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2014年10月

Japanese F3

JF3:第14戦富士決勝 上位3人のコメント

優勝 #1勝田貴元(PETRONAS TOM’S F312)
予選は2番手で、佐々木選手にコンマ1近くやられてしまいましたが、決勝に関しては手応えがあったので、きっちりスタートを決めようと思って走りました。スタートは普通ぐらいでしたが、山下選手のスタートが良くて、最初は抜けるかどうかわからなかったんですけど、1コーナーでブレーキング競争をした時に前に出られたんで、なんとか(アウトから)まくって前に出た感じです。 トップを走りながら、ミスしないように、タイヤを労っていたんですけど、それでもグリップが落ちて来て、そこでまだドライビングの面で足りない部分があったためにペースが落ちて来たんじゃないかなと思います。 最後はタイムとか関係ない競り合いだったので、何としても前に出さないって言う戦いで、千分の7秒差で何とか勝てたのは良かったかなと思います。 今日は納得のいくレース。結果として勝てたことは嬉しいですし、F3やった2年間で学んだことを全部出し切れたのかなと思います。まだ引き出しの足りないところがあったので、最後は佐々木選手に詰め寄られたのだと思います。
2位 #23佐々木大樹(B-MAX NDDP F312)
スタートは勝田選手と同じくらいでしたが、後ろにつかれると加速の伸びが足りなくて抜かれてしまいました。その後は、前半は二人とも速かったので、自分としてはすぐ後ろにいようと。二人はストレートが速かったので、抜くとしたらセクター2とかBコーナーかな、と想定していて、山下選手がAコーナーで上手くインを締めてくれたあとで100Rで前に出ることが出来ました。後半の速さには自信があるので、タイヤがタレてきてもそのオーバーな部分をコントロールして、タイムを落とさずについて行ったんですが最後は中々仕掛けるタイミングが難しくて、前に出ることが出来ませんでした。明日はスタートを決めないと。1コーナーで何があるかわからないので、スタートをきっちり決めてぶっちぎりたいと思います。 クルマも速いし、今回乗れてるので、勝ち切るというのが大事だと思います。
3位 #36山下健太(PETRONAS TOM’S F312)
スタートは悪くなくて、1台抜けたのは良かったです。勝田選手と同じくらいには走れていたので、最後までついて行ければと思っていましたが、佐々木選手が速いのもミラーで見てわかっていました。段々自分のペースが落ちて来て、勝田選手が離れていき、後ろからは迫られて厳しくなって抜かれてしまい、タイヤも終わってしまいました。レース中はタイトルのことは考えていませんでした。 明日は4番手ですが、荒れると思うので頑張りたいと思います。
Nクラス優勝 #6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)
自分としては珍しくスタートで失敗しまい、狙い過ぎてエンストしてしまいました。スターターでエンジンかけて、スタートしましたが、殆どびりになってしまいました。ただ、今回は周回数が多いことと、路面温度がそんなに上がっていないこともあり、最初の2、3周は皆苦労すると思っていたので、落ち着いていけば1台1台パスしていけると思いました。湯澤君とは1−2コーナーで何度か抜きつ抜かれつになりましたが、彼とは今までに何回かやっちゃってるものですから、お互い意識して何とかぶつけないように走れたのかなと思いました。 シリーズのこととかはレース中にはあまり考えていないのですが、今回は久保くんの前ではゴールしたいなあとは思っていましたし、2位でフィニッシュしてチャンピオンというのもカッコ悪いなあと思っていたので、勝つつもりで走りました。
Nクラス2位 #19湯澤翔平(KCMG F308)
予選の段階からバランスが良かったので後は自分次第だと思って走り始めました。決勝も同じセットでいきました。流れでトップに立てましたが、レース中盤からペースが上がらず、リヤが全く踏ん張らない状態になってしまったので、ラインを変えながら修正して走って行って2位で終わってしまいました。 しっかりクルマの動きを感じて、それに対して修正していって、どうしたら後半ペースを保てるのかを考えながら明日のレースは走りたいです。
Nクラス3位 #62久保凛太郎(CG ROBOT ル・ボーセ F308)
予選で小泉選手と湯澤選手の前に出られなくて、(チャンピオン争いは)レース展開次第だと思っていました。小泉選手がエンストしたのは見えたので、そのまま無難にいってCクラスについて行ければ、という展開を考えていましたが、Cクラスが荒れて、スピンなどもしていたので、ここは引いて走ったほうが良いと思いました。 殆どペースが上がらない中、自分のマネジメントも良くなかったんです。今年何度かやらかしてるので、今回はしっかりレースをしようと思って走りました。 今までこういう大きなレースでチャンピオンをとっていないのでプレッシャーを感じていました。今日決着がついたということで肩の荷が下りた感じです。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

Japanese F3

JF3:第14戦富士決勝 両クラス最終戦を待たずしてタイトル決着。#1勝田が今季2勝目を挙げる

全日本F3選手権第14戦の決勝レースが10月11日、富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#1勝田貴元(PETRONAS TOM’S F312)が#23佐々木大樹(B-MAX NDDP)との接戦を制し、今季2勝目をものにした。
Nクラスはポールシッターの#6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)がスタートで大きく出遅れながらも見事に挽回して優勝、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンを獲得した。

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第14戦決勝は午後3時50分にフォーメーションを開始。 やや肌寒さの感じられる曇天ながら、終始ドライコンディションのもと、21周で行われた。
スタートではポールシッターの佐々木に#1勝田、#36山下健太のトムス勢が揃って襲いかかり、1コーナーでアウトから被せた#1勝田がトップに躍り出ると、そのまま一気に後続を突き放しにかかった。
2番手に浮上した山下は序盤こそ勝田を僅差で追っていたものの徐々に遅れ始め、逆に#23佐々木の追い上げを受けて防戦一方の展開に。
スタートでトムス勢の先行を許した佐々木はレース中盤から次第にペースを上げ、12周目の100Rで山下のインをこじ開けて2位に浮上すると、タイヤの消耗によりペースの落ち始めた勝田との差をも詰め始めた。
そしてファイナルラップを迎えた時点での両者の差は僅か0.3秒に。
ヘアピンでインに飛び込んで来た佐々木を立ち上がりで抜き返す勝田。
しかし佐々木も諦めず並走状態でダンロップコーナーへ。
押え込む勝田。
執拗に攻めたてる佐々木。
両者の攻防は最終コーナーを立ち上がって最後の直線まで続き、勝田のスリップストリームから抜け出した佐々木が徐々に追い上げる形でフィニッシュラインに並走状態で飛び込んだ。
勝ったのは勝田。
しかし佐々木との差は僅か0.007秒だった。
3位には山下が入り、ポイントリーダーの#7松下信治はこのレースを5位で終えた。
その結果第14戦終了時点でのシリーズポイントは松下が97、山下が83となり、最終戦を待たずして松下信治の2014年全日本F3チャンピオンが確定した。

Nクラスはポールの小泉がスタートでまさかのエンジンストール。すぐにスターターを始動して戦列に加わった小泉だったがこの時点でほぼ最後尾近くまで後退してしまった。
しかし中団で発生したアクシデントなどにも助けられて小泉は着実に順位を挽回。レース中盤から終盤にかけては#62久保凛太郎や#19湯澤翔平らとの激しいドッグファイトを制して今季7勝目を獲得。
こちらも最終戦を待たずしてNクラスのタイトルを手にすることとなった。

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今季最後のレース、第15戦決勝は明日午前8時より15周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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WEC富士6時間公式予選 #8トヨタが見事に地元レースでポールポジションを獲得!

2014FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦「富士6時間耐久レース」の公式予選が10月11日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#8Toyota TS 040-Hybrid(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ組)が地元で見事ポールポジションを獲得した。
今シーズンからワークス参戦を復活させたポルシェも2位、3位で続き、ストレートスピードでのアドバンテージをうまくいかした格好だ。

公式予選は午後1時20分よりLMGTEクラス、LMPクラス各25分間で行われた。
WECでは二人のドライバーの出したベストタイムとセカンドベストタイムの平均タイムで決勝グリッドを決めるという独特の予選方式を採用している。

トヨタレーシングの8号車は最初にデビッドソンが1’26.473とセッション全体のベストタイムを叩き出すと、セカンドタイムでも1’26.645を記録して他を圧倒した。
対するポルシェ勢は#20ティモ・ベルンハルトが1’26.762、#14ニール・ヤニが1’26.856で続く。
トヨタの7号車を駆ったアレキサンダー・ブルツは1’27.316と一歩及ばず、アウディ勢に至っては2号車をドライブしたブノワ・トレルイエが1’28.233、1号車をドライブしたトム・クリステンセンが1’27.742とやや水を開けられた状態になった。

LMPの予選セッションはその後各チームが第2ドライバーに交代した直後にレベリオン・レーシングの2台が相次いでスピン、コースを塞いでしまったために赤旗中断となってしまった。
レベリオンの2台はすぐに自走でピットに戻って来たため走行はすぐに再開されたが、こうしたタイミングの悪さもあって1分26秒台のタイムを誰一人出すことはなく、終了間際にセバスチャン・ブエミが1’27.173を叩き出したトヨタの8号車が見事ポールポジションを獲得することになった。
予選2番手はポルシェの20号車、3番手には14号車がつけ、中嶋一貴が後半のアタックを担当したトヨタの7号車は予選4位という結果に終わった。
一方、ロイック・デュバル、トム・クリステンセン、ブノワ・トレルイエ、アンドレ・ロッテラーと日本でもおなじみのドライバーをそろえたアウディ勢は2号車が5位、1号車が6位という厳しい結果になった。

この他日本関連のチームでは、ジェームス・ロシターの所属する#9ロータスが総合14位(LMP1-Lクラス3位)、井原慶子の所属する#35OAKレーシングが総合10位(LMP2クラス2位)、スーパーフォーミュラや全日本F3に参戦している#47KCMGが総合11位(LMP2クラス3位)、スーパーGTでおなじみのフレデリック・マコヴィッキィが所属する#92マンタイポルシェが総合17位(LMGTE Proクラス3位)につけている。

第5戦決勝は明日午前11時より6時間で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Japanese F3

JF3:第15戦富士公式予選 #23佐々木が2戦連続ポール。B-MAX NDDPがフロントロー独占

富士スピードウェイにて行われている全日本F3選手権第15戦の公式予選は、第14戦に続いて#23佐々木大樹(B-MAX NDDP)がポールポジションを獲得。改めて好調ぶりをアピールした。

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第14戦の公式予選終了から10分間のインターバルをおいて第15戦の公式予選がはじまった。 走行は同じく10分間。
最初の予選でポールを獲得した#23佐々木はここでも速さをみせ、1’34.799とタイムを更に縮めて2戦連続ポール獲得。更にはチームメイトの#22高星明誠も1’34.945を記録、B-MAX NDDPがフロントローを独占する結果となった。
一方チャンピオンを争う#7松下信治、#36山下健太の結果は、松下が予選5位、山下は4位という結果に。 とはいえタイム差は松下がトップから0.32秒差、山下も0.29秒差と僅かであり、松下自身もロガーデータなどから修正ポイントは見いだせていると語っており、決勝での巻き返しが大いに期待できそうだ。

Nクラスは#6小泉洋史(ハナシマ)がこちらも2戦連続でトップタイムを記録。タイトル獲得へ向けて確かな手応えを得たようだ。

第15戦決勝は明日朝8時より15周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第14戦公式予選 #23佐々木がポールポジションを獲得。#36山下は3位、#7松下は5位に終わる

全日本F3選手権第14戦の公式予選は富士スピードウェイにて10月11日午前11時30分より行われ、#23佐々木大樹(B-MAX NDDP)がセッション終盤に1’34.835を記録してポールポジションを獲得した。

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全日本F3の2014シーズンもいよいよ富士でのWEC併催レースで最終ラウンドを迎えた。
ここまでのランキングトップは#7松下信治(HFDP)でトータル95ポイント。
2位の#36山下健太(トムス)が78ポイントとその差は17ポイントあり、山下としてはこの日の第14戦で松下とのポイント差を5ポイント縮めないと最終戦を待たずして松下のチャンピオンが決まってしまう。
そのためにもまずはポールポジションで1ポイントを獲得しておきたいところだったが、チェッカー直前に#23佐々木が1’34.835を記録してトップに躍り出ると、山下のチームメイトの#1勝田貴元も1’34.932で2位に。山下は2列目からのスタートを余儀なくされた。
一方、ポイントリーダーの#7松下は序盤から#8高橋翼とともに好タイムを記録していたものの、終わってみればトップからコンマ45秒差の5位という結果に終わった。

#6小泉洋史(ハナシマ)が#62久保凛太郎(ル・ボーセ)を9ポイントリードして最終ラウンドを迎えたNクラスは、小泉が久保を100分の5秒上回ってトップに。 ここでリードをさらに1ポイント広げて午後の決勝を迎えることになった。
3番手には#19湯澤翔平(KCMG)がつけた。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo Motorsports Forum

SUPER FORMULA | SUPER GT | その他

WEC第5戦富士フリー走行3回目 ランキングトップの#8トヨタがトップタイム!日本勢も健闘

FIA世界耐久選手権(WEC)第5戦「WEC富士6時間耐久レース」は大会二日目を迎えた。 午前中に行われたフリー走行3回目では#8トヨタTS040-Hybrid(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ組)が1’27.033でトップだった。

台風19号の影響が懸念された今大会だが、公式予選日の朝は雲が多めながら天候は晴れており、秋の爽やかな気候のもと、午前9時30分より60分間のフリー走行が開始された。
今季4戦中2勝を挙げてポイントランキングトップに立っているトヨタの8号車は今回も好調で、セッション開始早々から好タイムを連発、最後は1’27.033を記録してトップに立ったが、今季からワークス参戦を開始したポルシェの2台も20号車が1’27.300、14号車も1’27.764でそれぞれ総合2位、3位につけ、今季スーパーフォーミュラやスーパーGTで活躍中の中嶋一貴が乗るトヨタの7号車を上回って来た。

このほか、日本のレースでもおなじみのロイック・デュバルが乗るアウディの1号車は5位、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエが乗るアウディ2号車は6位と僅かに出遅れた格好だが、そのタイム差はトップから1秒4といったところ。
ジェームス・ロシターの乗る1’36.610で総合14位と、LMP2にも後れを取る厳しい結果となった。
そのLMP2クラスに参戦している47KCMGは総合11位。LMP2クラスの3位につけた。
井原慶子の乗る35OAK RacingはKCMGのすぐ下、総合12位(LMP2クラス4位)だ。
フレデリック・マコヴィッキィの乗るLMGTE Proクラスの92ポルシェはタイムがふるわず、再開という結果に終わっている。

WEC第5戦富士の公式予選はこのあと午後1時20分より行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス優勝 #36PETRONAS TOM’S RC F
ジェームス・ロシター
gt_r06_r_pc-rositer 最高です。レースも楽しめたし、クルマは本当に良かったし、スタートから凄くペースも良かった。最初のスティントはトラフィックに引っかかりましたが、その辺りを乗り越えて差を作ってからはずっと飛ばしっ放しで。 ここまでクルマがもつとは思ってませんでしたが、クルマはレースを通じてパーフェクトでした。 この場を借りて、レクサスとブリヂストンの皆さんに感謝したいと思います。
中嶋一貴
gt_r06_r_pc-nakajima 長いレースだったんで、予選が終わった時点ではここ(記者会見場)に戻って来れるか、確かな手応えがなかったんですけど、ここまで戻って来れて本当に良かったと思います。昨日の予選もサプライズでしたけど、今日の優勝も思っていた以上の結果という気が正直しています。
クルマのペースも良かったですし、要所要所でジェームスもいい仕事をしてくれたので。ボクは今日はあまり仕事をしていないんですけど、昨日の分と今日の分で二人力を合わせて。レクサス勢、ブリヂストン勢と苦しい状況の中、こういう結果を残せたことは良かったです。これを弾みに残り2戦頑張ります。
GT300クラス優勝 #60TWS LM corse BMW Z4
飯田章
gt_r06_r_pc-iida 長いレースでしたが終わってみるとあっという間でした。
昨日の時点ではここに座ってられるなんて想像もできなかったんですけど。みんなで力を合わせて頑張って勝ち取った優勝なんで本当に嬉しいです。
今年の目標は大きく一勝、てのを掲げてて、それが達成できたんで本当にドライバーもそうですがチームを作っていただいた皆さんに心から感謝しています。
今回も手放しで喜べないレースで、抜きつ抜かれつ、ピット作業だとか、チームのミスしたところはドライバーがかせいで、ドライバーがミスしたところはチームが稼いだレースでした。Mbr> 正直そんな楽じゃなかったし、ここのところ天候に悩まされてラッキーだとか不運だとか続いてたので、最後までドライで気持ちよく走ったレースで勝てたのは嬉しいです。
吉本大樹
gt_r06_r_pc-yoshimoto 昨日の朝の状況ではクルマが全然走らなくて。そこからビッグチェンジですごく良くなって、レースウィークはいる前にパーツが全然届かなくて、エンジンも載せ変えてるんですよ。そういう試練を乗り越えてクルマを作ってもらって、本当に信じられない感じでした。
レースは走り出してすぐに凄くクルマがいいのがわかったし、タイヤも良かったので、1スティント完璧にもってくれるようなパフォーマンスで、章さんも凄い速いペースで走ってくれて、全スティントプッシュし続けて。
メカニックもそうですが、チーム立ち上げのときは右も左もわからなかったのに、1勝は目標でしたが、まさか1000kmで勝てると思わなかったので、凄く嬉しいです。
佐藤晋也
gt_r06_r_pc-sato 自分が走ってコメント出来れば良かったんですが、こうした一年目のチームで、表彰台の素晴らしい景色を見せていただいたので本当に素晴らしい経験でしたし、後半戦も出来る限りバックアップして、勝てるように出来ればと思いますし、今度は走ってあの景色を見られるようにしたいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿決勝 #36ペトロナスRC Fがポール・トゥ・ウィン。2位#23モチュールGT-Rもランキングトップに浮上!

2014オートバックス スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」の決勝レースが8月31日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
このシーズン最長の耐久レースを制したのは、ポールシッターの#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)で、終わってみれば後続に50秒以上の大差をつける圧勝だった。
GT300クラスはチーム結成一年目の#60TWS LM corse BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)がポールシッターの#55ARTA CR-Z GTとの接戦を制して今季初勝利を挙げた。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日25,000人/決勝日36,000人/二日合計61,000人)

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決勝レースは12時15分、三重県警の協力による白バイとパトカーの先導によるパレードランの後、通常のローリングを行ってスタートした。

ホールショットはポールシッターの#36ペトロナスRC Fのジェームス・ロシター。
しかし3周を過ぎた辺りから#17ケーヒンNSXを駆る塚越広大が追い上げて来る。
そして10周目。ロシターが130Rで周回遅れに引っかかったところを塚越は見逃さず、シケイン進入で大外から並びかけていく。 懸命に押え込むロシターだったが、そのために立ち上がりが苦しくなったところを再び塚越につかれ、最終コーナーで17号車がトップを奪う。

しかし36号車が29周目、17号車が34周目に最初のピットストップを行ったことにより、アウトラップの17号車を充分にタイヤを温めた36号車が抜き返して再びトップに。

それでも1スティント辺りの周回数の違いから36号車のピットストップ回数が17号車より1回多くなるであろうことは明らかだったため、1分強の差を保ってさえいれば17号車の再逆転は充分可能と思われたのだが、69周目から再びステアリングを握った塚越が87周目の130Rでまさかのコースアウト。
17号車は右リヤ周りを大きく破損してそのままピットイン。 トップが100周目に差し掛かったところでチームからリタイヤ届けが出され、惜しくも戦列を去ることになった。

17号車に続いて36号車に挑んだのは#23モチュールGT-R。
ここにくるまでに42ポイントを獲得し、リストリクター1ランクダウン+ハンデウェイト34kg搭載という厳しい条件で第6戦に臨んだ松田次生/ロニー・クインタレッリ組だったが、17ケーヒンNSXと同じく4ピット作戦を採用し、両ベテランの堅実な走りで周回を重ねた結果、36号車が4度目のピットストップを行った直後、116周目のヘアピンでトップに追いつき、アウトから並びかけていった。ドライバーは36号車がロシター、23号車は松田。

しかしかろうじてトップを守り切ったロシターはそこから徐々に松田を引き離していき、最後は50秒以上もの大差をつけて173周のチェッカーを受け、念願の今季初勝利をものにした。

このレースを2位で終えた#23モチュールGT-Rはシリーズポイントを60に伸ばし、#37KeePer RC Fが7位に終わったことも手伝ってポイントランキングでは一躍トップに躍り出た。
クインタレッリによれば、そもそも今回の目標は4位以内だったとのことであり、勝利を逃したとはいえ今回の結果は期待以上のものだったようだ。

3位には前回富士で優勝した#18ウイダーモデューロNSX(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)がつけた。

一報、今季開幕当初からBMW Z4勢の強さが目立つGT300クラスは今回も激しいトップ争いの末に#60TWS LM corse BMW Z4が逃げ切り、こちらも今季初勝利をモノにした。

ポールポジションからスタートし、終始トップ争いを繰り広げていた#55ARTA CR-Z(高木真一/小林崇志組)はレース終盤の147周目にに突如トラブルに見舞われてスローダウン。その後はピットインとピットアウトを繰り返す苦しい走りを強いられて16位でレースを終えることになった。

変わって2位に浮上したのは#31OGT Panasonic Prius(新田守男/嵯峨宏紀/中山雄一組)。
今回第3ドライバーに抜擢された中山も、レース中盤に同じく第3ドライバーとして#7Studie BMW Z4に招聘されたドイツツーリングカー選手権(DTM)のトップドライバー、アウグスト・ファーフスを相手に一歩も引かない走りを見せ、場内を多いに沸かせた。

3位にはそのファーフスを起用した#7BMW Z4(荒聖治/ヨルグ・ミューラー/アウグスト・ファーフス組)が入った。

2014スーパーGTの各チームはこのあと海を渡り、タイに新設されたブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキット(BUIC)で第7戦を戦う。 10月5日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿決勝は#36ペトロナスRC Fの独走でチェッカー! GT300は#55ARTA CR-Zに終盤まさかのトラブルで#60TWS BMWがチーム結成以来初の勝利を飾る

スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」は、ポールポジションからスタートした#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が終始主導権を握って173周の長丁場を支配し、最後は後続に50秒の大差をつけて今季初勝利を飾った。
GT300クラスは、終盤まで激しいトップ争いが展開されたが、結成1年目の#60TWS LM corse BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)が逃げ切り、こちらも今季初勝利をモノにした。

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レース終盤に入って#23モチュールGT-Rは140周終わりで最後のピットイン。松田次生からロニー・クインタレッリに交代した。
一方の#36ペトロナスRC Fは145周目に最後のピットイン。こちらはそのままロシターが走行を続ける作戦に出ると、その後も着実に23号車との差を広げていき、最後は50.549秒と大差をつけ、今季初勝利を挙げた。
2位に終わった23号車だが、ランキングトップの#37KeePer TOM’S RC F(伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組)がドライブスルーペナルティーなどもあり7位に終わったため、60pt対56ptでシリーズランキングトップに躍り出た。
3位には前回優勝の#18ウイダーモデューロNSX CONCEPT-GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が入った。

36号車の独走に終わったGT500クラスとは異なり、GT300クラスは終盤まで激しいトップ争いが展開された。
まず128周目にピットインした#60BMWに対し、既に作業を済ませていた#55ARTA CR-Zが急接近。逆バンクで#55小林崇志がアウトから#60吉本を抜き去ってトップに立つ。

吉本も131周目の1コーナーで小林にアウトから並びかけるが、ここではかろうじて小林が押え込んでトップを死守。
しかし続く132周終わりのホームストレートでは、最高速に勝るFIA-GT3の特性を生かして吉本が前に出る。

そのまま一端は5秒以上のリードを築き上げた吉本だったが、小林もそこから再びじわじわと追い上げ、140周終了時点では3.4秒、142周では2.9秒、144周が終わる頃には0.8秒と完全に射程圏内に捉えた。
しかし55号車は147周目に突然スローダウン。 その後はピットイン、ピットアウトを繰り返しながらの苦しい走りを強いられることになり、結局16位でレースを終えることになってしまった。

こうなると最早同一周回上で60号車を脅かすものはなく。LMコルセは結成1年目にして初の勝利をものにした。
2位には第3ドライバーの中山の健闘も光った#31OGT Panasonic Prius(新田守男/嵯峨宏紀/中山雄一組)がつけ、3位には今大会のためにドイツツーリングカー選手権(DTM)からアウグスト・ファーフスを招聘した#7Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラー/荒聖治/アウグスト・ファーフス組)が入った。

またシリーズポイントでは#4GSR初音ミクBMW Z4(谷口信輝/片岡龍也組)が5位、#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が10位に終わったため、56pt対54ptで#4初音ミクBMWがトップに浮上した。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿決勝は4分の3を消化。 トップ争いは#36ペトロナスRC Fと#23モチュールGT-Rの2台に絞られる

スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」は規定周回数の4分の3を消化した。 依然としてトップは#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)だが、約10秒後方を#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が追い上げており、予断を許さない状況になって来た。

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レース前半まで36号車とトップを争っていた#17ケーヒンNSXは87周目にコースアウトしたことにより、予定外のピットストップを強いられたが、結局ダメージはボディカウルに留まらずエンジン周りにまで及んでいたため、チームは修復不可能と判断、トップが100周目に入ったところで残念ながらリタイヤ届けが提出された。

これにより、36号車の背後を脅かす存在は#23モチュールGT-Rのみとなった。 17号車と同様に4ピット作戦を採っているニスモチームは3スティント目を104周まで引っ張って23号車を呼び込んだ。 この間23号車はトップを走ることになったが、このピット作業でまた36号車がトップに。

しかし#36ペトロナスが4度目のピットインを行った115周目に#23モチュールは一気に差を詰め、116周目のヘアピンでアウトから並びかける。 ドライバーは36号車はロシター、23号車は松田だった。

両者はしばらくテール・トゥ・ノーズ状態で周回を重ねるが、次第に#36ロシターが#23松田を引き離し始め、130周を迎えたところでその差は10秒以上に。 このあとは各々1回ずつのルーティン作業を残すのみとなったが、現時点ではロシターのペースがやや勝っている状況だ。 3番手には上位陣の脱落なども合って現在は#39デンソーRC Fがつけている。

GT300クラスは#60TWS LM corsa BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)がトップを快走中。 86周目に一旦は#55ARTA CR-Zが接近。 その後96周目に#60BMW、97周目にCR-Zがピットインし、一旦は55号車が前でピットアウトしたものの、タイヤに熱が入る前では抗う術もなく、アウトラップのS字で#60飯田が#55高木を抜き去り、一気にリードを広げていった。 120周終了時点で両者の差は17秒となっている。 3位には31プリウスがつけ、タイトル争いを展開している#4GSR初音ミクBMWが4番手。ランキングトップの#11ゲイナーSLSは9位といずれもポイント圏内を走行している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Eiji TAKEUCHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿決勝は折り返し点を超える ここで#17ケーヒンがまさかのコースアウト!

スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」はレースの折り返し点を超えた。
依然としてトップは#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)だが、これまで2位を走行していた#17KEHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)が88周目の130Rでコースアウト、右リヤ周りのボディーワークを破損してオレンジディスクを提示され、予定外のピット作業を強いられることになった。

ここまでの展開で、各チームのおおよその作戦が露になって来た。
トップを走行する#36ペトロナスRC Fは58周目に2度目、丁度中間点の87周目に3度目のピットストップを行った。 これによりこのチームが5ストップであることはほぼ確定。
それに対して#17ケーヒンNSXは34周目に1回目、68周目に2回目と、レース距離を均等に5分割する4ストップを目指しているようだ。

36号車はここまで38周程度のリードを築き上げていたものの、このままのペースでは17号車に抜き返される可能性があった。
87周目を迎えるまでは。

この周の130Rで#17塚越は突然大きくコースを飛び出し、左リヤのボディワークに大きなダメージを負ってしまう。 これに対しメインポストからはオレンジディスクが提示されたため、やむを得ず17号車は88周終わりでピットへ。
破損状況は深刻だったため、トップが100周を消化した時点でリタイヤ届けが出されてしまった。

また最後尾スタートながら着実に順位を上げていた#32エプソンNSXは75周目に3度目のピットインを行おうとした際、後方から石器にして来た#12カルソニックGT-Rに追突されてスピンを喫してしまい、大きく順位を落とすことに。
この件で12号車に対しては15秒ストップのペナルティが課せられた。ドライバーはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラだった。

GT300クラスはトップを独走していた#55ARTA CR−Z(高木真一/小林崇志組)に#60TWS LM corse BMW Z4(飯田章/吉本大樹/佐藤晋也組)が次第に追いつき、61周目の1コーナーで遂に飯田が高木のスリップから抜け出して大外から抜き去ってトップに立った。
その後方では#31OGT Panasonic Priusの中山雄一と#7Studie BMW Z4のアウグスト・ファーフスという第3ドライバー同士の3位争いが展開されている。
一方これまで55号車とトップ争いを展開していた#0無限CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀/道上龍組)は500クラスの#39デンソーRC Fとの接触により野尻がドライブスルーペナルティを受け、更にピット作業違反により2度目のドライブスルーと、完全に権利を失った格好だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第6戦鈴鹿決勝は250kmを消化 現在のトップは#36ペトロナスRC F 

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スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」の決勝レースはスタートから250kmを通過。
現在のトップはGT500が#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)、GT300は#55ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)となっている。

三重県警の白バイとパトカーが先導する中、レースは12時15分にパレードランを開始。 警察車両がピットインした後にもう1周のローリングを行ってスタートした。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#36ペトロナスRC Fだったが、3周を過ぎた辺りから2位の#17ケーヒンNSXが徐々に差を詰め始めた。36号車のスタートドライバーはロシター。17号車は塚越広大だ。
そして10周目。130Rで周回遅れの#55ARTA CR-Zのインをついたロシターがこれと並走状態になり、僅かに車速を落とした隙を塚越は見逃さずにシケインで大外から並びかけると、続く最終コーナーでアウトから悠々と抜き去ってトップに立った。

しかし36号車は29周目、17号車は34周目に最初のピットストップを行った結果、17ケーヒンのアウトラップで追いついた36ペトロナスがヘアピンでアウトから抜き去って再びトップを奪い返す。
2スティント目を担当した中嶋はそのまま一気に後続を突き放しにかかり、44周終了時点で14.235秒とした。
なお現在3位には#23モチュールGT-R、4位には#18ウイダーNSXがつけ、タービントラブルから最後尾スタートとなった#32エプソンNSXもスタートから一気に順位を上げ、一時は9位まで浮上したが、早め早めのピットストップを行っていることもあり、現在は11位を走行している。

GT300クラスは、ポールの#55ARTA CR-Zがスタートから着実に後続との差を広げつつあるが、その後方では予選6位からスタートした#60TWS LM BMWが序盤から着実に順位を上げてきた。スタートを担当した吉本大樹は3周目に#61BRZの佐々木孝太、10周目に#3B-MAX GT-Rのオルドネスを捉え、28周目の130R立ち上がりでは#0無限CR-Zの中山、#31プリウスの新田を一気に抜き去って2位に浮上している。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SGT:第6戦鈴鹿 決勝スタートは白バイの先導で?!

先ほど行われたGTアソシエイション(GTA)の定例会見の中で、坂東正明代表は今回の第6戦決勝について、スタート時に白バイの先導でパレードランを行うことを明らかにした。

三重県警の協力により実現したこのプランだが、本来は第5戦富士での実施が健闘されていたとのこと。
しかしご承知の通り第5戦は台風の接近などもあって、静岡県警は災害出動に備えざるを得ず、実施が見送られたとのこと。

今回のパレードランは通常のSC先導によるローリング走行の前を白バイが走行するとのことで、GT500車両のプロペラシャフトへの悪影響が出ないよう、「三重県警には90〜100km/hで走行していただくよう要請した」とのこと。
その後ろからタイヤのウォームアップをしながら39台のGTマシンが隊列を組んでついていく様はさぞかし圧巻だろうと思われる。

なお、坂東代表からは走行時に回転灯を点灯していただくよう要請したとのことだが、三重県警がこれを実行するかどうかは現時点では不明だ。

いつもとは違うスーパーGTのスタートシーンに要注目だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

 

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SGT:第6戦鈴鹿GTA定例会見 GT300マザーシャーシーには既に4台のオファー

GTアソシエイション(GTA)は8月31日、スーパーGT第6戦の開催されている鈴鹿サーキットで定例会見を実施した。
今回のテーマは、既にJAFより発表された来季のカレンダーについてと、再来月に開催の迫ったタイのブリーラムサーキットの進捗状況、そして金曜日に発表されたGT300マザーシャーシーについて。
いつものように質疑応答の形で坂東正明GTA代表が答えた。

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坂東代表のコメント
来季のカレンダーの注目点は?
まずは国際大会であるブリーラムの日程をどうするか、から始めて、それに合わせて他のレース日程を決めていったが、結果的に今年と同じになった。
開幕戦については、もっとキャパシティの大きいサーキットで開催してはどうかという意見もあったが、岡山にとってはあの時期に一年で最大規模の大会を開催することに意義があるので、今回も開幕戦は岡山で行う。
富士もゴールデンウィークに行うことが定着して来た。
オートポリスについては、ルマンテストデーと日程が重なるという問題があり、主に外国人ドライバーの中からテストデーを優先したいという声が出ている。しかしこれはACOというよりWECに参戦しているマニファクチャラーとの関係でテストデーに参戦しないとシートが得られないという事情だ。
ACOとはWEC富士の時にミーティングをすることになっており、そこで新しく参戦するドライバーや既に決まっている日産のLMP1の参加条件について、日本での実績を考慮してもらえるよう交渉する予定だ。
10月は世界選手権規模の大会が多く日本で開催されるが、それらとの日程調整は出来ないのか?
もう少し日程がばらけてくれるといいのだが、現状は我々の入る余地がない状況で、仕方なくこの時期を海外大会に充てざるを得ない状況だ。
F1もWECもMotoGPももっと日程を分散させてもらえれば調整の余地が出てくるのだが。
既にGTAからも何人か視察を行っているようだが、ブリーラムの進捗はどうか
コースについては既に2層目の舗装も終わり、8月一杯で工事が完了する。
パドックの整備や、車両を走らせての管制がうまくできるかどうか、などはこれからやっていく。
バンコックから5時間半という距離なので、集客を心配する声もあるが、隣接するサッカースタジアムでは試合の日には身動きも取れないほどの動員がある。あまり知られていないがタイでのモータースポーツの人気は高いし、ブリーラムには無料で観戦できるエリアもあるので、動員については心配していない。
金曜日に発表された86のプロトタイプ(GT300マザーシャーシー)の今後の予定は?
現在の予定では9月11日に岡山でシェイクダウンを行い、その後はトヨタタイランドの要請に応じてタイに送ることになっている。ドライバーは土屋武士が担当する。
ブリーラムでレースに出たあとは、パタヤ、バンセンで走ることになっており、バンセンでは大嶋(和也)選手と モリゾウ選手が走ると聞いている。
また今日までの時点でGT300に参戦しているチームから4台のオファーをいただいている。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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SGT:第6戦鈴鹿フリー走行 前日炎上の#32エプソンNSXも走行に参加!トップは#8ARTA NSX

スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」のフリー走行は、#8ARTA NSX CONCEPT-GT(ヴィタントニオ・リウッツィ/松浦孝亮組)が1’51.374でトップ。
GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORTS(佐々木孝太/井口卓人組)が2’01.951でトップだった。

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晴天に恵まれた公式予選人は打って変わり、決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは上空を厚い雲が覆い隠した。
しかし予報では雨は午後9時以降とされており、今のところレース進行に影響はない模様だ。
そうした中、スーパーGTの決勝前フリー走行は午前8時30分より30分間で行われた。

第4戦を前に性能調整が見直され、同時に熱害対策としてボディカウル等の加工が許可されて以降好調の続いているホンダNSX勢だが、このセッションでも松浦孝亮の駆る#8ARTAが開始10分で1’51.374を記録。そのままトップで走行を終えたたほか、昨日の公式練習でタービンの破損から出火トラブルに発展し、公式予選への出走を見合わせた#32エプソンNSXも走行に参加し、ベルトラン・バゲットが1’52.425を出して8番手につけた。
ナカジマレーシングのスタッフは昨夜12時過ぎまでかかってタービンやボディパネル、配線などの交換を行ったとのことだ。
前回優勝の#18ウイダーモデューロNSXも4番手とまずまずの仕上がり。
しかし一方で#100レイブリックNSXは小暮卓史の走行中にトラブルに見舞われ、開始僅か10分でガレージに戻されており、決勝への影響が懸念される。

一方、日産GT-R勢は#12カルソニックGT-Rが2番手、#23モチュールGT-Rが3番手といずれも上位に付けており、レクサスRC Fの中で唯一Q2に残り、ポールポジションを獲得した#36ペトロナスRC Fも6番手と、ここまでは3メーカーほぼ互角の状況だ。

GT300クラスは、序盤に佐々木孝太が2’01.951を記録した#61BRZがトップ。
予選ではハイブリッド勢に圧倒された感のある61号車だが、決勝へ向けての仕上がりは上々だ。
そのハイブリッド勢は、#31プリウスが12番手、#55CR-Zが20番手、#0CR-Zは最下位の24番手とふるわなかった。
一方で予選Q1で赤旗の原因を作り、ノータイムとされた#2マクラーレンMP4-12Cは3位、同様にQ2でノータイムとなった#21アウディR8は5番手と、決勝での巻き返しに期待がかかる仕上がりだ。

第6戦決勝はこのあと12時15分より173周(1000km)で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SGT:第6戦鈴鹿公式予選 ポールシッターのコメント

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GT500クラス #36PETRONAS TOM’S RC F
中嶋一貴
gt_r06_q_pc-nakajima 朝からあまり調子良いとは言えない状況で、走ってみたら8番手か9番手くらいで、ぱっとしない感じだったので、出だしとしては心配でした。ただセッションが進む中で、ジェームスのコメントもポジティブな方向に行きました。その流れでQ1も朝に比べればいいところで終われたんですが、それでもポールは期待していませんでした。 それでもジェームスのアタックを見ている間にポジティブな印象を持ち、Q2が楽しみになりました。
クルマも実際よかったですし、タイヤのウォームアップもうまくいったので、あれ以上ないラップで走ることが出来ました。周りにも助けられた面があるので、ちょっと運が上向いて来たかなあと言う気がしなくもないです。決勝もこの流れ出いければなあと思います。
このクルマで最後まで走り切れるか自信はありませんが、ベストを尽くすだけです。
ジェームス・ロシター
gt_r06_q_pc-rositer 今朝はまず満タンで走り始め、ニュータイヤで走ったのが10分くらいで、それと予選用のタイヤが違うのはわかっていたんですが、予選Q1ではクルマのバランスがあまりにも良くて驚きました。可能な限りカズキに情報を持ち帰ろうと思って走りましたが、タイヤマネジメントがうまくいかず思ったほどのタイムではありませんでした。それでもQ2に進出できたのは良かったと思います。
Q2はカズキサンがアタックするのを興奮しながら見ていました。
GT500クラスはこのクルマになってから初めての長距離なので、全てのメーカーにとって大きな試練になると思います。決勝は集中して頑張ります。
GT300クラス #55ARTA CR-Z GT
高木真一
gt_r06_q_pc-takagi 今朝はいつものように決勝を見据えたセットで走りました。鈴鹿のテストでは大きいリストリクターで走ったんですが、今回は燃費のことも考えてリストリクターを小さくし、車重を軽くするセットを新しく朝からやってきました。前回のテストよりはバランスが良くなくて色々試行錯誤をしたんですが結果的には上手くまとまりました。朝の時点では予選アタックはやりませんでしたが、いい感触を得ていました。
小林選手と組んで2年ということもあるし、速くなって来たし、500でポールを獲った演技のいいサーキットということもあったので今回はQ2のアタックを任せましたが、その作戦が見事に成功しました。
実はボクの番のときは吸気系のトラブルが出てパワーダウンしてしまい、ピットインしたんです。直す時間はないなあと思っていたら、赤旗が出てくれて。これがもう本当に、神様がポールポジションとれと言ってくれた気がして、なんとかQ2に残ることが出来ました。その後は小林がきっちりと、とんでもないタイムを出してくれて困りました(笑)
去年は1スティントで終わってしまったので、データが不足していますが、ブリヂストンさんもいいタイヤを作って来て下さったので、決勝には自信があります。周りの状況をよく見ながら、壊さない走りで行けば勝てるはずです。
小林崇志
gt_r06_q_pc-kobayashi 今朝の走り出しはオーバー気味で最初は苦しいな、と思いましたが、二時間の中でチームとセッティングを試していって、最後はユーズドタイヤでもそこそこいいタイムが出ていたので、予選は59秒台は行けるかと予想してたんですが、Q1で高木さんが「パワーがない!」って叫んでるのを聞いて泣きそうになりました(笑)
第3戦、4戦、5戦とノーポイントで、あんまりウェイトも積んでなかったですし、前回の富士でもドライではいいペースで走っていたので、ポールがとれるクルマだと思っていました。だからポールを獲らなきゃ、というプレッシャーもあったので、実際こうやってポールが獲れて良かったです。
予選トップなので、そのまま淡々とトップで居続けるのが一番良いと思います。天気が心配ですけど、ベストを尽くすだけです。
(広島の土砂災害について)現場の近くを通りましたし、ボランティアにも行こうと思っていますが、まだ「元気を与える」なんて段階じゃないし、そんなのは押し付けがましいと思います。
今はただ、自分のやれる仕事をするだけです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿公式予選 コースレコード続出でGT500は遂に1分48秒台に!ポールポジションは#36ペトロナスRC F。GT300は1分59秒前半にタイムを記録した#55ARTA CRZが今季初ポール

2014オートバックス スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA1000km」の公式予選が8月30日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
今回もノックアウト方式で行われたこの予選では両クラスともQ1からコースレコードが次々に塗り替えられるエキサイティングな展開になったが、最終的に中嶋一貴が1’48.633を記録した#36PETRONAS TOM’ RD F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が今季2度目のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#55ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志組)が今季初ポール。こちらもGT300クラスで初めて2分を切る1’59.115を叩き出した。
(天候:晴れ コース:ドライ)

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今シーズン何度も荒天に翻弄されてきたスーパーGTだが、第6戦の公式予選は終始晴天のもとで行われた。

予選Q1
各クラス15分間で行われる予選Q1は、GT300クラスで赤旗中断が合った影響で、GT500クラスの走行は当初予定より7分遅れの午後2時22分より開始された。
既に朝の公式練習で、従来のコースレコードである1’49.842は#23モチュールGT-Rによって打ち破られていたが、このセッションでも#18ウイダーモデューロNSXを駆る山本尚貴が最初のアタックでいきなり1’49.002を叩き出してみせると、その直後に23号車を駆る松田次生が1’48.963と一気に48秒台に入れて来た。燃料リストリクター1段階ダウン、ハンデウェイト34kg搭載の23号車にしてこのタイムは驚く他ない速さだ。
更にはチェッカー寸前にウェイトハンデ50kgを紡錘#46S Road GT-Rの本山哲が1’48.629とタイムを更に縮め、このセッションをトップで終えた。 このタイムは1000馬力のターボエンジンを搭載した1990年代のグループCマシンにも匹敵するものだ。
(1990年4月の世界スポーツカー選手権においてトヨタ90C-Vが記録したポールタイムは1’48.716)

結局このセッション、GT-Rが3台、NSXは公式練習で出火して予選出走を取りやめた#32エプソンを除く全4台がQ2進出を果たしている。
一方、前半好調だったRC F勢はウェイトハンデの影響などもあり#36ペトロナス1台のみに留まった。ランキングトップの#37KeePer RC Fも100kgのウェイトハンデ(実際にはリストリクター1段階ダウン+50kg)が祟ってか、13位に終わり、Q1で姿を消している。

GT300クラスも、開始早々に#360OKINAWA MSA GT-Rの吉田広樹が2’00.898とこちらも従来のレコードを大きく上回ると、#61BRZの井口卓人が2’00.690、#60TWS BMWの吉本大樹が2’00.643とこれを上回って来た。
最終的に#61井口はこのセッションをトップで終えた。2位には#3B-MAX NDDP GT-R、3位には#0無限CR-Zが続いた。

予選Q2
GT300クラスの予選Q2でも終盤に赤旗が出た影響で、GT500クラスの走行は当初予定より15分遅れ、午後3時15分より12分間で行われた。
ここでは唯一Q2に駒を進めた#36レクサスRC Fを駆る中嶋が最初のアタックで1’48.633を叩き出して一気にトップに躍り出る一方で、第5戦富士でポールを獲得した#17ケーヒンNSXの塚越広大は1’48.846、#23モチュールGT-Rのロニー・クインタレッリも1’48.979と一歩及ばず、36号車が第4戦SUGO以来、今季2度目のポールポジションを獲得した。

GT300クラスはQ2に入ってから2分台を飛び越し、一気に1分59秒台の争いとなった。 ここで主役を演じたのは#0無限CR-Z、#55ARTA CR-Z、#31Panasonic Prius、#61SUBARU BRZらのJAF-GT勢だ。
まず#55小林崇志が1’59.115と58秒台すら視野に入れる脅威のタイムを叩き出すと、#0野尻智紀も1’59.639、#31新田守男は1’59.955を記録して来た。
一方、昨年のこのレースで2’01.481のレコードを山野哲也が記録した#61BRZの佐々木孝太は、山野のタイムを上回る2’00.034と一歩及ばない。
セッションは終盤に入って#21アウディR8の藤井誠暢がダンロップコーナーでスピンアウトしたために赤旗中断となり、午後3時3分に残り時間4分から再開されるが、#61佐々木はデグナーに差し掛かったところでアタックを中断、#31新田は1’59.667と自己ベストを更新したものの3位に留まった。
これにより#55ARTA CR-Z GTの今季初ポールが確定。 小林は2010年の同レースで#8ARTA HSVを駆って以来のポール獲得となった。

第6戦決勝は明日12時15分より173周(1000km)で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第6戦鈴鹿公式練習 両クラスともいきなりレコードを上回る速さ!GT500トップは#23モチュールGT-R

スーパーGT第6戦「インターナショナルSUZUKA 1000km」の公式練習が8月30日、鈴鹿サーキットで行われ、#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)がセッション序盤に従来のコースレコードを上回る1’49.234を記録して堂々のトップ。
GT300クラスも終盤の専有走行でルーキーの野尻智紀が2’00.531とこちらもコースレコードを大幅に上回り、#0無限CR-Z GT(中山友貴/野尻智紀/道上龍組)がトップだった。

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公式予選日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から快晴。
午前9時40分より始まった公式練習は終始ドライコンディションのままセッションは進行した。

シーズン開幕からこれまで各地でコースレコードを更新して来たGT500クラスだが、今回もその速さは健在で、セッション開始からわずか18分でロニー・クインタレッリの駆る#23モチュールGT-Rが、2007年3月の鈴鹿300kmレースで伊藤大輔(#8ARTA NSX)の記録した1’49.842を大幅に上回る、1’49.234を叩き出して一気にトップに躍り出た。
23号車は現在シリーズポイント42。燃料リストリクターを1段階絞り、34kgのウェイトを積んだ状態でのレコード更新は驚くべき速さだ。
2番手にはその#8ARTA NSXが松浦孝亮のドライブにより1’49.882とコースレコードに迫る好タイムを終盤の専有走行で記録。第4戦を前に熱害対策を施して以来好調の続いているNSX勢の速さはここでも健在のようだ。
しかし一方で、#32エプソンNSXは開始15分で車体後部から出火してコース場にストップするアクシデントに見舞われて赤旗中断の原因を作った他、第5戦で優勝した#17ケーヒンNSXは走行中に左リヤタイヤのナットが脱落するなど、想定外のアクシデントに見舞われるチームも見られた。

GT300クラスは序盤から一貫して#0無限CR-Zと#61SUBARU BRZのJAF-GT勢が速さを見せ、2分01秒台の好タイムを連発してトップを争っていたが、最後の最後に野尻が2’00.531と、昨年#61BRZ(山野哲也)が記録したレコード(2’01.481)を1秒近く上回る速さでトップに立った。 2位には今大会の第3ドライバーとして現在DTMで活躍中のアウグスト・ファーフスを招聘した#7Studie BMWが2’01.581でつけ、7号車から1秒以内には18台の車両がひしめくという、いつもながらの接戦模様をGT300クラスは呈している。
また今回はシリーズ最長の1000kmレースということもあり、GT300クラスでは参加24台中16台が第3ドライバーを登録しており、その中にはファーフスを起用した#7Studie BMW Z4のほかにも海外のトップドライバーを招聘するチームもいくつかみられる。
今年のニュルブルクリンク24時間レースで総合優勝したクリストファー・ハーゼを起用した#21Audi R8LMS Ultra、第2、第3ドライバーにティム、ヨルグのベルグマイスター兄弟を起用した#33PUMA KRH PORSCHEなどだ。
今回のGT300クラスはこうした点でも大いに注目に値するだろう。

第6戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4) | SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:FIA-F4の仕様

童夢が開発を担当したF110シャシー

童夢が開発を担当したF110シャシー

2015シーズンよりスーパーGTのサポートレースとして全14戦が行われるFIA-F4シリーズ。
使用される車両は日本自動車レース工業会(JMIA)の会員企業がシャシー、エンジン、ギヤボックスその他を分担して製作、各ドライバーに供給することになった。
シャシーは童夢F110、エンジンはトムスTZR42型、ギヤボックスは戸田レーシング製の6速シーケンシャルパドルシフトが採用されている。
8月29日には鈴鹿1000kmが行われる鈴鹿サーキットにて石浦宏明(#39DENSO KOBELCO SARD RC F)のドライブによりデモ走行が行われた。
FIA-F4の詳細なスペックは以下の通り。

トムスが開発したTZR42エンジン。 エアインテークが斜めになっていることから、やや右に傾けて搭載するものと思われる

トムスが開発したTZR42エンジン。
エアインテークが斜めになっていることから、やや右に傾けて搭載するものと思われる

ディメンション
全長:4,340mm
全幅:1,738mm
全高:950mm(基準面より)
ホイールベース:2,750mm
最低重量:570kg(ドライバー込)
シャシー
車両構造:CFRPモノコック構造(F3安全基準同等)
サスペンション:インボードダンパー式前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:対向2ポッドブレーキキャリパー 256mmベンチレーテッドディスク
安全燃料タンク:FIA FT3-1999規格適合安全燃料タンク 40L
トランスミッション:6速パドルシフト式トランスミッション(バックギヤ付き)
クラッチ:7.25インチ シングルプレートクラッチ
ボディ
ボディカウル:グラスファイバー製
ボディ下面:スキッドブロック式ステップドボトム
ウィング:角度調整機能付き前後ウィング
ホイール
タイヤサイズ(暫定):フロント=195/550R13 リヤ=240/5700R13
ホイールリム:フロント=8J-13inch リヤ=10J-13inch
エンジン
エンジン形式:直列4気筒1987cc 自然吸気エンジン(トムスTZR42)
ボア・ストローク:80.5mm×97.6mm
出力:160PS/5,700rpm
安全装備
衝撃吸収装置:F3安全要求準拠 前後衝撃吸収装置
シート:リムーバブル救出シート+発泡ウレタン形成
安全ベルト:FIA Standard 8853/98規格適合 HANS対応6点式安全ベルト
消火器:FIA公認自動消火装置
ホイール保持システム:FIA公認ホイールテザー
データロギングシステム
データロギングシステム:装備あり(但し規定により搭載可能センサー制限あり)
Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4) | SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:FIA-F4シリーズの概要

童夢がシャシー、トムスがエンジン、戸田レーシングがギヤボックスを開発した純国産のF4マシン「F110」

童夢がシャシー、トムスがエンジン、戸田レーシングがギヤボックスを開発した純国産のF4マシン「F110」

FIA-F4シリーズ概要
GTAが運営を手がけることを発表したFIA-F4シリーズ。
初年度の2015シーズンはスーパーGT国内7大会のサポートレースとして開催が予定されている。
全日本F3選手権や2013年まで行われていたフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)と同じく1大会2レース制で、レース距離は各60kmまたは30分を上限とする。公式予選は1回のみ行われ、ベストタイム順で第1レースのスターティンググリッドを決め、セカンドベストタイム順で第2レースのグリッドを決める。

使用される車両は日本自動車レース工業会(JMIA)が製作した「F110」のワンメイク。
F110はシャシーを童夢、TZR42エンジンをトムス、ギヤボックスを戸田レーシングが開発したもので、向こう5年間(2019シーズンまで)は車両規則の変更を行わない。
ドライバーの参加資格は「限定国内競技運転者許可証A」以上、「国際ドライバーライセンスB」以下のライセンス所有者。ただし2012〜2014年にGP2、スーパーフォーミュラ、フォーミュラニッポン、F3で1〜3位以内に入賞したものは参加できない。
シリーズポイントは有効ポイント制(全体の80%=14レース中11戦をカウント)とされ、優勝20pt、2位15pt、3位12pt、4位10pt、5位8pt、6位6pt、7位4pt、8位3pt、9位2pt、10位1ptが与えられる。

若手ドライバー育成プログラム(予定)
GTAでは将来的な構想として、同シリーズで優秀な成績を収めたドライバーに対し、自動車メーカーやGT300参戦チーム、F3参戦チームなどが採用・育成条件を提示の上で有望選手の獲得を目指す「スカウト制度」の創設や、GTA独自の育成プログラム「SUPER GTアカデミー」の開設を検討中。
またドライバーのみならず、若手オフィシャルの育成についても同シリーズの運営を通じて実現するという
2015年カレンダー
第1〜2戦 4/4〜5 岡山国際サーキット
第3〜4戦 5/2〜3 富士スピードウェイ
第5〜6戦 5/30〜31 オートポリス
第7〜第8戦 7/25〜26 スポーツランドSUGO
第9〜10戦 8/8〜9 富士スピードウェイ
第11〜12戦 8/29〜30 鈴鹿サーキット
第13〜14戦 11/14〜15 ツインリンクもてぎ
Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:GT300マザーシャーシーの概要

トヨタ86をベースに製作されたGT300プロトタイプ

トヨタ86をベースに製作されたGT300プロトタイプ

スーパーGT第6戦の行われる鈴鹿サーキットで8月29日にGTAより発表された「GT300マザーシャーシー」は、CFRP製の共通モノコックにGTA製の4.5リッターV8エンジンを組み合わせた形でGTAが販売する。
エントラントはこれを購入した後、独自に空力や足回りのパーツを開発して参戦することになる。
GTA製のエンジンについては、現在市販されている安価なレーシングエンジンということでWECのLMP2クラスで広く普及しているVK45エンジンがベースになっている模様。
現時点では今回発表になった86の他、坂東代表は明言を避けたものの、どうやらムーンクラフトがエンジンをミドシップにした車両(ロータスか?)を開発しているようだ。

マザーシャーシーに用いられるCFRP製の共通モノコック

マザーシャーシーに用いられるCFRP製の共通モノコック

ディメンション
全長:4,725mm
全幅:1,950mm
全高:1,100mm(基準面より)
ホイールベース:2,750mm
シャシー
車両構造:CFRPモノコック構造+FIA規定準拠ロールケージ 前後パイプフレーム
サスペンション:インボードダンパー式前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:対向6ポッドブレーキキャリパー ベンチレーテッドディスク
安全燃料タンク:FIA FT3-1999規格適合安全燃料タンク 100L
トランスミッション:6速パドルシフト式トランスミッション
クラッチ:5.5インチ トリプルプレートクラッチ
ボディ
ボディカウル:CFRP製
ボディ下面:CFRP製フラットボトム
ウィング:角度調整機能付きリヤウィング
ホイール
タイヤサイズ(暫定):フロント=330/710R18 リヤ=330/710R18
ホイールリム:フロント=13J-18inch リヤ=13J-18inch
エンジン
エンジン形式:V型8気筒4,494cc 自然吸気エンジン
ボア・ストローク:93.0mm×82.7mm
出力:400PS以上(エアリストリクタ−サイズによる)
スロットル:ワイヤーリンケージ
オイルシステム:ドライサンプ
安全装備
衝撃吸収装置:JAF国内競技車両規則準拠の衝撃吸収装置
シート:FIA公認フルバケットシート
安全ベルト:FIA Standard 8853/98規格適合 HANS対応6点式安全ベルト
消火器:FIA公認自動消火装置
エアコンシステム:レーシングエアコン
Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4) | SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:キーワードは「日本のモノづくり」と「モータースポーツ界の甲子園」 GTAとJMIAがGT300マザーシャーシーとFIA-F4車両を公開!

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GTアソシエイション(GTA)は8月29日、鈴鹿サーキットにて記者発表会を開催し、これまで開発を進めて来たGT300クラス向けの”マザーシャーシー”と、既に2015年からの開催を表明している「FIA-F4」用のワンメイクフォーミュラカー「F110」を公開した。
発表会には坂東正明GTA代表の他、大岩湛矣日本自動車レース工業界(JMIA)会長が出席。それぞれの車両の概要を述べた。

坂東正明GTA代表と服部尚貴シニアマネージャーの手でベールを剥がされる"GT300マザーシャーシー"

坂東正明GTA代表と服部尚貴シニアマネージャーの手でベールを剥がされる"GT300マザーシャーシー"

専用モノコックにGTA製4.5リッターV8エンジンを搭載!「GT300マザーシャーシー」
近年のGT300クラスではFIA-GT3車両が多数派を占る一方で、参戦可能な国産ベース車は減少する一方だ。GTAとしては単に完成車を購入して走行させるだけでなく、車両の製作やチューニングなど、レース業界各社の技術を継承、発展させることこそが今後のモータースポーツの振興に不可欠と考え、車両製作のベースとなる専用モノコックを開発した。
このモノコックに好みのパーツを組み合わせることで、自由度の高い車両製作が可能になる。
このプロジェクトの発表に先立ち、GTAではトヨタ86(ハチロク)をベースとしたプロトタイプカーを製作し、今回の発表会場に持ち込んだ。
このプロトタイプカーにはGTAが供給する4.5リッターV8エンジンが搭載されているほか、ギヤボックスやECUなどの主要部品もGTAが販売を手がける予定となっている。
今後GTAではマザーシャーシー車両に関連する技術規則、競技規則などを整理し、エントラントが2015年シーズンからGT300クラスに参戦できるよう体制を整える。
坂東正明代表と大岩湛矣JMIA会長の手でお披露目されるFIA-F4マシン「F110」

坂東正明代表と大岩湛矣JMIA会長の手でお披露目されるFIA-F4マシン「F110」

目指すのは「モータースポーツ界の甲子園」 FIA-F4シリーズ
GT300マザーシャーシーの発表と合わせて披露されたのが、国際自動車連盟(FIA)が今後世界各国での展開を目指しており、GTAも運営に携わることを表明して来たFIA-F4シリーズで用いられるワンメイクシャシー「F110」だ。
フォーミュラレースの入門カテゴリーに位置づけられる同シリーズには車体価格(税抜き38,000ユーロ=約532万円)とエンジン価格(1年リースで税抜き7,500ユーロ=約105万円)にコストキャップが設けられると同時に、エンジンのライフコストを抑制する仕組みが設けられており、モータースポーツの門戸を広げる効果も期待されている。
既にイタリアでは今年からタトゥース製のシャシーにABARTHエンジンを搭載した車両によるワンメイクシリーズが開催されており、開幕戦では日本人選手の笹原右京が優勝するなど、注目を集めているが、2015年からは日本の他にイギリスやドイツなどでのシリーズ創設が計画されている。
GTAでは限定国内競技運転者許可証A(いわゆる限定Aライ)以上、国際ドライバーライセンスB」以下のライセンス所有者を対象としているが、2012年〜2014年にGP2、スーパーフォーミュラ、フォーミュラニッポン、F3のいずれかで1〜3位以内に入賞したものは参加できない。
しかしこの条件にさえ合致していれば、若手のドライバーだけでなくツーリングカー出身のベテラン選手の参戦も歓迎するとしている。本人さえ望むなら、例えば谷口信輝選手の参加も歓迎するとのことだ。
GTAとJMIAは同シリーズの展開を通じて、「日本のモノづくり」を支えるとともに、次代のレース界を担う若手ドライバーやレース運営スタッフの育成を推進する。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ決勝 上位3人のコメント

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優勝 #19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)
sf_r04_r_pc-oliveira 今朝のフリー走行は予定通りセッティングを進めていましたが、最後のピット練習でギヤチェンジに問題が発生しました。
すぐに原因を突き止めてレースに臨みましたが、前回の富士と同じように終盤に雨が降って来て判断の難しい状況でしたが、雨が激しくなってきてチームに「入れ」と言われて時点で時に運良く最終コーナーの手前にいたので、すぐにピットに入ることが出来ました。
前回の富士のことなんか忘れたよ(笑)最初は小雨だったので「このまま終わるといいな」と思っていましたが、ヘアピンに差し掛かった時にエンジニアに無線で「大雨だ!」って言われたので、90度コーナーには注意深く入ったんだけど、少し飛び出してしまいました。
でも今回いい結果に終わったので富士のことは払拭できたと思います。
2位 #38石浦宏明(P.MU CERUMO INGING)
sf_r04_r_pc-ishiura 今朝のフリー走行で決勝セッティングで走り始めたら予想以上にグリップダウンしていたので、そこからセッティングを悩み始めました。8分間のウォームアップで試したセットもブレーキのフィーリングが良くなかったので、グリッド上でスプリングを変えるわ、ブレーキを4つとも交換するわとドタバタの状況でしたが、チームはすごく良い判断をしてくれたので、走り始めたらJPには追いつけないものの、後ろは引き離すことが出来たので、後は自分のペースを保つことに意識して走りました。 最後は雨が降って来て、最近はGTでもスーパーフォーミュラでもこんな展開が続いていて、「またか」と思いました。毎回裏目裏目に行っていましたが、今回はいい結果になりました。突然雨が降って来た周は、僕の走っていた場所はそんなに降っていなかったので、無線で「入れ」と言われたときは何で入るのか意味が分からなかったんですが、90度コーナーの手前から目の前が真っ白になっていました。事前に無線で言われてなかったらコースアウトしていたと思います。
あそこでSCを入れたのは正しい判断だったと思います。ドライセッティングで車高を落としたクルマにレインタイヤを履かせると、更に車高が下がって底を打ちまくるので非常に危険なんですよ。実際5速までしか入らない状態でしたし、レースを再開するべきではないと思っていましたが、万が一に備えて再開の準備だけはしていました。
3位 #36アンドレア・カルダレッリ(PETRONAS TEAM TOM’S)
sf_r04_r_pc-caldarelli 昨日の予選ではニュータイヤを履いた時に少し問題があったので、今日に向けて大幅にセッティングを変更したんですが、今朝のウォームアップの状態は悪くありませんでした。 レースの最初の10ラップは苦しい状態でしたが、そこは予めわかっていたし、タイヤが減って来てからは良くなって来たので、その辺は作戦通りでした。ピット作業もうまくいってロイックの前でコースに出られたので、チームの作戦は正しかったと思います。
激しい雨が降って来たときは少し怖かったですが、すぐにペースカーが入ったので良かったです。
今回3位に入ったことは僕のキャリアにとっては大きな意味があります。前回と今回、異なるクルマでいずれもいい結果を出すことが出来ましたから、来年のことが楽しみです。
優勝チーム監督 星野一義(Lenovo TEAM IMPUL)
sf_r04_r_pc-hoshino レースを見ていただければわかるように、今日はドライバーに尽きるよね。今朝少し問題があって、エンストしたのにメニューに確認の項目がなかったので「もう一回確認しろ」つい怒鳴ってしまったんだよね。あんまり怒鳴らないように心がけてるんだけども、レースが始まってみればあちこちでエンストしていたので、やっぱり必要なときは怒鳴らなきゃいけないのかなと思ったね。
レースの展開については、JPがあまりにも速いので、全て彼に任せようと思ったね。その中でデュバルと一貴がポイントを落としてくれればと思っていた。
今日はドライバーに100%賞金をやっちゃおうと思う。だから石浦もチーム監督に100%くれって言えよな(笑)
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ決勝 終盤に土砂降りの波乱のレースを制し、#19オリベイラが今季2勝目を挙げる

2014年全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦「もてぎ2&4レース」の決勝が8月24日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
レースは終盤に強い雨が降りSC先導のままチェッカーを受けることになったが、ポールポジションからスタートした#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が後続を寄せ付けず、今季2勝目を挙げた。
2位にはスタートで一気に順位を上げた#38石浦宏明(P.MU CERUMO INGING)が入り、アンドレ・ロッテラーのF1参戦で急遽起用された#36アンドレア・カルダレッリ(PETRONAS TEAM TOM’S)が3位表彰台をものにした。
(天候:晴れ-雨 コース:ドライ-ウェット 観客動員数:予選日10,000人/決勝日16,000人/大会合計26,000人)

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決勝レースは午後3時スタート。 この時点では空は晴れており、気温33℃、路面温度45℃という蒸し暑いコンディションだった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#19オリベイラ。 続いて4番手スタートの#38石浦宏明が見事なスタートで2位にジャンプアップして来た。

オリベイラはその後も快調に後続を引き離しにかかり、8周を終えたところで早くも石浦との差を5.2秒とすると、その後も着実のその差を広げて31周目にピットインした時点では20秒近いリードを築き上げていた。
一方、2位の石浦は34周まで引っ張って漸くピットへ。16秒余りの作業時間でオリベイラと#36カルダレッリの間にピットアウトして来たが、その直後に雨が路面を濡らし始めた。

そこからしばらくは小雨の状態で、どうにかスリックタイヤでの走行が可能であったが、41周目に入ったところで突然雨が激しくなり、トップのオリベイラもたまらず90度コーナーを飛び出してしまった。 それでもどうにかコース復帰を果たしたオリベイラはそのままピットイン。 それを契機に他のドライバーも相次いでピットに殺到した。

しかし雨はその後も勢いを増すばかりで、46周目にはセーフティカーが導入され、そのまま52周を消化することになった。
これによりオリベイラは第2戦富士の第1レース以来の今季2勝目を獲得。 シリーズポイントもポールポジションの1ポイントと合わせて11を獲得、トータル23ポイントとして一躍トップに躍り出た。
2位の石浦も19ポイントと、このレース7位の#37中嶋一貴、同4位の#8ロイック・デュバルに次ぐランキング4位に浮上した。

一方、初のフロントローからのスタートとなった#40野尻智紀はレース序盤は石浦の後ろ、3番手を走行していたが、20周目に行ったピットストップの際、またもやエンジンストールを喫してしまい、15位と大きく順位を落としてしまった。そこから懸命に追い上げた野尻だったが、終盤のSC導入などもあって9位でレースを終えることに。

また、車両規則違反により後方スタートとなった#1山本尚貴は、クルマのダウンフォースを減らした上に2ピットと思い切った作戦で挽回を図ったが、スタート時にグリッド位置を間違えるという痛恨のミスを犯してしまい、ドライブスルーペナルティを受けたうえ、2度目のピットストップではエンジンストールと、最後まで歯車の噛み合ない週末になってしまった。

次戦の舞台は九州のオートポリス。9月14日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第11戦もてぎ決勝 上位3人のコメント

優勝 #22高星明誠(B-MAX NDDP F312)
f3_r11_r_pc-takaboshi 前回のもてぎが良くなかったので、プライベートテストをやっていただきました。テストを用意して下さったチームに感謝しています。
今日はスタートでミスをしなければ勝てると思っていたので、まずはスタートを意識しました。そういう中で少し遅れてしまったんですが、1コーナーで押さえることが出来、その後はスリップを使われることなく淡々と走ることができ、勝つことが出来ました。嬉しいです。M
前半攻めるセッティングをしていたので、最後詰められましたが、抜かれるとは思ってなかったのでプレッシャーには感じていませんでした。
本当はファステストもとってトップと同点にしたかったんですけど。次のSUGOは最初からやり直すつもりで勝ちにいきます。
中盤戦伸び悩んでいたんですけど、前回の富士から調子が上向いているので、そのままSUGOも富士も勝ってチャンピオンをとりたいです。
2位 #7松下信治(HFDP)
f3_r11_r_pc-matsushita 今日は長いレースなので、タイヤマネジメントが一番大事だと思っていました。昨日のレースでは無理してポジションダウンしてしまい、無駄にポイントを失ったので、今日は無理せずに行こうと思っていました。
今日のスタートはうまくいったんですが、行き場がなくなってしまい、アクセルを戻して後ろについていきました。これでもう、高星選手がミスしない限り抜くチャンスはないと思いましたが、とりあえず自分のベストを尽くすよう心がけて走りました。最後は追いついたんですが、抜けるほどの差ではありませんでした。今回は速さという面で予選から少し足りなかったことが反省点です。
次のSUGOからは涼しくなって状況が変わると思います。
今シーズンは自分のミスで何ポイントも失いました。やっと振り出しに戻った感じですが、残り4戦は油断せずに全力で頑張ります。
3位 #1勝田貴元(PETRONAS TOM’S)
f3_r11_r_pc-katsuta 3番手スタートということで、オープニングラップで前の2台を抜いて独走したかったんですが。スタートが上手く決まって良いところまでいったものの、イン側の2台が牽制し合っていて、アウトしか行くところがなく、3コーナーで松下選手を抜こうとしたんですが、結局3番手でオープニングラップを終えることになりました。
後半に向けてタイヤマネジメントを心がけて走っていたんですが、序盤でリヤを使い過ぎてしまって、それが響いて松下選手との差が開いたのかなと思います。後半は佐々木選手がファステストを出しながら迫って来て、気にしないようにしていたんですが気になってしまいました。最後まで松下選手についていくことが出来なかったので、そこが反省点です。
Nクラス優勝 #6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)
f3_r11_r_pc-koizumi 2番手スタートだったんですが、昨日以上にスタートに集中してレースに臨みました。今日の方が上手く決まって、1コーナーに久保くんの前で入っていけました。昨日もそうでしたが、前の方で色々起きていたので、あんまり近づきしないように、でも躊躇すると後ろも皆速いので、気にし過ぎたせいかいくつかミスをしてしまっていつ抜かれてもおかしくない状況になりました。一回バックストレートで久保くんに前に出られてしまったんですが、僕の方がイン側だったので90度を前で抜けることが出来ました。その後は集中して走りました。
昨日は愛ちゃんと久保くんが追い上げてくる展開でしたが、今日は久保くんと大陸くんがやり合ってる状況に見えたので、自分の走りにとにかく集中して走ろうと思って走りました。
毎回一生懸命集中して走っている結果なので、自信がある訳ではないんです。誰が勝ってもおかしくない状況だと思っています。
Nクラス2位 #62久保凛太郎(CG ROBOT ル・ボーセ)
f3_r11_r_pc-kubo 土曜日の予選でポールをとって、スタートさえしっかり決めればペースも悪くないので勝てると思いましたが、小泉さんに決められてしまい、追いかける展開になりました。1周目だけタイヤ的に無理をしてでも前に出たいと思いましたが、できませんでした。
それでも最後まで走っていればチャンスはあると思っていたので、タイやマネジメントどうこうではなく一生懸命走っていました。金曜日のフリー走行でセットを詰め切れなかったのが敗因だと思います。
Nクラス3位 #28山口大陸(TAIROKU EXCEED)
f3_r11_r_pc-yamaguchi 予選で失敗してしまいました。タイヤマネジメントも含めて予選から色々やっていたんですが、うまくいきませんでした。決勝に向けてタイヤの内圧なども最初から見直して、それ以降は1レース目も2レース目も戦えたかなと思います。まだまだ勉強していかないとと思っています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第11戦もてぎ決勝 #22高星がポール・トゥ・フィニッシュで今季3勝目 Nクラスは#6小泉が今季6勝目を挙げる

全日本F3選手権第11戦の決勝レースが8月24日、ツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#22高星明誠(B-MAX NDDP F312)が終始安定したペースで逃げ切り、今季3勝目を挙げた。
Nクラスは#6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)が昨日に続いて連勝を飾った。

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第11戦決勝は午前11時より20周で行われた。
ポールからスタートした#22高星は最初の1コーナーで#7松下信治にインに並ばれたものの、なんとか押さえ切ってトップで1コーナーを抜けていく。
2番手の#7松下の後方からは昨日優勝の#1勝田貴元もアウトから迫って来ていたが、1コーナーで行き場がなく、一旦引き下がって3コーナーで再び#7松下に並びかける。 しかし松下はここでも一歩も引かず、#22高星、#7松下、#1勝田の順でオープニングラップを終える。

猛暑の中での20周の長丁場という悪条件ながら、今回のもてぎ戦を前にプライベートテストを実施したという高星は、その後も安定したペースで周回を重ね、最後まで後続につけいる隙を与えずにトップでチェッカーを受け、今季3勝目を挙げた。

#7松下は、終始コンマ8秒前後の差を保って高星を追い上げたが、今ひとつ決め手を欠いて2位のままフィニッシュ。
しかし#1山下健太がこのレースを6位を終えたことにより、3ポイントのビハインドから逆に3ポイントのリードを得てランキングトップに躍り出た。

#1勝田も序盤は松下を攻めたてたが、レースが後半に差し掛かってからはファステストラップを叩き出しながら追い上げて来た#23佐々木大樹を押え込む展開となり、そのまま3位でレースを終えた。

Nクラスは予選2番手からスタートした#6小泉がポールの#62久保凛太郎をかわしてホールショットを決め、そのまま逃げを打つ展開に。
#62久保は1周目のダウンヒルストレートでアウトから並びかけ、僅かに先行したものの90度コーナーでイン側に位置した小泉に押え込まれ、その後は#28山口大陸を押え込むので手一杯の状況になってしまった。

これにより小泉は昨日の第10戦に続いてもてぎラウンドを連勝。今季通算6勝目を挙げてシリーズポイントでも久保との差を19に広げた。

全日本F3選手権はこのあと舞台をスポーツランドSUGOに移して第12戦、第13戦を行う。 9月27-28日決勝だ。

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Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎフリー走行2回目 代役出場のカルダレッリがトップタイムを記録し、トムスが1-2を占める

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スーパーフォーミュラ第4戦「もてぎ2&4レース」のフリー走行2回目は、#36アンドレア・カルダレッリ(PETRONAS TEAM TOM’S)が1’34.229でトップタイム。2番手にも#37中嶋一貴がつけ、トムスが1-2という結果になった。

決勝日を迎えたツインリンクもてぎは公式予選日に続いて好天に恵まれ、気温も朝から30℃に迫る状況。
フリー走行は午前9時50分より30分間で行われた。

昨日の予選で車両規則違反に問われ、予選タイム抹消となった3台(#1山本尚貴、#2中山友貴、#3ジェームス・ロシター)も走行に参加。執筆時点で公式通知は出ていないが、決勝には後方グリッドから出走となる模様だ。
その#1山本は開始10分過ぎに1’35.099を記録して3番手に。 決勝での巻き返しが大いに期待できそうだ。

このセッションでトップタイムを記録したのは、F1ベルギーGP出場のため今大会を欠席したアンドレ・ロッテラーに代わって36号車のステアリングを握るカルダレッリ。
第3戦ではルマン24時間レースでのクラッシュの影響で欠場したロイック・デュバルに代わって8号車をドライブし、見事ポールポジションを獲得したが、2戦続けての代役出走となった今回も開始早々に1’34.229を記録してトップに立ち、好調ぶりをみせつけている。

一方、ポールシッターの#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラはこのセッションを6番手で終えたが、終盤にタイヤ交換練習を行った際にエンジンストール、クルマはそのままガレージに戻されて調整作業に入っており、決勝への影響が懸念される。
また、初のフロントロー獲得で注目を集めた#40野尻智紀は11番手で走行を終えている。

決勝レースはこのあと午後3時より52周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ公式予選 19:35付で漸く正式結果が発行される。#3ロシターもペナルティ対象に

TEAM無限の車両規則違反などの影響もあり、暫定結果、正式結果の発行が遅れていたスーパーフォーミュラ第4戦の公式予選だが、8月23日午後7時35分になって漸く正式結果が発行された。

既に18:10付の暫定結果によりJAF国内競技車両規則違反による予選タイム抹消の裁定が無限の2台に対して下されていたが、正式結果では#3ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーションKONDO)も同様の理由でタイム抹消とされた。

これにより#1山本尚貴、#2中山友貴、#3ジェームス・ロシターの3名は出走嘆願により最後尾からのスタートになるものとみられる。
決勝レースは午後3時より52周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ公式予選 車両規則違反によりチーム無限の2台が予選タイム抹消に!

先ほど終了したスーパーフォーミュラ第4戦の公式予選でQ1から好タイムを連発しつつも、Q3で発生した足回りのトラブルで8位に終わった#1山本尚貴(TEAM無限)だったが、予選走行の際にインタークーラー周りにドライアイスを詰め込んで走行したことが車両規則違反に問われ、予選タイム抹消という裁定が18:10付で下されることになった。 チームメイトの#2中山友貴も同様の理由で予選タイム抹消となっており、TEAM無限は2台揃って予選不通過となってしまった。

2014年版のJAF国内競技車両規則によれば、

4.3.1)インタークーラー
吸入空気冷却のためのインタークーラーは1個で、インタークーラー以外のエンジンに供給される空気の温度を下げる目的または効果を持ついかなる装置、システム、手続き、構造もしくは設計はすべて禁止される。
4.4)冷却
4.4.1)ウォーターラジエターのコアは1個で、ウォーターラジエター、オイルクーラーおよびエンジン各部の冷却は、空気のみが認められ、空気以外のいかなる物質の噴射または噴霧による方法は禁止される。

とあり、走行中にインタークーラーやラジエターを直接ドライアイスで冷却することは違反とされている。
2014規定で盛り込まれたこれらの規定により、TEAM無限の2台は、今後出走嘆願により決勝出走を目指すことになると思われる。

参考:JAF国内競技車両規則(該当箇所は230P)

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SF:第4戦もてぎ JRPサタデーミーティング「スーパーフォーミュラはF1、インディとならぶ柱の一つに」

スーパーフォーミュラではもうすっかり恒例になった日本レースプロモーション(JRP)によるサタデーミーティング。 シリーズ第4戦の舞台となるツインリンクもてぎでは、「今後のレースフォーマットと後半戦の展望」と題して、白井裕JRP社長、永井洋治トヨタ自動車SUPER FORMULA プロジェクトリーダー、佐伯昌浩本田技術研究所SUPER FORMULA プロジェクトリーダーらが出席してそれぞれの取り組みを語った。

今シーズンは第4戦から第7戦までは1基のエンジンを使用することが義務づけられており、それに合わせてトヨタ、ホンダともこのもてぎ戦から後半戦仕様の新スペックのエンジンを投入している。 また、第4戦もてぎ、第5戦オートポリス、第6戦SUGOでは燃料リストリクターを従来の100kg/hから90kg/hに絞られることになっているが、その狙いについては各戦ごとに異なっており、白井社長によれば、第4戦はブレーキへの負担を軽減するために最高速を落とすこと、第5戦はコースの外側にピットレーンが設置されているコースレイアウトを考慮し、給油なしで走りきれるように燃費を改善することが目的とされた。 SUGOについてはコース幅や全長の短いコースであることから、安全のために平均速度を落とすことが目的とされている。

また、後半戦仕様のポイントについてホンダの佐伯プロジェクトリーダーは「ここでしか仕様変更は出来ないので、やれることは全て入れ込んで来た。その結果として今週末は去年相当の戦いが出来ているので、入れて来たものが合っていたと思っている」と後半戦仕様のエンジンを評価した。 また、改良点については「燃焼の改善」を挙げ、今後3戦は同様に互角の戦いが出来ると期待しているとのことだ。

一方、前半戦のリードを詰められる格好になったトヨタの永井プロジェクトリーダーは「ファンやメディアのみなさんにとっては面白い展開になったと思うが、トヨタ的には楽しくない。接近戦になったということはホンダさんの頑張りの方が勝っていたということだ」と語った。

また、急遽F1参戦の決まったアンドレ・ロッテラーについての感想を求められた三人は、

「複雑な気持ちだが、結論としてはいいことだと思う。ケーターハムからのF1参戦がキャリアアップに当たるかどうかはわからないが、アロンソもミナルディで走っていた時に才能を評価されている訳で、認められるドライバーはどこにいても認められるのだと思う。(白井社長)」

「F3000の時代がそうであったように、スーパーフォーミュラがF1への土台になるのが良いかなと思う。スーパーフォーミュラは本当のドライバーズレース。世界中のドライバーがここに来て腕を試せるような場になると良いと思う(佐伯プロジェクトリーダー)」

「シリーズのチャンピオンシップという狭い見方をすれば強力なドライバーがいなくなることは痛いが、チーム側がこういう決断をしたことに対しては、みんなのためはすごくいい選択だったと思う。これを機会に他のドライバーにももっとチャンスが広がれば良いと思う。ロッテラーがF1で活躍してくれることは我々の誇りだ(永井プロジェクトリーダー)」

ただし、スーパーフォーミュラというカテゴリーの位置づけについて、白井社長は、 「将来的にGP2とかワールドシリーズ・バイ・ルノーのようになりたいとは思っていない。目標はあくまでF1、インディと並ぶ柱の一つになっていきたい。その上で、相互にドライバーが交流できれば良いと思っている」 とあくまでF1の下位カテゴリーを目指す訳ではないことを強調した。

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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SF:第4戦もてぎ公式予選 上位3人のコメント

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ポールポジション #19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)
sf_r04_r_pc-oliveira クルマは徐々にインプルーブされてきました。細かいところを丁寧に調整していったら、ある時点で一気にコンマ3秒もタイムが上がったので、ここまでやって来たことは間違ってないと思いました。
でも昨日の走行や朝のフリー走行の時点ではポールポジションがとれないと思ったので、Q1、Q2と調整を続けていって、Q3を完璧に走れるように持っていこうとしていました。
Q3のアタックも少しミスもありパーフェクトなラップではありませんでしたが、ポールポジションが取れたことには満足しています。
予選2位 #40野尻智紀(DOCOMO DANDELION)
sf_r04_r_pc-nojiri 僕たちのクルマは持ち込みの状態から好調で、それが結果に現れました。 ドライビングについても、ターボ車の特性などを研究して来たので、上手くあわせることが出来ました。
クルマの調子が良かったので、一年目ですけど実は狙っていた部分もあったので、終わったときの正直な完走は『悔しい』でした。
ここまでチームもいいクルマを作って下さったし、ホンダさんも頑張って下さったので、明日は何とかこの速い二人といい勝負をして、また記者会見の場に来たいです。
去年の今頃はF3でなかなか結果が出なかったので、それを考えると信じられない気もしますが、今は自信がありますし、こういう海外のトップドライバーと同じところまで来ることが出来ました。次は超えたいです。次…は難しいかも知れないけど、いつかはこの二人を超えられるように頑張ります。
エンジンについては、気候の違いなどもあるので単純には比較できませんが、ドライバビリティが良くなってると思います。非常に扱いやすくなっていますし、ストレートスピードも負けてないと思います。凄く改善されて来ていて互角に戦えるかな、という印象を持っています。
まだまだ良くなる余地はあるので、問題点をしっかり掴んで、少しでも良くなるように取り組んでいきます。
予選3位 #8ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)
sf_r04_r_pc-duval 日本に戻ってこられて嬉しいです。ファンやサポートして下さっているみなさんの前で走ることが出来ますから。
昨日はセッティングの方向性が少し間違っていたので、朝のフリー走行から予選まで少しずつセッティングを試しながら走っていました。
Q3ではいい調子で走っていたのに、ブルーフラッグを無視して譲ってくれないクルマがいてアタックがうまくいかなかったのが残念でした。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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SF:第4戦もてぎ公式予選 復調ホンダ勢最初のフロントローはルーキーの#40野尻! ポールポジションは今季2度目の#19オリベイラが獲得

全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦「もてぎ2&4レース」の公式予選が8月23日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が1’32.321のコースレコードを樹立して今季2度目のポールポジションを獲得した。 今週末好調のホンダ勢ではルーキーの#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION)が予選2位と自身初のフロントローを獲得した。

公式予選は午後1時15分よりノックアウト方式で行われた。 心配された雨は降らず、終始ドライコンディションでの走行。 気温32℃、路面温度48℃という蒸し暑い中の走行で、中にはサイドポンツーンにドライアイスを大量に詰め込んで走行するドライバーも見受けられた。

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予選Q1

予選Q1は20分間の走行。各車ユーズドタイヤで走行を開始し、10分が経過した辺りで一旦ピットへ。
この時点でのトップはロッテラーに代わって36号車を駆るアンドレア・カルダレッリだ。
2番手には#19オリベイラがつけ、ホンダエンジンの#40野尻が3番手。
ニュータイヤが投入され、本格的なアタックが始まったのは残り8分を切ってからだ。
上位陣が相次いで1分32秒台の好タイムをマークする中、チェッカー提示直前に#1山本尚貴が1’32.688と従来のコースレコードである1’32.700を上回って一気にトップに躍り出た。2番手につけたのはルーキーの#40野尻。 今季苦戦の続いたホンダエンジン勢が初めて1-2を占めるという結果になった。
結局このセッションで脱落したのは#32小暮卓史、#10塚越広大、#18中山雄一、#62嵯峨宏紀、#2中山友貴の5台。
小暮はチームメイトの#31中嶋大祐にはじき出された格好だ。

予選Q2

予選Q2は各車タイヤに熱を入れてアタックに取りかかったところでいきなり赤旗中断という波乱の展開に。
原因を作ったのは#20ナレイン・カーティケヤン。 最終コーナーで縁石を引っ掛けてしまい、スピン状態に陥ってホームストレート上で真横を向いたままストップしてしまった。
これによりセッションは20号車を排除した後規定により残り3分間で再開することに。
アウトラップに続いてすぐにアタックにかからなければならないギリギリの状況の中、トップタイムを叩き出したのは#40野尻。1’32.730とQ1の山本のタイムには及ばなかったが、まずまずのタイム。 わずか0.062秒差で#19オリベイラが続き、カーティケヤンを除く全車がトップから0.9秒以内にひしめく大接戦となり、#41武藤英紀、#7平川亮、#39国本雄資、#11ヴィタントニオ・リウッツィ、#31中嶋、#20カーティケヤンがここで脱落した。

予選Q3

予選Q3も上位7台が0.843秒以内にひしめく大接戦。
上位6台が1分32秒台という激しいアタック合戦が展開され、トップ2台がQ1で#1山本が更新したコースレコードを大きく上回ってきた。 まずは#19オリベイラが1’32.321、続いて#40野尻が1’32.485。3位の#8ロイック・デュバルも1’32.706とレコードに迫るタイムを叩き出した。
しかし一方でQ1トップ、Q2は3位と好調ぶりを見せていた#1山本はアタックに入った途端にいきなりフロントのキャンバー調整用のシムが脱落するというトラブルに見舞われ、大事を取ってアタックを見合わせた。

これによりオリベイラは第2戦富士の第1レース以来2度目のポールポジションを獲得。 野尻は今季苦戦の続いたホンダエンジン勢の中で最初にフロントローを獲得したドライバーとなった。 もちろんルーキーの彼にとっては初めてのフロントローだ。

注目の第4戦決勝は明日午後3時より52周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SF:スーパーフォーミュラオフィシャルファンクラブ"F"が発足。会場内で受付を開始

日本レースプロモーション(JRP)は8月23日、スーパーフォーミュラ第4戦の行われているツインリンクもてぎでオフィシャルファンクラブ”F”の発足とプロモーションパートナーとして三井住友フィナンシャルグループの株式会社セディナが協賛することを発表した。
”F”の会員証はプリペイド機能をもち、「ラウンジパス」「ゲストパス」などの購入が可能になるなど、数々の特典があるという。

当日はセディナから常務執行役員の千松健太郎氏が出席。 自らもレースファンであることを明かしながら、「カードの発行を通じてスーパーフォーミュラの発展に少しでもお役に立てればと思う」と抱負を語った。

オフィシャルファンクラブ”F”はツインリンクもてぎ会場内の専用ブースにおいて、入会申込受付を開始している。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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SF:JRPがスマイルキッズイベントを茂木町で開催 嵯峨宏紀がサタデーミーティングで実施報告

とちぎル・ボーセからスーパーフォーミュラに参戦している嵯峨宏紀は8月23日、第4戦の行われているツインリンクもてぎで日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングに出席、今月19日に茂木町立茂木小学校で行われた「スマイル・キッズ at もてぎ」の実施報告を行った。

これまでJRPが進めて来たスマイル・キッズイベントも今年で3年目を迎えた。
昨年、一昨年は東日本大震災の復興支援という意味合いも含めて宮城県仙台市内の小学校で開催されて来たが、今回はツインリンクもてぎの地元での開催となった。 その目的は実際にレースの現場ではどのような仕事が行われているかを深く知ってもらうとともに、夢を追いかけることの大切さを伝えること、そしてモータースポーツに興味を持ってもらい、実際にサーキットへ足を運んでもらうことだ。

嵯峨によると、サーキットの地元とはいえ実際にレースを見たことのない子供が大半で、座学では退屈そうにしているが、講義の最後にエンジンを始動するとその迫力に驚き、興味を持つという。
実際、過去2年間の講義の後で行われたスポーツランドSUGOのレースでは、イベントに参加した子供からピットウォーク中に声をかけられることがたびたびあったという。

今回のイベントがどれだけの効果をもたらしたかは現時点では不明だが、嵯峨は「チームの地元のレースですから、Q2、Q3に残ってポイントを獲得したい。子供の頃からレーシングドライバーを夢見続けてそれを実現した一人として、子供達に夢を追いかけることの大切さを伝えたい」と抱負を語った。

JRPでは今後もこうしたイベントを要請に応じて全国各地で展開していく考えだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎフリー走行1回目 セルモインギングが1-2!トップタイムは#39国本

全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦のフリー走行1回目が8月23日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#38国本雄資(P.MU CERUMO INGING)がトップタイム。2番手には#38石浦宏明(P.MU CERUMO INGING)がつけ、セルモインギングが1-2と金曜日のフリー走行に続いて好調ぶりをみせた。

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SF14シャシーにNREエンジン搭載とパッケージを一新して行われているスーパーフォーミュラの2014シーズンもいよいよ後半戦に入った。
この第4戦からはエンジン交換に制限がかかり、最終戦の第7戦鈴鹿まで1基のエンジンを使い続けなければならない。 また、第4戦もてぎから第6戦SUGOまでは、エンジン出力を制限するため燃料リストリクターがこれまでの100kg/hから90kg/hに絞り込まれることになっている。

更に今週に入って、驚くべきニュースが飛び込んで来た。
これまで36号車をドライブしていたアンドレ・ロッテラーが小林可夢偉に変わってケーターハムからF1ベルギーGPにスポット参戦するというのだ。 これによりロッテラーは第4戦を欠場することになり、代役には第3戦でロイック・デュバルに代わって8号車をドライブしたアンドレア・カルダレッリが起用された。

こうした様々な新しい要素を抱えて第4戦は23日に開幕。フリー走行1回目は午前8時30分より60分間で行われた。
公式予選日を迎えたツインリンクもてぎは早朝こそ分厚い雲に覆われていたが、スーパーフォーミュラの走行が始まる頃には晴れ間が広がり、終始ドライでの走行となった。

これまでトヨタ勢に一歩先行されていた感のあるホンダエンジン勢だったが、新エンジンの投入された今回は金曜日の専有走行で#41武藤英紀が2番手、#1山本尚貴が3番手、#41野尻智紀が4番手と上位に食い込んでおり、1発の速さに関してはトヨタエンジン、ホンダエンジンほぼ互角の状況になってきた。
このフリー走行でも開始早々から#41武藤、#40野尻のダンデライアン勢が上位タイムを記録、野尻は開始30分で1’33.072を記録してトップに立つなど、依然として好調だ。

対するトヨタエンジン勢はロッテラーに代わって36号車をドライブするカルダレッリが開始10分で1’33.312を記録してトップに立つと、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2番手。金曜の走行でトップタイムを記録した#38石浦が4番手で続き、こちらも一歩も引かない状況。

結局、ニュータイヤを投入しての残り7分間のタイムアタック合戦では1’32.782を記録した#39国本がトップ、1’32.822の石浦が2位とセルモインギングの1-2に終わったが、#40野尻4位、#41武藤5番手とダンデライアン勢も上位に踏みとどまり、そのタイム差もトップからコンマ1秒以内という非常に接近したもので、午後の予選も全く予想のつかない状況になってきた。

第4戦の公式予選はこのあと午後1時15分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SGT:第5戦富士決勝 ホンダNSX勢最初のウィナーは#18ウイダーモデューロ! GT300も#61BRZが盤石の走りで今季初優勝

2014オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT300kmレース」の決勝レースが8月10日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。
台風11号上陸の影響による激しい雨のため、レースは赤旗中断やセーフティーカー導入などのある荒れた展開となったが、予選6番手からスタートした#18ウイダーモデューロNSX CONCEPT GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が序盤でトップに立ち、ホンダNSXに今季初の勝利をもたらした。
GT300クラスはポールポジションからスタートした#61SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)が終始安定した速さで後続を突き放し、こちらも今季初勝利をものにした。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選18,500人/決勝26,500人/大会総入場者数45,000人)

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決勝日を迎えた富士スピードウェイは台風11号の上陸により朝から激しい雨が降ったりやんだりを繰り返す状態。
それでもスタンドには朝から多数の観客が詰めかけ、じっと決勝スタートを待っていた。

難しいコンディションを考慮し、本来なら8分間で行われる決勝前のウォームアップランは20分に延長されたものの、決勝レースは午後3時定刻にセーフティーカーの先導でスタートした。

SCは2周を終えたところへピットイン。3周目からコース上はオールグリーンに。
ホールショットを決めたのはポールシッターの#17ケーヒンNSX(金石年弘)だったが、2番手スタートの#23モチュールGT-Rが背後にぴたりと張り付き、4周目の最終コーナーでインに割って入った。23号車のドライバーはロニー・クインタレッリだ。 しかしハンデウェイト54kgの23号車は50kg分のウェイトと引き換えに燃料リストリクターを一段階絞っていたこともあり、ホームストレートでは#17金石が悠々とトップを奪い返す。
しかし#23クインタレッリはその後も執拗にしかけていき、5周目の第13コーナーで再びインに飛び込んでトップに立った。

続いて17号車に襲いかかったのが#18ウイダーNSXだった。
スタートドライバーの山本は3周目の1コーナーで4位に浮上すると、5周目には#8ARTA NSXをも攻略し、一気に金石の背後に迫ってきた。 そして6周目の最終コーナーで山本は金石のインに飛び込み、2位に浮上する。
トップの#23モチュールGT-Rとの差は僅か1.2秒。 山本はそのままの勢いで23号車を追い上げ、7周終わりでその差を0.89秒に縮めると、8周目にはクインタレッリを抜き去ってトップに立つ。

ところがその辺りから雨が激しくなって来たため、レースが10周目に入ったところでセーフティーカーが導入され、17周を完了したところで赤旗中断となってしまった。

レースは午後4時15分にセーフティーカーの先導で再開され、20周目からオールグリーンに。
18号車はそのままトップで1コーナーに飛び込み、そのまま着実に後続との差を広げにかかる。 26周を消化した時点で2位#23モチュールGT-Rとの差は7.5秒に広がった。

山本はそのままレースをリードしつつ36周を走ってピットイン、マコヴィッキィに後を託す。 マコヴィッキィもまた安定したペースで#23松田次生との差を広げていくが、レースが終盤に差し掛かったところで再び雨脚が強まり、58周目に入ったところでまたもやセーフティーカーが導入されることになった。
その後天候は回復しなかったため、レースはSC先導のまま66周を消化。 #18ウイダーNSXがこれまで苦戦の続いたホンダ勢に最初の勝利をもたらすことになった。
2位は#23モチュールGT-R、3位には予選11番手からスタートした#32エプソンNSXがレース中盤に目覚ましい追い上げを見せて今季初の表彰台を獲得した。
ポールシッターの#17ケーヒンNSXは、レース後半塚越広大が激しい追い上げを見せたが、表彰台まであと一歩の4位でレースを終えている。

GT300クラスは#61スバルBRZが序盤から他を圧倒。
これまで予選では速さを見せながら、中々結果に結びつけられずにいた61号車だが、今回はスタートから佐々木が一度もトップを譲ることなく規定一杯の44周を走り切って井口に交代、井口も51周目にファステストラップを叩き出す熱い走りで応え、SC導入まで終始トップで走り切り、今季初勝利を挙げた。
2位に入ったのは#11ゲイナーDIXCEL SLS。路面状況の好転したレース中盤にダンロップの持ち込んだタイヤが見事にマッチし、スタートドライバーのビヨン・ビルドハイムが見事なオーバーテイクを連発して予選19番手から一気に2位までジャンプアップしてみせると、平中克幸も後続に全くつけいる隙を与えず、難しい路面状況の変化にも対応してシリーズタイトル獲得に向けて大きく前進した。
3位には#86クリスタルクロコ ランボルギーニGT3が入った。

次の舞台は鈴鹿サーキットでの伝統の1000km耐久レースだ。 8月31日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4) | SUPER GT

SGT: FIA-F4開催で若手人材育成を。GT300やF3へステップアップの可能性も

スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)でかねてから準備を進めて来たFIA-F4の日本開催。
8月10日の定例会見で2015年よりスーパーGTのサポートイベントとして開催することが明らかになったが、GTAがフォーミュラカーのレースをプロモートする狙いは何か、坂東正明代表に話を聞いた。

会見では若手育成と紹介されたが、坂東氏によると現実にここで結果を残すことでGT300クラス参戦への道が用意される。
或いはF3へのステップアップも可能になるだろうとのこと。
月末に開催される鈴鹿1000kmでFIA-F4とGT300クラスに導入予定のマザーシャシーを並べて発表するのはそうした意味合いもあるという。
使用される車両はシャシーを童夢、エンジンをトムス、ギヤボックスを戸田レーシングがそれぞれ製造するとのこと。
開催格式については、規定上は全日本選手権も可能とのことだが、当面は地方選としてやっていくという。

これを実現するため、GTAでは現在FJ1600やスーパーFJの関係者、カート関係者とも連携にも呼びかけて若手ドライバーやカーターの参加を募る予定だ。
現在フォーミュラカーで活動しているドライバーはもちろん、限定Aライセンスの発給対象となる15,6歳のカーターも視野に入れている。

将来的にはここから巣立ったドライバーがスーパーGTやスーパーフォーミュラ、そして海外で活躍する日も遠くはないだろう。

※DOME F110 JMIA FIA - FORMULA 4 PROJECTパンフレット
(日本自動車レース工業会)

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第5戦富士フリー走行 ヘビーウェット路面を制したのは#18ウイダーNSX。GT300は#61BRZが速さで他を圧倒

スーパーGT第5戦「富士GT300kmレース」のフリー走行が8月10日、富士スピードウェイで行われ、#18ウイダーモデューロNSX GT CONCEPT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)がトップタイムを記録。
GT300クラスはポールシッターの#61SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)がここでもトップだった。

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台風11号の接近により開催スケジュールへの影響が懸念される中、決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から時折激しい雨が路面を叩く悪天候に見舞われた。
それでも場内ではクルマの台数にして1600もの熱心なファンが車内やテントで夜を明かし、夜が開けてからも続々と観戦に訪れ、スタンドを埋めていく。

そうした熱心なレースファン、スーパーGTファンが見守る中、フリー走行は午前9時から予定通り開始された。
降雨量の増大により、開始直後に赤旗中断が1度あったものの、すぐに雨が小降りになったため、走行は9:09に再開され、その後は一度も中断されることなく9時30分定刻に終了した。

今週末一貫して速さを見せているNSX勢がここでも好調で、#18ウイダーNSXは山本が1’44.464でセッション中盤にトップに立つと、マコヴィッキィに交代してからも1’41.757とタイムを更に縮め、前日の公式練習に続いてこのセッションをトップで終えた。 2番手にはロニー・クインタレッリが1’42.315を記録した#23モチュールGT-Rがつけ、予選日は苦戦の続いた#46S Road MOLA GT-Rが3番手。 ポールシッターの#17ケーヒンNSXは4番手で走行を終えた。

GT300クラスはポールシッターの#61BRZがここでも好調。佐々木孝太が1’49.029と2位以下を1.6秒引き離すダントツの速さでトップに立った。 2番手には#33PUMA KRH ポルシェ、3番手に#11ゲイナーDIXCRL SLSとFIA-GT3勢が続いた。

走行中も雨は強くなったり弱くなったりを繰り返しており、依然として決勝レースへの影響が懸念される。 第5戦決勝は午後3時より66周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第5戦富士公式予選 ホンダ勢最初のポールシッターは#17ケーヒン! GT300は佐々木孝太が通算最多記録を更新

ホンダ勢最初のポールシッターは#17ケーヒン!
2014オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT300kmレース」の公式予選が8月9日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#17KEHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/金石年弘組)が難しい路面コンディションを制し、今季初ポールを獲得した。
GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)がPPを獲得。佐々木はこれが通算12回目のポールポジションだ。

公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
時折り落ちてくる雨粒が難しい路面コンディションを生み出し、両クラスともいつも以上にめまぐるしく順位の入れ替わる、激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。

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予選Q1
GT300の走行が始まる直前に僅かに雨が落ちて来たため、競技団からはウェット宣言が出されたものの、雨はすぐに止み、路面コンディションはほぼドライのまま各20分間の走行が始まった。

ここで速さを見せたのが2台のCR-Zだ。
#55ARTA CR-Zを駆る小林崇志が開始10分で1’38.344と最初に1分38秒台に飛び込むと、終盤には#0無限CR-Zを駆るルーキーの野尻智紀が1’38.278で一時トップに。 すかさず小林も1738.176で応じ、CR-Zの1-2でQ1は終了する。
一方、予選Q2進出をかけての13位争いは#30IWASAKI GT-Rの影山正美と、#33PUMA KRHポルシェを駆る峰尾恭輔によって行われた。奇しくも影山は昨年までドライブしていたポルシェの33号車に追われることとなったが、最後まで逃げ切ってQ2進出を果たした。

続いてGT500ボードが提示され、GT500クラスの予選Q1が始まったが、各車がコースインしてアタックに入ろうとした丁度その時、100RにストップしていたGT300クラスの#22グリーンテックSLSが自走でピットに戻ろうとしてピット入り口手前で再び止まってしまったため、赤旗中断となってしまった。
車両回収はすぐに完了し、残り時間10分から予選は再開されたが、ここで最初にタイムを出して来たのが第4戦からスーパーGTに復帰したフレデリック・マコヴィッキィの乗る#18ウイダーNSX。1’30.061で一躍トップに躍り出るが、すぐに#23モチュールGT-Rの松田次生、#24D’Station GT-Rの佐々木大樹らが追従し、終了間際には#39デンソーサードRC Fのオリバー・ジャービスが1’29.986と唯一の29秒台を記録してトップで走行を終えた。
Q2を巡っては#100レイブリックNSX(武藤英紀)が終始8位の座を守り抜いてQ2進出を果たしている。

予選Q2
上位グリッドを決める予選Q2は2台にCR-Zの争いに#31プリウス、#61BRZも加わって、JAF-GT同士の接戦が展開された。 特にセッション中盤には#61BRZの佐々木と#31プリウスの新田守男が同じ1’38.414を記録する激しさ。 しかし最終的には佐々木が1’38.256までタイムを縮めて決着。 佐々木は通算最多ポールポジション獲得記録を12に伸ばした。

8分間のインターバルの後に行われたGT500クラスの走行は、序盤に降り始めた雨に各ドライバーとも苦しめられることになった。 ここでウェットタイヤへの交換を決断したのが#36ペトロナスRC Fの中嶋一貴、#18ウイダーNSXの山本尚貴、#100レイブリックNSXの小暮卓史、#39デンソーRC Fの石浦宏明ら。 反対に#23モチュールGT-Rのロニー・クインタレッリ、#17ケーヒンNSXの塚越広大らはスリックタイヤのままコースに留まった。 しかし1分51秒台の苦しい走りを強いられるスリック勢に対し、#36中嶋は1’40.572、#18山本は1’38.723を叩き出してみせる。 これにはたまらず#23クインタレッリはピットに飛び込んでウェットタイヤを装着、1’37.636を叩き出して一躍トップに躍り出る。

しかし。 チェッカー寸前に1’37.306を記録してクインタレッリを上回ったのは#17塚越だった。 塚越は金石勝智監督の指示のもと、スリックタイヤで我慢の走行を続けていたが、予選終了が近づくに連れて雨が止み、路面が次第に乾いていったため、最後の最後にタイムアップに成功し、自身通算2度目のポールポジションを獲得してみせた。 クインタレッリも懸命にアタックを続けたが、僅かに及ばなかった。 予選3番手にはヴィタントニオ・リウッツィの駆る#8ARTA NSXがつけ、#100レイブリックNSXの小暮が4番手と、これまで苦戦の続いていたNSX勢が上位グリッドに連なる結果となった。

第5戦決勝は明日午後3時より66周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第5戦富士公式練習 ゲイナー10号車のストップ原因はプロペラシャフトの破損

スーパーGT第5戦の公式練習中、クラス7番手まで順位を上げながら、混走終了まで残り時間4分というところでプリウスコーナー手前にストップしてしまった#10GAINER Rn-SPORT SLS。

その原因はプロペラシャフトの折損によるものだったとのことだ。
同チームの福田エンジニアによると、このパーツは通常距離で交換時期を判断しているが、今回はライフの3分の2しか行ってない中でのトラブルだったという。

新規定導入により全国各地のサーキットで次々とコースレコードを塗り替えている今年のGT500と歩調を合わせるかのように目覚ましい進化を続けているGT300クラスだが、各タイヤメーカーが技術の粋を結集して作り上げたハイブリップタイヤと、摩擦係数の高い日本のサーキットは、FIA-GT3カーの想定を遥かに超えるストレスをもたらしているようだ。

公式練習では残念な結果に終わった10号車だが、修復作業は既に終わっており、午後からの予選には支障なく参加できるとのこと。
予選での巻き返しに大いに期待したいところだ。

第5戦の公式予選は午後2時より、ノックアウト方式で行われる。

Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第5戦富士公式練習 NSXの逆襲が始まる!!#18ウイダーが今季初のトップタイム

2014オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT 300kmレース」の公式練習が8月9日、富士スピードウェイで行われ、#18ウイダーモデューロNSX CONCEPT GT(山本尚貴/フレデリック・マコヴィッキィ組)が1’30.401でトップタイム。
GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)が1’39.096でトップだった。

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台風11号の接近で開催が危ぶまれた今大会だが、公式予選日は厚い雲に上空を覆われながらも雨に見舞われることはなく、午前9時からの公式練習は終始ドライコンディションで行われた。

シリーズポイント上位のチームが燃料リストリクターの調整を受け、長いストレートをもつ富士のレイアウトに苦戦する中、第4戦SUGOを前に最低重量の軽減や冷却用のボディ加工を許されたNSX勢が相次いで好タイムを記録し、後半戦に向けて巻き返しが大いに期待できそうな展開となった。
中でも#18ウイダーNSXは開始30分でマコヴィッキィが1’30.752を記録して2番手に食い込むと、最後の10分間で行われた専有走行で山本が1’30.401までタイムを縮め、今季初めてトップで走行セッションを終えることになった。また#32エプソンNSXも中嶋大祐が1’30.698で一時2番手につけ、ホンダNSXが1-2を形成する。
しかしチェッカー直後に#39デンソーRC Fのオリバー・ジャービスが1’30.471、#36ペトロナスRC Fのジェームス・ロシターが1’30.585、#23モチュールGT-Rの松田次生が1’30.565と、それぞれタイムを上げ、終わってみれば3メーカーがほぼ互角で入り乱れる結果となった。 一方、前回のSUGOで優勝しランキングトップに立った#37KeePer RC Fは最下位、同2位の#12カルソニックGT-Rは10位と厳しい結果に終わった。

GT300クラスはセッション前半に#61スバルBRZの佐々木孝太が1’39.494でトップに立つと、終盤の専有走行では1’39.096とタイムを更に縮めて好調ぶりを見せつけた。
2番手には走行終了間際に1’39.203を記録した、アンドレ・クートの駆る#9国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRがつけ、同じく最後の最後のギリギリのタイミングでルーキーの野尻智紀が1’39.370を叩き出した#0無限CR-Zが3番手につけた。
ランキングトップの#4グッドスマイル初音ミクZ4は11番手、同2位の#11ゲイナーDIXCELSLSはアクセルペダルの不具合などもあり14位とこちらも苦しい滑り出しとなっている。

第5戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第4戦SUGO決勝 荒れる天候を制したのは#1ZENT RC F。GT300は#88ランボルギーニが8年ぶりの勝利!!

2014オートバックス スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝が7月20日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
雨が降ったりやんだりという難しいコンディションで大荒れのレースとなったが、終始一貫してスリックタイヤで走り続けた#1ZENT CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)が今季初勝利をものにした。
GT300クラスもめまぐるしく順位の入れ替わる激しい展開となったが、#88マネパランボルギーニGT3(織戸学/青木孝行組)のベテランコンビがこれを制した。
(天候:曇り>雨>曇り コース:セミウェット>ウェット 観客動員数:予選/9,000人 決勝/28,000人 述べ入場者数37,000人)

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公式予選日から天候に翻弄された今週末、スーパーGT決勝もまた雨に翻弄される荒れたレースとなった。
公式予選終了後、雨は一旦やみ、ところどころ川の流れた状態ではあったものの、レコードラインはほぼ乾いていたためGT500クラスは全車が、GT300クラスも殆どのクルマがスリックタイヤを選択してスタートに臨んだ。

スタート時刻は午後2時。定刻にローリングを開始したが、そのとたんに雨がぽつぽつと路面を濡らし始めたため、セーフティーカー先導のまま3周を走行、2周短縮の79周レースとしてスタートした。
ここですぐさま動いたのがポールシッターの#36ペトロナスRC F、#17ケーヒンNSX、#8ARTA NSX、#39デンソーRC F、#32エプソンNSX、#18ウイダーNSXの6台。
セーフティーカーに続いてピットに飛び込み、ウェットタイヤを投入した。
久々にフロントローからスタートした#100レイブリックNSXがこれでトップに立ったが、100号車も1周終わりでピットへ。コントロールラインを先頭で通過したのは#37KeePer RC F。ドライバーはアンドレア・カルダレッリだ。
この結果3周目のラップタイムでは#37カルダレッリ1’30.607に対し、#36ロシターは1’21.788とウェットタイヤ有利の状況となったが、ほどなくして雨は止み、路面は次第に乾き始めた。 この結果カルダレッリは5周目に1’24.331、6周目には1’23.430を記録、反対にロシターは6周目に1’25.997とペースを落とすことに。 10周を消化する頃にはカルダレッリは1’19秒台までタイムを縮めて来た。
結局#36ロシターは11周終わりで再びスリックに戻さざるを得なくなって大きく後退。同一周回のGT300をかわしながらの苦しいレースを強いられることになった。
序盤の判断はスリックで走り続けることが正解だったようだ。

しかしトップで周回を重ねる37号車も安泰ではなかった。
同様にスリックで走り続けていた#1ZENT RC Fの平手がカルダレッリを上回るペースで周回を重ねていたのだ。
そして12周目、SPアウトで周回遅れに詰まったカルダレッリをすかさず平手が抜き去ると、次の周には1分16秒台にペースを上げて一気にカルダレッリを突き放しにかかり、14周終わりで3.3秒のマージンを築き上げた。
平手はそのままトップを快走して51周目にピットイン、立川に交代した。 ところがその直後から再び雨が降り始めた。

そのため#1立川のペースは1’29台までダウンすることに。 これに反応してウェットタイヤに交換したのが#32エプソンNSX、#19ウェッズスポーツRC Fら。 すぐに#46S Road GT-R、#12カルソニックGT-R、#39デンソーRC F、ケーヒンNSXらもピットに向かった。
2位を走行していた37号車のピットもウェットタイヤを並べて伊藤大輔を待ったが、伊藤はその周のストレートを通過してしまい、交換の機会を逸してしまう。 すると再び雨は上がり、コースコンディションが回復に向かったため、37号車はチームの判断で最後までスリックで走り続ける作戦に切り替えた。

すると、それまで1分以上のギャップがあった#17ケーヒンNSXが猛然と追い上げを開始する。 トップ2台が1’28~29台のペースで周回を重ねているのに対し、#17塚越は1’19~20のハイペース。 更には73周目のレインボーで周回遅れに行く手を塞がれ、レコードラインを外さざるを得なくなった伊藤がコースを飛び出すと、その差は一気に37秒にまで詰まった。
残り周回を考えれば充分に塚越が追いつける差だ。
しかしここで塚越の前に立ちはだかったのはなんとトップの立川だった。
1号車はこの時点で37号車と17号車の間に位置しており、37号車は同一周回、17号車は周回遅れという状況でチェッカーを受けたため、塚越は1周遅れでレースを終えざるを得なくなり、#37が辛くも逃げ切ることに成功した。
勝った立川はこれで通算勝利記録を16とし、本山を抜いて単独トップに躍り出た。
平手も数日前に第2子が誕生しており、長男の誕生を自ら勝利で祝った格好だ。

しかし序盤の苦戦ぶりを考えれば、NSX勢にとって3位表彰台は後半戦に向けての明るい材料であったはずだ。
一方、ポールシッターの#36ペトロナスRC Fは序盤のタイヤ交換が裏目に出ただけでなくロシターがコースの至る所で飛び出すなど、出入りの多いレースを戦うことになり、4位でフィニッシュしている。

ここまで好調が続いていたGT-R勢は今回#46S Roadの7位が最高と厳しい結果となっている。

トップ独走に終わった500クラスとは違い、序盤から激しい順位変動が見られたのがGT300クラス。
まず予選2番手の#61BRZが序盤の雨に反応してペースカーラン中にウェットタイヤへの交換を試みるが、これがスタート手順違反との裁定を下されて10秒ストップのペナルティを受けることに。 ところがスタートドライバーの佐々木孝太は停止する場所を間違えてしまい、更にもう一度ピットに戻らなければならなくなって完全にレースから脱落してしまった。

これで#11、#10のゲイナー勢が1-2を形成することになったが、これを脅かしたのが#50アストンマーチンを駆る安岡秀徒だった。
安岡は16周目にポールシッターの#10山内英輝を抜き去ると、たちまちトップの#11ビヨン・ビルドハイムにも追いつき、20周目の1コーナーでインに飛び込んでいった。
ところがブレーキングからターンインに移ったところでリヤを流してしまい、アウトから切り込んで来たビルドハイムと激しく接触、ビルドハイムは右フロントの足回りを破損してしまい、ピットまで戻ったところでレースを終えることになってしまった。

これでトップに立った#50アストンマーチンだったが、43周目にピットインした際にタイヤ交換作業に手間取って大きくタイムロス、これで50号車は3位まで順位を落としてしまう。
代わってトップにたったのは、ベテランコンビの#88ランボルギーニ。 途中織戸学が馬の背でコースオフするなど危ない場面はあったものの、終盤追い上げて来て2位まで浮上した#65LEON SLSに42秒の大差をつけて74周を走り切り、2006年の第1戦鈴鹿以来、実に8年ぶりの勝利をものにした。車種がムルシエラゴからガイヤルドに変わってからは初めての勝利だ。
2位には黒澤兄弟の駆る#65LEON SLS、3位には#21アウディR8が入った。

次戦は富士スピードウェイ。 8月9日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第4戦SUGO公式予選 #36ペトロナスRC Fが今季初ポール。GT300は#10ゲイナーSLSの山内がS-GT初のポールを獲得!!

2014オートバックス スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の公式予選は、雨と視界不良のため当初予定の19日午後から決勝日の7月20日朝に順延されて行われ、#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が1’19.153で今シーズン初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#10GAINER RN-SPORTS SLS(植田正幸/山内英輝組)が1’27.329を記録。アタックを担当した山内にとってはスーパーGT参戦後初のポールとなった。
(天候:雨 コース:ウェット)

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第4戦の公式予選は当初19日土曜日午後に予定されていたが、既報の通り雨と視界不良のため決勝日に順延となった。
実施時刻はフリー走行が予定されていた午前9時5分からの50分間が充てられ、GT300クラスが9時5分から、GT500クラスは9時30分からそれぞれ25分間を走行することに。
また今回はノックアウト方式は見送られ、いずれか一方のドライバーが走行すればいいということになった。

ここで序盤から速さで他を圧倒したのが#36号車を駆る中嶋一貴だ。
自身はルマン24時間参戦のため第2戦、第3戦を欠場しており、第1戦岡山以来のドライブとなった訳だが、そのブランクを感じさせない走りで終始タイミングモニターの最上段に居座り続け、周回を重ねるごとにタイムを上げて開始8分で最初に1分19秒台を記録した。

これに最後まで食い下がったのが#100レイブリックNSX コンセプトGTを駆る小暮卓史だった。
ここまでの3戦で苦戦の続いていたNSX勢だったが、先日行われた鈴鹿合同テストを前に7月2日付けでGTアソシエイションから出されたブルテンにより、熱害対策として車体各部への冷却用開口部、ダクトの追加が認められたほか、最低重量に着いても1090kgから1077kgへと13kgの軽量化が認められた。
それが功を奏してか鈴鹿テストではトップタイムを記録しており、ここSUGOでも各チーム好タイムをマークすることとなった。
中でも小暮のドライブする100号車は開始10分で2番手に浮上すると、その後も快調にタイムを上げて終了10分前には1’19.557を記録、トップを快走する#36ペトロナスRC Fにコンマ4秒差まで迫った。
この他#17ケーヒンNSX(塚越広大)は4位、#8ARTA NSX(松浦孝亮)も6位につけており、決勝での健闘が大いに期待できそうだ。

GT-R勢ではロニー・クインタレッリがドライブした#23モチュールGT-Rが3位で最上位だったが、ランキングトップの#12カルソニックGT-Rは13位。昨日の公式練習でも2回コースアウトするなど苦戦が続いている。

#36中嶋が他を圧倒した500クラスと異なり、GT300クラスは#10、#11の2台のゲイナーSLSと#61スバルBRZの3台が最後まで激しいトップ争いを展開した。

まず開始8分で#11平中克幸が1’29.473でトップに。それを#61佐々木孝太が1’28.983と上回る。
しかしその直後、#10山内が1’28.887を叩き出してきた。 残り時間14分で1’28.522で再びトップに立ち、次のアタックで1’28.301までタイムを縮めた#61佐々木だったが、#10山内はその4分後に1’28.260を記録してトップを奪い返す。

すると#11平中が残り時間5分で1’27.866と一気に27秒台にペースアップしてトップへ。
この辺りから次第にレコードラインが乾き始めたこともあって、他のドライバーも相次いで27秒台を記録し始める。
残り時間1分で#0無限CR-Zを駆る中山友貴が1’27.937を記録すると、その直後に#61佐々木も1’27.645、更には#10山内も1’27.329を叩き出して3たびトップに躍り出た。
GT500ボードが提示されるギリギリまでアタックを続けた#61佐々木だったが、最後のアタックも1’27.619と僅かに及ばず、10号車のポールポジションが確定した。 ドライブした山内に2009年のデビュー以来初めてのポールだ。
2位には#61BRZ、3位には#11ゲイナーSLSがつけ、#0無限CR-Zが4番手だった。

第4戦決勝はこのあと午後2時より81周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第4戦SUGO 順延後の公式予選スケジュールが発表に。各クラス25分間の専有走行と決定

悪天候のため7月20日に延期されることが既に決まっていた2014スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の公式予選の開催スケジュールがが大会主催者より発表となった。

これによると、当初フリー走行が予定されていた午前9時からの時間帯が予選に充てられるとのこと。
GT300クラスは午前9時5分より午前9時30分までの25分間の専有走行。
GT500クラスは午前9時30分より午前9時55分までの同じく25分間の専有走行だ。
また、当初予定されていたノックアウト方式は今回は採用されない。

これは昨年の第8戦オートポリスで同様に濃霧のため決勝日に予選が順延となったときとほぼ同様のフォーマットだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第4戦SUGO公式予選は雨と霧のため決勝日に順延と決定!

7月19日に予定されていた2014オートバックス スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の公式予選は、天候不良のため20日決勝日の朝に実施されることが決定した。

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当初午後2時よりノックアウト方式で行われる予定だった公式予選だが、朝から降り続いている雨に加え、正午過ぎからはコース上を濃い霧が覆い尽くす状態になったため、競技団は開始時刻を一旦2時30分まで順延することを決定、天候の回復を待った。 しかし霧は中々晴れる気配をみせず、予選開始時刻は最大3時30分まで延期されることに。

途中一時的に霧が薄まったことで14:43開始予定との発表が出たが、その後雨が強くなって来たこともあり、結局走行は開始されず、午後3時開始予定で監督ミーティングが招集され、翌日への予選順延が通達された。

なお、一部で9時5分よりGT300が25分間、9時30分よりGT500が25分間との情報が出ているが、現時点で主催者からは正式な発表が出ていない。

(この語の予定に着いては、詳細が明らかになり次第、追って掲載いたします)

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第4戦SUGO公式練習 トップタイムは#36ペトロナスRC-F

スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の公式練習が7月19日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。 終始雨の降り続く難しいコンディションの中でトップタイムを記録したのは#36PETRONAS TOM’S RC F(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)。 GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORT(佐々木孝太/井口卓人組)がトップだった。

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公式予選日を迎えたスポーツランドSUGOは朝から小雨が降り続き、気温も21℃前後とこの時期とは思えない肌寒さを感じさせるコンディション。 公式練習は午前9時より120分間で行われた。

雨脚はセッションが進行するに連れて次第に強まり、両クラスの専有走行が行われたセッション終盤にはヘビーウェットの状態となった。 このため、コースのいたるところでスピンやコースアウトが続出。 #50アストンマーチンのクラッシュで最初の赤旗が出た後も、GT500クラスランキングトップの#12カルソニックGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)が最初にヘアピンで、次に馬の背でコースを飛び出し、2回の赤旗の原因を作ることに。 12号車は2度目のコースオフでタイヤバリアに正面から突っ込んでフロント周りを大破。 このあとの予選への影響が懸念される状況になってしまった。

一方、路面コンディションの比較的良好なセッション前半には#36ペトロナスRC Fが1’20.082を記録。 これがそのまま公式練習のベストタイムとなった。2番手には#39デンソーサードRC F、3番手には#1ZENT CERUMO RC Fとレクサス勢が1-2-3を形成する結果となった。 一方GT-R勢トップは#23モチュールGT-Rの4位、NSX勢では6位の#100レイブリックNSXがトップだった。

GT300クラスも序盤に1’27.139を記録した#61BRZがトップに立ち、同じく序盤にアタックした#0無限CR-Z(中山友貴/野尻智紀組)が2位に付けた。

第4戦SUGOの公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER FORMULA

SF:第3戦富士決勝 終盤まさかの雨でレースは大混乱!勝ったのは#37中嶋一貴。#7平川も初表彰台を獲得

終盤にまさかの雨。 7月13日、静岡県の富士スピードウェイで行われた全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第3戦の決勝レースは、レース終盤に降り始めた雨によりスピンやコースアウトが続出、セーフティーカーが出動という波乱の展開となった。
このレースを制したのは予選4番手からスタートした#37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)。
SC中にレインタイヤに交換した判断が実を結んだ。
2位は同様にレインタイヤに交換した#7平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。 3位には#39国本雄資(CERUMO INGING)がつけ、ポールシッターの#8アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は惜しくもリタイヤに終わった。
(天候:曇り>雨 コース:ドライ>ウェット 観客動員数:予選10,000人/決勝17,200人 大会総入場者数27,200人)

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第3戦決勝は午後2時より55周で行われた。
スタート進行の直前から時折小雨が路面を濡らしていたが、ウォームアップ走行の間にドライバー全員がスリックタイヤを選択、ドライコンディションでレースは始まった。

序盤からレースをリードしたのは予選2番手の#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。
綺麗なスタートでホールショットを決め、一気に後続を突き放しにかかる。

初のポールポジションからスタートしたカルダレッリは精彩を欠き、1コーナーでオリベイラの先行を許した後もダンロップコーナーで#3ジェームス・ロシター(KONDO RACING)に、プリウスコーナーでは中嶋一貴に立て続けにパスされてしまう。
しかし中嶋一貴は最終コーナーで並び替えして来たカルダレッリと並走状態になって1コーナーに飛び込んだ際にオーバーランしてしまい、この間にカルダレッリだけでなくチームメイトの#36アンドレ・ロッテラー、更には#38石浦宏明(CERUMO INGING)にも抜かれてしまった。

こうした中、トップのオリベイラは2位ロシターとの差を6秒以上に広げて32周目にピットイン。
後続が既にピット作業を済ませていたこともあり、トップのままでコースに復帰すると、その後も1分24秒台までペースを上げて独走状態に入った。 その時はオリベイラが自らの誕生日を勝利で飾ることはほぼ確実と誰もが思っただろう。

ところが。
オリベイラが44周目に入ったところで最終コーナー方面から雨が降り始め、たちまち路面はウェット状態に。 これに文字通り足下をすくわれたのがポールシッターのカルダレッリだ。
続いてフリー走行で好タイムをマークしていた#62嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)もスピンアウト、更にはトップを快走していたオリベイラまでもが49周目のヘアピンでスピンしてしまい、コースを塞ぐ形でストップしてしまった。

この車両を排除するため、50周目からセーフティーカーが導入されることに。
ここで動いたのが中嶋一貴、平川、国本、#2中山友貴(Team無限)の4台。 彼らはすぐさまピットに飛び込んでレインタイヤを装着して隊列に復帰していった。
この時点での順位はトップがロッテラー、2位ロシター、3位カーティケヤン、4位平川、5位国本、6位中嶋一貴。 トップ3はスリックタイヤのままコースに留まった。

セーフティーカーは52周終わりでピットへ。
残り3周の超スプリントでレースが再開されると同時に、レインタイヤの3台がトップ3に猛然と襲いかかった。
まずはコカコーラコーナーで相次いでカーティケヤンをパスすると、続く100Rで中嶋一貴がロッテラーに並びかけてヘアピンに手前で前に出るが、ブレーキング時にオーバーランしてしまい、この間に平川がトップに。
順位を挽回しようとした中嶋一貴はダンロップコーナーでも飛び出してしまい、ショートカットを通って平川の後ろでコントロールラインに戻って来た。

ところがトップに立った平川も1コーナー手前のブレーキングでフロントホイールをロックさせてしまい、セーフティーゾーンへ。 この間に中嶋一貴がトップに浮上した。
オーバーテイクボタンを使って懸命に追い上げた平川だったが、中嶋一貴は一度もつけいる隙を与えず、今季初優勝をものにした。
2位は平川。昨年の鈴鹿2&4でスーパーフォーミュラにデビューして以来初の表彰台となったが、勝利を目前で取り逃したこともあり、レース後の記者会見では開口一番「くやしいです」と言う言葉を口にした。
3位には昨年の富士スプリントカップで優勝している#39国本雄資が入った。

またここまで苦戦の続くホンダ勢では、ディフェンディングチャンピオンの#1山本尚貴(Team無限)がしぶとい走りで5位に食い込んでいる。

次回の舞台はツインリンクもてぎ。 8月24日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsport Forum

Japanese F3

JF3:第9戦富士決勝 後方の激戦を尻目に#7松下がポール・トゥ・フィニッシュで今季4勝目を獲得

7月13日、富士スピードウェイで行われた全日本F3選手権第9戦の決勝レースは、ポールポジションからスタートした#7松下信治(HFDP RACING F312)が後続を全く寄せ付けない走りで終始レースを引っ張り、今季4勝目を挙げた。
Nクラスも#6小泉洋史(Net Move Hanashima Racing)が5周目にトップに立ってそのまま逃げ切り、同じく今季4勝目を挙げている。

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第9戦決勝は午前10時より21周で行われた。 ポールシッターの#7松下がホールショットを決め、そのままレースをリードする。
昨日の第8戦決勝では4番手スタートということもあり、前のクルマを抜くのに手間取ってタイヤを傷めてしまった松下だったが、今回は序盤からハイペースで後続を突き放しにかかった。

2番手スタートの#36山下健太(PETRONAS TOM'S F314)はスタートで松下にインから並びかけようとしたが行く手を阻まれてスロットルを戻さざるを得なくなり、2位のままコントロールラインに戻って来た。
その後も懸命に追い上げた山下だったが最後まで決め手を欠き、松下が第5戦もてぎ以来の今季4勝目を挙げた。
松下はこのレースでファステストラップも記録したことにより、シリーズポイントでも山下との差を僅か1点に詰めた。

淡々と周回を重ねる展開となったトップ2とは対照的に、3位以下の集団では最後まで激しいバトルがコースの至る所で展開された。
まず予選4番手からスタートした#8高橋翼(HFDP RACING F312)が昨日の第8戦を制した#22高星明誠(B-MAX NDDP F312)をかわして3位に浮上。
その後方ではスタートで#2清原章太(TODA FIGHTEX)の先行を許した#1勝田貴元(PETRONAS TEAM TOM'S F312)2周目のダンロップコーナーで清原のインをついて5位に浮上する。
さらにその後方からは予選7番手の#23佐々木も追いついて来て最終コーナーでアウトから清原をパスするが、ストレートスピードでは戸田エンジンを積む清原が勝り、続く1コーナーで再び清原が前に。
結局この2台のバトルは9周目のヘアピンでアウトから佐々木が清原をパスするまで延々と繰り返された。

一方、3位の#8高橋と#22高星の3位争いに次第に5位の#1勝田が接近。 9周目には第13コーナーから並走状態になった高橋と高星にインから勝田が一気に並びかけ、3台並走のままストレートに戻って来る。
ここでブレーキを遅らせてアウトにはらんだ高星の隙をついて再び高橋が前に。
このとき勝田にも先行を許した高星は12周目の1コーナーでインをつくが、再びアウトにはらんで勝田に抜き返された。

そうして3台が激しいバトルを繰り返しているうちに、6位の佐々木もこの集団に追いつき、3位集団は4台の団子状態となるが、14周目の1コーナーで勝田のインをつこうとした高橋が勝田の右リヤに追突、そのまま乗り上げる格好でコースを飛び出し、戦列を去ることになってしまった。
勝田の方も著しいペースダウンを強いられるほどのダメージはなかったものの、B-MAX NDDPの2台に激しく追い上げられることになり、17周目の最終コーナーで佐々木がインをついて一気に2台の前に出た。
立ち上がりで並べ替えす勝田と高星。 3台は並走したまま1コーナーへ。ここでは高星が先行、佐々木が続く。
そして19周目の1コーナーで佐々木が高星をかわしたことで、漸く3位争いは決着。 佐々木、高星、勝田の順で21周を走り切って第9戦は終了した。

Nクラスは、スタートで#6小泉のインに飛び込んで来た#62久保凛太郎(CG ROBOT ル・ボーセ F308)が1コーナーを曲がりきれずに#38ナニン・インドラ・パユーング(CERUMO・INGING Jr. F312)に激突、そのままレースを終えてしまう波乱の幕開け。
この混乱の中、トップに立ったのは第2戦優勝の#3三浦愛(EXEDY RACING F307)。予選トップの小泉は2位に後退して三浦を追い上げる展開となった。
懸命に押え込もうとする三浦だったが、5周目の1コーナーで小泉が三浦のインをつき、クラストップを奪い返すと、そのまま最後まで逃げ切って第7戦岡山以来の今季4勝目を挙げた。
2位は三浦。第5戦もてぎ以来4戦ぶりの表彰台を獲得、#19湯澤翔平(KCMG F308)が3位につけた。

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いよいよ後半戦に入った全日本F3選手権は残り3大会。 次回はツインリンクもてぎで8月22-23日に開催される。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第3戦富士フリー走行2回目 PPの#8カルダレッリがトップタイム。セッションは#11リウッツィのトラブルにより赤旗終了に

全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第3戦のフリー走行2回目が7月13日、富士スピードウェイで行われ、ポールポジションの#8アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が1’25.571を記録してここでもトップだった。

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決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から分厚い雲が上空を覆い尽くしていたが、午前8時50分からのフリー走行は終始ドライコンディションで行われた。 開始時の気温は25.2℃、路面温度は36.3℃だ。

1.4kmという不浄に長いストレートをもつ富士の特性を考慮し、このセッションでは決勝レースを睨んでダウンフォースを削ってくるチームが相次ぎ、昨日よりも高めの最高速が記録された。 30分間を通して最速は#20ナレイン・カーティケヤンの321.812km/h。 これは2008年に富士で開催されたF1日本GPの予選最高速317.0km/h(エイドリアン・スーティル/フォースインディア)をも上回るものだ。 ホンダ勢では#2中山友貴(HP REAL RACING)の316.159km/hが最高とここでも差をつけられている状態だ。

ラップタイムを見ていくと、終了5分前に#62嵯峨宏紀が1’25.656を記録してトップに。これをセッション終盤にカルダレッリが上回り、予選に続いてトップで走行を終えている。カルダレッリの最高速は317.087と全体の5番手にあたる速度だ。

セッションは終了1分前に#11ヴィタントニオ・リウッツィがダンロップコーナーの手前でストップしたため、赤旗中断となり、そのまま終了となった。 リウッツィの11号車はエンジンカウル周りから大量の白煙が上がっており、タービンまたはエンジン本体にトラブルが出たものと思われる。 決勝への出走が非常に危ぶまれる状況だ。

その決勝レースは今日午後2時より55周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Phot: Motorsports Forum

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富士スピードウェイがWEC富士6時間耐久レースのPRイベントを開催

富士スピードウェイは10月10(金)〜10月12日(日)に開催する2014FIA世界耐久選手権第5戦「WEC富士6時間耐久レース」をPRするため、7月12日(土)にスーパーフォーミュラ第3戦の開催されている富士スピードウェイでメディア懇親会を開催した。

「王者アウディ対挑戦者トヨタ、という図式で始まったWEC富士6時間も3年目を迎え、今年は新たにポルシェさんが参戦して来ました。来年は日産さんも参戦を予定しておられます。我々としてはこの大会を今後も大きく育てていきたい」
との富士スピードウェイ株式会社社長の堤健吾の挨拶で始まった懇親会には、WECにシリーズ参戦しており、今回のスーパーフォーミュラ第3戦にも参加している中嶋一貴(トヨタレーシング)とアンドレ・ロッテラー(アウディスポーツ・チームヨースト)の2名のドライバーと、日本人で唯一ACOの理事を務め、今回WEC富士アンバサダーにも就任したミスター・ルマンこと寺田陽次朗氏が参加。
両ドライバーによるWEC富士への意気込みや、寺田氏のこれまでのルマン24時間での体験談やWECに対するなどがトークショー形式で披露された。

寺田陽次朗氏(WEC富士アンバサダー、ACO理事)
僕は日本人で唯一のACO理事として、ルマンの楽しさを伝えたいという一心で今までやってきました。
ルマンにはドライバーとして29回出ていますし、初参戦から数えて今年が40年目に当たります。レーシングドライバーとしては今年が50周年でもあります。
デイトナ24時間でも日本人として初めて完走しましたが、ルマンが一番難しいと思います。
その難しさと楽しさをこれからもみなさんに知らしめたい。
今年の富士はポルシェも加わって最後まで三つ巴の戦いが繰り広げられると思います。
中嶋一貴(TOYOTA Racing/PETRONAS TEAM TOM’S)
今シーズンは開幕戦からスピードを見せることが出来、第2戦のスパでも速かったことがルマンへの自身に繋がりました。
予選には自信がありましたが、一番大事なのは決勝だということもわかっていました。
その決勝は電気系がショートしてしまい、あっという間に終わってしまいましたが、あのまま走れていればトップのまま差を広げてチェッカー出来ただろうと思いました。
今年のクルマはハイブリッドシステムの特性の違いから立ち上がり加速に自信があります。
ルマンで一番パフォーマンスを発揮できるように設計して来たクルマで、モーターアシストにより四輪で加速できるようになりましたが、エンジン特性はスムーズで、1000馬力のパワーを効率的に路面に伝えられることが強みです。
僕は全戦には出ませんが、出るレースには勝ちたい。特に富士はホームコースだし、東富士研究所でパワートレインを作っているので沢山の方が応援にいらっしゃると思いますから、絶対に勝ちたいレースです。
今までも神風というか、毎回いい流れが来ているので、今回も、と思っています。
アンドレ・ロッテラー(ADUI SPORT TEAM JOEST/PETRONAS TEAM TOM’S)
もう最初の2レースのことは忘れました(笑) ルマンで勝ったのは覚えていますよ。それだけで充分でしょう?
シルバーストーンでもパフォーマンスはありましたが、戦略がまずかった。雨の中をスリックで出て行ったり、ブノワのアクシデントがあったりで。
スパは僕らのクルマではダウンフォースが強過ぎて不利だということが初めからわかっていたので、ルマンの準備だと割り切って戦っていました。
ポルシェはストレートが速く、トヨタは加速に優れ、僕らはその中間の特性です。それぞれの特性の違いで、どこで抜くかという考え方も違って来ているので、今回のWEC富士は面白いレースになると思います。
もちろん勝ちますよ。絶対に勝ちたい。僕がここまでこれたのは日本でレースをして来たお陰だから、僕にとっても特別な思いがあります。
チャンピオンシップのリーダーであるロイック(デュバル)が今日ここにいないのは寂しいです。足の痛みを訴えてるとか、何カ所か縫ったとは聞いていますが、怪我そのものは大したことじゃなくて、今回も大事を取って休養しているだけです。最近子供が産まれたので、一緒に過ごしたかったんじゃないかな?(笑)
Text:Kazuhisa SUEHIRO

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