10月10日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦の決勝が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、大荒れのレースを制し、今季初優勝を飾った。
注目のタイトル決定は、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)がリタイアでノーポイントに終わり、最終の鈴鹿大会に持ち越されることになった。
決勝が始まる前、太田とフラガの差は45ポイント。予選のタイヤ交換でのチームのミスがあり、フラガにポールポイント(3p)を献上してしまったため、太田がこのレースでチャンピオンを決定するには、フラガの前でフィニッシュする必要があった。
しかし、この両者が接触してノーポイントに終わることは、誰も予想はしていなかった。その間隙をついて岩佐が勝利を挙げたことで、太田優位は変わらないものの、そうすんなり決めてはいけないと、見えない力が働いたようなレースだった。
レースは、岩佐がトップに出て始まった。フラガ、太田が続き、三強によるバトルが続くものと思われた。大荒れの前兆は、まず5周目。8位を争う大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)と野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、2コーナー立ち上がりで並走して接触。野村はサスペンションを傷め、そこでリタイア。これで最初のセーフティカー(SC)ランとなった。
9周目にリスタートをしても、トップ三者は1秒間隔で緊迫した首位争いを繰り広げた。
17周目、ややペースの上がらない2位太田がピットイン。タイヤ交換を終えて、先にピットに入っていた大湯の前でコースに戻るが、この二人がコカ・コーラーコーナーで接触。さらに、次の周にはフラガがピット作業を済ませ、太田の前でコースに戻ると、今度はこの二人がターン15(GR-GTコーナー)で交錯し接触。太田はその場でリタイア。フラガは傷めたサイドポンツーンを修復して走り続けたものの、ポイント圏外になってしまった。
このアクシデントで二度目のSCランとなるが、このチャンスに各車が続々とピットに入ったことで、思わぬアクシデントが起きる。入賞圏内を走っていた福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE SF23)がピットロードに戻る際に安全確認を怠ったことで、ルーク・ブラウニング(REALIZE Corporation KONDO SF23)と接触。ブラウニング車が横向きになってピットロードを塞いだところに、小出峻(ThreeBond SF23)と小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が追突する形になってしまった。
これでSCランは続き、岩佐、9番グリッドスタートの松下信治(DELiGHTWORKS SF23)、ザック・オサリバン(WECARS IMPUL with SDG SF23)がトップ3となった。
25周目にリスタートとなるが、ここでも4位山下健太(KCMG Cayman SF23)に、ブレーキの効かなくなった坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が追突し、両者はここでリタイア。三度目のSCランとなる。
32周目のリスタート以降は、逃げる岩佐を松下、オサリバンが追う展開となったが、最終ラップにオサリバンが、タイヤを早めに交換していた松下をセクター3のテクニカルコーナーでねじ込むように抜いて、岩佐、オサリバン、松下の順でチェッカーを受け、大荒れのレースは幕を閉じた。
この結果、岩佐がランキング2位に再浮上し、太田のチャンピオンは最終の鈴鹿大会で決することになった。
最終、鈴鹿大会(鈴鹿グランプリ)は、11月20〜22日に開催される。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Japan Race Promotion Inc.
