富士スピードウェイで行われた、全日本F3選手権第2戦の決勝は、ポールシッターの#36大嶋和也が後続に大差をつけ、
今季初勝利を挙げた。
12時55分、21周の戦いが始まった。
1コーナーにトップで入ったのは、第1戦と同じく#1オリバー・ジャービス。
昨日痛恨のスタートミスを喫した大嶋は、今回は無難に発進したものの、車速の伸びでジャービスが上回った。
それでも2位につけて追い上げを開始した大嶋はホームストレートで果敢にジャービスのインをこじ開け、トップに躍り出た。
実はこの時、スタート直後の1コーナーで起きたアクシデントによりイエローフラッグが提示されており、
このオーバーテイクはペナルティをとられかねない際どいものだった。
しかし2台はホームストレートで完全に並走状態になっており、コーナー手前で既に大嶋が前にでていたと判断された模様。
大嶋はその後もファステストラップを連発しながら快調に逃げ続け、最後には2位に4.9秒もの大差をつけて21周を走り切った。
一方、抜かれたジャービスのほうは3周目の1コーナーで#3ロベルト・ストレイトにも抜かれ、
レース後半懸命に追い上げを図ったものの順位を回復することはできず、このレースを3位で終えた。
後方では#12マルコ・アスマーと#10塚越広大が熾烈な5位争いを展開、
5周目の1コーナーでアウトにはらんだアスマーを塚越がインからパスすれば、
その後立て続けに8位まで順位を落としアスマーも一つづつ順位を取り戻し、ファイナルラップの1コーナーで塚越に挑みかかる。
激しいブレーキング競争で姿勢を乱した塚越。インをつくアスマー。
しかし一旦は前に出たアスマーも立ち上がりでオーバーランしてしまい、再び塚越が5位を取り返してチェッカーを受けた。
次戦は鈴鹿。4月14日に第3戦決勝、第4戦は翌15日決勝だ
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第1戦の決勝前フリー走行は、
#8高木虎之介(フォーラムエンジニアリングチームルマン)が1分28秒650を出し、久々にトップタイムを記録した。
午前8時30分から30分間のフリー走行が開始された。
決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴だが、昨夜降った雨により開始時点では路面が乾いておらず、
このセッションではウェット宣言が出された。
このため、走り始めはウェットタイヤを履いていたドライバーたちも、
走行を重ねるにつれて乾いていく路面に合わせてスリックタイヤに履き替えていく。
ラップタイムもそれにつれて次第に上がっていき、まずは#2松田次生が1分28秒992と、最初に28秒台を出してトップに立った。
しかし他のドライバーたちも、セッション終盤にいくにしたがって次々にタイムを上げ、開始27分で#19本山哲が28秒970、
#4ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが28秒940を相次いで記録、松田も28秒754までタイムを縮めて再びトップに立つ。
しかし28分過ぎから28秒台に入れて徐々に順位を上げていた高木がチェッカー寸前になって28秒650を出し、
これがこのセッションのトップタイムとなった。
勿論各ドライバーがどれだけの燃料を搭載していたかはこの時点では分からないものの、
05年にフォーミュラニッポン復帰以来苦戦の続いていた高木が今回久々にリーダーボードのトップに名を連ねたことにより、
決勝での活躍が大いに期待される。
フォーミュラニッポン第1戦決勝は、今日午後2時30分より、65周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum

オリバー・ジャービス(優勝)
日本で最初のレースで優勝できてファンタスティックな気分です。
正直プレッシャーのある中、いいスタートが切れ、レースを楽しむことができました。
明日も同じように楽しんで、勝利をもうひとつ挙げたいですね。
オオシマが予選で速かったのでプレッシャーを感じていましたが、予選と決勝はまた別の話だと考えて、落ち着いて走るようにしました。
(終盤の雨について)ドライのほうが好みですけど、予選が後ろのほうならウェットのほうがチャンスがありますね。
でも今回はトップを走っていたので、ウェットは厄介でした。
特にシケインはちょっと危ない状態になっていたので、集中を切らさないように注意して走りました。
明日もスタートを決めて、前のほうで走りたいです。
石浦宏明(2位)
スタートで大嶋選手をよけるときに横に動いてしまって、それがなければもっといいスタートが切れたと思います。
2位で1コーナーに入っていったんですが、タイヤ1本分ラインをはずしてしまったためにオーバーランしてしまい、
ロベルト選手に前に行かれてしまいました。
雨が降ってきてからは、ロベルト選手のリヤがルーズになってきているのがわかって、
気をつけて走っていたら彼がシフトロックをさせてスピンしていきました。
フォーミュラトヨタではこういうコンディションでしょっちゅう飛び出していたので、そうならないように集中して走りました。
富士は抜けるようで意外と難しいんですけど、明日は1位を狙っていきます。
大嶋和也(3位)
スタートでは、クラッチを一気に繋ぎすぎてストール気味になってしまい、繋ぎ直している間に遅れてしまいました。
(アスマーとのバトルでは)こっちのほうが速かったので何度か抜きにいったんですが、うまくいかなかったので、
しばらく様子を見ていたらだんだん関口に追いついて、ああいう状態になりました。一旦入っていったらこっちも引くわけにはいきませんから。
せっかくポールが獲れたのに、もったいないレースになりました。
明日は同じミスを繰り返さないように気をつけます。ミスしなければ絶対勝てるはずですから。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

ブノワ・トレルイエ(ポールポジション)
すごくいい一日でした。クルマは調子よかったですしね。
昨日は若干トラブルがあったんですが、今朝には改善されていて、午前のセッションの後半で本当にいいタイムを出すことができました。
午後の予選でもユーズドタイヤで26秒262が出ていたので、いけると思っていたんですが、途中で雨が降ってきて、
路面コンディションがかなり変わってしまい、セッションの終わりのほうは、グリップが落ちてきてアンダーも出てきました。
でも、とにかくポールポジションが獲れてよかったです。
久しぶりのポールですし、幸先いいスタートが切れたと思います。
松田次生(予選2位)
なんとか最後に2番手になれました。
昨日のフリー走行からクルマの調子は良かったんですけど、今朝は気温がすごく下がって、セクター1、セクター2はクルマの状況がいいのに、
セクター3だけがどうも自分のフィーリングと会わない部分があったので、
それをどうやって解決するかを午後の予選でエンジニア一緒に見つけて、それを達成するために走ったんですが、
ユーズドタイヤで26秒0がでて、「あ、これはタイムでそうだな」と思ったときに雨が降ってきて。自分の中でも気持ち的に「あ~あ」
って思ったんですけど、最後ドライコンディションに戻ったときも、ちょっと路面はスリッピーだったんですが、
エンジニアさんのおかげでセクター3も走りやすくなってました。
去年とはエンジニアが変わったので、僕もコミュニケーションをとることを心がけてたんですが、
今日の結果にはエンジニアにもメカニックの方にも感謝しています。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(予選3位)
全体としてはすごく満足しています。
昨日は6番手でしたが、鈴鹿テストのときよりすごく良くなっています。
いろんな部分が改善されているので、自信を持ってドライブすることができるようになりました。
昨日からセットアップを進める中でベストバランスが見つかって、センシティブなクルマになり、
コンマ何秒単位でタイムを詰められるところまできています。
今日は特に1回目の予選が良かったですね。いいパフォーマンスをみせられたと思います。
午後はニュータイヤを履くタイミングが早すぎて、いいところでトラフィックに引っ掛かってしまいました。
雨が降ってきたのも最悪のタイミングで、1セット目のニュータイヤでアタックしている最中で、ちょうどセクター1、
セクター2で自己ベストが出ているときだったんです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007年全日本F3選手権第1戦の決勝は、#1オリバー・
ジャービス(DHGトムス)が日本での初めてのレースを勝利で飾ることとなった。
ポールシッターの#36大嶋和也はスタートの失敗もあり、3位に終わった。
2位には#37石浦宏明が入り、トムスが1-2-3フィニッシュを達成した。
第1戦決勝は当初予定より10分遅れの午後4時15分にフォーメーションラップが開始された。
スタートでは、ポールシッターの大嶋がクラッチミートを失敗して出遅れる脇をすり抜けたジャービスがトップで1コーナーに飛び込むと、
一気に後続を突き放しにかかる。
予選3位の石浦が2番手で1コーナーに飛び込むが、僅かにラインをはずしたためにオーバーラン気味になり、ロベルト・
ストレイトの先行を許す。
結局大嶋は6位まで順位を落としてオープニングラップを終えた。
5番手の#12マルコ・アスマーはすぐ目の前だ。
1コーナーで何度もアウトからアスマーを抜きにかかる大嶋だったが、アスマーも懸命に押さえ込む。
6周目の1コーナーで大嶋は一旦アスマーの前に出るが、アスマーはすかさず同じ周の100Rで大嶋を抜き返す。
2台は激しいドッグファイトを展開しながら徐々に4番手を走行するルーキーの#33関口雄飛に追いつき、
2台の5位争いは3台による4位争いとなっていく。
そして7周目の1コーナー。
アスマーは関口を抜きにかかるが、関口も一歩も引かず、
並走状態のまま1コーナーを立ち上がった2台はそのままもつれるようにしてAコーナーに向かう。
すると、その僅かな隙間を大嶋がこじ開けるようにして割って入り、一気に4位を奪い取っていった。
2台を抜き去った大嶋は、9周目にはこのレースのファステストラップを刻んでみせるが、既に3位の石浦との差は5秒以上に開いており、
これ以上のジャンプアップは不可能かと思われた。
しかしレース終盤、またしても富士スピードウェイを小雨が見舞う。
これに足元をすくわれたのが、2番手を走っていたストレイトだ。
次第にルーズになっていくリヤを押さえ込みながら走行を続けるストレイトだったが、ついにシフトロックをさせてしまい、スピン。
一気に石浦と大嶋に抜かれ、4位に後退してしまった。
そうした後方の混乱をよそに、トップのジャービスは悠々と周回を重ね、
一度も順位を脅かされることなく日本での初レースを勝利で飾った。
第2戦決勝は明日12時55分より、21周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポン第1戦富士の公式予選2回目は、
途中で小雨に見舞われる難しいコンディションで行われることとなった。
このセッションでのトップは#2松田次生(モバイルキャストインパル)。
松田は午前中の自己ベストを更新したものの、午前中25秒525を出している#1ブノワ・
トレルイエ(モバイルキャストインパル)にはわずかに及ばなかったため、トレルイエのポールポジションが確定した。
予選1回目の赤旗中断や、サポートレースのFCJがスタートディレイになったこともあり、
予選2回目は当初予定より10分遅れの午後2時15分に開始された。
各ドライバー最後のタイムアタックに挑んだが、開始から16分が経過したところでついに心配されていた雨が降り出してしまい、
ここで全てのドライバーが一旦走行を切り上げることとなった。
雨はすぐに小降りになったため、各ドライバーともスリックタイヤのままで走行を再開。
当初はタイムアップの望める路面状態ではなかったが、残り時間10分を切ったところでロニー・
クインタレッリが午前中の自己ベストを更新したのを皮切りに、立川祐路、佐々木孝太、荒聖二など、
徐々にタイムを上げるドライバーが出始めた。
クインタレッリは午前中16番手から一気に8番手にジャンプアップを果たしている。
そしてついに、松田次生が1分25秒928、25秒762と、立て続けに自己ベストを更新してこのセッションのベストタイムを記録、
総合順位でも2位に上げた。
午前中7番手だった本山哲も26秒000を出して6番手まで順位を回復。
ここでチェッカーが出され、45分間のセッションが終了した。
第1戦の決勝は明日午後2時30分より、65周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsprots Form
第1戦に続いて行われた第2戦の公式予選でも、#36大嶋和也(トムス)の速さは他をまったく寄せ付けず、1分35秒173と、
さらにタイムを縮めて連続ポールを獲得することとなった。
第1戦の予選が終わったあたりから空が幾分明るくなってきた。
10分間のインターバルをおいて再び15分間の予選セッションが始まった。
このセッションでもジャービスは最初から積極的にアタックを続けるが、タイムは思うように伸びていかず、
35秒572が精一杯の状況だ。それを尻目に大嶋は10分過ぎにいきなり35秒173を叩き出し、今にも34秒に届きそうな勢いだ。
1AZの2台の後ろには、今回も石浦が35秒890で続き、第1戦に続いてトムスが1-2-3を達成。一方のホンダ勢は塚越が6番手、
伊沢が9番手と、第1戦とまったく同じ結果に終わった。
第2戦決勝は明日12時55分より、21周で戦われる。
富士スピードウェイで行われている、2007年全日本F3選手権第1戦の公式予選は、トヨタの新エンジン1AZ-FEを搭載する#36大嶋和也(トムス)が、1分35秒212という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得した。
2007シーズンのF3第1戦の公式予選はフォーミュラニッポンの予選1回目に続いて行われた。
F1にステップアップしていったエイドリアン・スーティルの後継としてトムスが招聘した#1オリバー・
ジャービスが開始直後から好タイムを連発するなか、同じトムスで2年目のシーズンを迎えた大嶋は開始7分過ぎにアタックに取り掛かり、
最初のアタックで一気にトップに立つ。直後に#3ロベルト・ストレイトが大嶋のタイムを上回るが、
大嶋は2周目のアタックで1分35秒627と、昨年のコースレコードをあっさりと更新したばかりか、
さらに35秒212までタイムを縮めて一気に2番手以下を突き放した。
同じ1AZ-FEエンジンを積むジャービスも懸命にタイムアップを狙うが、
大嶋に追いつくどころか逆に3S-GEエンジンを積むチームメイトの#37石浦宏明やインギングのストレイトに2位の座を脅かされる展開となり、
結果的に2位の座は守ったものの、タイムは35秒511と、大嶋にコンマ3秒近い差をつけられる結果となった。
3番手には石浦、4番手にはストレイトがつけ、スリーボンドエンジンのマルコ・アスマーが5番手。
シャシーを童夢からダラーラにスイッチしたホンダ勢は塚越広大が6番手、伊沢拓也が9番手にとどまり、苦しい開幕戦となった。
第1戦決勝は今日午後4時5分より、15周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラニッポンの2007シーズンが3月31日、富士スピードウェイで開幕した。
午前中に行われた公式予選1回目では、セッション開始早々からコースレコードを更新するドライバーが次々に現れ、
終了間際に1分25秒525をたたき出した#1ブノワ・トレルイエ(モバイルキャスト・インパル)が暫定ポールを獲得した。
第1戦の公式予選日を迎えた富士スピードウェイは、曇天。夜半からは雨の予報が出ており、湿度も高めだ。気温は9.5度、
路面温度は11.2度という低温のもと、午前10時より45分間の公式予選1回目が開始された。
天候の悪化が予想されることもあり、いつもならセッション前半はピットで待機する上位陣も、今日は最初から積極的にアタックをかける。
まずは開始15分過ぎで#19本山哲が1分26秒061と、昨年のコースレコード(1分26秒265)をいきなり更新してみせると、
#2松田次生、トレルイエらも相次いでレコードを更新(松田26秒091、トレルイエ26秒118)し、
インパル勢が早々と1-2-3体制を築いた。
さらに、昨年の最終戦でFNデビューしたばかりの#4ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが26秒200、#31ロイック・
デュバルが26秒256でそれぞれ4番手、5番手につけ、
開始から20分足らずで実に5名のドライバーが昨年のコースレコードを更新することとなった。
30分過ぎに#5平中克幸がネッツコーナーでストップしたために赤旗が出され、7分の中断の後に再開。
タイムアタック合戦はここからさらにヒートアップしていく。
再開直後に#36アンドレ・ロッテラーが26秒174で4番手に割って入ると、40分過ぎにはトレルイエが25秒847と、
いきなり25秒台をたたき出してトップに躍り出る。続いて本山もアタックに入るが、26秒026とタイムアップこそ果たしたものの、
トレルイエには及ばない。
続いてオリベイラが25秒816とトレルイエを上回るが、トレルイエもすぐに25秒525までタイムを縮めてトップを奪い返す。
その後方では、#20ミハエル・クルム、ロッテラー、松田らも終盤に相次いで25秒台に入れ、デュバルも26秒025を出したため、
前半トップだった本山は結局7番手で最初の予選を終えることとなった。
今回の予選では上位5人が25秒台、さらに上位10人がコースレコードを更新しており、
午後の予選では更なるタイムアップも期待できそうだ。
公式予選2回目は、午後2時5分より、同じく45分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
GT500クラス優勝 #38ZENTセルモSC
立川祐路
まぁ予定通りかと(笑)というのは冗談で、まさか優勝できるとは思っていませんでした。なんどか表彰台には上がりたいとは思っていましたが。
残り半周で抜かれたことはありましたけど、ね。
デグナーでなぜか渋滞してて、「あれ?抜いちゃっていいの?」って感じでした。
今回は高木選手のドライブも、ピットワークもノーミスで、自分たちとしては完璧な仕事でした。
大輔は前世でよっぽど悪いことをしてるのかな?(笑) それでも、NSXが速いことは明らかになったので、これからも気を引き締めてクルマを速くしていかないとシーズンは厳しいと思います。
その意味では、序盤で勝てたのは良かったです。これからウェイトを降ろしていって、またチャンスが来たときに勝てるよう、がんばります。
高木虎之介
今日は寒かったですね。この前は出番がなかったけど、今回はスタートドライバーとして役割を果たせたかなと思います。NSXは速かったので、その1台を喰えたのは良かったです。
今回のレースでも速いだけじゃ勝てないことが明らかになりましたが、今回の僕らは完璧にいってましたね。
GT300クラス優勝 #13エンドレスアドバン洗剤革命Z
影山正美
今回はガライヤと101号車との勝負だと思っていたら、あんなことになって....
101号車との勝負を想定してセッティングを少し変えて、レース前に大嶋と「お互いに変なブロックとかはしないようにしような」って話し合って決勝に臨んでたんです。
こっちはシケインの立ち上がりが遅くて、その度に並ばれて、何度も押さえたんですが、正直しんどかったです。
今まで「なんでいつも抜かれるタイミングが悪いんだ」と思うことは何度もありましたが、今回は「こんなに楽なタイミングで500に出会うなんて」という状態で、それを活かして101との差を離すことができました。
500、300を通じて通算で立川の勝利数に並ぶことができましたし、初めてポールも取れましたから、ニッサン、スポンサーの皆さん、そして藤井にも感謝しています。
藤井誠暢
今回はガライヤと101との勝負と思っていたので、フォーメーションラップでガライヤがいなくなったことで気が楽になりました(笑) でも燃費のいい101号車がいっちゃうのかな、と思っていたんですが、影山さんは辛い状況の中でトップを守ってくれましたから、僕もとにかくアウトラップだと、そう思って前半を頑張りました。
101がピットストップを終えて出てきたときも、この周でどれだけ離せるかが勝負になると思ってプッシュしました。
その後はタイヤを労わってセーブして走りました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2007オートバックスSUPER GT第1戦、鈴鹿GT300kmは、3月18日午後2時より52周で戦われた。
GT500クラス優勝は、#38ZENTセルモSC(立川祐路/高木虎之介組)。
終盤までトップを快走していたポールシッターの#8ARTA NSXが、ファイナルラップでまさかのメカニカルトラブルによりストップするという、波乱の展開をしぶとい走りで制した。
GT300クラスは#13エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美/藤井誠暢組)がポールからしぶとくトップを守りきった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:30,000人)
スーパーGTの2007年開幕戦を迎えた鈴鹿の週末は、終始NSX勢が圧倒的な速さですべてのセッションを席巻していた。
予選1回目、スーパーラップ、決勝前フリー走行と上位4位までをNSXが独占し、その優位は決勝でも揺るぎないものと思われた。
前日のスーパーラップで伊藤大輔が前人未到の1分49秒台を叩き出し、見事昨年の開幕戦に続いてポールポジションからスタートすることになったARTAは、決勝においてもラルフ・ファーマンが磐石のスタートをみせ、直後の1コーナーで3台がコースアウトを喫するという後方の波乱を尻目に悠々とリードを築き上げながら周回を重ねていく。
予選2番手の#32EPSONのデュバル、3番手の#18TAKATA童夢道上もポジションをキープ。予選4番手の#17リアルNSXはスタートで8番手まで順位を落としたものの、その穴は6番手スタートの#100レイブリックが補って、早々とNSXの1-2-3-4体制ができあがった。
しかし好調に見えたNSX勢上位4台に相次いでアクシデントが襲い掛かる。
まず10周目のS字でEPSONがスピン。すぐにコースへは復帰したものの、この間にTAKATA、レイブリック、ZENT SCらに抜かれて5位に後退。
デュバルは15周目のシケインでZENTの高木を捉えて4位に復帰するものの、25周終わりでピット作業を終えた際にはZENTだけでなく#23ザナヴィZにまで先行されて6位に後退してしまう。
GT初戦ながら果敢な走りでEPSON NSXを駆る後半担当のファビオ・カルボーンは#23ザナヴィのライアンを激しく攻め立てるが、ピット作業違反のためにドライブスルーを課せられて万事休す。ザナヴィとの間には取り返しのつかない差ができてしまった。
続いて脱落したのは#100レイブリック。
後半を担当した細川慎弥は上位2台を2秒上回るハイペースで猛追したが、31周目の逆バンクで姿勢を乱し、タイヤバリアを直撃して惜しくもレースを終えることになった。
更に2位を走行していた#18TAKATA童夢も、45周目にエンジンがブロー、小暮卓史はダンロップでクルマを降りた。
そして不運はトップを独走する#8ARTAをも見逃さなかった。
相次ぐNSX勢の脱落で2番手に繰り上がった#38ZENT SCとの間に34秒もの大差をつけてファイナルラップに差し掛かった伊藤大輔に、まさかのメカニカルトラブルが襲い掛かる。
ミスファイヤを起こしながらスピードを失っていくARTA NSX。
2位ZENTとの差はみるみる縮まり、ついにデグナー手前で首位を明け渡すと、そのままスプーンで力尽きた。
予想外の展開で勝利を手にした立川はこれで通算9勝と、GT500の最多勝記録を更新。
2位には#23ザナヴィZ、3位EPSONがNSX最上位となった。
なお、序盤出遅れた#17リアルはその後も#6フォーラムエンジニアリングSCに抜かれ、22周終わりでピットストップを終えた直後にコースアウトを喫するなど、苦しい戦いとなったが、後半を担当した金石年弘のアグレッシブな走りで6位まで挽回して新チームのデビュー戦を終えた。
GT300クラスは、フォーメーションラップで3番手スタートの#43ARTAガライヤがまさかのスピン、最後尾に後退するという波乱の幕開けとなったが、ポールからトップを守った#13エンドレスZ影山正美と、2番手につけた#101トイストーリーMR-S大嶋和也が序盤から好バトルを展開した。
シケイン立ち上がりの速さを生かして何度も並びかけようとする大嶋を巧みなライン取りで押さえ込む影山。一進一退の攻防は影山がピットインする26周目まで続けられた。
影山からZを託された藤井誠暢は、アウトラップから積極的に攻め、32周でドライバー交代を終えて出てきた#101トイストーリーMR-Sをピット出口でかわしてトップを奪い返すと、そのまま2位以下を一気に突き放して開幕戦を勝利で飾った。
トイストーリーMR-Sの石浦宏明は、そのアウトラップで#2プリベKENZOアセット紫電を駆る高橋一穂にヘアピンでインに飛び込まれて3位に後退、ほろ苦いGTデビュー戦を終えた。
なお、エンドレスZを勝利に導いた影山正美はこれでGT500、300合わせて通算9勝と、くしくもGT500優勝の立川の勝利数と並ぶこととなった。
スーパーGT第2戦は岡山国際サーキット。4月8日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKEASHITA
スーパーGT第1戦、鈴鹿GT300kmの決勝前フリー走行が3月18日午前9時25分より30分間で行われた。
GT500クラスでは1分54秒283のトップタイムを記録した#18TAKATA童夢NSX(道上龍/小暮卓史組)を筆頭に上位4台をNSXが占め、ここでも圧倒的な速さを見せつけることとなった。
GT300クラスは、昨日ポールポジションを獲得した#13エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美/藤井誠暢組)が2分04秒849でトップだった。
昨夜の厳しい寒さが残る中、午後の決勝に向けての最終確認作業が快晴の鈴鹿サーキットで開始された。
昨日圧倒的な速さで予選1回目とスーパーラップを席巻したNSXの勢いはとどまるところを知らず、決勝セッティングを施されたフリー走行においても、10位の#17リアルNSXを除く4台が相次いで1分54秒台をマークして上位に名前を連ねた。
5番手には#6フォーラムエンジニアリングSC430、6番手に#39デンソーサードSC430とレクサス勢がつけたが、6号車は1分55秒119と、トップにはコンマ8秒の大差をつけられている。
Z勢では、NAエンジン搭載の#22モチュールオーテックZが1分55秒711で7番手、#23ザナヴィニスモZは9番手に留まり、ターボエンジンでは#12カルソニックインパルZが13番手と、決勝でも苦しい戦いを強いられそうだ。
GT300クラスは、ポールシッターの13号車がここでもトップタイムを記録したほか、#43ARTAガライヤ、#101トイストーリーMR-S、#62ウィルコムヴィーマックらの予選上位車が僅差で並んでおり、決勝でも激しい戦いが繰り広げられそうだ。
なお、昨日の予選でタイム計測ならなかったJLOCガヤルドの2台は、66号車がかろうじて3分29秒923というタイムで走行したのみで、67号車はついにピットを出ることができなかった。
注目の第1戦決勝は午後2時より52周で戦われる。
今シーズンからスーパーGTのGT500クラスと、全日本F3選手権に参戦するリアル レーシングが3月17日、スーパーGT開幕戦の行われている鈴鹿サーキットで体制発表記者会見を行った。
会見にはチーム代表の中村亮一、監督の伊与木仁、GT500のドライバーを務める金石勝智、金石年弘らが出席した。
リアルは金石勝智氏がモータースポーツの普及と若手育成を目的に設立した会社で、これを母体とする新しいチームは国内のGTとF3に今年から参戦する。
スーパーGTでは、5台目のNSXとなる「ローリングストーン・リアル・NSX」を金石年弘と金石勝智といういとこ同士のコンビでドライブすることとなる。
金石勝智はこれまで全日本F3000やフォーミュラニッポン、全日本GTなどで活躍、01年には全日本GT選手権2位となったほか、03年には日本人としてはじめてドイツツーリングカー選手権(DTM)にシリーズ参戦した。最近ではホンダのGT車両開発に携わる一方でARTAのフォーミュラニッポンチーム監督を務めるなど、後進の育成にも尽力している。
金石年弘は01年のドイツF3チャンピオンを経てフォーミュラニッポン、スーパーGTで活躍しているトップドライバーの一人だ。
スーパーGTではまた、3月10日に創刊した雑誌「ローリングストーン日本版」をコミュニケーションパートナーとして迎えることも併せて発表された。
この新雑誌(海外では1967年創刊)と連携することにより、音楽やファッション等他ジャンルとのコラボレーションをはかり、従来のファンだけでなくより多くの人々へモータースポーツの楽しみ方を提案していくとのことだ。
全日本F3選手権については、「ホンダ・チーム・リアル」として2台体制で参戦。シャシーは今年からダラーラF307となり、ドライバーは塚越広大と伊沢拓也という期待の若手コンビを起用する。
株式会社リアル代表取締役 金石勝智のコメント
2003年にARTAからDTMに出させてもらって、向こうのレースとか、ドライバーの育成なんかを色々見て勉強になったことがあって、それを次の世代のドライバー育成につなげられないかと思って2003年に会社を設立しました。
今までドライバーをやってきて「ああやったほうがいいんじゃないか」「こうやったほうがいいんじゃないか」と思うこともあって、それを活かすには自分でチームを興すしかないなと。これまで鈴木亜久里さんとか、中嶋悟さん、星野一義さんがやってきたことですが、そろそろ次の世代の僕らがやらなきゃいけないんじゃないかというのが、今回リアルレーシングを立ち上げた理由です。
今季のGTの体制ですが、クルマはNSX、タイヤはブリヂストン、メンテナンスはスーパーアグリの御殿場ファクトリーにお願いしています。
F3はホンダ・チーム・リアルとして自社メンテで鈴鹿にファクトリーを構え、塚越広大と伊沢拓也という、有望な若手二人を走らせます。
フォーミュラはドライバーとして乗りたいカテゴリーだと認識していますから、いずれはフォーミュラニッポンもやりたいと思っています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

GT500クラスポールポジション #8ARTA NSX
伊藤大輔
金曜に走り始めて、トップタイムは出てたんですが、セクターによっては18号車も速かったので、そう簡単にポールは獲れないかなと思ったんですけども、今朝走り始めたらクルマのフィーリングがすごく良くて、昨日少し感じてたアンダーステアも消えていました。
1回目終わって50秒4ていうことで、自分では満足してたんですけど、風が強くて、去年の開幕戦を思い出させる状態だったため、正直タイムを更新できるとは思ってなかったんですけど、スーパーラップが始まってみるとみんなタイムを上げてきたので、自分の気持ちを切り替えて、自分を信じるような感じでアタックしたら結構グリップ感があって、1周気持ちよく走れました。
帰ってインジケーター見たら見たことの無いような数字が並んでて、チームから「1番だ」と知らされたので「ああ良かったな」と。
シーズンオフからいろいろやってきた中で、セパン、岡山と他とあまり差が無かったんですけど、ここにきてこれだけの結果が出たことで、短い時間でいい仕事をしてくれたということで、チームとホンダには感謝しています。
ラルフ・ファーマン
冬の間に童夢やホンダはファンタスティックな仕事をしたと思います。
テストではトヨタやニッサンとそれほど差があるように思えなかったんですが、今週末になってクルマがびっくりするぐらいに良くなっていました。
ここまで仕上げてくれたみんなに感謝しています。
明日に関しても自信はあります。
ロングランをやってても走るたびに速くなっていくような状態で、ブリヂストンはいいタイヤを作ってきてくれましたし、問題は何も無いと思います。
GT300クラスポールポジション #13エンドレスアドバン洗剤革命Z
影山正美
去年も午前中暫定ポールは3回ほどあったのに、スーパーラップでことごとく逆転されていましたが、
今回は念願かなってトップでスタートすることができました。
スーパーラップに向けてセッティングを少し変えて、乗り込んだときに残り4台くらいで、タイヤを暖めてるときに無線でほかの車のタイムを聞いたんですが、よく聞き取れなくて、ストレートに戻ってきたときにタワーの掲示をちらっと見たら2秒4って出ていて「あれ?」っと。ほかのドライバーはタイムアップしていなかったし、僕の前のクルマはくるだろうとは思っていたけど2秒4までは予想してませんでした。
ちっちゃいミスはいくつかありましたが、「この周しかない」ってことで目一杯いくしかないなと、でコントロールラインを過ぎて「何番?」って聞いたら「トップだ」ってことでした。
藤井誠暢
MR-Sが予想より速くて、ほかのみんなはタイムが伸びていなかったのに、MR-Sも伸びないんじゃないかと思ってたら2秒4までいったので、これは楽じゃないなと思いました。
金曜日にロングをさせてもらって、フィーリングがすごくよかったので、明日はいい結果が出せると思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
予選2回目に続いて行われたスーパーラップでは、5台のNSXが圧倒的な速さをみせつけ、1分49秒842という驚異的なタイムを叩き出した#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)がポールポジションを獲得することとなった。
GT300クラスは、午前中コースレコードを更新した#13エンドレスアドバン洗剤革命Zが、さらにタイムを更新してポールポジションを獲得した。
スーパーラップは午後3時よりGT300クラスから開始された
最初に出走したのは#87ムルシエラゴ。アタックを担当した桧井保孝のタイムは2分06秒221。
風の影響からか、午前中のタイムを上回れなかった。
#31MR-Sの峰尾恭輔、#88ムルシエラゴの山西康司も午前中の自己ベストを上回れず、#7RX-7の井入宏之に至っては2分04秒842に留まり、クラス9番手までポジションダウンすることとなった。
#46Zの佐々木孝太は東コースだけで山西を1秒近く上回ったが、シケイン立ち上がりでダートにはみ出し、最終的には2分03秒808とコンマ4秒上回るにとどまった。
続いて出走したのは2年ぶりにGTに戻ってきた#43ガライヤ。ドライバーは新田守男だ。
新田はセクター1,2,3で佐々木の後塵を拝するも、最終セクターで逆転、2分03秒503でトップに立った。
続く#62ヴィーマック、#2紫電はタイムが伸びず、ガライヤの後塵を拝することとなった。
#62ヴィーマックは#46Zにも抜かれて2ポジションダウンだ。
昨年新田がドライブした#101トイストーリーMR-Sを駆る大嶋和也は2分02秒411と、午前中の影山正美(#13Z)のレコードタイムを打ち破ったが、その影山正美は2分02秒254と更にタイムを縮め、堂々ポールポジションを獲得した。
続いて始まったGT500のスーパーラップは、300同様強い追い風の影響を受けつつも、ほぼ全車が午前中の自己ベストを更新したが、#23ザナヴィZの本山哲は1分51秒967と午前中のタイムを下回って2ポジションダウン。#22モチュールZのミハエル・クルムもベストは更新したものの9番手に後退と、Z勢には厳しい結果となった。
レクサスSC勢は着実にタイムを削り取ってきたものの、#39サードはポジション変わらず。#6ルマンはポジションを一つ上げるに留まり、唯一#38セルモSCの立川祐路が5番手タイムを叩き出し、好調なNSX勢に割って入るに留まった。
今回のスーパーラップでは5台のNSX勢が圧倒的な速さを見せ付け、上位6台中5台をNSXが占めることとなった。
まずは午前中8番手の#100レイブリックのドミニク・シュワガーが1分51秒213と、午前中のタイムを1秒以上更新すると、#32エプソン、#17リアル、#18TAKATA童夢らは相次いで1分50秒台を記録してみせる。
そして最後に出走した#8ARTA NSXを駆る伊藤大輔は、1分49秒842と唯一の49秒台を叩き出し、2位以下をコンマ7秒以上突き放す大差でポールポジションを決めてみせた。
スーパーGT第1戦決勝は明日午後2時より、52周で戦われる。
スーパーGT第1戦、鈴鹿GT300kmの公式予選2回目が、午後2時25分より各クラス15分づつで行われ、GT500クラスでは#23ザナヴィニスモZ、GT300クラスは#13エンドレスアドバン洗剤革命Zがトップタイムを記録した。
ここでのタイムは直接にはグリッド順に影響しない。
しかし午前中に予選通過基準タイムをクリアできていないチーム、ドライバーにとっては予選通過のかかった大切なセッションだ。
GT500クラスは全車が基準タイムをクリアしているため、スーパーラップあるいは決勝を想定したチェック作業に終始したが、GT300ではタイム計測のできなかったJLOCのガヤルド2台と、#118、#70のポルシェが基準タイムクリアに賭けることとなった。
しかし結局ガヤルドはここでも出走できず、2台のポルシェも基準タイムには届かず、決勝進出はならなかった。
ただしこの鈴鹿戦に関しては、決勝出走台数の上限が45台となっているため、出走嘆願により決勝に臨むことになるものと思われる
各クラス上位10台の決勝グリッドを決めるスーパーラップは、午後3時より行われる
国内レースの2007シーズン開幕となる、スーパーGT第1戦、鈴鹿300kmの公式予選1回目が3月17日午前、快晴の鈴鹿サーキットで行われた。
暫定ポールを獲得したのは、#8ARTA NSX(伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組)で、タイムは昨年の自身のレコードを大きく上回る1分50秒426だった。
GT300クラストップは#13エンドレスアドバン洗剤革命Z(影山正美/藤井誠暢組)。タイムは2分02秒536と、こちらもGT300クラスのコースレコードを大きく上回ることとなった。

公式予選1回目は、当初予定より5分遅れの午前10時15分より60分間で行われた。
予選開始時の気温は11℃、路面温度は14℃と、肌寒いコンディションだ。
まずはGT300クラスの専有走行から開始された。
序盤から精力的に周回を重ねていた#101トイストーリーMR-Sが、大嶋和也のドライブにより開始10分で2分02秒923と、昨年のレコードを早くも更新してみせると、2番手には2年ぶりに復活した#43ARTAガライヤがつける。
しかし残り時間が7分を切った辺りから各車ペースアップしていき、#62ウィルコムヴィーマックが2分03秒180、続いて#2プリベKENZO紫電が2分03秒038と、ガライヤのタイムを上回る。
更には影山正美のドライブする#13エンドレスZが、専有残り5分で2分02秒536と、大嶋のタイムを上回ってトップに躍り出た。
続いてはGT500の専有走行。
#39デンソーサード、#6フォーラムエンジニアリングルマン、#35バンダイのSC430勢が序盤からタイムを出しに行く一方で、NSX勢、Z勢は残り時間10分を切ってから漸くコースへ出て行った。
まずは片岡龍也の駆る6号車が開始8分で1分52秒460を出し、昨年伊藤大輔の記録した1分52秒663を早々と上回ってトップへ。
続いて、インスタレーションラップでリヤに履いていたタイヤをフロントに装着するという、一風変わった熱の入れ方を試みたニスモ勢の1台、#22モチュールオーテックZがミハエル・クルムのドライブにより、1分52秒293と片岡を上回ると、その直後に#38ZENT SCの立川祐路が1分51秒969とタイムを更に縮める。
そして、昨年のレコードホルダー、伊藤大輔の駆る#8ARTA NSXが1分50秒426という、圧倒的なタイムを叩き出して一気にトップに躍り出た。
更に、今季から新たに参戦を開始した#17リアルNSXが1分51秒201、#18TAKATA童夢NSXが1分51秒048、#32EPSON NSXが1分51秒523と、NSX勢が上位4つまでを占め、#100レイブリックも8番手と、全車がスーパーラップ進出を果たすこととなった。
一方、Z勢はニスモの2台、レクサス勢は#6、#38、#39がスーパーラップ進出を果たした。
コーナリングスピードの低減を狙ってステップドボトムを導入した2007レギュレーションであったが、各チーム、メーカーの開発努力により、今回の予選では逆にコースレコードを2秒以上短縮するという、皮肉な結果となった。
公式予選2回目とスーパーラップは午後2時25分より行われる。
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、「フォーミュラ・ワン世界選手権(F1)」、米国の「NASCAR」、日本の「SUPER GT」・「フォーミュラ・ニッポン」等のトップカテゴリーへの参戦と、今後が期待される有望なドライバーの育成を活動の柱とし、2007年のモータースポーツ活動を推進する。
日本では、SUPER GTでGT500クラスの車両を全てレクサスSC430とし、昨年に続きタイトル獲得に挑む。またフォーミュラカーのトップカテゴリー「フォーミュラ・ニッポン」へのエンジン供給も継続する。
一方、世界トップクラスで活躍するドライバーの育成を目指し、推進中のトヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム(以下TDP)において、本年は国内外の11名のドライバーを選出。GP2やF3など実戦での取り組みとともに、F1テストへの参画等、幅広い機会を捉え資質向上を図る。
また、昨年、一般車のハイブリッドシステムの性能向上をも視野に入れた技術開発の一環として本格レースに挑戦、完走を果たした、ハイブリッド・モータースポーツへの取り組みも引き続き推進する。
このほか、モータースポーツ振興の観点から、トップクラスからグラスルーツレベルまで、多様なカテゴリー・イベントへの支援を継続的に行う。
なお、トヨタのモータースポーツ活動は、東富士研究所のモータースポーツ部を中心に、日本では、トヨタテクノクラフト(株)TRD(以下TRD)、欧州ではToyota Motorsport GmbH(トヨタ モータースポーツ有限会社、以下TMG)米国ではTRD, U.S.A. Inc.(以下、TRD-USA)を各地域での開発拠点として位置づけている。
SUPER GT
日本におけるトップカテゴリーとして、引き続きTRDを通じ参戦チームを支援。
参戦車両は、V8 4.5L エンジン(3UZ-FE)を搭載するレクサス SC430《GT500クラス》、V6 3.5L(2GR)を搭載するトヨタ MR-S《GT300クラス》。
|
チーム名 |
車両 |
ドライバー |
タイヤ |
GT500 クラス |
トヨタ・チーム・セルモ (TOYOTA TEAM CERUMO) |
レクサス SC430 |
立川祐路 (Yuji Tachikawa 日本) |
ブリヂストン |
髙木虎之介 (Toranosuke Takagi 日本) |
トヨタ・チーム・トムス (TOYOTA TEAM TOM'S) |
レクサス SC430 |
脇阪寿一 (Juichi Wakisaka) |
ブリヂストン |
アンドレ・ロッテラー (Andre Lotterer ドイツ) |
トヨタ・チーム ルマン (TOYOTA Team LeMans) |
レクサス SC430 |
ビヨン・ビルドハイム (Bjorn Wirdheim スウェーデン) |
ブリヂストン |
片岡龍也 (Tatsuya Kataoka 日本) |
トヨタ・チーム・クラフト (TOYOTA TEAM KRAFT) |
レクサス SC430 |
服部尚貴 (Naoki Hattori 日本) |
ダンロップ |
ピーター・ダンブレック (Peter Dumbreck スコットランド) |
トヨタ・チーム・ツチヤ (TOYOTA TEAM TSUCHIYA) |
レクサス SC430 |
織戸 学 (Manabu Orido 日本) |
ヨコハマ |
土屋武士 (Takeshi Tsuchiya 日本) |
トヨタ・チーム・サード (TOYOTA TEAM SARD) |
レクサス SC430 |
アンドレ・クート (Andre Couto ポルトガル) |
ブリヂストン |
平中克幸 (Katsuyuki Hiranaka 日本) |
GT300 クラス |
エーピーアール (APR) |
トヨタ MR-S |
T.B.N. |
ミシュラン |
| T.B.N. |
エーピーアール (APR) |
トヨタ MR-S |
石浦宏明 (Hiroaki Ishiura 日本) |
ミシュラン |
大嶋和也 (Kazuya Ohshima 日本) |
レーシング・プロジェクト・バンドウ (RACING PROJECT BANDOH) |
T.B.N. |
T.B.N. |
T.B.N. |
(※T.B.N. 後日決定)
全日本選手権 フォーミュラ・ニッポン
日本におけるフォーミュラカーレースのトップカテゴリー。
今年はV8 3Lエンジン(TOYOTA RV-8-J)を7チーム14台に供給。
| チーム名 |
台数
|
ドライバー |
モバイルキャスト チーム インパル (mobilecast TEAM IMPUL) |
2 |
ブノワ・トレルイエ (Benoit Treluyer フランス) 松田 次生(Tsugio Matsuda 日本) |
アラビアン オアシス チーム インパル (Arabian Oasis TEAM IMPUL) |
2 |
本山 哲(Satoshi Motoyama 日本) ミハエル・クルム(Micheal Krumm ドイツ) |
コンドー レーシング (KONDO RACING) |
2 |
柳田真孝(Masataka Yanagida 日本) ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Joao Paulo de Oliveira ブラジル) |
フォーラム エンジニアリング チーム ルマン (Forum Engineering Team LeMans) |
2 |
片岡龍也(Tatsuya Kataoka 日本) 髙木虎之介(Toranosuke Takagi 日本) |
チーム レックレス セルモ (TEAM RECKLESS CERUMO) |
1 |
立川祐路(Yuji Tachikawa 日本) 佐々木孝太(Kota Sasaki 日本) |
インギング モータースポーツ (INGING MOTORSPORT) |
2 |
ロニー・クインタレッリ(Ronnie Quintarelli イタリア) 横溝直輝(Naoki Yokomizo 日本) |
ディーエイチジー トムス レーシング (DHG TOM'S RACING) |
2 |
アンドレ・ロッテラー(Andre Lotterer ドイツ) T.B.N. |
(※T.B.N. 後日決定)
その他の活動支援
(1) 全日本F3選手権
F1への登竜門となる、フォーミュラ・カテゴリー。トヨタは従来の2L・3S-GEエンジンに加え新開発の1AZ-FEエンジンを供給。
使用チームおよびドライバーラインナップは以下のとおり。
| チーム名 |
台数 |
ドライバー(予定)
|
ドライバー
|
トムス (TOM’S) |
3 |
大嶋和也(Kazuya Ohshima 日本) 石浦宏明(Hiroaki Ishiura 日本) オリバー・ジャービス(Oliver Jarvis イギリス) |
TDPドライバー TDPドライバー |
インギング モータースポーツ (INGING MOTORSPORT) |
1 |
ロベルト・ストレイト (Robert Streit ブラジル) |
|
ナウモータースポーツ (NOW MOTOR SPORTS) |
1 |
関口雄飛(Yuhi Sekiguchi 日本) |
TDPドライバー |
ル・ボーセ (Le Beausset) |
1 |
嵯峨 宏紀(Kohki Saga 日本) |
|
ZAP SPEED (ザップスピード) |
1 |
T.B.N. |
|
(※T.B.N. 後日決定)
(2) ESSO・フォーミュラトヨタシリーズ
若手ドライバー育成カテゴリーとして定評のある初級フォーミュラカーレース。車両はTRDが開発したFT30型ワンメイク。1.6Lエンジン(4A-GE)を搭載。
(3) FCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)
2年目となるエントリークラスのフォーミュラ・カテゴリー。
車両は、FCJ専用独自開発車両(FC106)のワンメイク。
(4) Netz Cup ヴィッツレース
一般公道も走行可能なナンバー付車両で争われるレース。
(トヨタ ヴィッツRS 1.5L車をベースとする専用車両 トヨタ ヴィッツRS TRD Racing)
5つの地方シリーズ(北海道・東北・関東・関西・西日本)で全22戦を開催。
今年は富士スピードウェイで開催されるF1日本グランプリのサポートレースとして特別戦が
用意される。また、トヨタ・モータースポーツフェスティバルでも特別戦を予定。
(5) その他、各種活動への支援
従来の旧型ヴィッツ1.0L(SCP10)に加え、現行ヴィッツRS 1.5L(NCP91)での参加も
可能になった、ワンメイクラリー「TRD Vitz Challenge」(全7戦)の開催。
トヨタモータースポーツクラブ(TMSC)の活動支援 等
TDP(トヨタ・ヤング・ドライバーズ・プログラム)
世界および日本のトップカテゴリーにおいて活躍できるレーシングドライバーの育成を
目的としたプログラム。才能ある人材を発掘し、それぞれが実力に応じてステップアップできるシステムとし、欧州・日本で以下のように展開。
| |
ドライバー |
カテゴリー |
チーム |
(ご参考)06年参加カテゴリー |
| 欧州 |
平手 晃平 (Kohei Hirate 日本) |
GP2 |
rident Racing (イタリア) |
欧州F3 ランキング3位(1勝) |
中嶋 一貴 (Kazuki Nakajima 日本) |
DAMS (フランス) |
欧州F3 ランキング7位(1勝) |
小林 可夢偉 (Kamui Kobayashi 日本) |
ユーロF3シリーズ |
ASMフォーミュラ3 (ASM Formule3 フランス) |
欧州F3 ランキング8位(最高位2位)ルーキーランキング1位 |
アンドレア.カルダレッリ (Andrea Caldarelli イタリア) |
欧州フォーミュラ・ルノーおよびイタリアフォーミュラ・ルノー |
プレマ・パワーチーム (Prema Powerteam イタリア) |
イタリア フォーミュラ・ルノー参戦 |
ヘンキ・ワルドシュミット (Henkie Waldschmidt オランダ) |
欧州フォーミュラ・ルノーおよび イタリアフォーミュラ・ルノー参戦 |
マーティン・プロウマン (Martin Plowman イギリス) |
| 国内 |
大嶋 和也 (Kazuya Ohshima 日本) |
全日本 F3選手権 |
トムス (TOM'S) |
全日本F3 ランキング2位(3勝) |
石浦宏明 (Hiroaki Ishiura 日本) |
全日本F3 ランキング9位(1勝) |
関口雄飛 (Yuhi Sekiguchi 日本) |
ナウモータースポーツ (NOW MOTOR SPORTS) |
エッソ・フォーミュラトヨタチャンピオン(6勝)FCJチャンピオン(3勝) |
井口 卓人 (Takuto Iguchi 日本) |
フォーミュラ・トヨタおよびFCJ |
トムス・スピリット (TOM‘S SPIRIT) |
エッソ・フォーミュラトヨタ ランキング5位(最高位3位) |
松井孝允 (Takamitsu Matsui 日本) |
(06年フォーミュラトヨタ ・レーシングスクールにて選抜) |
(ご参考)フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)について
「フォーミュラトヨタ」を使用し、富士スピードウェイで実施するレーシングスクール(時期は後日お知らせ)。
TDPの一環として、基礎指導から模擬レース参加まで、2泊3日で行うレーシングスクール。本コース受講者の中から、優秀で将来性の見込めるドライバーに対しオーディションが行われ、最終選抜されたドライバーに次年度のスカラシップを実施。
ハイブリッドカーによるモータースポーツ参戦
2006年、今後の市販車両への技術的なフィードバックを前提にハイブリッドシステムの更なる小型軽量化や高効率化等を目指す開発の一環として、十勝24時間レースに「レクサスGS450h」で参戦、参戦33台中総合17位で完走。
(全開加速・急減速を繰り返す、レース走行においても約5%の燃費改善効果を確認。)
本年も、ハイブリッドシステムの技術革新に向けた開発と、モータースポーツにおける可能性調査のため、レース参戦を検討中。
以上

伊沢 拓也 / DOME F107 MF204C 塚越 広大 / DOME F107 MF204C
(C) FMOTORSPORTS (C) FMOTORSPORTS
(株)童夢はホームページにおいて、来期は全日本F3への参戦計画のないことを明らかにした。今期一杯でホンダからの委託契約が切れることによるためとしている。
M-TECからのF3エンジンの供給計画や、今期童夢 F107シャーシを使用した戸田レーシングの来年の予定はまた別に発表となる。
童夢のF3は2003年シーズンからオリジナルシャーシが登場、一時ローラと提携してイギリスF3やドイツF3などにも登場したが、4シーズンで開発終了ということになる。
今期の全日本F3では伊沢 拓也のドライブする戸田レーシングの童夢 F107は2勝をあげ、もう1台の無限からの塚越 広大が1勝している。11月のマカオGPでは塚越 広大もダララ・シャーシに変更となっていた。
童夢のSGTやFNでの活動は今期と同様のものとなる模様。
さらに、Racing for Holland から S101で出場するルマン24時間レースも今期と同様、ただしマシンはモデファイされ S101.5 という感じになる模様。ルマン以降、ALMSへの出場も模索している状況のようだ。
S101 は T2M (金子家敏代表)から、ルマン LMP2クラスへの出場の打診があり、「童夢の所有する全ての部品を無償貸与する」という方法で参加することになる。これもかなりマシンのモディファイが必要であるとのこと。

アンドレ・ロッテラー(優勝)
タフなレースでした。みんなにとってもそうだったんじゃないでしょうか。
前のクルマの後ろにつくと視界が全然ないし、雨はあとからどんどん降ってきましたし。
レインセッティングでは、車高を合わせるのにみんな苦労していたんじゃないでしょうか。
僕らもスタートのときのような(雨の少ない)状況に合わせていたので、低すぎました。
ノーピットでいこう、と最初から決めていてフルタンクでスタートし、マップもローパワーに設定していましたからストレートでは厳しかったですが、コーナーでは車は安定していました。
いいクルマを仕上げてくれたことと、作戦がうまくいったことに関してはチームのみんなに本当に感謝しています。
このフォーミュラニッポンは一年目のチームでしたが、その割には頑張っていたし、結果も残せたので良かったと思います。
最高の誕生日プレゼントになりましたね。
松田次生(2位)
今回もスタートを意識しすぎて決まらなくて、順位を落としてしまいました。これは来年に向けての課題で、克服しないといけませんね。
スタートシグナルが思ったより早く消えたので、クラッチをパン!と繋いでしまってホイールスピンをさせてしまったんです。FCJのスタートを参考にしてタイミングを計ってたつもりだったんですが、予想以上に消えるのが早かったです。
燃料はアンドレより軽めでギリギリだったので、1ストップでいくことにしました。アンドレも入るだろうと思っていましたし、チームも無線でそう予想していましたが、読みが外れてしまいました。クルマはずっといい状態だったので、チームには感謝しています。
片岡龍也(3位)
予選順位が10番手だったことを考えると、予想通りの位置でフィニッシュできましたから、作戦はうまくいきましたね。トムスはノーピットだと思っていましたがインパルとARTAと中企は入るだろうと予想していて、それでもインパルには追いつけないだろうなとは思っていましたから。
ウチもアンドレと同じくローパワーのマップでしたが、最後までギリギリの状態で、途中アクセルを抜いたりもしたんですが、チェッカーを受けた直後にエンジンが止まってしまいました。
舘信秀(優勝チーム監督)
予選は5番手で、本山君のことがあってセカンドローからスタートすることになりましたが、これは今シーズンの最高位です。
今まで予選一発のセッティングに悩んでいたんですが、今回はうまくいきました。
ウチはFポンとF3を同じエンジニアがやっているので、今までアンドレは会話が充分に出来なくてストレスが溜まっていたんですが、今週きてみたら非常にいい顔をしていたので、そのへんもうまくいってたんでしょうね。
でも実力だけで見れば今回はブノワのぶっちぎりだったろうと思います。ですから運も良かったんでしょうね。ロッテラーも粘っこいレースをしてくれました。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2006全日本選手権フォーミュラニッポンの最終ラウンド、第9戦鈴鹿の決勝は雨の降り続く中で51周が戦われることとなった。
コースの各所でスピン、クラッシュが相次ぐ中、#36アンドレ・ロッテラー(DHGトムス)がノーピット作戦を敢行して見事今季2勝目を挙げ、自らの誕生日を勝利で祝った。
決勝を目前にして雨が再び降ってきた。
コース上は完全なウェット。
サポートレースのFCJがスタートディレイになった影響もあり、フォーミュラニッポン最終戦の決勝は予定より10分遅れの午後2時15分にフォーメーションラップが開始された。
雨は小降りになってきたが、コースのあちこちに水たまりができ、難しいコンディションだ。フォーメーションラップで新チャンピオンのブノワ・トレルイエがスピンする波乱があったが、運良くスタート順を落とすことなく、トレルイエは隊列に加わった。
ポールの松田次生がスタートを失敗して順位を落とすのを尻目に、その脇をすり抜けたトレルイエがトップで1コーナーへ進入、2番手に小暮卓史、3番手には2コーナー立ち上がりで金石年弘をかわして順位を挽回した松田がつけた。
反対に金石は行き場をなくして6番手に後退することとなった。
トップに立ったトレルイエは快調に後続を突き放しに掛かる。
2番手小暮との差は1周目1秒3、2周目には2秒0まで開いた。
3周目のデグナー2つ目でオーバーランして、一時は小暮との差が1秒2に近づく場面もあったが、ファステストラップを連発しながら再び小暮を突き放しに掛かり、10周を終えて1-2位の差は再び2秒を越えた。
なんとかトレルイエに追いつきたい小暮だったが、セクター1、2ではしばしば速さをみせつつも最終区間だけはどうしてもタイムを詰められず、その上11周目のスプーンをオーバーラン、逆に順位を落としてしまう。
なんとかコースには復帰したものの、この間に松田が2位に上がり、アンドレ・ロッテラーも背後に迫ってきた。
この結果、トップのトレルイエは2位に対して7秒以上のマージンを得ることとなった。
順調に2分2秒台のペースで周回を重ねるトレルイエ。
松田もほぼ同ペースで追い上げるが、両者の差は中々縮まっていかない。
15周を消化して雨脚が再び強くなってきた。
これに伴い上位陣のペースが徐々に落ちていく中、2位の松田は懸命にトレルイエに追いすがり、一時は僅かづつではあるが差を縮める場面もあったが、トレルイエも23周を終えた辺りから再びペースを上げ、25周目には2分2秒台までペースを戻して、松田との差を10秒1と突き放す。
小暮もしばしば上位2台のペースを上回るが、既に松田との間には10秒の差が出来てしまっている。
一時はこのまま3者こう着状態でレースは進行するかと思われた。
ところが27周目に波乱が待っていた。
トップのトレルイエがスプーンで突然コントロールを失ってコースを飛び出し、バリヤに後ろから激しく突っ込んでしまったのだ。
トレルイエにとっては今季初めての、しかし最大のミステイク。
これで松田がトップに立った。
2番手の小暮は11秒後方、3番手にはロッテラーがつけている。
松田はその後もペースの上がらない小暮を徐々に突き放し、24秒以上のマージンを築きあげる。
しかし松田が40周終わり、小暮は42周終わりで給油を行ったのに対して、ロッテラーは一向にピットに入るそぶりを見せない。
トムスはノーピット作戦を選択していたのだ。
上位2人のピットストップを尻目にトップに繰り上がったロッテラーは、8秒後方から懸命に追い上げる松田を寄せ付けないハイペースでレース終盤を支配し、見事無給油で51周を走りきり、今季2度目、通算3度目の勝利を最終ラウンドで挙げることとなった。
2位には松田、3位にはこちらもノーピットで順位を上げた片岡龍也が入り、一時はトップに立った小暮は4位でレースを終えた。
またしても雨のレースとなった第9戦決勝はコースのあちこちでスピン、クラッシュが相次いだ。
午前中のフリー走行でクラッシュした高木虎之介が1周目のS字でまたもやクラッシュしたほか、2周目の1コーナーでは荒聖治が飛び出して早々とレースを終え、21周目の最終コーナーでは武藤英紀、25周目のデグナーでは立川、36周目の逆バンクでは横溝直輝がバリヤの餌食となった。
エンジン換装で12番手に下げられた本山哲も21周目のスプーンでスピンを喫した上、25周目のヘアピンで再びスピンアウト。
前年王者はついに未勝利のまま2006シーズンを終えることとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:FMOTOR
鈴鹿サーキットで行われているフォーミュラニッポン第9戦の決勝前フリー走行は、ハーフウェットから徐々に乾き始める路面コンディションの中で行われ、#31ロイック・デュバル(PIAA nakajima)の出した1分48秒249がベストタイムとなった。
フリー走行は午前8時30分より開始された。
昨夜から降ったりやんだりを繰り返している小雨の影響で、開始時点の路面はハーフウェットの状態。
このためフリー走行開始に先立ってウェット宣言が出された。
走り始めは大半のドライバーがウェットタイヤを選択していたが、走行が進むにつれて路面は次第に乾き始め、それに合わせて徐々にスリックタイヤに履き替えるドライバーが増えていった。
ラップタイムも、最初は2分を越えていたが、いち早くスリックに履き替えたブノワ・トレルイエが開始から10分が経過したところで1分57秒669を記録。
この時点でウェットタイヤのベストは武藤英紀の1分59秒380。
このあたりから徐々にスリックタイヤ勢がウェットタイヤのタイムを上回り始めた。
雨は殆ど止んでいる。
予定時間の半分を消化したところで、トレルイエは53秒087までタイムアップ。
58秒637の高木虎之介が2番手につけていたが、すぐにポールシッターの松田次生が56秒179を出して上回ってきた。
そして、残り時間が10分を切ったところでデュバルが51秒189を出してトップに。2番手には今回初参戦のJ.P.オリベイラが52秒766で続く。
デュバルはその後も区間ベストを次々に更新し、50秒117を記録する。
井出有治も50秒612を出して2番手に上がってきた。
これに対してトレルイエは残り時間7分のところで49秒927と、いち早く50秒台の壁を破ってみせるが、すかさずデュバルも49秒436を出してくる。
ここからチェッカーまではこの二人が交互にベストタイムを出し合う展開となり、最終的に48秒249までタイムを縮めたデュバルがこのセッションのトップタイムとなり、新チャンピオンのトレルイエは48秒474がベストとなった。
以下、3番手にポールシッターの松田、4番手に井出、5番手にロッテラー、6番手には終了間際にタイムを上げた本山が入った。
第9戦決勝は午後2時5分より、51周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:FMOTOR
松田次生(ポールポジション)
とりあえず小暮選手からポールを奪えたのは嬉しいです。
星野監督からも『ポールを取らなきゃ駄目だぞ』と言われていましたし、地元レースということもあり、今回こそはポールを獲りたい、という強い気持ちがありました。
クルマは走り出しから良かったのですが、小暮選手は更に速かったので、『何が足りないのだろう』ということをチームと詰めていって、セクター3が遅い、ということでセッティングと乗り方を改善して午後の予選に臨み、その結果としてあのタイムが出せたのは良かったです。午後は気温が下がったことで、実はもっとタイムが出ることを想定していたんですが、思ったよりタイムが上がりませんでした。
悪くても42秒台前半、良ければ41秒後半はいく、と思っていたんですが。
明日は晴れならこのままいけちゃいそうなんですが、雨ということなので、フリー走行でクルマを仕上げて、スタートでミスをしないように気をつければ、勝てると思います。
本山哲(予選2位、ただし明日は12番手スタート)
シーズン後半になってからはずっと小暮のポールが続いていて、インパルはレースでは好調ですけど、予選はドライバーとして面白い部分でもありますし、なんとしても予選で小暮に勝とうと、そしたら前にもう一人いて(苦笑)。
まぁタイムは悪くないですし、いい予選ではありました。
(10グリッド降格するが)レースについてはこれから考えますが、初めから決まってたことですし、それはそれとして一つでも上のグリッドを狙っていくことに変わりはありませんから。
明日は僕が追いつくまで松田に押さえててもらって(笑)、表彰台に上がりたいです。勝ちたい気持ちは変わりませんから、頑張ります。
小暮卓史(予選3位、明日は2番手スタート)
クルマは持ち込んだ時点からフィーリングがよく、昨日と午前中は速く走れました。でも午後の予選はインパル勢との接戦になると思っていたので、3セット目のアタックの前にセッティングを少し変えたんですが、タイムが出なかったので元に戻しました。それでアタックのタイミングが取れませんでした。
でも、もしタイミングが合ったとしてもポールが取れてたかどうかは判りませんね。
アタックが出来なかったのは悔しいです。
明日はポールじゃないお陰で、いい意味でプレッシャーもないので、落ち着いて松田選手を追い回して生きたいですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2006全日本選手権フォーミュラニッポン第9戦鈴鹿の公式予選2回目は、#20松田次生(mobilecast TEAM IMPUL)が会心のアタックで1分42秒133のレコードタイムを叩き出し、午前中トップの小暮卓史を大幅に上回って今季初のポールポジションを獲得することとなった。
公式予選2回目は午後3時15分から開始された。
気温は午前中より更に下がり、空もどんよりと曇ってきたが、最後まで雨は降らず、終始ドライコンディションでの走行となった。
午前中トラブルのためにタイム計測が出来なかった井出有治を先頭に各車一斉にコースイン。まずはユーズドタイヤでの走行となったが、午前中トップタイムの小暮だけはピットで待機する作戦に出た。
結局、セッション前半でタイムアップを果たしたのは、午前中コースアウトのために2セット目のアタックが出来なかったロイック・デュバルと、今ひとつタイムの伸びていなかった道上龍のみ。道上は総合15番手までポジションアップできたが、デュバルの順位は11番手で変わらず。
ノータイムだった井出は最初のアタックで44秒479を出し、チームメイトのビルドハイムを上回る総合14番手につけた。
開始から23分が経過したところで漸く小暮がコースイン。
まずはブレーキに熱を入れるためにユーズドタイヤで走行し、続いて3セット目のニュータイヤを投入するが、タイムは42秒745と、午前中よりもコンマ3秒遅いタイム。
セッション開始前に施したセッティング変更が裏目に出てしまった。
この間に3セット目のニュータイヤを投入したインパル勢の本山哲が42秒548、松田次生は42秒422を記録、松田は午前中の小暮のタイムを上回って総合トップに立った。
このため、小暮は4セット目のアタックを前にセッティングを元に戻すこととなったが、このためにコースに出て行った時点で残り時間はすでに7分を切っており、小暮はトラフィックにも捕まって完全にアタックのタイミングをはずしてしまった。
一方のインパル勢は、松田が残り3分を切ったところで渾身のアタックを敢行、41秒台すら視野に入ろうかというペースで東コースを走り抜けていく。
結局セクター4が思ったほど延びず、41秒台には届かなかったが、タイムは42秒133と後続を引き離すには充分なレコードタイムで、今季初のポールポジションを最終戦でもぎとった。
2番手には42秒361を出した本山。小暮は3番手に終わったが、本山は前戦もてぎでエンジンブローに見舞われ、最終戦を前にエンジン換装を行っているため、10グリッド降格が決まっており、明日の決勝は小暮2番手、ブノワ・トレルイエが3番手スタートとなり、本山は12番手グリッドから上位を狙うこととなる。
第9戦決勝は明日午後2時5分より、51周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:FMOTOR
全日本選手権フォーミュラニッポン第9戦の公式予選1回目は、#56小暮卓史(ARTA)がコースレコードとなる1分42秒466を叩き出し、5戦連続ポール獲得に向けて幸先のいいスタートを切った。
フォーミュラニッポンの2006シーズンもいよいよ最終戦。
公式予選日を迎えた鈴鹿サーキット上空は晴れ。11月も半ばを過ぎたこともあり、気温、路面温度はいずれも低め。
公式予選1回目は午前10時10分より45分間で行われた。
真っ先にコースインしたのはインギングの横溝直輝だったが、1周でピットへ。
横溝は昨日の合同テストでクラッシュし、左フロントサスとサイドポンツーンを破損したため、修復されたクルマのチェックを行った模様だ。
続いて道上龍、J.P.オリベイラの5ZIGEN勢、KONDOの荒がコースイン。5ZIGENの2台は計測せずにピットへ戻ったが荒はアタックに入り、1分46秒442を記録した。
5ZIGENの2台もすぐにコースに戻り、最初のアタックに取り掛かる。
道上は45秒816がこの時点でのベスト。
今回がフォーミュラニッポン初参戦となるオリベイラも45秒948、45秒382と着実にタイムを縮め、この時点で金曜のベストタイムを上回った。
予選開始から15分が経過した辺りから他のドライバーも徐々にコースに出始め、1セット目のアタックに取り掛かった。
前戦もてぎでチャンピオンを決めたブノワ・トレルイエは20分すぎにコースイン、まずは43秒823でこの時点での2番手につける。この時点でのトップは1分43秒631を出した土屋武士だ。
トレルイエのチームメイト、松田次生、本山哲らは25分過ぎあたりからコースに入り、松田が43秒448、本山は43秒148と相次いでトップタイムを更新していく。
しかし、本山がトップタイムを記録した直後、一番最後にコースインした小暮がいきなり42秒695を叩き出し、一気にトップに躍り出た。
小暮は2セット目のアタックでも42秒466と更にタイムを縮め、ここでも圧倒的な速さを見せつけている。
本山も最後のアタックで自己ベストを更新したものの、42秒850に留まり、2番手に終わった。トレルイエ、松田らも2セット目のアタックで42秒台に入るものの、いずれも小暮には及ばず3、4番手に終わった。
ARTAのもう一人、金石年弘は43秒256で6番手につけている。
公式予選2回目は午後3時15分より45分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: FMOTOR
GT500クラスチャンピオン #36オープンインターフェース・トムスSC430
脇阪寿一
今週末ここに来るまで、トムス、BS、TRD全員で念入りに準備をしてきました。
タイトルの掛かった最終戦というのはプレッシャーが凄くて、みんなミスしたり、行き過ぎてしまったりしがちなので、自分たちだけはミスなく落ち着いていこう、とアンドレと話し合っていました。
今日のレースでは、序盤の混乱をアンドレがスーパードライビングで切り抜けてくれて、ファーマンとのバトルも制して4位まで上げて渡してくれたので、僕は後ろのモチュールのペースを見ながら走っていました。(片岡)龍也が絶対抑えてくれると信じていましたが。
ですから今回のタイトルは、トヨタ系の全てのチーム全員で勝ち取ったタイトルだと思っています。
昨年のオフに色んな決断をして、人生を変えるほどの決断をしました。タイトルを取るためにここ(トムス)へきて、一年目でタイトルが取れたので嬉しいです。
アンドレ・ロッテラー
最高です。僕にとってだけでなく、チーム全員にとって最高の結果です。
2004年にフォーミュラニッポンのタイトルを取るチャンスがあったのに、叶いませんでしたが、今回GTのタイトルを取ることができて嬉しいです。
このチームに入って本当に良かったと思います。
今シーズンは鈴鹿で優勝できたことが自信につながりましたし、チーム全員が「勝つしかない」という気持ちでハードに戦ったのが良かったのだと思います。
また、トヨタのサポートなくしてはできなかったことでもありますし、スポンサーやファンの応援も忘れてはなりません。皆さんに感謝しています。
関谷正徳(チーム監督)
うれしい以外の言葉が見つかりません。
勝つことによって色んなものが好転していきますから、そこでまた嬉しさも倍増するんだろうな、と思います。
今年の僕の一番の課題は、二人のわがままなドライバーを気持ちよく走らせること、でした。第1戦で勝てたことで、流れがよくなりました。
二人とも言いたいことを言ってくれたので逆にやりやすかったし、最終戦もいい流れで計算どおり運びました。
全ての流れがトムスに来てたな、という感じです。
GT300クラスチャンピオン #7雨宮アスパラドリンクRX-7
山野哲也
本当に夢のような展開でした。
序盤に自分のミスで順位を落としてしまい、がむしゃらに順位を挽回していきましたが、そのうちに紫電が見えてきたので、あ、悪い順位じゃないんだな、と思いました。
ピットに戻ってクルマを降りたときの雨宮さんの目は怒ってたんですが、井入クンが頑張ってくれて、最後は運が守ってくれた感じです。
クルマが決勝セッティングでは安定していたのもわかっていましたし、タイヤも良かったですが、6位に入れるなんて夢のようです。
RE雨宮は、僕が初めてGTに乗るチャンスをくれたチームで、メンバーもその頃と変わっていませんから、チャンピオンをプレゼントできてよかったです。
今日は一人で天国と地獄を見たような一日でした。
井入宏之
ウチのクルマは直線が厳しいので、スタートが心配でしたが、山野さんがうまくこなしてくれました。
今回のクルマは一発は厳しいけどコンスタントラップは良かったので、二人で「表彰台を狙おう」って言ってたんですよ。
でも、悪夢の大スピンがモニターに映ったときは、ピット中が凍りました。
あの時点で半分諦めてましたが、それでも最後まで頑張ろうと思いました。
ウチは今回、リストリクターを絞ってウェイトハンデを降ろす作戦だったので、単独走行は良いんですが、前のクルマを抜くのには苦労しました。
僕は今年でGTは3年目ですが、3年前にチャンスをくれた雨宮でチャンピオンを取れて良かったです。
最後はピットから「P7」のボードが出ていたので、本当に自分が6位かどうか自信が無くて、フィニッシュの瞬間は実感がわかなかったんですが、ヘアピンを走っている頃にチームが漸く確認を取って無線を入れてくれたので、そこで実感できました。
雨宮勇美(チーム監督)
感無量です。
今まで12年やってきて、チャンピオンが取れるなんて考えてもいませんでした。
ドライバー、チームスタッフ全員が頑張ってくれました。
ゴール直後は正直(チャンピオンが取れたと)良く判っていなかったんですが、表彰に呼ばれて「あ、そうなのかな」と思ったくらいです。
表彰台の上から見渡したら、思ったより沢山のお客さんが喜んでくれてて、嬉しかったです。今はまだ頭が真っ白で、よくわかんないです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI

GT500クラス優勝 #32EPSON NSX
ロイック・デュバル
GTシリーズへの参戦は新しい経験だったので大変な一年でしたが、やりがいのあるシーズンでした。しかも、最後に勝つことが出来てパーフェクトです。
この経験は来年に向けても良い材料になると思います。
GTは300クラスとの混走なのが一番難しかったです。
接触すればこっちのせいになるので、うまく避けながら、なるべくロスをしないで走るのは大変でした。
それに、GTはフォーミュラと違って大きく重いので、それに慣れるのも大変でしたね。
武藤英紀
単純に、嬉しいです。
これまで中々結果を残せないできましたが、最後に勝てて嬉しいです。
今日はデュバル選手が前半でリードを築いてくれたので、最後のほうはクルマを労わりながら走りました。
タイヤは完璧でした。ダンロップ勢が1-2フィニッシュできたのはタイヤの力が大きいと思います。
沢山ミスをしたシーズンでしたが、そのたびに学んで、多くのことを吸収しました。
最後に勝てたのは、そういう一年を締めくくる意味でも良かったです。
GT300クラス優勝 #101トイストーリーレーシングMR-S
新田守男
13回目の優勝、というのは気にしていませんでした。嬉しいです。
最終ラップで真一が無線で「ヴィーマックを抜いた!」と言ってきて、「え?ホント?ホント?」って思ってるうちに真一がやって来たので、そこで勝ったと判りました。
今シーズンはふがいない結果が続きましたが、全ての人たちの力で最後に勝利をもぎ取ったという感じです。
真一に代わってからスタビが調子よくなかったようですが、今回は作戦面でもうまくいっていました。
みんなで一生懸命頑張った結果が最後に出て嬉しいです。
高木真一
みんな何が起きたか知らないでしょう?
僕も信じられないくらいです。
最終コーナーのひとつ手前でヴィーマックがふらふらしているのが見えて、あれ?っと思ったんですが、無線では何も言ってこないので、一瞬トップのクルマかどうか判りませんでした。昨年ガライヤで楽させてもらった分、今年はMR-Sで苦労しましたが、TRDさんが頑張ってくれて前回からエンジンも良くなりましたし、ミシュランさんも良いタイヤを用意してくれました。今回は本当に恵まれてるなぁ、と思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2006AUTOBACSスーパーGT第9戦は、ポールからスタートした#32EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)が後続を全く寄せ付けない走りで66周を独走し、今季初勝利を挙げた。
2位には#35バンダイDIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック組)がつけ、ダンロップタイヤユーザーが1-2フィニッシュを達成した。
GT500のシリーズタイトルは、ポイントリーダーの#100レイブリックNSX(セバスチャン・フィリップ/細川慎弥組)が13位ノーポイントに終わり、#36オープンインターフェース・トムスSC430(アンドレ・ロッテラー/脇阪寿一組)が4位に入ったため、トムスSCが1997年以来9年ぶりに王座を獲得することとなった。
GT300クラスは、#101トイストーリーレーシングMR-S(新田守男/高木慎一組)が波乱のレースを制し、シリーズタイトルは6位に入った#7雨宮アスパラドリンクRX-7(山野哲也/井入宏之組)がものにした。これで山野はGT300クラスで3連覇を成し遂げたことになる。
2006シーズン最後の戦いは、午後2時にフォーメーションラップがスタートした。
ポールシッターのエプソンNSXがトップをキープして1コーナーへ飛び込み、一気に後続を突き放しに掛かる。
その後方では#8ARTA NSX、#36オープンインターフェースSC、#1ZENT SCが激しい5位争いを展開した。3台は1周目のダンロップコーナーで並走状態となり、真ん中に挟まれた#1ZENT高木虎之介がアウト側にいた#8ラルフ・ファーマンと接触してしまう。
これによりZENT SCはコースアウト。最後尾で復帰したもののそのままピットへ戻ってレースを終えた。
ARTA NSXも右リヤタイヤをバーストさせてスローダウン、ピットへ戻ってタイヤを交換する間に周回遅れとされた上、21周を消化した頃になってドライブスルーペナルティを課されることになった。
これにより、ランキング4位のZENT、同7位のARTAは王座獲得の可能性がなくなった。
生き残った36オープンインターフェースSCのロッテラーは、4位を走る#3イエローハットZの横溝直輝を追い上げ、25周終わりで3号車がピットインしたことで4位に繰り上がった。
36号車は30周終わりでピットへ。ルーティン作業に36秒を要した3号車に対し、トムスのクルーは29秒で作業を終え、脇阪寿一をコースへ送り出した。
これにより脇阪は#3J.P.オリベイラの前でコースに戻り、4位の座を守った。
このままフィニッシュできれば#36トムスSCの獲得ポイントは80となり、#100レイブリックNSXの79を上回る。
一方、そのレイブリックNSXは、8周目のダンロップコーナーで#23ザナヴィZ松田次生を押し出してしまい、ドライブスルーペナルティを受けてしまう。
これによりレイブリックはポイント圏外の13位に後退、押し出されたザナヴィZも11位と、こちらもポイント圏外に。
ザナヴィZが王座を獲得するには、最低でも3位に入らなければならず、この時点でザナヴィZの王座獲得もほぼなくなった。
トムス同様4位入賞が最低条件の#18TAKATA童夢NSX、3位表彰台が条件の#22モチュールZはこの時点で8位、9位を走行しており、この2台も上位入賞はかなり厳しい状況だ。
シリーズタイトルはほぼ、#36、#100の2台に絞られた。
トップを快走する#32エプソンNSXは30周終わりでピットイン、余裕を持ってタイヤ4本を交換し、武藤にステアリングを託す。
武藤はファステストラップを更新する攻めの走りで残り36周を走りきり、今季初の、そしてルーキードライバー二人にとってはGTで初めての勝利を挙げた。
その32秒後方では、57周目から10周にわたって#24ウッドワンZ荒聖治の猛チャージを受けた#35バンダイSCの服部尚貴が最後まで2位の座を守りきってフィニッシュ。
これによりダンロップタイヤは1-2フィニッシュを達成するとともに、第3戦の富士500㎞に続いての富士2連勝をも成し遂げた。
最後までバンダイSCを追い続けたウッドワンZにとっても、これが今季初の表彰台となった。
4位には#36オープンインターフェースSC。見事80ポイントを獲得し、#100レイブリックNSXを1ポイント上回って今シーズンのタイトルを獲得した。
これはチームトムスにとっては1997年(ミハエル・クルム/ペドロ・デ・ラ・ロサ)以来の久々のタイトルとなった。
一方、GT300クラスはスタート前から波乱が待っていた。
ポールシッターの#777梁山泊MR-Sがエンジン始動に手間取り、ピットスタートとなってしまったのだ。
これで前方の開けた予選2位の#19ウェッズスポーツセリカだったが、オープニングラップで#9レイジュンMTと#96EBBRO350Rの先行を許してしまう。
2周目で96号車をパスし、2位まで挽回した#19松田晃司だったが、6周目には予選10番手から一気に順位を上げてきた#26タイサンGT3に追い上げられ、12周目にはクラス2位の座を奪われてしまった。
#26タイサンGT3を駆る山路慎一は更にトップを走る#9レイジュンMTにも追いつき、トップ争いを挑んでいく。
ところが29周目のヘアピンで、後方から2台をラップしようとした#8ARTA NSXに弾き飛ばされ、9号車は左リヤの足回りを壊してそのままピットへ戻り、レースを終えることとなった。
#26タイサンGT3はトップのままコースへ復帰して走り続けるが、その後方から追い上げてきたのが、ピットスタートとなったはずの#777梁山泊MR-Sだ。スタートドライバーの大嶋和也はファステストラップを連発しながら瞬く間に順位を上げ、30周目には遂に2位に浮上してきた。
#26山路が35周終わりでピットへ入ったことでトップに繰り上がった大嶋は、その後もハイペースで40周を走り、大きなリードを築いて田中実に交代した。
ところが田中は44周目のヘアピン立ち上がりで単独スピンを演じてしまう。
この隙に#62ウィルコムヴィーマック408R、#101トイストーリーMR-S先行を許してしまう。
更に後方からは#19ウェッズスポーツセリカの脇阪薫一も迫り、45周目のダンロップへの進入で田中が姿勢を乱した隙に脇阪はインをついて3位に。
ここから上位陣は#62、#101、#19の順で淡々と周回を重ねていく。
一方、タイトルを争う3台は、#2プリベチューリッヒ紫電が加藤寛規の好走で一時はトップに立ち、ピットストップを終えてからも6位の好位置を走行する一方で、#7雨宮RX-7はスタートドライバーの山野哲也が6周目のヘアピン立ち上がりでなんと単独スピンをしてしまい、大きく順位を落としてしまう。#61アネブルヴィーマック320Rはクラス20番手前後の苦しい戦いを続けている。
一時はクラス24番手まで後退した雨宮RX-7はしかし、そこからしぶとく順位を回復していき、クラス4位まで挽回した36周終わりでピットイン、13位でコースに復帰した。
後退した井入宏之もしぶとく周回を重ね、50周目には#2紫電の背後に張り付き、52周目の1コーナーで#2高橋一穂のアウトに並びかけ、コカコーラコーナーの進入で完全に前に出る。
これでRX-7は10番手、紫電はポイント圏外の11番手となった。
雨宮RX-7がポイントで紫電を逆転するには、6位以内に入らなければならない。
55周目に#26タイサンGT3と#46吉兆宝山Zを抜いて8位に浮上した井入は、7位#55フォードGTを執拗に攻め立てる。
しかし、ウェイトハンデ軽減を狙ってリストリクターを絞ってきた最終戦仕様のRX-7には、直線でフォードGTを抜き去るスピードが足りない。
しかし58周目、#55に接触によるドライブスルーが宣告される。
これで雨宮RX-7は7位に繰り上がった。
しかし、6位を走る#88ムルシエラゴは5秒前方。残り周回数はあまりにも少ない。
ところが。
ファイナルラップとなった61周目。
トップを走っていた#62ウィルコムヴィーマックが最終コーナー手前で突如スローダウン。
コース脇にクルマを停めてしまった。
これにより、2位を走っていた#101トイストーリーMR-Sはトップでチェッカーを受けることとなり、雨宮RX-7も6位に繰り上がった。
#2紫電は11位に終わったため、6位5ポイントを獲得した雨宮RX-7が今回ノーポイントの紫電と86ポイントで並び、上位入賞回数(2位獲得数)の差で雨宮RX-7、山野/井入組がドライバーズとチームの両タイトルを独占することとなった。
これで山野哲也はGT3003連覇を達成し、RE雨宮は参戦12年目にして初の栄冠を勝ち取った。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
2006AUTOBACSスーパーGT第9戦の決勝前フリー走行は、#35バンダイDIREZZA SC430(服部尚貴/ピーター・ダンブレック組)が1分35秒296でトップタイムだった。
GT300は#46吉兆宝山DIREZZA Z(佐々木孝太/番場琢組)がトップ。タイムは1分43秒597だった。
いよいよ最終決戦の日がやってきた。
2006スーパーGT第9戦の決勝日、富士スピードウェイ上空は朝から快晴。絶好のレース日和だ。
決勝に向けての最後の調整となるフリー走行は午前9時5分より、30分間で行われた。
ここでトップタイムを記録したのは#35バンダイSC。昨日の予選に続いて好調ぶりを見せ付けている。タイムは1分35秒296を早々と叩き出した。
2番手には#3イエローハットZ、3番手には#24ウッドワンZと、2台のZが続いた。
タイトル争いの掛かる8台は、#18TAKATA童夢NSXが5位、#8ARTA NSXが6位、#1ZENT SCが7位、#22モチュールZが8位と僅差でつらなる。
その一方で、予選から苦戦の続く#100レイブリックNSX、#23ザナヴィZ、#12カルソニックZは下位に沈み、決勝も苦しい戦いになりそうだ。
また、ポールシッターの#32エプソンNSXは、開始8分過ぎに右フロントタイヤがパンクするトラブルに見舞われてしまい、開始早々にデュバルの記録した1分36秒947がベストタイムとなった。
目立った外傷はなかったが、右ホイールハウス内を破損していた模様。
修復後、武藤にスイッチして一旦コースに出てはきたが、すぐにピットに戻り、エプソンNSXは早々と走行を切り上げた。
GT300クラスは、予選7番手の#46吉兆宝山Zが好調。1分43秒597を記録して、ダンロップ勢が両クラスでトップタイムを記録することとなった。
2番手には#101トイストーリーMR-Sが続き、ポールシッターの#777梁山泊MR-Sは3番手につけた。
タイトル争いに残った3台は、#7雨宮RX-7が13位、#61アネブルヴィーマック320Rが20位、#2プリベ・チューリッヒ紫電が22位に終わり、ポイント争いは混乱が予想される。
スーパーGT第9戦の決勝は、今日午後2時5分より、66周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #32EPSON NSX
ロイック・デュバル
ポールを獲れたことは嬉しいです。ただ、スーパーラップは良い内容じゃありませんでした。
タイヤを暖めるのが難しく、フロントは特に厳しかったので、1コーナーでアウトに膨らんでしまいました。その分、2コーナー以降で頑張らないと、と思ったのですが、セクター1、2とうまくいきませんでした。今回ポールは獲れましたが、僕自身は33秒0を狙っていたので残念です。
僕らは救済措置で大きなリストリクターを使えますし、ダンロップが頑張ってくれたお陰でタイヤも安定しているので、明日の決勝では優勝を狙います。
武藤英紀
昨日、今日、とクルマは安定していますし、リストリクターが大きいことも300を抜くときにアドバンテージになると思いますし、タイヤも長持ちします。明日の決勝が楽しみです。
明日は他のクルマのことは考えずに、自分の走りに集中します。
二人ともルーキーということで不安もありましたし、ここまで思うような結果が出せずに辛い毎日を送ってきましたが、明日は良い走りをして有終の美を飾り、今まで支えてくれたチームに恩返しをしたいです。
GT300クラス #777梁山泊aprMR-S
大嶋和也
とにかく嬉しいですし、ほっとしました。
クルマは凄く速くて、僕がミスさえしなければ結果は出ると思ってました。ピットレーンでシグナルグリーンになるのを待っているときは緊張しましたが、コースに出ると落ち着いて走れました。
去年からエンジン形式が変わり、中々良い状態になりませんでしたが、TRDのみなさんが頑張ってくれて、オートポリスからエンジンを変えて良くなりました。
決勝では優勝を狙います。
タイヤもクルマもエンジンも凄くいいので、僕がミスさえしなければ勝てるはずです。
田中実
ずっとストレートスピードでビハインドを抱えてましたが、前回のオートポリスから良くなりました。まだ一番ではありませんが、確実にボトムアップしています。
救済措置もあり、ポールを狙える状態になりましたが、ここできちんとポールを獲ってきたので、大嶋には及第点を上げたいです。
ウチのチームはシミュレーションを徹底的にやるので、そのチーム力の集大成を明日見せたいです。
まとめ: Kazuhisa SUHEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2006AUTOBACSスーパーGT最終戦、富士GT300㎞の公式予選2回目とスーパーラップが11月4日午後、富士スピードウェイで行われ、GT500は#32EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)、GT300は#777梁山泊aprMR-S(田中実/大嶋和也組)がそれぞれポールポジションを獲得した。
EPSONの2人と大嶋にとって、これがGTでの初めてのポールとなった。
予選2回目は2時10分に開始された。
今回は予選1回目の時点で全ドライバーが基準タイムをクリアしており、予選2回目はスーパーラップや決勝へ向けてのチェックがメインとなる。
GT300、GT500の順で各20分間行われた予選2回目では、GT300は#777梁山泊aprMR-Sの大嶋和也、GT500は#32EPSON NSXのロイック・デュバルと、いずれも午前中の暫定ポールの車両がトップタイムを記録した。
タイムはそれぞれ1分43秒114、1分34秒773だった。
GT500の公式予選2回目終了から5分のインターバルを経て、いよいよ明日の決勝上位10台のグリッドを決めるスーパーラップが開始された。
GT300最初のアタッカーは#26タイサンGT3。ドライバーは山路慎一。
コカコーラコーナーでリヤが流れた分タイムをロスしたか、1分43秒994に終わった。
続いて#13エンドレスZのアタッカーは影山正美。
セクター1で遅れをとったが、セクター2、3をうまくまとめて1分42秒482を記録した。
これは午前中の予選で2番手に相当する好タイムだ。
この後に続く#110トータルベネフィットのボクスターを駆る菅一乗、#47吉兆宝山Zの安田裕信#46佐々木孝太らは自身の午前中のタイムを上回ることもできず、#62ウィルコムヴィーマック、柴原眞介は42秒595と午前中よりタイムを上げたものの、いずれも影山の後塵を拝することとなった。
しかし7番手出走の#9レイジュンMTのOSAMUが1分42秒385で影山を上回ってきた。
OSAMUはセクター2で遅れをとったが、セクター1、3の区間タイムで影山を上回った。
更に、続いてアタックに入った#19ウェッズスポーツセリカ、脇阪薫一は1分42秒289と、午前中の暫定ポールタイムをも上回ってこの時点でのトップ立った。
9番手出走の#96EBBRO350Rの黒澤琢弥は42秒437。
タイムアップは果たしたものの脇阪、OSAMUには及ばなかった。
しかし最後にアタックした#777梁山泊MR-S。大嶋和也は縁石に乗り上げるアグレッシブな走りで1分41秒778を叩き出してみせ、自身初のポールポジションを決めた。
続いて始まったGT500。
#36オープンインターフェースSC、脇阪寿一の出した1分34秒525を、#25エクリプススープラの土屋武士、#22モチュールZのミハエル・クルム、#6モービル1SCの片岡龍也らは上回れずに順位を落としていく。
片岡はセクター2で脇阪を上回ったが、クールダウン中のクルムに最終コーナーで追いついてしまい、34秒551と僅かに及ばなかった。
しかし5番目に出走した#1ZENT SCの立川祐路はセクター1こそ遅れをとったが、その後の区間タイムをうまくまとめて1分34秒203を出し、この時点でのトップに立つ。
続いて出走の#8ARTA NSX伊藤大輔は34秒397と、立川を僅かに下回ったが、#24ウッドワンZの柳田が立川を1000分の8秒上回る34秒195、#3イエローハットZのJ.P.オリベイラも1分34秒084といずれも午前中のタイムを上回ってきた。
しかし今回好調のダンロップ勢はここでも速く、#35バンダイSCの服部尚貴は33秒775と更にタイムを上げ、最後にアタックした#32EPSON NSXのロイック・デュバルも33秒668と、こちらは午前中のタイムには及ばなかったものの、トップの座は守りきって明日の決勝に臨むこととなった。
スーパーGT第9戦決勝は明日午後2時5分より、66周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
2006AUTOBACSスーパーGT第9戦の公式予選1回目が11月4日、富士スピードウェイで行われ、GT500は#32EPSON NSX(ロイック・デュバル/武藤英紀組)が1分33秒108で暫定ポールを獲得した。
GT300トップは#777梁山泊 apr MR-S(田中実/大嶋和也組)で、1分42秒312だった。
スーパーGTの2006シーズンもいよいよ最終戦。
GT500は8台、GT300は3台がチャンピオンの権利を残して最後の戦いに臨む。
公式予選日を迎えた富士スピードウェイは朝方分厚い雲が上空にかかっていたが、予報では雨の心配はなさそうだ。
スーパーラップ進出をかけた公式予選1回目は、午前10時10分から、GT300の専有走行で始まった。
開始早々から速さを見せたのは#9レイジュンのモスラーMT900。OSAMUのドライブでいち早く1分42秒台のタイムを叩き出してトップに立ち、その後も順調にタイムを上げていく。
しかし開始から14分経過したところで、2番手につけていた#777梁山泊MR-Sの大嶋和也が1分42秒312を出してトップに躍り出た。
更に、それまで後方に沈んでいた#19ウェッズスポーツセリカの脇阪薫一も1分42秒647でいきなり2番手に上がってくる。
更にその1分後、#96EBBROのヴィーマック350Rを駆る黒澤琢弥が1分42秒489で脇阪を上回り、#47の安田裕信、#46の佐々木孝太らの吉兆宝山Z勢も専有終盤に上位に食い込んできた。
専有終了間際には、#62ウィルコムヴィーマックの柴原真介が6番手に上がってきた。
一方、タイトルを争う3台は、ポイントリーダーの#2紫電が加藤寛規のドライブで9番手タイムを出した一方で、#7雨宮RX-7は14番手、#61アネブル320Rは20番手と苦しい滑り出しだ。
20分間をフルに使った熾烈なタイムアタック合戦となったGT300の専有に続いて、GT500の専有走行が10時30分より開始された。
しかしこちらはGT300とは対照的に、殆どのクルマが開始10分を過ぎてもコースに出てこない。
この時点でタイムを記録しているのは、1分35秒803を出した#23ザナヴィZの本山のみだ。
GT500クラスの本格的なアタック合戦は残り時間8分を切ったところで漸く始まった。
各車1周をウォームアップに充て、2周目からアタックに掛かる。この辺りは午後のスーパーラップと全く同じ手順だ。
最初にアタックに入ったのは#25エクリプススープラの土屋武士、#1ZENTSCの立川祐路が続く。ここで立川が1分34秒372で本山を上回った。
しかしその直後、前回の富士500kmを制した#35バンダイSCを駆る服部尚貴が1分33秒923と、いきなり33秒台を叩き出してトップに。
本山も再びアタックに入り、タイムアップを図るが1分35秒136にとどまり、逆に今回からNAエンジンを投入した#22モチュールZを駆るミハエル・クルムの先行を許して6番手に後退してしまう。
更に専有終了間際になって、#8ARTA NSXの伊藤大輔、#24ウッドワンZの柳田真孝、#6モービル1SCの片岡龍也らがタイムを上げ、上位に食い込んできた。
そして専有走行が終わり、2クラス混走の20分間が始まろうかというところで、#32EPSON NSXがいきなり1分33秒108という圧倒的なタイムを叩き出し、一気にトップに躍り出た。
これで2番手の#35バンダイSCとともに、ダンロップタイヤが1-2を形成した。
最後の20分間は、GT500がドライバー交代を行って基準タイムクリアに専念する一方で、GT300クラスではスーパーラップ進出を掛けた熾烈な戦いが再び行われた。
ここでタイムを上げて上位進出を果たしたのが#110ボクスター、#13エンドレスZ、#26タイサンGT3、#7雨宮RX-7、#101トイストーリーMR-Sの5台。
これにより、SL圏内の9番手にいた#2紫電は一気に13番手まで後退することとなった。
ここで再び加藤が乗り込んで順位挽回を図ったが、既に残り時間は僅かとなっており、加藤は1分43秒009までタイムを縮めたが、順位は13番手のままに終わった。
しかし#7雨宮RX-7は11番手、#61エナブル320Rは21番手に留まっており、タイトルの行方は未だ混沌としている。
公式予選2回目は午後2時10分から、スーパーラップは午後2時45分頃から行われる予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
LMP1クラス優勝 #16無限クラージュLC70
荒聖治
1回しかレースしていないのにスーツがぼろぼろになってしまいました。そのぐらい頑張った、ということです。
もてぎでは致命的なトラブルが出て、もうレース云々以前の状態でしたが、そこから今日までの間に無限のスタッフがクルマをここまで仕上げてくれたことに感謝しています。
僕と黒澤がトラブルなく、自分たちのペースで走れば結果はついてくると思っていましたが、ザイテックのペースが凄かったので、不安はありました。
僕らはミシュランタイヤの安定性を武器に、ペース配分を考えていました。
勝てて本当に嬉しく思います。
黒澤治樹
やっと勝てました。それが一番の感想です。
今年は年間を通じて、M-TEC、クラージュと国内と海外両方やらしてもらっていましたが、思いの外トラブルが多くて、ヨーロッパは全戦リタイヤになってしまいました。
それで体制を大きく変え、無限とクラージュのスタッフが互いに行き来しながら必勝体制で最終戦に臨みましたから、今日勝てて良かったと思います。
メカニックにとっても、目を真っ赤にして寝ないで頑張ってくれましたので、本当によかったというか、安心しました。
LMP2クラス優勝 #4NSC & LAV-TEC MYZ GC-21ng>
坂本祐也
無事走りきれてよかったです。
F3ベースのクルマを耐久仕様にしているので、完走できるか心配でした。
ですから予選のタイムは気にしてなくて、3人がタイムを揃えてトラブルなくいこうと思っていましたが、それが良かったのだと思います。
行方由久
完走すれば結果はついてくると思っていました。
スタートしてすぐに楽な状況になりました。
藤井誠暢
無事完走できて良かったです。
クルマ自体がGCなので、毎回完走できるか心配だったんですよ。
1戦目は全然耐久仕様になっていなくて、勝てるクルマじゃなかったんですが、第2戦、第3戦と仕上げていって勝つことが出来ました。
LMGT1クラス優勝 #88チームJLOCウィズアドバン
山西 康司
率直に嬉しいです。嬉しい気持ちで一杯です。
今回はヨコハマタイヤのマッチングが凄くよくて、予選から良い走りが出来ました。
クルマも調子がよく、最後にトラブルが出た以外は問題ありませんでした。
ルマン24時間を走った速いクルマを用意してくれた則竹さんに感謝しています。
桧井 保孝
昨日の会見で自分たちのペースを守って走るといいましたが、そのとおりになりました。
今回は各車ともトラブルを抱えていて、いかにトラブルを克服するか、というレースになりました。
来年はもっと競い合うレースになればいいと思いますし、そうなればもっと面白くなると思います。
最後はバイブレーションが出ていました。ペースを落としてでも勝とう、ということで走れる範囲の最大限のペースで走りました。
WADA-Q
最初に、JLOCとヨコハマの皆さんに感謝の言葉を贈ります。
ルマン24時間では残りほんのちょっとのところで結果が出ませんでしたが、今日は結果が出せたので嬉しいですし、JLOCのスタッフも喜んでいると思います。
今日のレースでクルマの信頼性とチームの総合力を実感できましたし、まだまだ速くなると思いました。
LMGT2クラス優勝 #930アイ・スペースRUSH
松島 豊
まさか勝てるとは思っていませんでした。
レース前半は問題なかったのですが、後半に入ってミッションのシャフトが折れて、4速固定の状態になってしまいましたので、完走できただけでも嬉しいのに、優勝というおまけまでついてきました。
固定されたのが4速じゃなかったら、完走できなかったと思います。
乾 武
今日初めて全日本選手権のこういう場に来ました。
松島さんに誘われて、1年前から準備してきましたが、今は本当に感謝しています。
垣内 仁
本当にボロいクルマだったんです。
完走できてよかったです。
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝は、総合トップの#16無限クラージュLC70(荒聖治/黒澤治樹組)が243周を走り終えたところで6時間が経過し、規定によりレース終了となった。
最終順位は
16-4-88-21-9-111-20-930-66-27-52-77-65-7-37-15-8-5-18-3
となった。
初参戦となった第2戦ではギヤボックストラブルに泣いた#16無限クラージュは、惜しくも1000kmには届かなかったが、2位に17周もの大差をつけてチェッカーを受けることとなった。
序盤トップを独走するも、冷却系や電気系のトラブルで大きく出遅れた#21ダンロップザイテック05s(野田英樹/加藤寛規組)は遂に111号車に追いつき、これを抜き去ってLMP1クラス2位、総合4位でフィニッシュ。
途中、ピットレーンの速度違反で30秒ストップのペナルティを受ける場面もあったが、最後まで1分24秒台で周回を重ねて速さを見せ付けた。
LMP2クラスは、#4NSC&LAV-TEC MYZ GC-21(坂本裕也/行方由久/藤井誠暢組)が総合2位でフィニッシュ。#18エイムスポーツが87周でストップしたため、シリーズチャンピオンも4号車に決定した。
2位には#52HAKUHOカーグラフィックミストRS倶楽部(脇知邦/古谷昌義/塚原久組)が総合11位ながらしぶとく走りきった。
LMGT1クラスは総合3位の#88チームJLOCウィズアドバン(山西康司/桧井保孝/WADA-Q組)が制し、アークテック-レイジュンアンドA&S MT(OSAMU/田中勝喜/飯島寛也組)が2位につけた。
トラブルで後退した#20ダンロップフェラーリ550はクラス3位、総合7位でレースを終え、シリーズポイントも13と、#9モスラーを1ポイント上回ってタイトルを獲得することとなった。
LMGT2は結局、#930アイ・スペースRUSH(松島豊/乾武/垣内仁組)が4速固定の状態で最後までトップの座を守って195周を走りきった。
シフトリンケージトラブルで大きく後退した#27シンワサービスRSR(青山光司/高木真一/新田守男組)は、クラス2位、総合10位まで挽回してシリーズチャンピオンを獲得した。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝は開始から5時間が経過。
トップの#16無限クラージュLC70(荒聖治/黒澤治樹組)は201周を消化してピットイン。何事もなければこれが最後のルーティン作業になるものと思われる。
5時間経過時点での順位は
16-4-88-111-9-21-65-20-930-66-52-27-77-8-7-37-15-5-18-3
となった。
LMP1クラスの#21ザイテックは再びペースを上げ、1分23~24秒台を連発。
4時間終了時点で7周あった111号車との差を一気に2周にまで縮めてきた。
これでクラス2位はほぼ射程距離に入ってきた。
LMP2クラスは#4GC-21が順調にトップを走行。2位以下は相次いでトラブルに見舞われ、クラス2位の#52号車でさえ総合11位と大きく引き離されている。
LMGT1クラスも#88ムルシエラゴのトップは変わらず。
#20フェラーリはクラス順位は変わらないものの、総合順位は7位まで挽回してきた。
LMGT2は上位陣に相次いでトラブルが発生。
まずクラス2位の#930アイ・スペースラッシュ964のシフトリンケージにトラブル。状況確認のためにピットに戻り、原因を突き止めるのに8分以上を要した。結局、リンケージが折れており、修復不能なため、4速ホールドのまま最後まで走り続ける、とチームは決断し、再びコースへ送り出した。
これにより、930号車はトップの#77上高井戸歯科GT3に4周の差をつけられるが、その77号車もドライブシャフトにトラブルが発生。交換のためピットに留まることになってしまう。
これで930がトップに立った。
クラス2位には、まさかのシフトリンケージトラブルで40分以上のタイムロスを喫した27号が順位を挽回してきた。
しかしこのクラスはいずれの車両もトラブルを抱えており、あと1時間でどういう結末が待っているか、全く予想がつかない。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝は開始から4時間が経過、トップは#16無限クラージュLC70(荒聖治/黒澤治樹組)で変わらず、161周を消化。
4時間経過時点での順位は
16-4-88-9-111-21-65-77-27-20-930-8-66-52-7-5-37-18-15-3
となっている。
クラージュは相変わらず1分26秒~28秒台で順調に走行中。
#21ザイテックは1分26~27秒台とややペースが落ちたものの、着実に順位を挽回して総合6位、クラス3位に上がってきた。
クラス2位の#111スクーデリアガレージプラスワンのSK-93との差は7周。しかしザイテックは111号車との差を1周あたり10秒づつ詰めてきている。
LMP2トップの#4GC-21は、一時LMGT1トップの#88ムルシエラゴに総合2位の座を奪われたが、再び抜き返して総合2位を走行中。
LMGT1も#88ムルシエラゴがトップを快走。#9モスラーとの差は5周だ。
サスペンショントラブルでピットに留まっていた#20ダンロップフェラーリ550は、それ以外にバッテリーの交換も行って20分以上の作業時間の後、総合11位、クラス3位でコースに復帰、現在総合10位を走行中。
LMGT2はトップを独走していた#27シンワサービスRSRにトラブルが発生。
134周目の1コーナーに入ったところでシフトレバーが折れてしまい、4速ホールドのまま緊急ピットイン。
修復作業の間に#77プロモデット上高井戸歯科GT3がトップに立った。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝は開始から3時間が経過、現在のトップは#16無限クラージュLC70(荒聖治/黒澤治樹組)で、122周を消化。
このペースでは271周を走りきる前に6時間が経過してしまうため、今回も6時間レースとなりそうだ。
3時間経過時点での順位は
16-4-88-9-27-20-111-77-65-930-5-8-21-66-52-7-18-37-3-15
となっている。
クラージュは120周終わりでルーティンストップ。
黒澤治樹も2スティントを走行するようだ。
既に総合2位との差は8周、クラス2位とは15周の差をつけ、1分26~28秒台で余裕を持って周回している。
#21ザイテックは野田英樹がコンスタントに1分24秒~25秒台のハイペースで追い上げ、クラス4位、総合13位まで順位を戻して95周終わりでピットストップ。加藤寛規に交代して更なる上位進出を目指す。
LMP2は#4NSC&LAV-TECがトップをキープ。
また、このクラスで予選トップながらエンジントラブルでストップしていた15号車は、修復なって走行を再開、現在46周を走行している。
LMGT1はクラス2位につけていた#20ダンロップフェラーリ550が110周終わりでサスペンショントラブルのためにピットイン。修復にかかっており、この間に総合6位、クラス3位まで順位を落としている。作業は未だ続行中だ。
これでトップ#88号車は変わらず、2番手に#9アークテック・レイジュンのモスラーMT900Rが上がってきた。
これにより、シリーズタイトルの行方も判らなくなってきた。
LMGT2は、2位につけていた#5チーム高見沢が100周目の1コーナーでコースアウト、そのままリタイヤとなった。
これにより、トップ#27号車に続いて#77プロモデット上高井戸歯科GT3が2番手に上がってきた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スポーツカー耐久選手権第3戦の決勝は45周を消化した。
現在のトップは#16無限クラージュLC70(荒聖治/黒澤治樹組)
ポールシッターの#21ダンロップザイテック05sは44周終わりでルーティンストップを行ったところ、冷却系にトラブルが発生し、そのまま修復作業に入っている。
45周終了時点の順位は、
16-21-88-4-3-20-27-111-9-5-77-52-930-8-7-65-18-37-66-15
だ。
午前11時、予定通りフォーメーションラップが開始された。
ポールシッターの#21ザイテックがトップで1コーナーに飛び込むと、序盤から一気に#16クラージュを突き放しに掛かる。
スタートドライバーはザイテックが加藤寛規、クラージュは荒聖治だ。
加藤は1周目で荒に4秒3の差をつけると、2周目7秒6、3周目10秒5と順調にリードを築いていく。
荒も懸命にザイテックを追い、周回遅れの出始めた4周目以降はほぼ互角のペースに持ち込むが、それでも少しづつその差は開いていき、30周を終了した時点でその差は26秒273となった。
その後、クラージュは40周終わりで最初のピットストップを行い、ザイテックは44周終わりでトップのままピットレーンへ。
ところがここでまたしてもザイテックにトラブルが襲い掛かる。
ピットレーンへ入ったところで水温が急上昇、21号車はそのままピットにとどまり、修復作業に取り掛かることとなってしまった。
これで2位を走行していたクラージュがトップに繰り上がった。
LMP2クラスは予選トップの#15真神パワーがいきなり1コーナーで飛び出し、大きく順位を落とす波乱の展開。
15号車はコースに復帰、2周を周回した後にピットへ。冷却液がもれたためにエンジントラブルを誘発、レースを終えることとなった。
また、クラス2番手スタートの#18エイムスポーツGC-21には3周終了時点でスタート違反による30秒ペナルティの提示があり、6周終わりでピットイン。
これでトップに立ったのは#4NSC&LAV-TECのGC-21だ。
LMGT1は#88JLOCウィズアドバンのムルシエラゴが総合でも3番手につける快走。
#20ダンロップフェラーリ550に40秒の大差をつけている。
LMGT2は#27シンワサービスがトップ。総合でもトップ10圏内を走行中だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
岡山国際サーキットで行われている全日本スポーツカー耐久選手権第3戦は決勝日を迎えたが、ウォームランにおいても#21ダンロップザイテック05s(野田英樹/加藤寛規組)の速さは圧倒的で、1分22秒508と、2番手の#16無限クラージュLC70に2秒以上の差をつけ、ここでも総合トップとなった。
以下、LMP2クラスは最終戦に新型車KK-LMを投入した#15真神パワーアドバンミストRS倶楽部(阪口良平/植田正幸/石川資章組)、
LMGT1はルマン24時間本番車を持ち込んだ#88チームJLOCウィズアドバン(山西康司/桧井保孝/WADA-Q組)、
LMGT2は#27シンワサービスRSR(青山光司/高木真一/新田守男組)、
と、全て予選トップのチームがここでもトップタイムを記録し、仕上がりの良さをアピールした。
天候は朝から晴れ。絶好のレース日和だ。
決勝レースは今日午後11時より、271周(6時間)で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
LMPクラスポールポジション #21ダンロップザイテック05s
野田英樹
クルマのポテンシャルどおりにミスなく走ればタイムが出るだろうと思っていましたが、そのとおりにいいタイムが出せました。
クラージュがもっとクルだろうと思っていたんですが、スピンしたみたいで、あっけなく終わったなという感じです。
でも、ロングランのタイムはウチと変わらないので、明日はどうなるか判りません。
1秒くらいしかタイム差がないので、ちょっとしたことであっという間に状況が変わってしまいます。まぁお客さんにすれば面白いでしょうね。
加藤寛規
合同テストにもってきてからセッティングの方向が決まってきましたし、タイヤもいいものが出来ました。
クラージュとは接戦になると思いますが、トラブルさえなければいい思いが出来るのかなと思っています。
ここまでトラブルでリタイヤが続きましたが、トラブル箇所は判ってて、重点的に対策をしてきたので今度は大丈夫だと思います。でも、今までも「年1回あるかないか」というトラブルが毎回起きているんですよね。
LMGTクラスポールポジション #88チームJLOCウィズアドバン
山西康司
今回のクルマはルマン24時間を走ったクルマそのもので、走り出しから調子がよく、何の問題もでていません。僕自身は昨日初めて乗りましたけど。
ザイテックの野田さんが速いタイムを出していたので、ヨコハマさんから「あまり離されるな」と言われてて、それがちょっとプレッシャーになってましたが、ミスなく走れ、タイムも出て嬉しかったです。
桧井保孝
僕はアタックしていないので何も言うことはありません。よく頑張ってくれたと思います。
今までは(フェラーリと)大きく離されてて、拮抗していなかったのですが、今回も相手を気にせず自分のペースで走ります。
WADA-Q
このレースでルマンカーを初めて走らせますが、ヨコハマさんが力を入れてくれてますし、チーム一丸となって頑張った結果、ポールが取れたのだと思います。
ドライバーズ予選で走ったときに良くなっていたので、午後も期待できると思っていました。明日もトラブルがなければいけると思います。
フェラーリとランボルギーニというライバル同士の戦いになり、願ってもない面白いシチュエーションですね。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2006スポーツカー耐久選手権、JLMC第3戦のグリッド予選は、#21ダンロップザイテック05s(野田英樹/加藤寛規組)が1分20秒251と、今回も他を圧倒する速さでポールポジションを獲得した。
GTクラスのトップは、#88JLOCウィズアドバンで、1分29秒493だった。
午後3時10分、グリッド予選が開始された。
グリッド予選は、LMP1、LMP2の専有20分間、LMGT1、LMGT2専有の20分間の計40分で行われる。
まずはプロトタイプ2クラスの予選が始まった。
GC-21やRSが一斉にタイムアタックを開始する中、ザイテックとクラージュはピットで待機。
5分経過時点でのトップはLMP2の#15真神パワーの1分28秒889だ。
LMP1は#66島沢自動車で1分32秒713.総合4番手に留まる。
15号車は開始9分でタイムを28秒517まで縮めた。
開始から12分が経過して漸くザイテックがコースイン。
アウトラップで既に1分31秒314、総合5位のタイムを叩き出したザイテックは、野田英樹のドライブにより、最初のアタックでいきなり1分20秒917を叩き出し、次の周にはそれを20秒251まで縮めてみせた。
続いて14分過ぎに無限クラージュがコースイン。
荒聖治のドライブで1アタック目1分26秒719、2周目1分22秒216とコンスタントにタイムを刻んでいたが、3周目のアタックに入ってすぐにアトウッドカーブでスピンアウトしてしまい、ここでアタックを終えることとなった。
ここでプロトタイプの専有が終了、GT1、GT2クラスのアタックが開始された。
ドライバーズ予選では#88JLOCムルシエラゴの後塵を拝した#20ダンロップフェラーリが好タイムを連発、3周目に1分31秒052を記録してクラストップ、総合でも6番手につけた。今回もアタックを任されたのは片岡龍也だ。
しかし残り7分を切ったところで#88ムルシエラゴが逆襲、1分30秒274でクラストップの座を奪いとると、次の周には1分29秒493までタイムを削り、総合でも5番手まで上がってきた。
GT2はここでも#27シンワサービスのGT3がトップ。タイムは1分32秒821。
2番手には#77プロモデットのGT-3が1分38秒338でつけている。
JLMC第3戦の決勝は明日午前11時より271周(または6時間)で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
全日本スポーツカー耐久選手権「ジャパン・ルマン・チャレンジ」(JLMC)最終戦の行われている岡山国際サーキットで10月28日、主催者であるSEROより2007年の開催概要について発表があった。
これによると、2007シーズンは既に開催実績のある菅生、もてぎ、岡山のほか、新たに富士を加えて全4戦で行われるとのこと。
レース距離は今年同様全て1000kmまたは6時間となる。
また、今年アウディがルマン24時間とアメリカン・ルマンシリーズ(ALMS)に参戦させて話題となったディーゼルエンジンについても参加を認めるとともに、バイオエタノールを燃料とする車両についても参加を認める方向であることも併せて発表された。
これらはいずれもLMP1での参加となる。
SEROでは、今後も参加台数の増加と観客動員数の増大に向けて努力していく、としている。
JLMC 2007 レーススケジュール
第1戦 5/12-13 スポーツランド菅生
第2戦 6/ 2- 3 富士スピードウェイ
第3戦 7/21-22 ツインリンクもてぎ
第4戦 10/27-28 岡山国際サーキット
パトリック・ピーター(ルマンシリーズCEO)
日本でJLMCが開催されることにより、ルマンシリーズのルールが3大陸で使用されることとなりました。北米のALMS、ヨーロッパのLMS、そして日本のJLMCです。
2007シーズンのルマンシリーズは全5戦で行われ、新たに参戦を発表したプジョーをはじめ45台が参戦する見込みです。多分アウディも参加するものと期待しています。
新しいレースシリーズを定着させるのには時間がかかるものですが、SEROのスタッフは最初からそれを理解してくれており、エントラントの皆さんとともに今日ついに最終戦にこぎつけました。
07年シーズンの準備も既に始まっており、新たに富士スピードウェイがこれに加わります。
私はJLMCの発展を確信しています。
渦尻栄治(SERO代表理事)
来年からは全4戦でとなります。
菅生の開幕戦で「小さく生んで大きく育てたい」とお話しましたが、第1戦第2戦はそれぞれ12台づつだった参加台数も、最終戦にきて20台に増えました。
また、現在特認車両で参加している方からもACOルールに移行したいとのお話を戴いており、07年は本格的にACOルールへの以降を実行していきたいと思います。
ACOとは、ヨーロッパでレギュレーション落ちとなった車両を日本で使えるように話を進めており、これを活用してLMP1の台数を増やしていきます。
LMP2については、従来の特認車が中心となります。
GT1は高価な車両ですが、若干増えるものと思います。
GT2については、ポルシェAGと911GT3RSRの独占販売契約を結んだのをはじめ、サリーンとも契約を結び、パノスとも準備を進めており、これらの車両が参加できるよう動いております。
これにより、LMP1、P2で15台、LMGT1、GT2で15台の合計30台の出走が来年の目標です。
今後も参加台数の増大とともに、より多くのお客様に楽しんでいただけるよう、努力してまいります。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2006年全日本スポーツカー耐久選手権第3戦のドライバーズ予選が10月28日、岡山国際サーキットで行われ、#21ダンロップザイテック05s(野田英樹/加藤寛規組)が総合トップタイムを記録した。
LMP2は#15真神パワーアドバンミストRS倶楽部(阪口良平/植田正幸/石川資章組)、
LMGT1は#88チームJLOCウィズアドバン(山西康司/桧井保孝/WADA-Q組)、
LMGT2は#27シンワサービスRSR(青山光司/高木真一/新田守男組)がそれぞれトップだった。
今年から始まった全日本スポーツカー耐久選手権もいよいよ最終戦。
公式予選日を迎えた岡山国際サーキットは快晴。絶好のコンディションだ。
午後のグリッド予選、明日の決勝に進むチームを決めるドライバーズ予選は当初予定より5分遅れの午前10時40分より1時間で行われた。
開幕戦から圧倒的な速さを見せ付けているザイテックがここでも速く、開始早々からいきなり1分22秒台を連発、最終的には1分22秒015までタイムを縮めてこの1時間を終始トップで走りきった。
2番手には#16無限クラージュLC70。走り出しは1分25秒台ながら、すぐに1分23秒714までタイムを縮めて午後の予選に臨む。
LMP2クラスでは、今回から新車KK-LMを持ち込んだ#15真神パワーが、#18エイムスポーツGC-21のタイムを上回り、1分29秒007でクラストップとなり、LMGT1でもこれまで2連勝を飾っている#20ダンロップフェラーリ550GT1を#88ランボルギーニ・ムルシエラゴRG-1が上回った。
LMGT2では、スーパー耐久1クラスを圧勝で制した新田守男、高木真一の乗る#27シンワサービスのポルシェ911GT-3 RSRがトップタイムを記録した。
途中、#37のRSがピットレーン入り口でストップした以外には大きなトラブルもなく、1時間の予選セッションは終了、この時点でLMP1トップの115%をクリアできなかった#65のRS、総合トップの125%をクリアできなかった#930のポルシェ964、#7のRX-7、#8のRX-8が予選落ちとなった。
明日のスターティンググリッドを決めるグリッド予選は、今日午後3時10分より、40分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権最終戦が行われた10月22日、ツインリンクもてぎで、今年のマカオGPに日本から参戦する6人のドライバー(日本人は3人)の記者会見が行われた。
マカオGPにはこの6人の他に、ユーロF3を戦う平手晃平、中嶋一貴、小林可夢偉らも参加を予定しており、彼らと全日本勢がどのような戦いを見せるか大いに注目される。

エイドリアン・スーティル
初めてのマカオなので、フリー走行と予選でコースを学んでいきます。
長くて難しいトラックですが、トムスはマカオでは強いので、僕さえコースを覚えれば表彰台のチャンスはあります。ですから今回の目標は勝つこと、表彰台に上がること、です。
ヨーロッパ勢では、メルセデスエンジンを積んだクルマが速いでしょうね。特にASMは強いチームだしクルマも速いので、ここに勝つのがポイントになります。
でも、トムスも強いチームですから、僕も自信を持ってレースに臨みます。
大嶋和也
F3でマカオを走るのは初めてですが、去年フォーミュラルノーで走っているので、F3は1年目ですが優勝を目指します。
ヨーロッパからはTDPの3人も来るので、負けられません。
F3とフォーミュラルノーではタイムもスピードも違うので、コースを覚えた以外にはそれほど経験が役に立ちませんが、事前のテストではいい結果が出てますから、本番でもいい結果が出せると思います。
ファビオ・カルボーン
毎回出ているということは、コースを良く知っているということで、これは大きなアドバンテージになります。
今回は勝つことが目標です。
スリーボンドもいいクルマを用意してくれていますし、富士で横浜タイヤのテストをしたときも、前年と同じでいい感じでしたから、自信を持って臨めます。
池田大祐
毎回違うチームからの参戦ですので、毎年チャレンジの連続です。
3年目の参戦ということで、僕がチームを引っ張ってベストの走りをすれば、結果はついてくると思います。チームにとっては初めてのマカオですが、テストもやりましたし、準備は万全ですから、全てが予定通りに進めば、いい結果が出るでしょうね。
ロベルト・ストレイト
今回が初めてのマカオですが、目標は勝つことです。
長くて難しいレースなのでどうなるか判りませんが、ベストを尽くします。
今回お世話になるプレマパワーは以前2年間一緒に戦ったことのあるチームですし、勝つ力はあると思います。
ですから僕がコースを覚えて、クルマにあった走りが出来るように頑張ります。
塚越広大
去年フォーミュラルノーに参戦して3位でしたが、全然力を発揮できませんでした。
ですから今度はいい流れでレースできるようにしたいです。
今回は違うチームからの参戦ですが、この経験は自分のプラスになると思います。
ダラーラに乗ることになりますが、どのクルマに乗っても速ければいいアピールになると思うので、これはチャンスだと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
ブノワ・トレルイエ
やっとトンネルから抜けられた、という気分です。
今まで何度もミスでチャンスを逃してきました。いいクルマを得て、スタッフがいい仕事をしてくれていても、いつも何かが起きて、「一体なぜなんだ!」と感情的になることもありました。
今年のウィンターシーズンに、ホシノさんに「お前は1位、2位とリタイヤしかない」と言われ、「安定して走ればチャンピオンは獲れるはずだ」と諭されました。
今回チャンピオンになれたことについて、今年のスタッフと昨年のスタッフ全員に感謝しています。特にスギサキさんに。彼はフォーミュラニッポンじゃなくてGTのエンジニアですが、今までに何度も僕を支えてくれました。
そしてリカルドにも。彼が来てくれてからクルマが本当によくなりました。
来年も今のスタッフの誰一人欠けて欲しくないです。信頼できるスタッフがいるからこそ、ぼくは自信を持ってレースに臨めるんです。
僕はクルマの中では別の人格になってしまうので、チェッカーを受けた瞬間は平気でしたけど、クルマを降りて、ホシノさんをはじめ多くの人たちの顔を見たら、涙が止まらなくなりました。
中々結果がついてこなかったけど、やっとチャンピオンになれました。妻も日本に来てくれたし、子供も生まれた。本当にいい一年でした。
星野一義
タイトルのことはシーズン中盤から意識するようになりましたが、そこで小さくなっちゃいけないし、ブノワをどうしてもチャンピオンにしてやりたいと思っていました。
今年リカルドが来てくれて、セットアップが良くなりました。ドライバーが「走り出しから調子いい」とよく言いますが、ガレージから出した時点でクルマが完璧に仕上がってるような体制を作りあげるのが僕の理想でした。
ブノワには「100%で走る必要はない、85%でいいんだ」といい続けてきました。
今まではチームが満足なクルマを仕上げられないせいで、ブノワにプレッシャーをかけた面もあったと思います。それが原因でミスが出たこともあったでしょう。それについてはすまないと思っています。
今後は、なんとかF1のテストドライブだけでもさせてやりたいと思っています。
僕は亜久里ほどの手腕はありませんけど、ブノワをこのまま日本に置いておきたくないんです。なんとしてもチャレンジして欲しいと思ってます。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
ブノワ・トレルイエ(優勝)
中盤までは難しいレースでした。
コグレが前にいましたし、ロイックも速かったですから。特にロイックのペースがあまりにも速いので「2ストップじゃないのか?」とチームに無線で確認し、「多分そうだ」と言われてからは自分のペースで走ることにし、ロイックを前に行かせました。
そうしたら今度はモトヤマが追い上げてきて、「これはもう勝てないかも」と思い始めました。僕とモトヤマがピット作業を終えると、彼が前に出ていたので、これは難しいな、と思っていたら、彼がエンジントラブルでリタイヤすることになりました。
それからは、2位のドライバーとのギャップをチームに確認して、セーブすることにしました。
松田次生(2位)
ブノワとのタイトル争いを考えれば、今日は勝たなきゃいけなかったんですが、予選が6位に終わってしまったので、なんとしてもスタートで前に行かなきゃ、と意識していたのが逆効果になり、順位を落としてしまいました。
それで序盤のうちに前のクルマを抜いて、トップとの差を詰めていこうとしたんですが、クルマが重い状態のうちに土屋選手と金石選手を抜くためにタイヤを使ってしまったためか、中々ペースが挙げられませんでした。金石選手を抜くのがあと5周早ければ、違った展開もあったのかなと思います。
次の鈴鹿はタイトル争いのプレッシャーもありませんし、自分にとっては地元のレースですから、なんとしても勝てるよう、チーム一丸となって頑張りたいです。
片岡龍也(3位)
今回は金曜日から調子がよくて、今シーズンで一番良い状態でした。
それでも予選はインパルとARTAが速くて、5位に終わってしまいました。
決勝でもスタートで順位を落としてしまったので、少しでも多くのポイントを獲ろうと思い、プッシュしました。ファイナルラップで土屋選手を抜いて3位に上がれましたが、どうもガス欠だったように見えました。
最終戦では他のチームとスピードで肩を並べられるようなレースをしたいです。
星野一義(優勝チーム監督)
ブノワはチャンピオンを意識して走っていたし、松田は残り2戦とも勝ちに行かなきゃ行けなかった。本山はなんとしても今シーズン1勝したかった。3人ともそれぞれ心に期するものがあったのですが、予選ではARTAが速かったですね。
今回も本山は残念な結果になりましたが、今回の走りには優勝以上の評価を与えたいです。
決勝ではPIAAが予想外の作戦に出たので、ピットでは計算が忙しかったです。エンジニアは「2ストップのはずです」と言っていましたが、本当に2ストップなのか不安で、実際にピットに入っていくのを見たときはほっとしました。
今漸くチャンピオンを獲ったのだと実感して来ました。
この一年は長かったような短かったような......今は全てのスタッフをほめてやりたいです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
天候:晴れ コース:ドライ
| Pos. | No. | Driver | Team | Car | Engine | Lap | Total/Delay | Gap |
| 1 |
14 |
マルコ・アスマー |
ThreeBond |
DALLARA F305 |
SR20VE |
20 |
- |
- |
| 2 |
62 |
嵯峨 宏紀 |
DENSO・ルボーセF306 |
DALLARA F306 |
3S-GE |
20 |
23.578 |
23.578 |
| 3 |
4 |
ロベルト・ストレイト |
INGING F306 |
DALLARA F306 |
3S-GE |
20 |
23.739 |
0.161 |
| 4 |
3 |
ジョニー・リード |
INGING F306 |
DALLARA F306 |
3S-GE |
20 |
25.430 |
1.691 |
| 5 |
2 |
伊沢 拓也 |
Honda・戸田FIGHTEX |
DOME F107 |
MF204C |
20 |
25.938 |
0.508 |
| 6 |
33 |
石浦 宏明 |
広島トヨタDALLARAF305 |
DALLARA F305 |
3S-GE |
20 |
26.790 |
0.852 |
| 7 |
75 |
池田 大祐 |
EMS F306 |
DALLARA F306 |
3S-GE |
20 |
32.203 |
5.413 |
| 8 |
74 |
岡田 暁 |
EMS F306 |
DALLARA F306 |
3S-GE |
20 |
40.588 |
8.385 |
| 9 |
50 |
磯崎 元彦 |
GOLDON ZAP F305 |
DALLARA F305 |
3S-GE |
20 |
49.544 |
8.956 |
| 10 |
37 |
松村 浩之 |
TDP TOM'S F305 |
DALLARA F305 |
3S-GE |
20 |
1'00.840 |
11.296 |
| 11 |
10 |
塚越 広大 |
Honda 無限 F107 |
DOME F107 |
MF204C |
19 |
1Lap |
1Lap |
| 12 |
- |
以上完走 |
- |
- |
- |
- |
- |
11.296 |
| - |
12 |
ファビオ・カルボーン |
ThreeBond |
DALLARA F305 |
SR20VE |
2 |
18Laps |
17Laps |
| - |
*1 |
エイドリアン・スーティル |
DHG TOM'S F305 |
DALLARA F305 |
3S-GE |
0 |
失格 |
- |
| - |
*36 |
大嶋 和也 |
TDP TOM'S F305 |
DALLARA F305 |
3S-GE |
0 |
失格 |
0.000 |
Best Time : No.14 マルコ・アスマー 1'47.482 18/20 160.82km/h
規定周回数:18
Penalty
No.1,36は車両規定違反により、失格とした
スーティルノポール・トゥ・ウィンで幕を閉じた全日本F3選手権第18戦の決勝だったが、レース終了後に行われた再車検で、優勝した#1エイドリアン・スーテルと3位の#36大嶋和也の車両が規定違反とされ、両者は失格となった。
まず、決勝レース終了後にホンダレーシング・無限よりNo.1の車両が技術規則違反ではないかとの抗議があり、競技会審査委員会が審議を行うこととなった。
再車検を実施した結果、トムスの2台、No.1とNo.36のブレーキダクト形状が規定に合致していないとの裁定が下され、両者は失格。
これにより2位の#14マルコ・アスマーが1位、4位の嵯峨宏紀が2位、5位のロベルト・ストレイトが3位に繰り上がることとなった。
トムスは裁定後直ちに抗議を行い、JAF控訴となったため、正式結果はJAFの裁定待ちとなった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本選手権フォーミュラニッポン第8戦の決勝レースは、出走22台中12台完走という熾烈なサバイバルレースとなった。
この激戦を制したのは#19ブノワ・トレルイエ(mobilecast team IMPUL)。
今季4勝目を挙げるとともに、2006シーズンのフォーミュラニッポンチャンピオンを最高の形でものにした。
レースは予定より5分遅れの14時20分にフォーメーションラップがスタートした。
フリー走行でエンジンブローを喫した#3荒聖治はエンジン換装により10グリッド降格の18番手スタートとなっている。
レースはポールシッターの小暮卓史がホールショットを決める形で始まった。
2位にはトレルイエがつけ、4番手スタートの#1本山哲が1コーナーで#55金石年弘インに割って入って3位に浮上してきた。
その後方では、3コーナー手前でスピン状態に陥った#41井出有治に#17平中克幸と#3荒聖治が巻き込まれる多重クラッシュが発生、井出と荒はここで早くもクルマを降りることになり、平中は一旦はコースに復帰したものの、すぐにストップすることとなった。
その他、#2星野一樹、#5道上龍らもオープニングラップで姿を消しており、序盤から既に5台が姿を消した。
更に順調にトップを快走していた小暮を今回も不運が襲う。
小暮は13周目の3コーナーで痛恨のコースオフを喫してしまったのだ。
すぐにコースには復帰したものの、どこかを傷めたのかペースが上がらず、そのままピットへ戻って小暮はクルマを降りた。
これでトップに立ったのはトレルイエ。
しかしその背後から猛然と追い上げてくるドライバーがいた。
10番手スタートの#31ロイック・デュバルだ。
デュバルは3周目には金石をバックストレッチで捉えて4位に浮上すると、ファステストラップを更新しながら本山の背後に迫り、10周目の3コーナーでインをついて3位、小暮のリタイヤで2位に繰り上がり、16周目の90度コーナー進入で遂にトレルイエに並びかけてトップを奪い取った。
しかしこのレースでのデュバルは2ストップ作戦を採っており、22周目、44周目に各20秒前後の作業を行った結果、片岡の後ろまで後退することとなった。
これでレースはトレルイエと本山の一騎打ちとなったが、トレルイエに1周遅れて36周目にピットに入った本山は、見事トレルイエの前でコースに復帰すると、一気にアウトラップから猛チャージを敢行、37秒台のラップタイムを連発してトレルイエを突き放しに掛かる。
しかし49周目のヘアピンを立ち上がったところで本山のクルマから白煙が上がる。
エンジントラブルだ。
これにより本山はスローダウン。
両手でステアリングを叩いて悔しさを露にしながら、本山は50周目の3コーナーからショートカットに入ってクルマを降りた。
これで再びトップはトレルイエのものとなった。
既に2位を走行している松田とは20秒以上の差があり、トレルイエは38秒後半までペースを落として62周を走りきり、今季4度目の勝利を上げ、最高の形で念願のシリーズタイトルを手にしたのだった。
2位は松田次生、3位にはファイナルラップでガス欠によりストップした#37土屋武士を交わした#7片岡龍也が入った。
次回、フォーミュラニッポン第9戦は11月19日、鈴鹿サーキットで開催される。
天候:晴れ コース:ドライ
| Pos. | No. | Driver | Team | Engine | Lap | Total/Delay | Gap |
| 1 |
19 |
ブノワ・トレルイエ |
mobilecast IMPUL |
TOYOTA RV8J |
62 |
1”42'56.839 |
- |
| 2 |
20 |
松田 次生 |
mobilecast IMPUL |
TOYOTA RV8J |
62 |
24.871 |
24.871 |
| 3 |
7 |
片岡 龍也 |
LeMans |
TOYOTA RV8J |
62 |
38.841 |
13.970 |
| 4 |
31 |
ロイック・デュバル |
PIAA NAKAJIMA |
HONDA HF386E |
62 |
51.528 |
12.687 |
| 5 |
11 |
立川 祐路 |
RECKLESS CERUMO |
TOYOTA RV8J |
62 |
1'02.196 |
10.668 |
| 6 |
4 |
柳田 真孝 |
KONDO |
TOYOTA RV8J |
62 |
1'14.721 |
12.525 |
| 7 |
34 |
横溝 直輝 |
BOSS・INGING |
TOYOTA RV8J |
62 |
1'33.268 |
18.547 |
| 8 |
37 |
土屋 武士 |
DHG TOM'S |
TOYOTA RV8J |
61 |
1Lap |
1Lap |
| 9 |
33 |
ロニー・クインタレッリ |
BOSS・INGING |
TOYOTA RV8J |
61 |
1Lap |
1'02.489 |
| 10 |
32 |
武藤 英紀 |
PIAA NAKAJIMA |
HONDA HF386E |
61 |
1Lap |
25.508 |
| 11 |
40 |
ビヨン・ビルドハイム |
DoCoMo DANDELION |
HONDA HF386E |
61 |
1Lap |
15.862 |
| 12 |
6 |
折目 遼 |
M&O 5ZIGEN |
HONDA HF386E |
58 |
4Laps |
3Laps |
| - |
- |
- |
以上、規定周回数完走 |
- |
- |
- |
- |
| - |
1 |
本山 哲 |
arting IMPUL |
TOYOTA RV8J |
49 |
13Laps |
9Laps |
| - |
36 |
アンドレ・ロッテラー |
DHG TOM'S |
TOYOTA RV8J |
43 |
19Laps |
6Laps |
| - |
8 |
高木 虎之介 |
LeMans |
TOYOTA RV8J |
23 |
39Laps |
20Laps |
| - |
56 |
小暮 卓史 |
ARTA |
HONDA HF386E |
13 |
49Laps |
10Laps |
| - |
55 |
金石 年弘 |
ARTA |
HONDA HF386E |
11 |
51Laps |
2Laps |
| - |
17 |
平中 克幸 |
EMS Racing |
HONDA HF386E |
0 |
62Laps |
11Laps |
| - |
3 |
荒 聖治 |
KONDO |
TOYOTA RV8J |
0 |
62Laps |
0 |
| - |
41 |
井出 有治 |
DoCoMo DANDELION |
HONDA HF386E |
0 |
62Laps |
0 |
| - |
5 |
道上 龍 |
5ZIGEN |
HONDA HF386E |
0 |
62Laps |
0 |
| - |
2 |
星野 一樹 |
arting IMPUL |
TOYOTA RV8J |
0 |
62Laps |
0 |
Best Time:No.1本山哲 1'37.769 47/49Lap 176.79km/h
規定周回数:55