全日本F3選手権第6戦の公式予選が5月23日、岡山国際サーキットで行われ、今季2勝を挙げている#37ニック・キャシディ(PETRONAS TOM’S F312)が1’22.048のコースレコードを記録して今季3回目のポールポジションを獲得した。 Nクラスは#38小河諒(KeePer TOM’S F306)がトップだった。
公式予選は午前11時より10分間で行われた。 空はどんよりと曇ってはいたが、終始ドライコンディションでの走行。 また、今回よりヨコハマが新スペックのタイヤを投入しており、今まで以上の好タイムが期待できそうなセッションとなった。
コースオープンと同時に一斉にピットアウトした各ドライバーは4周目から本格的なアタックを開始。 まずはキャシディが1’22.543といきなり昨年のポールタイム(1’24.433)を2秒近く上回るタイムを叩き出してトップに立つと、5周目には1’22.048まで縮めてきた。 これに続いたのがチームメイトの#36山下健太。1’22.175を記録して、今回もトムス勢がフロントローを独占することに。 3番手には#23高星明誠(B-MAX NDDP)がつけ、昨日の専有走行でトップタイムを記録した#7福住仁嶺(HFDP)が4番手という結果になった。
Nクラスはここまで3勝を挙げている#38小河が1’24.824でクラストップ。今季2勝の#3三浦愛(EXCEDY)が2番手と、今回の二人の一騎打ちになりそうな気配だ。
第6戦決勝はこのあと午後3時30分より18周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第2戦のフリー走行1回目が5月23日、岡山国際サーキットで行われ、#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION)で1’13.991を記録してトップに立った。
2008年6月にフォーミュラニッポン第4戦を開催して以来、実に7年ぶりの国内トップフォーミュラ開催となる岡山。
今回はコース全長が短いこと、ランオフエリアがあまり広くないこともあって、燃料流量は90kg/時と、前戦鈴鹿よりもパワーを絞っての走行とされた。
しかしオーバーテイクシステムでの増量分は10kg/時と変わらないため、鈴鹿以上の効果が期待できそうだ。
なお、この大会ではさる5月17日に惜しくもこの世を去られた往年のトップドライバー松本恵二氏に弔意を表すため、参加全19台が車体に松本さんが全日本F2やF3000で愛用していたカーナンバー「8」を書き込んでレースに参加することになった。
また、先日行われた世界耐久選手兼(WEC)第2戦スパ・フランコルシャンでクラッシュし、脊椎を負傷した中嶋一貴は治療のため今大会を欠場することになり、1号車は大嶋和也がドライブすることになった。フォーミュラカーで戦うのは2012年の富士スプリントカップ以来となる大嶋が果たしてどこまで中嶋の穴を埋められるかにも注目だ。
そうした中、第2戦のフリー走行は午前9時30分より60分間で行われた。
事前の予報では週末を通じて不安定な天候が続くものとされており、事実公式予選日も早朝からサーキット上空を分厚い雲が覆い隠していたが、このセッションはどうにか終始ドライコンディションで行われた。
序盤から好タイムを記録してきたのは前回のポールシッターの#16山本尚貴。
1分15秒台前半で走り始めて開始25分で1’14.819と真っ先に1分14秒台に飛び込んだが、残り時間10分あたりで各ドライバーが2セット目のタイヤを投入すると、#38石浦宏明、#8小林可夢偉らが相次いで14秒台前半のタイムを記録、終了間際には#40野尻が1’13.991とただ一人13秒台のタイムを叩き出して一躍トップに躍り出た。
なお、このセッションでは各チームタイヤ2セットを使用してはいるものの、ニュータイヤを使用したドライバーはいない模様。
このため、午後のノックアウト予選ではさらなるタイムアップも期待できそうな気配だ。
公式予選はこのあと午後1時40分よりノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
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2015オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の決勝が5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500、GT300ともに日産GT-Rが1-2フィニッシュという快挙を成し遂げた。
GT500クラスはポールポジションからスタートした#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が安定した速さで後続を突き放し、見事ポール・トゥ・ウィンを達成。2位には#12カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)が入った。
一方GT300クラスは早めに最初のピットストップを行う作戦が的中してトップに立った#10GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)がそのまま逃げ切って優勝。一時はタイヤバーストで大幅に順位を落としながら、星野一樹のアグレッシブな追い上げで順位を盛り返した#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)が2位に入った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日33,500人/決勝日58,000人/大会総入場者数91,500人)
決勝日の富士は終始強い日差しが降り注ぐ絶好のレース日和。
第2戦決勝は静岡県警の白バイ6台、パトカー6台の先導により、午後2時15分より110周で行われた。
ホールショットを奪ったのは#1モチュールGT-R。2位には#12カルソニックGT-R、3位には#38ZENT RC Fとここまでは予選順位どおり。
しかしその後方で#46S Road GT-Rがダンロップコーナーで#100レイブリックNSXに追突。100号車はコースを飛び出して最後尾まで後退、46号車にはドライブスルーペナルティが課せられて同じく後退を余儀なくされた。46号車のドライバーは本山哲、100号車は山本尚貴だった。
ここから猛然と追い上げ、めまぐるしい勢いで順位を挽回していった#100レイブリックNSXと本#46S Road GT-Rだったが、#100レイブリックNSXははメカニカルトラブルのために29周で戦列を去り、#46 S Road GT-Rも本山が一時は4位にまで順位を挽回したものの、柳田真孝に交代した後の52周目に左リヤタイヤのバーストによりコースアウトを喫してしまった。
懸命にピットに辿り着き、再び戦列に復帰した46号車だったが、結局10位でレースを終えることになった。
一方トップ争いは序盤こそコンマ7秒前後の僅差で周回を重ねていたものの、20周を過ぎたあたりからタイヤの性能低下に苦しみ始めた#12カルソニックGT-Rが徐々に遅れ始めた。
この傾向は第2スティントになっても解消されず、オリベイラも安田も苦しい走りを強いられることに。
それでも最後のスティントにニュータイヤを投入してオリベイラの走りに賭けたチームインパルだったが、やはりここでもミシュランの優位性は揺るがず、#1モチュールGT-Rは最終的に2位#12カルソニックGT-Rに11.559秒差、3位の#ペトロナスRC Fに対しては49.317秒もの大差をつけて110周の長丁場を走り抜き、今季初勝利をものにした。
GT300クラスは、序盤フロントローの2台、#31TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木)と#3B-MAX NDDP GT-R(星野)がトップ争いを繰り広げるが、これを出し抜いたのが4位につけていた#10GAINER TANAX GT-R(クート)。20周目に早めのピットインを敢行すると、これが的中。40周過ぎには10秒近い貯金を築いてトップを快走することになった。
全車が1回目のピットインを終えた中盤以降は、#10GT-R(千代)を#3GT-R(高星)が追い、その後方で#11GAINER TANAX SLS(ビルドハイム)と#31プリウス(中山)が争うという展開が続く。しかし、65周目、#10GT-Rをジワジワと追い詰めていた#3GT-Rを不運が襲う。1コーナーで左フロントタイヤがバースト。そのままピットに滑り込むものの、大きく遅れることになってしまう。
これで楽になった#10GT-R(クート)は後方のバトルを尻目に余裕の独り旅。これとは対照的に、#31プリウス、#11SLS、そして鬼神の追い上げを見せる#3GT-R(星野)による争いは周を追うごとにヒートアップ。残り4周からは三つ巴のバトルを繰り広げ、サーキットに詰めかけた観客を大いに沸かせた。最後は勢いに勝る#3GT-R(星野)が前車を相次いでパスして2位の座を手にし、#11SLSが3位、最後に力つきスピンしてしまった#31プリウスは4位に終わった。
次戦の舞台は2回目の開催となるタイのチャーン・インターナショナルサーキット。
6月21日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権シリーズ第4戦の決勝が5月3日、富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#11牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)が終始トップを快走し、今季3勝目をものにした。
大会二日目の富士も好天に恵まれ、朝から多くの観客が詰めかける中、午前9時55分より15周の決勝レースはスタートした。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの牧野。予選3番手の#51三笠雄一が2位にあがり、3位に#50山田真之亮がつける。
一方セカンドグリッドの#36坪井翔はスタートで出遅れ、そのまま後続に飲み込まれる形で順位を落とした挙句、ヘアピンでスピンを喫し、一気に最後尾近くまで後退してしまった。
レース序盤は三笠のペースが勝っており一時はコンマ2秒差にまで迫ったものの、中盤にさしかかると僅かずつ牧野が引き離し始める。
8周目には1.48秒、12周目には1.7秒とその差は広がった。
三笠もしぶとく食い下がり、13周目に1.3秒、14周目には1.1秒まで詰め寄ってファイナルラップを迎えたものの、牧野は最後まで付け入る隙を与えず、最後は0.9秒差で逃げ切って今季3勝目を挙げた。
岡山での全勝宣言は第3戦で坪井に阻まれたが、「残りは全部勝ちます」との新たな宣言に向けて幸先のいい結果となった。
一方、1周目のスピンで大きく順位を落とした坪井は、その後は9周目にこのレースのファステストラップを記録するなど、トップグループをも凌駕するハイペースで追い上げを開始。
掴んでは投げ、千切っては投げの大立ち回りでみるみる順位を上げ、最後は10位に食い込んで貴重な1ポイントを掴み取った。
FIA-F4シリーズは次戦の舞台も再び富士スピードウェイ。
8月8-9日に第5戦と第6戦を行う
TEXT:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
スーパーGT第2戦富士の決勝前フリー走行はGT500が#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)、GT300クラスが#31TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木孝太/中山雄一/嵯峨宏紀組)といずれもポールシッターがトップタイムを記録、決勝に向けて仕上がりの良さを改めてアピールした。
決勝日を迎えた富士スピードウェイは昨日に引き続き好天に恵まれ、朝早くから多数の観客が詰めかける中、午前9時より30分間のフリー走行が開始された。
予選でフロントローを独占した#1モチュール、#12カルソニックのGT-R勢はここでも好調で、開始10分で12号車が1’30.021を記録してトップに躍り出ると、1号車もセッション終盤に1’29.377を叩き出す。
しかし#36ペトロナスRC Fも終盤1’29.972までタイムを縮め、2台に割って入ってきた。
また4番手には#8ARTA NSXが入るなど、フリー走行に関しては3メーカー拮抗している状況だ。
しかし前回優勝の#37KeePer RC Fは15位とここでも振るわず。連続しての上位入賞は難しいかもしれない。
GT300クラスは開始10分で佐々木孝太の駆る#31プリウスが1’38.571でトップに立つと、その後も順調にペースを上げて1’38.065までタイムを縮めてここでも速さを見せつけた。
しかしコンマ2秒差で#3B-MAX NDDP GT-R、コンマ6秒差で#10ゲイナーTANAX GT-RとFIA-GT3勢が迫っており、こちらは接戦になりそうだ。
しかし予選11番手の#88マネパランボルギーニGT3は2コーナー立ち上がりで何度もストップ、再スタートを繰り返しており、決勝への影響が懸念される。
また#9PACIFICマクラーレンwith μ'sがセッション中に右リヤまわりから出火し、マーシャルにピットレーンで消し止められる一幕もあった。
第2戦決勝はこのあと午後2時15分より110周で行われる。
今回も恒例の警察車両によるパレードラインが予定されており、パトカー6台、白バイ6台が西部警察よろしく隊列を組んでGTマシンを先導する予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権シリーズ第3戦の決勝は、スタートからゴールまで激しいドッグファイトが繰り返される白熱した戦いとなった。
この激戦を制したのは予選3番手からスタートした#36坪井翔(FTRSスカラシップF4)、#11牧野任祐(DODIE・インプローブスRN-S)の連勝に待ったをかけ、今季初勝利を飾った。
近年のミドルフォーミュラでは久しくなかった28台ものエントリーを集めて開幕したFIA-F4。
それをはるかに上回る38台で行われた第3戦決勝は、スタートから15周後のゴールまで、コースのいたるところで接戦の繰り広げられる実に見ごたえのあるレースとなった。
スタートでトップに立ったのは予選2番手の#51三笠雄一。
ポールの牧野は動き出しがわずかに遅く、ポジションを一つ落としてオープニングラップを終えるが、すかさず2周目の1コーナーで三笠のインに飛び込んでトップを奪い返した。
この牧野のアタックに乗じて3番手を走行していた#50山田真之亮、4番手の#7大津弘樹らも相次いで三笠を攻略、更にはスタートで5番手まで後退していた坪井も3周目に三笠を捉えて4位に浮上した。
坪井はその後も立て続けにファステストラップを更新しながら追い上げ、5周目に大津、8周目の1コーナーでは山田のインをついて2位に浮上すると、その周のプリウスコーナーではついに牧野をも捉えてトップに躍り出た。
しかし牧野も諦めない。
ホームストレートで坪井のスリップに潜り込み、坪井の隙を伺いながら周回を重ねていく。
そして14周目。
ダンロップコーナーの進入で目を疑うようなハードブレーキングで坪井のインに飛び込む牧野。
縁石に乗り上げながら懸命に抑え込む坪井。
両者もつれるように第3セクターを駆け上がり、いよいよファイナルラップへ。
1コーナーで、コカコーラコーナーで、100Rで、坪井の隙を窺う牧野だったが、富士を知り尽くした坪井は巧みなブロックで牧野を押さえ込み、そのままチェッカーを受けた。
2位牧野との差は僅か0.09秒。
3位の山田でさえも0.3秒という近年稀に見る接戦だった。
FIA-F4選手権シリーズはこのあと明日午前9時55分より第4戦決勝を同じく15周で行う。
- 優勝 坪井翔
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スタートは3番手を死守という感じでしたが、イン側に山田くんがいたのでそれ以上寄せられませんでした。山田くんに入られた隙に大津くんにも前に行かれてしまい、5番手になってしまいました。そこからはペースも良かったし、スリップも使えるので、なるべく1コーナーで抜くように心がけてリスク少なく前に行こうと思いました。牧野くんに追いついてからはストレートでは抜かず、プリウスコーナーに入るところで前に出ました。
あまり差す場所ではないのですが、あえてプリウスで仕掛けました。
(14周目のダンロップで牧野選手に飛び込まれた時は)びっくりしましたね。でもあそこで引いたら前に出るのが大変なので、思い切るしかないと思ってはみ出ながら、岡山のレースを再現しました。
明日は今日みたいに1周目で順位を落とさないよう、スタートで前に出て逃げ切るみたいな形で勝ちたいです。
- 2位 牧野任祐
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ミラーで坪井選手を見ていて、明らかにペースが違うな、という感じはありましたが、今日は負けました。明日はやり返します。
全勝はできなくなりましたが、残りは全部勝つつもりです。
プリウスで入られた時は、どうせあそこで行かれてもストレートで抜き返すつもりだったので「どうぞ」という気持ちだったんですが。コカコーラコーナーではインからいっても抜けないんで、クロスラインをとって100Rでインを取れれば、という気持ちはありましたが、そう甘くはありませんでした。ダンロップで飛び込む方法も今日見せてしまったので、明日は違うことを考えないといけませんね。
- 3位 山田真之亮
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悔しいですけど、自分のペースから考えるとこれがベストの結果なのかなと思います。昨日の練習からペースが良くなくて、予選もうまくいきませんでしたが、今日はトップを狙える位置でレースをしながらタイヤも温存できたので、明日はいい結果を出したいと思います。
気温が高くなったのでタイヤにも辛いレースでした。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2015オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の公式予選が5月2日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500、GT300ともコースレコードを上回る好タイムが続出する激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
その結果GT500クラスは#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)、GT300クラスは#31TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木孝太/中山雄一/嵯峨宏紀組)がポールポジションを獲得した。
第2戦の公式予選は午後2時15分よりノックアウト方式で行われた。
天候は快晴。気温24℃、路面温度40℃という絶好のコンディションの中での走行となった。
予選Q1
GT300で赤旗中断があったため、GT500の走行は当初予定より6分遅れ午後2時41分からとなった。
例によって大半のチームが残り7分あたりまで様子見を決め込む中、朝の公式練習でエンジントラブルに見舞われた#100レイブリックNSXだけは序盤から精力的に周回を重ねていく。
しかしやはり本格的なアタック合戦が始まったのは残り5分を切ってからだった。
先に動いたチームが1分29秒前半のタイムを相次いで記録する中、午前中にコースレコードを上回るタイムを記録してトップだった#1モチュールGT-Rが1’28.087というとてつもないタイムを叩き出してトップに躍り出る。
これは昨年のコースレコードをコンマ7以上上回るもの。ドライバーは松田次生だ。
松田はさらに次の周で1’28.022までタイムを縮め、トップで走行を終えた。
2番手には#12カルソニックGT-Rの安田裕信、3番手には#36ペトロナスRC Fの伊藤大輔、4番手には#17ケーヒンNSXの塚越広大がつけ、終わってみればこの4台が昨年のレコードを上回っていた。
一方、前戦優勝の#37KeePer RC F、同2位の#100レイブリックNSXら7台がここでノックアウトされることとなった。
GT300クラスは前回優勝の#31プリウスを駆る中山雄一が40kgものウェイトハンデを物ともせず、1’36.519とコースレコードを更新してトップに立つ。ソフトウェアの問題で午前中の走行時間の大半を失った31号車だったが、ホームコースとも言える富士で意地を見せた格好だ。
ところが残り4分というところで今季マザーシャシーから新たに興された#2ロータスエヴォーラがトラブルによりコース上にストップしたため、赤旗中断になってしまった。
この時点でまだアタックをしていなかった#7Studie BMW Z4をはじめとする数チームはこれにより万事休すかと思われたが、走行時間を5分に延長して予選は再開され、7号車はヨルグ・ミューラーの懸命のアタックによりどうにか9番手に滑り込んだ。
予選Q2
10分間のインターバルを置いて行われた予選Q2。GT500クラスは出走8台中6台がレコードを更新するという激しい戦いとなった。
しかしここでも#1モチュールGT-Rの速さは抜きん出ており、ロニー・クインタレッリは遂に前人未到の1分27秒台に到達。
1’27.675、1’27.552を立て続けに記録して第2戦のポールポジションをものにした。
一方、これまでのレコードホルダーだったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラも#12カルソニックGT-Rを駆って1’27.877をたたき出し、2台の日産GT-Rがフロントローを占める結果となった。
GT300クラスは当初WEC参戦を予定していた嵯峨宏紀に代わって第1ドライバーに登録された佐々木がアタックを担当。決勝を睨んで中山よりは硬めのタイヤを選択したにもかかわらず、1’36.952とこちらも他を圧倒するタイムを叩き出し、自身通算13回目のポールポジションを獲得した。
予選2番手にはベテラン星野一樹の駆る#3B MAX NDDP GT-Rがつけた。
スーパーGT第2戦決勝は明日午後2時15分より110周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
2015オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の公式練習が5月2日、富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が1’28.751と、昨年樹立されたコースレコードを上回るタイムでトップに立った。
GT300クラスも#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)がトップタイムを記録、両クラスを日産GT-Rが生する結果となった。
公式予選日を迎えた富士スピードウェイは朝から好天に恵まれ、汗ばむ陽気のもと午前8時50分より105分間の公式練習が行われた。
ところが始まってすぐに#100レイブリックNSXがスロー走行。20分以上かかってようやくピットに辿り着き、その後の走行を諦めることに。
エンジントラブルとのことでこの後の公式予選への影響が懸念される。
一方、好調ぶりを見せつけたのがGT-R勢だ。
開始15分で#1モチュールが1’29.338でトップに立つと、その直後に#46S Roadが1’29.224、1’29.074とタイムを縮め、その30分後には#12カルソニックが1’29.059をたたき出し、一時はGT-Rが1-2-3という状態に。
更にその4分後には#1モチュールが1728.751と、昨年の第2戦でジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが#12カルソニックGT-Rで記録した1’28.799のコースレコードを上回った。
GT500クラスはそのあと10時25分から専有走行に入ったが、開始早々にホームストレート上にカーボンパーツが落下していることが判明した赤旗中断となり、終了予定を10時41分まで延長して走行を再開、予選に向けて最後のチェックを行った。
この間に#36ペトロナスRC Fが1’28.882を記録、2番手に食い込んでGT-R勢の一角を切り崩し、予選に向けて気を吐く場面もみられた。
それとは対照的にホンダ勢は#17ケーヒンNSXの8位が最上位という苦しい立ち上がりとなっている。
GT300クラスは、長いホームストレートを持つ富士の特性もあってFIA-GT3勢が好調ぶりを見せ、トップの#3B-MAX GT-Rを筆頭に#21アウディR8、#65LEON SLS、#11ゲイナーSLSと上位4台までを占める。
それでも#61スバルBRZもトップからコンマ5秒差の5位につけており、予選はともかく決勝では戦略如何で優勝も狙える位置にいる。
今期注目のマザーシャーシ勢では#25つちやエンジニアリングのトヨタ86が9番手とまずまずの位置。
「富士は捨ててもらわないと」と半ば冗談めかしく坂東代表は岡山大会での定例会見で発言したが、それを上回る結果を土屋親子は見せてくれそうだ。
第2戦公式予選はこのあと午後2時15分からノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権シリーズ第3戦、第4戦の公式予選が5月2日、富士スピードウェイで行われ、前回岡山大会で2連勝を飾った#11牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)がここでも速さをみせて連続ポールを獲得した。
第1日目を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。今年一番の汗ばむ陽気の中、午前8時10分から30分間の公式予選が開始された。
今回のエントリー台数は38台。前回岡山の出走台数28台を大幅に上回る大量エントリーとなった。
それでもタイミングモニターの上位を占めるのは#36坪井翔、#14根本悠生、#50山田真之亮、#16銘苅翼といった岡山でも予選上位につけた面々。
開幕2連勝の牧野はセッション序盤はスリップストリームを使うタイミングをいろいろ試していたようで、セッション終盤になってから本格的なタイムアタックに取り掛かった。
15分経過時点でのトップは山田で1’46.067。これを開始20分で坪井が上回って1’45.569、さらにその4分後に牧野が1’45.337と頭一つ抜きん出たタイムを記録して一気にトップに躍り出た。
牧野はさらにセッション終盤にも1’45.355を記録。対する坪井は1’45.531までタイムを縮めるに留まり、終了2分前に1’45.505をたたき出した#51三笠雄一の後塵をも拝する結果となった。
これにより第3戦は牧野、三笠、坪井。第4戦は牧野、坪井、三笠の順で決勝レースをスタートすることになった。
第3戦決勝はこのあと午後1時10分から、第4戦決勝は明日午前9時55分から、いずれも15周で行われる。
- 第3戦、第4戦ポールポジション 牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)
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「特別なことはしていませんが、スリップを使えるように合わせていきました。最後は単独でもタイムが出たので良かったのかと思います。狙ってたわけじゃないけど、どちらもポールなのでいい結果で終われました。Bコーナーの次の左コーナーで接触しましたが、クルマは多分大丈夫です。練習では一度もトップを取っていませんが、ユーズドタイヤを使ったりなので順調には来ています。レースペースは悪くないと思います。優勝は狙っていきますが、しっかりとポイントも取らないといけないですね」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
- 小林可夢偉(予選10位 決勝9位)
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(国本)雄資のストールでえらいことになりました。
彼を避けようとして僕のアンチストールも入ってしまいました。
(終盤野尻に抜かれたことに関して)あれだけタイム差があったら抑え込むのは無理でした。今日のレースは一言で言って悲惨です。予選から流れが悪かった。想定外のことばっかり起きました。この経験をよく理解して、次のレースに向けて改善していかないといけませんね。
タイヤがどれだけもつのかわからないで走っていましたが、意外にもつなあと。わかっていればもうちょっと速いペースで走れたと思いますが、1セット目は内圧が高すぎました。
一発のタイムなら戦えると思いましたが、レースで勝つにはまだまだ足りないですね。
- 平川亮(予選15位 決勝12位)
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スタートがうまくいきませんでした。目の前の小暮さんがスタートを失敗して、その前もずっと詰まっていてどうにもなりませんでした。その後はずっとパレードランみたいになってしまいました。
ピットに入って前がいなくなってからはいいペースで走れたので、ピットアウトの時にストールしていなければポイントは取れていたと思います。タイヤ無交換にしては悪くないペースでしたし、岡山に向けていいデータが取れたと思います。
岡山ではGTでも勝てているし、ストレートが短いので、エンジンの性能も僅差になると思います。それにトヨタエンジンもまだまだパワーアップしてくれると思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
2015全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第1戦「鈴鹿2&4レース」の決勝が4月19日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選3番手の#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)がスタートでトップに立ち、そのまま逃げ切って優勝。
2位には#1中嶋一貴がつけ、トムスが1-2フィニッシュで幸先良く2015シーズンをスタートした。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:28,000人)
第1戦決勝は午後3時にフォーメーション開始。
心配された雨は最後まで降ることはなく、終始ドライコンディションのまま43周を戦うことになった。
ホールショットを奪ったのは3番手スタートのロッテラー。
スタートで出遅れたポールシッターの#16山本尚貴(無限)を難なくかわし、一気に後続を突き放しにかかった。
2番手にはチームメイトの一貴、3番手には#38石浦宏明(セルモインギング)が続き、山本は4番手に後退して1コーナーを通過。しかし山本はその周のバックストレート、その先のホームストレートと立て続けにに2回オーバーテイクシステムを作動させて2周目の2コーナーで石浦をねじ伏せると、そのまま一気に一貴との差を縮めにかかった。
12周を終えたところで両者の差は0.78秒に。そこからはコンマ7~8秒の間隔で一進一退の攻防が続く。
レースが動いたのは28周目。
2位を走る一貴が先にピットに飛び込むと、それを見て取った山本がオーバーテイクシステムを駆使して猛然とプッシュ、そのまま29周終わりでピットに飛び込んで一貴の前でピットアウトしようと目論む。
ところが16号車は左フロントタイヤの交換に手間取り、15.5秒もの作業時間を要してようやくコースへ。
その鼻先を一貴がかすめて再び2位となった。
懸命に追い上げる山本は33周終わりで0.59秒差まで詰め寄るが、一貴も一歩も譲らない。
結局この戦いはファイナルラップに差し掛かって山本のエンジンが白煙を上げて力尽きるという形で決着することになった。
一方トップのロッテラーはこの間に後続との差を着実に広げ、最後は2位以下に9.484秒の大差をつけて43周を走りきり、見事開幕戦を制した。この勝利はロッテラーにとっては国内トップフォーミュラ参戦100戦目にして通算21回目の優勝となった。
山本のリタイヤによって3いに繰り上がったのは今季ダンデライアンに移籍した#41ナレイン・カーティケヤン。フォーミュラニッポン時代を含めてこれが初の表彰台となった。
また、久々に国内復帰を果たして注目を集めている元F1ドライバーの小林可夢偉はスタートで前のクルマに詰まって行き場をなくし、9周終わりでピット作業を行うという作戦に出たが、レース終盤ファステストラップを連発して追い上げてきた2年目の#40野尻智紀にかわされて結局9位に終わった。
次戦は7年ぶりの開催となる岡山国際サーキット。
5月23日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2015全日本F3選手権第2戦の決勝が4月19日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#37ニック・キャシディ(PETRONAS TOM’S F312)がそのまま逃げ切って今季初勝利を挙げた。
Nクラスは#38小河諒(KeePer TOM’S F306)が予選トップの#3三浦愛(EXCEDY RACING F307)を捉え、こちらもF3初優勝を達成した。
第2戦決勝は午前10時40分より17周で行われた。
朝から降っていた雨はスタート進行が始まる頃には収まり、路面はこのレースに先立って行われたスーパーフォーミュラのサーキットサファリの頃から次第に乾き始めており、全車スリックタイヤでの戦いとなった。
ホールショットを奪ったのはポールのキャシディ。
予選2番手の#36山下健太(トムス)はわずかに出遅れ、それをかわして#23高星明誠(B-MAX)が2番手に上がってきた。
序盤一気に後続を突き放しにかかったキャシディだったが、高星も3周目から徐々に差を縮めにかかり、レース中盤の11周目には0.6秒差にまで迫った。
しかしキャシディもレース終盤に再びペースを上げ、13周終わりで1秒差、15周目には1.7秒と高星を突き放し、最後は2.1秒にリードを広げてチェッカーを受け、今季初勝利を挙げた。
高星は終盤に入って山下の追撃を受けたもののなんとか2位でフィニッシュ、第2戦終了時点でランキングトップの座を守った。
Nクラスは予選トップの#3三浦がアウト側の有利なスタート位置から好発進。そのままトップで周回を重ねたが、5周目のスプーンでわずかにミスをしてしまい、一気に小河に差を詰められて1コーナーでトップの座を奪われた。
小河はそのまま三浦との差を着実に広げ、4.5秒もの大量リードを築いてF3初勝利をものにした。
2位に三浦愛、3位には#30DRAGONがつけた。
全日本F3選手権第2大会の舞台はツインリンクもてぎ。
5月9-10日に第3戦、第4戦、第5戦の3レースを開催する。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
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全日本選手権スーパーフォーミュラ第1戦のフリー走行2回目が4月19日、鈴鹿サーキットで行われ、#34小暮卓史(DRAGO CORSE SF14)が1’55.419でトップ。
ポールシッターの#16山本尚貴(TEAM無限SF14)は12番手だった。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から小雨がぱらつく難しいコンディション。
午前9時からのフリー走行2回目は各車ウェットタイヤでの走行となった。
唯一#7平川亮(ルマン)だけがスリックで走り始めたが、こちらも途中からウェットに交換して周回を重ねることになった。
周回を重ねるにつれて路面は次第に乾いていき、それにつれてラップタイムも1分59秒台から1分56秒台に上がっていく。
そうした中で序盤から好タイムを連発したのが小暮。
開始14分で1’56.184を記録してトップに立つと、次の周には1’55.992、さらにその10分後には1’55.419までタイムを短縮。これがこのセッションでの最速タイムとなった。
2番手は#3ジェームス・ロシター(コンドウ)で1’55.558、以下3番手に#64中嶋大祐(ナカジマレーシング)、4番手に#20アンドレア・カルダレッリ(インパル)とホンダ勢、トヨタ勢が交互に続き、トップから1秒以内に11台がひしめくといういつもながらの接戦となった。
今シーズンのスーパーフォーミュラは両メーカーほぼ互角の状態で決勝を迎えられそうな気配だ。
今季注目の元F1ドライバー#8小林可夢偉(ルマン)は1’55.652で5番手とまずまずの位置につけている。
第1戦決勝はこのあと午後3時より43周で行われる。
予報では曇り時々雨となっており、タイヤ選択を含めて難しいレースとなりそうだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
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4月5日にGTAが岡山国際サーキットで行った定例会見では、GT300の件の他に、ドイツツーリングカー選手権(DTM)を主催するITRとの規則統一や交流戦の進捗状況についても坂東正明代表がコメントした。
現在も技術面に関してはITRやマニファクチャラーと月に一回のペースで定期的な話し合いを行っており、2017年からはダウンフォースレスのモノコックを採用することが決まっており、詳細な部分のすり合わせの段階に入っている。
共通モノコックが採用されてから全国各地のサーキットでコースレコードを更新している現行のGT500クラス。坂東代表としては技術競争の中でスピードが上がっていくこと自体を否定するつもりはないという。しかし現在の開催サーキットの中には今のスピードに対して十分なエスケープゾーンが確保されているとは言い難い場所もあるため、安全面を考慮してある程度の制限をかけざるを得ないという。そのために、各メーカーのコスト負担にならないよう、車体上面ではなくモノコックの底面でダウンフォースを削減していく意向だ。
なおエンジンについてはNREをベースとし、コンピューターについてのすり合わせを行っているとのこと。現在スーパーGTではペクテル製のECUを使用しているが、DTMではボッシュが用いられている。ABSなども含めて、今後ボッシュと技術面の話し合いを進めていく。
また交流戦に関しても週一回程度ITR議長のハンス・ヴェルナー・アウフレヒトと通訳を介して電話で話し合いを続けているとのこと。
ITRの意向としては、スーパーGTに2台派遣するので、そちらからも2台来て欲しい、との提案があったようだが、現状は日本で1戦、ヨーロッパで1戦といった形になりそうだという。その場合の車両や機材の輸送の方法や費用負担、タイヤはどうするか(DTMはハンコックのワンメイク)などを話し合っているという。
すでにDTMのマニファクチャラーから日本のタイヤメーカーにも問い合わせが来ているといい、交流戦実現に向けて着実に前進しているようだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
GTアソシエイション(GTA)は4月5日、スーパーGT第1戦が行われている岡山国際サーキットで定例会見を行い、今後のGT300クラスについての運用方針、GT500クラスとDTMの規則統一の進捗状況と交流戦の可能性について言及した。
GT300クラスについては、まずFIA-GT3に対してはブランパン耐久シリーズを主催するSROとの合意に基づく性能調整(BOP)を導入することになった。その中で今回はBMWの給油ホースの流量をリストリクターで32πに制限、逆にポルシェについては緩和した。
ストレートスピードに勝るFIA-GT3と高いコーナリングスピードを誇るJAF-GTでは、ラップタイムが同等であっても、混走になるとストレートで前に出て抑え込むことのできるGT3が決勝では優位に立つケースがある。こういう場合に給油リストリクターで給油時間を調整することにより、JAF-GTにも勝機が出てくるとの狙いがあるようだ。
マザーシャーシについては開発途上にあるとの認識で当面は現行の調整値で固定するとのこと。
その中で各チームの「ものづくり」を尊重していきたいとの意向であり、具体例としてつちやエンジニアリングの25号車の取り組みを紹介した。
また先日ニュルブルクリンクで観客を巻き込んだ痛ましい事故が発生し、一人の方が亡くなったことを受け、詳細な対策は原因究明を待ってから、としながらも、GT3に関しては溝付きタイヤの導入を提案しているとのこと。
これは量産タイヤをそのまま使用するということではなく、市販タイヤと同様のフットプリントを採用した競技用タイヤを使用するとのこと。これによりスピードを抑制しつつタイヤメーカーのプロモーションに活用してもらおうという目論見だ。
これはGTAだけでなくSROやACOなども含めて、世界全体で取り組んでいくことを目指している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
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2015オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月5日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)がポール・トゥ・ウィンを達成。途中大きく順位を落とす場面もあったが、終わってみれば平川が後続を42秒以上突き放す圧倒的な走りでレギュラー参戦の初戦を勝利で飾った。
GT300クラスも昨年までのサードドライバーからレギュラーに昇格した中山雄一の加わった#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)がレース序盤から圧倒的な速さをみせ、勝利をものにした。
この日の午後2時30分より82周で行われた決勝レースは、スタートからゴールまで雨雲の動向とそれに対するタイヤチョイスの可否が展開を左右する、実に波乱に満ちた一戦となった。
朝から降り続いた小雨は正午からのピットウォークが始まる頃には一旦上がり、曇天のままスタート進行が開始された。
これをみてスリックタイヤを選択したのが#17KEIHIN NSX、#11GAINER SLS、#65LEON SLS、そして#61SUBARU BRZの4台だった。
このほか、インターミディを選択するチームもあり、ウェットタイヤの中でもハードコンパウンド、ミディアム、ソフトと各チームそれぞれ異なった選択を行ってレースに臨んでいた。
スタートでトップに立ったのはソフトコンパウンドのウェットタイヤを選択したポールポジションの#37RC F。スタートを担当したカルダレッリは最初の5周で6秒ものマージンを築き上げる。
その後一旦は4番手からスタートして着実に順位を上げてきていた#1モチュールGT-Rのロニー・クインタレッリに17周目のヘアピンでインを突かれて先行を許すが、1号車は22周目に入ったところで左リヤから激しく白煙を吹き上げてピットへ、そのままガレージに押し戻されてレースを終えてしまった。どうやらブレーキトラブルに見舞われたようだ。
しかしその直後、23周目の最終コーナーで今度は#15モデューロNSXを駆る小暮卓史がカルダレッリのインに並びかけてトップに立った。
さらに25周目のダブルヘアピンでは#100レイブリックNSXを駆る山本尚貴も37周目を攻略、更には35周目のヘアピンで小暮のインに飛び込んでトップに躍り出た。
ちょうどその頃から再び雨が路面を濡らし始めた。
これに対応する形で15号車は36周目、100号車は37周目、そして37号車は42周目にドライバー交代を行ったが、タイヤ交換に手間取って50秒以上の作業時間を要したNSX勢に対し、46秒1で作業をまとめた37号車が再びトップを奪い返す。
また、このままの状態が続くと判断したホンダ勢はハードコンパウンド、レース終盤に雨が強くなると読んだ#37トムスはソフトコンパウンドを選択。これがそのままレース展開を左右することになった。
チームからの指示でタイヤを温存しつつ周回を重ねていた平川は49周目のダブルヘアピンで周回遅れに詰まったところを#100伊沢拓也にかわされて2位に後退、その後もじわじわと差を広げられて一時は10秒以上の差をつけられてしまう。
ところが残り周回数が15周となった67周目から平川が逆襲に転じ、1分33秒台のハイペースで伊沢との差を
詰め始めた。#100レイブリックNSXのタイヤはその頃には悲鳴を上げ始めており、伊沢は1分36秒~39秒台の苦しい走りを強いられ、コースにとどまるのが精一杯の状況となっていた。
そして71周目。
ダブルヘアピンの二つ目でアウト側からアプローチした平川がうまくラインをクロスさせる形で伊沢を抜き去り、一気に突き放していった。
その差は75周目には15.6秒、80周目には42秒と一気に広がっていき、最後はチームからの指示によりペースをコントロールしながら平川は圧倒的な速さでGT初勝利を挙げた。また、#37KeePer RC Fとしては昨年に続いて岡山に連勝を達成したことになる。
2位には久々に伊沢/山本コンビが復活した#100レイブリックNSX、3位には新たに立川/石浦コンビとなった#38ZENT RC Fが入った。
めまぐるしくトップが入れ替わったGT500クラスとは打って変わり、GT300クラスはレース序盤にトップに立った#31プリウスが終始レースをリードし、2位以下にこちらも42秒の大差をつけて開幕戦を制した。
こちらも今季初めて使用することになったブリヂストンのウェットタイヤ(ハードコンパウンド)がうまくコースコンディションにマッチした結果だという。
2位には同じくBSタイヤを履くハイブリッド車の#55ARTA CR-Zが入り、ポールポジションからスタートした#10ゲイナーGT-Rはスタ−トでインターミディを選択したことも祟って次第に順位を落とし、7位でレースを終えている。
次戦は富士スピードウェイでの500km耐久レース。
5月3日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Motorsports Forum
Eiji TAKEUCHI
FIA-F4選手権第2戦決勝は4月5日、岡山国際サーキットで雨の中15周で行われ、昨日に続いて#11牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)が後続に12秒もの大差をつけた2連勝を達成した。
ドライコンディションで行われた第1戦から打って変わり、第2戦決勝を迎えた岡山は朝から雨が降り続き、路面は完全なウェット。
このため午前11時10分からの決勝レースはセーフティカースタートが選択され、各車隊列を組んだまま走行を開始した。
セーフティーカーは2周終わりでピットへ。レースは3周目から追い越し可能となった。
ところがリスタート直前の最終コーナーで、ポールシッターの#16銘苅翼がいきなりのスピン、大きく順位を落とすと、続く1コーナーでは2番グリッドの#88川端伸太朗がコースを飛び出し、ヘアピンでは#50山田真之亮も姿勢を乱して飛び出すといういきなりの大混乱となった。
この混乱を尻目にトップに浮上したのが、予選5番手からスタートした#11牧野だ。
牧野は3周目のアトウッドカーブで前を行く#36坪井翔を捉えると、そのまま一気に後続を突き放しにかかった。
この周の牧野のラップタイムは1分54秒台。他のドライバーは1分57秒〜2分フラットという状況下で圧倒的な速さを見せつけた。その後も5周目に1’52.073、6周目に1’52.006、7周目には1’51.140と着実にリードを広げていく。
これに対し2位を行く坪井、3周目の最終コーナーで#5平木湧也を抜いて3位に上がってきた#7大津弘樹らも次第にペースを上げて8周目以降は1分51〜52秒台に入り、牧野と遜色のないペースで周回を重ねるが、そこまでに構築された8秒近いリードは如何ともし難く、牧野が大差をつけて岡山での第1大会を見事2連勝で飾る結果となった。
- 優勝 牧野任裕(DODIE・インプローブス・RN-S)
-
「予選は僕のミスです。燃料搭載量を攻めすぎて最後ガス欠が出てしまいました。次はないようにします。今日のレースは運もよかったですけど、前半トップに立てて、立ってからは自分の走りに集中しようと全力でプッシュしました。後半はギャップも空いたので、ペースを抑えて確実に最後まで車を運ぼうと思いました。1、2周目は一番プッシュしました。タイヤのことも考えて、パーンと踏まないように、前に転がすように心がけました。最終コーナーは危なかったです。まさかあんなことが起こるとは思いませんでした。
ちょっとよかったかなと思ったのは、セーフティーカースタートだったことです。後ろについて走っている時に、今後のことも考えて練習しようかなと思ったらホイールスピンしまくったので、それがわかったのは良かったです。
次の富士もS-FJで経験があります。
今年の目標は全勝です。どっかで負けるときがくるかもしれませんが、それは受け止めて、自分の身になるようにしたいです。」
- 2位 坪井翔(FTRSスカラシップF4)
-
「セーフティーカースタートになって、荒れるな、という予想は出来てましたが、最初のストレートからスピンするクルマがあったので、慎重に行こうと思いました。自分は抜いてないので。周りがいなくなった形でした。牧野くんは速くて追いつけませんでした。そのあともいつ飛び出すかわからないコンディションの中で走っていたので、飛び出さないように、というところを意識して走りました。最初は慎重に行って、タイヤが温まってからはペースを上げましたが、後半になってからはリヤがきつくなりました。
富士は走り込んでいるので、なんとか2連勝できるように調整して行きたいです」
- 3位 大津弘樹(HFDP/SRS-F/コチラレーシング)
-
「予選を失敗して10番グリッドからのスタートだったのでポイントを取れればいいかなと思っていました。スタートして1コーナーでイン側にいて2台くらい抜くことができ、2コーナーで止まったクルマもあったり、山田選手もストップしたりで、平木選手を最終コーナーで抜いて3位になれました。前半から後半に向けてクルマの動きも変わってきてトラクションがかからなくなったのでメカニックと相談して改善していきたいと思います。次に向けてセッティングも走りもまだまだなんで、次は優勝できるようにがんばります」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
岡山国際サーキットで開催されているスーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース]のフリー走行は、昨日の予選でポールポジションを獲得した#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)がトップタイムを記録。決勝に向けて好調ぶりをアピールした。
GT300クラスは#21Audi R8 LMS Ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢組)がトップだった。
決勝日を迎えた岡山国際サーキットは朝からあいにくの雨模様。
ウェット宣言が出される中、午前9時よりフリー走行が開始されたが、アウトラップの2コーナーで#22グリーンテックSLSがいきなりスピンアウト。なんとかコースには復帰したものの、今度はモスエスで前からバリアに突っ込んでコース上にストップしてしまう。ドライバーの和田久は無事クルマを降りたが、コース上には22号車のパーツのほか、ウレタンバリアの破片が散乱した状態となったため、これらを処理するために赤旗が出されてしまった。
この時の路面はいたるところに川が流れているような難しい状態。22号車のほかにも数台のクルマがコースのあちこちでスピンを喫していた。
車両回収、コース清掃ののちセッションは8時20分に再開。
中断時間を考慮して終了時刻は5分延期され、8時35分終了とされた。
このわずかな走行時間の中、各チームとも決勝へ向けて最後の調整にとりかかる。
そうした中、37号車のカルダレッリは1’35.095を叩き出してトップに立つ。続いて交代した平川も1’35.674と遜色のないタイムを記録。昨日のドライセッティングに続いてウェットでも好調ぶりをみせる。
しかし#38ZENT RC Fも1’35.253で続いており、予断を許さない状況だ。
GT-R勢最上位は#46S Roadで3番手、NSXでは#100レイブリックの6番手が最高と厳しい状況だ。
しかも100号車はチェッカー後のアトウッドカーブで#39デンソーRC Fと交錯する形でスピンしており、決勝レースへの影響が懸念される。
GT300クラスはセッション前半は#77KSFフェラーリの横溝直輝がトップだったが、最後に#21一ツ山アウディの藤井が1’40.171を記録してトップに。予選順位は11番ながら決勝での巻き返しが期待される。
なお、ポールシッターの#10ゲイナーGT-Rはクラス3位とまずまずの位置につけた。
第1戦決勝はこのあと午後2時30分より82周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
4月4日午後に岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた2015オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kレース」の公式予選は、Q1、Q2ともに前年のコースレコードを上回る激しいアタック合戦が展開された。 その結果ポールポジションを獲得したのは#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)。今季初めてのフル参戦を果たした平川が予選Q2で1’19.008という圧倒的なコースレコードを樹立してみせた。
GT300クラスも昨年のレコードを上回る好タイムが記録され、#10GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後1時50分よりノックアウト方式で行われた。
心配された天候は最後まで持ちこたえ、予選Q1、Q2ともにドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
15分間で行われる予選Q1だが、GT500クラスはこれまでと同様に残り時間が8分あまりとなったところでようやく各チームが動き出すという展開となった。
最初にアタックを開始したのは今シーズンから500クラスにステップアップしてきたルーカス・オルドネスの駆る#24D’Station GT-R。果敢な走りで1’20.359を叩き出す。
しかしベテラン勢のペースははるかにこれを上回り、#1モチュールGT-Rの松田次生が1’19.814、昨年のポールシッター、#6エネオスRC Fの国本雄資が1’19.475を記録してきた。
さらにセッション終了間際には#38ZENTセルモRC Fに今季加入した石浦宏明が1’19.103と昨年のレコードをコンマ3秒も上回るタイムで一気にトップに躍り出た。
この結果#38ZENT、#6エネオス、#39DENSO、#37KeePerとレクサスRC Fが上位4位までを占め、#1モチュール、#12カルソニックのGT-R勢が続いて、#36ペトロナスRC F、#15モデューロNSXの8台がQ2にコマを進めることになった。 公式練習でボンネットから出火するアクシデントに見舞われた12号車だったが、見事修復を間に合わせ、安田裕信が6番手タイムを叩き出している。
GT300クラスは昨年の岡山でも速さを見せつけていた#7Studie BMW Z4Mの荒聖治が1’27.052でトップに。
ルーキーの中山雄一がアタックを担当したJAF−GTの#31プリウスが2番手につけ、今季から日産GT-Rにスイッチしたゲイナーの10号車が3番手。
このほかマザーシャシーの86を駆るつちやエンジニアリングの25号車が松井孝允のドライブで8位、同じくルーキーの平峰一貴がアタックを担当した#88マネパランボルギーニが11位、レーシングプロジェクトバンドウとUPGARAGEがジョイントして走らせる18号車の86が13位でQ2進出を果たしている。
予選Q2
10分間のインターバルを置いて開始された予選Q2。
GT500クラスは注目の元F1ドライバー、ヘイッキ・コバライネンが39号車のアタックを担当。セッション開始直後からいきなりのハイペースで岡山国際サーキットを駆け抜けたが、それが仇となったかタイムは1’19.932にとどまる。
一方、WECに参戦する中嶋一貴に変わって昨年の第2戦富士、第3戦オートポリスで#36ペトロナスRC Fをドライブしたものの、フルシーズン参戦は初めてとなる平川亮は、ルーキーとは思えないアグレッシブな走りで1’19.008という圧倒的なタイムを叩き出し、一気にトップに躍り出た。
#6大嶋和也、#38立川祐路も昨年のレコードタイムを大幅に更新するタイムを記録したが、平川には及ばず、それぞれ予選2位、3位で明日の決勝に臨むことに。 4番手には朝の炎上事故から奇跡の復活を遂げた#12カルソニックGT-Rを駆るJ.P.デ.オリベイラがつけた。
GT300クラスは昨年ブランパン耐久シリーズに参戦し、スーパーGTには2年ぶりの復帰となる千代勝正が#10日産GT-R GT3を駆って1’26.532と、こちらも昨年のコースレコードを上回る走りでポールポジションを獲得。2位には平中克幸の駆る#11SLSがつけ、チームゲイナーがフロントローを独占する快挙を達成した。
3位には#55ARTA CR-Zの小林崇志がつけ、#25VivaC86 MCを駆る土屋武士が4位で復帰戦をスタートすることとなった。
スーパーGT第1戦決勝は明日5日午後2時30分より82周で行われる。 今のところ雨の予報が出ているが、果たしてどんなドラマが待っているのだろうか。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Eiji TAKEUCHI
今シーズンより始まったFIA-F4選手権の第1戦決勝が4月4日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた。
初戦から大量のエントリーを集めたこのレースはスタート直後からコースのいたるところで激しいバトルが展開され、予選6番手からスタートで一気に順位を上げた#11牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)が最初の勝者となった。
第1戦決勝は午後1時50分にフォーメーションラップを開始。
ところが5番グリッドからスタートするはずだった石坂瑞基がトラブルのためコース上にストップしてしまい、スターティンググリッドにたどり着けないというアクシデントが発生。
残る27台で15周の戦いが始まった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#36坪井翔。
一方、予選2番手の#16銘苅翼は序盤からペースが上がらず、1周目で6位まで後退することに。
変わって2位に浮上してきたのが金曜の走行ではトップタイムを連発していながら予選6位に終わった#11牧野だった。
牧野はスタ−トから勢いよく飛び出してみるみる順位を上げていくと、バックストレートでは早くも坪井の背後に迫り、インを伺うそぶりを見せる。
しかし坪井も付け入る隙を与えず、トップをキープしたままコントロールラインへ。
3位には#50山田真之亮、4位には#88川端慎太朗がつける。
ところがその後方で#7大津弘樹と8上村優太が接触、そこに巻き込まれる形で#14根本悠生もウォールに突っ込んでしまった。場所はリボルバーとバイパーの間だ。
この3台がコースを塞ぐ形でストップしたため、彼らを回収するために3周目からセーフティーカーが導入されることになった。
SCは8周終わりでピットへ。9周目からレースは再開された。
リスタートのタイミングをうまく合わせて一時は牧野を引き離したかに見えた坪井だったが、牧野はスリップストリームをうまく使って坪井との差を詰め、1コーナーやヘアピンで果敢に仕掛けていく。
懸命に抑え込む坪井。
しかし11周目のヘアピンでついに牧野が坪井のインをこじ開け、トップに立つ。
その後方では#50山田と#88川端が接近戦を展開、10周目の1コーナーで川端がインをついて3位に浮上すると、山田も12周目のダブルヘアピンでアウトから川端に並びかける。しかしこの試みは実を結ばず、アウトに膨らんできた川端のあおりを食ってスピンアウト、グラベルの餌食となってしまった。
これにより川端にはレース後「危険なドライブ行為」との裁定が下り、45秒加算のペナルティが課せられた。
こうした中、トップに立った牧野は着実に坪井との差を広げ、最後は2.1秒のリードを築いて15周のレースを制した。
2位は坪井、3位には#5平木湧也が入った。
3番手でフィニッシュした川端は、前述のペナルティにより15位に終わった。
FIA-F4選手権第2戦決勝はは明日午前11時10分より15周で行われる。
- 優勝 牧野任祐(DODIE・インプローブス・RN-S)
-
「最高です。スタートがうまく決まりました。過去最高じゃないかな?それで2位に上がることができました。セーフティーカー明けのリスタートで離されましたがギリギリスリップの効く範囲にとどまれたので、それが良かったのかなと思います。このレースはいいメンバーが揃っているので勝とうと思ってもなかなか難しいので、なんとか勝ててよかったです。明日は雨なので、前が開けることを祈っています」
- 2位 坪井翔(FTRSスカラシップF4)
-
「セーフティーカーが入らなくても厳しかったと思います。スピード的に完全に牧野くんに負けていたので、セーフティーカーが入ることで少し先延ばしにできてラッキーでした。気持ち的にはもう少しセーフティーカーが長くても良かったのにと思ったんですが、全然スピードが違ったので抑えきれないとこまで来てしまって、最後は無理しないように2位でフィニッシュしましたが、まあまあ良い出だしかなと思います」
3位 平木湧也(GSR初⾳ミクホリデー⾞検F110)
「予選は8位で石坂選手がいなくなったのでスタートは楽でした。SCが入る前までに6位に上がり、1コーナーで白石選手を抜き5位。山田選手がリタイアしたので4位でゴール、川端選手のペナルティで3位になりました。危なくて激しいレースでした。練習まで調子が良くなくてここまで来れたのはよかたです。目標はチャンピオンです」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
2015年スーパーGT第1戦の公式練習が4月4日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、GT500クラスは昨年ポールポジションを獲得している#6ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)が1’19.609でトップタイムを記録。
GT300クラスは#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)がトップだった。
スーパーGTの2015シーズンがいよいよ開幕。 第1戦の舞台は例年通り岡山国際サーキットだ。
ピットの設営や車両の搬入が行われた金曜日は雨に見舞われたものの、夜半には止んで、公式予選日は時折青空が覗くまでに天候は回復。
105分間の公式練習が開始された午前9時の段階ではまだ路面が僅かに濡れていたため、各車ウェットタイヤを装着してのスタートとなったが、コースコンディションはすぐに回復、セッション中盤には相次いでスリックタイヤが投入され、ラップタイムもそれにつれて上がっていった。
しかし走行開始から50分が経過したところで今季から新たにレクサスRC FのFIA-GT3仕様を投入した#60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹組)がリボルバーコーナーでスピンアウト、グラベルに捕まってしまったため、これを回収するために赤旗が提示されてしまう。 車両回収後9時58分に走行は再開されたが、それから5分余りして#12カルソニックGT-Rの排気系のあたりから出火。車はホームストレートに停止して激しく炎と煙を吹き上げたため、これの消火作業と車両回収のために二度目の赤旗が出されてしまった。 結局12号車はこのままガレージに戻され、修復作業のため最後まで走行に加わることはなかった。
この時点でトップタイムを記録したのは、元F1ドライバーのヘイッキ・コバライネンを迎え入れるなど、チーム体制を一新してきた#39デンソーRC F。 しかし専有走行では#38ZENT RC Fの立川祐路を皮切りに#100レイブリックNSXの伊沢拓也、#1モチュールGT-Rの松田次生、#37KeePer RC Fの平川亮らがコバライネンのタイムを上回り、最後は#6大嶋が昨年のコースレコードに迫る1’19.609を叩き出し、このセッションのトップとなった。 2位に#1モチュールGT-R、3位には#38ZENT RC Fがつけた。
一方、マザーシャシーの導入や車種変更により昨年とは勢力図が一変したGT300クラスは、500クラスにステップアップしたルーカス・オルドネスに変わって高星明誠を迎え入れた#3B-MAX NDDP GT-Rが1’26.799を記録してトップに。 2番手にはマザーシャシーのトヨタ86を得てスーパーGTに復帰したつちやエンジニアリングの#25VivaC 86MCがつける。ベテラン土屋武士のパートナーとしてGTデビューを果たした松井孝允はお隣の広島県福山市の出身だ。 3番手にはこちらも初めてのレギュラー参戦となる中山雄一が1’27.739を叩き出した#31プリウスがつけた。
スーパーGTの公式予選はこのあと午後2時50分よりノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
今シーズンから新たにスタートするFIA-F4選手権がいよいよ開幕。 第1戦、第2戦の公式予選は4月4日、岡山国際サーキットで行われ、ベストタイム最速の#36坪井翔、セカンドベストタイム最速の#16銘苅翼がそれぞれ第1戦、第2戦のポールポジションを獲得した。
全7大会がスーパーGTのサポートイベントとして開催される同シリーズは、GTアソシエイション(GTA)が初めて手がけるフォーミュラカーの選手権だ。
名前が示す通り国際自動車連盟(FIA)の規定に則って制作されたワンメイク車両が用いられるが、シャシーやエンジンのメーカーは各国ごとに異なる。日本ではシャシーを童夢が、エンジンをトムスが(ベースとなるのはトヨタTZR42)、ギヤボックスを戸田レーシングが供給する。
また、ここで好成績を残したドライバーには全日本F3やスーパーGT300クラスへの参戦の道が開けることから、全国各地で開催されているスーパーFJや東西F4の上位ランカーや各メーカーのスカラシップ生らが相次いで参戦を決め初戦から32台もの大量エントリーを集めた。
また、彼らを走らせるチームもB-MAXやハナシマレーシング、ルボーセといったF3の常連組に加え、野田英樹の主催するレーシングスクールと提携したSARDや昨年のGT300王者GSRなど、スーパーGTのトップチームが加わるなど、非常に華やかなものになっている。
ただし残念ながら全32台のうち#27ファン・ドユン、#44山内飛侑、#80陣川雄大がの3台は今大会の出走を見合わせ、#52番場琢も専有走行でのクラッシュにより参加を断念することになった。
上記4台を除く全28台による最初の予選セッションは4日午前8時10分より30分間で行われた。
前日の専有走行ではあいにくの雨に見舞われた岡山国際サーキットだったが、この日の天候は曇り。 しかし路面はまだ乾いていなかったため、全車ウェットタイヤでの走行となった。
序盤から好タイムを連発したのは#36坪井と#16銘苅。
しかしセッションが進むにつれて#50山田真之亮、#88川端伸太朗といった、いずれもF3やFCJ、F4などで活躍してきた顔ぶれがペースを上げてトップ争いに加わり、終盤まで目まぐるしくトップが入れ替わる展開となった。
しかし結局#36坪井がチェッカー直前に1’43.404を記録してトップとなり、開幕戦のポールポジションを獲得、2位に#16銘苅、3位に#88川端がつける結果となった。
なお、このシリーズでは30分間の走行の中で各自のベストタイムを元に第1レースのグリッドを決め、セカンドベストタイム順で第2レースのグリッドを決めることになっており、セカンドベストタイムでは#16銘苅の記録した1’44.408がトップとなったため、第2戦は#16銘苅がポールポジションからスタートすることになった。2番手は#88川端、3番手は#50山田で、第1戦ポールの#36坪井は2列目、4番手からのスタートとなった。
FIA-F4第1戦の決勝は、このあと午後1時50分より15周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本選手権スーパーフォミュラ・シリーズ開幕前のデモレース、「SUPER FORMULAオープニングラップ」がモータースポーツファン感謝デーの行われている鈴鹿サーキットで行われ、めまぐるしいトップ交代劇の後、2014年チャンピオンの#1中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)がトップでチェッカーを受けた。
今回はファン感謝デーのアトラクションの一環として、レース距離は7周、グリッド順は5位以下は昨年のランキング順、1〜4位はホンダ、トヨタ、それぞれのエンジンを使うドライバーの中から日本レースプロモーション(JRP)が2名ずつを選抜した形で決定され、午前11時29分にフォーメーションラップが開始された。
スタートで勢いよくトップに飛び出したのは#8小林可夢偉。 しかしポールシッターの#1中嶋が1コーナーで大外からかぶせてトップを奪い返す。 その後方からは#40野尻智紀が接近してきて1周終わりのシケインで#8小林のインに飛び込んで2位に浮上すると、2周終わりのホームストレートでスリップを使って#1中嶋をもパスしていく。 すると#34小暮卓史も3周目に#8小林をパス、続くホームストレートでインから#1中嶋に並びかけて2位に浮上、4周終わりのホームストレートではオーバーテイクボタンを使って#40野尻をパスしてトップに立つ。 その後も5周終わりのストレートでは#8小林が、6周終わりのストレートでは#1中嶋がトップに、という展開でレースは進行し、最終的に#1中嶋が逃げ切ってトップでチェッカーを受けた。
なお、今回のファステストラップは10番グリッドからスタートして11位でフィニッシュした#16山本尚貴が6周目に1’39.939と、トップ4人を大幅に上回るタイムを記録した。
全日本選手権スーパーフォミュラ・シリーズの2015年第1戦は来月18-19日にここ鈴鹿サーキットで開幕する。
Text : Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
鈴鹿サーキットで開催されている毎年恒例のモータースポーツファン感謝デーは3月8日に第2日目を迎えた. この日最初のアトラクションとして行われた全日本選手権スーパーフォミュラ・シリーズの公開テストは、#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION)が1’50.748を記録してトップに。 昨年までF1を戦い、今期からスーパーフォミュラに参戦する#8小林可夢偉は1’51.647で4位だった。
第1日目はあいにくの雨に見舞われた鈴鹿サーキットだったが、第2日目は天候が回復、早朝から数多くの観客が詰めかける中、午前8時20分より55分間の走行がスタート。
当初の発表では全20台のエントリーとなるはずだったが、先週になってチーム無限から出されたリリースによりファビオ・ライマーとの契約が解除されたことが明らかになり、今回は19台が走行に参加することに。 また、チームインパルの19号車もジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが怪我の療養のためにこのイベントを欠席することになり、代わって安田裕信がステアリングを握ることになった。
この日の路面コンディションはウェット。 すでに雨は上がり、青空が広がってはいたが、昨日午後から夜半にかけて降り続いた雨が乾ききるには時間がかかったため、各車ウェットタイヤを装着しての走行を強いられた。
この状況の中で序盤から好タイムを記録したのが#10塚越広大、#40野尻智紀、#64中嶋大祐らのホンダ勢。 中でも昨年このカテゴリーにステップアップし、第6戦SUGOで初勝利を挙げた野尻はこの日も好調で、終了6分前に1’50.748と、このセッションで唯一の1分50秒台のタイムを記録してみせた。 2位には#10塚越がつけ、トヨタ勢最上位は#38石浦宏明の3位だった。
なお、公開テスト終了後に行われたサーキットサファリでは各車スリックタイヤが投入され、#1中嶋一貴が1’40.932を記録している。
モータースポーツファン感謝デーではこのあと午前11時よりSUPER FORMULAオープニングラップが行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
昨年までザウバーやケーターハムに所属してF1で活躍し、今季はスーパーフォーミュラへの参戦が決定している小林可夢偉(チーム・ルマン)が3月7日、鈴鹿サーキットで会見を行い、今シーズンの抱負を語るとともに、鈴鹿で開催される第1戦と第7戦に各100名ずつの中高生を無料招待する企画を実施することを明らかにした。
2003年にフォーミュラトヨタで四輪デビューを果たして以来の国内レース復帰となる小林は既に昨年末に岡山国際サーキットで2日間のテストを経験しており、スーパーフォーミュラの性能や日本のレースのレベルの高さに満足しているといい、このあと予定されている鈴鹿での合同テストについても、日本のチャンピオンたちと一緒に走行できることや、F1と同じ開催サーキットで明確な比較ができるという点を楽しみにしているとのこと。
また小林は今シーズン、日本の次世代を担う子供達にモータースポーツの魅力を肌で感じてもらおうと、4月の2&4、11月のJAFグランプリに各100名ずつの中高生を無料招待する。 鈴鹿は電車やバスなどの公共交通機関でのアクセスに優れたサーキット。F1時代からモータースポーツの普及に努めてきた小林はこの企画を通じ、招待された子供達には自分たちだけでサーキットまで足を運んでもらうことで、より身近にモータースポーツを肌で感じて欲しいという。
無料招待企画の詳細については後日鈴鹿サーキットの公式HPで発表されるとのことだ。
Text : Kazuhisa SUEHIRO
鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎを運営する株式会社モビリティランドは3月7日、モータースポーツファン感謝デーの開催されている三重県の鈴鹿サーキットにて2015年の活動計画を発表した。
四輪レースは今シーズンも4月の鈴鹿2&4から11月のJAF鈴鹿グランプリまで、スーパーフォーミュラ、スーパーGT(鈴鹿1000km)、F1日本グランプリ、そしてスーパー耐久と全6レースが開催される。
今季F1では23年ぶりにマクラーレン・ホンダが復活するほか、国内レースでもスーパーフォーミュラに小林可夢偉、スーパーGTにはヘイッキ・コバライネンらの元F1ドライバーの参戦も決定しており、例年以上の盛り上がりが期待できそうだ。
そのほか、5月にはD1グランプリ、そしてヒストリックカーイベントであるSUZUKA Sound of ENGINE2015が14台のF1を集めて国際レーシングコースで行われる。
また、佐藤琢磨、松田次生ら数多くのトップドライバーを育成してきた鈴鹿サーキットレーシングスクールフォーミュラ(SRS-F)では、14~17歳を対象年齢とする「SRS-Fチャレンジ」を新設。 これにより中学生にもフォーミュラカーでの練習走行の機会を与え、より早い段階からの人材育成を可能とする。 SRS-Fチャレンジは今年4月にスタートする予定だ。
Text : Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は11月16日、スーパーGT第8戦が開催されたツインリンクもてぎで会見を開き、2015年よりブランパンGTシリーズのプロモーターであるSRO Motorsports Group(SRO)との関係を強化し、GT300クラスの性能調整(BOP)値の策定をSROが日本の事情を考慮して策定することを発表した。
現在GT300クラスにはFIA-GT3規定の車両とJAF-GT規定の車両が走行しており、これらの性能調整にあたっては、当初はGTAが定めた数値でFIA-GT3を調整していた。
これはGT3にとっては性能ダウンにつながるため、GT3車両を製造、販売するマニファクチャラーからは本来の性能を発揮できる環境を要望する声が上がっていたといい、2012年からはFIA-GT選手権での数値を採用することになった。
しかしこの値が日本のレース事情に合っておらず、公平性に欠けるとの指摘があり、また、BOP値の決定が開幕戦の後になるなどの状況もあったことから、2014年からはブランパン耐久シリーズのBOP値を元にGTAが独自の調整を加える形となっていた。
今回、SROとの関係が強化されたことで、今後は日本のサーキットの特性やGTA公式テストの結果など、日本側のデータを考慮した上でSROがGT300クラスのBOP値を策定することになる。
これにより、今まで以上にきめ細かい性能調整が図られることになり、より一層公平性の高いレースが開催されることが期待できる。
SROではこれに備えてフランスのポールリカールサーキットに隣接して独自のテストセンターを開設、2015年3月に公式テストを実施。これに基づいて各車両のBOP値を決定する。
また、GTAが開幕前に実施する公式テストにもSROのスタッフが参加してデータ収集を行い、各開催サーキットをA(ハイスピード)、B(ハイダウンフォース)、C(ストップ・アンド・ゴー)の3カテゴリーに分類、それぞれのコース特性に合わせたBOPを発表する予定になっている。
会見にはGTAから坂東正明代表と服部尚貴シニアマネージャーが、SROからはステファン・ラテル CEOとクロード・シューモンテクニカルディレクターが出席。
坂東代表、ラテルCEOの挨拶の後、服部マネージャーからこれまでの経緯が、シューモン氏からは今後のBOP策定の詳細が説明された。
- SROステファン・ラテルCEOのコメント
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久しぶりに日本に戻ってくることができ、大変光栄に思います。1990年代にはドライバーとして、そしてプロモーターとしてBPRグローバルGTシリーズやFIA-GT選手権の一戦として開催された鈴鹿1000kmに参加するため、定期的に日本を訪れていました。
世界的にGTレースが復活し始めたちょうどその時にスーパーGTが誕生しました。そして今やスーパーGTは日本のトップシリーズとして、かつ世界でも影響力のある選手権の一つだと認識しております。
今週末、ここツインリンクもてぎにてスーパーGTの人気とそのたいへんなパワーを目の当たりにし、そしてメーカー同士のハイレベルな競争を行うGT500クラスとカスタマーレーシングカーで戦うGT300クラスの魅力を存分に感じております。
我々SROは2005年から創設者、そして開発者としてGT3カテゴリーに関わってきました。そのGT3がGT300クラスのバックボーンになっていることを嬉しく思います。
本日お越しの皆様の前で、坂東代表とともに我々SROとGTAがスーパーGTシリーズGT300クラスのGT3車両向け性能調整におけるパートナーシップを発表することを大変光栄に思っております。
我々SROがヨーロッパの選手権やシリーズ用に策定した性能調整はすでにオーストラリアやマカオでも使われており、優れたものであることを世界的に認識されていることを大変誇りに思っています。SROは今後も技術スタッフを増やし確実により良いものを提供したいと思っています。そのためポールリカールサーキットに新たなテストセンターを新設いたしました。そこではGT3の全メーカーが出席して3日間のテストプログラムを行う予定です。
- GTA坂東正明代表のコメント
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このたび、スーパーGT GT300クラスの性能調整、BOPを来季よりステファン・ラテル・オーガニゼーション、SROとのより緊密な連携のもとに行なっていくことで合意いたしました。
GT300クラスはJAF-GT300規定に従って開発された車両と、FIA GT3規定の車両に参加が認められております。このクラスの性能調整は、まずFIA GT3車両がヨーロッパ仕様のままで走れるように、という配慮からヨーロッパで採用されているBOP値をスーパーGTでも採用し、それに合わせてJAF-GT車両のBOPを調整しております。
GT3車両につきましては、昨年までFIAによるBOPを採用しておりましたが、今年からは現在SROの運営によりヨーロッパでたいへん活況を呈しているブランパンGTシリーズのBOPを採用しております。公平性が高いと好評を得ていることがその理由の一つですが、今回の合意につきましても、私たちGTアソシエイションは、マニファクチャラー各社がそれぞれのマーケティング戦略に従って車両を製作し、参加しやすいように配慮するという点を大いに重視いたしました。
今回の合意により、GT300クラスのBOPにつきまして、これまで以上にきめ細かい調整が可能となり、同クラス参加各チームはより高い公平性が確保・維持できるものと期待しております。
また長きにわたって世界各地で様々なレースシリーズをプロモートしてきたSROと協力関係を構築できたことで、今後様々なコラボレーションも期待できると考えております。
Text: Kauzhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2014AUTOBACS SUPER GT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝レースが11月16日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が圧倒的な速さで後続を突き放し、今季2勝目を挙げた。
さらに#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が10位に終わったため、シリーズポイントでも逆転し、見事2014年のドライバーズチャンピオンを獲得した。
GT300クラスもポールシッターの#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が独走優勝。しかし#4グッドスマイル初音ミクBMW Z4が3位に入り、年間ポイントが78で並んだため、優勝回数の差で谷口/片岡組がドライバーズチャンピオンをチャンピオンを手にすることになった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選15,500人/決勝32,000人)
第8戦決勝は午前1時より53周で行われた。
ホールショットを奪ったのは#23モチュールGT-R。スタートドライバーのクインタレッリが一気に後続を突き放しにかかる。
しかしその後方では3コーナーで#32エプソンNSXがコースオフ、さらにファーストアンダーブリッッジ先の130Rでなんとポイントリーダーの#36ペトロナスRC Fとランキング4位の#12カルソニックGT-Rが接触。12号車はその場でスピンを喫して大きく遅れた上、この件でドライビングスルーペナルティを課せられてしまい、一気に優勝戦線から脱落した。
一方の36号車も左フロントのカナードを失うなど車体にダメージを受けてペースダウンを強いられ、じりじりと順位を落とすことになった。
スタートドライバーは12号車がジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ、36号車はジェームス・ロシターだった。
一方、公式予選でのコースアウトにより13番手スタートとなった#37KeePer TOM’S RC Fは、スタートドライバーのアンドレア?カルダレッリのアグレッシブな走りで瞬く間に順位を上げ、1周め9位、9周目に6位、10周めのS字コーナーでは#19ウェッズスポーツRC Fを駆る関口雄飛を捉えて5位、更には11周めのホームストレートで周回遅れに詰まった#36ロシターにも並びかけて4位に浮上してきた。
この時点でトップ3を形成していたのは#23モチュールGT-R、#46S Road GT-R、#18ウイダーNSXのミシュランタイヤユーザーだったが、46号車にはイエロー区間の追い越しにより10秒ストップの裁定が下り、18号車はなんと22周目に行ったピットストップの際にエンジンストール。
この結果#37KeePer RC Fは2位に浮上することになった。
しかしトップを快走する#23モチュールGT-Rとの差は一向に縮まらず、終盤にはむしろ差が開いていく状況に。第2スティントを任された松田は最終的に2位の伊藤大輔に51.744秒の大差をつけて53周を走りきり、第3戦オートポリス以来の今季2勝目を挙げた。
これにより松田/クインタレッリ組はシリーズポイントを81に伸ばし、2位に終わった伊藤/カルダレッリ組の79pt、10位まで後退してレースを終えたロシターの68ptを上回って2014年のドライバーズチャンピオンを獲得した。
さらにはチームタイトルにおいても102ptを獲得し、101ptの37号車を上回ってこちらもニスモが獲得することになった。
3位には伊沢拓也がエンジンストールから猛然と追い上げを図った#18ウイダーNSXが入った。
GT300クラスはポールシッターの#11ゲイナーSLSがハイペースで逃げる一方で、2位以下は#4初音ミクZ4も加わっての激しいドッグファイトが終始展開された。
オープニングラップの3コーナーで#31プリウスを駆る新田守男をパスして2位に浮上した#4片岡だったが、予選8番手から着実に順位を上げてきた#10ゲイナーRn-スポーツSLSに24周目の3コーナーでかわされ、3位に後退。
更には26周めの90度コーナーで#21アウディR8を駆るリチャード・ライアンにもインを突かれて一時は4位に後退した。
しかし4号車は27周目にタイヤ交換とドライバー交代をすませると、34周目にはピットアウトしてきた21号車を抜き返して再び3位に挽回してきた。
1.5秒前後の間隔を保って谷口の隙を窺う21号車の藤井だったが、谷口は最後まで藤井を押さえ込んで3位でフィニッシュした。
一方、スタートからトップを独走していた#11ゲイナーSLSはまったく危なげない走りで後続を次々に周回遅れとし、GT500のフィニッシュ位置の関係も手伝って2位以下を全て周回遅れとして最終戦に勝利した。
この結果、ドライバーズポイントでは谷口/片岡組と平中/ビルドハイム組が78ポイントで並び、今季2勝している谷口/片岡組がチャンピオンを獲得。
しかしチームタイトルでは#11ゲイナーが97pt、#4グッドスマイルは96ptとなり、わずか1点差でゲイナーがチャンピオンを獲得した。
次回2015年の開幕戦は4月4-5日に岡山国際サーキットで行われる。
SROとGTAがBOP(性能調整)値の策定にあたり連携を強化することが既に決まったことで、GT300クラスの勢力分布がどう変化するのか、ストーブリーグの行方はなど、開幕までの話題は尽きない。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2014スーパーGT第8戦の決勝前フリー走行は#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1’40.387でトップ。
GT300クラスは#21Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井誠暢組)が1’49.568でトップだった。
決勝日を迎えたツインリンクもてぎも朝から快晴。 冬型の気圧配置による肌寒い気候の中、午前9時15分より朝のフリー走行がスタートした。
しかし始まって9分あまりで#50アストンマーチンヴァンテッジがドライブシャフトの破損によりに4コーナー先でストップ。
これを回収するために赤旗中断となってしまう。
セッションは9時29分より残り21分24秒で再開。
ここでトップタイムを記録したのが#12カルソニックだ。1’40.387は昨年のコースレコードをも上回るハイペース。これを決勝前の調整で出せてしまうのが今年のGT500車両のポテンシャルの高さだ。
昨日はギヤボックスのトラブルで予選アタックができなかった#24D7Station GT-Rも1’40.521を包むが記録して2番手につけ、ポールシッターの#23モチュールGT-Rが3番手と、ここでもニッサン勢が速さをみせつけた。
GT300クラスは前回のタイ戦からリヤの最低地上高を73mmに緩和された(それまでは78mm)#21アウディが1’49.568を記録してトップに。
ポールシッターの#11ゲイナーSLSは5番手、ポイントリーダーの#4初音ミクZ4も3番手と好位置につける。
なお、昨日の予選でクラッシュした#60TWS LM Z4は修復が間に合わずにフリー走行に参加できなかったが、その後のサーキットサファリには姿を見せており、決勝への出走は可能なようだ。
決勝レースはこのあと午後1時より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2014スーパーGT第8戦「もてぎGT250km」の公式予選は11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が1’38.258と従来のコースレコードを大幅に上回ってポールポジションを獲得。2位に#46S Road GT-R(本山哲/柳田真孝組)、3位には#18ウイダーモデューロNSX GT CONCEPT(山本尚貴/伊沢拓也組)がつけ、終わってみればミシュランタイヤ勢が1-2-3という結果になった。
GT300クラスも#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が1’47.796とこちらもコースレコードを更新、逆転チャンピオンに向けて好位置から明日の決勝をスタートする。
(天候:晴れ コース:ドライ)
公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。
予選Q1は各チームがタイヤのウォームアップを終えてアタックに取り掛かった残り5分というところで立川祐路の駆る#1ZENTセルモRC Fが駆動系のトラブルにより第4コーナーと第5コーナーの中間でストッしてしまい、赤旗中断となってしまう。
走行は午後2時に残り7分のところまで時計を巻き戻して再開されたが、こんどは前戦のタイで佐々木大樹の好走により2位表彰台を得た#24D’Sation GT-Rがギヤチェンジのできない症状に見舞われてガレージへ。
さらにはランキングトップのジェームス・ロシターを僅か1ポイント差で追う#37KeePer RC Fの伊藤大輔までもが第3コーナーでスピンアウト、グラベルにつかまってそのまま予選を終えるという波乱の展開に。
こうした有力チームの脱落を尻目にトップタイムを記録したのが#46S Road GT-Rを駆る柳田真孝。
従来のコースレコードを上回る1’39.258を叩き出した。 するとその1周後に#23モチュールGT-Rをドライブする松田も1’39.258と全くの同タイムを記録。
3番手には今季苦しい戦いが続いていた#19ウェッズスポーツRC F、4番手には#32エプソンNSXがつけ、ポイントリーダーの#36ペトロナスRC Fも7番手でQ2進出を果たした。
続いて行われた12分間の予選Q2では、まず#18ウイダーNSXの山本が1’38.881といきなり38秒台のタイムを叩き出すと、続いて#46SロードGT-Rの本山が1’38.592、#23クインタレッリは1’38.258とタイムを更新。
終わってみれば上位3台までをミシュラン勢が独占する結果となった。 #36中嶋一貴は4番手に終わったが、トップからの差はコンマ7秒にとどめた。
GT300クラスは昨日のテストから好調ぶりを見せつけ、午前中の公式練習でもトップタイムを記録した#11ゲイナーSLSが他を圧倒する速さをみせ、Q1、Q2ともにトップタイムを記録して見事ポールポジションを獲得した。平中がQ2で記録した1’47.796は従来のコースレコードを1秒以上上回るものだ。
予選2番手には終盤に入って新田守男が1’47.977を叩き出した#31OGTパナソニックプリウスがつけ、ポイントリーダーの#4グッドスマイル初音ミクZ4は3位で明日の決勝をスタートする。
第8戦決勝は明日午後1時より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2014スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の公式練習が11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が従来のコースレコードを大幅に上回る1’38.422を記録してトップに立った。
GT300クラスも#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)がこちらもコースレコードを上回る1’48.014でトップだった。
2014年のスーパーGTもいよいよ最終戦。 タイトル争いはGT500クラスが上位5台、GT300クラスは上位3台が未だ権利を有しており、何が起きてもおかしくない状況だ。
しかもGT500ランキング6位の山本尚貴は今回、WEC参戦により欠場のフレデリック・マコヴィッキィに変わって今回伊沢拓也という強力な助っ人を得ており、この#18ウイダーNSXの動向からも目が離せない。
GT300クラスでは第6戦優勝の#60TWS LM Z4が飯田章に代わって佐藤晋也を、#65LEON SLSは黒澤翼に代わって蒲生尚弥を今回起用している。
このように注目点満載の状態で迎えた2014最終戦の公式練習は午前9時より120分間で行われた。 公式予選日のツインリンクもてぎは快晴。しかし冬型の気圧配置から今年一番の寒さの中での走行となった。
それでも#23モチュールGT-Rは始まってわずか30分たらずで1’38.422と従来のレコードである1’40.982を2秒半も上回る速さをみせつける。 すると終盤の専有走行では前戦のタイで2位に入った#24D’Stationが1’38.503、#46S Roadが1’38.987、#12カルソニックも1’39.032を相次いで記録、終わってみればニッサンGT-Rが1-2-3-4と他を圧倒する結果となった。
一方、#36ペトロナスがランキング1位、#37KeePerがランキング2位で最終戦を迎えたレクサス勢は#6エネオスがトラブルから2度もコース上でスローダウンをみせる苦しいスタートとなった。 ランキング2位の37号車も一時ピットレーンでストップする事態に至ったものの、こちらは走行を再開し1’40.034を記録してクラス11位で走行を終えている。
RC Fの最上位は#19ウェッズスポーツの6位で、ランキングトップの36号車は7位で続く。
第4戦SUGO以来復調の兆しを見せ、山本がタイトル争いに踏みとどまっているNSX勢はその#18ウイダーが1’39.272を記録して5位、#17KEHINが9位につけている。
GT300クラスは#7Studieとともに9ポイント差で#4初音ミクZ4を追う#11ゲイナーSLSが混走の時間帯に1’48.014を記録、これがそのまま公式練習のクラスベストタイムとなった。
明日の決勝を3位以内で終えれば自力でタイトルが決まる4号車は8番手、それを追う#7Studieは7番手とやや苦しい滑り出し。
一方JAF-GT勢は#31プリウスが2位につけたものの、#0無限CR-Zは12位、#55ARTAは13位、#61BRZは19位に終わっている。
スーパーGT第8戦はこのあと公式予選が午後1時30分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2014全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース2は、ポールポジションからスタートした#37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が終始安定したペースで独走し、今季2勝目を挙げるとともに、2014年のシリーズチャンピオンを手にした。
2位には#36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がつけ、トムスが1-2フィニッシュを達成した。
(天候:雨 コース;ウェット 観客動員数:予選12,000人/決勝12,000人)
今年最後の決勝レースは午後3時より28周で行われた。
ポールシッターの#37中嶋がホールショットを決め、そのまま後続を突き放していく。
予選2番手の#8ロイック・デュバルはイン側の濡れた路面に手間取ったか、3番手スタートの#36ロッテラーの先行を許し、さらには6番手スタートから一気に4位に浮上してきた#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラにレース序盤は追い上げられる展開となった。
タイトル獲得の可能性を残し、なんとしても前に出たいオリベイラだったが、デュバルもまったく付け入る隙を与えず、逆にレース中盤からはオリベイラとの差を広げて2位のロッテラーに迫っていく。
レースが終盤に入り、次第に路面が乾き始めると、デュバルは21周目に1'56.459、26周目にも1'55.900、27周目には1'55.869と立て続けにファステストを更新、オーバーテイクボタンを駆使してロッテラーの背後を脅かしたが、あと一伸びが届かず、デュバルは0.5秒差で3位に甘んじる結果となった。
こうした争いを尻目に着実にリードを築き上げた中嶋は一時11秒もの差をロッテラーにつけ、最終的には8.8秒差でロッテラーを下し、今季2勝目を獲得するとともに、シリーズポイントを46として、見事2014年のシリーズチャンピオンに輝いた。
2位ロッテラー、3位にはデュバルと続き、5位の#7平川亮までトヨタエンジン勢が続き、ホンダエンジンの最上位は6位の#1山本尚貴という、終わってみれば今シーズンを象徴するような結果となった。
また、前回のSUGOで初優勝を挙げたルーキーの#40野尻智紀は12番手スタートながら一時はトップグループを上回るラップタイムを記録するなど、終始積極果敢な走りを見せ、9位でフィニッシュしている。
全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズはこのあとシーズンオフに入り、来年4月11日に同じく鈴鹿サーキットで開幕する予定。 しかし世界耐久選手権やF1との日程調整なども今後予想されるため、この日程はあくまで暫定的なものだという。
しかしすでにGP2やWECで活躍する何人かのドライバーがアプローチしてきているとのことであり、今年以上の盛り上がりが期待できそうだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- 優勝 #19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)
- 今回もスタートが重要な要素でした。前を走ることで視界も開け、大きなアドバンテージを得られますから。スタートで前に出られたことで自信を感じました。朝からクルマも好調でしたし、ペースについても心配していませんでした。
セーフティーカーが入り、リスタートに注意しましたが、それもうまくいきましたね。
だんだん雨が強くなり、コンディションが変わっていきましたが、大きな問題はありませんでした。
ですがこの先はコンディションが変わっていくのかもしれませんね。 - 2位 #37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)
- 雨のレースということでみんな難しかったと思います。僕は良くも悪くもないスタートでした。JPのスタートがそれ以上だったということだと思います。
後ろにつくと見えないこともあって難しくなりますし、雨のペースでは負けている面もあったので、2レース目に向けて改善していきたいです。車もドライバーもポテンシャルを上げていかないと、と思っています。
雨の予報でしたが、降っても土砂降りはないだろうと思っていました。2レース目も同じコンディションだと思います。 - 3位 #36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)
- スタートで決まってしまいましたね。僕は少しホイールスピンがひどくて、トラクションが得られずに3位に後退してしまいました。クルマはよかったんですが、スプレーの後ろを走ることになったので、あれ以上はどうしようもなくて、ポジションをキープするので精一杯でした。
もうチャンピオンのチャンスはほとんど無くなってしまいましたが、カズキがチャンピオンになり、チームのみんなが喜ぶ結果になればと思います。 - 優勝チーム監督 星野一義(Lenovo TEAM IMPUL)
- スタートが(結果の良し悪しを)かなり占めるということで、朝のミーティングでもJPが心配するようなことは言わせないようにして、気をつけてがんばってくれということにしました。
JPのスタートが決め手でした。これで2レース目も思いっきりやれることになった。すごくハッピーです。うれしいのが顔に出るタイプじゃないんだけど、今は酔ってます、以上。
2014全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース1が11月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
公式予選とはうって変わり、レインコンディションでの戦いとなったこのレースを制したのは予選4番手の#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。見事なスタートで一気にトップに立ち、そのまま後続を突き放して今季3勝目を挙げた。
2位にはポイントリーダーの#37中嶋一貴(PETORONAS TEAM TOM'S)がつけ、ポールシッターの#36アンドレ・ロッテラー(PETORONAS TEAM TOM'S)は3位に終わった。(天候:雨 コース:ウェット)
2レース制で行われる最終戦のレース1は午前10時10分にフォーメーションラップを開始したが、14番手スタートの#34伊沢拓也がグリッド上でエンジンストール。
これによりスタートがディレイとなり、10時21分に二度目のフォーメーションラップが開始。レースは1周減算されて19周で行われた。
ここで見事なダッシュを決めたのが4番手スタートの#19オリベイラ。 一気にアウト側にラインを変えてフロントローのトムス勢を押さえ、トップで1コーナーへ飛び込んだ。
ポールシッターの#36ロッテラーは僅かにホイールスピンをさせてしまって車速が伸びず、#37中嶋も動き出しからオーバーテイクボタンを押してオリベイラを追ったが、あと一伸びが足りなかった。
1周目を終えての順位は#19オリベイラ、#37中嶋、#36ロッテラー、#8デュバルの順。 しかしデュバルにはジャンプスタートの裁定が下り、ドライブスルーペナルティが課せられることに。
これによりデュバルは6周終わりでピットに向かい、一気に17位まで後退した。
一方、トップのオリベイラはそのまま快調にペースを上げ、2位#37中嶋との差を徐々に広げていくが、10周目の130Rで#32小暮卓史がコースアウト、車体が裏返るほどの勢いでバリアに突っ込んだため、これを排除するためにセーフティーカーが導入された。 幸い小暮は自力で脱出したものの、これでオリベイラが築いたリードは一気に失われてしまった。
レースは14周終わりでリスタートとなったが、ここでもオリベイラは落ち着いて後続を抑え、トップを守る。
この頃から次第に雨脚は強まり、特に西コースでは前がまったく見えなくなるほどの水しぶきが上がる状態となったが、それでもオリベイラはハイペースで逃げ続け、最後は中嶋に3.8秒の差をつけてチェッカーを受け、今季3勝目を挙げた。
2位は中嶋一貴、3位にはロッテラーがつけ、デュバルは懸命に追い上げたが11位に終わった。
これによりシリーズポイントは中嶋38、オリベイラ37、ロッテラー31.5、デュバル26.5となり、デュバルのチャンピオン獲得の可能性はなくなった。
またロッテラーもレース2での優勝が必須となり、中嶋とオリベイラは前でフィニッシュしたほうがそのままタイトルを獲得することになった。
決勝レース2は午後3時より28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
JRPサタデーミーティング第2部は、これまで同様に白井裕JRP社長、永井洋治トヨタ自動車SUPER FORMULA プロジェクトリーダー、佐伯昌浩本田技術研究所SUPER FORMULA プロジェクトリーダーらが出席して、この一年の総括と来年に向けての抱負を語った。
- 永井洋治氏(トヨタ自動車スーパーフォーミュラプロジェクトリーダー)
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「この一年は当初目指していたパッケージがうまく機能してきたと思います。2年前の時点でダラーラは軽量化のためにパワステを付けないと言ってきたんですが、中嶋一貴選手、伊沢選手にシミュレーターに乗ってもらった結果、このままだとクルマは軽くてもステアリングがスローになり、リズミカルに走れないということがわかりました。それで今の形になったんです。今回のフリー走行をみると、ここまでの3戦も燃料リストリクター100%でやればよかったなあと思いましたよ(笑)来年はホンダさんの伸び代に負けないようにガツンとやります」
- 佐伯昌浩氏(本田技研スーパーフォーミュラ・プロジェクトリーダー)
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「ほんの少しの開発の遅れが大きく響き、チームの皆さんに迷惑をかけた一年でした。燃料リストリクター100%だと差があるように見られていますが、前回の鈴鹿がああいう結果だったのでセットアップが進んでいない面もあり、まだ搾り出せると思っています。(エンジン交換を申請した4台は)菅生でトラブルが出て、部品を交換する必要があったため封印を外さざるを得ませんでした。それで交換という扱いになりました。
来年に向けての開発はすでに進んでおり、できることなら今回のレースに入れたいぐらいですよ(笑)」
- 白井裕氏(JRP社長)
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「2015年のレースカレンダーについては、以前お話したとおりWECやF1とのバッティングを避ける方向で考えており、まだ決定ではありません。世界戦のほうでまだ動きがあるようなので、それが決定するのを待って動く予定です。
クルマに関しては、放っておいても進化するものなので、その上げ代を燃費とか環境の方向に振りたいと考えています。
また、このオフの予定ですが、11月中旬に菅生、12月頭(10-11日になる模様)に岡山でメーカーテストを行う予定です。特に12月はドライバーオーディションを行う予定で、すでにGP2やWECで走っているドライバーの何人かから問い合わせをいただいております。その後は3月の27-28日に岡山で合同テストを予定しております」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
スーパーフォーミュラでは恒例となった、日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングが11月8日、第7戦の行われている鈴鹿サーキットで開催された。
今回は2部構成となっており、第1部ではSF14を供給しているダラーラA・M社から創業者のジャン パオロ・ダラーラ会長とSF14開発担当のルカ・ピニャッカ氏が出席。司会進行と通訳をジャーナリストの小倉茂徳氏が務めた。
- ダラーラA・M社創業者 会長 ジャン パオロ・ダラーラ氏のコメント
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「今回初めて日本にやってきました。私にとっては非常に喜ばしく、素晴らしい経験になりました。
初日からいろんなところへ行き、技術面だけではなく文化に関してもいろんなことを知りました。また日本に着てみたいと思っています。
昨日は私の手がけたクルマたちに再会してとても感動しました。ランボルギーニ・ミウラは私の50年以上のキャリアの中でも最も重要なクルマです。今だったらあんなに思い切ったクルマ作りはできなかったでしょう。また、RA099はハーベイ・ポストレスウェイトと一緒に作り上げたF1で、初めて参加したスペインはバルセロナの合同テストで2位に入りました。当時ドライブしていたのはヨス・フェルスタッペンで、来年F1にデビューするマックスの父親です。
その後、私たちはトヨタとともにル・マン24時間レースに挑戦しました。一年目からトップを快走し、あと30分のところまで行きましたが、オイル漏れなどがあり惜しくも優勝を逃しました。
日本の2大メーカーと一緒に仕事をしたことは、ダラーラ社にとって非常に面白い体験でした。
今日初めてSF14が全車一斉に走るところを見ました。格好良くて性能も優れたクルマです。ランニングコストも年間80万ユーロ。これはF1のトップチームのわずか2%以下の予算であり、これでF1の4%落ちの性能が発揮できていることを誇らしく思います」
- ダラーラA・M社 SF14開発担当 ルカ・ピニャッカ氏のコメント
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「ホンダのF1であるRA099のプロジェクトにはダラーラ側のチーフエンジニアとして参加しましたから、昨日クルマを見て非常に感動しました。あの時いろんな経験を積ませてもらったことが、その後のフォーミュラ・ニッサンやGP2、フォーミュラルノー3.5、そしてSF14に生かされています。その後はトヨタのGT1にもダラーラ側のエンジニアとして参加しました。
SF14の開発に当たっては、過去の経験を全て注ぎ込みました。最も優れたシングルシーターになったと自負しています。イタリア風のデザインを盛り込みましたし、中嶋(一貴)さんと伊沢さんに協力してもらってドライビングシミュレーターを開発に活用した点も画期的です。
私は技術的なチャレンジに取り組むことも、異なる文化を持った人と交流することも大好きなんですよ」
- JRP社長 白井裕氏のコメント
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「われわれの目指した方向性は間違っていなかったと自信の持てる一年でした。ほとんどのサーキットでコースレコードを更新できました。ただ、鈴鹿で35秒台というのは現時点では難しいようですね」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2014全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の公式予選が11月8日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
今回は2レース制ということで、予選Q1の結果でレース1のスターティンググリッドを、Q1、Q2、Q3の結果でレース2のスターティンググリッドを決めることになったが、レース1は#36アンドレ・ロッテラー、レース2では#37中嶋一貴と、ともにPETRONAS TEAM TOM'Sのドライバーがポールポジションを獲得する結果となった。
(天候:晴れ コース:ドライ)
公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。 開始時点の気温は19℃、路面温度は20℃と絶好のコンディション。
今回はQ1の結果がそのままレース1のグリッドになるということで、Q2進出をかけた中段の争いだけでなく、終了間際まで白熱したトップ争いが展開され、トップからQ2進出のボーダーラインである14位までのタイム差はわずか1.158秒。 フロントローにいたっては#36ロッテラーと#37中嶋がともに1'38.085の同タイムで並ぶことになった。
その結果先にタイムを出したロッテラーがレース1のポールポジションを獲得。これによりシリーズポイントを27.5とし、#37中嶋との差は5.5に縮まった。
また、このセッションで6位にはいった#1山本尚貴は第6戦SUGOでみつかったエンジンパーツの不具合を修復するために封印を解いているため、第1レースにおいて10グリッドの降格が決まっている。 またフリー走行中にストップした#32小暮卓史も同様の理由でグリッド降格とされたため、山本は16番手、小暮は最後尾から明日のレース1をスタートすることになった。
予選Q2は午後2時より7分間の走行。
ここでは上位8台が次のQ3に駒を進めることができるが、終わってみれば全8台がトヨタエンジンという結果に。
前年チャンピオンの#1山本は最後の最後までアタックを続けたものの、タイムアップはならず、11位で予選を終えた。
また前戦SUGOでホンダエンジンに初めての勝利をもたらしたルーキーの#40野尻智紀も1'38.813とタイムが伸びず12位に終わっている。
一方ここでトップに立ったのは今シーズントップフォーミュラ復帰を果たした#38石浦宏明。1'37.809を記録し、6位の#39国本雄資とともに好調ぶりを見せた。
2位には#8ロイック・デュバル、3位には#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがつけ、トムスの二人もロッテラーが4位、中嶋が5位でQ3進出を果たしている。
レース2の上位グリッドを決める予選Q3は午後2時17分より7分間の走行。
2周のウォームアップ走行に続いて行われたタイムアタックでは上位5台が1分37秒台の大接戦となったが、最後の最後に1'37.507をたたき出した#37中嶋がポールポジションを獲得。1ポイントを獲得してロッテラーとの差を6.5に戻した。
これによりチャンピオン争いは中嶋一貴34pt、オリベイラ29pt、ロッテラー27.5ptとなり、26.5ptのデュバル、23ptの石浦、そして20.5ptの#3ジェームス・ロシターまでの6人で争われることになった。
第7戦決勝は明日午前10時10分よりレース1が20周で、午後3時よりレース2が28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行が11月8日、鈴鹿サーキットで行われ、#37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が1'37.910でトップだった。
新たなエンジンとシャシーが導入されたスーパーフォーミュラの2014シーズンもいよいよ最終戦。 今回は28年ぶりに「JAFグランプリ」のタイトルがかけられた記念すべき大会となった。
公式予選日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から好天に恵まれ、やや肌寒さの残る中、午前9時15分より60分間のフリー走行が行われた。
序盤から好タイムを記録したのは36アンドレ・ロッテラー、#38石浦宏明、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラらのトヨタエンジン勢。
第4戦もてぎ以降復調の兆しを見せていたホンダ勢はセッション前半の時点では前回優勝の#40野尻智紀の7位が最上位。 しかも#1山本尚貴、#2中山友貴、#11塚越広大、#41武藤英紀はエンジン交換の申請を出しており、これにより山本が第1レースで10グリッド降格になるなど、苦しい滑り出しとなった。
さらには開始から30分が経過したところで#32小暮卓史がメカニカルトラブルに見舞われてヘアピン先の200Rにストップ。これにより赤旗が提示される事態となった。
32号車の回収の後、走行は9時51分に再開。
ここからは予選を見据えてのタイムアタックが始まり、それまで1分40秒台で周回を重ねていた各ドライバーが次第にペースを上げてきた。
そして最終的には#36ロッテラー、#37中嶋のトムス勢が1分37秒台までタイムを短縮、チェッカー提示直後に#37中嶋が1'37.910を記録してトップでこの走行を終えている。
2位は#36ロッテラー、3位には#8ロイック・デュバルがつけ、ホンダ勢最上位は#41武藤の8位だった。
スーパーフォーミュラ第7戦の公式予選はこのあと午後1時30分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
世界耐久選手権(WEC)第5戦「富士6時間耐久レース」の決勝が10月12日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#8TOYOTA 040-Hybrid(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ組)が3位以下を全て周回遅れにする圧巻の走りで総合優勝、#7TOYOTA 040-Hybrid(アレキサンダー・ブルツ/ステファン・サラザン/中嶋一貴組)も2位につけ、トヨタレーシングが地元富士のレースで見事な1-2フィニッシュを達成した。
決勝レースは午前11時にスタート。 当初は台風19号の影響に寄る天候の悪化は懸念されたが、最後までドライコンディションのままレースは進行した。
ホールショットを奪ったのはポールの8号車。しかし2コーナー立ち上がりからコカコーラコーナーにかけての区間で恐るべき加速力を見せた#20ポルシェ919(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレイ組)が大外から一気に前に出る。 しかし8号車はセクター3で見事順位を挽回、トップでオープニングラップを終えると、その後も1分28秒台から29秒台のハイペースで周回を重ね、着実に後続との差を広げていった。
この8号車に辛うじてついていけたのは僚友の7号車。 最後まで同一周回で追走し、ポイントリーダーの8号車を見事に援護した。
一方、今シーズンからWECに復帰したポルシェワークスは20号車が他と異なるタイミングでのピット作戦を採り、序盤に一時トップに立つ場面もあったが、タイヤのスローパンクチャーによるコースオフを繰り返したことも影響して徐々にトップ2台に引き離されてしまった。
結局20号車はトップから1周遅れの3位。14号車(ロメイン・デュマ/ニール・ヤニ/マルク・リーブ組)は2周遅れの4位に終わった。
更に生彩を欠いたのが第3戦ルマン24時間と第4戦オースチンを連勝したアウディワークスだ。
空力セッティングの違いからかストレートスピードで明らかに劣った2台のR18e-tron quattroは全くいいところを見せられず、最初のピット作業で採ったタイヤ無交換作戦も今回のコンディションにはマッチせず、1号車(ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/トム・クリステンセン組)がトップから2周遅れ、2号車(マルセル・フェスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組)は3周遅れで5位、6位に留まった。
ジェームス・ロシターが乗った#9ロータスは180周目にメカニカルトラブルから出火。ピットレーン入り口でストップしてそのままレースを終えている。
この他、LMP2クラスはレース終盤まで#26G-Dribve(リジェ/ニッサン)と#47KCMG(モーガン/ニッサン)がトップ争いを繰り広げ、#26G-Driveが優勝した。
井原慶子が参加した#35OAK RACING(モーガン/ジャッド)はクラス3位だった。
GTE Proクラスは#51AFコルセのフェラーリが優勝。 フレデリック・マコヴィッキィが乗った#92マンタイポルシェは序盤にトラブルから予定外のピットインを余儀なくされ、クラス最下位の6位に終わった。 GTE Amクラスは#95アストンマーチンが優勝している。
WECシリーズはこのあと上海サーキットに舞台を映して第6戦を行う。 11月2日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
- 優勝 #23佐々木大樹(B-MAX NDDP F312)
- 昨日スタートで遅れてしまったので、今日は絶対にぶっちぎってやろうと思っていました。スタートでトップに立ってからはそのまま逃げることが出来ました。序盤はストレートでちょっと危ないところがあったんですが、途中からはスリップ圏外から離れていったので、集中していいレースが出来ました。
セクター2、セクター3は自分のほうが速いとわかっていたので、最後までプッシュし続ければ勝てると思っていました。
シーズン序盤はエンジニアさんと苦労して来て、データを蓄積していきました。B-MAXとしては3年目ですが、僕は1年目で、頑張って来た成果を最後に見せることが出来たので、凄く一年で成長できたかなと思います。
F3は凄く勉強になるカテゴリーで、ここで速ければGT500でも通用するとわかりました。F3はセッティングもシビアだし、繊細なドライビングをしないと後半タイムが落ちたりするので、F3をしっかり走ることでGT500も成績に繋がっていると思います。
来年のことはわかりませんが、チャンスがあればF3でチャンピオンをとりたいと思いますし、スーパーフォーミュラも乗るチャンスがあれば乗りたいです。
富士は凄く得意で、セクター3での自分の走り方が合ってて、富士は自分に合ってるコースだと思います。
いまカートではブリヂストンの開発をやっているので、どういうタイヤがたれない、とかテストして凄く勉強になっているので、それはF3でもGTでも凄く生きています。今後もカートタイヤの開発は続けて行きたいです。
- 2位 #36山下健太(PETRONAS TOM'S F314)
- 4番手からのスタートだと、スタートで上に上がらないと厳しいと思ってレースに臨みました。前の2台は抜けましたが、松下選手もスタートが良かったんですけど、なんとか2位で戻ってこれました。佐々木選手より僕のほうがストレートは速かったので序盤はチャンスがあると思ったんですが、徐々にタイヤの性能が落ちて来て、チャンスのないままはなされて終わってしまいました。
開幕の鈴鹿での速さをどこでも見せられなかったのがいけなかったと思います。来年もし出られるならチャンピオンを狙っていきたいです。
- 3位 #7松下信治(HFDP RACING F312)
- 昨日と同じ5番スタートだったので、後半の上がり代もなかったし、スタートでいくしかないと思っていました。この2年間で一番いいスタートを切れて、僕のノーズが山下選手の前に出たと思ったんですが、インをとられてしまったので、ぶつかっても良くないと思い、3位で周回を重ねていきました。
後半のペースの落ちが大きかったので、勝田選手を押さえながらポジションキープに努めたのが今回のレースでした。
今思えば、もうちょっと行ってれば、と思います。判断の未熟さが今回の反省点です。
昨日はタイトルを意識して守りに入ってしまいましたが、今日はリラックスして勝負するぞという強い気持ちで臨んだのが良かったと思います。
- Nクラス優勝 #6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)
- 最終戦ということで、悔いの残らない思い切ったレースをしたいと思って走りました。
昨日はみっともないエンストをして追い上げるレースになりましたが、今日はいつも通り集中してスタート仕様と思って臨みました。自分の中では抜群とはいかないまでも、まあまあいいスタートをして1コーナーに向かいましたが、予選で一つ番手が後ろのCクラスの吉田さんが非常にいいスタートをされて、1コーナーで前に出られて塞がれるような形になっちゃったんですね。路面温度も低いし、ぶつからないように安全パイのブレーキングで入って行ったら、そこを久保君にアウトから抜かれてしまい、そこから追い上げのレースになりました。久保君も湯澤君も速かったので「まずいなあ」と思っていました。セクター2で久保君と湯澤君は速くて、僕はセクター1と3には自信があったので、きちっと抜きどころと何周目に抜くかのターゲットを決めて、久保君のことは理想通りに抜けたと思います。
- Nクラス2位 #28山口大陸(TAIROKU EXCEED)
- 今までにないような早朝のレースで、路面温度も低く、タイヤの内圧やセットアップなど、相談しながら立ってたんですが、序盤はペースが上がらず、前に離されてしまって単独走行になってしまいました。
(以前参戦していた1997年当時と比べて)自分が当時やっていたときとはクルマが違うので戸惑いましたが、レースをやっているうちに慣れてきました。モータースポーツってチームみんなが戦っている集合体なので、これからも一つ一つのレースを納得しながら戦っていきたいと思います。
- Nクラス3位 #3三浦愛(EXEDY RACING F307)
- 今回はWECとの併催で、スーパーフォーミュラとの併催のときとは路面が違ったり、予選からあまりタイムが良くなくて、昨日のレースは自分のレースでリタイヤしてしまって、でもこの最終戦は悔いのないようにと思ってスタートしました。でもスタートでエンストしそうになり、反省ばかりのレースでしたがどんな形であれ表彰台に立ってシーズンを終われたのは良かったと思います。
鈴鹿のときは何もかもが初めてで、表彰台に上がれるとは正直思っていなかったんですけど、鈴鹿で優勝することが出来て、そこからプレッシャーも感じましたが、チームが支えてくれたので、最後も表彰台に立てました。本当に反省ばかりで勉強の一年になりました。来年以降にこの勉強をつなげていきたいと思います。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2014年全日本F3選手権の最後のレース、第15戦決勝が10月12日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#23佐々木大樹(B-MAX NDDP F312)が最後まで後続につけいる隙を与えずに逃げ切り、今季2勝目を挙げてシーズンを締めくくった。
Nクラスは昨日チャンピオンを決めた#6小泉洋史((Net Move Hanashima Racing)が2連勝を達成した。
今大会は世界耐久選手権(WEC)との併催ということもあり、第15戦決勝は午前8時より15周で行われた。
台風19号接近の影響もあってか、富士スピードウェイ上空には分厚い雲が覆い被さり、昨日以上に気温も下がって、各ドライバーともタイヤのウォームアップや内圧の設定に頭を悩まされるレースとなった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#23佐々木。
昨日の失敗から学んでか見事な加速で後続を押え込んでトップでコントロールラインに戻って来た。
2番手には予選4番手の#36山下健太、3番手には昨日チャンピオンを決めた予選5番手の#7松下信治が続く。
ストレートスピードでは後続の2台に一歩及ばない佐々木は序盤こそ懸命にストレートでラインをずらして山下と松下を牽制していたが、セクター2での飛び抜けた速さを武器に、徐々に山下とのギャップを広げて行く。
タイヤの摩耗が進んだレース中盤には完全に主導権を握った格好で、山下との差を2秒以上に広げてそのままゴールへ。
シーズン序盤の、特に予選での苦戦が影響してシリーズランキングは5位に留まった佐々木だが、最後はポール・トゥ・ウィンという申し分のない形でシーズンを締めくくった。
2位は山下、3位には松下がそのまま入り、昨日優勝した#1勝田貴元はファステストラップを記録するなど速さを見せたもののスタートでの出遅れもあり4位に終わった。
一方のNクラスは#6小泉が動き出しこそ良かったものの、1コーナーではCクラスの吉田基良に前を押さえられる格好になってしまい、#62久保凛太郎の先行を許してしまう。
しかし小泉は8周目終わりのホームストレートでスリップを使って久保に並びかけ、続く1コーナーでインをついてトップに立った。
2位に後退した久保はその後、#19湯澤翔平に追い上げられる展開になってしまい、両者は13周目のコカコーラコーナー手前で接触、揃ってリタイヤとなってしまった。
こうした後続の争いを他所に小泉はリードを広げ、昨日に続いての2連勝。シーズン通算で8勝目をものにした。
久保と湯澤のリタイヤにより、2位には16年ぶりのF3参戦となった#28山口大陸が、3位には今季通算7度目の表彰台となる#3三浦愛が入った。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- 2014年シリーズチャンピオン #7松下信治(HFDP RASING F312)
- チームの皆さん、ホンダさん、田中弘監督、金石勝智代表、応援してくれた皆さんにありがとうございますと、それが最初に言いたいです。
最初から良い流れで始められて、シリーズタイトルという誰もが欲しがる目標を達成できて、それが一番嬉しいです。
今日は反省も多いレースでしたが、チャンピオンを取れたということもあるので、リラックスして明日の決勝ではいいレースをしたいと思います。
自分としても予選5番手は悔しい気持ちで一杯です。タイトル争いを意識して自分が小さくまとまってしまいました。あとほんの少し、何が足りないのか、ロガーを見直し、改善点をみつけて明日のレースを初心に戻ってやりたいと思います。
セッティングとかもFCJでは学んでこなかったので、最初の頃はイチから学ぶことになりましたが、二年目で結果を出せたことでチームには感謝していますし、ありがとうございましたと言いたいです。僕の目標はF1ドライバーなので、来年以降はそれに進めるステップを踏みたいと思います。 - Nクラスチャンピオン #6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)
- 周りにいるのは小さい頃から英才教育というんですか、カートをやって来て、FCJ、F3とステップアップして来て、ゆくゆくはF1とか、スーパーフォーミュラやGT500に上がって行く優秀な人たちだと思うんですけども、私の場合は数年前までスーツ着て、ネクタイ締めて仕事をしていた普通の外資系企業に勤めるビジネスマンでした。
クルマが大好きで、運転が大好きで、この世界に入って来たんですけども、最初はツーリングカーというかGTに出ていました。 かといってGTで優勝争いが出来るとかそういうレベルじゃなく、どちらかというと真ん中から下位でただ参加しているドライバーでした。 ただ一度だけフォーミュラトヨタをハナシマさんの前身のトリイレーシングというところでやらせていただいて、その影響というか成長が大きいと感じたので、どこまでちゃんとやれるのか、もう一回確かめたかったんです。
FCJに出たいと言ったんですけども、年齢制限があるんですよね。もう40歳くらいだったので出られなくて、やるならF3しかないと。 でもF3っていうのはそのままF1に上がってもおかしくないレベルのドライバーが出ているところで、今まで考えたこともなかったんですが、どこまでやれるかを確かめたくて、スポット参戦をさせていただいて、スピンもし、赤旗も出し、びりのほうを走っていました。
そこでGTをやめて、きちんと専念して、どこまでやれる茅って見ようと思いました。とりあえずまず3年と決めて、シーズンオフもしっかり走り込みをして臨みました。 フル参戦を始めた最初の合同テストからフィーリングが良く、いけるのかなと思ったら、始まってみるとよくて5、6番手でした。本当に苦しかったです。
2年目も、高星くんに勝てたのは最初の合同テストだけで、シリーズでは彼やナニン君にこてんぱんにやられてしまいました。
3年目もそんなに甘くないと思っていましたが、どこまでやれるか戦って見ようと思ってやってきました。例えNクラスでもF3のタイトルは是が非でも欲しいと思っていましたので、チームの皆さんに本当に感謝しています。
(来年の目標について)F3のコーチをしてもらってる石浦君には「2年連続いって下さいね」と言われてるんですが(笑)、自分の中ではまだ決めていなくて。F3に出てくるドライバーはタイミングが合えばF1で通用すると思っています。僕は年齢的に平ドライバーしか出来ないと思いますが、彼らと一緒に戦うことで自分がどのくらいのレベルにあるかを確かめられるカテゴリーだと思っているので、できればCクラスに出たいと思っていますし、去年出たLMP2とか、WECのGTのクラスとか、やってみたいものは一杯ありますね。
Text:Kazuhisa SUEHIRO