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1990年4月

全日本F3000

レイトンF3000鈴鹿タイヤテスト情報(2)

     LEYTON HOUSE RACING TEAM
        PRESS IMFORMATION
           F3000タイヤテスト
         1990年4月27日 金曜日
            鈴鹿サーキット
 今日も快晴のもとテストが行われた。2日続けて快晴に恵まれたテストデーは実に
久しぶりだった。路面温度も30度を軽くオーバーし、5月末の実戦を想定するには
かっこうのコンディションとなった。
 昨日は満足に走れなかったクリスチャン・ダナーは、いち早くコースイン。昨日の”
遅れ”を取り戻すべく、積極的にラップを重ねた。関谷正徳は昨日のテスト終了後、
マシンの総チェック中にデファレンシャルにトラブルが生じているのを発見。大事を
とって今日の走行をキャンセルすることをチームでは決断した。
 ダナーは走り始めてからアンダーステアに悩まされた。対策を施していくうちに、
少しずつアンダーステアが消えてはいくものの、決定的な解決策は発見できずにいた。
さらに終盤、エンジンがバラツキ始め、そのチェックに時間を費やすことに。結局エ
ンジンを点検している間にチェッカーフラッグが出され、午前のセッションは終了と
なった。
 ダナーのフィーリングは「アンダーステアは最後まで残った。しかし改善の糸口は
つかんだのではないかと思う。午後もコンディションが良さそうなので、午前中に見
いだした方向でセッティングを煮つめていくことになるだろう」とのことだった。
 2時から午後のセッションがスタート。午前に続いてダナーひとりのテストとなっ
た。走行を始めてから15分ほど過ぎた頃にダナーはスプーンカーブでコースアウト、
サンドトラップにマシンをスタックさせてしまった。
 マシンに致命的なダメージはなかったものの、深い砂利でウィング、アンダーボディ
などを傷めて交換することになり、その作業に1時間ほど費やした。
 再スタート後、ダナーは午前中からのアンダーステア対策に集中した。主にウィン
グバランスの追求を続け、昨日の関谷同様細かくピットイン/アウトを繰り返しなが
らウィングセッティングを行った。15周目に1分51秒28までタイムを詰め、本
日の自己ベストをマーク。ダナーも「少しずつ良くなってきた」と報告。さらにセッ
ティングを煮つめていった。
 残り時間もあと10分と少なくなってきた頃、予選用タイヤを2セット、トライす
ることになった。1セット目で50秒台をマーク。2セット目はステアリングがソリッ
ドになりタイムアップはならず。悪天候に邪魔されなかったにもかかわらず、様々な
理由から予定されていたテストプログラムを消化できなかったことを認めざるを得な
い今回のテストであった。5月13日の西日本レースの前に行われるエキストラのフ
リープラクティスで、残りのプログラムを消化し、今回テストできなかった対策パー
ツの真価を試すことになるだろう。
●鈴鹿F3000タイヤテスト タイムデータ
順 ドライバー シャシー/エンジン/タイヤ 午前      午後
-----------------------------------
1 松本  恵二   L-T90/M/DL  1分48秒81  1分46秒13☆
2 星野 一義     L-T90/M/BS  1分50秒41  1分46秒86☆
3 小河  等   L-T90/M/BS  1分50秒49  1分47秒06☆
4 和田 孝夫   L-T90/M/YH  1分47秒59☆ -------
5 M.マルティニ L-T90/M/DL  1分50秒24  1分47秒80☆
6 中子  修   L-T90/M/BS  1分51秒10  1分48秒01☆
7 E.ベルタッジァ L-T90/M/BS 1分51秒78  1分48秒28☆
8 片山 右京   L-T90/C/BS  1分49秒31  1分48秒34☆
9 M.S.サラ  L-T90/M/DL  1分49秒64  1分48秒57☆
10 V.バイドラー L-T90/M/BS  1分50秒93  1分48秒79☆
11 高橋 国光   L-T90/M/YH  1分51秒21  1分49秒04☆
12  岡田  秀樹      LH90B/C/DL  1分51秒07  1分49秒11☆
13 鈴木 利男   L-T89/M/BS  1分51秒42  1分49秒76☆
14 黒沢 琢弥   R-90D/M/BS  1分52秒15  1分49秒76☆
15 中谷 明彦   L-T90/M/BS  1分51秒74  1分49秒85☆
16 R.ラッツェンバーガーL-T89/M/DL1分50秒13☆-------
17 J.ハーバート R-90D/M/BS  1分51秒52  1分50秒32☆
18 R.チーバー  L-T90/M/DL  1分50秒37☆ 1分51秒52
19  長谷見昌弘     L-T90/M/DL  1分50秒65  1分53秒48)☆
20 C.ダナー   LH90B/M/BS  1分52秒89  1分50秒88☆
21 J.クロスノフ L-T90/M/DL  1分50秒89☆ 1分52秒80
22 佐藤 浩二   R-90D/M/BS  1分53秒23  1分51秒04☆
23 影山 正彦   L-T89/M/BS  1分51秒98  1分51秒20☆
24 松田 秀士   L-T89/C/DL  1分51秒46☆ -------
25 池谷 勝則   L-T89/M/YH  1分52秒62☆ 1分56秒02
26 金石 勝智   L-T90/M/BS  1分52秒81☆ -------
27 岩城滉一    L-T90/M/DL  1分54秒65  1分54秒30☆
28 太田 哲也   R-90D/M/DL  1分55秒06  1分54秒47☆
注)☆はベストタイム
L:ローラ LH:レイトンハウス R:レイナード C:コスワース M:無限
BS:ブリヂストン DL:ダンロップ YH:ヨコハマ
  提供:レイトン・インターナショナル

富士ロングディスタンスシリーズ

インターチャレンヂ富士1000km エントリーリスト

'90富士ロングディスタンスシリーズ第2戦
  インターチャレンヂFUJI1000kmレース大会 エントリーリスト
 NO 車名        ドライバー
1  ADVAN alpha 962C   高橋国光/茂木和男
2  タイサンSG alpha 962C  S.DICKENS/W.HOY/高橋健二
7  アルファポルシェ 962C     T.NEEDELL/D.BELL/C.LOS
20  ALPHA CUBIC 962    戸谷千代三/L.P.SALA/M.REUTER
23  カルソニックニッサン R90CP   星野一義/鈴木利男
23T カルソニックニッサン R90CP   星野一義/鈴木利男
24  YHP ニッサン R90CP     長谷見昌弘/A.OLOFSSON
27  フロム・エー ポルシェ962C   中谷明彦/V.WEIDLER/羽根幸治
33  武富士 PORSCHE     B.WOLLEK/J.HERBERT/E.IRVINE
36  ミノルタトヨタ 90C-V      G.LEES/関谷正徳/小河等
36T ミノルタトヨタ 89C-V      G.LEES/関谷正徳/小河等
39  デンソートヨタ 90C-V     R.RATZENBERGER/P.H.RAPHANEL/長坂尚樹
39T デンソートヨタ 90C-V     R.RATZENBERGER/P.H.RAPHANEL/長坂尚樹
55  OMRON PORSCHE      V.SCHUPPAN/E.ELGH/T.B.N.
85  CABIN R90V NISSAN  和田孝夫/中子修
100  日石トラスト ポルシェ     G.FOUSCHE/S.ANDSKAR
100T 日石トラスト ポルシェ     G.FOUSCHE/S.ANDSKAR
201  アート・マツダ767B       従野孝司/寺田陽次朗
202 チャージ・マツダ787      片山義美/D.KENNEDY/P.DIEUDONNE
230 NWB 757 マツダ       白鳥哲次/藤井修二/鈴木せい作
240 LENOX 757 MAZDA   織田一彦/水谷敬一/野上敏彦
                 提供:日本モーターレーシングセンター

全日本F3000

レイトンF3000鈴鹿タイヤテスト

     LEYTON HOUSE RACING TEAM
        PRESS IMFORMATION
           F3000タイヤテスト
         1990年4月26日 木曜日
            鈴鹿サーキット
 開幕戦依頼の鈴鹿での合同タイヤテスト。ゴールデンウィークが終わると西日本、
鈴鹿と2連戦あり、各チームにとって今回のテストは極めて重要なものであった。レ
イトンハウス90Bを初めて鈴鹿に持ち込む我々も例外でなく、さらなるマシンのパ
フォーマンスアップを図るべくいくつかの対策パーツが用意され、関谷正徳、クリス
チャン・ダナー両ドライバーが分担してテストを行うことになった。
 天候は快晴、これまでテストのたびに雨に泣かされていた我々にとっては文句なし
のコンディションとなった。両者いち早くコースイン。午前3時間のテストに臨んだ。
 スタート後2周ほどでダナーはピットイン。ハンドリング不良を訴える。ストレー
トでもマシンの挙動がおかしいため、ガレージにマシンを入れ大事を取って各部の点
検。その間、関谷はトラブルフリーで走行。4周目にピットに入り、まずはウィング
セッティングを施す。その後さらに4周ほどして再びピットへ。空力バランスはOK
ということから次にフロントサスペンションの調整に入る。スタビライザーを交換し
ピットアウトした関谷は、それまでの1分53秒台から52秒台に突入し5番手を走
行。そして再度ピットイン。スタビライザー交換によるフィーリングの向上を報告、
チームではさらにサスペンションセットアップを進めた。新たなるサスペンション系
の対策パーツを使用しテストする関谷は、その第一印象を「スタンダードとまだ比較
していないが、フィーリングは従来よりいい。アンダーステアが出始めているが、こ
れが消せればかなり戦闘力は向上するはずだ。」とコメント。まずまずの出足と言え
よう。
 マシンの再チェック後、走行を再開したダナーもハンドリング不良は消え、本格的
なテストに入った。エンジニアの松岡が関谷車に施したように、ベラミィはリアウィ
ングの調整から始まり、次にフロントセクションに手を加えるが、ダナーは強いアン
ダーステアに見舞われその対策に追われた。サスペンションに関してはスタンダード
仕様に乗るダナーは、特にS字とダンロップ下あたりでのマシンの挙動が非常にナー
バスと報告。同じ場所で関谷は全く問題ないと語っており、新しいパーツが有効に機
能していると考えていい、ダナーのコメントだった。しかし、関谷のほうにもアンダー
ステアが基本的に残っているということも事実であった。
 そのアンダーステア対策も改善されつつあったが、残り30分ごろダナーはCVジョ
イント破損でコース上にストップ。午前のテストを終えることになった。
 関谷は順調にプログラムを消化。最終的に13番手で終わったが、「基本的にアン
ダーステアは変わらないし、それが少しずつ良くなってきている。」とコメントし、
セットアップの方向性の正しさは確認できた。
 午後のセッションは2時からスタート。午前中満足に走れなかったダナーは、コー
スオープンと同時に、一番乗りでピットを後に。関谷も間もなく続いた。しかし、マ
シンチェックをしながら1分53秒台で走行していたダナーは、右リアから白煙をあ
げてピットイン。リアのアップライトにトラブルが生じ、そのリペアのため長いピッ
トインを強いられてしまった。またセッション開始1時間後、それまで順調にラップ
を重ねていた関谷が、スプーンカーブで珍しくコースアウト。マシンには大きなダメー
ジは無かったが、砂利の排除などでやはり長くピットにいることに。約1時間のロス
で修復およびチェックが済み、関谷はコースインすることができた。リペアの際に同
時に空力セッティングを変え、比較テストを行った。関谷は1周でピットに戻り、さ
らにウィングセッティングを変えてすぐにコースに戻る。その関谷は今日の自己ベス
トタイムを破り、52秒台前半へ。さらに次周には51秒12をマークして、一気に
3番手にジャンプアップしてみせた。
 ピットに戻ってきた関谷もアンダーステアがかなり消え始めたことを報告。さらに
もう少しウィングセットをアジャストして、その効果を探ってみることになった。小
刻みにピットイン/アウトを繰り返しながら、空力バランスの比較テストを行い、5
2秒台をコンスタントにマークして関谷はセッションを終えた。予選用タイヤはトラ
イせず終始マシンのセットアップに努めたため、ポジションは8番手で終えたが、間
違いなく数多くのデータを残せた。明日も天気予報では快晴の模様で、今日のデータ
をどのくらい生かすことができるかがカギとなるだろう。
 いっぽう長いピットストップを強いられたダナーは、残り20分というところでよ
うやくピットアウト。しかし、セットアップの時間は少なすぎ、最後までアンダース
テアに悩まされて1日目のテストを終えた。明日はダナー車にも関谷車から得られた
データがフルにフィードバックされることになり、それによって今日のロスを取り戻
せるだろう。
●鈴鹿F3000タイヤテスト タイムデータ
順 ドライバー シャシー/エンジン/タイヤ 午前      午後
-----------------------------------
1 星野 一義     L-T90/M/BS  1分51秒78  1分48秒43(QF)☆
2 長谷見昌弘     L-T90/M/DL  1分51秒32  1分48秒72(QF)☆
3 M.マルティニ L-T90/M/DL  -------  1分49秒22(QF)☆
4  岡田  秀樹      LH90B/C/DL  1分52秒28  1分49秒26(QF)☆
5※松本  恵二   L-T89/M/DL  1分50秒88  1分50秒47☆
6 M.S.サラ  L-T90/M/DL  1分50秒50☆ 1分52秒29
7 小河  等   L-T90/M/BS  1分53秒37  1分51秒03☆
8 中子  修   L-T90/M/BS  1分53秒48  1分51秒05☆
9 関谷 正徳   LH90B/M/BS  1分52秒73  1分51秒12☆
0 片山 右京   L-T90/C/BS  1分51秒35☆ 1分51秒37
11 R.チーバー  L-T90/M/DL  1分51秒56  1分51秒42☆
12 J.ハーバート R-90D/M/BS  1分51秒90  1分51秒51☆
13 E.ベルタッジァ L-T90/M/BS 1分51秒65☆ 1分51秒89
14 松田 秀士   L-T89/C/DL  1分52秒64  1分51秒69☆
15 鈴木 利男   L-T89/M/BS  1分54秒25  1分51秒77☆
16 V.バイドラー L-T90/M/BS  1分52秒43  1分51秒86☆
17 金石 勝智   L-T90/M/BS  1分53秒57  1分51秒88☆
18 和田 孝夫   L-T90/M/YH  1分52秒90  1分51秒90☆
19 高橋 国光   L-T90/M/YH  1分52秒28  1分51秒91☆
20 R.ラッツェンバーガーL-T89/M/DL1分52秒85 1分52秒31☆
21 J.クロスノフ L-T89/M/DL  1分52秒98  1分52秒50☆
22 影山 正彦   L-T89/M/BS  1分54秒55  1分52秒92☆
23 中谷 明彦   L-T90/M/BS  -------  1分53秒11☆
24 太田 哲也   R-90D/M/DL  1分55秒22  1分53秒24☆
25 池谷 勝則   L-T89/M/YH  -------  1分53秒32☆
26 黒沢 琢弥   R-90D/M/BS  1分53秒32☆ 1分53秒48
27 C.ダナー   LH90B/M/BS  1分53秒65  1分53秒43☆
28 岩城滉一    L-T90/M/DL  1分56秒92  1分54秒34☆
29 佐藤 浩二   R-90D/M/BS  1分55秒12☆ 1分55秒66
注)※午前セッション終了10分前にL-T90 をシェイクダウン。午後はL-T90 を使用。
L:ローラ LH:レイトンハウス R:レイナード C:コスワース M:無限
BS:ブリヂストン DL:ダンロップ YH:ヨコハマ QF:予選用タイヤ
  提供:レイトン・インターナショナル

全日本F3000

CABIN富士F3000リリース

  CABIN RACING TEAM RACE INFORMATION
         ’90年全日本F3000選手権
   第2戦 CABIN日本インターナショナルフォーミュラ選手権レース
          星野、開幕2連勝で王座奪取へ加速
        片山健闘、3位入賞。歓喜のキャビン・デー
         星野一義 予選A組1位 決勝 優勝
         片山右京 予選B組2位 決勝 3位
 1990年全日本F3000選手権・第2戦は、「CABIN日本インターナショ
ナルフォーミュラ選手権レース」が、4月15日(日)静岡県・富士スピードウェイ
で開催された。キャビン・レーシングチームは、このレースに星野一義、片山右京の
陣容で参戦した。
 2組に分かれて行われた公式予選は、天候の影響でクラッシュ続出の波乱の展開と
なった。その中で、星野は終始安定した速さを示し、ポールポジションを獲得。午前
中の予選でタイムが伸びなかった片山も午後のセッションで挽回に成功し、2列目の
グリッドにつくこととなった。
 決勝レースでは、星野が一度も首位を明け渡すことなく走り切って開幕戦に続く勝
利を挙げる一方で、片山も健闘。前年度のチャンピオンの小河選手に続く3位でチェッ
カーを受けて表彰台に上がった。キャビン・レーシングチームのドライバーが同時に
表彰台に上がったのはこれが初めてのことである。
<体制>
キャビン・レーシングチームwithインパル
 ドライバー:星野一義
 監督   :金子 豊
 マシン  :ローラT90-50/無限(Tカー ローラT89-50/無限)
キャビン・レーシングチームWITHヒーローズ
 ドライバー:片山右京
 監督   :田中 弘
 マシン  :ローラT90-50/DFV(Tカー レイナード89D/DFV)
<公式予選>
 1回目の公式予選が始まるとき、空からはまだ細かい雨粒が落ちており、コースは
完全にウェットで状態であった。A組の星野はレイン・タイヤを装着してコースイン、
1分30秒583を記録。2位の松本恵二選手を0秒366抑えて首位に立った。
 B組の公式予選は、路面状況が徐々に好転しつつある状況の下で行われた。セッショ
ン後半、ドライタイヤを装着してタイムを短縮する選手が出る中、片山はレインタイ
ヤで走行を続行。タイムは1分26秒384で15位となる。
 A組2回目のセッションは完全ドライのコンディション。星野はポールポジション
を奪取すべく1セット目の予選用タイヤを装着してコースイン、1分18秒195を
記録する。続けて、2セット目の予選用タイヤでさらにタイム短縮にかかる。結果は、
1分17秒950。星野は不満気だが、堂々たるコースレコードタイムだ。
 B組2回目のセッションが始まる頃、空模様が再び怪しくなる。予選用タイヤを2
セットとも温存したのはいいが、もし雨が降り出してタイムアップの機会を失ってし
まえば、予選落ちの可能性もある片山は気が気でない表情だ。しかし、なんとか天候
は崩れず、片山はタイムアタックにとりかかることができた。結果は1分18秒01
2。ロス・チーバー選手に続くB組2位へと進出だ。チーバー選手は、B組トップな
がらA組の星野のタイムを破ることができなかったため、ポールポジションは2戦連
続で星野のものとなり、片山はグリッド2列目外側に並ぶこととなった。
 星野一義選手:1分17秒950 A組1位(ポールポジション)
 「練習走行では平気で17秒5くらいのタイムが出ていたので、今日はそれを破る
のが目標だったんだ。だけど100Rで遅いクルマにひっかかってしまって、思う通
りのシフトアップができなかった。あれで、多分コンマ5秒くらい損したんじゃない
かな。チーバー選手あたりは、2回目のセッションで17秒5くらいのタイムを出し
てくるだろうと思ったから、内心ポールポジションはあきらめていたんだ。だから、
思いがけずポールがとれてラッキーな気分だ。今回のレースは、鈴鹿よりも自信がな
いな。苦しいレースになると思うよ。コンマ1秒を争うようなね。鈴鹿はコーナーが
多いから後ろの車を離すこともできるんだけど、富士は変化があまりないコースだか
ら、いやだね。1コーナーに必死でトップで飛び込んでも、最終コーナーからの直線
で、クルマの差だけで抜かれるってこともあるんだから。決勝レースは多分満タン状
態で20秒後半のペースになるんじゃないかな。そこで、20秒前半のタイムに乗せ
られればぶっちぎりができるかもしれないね。」
 片山右京選手:1分18秒012 B組2位
 「1回目のセッションは、雨のセッティングで走りました。ミッションもタイヤも
ね。予選用タイヤを午後までとっておきたかったんですよ。でも、あのタイムはなかっ
たな。最後にコースインしたとき、もっとタイムを縮めておくはずだったんだけど、
タイヤを暖めすぎたのか、スタビライザーのセッティングを外したかで、まっすぐ走
れる状態じゃなくなってしまったんです。2回目のセッションが始まる前に天気が悪
くなりそうになったときには、気が気ではありませんでした。本当に緊張しました。
最後にあのタイムが出せて、ホッとしました。ベストタイムを出したとき、ちょっと
ミスしているんですよ。あれがなければ、前にいけたかもしれませんね。」
<決勝レース>
 日曜日は、4月とは思えないほどに冷え込んだ。上位の予選タイムが接近し、接戦
が予想されるだけに、スタート前からコースは緊張感に満ちていた。フォーメーショ
ンが始まる直前、星野の隣にいたチーバー選手のマシンが急拠ピットへ引き戻された。
ミッション・トラブルだ。思いがけないチーバー選手の脱落で星野ばかりでなく片山
にとっても状況は有利となった。なにしろ片山の前方をふさぐマシンは存在しなくなっ
たのだ。
 スタート直後、今度は片山の隣にいた松本選手がエンジンをストールさせてしまっ
た。こうして、星野と片山は開幕戦に続いて難なく1-2フォーメーションを組むこ
とになった。
 片山は9周目まで2位を走るが、10周目の1コーナーで小河選手にかわされ、3
位に下がる。星野は、小河選手との間隔を保つ力強い走りを終始展開、一度も首位を
明け渡すことなく開幕2連勝を飾った。星野がこの富士での第1戦に勝ったのは、1
976年以来(11戦ぶり)のことである。
 一方、片山は後方から追い上げてきた和田孝夫選手の圧力を受けながら健闘、結局
3位のポジションを守り抜いてチェッカーを受けた。片山にとっては、F3000選
手権参戦3年目、初の表彰台となる殊勲であった。
 星野一義選手:優勝 1時間00分26秒740
 「本当に疲れた。当然チーバー選手との戦いになると思っていたんだが、ああいう
形でいなくなってしまってとても残念だったよ。走り出すと、クラッチの調子が悪く
なって、いつもコーナー手前で早め早めにブレーキを踏まざるをえなかった。ローラ
T90のクラッチは皆んな、おかしい、と言うね。何か欠陥があるのかもしれない。
後方から小河選手が追いかけてくるのが、怖かったね。だから、マシンを降りたとき
には嬉しいというより先に、ホッとしたよ。しかし、右京はいいドライバーになった
ね。序盤後ろから迫ってきたけど、怖いくらいだったよ。3位入賞はたいしたもんだ
よ。今日は走っていて、お客さんがたくさんいたのがわかった。日本のF3000が
戦国時代になっているのを、お客さんもよく知っているんだろうね。こうやってモー
タースポーツが盛り上がるのは本当に嬉しいことだよね。」
 金子 豊監督
 「朝のウォームアップ走行のときに、クラッチがおかしいというので、決勝レース
前にマスターシリンダーの交換はやったんですけどね。勝ててよかった。今回はウィ
ングを少し寝かせ気味にして直線重視のレースをやりました。スタートの直線で一気
に後ろの車を離して楽な展開にもっていきたかったからね。そのせいで、コーナーで
は少しきつくはなったけど、これで良かったんだろうな。しかし、もう少し楽に見て
いたかったよね。もっとも、ぼくたちがハタで見ているより、本人は余裕を持って走っ
ているみたいだけど。ライバルのマシンが次々と壊れていくので、気が気でなかった
よ。三鷹の神明社という神社のお守りをずっと握りしめていたんだけど、ほら、折れ
ちゃった。みんな、思ったより速かったねえ。でもね、10年以上勝てなかったこの
レースに勝ったのは、大きいよ。これで4連勝はかたい、とぼくは思っている。いけ
るよ。」
 片山右京選手:3位 1時間00分37秒138
 「走り出したらクラッチのストロークがだんだんなくなっちゃうんですよ。で、結
局クラッチなしで走っていた。クルマの調子は良かったですね。最初、星野さんの後
ろについたときには、こりゃ1コーナーで抜いちゃおうかな、と思ったくらい。でも、
ピットからは『落とせサイン』が出ていたから、大それたことはやめておこう、と。
そうしたら、星野さんがペースを上げ始めたのがわかった。それでじわじわ離されて
しまいました。どこで離されるのか、わからないくらいじわじわと離されてしまうん
ですよ。小河さんもじわじわペースを上げていくんだけど、ぼくだけペースが上がら
なかったんですね。和田さんの追い上げはきつかったですよ。もうこっちはクラッチ
がないし、後ろからは和田さんが迫ってくるし、頭が混乱してどうしていいかわから
なくなっちゃったくらいです。終盤、和田さんがググッと迫ってきたときには余りに
も慌てて、100Rでスピンしそうになっちゃったんですよ。でもなんとか持ち直し
て。ベストタイムが44周目に出ている? 和田さんが来るんで、もういくしかない
と思って1コーナーに突撃しちゃいましたからねえ。」
 田中 弘監督
 「ドキドキなんかしませんよ。ちょっとハラハラしたけど。これは同じことか。と
にかく、完走して結果を残したかった。右京には、自分のペースでいけ、絶対に無理
して差すな、と言っていたんです。チャンスがあればいけるんだから、それまでは危
険を冒すな、と。ウォームアップで少しオーバーステア気味だったので、星野、小河
とは違うタイヤをつけさせた。これが良かったかな。右京は、こっちの言うことにちゃ
んとレスポンスしてくれるドライバー。だけど、まだまだ問題点もある。例えば、今
日のレースだって速かったり遅かったり、タイムにムラがあるんだ。速さではひけと
らなくても、遅いところで差をつけられていく。星野、小河との差はそこにあるんで
すよ。こういうのを今、少しづつ直しつつあるところ。右京とは戦いながらね。でも、
うまくいってますよ。今年は準備で、来年思い切ってやろう、と思っていたことを今
年できそうですね。45周のレースの44周目にベストタイムを出してくる。レーシ
ングドライバーにはこういうのが必要なんです。この先? 3の次は2、その次は1
しかないよね。」
     ’90年全日本F3000選手権ポイントランキング表
第1戦 3/ 4 鈴鹿  第2戦 4/15 富士  第3戦 5/13 西日本
第4戦 5/27 鈴鹿  第5戦 7/29 菅生  第6戦 8/12 富士
第7戦 9/ 2 富士  第8戦 9/23 富士  第9戦 10/28 富士
第10戦 11/28 鈴鹿
              1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計
順位 ドライバー
 1 星野 一義      9 9                  18
 2 ロス・チーバー    6 0                   6
 2 小河  等      0 6                   6
 4 松本 恵二      4 0                   4
 4 長谷見昌弘      3 1                   4
 4 片山 右京      0 4                   4
 7 マウロ・マルティニ  1 2                   3
 7 和田 孝夫      0 3                   3
 9 中子  修      2 0                   2
<順位による得点>
 順位  1 2 3 4 5 6
 得点  9 6 4 3 2 1
   提供:CABINレーシングチーム事務局
(ファイルアップの途中でシステムから落とされ、二重ログインになってしまい、
個人IDで、このファイルを登録しました。こちらのIDは、めったに使いません
ので、メールなどを出さないようお願いいたします(すがや))

全日本F3000

フットワーク富士F3000リリース

     Footwork PEESS RELEASE
 CABIN日本インターナショナルフォーミュラ選手権レース プレスリリース
     ’90全日本F3000選手権シリーズ第2戦
  1990年4月14~15日 Fuji International Speedway(4,470km)
 全日本F3000選手権シリーズ第2戦は、第1戦の鈴鹿から舞台を移し、今年か
ら4戦開催されることとなったここ富士スピードウェイで戦いの火蓋が切られる。
 ベルタッジァを含むフットワークレーシングの一行は、木曜日に現地入りした。
 フットワークレーシングは、新型ローラT90の準備が遅くなったことから、今回
のレースまでのセッティングの決まっている旧型ローラT89を使用、新型ローラT
90はTカーとすることとなった。
★4月13日 フリー走行 1回目 10:30~11:10
             2回目 14:10~14、50  天候:曇り
 今回のレースは全部で32台のエントリーを集めた。台数が多いため前回と同様、
フリー走行・公式予選ともに2グループに分けて行われる。我がフットワークレーシ
ング・チームはAグループでの走行となる。この日は朝から空には厚い雲がたれこめ、
既に西日本地方は強い雨に見舞われているということで、各車空模様を気にしながら
の走行となった。
 コースインしたベルタッジァは、まずゆっくりしたペースで数周ラップする。その
後ペースを上げていきながらそれぞれのためのセッティングを決めていった。結局1
回目はほぼ順調に進んで、Qタイヤによる1分18秒台のタイムでグループ5番手に
位置していた。2回目になっても天気は相変わらず、しかし何とか雨は降らず、路面
はドライのままである。ベルタッジァは淡々と周回を重ね、セッティングのレベルアッ
プに努める。しかし気温が低く湿気も多いなど、コンディションは午前中よりもやや
悪化したせいもあり、他のクルマと同じくタイムは伸びない。そしてセッション終盤
に燃料タンクにトラブルが発生したため、走行を終了したのだった。
▽エンリコ・ベルタッジァの談話
 「1回目のセッションはまぁまぁの調子でタイムが出ていたので、2回目でセッティ
ングを完璧に決められたらと思っていたんです。でもコンディションがあまりよくな
かったし、終わりごろにはトラブルも出てしまったんで、あまり走りこめなかった。
もう降り出しているけど明日は雨の予選となるだろうから、うまく雨用セッティング
を決めていいグリッドからスタートできるようにしたいと思います。」
★4月14日 第1回公式予選(Aグループ)10:45~11:15 天候:雨
 公式予選は16台ずつA・Bグループに分け、両グループから14台ずつ計28台
が予選を通過することとなっている。逆に言えば計4台が予選落ちの憂き目を見るこ
とになる。
 この日は予想通り朝から雨、おまけに濃い霧まで発生しコンディションとしは最悪
の状況。霧で視界も悪く、この日のためのスケジュールは大幅に遅れ、1回目の公式
予選は約45分遅れのスタートとなった。予選開始前、早朝からメカニックの手で雨
用セッティングを施されたマシンで、ベルタッジァは霧がまだ若干残るコースへと赴
く。もちろん路面は完全なウェット。1分40秒台からラップを開始、徐々にペース
を上げていく。1分37秒台めでつめて、5周で一旦ピットへ。タイヤを交換し、フ
ロントサスペンションを調整して再びコースへ戻ろうとしたところで、霧がまた深く
なり一時中断。このあたり雨はやや小降りとなってきたが、路面は相変わらずの状況。
 再開後、いきなり35秒台から入る。34秒台、33秒台とタイムアップしていき、
このあたりでは4~5番手の位置につけている。トップのタイムは1分31秒台で、
ベルタッジァも更にタイムを縮めようと周回を重ねる。しかしこのころから燃圧が上
がらないというトラブルが発生し、走行を終了した。結局10周目に出した1分33
秒889がベストタイムで、これは同グループ12番手のタイムであった。
★4月14日 第2回公式予選(Aグループ)14:45~15:15 天候:曇り
 その後雨は徐々に上がり、2回目の始まるころには路面もほぼドライとなっていた。
 しかし、引き続き空には重い雲がたれこめ、いつまた雨が降り出すかわからない状
況のなかでの予選である。ベルタッジァはQタイヤを履きさっそくコースイン。2周
のタイムアタックで1分19秒台を出し、タイヤ交換にピットに戻る。手早く作業を
終え、またアタックに入る。そして6周目に1分19秒705を叩き出す。再びピッ
トに入り、タイヤ交換。その後もアタックを続けたが、タイムアップはならず。結局
6周目のタイムがベスト、Aグループ9番手で予選を終えた。
▽エンリコ・ベルタッジァの談話
 「クルマの感じは悪くない。というよりバランスはとてもいいんです。精一杯攻め
ているし、スロットルも踏めるだけ踏んで、ブレーキも最大限使って走っているんで
す。だからタイムとポジションを見てびっくりしている状況です。もっとずっといい
と思っていたから。1回目のトラブルは2回目までに解決していたので、問題はなかっ
たです。4速で心待ちエンジンが吹けない感じはありましたが、特に問題はなかった
し。おそらくはセッティングがQタイヤに微妙に合わないところがあったんだと思い
ます。明日はエアロダイナミクス、スプリングをちょっと調整して臨みます。」
★4月15日 決勝レース 13:10スタート 4,470km×45周
 天候:曇り
 昨日から一転して、決勝当日の朝はほぼ快晴となった。我がフットワークローラは、
午前中のウォームアップ走行では、バランスもよく上々の仕上がりを見せていた。
 本番レースはほぼ予定通りのスケジュールで開始されることなった。レース開始の
少し前からまた空を雲が覆いはじめ、ほんの少しだが雨もパラつきかけている。やや
不安はあるが、なんとかドライのままもつよう祈りながらスタートを迎える。
 スタート直前にBグループのトップだった、ロス・チーバーのマシンにトラブルが
発生し、出走不可能となったため、急拠同じBグループのリザーブだった岩城こう一
がピットからスタートすることになった。スタートは松本恵二のクルマを除きほぼき
れいに行われた。ベルタッジァも順調にスタート。16番手でレースを開始した。最
初1分23秒台で始まり、10周、20周と周回を重ねるにつれ、徐々にラップを1
分22秒台、1分21秒台と上げていく。このあたり、先行車の脱落によりポジショ
ンも少しずつ上がっていく。天候はなんとかそのまま持ちそうである。ベルタッジァ
は30周前後から前を行くジョニー・ハーバートに接近、果敢に追い上げていく。ラッ
プも1分20秒台を出している。そして34周目ついに一旦捕らえたのだが、ストレー
トのスピードが劣るベルタッジァはすぐまた追い返されてしまう。その後も必死に追
い上げを計ろうとするが、終了近くになり油圧が下がりかけたため、大事を期しペー
スを落とすことなり、結局そのまま総合11位でチェッカーを受けたのであった。
 レースを制したのは第1戦と同じく星野一義であった。ポールポジションから飛び
出した彼は、徐々にリードを広げていき、終始堂々とした走りでチェッカーを受けた。
▽エンリコ・ベルタッジァの談話
 「今朝のウォームアップからちょっとストレートが遅かったので、リアウィングを
少しねかせて決勝に臨んだんです。それでもどうしてもストレートが遅くて、コーナー
でつめてもストレートで引き離されてしまうんです。最初はセッティングがいいのに、
周回を重ねるとややバランスが崩れてくるようなところもあるし。昨年型のマシンで、
若干シャシーがくたびれてきているというところがあるんだと思います。次回からは
新型が投入できますので期待していて下さい。」
   提供:フットワーク・レーシングチーム

全日本F3000

レイトンF3000情報:西日本タイヤテスト

     LEYTON HOUSE RACING TEAM
         プレス・インフォメーション
          F3000タイヤテスト
        1990年4月20日 金曜日
           西日本サーキット
 昨日とはうって変わって朝から強い雨が降っていた。関谷は9時から、ダナーは1
0時から走行時間が割りあてられており、それぞれオンタイムでスタート。
 関谷は積極的に雨の中を走り、ベストなウェットセッティングを探した。25周目、
関谷はスピンからフロントウイングを破損してしまうが、ダメージは少なく大事には
至らず、すぐ走行再開可能であった。
 ピットに入ってくるまでの数周、関谷は最終コーナーを抑え気味に走っていたが、
それでも1分14秒台を連発していた。同時期に他のドライバーが1分15~16秒
台で走っていることから、関谷のタイムはその状況下では最速であった。その後再び
スタートしていった関谷だったが、コンディションが悪すぎ、1周でピットに戻り様
子をみることにした。
 一方ダナーは10数周したのみで、悪状況から走行を中断。うらめしそうに空を見
上げるばかりであった。
 結局天候は回復しないまま、午前の走行を終えた。それにしても、赤旗中断が多い
午前のセッションだった。
 午前のセッションから午後へのインターバル中、雨は止みそのままコンディション
が好転するかと思われたが、また直前になって雨が降り始めた。
 当初関谷が1時から、ダナーが30分遅れて1時30分からというスケジュールが
ブリヂストンによって調整されていたが、この不安なコンディションか午後の走行を
キャンセルするチームが出たことにより、2台揃って出走することができた。
 いずれにしても、雨足は弱まろうとはせず、コンディションは悪くなる一方だった。
関谷は走り始め1分13秒台をマークし、トップに立ってから14周したが、タイム
は15秒台をコンスタントに出していた。ピットに戻ってきた関谷を含めチームでは
ウェットコンディションについてベースとなるものが発見できたと判断。タイヤメニュ
ーも全てこなしたこともあり、早々にテストを引き上げることにした。
 一方関谷の走行中、4周したのみでピットでウェイティングしていたダナーは、関
谷と入れ替わるようにピットアウトしていった。ダナーがコースに出た時の各ドライ
バーのタイムは1分15秒中盤から16秒ということろだった。そんな中でダナーは
15秒24をマークしてみせた。合計25周したところで、ピットに戻ってきたダナー
は、コンディションが悪くなるばかりとウェイティングに入ることにした。しかし、
関谷と同様天候回復は望めずテストを終えることを決断した。
●西日本F3000テスト タイムデータ 4月20日
  ドライバー  マシン/エンジン/タイヤ  午前       午後
-------------------------------------
 1 星野一義     L-T90/M/BS   1:12.07★ -------
 2 中谷明彦     L-T90/M/BS   1:13.15★ 1:15.12
 3 中子 修     L-T90/M/BS   1:13.46★ 1:14.21
 4 片山右京     L-T90/M/BS   1:13.49★ -------
 5 関谷正徳     LH90B/M/BS   1:13.53★ 1:13.80
 6 V.バイドラー  L-T90/M/BS   1:13.65★ 1:14.51
 7 和田孝夫     L-T89/M/YH   1:13.72★ -------
 8 J.ハーバート  R-90D/M/BS   1:13.95★ -------
 9 影山正彦     L-T89/M/BS   1:14.40★ 1:15.56
10 C.ダナー    LH90B/M/BS   1:14.85★ 1:15.24
11 M.S.サラ   L-T90/M/DL   1:17.30  1:14.98★
12 松本恵二     L-T89/M/DL   -------  1:15.10★
13 小河 等     L-T90/M/BS   1:15.25★ -------
14 M.マルティニ  L-T90/M/DL   1:21.40  1:15.28★
15 黒沢琢也     R-90D/M/BS   1:19.90  1:15.38★
16 高橋国光     L-T90/M/YH   1:16.34★ -------
17 鈴木利男     L-T89/M/BS   1:18.47  1:16.87★
18 金石勝智     L-T90/M/BS   1:18.76  1:16.88★
19 岡田秀樹     LH90B/C/DL   1:16.95★ 1:17.13
20 J.クロスノフ  L-T90/M/DL   1:18.45  1:17.00★
21 松田秀士     L-T89/C/YH      1:17.31★ -------
22 T.ダニエルソン L-T90/M/DL   1:17.97★ -------
23 長谷見昌弘    L-T90/M/DL   1:19.35★ -------
24 E.ベルッタジア L-T90/M/BS   1:19.44★ -------
25 太田哲也     ----------      1:23.95★ --------
注:★はベストタイム。 L:ローラ、LH:レイトンハウス、R:レイナード
            M:無限、C:コスワース、BS:ブリヂストン、DL:ダンロップ
            YH:ヨコハマ
   提供:レイトン・インターナショナル

全日本F3000

レイトンF3000情報:西日本タイヤテスト

【訂正版】先ほどアップしましたが、日付を間違っていましたので、訂正します。
   レイトンハウス・レーシングチーム・プレスインフォメーション
          F3000 タイヤテスト
         1990年4月19日 木曜日
            西日本サーキット
 快晴に恵まれた西日本サーキットで、今シーズン2回目のテストが行われた。ゴー
ルデンウィーク直後にレースが控えており、これが最後の西日本テストということも
あって今回は25台も参加した。そのため、ブリヂストン勢は出走時間を調整して、
混雑軽減を図った。
 前回のデータを元にまず関谷正徳がスタート。クリスチャン・ダナーはその30分
後からの時間が割り当てられており、9時30分にピットを後にした。
 関谷は3周目に1分01秒63をマークし、まずはトップに立つ。1回目のピット
インで関谷は「コーナー出口でアンダーステアが出ている」ことを報告。ダナーはは
じめの数周は各部の新品パーツをウォームアップさえるためにゆっくりとラップし、
徐々にタイムを上げていく。6周目に6番手タイムをマークしたところでピットに戻っ
てきた。ダナーも関谷同様、基本的にアンダーステアが強いとコメントした。
 30分に渡ってマシン調整を行って両者ピットアウト。関谷ははじめから1分00
秒台前半をマークし、セットアップの方向が正しかったことを証明。タイムロスになっ
ていた最終コーナーのバランスも良くなったものの、トータルとしては今ひとつで逆
にターンインでのアンダーステアが強くなってきたとの報告。これはフロントタイヤ
の消耗によるところが強いと判断し、フレッシュタイヤに交換。同時にタイヤ温度分
布からキャンバー角に多少の変更を加え、残りのセッションに臨んだ。
 11時、まずまずのフィーリングをつかんだ関谷の走行時間が終了。ダナーは12
時まで割り当てられていたが、アンダーステアの解決はいまだ出されていなかった状
態。フロント部の調整のためマシンはガレージに引き戻された。主にスプリング回り
を調整したが、フィーリングの向上をダナーは報告。残り時間が少なかったがさらに
マシンに手を加え、可能な限りレベルアップ。トップでセッションを終えることがで
きた。
 午後は1時30分よりスタート。各部調整作業のため、2台とも15分ほど経過し
てからピットを後にした。関谷はダナーが午前中に行ったように、ウォームアップす
べきパーツがあり数周を慣らしに費やす必要があった。ダナーは午前中より強くアン
ダーステアが発生してしまっていることを報告。インターバル中に行ったリセットアッ
プに微妙な誤差が出たと判断し、ガレージに急きょマシンを引き戻しアライメントを
含む再チェックとなった。チェック後、ダナーは午前中のスピードをほぼ取り戻し、
1分00秒40を2周目にマーク、2番手にたった。
 ピットに戻ってきたダナーは、「最初の数ラップはバランスに問題ないのだが、少
しするとアンダーが発生し、徐々にひどくなっていく」と報告したところで午後1回
目の割当時間を終了し、1時間のインターバルを取ることになった。
 関谷は続けて3時半まで走ることが許されていた。小刻みにピットイン/アウトを
繰り返していた関谷は、最終コーナーのバランスも良くなったところで、関谷のベス
トタイムは1分00秒56で7番手。その時点でフレッシュタイヤに交換した他、ガ
スを満タンにするなどして本格的なテストに入った。結局、関谷は計5回のピットイ
ンを含め、44周を消化したところで、本日の割り当て時間が終了した。
 今度はダナーの走行タイム。まずレースタイヤでマシンのバランスをチェックした
後、すぐに予選用タイヤを履くことになった。レースタイヤで走行したダナーは10
周ほど走り、コンスタントに1分00秒台前半をマークしてみせた。「少しオーバー
ステアが出始めた」ことから、フロント部に手を加えて予選用をトライ。1回目のト
ライで59秒03をマーク。順位は6番手。その後続けてのフライングラップに入っ
たが、前車につかえ、タイムアップならず。2セット目に履き換えてのトライは、5
9秒42止まりとなり、59秒03が本日のダナーのベストとなった。
 関谷もダナーがタイヤ交換している間に予選用タイヤをトライ。59秒29までタ
イムアップし、8番手で本日のテストを終了した。
 両ドライバーのコメントを総合すると、未だアンダーステアが消えておらず、タイ
ムロスをまねいている、その対策の方向性は今日の結果からある程度出ており、明日
のテストで早速試すことになった。
●西日本F3000テスト タイムデータ 4月19日
  ドライバー  マシン/エンジン/タイヤ  午前       午後
-------------------------------------
 1 J.ハーバート  R-90D/M/BS   1:00.33    58.07★
 2 和田孝夫     L-T89/M/YH   1:01.14    58.18★
 3 星野一義     L-T90/M/BS   1:00.20    58.25★
 4 長谷見昌弘    L-T90/M/DL   1:00.41    58.52★
 5 松本恵二     L-T89/M/DL   1:00.40    58.83★
 6 C.ダナー    LH90B/M/BS   1:00.16    59.03★
 7 片山右京     L-T90/M/BS   1:00.82    59.22★
 8 関谷正徳     LH90B/M/BS   1:00.40    59.29★
 9 R.チーバー   L-T90/M/DL   1:08.18    59.89★
10 T.ダニエルソン L-T90/M/DL   1:01.60  1:00.06★
11 黒沢琢也     R-90D/M/BS   1:01.38  1:00.07★
12 中谷明彦     L-T90/M/BS   1:01.78  1:00.26★
13 影山正彦     L-T89/M/BS   1:00.93  1:00.28★
14 中子 修     L-T90/M/BS   1:01.01  1:00.60★
15 小河 等     L-T90/M/BS   1:00.97  1:00.66★
16 M.マルティニ  L-T90/M/DL   1:01.05★ 1:01.83
17 J.クロスノフ  L-T90/M/DL   -------  1:01.23★
18 高橋国光     L-T90/M/YH   1:01.24★ 1:02.03
19 M.S.サラ   L-T90/M/DL   1:03.68  1:01.27★
20 E.ベルッタジア L-T90/M/BS   (計測できず)  1:01.39★
21 V.バイドラー  L-T90/M/BS   1:01.41★ 1:02.40
22 金石勝智     L-T90/M/BS   1:02.39  1:01.78★
23 松田秀士     L-T89/C/YH      1:01.92★ 1:02.20
24 岡田秀樹     LH90B/C/DL   1:03.10  1:02.43★?
25 鈴木利男     L-T89/M/BS   1:22.30  1:02.26★?
注:★はベストタイム。 L:ローラ、LH:レイトンハウス、R:レイナード
            M:無限、C:コスワース、BS:ブリヂストン、DL:ダンロップ
            YH:ヨコハマ
   提供:レイトン・インターナショナル

全日本F3000

レイトン富士F3000情報(決勝レース)

      全日本F3000選手権シリーズ第2戦
  CABIN日本インターナショナルフォーミュラ選手権レース
   1990年4月15日 日曜日 富士スピードウェイ
決勝レース
 8時40分からウォームアップはスタート。快晴までとはいかなかったが、雨の心
配はなさそうである。コースオープンとともにピットを後にした関谷、ダナー。昨晩
検討し決定したセッティングを確かめる最後のチャンスであった。
 まずは1分21秒台で走行を始めたダナーであったが、ピットインしてきた時に、
ギアボックスから異臭が出ているのを発見。破損の恐れがあったので走行を中止、パ
ドックにマシンを引き戻し点検することになった。ギアボックスを開けてみると、ベ
アリングに異常があることが判明、すぐに交換し大事に至らずに済んだ。
 一方、関谷はトラブルなく1分20秒台中盤で5、6番手を走行していた。その関
谷はセッション終盤に、Aコーナーでスピンしてしまい、その場でマシンを止めざる
を得なくなってしまった。セッション終了後、両ドライバーはともに「タイトコーナー
でのターンインで、非常に神経質なオーバーステア、100Rなどのハイースピード
コーナーでは強いアンダーステア。」と同じフィーリングをエンジニアに説明。その
オーバーステアのため関谷はスピンしてしまったのだ。
 セッション後、決勝レースに向けてのセッティングを決定するミーティングが開か
れ、マシンのセッティング向上を目指す。12時50分、7分間のウォームアップが
始まった。午前中に出ていた問題がほぼ解決されたとドライバーから報告があり、チー
ムでもその成果を確認した。13時、グリッドに各車整列、フォーメーションラップ
を1周。13時10分、いよいよ決勝レースがスタートした。
 6列目からスタートしたダナーは、絶妙なスタートを見せ、一気にポジションアッ
プの8番手に。関谷は順位こそドロップしなかったものの、スタート直後の渋滞の真
ん中にいた。そして、1周目のBコーナーの混乱で岡田と接触。リアのアームを曲げ
ピットに戻ってくるも、リタイヤとなってしまった。岡田もダメージを受けており、
その場でリタイヤ。レイトンハウス90Bは一度に2台がコース上から消えてしまっ
た。
 ダナーは8、9番手でラップを重ねていくが、上位に食い込めるほどのタイムを出
せないでいた。逆に後続に追い上げられながらも、必死に踏ん張るダナーであったが、
25周目、ゆっくりとピットに戻ってきた。ニュータイヤを用意して待っていたピッ
トクルーだが、ピットロードを走行中にすでにドラバーがシートベルトを外している
のを確認した。CVジョイントが破損しており、万事休す。ダナーもリタイヤとなっ
てしまった。
   提供:レイトン・インターナショナル

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