状況。決勝までに修復することはほぼ不可能と思われる。ドライバーは菊池靖だった。
12号車は決勝がドライコンディションで行われることを見越してスリックタイヤを装着しており、これが完全に裏目に出た格好だ。
このクラッシュにより赤旗が提示され、セッションは中断となった。
車両改修やコース整備を行った後、走行は23分後に再開された。残り時間は23分40秒だ。
ポールポジションの#50BMW Z4Mがここでも好タイムを連発。柳田が2分10秒638を記録してトップタイムとなった。
2番手には#8黒豆リボイスGT3がつけ、シリーズチャンピオンの#3エンドレスZはクラス5位に終わった。
ST2クラスはポールシッターの#2フジツボインプレッサが終盤タイムを上げ、2分15秒165でトップ。総合でも4番手につけた。
2番手には#59東和モチュールインプレッサが2分15秒584で続き、
シリーズチャンピオンの#11オーリンズランサーはクラス5位だった。
4台によるチャンピオン争いが展開されているST3クラスは、
ポイントリーダーの#113カルラレーシングZが最初にトップに立ったが、ランキング2位の#27FINA BMW M3、
ランキング4位の#74アラビアンオアシスZが徐々にタイムを上げ、27号車がトップ、74号車が2位、
113号車は3位でこのセッションを終えた。昨日ポールポジションを獲得し、
3ポイントを加算してランキング3位に浮上した#7アメニティホームRX-7はタイムが伸びず、クラス7位。
タイトルの行方は全く予想もつかない状況だ。
ST4クラスも3台がタイトルの権利を残しているが、ランキングトップの#76ホンダアクセスシビックはクラス6位と低迷。
このセッションをクラス2位で終えたランキング2位の#4AVANZZA DC5に逆転の可能性が出てきた。
クラストップタイムはポールシッターの#51TUBEインテグラだ。
第7戦決勝は正午スタート。105周で戦われる。
なお、大破した12号車は、現在もチームが必死の修復作業を行っており、決勝出走をまだ諦めてはいない。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
#50ペトロナスシンチウムBMW Z4Mクーペ(ST-1クラス)
柳田 真孝
金曜日にドライで走ってみてもトップタイムが出て、どのサーキットでも速いことがわかりました。一発のタイムは出たんですが、
ロングでのマージンは思ったより少ないので、明日は接戦になると思います。ウエットタイヤは路面にバッチリ合ってたようで、
ミシュランがうまく機能してくれました。タイヤに助けられているので、観ているお客さんは嫌だと思いますがこの調子で行きたいなと思います。
天候にかかわらず、まだ1勝もできていないので、最終戦はポールtoウインを狙っていきます。前回は自分のミスもあったし、
マシンもトラブルの対策はできています。
まとめ:Keiichiro TAKESHITA
スーパー耐久シリーズ2007、第7戦SUPER TAIKYU MOTEGI 500kmの公式予選は、
#50ペトロナスシンチウムBMW Z4Mクーペ(柳田真孝/ファリーク・ハイムラン組)がA、B両セッションでトップタイムを記録し、
今季3回目のポールポジションを獲得した。
ST-2クラスは#2プローバフジツボインプレッサ(吉田寿博/松田晃司/川口正敬組)、ST-3クラスは#7アメイティホーム・
エクセディRX-7(井入宏之/佐々木孝太/赤鮫オヤジ組)、
ST-4クラスはTUBEフォートラストGOCHI(松本玲二/黒木英春/黒木健次組)がそれぞれクラストップだった。
金曜日の合同テストとはうって変わって、
公式予選日を迎えたツインリンクもてぎは朝から小雨が降り続け、
スーパー耐久の公式予選はウェットコンディションで行われることとなった。
既にST-1、ST-2のチャンピオンは確定しているが、ST-3は4台、ST-4は3台にタイトルの権利が残っている。
しかしST-3クラストップの#113Zは2位に15ポイント、
ST-4クラストップの#76シビックは2位に18ポイントの差をつけており、いずれもポールを獲得して3ポイントを加算すれば、
その場で決着がつく状況だ。
公式予選は午後1時20分より、Aドライバー30分、Bドライバー30分で行われた。
ST-1、ST-2クラスのAドライバー予選は、#50BMW
Z4Mの柳田真孝が最初のアタックで2分9秒409を記録してトップに。
既にシリーズチャンピオンを決めている#3エンドレスZの青木孝行が2位につけているが、タイムは2分12秒152と、
柳田に3秒もの差をつけられている。
柳田は更に2分8秒809までタイムを上げてこのセッションをトップのまま終了した。
ST-2クラスは当初ここまで全勝の#11ランサー木下隆之が総合でも4位に相当する2分12秒663でトップに立っていたが、
セッション終了間際に#2インプレッサの吉田寿博が2分12秒543をたたき出してクラストップに上がってきた。
続いて行われたST-3、ST-4のAドライバー予選は、#41Zの塩渕が2分17秒812を記録して最初のアタックでトップに立つ。
一旦は#7RX-7の井入宏之が2分17秒442で上回るが、塩渕は更にタイムを縮め、2分17秒165でトップを奪い返して走行を終えた。
更に#27BMW M3の長島も終盤2分17秒404と井入りを上回って2番手に割ってはいる。
一方チャンピオン争いのかかった#74Zの小林敬一は途中スピンアウトしてグラベルにつかまるも、なんとかコースに復帰してアタックを続行、
しかしタイムは2分19秒548に留まり、この時点でのクラス順位は6位。
目下ランキングトップの#113Zの大井貴之は2分18秒779で5位だ。
ST-4はランキングトップの#76シビックの玉本がビクトリーコーナーでスピンするなど苦戦、
タイムもクラス4位の2分22秒930に終わった。
一方、クラストップに立ったのは、#51インテグラを駆るTUBEのドラマー、松本玲二だ。タイムは2分21秒837、
総合でもST-2クラスの1台を食って22番手につけた。
15分のインターバルの後、Bドライバーの予選が行われた。
ST-1クラスは#50ファリーク・ハイムランが2分9秒774とこちらもトップ。
2位には#8ポルシェの竹内が2分10秒527でつけ、総合3位には#11中谷明彦、#2松田晃司が4位、
#12ランサーワゴンの菊池靖が5位とST-2クラスの1位、2位3位が続いた。
しかし#1ポルシェのヘンリー・ホーがセクター3まで自己ベストを更新したにもかかわらず、ビクトリーコーナーでスピン。
ホーの車両がコースに半車身かかった状態でストップしたため、残り時間17分で赤旗が提示された。
車両排除の後、残り時間3分でセッション再開。
ここで#2松田が自己ベストを更新、2分12秒820をたたき出して堂々のクラストップ。
合計タイムでも11号車を上回ってポールポジションをもぎ取った。
ST-1クラスのトップ2は変わらなかったが、#3藤井がここで3位に浮上した。
ST-3、ST-4のBドライバー予選は、
始まってすぐに佐々木孝太が2分17秒887を記録した#7RX-7がST-3クラスのトップに。
残り時間9分で一旦は#74安田が2分17秒057でトップに立つが、佐々木は更にタイムを縮め、
2分16秒813で再びトップを奪い返した。
Aドライバー予選トップの41号車を駆る脇阪薫一がクラス4位に終わったため、7号車は合計タイムでもクラストップ。
これにより逆転タイトルへの必須条件である3ポイントを獲得し、かろうじて決勝へ望みを繋いだ。
ランキングトップの#113伊橋勲はクラス8位と低迷。明日の決勝、タイトルの行方、ともに混戦が予想される。
ST-4クラスは#51黒木英春が2分20秒946でトップ、ポールポジションを獲得した。
2位には#73山下、3位に#4井上恵一がつけ、タイム合算では#34インテグラが2位、#73インテグラが3位、
#4インテグラが4位となった。
一方ランキングトップの#76小林正吾は6位に終わり、タイム合算でもクラス5位に終わったため、こちらのタイトルの行方も混沌としてきた。
第7戦決勝は明日正午より、105周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
日本レースプロモーション(JRP)は11月9日、今年のドライバーオーディションに参加予定のドライバーを発表した。
全日本F3選手権の上位ランカー5名のほか、IRLから松浦孝亮、GP2からは平手晃平が参加することになった。
また、昨年までフォーミュラニッポンに参戦し、今年もスーパーGTのGT500クラスで活躍した土屋武士や、
ヨーロッパのルマンシリーズに参戦していたノルベルト・シードラーらも参加を予定している。
2007年フォーミュラニッポンドライバーオーディションは、11月20日(火)、鈴鹿サーキットで行われる。
※開催概要
主 催 : 株式会社 日本レースプロモーション(JRP)
開 催 日 : 2007年11月20日(火) 雨天決行
開催場所 :鈴鹿サーキット国際レーシングコース・フルコース
時 間 :午前 10:00~12:00 2時間
午後 14:30~16:30 2時間 計4時間
(ドライバー1名あたりの走行時間は2時間を予定)
使用マシン: FN06(現行車両を使用)
※ 参加予定ドライバー
| ドライバー名 |
チーム名 |
2007年参戦カテゴリー |
| 平手 晃平(ヒラテ コウヘイ) |
TEAM
IMPUL |
GP2(シリーズ18位) |
| 松浦 孝亮
(マツウラ コウスケ) |
NAKAJIMA
RACING |
IRL(シリーズ16位) |
| 伊沢 拓也
(イザワ タクヤ) |
全日本F3(シリーズ6位) |
| ロベルト・ストレイト(Robert Streit) |
INGING
MOTORSPORT |
全日本F3(シリーズ2位) |
| ノルベルト・シードラー (Norbert Siedler) |
TOM'S
RACING |
International Formula Master 参戦 Le Mans
Series、Le Mans 24Hours参戦 |
| オリバー・ジャービス(Oliver Javis) |
全日本F3(シリーズ3位) |
| 石浦 宏明
(イシウラ ヒロアキ) |
TOM'S RACING
TEAM LeMans |
全日本F3(シリーズ4位) |
| 大嶋 和也
(オオシマ カズヤ) |
全日本F3(シリーズ1位) |
| 土屋 武士
(ツチヤ タケシ) |
DANDELION |
スーパーGT(GT500シリーズ17位) |
フォーミュラニッポン公式ページ
Text:Kazuhisa SUEHIRO

GT500クラスドライバーズチャンピオン&チームチャンピオン #8ARTA NSX
伊藤 大輔
最高です。
オートポリスで決められたことが良かったです。富士でウェイトを積んだ状態で戦うのは厳しいですから。
今日は完走できればそれでいいと言われて走りましたが、入れ込みすぎても、気を抜きすぎても駄目なので、
却って心のコントロールが難しかったです。
去年は最後の最後でタイトルを取り逃がしたので、今年は取れるときにポイントを取っておくつもりで走っていました。
開幕戦でエンジントラブルが出ましたけど、それ以降はミスもトラブルも出ないで、
着実にポイントを拾っていったのがタイトルを取れた一番の要因だと思います。
ラルフ・ファーマン
ファンタスティックな一年でした。クルマも最高でした。
ホンダは毎年タイトルを取り逃がしていたので、今年チャンピオンになれて本当に良かったです。
今日のレースでも序盤から順位を上げることができ、良い内容でした。
来年の目標は勿論、2年連続のダブルタイトルですよ。
鈴木 亜久里(チーム監督)
本当にありがとうといいたい。
ARTAをはじめて10年目の節目の年でしたし、ホンダと一緒にやり始めてから初めてのチャンピオンということで。
これもチャンピオンを獲りたい、という目標に向かってチームが一丸となって仕事をしてきた結果だと思う。
ドライバーもペアを組んで3年になるけど、一年目からチャンピオン争いをしてくれたし、今年はミスも全くなかった。それにすごく速い。
なにより10年の節目にオートバックスさんにタイトルをプレゼントできたのが一番良かったですね。
GT300クラスドライバーズチャンピオン #101トイストーリーレーシングaprMR-S
大嶋 和也
最終戦で2位になれましたが、最後の最後まで紫電に苦しめられました。
今年は最初からチャンピオンを獲るつもりで、毎戦毎戦死に物狂いで戦ってきました。
来年のことはまだわかりませんけど、どこでレースをしてても一年目からチャンピオンを狙っていきます。
石浦 宏明
シーズン前半は流れが良かったのに、途中から不運が重なってライバルにも追いつかれてしまいました。
でも、最終戦に向けてミシュランも良いタイヤを作ってきたし、尾川さんもスペシャルエンジンを用意してくれました。
みんなが頑張ってくれたのでタイトルを獲れました。
大嶋と組めたことでやりやすかったし、チームも思うようにやらせてくれたので、自分も成長できたのだと思います。
GT300クラスチームチャンピオン #2プリヴェKENZOアセット紫電
後藤 誠(チーム監督)
この席にウチのドライバーと一緒に並びたかったです。
2年続けて同ポイントで2位というのはやろうと思っても中々できないことですが、タイトルが獲れなくて残念です。
でも今日のレース内容は非常に良かった。高橋選手が成長したことが良く分かった。
2年間でここまでのレースができるようになるとは正直思っていませんでした。
来年こそは、同じチームのドライバーとこの席に並びたいです。
去年は1点の重みを思い知らされましたけど、今年も101号車がもてぎでファステストラップだけを狙って走っているのを見て、
改めて1点に懸ける執念を見た気がします。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

GT500クラス優勝 #32エプソンNSX
ロイック・デュバル
本当にハッピーです。
去年も最終戦で勝ちましたが、今年は「本当に勝った」って実感があります。
去年みたいなリストリクターの拡大や車重の軽減などの措置を受けないで勝てたんですから。
今日のクルマはファンタスティックでしたし、ダンロップタイヤも良かった。全てがパーフェクトでしたね。
トラフィックが多かったし、イエローも頻繁に出ていましたけど、難しいレースではなかったですね。
交代したファビオもすばらしいドライビングをしてくれましたし。
来年の予定はまだ決まっていませんが、80%は日本でレースすることになるだろうと思います。
ファビオ・カルボーン
最高の気分です。
チームメイトがピットストップまでに大きなギャップを作ってくれましたし、僕もそのギャップをさらに広げることができましたから、
あとは接触と旗にだけ気をつけて走っていました。
この一年頑張ってくれたチームに感謝していますし、GT一年目の僕を信頼して起用してくれたナカジマサンにも、
ダンロップタイヤにもすごく感謝しています。
クルマに慣れるのはそんなに難しくなかったけど、GT300のトラフィックの中でレースをやるのが一番チャレンジングでしたね。
GT300クラス優勝 #26ユンケルパワータイサンポルシェ
谷口 信輝
チームタイサン、ヨコハマタイヤ、サトウ製薬、ファンの皆さん、それとドミニクに感謝しています。
2勝目をあげることができて今は最高の気分です。
こんなにうまくいくとは思ってなかったけど、勝ちは狙っていました。
ヨコハマタイヤは性能の落ちが少なかったので、楽に前のクルマについていくことができたのが勝因です。
山路さんとシーズンを始めた当初はトラブルに泣かされましたが、もてぎとここで勝てたので、
いいことと悪いことを相殺してチャラかなと思います。
ドミニク・ファーンバッハー
レースはファンタスティックでした。100戦目のレースで優勝できて光栄です。
クルマの状態も良く、特にホームストレートではユンケルパワーのおかげですごく速かったです(笑)
タニグチさんが始まって6、7周でトップに立ってくれて、僕も後ろとのギャップを広げることができました。
来年はどこでレースをするか、まだ決まっていません。アメリカかもしれませんけど、できれば日本でレースしたいですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007オートバックス・スーパーGT第9戦、記念すべき100戦目となる富士GT300kmは、
予選3番手からスタートした#32エプソンNSX(ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組)が20周目にトップに立ち、
そのまま逃げ切って今季初優勝を挙げた。
GT300クラスは、予選9番手の#26ユンケルパワータイサンポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)が、
圧倒的なストレートスピードを生かして前8台をゴボウ抜きする大活躍で、今季2度目の勝利を力ずくでもぎ取った。
また、2位に#101トイストーリーMR-S(大嶋和也/石浦宏明組)が入り、
#2プリヴェKENZOアセット紫電(高橋一穂/加藤寛規)は3位に終わったため、この2台は89ポイントで並ぶことになり、
優勝回数の差で101号車がシリーズチャンピオンに決まった。
大嶋和也にとっては全日本F3選手権に続く今季2つ目のタイトルだ。
(観客動員数48,800人)
記念すべき100戦目のGT決勝は午後2時にフォーメーションラップを開始した。
ポールポジションの#12カルソニックZがスタートを制し、トップで周回を重ねるが、ソフトタイヤを選択したのが裏目に出たか、
2位以下を中々引き離すことができない。
その後方からは7周目の1コーナーで#17リアルNSXのインを突いて2位に上がってきた#32エプソンNSXが迫ってくる。
32号車のスタートを担当したデュバルは、18周目に遂に#12ブノワ・トレルイエのテールに張り付き、
19周目の最終コーナー立ち上がりで並びかけると、そのまま20周目の1コーナーまでトレルイエを押さえ込み、見事トップに浮上した。
その後もデュバルは手綱を緩めず、後続をどんどん引き離して30周終わりでピットイン。
カルボーンに交代してからも安定したペースで周回を重ね、全ての車両がピットストップを終えたところで再びトップに立つと、
最後は2位以下に16秒以上の大差をつけて66周を走りぬき、昨年の最終戦富士以来、ちょうど1年ぶりの勝利を手にした。
一方、抜かれたトレルイエの背後にはリアルNSXを駆る金石年弘が徐々に迫ってきた。
22周目のダンロップで激しくパッシングを浴びせる金石。姿勢を乱しながらも懸命に押さえ込むトレルイエ。
2台のバトルはその後も4周にわたって繰り広げられ、26周目の13コーナーで遂に金石がトレルイエを抜き去って2位に浮上する。
しかし、28周終わりでピットストップを終えて星野一樹に交代したカルソニックZは、
36周目までピットストップを引っ張ったリアルNSXのタイヤに熱が入るまでの間に一気に差を詰め、
38周目の1コーナーで遂に金石勝智を攻め落とし、トラブルやアクシデントに苦しんだ2007シーズンをセパン以来の表彰台、
2位で締めくくることとなった。
GT300クラスは、ポールのトイストーリーがホールショットを決め、一気に逃げにかかる一方で、
#2紫電の加藤寛規と#43ガライヤの新田守男が1コーナーからコカコーラコーナーまでサイド・バイ・サイドの激しいバトルを展開、
新田2位、加藤3位で100Rを立ち上がっていく。
さらにその後方からは、スタートで一気に順位を稼いだ#26ポルシェの谷口があっという間に加藤の背後に迫り、
2周目の1コーナーであっさりと加藤のインに飛び込んで3位に浮上。
加藤も一旦はヘアピンで抜き返したものの、再びダンロップで谷口が前に出て、3周目には2位新田の背後を脅かし始める。
ストレートスピードで圧倒的なアドバンテージをもつポルシェ勢の一角を担う26号車に、
1.5キロの直線長を持つ富士スピードウェイはまさにうってつけの舞台だった。
谷口は4周目のホームストレートであっさりガライヤを捉えると、トップを行く#101大嶋との差をも瞬く間に削り取り、
11周目には遂にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。
大嶋も懸命に抵抗するが、13周目のヘアピンで、後ろから来た2台のGT500に進路を譲ろうとしてブレーキングで大きく膨らんでしまう。
その隙を突いて遂に谷口がトップに立った。
その後もユンケルポルシェは後続をぶっちぎりながら32周終わりでピットイン。
後半を担当したファーンバッハーも磐石の走りで最後までトップを守りきり、第7戦もてぎ以来の今季2勝目を、まさに力ずくでもぎ取った。
一方、4台に権利があったシリーズチャンピオンの行方は、
一旦は5位まで落ちた加藤が#43ガライヤを9周目のヘアピンで抜き去った時点で、
ほぼ#101MR-Sと#2紫電の2台に絞られた格好になった。
26周目の1コーナー立ち上がりで#101大嶋がマルコ・アピチェラの駆る#88ムルシエラゴに抜かれた隙に一気に差を詰めた加藤は、
この周の最終コーナー大嶋のインを突いて3位に。大嶋はホームストレートで挽回を図るが、
続く1コーナーのブレーキング勝負では加藤に軍配が上がった。
大嶋は30周終わりでピットイン。加藤はいつものように規定ぎりぎりの41周まで引っ張った。
既に2台の前を走っていた#88ムルシエラゴは40周目のダンロップでトラブルによりレースを終えている。
そのため、加藤から紫電を引き受けた高橋一穂はユンケルポルシェの後ろ、トイストーリーMR-Sの前のクラス2位でコースに復帰。
冷えたタイヤで紫電を走らせる高橋の後方から、既に熱の入ったタイヤで追い上げてくるMR-Sの石浦宏明。
懸命に抵抗する高橋を、石浦は43週目の1コーナーで抜き去るが、一旦抜かれた高橋も諦めずに石浦を追う。
そして遂に再び石浦に追いつき、59周目の最終コーナー、60周目の1コーナーと、積極果敢にオーバーテイクを試みる。
しかし、60周目のダンロップ進入でインを狙っていった高橋と石浦が接触。これで高橋が立ち上がりで失速してしまい、そのまま石浦2位、
高橋3位でチェッカーを受けることとなった。
これでシリーズポイントはいずれも89点となったが、今季2勝を挙げた大嶋/石浦組が栄冠を手にした。
一方、紫電の2人は、チームタイトルこそ手にしたものの、
ドライバーズタイトルにおいてはこれで2年連続でトップと同ポイントの2位という悔しい結果に終わった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
GT選手権は、1994年のJGTC第1戦から数えて今回のスーパーGT第9戦で丁度100戦を迎えた。
それを記念するセレモニーが11月4日、決勝スタートを目前に控えた富士スピードウェイで、全参加チームと観客の見守る中で行われた。
冒頭の挨拶に立った坂東正明GTアソシエイション委員長は、今日来場の観客を含めた全てのファン、エントラント、ドライバー、
前会長の高橋国光氏に謝意を述べると同時に、今後もGTが国内モータースポーツの牽引役となるよう努力していく、と決意を語った。
続いて、第1戦から100戦全てに参戦しているカルソニックカンセイとチームインパル、テレビ東京、
シリーズスポンサーのオートバックスに感謝状と花束が贈呈された。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
フリー走行の終了後に行われた定例会見で、
GTアソシエイションの坂東正明委員長は今回で100戦を迎えたGTレースに対する思いを語った。
同時に、参加チームと管制塔を直接無線で結ぶ構想やGTAの法人化など、来年以降のスーパーGTについてもコメントした。
坂東委員長のコメント

94年の開幕当初の参加台数は18台だったが、100戦目を迎える今回は44台。これだけをみてもGTは成長してきていることが分かる。
お客さんの数や『激G』の視聴率も前年対比で伸びており、数字の上ではGTは成長している。
この100戦の重みの中、委員長としてやってきたこの一年は、自分の中では長かった。
いろいろ学ばせてもらったが、課題や問題があることも認識している。
経営改善も前進したが、まだまだ深刻な状況だ。
GT500の09年以降の車両規定変更に伴い、GT300との性能調整を考えなければならないし、
GT300はベースとなるスポーツカーやスポーツセダンが減っている中で、新たな方向性を定めないといけない。
また、判定の確実化、迅速化など、レース運営に関する設備投資をこれからやっていく。
来年1月までには、チームと管制塔を直接無線で結ぶシステムを導入する。
コクピットにも、イエローフラッグやグリーン、レッドなどを表示できるシステムをつける。
セーフティーカーも1台で問題がないか、シミュレーションをやる。
映像に関しては、国際的に配信できるものを作っていく。アメリカも含まれるが、オセアニアを中心に配信していき、
将来的にはそこに興業にいけるような環境が作れればいいと思っている。
(今年のシリーズ表彰をフォーミュラニッポンと共同で実施する件について)
フォーミュラのトップカテゴリーとハコのトップカテゴリー、同じ国内でやっているのだから一緒にやっていこうということになり、
まずは表彰式からということになった。
これによって日本のモータースポーツは元気だ、ということを内外に示したい。
また、各々のバックボーンや競技長、サーキットへのお願いといったものを共有できれば力になると思うし、
お互いに利用しあうことでお互いのクオリティも上がっていくはずだ。
レースの併催に関しては、お金の問題や人の問題もあるし、日にちをずらしたとしても、レースのスタイル自体を変えないと難しいと思う。
それでもオールスター的な形であればやってみたいと思うが、JRPさんと具体的に話をしているわけではないので....
(GTAの法人化について)
莫大なお金を扱い、沢山のお客さんを集めてやっていることの社会的な責任を考えて、法人化しなければということになった。
ホンダ、トヨタ、ニッサンの3メーカーとは出資に関して基本合意した。
12月か1月までには形を決めたい。遅くとも3月の開幕までには立ち上げる。来シーズンは株式会社GTAでプロモートして、
レースをやっていく。
既に株式会社化したGTプロモーションについては100%子会社化か吸収のいずれかで考えている。
(オールスター戦の開催について)
オールスター戦は来年にでもやりたい。
ここ(富士スピードウェイ)でやりたい。
レースだけでなく、各メーカーがやっているフェスティバルや、オートサロンの前ふりもやりたい。
モーターショウでやってるような、新車のベールもここでひっぱがしたい。
ただサーキットからは「日にちがありません」と言われている。
また来年は9戦全部に同じペースカーを持っていく。
ニスモバージョンのGT-Rだ。
決定したわけではないが、こうやって言えば言うほど実現の確率は上がっていく。
さらにみなさんが(記事に)書けば書くほど、上がっていく(笑)
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
決勝前フリー走行の終盤にストップし、オフィシャルのトラックで戻ってきた#101トイストーリーMR-S(大嶋和也/石浦宏明組)
だが、原因は電気系トラブルだった模様。
すでに修復は終わり、決勝への影響はないとのことだ。
なお、101号車の助手席内側には写真のような張り紙がされている。
チャンピオン獲得に懸けるチームの意気込みがひしひしと伝わってくるようだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第9戦、
富士GT300kmレースの決勝前フリー走行は#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が1分34秒919でトップタイム。
GT300は#26ユンケルポルシェ(谷口信輝/ドミニク・ファーンバッハー組)がクラストップだった。
GT100戦目の決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。既に多くの観客がつめかけ、今年最後のGTのスタートを待っている。
フリー走行は午前8時40分より、30分間で行われた。
このセッションではNSX勢の速さが目立ち、トップのTAKATA童夢をはじめ、2番手に#100レイブリック、
3番手にチャンピオンの#8ATRA、5番手に#32エプソン、6番手に#17リアルと、全車が上位タイムをたたき出した。
そこへ#3イエローハットZが4番手に割って入った格好だ。
一方、ポールシッターの#12カルソニックZは開始8分過ぎにピットイン。クルマはガレージに収められ、
その後も最後までコースには戻ってこなかった。
ドライブしていた星野一樹が振動を感じたということで、リヤカウルとタイヤを外し、両ドライバーとエンジニアのリカルド・
ディビラらが深刻な表情で何事かを話し合っていたが、原因はリヤタイヤにフラットスポットを作ってしまったためと判明。
タイヤを温存するために以降の走行を控えたようだ。
GT300クラスは第7戦優勝の#26ユンケルポルシェが好タイムを連発。谷口が1分43秒278を記録してクラストップとなった。
チャンピオンを争う4台は、#62ウィルコムヴィーマックが2位、#101トイストーリーが3位、
#43ARTAガライヤが5番手と好位置につけたが、
ポイントリーダーの#2プリヴェKENZOアセット紫電はこのセッションを12番手に終わったのが気になるところ。
また、ポールシッターの101号車はセッション終了間際にコース上でストップしており、こちらも決勝への影響が心配される。
第9戦決勝は午後2時5分より、66周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #12カルソニックインパルZ
ブノワ・トレルイエ
今回の富士のレースの目標の一つが、ポールを獲ることでした。難しいと思っていましたが獲ることができて良かったです。
特に今回は100戦目という記念すべきレースですし、お客さんも沢山来てくれたので、なおさら嬉しいです。
今シーズンはポディウムに上がったのもマレーシアだけですし、ここで初めてのポールが獲れたのは本当に良かった。
スーパーラップでのクルマの状態は良かったのですが、気温が下がったせいでタイヤを暖めるのが難しくなっていて、
特に右フロントは厳しかったです。ウォームアップラップではもうちょっとでスピンするところでした。
明日の目標は勿論勝つことです。
来てくれた多くのファン、これなかった人たち、スポンサーのためにも、是非この100回目のレースを勝ちたい。カズキも富士は得意なので、
勝つ自信はありますよ。
星野 一樹
今シーズンは、最初の2戦はターボエンジンでできるとこまで頑張って、3戦目からガンガンいくつもりでしたが、
思わぬトラブルやアクシデント、僕のミスもありましたが、立て続けに不運なことが重なって思うように結果が出せない状態が続いていました。
だから最後のレースだけは絶対勝とう、と思っていたので、ブノワがポールを獲ってくれて本当に感謝しています。
100Rを立ち上がってくるのを見たとき、物凄く速かったので、あの瞬間にポールを確信しました。
これで明日100戦目のレースで勝てたら最高ですね。
僕は昨日からロングランとか決勝セットを中心にやってきたんですが、クルマはすごく調子が良くて、
もう少しだけ味付けできれば完璧な状態なので、決勝レースが楽しみです。
GT300クラス #101トイストーリーMR-S
大嶋 和也
昨日はちょっと厳しい状態だったので、決勝セットに気合を入れていました。だからまさかポールを獲れるとは思ってなかったし、
明日に向けて最高の状況になりましたね。
スーパーラップではフロントが暖まらなくて前半でロスしてしまいましたが、最後のほうで暖まってきてからは挽回できました。
ミシュランタイヤはグリップの落ちがなかったです。実は決勝に向けてかためのタイヤを選んでいたんですよ。
決勝にはすごい自信があります。MR-Sはピットストップ時間も短いし、ミシュランの性能もいいですから。
石浦 宏明
オートポリスで流れを悪くしちゃったので、ここでいい流れを作ろう、とチームで団結して作戦を立ててきました。
その甲斐あっていい流れが作れたと思います。
でもまさか、ポールが獲れるとは思ってなかったんで、びっくりしました。
自分たちがチャンピオンを獲るためには、優勝するしかないと思ってます。決勝には絶対の自信があります。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
JGTC発足から数えて今回で丁度100戦目を向かえた、スーパーGT第9戦のスーパーラップが11月3日午後、
富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは唯一全100戦に参戦している#12カルソニックインパルZ(ブノワ・
トレルイエ/星野一樹組)が今季初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#101トイストーリーMR-Sが今季2回目のポールを獲得し、タイトル獲得に向けて一歩前進することとなった。
公式予選2回目の終了から5分間のインターバルの後、GT300のスーパーラップが開始された。
SL開始直前の気温は17℃、路面温度は25℃。この気候が各タイヤメーカー、ドライバーを苦しめることとなった。
最初に出走するのは、31号車の車検落ちで10番手に繰り上がった#13エンドレスZ。
アタックを担当した藤井誠暢は1分43秒763と、午前中の自己ベストより1秒遅いタイムに終わったが、
続いて出走した#33ハンコックポルシェの木下みつひろが1分44秒018と13号車に僅かに遅れる結果になったため、
順位を一つ上げることとなった。
続く#62ウィルコムヴィーマックの柴原眞介は全てのセクターでベストを更新し、1分42秒643でこの時点のトップに立つ。
この後にアタックした#7雨宮RX-7の井入宏之、#88アクティオムルシエRG-1の山西康司、
#19ウェッズスポーツセリカの関口雄飛らは柴原を超えることができず、それぞれ6位、7位、5位にに終わり、
#26ユンケルポルシェの谷口信輝に至っては、
ポルシェに不向きなツイスティな後半セクションの遅れが響いて8番手に後退することになってしまった。
午後に入って気温、路面温度が下がったことで、タイヤの性能を引き出すことに苦労するチームが相次ぐ中、
大躍進を見せたのがミシュラン勢だった。
8番手出走の#43ARTAガライヤの高木真一が漸く1分42秒295を出して柴原を上回ると、
#101トイストーリーMR-Sの大嶋和也も1分42秒068と高木を上回ってトップに立った。
最後に出走したのは目下ポイントリーダーの#2紫電だったが、
加藤寛規はどのセクションでも今ひとつ精彩を欠いて1分42秒403に終わり、これにより101号車のポールポジションが確定。
終わってみればシリーズタイトルを争う4台がいずれも上位グリッドを占めることとなり、
明日の決勝での熾烈なタイトル争いを大いに期待させる結果となった。
続いて行われたGT500クラスのスーパーラップは、最初に出走した#1宝山SCのアンドレ・
ロッテラーが記録した1分33秒766を、#25エクリプスSCの土屋武士、#18TAKATA童夢NSXの小暮卓史、
#6フォーラムエンジ.SCの片岡龍也、#22モチュールZのミハエル・クルム、
#24ウッドワンZの荒聖治らがいずれも上回ることができず、1号車は一気に5台抜きの5番グリッドを得た。
続く#12カルソニックZは、自由自在に車体を振り回すブノワ・トレルイエの豪快な走りで、ロッテラーのタイムをコンマ7秒上回り、
午前中のトップタイムをも凌ぐ1分33秒022をたたき出して一気にトップに立った。
#32エプソンNSXのロイック・デュバルは午前中の自己ベストには届かなかったが、
#38ZENTセルモSCの立川祐路が6番手に後退したこともあってどうにかポジションキープの3位に留まった。
そして金曜テスト、午前中の予選と好調ぶりを見せていた#17リアルNSXが最後のアタックに入ったが、
金石年弘の出したタイムは1分33秒671。午前中のベストタイムをコンマ3下回る結果に終わり、この瞬間、
記念すべき100戦目でのカルソニックZの今季初ポールが決定した。
第9戦決勝は明日午後2時5分より、66周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
スーパーGT第9戦富士の公式予選2回目は、#38ZENTセルモSC430がトップタイム。
この後のスーパーラップに向けて好調な仕上がりぶりを見せた。
2番手には#12カルソニックZ、3番手に#6フォーラムエンジ.SC430がつけ、
午前中トップの#17リアルNSXはこのセッションを7番手で終えた。
GT300クラスは#101トイストーリーMR-S(大嶋和也/石浦宏明組)がトップタイム。
午前中車検落ちした#31DOUBLE HEAD aprMR-Sもクラス7番手につけ、峰尾恭輔、坂本雄也の両名とも基準タイムをクリア。
明日は最後尾から決勝に臨むこととなった。
スーパーラップはこの後、午後2時25分より行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
予選1回目でGT300の暫定ポールを獲得していた#31DOUBLE HEAD apr MR-S(峰尾恭輔/坂本雄也組)が、
最低重量不足により予選後の車検をパスできず、失格となることが午後1時18分発行の公式通知で明らかになった。
これにより暫定ポールは#2プリヴェKENZOアセット・紫電(高橋一穂/加藤寛規組)となり、
11番手だった#13エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美/藤井誠暢組)
が10番手に繰り上がってスーパーラップに進出することとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2007オートバックスSUPER GT第9戦、富士GT300kmレースの公式予選1回目は、
#17リアルNSX(金石年弘/金石勝智組)が暫定ポールを獲得。GT300クラスは#31DOUBLE HEAD apr
MR-S(峰尾恭輔/坂本雄也組)がトップタイムを記録した。
公式予選1回目は午前10時10分、GT300の専有走行から開始された。
GT300は28台がエントリー。久々にJLOCのムルシエラゴが参戦してきた。
その一台、
#88アクティオムルシエRG-1を駆る山西康司が最初のアタックで#10ジムセンターF360の安田裕信に次ぐ2番手タイムを記録、
健在ぶりをアピールした。
一旦は#55フォードGTの池田大祐、#33ハンコックポルシェの木下みつひろ、#9モスラーのOSAMUらに抜かれて順位を落とすが、
山西は更にタイムを縮め、1分42秒414でトップに躍り出た。
2番手には#33木下、3番手には#13エンドレスZがつけてきた。13号車は今回、藤井誠暢がアタックを担当している。
しかし専有残り6分を切ったあたりでシリーズチャンピオンを争う#2紫電の加藤寛規、
#101トイストーリーMR-Sの大嶋和也らがタイムを上げ、更にそこへ#19ウェッズスポーツセリカの関口雄飛、
#31MR-Sの峰尾恭輔らが割って入った。
更に残り2分で#43ARTAガライヤの高木真一もタイムアップ。
結局この専有セッションでスーパーラップ圏内に残ったのは、上から順に
#31、#2、#101、#43、#19、#88、#7、#62、#33、#46の10台だった。
11番手には#26ユンケルポルシェ、12番手には#13エンドレスZがつけている。
続いて行われたGT500クラスの専有走行は、序盤は#25エクリプスSC、#22モチュールZ、#35バンダイSC、
#39デンソーサードSC、#3イエローハットZの5台のみが走行。
この時点でのトップは#25の土屋武士。タイムは1分33秒956だ。
他のチームは#12カルソニックZがコースインしたのを皮切りに、専有残り10分を切ったあたりから一斉にコースに飛び出していった。
最初に土屋のタイムを破ったのは#12ブノワ・トレルイエ。残り3分を切ったところで1分33秒467を叩き出した。
続いて残り1分で#38ZENT SCの立川祐路が1分33秒369でトップに。2番手には#32エプソンNSXのロイック・
デュバルが上がってきた。
しかし専有終了間際に#17リアルNSXの金石年弘が1分33秒351でトップに。
17号車はオートポリスに続いて今回も4リッターエンジンを搭載しており、金曜のテストでも午後にトップタイムを記録するなど、
今週末は好調だ。
専有終了時点での順位は、上から順に
#17、#38、#32、#12、#24、#22、#6、#18、#25、#1と、ここまでがスーパーラップ圏内。
11番手には#39、12番手には#23ザナヴィZがつけ、今季のタイトルを獲得した#8ARTA NSXは14番手に留まっている。
2クラス混走となる最後の20分間では、各クラスとも上位陣が定石どおりセカンドドライバーの基準タイムクリアに切り替える中、
GT300の#26ユンケルポルシェは谷口信輝、#13エンドレスZは藤井誠暢がセッション終盤再びステアリングを握り、、
スーパーラップ進出を狙って最アタックを試みた。
その結果#26谷口が1分42秒259をたたき出して5位に浮上、見事SL進出を果たしたが、
#13藤井は10位の#33ハンコックポルシェに0.026秒届かず、11位に終わった。
また、谷口のタイムアップによりSL圏外となった#46宝山Zは、終盤#5マッハ号320Rにも抜かれて13番手でこのセッションを終えた。
公式予選2回目と、それに続くスーパーラップは、今日午後1時50分より行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

LMP1クラス優勝 #16無限クラージュLC70
黒澤 治樹
ちっちゃいトラブルが出て、チームが一生懸命直してくれたので、僕らも必死で追い上げて、
逆転できるかと思ったんですが、できませんでした。信治さんも頑張ってくださって、今回こそは狙っていったのに残念です。
(弟の翼選手が)考えないで前を走っちゃって、ちゃんと教育しないといけないですね(笑)
まぁ、エイムさんにはおめでとうといいたいです。
中野 信治
トラブルが出てしまいましたが、それがレースなんで、結果が全てです。
一年間いい思いができませんでしたが、チームは本当に良くやってくれたし、スポンサーさんや応援してくださった全ての人に感謝したいです。
一番いいとはいえませんが、いい一年でした。
総合優勝、LMP2クラス優勝、
LMP2クラスチャンピオン #18EBBROエイムスポーツGC-21
富澤 勝
去年から2年間やってきましたが、今日ほどトラブルもミスも何もなく、速かったレースはありません。
総合優勝までは狙ってなかったんですけど、勝ててよかったです。
当初から来年からつかえなくなるクルマだと分かっていたので、今年こそチャンピオンをと狙っていましたが、最後の最後で決められて、
一年を通しても思い出深いレースになりました。
麻生 裕二
全てがパーフェクトでした。最後の最後はやっぱりドキドキしましたね。
いい一年でした。開幕戦で幸先よく勝てて、最後も勝てて、総合優勝というおまけまで貰って、パーフェクトです。
黒澤 翼
最初から2スティント行く予定でしたから。タイヤを温存して走りました。
燃費は問題なかったです。
(治樹選手の前でゴールしたことについて)これがレースなんで、仕方ないですね。

LMP1クラスチャンピオン #22ダンロップザイテック05s
野田 英樹
今はただ、終わったなぁ、ってアタマ真っ白な状態です。
去年はチャンピオン獲って当然だと思っていたのに、トラブル続きで一回も勝てなかったので、
やっぱり開幕戦でやっとチェッカー受けて勝てたことが一番印象深いですね。
今年は速さよりも運がありました。予選結果でも分かるように、クルマ的にはクラージュのほうに分がありましたけど、総合力で勝てた、
って感じですね。
山崎 信介
開幕戦の菅生から急遽乗らせてもらえることになって、ザイテックには憧れてましたし、ルマン24時間出場を目標にしているので、
最初のレースで勝てて感動的な思い出になりました。
野田さんには、サーキットの中だけでなく、人間として、野田流の行き方とでもいうものを学べて、たくましくなれたと思います。

LMGT1クラス優勝、LMGT1クラスチャンピオン #21ダンロップフェラーリ550GTS
飯田 章
今日はミッションが心配だったんですが、問題なく走りきれました。
このクラスはライバルがいなくて目指すものがないというか....
でも、全戦で優勝でき、完走できたし、レースは楽しみながらできました。
藤井 誠暢
僕と飯田さんで真ん中のスティントを走って、
スタートと最後を一ツ山さんに走ってもらって、いい形で終わることができました。
台数がさびしくて、ライバルのいないクラスでしたが、ノバの力や一ツ山レーシングの力を見せることができたし、
僕自身は章さんからいろいろ学べて、充実した一年でした。
LMGT2クラス優勝 #20ダンロップポルシェ997
福山 英朗
今日は全くトラブルもなく、フェラーリにはパフォーマンスで負けてたのに、
向こうにトラブルが出たおかげで勝てました。
一ツ山レーシングはLMP1もLMGT1もチャンピオンなのに、LMGT2だけ獲れずに悔しい思いをしてましたが、
今日は勝つことができました。
谷口 行規
福山さんはトラブルがなかったといいましたが、僕自身がいい仕事ができず、
人間がトラブルみたいなものだったので、申し訳なく思っています。
羽根 幸浩
シーズン途中からチャンスを貰って、997でレースできたのは良かったです。
最後は僕が乗る予定じゃなかったので、バタバタしてしまいました。
それでも今日は勝つこともできたので、ラッキーでしたね。

LMGT2クラスチャンピオン #27KRH F430GT
青山 光司
昨年と全く同じで、ここだけ勝てませんでした。今年もやっぱり何かが起きました。
それでも、僕みたいなシロウトが皆さんのおかげでチャンピオンになれましたし、最後もドライブさせてもらえて、感激しています。
高木 真一
昨年はポルシェ、今年はフェラーリでレースをすることになり、今年なんかフィオラノまで行ってテストをしたぐらいで、
意気込みをすごく感じました。
F430はほんとに素性が良くて、レースでは随分楽させてもらいました。
でも、ここには今年も魔物がいて、目標にしていた全戦全勝はできませんでした。
でも、全員が頑張った中での結果ということで、満足しています。
新田 守男
僕自身は去年と今年で何かが違うということはなかったんですが、オーナーである青山君のモチベーションとか、レースに対する関わり方とかが、
話していてもすごく変わってきたのが分かって、だからこそ今年もタイトルが取れて一番ほっとしています。
河村 隆一
最後にこういうドラマが用意されてて「痛いなぁ」というのが正直な感想です。
でも、耐久レースというのは自分たちの戦いなんだ、敵は自分たちなんだというのが分かったという点では勉強になりました。
不謹慎な言い方かもしれませんけど、最後にトラブルがあってよかったのかもしれません。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
岡山国際サーキットで開催された、全日本スポーツカー耐久選手権第4戦「ジャパン・ルマン・チャレンジin岡山」は、
#18エイムスポーツGC-21(富澤勝/麻生裕二/黒澤翼組)が288周を走破したところで規定の6時間に達したため、
チェッカーが出されることとなった。
2年間のJLMCでLMP2クラスが総合優勝を果たしたのは今回が初めて。そして最後の記録となる。
猛烈な追い上げでトップ奪還を目論んだ#16無限クラージュLC70(黒澤治樹/中野信治組)は、
黒澤治樹の223周目に18号車を抜いて同一周回に持ち込んだが、時既に遅く、最後は28秒610差、総合2位でチェッカーを受けた。
無限クラージュは193周目に#21フェラーリ550を抜いて同一周回に持ち込むと、
その後も1周8秒以上のペースで上位2台との差を詰めていった。
199周終わりで最後のピットストップを済ませた際、一旦は1周遅れに戻されたが、21号車が209周でルーティンストップを行ったため、
労せずして2位に浮上した。
この時点でトップの18号車とは2周の差。
最後のスティントを担当した中野信治は203周目にファステストラップを更新するなど、
終始23秒代後半から24秒台の猛烈なハイペースで追い上げ、223周目には18を抜き去って同一周回とした。
しかし既に残り時間は10分を切っており、追い上げもそこまで。
僅か28秒610差で兄治樹は弟翼の後塵を拝することとなった。
これで総合優勝と同時にLMP2クラス優勝を勝ち取った18号車は、同時に2007シーズンのクラスタイトルをもものにした。
1ポイント差で18号車を追っていた#15KK-LMミスト アドバンはクラス3位に終わった。
総合3位にはLMGT1クラスの#21ダンロップフェラーリ550GTS(飯田章/藤井誠暢/一ツ山幹雄組)が入り、
LMGT2クラスの#20ダンロップポルシェ997(福山英朗/谷口行規/羽根幸浩組)が4位。
これでGT2クラスは20号車がクラス優勝の5ポイントを計上したが、ランキングトップの#27KRH
F430GTがクラス2位に留まったため、シリーズタイトルは27号車のものとなった。
2年間続いたジャパン・ルマン・チャレンジは、最後まで手に汗握る接戦を繰り広げて幕を閉じることとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
JLMC第4戦決勝はスタートから5時間が経過。いよいよゴールまであと1時間となった。
トップを快走する#18エイムスポーツGC-21(富澤勝/麻生裕二/黒澤翼組)は189周を消化した。
度重なるトラブルで大きなビハインドを背負っていた#16無限クラージュLC70は総合3位と変わらないものの、
中野信治と黒澤治樹の懸命の走りでトップとの間隔を着実に詰め、5時間終了時点であと2周というところまできた。
2位の#21フェラーリ550GTSまではあとわずか1周だ。
また、漸くコース復帰を果たし、総合8位ながら1分24秒~25秒台で快走していた#22ダンロップザイテック05sは、
山崎信介がコースアウトした際にフロントフェンダーを破損したため、131周目を走行中にオレンジボール旗を提示されて急遽ピットイン。
しかしその後は再び24秒台を連発して追い上げにかかっている。
LMGT2は#20ダンロップポルシェがトップで変わらず。
2位の#27フェラーリF430とほぼ同ペースで周回しており、クラス優勝はほぼ確実となった。
5時間終了時点の順位は
18-21-16-20-111-15-27-22-7-910
となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
JLMC第4戦決勝はスタートから4時間が経過した。
依然としてトップはLMP2クラスの#18エイムスポーツGC-21(富澤勝/麻生裕二/黒澤翼組)だが、
トラブルで順位を落としていたLMP1クラスの無限クラージュLC70もハイペースで追い上げており、
138周目に福山英朗のドライブするLMGT2トップの#20ダンロップポルシェ997を抜き去って総合3位に浮上した。
トップのエイムスポーツまではあと7周。しかしラップタイムでは6~7秒速いペースで周回を重ねており、ゴールまでには充分届く計算だ。
また、アップライトとサスアームの接合部分の不具合で修復作業を行っていた#22ダンロップザイテック05sは、
1時間45分あまりもの膨大なロスを抱えながらもコース復帰した。
ドライバーは野田英樹にチェンジした。
LMGTは、GT1トップは#21フェラーリ550GTSで変わらず。GT2も、クラージュに抜かれたとはいえ、
#20ダンロップポルシェがクラス首位を守っている。
4時間経過時点の順位は
18-21-16-20-111-15-27-22-7-910
となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

JLMC第4戦はスタートから3時間が経過した。
LMP1勢の相次ぐトラブルにより、現在はLMP2クラスの#18エイムスポーツGC-21(富澤勝/麻生裕二/黒澤翼組)
が総合トップに躍り出た。
中野信治のドライブにより、一旦はコースに戻った無限クラージュだったが、今度は電気系にトラブルが発生し、
90周終わりで再びガレージへ。
オルタネーターから伸びているケーブルが、振動でもぎ取られてしまった模様。
端子を繋ぎなおし、バッテリーを交換して再びコースへ戻ったが、トップの18号車とは依然として11周のギャップがある。
ラップタイムの差を考慮すれば、ゴールまでに追いつけない差ではないが、もしまたトラブルにでも見舞われればそれも難しくなってくる。
3時間経過時点では10周差まで詰め寄り、総合5位を走行中だ。
一方の#22ダンロップザイテック05sの修復作業は継続中。どうやら一筋縄ではいかない症状らしい。
その他、#27フェラーリF430GT、#15KK-LMミスト アドバンらは何とかコース復帰を果たし、
クラス優勝目指して挽回中だ。
3時間経過時点での順位は
18-21-20-111-16-15-27-22-7-910
となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Kazuhisa SUEHIRO, Yoshinori OHNISHI
JLMC第4戦岡山はスタートから2時間が経過した。
トップを快走していた#16無限クラージュ、2位の#22ダンロップザイテック05sに相次いでトラブルが発生し、
2台はピットでの修復作業を余儀なくされることになった。
このため、2時間経過時点では#22ザイテックがトップだが、すぐにも#18GC-21がトップに繰り上がる見込みだ。

無限クラージュにまたしてもトラブルだ。
56周目あたりから排気音がおかしくなり、黒澤治樹は66周終わりで緊急ピットインを余儀なくされた。
原因は左バンクのエキゾーストマニホールドの1本にクラックが入り、完全に折れてしまったことによるもの。
無限チームはマニホールド交換を行い、トップから12周遅れの総合6位でコースに送り出した。
ここでドライバーは中野信治に交代している。
これによりトップに繰り上がった#22ザイテックだったが、こちらも78周目にサスペンショントラブルが発生したためにスローダウン、
そのままピットに戻って修復作業に入った。
右フロントのアッパーアームとハブの取り付け部分が折れてしまった模様。こちらは修復に時間がかかりそうだ。
このほか、LMGT2トップを走っていた#27フェラーリF430GTはシフトリンケージにトラブルが発生、
64周終わりでガレージに収まり、修理に取り掛かっている。
また、LMP2のトップだった#15KK-LMもトラブルにより64周終わりでピットに留まっている状況。
このため、2時間経過時点の順位は
22-18-21-20-111-16-15-27-7-910
となっているが、18がトップに立つのは時間の問題だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
JLMC第4戦はスタートから1時間が経過した。
依然として総合トップは#16無限クラージュLC70(黒澤治樹/中野信治組)。
2位の#22ダンロップザイテック05S(野田英樹/山崎信介組)に対して41周終了時点で44秒855の大差をつけ、
42周終わりで最初のピットストップを行った。ここまでが丁度1時間。このペースだと6時間以内に1000kmを走破するのはほぼ不可能だ。
ドライバーは黒澤治樹のまま。2スティントを連続でドライブする作戦のようだ。
2位のザイテックも42周終わりでピットイン。こちらは山崎信介に交代した。
LMP2クラスは、トップの#15KK-LMが36周終わりでピットイン。ドライバーは廣田秀機から植田正幸に交代した。
1時間終了時点ではまだ#18GC-21はピットストップを行っていないため、ここで18号車がクラストップに立った。
LMGTクラスは、GT1の#21フェラーリ550GTSが27周終わりでピットイン。一ツ山幹雄から藤井誠暢に交代した。
藤井はGT2トップの#27フェラーリF430GTを3秒以上上回るハイペースで追い上げにかかっている。
また、GT2クラスの#910ポルシェ911GT3に対して4周目にオレンジボール旗が提示され、
この修復で910号車は大きく遅れることとなった。
1時間終了時点での順位は、
16-22-18-27-15-20-21-111-7-910
となっている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO/ Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スポーツカー耐久選手権第4戦「ジャパン・ルマン・チャレンジin岡山」
の決勝が午前11時に岡山国際サーキットでスタートした。
トップに立ったのはポールポジションの#16無限クラージュLC70。
スタートドライバーの黒澤治樹は1分23秒~24秒台で序盤から一気に2位の#22ダンロップザイテック05sを引き離しにかかった。
ザイテックのスタートドライバーは野田英樹。現在10周を終了した時点で2台の差は既に13秒722。
黒澤は12周目までに3位以下を全て周回遅れとし、現在も順調に走行を重ねている。
LMP2クラスはオープニングラップで#15KK-LMが#18GC-21を抜き去ってトップに立った。
その後9周目までは1秒以内の僅差で緊迫したトップ争いが続いたが、10周目にその差が1秒を超えると、
徐々に15号車が18号車を引き離し始めている。
15号車のスタートドライバーは廣田秀機、18号車は黒澤翼がドライブしている。
なお、LMGT1は#21フェラーリ550の一ツ山幹雄、LMGT2は#27フェラーリF430GTの新田守男がトップ。
ただしF430が550の前を走行している。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007全日本スポーツカー耐久選手権第4戦、「ジャパン・ルマン・チャレンジin岡山」の決勝前フリー走行は、
#22ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)が総合トップタイム。
昨日の予選タイムを上回る、1分22秒450を野田英樹が記録した。
JLMC最終戦の決勝日を迎えた岡山国際サーキットは快晴。最高気温は23℃前後になる模様だ。
フリー走行は午前8時より、30分間で行われた。
総合優勝を争うLMP1クラスは、ザイテックが野田、クラージュは黒澤治樹が最初にステアリングを握る。
周回ごとにペースを上げ、9周走行中の7周目にベストタイムを出した野田に対し、黒澤は4周目に1分23秒357を記録すると、
その後は23秒代後半~24秒台のペースでコンスタントに周回を重ねて11周でピットイン。
後半を担当した山崎と中野信治はともに23秒~25秒台でコンスタントに周回を重ねて走行を切り上げた。
一方、1ポイント差でタイトルを争うLMP2クラスは、廣田秀機が1分31秒559を出した#15KK-LMがここではクラストップ。
LMGT1クラスは#21フェラーリ550の飯田章の出した1分31秒419、
LMGT2クラスは#27フェラーリF430GTの新田守男が出した1分33秒938がそれぞれベストタイムだった。
第4戦決勝は今日午前11時より、271周または6時間で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Yoshinori OHNISHI

LMPクラス1位 #16無限クラージュLC70
黒澤 治樹
とにかくできる限りのことをしようと。ここ何戦か完走してなかったですし。
今回もブレーキに小さなトラブルが出たんですが、決勝までには解決すると思います。
いつもポールを獲っているのに、レースでは負けてしまうので、今回こそはチーム一丸となって気を引き締めていこうと思っています。
トラブルなく走りきればいい結果が待っていると思いますし、最後は勝って終わりたいので、信治さんと力を合わせて頑張ります。
中野 信治
昨日は雨で、今日はドライでしたが、雨でもドライでも感触は悪くないです。チームスタッフがいい仕事をしてくれたと思います。
エンジンもシャシーも、ミシュランタイヤも、パッケージとしてまとまっているな、と。前回のもてぎも良かったんですが、
今回は更に良くなっていますね。これが最終戦なので、いい結果を出して思い出にしたいです。
僕自身はもっと盛り上がっていいレースだと思っているので、これで終わってしまうのは残念です。
今までこのレースを盛り上げようと一生懸命やってきてくれた皆さんには拍手をしたい気分です。
今の時流に乗っていくレースだと思っているので、僕としても何かできることがあれば是非お手伝いをしたいです。
明日の決勝は単なる消化レースにならないよう、いい結果を出したいと思います。
LMGTクラス1位 #27KRH F430GT
高木 真一
ちょっと雨が降りそうだったので、早めにコースに入れようと思っていたんですが、
タイヤが暖まった一番おいしいところで雨が降ってきて、2周目で陽射しが出てくる展開でした。本当はもっといいタイムを出せたはずでした。
430GTは素性もよく、ミシュランタイヤもいいので、それも後押ししてくれましたね。
これで最後のレースになりますが、無理をせず、チャンピオンを獲っていくレースを心がけて走ります。
青山 光司
昨年はここだけが勝てませんでした。
今年は全戦全勝を掲げてここまでやってきたので、最後も勝ってクラスタイトルを獲って終わりたいです。
新田 守男
ポルシェはロングランの性能が良くできているので、最善を尽くして決勝を迎えられるようつとめています。全戦全勝をものにして、
クラスタイトルを決めたいです。
去年はS耐で全戦全勝をしましたが、最終戦のもてぎでは尋常じゃない緊張感がありました。魔物がいる、というか、
変なプレッシャーに負けないよう心がけます。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007スーパー耐久シリーズ第6戦菅生の公式予選は、台風接近に伴う悪天候のため、本日の走行をキャンセルし、
決勝日朝に順延されることとなった。
当初予定では午後1時30分より行われる予定だった公式予選だが、台風20号の接近により、強い雨がスポーツランド菅生に降り注ぎ、
コース上の4箇所に水溜りができる状態となった上、霧で視界の確保も困難になったため、
一旦は開始時刻を遅らせて天候の回復を待つこととなった。
しかし、天候とコースコンディションは一向に回復の兆しを見せなかったため、本日の走行をキャンセルし、
明日朝8時より予定されていたフリー走行の時間を予選に充てるという決定が午後3時の時点で下されることとなった。
これにともない、本来なら4クラスを2グループに分けて実施される予選は、全クラス混走とされ、Aドライバー15分、
Bドライバー15分のセッションをインターバルなしに連続で行うこととなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO 現地情報:Keiichiro
TAKESHITA
全日本スポーツカー耐久選手権第4戦、「ジャパン・ルマン・チャレンジin岡山」のグリッド予選は、
#16無限クラージュLC70(黒澤治樹/中野信治組)が1分22秒135でポールポジションを獲得した。
午後3時35分、JLMC最後のグリッド予選が開始された。
今回もエントリー台数10台ということで、クラスごとの専有走行はせず、各クラス混走の20分間のセッションとなった。
予選開始と同時に、#15KK-LMを先頭に各車一斉にコースイン。
午前中は走行しなかったGT1の#7ポルシェ996GT3も今回は走行に加わった。
ここで細かい雨が降り始めたが、コースコンディションへの影響は殆ど見られなかった。
ただしLMP1の2台は集団から少し間隔をとり、開始から3分45秒でまず#16無限クラージュがコースインした。
アタックを担当するのは黒澤治樹だ。
アウトラップを含めて2周のウォームアップの後、黒澤の叩き出したタイムは1分22秒135。
その後2周を流してピットイン。無限クラージュはここで早々と走行を切り上げた。
#22ダンロップザイテックは開始から11分が経過したところで漸くコースイン。野田英樹がステアリングを握った。
ところがアウトラップのヘアピンでいきなりスピン。
後続が通過するのを待って走行を再開した野田は、1周のウォームアップの後、アタックに入り、1周目1分22秒888、
2周目1分22秒540と徐々にペースを上げ、3周目のセクター1で区間ベストをたたき出したが、ダブルヘアピンの1個目で姿勢を乱し、
この周のアタックを諦めた。
LMP2クラスは、ポイントリーダーの#18エイムスポーツGC-21が富澤勝のドライブで1分28秒610でトップ。
2位の#15KK-LMに2秒半もの大差をつけた。
LMGT1トップは#21フェラーリ550の飯田章。タイムは1分32秒811だったが、
これをLMGT2の高木真一の駆る#27フェラーリ430が上回り、1分32秒362で総合5位につけた。
第4戦決勝は明日午前11時より、271周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007全日本スポーツカー耐久選手権第4戦、「ジャパン・ルマン・チャレンジin岡山」のドライバー予選は、
既に第3戦でタイトルを決めている#21ダンロップザイテック05s(野田英樹/山崎信介組)がここでも速さをみせ、
1分23秒296で総合トップとなった。
ルマン規定で行われる全日本選手権、JLMCもいよいよこの岡山で最後。
既にLMP1とLMGT1のタイトルは第3戦もてぎで決着しているが、LMP2とLMGT2のタイトル決定はこの岡山に持ち越された。
特にLPM2クラスは、ランキングトップの#18エイムスポーツGC-21が14ポイント、同2位の#15KK-LM
MAXミストアドバンが13ポイントという接戦だ。
公式予選最初のセッション、出場全ドライバーが基準タイム通過を賭けて戦うドライバー予選は午前10時30分から1時間で行われた。
ここでもトップタイムを記録したのは#21ザイテック。野田英樹が1分23秒296をセッション序盤で記録した。
山崎信介もコンスタントに24秒台のタイムを記録しており、二人とも問題なく基準タイムをクリアした。
総合2番手の#16無限クラージュは中野信治が1分23秒408。黒澤治樹も23秒台を出しており、
午後のグリッド予選では熾烈なポールポジション争いが期待できそうだ。
LMP2は#18GC-21が1分29秒052でトップとなり、クラス2位の#18KK-LMに2秒以上の差をつけた。
GT1トップは#20フェラーリ550で1分29秒811。
GT2は#27フェラーリ430が1分32秒515でトップだった。
明日のスターティンググリッドを決めるグリッド予選は今日午後3時35分より、20分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori
OHNISHI
小暮 卓史(優勝)
スタートは悪くなく、「決まった」と言える出来でした。序盤は作戦通り後続を引き離すことができ、自分のペースで走れました。
ピットアウトの時に松田選手に引っかかりましたが、それ以外はペースも燃費も最後まで問題なく走れました。
ここ数戦ロイックとは良い戦いができてて、お互いに力も認め合ってるし、一番のライバルといえます。
今日スタートを失敗するのを見たときは正直ほっとしましたが、チャンピオンシップのこともあったので、
「せめてブノワの前でフィニッシュしてくれ」と思っていました。
今週はチャンピオンシップの可能性を鈴鹿に繋げることだけを考えてレースをしていたので良かったです。
1レースで4ポイント差は厳しいですが、レースの流れはPIAAナカジマに来ていると思うので、鈴鹿でもこの流れでいって、
自分のベストを尽くすのみです。
ロイック・デュバル(2位)
今日のレースは良くも悪くもありませんでした。スタートは全然好くなかったです。
フリー走行からクラッチの調子が良くなかったので今朝交換したんですが、スタートでも同じ症状が出てしまい、
一時は8位まで落ちてしまいました。
それでも2位まで挽回しましたが、どうしてもコグレとの差を詰めることができませんでした。
まぁチームにとっては最高の結果になったので、それに関しては良かったと思います。
もしコグレに追いつけたとしても、抜くことができたかどうかは分かりませんからね。
最終戦では、少なくともランキング4位は狙っていきたいです。
ブノワ・トレルイエ(3位)
スタートは良かったけど、その後のレースは良くなかったです。
序盤はタイヤに負担をかけすぎたし、速いクルマに次々に抜かれてしまったので「2ストップでもやる気なのか」と思ったぐらいでした。
それでも20周以降はクルマも安定してきたので、できる限りハードにプッシュしました。
クルマの状態は良かったけど、作戦が失敗だったようですね。
(カナーンの参戦について)良いドライバーだとは聞いていますが、それでもフォーミュラニッポンは簡単なレースじゃないので、
いきなり結果を出すのは難しいと思いますよ。聞いた話ではナカジマさんのチームから出るようですが、それがどういう影響を及ぼすのか。
せめてポイント争いをしている僕らの間に割って入らなければ良いなと思っています。
中嶋 悟(優勝チーム監督)
良いドライバーと良いメカニックに恵まれ、これ以上出しようのない最高の結果を得られたことは、チーム監督として非常に嬉しく思います。
これ以上どう表現していいかも分からないほどです。
小暮君は一見荒削りですが、速さは以前から持っていました。今はその荒さがとれて、速さだけが残った感じですね。
少し頭が良くなったんでしょう(笑)
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Phot: Yoshinori OHNISHI
ツインリンクもてぎで開催された2007全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦は、#32小暮卓史(PIAA
NAKAJIMA)がポールポジションからハーフタンクで逃げる積極策で後続をぶっちぎり、今季3勝目、前戦菅生に続いて2連勝を飾った。
これによりポイントランキングでも松田次生と同点の2位に浮上し、このレースを3位で終えた#1ブノワ・
トレルイエとの差を4ポイントに縮めた。
2位には小暮のチームメイト、#31ロイック・デュバルが入り、2004年第1戦鈴鹿以来のPIAAナカジマの1-2フィニッシュとなった。
第8戦決勝は午後2時30分にフォーメーションラップ開始。
スタートで2番グリッドのデュバルがクラッチトラブルにより大きく出遅れる。その脇を予選5番手のトレルイエがすり抜けて2位に浮上、
その後方からは7番手スタートのロッテラーも3位にジャンプアップしてきた。
しかしこのロッテラーに対してはジャンプスタートの裁定が下り、ロッテラーは5周終わりでピットインすることになった。
その後方では予選8位の横溝直輝、予選12位の松田次生が次々に前車を抜き去って1周目をそれぞれ5位、7位で戻ってきた。
その後方では接触によりファビオ・カルボーン、井出有治らがピットイン。
そうした後方の動きを尻目にポールシッターの小暮はスタートから一気に後続を突き放しにかかり、
3周終了時点で2位のトレルイエとの差は5秒091に開いた。
ストール寸前の状態に陥って一旦は8位まで順位を落としたデュバルも瞬く間に順位を回復し、4周目までに4位まで挽回してきた。
さらにロッテラーのドライブスルーで5周終わりでは3位に繰り上がったデュバルは、先行するトレルイエをも猛然と追い上げ、
7周目の90度コーナーでアウトから被せて2位を奪い返した。
この時点でトップの小暮と2位デュバルとの差は10秒106。
2台ともハーフタンクで序盤からハイペースで逃げを打ち、30秒以上もの給油時間のロスを帳消しにする作戦を採っており、
この時点で既にデュバルが小暮を逆転する可能性はほぼなくなっていた。
横溝、クインタレッリのインギング勢もまた、中嶋企画と同様の作戦を採っており、横溝はあっという間に4位立川を抜き去ると、
一気にトレルイエの背後に追いつき、11周目のダウンヒルストレートでインから並びかけて3位に浮上する。
しかし横溝は22周目のルーティンストップを済ませた後、33周終わりで再びピットイン。駆動系のトラブルによりここでレースを終えた。
一方、インパル勢はいずれもタイヤ交換に要する時間分のみ給油するというコンベンショナルな作戦。
それでも松田は序盤に順位を稼いで7位に浮上すると、クインタレッリの猛追をしのぎながら、安定したペースで周回を重ねていく。
ナカジマ勢はデュバルが25周終わり、トップの小暮は28周終わりでピットイン。
60リットル以上の給油を済ませてコースへ戻っていく。
ところが小暮はここでまだピットストップを済ませていない松田のすぐ後ろに入ってしまい、これを攻略するのに6周を要してしまった。
しかし小暮は33周終わりのホームストレートで松田のインを半ば強引にこじ開け、順位を一つ回復する。
その後、トレルイエや立川が相次いでピットストップを行った結果、小暮は36周目に再びトップに返り咲くと、
その後は後続に全く付け入る隙を与えず、最後は2位のデュバルに11秒313の大差をつけてフィニッシュ。今季3勝目を、
菅生から2戦連続のポール・トゥ・ウィンという形で挙げることとなった。
これにより中嶋企画は、2004年第1戦鈴鹿以来、実に3年ぶりの1-2フィニッシュを達成。奇しくもこのレースは、
小暮にとっては初めてのフォーミュラニッポン優勝でもあった。
小暮はこのレースで10ポイントを得、合計41ポイントでシリーズ2位に浮上した。
3位はランキングトップのトレルイエ。軽いタンクで暴れまわるドライバーたちの猛追を受けながら、しぶとく表彰台に踏みとどまり、
6ポイントを加算して合計45ポイントで最終戦を迎える。
この週末を通して不調に苦しんだランキング2位の松田も結局このレースを5位で終え、
小暮と同ポイントの41点で地元鈴鹿での逆転王座に望みを繋いだ。
一方、本山はこのレース11位に終わりノーポイント。完全にチャンピオン争いから脱落した。
2007シーズン最終戦は鈴鹿サーキット。11月18日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

大嶋 和也(優勝/2007シリーズチャンピオン)
2年目のF3をやることになって、去年はランキング2位だったので、今年は絶対チャンピオンを獲らないといけないと思っていました。
前半はいいレースができていたんですが、もてぎ、岡山と自分のミスなどもあってつまづいてしまい、悩んだ時期もありました。
でもシーズン中盤以降は「これ以上悪くなんかならない」と気持ちを切り替えたら、またうまくいくようになりました。
仙台では「ここでチャンピオンを決めよう」と気合が入りすぎて失敗したので、今回は落ち着いてレースをするように心がけました。
今日も普通に走って普通にレースをしただけです。
途中、後ろを走っていたオリバーが止まってしまったときは、原因が分からなくて不安になりましたが、なんとか最後までもってくれましたね。
日本のF3でチャンピオンが獲れたので、来年はぜひヨーロッパに行きたいです。行きたい希望はありますが、まだ何も聞かされてません。でも、
こうやって言い続けてれば聞いてもらえるんじゃないかと思って。
関口 雄飛(2位/今季初の表彰台)
予選5番手からのスタートですし、もてぎは抜けないコースだと分かっていたので、スタートと1周目で何としても順位を上げないと、
と思っていましたし、クルマのほうもそれを想定してスタートと序盤に合わせてセッティングしてきました。
ここまでスタートで失敗ばかりしていたので、FCJのスタートシグナルのタイミングを見ていたら、どうも赤が点いてからが長いな、と。
本番のスタートでも中々消えてくれないので、「もういいや」って出て行ったらたまたまタイミングがどんぴしゃでした。
3位まで上がって、ジャービスに追いつこうとプッシュしていったらS字で飛び出してしまい、前との間隔が開いてしまいました。
F3のデビューシーズンは駄目な一年になりましたが、最後に表彰台に上がれたことで、来年に向けてはいいアピールになったかな、と思います。
石浦 宏明(3位)
スタートで前のストレイトが良くなかったので、抜こうと思ってアウトから並びかけたら、1コーナーで更にアウトから関口が来ていて、
ラインが厳しくなって抜かれてしまいました。3コーナーではストレイトがアウトから並んできて、ボクとしては行き場がありませんでした。
チャンピオンシップに影響する結果になったのは残念です。
ボクは終盤に前に離されて終わってしまうレースが多いので、今回2位を追い上げる展開で終われたことには満足しています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
日本レースプロモーション(JRP)は10月22日、
フォーミュラニッポン第8戦が開催されているツインリンクもてぎで記者会見を行い、
今年のインディジャパン300マイル優勝者で2004年インディカーシリーズチャンピオンのトニー・
カナーンのスポット参戦が決定したことを発表した。
カナーンが参戦するのは11月17・18日に鈴鹿サーキットで開催されるフォーミュラニッポン最終戦。
今回はJAFの特別承認参加ということで、全日本選手権ポイントの対象外という扱いだが、
アメリカンモーターレーシングのトップクラスのドライバーが日本最高峰のフォーミュラレースでどんな走りを見せるか、大いに注目される。
なお所属チーム、体制などは現時点では未定とのことだ。
トニー・カナーン選手のプロフィール
1974年12月31日生まれ
出身地:バヒア・サルバドール市(ブラジル)
現在の住所:フロリダ州マイアミ
身長:163cm
体重:67kg
主な戦績
1991年ブラジル・フォーミュラ・フォードで四輪デビュー(シリーズ6位)
1994年イタリアン・フォーミュラ・ユーロ・ボクサーシリーズチャンピオン
1997年インディライツシリーズチャンピオン
1998年CARTルーキー・オブ・ザ・イヤー
2004年インディカーシリーズチャンピオン
2007年インディカーシリーズランキング3位
IRLでの戦績
出走回数:81回
初出走:2002年5月26日(インディ500マイル)
初ポールポジション:2003年3月2日(マイアミ)
初優勝:2003年3月23日(フェニックス)
優勝回数:12回(2007シーズンはもてぎを含めて5勝)
生涯獲得賞金額:$9,151,299
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo:
株式会社日本レースプロモーション

日本フォーミュラスリー協会は10月21日、全日本F3選手権第19戦・20戦が開催されているツインリンクもてぎで、
2007年マカオGPに参戦するドライバーの合同記者会見を行った。
参加したのは、
大嶋和也(トムス)
オリバー・ジャービス(トムス)
ロベルト・ストレイト(プレマパワー)
塚越広大(マノーモータースポーツ)
伊沢拓也(フォーテック)
の5名。(カッコ内はマカオGPで所属するチーム)
いずれも2007シーズンのトップランカーたちだ。
会見に臨んだドライバーたちは、マカオに参戦できる喜びや抱負をそれぞれの口調で語った。
また、いくつかのヨーロッパのチームやドライバーを具体的に挙げてライバル視する発言も出るなど、
このレースにかける意気込みがひしひしと伝わってくる会見となった。
参加ドライバーのコメント
ロベルト・ストレイト
昨年と同じチームから出場することになりました。
昨年は初参戦にしてはいいレースができましたし、今年はトップ5かトップ6ぐらいはいけると思います。
昨年もクルマのポテンシャルを引き出せたと思いますし、自分のパフォーマンスも発揮できましたが、サーキットには本当にびっくりしました。
一瞬も気が抜けないし、常に100%プッシュしていないとすぐにおいてかれてしまう。実にユニークな経験をしましたね。
今年の参加メンバーだと、10人くらいは勝てるドライバーがいます。ニコ・ヒュッケンベルグやセバスチャン・ブエミ、カムイ・
コバヤシなんかは要注意ですし、カーリン・モータースポーツやライコネン・ロバートソンのドライバーも手強いでしょうね。
大嶋和也
去年は7位に入りましたが、全然納得できるレースじゃありませんでした。
今回使う1AZエンジンは山側でポテンシャルが見せられると思います。
マカオ用のテストはやっていませんが、エンジンはマカオを想定して開発してきたので心配はしていません。
今回はとにかく最後までずっとコースに残って結果を出します。
今年はエントリーリストを見ると、びっくりするぐらい速いドライバーがそろっていますが、
中でもTDPの可夢偉には何としても勝ちたいですね。
オリバー・ジャービス
レースには自信があります。今回は2年目ですからアドバンテージがありますし。難しいコースですから、
一度走っていることは大きなアドバンテージになるんですよ。
トムスは去年も速かったので、今年も二人そろって表彰台に上がりたいし、ボクの目標は優勝です。
昨年はホンダエンジンでしたが、今年はトヨタエンジンでメルセデス勢と戦うことになります。厳しい戦いになると思いますし、
今回は2年目3年目のベテランも多いのでそういう意味でもタフなレースになると思います。
ASMやRR(ライコネン・ロバートソン)、マノーモータースポーツなどのドライバーは要注意ですが、日本のF3もレベルが高いので、
今日ここにいるドライバーやマルコ(アスマー)などの上位ランカーはみんな表彰台に上がる実力があると思います。
塚越広大
まずは、このチャンスを与えてくれたホンダ、リアル、スーパーアグリと、応援してくれた皆さんに感謝したいです。
マカオに出場できるのも嬉しいですし、レベルの高いレースで戦えることは、ドライバーとして嬉しいことです。
今年のマノーもいいチームですから、昨年以上の結果を出したいです。
今年1年ダラーラで戦ってきたことが生きてくると思いますし、オレンジのマシンで走るので、どこにいても目立つと思いますが、
走りのほうでも負けないように目立ちたいです。
最低でも日本人選手には勝ちたいですね。
伊沢拓也
去年も出たかったんですけど出場できなかったので、今年出るために観戦に行きました。あとで車で走ってみたんですが、
思ったより狭いコースでしたね。
今年は夏ごろから交渉を始めて出場が決まりました。参戦するドライバーの中には、
ボクがフォーミュラルノーをやっていた頃のライバルもいるので、また一緒にレースをするのが楽しみです。
シーズン最後のレースを光る走りでアピールできたらな、と思っています。
日本人選手の中のトップにはなりたいですね。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
ツインリンクもてぎで行われている全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の決勝前フリー走行は、
1分35秒323を記録した#34横溝直輝(Team BOSS・INGING Formula Nippon)がトップタイム。
ポールシッターの#32小暮卓史はこのセッション11番手に留まった。
フリー走行は午前8時20分に開始された。
前回の第3戦では小暮の出した1分37秒136がフリー走行でのベストタイムだったが、
今回は始まってすぐに36秒台を出してくるドライバーが相次ぎ、上位陣はすぐに35秒台に入った。
15分が経過して時点でのトップは#33ロニー・クインタレッリ。
しかし残り8分で本山が1分35秒707でトップに立つと、その2分後に#31ロイック・デュバルが35秒379でトップに。
#55井出有治、#41ファビオ・カルボーンらも好タイムを出してきた。
結局、チェッカー直後に横溝が出した1分35秒323がこのセッションのベストとなった。
なお、ポールシッターの小暮は1分36秒190で11番手に留まった。決勝に向けてどういう作戦を取ってくるのか、要注目だ。
決勝レースは午後2時30分より、52周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Keiichiro TAKESHITA

小暮 卓史(ポールポジション)
走り出しからクルマの状態は良くて、ボクもロイックも速いラップタイムを刻みながら金曜日を過ごしました。
今日の予選1発目も悪くなくてトップが獲れ、トータルでも3セットしか使いませんでした。
午後の1セット目のアタックはフロントタイヤを暖めきれず、セクター1では他のドライバーより遅かったんですけど、
後半部分で挽回してタイムアップできました。
最後のアタックでは前の車につっかかってしまったせいで90度コーナーでフロントのダウンフォースが抜けてしまってコースアウトしてしまいました。
だから絶対抜かれると思っていたんですが、トップをキープできてよかったです。
ここで何とか鈴鹿に望みを繋ぐためにも、明日はトップでレースを終わりたいですね。
ロイック・デュバル(予選2位)
いい形で週末をスタートできたと思います。
午後のアタックでは、コグレより速く走れそうだったんですが、最終コーナーでペナルティリミッターが作動してしまい、
ホームストレートで2速3速4速とスピードが伸びませんでした。それでも二人でフロントローを独占できたので、
チームの強さは見せられたと思います。
実は予選の最後に4セット目を入れようとしたんですけど、アタックする時間が足りませんでした。
明日は5ストップで、1コーナーはクラッシュ覚悟で突っ込んでいきます...........というのは冗談ですが、
とにかく表彰台を目指して頑張ります。
本山 哲(予選3位)
午前中の予選では、昨日から今日にかけてでアジャストした部分が原因でアンダーが出てしまい、スローコーナーでロスしてしまいました。
クルマはそこそこ仕上がってるんですけど、ナカジマの2台には届きませんでした。
午後も小暮のタイムに挑んだんですが、あれが限界でした。
明日は13番グリッドからのスタートになりますが、ボクもまだチャンピオンの権利があるので、鈴鹿に望みを繋ぐためにも、
なんとしても表彰台を狙っていきます。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
ロベルト・ストレイト(優勝)
ハードなレースでした。
予選はウェットからドライへとコンディションが変わりましたが、ラッキーなことにポールが獲れました。
決勝のスタートではトップで1コーナーに入れましたが、オオシマがすぐ後ろにくっついてプレッシャーをかけてきたので、
最後まで全力で走らなければなりませんでした。そのため、レース序盤はポイントのことなどとても考える余裕がありませんでしたが、
後半には少し余裕ができました。
明日はスタートが全てだと思います。チャンピオンが取れるかどうかはまだ分かりません。
大嶋和也(2位)

1回目の予選は難しいコンディションでしたし、自分のミスもあったので3位に終わりましたが、2回目の予選ではポールが獲れました。
今日のレースでは2位に入れれば充分だと思っていたので、狙った通りの結果になって満足しています。優勝も狙っていたんですけど、
ストレイトも速くて、差を詰めるだけで精一杯でした。
明日は普通にスタートして、普通に走れれば、逃げ切る自信はあります。今日2位になれたことで、チャンピオン争いもラクになりました。
オリバー・ジャービス(3位)

今日のスタートは最悪でした。あの瞬間、今年のチャンピオンもあきらめるしかなくなりました。オオシマも速くて、追いかけるのは無理でした。
明日はできれば勝ちたいですが、チャンピオン争いの邪魔はしたくないので、クリーンなレースを心がけます。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の公式予選2回目は、午前中の1回目に続いて#32小暮卓史がトップタイム。
2位に同じく#31ロイック・デュバルがつけ、ナカジマレーシングがフロントローを独占する結果となった。
公式予選2回目は午後2時30分開始。
コースコンディションの回復を待った午前中とは異なり、各ドライバーとも序盤から積極的にアタックに取り掛かり、
全てのドライバーが午前中のタイムを上回ってきた。
午前中トップの小暮も2セット目のアタックで1分33秒259と、午前中のベストタイムを更に更新してトップに立った。
予選終了間際に行った3セット目のアタックでは、セクター1、2、3と自己ベストを更新したものの、
90度コーナーのブレーキングで前の車のタービュランスの影響を受けてオーバーラン、大きくタイムをロスしてしまった。
それでも最後まで2セット目のタイムを上回るドライバーは現れなかったため、小暮は今季3度目のポールポジションから、
明日の決勝を戦うこととなった。
午前中2位のデュバルも1分33秒374までタイムを縮め、このセッションでも2位となった。
これにより明日の決勝はフロントローをナカジマ勢が独占することとなった。
3番手には1分33秒659を出した#19本山哲が入ったが、
本山はこのレースを前にイレギュラーなエンジン換装を余儀なくされたため、明日の決勝は10グリッド降格となることが既に決まっている。
これにより明日の3番手グリッドは午前中から大幅なタイムアップを果たした#11立川祐路が繰り上がることとなる。
ポイントリーダーにして午前中3位の#1ブノワ・トレルイエは5位(4番グリッド)、
ランキング2位の#2松田次生はここでもタイムが伸び悩み、12位に終わった。
第8戦決勝は明日午後2時30分より52周、約250kmで行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第19戦の決勝は、ポールシッターの#3ロベルト・ストレイト(インギング)がそのままトップで逃げ切り、
今季7勝目を挙げた。2位に大嶋和也、3位はオリバー・ジャービス。
これによりシリーズチャンピオンの行方はストレイトと大嶋の二人に絞られた。
第19戦決勝は午後1時30分にフォーメーションラップが開始された。
2番手スタートのジャービスが出遅れるのを尻目に2位に浮上した大嶋は、懸命にトップを行くストレイトを追い上げるが、
ストレイトは全く付け入る隙を与えずに14周を走りきり、今季7勝目を達成した。
3位に後退したジャービスもペースが上がらず、逆に後方から石浦宏明の追撃を受ける状況でこのレースを3位で終えることとなった。
これにより有効ポイントはストレイト252ポイント、大嶋244ポイント、ジャービス238ポイントとなり、
優勝または2位でないとポイントが加算されないジャービスは明日優勝しても247ポイントに留まるため、
ここでチャンピオンの可能性が消えた。
一方このレースで2位に入り、ポイントランキングでも2位に浮上した大嶋は、ここまでリタイヤ2回、
9位と7位が各1回と落としたレースが多いため、最大で18ポイントを加算する可能性がある。
優勝したストレイトが最大でも11ポイントまでしか加算できない状況を考えると、逆転タイトルの可能性が一気に高まった。
注目の最終戦決勝は明日午後0時30分より、20周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAHESHITA
ツインリンクもてぎで行われた全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の公式予選1回目は、#32小暮卓史(PIAA
NAKAJIMA)が1分33秒472で暫定ポール。2位には#31ロイック・デュバルとナカジマ勢が1-2を占め、好調ぶりを見せつけた。
公式予選1回目は午前10時30分に開始された。
既にレコードライン上は乾いているものの、まだところどころウェットパッチが残っており、
メインポストからはウェット宣言のボードが提示された。
この影響もあり、殆どのドライバーが路面コンディションの回復を待ってピット上で待機。
数名のドライバーはインストレーションラップをウェットタイヤで行った。
こうした中で最初にスリックでアタックを行ったのは#3柳田真孝。
タイムは1分35.562。
続いてチームメイトのJ.P.オリベイラが34秒915までタイムを縮めてピットへ。
この時点での残り時間は24分。
残り12分で#11立川祐路が34秒423でトップに立った。
他のドライバーたちは残り時間が7分を切ったところで漸く本格的なアタックに取り掛かった。
まずは#56金石年弘が1分34秒666で2番手に。
続いて#1ブノワ・トレルイエが1分34秒397を出してトップに立つが、その直後に#36アンドレ・
ロッテラーが34秒152とトレルイエを上回る。
#40ビヨン・ビルドハイムも34秒376で2位に上がってきた。
チェッカー間際には#19本山哲が1分34秒001を記録して一気にトップに躍り出るが、
そのすぐ後ろを走っていた小暮が1分33秒472と、いきなり33秒代前半のタイムをたたき出し、暫定ポールを決めて見せた。
小暮のチームメイト、ロイック・デュバルも最後のアタックで33秒838を出して2番手。
最後のアタックで区間ベストを立て続けに更新していたトレルイエは最終コーナーで姿勢を乱したのが祟ったか、
1分33秒903で3番手に終わった。
なお。各ドライバーともこのセッションではスリックタイヤは1セットしか使っていないため、
午後の予選2回目は序盤から激しいタイムアタック合戦が期待できそうだ。
公式予選2回目は午後2時15分より、45分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
ツインリンクもてぎで行われている全日本F3選手権第20戦の公式予選は、
#36大嶋和也(トムス)が1分45秒983をたたき出してポールポジションを獲得した。
第19戦の予選終了から10分間のインターバルをおいて第20戦の公式予選が始まった。
ここでも大嶋、ジャービス、石浦のトムス勢が好タイムを連発。タイムは1分46秒代前半からついに45秒台に入ってきた。
一方、第19戦ポールのロベルト・ストレイトはタイムが伸び悩み、1分46秒609で4番手に留まる。
大嶋とジャービスはチェッカー直前まで激しくトップを争ったが、ここでは0.01秒差で大嶋に軍配が上がった。
3位石浦もコンマ2秒差と僅差で続いた。
第20戦決勝は明日午後0時20分より、20周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第19戦の公式予選は、目下ポイントランキングトップの#3ロベルト・
ストレイト(インギング)がポールポジションを獲得。タイムは1分47秒003だった。
全日本F3の2007シーズンもいよいよ最終ラウンド。
タイトルの行方はストレイト、オリバー・ジャービス、大嶋和也の3人に絞られた。
1位ストレイトと3位の大嶋の有効ポイント差はわずか11。
状況次第では1レースでひっくり返る僅差に3人がひしめいた状態で第19戦の公式予選を迎えた。
昨夜の雨も上がり、決戦の舞台となるツインリンクもてぎ上空は青空を覗かせているが、
路面はまだところどころ濡れている難しいコンディション。
しかし走行を重ねるうちに路面は乾いていき、それにつれてラップタイムも上がっていく。
セッション序盤は塚越広大が好タイムを連発して地元レースに賭ける意気込みを見せていたが、
チャンピオン争いをしている3人が次第にタイムを上げていくにつれて次第に後退していった。
変わってトップに立ったのは大嶋。しかしすぐにストレイトがトップに躍り出る。
結局、最後の最後にストレイトが1分47秒003をたたき出してトップを守りきった。
大嶋、ジャービスも自己ベストを更新したが僅かに届かず、1位ストレイト、2位ジャービス、3位大嶋と、
くしくもポイントランキングそのままの順位で15分の予選を終えることとなった。
第19戦決勝は今日午後1時30分より14周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
GT500クラス #18TAKATA童夢NSX
小暮 卓史
クルマをここまで修復してくれた皆さんに、心から感謝しています。
鈴鹿1000キロでは僕の人生の中でも一番厳しいクラッシュをして、痛い思いもしましたが、そこから今回は勝利という、
地獄から天国みたいな両極端な2連戦になりました。
クルマは正直納得いかない部分もありましたがペースは悪くなく、
ギヤに多少の不具合を抱えながらもマージンを築きつつ道上さんに渡すことができました。
今回勝てたって言う事実はデカいです。これで今からでも遅くない、シリーズを狙っていけるいい流れになりましたから。
道上 龍
昨日はとっておきの速さを持ってる小暮がポールを獲ってくれて、
今日は勝つことができてよかったです。今まで何度もポールを獲ってきたのに、
そのたびにクルマが壊れたりして結果を残せませんでしたが、今回勝てたことで、速さだけでなく強さも証明できました。
ギヤの不具合はありましたけど、なんとか最後まで持ちました。ライバルのリタイヤにも助けられて、楽にチェッカーを受けられました。
実は先日、8号車のドライバーとともにホンダの栃木研究所に招待されて、激励会をやっていただいたんですが、
その皆さんの思いに応えられて本当によかったです。
これでタイトルへの望みも出てきました。残り2戦も頑張ります。
GT300クラス #26ユンケルパワータイサンポルシェ
谷口 信輝
今の気持ちはもうサイコーです。決勝は『こういう形で行けばいいな』という予想以上の内容で、
ボク的には100点満点でした。
走ってる場所がよかったおかげで、後ろのほうが混乱している間に充分なマージンを築くことができました。でも、
今までもいいところを走っていてもクルマが壊れたりしていたので、後半もずっと心配してて、ファイナルラップまで気が抜けなかったんですよ。
(シーズン残り2戦の抱負は)もういいです(笑)富士はまだ可能性があるのでいけたらいきますけど、オートポリスは相性が悪いので、
もういいです。(笑)
チームタイサンにとって今回の優勝は、カーナンバーと同じ通算26勝ということで千葉さんもすごく喜んでくれました。
ドミニク・ファーンバッハー
今は本当に、チームタイサンのみんなに感謝しています。
すばらしいチームとすばらしいチームメイトです。
レースもハードじゃありませんでした。タニグチが充分なギャップを広げてくれましたから、あとは慎重にドライブして勝利を勝ち取るだけで、
それができてハッピーです。
僕は子供の頃から日本のGTに憧れていましたが、ル・マンでチバさんに会うまで、どうすれば参加できるのかわかりませんでした。
このシリーズは母国のDTMと比べてもすばらしいと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO