全日本選手権フォーミュラニッポン第3戦の決勝が5月20日、晴天のツインリンクもてぎで行われた。
レース距離300kmの長丁場を制したのは小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)。
軽い燃料搭載量で逃げに逃げる2ストップ作戦が見事に決まり、今シーズン初勝利、通算2勝目を挙げた。
2位はアンドレ・ロッテラー(DHGトムス)、3位には僚友ブノワ・トレルイエの猛追を退けた松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)
が入った。
午後2時30分、フォーメーションラップが開始され、
62周の長い戦いの幕が切って落とされた。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの松田。
予選後の記者会見で「まずはスタートを決めることがひとつのステップ」と語っていた松田は、その言葉どおりにトップに立ち、
レースの主導権を握る....はずだった。
ところがその松田の目論見を、3番手スタートの小暮が打ち砕く。
小暮はスタート直後の1コーナーを本山に続く3番手で立ち上がると、早くもその周のダウンヒルストレートで本山のインに並びかけ、
90度コーナーのブレーキングであっさりと2位にポジションを挙げる。
続く2周目には同じダウンヒルストレートで松田をもアウトから抜き去り、あっという間にトップに躍り出た。

コーナーの立ち上がり、ブレーキングの深さで明らかに勝る小暮。
それは中嶋企画が何度も試み、そのたびに敗れ去った2ストップ作戦を予想させるに十分なものだった。
それを証明するかのように、他のドライバーが41~42秒台で周回する中を39秒台で疾走する小暮。
4周目には38秒台まで飛び出すハイペースぶりだ。
その後方では、予選4番手からスタートし、オープニングラップを4位で終えたロッテラーも序盤からハイペースで順位を上げにかかる。
ロッテラーは2周目に本山、5周目には松田をも抜き去って2位に浮上してきた。
しかしそれでもなお、小暮のハイペースぶりにはかなわず、両者の差は確実に開いていく。

一方、小暮、ロッテラーに立て続けに抜かれた本山は、松田の背後にぴったりつけて隙をうかがっていたが、
7周目の3コーナー立ち上がりで痛恨のコースアウト。逆に8位に順位を落としてしまう。
懸命に順位挽回を図る本山は、早めのピット作業で5位集団をかわしたまでは良かったものの、最後尾から追い上げてきたロニー・
クインタレッリにレース終盤抜かれて6位でフィニッシュすることとなった。
小暮は27周目にロッテラーとの差を37秒670とすると、次の28周終わりで最初のピットストップ。22秒の作業時間で松田の後ろ、
3位でコースに復帰した。
これでトップに繰り上がったロッテラーは31周終わりでピットイン。こちらも22秒の作業時間でピットアウトしていく。
小暮はこの間、松田を追い上げて30週目の90度コーナーでインから抜き去っており、
ロッテラーがルーティンストップを行ったことで再びトップの座に返り咲く。
その後も小暮は31周目に1分38秒787、39周目には1分38秒765と、
この日のファステストラップを記録するハイペースで逃げに逃げ、42周目に はロッテラーとの差を52秒315とし、
43周終わりで2度目のピットストップを行う。
給油とタイヤ交換に26秒5を費やしてもなお、ロッテラーの10秒前方でコースに戻った小暮は、
その後も手綱を緩めることなく1分39秒台で周回を重ね、最後は2位に19秒392の大差を築いて、シーズン初勝利を挙げた。
この優勝はまた、小暮にとっては2004年3月の鈴鹿以来、実に3年2ヶ月ぶりの待ちに待った勝利だった。
2位にはロッテラー。終盤松田に2秒弱差まで詰め寄られたが、その松田も僚友トレルイエに執拗なアタックを受け、
最後の数周はそれを押さえ込むので精一杯となったため、ロッテラーは辛くも逃げ切った。
松田も最後までトレルイエを押さえ切って3位と、終わってみれば 3人の中嶋門下生が表彰台を占める結果となった。

次回第4戦は、フォーミュラニッポン初開催となる岡山国際サーキット。
6月10日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
ロベルト・ストレイト(優勝)
昨日からどうやってトップでファーストコーナーへ入ろうかと、そればかり考えていましたから、
スタートでジャービスとサイドバイサイドになったときは引くべきかどうか迷いました。
でも結局彼はミスをしてペナルティを受け、そのおかげで僕がトップになりました。
スタートでグリーンゾーンに押しやられたときに『日本だったら80%の確率でペナルティが出るな』と思っていたので、
落ち着いて自分のペースで走っていました。だから8周目にジャービスにドライブスルーが出たのを見て安心しました。
その後はベストラップを出すつもりでプッシュして、残り5周のところでベストラップが出たので、
これでファステストラップのポイントが取れたかと思いましたが、その後オオシマがタイムアップしたので取れませんでした。
クルマ自体が終盤はオーバーステアになっていたので、そのなかでできる限りプッシュしようと思って走りました。
石浦宏明(2位)
今週は金曜まで流れが悪かったんですけど、金曜の夜にチームが3時間もミーティングして、セッティングを一から見直してくれて、
僕のドライビングスタイルに合うクルマを作ってくれました。
ですから昨日のレースでも前を押さえられてなければもっといいペースで走れたはずなんで、今日もクルマは殆どいじらずにレースに臨みました。
スタートを決めればいける、と思っていたんですが、思うようなスタートができなくて、
ポジションキープで1コーナーに入っていったら2台外にはみ出したのが見えました。
それからロベルトに3コーナーと5コーナーで並びかけたんですけど、ロベルトにうまくライン取りされて前にいけませんでした。
その後オリバーのペナルティってなって、それを聞いても『自分には関係ない』と思ってとにかくロベルトを追いかけました。
伊沢拓也(3位)
スタートで前に行くことだけを考えていました。スタートはすごく良くて、1コーナーで大嶋君と石浦君の間に入っていこうと頑張ったんですが、
大嶋君と一緒にはみ出してしまいました。
開幕から考えたら、トップとの差は縮まっていますし、自分としては今日はいいレースができたと思います。
今まではダラーラと自分の走りがなかなか合わなかったんです。童夢だとそういう部分を吸収してくれてたんですが。
それも前回のもてぎテストから、だんだん走らせ方がわかってきて、セッティングも合ってきています。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第6戦の決勝は、ロベルト・ストレイト(インギング)が2位に2秒.940差をつけて20周を走りきり、
第4戦鈴鹿に続く今季2勝目を挙げた。
午前10時45分、フォーメーションラップが開始され、20周の戦いが始まった。
ポールシッターのオリバー・ジャービスとセカンドグリッドのロベルト・ストレイトによる激しい先陣争いはジャービスに軍配。
しかしこのとき、ストレイトをグリーンゾーンまで押しやったジャービスの行為が審議対象となってしまう。
その後方では石浦宏明と大嶋和也が3位を争った結果、大嶋が2コーナーでアウトに飛び出してしまう。
大嶋は大きく順位を落とし、1周目を10位で戻ってきたが、
更に3周目にはジャンプスタートによるドライビングスルーが課せられることになり、
これを4周終わりで消化した大嶋はとうとう最後尾に落ちてしまい、その後も懸命に順位回復を図ったが、
結局9位でレースを終えることとなった。
大嶋のジャンプスタートに続いて、8周目にはついにジャービスに対してもドライビングスルーペナルティがポストから提示された。
9周終わりで手を挙げて合図したジャービスは10周目にピットイン、塚越の後ろ、
5位でレースに復帰した。
これでストレイトがトップに繰り上がった。
ストレイトはその後も2位石浦の追撃を退け、最後は2.94秒の差をつけて20周を走りきり、今季2勝目を上げた。
また、ジャービスが5位、大嶋が9位に終わったことにより、
シリーズポイント上もストレイトがトップに立って次戦岡山ラウンドに臨むこととなった。

第7戦&8戦は岡山国際サーキット。6月9日、10日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
フォーミュラニッポン第3戦の決勝前フリー走行は、小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)が1分37秒136でトップタイム。
2番手にロニー・クインタレッリ、3番手には本山哲がつけた。
一方、ポールシッターの松田次生は19番手、ディフェンディングチャンピオンのブノワ・トレルイエは20番手に留まった。
天候の変化に翻弄された公式予選日とは対照的に、
決勝日を迎えたツインリンクもてぎは朝から快晴、絶好のレース日和となった。
決勝前フリー走行は午前8時30分から、30分間で行われた。
今回はレース距離300km、燃料最大積載量122リットルと、決勝ではピットストップが必要になってくる。
このため、各チームとも入念にピットストップ練習を行いながら、走行を重ねていった。
このセッションでトップタイムを記録したのは予選3番手の小暮。開始10分で1分37秒136のベストタイムを出し、
その後も37秒後半から38秒前半のタイムで快調に走行し、決勝に向けての仕上がりのよさをアピールした。
その一方で、昨日のポールシッターの松田、予選2番手の本山らは、19位、
20位といったあたりで周回を重ねている。本山は残り1分で3番手タイムを記録したが、松田は39秒804がベストという状態。
また、昨日のスペシャルステージで間違ってユーズドタイヤを装着し、
10番手に終わったトレルイエもこのセッションは20番手と低迷した。
この、モバイルキャストインパル2台のタイムが何を意味するのか、決勝での作戦とどう関連するのか、興味は尽きない。
第3戦決勝は今日午後2時30分から、62周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA

松田次生(ポールポジション)
午後のスペシャルステージでは、アタック云々よりも天気がどうなるかが心配でした。最終コーナーでロスしてしまいましたが、
あれがなければもっといいタイムが出ていたと思います。
クルマの状態も良かったし、チームも頑張ってくれました。
明日はポールポジションからスタートしますが、スタートをちゃんとすることが最初のステップだと思ってまして、
ここを越えれば結果はついてくるはずです。
金曜のテストでも満タンでどこまでタイムがダウンするか、エンジニアと確認していますから。
明日は長いレースなので何があるかわかりません。
今まで2位ばっかりだったので、明日こそはトップでフィニッシュしたいです。
本山哲(予選2位)
天気が心配だったので、予選1回目はなるべく上の順位にならないように調整していました。
結果的に雨は降ってこなくて、松田に大きなタイム差をつけられてしまいましたが、正直あのタイムは見えてなかったです。
今回も鈴鹿に似た展開になってきていますが、長いレースでは何があるかわからないので、
チャンピオンシップを考えても明日は2位以上で終わりたいですね。
小暮卓史(予選3位)
1回目の予選ではみんなに迷惑をかけてしまいました。
オーバースピードでS字に入ってしまって、飛び出してしまいました。
2回目の予選では、走り出す直前に雨が降ってきて、セクター1、2ではヘルメットに雨粒が上がってきましたが、
路面のグリップ感は変わりませんでした。
精神的には良くなかったですけど。
セクター1、2はまだまだいけたと思いますが、3、4はパーフェクトでした。
鈴鹿と同じスタート順になりましたが、今回はスタートで失敗しないよう対策してきましたし、前についていければチャンスはあると思います。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
オリバー・ジャービス(優勝)
2回目の予選はトップを取れましたが、1回目は雨で路面が濡れていたこともあり、大きなミスをして順位を上げられませんでした。
決勝ではスタートが一番重要だと思っていましたが、いいスタートが切れましたね。クルマの調子も良かったし、自信もありましたので、
序盤に前に出てミスさえしなければ勝てると思っていました。
ロベルト・ストレイト( 2位)
1回目の予選ではクルマがすごく調子良かったので、ポールを取れると思っていましたが、
最後のアタックでトラフィックに捕まってしまいました。残念です。
2回目の予選でもできるだけハードにプッシュしたんですが、それ以上にオリバーが速かったですね。
決勝ではスタートに集中しました。1コーナーの手前でツカコシとオオシマがガッチリ前を固めていましたけど、追い越すことができました。
そこからはハードにプッシュしましたが、オリバーについていくのも難しい状態でした。
塚越広大(3位)
1回目は天候やコースコンディションが好きな場面になって、それが奏功してポールポジションが取れました。
2回目は何でタイムが伸びなかったのかわからない状況で、順位も下のほうになってしまいました。
スタート直後の1コーナーでは自分の行き場がなくなってしまい、4位に下がるしかありませんでした。そこからできるだけプッシュしましたが、
追いつけませんでした。
表彰台に上がれたのは良かったですが、できれば優勝したかったですね。
まとめ & Photo:Kazuhisa SUEHIRO
全日本選手権フォーミュラニッポン第3戦で初導入された、参加全22台によるスペシャルステージは、午前中トップの松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)が、他を圧倒する1分34秒775を叩き出してポールポジションを獲得した。
予選1回目終了後、何人かのドライバーがイエローフラッグ無視やスキッドブロックの規定違反によりベストタイム抹消やタイム無効とされたため、スペシャルステージを前に、出走順が大きく変更されることになった。
その上、セッションの途中で雨が降ったり止んだりと非常に不安定な天候だったため、この出走順がスターティンググリッドに大きく影響を及ぼすこととなった。
そうした順位変動の影響を被った一人、スキッドブロックの違反でタイム無効とされた金石年弘は最初のアタッカーとして1分35秒361を叩き出す。これは午前中の松田のベストをも上回る好タイムだ。
更に自ら赤旗の原因を作って午前中18番手に終わった小暮卓史も、
降り始めた雨が路面を濡らしきる前に果敢にコースを攻めて1分35秒194を叩き出し、この時点でのトップに立った。
逆に、 降り始めた雨に翻弄されてタイムを落としたのが荒聖治とロニー・
クインタレッリだった。
滑る路面に手を焼いた荒は1分37秒576、
最も雨脚の強いタイミングで走らざるを得なかったクインタレッリは1分38秒059を出すのが精一杯だった。
続くファビオ・カルボーン、柳田真孝も、濡れた路面のために低迷する。
しかし雨はファビオ・カルボーンが走り終えたあたりで完全に止んだ。
空は次第に明るくなっていき、強い陽射しが路面をどんどん乾かしていく。
ここからは、
セッションが進めば進むほどラバーグリップが上がっていく通常のドライセッションとなった。
横溝直輝は平凡なタイムに終わったものの、
続く井出有治はセクター1、2で小暮を上回る区間タイムを出してみせる。
しかしセクター3,4が延びず、終わってみれば1分35秒818と、この時点での3番手となった。
続く吉本大樹、平中克幸、ロイック・
デュバルらも小暮のタイムには及ばず、8位、4位、3位に終わるが、その次にコースインした本山哲は1分35秒183と小暮を僅かに上回ってトップに立った。
本山は、「午後3時以降に雨」という天気予報にあわせて、
なるべく順位を上げないようにと予選1回目のペースを調整していたのだった。
続く高木虎之介、ビヨン・ビルドハイム、J.P.オリベイラ、ミハエル・クルムは本山に及ばず、ディフェンディングチャンピオンのブノワ・
トレルイエでさえも1分35秒960と苦戦。
このまま本山のポールが決まるかと思われたが、
最後に出走した松田がセクター1、2、3でことごとく本山を上回る快走を見せ、
最終コーナーでは大きく姿勢を乱したものの1分34秒775と、唯一34秒台にはいる圧倒的なタイムで本山を0.408秒上回り、前戦鈴鹿に続いての2戦連続ポールを達成することとなった。
フォーミュラニッポン第3戦決勝は明日午後2時30分スタート。今回は給油ありの300kmフルディスタンスだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第5戦の決勝は、
スタートでトップに躍り出たオリバー・ジャービス(DHGトムス)が、そのまま後続を引き離して14周を走りきり、富士での開幕戦以来の今季2勝目を挙げた。
結局、予選でのダブルチェッカーによるベストラップ抹消が確定し、石浦は5番手からスタートすることとなった。
第5戦決勝は午後1時40分にフォーメーションラップが開始された。
ポールシッターの塚越広大はまたしてもスタートを決めることができず、ホイールスピンから失速。
2番手スタートの大嶋が並びかけるが、
この2台の間にジャービス、
ストレイトの2台が割って入り、
一気に1位、2位を奪い取って1コーナーへ飛び込んでいく。
これで大嶋は3位、塚越は4位に後退。
大嶋はその後も果敢にストレイトに仕掛けていくが、90度コーナーで痛恨のオーバーラン。6位に後退してオープニングラップを終えることになってしまう。
これで3位に繰り上がった塚越の背後には石浦が迫る。
その後方では、5位伊沢と6位大嶋の熾烈なバトルが展開された。
3周目に一旦は伊沢を抜いて5位に上がった大嶋だったが、伊沢はすかさず3コーナーでインにノーズをねじ込んで順位を奪い返す。
その背後にはルーキーの関口、今回から参戦のベン・クルーカスが接近してきた。
トップのジャービスはその後も徐々に
2位のストレイトを引き離し、最後は
4秒
165の差をつけてチェッカーを受け、
開幕戦の富士以来
4戦ぶりの優勝を飾った。
2位にはストレイト、3位には塚越がつけ、4位に幻のポールとなった石浦。
結局大嶋は伊沢を攻略することができず、6位に終わった。
第6戦決勝は明日午前10時45分より、20周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本選手権フォーミュラニッポン第3戦の公式予選1回目は3度の赤旗が出る荒れた展開となった。
そうした中でトップタイムを記録したのは松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)。唯一の35秒台となる1分35秒451を記録し、
午後のスペシャルステージでトリを務めることとなった。
第3戦の舞台はツインリンクもてぎ。
ここでは全車参加のスペシャルステージによるグリッド決定という、従来とは全く違う予選方式が採られることとなった。
このため、午前中に行われた予選1回目は、午後のスペシャルステージにおける出走順を決めるためのもの、という位置づけとなる。
予選1回目は午前10時35分に開始された。
F3の予選中から再び降り始めた雨のため、開始時点の路面はウェット。一旦はスリックを履いて出て行ったドライバーたちも、
すぐにウェットタイヤに履き替えて走行を重ねることとなった。ラップタイムもこの時点ではアンドレ・
ロッテラーの1分57秒657がトップという状況で、コースのあちこちで水しぶきが上がっていた。
しかし雨は予選開始10分足らずで止み、ドライバーたちも開始10数分で再びスリックでの走行に切り替えていく。
ラップタイムも一気に縮まり始め、残り30分の時点ではブノワ・トレルイエが1分42秒490を出してトップに立ち、
他のドライバーも軒並み43秒台までタイムをあげて来た。
しかし残り時間が28分を切ったところで片岡龍也が90度コーナーでスピンオフし、これを排除するために赤旗が出された。
この時点でトップに立っていたのはロイック・デュバル。タイムは1分39秒940と、ついに40秒台を切ってきていた。
予選は6分間の中断の後、再開された。
しかし、残り時間8分49秒で今度は小暮卓史がS字でコースアウトしてしまい、これの排除で再び赤旗が出されてしまう。
セッション終盤に向けて更なるタイムアップを狙っていたドライバーたちは、これで出鼻をくじかれてしまった。
この時点でのトップは松田次生。タイムは1分36秒497まできた。2番手にはロッテラーがつけている。
既に空には晴れ間が覗き、コースはほぼドライコンディションに回復してきた。
11時32分、予選再開。残り時間は8分あまり。
最後のアタックを、と相次いでコースに飛び出していくドライバーたち。
しかし2番手タイムのロッテラーは残り5分、トップの松田は残り3分30秒を切ってから漸くコースインする作戦に出た。
松田がコースに入った直後、久々にトップフォーミュラに戻ってきたミハエル・
クルムが1分36秒448を叩き出して一気にトップに躍り出た。
しかしその直後、今度は柳田真孝がV字コーナーでスピン。
これにより今日3度目の赤旗中断となる。残り時間はたったの1分43秒と、タイムアタックはほぼ不可能な状況だ。
このため、審査委員会判断で残り時間を3分に延ばして予選は再開されることとなった。
この僅かな残り時間を見事に生かしきったのが松田だ。
松田はここで1分35秒451と、このセッションで唯一の35秒台を記録してトップに立った。2番手には、
このもてぎで優勝も経験している金石年弘。3番手にはアンドレ・ロッテラーがつけた。
午後2時25分より行われるスペシャルステージでは、この順位の逆順で1台づつのアタックが行われる。
なお、終了間際に最終コーナーで吉本大樹と佐々木孝太がコースアウトしたため、この区間にイエローフラッグが提示されたため、
この直後にチェッカーを受けたロニー・クインタレッリ、横溝直輝、立川祐路に対しては、予選終了後にタイム抹消のペナルティが下った。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
全日本F3第6戦の公式予選は、オリバー・ジャービス(トムス)
が今季初のポールポジションを獲得。ロベルト・ストレイトが2位に入り、
開幕以来続いていた大嶋和也のフロントロー獲得はここで途絶えることとなった。
石浦のダブルチェッカーを巡る、第5戦公式予選の審議がまだ継続する中、
第6戦の公式予選が開始された。
最初にトップに立ったのはストレイト。タイムは1分46秒651だ。
他のドライバーもほぼ第5戦終了間際と同等のペースで走り始めており、
更なるタイムアップが期待されたが、残り5分で再び雨が降り出し、ウェット宣言が出てしまう。
しかし雨はそれほど強くなかったため、残り時間が2分を切ったあたりからは徐々にタイムアップするクルマが出始めた。
ここで大嶋がストレイトに続く2番手に上がってくると、3番手には石浦、4番手にジャービスと、トムス勢が2-3-4位を占める。
5番手には塚越広大がつけていたが、
これをチームメイトの伊沢拓也が終盤上回って5位に。
続いてルーキーの関口雄飛も6位に上がってきた。
これで第5戦ポールの塚越は7番手に後退することとなった。
そして残り時間が20秒を切ったところで、ジャービスが46秒515を叩き出してトップに立つ。
これがこのセッションのベストタイムとなり、
ジャービスは来日以来始めてのポールポジションを第6戦目でついに獲得することとなった。
ここまで5戦、フロントロースタートを続けていた大嶋は、
最後のアタックも実らず、ストレイトの後ろ、3番手から明日の決勝をスタートすることとなった。
第6戦決勝は明日午前10時45分より、20周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第5戦は、
石浦宏明(トムス)が予選終了間際に1分47秒459を叩き出してトップに立ったが、これがダブルチェッカーとされ、
現在審議中となっている。このため、現時点では1分47秒622を記録していた塚越広大が今季初のポールポジションを獲得することとなる見込みだ。
第5戦の公式予選は午前9時40分に開始された。
朝から時折降る小雨のため、コースはウェット状態だったが、水しぶきはあがっておらず、開始当初は慎重にウェットタイヤを履くものもいたが、
すぐに殆どのドライバーがスリックで走り出した。
走行を重ねるにつれてレコードラインはどんどん乾いていき、タイムも51秒台、49秒台、47秒台とどんどん上がっていく。
それにつれてトップも大嶋、ストレイト、石浦とめまぐるしく入れ替わり、チェッカー直後の最後のアタックは46秒台での激戦となった。
まずは大嶋がチェッカー直前に1分46秒673でトップを奪い返すと、これを塚越が1分46秒622で上回る。しかしその直後、石浦が1分46秒459を叩き出してきた。
これで石浦がポールかと思われたが、このラップが後にダブルチェッカーと判定されて無効になり、
石浦は47秒771がベストとされて5番手に後退することとなった。
これにより、塚越広大が地元もてぎのレースで今季初のポールポジションから午後の決勝に臨むこととなりそうだ。
石浦の判定については現在もまだ審議中で、予選正式結果は午前11時の時点でもまだ出ていない。
F3第5戦決勝は今日午後1時45分より、14周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2007スーパー耐久第2戦、鈴鹿500Kmレースの決勝が5月13日、鈴鹿サーキットで行われ、#3エンドレスアドバンZ
(影山正美/青木孝行組)が他を圧倒する速さで総合優勝をもぎ取った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:12,000人)
午後1時30分、87周の長い戦いがスタートした。
ポールポジションのエンドレスZがホールショットを決め、序盤から一気に後続を突き放しにかかる。
2番手には#50ペトロナスBMW Z4、3番手には#23カーチャンネルアドバンZ33がつける。
Z4はスタートドライバーの柳田の懸命の追い上げで一時4秒8まで広げられた差を32周目にはコンマ8秒まで縮めて見せるが、
34周終わりでルーティストップを行った際、左リヤのジャッキが戻らないという、まさかのトラブルで後退。
柳田とハイムランはその後も懸命に追い上げたが、3周ものビハインドはあまりにも大きく、総合11位、
クラス5位まで順位を戻したところで惜しくもチェッカー。上位入賞が見えていただけに残念なレースとなった。
一方の#23カーチャンネルZも、28周終わりでピットインした際にパワステオイルのリークが見つかり、
この修復に時間をとられて総合28位、クラス最下位でレースを終えた。
その他のポルシェ勢はエンドレスZにまったく歯が立たず、
3号車は2位の#8黒豆リボイスGT3に1分59秒もの大差をつけてチェッカーを受け、念願の総合優勝を達成することとなった。
ST2クラスは、5番手スタートの#2プローバフジツボインプレッサが一気に3番手にジャンプアップするが、
これにジャンプスタートの裁定が下って2号車はドライブスルーを課せられてしまう。
インプレッサが後退してからは#11オーリンズランサー、#13エクセディシーケンシャルCS、
#12ゼルスランサーEVOワゴンの3台による熾烈なトップ争いが繰り広げられた。
スタート直後から#11オーリンズを激しく追い立てる#13エクセディの背後にじわじわと迫った#12EVOワゴンは、
9周目のスプーンで13号車のインを突いて2位にあがると、11周目の1コーナーで11号車をもかわしてトップに立つ。
11号車はこの11周目からペースが上がらなくなり、12周目には13号車、15周目には20号車にも抜かれてしまう。
ところが一時はクラストップに立った#12EVOワゴンも16周目に失速。
これを17周目に捕らえた#13エクセディシーケンシャルも23周目にターボトラブルに見舞われ、この修復に7周を要してしまう。
一時はクラス4位まで後退したオーリンズだったが、29周終わりで最初のピットストップを行い、
タイヤ4本を交換した後はペースを取り戻し、49周目のヘアピンで#20阪口良平のインを木下隆之が突いてトップを奪い返すと、
その後は順調にトップを快走して開幕2連勝を飾った。
今回最も出入りの多かったのはST-3クラスだった。
オープニングラップをトップで戻ってきたポールシッターの#7アメニティホームRX-7を2周目に#14開成商事RX-7が抜いてトップに立つと、
これを38周目に給油のみの23秒ストップを敢行した#113カルラレーシングZの大井がかわしてトップに立つ。
その後、#7RX-7は45周目にエンジントラブルでリタイヤ。#14RX-7もペースが上がらず、
1スティント目を長めに引っ張った#74アラビアンオアシスZと#27FINAアドバンBMW M3が順位を上げてくる。
#27M3は39周目まで最初のピットストップを引っ張って2位に上がると、
3スティント目を担当した小林且雄が#113伊橋勲を次第に追い詰め、ついに72周目の1コーナーでインに飛び込んでトップを奪い取る。
抜かれた伊橋もしぶとく食い下がり、ファイナルラップで再びテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込むが、一歩及ばず、
#27FINAアドバンBMW M3が今季初勝利を挙げることとなった。
ST4は序盤トップに立った#87ケイズオートDC5が10周目の逆バンクでデフトラブルによりスローダウン。
ダンロップ外側のグラベルにストップして以降は#73PSY.A-ONE.ED DC5が最後までトップを守りきって地元での初勝利をあげ、
2位には#4AVANZZA BOMEX アドバン DC5がつけた。

スーパー耐久第3戦は、シリーズ最長のサバイバル戦、十勝24時間。
7月14日決勝スタートだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
スーパー耐久第2戦鈴鹿の決勝前フリー走行は、#3エンドレスアドバンZ(影山正美/青木孝行組)がトップタイムを記録し、
決勝に向けて順調な仕上がりぶりをあらためて見せつけた。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは曇り。しかしところどころ青空は覗いており、朝の時点の予報では雨の心配もなさそうだ。
フリー走行は午前8時より30分間で行われた。
最初にトップに立ったのは#1ユーロメビウスマカオポルシェ。2番手に#50ペトロナスBMW Z4がつけ、
ポールシッターの#3エンドレスZは3番手だ。
しかし開始10分で影山正美が2分12秒193を出し、3号車がトップに立つと、
#23カーチャンネルアドバンZ33もタイムアップを果たして2番手に上がってきた。
結局このセッション、終わってみればフェアレディZの1-2という格好になった。
ポルシェ勢の最上位は#17キーパー☆KOSEIの3番手。BMW Z4は5番手に終わった。
ST2クラスはカーナンバー12のランサーワゴンがトップ。
ディフェンディングチャンピオンの#11オーリンズランサーは2番手につけた。
このクラス唯一のインプレッサとなった#2プローバフジツボインプレッサはクラス6番手と、苦しい戦いになりそうだ。
ST3は#27FINAアドバンBMW M3がトップ。ポールシッターの#7RX-7はクラス11番手と慎重な出だしだ。
ST4はポールシッターの#73A-ONEDC5がトップ。
注目の新型シビックtype-Rを投入した#76ホンダアクセスはクラス5番手となった。
第2戦鈴鹿500Kmレース決勝は、午後1時30分より87周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
スーパー耐久第2戦、鈴鹿500Kmの公式予選が5月12日、鈴鹿サーキットで行われ、
#3エンドレスアドバンZ(影山正美/青木孝行組)が開幕戦に続いて2戦連続でポールポジションを獲得した。
午後1時5分、Aドライバーの予選が開始された。
ST-1、ST-2で構成される1グループと、ST-3、
ST-4の2グループがそれぞれ15分間づつのアタックを行ったこのセッションでは、
セッション半ば過ぎにアタックに入ったエンドレスZの影山正美が2分10秒342と、
いきなりコースレコードをコンマ7秒更新してトップに立った。
今シーズンから参戦の#50BMW Z3を駆る柳田真孝は開始早々から好タイムを連発しており、終了間際にも2分10秒732と、
こちらもレコードを更新してみせたが、影山には僅かに届かなかった。
ST-2クラスでは#13シーケンシャルエンドレスランサーの和田久がトップ。
ディフェンディングチャンピオンの#11オーリンズランサーが2番手につけた。
続いて行われた2グループの予選では、岡部自動車の#7RX-7を駆る井入宏之が2分16秒299でST-3のトップ。
ST-4は#73A-ONEインテグラの山本すばるがトップとなった。
15分間のインターバルをおいて行われたBドライバーの予選でも、エンドレスZの速さは揺るがず、
青木孝行が実質1回のアタックで2分11秒168を叩き出してトップに立った。
これによりエンドレスZは開幕戦の仙台ハイランドに続いて2戦連続でポールポジションを獲得することとなった。
2位にはここでも#50BMW-M3。慣れない日本のコースでファリーク・ハイムランの健闘が光った。
ST-2クラスは、#11オーリンズランサーの中谷明彦がトップ。2番手には#12ランサーワゴンの菊池靖がつけ、
Aドライバートップの#13シーケンシャルランサーの中村啓が6番手に終わったため、タイム合算ではオーリンズランサーがクラストップ、
シーケンシャルは2番手となった。
ST-3クラスは、ここでも#7RX-7が圧倒的な速さを見せ、
佐々木孝太がコースレコードとなる2分15秒813を記録して堂々のクラストップを獲得した。
このセッションで2番手につけたのは#39NSXだったが、Aドライバーが逆バンクでストップし、
クラス11番手に終わったのが響いてタイム合算では9番手に留まった。
この結果、Aドライバーが6位、
Bドライバーが3位に入った#74アラビアンオアシスZがST-3クラスの2番グリッドを獲得することとなった。
ST-4クラスは#87ケイズオートのインテグラを駆る水谷大介がトップタイムを出したが。
Aドライバートップの#73インテグラも山崎学が3番手につけ、タイム合算では73号車がトップとなった。
2番手には#34オートバックスインテグラがつけ、87号車は3番手となった。
スーパー耐久第2戦決勝は明日13日、午後1時30分より87周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsprots Forum
GT500クラス優勝 #23ザナヴィニスモZ
リチャード・ライアン
本当にすばらしいレースでした。優勝できるなんて夢にも思っていませんでした。
クルマの状態は良かったし、チームメイトは強力なドライバーなので自信はあったんですが、昨日の予選でスーパーラップに残れなかったので、
まさか勝てるとは思っていなかったんです。
この勝利は僕たち二人だけでなく、チームとメーカー、ファンの皆さん全部で勝ち取ったものだと思います。
スタンドから応援してくださるファンの姿が本当に支えになってくれました。
本山 哲
信じられない結果です。表彰台に上がれるくらいの手ごたえはありましたけど、まさか勝てるとは。
今年こそ苦手な富士で勝ちたいと宣言していましたし、ニスモもここで勝つことを目標にやってきていたので、
今日勝てたことはニスモの一員として誇りに思います。
戦略も良かったのでチームには感謝しています。
1スティント目はアンダーが出ていましたし、
あちこちにカーボンのパーツが散乱しているのを避けて走らなければならなかったのでペースが上がりませんでしたが、2スティント、
3スティントと走るたびに良くなっていきました。
ここから中盤、後半に入っていきますが、どこかでもう1勝したいですね。
GT300クラス優勝 #43ARTAガライヤ
新田 守男
最高に嬉しいです。
久々のガライヤ復活とか、ARTAプロジェクトの10周年とか、今年はいろいろプレッシャーの懸かる状況でレースをしてきましたが、
開幕2戦では結果が出なかったので、「今回こそが開幕戦だ」という意気込みでここへきました。
実は一昨年より燃費が悪くなってるので、1ストップで走りきれるかどうかわからない状態だったんです。それで、
2ストップも想定してマージンを築く作戦だったんですが、赤旗が出てマージンがなくなってしまいました。
それでも他のクルマのミスなどもあり、なんとか勝つことができました。
何とか次も勝って、101号車とのポイント差を縮めたいですね。彼らに追いつくまではとにかくプッシュしていきます。
高木 真一
ドライバー交代まであと2周だな、と思ってるときに炎上しているクルマが見えたので、これでペースカー出るな、
と思ってほくそえんでたら赤旗が出てしまってがっかりしました。
マージンがなくなりましたし、他のチームと同じピットタイミングにもなってしまいました。
他にコンスタントなペースで走ってるクルマがいなかったので今回は勝てましたが、作戦としては失敗でした。
次のセパンは暑いので、ミシュランタイヤを履くウチとMR-Sには有利です。ここから先もひとつも落とすわけにはいきません。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2007オートバックススーパーGT第3戦、富士GT500kmレースは、
トラブルやアクシデントの相次ぐ波乱の1戦となった。
周回数減算や赤旗中断で乱れに乱れたこのレースを制したのは、#23ザナヴィニスモZ(本山哲/リチャード・ライアン組)。
2位には#22モチュールオーテックZ(松田次生/ミハエル・クルム組)が入り、ニスモが1-2フィニッシュを成し遂げることとなった。
GT300クラスは、1ストップ作戦を敢行し、
赤旗中断のタイミングにうまくルーティンストップを合わせ込んだ#43ARTAガライヤ(新田守男/高木真一組)が優勝、
ポールシッターの#88アクティオムルシエRG-1(マルコ・アピチェラ/山西康司組)は序盤の快走が実らず、2位に終わった。
(観客動員数:54,800人)

波乱はフォーメーションラップからいきなり始まった。
2番手スタートの#1宝山トムスSCが駆動系トラブルによりコース上にストップしてしまったのだ。
これを排除するためにフォーメーションラップが1周追加されることとなり、決勝レースは、
当初予定より1周減算の109周で争われることとなった。
スタートではポールシッターの#18TAKATA童夢NSXがトップを守って1コーナーを立ち上がる。
その後方では5番手スタートの#12カルソニックインパルZが3位、7番手スタートの#32エプソンNSXが4位にジャンプアップしてきた。
#38ZENTセルモSCも6番手スタートからじわじわと順位を上げ、9周目には3位に浮上してきた。
その一方で、オープニングラップを2位で戻ってきた#8ARTA NSXはペースが上がらず、3周目には#12カルソニックZ、
4周目には#32エプソンNSXに立て続けに抜かれ、その後もじりじりと順位を落とし、最終的には9位でフィニッシュすることとなった。
4番手スタートの#17リアルNSXもペースが上がらずに順位を下げた挙句、
13周目のダンロップ手前で#24ウッドワンZに追突されてレースを終えた。
トップをひた走る#18小暮卓史を懸命に追う2位の#12ブノワ・トレルイエだったが、
16周目にスピンした隙に#38立川祐路に抜かれて3位に後退、19周目には#39デンソーサードSCにも抜かれてしまう。
20周目の最終コーナーで#39アンドレ・クートのインを突き、順位回復を図ったトレルイエだったが、立ち上がりで両者は接触。
クートはスピンを喫し、一気に12位まで後退してしまう。
これで一旦は3位に戻ったトレルイエ。
しかし29周目の300Rで落ちていたパーツを踏んで右フロントタイヤをパンクさせて緊急ピットイン。
その後も74周目に#3イエローハットZと接触して右フロントの足回りを破損した上、
このアクシデントに対する10秒ペナルティを課せられるなど、散々な結果で10位フニッシュとなった。
こうして2位以下がトラブルやアクシデントに翻弄される中、
トップのTAKATA童夢NSXは2位に10秒以上のリードを築き上げ悠々と勝利に向かってひた走っていた。
ところが53周目、4位を走行していた#32エプソンNSXと周回遅れの#118ポルシェがネッツコーナーで接触。
これにより給油口周りを大きく破損したエプソンはリヤバルクヘッド付近から出火という事態に発展。
両車ともコースを塞ぐ形でストップしていたためここで赤旗が提示され、トップが54周を消化した時点で中断となってしまう。
これにより#18小暮卓史の築き上げた大量リードは一気に消失。
その背後にはなんと13番手スタートの#22モチュールZが迫ってきた。
上位陣が相次いでトラブルやアクシデントに見舞われる中、#22モチュール、
#23ザナヴィのニスモ勢は安定したペースで順位を上げてきていたのだ。
車両の排除やコースの修復などにより24分間の中断の後、午後4時4分にレースは再開された。
リスタート直後の1コーナーではトップのTAKATA童夢NSXに2位のモチュールZ、3位のZENT SCが襲い掛かるが、
TAKATA童夢を駆る道上龍はかろうじてトップを死守。逆にZENTの立川は#35バンダイSCのピーター・
ダンブレックに追突されてスピン、大きく順位を落としてしまう。
この隙に3位に進出してきたのが、6番手でレースを再開した#23ザナヴィZだ。
2台のニスモ勢の追撃を受けながらもトップを守っていたTAKATA童夢だったが、69周目に突如スローダウン。
これにより18号車は3位に後退して70周終わりでピットイン。トップのモチュールZもここで2度目のルーティーンストップを消化し、
モチュール5位、TAKATAは7位でコースに復帰する。
ここから巻き返しを図りたいTAKATA童夢NSXだったが、今度は駆動系にトラブルが出てしまい、その後もラップタイムは安定せず、
86周で再びピットイン。頭からガレージに突っ込んでレースを終えた。
これでトップに繰り上がった#23ザナヴィZは72周終わりでピットイン。
ライアンから本山に交代してモチュールZの前でコースに復帰した。
本山は冷えたタイヤを懸命にコントロールしながら周回遅れのGT300車両を交わし、
背後から迫ってくるチームメイトの#22松田次生のアタックも退けてアウトラップを走り抜ける。
この間に暫定トップに立った#3イエローハットZが73周終わりでピットに入ったため、ザナヴィZはここで再びトップに立つこととなった。
その後も本山は終始安定したペースで残り周回数を走りきり、昨年のオートポリス戦以来4戦ぶりの勝利をチームにもたらすこととなった。
GT300は、
ポールの#88アクティオムルシエRG-1が序盤から快調に飛ばしていく一方で、2位以下は#33ハンコック、
#26ユンケルの2台のポルシェを中心にめまぐるしく順位が入れ替わる展開となった。
ラップタイムは伸び悩むもののストレートスピードに勝るポルシェ勢の攻略に手を焼く#43ガライヤ、#2紫電、#101MR-S。
これら後方集団の混乱をよそに88号車は2位以下に実に20秒以上もの大量リードを築き上げたが、
彼らの大半が1ストップだったのに対して88号車は2ストップを選択したことと、
53周目(GT300にとっては50周目)に赤旗中断となったことにより、このリードは帳消しとなってしまう。
その上、66周目の1コーナーで88号車を駆る山西康司が痛恨のスピン。
結果的にはこのスピンがあだとなり、#43ガライヤの先行を許すこととなってしまった。
実は燃費に不安を抱えていたガライヤは2ストップをも想定したペース配分で走行しており、
50周目での中断は命取りになりかねない状況だったのだが、
88号車以外にも101号車のスピンや2号車のドライビングミスによる後退などがあり、
結果的にはGT復帰3戦目で勝利を挙げることとなった。
88号車は山西の猛追も届かず、ガライヤに14.3秒差まで迫ったところでレースを終えた。
次戦はセパン。6月24日決勝だ。
今回は日本とマレーシアの国交回復50年を祝う記念大会となる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
富士スピードウェイで行われているスーパーGT第3戦だが、
決勝レースが53周目に入ったところで発生したアクシデントにより赤旗中断となった。
4位を走行していた#32エプソンNSXが53周目のネッツコーナーで周回遅れの#118号車と接触。
2台はコースを塞ぐ形でストップし、32号車の破損した給油口付近から発火したため、トップが54周を終了した時点で赤旗が提示された。
幸い両ドライバーに怪我はなく、コース修復を待って午後4時ころレースは再スタートした。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
■GT500 Class
1
18 TAKATA 童夢 NSX
HONDA NSX
道上 龍 / *小暮 卓史
BS 10
*1'33.066
2
1 宝山 TOM'S SC430
LEXUS SC430
脇阪 寿一 / *アンドレ・ロッテラー
BS
*1'33.550
3
8 ARTA NSX
HONDA NSX
伊藤 大輔 / *ラルフ・ファーマン
BS 65
*1'33.858
4
17 REAL NSX
HONDA NSX
*金石 勝智 / 金石 年弘
BS
*1'33.887
5
12 カルソニック インパル Z
NISSAN FAIRLADY Z
*ブノワ・トレルイエ / 星野 一樹
BS
*1'33.949
6
38 ZENT CERUMO SC430
LEXUS SC430
*立川 祐路 / 高木 虎之介
BS 30
*1'33.972
7
32 EPSON NSX
HONDA NSX
*ロイック・デュバル / ファビオ・カルボーン
DL 35
*1'34.418
8
39 デンソー サード SC430
LEXUS SC430
*アンドレ・クート / 平中 克幸
BS +1
*1'34.667
9
100 RAYBRIG NSX
HONDA NSX
*ドミニク・シュワガー / 細川 慎弥
BS 30
*1'34.907
10
25 ECLIPSE ADVAN SC430
LEXUS SC430
土屋 武士 / *織戸 学
YH +2
*DELETED
11
23 XANAVI NISMO Z
NISSAN FAIRLADY Z
*本山 哲 / リチャード・ライアン
BS 10
1'34.582
12
35 BANDAI DUNLOP SC430
LEXUS SC430
服部 尚貴 / *ピーター・ダンブレック
DL +2
1'34.737
13
22 MOTUL AUTECH Z
NISSAN FAIRLADY Z
*ミハエル・クルム / 松田 次生
BS 20
1'34.785
14
6 Forum Eng. SC430
LEXUS SC430
*片岡 龍也 / ビヨン・ビルドハイム
BS +1
1'34.819
15
3 YellowHat YMS モバHO ! TOMICA Z
NISSAN FAIRLADY Z
*セバスチャン・フィリップ / 柳田 真孝
BS
1'34.930
16
24 WOODONE ADVAN Clarion Z
NISSAN FAIRLADY Z
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / *荒 聖治
YH
1'35.118
■GT300 Class
1
88 アクティオ ムルシェRG-1
LAMBORGHINI MURCIELGO R-G1
*マルコ・アピチェラ / 山西 康司
YH
*1'42.112
2
33 HANKOOK NSC PORSCHE
PORSCHE 911GT3R
*木下 みつひろ / 坂本 祐也
HK
*1'42.309
3
2 プリヴェKENZOアセット・紫電
MOONCRAFT SHIDEN
高橋 一穂 / *加藤 寛規
YH 50
*1'42.350
4
43 ARTA Garaiya
Garaiya
*新田 守男 / 高木 真一
MI
*1'42.374
5
26 ユンケルパワー タイサン ポルシェ
PORSCHE 911GT3RS
*山路 慎一 / 谷口 信輝
YH 10
*1'42.675
6
46 宝山 DUNLOP Z
NISSAN FAIRLADY Z
佐々木 孝太 / *横溝 直輝
DL
*DELETED
7
7 RE 雨宮 RX-7
MAZDA RX-7
*井入 宏之 / 折目 遼
YH
*DELETED
8
101 TOY STORY Racing apr MR-S
TOYOTA MR-S
*大嶋 和也 / 石浦 宏明
MI 50
*DELETED
9
62 WILLCOM ADVAN VEMAC408R
VEMAC 408R
柴原 眞介 / *黒澤 治樹
YH
*DELETED
10
31 apr MR-S
TOYOTA MR-S
*峰尾 恭輔 / 坂本 祐也
MI +1
*DELETED
11
13 エンドレスアドバン洗剤革命 Z
NISSAN FAIRLADY Z
*影山 正美 / 藤井 誠暢
YH 30
1'43.317
12
9 LEYJUN DUNLOP MT900
MOSLER MT900R OOX
*OSAMU / Guts 城内
DL
1'43.329
13
47 宝山 DUNLOP Z
NISSAN FAIRLADY Z
脇阪 薫一 / *密山 祥吾
DL +2
1'43.379
14
4 EBBRO 350R
VEMAC RD350R
田中 哲也 / *山崎 信介
YH
1'43.439
15
77 クスコ DUNLOP スバルインプレッサ
SUBARU IMPREZA
*山野 哲也 / 青木 孝行
DL
1'43.441
16
87 マルホン ムルシエRG-1
LAMBORGHINI Murcielago R-G1
*檜井 保孝 / 余郷 敦
YH 5
1'43.546
17
55 DHG ADVAN FORD GT
FORD GT
*池田 大祐 / 番場 琢
YH +2
1'43.791
18
5 クムホ プロμ マッハ号 320R
VEMAC 320R
*玉中 哲二 / 竹内 浩典
KH +2
1'43.796
19
83 YOKOYAMA ADVAN UEMATSU 320R
VEMAC RD320R
*植松 忠雄 / 阪口 良平
YH +1
1'43.913
20
19 ウェッズスポーツセリカ
TOYOTA CELICA
*飯田 章 / 関口 雄飛
YH +1
1'44.042
21
11 TOTAL BENEFIT・JIM CENTER F360
FERRARI F360 MODENA
植田 正幸 / *松田 秀士
YH +1
1'44.145
22
666 楽天 BOMEX 320R
VEMAC 320R
*周防 彰悟 / 山下 潤一郎
YH +2
1'44.674
23
333 石松 ADVAN SRT PORSCHE
PORSCHE 911GT3RSR
小林 且雄 / *井上 貴志
YH
1'45.387
24
70 ノマド・GAIKOKUYA ADVAN GT3-RS
PORSCHE 996GT3RS
*石橋 義三 / 小泉 洋史
YH
1'46.023
25
118 FINA GLAD SpecialOlympics GT3R
PORSCHE 911GT3RS
宮本 貴史 / *田ヶ原 章蔵
YH
1'46.440
26
66 トリプルA ガイヤルド RG-3
LAMBORGHINI Gallardo R-G3
*古谷 直広 / 栗原 宗之
YH
1'49.562
27
110 GREENTEC KUMHO MAZIORA BOXSTER
PORSCHE BOXSTER
*黒澤 琢弥 / 光貞 秀俊
KH
1'46.026
28
111 KUMHO GREEN-TEC BOXSTER-GT
PORSCHE BOXSTER
*菊地 靖 / 壷林 貴也
KH
1'46.142
- ドライバー名の*印はスタートドライバー
- タイムの*印はスーパーラップで記録
スーパーGT第3戦の決勝前フリー走行が5月4日午前9時より快晴の富士スピードウェイで行われ、
GT500クラスは#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)、
GT300クラスは#62ウィルコムアドバンヴィーマック408R(柴原真介/黒澤治樹組)がトップタイムを記録した。
決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から好転に恵まれ、
フリー走行開始直前の時点で気温は22.2℃、路面温度は30.8℃に達していた。
フリー走行は午前9時より30分間で行われた。
昨日の予選で2戦連続ポールを達成したTAKATA童夢NSXはこでもベストタイムを叩き出し、
今週末の全てのセッションでトップに立つという好調ぶり。2番手にも#100レイブリックNSXがつけて「NSXは富士が苦手」
という話を完全に過去のものにしてしまった。
対するレクサスSC勢では昨年優勝の#35バンダイダンロップSCが3番手、昨年王者の#1宝山トムスSCが4番手につけた。
ストレートスピードにおいては未だアドバンテージを持つレクサス勢だけに、決勝でのポテンシャルはNSXとほぼ互角といっていいだろう。
その一方で全車NAエンジンとなって活躍が期待されたZは#23ザナヴィニスモZの6番手が最高と、ここでも一歩出遅れた感がある。
しかし決勝日の朝を迎えてニスモだけでなくニッサン系の全てのチームが関係者以外シャットアウトの体制を敷いており、
決勝への意気込みは並々ならぬものが感じられる。
GT300クラスは、
トップタイムの62号車と同じく昨日最低地上高不足を指摘されてSLタイムを抹消された#101トイストーリーレーシングaprMR-Sも4番手につけており、
決勝での巻き返しに向けて準備は万端だ。
ポールシッターの#88アクティオムルシエRG-1は3番手の好位置につけている。
第3戦決勝、110周の長く熱い戦いは午後2時スタートだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
FUJI GT 500km RACE -RIJ- (2007/05/04) Free Practice Weather:晴れ Course:ドライ
2007 AUTOBACS SUPER GT Round 3 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | Class | Cls Pos | No | Car Maker Model | Driver | Tire | Wh | Time | Behind | km/h |
| 1 | 500 | 1 | *18 | TAKATA 童夢 NSX HONDA NSX | 道上 龍 小暮 卓史 | BS | 10 | 1'35.290 | - | 172.387 |
| 2 | 500 | 2 | 100 | RAYBRIG NSX HONDA NSX | ドミニク・シュワガー 細川 慎弥 | BS | 30 | 1'35.332 | 0.042 | 172.312 |
| 3 | 500 | 3 | 35 | BANDAI DUNLOP SC430 LEXUS SC430 | 服部 尚貴 ピーター・ダンブレック | DL | +2 | 1'35.560 | 0.270 | 171.900 |
| 4 | 500 | 4 | 1 | 宝山 TOM'S SC430 LEXUS SC430 | 脇阪 寿一 アンドレ・ロッテラー | BS | | 1'35.691 | 0.401 | 171.665 |
| 5 | 500 | 5 | 25 | ECLIPSE ADVAN SC430 LEXUS SC430 | 土屋 武士 織戸学 | YH | +2 | 1'35.727 | 0.437 | 171.600 |
| 6 | 500 | 6 | 23 | XANAVI NISMO Z NISSAN FAIRLADY Z | 本山 哲 リチャード・ライアン | BS | 10 | 1'35.885 | 0.595 | 171.318 |
| 7 | 500 | 7 | 6 | Forum Eng. SC430 LEXUS SC430 | 片岡 龍也 ビヨン・ビルドハイム | BS | +1 | 1'36.062 | 0.772 | 171.002 |
| 8 | 500 | 8 | 39 | デンソー サード SC430 LEXUS SC430 | アンドレ・クート 平中 克幸 | BS | +1 | 1'36.169 | 0.879 | 170.812 |
| 9 | 500 | 9 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 | 立川 祐路 高木虎之介 | BS | 30 | 1'36.207 | 0.917 | 170.744 |
| 10 | 500 | 10 | 3 | YellowHat YMS モバHO ! TOMICA Z NISSAN FAIRLADY Z | セバスチャン・フィリップ 柳田 真孝 | BS | | 1'36.268 | 0.978 | 170.636 |
| 11 | 500 | 11 | 22 | MOTUL AUTECH Z NISSAN FAIRLADY Z | ミハエル・クルム 松田次生 | BS | 20 | 1'36.331 | 1.041 | 170.525 |
| 12 | 500 | 12 | 8 | ARTA NSX HONDA NSX | 伊藤 大輔 ラルフ・ファーマン | BS | 65 | 1'36.336 | 1.046 | 170.516 |
| 13 | 500 | 13 | 32 | EPSON NSX HONDA NSX | ロイック・デュバル ファビオ・カルボーン | DL | 35 | 1'36.383 | 1.093 | 170.433 |
| 14 | 500 | 14 | 24 | WOODONE ADVAN Clarion Z NISSAN FAIRLADY Z | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 荒聖治 | YH | | 1'36.575 | 1.285 | 170.094 |
| 15 | 500 | 15 | *12 | カルソニック インパル Z NISSAN FAIRLADY Z | ブノワ・トレルイエ 星野一樹 | BS | | 1'36.941 | 1.651 | 169.452 |
| 16 | 500 | 16 | 17 | REAL NSX HONDA NSX | 金石 勝智 金石 年弘 | BS | | 1'37.167 | 1.877 | 169.057 |
| 17 | 300 | 1 | 62 | WILLCOM ADVAN VEMAC408R VEMAC 408R | 柴原眞介 黒澤 治樹 | YH | | 1'43.231 | 7.941 | 159.127 |
| 18 | 300 | 2 | 43 | ARTA Garaiya Garaiya | 新田 守男 高木真一 | MI | | 1'43.373 | 8.083 | 158.908 |
| 19 | 300 | 3 | 88 | アクティオ ムルシェRG-1 LAMBORGHINI MURCIELGO R-G1 | マルコ・アピチェラ 山西 康司 | YH | | 1'43.590 | 8.300 | 158.575 |
| 20 | 300 | 4 | 101 | TOY STORY Racing apr MR-S TOYOTA MR-S | 大嶋和也 石浦 宏明 | MI | 50 | 1'43.751 | 8.461 | 158.329 |
| 21 | 300 | 5 | 87 | マルホン ムルシエRG-1 LAMBORGHINI Murcielago R-G1 | 檜井保孝 余郷 敦 | YH | 5 | 1'43.786 | 8.496 | 158.276 |
| 22 | 300 | 6 | 4 | EBBRO 350R VEMAC RD350R | 田中 哲也 山崎 信介 | YH | | 1'43.791 | 8.501 | 158.268 |
| 23 | 300 | 7 | 47 | 宝山 DUNLOP Z NISSAN FAIRLADY Z | 脇阪 薫一 密山 祥吾 | DL | +2 | 1'43.820 | 8.530 | 158.224 |
| 24 | 300 | 8 | 7 | RE 雨宮 RX-7 MAZDA RX-7 | 井入 宏之 折目遼 | YH | | 1'43.870 | 8.580 | 158.148 |
| 25 | 300 | 9 | 46 | 宝山 DUNLOP Z NISSAN FAIRLADY Z | 佐々木 孝太 横溝 直輝 | DL | | 1'43.967 | 8.677 | 158.000 |
| 26 | 300 | 10 | 26 | ユンケルパワー タイサン ポルシェ PORSCHE 911GT3RS | 山路 慎一 谷口信輝 | YH | 10 | 1'44.045 | 8.755 | 157.882 |
| 27 | 300 | 11 | 31 | apr MR-S TOYOTA MR-S | 峰尾 恭輔 坂本 祐也 | MI | +1 | 1'44.075 | 8.785 | 157.836 |
| 28 | 300 | 12 | 33 | HANKOOK NSC PORSCHE PORSCHE 911GT3R | 木下 みつひろ 坂本 祐也 | HK | | 1'44.258 | 8.968 | 157.559 |
| 29 | 300 | 13 | 77 | クスコ DUNLOP スバルインプレッサ SUBARU IMPREZA | 山野 哲也 青木孝行 | DL | | 1'44.337 | 9.047 | 157.440 |
| 30 | 300 | 14 | 11 | TOTAL BENEFIT・JIM CENTER F360 FERRARI F360 MODENA | 植田 正幸 松田秀士 | YH | +1 | 1'44.451 | 9.161 | 157.268 |
| 31 | 300 | 15 | 2 | プリヴェKENZOアセット・紫電 MOONCRAFT SHIDEN | 高橋 一穂 加藤寛規 | YH | 50 | 1'44.459 | 9.169 | 157.256 |
| 32 | 300 | 16 | 110 | GREENTEC KUMHO MAZIORA BOXSTER PORSCHE BOXSTER | 黒澤 琢弥 光貞秀俊 | KH | | 1'44.666 | 9.376 | 156.945 |
| 33 | 300 | 17 | 55 | DHG ADVAN FORD GT FORD GT | 池田 大祐 番場 琢 | YH | +2 | 1'44.837 | 9.547 | 156.689 |
| 34 | 300 | 18 | 9 | LEYJUN DUNLOP MT900 MOSLER MT900R OOX | OSAMU Guts 城内 | DL | | 1'44.893 | 9.603 | 156.605 |
| 35 | 300 | 19 | 83 | YOKOYAMA ADVAN UEMATSU 320R VEMAC RD320R | 植松 忠雄 阪口良平 | YH | +1 | 1'45.116 | 9.826 | 156.273 |
| 36 | 300 | 20 | 5 | クムホ プロμ マッハ号 320R VEMAC 320R | 玉中 哲二 竹内浩典 | KH | +2 | 1'45.135 | 9.845 | 156.245 |
| 37 | 300 | 21 | 19 | ウェッズスポーツセリカ TOYOTA CELICA | 飯田 章 関口 雄飛 | YH | +1 | 1'45.215 | 9.925 | 156.126 |
| 38 | 300 | 22 | 111 | KUMHO GREEN-TEC BOXSTER-GT PORSCHE BOXSTER | 菊地 靖 壷林貴也 | KH | | 1'45.609 | 10.319 | 155.544 |
| 39 | 300 | 23 | 666 | 楽天 BOMEX 320R VEMAC 320R | 周防 彰悟 山下 潤一郎 | YH | +2 | 1'45.970 | 10.680 | 155.014 |
| 40 | 300 | 24 | 13 | エンドレスアドバン洗剤革命 Z NISSAN FAIRLADY Z | 影山 正美 藤井誠暢 | YH | 30 | 1'46.110 | 10.820 | 154.809 |
| 41 | 300 | 25 | 333 | 石松 ADVAN SRT PORSCHE PORSCHE 911GT3RSR | 小林 且雄 井上貴志 | YH | | 1'46.257 | 10.967 | 154.595 |
| 42 | 300 | 26 | 70 | ノマド・GAIKOKUYA ADVAN GT3-RS PORSCHE 996GT3RS | 石橋 義三 小泉洋史 | YH | | 1'47.412 | 12.122 | 152.933 |
| 43 | 300 | 27 | *118 | FINA GLAD SpecialOlympics GT3R PORSCHE 911GT3RS | 宮本 貴史 田ヶ原章蔵 | YH | | 1'49.788 | 14.498 | 149.623 |
| 44 | 300 | 28 | 66 | トリプルA ガイヤルド RG-3 LAMBORGHINI Gallardo R-G3 | 古谷 直広 栗原宗之 | YH | | 1'50.677 | 15.387 | 148.421 |
| 45 | 300 | 29 | 67 | トリプルA ガイヤルド RG-3 LAMBORGHINI Gallardo R-G3 | 黒澤 翼 和田久 | YH | | 1'50.992 | 15.702 | 148.000 |
- カーNo18-2ドライバー(小暮卓史)は、チェッカー後、他の車両を追い越した為、競技長厳重注意を課す。
- カーNo12-1ドライバー(ブノワ・トレルイエ)は、チェッカー、スピンにより競技長厳重注意を課す。
- カーNo118-2ドライバー(田ヶ原章蔵)は、本大会特別規則書第26条3.違反(ピットレーン速度超過)により、罰金3万円を課す。(裁定時刻9:23)
- カーNo118-1ドライバー(宮本隆士)は、本大会特別規則書第26条3.違反(ピットレーン速度超過)により、罰金5万円を課す。(裁定時刻9:31)
5月3日に行われたスーパーGT第3戦のスーパーラップ終了後に実施された再車検で、
参加車両のうち4台に最低地上高の規定違反が発覚、これによりスーパーラップのタイムが抹消となる事態が発生した。
対象となったのはGT500クラスの#25エクリプスアドバンSC430、GT300クラスの#31aprMR-S、
#62ウィルコムアドバンヴィーマック408R、#101トイストーリーレーシングaprMR-S。
これにより25号車はSL最後尾のクラス10番手、GT300クラスの3台は予選1回目の順位に従い、31号車がクラス8番手、
62号車がクラス9番手、101号車がクラス10番手から決勝をスタートすることとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
■GT500 Class
FUJI GT 500km RACE -RIJ- (2007/05/03) Total Qualify GT500 Weather:Fine Course:Dry
2007 AUTOBACS SUPER GT Round 3 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | No | Car Model | Driver | Tire | WH | Qualify 1 Time | Super Lap Time | km/h |
| 1 | 18 | TAKATA 童夢 NSX HONDA NSX | 道上 龍 小暮 卓史 | BS | 10 | 1'33.697 | 1'33.066 | 176.507 |
| 2 | 1 | 宝山 TOM'S SC430 LEXUS SC430 | 脇阪 寿一 アンドレ・ロッテラー | BS | | 1'34.343 | 1'33.550 | 175.594 |
| 3 | 8 | ARTA NSX HONDA NSX | 伊藤 大輔 ラルフ・ファーマン | BS | 65 | 1'34.261 | 1'33.858 | 175.018 |
| 4 | 17 | REAL NSX HONDA NSX | 金石 勝智 金石 年弘 | BS | | 1'34.351 | 1'33.887 | 174.964 |
| 5 | 12 | カルソニック インパル Z NISSAN FAIRLADY Z | ブノワ・トレルイエ 星野一樹 | BS | | 1'34.472 | 1'33.949 | 174.848 |
| 6 | 38 | ZENT CERUMO SC430 LEXUS SC430 | 立川 祐路 高木虎之介 | BS | 30 | 1'34.455 | 1'33.972 | 174.805 |
| 7 | 32 | EPSON NSX HONDA NSX | ロイック・デュバル ファビオ・カルボーン | DL | 35 | 1'34.421 | 1'34.418 | 173.980 |
| 8 | 39 | デンソー サード SC430 LEXUS SC430 | アンドレ・クート 平中 克幸 | BS | +1 | 1'34.389 | 1'34.667 | 173.522 |
| 9 | 100 | RAYBRIG NSX HONDA NSX | ドミニク・シュワガー 細川 慎弥 | BS | 30 | 1'34.428 | 1'34.907 | 173.083 |
| 10 | *25 | ECLIPSE ADVAN SC430 LEXUS SC430 | 土屋 武士 織戸学 | YH | +2 | 1'34.389 | - | - |
| 11 | 23 | XANAVI NISMO Z NISSAN FAIRLADY Z | 本山 哲 リチャード・ライアン | BS | 10 | 1'34.582 | | 173.678 |
| 12 | 35 | BANDAI DUNLOP SC430 LEXUS SC430 | 服部 尚貴 ピーター・ダンブレック | DL | +2 | 1'34.737 | | 173.394 |
| 13 | 22 | MOTUL AUTECH Z NISSAN FAIRLADY Z | ミハエル・クルム 松田次生 | BS | 20 | 1'34.785 | | 173.306 |
| 14 | 6 | Forum Eng. SC430 LEXUS SC430 | 片岡 龍也 ビヨン・ビルドハイム | BS | +1 | 1'34.819 | | 173.244 |
| 15 | 3 | YellowHat YMS モバHO ! TOMICA Z NISSAN FAIRLADY Z | セバスチャン・フィリップ 柳田 真孝 | BS | | 1'34.930 | | 173.041 |
| 16 | 24 | WOODONE ADVAN Clarion Z NISSAN FAIRLADY Z | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 荒聖治 | YH | | 1'35.118 | | 172.699 |
■GT300 Class
FUJI GT 500km RACE -RIJ- (2007/05/03) Total Qualify GT300 Weather:Fine Course:Dry
2007 AUTOBACS SUPER GT Round 3 富士スピードウェイ 4.563km
| Pos | No | Car Model | Driver | Tire | WH | Qualify 1 Time | Super Lap Time | km/h |
| 1 | 88 | アクティオ ムルシェRG-1 LAMBORGHINI MURCIELGO R-G1 | マルコ・アピチェラ 山西康司 | YH | | 1'42.515 | 1'42.112 | 160.870 |
| 2 | 33 | HANKOOK NSC PORSCHE PORSCHE 911GT3R | 木下 みつひろ 坂本 祐也 | HK | | 1'42.963 | 1'42.309 | 160.561 |
| 3 | 2 | プリヴェKENZOアセット・紫電 MOONCRAFT SHIDEN | 高橋 一穂 加藤寛規 | YH | 50 | 1'42.954 | 1'42.350 | 160.496 |
| 4 | 43 | ARTA Garaiya Garaiya | 新田 守男 高木 真一 | MI | | 1'42.597 | 1'42.374 | 160.459 |
| 5 | 26 | ユンケルパワー タイサン ポルシェ PORSCHE 911GT3RS | 山路 慎一 谷口信輝 | YH | 10 | 1'42.930 | 1'42.675 | 159.988 |
| 6 | *46 | 宝山 DUNLOP Z NISSAN FAIRLADY Z | 佐々木 孝太 横溝直輝 | DL | | 1'42.968 | - | - |
| 7 | 7 | RE 雨宮 RX-7 MAZDA RX-7 | 井入 宏之 折目 遼 | YH | | 1'43.220 | - | - |
| 8 | *101 | TOY STORY Racing apr MR-S TOYOTA MR-S | 大嶋 和也 石浦宏明 | MI | 50 | 1'43.089 | - | - |
| 9 | *62 | WILLCOM ADVAN VEMAC408R VEMAC 408R | 柴原 眞介 黒澤治樹 | YH | | 1'43.211 | - | - |
| 10 | *31 | apr MR-S TOYOTA MR-S | 峰尾 恭輔 坂本 祐也 | MI | +1 | 1'43.281 | - | - |
| 11 | 13 | エンドレスアドバン洗剤革命 Z NISSAN FAIRLADY Z | 影山 正美 藤井誠暢 | YH | 30 | 1'43.317 | | 158.994 |
| 12 | *9 | LEYJUN DUNLOP MT900 MOSLER MT900R OOX | OSAMU Guts 城内 | DL | | 1'43.329 | | 158.976 |
| 13 | 47 | 宝山 DUNLOP Z NISSAN FAIRLADY Z | 脇阪 薫一 密山祥吾 | DL | +2 | 1'43.379 | | 158.899 |
| 14 | 4 | EBBRO 350R VEMAC RD350R | 田中 哲也 山崎 信介 | YH | | 1'43.439 | | 158.807 |
| 15 | 77 | クスコ DUNLOP スバルインプレッサ SUBARU IMPREZA | 山野 哲也 青木孝行 | DL | | 1'43.441 | | 158.804 |
| 16 | 87 | マルホン ムルシエRG-1 LAMBORGHINI Murcielago R-G1 | 檜井 保孝 余郷敦 | YH | 5 | 1'43.546 | | 158.643 |
| 17 | 55 | DHG ADVAN FORD GT FORD GT | 池田 大祐 番場 琢 | YH | +2 | 1'43.791 | | 158.268 |
| 18 | 5 | クムホ プロμ マッハ号 320R VEMAC 320R | 玉中 哲二 竹内浩典 | KH | +2 | 1'43.796 | | 158.260 |
| 19 | 83 | YOKOYAMA ADVAN UEMATSU 320R VEMAC RD320R | 植松 忠雄 阪口良平 | YH | +1 | 1'43.913 | | 158.082 |
| 20 | 19 | ウェッズスポーツセリカ TOYOTA CELICA | 飯田 章 関口 雄飛 | YH | +1 | 1'44.042 | | 157.886 |
| 21 | 11 | TOTAL BENEFIT・JIM CENTER F360 FERRARI F360 MODENA | 植田 正幸 松田秀士 | YH | +1 | 1'44.145 | | 157.730 |
| 22 | 666 | 楽天 BOMEX 320R VEMAC 320R | 周防 彰悟 山下 潤一郎 | YH | +2 | 1'44.674 | | 156.933 |
| 23 | 333 | 石松 ADVAN SRT PORSCHE PORSCHE 911GT3RSR | 小林 且雄 井上貴志 | YH | | 1'45.387 | | 155.871 |
| 24 | 70 | ノマド・GAIKOKUYA ADVAN GT3-RS PORSCHE 996GT3RS | 石橋 義三 小泉洋史 | YH | | 1'46.023 | | 154.936 |
| 25 | 118 | FINA GLAD SpecialOlympics GT3R PORSCHE 911GT3RS | 宮本 貴史 田ヶ原章蔵 | YH | | 1'46.440 | | 154.329 |
| 26 | 66 | トリプルA ガイヤルド RG-3 LAMBORGHINI Gallardo R-G3 | 古谷 直広 栗原宗之 | YH | | 1'49.562 | | 149.932 |
| 27 | 67 | トリプルA ガイヤルド RG-3 LAMBORGHINI Gallardo R-G3 | 黒澤 翼 和田久 | YH | | 1'51.833 | | 146.887 |
| 28 | 111 | KUMHO GREEN-TEC BOXSTER-GT PORSCHE BOXSTER | 菊地 靖 壷林貴也 | KH | | 0'00.000 | | 0.000 |
| 29 | 110 | GREENTEC KUMHO MAZIORA BOXSTER PORSCHE BOXSTER | 黒澤 琢弥 光貞秀俊 | KH | | 1'46.026 | | 154.932 |

GT500クラス #18TAKATA童夢NSX
小暮 卓史
まずは今回ポールを獲得できた一番の理由である、クルマのポテンシャルを引き上げてくれたチームに感謝します。
前回道上さんがポールを獲ってくれて、勝てるはずのレースを勝てなかった。そんな中で今回チャンスをいただけて、
アタックを任される状況でポールを獲れたのは良かったです。
クルマは金曜日から調子が良くて、今日も午前と午後の予選で大きなセッティング変更をしなくてもコンスタントに速く走れました。
前回はあまりにショッキングな結末でしたし、その前も僕が乗ってるときにエンジントラブルが出て落としています。今回は3度目の正直なんで、
なんとしてでも勝ちたいです。
道上 龍
2戦連続でポールを獲ることは、GTではまずあり得ないんですが、前回はああいう形で追突されてレースを落とし、
ウェイトを積んでない状態でしたんで。富士自体が、NSXにとっては不利だと毎年言われてきた中でポールを獲れた事で、
今年のNSXが本当に進化したんだなということを実感しました。
クルマはレースセットでは安定していますし、ラップタイムも悪くないんですが、できればもうちょっと余裕がほしいなと思っています。
明日の作戦はまだ決まっていませんが、いいスタートができれば結果はこっちに転がってくると思います。
GT300クラス #88アクティオムルシエRG-1
マルコ・アピチェラ
久しぶりにポールを獲れて嬉しいです。
クルマは調子が良くて、昨日からいいタイムが出ていました。今日はトラックコンディションが良くなっていましたし、
僕らはスーパーラップ用にニュータイヤを温存していたので、それが好タイムにつながったのだと思います。
アタックの前半はタイヤを暖めきれていなかったのですが、後半に行くにつれてよくなりました。
この2、3年でクルマは随分速くなりました。
ポールポジションや、ファステストラップや勝利は、いつどんな状況でも嬉しいものです。
特にわれわれのようなプライベートチームがポールを獲得できることはこの上ない喜びです。ポール獲得がわかったとき、
嬉しくてクルマの中で叫んでいたので、今は声が出ない状態です。
山西康司
率直にポールが獲れて嬉しいです。僕自身は去年と今年で違うクルマに乗っているので、今のクルマにちょっとずつアジャストしてきていて、
ヨコハマさんもいいタイヤを作ってくれていました。今回はそれがぴったりかみ合ったという感じで、想像以上の調子よさです。
今日はまずマルコがいいアタックをしてくれたことに感謝しています。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
スーパーGT第3戦富士GT500kmレースのスーパーラップは、
#18TAKATA童夢NSXを駆る小暮卓史が最後の最後にコースレコードを更新する会心の走りを見せ、
道上龍がアタックを担当した前戦岡山に続いて2戦連続でポールポジションを獲得した。
GT300クラスも午前中暫定ポールだった#88アクティオムルシエRG-1を駆るマルコ・
アピチェラが1分42秒112を出して久々のポール獲得に歓喜の叫びを上げた。

安定した気候が好条件をもたらしたのか、今回のスーパーラップでは自己ベストを大きく更新するドライバーが続出した。
今回Z勢で唯一スーパーラップ進出を果たした#12カルソニックインパルZを駆るブノワ・
トレルイエが最初のアタックながらいきなり33秒949と大幅なタイムアップを果たし、一気に5番手に食い込んで見せると、
続く#38ZENTセルモSCの立川祐路、6番手出走の#25エクリプスアドバンSCの土屋武士、
#17リアルNSXの金石年弘らも相次いで33秒台に入れてきた。
そして遂に、8番手出走の#1宝山トムスSCアンドレ・ロッテラーが1分33秒550と、
午前中に小暮の出した暫定ポールタイムを打ち破ってトップに躍り出る。
続く#8ARTA NSXの伊藤大輔は65kgのウェイトハンデが祟り、33秒858に留まったが、
最後に出走した小暮は全てのセクターでロッテラーを上回る圧倒的な速さを見せ付け、
2005年の第2戦で立川祐路の出した1分33秒070を僅かに上回る1分33秒066を叩き出してポールポジションをもぎ取った。
GT300クラスでは、2番手に出走した#7井入宏之がマシントラブルによりアタックを断念、
これにより10番手スタートが確定する波乱があったが、それ以外ではGT500同様、
午前中のベストタイムを大幅に更新するドライバーが続出することとなった。
その中でも目を見張る大躍進を遂げたのは3番目に出走した#62柴原眞介だ。
柴原は自身の自己ベストどころか、午前中のマルコ・アピチェラの暫定ポールタイムをも大きく上回る1分42秒185を叩き出し、
一気にトップに躍り出る。
続いて出走した#101大嶋和也、6番目に出走した#33木下みつひろの2台は1分42秒309の同タイム。
ここでは午前中のタイムに基づき#33号車が上位とされた。
続く#2加藤寛規、#26山路慎一、#43新田守男らも好タイムを記録したが、この3人のタイムを上回れずに順位を落とした。
この時点で62号車のフロントローが確定したが、最後に出走した#88マルコ・アピチェラはセクター1、
2では柴原に遅れをとったものの、セクター3で一気に挽回して1分42秒112を叩き出し、ポールの座を柴原から奪い返した。
第3戦決勝は明日午後2時スタート。
普段以上にチーム戦略がものをいう110周、500kmの長距離耐久戦だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
スーパーGT第3戦の公式予選2回目は午後3時10分より各クラス15分づつで行われた。
GT300クラスでは、#67ガイヤルドが二人とも基準タイム(1分49秒868)をクリアできておらず、また、
#111ボクスターは金曜日のアクシデントの影響で午前中の予選に参加できなかったため、この2台に関しては、
決勝進出を賭けた大事な15分間となる。
111号車は壷林貴也が1分46秒142で22番手タイム。
昨日の事故で滑川健が負傷しているため、代わりに出走している模様だ。
一方の67号車は1分50秒873がベストで27番手に終わった。
このままいけば67号車は出走嘆願で決勝に臨むことになりそうだ。
ここでのトップタイムは#101トイストーリーレーシング。タイムは1分43秒016だった。
続いて行われたGT500の走行では、午前中ポールの#18TAKATA童夢NSXがここでもトップタイム。1分34秒177だった。
こちらは全車が基準タイムをクリアしており、この後のスーパーラップと明日の決勝をにらんだ調整に終始した。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
今年のNSXは富士でも速い。
スーパーGT第3戦、富士GT500kmの公式予選1回目は、
前戦岡山でポールポジションを獲得した#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が唯一の33秒台となる1分33秒697を出して暫定ポールを獲得した。
GT300クラスは、#88アクティオ・ムルシエRG-1がトップだった。

ゴ ールデンウィーク恒例の500kmレース、スーパーGT第3戦の公式予選日は朝から快晴。
スーパーラップ進出をかけた予選1回目は強い日差しの下、午前10時20分から行われた。
最初に行われたGT300クラスの専有走行では、88号車のムルシエラゴを駆るマルコ・
アピチェラがセッション前半にして1分42秒515のベストタイムを記録、早々と暫定ポールを決めてみせた。
その後方では、#26ユンケルポルシェの山路慎一、#7雨宮RX-7の井入宏之、
#101トイストーリーMR-Sの大嶋和也らが僅差で争っていたが、
専有残り6分で#43ARTAガライヤの新田守男が一気に2番手に割って入ってきた。
更に専有終了間際には#2紫電の加藤寛規、#33ハンコックポルシェの木下みつひろ、#46宝山Zの佐々木孝太らもタイムを上げ、4、5、
6番手を占めた。
結局上位陣は2クラス混走の時間帯には基準タイムクリアに専念したため順位変動はなく、上記8台のほか#62ウィルコムヴィーマック、
#31apr MR-Sまでがスーパーラップ進出を決めた。
なお、前回優勝の#13エンドレスZは惜しくも11番手に終わり、SL進出はならなかった。
GT300に続いて行われたGT500の専有走行では、#32エプソンNSX、
#35バンダイSCらのダンロップ勢が真っ先にコースに飛び出し、積極的に周回を重ねていったのに対し、
#39デンソーサードSCを除くBS勢はいつものようにセッション後半で一気に勝負を賭ける作戦に出た。
それまでのトップは、ダンロップ勢とともにセッション序盤からタイムアタックを敢行したサードのアンドレ・クート、
タイムは1分34秒553だったが、残り3分を切ったところで#38ZENTセルモSCの立川祐路、
#26エクリプスアドバンSCの土屋武士、#32エプソンNSXのロイック・デュバルらが相次いで34秒代前半のタイムを叩き出してくる。
そこへ、
前回ポールポジションを獲得した#18TAKATA童夢NSXを駆る小暮卓史が1回目のアタックからいきなり1分33秒台を叩き出して、
一気にトップに躍り出てきた。小暮は最終的に33秒697までタイムを縮めてみせた。
2番手には専有終了間際に伊藤大輔が34秒261を出した#8ARTAがつけ、ここでもNSX勢が1-2体制を築き、
5台すべてがスーパーラップ進出を果たした。
3番手にはディフェンディングチャンピオンの#1宝山SC。
今回から全車NAエンジンとなったZ勢は#12カルソニックの10位が最高と厳しい予選となった。
スーパーGT第3戦の公式予選2回目は午後3時10分より各クラス15分間で、スーパーラップはその5分後に行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
本山 哲(優勝)
今日は思い通りのレースができました。
スタートで松田が遅れたことで序盤が楽になり、ここでプッシュしてアドバンテージを築いて中盤後半をコントロールできました。
一見イージーな展開に見えましたが、松田との差が詰まってきたのでこっちもペースを上げようとしたら、
思ったように上げられなくてあせりました。
最後はタイミング悪く周回遅れにつっかえましたが、ここでは慎重に抑えていきました。
1年ぶりの勝利、久しぶりの勝利ということで、実感を噛み締めながらウィニングラップを走りました。
松田次生(2位)
スタートは自分のミスでした。信号が消えるのが遅くて、クラッチミートのタイミングを外してしまって、本山さんに前に行かれてしまいました。
その後は混乱もあってペースを上げられず、なんとか2位で踏ん張りました。
それからは何とか最後までタイヤをもたせられるよう考えながら走っていたら本山さんに追いついて、
そこから全力でプッシュしましたけど前にいけませんでした。中盤もっとペースを上げていればよかったと後悔しています。
(トレルイエとの接触について)僕自身抑えて走ってましたが、別に締めたりはしていません。あっちが当たってきた、って感じで、
レースアクシデントだと思います。
小暮卓史(3位)
今年もチームを移って、ナカジマレーシングに戻ってきて、そういう流れの中で予選重視のクルマ作りをしてきました。
スタート前にクラッチにトラブルを抱えてしまい、順位を落としてしまったので、
序盤無理して順位を上げにいったのが後半に響いて2人についていけなかったのかなと思います。
(ピット戦略について)朝のフリー走行で重いタンクでも速かったので、このままノーピットで行くことに決めました。
星野一義(チームインパル総監督)
小暮が朝の走行で満タンだったなんて信じてません(笑)。あれで満タンだったら、うちももっと速く走れたはずです。
決勝前にエンジニアがピットストップをどうするか悩んでいたので「ピットストップの計算なんかするな。タイヤが苦しいのはみんな同じだ」
って言ってやりました。
松田はセクター1、セクター2でコンマ2、3秒稼ぐとセクター3でイーブンになる状態で2位争いをしてましたが、
小暮がS字でリヤを流したのを見て、心配しないでいいと思いました。
服部尚貴(優勝チーム監督)
序盤にマージンを作ってもらった時点で心配してなかったけど、ドキドキしてました。「心配ない」って自分に言い聞かせてた状態で。
今回は富士と違っていい流れの中でこっちに風も吹いてたと思うし、本山選手もやるべきことができていました。
スタートで前に立った時点で、レールに乗った、と安心する自分がいました。
本当は将来自分でチームを持ちたいと思っていて、表彰台に上がるのはそのときまで取っておきたかったんですけど、
今日はフライングしちゃいましたね(笑)
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007全日本選手権フォーミュラニッポン第2戦、鈴鹿2&4の決勝は、
スタートでホールショットを奪った#19本山哲(アラビアンオアシス・チームインパル)が、
#2松田次生の激しい追い上げを最後まで凌ぎきり、2005年の第8戦もてぎ以来、12戦ぶりの優勝を挙げた。
2位は#2松田次生、3位は#32小暮卓史だった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:30,000人)

第2戦決勝は午後2時30分にフォーメーション開始。
スタートで飛び出したのは2番手スタートの本山。
クラッチミートのタイミングを誤って出遅れた松田はかろうじて2番手で1コーナーをクリアしていくが、
その背後からチームメイトの#1ブノワ・トレルイエが迫ってくる。
トレルイエはオープニングラップのヘアピンでハードブレーキングを敢行して松田のインに飛び込んでくるが、松田は2位を死守。
この時の接触が元でトレルイエは右フロントの足回りにダメージを負ってしまい、3、4周とピットイン・ピットアウトを繰り返した挙句、
5周終わりで憤然とクルマを降りた。
一方、3番手スタートだった小暮が、フリー走行からクラッチにトラブルを抱えており、この影響でスタートで大きく順位を落とし、
7番手で1コーナーに入っていくが、そこから猛烈なペースで追い上げを開始し、1周目を5位で戻ってくると、
2周目の130Rで4位の#55井出有治を抜き去り、トレルイエの後退に乗じて3周目に3位にポジションを回復。
そのまま松田の追撃に取り掛かる。
7周終わりで1秒を切った松田と小暮の差は9周終わりではコンマ6秒まで接近、
小暮は松田の背後に張り付いて隙をうかがいながら周回を重ねるが、
序盤の猛プッシュが祟って30周を過ぎたあたりから徐々に上位2台に遅れをとり始める。
松田が小暮との2位争いに気を取られている間に、トップの本山はレース序盤で7秒以上のリードを築き上げ、
レースが折り返し点を過ぎたあたりからはタイヤをセーブする走りに切り替えて50秒台にペースを落とす。
しかし小暮の追撃の手が緩んだことで松田のペースが上がり、25周を過ぎるころには両者の差は5秒台まで縮まってきた。
これを見た本山は再びペースを上げ、49秒台前半から48秒台後半のタイムを立て続けに記録するが、松田も執拗に追い上げ、
35周目には遂に3秒差、40周を終えたときには1.6秒差にまで迫ってきた。
セクター1、セクター2で差を削ってくる松田をセクター3で突き放す本山。
両者は1.178秒差で42周目を終了し、いよいよファイナルラップへ突入した。
しかしここで、本山の前に周回遅れが団子状態で立ちはだかる。
2コーナー立ち上がりで周回遅れに詰まった本山。これに乗じてS字でテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込む松田。
しかしダンロップコーナーからデグナーにかけてで巧みに周回遅れを処理した本山が再び突き放しにかかる。
それをスピンぎりぎりの激しい走りで追い上げる松田。
両者はもつれるように最終コーナーを立ち上がり、フィニッシュラインになだれ込む。
勝ったのは本山。
しかし2位松田との差はこの時点でわずか0.382秒だった。
不運続きの昨シーズンを未勝利で終えた本山にとって、この優勝は2005年10月の第8戦、
ツインリンクもてぎで4度目のタイトルを決めて以来12戦ぶりの、待ちに待った勝利だった。
地元鈴鹿での優勝という悲願を今回も叶えられなかった松田だったが、これで2戦連続の2位となり、
獲得ポイントを16に伸ばしてポイントランキングではトップに立った。
フォーミュラニッポン第3戦は5月20日決勝。ツインリンクもてぎで開催される。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
大嶋和也(第3戦優勝)
昨日はスタートもミスなく出られてトップで入れたんですけど、その後はタイヤをセーブしながら最後までペースをコントロールして走れました。
今日はスタートを狙いすぎて失敗してしまい、5番手まで下がってしてしまいました。
ペースはかなり良かったんでスタートのミスが悔しいです。
路面温度が下がったお陰でタイヤは最後までタレずに走れましたが、風向きが違ったりで思ったよりペースが上げられませんでした。
クルマは合同テストからずっと調子がいいので、次はスタートで同じ失敗をしないよう、考えていきたいです。
ロベルト・ストレイト(第4戦優勝、第3戦3位)
昨日はスタート前から大きなミステイクをしていたんです。
1速のギヤレシオを高めに設定しようと思ったんですが、僕の説明がよくなくて、逆に低めに組んでしまったんです。
その上ダウンフォースも低すぎ、タイヤのグリップも足りなくて、走り出して4、5周でクルマがすごく不安定になってしまいました。
それでオリバーにも抜かれてしまい、なんとかポディウムに残るのが精一杯で、僕にとってはいいレースじゃありませんでした。
今日は1速を望みどおりのレシオで組み、タイヤをセーブする方向でセットアップしたのがうまくいって、
ベストとまでは言いませんがいいレースでした。
僕にとっても、チームにとっても、スズカは苦手なサーキットなので、ここで優勝できて嬉しいです。
オリバー・ジャービス(第3戦2位、第4戦3位)
昨日のスタートはまあまあで、ペースを保とうと思って走りました。
そこからロベルトにプレッシャーをかけていったのですが、彼がコーナーで苦しいのが見ていてわかったので、うまく抜くことができました。
今日は昨日よりいいスタートができ、1コーナーで接近した戦いができました。ロベルトがあまりいいスタートじゃなかったので狙っていき、
3コーナーでは石浦を抜こうとしたんですができませんでした。最初の5周はカーバランスをアジャストすることに専念して走りましたが、
残りあと2周というところで大きなミスをしてしまい、オオシマに追いつかれてしまいました。
2戦とも僕にとってはいいレースじゃありませんでしたが、2回ともポディウムに上がれたことは、
シーズンを考えれば良かったのかなと思います。
石浦宏明(第4戦2位)
2回目の予選では、シケインまではポールが狙える走りができてて、クルマのバランスはすごく良くて、
今日の決勝までほとんど微調整ぐらいしかしないでいい状態でした。
首を痛めたのは自分の責任ですが、途中で集中力が切れそうになるのがきつかったので、なんとかスタートで狙って生きたいなと思っていました。
今日はスタート直後の2コーナーでオリバーとぎりぎりのバトルだったんですが、なんとか抑えることができました。
昨日も今日もロベルトが前を走ってて、必死でついてって、チャンスがあれば前に出ようと思ったんですけど、
そのままゴールすることになりました。今日もいいラップを刻もうと集中したんですが、前に出られませんでした。
首の影響もあるかもしれないので、チームには申し訳なく思っています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本F3選手権第4戦の決勝は、ポールシッターの#3ロベルト・ストレイトが17周にわたって後続との差を見事にコントロールし、
今季1勝目を挙げた。
2位には#37石浦宏明、3位には#1オリバー・ジャービスがつけ、
ここまで3戦連続で表彰台を獲得していた#36大嶋和也はスタートの出遅れが響いて4位に終わった。
第4戦決勝は午前9時45分にフォーメーションラップ開始。
スタートを無難にこなしたストレイトがトップで1コーナーを制する一方で、前戦優勝の大嶋は出遅れて順位を落としていく。
この隙を縫って石浦、ジャービスが2-3コーナーで2位争いを展開、2位石浦、3位ジャービスの順でオープニングラップを消化した。
4位には#14安田裕信、大嶋は5番手でコントロールラインに戻ってきた。
大嶋はここからペースを上げ、2周目の1コーナーで安田のインをこじ開けて4位に浮上すると、
その時点で4秒以上に開いていたジャービスとの差をじわじわと詰めにかかる。
その後方では、ルーキーの#33関口雄飛が2周目に#11伊沢拓也、#62嵯峨宏紀を次々に抜き去って8位に浮上してきた。
大嶋は何度もファステストラップを塗り替えるハイペースで上位3台を追いかけていく。
その結果、当初4秒以上あった3位との差も次第に詰まっていき、9周終わりでは1秒強まで近づいた。そして遂に、
15周目のスプーン立ち上がりで姿勢を乱したジャービスの背後に追いつき、シケインでアウトから並びかけるが、
ジャービスもインをがっちり固めて3位の座を守り抜く。
その後もプレッシャーをかけてくる大嶋を押さえきってジャービスが3位でチェッカーを受け、
ここまで2勝を含む3戦連続で表彰台を獲得していた大嶋にとっては痛恨の4位フィニッシュとなった。
トップのストレイトはタイヤをセーブしながら巧みに2位石浦との差をコントロールして17周を走りきり、
苦手と公言する鈴鹿での初めての勝利をもぎとった。
2位には昨日の予選で痛めた首を庇いながら懸命にストレイトを追いかけた石浦が入った。
次回第5戦、6戦の舞台はツインリンクもてぎ。5月19、20日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキットで行われている、フォーミュラニッポン第2戦の決勝前フリー走行は、
#32小暮卓史(PIAAナカジマ)が1分45秒246でトップタイムだった。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットはうす曇りの少し肌寒さを感じさせる天候。路面温度も低めだが雨の心配はなさそうだ。
決勝前のフリー走行は午前8時40分より30分間で行われた。
今回はレース距離250kmということで、計算上はノーピットストップが可能だが、インパル、
中嶋企画などはこのセッションを利用してタイヤ交換の練習を行っている。
タイヤの消耗を考えると、タイヤ交換を行ったほうが計算上は速いようだが、
この場合他のクルマを抜きながら計算どおりに走れるかがポイントになってくる。
一方5ZIGENでは、タイヤ交換なしで給油のみを想定したピット練習を行ったようだ。
どうやらレース距離が短くなっても各チーム様々なピット戦略を考えている模様で、決勝レースの展開を予想するのは難しくなってきた。
タイムのほうは、開始早々に1分45秒246を出した小暮がトップ。以下、#5平中克幸、#36アンドレ・ロッテラーと続く。
昨日の予選で赤旗の原因となるクラッシュを喫したロッテラーだが、今のところその影響はなさそうだ。
ポールシッターの#2松田次生は走り始めは8番手、最終的には12番手でこのセッションを終えた。
予選2番手の#19本山哲は8番手、前年王者の#1ブノワ・トレルイエは6番手と、
いつもなら上位を独占するインパル勢がこのセッションに限って中団にいるのが却って不気味だ。
昨年までGP2に参戦し、今年からフォーミュラニッポンに戦いの場を移した#6吉本大樹は、
チェッカー直前にタイムアップして10番手にあがってきた。
第2戦の決勝は、今日午後2時30分から。43周、250kmのスプリント戦を各チーム、ドライバーがどう戦うかが見ものだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

松田 次生(ポールポジション)
テストから調子はよかったんですが、前回のテストでトップは本山さんだったっ てことで、
エンジニアとも何をしたらいいか、ということをかなり話し合って、金曜日の走り始めもある程度達成はできてたんですけど、
本山さんはすごく速くて。
それで、「次の日どうしよう」ってことで改善したセットが今日は当たったかな?という感じでポールが獲れたんですけど、
トラフィックの見極めとか、コースに出るタイミングも、人と違う出方をしたことも勝因につながったかなと思います。
(タイムについて)朝の時点で41秒6が出ましたが、そのときは1コーナーでイエローフラッグが出ていたので、
それがなければ1秒の前半はいくな、という確信を得てたので、午後は40秒入るか入らないか、じゃないかな?と思ってたんですが、
風が強くなって、温度も下がってきたので思ったほどはタイムが上がんなかったです。
明日は距離が短いってことで「絶対ポールを取らなければ」と思ってて、それは達成できたんですけど、
とにかく最後まで走りきることが大事だと思うので、まだ第一段階をクリアした、って感じですね。
本山 哲(予選2位)
昨日からの流れは全体的にいい感じできていて、
予選1回目は少し攻め切れてないところがあったんですけど、 2回目は想定どおりのタイムが出せました。そういう中で、
結果として松田が速すぎたかな、っていう印象です。
松田とはセットもだいぶ違うので、明日に向けてはイーブンだと思います。
新しいスポンサーがついて、体制も新しくなったので、序盤の早い段階で優勝したいです。手ごたえは感じてるのでそれを結果につなげたいと。
今までいろいろ不運なことが起きましたが、今回はそういうのが起きないように願って、最後まできちんと走れれば、と思います。
ノーピット、ということになると、レース中盤から後半にかけてのタイヤのライフ、それに対するクルマのアジャスト、
そういうところがポイントになるんじゃないでしょうか。
小暮 卓史(予選3位)
今年またチームを移籍して、前いたチームに戻ってきたことで、去年とは状況も変わり、
今週末はずっと松田選手と本山さんの2台を追っかける格好になりました。
最後はセッティングもそこそこ決まって、無難にまとめることができたって感じですね。
僕としては正直ここまでのタイムが出るとは思っていませんでした。
このチームは昨年からずっと予選で苦労してきたので、チームの中では今年は特に予選を重視していろいろ作ってきた、ということもあります。
明日はノーピットだとタイヤが苦しくなると思うので、そこでちゃんとコントロールして、
そういう状況でも確実にポイントを取っていきたいです。
(奇策を採るかどうかは)オーダーが出れば従います。今はまだ何も聞いていません。
まとめ&Photo:Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第3戦は、#36大嶋和也(TDPトムス)が、後続をまったく寄せ付けない磐石の走りで12周を走り切り、
今季2勝目、通算で5勝目をポール・トゥ・フィニッシュで決めてみせた。
午後4時00分、12周の戦いが始まった。
ポールの大嶋以下上位3台がポジションキープで1コーナーをクリアしていく一方で、出遅れた#10塚越広大、#12マルコ・アスマー、
#14安田裕信の3台が交錯。
塚越、アスマーは順位を落としつつも走行を続けたが、安田は右リヤタイヤをバーストさせ、
1周目の130Rアウト側にクルマを止めた。
この混乱の最中、予選6番手の#37石浦宏明、9番手の#11伊沢拓也らが4位、 5位にジャンプアップしてきた。
トップの大嶋は序盤からハイペースで後続を引き離しにかかる。
その後ろでは、#1オリバー・ジャービスが#3ロベルト・ストレイトを激しく追いたて、遂に7周目の1コーナーで抜き去って2位に浮上した。
スタートの混乱で出遅れた塚越だったが、その後はチームメイトの伊沢にぴったり張り付き、
6周目のホームストレートでインに並びかけて5位に浮上したが、その時点で4位石浦との差は既に6秒以上に開いており、
それ以上順位を上げられずに第3戦を終えることとなった。
抜かれた伊沢はルーキーの#33関口雄飛にも追い立てられる。
関口は11周目の1コーナーでアウトから伊沢をパス、このレースを6位で終えた。
結局大嶋は、終始危なげない走りで12周を走りきり、最後は2位以下に4秒以上もの差をつけて10代最後のレースを勝利で飾った。
第4戦決勝は明日午前9時45分スタート。
連続ポールを3で止められた大嶋の逆転なるか。
ストレイトが逃げ切って今季初勝利を挙げるのか。
注目の17周だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
松田はここでも速かった。
2007全日本選手権フォーミュラニッポン第2戦は、午前中のレコードタイムを更に塗り替え、
1分41秒115を叩き出した#2松田次生(モバイルキャスト・チームインパル)が堂々ポールポジションを獲得した。

午後に入って風が強く吹き始め、気温も下がってきた。そんな中、予選2回目は午後2時40分より45分間で行われた。
午前中とはうって変わって、コースオープンと同時にほとんどのドライバーがコースに飛び出していく。
今回も好調なインパル勢の3台は少し遅れてコースイン。中嶋企画の2台は更にその後からピットを後にしたが、
それでも開始から10分が経過した頃には全てのドライバーが走行を開始した
他のチームが44~45秒台で走り出したのに対し、インパルの3台は42~43秒台と走り出しからハイペース。松田の
1分42秒682がこの時点でのトップタイムだ。
残り24分を切ったところで#36アンドレ・ロッテラーがデグナーでコースアウト。
これにより赤旗が提示されてセッションが中断となった。
ニュータイヤを装着してアタックに出た矢先のことだった。
クルマはノーズを破損したが、ロッテラーに怪我はない模様。
午後3時10分に予選再開。残り時間は23分50秒だ。
ここから各ドライバーニュータイヤを装着して本格的なアタックに取り掛かる。
残り12分で#19本山哲が1分41秒864を出し、午後の最速タイムを記録すると、続いて#1ブノワ・
トレルイエが自身の午前のタイムを上回る、1分41秒962を出してくる。
更に松田はシケインでテールを流しながらも更にタイムを塗り替え、1分41秒391だ。
アタック合戦は残りは1分を切って最高潮に達した。
ここでトレルイエ、松田らが最後のアタックに入る。
#32小暮卓史も自己ベストを更新しながら最後のアタックを敢行、ここで1分41秒398を叩き出して一挙に2番手に飛び込んでくる。
トップの松田は41秒115と他を圧倒。
#31ロイック・デュバルは41秒805で4番手。トレルイエも遂に41秒台に入ってきたが、5番手にとどまった。
3番手に後退した本山は、最後の最後、チェッカーフラッグを受けながら41秒292を叩き出し、2番手を奪い返したが、
松田のタイムには届かなかった。
第2戦決勝は明日午後2時30分より43周で戦われる。
今回は、給油なしで走りきれる250kmのスプリント勝負だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
鈴鹿2&4レース -RIJ- (2007/04/14) Qualfying Session #1
Weather:Fine Course:Dry
2007 Formula Nippon Round 2 鈴鹿サーキット 5.807km
| P |
No |
Driver |
Team |
Engine |
Time |
Delay |
Gap |
km/h |
| 1 |
2 |
松田 次生 |
mobilecast
IMPUL |
TOYOTA
RV8J |
R1'41.696 |
- |
- |
205.58 |
| 2 |
19 |
本山 哲 |
Arabian Oasis
IMPUL |
TOYOTA
RV8J |
R1'41.768 |
0.072 |
0.072 |
205.42 |
| 3 |
1 |
ブノワ・トレルイエ |
mobilecast
IMPUL |
TOYOTA
RV8J |
R1'42.078 |
0.382 |
0.310 |
204.8 |
| 4 |
32 |
小暮 卓史 |
PIAA
NAKAJIMA |
HONDA
HF386E |
1'42.161 |
0.465 |
0.083 |
204.63 |
| 5 |
36 |
アンドレ・ロッテラー |
DHG
TOM'S |
TOYOTA
RV8J |
1'42.590 |
0.894 |
0.429 |
203.77 |
| 6 |
31 |
ロイック・デュバル |
PIAA
NAKAJIMA |
HONDA
HF386E |
1'42.796 |
1.100 |
0.206 |
203.52 |
| 7 |
33 |
ロニー・クインタレッリ |
INGING |
TOYOTA
RV8J |
1'42.862 |
1.166 |
0.066 |
203.37 |
| 8 |
20 |
ミハエル・クルム |
Arabian Oasis
IMPUL |
TOYOTA
RV8J |
1'42.871 |
1.175 |
0.009 |
203.24 |
| 9 |
56 |
金石 年弘 |
ARTA |
HONDA
HF386E |
1'42.935 |
1.239 |
0.064 |
203.22 |
| 10 |
11 |
立川 祐路 |
RECKLESS
CERUMO |
TOYOTA
RV8J |
1'43.000 |
1.304 |
0.065 |
203.09 |
| 11 |
7 |
片岡 龍也 |
Team
LeMans |
TOYOTA
RV8J |
1'43.188 |
1.492 |
0.188 |
202.96 |
| 12 |
34 |
横溝 直輝 |
INGING |
TOYOTA
RV8J |
1'43.208 |
1.512 |
0.020 |
202.59 |
| 13 |
55 |
井出 有冶 |
ARTA |
HONDA
HF386E |
1'43.583 |
1.887 |
0.375 |
202.55 |
| 14 |
40 |
ビヨン・ビルドハイム |
DoCoMo
DANDELION |
HONDA
HF386E |
1'43.654 |
1.958 |
0.071 |
201.68 |
| 15 |
4 |
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ |
CARCHS
KONDO |
TOYOTA
RV8J |
1'43.684 |
1.988 |
0.030 |
201.68 |
| 16 |
8 |
高木 虎之介 |
Team
LeMans |
TOYOTA
RV8J |
1'43.708 |
2.012 |
0.024 |
201.58 |
| 17 |
41 |
ファビオ・カルボーン |
DoCoMo
DANDELION |
HONDA
HF386E |
1'43.732 |
2.036 |
0.024 |
201.53 |
| 18 |
12 |
佐々木 孝太 |
RECKLESS
CERUMO |
HONDA
HF386E |
1'43.732 |
2.036 |
0.000 |
201.53 |
| 19 |
5 |
平中 克幸 |
SG
5ZIGEN |
HONDA
HF386E |
1'44.129 |
2.433 |
0.397 |
200.76 |
| 20 |
37 |
荒 聖治 |
DHG
TOM'S |
TOYOTA
RV8J |
1'44.133 |
2.437 |
0.004 |
200.75 |
| 21 |
6 |
吉本 大樹 |
SG
5ZIGEN |
HONDA
HF386E |
1'44.778 |
3.082 |
0.645 |
199.52 |
| 22 |
3 |
柳田 真孝 |
CARCHS
KONDO |
TOYOTA
RV8J |
1'45.453 |
3.757 |
0.675 |
198.24 |
以上予選通過 基準タイム ( 107% ) 1'48.809(192.13km/h)
シャーシーは全車Lola FN06、タイヤは全車BSです。
従来のコースレコード: 1'42.133
*2007年全日本選手権レースブルテンNo002-2007に基づき、T1で提示された黄旗により、下記ラップライムは採用しない。
No.2 1'41.691
No.55 1'42.716
4月14日午前中に行われた公式予選1回目において、
#2松田次生と#55井出有治の記録したベストタイムが採用されないこととなった。
これは当該ラップを走行中にT1で黄旗が提示されていたためで、
2007全日本選手権レースブルテンNo002-2007に基づく裁定。
これにより松田のベストタイムは1分41秒696、井出は1分43秒583がベストとされ、松田は依然としてトップのままだが、
井出は6番手から13番手に下げられることとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
大嶋の4連続ポールならず。
全日本F3第4戦の公式予選は、直前の第3戦で#36大嶋和也の出したコースレコードを打ち破り、
1分54秒187を出した#3ロベルト・ストレイト(インギング)がポールポジションを獲得した。
第3戦の予選から10分間のインターバルをおいて第4戦の公式予選が開始された。
序盤からタイムを出してきたのは#1オリバー・ジャービス。1分54秒575だ。
2番手に#11伊沢拓也、3番手には#12マルコ・アスマーが続く。
前戦ポールの大嶋は残り5分を目前にして54秒318を出してトップに立つが、その直後にストレイトが54秒187と、
第3戦で大嶋の更新したレコードをも上回るタイムを叩き出した。
残り時間4分で#10塚越広大が1分55秒031で4番手。直後に#37石浦宏明が54秒339と、
ジャービスを上回って3番手に上がってきた。
これで塚越は5番手に。富士に続いてホンダ勢は精彩を欠く。
大嶋はポールを奪還しようと最後のアタックに取り掛かったが、残り1分を切ったところで痛恨のコースアウトを喫して万事休す。
場所は2コーナーの立ち上がりだった。ジャービス、#16石川資章らもセッション終盤同じ場所でグラベルの餌食となった。
ここでチェッカー。
ストレイトの今季初ポールが確定し、大嶋の連続ポールは3でストップした。
第4戦の決勝は明日午前8時45分より17周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第3戦の公式予選は、前回優勝の#36大嶋和也(TDPトムス)が1分54秒235とコースレコードを更新し、
開幕以来3戦連続でポールポジションを獲得した。
フォーミュラニッポンの予選1回目に続いて午前11時15分にF3第3戦の公式予選が始まった。
こちらもコースインは遅めで、セッション半ばを過ぎたあたりからタイムが出始める。
最初にトップに立ったのは#3ロベルト・ストレイト。
以下、#12マルコ・アスマー、#62嵯峨宏紀、#14安田裕信と続く。
残り5分を目前にして大嶋が54秒898を出し、ここでトップに躍り出ると。2番手に#1オリバー・ジャービス、
3番手に#37石浦宏明と、相次いでトムス勢が上位に上がってきた。
4番手はルーキーの#33関口雄飛だ。
ストレイトは残り2分で54秒537を出してトップを奪い返すが、
大嶋も残り1分を切ったところで54秒450を出してトップを奪い返し、更にチェッカー直後には54秒235までタイムを縮めて、
開幕以来3戦連続のポールポジションを獲得して見せた。
2番手にストレイト、3番手にはジャービスがつけ、チェッカー直前にタイムアップに成功した#10塚越広大が4番手につけた。
第3戦決勝は今日午後4時より、12周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2007全日本選手権フォーミュラニッポン第2戦の公式予選1回目は、#2松田次生(モバイルキャスト・
チームインパル)が自身の持つコースレコードを更新する1分41秒691で暫定ポールを獲得した。
公式予選1回目は午前10時15分に開始された。
前夜に降った雨のため、公式予選日の朝を迎えても路面は所々濡れており、
フォーミュラニッポンに先立って行われたJSB1000の予選ではウェット宣言が出ていたが、
2輪の予選が行われている間に次第に乾いてきたようだ。
それでもベストコンディションには程遠いため、各ドライバーともコースオープンになってもなかなか走り出そうとはしない。
ようやく#40ビヨン・ビルドハイムがコースインしたときには既に開始から10分が経過していた。
続いて#7片岡龍也もピットアウト。
#37荒聖二、#3柳田真孝らも続く。
この時点でのベストタイムは片岡の1分43秒659。
直後にスプーン立ち上がりで荒がスピン。クルマはイン側に巻き込むが、荒はバリアすれすれで踏みとどまってコースに復帰した。
残り時間22分で#20ミハエル・クルムが1分42秒871。
昨日の合同テストで本山の出したベストタイム1分42秒963を上回り、ここでトップに立った。この時点でタイム計測がされたのは9台。
#20-#7-#8-#4-#41-#40-#37-#12-#3の順だ。
残りのドライバー全てがコースに入り、1セット目のアタックに取り掛かった頃には、残り時間は20分を切っていた。
残り17分、#2松田次生が1分41秒696と、自身の持つコースレコードを更新。
続いて#19本山哲が1分41秒802で2番手につける。
チームメイトのチャンピオン、#1ブノワ・トレルイエはアタック中のヘアピンで遅い車に引っかかって6番手タイム。
残り13分、クインタレッリが42秒862で3番手に。
このあたりで各ドライバー相次いでピットイン。
残り時間が7分を切ったところでトレルイエが先陣を切って2セット目を投入。
これを合図にビルドハイム、荒、カルボーン、佐々木、吉本、平中、オリベイラ、高木、片岡、井出、と相次いでコースイン。
しかし松田、本山、ロッテラー、クインタレッリの上位4台は未だ待機中。
残り4分を切ったところで漸く本山コースイン。
続いて残り3分で松田がコースイン。ロッテラー、クインタレッリも最後のアタックに出て行く。
その直後、トレルイエがトラフィックに引っかかりながらも42秒078を出して3番手に上がってきた。
満を持して2セット目のアタックに取り掛かった松田は、
アタック開始直後の2コーナー立ち上がりでコースアウトから復帰してきたクインタレッリに出くわしてタイムをロスするが、
それでも41秒691を叩き出してレコードを更新して見せた。
2番手にはこちらも残り1分を切ったところで41秒768を叩き出した本山。
3位にはトレルイエ、4番手には最後の最後に#32小暮卓史が42秒161を叩き出して上がってきた。
公式予選2回目は今日午後2時40分より、同じく45分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

GT500クラス優勝 #8ARTA NSX
ラルフ・ファーマン
スタートはすごくよかったです。そして1コーナーでロッテラーのフロントから白煙が出ているのを見て、「危ないな」と思った瞬間に、
18号車と接触していました。彼らには残念な結果になったと思います。それで1コーナーからレースをリードすることになりましたが、
クルマは最初の6、7周は完璧な状態でしたが、300に追いつき始めてからバランスが崩れ、アンダーステアになりました。
まるでパンクでもしてるようなフィーリングでした。でも最後の10周くらいからまたバランスがよくなりました。そして作戦通り、
100号車の1周後でピットストップを行いました。
ダイスケは僕以上にひどいアンダーステアで走っていたと思うので本当にハードなレースを戦ったと思います。
前回ああいう残念な結果になったので、今回は絶対に優勝しなければ、と思って走っていました。
今日のレースでわかったようにニッサンも速くなってきているので、
僕らもシーズンを通して負けないようにクルマを速くしていかないといけませんね。最初の目標はアンダーステアの解消です。
伊藤大輔
前回のレースではものすごく悔しい思いをしたので、何としても勝たなければ、という気持ちで岡山に来たんですけど、
ここはNSXとは相性のいいコースですが、18号車がポールを取ったことで簡単に勝てるレースじゃない名とは思っていました。
スタートで接触した2台にとっては残念な結果になりましたけど、僕らにとってはある意味ラッキーだったなと。
鈴鹿で悔しい思いをした分がここで返ってきたのかなと。1コーナーでの鍔迫り合いを僕も緊張しながら見ていたんですけど、
ラルフがうまいライン取りでクロスをかけていい判断でトップに立ってくれました。それほど充分なリードではないなとは思いつつも、
トップのままでピットに戻ってきてくれたので、何とか最後までトップでいなくちゃ、という気持ちで交代したんですけど、ラルフの言うように、
タイヤ2本交換なのでかなりアンダーステアが強い状態が続いていてリズムをつかむのに数周かかったんですけど、なんとか集中して走りました。
後ろから22号車が速いペースで追いかけてきましたが、100号車とバトルになったと無線で聞いた瞬間に「ここがプッシュのしどころだ」
と思って頑張ってプッシュたのがよかったのかなと。
最後の5周はどうしても鈴鹿のことを思い出してしまうんですけど、クルマを信頼しなければ、と毎周言いきかせながら走りました。
NSXが速いということは分かってもらってたと思うんですけど、それを結果に結びつけることができた、
ということで今回は喜ばしいことだと思っています。
GT300クラス優勝 #101トイストーリーapr MR-S
大嶋和也
前回も勝てそうな感じだったんですが、トラブルで3位に終わってしまって、今回もチームが
完璧なクルマを作ってくれて、僕らも最後まで走ることができて、その結果優勝できた、ということです。すごい満足しています。
ここで優勝できたのはすごい有利だと思うので、次も確実にポイントを取って、チャンピオンを獲りにいきたいなと思っています。
石浦宏明
予選とスタートを僕が担当する、というプログラムがあったんですけど、二人で相談して、経験の面からも、
大嶋が予選とスタートをやるほうが結果が出るんじゃないか、ということになりました。タイヤなんかも二人で話し合って決めていきました。
その結果、スピードという面では僕らのクルマが決して一番速かったわけではないと思いますけど、ピットストップを真ん中で切って、
僕らのアベレージが速かったので、クルマの良さを引き出せたのだと思います。
ミシュランタイヤは今日のコンディションでは抜群でした。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007スーパーGT第2戦、岡山GT300kmレースは、#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・
ファーマン組)がスタート直後の混乱を切り抜けてトップに立ち、最後は2位に15秒以上の差をつけて82周の戦いを制し、見事開幕戦の雪辱を果たした。
GT300クラスは#101トイストーリーapr MR-S(大嶋和也/石浦宏明組)が優勝。大嶋、石浦の若手コンビにとってはこれがGT初勝利となった。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:35,000人)

第2戦の決勝は午後2時にフォーメーションラップがスタートした。
ポールシッターの#18TAKATA童夢NSXを駆る道上龍がトップを守って1コーナーに入っていったが、後方から一気にジャンプアップを目論み、激しいブレーキングとともにインに飛び込んできた#1宝山トムスSC430のアンドレ・ロッテラーが勢いあまって道上の右リヤをヒットしてしまう。道上は堪らずスピンアウト、なんとクラス最後尾でコースに復帰することになってしまった。
その後方では3台併走状態で1コーナーに入っていった#17リアルNSXも行き場をなくして大きく順位を落とした。
2番手スタートだったARTA NSXのスタートを担当したラルフ・ファーマンはこのアクシデントを間一髪で切り抜けてトップに立つ。
2番手には#1ロッテラー、3番手には#100レイブリックNSXのドミニク・シュワガーがつけた。
しかし道上と接触したロッテラーに対して、11周目にドライブスルーのペナルティが下された上、12周目には接触により破損した左フロントフェンダーとサイドステップの修復のためにオレンジディスクが提示され、トムスSCはここで最後尾近くまで順位を落とすことになる。
トップのファーマンは着実に2位以下との差を広げていき、35周終わりでピットイン、伊藤大輔にステアリングを委ねた。
ピット作業は給油とリヤタイヤのみ2本交換というNSX勢ではおなじみの作戦だ。
全車がルーティンストップを終えた時点での後続との差は8秒以上に開いた。
その後方では、#100レイブリックNSXの細川慎弥と#32EPSON NSXのファビオ・
カルボーンによる熾烈な2位争いが始まっており、更には松田次生の駆る、4位の#22モチュールオーテックZも追いついてきた。
松田は1コーナー、ヘアピン、ダブルヘアピンと、至る所で積極的に並びかけていくが、駆るボーンも一歩も引かず、この2台のバトルは10周にわたって繰り広げられた。
結局松田は51周目のダブルヘアピン一つ目でうまくクロスラインを使って駆るボーンを攻略するが、その間に2位細川との差は4秒以上に開いていた。
しかしラップタイムでは松田が細川を1秒近く上回っており、57周目のヘアピンで遂に細川のインを突いた松田が2位に浮上してトップの伊藤大輔との差をも縮めにかかる。
アンダーステアに苦しみながらも2位との差をキープしていた伊藤はここからペースを上げ、2台の差は一進一退を繰り返す。
ところが77周目のヘアピンで、周回遅れをかわそうとした松田が痛恨のオーバーラン。
これで万事休す。トップの伊藤はその後も2位以下に付け入る隙を与えずに82周を走りきり、ファイナルラップに泣いた前戦鈴鹿の雪辱を見事果たした。
一方、松田は細川にも抜き返され、3位に後退してこのレースを終えた。
GT300クラスは、ポールから飛び出した#2プリヴェKENZOアセット・紫電が快調に2位以下を引き離しにかかる。
その一方で、3位を走行していた#62ウィルコムADVANヴィーマックが15周目に#13エンドレスアドバンZと接触してコースアウト。
62号車は大きく後退し、13号車にはドライブスルーペナルティが課せられた。
続いてクラス4位を走行していた#43ARTAガライヤが16周目のアトウッドでスピンアウト。
更にその後ろにつけていた#88アクティオ ムルシエRG-1が22周目の最終コーナーで飛び出してバリアに突っ込むなど、次々に上位陣が脱落していく。
紫電のスタートを担当する加藤寛規は一度もトップを譲らずに49周を走りきったところでピットイン。
後を引き継いだ高橋一穂がピットアウトした時点で、2位の#101トイストーリーMR-Sは9秒後方にいた。しかし、冷えたタイヤにてこずる高橋との差を#101石浦宏明が一気に詰め、次の周の1コーナーで一気に抜き去ってトップに躍り出た。
石浦はその後も懸命に追いすがる高橋に付け入る隙を全く与えず、GTデビュー2戦目にして見事に初優勝を挙げてみせた。同時にこれは、昨年梁山泊MR-SでGTデビューした僚友大嶋和也にとっても待望の初勝利となった。
次戦は富士スピードウェイでの500km耐久レース。5月4日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
2007スーパーGT第2戦、岡山GT300kmの決勝前フリー走行は#8ARTA NSXが1分24秒852でトップタイム。 2位3位もNSXが占め、ここでもまたその速さを見せつける結果となった。
GT300クラストップは#62ウィルコムアドバンヴィーマックで、タイムは1分32秒271だった。

昨日垂れ込めていた分厚い雲も晴れ、決勝日を迎えた岡山国際サーキットは朝から絶好のレース日和となった。
スーパーGTのフリー走行は、サポートレースをひとつ消化した後、午前9時25分より30分間で行われた。
最初にトップタイムを記録したのは#17リアルNSXで1分25秒760。すぐに#8ARTA、#32EPSONらがそれを上回るタイムを出して1位2位を占める。ドライバーは8号車がラルフ・ファーマン、32号車がロイック・デュバル、17号車は金石勝智だった。さらに#1宝山トムスSC430を挟んで、5位に#100レイブリック、6位にポールシッターの#18TAKATA童夢と続く。
Z勢のトップは7位の#22モチュールオーテック。ここから下はレクサスSC430とZがほぼ交互に続き、決勝でも混戦が予想される。
GT300クラスは、最初に#43ARTAガライヤの新田守男が1分32秒512でトップに立つが、すぐに#62ウィルコムヴィーマックの柴原真介が32秒271までタイムを削ってくる。ポールシッターの#2プリヴェKENZO紫電は3番手。タイムは1分32秒570と、上位3台は僅差でつらなり、勝利の行方は全く予想できない状況だ。
なお、昨日基準タイムをクリアできなかった#67ガイヤルドは、このセッションで1分37秒116までタイムを縮めたが、途中メカニカルトラブルでコース上にストップしてしまった。
スーパーGT第2戦決勝は今日午後2時より、82周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #18TAKATA童夢NSX
道上龍
昨日の練習からトップタイムが出ていて、去年より速いタイムでしたが、今日は天気がよくなくて、タイヤの温まりも悪く、
午前中は25号車に引っかかって間合いが取れなくて、タイヤが完全に温まりきらない状態でアタックしなきゃいけなくなりました。
本来ならラルフの出してた22秒台まではいけると思っていたんですが、タイミングが合いませんでした。
スーパーラップの前に天気がよくなって、路温もあがってきたので、スーパーラップではタイヤを暖めたもん勝ちだろうと思ったんですが、
予選2回目ではフロントの暖まりが悪く、フロントだけ2ラップしたりしていました。
スーパーラップでは周りが1周目を25秒くらいかけていたのを24秒でいけたので、22秒には入るな、と思っていましたが、
実は最終コーナーで少しミスをしてしまったので、ラルフのタイムをすごく気にしていたんですが、とにかく勝てた、
ということでほっとしました。
岡山は相性がよくて、NSXにも合ってますし、僕の走りにも合ってるので、ポールを獲るという自身を持って今回に臨んだんですが、
その通りになってよかったです。
小暮卓史
昨日からクルマもドライバーも高いレベルでまとまってるな、という印象でした。
今日は僕は見てるだけだったんですが、道上さんがポールを獲って来てくれたので、明日も去年のように優勝できたらいいなと思います。
GT300クラス #2プリヴェKENZOアセット・紫電
加藤寛規
昨日から結果的にはトップタイムが出ていますけど、よそはニュータイヤを使らなかったとこもありましたし、
僕自身のフィーリングはよくなかったんです。
それで、スタッフのみんなとも話し合って、今日の朝までにセッティングを変えて予選に臨んだんですけど、それでもまだ足んなくて、
1回目はタイヤがホンとにあったまらなくて、ミスも出たし、まとめきれず、それでも5番手にはなったのでよしとしたんです。
2回目の予選に向けてはまたセッティングを変えて、それでもまだ足りなかったんです。
それで、アタックを終えて「今回は正美君にやられたね」って無線で話してたくらいだったんですけど、ふたを開けてみれば他がミスをしたり、
タイムが上がんなかったりで、結果ポールが獲れた、ってことで自分では納得がいかないんですけど、この位置をいただいた、ということで、
嬉しさ半分悔しさ半分ですね。
明日に向けては、まだ煮詰める部分があるので、それをフリー走行で確認して、なんとか今回は勝ちたいと思います。
高橋一穂
何度もこの席に来させていただいてますが、全く自分の実力とは関係ない部分で、ただついて来てるって感じですので、
子供の卒業式に関係ない保護者が来てるみたいな、そんな違和感があります(笑)
加藤君とは一昨日の晩に飲みすぎまして、昨日の朝は二日酔いで調子が悪かったので(笑)、昨日の夜はお酒を控えました。
それが良かったんじゃないかなと(笑)いうふうに思います。
今日も予選が終わって着替えてたら「記者会見がありますから」なんて言われて、冗談かと思ったらホンとにこういうことになって、
そしたらまたまたその(加藤選手が)「明日トップとって優勝します」
なんて言っちゃうもんですから.....明日は一人で走るわけじゃないのに.........(笑)まぁでも頑張って、
いい結果を出せるように頑張りますので。
まとめ&Photo: Kazuhisa SUHEHIRO
2007スーパーGT第2戦のスーパーラップは、
#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が1分22秒881のトップタイムを記録し、ポール・トゥ・
ウィンを飾った昨年に続いて2年連続でポールポジションを獲得することとなった。
GT300クラストップは#2プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規/高橋一穂組)。加藤寛規が午前中のトップタイムを上回る、
1分30秒401を叩き出してみせた。

予選2回目に続き、決勝上位10台のグリッドを決めるスーパーラップが15時38分、開 始された。
GT300クラスは、午前中の予選1回目で最後の20分にジャンプアップしてスーパーラップ入りを決めた、#43ARTA
Garaiyaを駆る高木真一がここでも好走を見せた。
高木は午前中の自己ベストをさらに縮め、1分30秒977で一気に7位から4位にジャンプアップ。
しかしその直後にコースインした#101トイストーリーMR-Sの大嶋和也も同じく午前中のタイムを大幅に更新し、
30秒631で2位につけた。
そして大嶋に続いて6番目に出走したのが#2紫電の加藤寛規。
加藤は何度も暴れるリヤを押さえ込むアグレッシブな走りで1分30秒401と、
午前中に影山正美が出した暫定ポールタイムを上回ってトップに立つ。
結局この後に出走した5台はタイムを伸ばすことができず、
午前中トップの#13エンドレスZに至っては5番手にまで後退することとなった。
5分間のインターバルの後、GT500クラスのアタックが開始された。
最初に出走した#6フォーラムエンジの片岡龍也、#38ZENTセルモの立川らが24秒台前半のタイムに終わる中、
3番目に出走した#23ザナヴィニスモZの本山哲は23秒5の好タイムをたたき出す。
しかしこの本山のタイムは無効とされ、ウォームアップ2周目に記録した1分29秒564が採用されてしまい、
23号車は10位に後退することとなった。
コースインのタイミングが規定より遅かった、というのが競技団の裁定。
しかしニスモ側からは抗議が出されており、この記事を書いている時点ではまだ正式結果が出ていない。
本山に続いてコースインした#22モチュールZのミハエル・クルムが23秒831、続く#32EPSON NSXのロイック・
デュバルは23秒641と、このあたりはほぼ午前中のタイム順。
しかし#100レイブリックNSXのドミニク・シュワガーはデュバルに1000分の4秒及ばず、
#17リアルNSXの金石年弘は23秒842に終わり、一気に7番手に後退することとなった。
一方、#1宝山SCのアンドレ・ロッテラーは23秒294とタイムアップはならなかったが、NSX2台を抜いて3番手にくりあがった。
そして今季初のアタックとなる道上龍が駆るTAKATA童夢NSXはウォームアップから飛ばし、
1分22秒881と午前中の#8ARTA NSXに迫る好タイムをマーク、この時点でのトップに躍り出て最後のラルフ・
ファーマンのアタックを見守る。
しかしファーマンはどうしたことか、セクター2以降でペースが伸びず、
1分23秒183に終わってTAKATA童夢の後塵を拝することとなった。
第2戦決勝は明日午後2時より、82周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
スーパー第2戦、岡山GT300kmレースの公式予選2回目は、
#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)が1分24秒794のトップタイムを記録。以下、#100レイブリックNSX、
#8ARTA NSXと、ここでもNSX勢がトップ3を独占してみせた。
GT300クラスは#2プリヴェKENZOアセット・紫電(加藤寛規/高橋一穂組)で、タイムは1分31秒634だった。
午後2時30分、GT300クラスの専有走行から公式予選2回目が始まった。
この時点で予選通過基準タイムを満たしていないのは、#66、#67のガヤルド2台。
コースインに手間取った午前中の予選とは違い、2台とも開始直後から走行に加わる。
しかし66号車の栗原宗之が1分35秒845をマークしたものの、67号車は和田久が1分40秒237を出すに留まり、
このままではドライブしていない2人を含め、このままでは予選通過の条件を満たしていない。
ただし、今大会の最大スタート台数は42台であり、昨日の合同テストでクラッシュした#83ヴィーマックが出走を取り消したため、
嘆願書での決勝出走はできるものと思われる。
GT300の15分間の走行が終了すると、今度はGT500の専有が始まった。
こちらのクラスは全車基準タイムをクリアしているため、もっぱらスーパーラップへ向けての調整と、明日の決勝をにらんだ確認作業に終始する。
そうした状況でも、やはりNSXの速さが目立ち、#18TAKATA童夢、#100レイブリック、#8ARTAの順でトップ3を独占する。
1位道上のタイムは1分24秒794。2位以下は5位の#25エクリプスSCまでが25秒台で並んだ
Text:Kazuhisa SUEHIRO
GT300クラス
| 出走順 |
CarNo. |
車名 |
ドライバー |
| 1 |
26 |
ユンケルパワー タイサン ポルシェ |
山路慎一 |
| 2 |
87 |
マルホン ムルシエRG-1 |
桧井保孝 |
| 3 |
4 |
EBBRO 350R |
田中哲也 |
| 4 |
43 |
ARTA
Garaiya |
高木真一 |
| 5 |
101 |
TOYSTORY RT apr
MR-S |
大嶋和也 |
| 6 |
2 |
プリベKENZOアセット・紫電 |
加藤寛規 |
| 7 |
46 |
宝山DUNLOP Z |
佐々木孝太 |
| 8 |
88 |
アクティオ ムルシエRG-1 |
マルコ・アピチェラ |
| 9 |
62 |
WILLCOM ADVAN
VEMAC408R |
黒澤治樹 |
| 10 |
13 |
エンドレスアドバン洗剤革命Z |
影山正美 |
GT500クラス
| 出走順 |
CarNo. |
車名 |
ドライバー |
| 1 |
6 |
Forum
Eng.SC430 |
片岡龍也 |
| 2 |
38 |
ZENT CERUMO
SC430 |
立川祐路 |
| 3 |
23 |
XANAVI NISMO
Z |
本山哲 |
| 4 |
22 |
MOTUL AUTECH
Z |
ミハエル・クルム |
| 5 |
32 |
EPSON NSX |
ロイック・デュバル |
| 6 |
100 |
RAYBRIG NSX |
ドミニク・シュワガー |
| 7 |
1 |
宝山TOM'S SC430 |
アンドレ・ロッテラー |
| 8 |
17 |
REAL NSX |
金石年弘 |
| 9 |
18 |
TAKATA童夢NSX |
道上龍 |
| 10 |
8 |
ARTA NSX |
ラルフ・ファーマン |
2006スーパーGT第2戦、「岡山GT300kmレース」の公式予選1回目は、#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・
ファーマン組)が1分22秒753で暫定ポールを獲得した。GT300クラストップは、#13エンドレスアドバン洗剤革命Z
(影山正美/藤井誠暢組)で、タイムは1分30秒540だった。

第2戦の予選日を迎えた岡山国際サーキットは朝から時折小雨の降る曇天。気温、路面温度とも低めだが、
コースはどうにかドライコンディションが保たれている。
予選1回目は午前10時25分、GT300の専有走行で始まった。
開始直後から14台の車両が一斉にコースに飛び出し、タイムアタックに取り掛かる。
最初に30秒台のタイムを出したのは#88ムルシエGT-1を駆るマルコ・アピチェラ。
#101MR-Sの大嶋和也が31秒107で2位につける。
予選開始から10分が経過したあたりで、それまでピットで待機していた#2紫電、#13Z、#46Z、
#4ヴィーマックらがコースイン。相次いでタイムアタックを開始する。そんな中、
開始12分で#62ヴィーマックの黒澤治樹が1分30秒553でトップに立つが、
その3分後には#13Zを駆る影山正美が30秒540までタイムを縮めて一気にクラストップ上がってきた。
その他、2号車は加藤寛規が5位、4号車は田中哲也が8位、46号車は佐々木孝太が4位タイムを出し、
いずれもスーパーラップ圏内につけた。
前回クルマが間に合わなかったJLOCの2台のガヤルドはここでも準備に手間取り、66号車がコースインしたのは専有終了ぎりぎりで、
タイムも39秒647がやっとだった。
そして10時45分、GT500の専有走行が始まった。
一斉にアタックの始まったGT300と違い、こちらは#25、#35、#39のSC430、
#3のZ以外はインストレーションラップのみでピットに戻ってくる。本格的なアタック合戦が始まったのは専有残り5分前後からとなった。
前回ポールを獲得し、前日の合同テストでもトップタイムを出している#8ARTA NSXはラルフ・
ファーマンのドライブで1分22秒753。コースレコードにはコンマ3秒及ばないものの、このセッション唯一の22秒台で堂々のトップ。
2番手には昨年のチャンピオンチーム、#1宝山SC430のアンドレ・ロッテラーが当初つけていたが、終了間際に#18TAKATA童夢、
#17REALの2台のNSXが立て続けに2位、3位タイムを記録してきた。18号車は道上龍、17号車は金石年弘のドライブだ。
Z勢は#22モチュールのミハエル・クルムが7番手タイムを出したのが最高で、以下8、12、14、16位と苦しい予選となった。
2クラス混走の最後の20分間は、ほとんどのチームが基準タイムクリアに専念したため、
GT500では上位陣の順位変動はほとんどなかったが、GT300では専有で13番手だった#43ARTA
Garaiyaが一気に7位にジャンプアップ、スーパーラップ進出を果たした。
結局、ガヤルドは67号車が出走せず、66号車も37秒669に留まり、基準タイムをクリアできなかった。
公式予選第2回は午後2時30分から、スーパーラップは午後3時50分から行われる予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro
TAKESHITA
ブノワ・トレルイエ(優勝)
今日はできるだけペースをコントロールすることと、後続とのギャップをキープすることを考えて走りました。その上で、
できるだけタイヤをセーブするよう心がけていました。
昨日とは全くコンディションが違ってしまったので、ウォームアップぎりぎりまでセッティングをいじってました。
その結果、最初の10周はオーバーステアが出てしまいましたが、15周を過ぎるとおさまりました。
ツギオやJPを後ろに従えて走っていたので、楽には勝てないと思ってましたが、うまくギャップをコントロールすることができました。
松田次生(2位)
正直いってブノワに追いつきたかったんですが、5、6周走ったところでリヤが厳しくなってきて、その間にJPが追いついてきました。
結局ミスで飛び出してしまい、前に行かれてしまいましたが、ピットストップのときにインラップとアウトラップを頑張って、
なんとかJPを押さえ込むことができました。
ここにきてもブノワとの差が縮まっていないのが気になっていますが、エンジニアともよく話し合ってクルマを仕上げていきます。
ですから次に期待しててください。
*ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(3位)
スタートはよかったんですが、ライン取りを間違えてインにつけなくなってしまい、順位を下げてしまいました。
クルマはすごくよかったので、マツダを追いかけていって、ピットストップの前に抜くことができました。
でも、ピットストップのタイミングが遅かったためにまた前に出してしまったので、2スティント目も思い切りプッシュしましたが、
残り5周と言うところでクラッチに問題が出てしまい、ペースを落とさざるを得ませんでした。
星野一義(優勝チーム監督)
1-2フィニッシュということで喜んでいます。
松田については、スタッフを入れ替えたことでイライラさせてしまい、申し訳なかったです。クルマも、セクター1、
2はどうにか勝負できても完璧じゃありませんでした。
ブノワも完璧ではない中で後ろとの差をうまくコントロールしてくれました。ちょっとブノワらしくないくらいに。
松田もブレーキがきつかったようで、この結果に満足せず、
これからもドライバーの負担を少なくできるようにミーティングを重ねてクルマを仕上げていきます。
*オリベイラについては、記者会見終了後にスキッドブロックの寸法不足が発覚したため、失格となった。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

大嶋和也(優勝)
ジャービスに前にいかれましたが、昨日とは違い完璧とは言い難いけど、悪くないスタートでした。
ホームストレートで並んでいったら1コーナーに黄旗が出ていて、結構悩んだんですけど、ストレートで既に前にいたので、
問題ないと判断しました。
これでポイントランキングもトップになりましたから、鈴鹿でも優勝して、このポジションを守りたいですね。
ロベルト・ストレイト(2位)
自分としては完璧な一日でした。ミスなくレースを運べましたから。
後ろのドライバーを引き離そうとプッシュしたのになかなか引き離せませんでしたが、いいレースだったと思います。
クルマに関しては、昨日と全然違うコンディションになったことで、決勝までに考えられるものは全部変えましたが、
それでステアリングの感覚が昨日とは違ってました。
これからも2人から離れない位置でチャンピオンシップを戦っていきたいです。
オリバー・ジャービス(3位)
連勝したかったんですが、天候が変わったせいでクルマのフィーリングがかなり変わってしまって、前に追いつくのも大変な状態でした。
それでもランキング2位に留まれたのはよかった。
今後はできるだけ多く勝ちたいです。
次のレースに関しては、鈴鹿をドライブできることすごく楽しみにしています。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
富士スピードウェイで行われた2007全日本選手権フォーミュラニッポン第1戦の決勝は、ポールシッターの#1ブノワ・トレルイエ(モバイルキャスト チームインパル)が後続をまったく寄せ付けない磐石の走りで65周を走り抜いて優勝、2連覇に向けて幸先のいいスタートを切った。
2位には#2松田次生、3位に#4ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラと終わってみれば予選トップ3と全く同じ顔ぶれがそのままフィニッシュすることとなった。
(観客動員数:19,300人)
14時25分、フォーメーションラップが開始された。ここで最後尾の#12佐々木孝太がエンジンストールしたが、
すぐに再始動して隊列に加わる。
スタートでは上位3台がポジションキープで1コーナーをクリアしていくが、その後方では#36アンドレ・ロッテラー、#19本山哲らがジャンプアップに成功、それぞれ4位、5位でホームストレートに戻ってくる。
しかしロッテラーは最終コーナーを立ち上がったところでいきなり失速、1コーナーを回りきったところで自らランオフエリアにクルマを止め、あっけなく戦列を去った。
これで4位に繰り上がった本山だったが、こちらもペースが全くあがらず、とうとう15周を走ったところでピットに戻ってクルマを降りることとなってしまった。
トップグループでは、トレルイエが安定したペースで2位との差をコントロールする中、3位のオリベイラが序盤からハイペースで飛ばし、何度も松田に仕掛けていく。
その度に松田は巧みにこれを押さえ込んでいたが、41周目のダンロップで周回遅れをかわす際に姿勢を乱してしまい、オーバーラン。これによってオリベイラが2番手に浮上した。
20周目に#7片岡龍也が入ったのを皮切りに徐々に4位以下がピット作業を済ませる中、上位3台はトレルイエが41周、松田42周、オリベイラは45周まで引っ張ってピットに向かった。
インパルの2台がピットインする間にハイペースで飛ばしてギャップを広げ、彼らが冷えたタイヤでペースを上げられない間に自分のピット作業を済ませてしまおう、というのがオリベイラと彼のチームスタッフの目論見であった。
しかし作業時間がインパルの2台が15秒3に対し、16秒9を要したうえ、路面温度が上がったことでインパル勢のアウトラップがハイペースだったため、この作戦は実らず、オリベイラは再び松田の後ろでコースに復帰することとなった。
しかも松田との差は4秒以上、トレルイエに対しては10秒以上ギャップを広げられている。
しかしここからオリベイラは猛追を再開。
前の2台が28秒9から29秒台前半で周回を重ねる中、48周目にこのレースのファステストとなる1分28秒475を叩き出し、
その他のラップも28秒5から29秒フラットを連発して、見る見る間に上位2台とのギャップを削り取っていく。
一時は松田のコンマ8秒後方まで迫り、トレルイエに対しても5.3秒差まで迫った。
ところが。
60周を終えたところでオリベイラが一気にペースダウン。
彼のアグレッシブな走りにとうとうクラッチが耐え切れなくなったのだ。
一旦縮まった差はどんどん開いていく。
結局昨年王者のトレルイエは、ピットストップによる順位ダウンを除いては1度もトップを脅かされることなく、2位に5.8秒、3位には14秒1もの大差をつけて65周を走りきり、連覇に向けて大きな一歩を踏み出した。
次戦は鈴鹿サーキット。4月15日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum