GTアソシエイション(GTA)は3月7日付けで「2014年 SUPER GTシリーズにおける2014年FIA-GT3車両技術規則の取り扱いについて」と題するブルテンを発行した。
これまでGT300クラスに参戦するFIA-GT3車両はFIAおよびブランパン耐久シリーズで設定されたBOP(性能調整)値をそのまま採用していたが、欧州と日本のレース形態の違いを考慮して、今後は「2014年国際モータースポーツ競技規則付則J項 第257A条 カップグランドツーリングカー(グループ GT3)に対する技術規定」を一部変更し、必要に応じてGTAがBOPを決定することになった。
その調整範囲は後部空力装置(リヤウィング)、最低重量、エアリストリクター径、燃料タンク容量、タイヤサイズ、車高など多岐に渡る。
更に昨シーズン中盤からJAF-GT車両に義務づけられた燃料給油装置への流量リストリクター装着も義務化された。
また、今回から2014年SpR第9条7. に従ったデータロガーシステムの装着が義務付けられ、ここから収集されたデータは GTA 及び主催者が自由に利用できることとなっている。
このデータを元にGTAはBOPを判断することになるものと思われる。
今回のブルテンでは「レース形態の違い」と記述しているが、おそらくは昨年特に予選での速さが目立ったJAF-GT車両との調整をFIA-GT3車両側でも行う必要があると判断されたと推測される。
昨シーズンは主にJAF-GT車両に対してリストリクター径の縮小や車高アップなどの措置がとられたが、それでも#61スバルBRZが5度のポールポジションを獲得するなど、結果的に調整が充分に機能したとは言い切れない状況があった。
スーパーGTはこのあと3月15-16日に岡山国際サーキット、3月23-24日に富士スピードウェイで合同テストを行い、4月5-6日に岡山国際サーキットで開幕戦を行う。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
毎年恒例の鈴鹿モータースポーツファン感謝デーが今年も3月1-2日の二日間、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、四輪、二輪のレーシングマシンを使った様々なアトラクションでスタンドに詰めかけたファンを魅了した。
特に今年はスーパーフォーミュラ、スーパーGT500クラスとも車両が一新され、例年以上に注目の集まる中、時折雨のちらつくやや残念な条件にもかかわらず土曜日19,000人、日曜日も19,000人のファンが詰めかけた。
四輪レースについてはホンダのF1参戦50周年と来年からの復帰を記念してコース上ではRA272のデモ走行、グランプリスクエアでは歴代マクラーレンホンダの展示が行われた他、恒例の星野vs中嶋のデモレースがSF13を使用して二日間に渡って行われ、土曜日は星野一義氏、日曜は中嶋悟氏が勝利した。
現役車両では前々日と前日に合同テストが行われ、早くもコースレコードを大幅に上回る速さを見せつけたGT500車両によるデモ走行や、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久の公開テストが両日の早朝に行われた。
スーパーフォーミュラのテストは土曜、日曜の両日ともあいにくのウェットコンディションで本来の速さを存分に発揮できたとは言い難いが、それでも軽量化されたことによる機敏な挙動やターボエンジンのパワフルなサウンドをコースの随所で見せてくれた。
また、11月に開催されるスーパーフォーミュラ最終戦にJAFグランプリのタイトルがかかることも1日に発表された他、日立オートモーティブシステムズによるネーミングライツでシケインの呼称が「日立オートモーティブシステムズシケイン」となることも明らかになった。
今シーズン、鈴鹿サーキットでは4月12-13日と11月8-9日にスーパーフォーミュラが、8月30-31日にスーパーGTが、そして10月25-26日にはスーパー耐久が初のフルコース開催となるWTCCとの併催で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
鈴鹿モータースポーツファン感謝デー二日目を迎えた3月2日、最初のイベントとしてスーパーフォーミュラの公開テストが行われた。
ウェット路面からセミウェットへと変わるコンディションの中、トップタイムを記録したのは#37中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)で、タイムは1'51.363だった。

昨日のシェイクダウンテストの頃から降り始めた雨は夜明け前にはやんでいたが、気温が低いこともあって路面はウェットのまま。
このため8時20分にコースオープンした頃にはまだ水しぶきを上げながらの走行となったが、次第に路面は乾いていき、それに合わせて各車ペースが上がっていく。
前日のシェイクダウンではコース上にストップすることの多かったトヨタ勢だったが、この日は#37中嶋一貴、#8ロイック・デュバル、#7平川亮らが序盤から好タイムを記録、開始23分で#37中嶋が1'54.940でトップに立つと、#8デュバルも38分過ぎに1'53.072でトップに。#7平川が1'53.606で2番手につける。
一方のホンダ勢は開始早々に#41武藤英紀が1'55.295でトップに立つと、ルーキーの#40野尻智紀が開始27分で#37中嶋に次ぐ2番手タイムを記録するなど、セッション前半はDOCOMO DANDELIONの活躍が目立った。
しかし野尻は42分過ぎに1'53.375を記録して再び2番手に食い込んだ直後に2コーナーでストップ。同じ頃逆バンクで#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラもストップしたために赤旗が提示され、テストは一旦中断となった。
走行再開後は#37中嶋が1'52.162を記録して再びトップに。その後も1'51.363までタイムを縮めてこのセッションをトップで終えた。
チェッカー提示直後に1'51.677を記録した#7平川が2番手につけ、#8デュバルが3番手。
4番手には#10塚越広大がつけ、これがホンダ勢の最上位となった。
ルーキーの#40野尻は結局8番手。#18中山雄一は車両のデリバリーが遅かったことも影響してか、僅か4周の走行に留まり、再開の19番手に終わった。
スーパーフォーミュラ合同テストはこのあと3月3-4日にも引き続き鈴鹿サーキットで実施される。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーフォーミュラのシェイクダウンテストが3月1日、鈴鹿サーキットで行われ、#3ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が1'54.109でトップタイムだった。
シャシー、エンジンとも一新されて例年以上に注目の集まる今季のスーパーフォーミュラ。
しかし富士スピードウェイで2月18-19日に予定されていた今年最初の合同テストは東日本全体を見舞った前代未聞の豪雪により残念ながらキャンセルとなり、ファン感謝デーの一環として午後4時10分より行われた今回の走行が実質的な初走行となった。
シェイクダウン開始直前から落ち始めた雨は走行に支障を来すほどの雨量ではなかったが、開始早々からトラブルでストップする車両が続出、その度に赤旗が提示され、セッションは中断を余儀なくされた。
ストップしたのは#62嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)、#8ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、#7平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、#36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)だ。
こうした中、今季KONDO RACINGに移籍してシリーズフル参戦を果たしたジェームス・ロシターがすぐさま1分54秒台のタイムを記録してトップに躍り出ると、久々に日本のトップフォーミュラに復帰した元F1ドライバー、クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤンが1'54.334で2番手につける。
しかしチェッカー直後に#41武藤英紀(DOCOMO DANDELION RACING)が1'54.245で割って入り、2番手でこのセッションを終えた。
この他、今季F3からステップアップしてきた#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION RACING)は1'56.353で10番手、#18中山雄一(KCMG)は2'11.584で14番手という結果に。
今季初参戦の元F1ドライバー、ヴィタントニオ・リウッツィは12番手だった。
明日2日は朝8時20分よりスーパーフォーミュラの合同テストが予定されている。
予報では雨とのことだが、開幕前の貴重なテストということもあり、各チームとも精力的に走行を行うことが期待される。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

モビリティランドは3月1日、モータースポーツファン感謝デーが開催されている鈴鹿サーキットで2014年度の活動内容を発表。その中で11月のスーパーフォーミュラ第7戦を「JAF鈴鹿グランプリ」として開催することを明らかにした。
これは1974年に「JAFグランプリ自動車レース」としてF2000を開催して以来13回目の鈴鹿グランプリで、1986年に全日本F2選手権を開催して以来28年ぶりとなる。 1986年の優勝者は現チームインパル監督の星野一義氏だった。
会見には日本自動車連盟(JAF)の小栗七生会長が出席、「F1に次ぐ長い歴史を誇る国内トップフォーミュラにJAFグランプリタイトルをかけることで日本のモータースポーツの振興を図りたい」と抱負を述べた。
第13回JAF鈴鹿グランプリは11月9日決勝。例年通り2ヒート制で行われる予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2014シーズン最初のスーパーGT合同テストが2月27-28日の二日間、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
GT500の車両規則が大幅に変わり、例年にもまして注目を集める2014シーズン。 最初の合同テストには#230NISMO開発車両を含むGT500クラス13台、GT300クラスの19台が参加。 #230号車は松田次生、ロニー・クインタレッリがドライブした。
テスト初日はあいにくの雨となり、大半のチームが午後の走行を早めに切り上げる状況に。 トップタイムを記録したのは#1LEXUS CERUMO RC F(立川祐路/平手晃平組)で2'00.726。以下#39DENSO SARD RC-F(石浦宏明/オリバー・ジャービス組)、#6ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資組)とレクサス勢がトップ3を独占した。 GT300クラスは#21Audi R8 LMS ultra(リチャード・ライアン/藤井 誠暢組)がトップだった。
しかし二日目は晴天に恵まれ、朝からドライコンディションでの走行となった。 午前中の走行では早くも2007年3月に#8ARTA NSXが記録したコースレコード、1'49.842を大幅に上回る1'48.606を#6ENEOS RC Fが記録すると、午後には#23MOTUL AUTECH GT-R(松田 次生/ロニー・クインタレッリ組)が1'47.794を叩き出し、2014規定のGT500車両の驚くべき速さを見せつけた。 一方、午前の走行で#32Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋 大祐/ベルトラン・バゲット組)がメカニカルトラブルから出火し、以降の走行を取りやめるアクシデントも発生、今後に課題を残す結果となっている。 一方、この日のGT300は#55ARTA CR-Z(高木 真一/小林 崇志組)で1'59.870とこちらもコースレコードを上回っている。
スーパーGT合同テストはこのあと岡山国際サーキットに舞台を移し、3月15-16日に実施される。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
モータースポーツバーミュルサンヌ(大阪市北区)では3月9日(日)に同店内にてモータースポーツジャーナリストの小倉茂徳さんを招いてトークショーを開催する。
会場となる「ミュルサンヌ」は二輪、四輪を問わず全てのモータースポーツを愛好家が時間を忘れて語り合える場所、をコンセプトに2012年の10月オープン。
店内には数々のモータースポーツ関連グッズや雑誌などが置かれ、大型モニターに映し出されたレース映像を眺めながらお酒を楽しむことが出来る。
国内レース関係者が来店することも少なくない。
勿論、オーナーの山口香さんも海外の耐久レースを観戦に行くほどの熱心なレースファンであり、店名もルマン24時間レースの開催されるフランスのサルテサーキットの名物コーナーに由来している。
そこで今回、F1開幕を直前に控えた3月9日、同店に小倉さんを迎えて昼夜二回のトークショーが開催されることになった。
同店の常連の一人でもあり、ホンダの第2期F1参戦にスタッフの一員として加わり、その後も国内外のビッグレースを取材されてきた小倉さんだけに、どんな話が飛び出すか、非常に興味深いイベントになることは間違いないだろう。
もしかしたら、テレビや雑誌では知ることの出来ないビックリ情報が飛び出すかも?
定員は各回15名の先着順で会費は4000円(フリードリンク付き)
詳細は下記のリンクを参照いただきたい。
小倉茂徳さんトークショーin大阪のお知らせ
Text:Kazuhisa SUEHIRO
株式会社GTアソシエイション(GTA)は12月16日付けのプレスリリースで2014年6月28-29日に予定されていた韓国大会の中止を発表した。
来シーズンは6月は韓国、10月はタイのブリーラムと海外でのシリーズ戦が2レース予定されていたが、韓国戦については「同大会を主催するウ・ミョン・ ホールディングスと協議の結果、諸般の事情により、開催を中止することを決定する」とのこと。
韓国でのスーパーGT開催は今年の5月にもヨンナムサーキットでエキジビョン戦が予定されていたが、同様の理由で無期限延期となっており、これで2年連続で開催が見送られたことになる。
韓国では他にも今年5月にインジェ・スピーディウムでスーパー耐久が変則的な競技形式で開催されたものの、8月に予定されていたスーパーフォーミュラ は中止になっており、4年連続でヨンナムで開催されたF1グランプリも来年は開催を見送られている。
GTAは「2015年の開催に向けて、継続して協力することで合意いたしました」としているが、開催サーキットを含め現時点で詳細は明らかになっていない。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
JAFグランプリ「富士スプリントカップ」GT500クラスの第2レースは、ポールシッターの#6大嶋和也(ENEOS SUSTINA SC430)が接戦ながら最後まで逃げ切り、最終戦もてぎに続いて2連勝を達成した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:金曜/8,100人 土曜/23,000人 日曜/39,000人 大会総入場者数/70,100人)
第2レース決勝は11月24日午後3時35分より22周で行われた。
やや慎重な動き出しながらトップで1コーナーに飛び込んだのはポールの#6大嶋。
予選3番手の#36中嶋一貴(ペトロナスSC430)が2番手で続き、もう一人のフロントロー#38平手晃平(ZENT SC430)は出遅れて5位に後退して#12J.P.デ.オリベイラ(カルソニックGT-R)、#100伊沢拓也(レイブリックHSC-010)らと激しい3位争いをレース序盤に展開した。
#38平手は後方から追い上げてきた#18フレデリック・マコヴィッキィの先行を許し、一時は6位に後退する場面もあったが、その後15周目のコカコーラコーナーでマコヴィッキィを抜き返し、17周目のダンロップコーナーでは#100伊沢をパスして4位でこのレースを終えた。
トップ2台はその後も0.9秒前後の間隔を保って周回を重ねていたが、レース後半になってペースの上がらなくなった#6大嶋に#36中嶋が急接近、14周終わりでは僅か0.3秒差にまで迫った。 しかし大嶋も巧みなライン取りで中嶋を抑え、立ち上がりスピードを稼ぐ走りで中嶋の追撃を振り切ろうとする。 その後も20周終了時点で0.7秒、21周終わりで0.6秒と僅差ながら中嶋は決め手を欠き、ファイナルラップの最終コーナーをアウト気味から進入して最後のストレート勝負に出たものの、わずか0.2秒及ばず、大嶋が最終戦もてぎに続いて今季2勝目を挙げた。 3位には#12ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ。
また、#17金石年弘がこのレースで6位に入り、5ポイントを加算したことにより、第1レース、第2レースの合計ポイントでは#17KEHIN HSV-010が25ポイントで最多となり、総合優勝を獲得した。
2013年のスーパーGTはこれで全日程を終了。 GT500クラスはDTMと同一規格のシャシーに2リッター直噴ターボの新エンジンを搭載と、全てがリニューアルされて開幕を迎えることになる。 2014年シーズンは4月6-7日に岡山国際サーキットで開幕する。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
JAFグランプリ「富士スプリントカップ2013」GT300クラスの第2レース決勝は、予選7番手からスタートした#2加藤寛規(エヴァ初号機RTアップルMP4-12C)が接戦を制し、今季初優勝を達成した。
第2レース決勝は11月24日午後2時5分より22周で行われた。
スタートで勢い良く飛び出したのはポールシッターの#3星野一樹(S Road NDDP GT-R)。1周目から一気に後続を突き放してトップでホームストレートに戻ってきたが、星野のスタートは誰の目にも明らかなジャンプスタートだったため、ドライブスルーペナルティが課せられてしまった。
これで#3星野は20位あたりまで後退。その後もファステストラップを叩き出すなどトップグループを上回るハイペースで懸命の追い上げを図ったが、7位でレースを終えることになった。
代わってトップに立ったのは#55高木真一(ARTA CRZ)。
しかし予選7番手からスタートで一気に3番手まで上がってきていた#2加藤が徐々に差を詰め、7周目の1コーナーで#55高木をかわしてトップに躍り出た。
続いて今回スポット参戦の#35ルーカス・オルドネス(ニスモアスリートGT-R)も8周目の1コーナーで#55高木を捉えて2位に浮上、一気にトップの#2加藤とのギャップを削り取ってテールに食らいつくが、昨日アレックス・バンカムにも生じたタイヤトラブルにより14周目にピットインを余儀なくされた。
これにより、#55高木が再び2位に浮上したが、その55号車を16周目にあっさり抜き去ったのが#11平中克幸(ゲイナーSLS)だった。
平中はオープニングラップで一旦7位まで後退したものの、ストレートスピードの速さを生かして5周目に#16中山友貴(無限CR-Z)をパス、つづいて数周に渡る激しいデッドヒートの末13周目の1コーナーで#4谷口信輝(初音ミクBMW)をアウトから抜き去って#55高木を追い上げていたのだ。
一時は3秒弱のギャップがあった#2加藤と#11平中だったが、ペースに勝る平中は着実に加藤との差を縮めていき、19周目にはテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込む。
しかしストレートの伸びではマクラーレンMP4-12の方が僅かに勝っており、#2加藤は最後まで#11平中の追撃を凌ぎ切って今季初優勝をものにした。
2位は#11平中。3位には19周目のセクター3で接戦の末#55高木をかわした#4谷口が入っている。
このあとGT500の第2レース決勝は午後3時35分より22周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
- GT500クラス優勝 #17塚越広大(KEHIN HSV-010)
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シーズン中は勝てそうで勝てないレースが多くて、もう2位は嫌だと思ってずっとレースしていて、やっとJAFグランプリで勝つことが出来て、本当に皆に感謝の気持ちで一杯です。
予選は朝いきなりのスタートでクルマのセットも出来ない状況で、自分としてはもう少しアジャスツィたかったんですけど、5番手だったら勝てるかなと。決勝のペースには自信があったので、あの辺にいられたことがとりあえずよかったのでしょうね。
決勝はタイヤが暖まってからはずっとペースがよかったので、最後まで手を抜かずにプッシュし続けました。おそらく他車は後半きついだろうと思っていたので、後半自分の手の届くところにトップがいれば必ず抜けるという自信はありました。
立川選手も小暮選手も手強くて、シーズンはずっと負けていたので、この2台にだけは絶対負けたくないと思っていました。立川さんは一旦抜いた時も抜き返されて、もう一度抜いた後もスピンしそうになりました。あそこで持ちこたえられたところが勝負の分かれ目だったと思います。
HSV-010最後のシーズンで、自分が最初から最後まで関わったこのクルマに恩返しできたかなと。
来年NSXになっても強いケーヒン号いられるように頑張ります。
若い時からお世話になった金石勝智さんのために勝ちたい、優勝をプレゼントしたいと思っていたので、それが出来て知らないうちに涙が出てしまいました。
- GT300クラス優勝 #3佐々木大樹(S Road NDDP GT-R)
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本当に今日勝てたことを嬉しく思いますし、シーズン中結果を残すことが出来なかったので、日産、ニスモさんを始め、応援して下さった皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです。
今日のレースは予選から速さを見せることが出来ました。GT-Rは富士と相性が良くて、その速さをしっかり見せつけることが出来ました。今までは決勝でポジションを落とすことが多かったんですが、逆に今日は自分がスタートで出遅れてしまって、そこは反せすべき点なんですけど、そこから追い上げることが出来て、後半まで良いペースで走ることが出来て、他車を抜いていくシーンを作れたことで、GT-Rはレースでも速いということが証明できました。
運に恵まれた面もありましたが、諦めないで最後までプッシュすることが出来たのが勝因だと思います。
シリーズで結果を出せず、ずっと星野一樹さんに教わったりサポートしていただきました。
スーパーGTは二人で勝利を勝ち取るレースなので、明日は一樹選手にも勝っていただいて喜びたいなという気持ちです。
来年何に乗れるかは決まっていませんが、精一杯頑張っていきます。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
JAFグランプリ「富士スプリントカップ2013」GT500クラスの第1レース決勝は、予選5番手からスタートした#17塚越広大(KEHIN HSV-010)が激しいドッグファイトの末トップに立ち、今季初勝利を挙げた。
第1レース決勝は午後3時35分より22周で行われた。
ホールショットを奪ったのは#38立川祐路(ZENT SC430)。 スタートで出遅れた後続に飲み込まれたポールシッターの#18山本尚貴(ウイダーHSV)の脇をすり抜けてトップで1コーナーへ。そのまま一気に差を広げにかかる。
2番手には#100小暮卓史(レイブリックHSV)、3番手には#36ジェームス・ロシター(ペトロナスSC430)がつけた。
一旦は4位まで後退した#18山本だったが、3周目の1コーナーで#36ロシターのインをついて3位に浮上すると、すぐさま#100小暮のテールに食らいついて何度もオーバーテイクを試みる。
しかしどうしても前に出ることが出来ないまま、残り周回数はどんどん減っていく。更にレースが後半に差し掛かるともう1台のHSVが#18山本の背後を脅かし始めた。
それが#17塚越だった。
#17塚越はオープニングラップで一旦は7位まで後退するものの、2周目のプリウスコーナーでアウトにはらんだお#23ロニー・クインタレッリ(モチュールGT-R)をかわして6位に浮上すると、4周目には#12松田次生(カルソニックGT-R)、8周目には#36ロシターをパスしてトップ3に一気に追いついてきた。
そして12周目の1コーナーでインを抑えにいった#18山本をクロスラインでかわして3位に浮上すると、そのまま#100小暮をも射程圏内におさめ、15周目のプリウスコーナーで#100小暮のインに飛び込んで2位に浮上する。
トップの#38立川もすぐ目の前だ。
スタートでトップに立って一時は3秒以上のマージンを築き上げた#38立川はレース後半に入ってペースが伸び悩み始め、2位争いを繰り広げていた#100小暮と#17塚越に追いつかれてしまっていたのだ。
猛然と#38立川を攻めたてる#17塚越。
16周目の最終コーナーで一旦はトップに立った#17塚越だったが、#38立川も負けじと次のストレートで抜き返す。コーナーでも懸命に#17塚越を押え込む#38立川。
しかし両者のコーナリングスピードの差は明らかで、#17塚越は17周目の第13コーナーで半ば強引にアウトから#38立川のアウトから被せてトップに立ち、そのまま22周を走り抜けて今季初、GT通算では2010年の第4戦SUGO以来の勝利をもぎ取った。
2位は#38立川、3位には#100小暮がつけた。
GT500クラスの第2レース決勝は明日の午後3時35分より、同じく22周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
JAFグランプリ「富士スプリントカップ2013」GT300クラスの第1レース決勝が11月23日、富士スピードウェイで行われ、ポールポジションの#3佐々木大樹(S Road NDDP GT-R)がスタートの失敗を見事に挽回してGT参戦以来初の勝利を挙げた。
決勝レースは午後2時5分スタート。
ポールの#3佐々木はスタートに失敗、一気に後続に飲み込まれてしまう。
代わってトップに立ったのは今回急遽スポット参戦の決まった#35アレックス・バンカム(ニスモアスリートGT-R)。バンカムは序盤から一気に逃げにかかり、着実に後続との差を広げていった。
一方、スタート失敗で1周目を7位で戻ってきた#3佐々木はそこからバンカムをも上回るハイペースで追い上げを開始、3周目には#48千代勝正(DIJON Racing IS GT-R)のすぐ後ろ、5位で戻ってきた。
コースの至る所で並びかけようとする佐々木の猛攻を巧みに押え込んでいた千代だったが、ペースに勝る佐々木は6周終わりのホームストレートで遂に千代を捉え、続く1コーナー千代の前に。
続いて10周目には#55小林崇志(ARTA CR-Z)を捉えて3位に浮上した。
しかしこの時点でトップの#35バンカムとは8.5秒。2位の#11ビヨン・ビルドハイム(ゲイナーSLS)とも4.7秒の差がついてしまっていた。
それでも#3佐々木はその後も上位陣を上回るペースで追い上げを続け、14周目には#11ビルドハイムを射程距離に捉えることに成功、16周目のホームストレートでこれを捉えて前に出た。
するとその直後、ぶっちぎり状態で快走を続けていた#35バンカムの左リヤタイヤがバースト、そのままピットインを余儀なくされた。
これでトップに立った佐々木は僅かにペースを落としながらもビルドハイムの追撃を退け、昨年の鈴鹿1000kmで第3ドライバー登録され、第6戦富士で決勝レースを走って以来初の勝利をこの特別戦でものにした。
2位は#11ビルドハイム、#55小林が3位に入った。
GT300の第2レース決勝は明日午後2時5分より同じく22周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
JAFグランプリ「富士スプリントカップ2013」のスーパーGT第2レースの公式予選は、昨年コースレコードを樹立した#6大嶋和也(ENEOS SUSTINA SC430)が自らこれを更新し、2年連続でポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#3星野一樹(S Road NDDP GT-R)がポール。3号車は第1レースに続いて2戦ともポールポジションからスタートすることになった。
これまで三日間で行っていた日程を二日間に詰め込んだ影響もあってか、第2レースの公式予選は第1レースの予選終了から僅か5分間のインターバルで開始された。
走行時間は同じく各20分間だ。
GT500クラスは開始10分で#6大嶋が1'31.110を記録してトップに立つ。
この時点での2番手は#17金石年弘(ケーヒンHSV)、#100伊沢拓也(レイブリックHSV)が3番手だ。
第1レース同様、ここでも各チーム残り7分余りで2セット目のタイヤを投入、ここから熾烈なトップ争いが繰り広げられた。
最初に1分30秒台に入ったのは#38平手晃平(ZENT SC430)で1'30.795、続いて#36中嶋一貴(ペトロナスSC430)が1'30.860、#23柳田真孝(モチュールGT-R)が1'30.874で続くが、チェッカー提示直後に#6大嶋が再びタイムを上げ、1'30.701を叩き出した。
これは昨年の富士スプリントカップで大嶋自身が記録した1'30.730のレコードを上回るものだ。
結局このレースは上位3台をレクサス勢が占める結果となった。
GT300クラスは、やはり3号車が飛び抜けた速さを見せ、星野が1セット目の走行で早くも1'36.984と更新されたばかりのレコードを更に上回ってみせると、2セット目の走行で1736.736と更にタイムを縮めて2レース連続でのポールポジションを獲得してみせた。
続いて2番手につけたのは#55高木真一(ARTA CR-Z)。シリーズ最終戦の勝者#11平中克幸(ゲイナーSLS)が3番手につける。
一方、スポット参戦ながらアレックス・バンカムがいきなり3番手につけた#35ニスモGT-Rは、ルーカス・オルドネスが四輪脱輪でベストタイム抹消のペナルティを受けたが、それでもセカンドベストで1'37.804を記録して5番手に踏みとどまった。
第2レース決勝は明日の午後2時5分よりGT300クラスが、午後3時35分よりGT500クラスが22周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
JAFグランプリ「富士スプリントカップ2013」のスーパーGTレース1の公式予選が11月23日、富士スピードウェイで行われた。 ポールポジションを獲得したのはGT500クラスが#18山本尚貴(ウイダーモデューロHSV-010)、GT300クラスは#3佐々木大樹(S Road NDDP GT-R)だった。
昨年までの富士スプリントカップでは金曜日に行われていたスーパーGTの公式予選は今年から土曜日の朝実施されることになり、午前8時5分より各クラス20分間でタイムアタックを開始した。 この日の富士スピードウェイは雲一つない快晴。 朝方は霜が降りていたコース上も日が高くなるにつれて気温、路面温度とも上昇し、両クラスともコースレコードを上回る好タイムが次々と記録された。
GT500クラスは各チーム前半と後半でタイヤを2セット投入。 1セット目で早くも#23ロニー・クインタレッリ(モチュールGT-R)が1'31.793を記録すると、2セット目の走行では#12松田次生(カルソニックGT-R)が1'31.741を記録。これを#100小暮卓史(レイブリックHSV)、#38立川祐路(ZENT SC430)、#36ジェームス・ロシター(ペトロナスSC430)らが次々に上回り、最後の最後に#18山本が1'30.835と昨年記録されたコースレコード(1'30.730)に迫る好タイムを叩き出してポールポジションを獲得した。
GT300クラスもまた好タイムが相次ぎ、終わってみれば上位5台が従来のコースレコード(1'37.610)を上回る結果に。 最初にレコードタイムを打ち破ったのはなんと#35アレックス・バンカム(ニスモGT-R)だった。 この35号車は今年から日産およびニスモが実施している「ニスモグローバルドライバーエクスチェンジプログラム」の一環として今回スポット参戦してきた車両。 イギリス出身のアレックス・バンカムはその対象者として今回初めて日本のスーパーGTに参戦している。 それでも残り時間が少なくなるにつれてレギュラー参戦組も次第にタイムを上げていき、最終的にバンカムは3番手に落ち着いた。 ポールポジションは#3佐々木大樹が獲得、2番手には最終戦もてぎ優勝の#11ビヨン・ビルドハイム(ゲイナーSLS)がつけている。
第1レース決勝はこのあと午後2時5分よりGT300クラス、午後3時35分よりGT500クラスがそれぞれ22周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レース2は、予選5番手からスタートした#1中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が今季2勝目を挙げた。
また、ポールポジションの#16山本尚貴(TEAM無限)は3位に入って獲得ポイントで#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)に並び、規定により2013ドライバーズチャンピオンを獲得した。
(天候:曇り>雨 コース:セミウェット>ドライ>ウェット)
決勝レース2は午後」2時30分より28周で行われた。
朝からコースを濡らしていた雨はスタート前には止んでいたが、路面には濡れた場所がまだ残っており、グリッド上でのタイヤチョイスはウェット15台、スリック4台という具合に分かれた。
ここでスリックタイヤを選択したのは#2ジェームス・ロシター(トムス)、#7平川亮(チームルマン)、#38平手晃平(セルモインギング)、#39国本雄資(セルモインギング)だ。
スタートでトップに立ったのはポールの山本。
#32小暮卓史(ナカジマレーシング)と並走状態で1コーナーに飛び込み、あわや接触という場面もあったが、ギリギリでかわしてポジションをキープした。
3番手には中嶋一貴がつけたが、惜しくもスプーンでコースオフしてしまい、#19J.P.オリベイラ(インパル)の先行を許してしまった。
その後中嶋一貴、オリベイラの2台は揃って1周終わりでピットイン。早々とスリックタイヤに履き替えてコースに戻っていった。
続いて2周終わりでトップの山本がスリックに履き替えたが、1周早くピットインした2台を冷えたタイヤで押え込むことが出来ず、1-2コーナーで立て続けに抜かれてしまった。
これにより、ウェットタイヤ勢が一通り作業を終えた時点での順位はロシター、平川、平手、国本、オリベイラ、中嶋一貴、山本の順となった。
大会特別規則によりタイヤ交換が義務づけられていることを考慮すれば、この時点での山本の順位は実質3番手ということになる。
その後、ロシター、平川はレース中盤までにタイヤ交換を済ませたが、再び雨が降ってくる可能性を考慮したか、セルモインギングの2台はレース終盤までピットストップを引き延ばす作戦に出た。
結局平手は20周目、国本は27周目にスリックタイヤに交換することになり、19秒もの作業時間を要した平手は10位に後退。国本は7位でレースを終えることになった。
その後方ではオリベイラ、中嶋一貴の2台が徐々に山本を引き離していく。それでも3位でフィニッシュすれば山本はロッテラーにポイントで追いつくことが出来る。
一時はこのままセルモインギングの2台のピットインを待ってオリベイラがトップでチェッカーを受けるかに思われたが、23周目に突然オリベイラがミッショントラブルにより失速。トップの座を中嶋一貴に明け渡してしまった。
中嶋一貴はそのまま逃げ切って第4戦もてぎ以来の今季2勝目を獲得。
後退したオリベイラは27周目にデグナーでクラッシュしてレースを終えた。
これで2位に繰り上がった山本だったが、終盤再び降り始めた雨に足下をすくわれ、シケインへの飛び込みで姿勢を乱してオーバーラン、立ち上がりでもハーフスピン状態となって小暮の先行を許してしまった。
続くファイナルラップの1コーナーで小暮を抜き返しにいった山本だったが、なんとここでもコースを飛び出し、後方からファステストラップを立て続けに更新するハイペースで周回を重ねていた平川に追いつかれてしまった。
雨で滑る路面の中、スリックタイヤで懸命にコースに留まろうとする山本。好きあらばと並びかけてくる平川。
2台はヘアピンやスプーンで接触ギリギリのバトルを展開しながらテール・トゥ・ノーズ状態で最終コーナーを駆け降りてきたが、わずか0.538秒差で山本が逃げ切り、3位表彰台を獲得した。
これにより山本のシリーズポイントは37となってロッテラーと並んだが、全日本スーパーフォーミュラ統一規則第41条1)項の規定により、1大会辺り最大のポイントを獲得した山本(PP2回、優勝、3位で合計13ポイント)が2013年度のドライバーズチャンピオンを獲得した。
また、今回もスポット参戦していたインディカードライバーの#15佐藤琢磨(TEAM無限)は9位でチェッカーを受けたが、8位の国本が自動計測装置取り付け義務違反により1周減算となったため、繰り上げで8位入賞となり、0.5ポイントを獲得した。
国本車はレース1でのクラッシュで計測装置の取り付けられたパーツを破損したが、これを交換する際計測器の移しかえがなされていなかったとのことだ。
なお、このレースを以てスウィフト製のSF13シャシーと3.4リッターV8エンジンでのシリーズ戦は終了。
富士スピードウェイでの特別戦「富士スプリントカップ」開催を経て、来シーズンからはダラーラ製のSF14シャシーに2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載した車両が使用されることになる。
レース2の終了後にはこのSF14車両によるデモンストレーションランが行われ、サーキットに詰めかけた観客の前で野太いターボサウンドを響かせてコースを疾走してみせた。
富士スプリントカップは11月22-24日、富士スピードウェイで開催される。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2013全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レース1が11月10日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#16山本尚貴(TEAM無限)がトップフォーミュラ初優勝を達成。シリーズチャンピオン獲得に向けて大きく前進した。
(天候:雨 コース:ウェット)
朝一番に行われたFCJがスタートディレイになった影響で、レース1は当初予定より10分遅れの午前10時30分より20周で行われた。
スタート直後の1コーナーで多重クラッシュが発生し、#1中嶋一貴(ペトロナスチームトムス)、#8アンドレア・カルダレッリ(チームルマン)、#10塚越広大(HPリアルレーシング)、#39国本雄資(セルモインギング)の4台が一気に姿を消す中、ホールショットを決めたのはポールの山本。
そのまま一気に後続を引き離しにかかった山本だったが、1周目のシケインへのブレーキングで姿勢を乱してコースをはみ出し、#32小暮卓史(ナカジマレーシング)の先行を許してしまう。
しかし小暮は2周目の西コースに差し掛かったところで突如エンジントラブルに見舞われてピットインを余儀なくされ、そのままガレージに入ってしまった。
これにより再びトップに立った山本は2位の#31中嶋大祐との差を着実に広げながら周回を重ねる。
規定周回数の半分となる10周を終えた時点でその差は7.9秒となった。
その中嶋も3位の#19J.P.オリベイラとの差を少しずつ広げて山本の逆転チャンプ獲得をアシストする。
その後方では、予選13番手からスタートした#7平川亮(チームルマン)がトップグループをも上回るハイペースで追い上げを図り、#40伊沢拓也(DOCOMOダンデライアン)を猛然と攻めたてた末に12周目に抜き去り、6位に浮上すると、その後は1分54秒台を連発、17周目にはファステストラップとなる1'54.078を叩き出しながら5位の#38平手晃平(セルモインギング)とのギャップを凄まじいペースで削り取っていった。
一時は5秒以上あったその差は結局20周を終えた時点で0.6秒にまで縮まったが、平手も最後までつけいる隙を与えずに5位でフィニッシュ。平川は6位に終わった。
一方、トップの山本はレース後半になっても一向にペースを緩めず、最後は中嶋大祐に8.6秒の大差をつけて20周のレースを走り切り、自身初のトップフォーミュラ優勝をものにしてシリーズポイントを34に伸ばした。
これによりWEC上海ラウンド参戦のため今大会を欠場した#2アンドレ・ロッテラーとの差を3ポイントと、完全に射程圏内におさめた。
もし午後のレース2で山本が2位以上に入れば、逆転で2013年のシリーズチャンピオン獲得が可能になる。
レース2決勝は今日の午後2時30分より、28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
日本レースプロモーション(JRP)は11月9日、スーパーフォーミュラ最終戦の開催されている三重県の鈴鹿サーキットで恒例のサタデーミーティングを開催した。
今回は2部構成になっており、第1部にはチーム無限の山本尚貴選手が一人で出席し、最終戦にかける意気込みや7-8日の二日間行われた新型車両SF14の印象などを語った。
- 山本尚貴のコメント
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「今朝はいつも通り持ち込みの状態からフリー走行でクルマの確認を行いました。最後に黄旗が出てアタックが出来なかったチームもありましたが、僕は早めにアタックしてニュータイヤを確認が出来たのでトップタイムを記録できました。でもまだまだ他のチームもタイムを上げてくると思いますので、油断は出来ないなと。余裕はないと思います。ただ、ここまではいい流れで進められました。
明日は朝から雨が降るようなことがあれば、皆初めて走るわけで、皆不安持ってるのは確かだと思います。ただぼくらは今年からエンジニアが変わって、雨セットが良くなりました。それでオートポリスで非常にいいパフォーマンスを発揮できて、それを知っているので雨でも自信はあります。
ホンダさんは全車にいいものを配っていると思いますし、ホンダの中で常に上位にいることで最終戦を迎えた時点で唯一チャンピオンの権利があるのは僕だけになりましたので、特に期待をしてもらっているというのは強く感じますし、それに応えたいと思っています。
勿論全車がライバルですし、昨日のドライバーズブリーフィングでは『お前だけにチャンピオンの権利があるから援護してやるよ』と全員に言われたんですけど(笑)その言葉を一切期待しないで走ろうと思います。
(SF14のテストについて)今まで先輩ドライバーの皆さんがコメントされていたとおり、非常にクイックに動くと同時に、コントロール性が上がっているので、攻めにいった時に起きた挙動に対して凄く反応しやすいというか、反応した分クルマがちゃんと応えてくれて、非常に楽しいクルマだなと。エンジンもターボに乗るのは初めてですが、非常に楽しかったです。ターボが入った時のパワー感とかトルク感が非常に気持ちよかったです。
これまで色んなトラブルやアクシデントを乗り越えてきた中で、僕は本当にトラブルフリーで周回を重ねることが出来たので、開発陣や伊沢選手を一先輩が作り上げたものに乗らせてもらったということで、非常に恵まれていたと思いますし、その結果が今朝のフリー走行に繋がってるかなと思います。
最初は凄くビビってました。ダラーラとスウィフトではあまりに違いすぎるので。伊沢選手から『スウィフトからダラーラの乗り換えは大丈夫だけど、ダラーラからスウィフトはヤバいよ』と聞いていましたから。
ブレーキもスチールとカーボンではフィーリングが違いますがそれはすぐなれることができました」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
今シーズンを以てスーパーGTを勇退することを明らかにした#61SUBARU BRZ R&D SPORTの山野哲也選手は11月3日、スーパーGT最終戦の開催されているツインリンクもてぎで記者会見を開き、この決断に至った経緯と今後の抱負について語った。
会見にはスバルテクニカインターナショナル(STi)総監督の辰巳英治氏も同席。
2007年から7シーズンに渡ってスバルのレース活動を支えてきた山野選手の功績を讃えた。
山野哲也のコメント
「このもてぎ戦を最後に、スバルのファーストシートを去ることを決断しました。
振り返ればスーパーGTには1999年RE雨宮レーシングでデビューしまして、そこから2006年迄が山野哲也の中での前期といえるシーズンですね。その前期の中でチャンピオンを3年連続で、しかも全て異なるチームでというまだ誰も達成していないリザルトを残すことが出来たことに凄く自信と誇りを持っています。
その直後に、スバルがどん底だった時期がありまして、そのスバルをどうしても勝たせたい、もしスバルを勝たせることが出来れば本物のレーシングドライバーになれる、という思いで雨宮さんにごめんなさいをして、そこからクスコに飛び込みました。2007年から2013年迄の7年間、ずっとスバルに居続けて、乗り続けてきた時間の中でインプレッサ、レガシイB4、そしてBRZ、この3車種で5勝を挙げることが出来た。チームもスバルも本当に頑張ってくれて、スバルが活躍できる土壌を作れたことを誇りに思っています。
今年特にスバルBRZが進化しました。昨年このまま終わるわけにはいかないと思っていましたが、今年は皆さんご存知のとおり5回もポールポジションを獲ったし、鈴鹿でも優勝で来ました。鈴鹿では自分自身でコースレコードを更新することが出来て、これがまあ今回の(決断の)一つのきっかけになったかなと思っています。
自分のスポーツ選手として、レーシングドライバーとしての、速さを持ったまま次のステージにそろそろ早めに進むべきじゃないのかな、と思ったのがきっかけです。
今度シリーズチャンピオンを争う時は後輩たちに頑張ってもらおうと思いました。
そうは言ってもこれからもレーシングドライバーとして様々なカテゴリー、この前チャレンジしたラリーとか、海外レースなども含めて色んな選択肢でモータースポーツにチャレンジしたいですし、今迄ずっとやりたかった市販車の開発、自分の夢でもある世界で認められる市販車の開発もやっていけたらと思います。その一方で自分の得意とする車両開発もしくはお客様のドライビングアドバイザー、或いはモータージャーナリストとして色んな部分で活躍していけたらなあと思っています。
これ迄のキャリアを一言で言うと『達成感』です。
前期でチャンピオンを沢山獲って、後期でスバルに在籍して沢山の優勝をすることが出来た。そういう思いが今回の決断に繋がり、STiさんと相談して、最終戦の前に発表をしたいという許可を貰いました」
辰巳監督のコメント
「山野選手には7年間在籍していただきましたが、私は昨年から携わり始めたのでGTに関しては素人です。
今迄スバルにはレースをやるというイメージがありませんでした。勿論ラリーでは活躍してきたし、GTでもクスコさんがやってこられたのは知っていましたが。
それが山野さんに乗ってもらってからインプレッサ、B4、そしてBRZと全ての車種を勝たせている。すごいなと思いますし、ここまでクルマを育てていただいた功績は大きいです。
それにGTの世界で、山野さんのようなドライバーがファンを呼び込んでくれる。レースファンだけでなくクルマファンがサーキットに集まってきてくれる。この功績も大きいと思います。その中でスバルを辞めてどっかへ行く、というのであれば僕も反対するんですけど、後進に道を譲って、勇退という形で自分はアドバイザーとして残っていただける、という話でしたので、それは山野さん的に凄くカッコいい辞め方だなと思いました。本当にありがとうございました」
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2013オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝レースが11月3日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#6ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也/国本雄資組)が終始レースをリードし、1年ぶりの勝利をものにした。
なおシリーズチャンピオンは、このレースを3位でフィニッシュした#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が獲得した。
GT300クラスは予選2番手からスタートした#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が2位以下に大差を付け、開幕戦岡山以来今季2勝目。#16無限CR-Zはこのレースを2位でフィニッシュし、ハイブリッドカーで初のシリーズチャンピオンを獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選14,500人/決勝30,000人 二日間合計44,500人)
第8戦決勝は午後1時30分より53周で行われた。
ポールポジションの#6エネオスSC(大嶋)がホールショットを奪い、序盤からトップを快走する。
その後方では2位スタートの#17ケーヒンHSV(金石年弘)を4周目のS字で#38ZENT SC(平手)がパス、シリーズタイトル獲得に向けて好位置をキープして周回を重ねていく。
3位に後退した#17金石はその後も#23モチュールGT-R(ロニー・クインタレッリ)の猛攻を受けるが、なんとかポジションをキープして19周終わりでピットイン、塚越広大に後半を託した。
更にその後方では#39デンソーSCの脇阪寿一、#100レイブリックHSVの伊沢拓也、#12カルソニックGT-Rの松田次生らが激しいドッグファイトを展開、7周目の3コーナーで並走状態となった#39脇阪と#100伊沢を#12松田が5コーナーで一気にインから抜き去り5位に浮上、#100伊沢も12周目の3コーナーでやや強引に#39脇阪をかわし、6位に。
更にその後方から#36ペトロナスSCのジェームス・ロシターも脇阪の背後を脅かし始める。
ロシターは予選13番手から着実に順位を上げ、遂に16周目の1コーナーで脇阪のインをついて7位、続く17周目の2コーナーでアウトに膨らんだ#12カルソニックGT-Rを見逃さずにパスして6位に浮上した。
これで一時は潰えたかに見えた36号車のタイトル獲得の可能性も徐々に高まってきた。
2位以下の集団は規定周回数の3分の1が過ぎた19周目辺りから相次いでピットイン。
給油とドライバー交替を済ませてコースに戻っていく。
トップの6号車は24周目に大嶋から国本に交代、トップのままでコースに復帰した。
この時点での順位は#6エネオスSC、#38ZENT SC、#17ケーヒンHSVの順。
このままの順位でフィニッシュすれば#38セルモの8年ぶりの王座獲得が決まる。しかし38周目の1コーナーで#17塚越が38立川のインをついて2位に浮上、そのまま1周2秒近いペースで#6国本とのギャップを削り取り始めた。
もし塚越が国本を捉えれば、或いは立川がもう一つ順位を落とせば17号車に逆転チャンピオンの望みが出てきた。
しかし38号車の後方を走るのは#39デンソー、#36ペトロナスのレクサス勢。
スタートから39号車とバトルを展開していた12号車、23号車はその後方、100号車はタイヤ交換のため予定外のピットストップを行って下位に沈んでしまっていた。
#39石浦宏明はそのままポジションキープで立川の後ろを走行するが、自身が2位に上がれば逆転チャンピオンの可能性もある#36中嶋一貴は時折石浦に仕掛けるそぶりを見せる。
しかしこの3台の順位は変わらぬまま、残り周回数は徐々に減っていき、2位#17ケーヒンHSVとの差も15秒以上に開いてしまった。
また、2位#17塚越も#6国本との差を思うように詰められないまま、53周目のチェッカーを受けることに。
これにより#6エネオスSCは昨年7月の第4戦SUGO以来、1年3ヶ月ぶりの勝利を獲得。これは今季チームルマンに移籍した国本にとってはGT500初優勝となった。
また#17ケーヒンHSVが2位、#38ZENT SCが3位に終わったことで、GT500クラスのドライバーズチャンピオンは立川/平手組が獲得することとなった。
レクサスにとっては2009年のペトロナスSC(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー組)以来、チームセルモにとっては2005年の立川/高木虎之介組以来のタイトル獲得だ。
同じくタイトル決定を最終戦迄持ち越したGT300クラスも、コースの各所で激しいバトルが展開された。
ホールショットを奪ったのは今季5度目のポールポジションからスタートした#61スバルBRZ。
今シーズンを持ってスーパーGTを勇退することを明らかにした山野哲也がソフトタイヤで逃げる作戦を採ったが、ストレートスピードに勝るFIA-GT3勢の1台、#11ゲイナーSLSを駆る平中克幸は5周目のダウンヒルストレートで悠々と61号車を抜き去り、一気に差を広げにかかった。
この状況で#11平中/ビルドハイム組がチャンピオンを獲得するには#16無限CR-Zが4位以下でフィニッシュしなければならない。その#16CR-Zは武藤が予選3番手からスタートして早くも10周目に#61BRZの山野を捉え、2位に浮上してきた。
懸命にリードを広げる11号車だったが、#16CR-Zも2位の座を明け渡すこと無く最後まで走り切り、シリーズ戦無勝(エキジビジョンイベントのAsLMSでは優勝)ながら全戦でポイントを獲得する安定の速さで2013年ドライバーズチャンピオンを獲得した。
チーム無限にとっては2004年NSXの山野哲也/八木宏之組以来のタイトルとなった。
2013年のスーパーGTはこれでシリーズ全戦を終了。
あとは11月22-24日開催の特別戦「富士スプリントカップ」を残すのみとなった。
なおGT500クラスはこの特別戦を以て2009年規定の車両での戦いを終了。
来季はいよいよITRとの共通規定のシャシーに2リッター直噴ターボエンジンを搭載した新しい車両を登場させる。
2014シーズンは4月6-7日、岡山国際サーキットで開幕する
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
間もなく最終戦を迎える2013年シーズンのスーパーGT。
各クラスのドライバーズチャンピオンを獲得するための条件を下記にまとめた。

ツインリンクもてぎで行われているスーパーGT第8戦の決勝前フリー走行は、#19ウェッズスポーツADVAN SC430(荒聖治/アンドレ・クート組)が1'43.681でトップタイムを記録。
GT300クラスはポールシッターの#61SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)がトップだった。
決勝日を迎えた11月3日のツインリンクもてぎは晴天に恵まれたが、昨夜の雨の影響からか、フリー走行開始時刻の午前8時50分にはコース上を霧が覆い尽くす状態となった。
それでも30分間のセッションは大きなアクシデントも無く順調に進行、各車決勝レースへ向けて充分な走り込みを行うことが出来たようだ。
このセッションで序盤から速さを見せたのがヨコハマタイヤを履く#19ウェッズスポーツ。
開始早々に1'43.681を叩き出し、その後も順調に1分45秒台で周回を重ねた。
ポイントリーダーの#38ZENT SC(立川祐路/平手晃平組)は1'44.023で4位。今回久々にポールポジションを獲得した#6エネオスSC(大嶋和也/国本雄資組)も終盤タイムを上げ、1'44.105の5位で走行を終えた。
GT300クラスはポールポジションの#61スバルBRZがここでも速さを見せ、1'50.386でトップ。
ランキング3位の#52オキナワSLS(竹内浩典/土屋武士組)が2番手につけ、ポイントリーダーの#16無限CR-Z(武藤英紀/中山友貴組)は7番手だった。
第8戦決勝はこのあと午後1時30分より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2013オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の公式予選が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#6ENEOS SUSTINA SC430(大嶋和也/国本雄資組)が今季初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは今シーズン限りでスーパーGT勇退を発表した山野哲也の乗る#61SUBARU BRZ R&D SPORT(山野哲也/佐々木孝太組)が今季5度目のポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
予選Q1
GT500クラスは例によって全チームがすぐにはコースインせず、セッション後半に一気にアタックをかける作戦を採る。
残り10分を切ったところで動いたのは#1RETOモーラGT-Rを駆る関口雄飛。
その他のドライバーは残り時間7分余りで一斉にコースへ。
コースコンディションはドライだが、上空を覆い尽くす厚い雲の影響もあり、気温、路面温度はこれまでにない低さで、どのドライバーもタイヤのウォームアップに苦心する状況だ。
そのため、最初にアタックした#1関口は中々タイムを上げることが出来ず、1'42.364を出すに留まり、惜しくもQ2進出を逃してしまった。
一方、#12カルソニックGT-RのJ.P.オリベイラ、#37KeePer SCの伊藤大輔、#39デンソーサードSCの脇阪寿一らは2周目から1分42秒台前半の好タイムを連発、そこに#100レイブリックHSVの小暮卓史、#23モチュールGT-Rの柳田真孝が終了直前に相次いで1分41秒台のタイムを叩き出して、2位、1位に飛び込んできた。
ここまでランキングトップの#38ZENT SCも平手晃平が3番手タイムを記録してQ2進出を果たす。
一方、ここでランキング2位の#36ペトロナスSC、同3位の#18ウイダーモデューロHSVは揃ってまさかのQ1落ちという結果に。
18号車は予選10位、36号車は13位からスタートすることになり、チャンピオン獲得が難しくなってきた。
GT300クラスは開始早々に#55ARTA CR-Zがヘアピンでスピン、コース上にストップしたため赤旗中断となる波乱の幕開け。55号車は自走でピットに戻ってきたが、規定によりタイム抹消となり、予選落ちとなってしまった。
セッションは14時10分に再開。
ここで熾烈なタイムアタック合戦を演じたのが#16無限CR-Z(中山友貴)、#11ゲイナーSLS(ビヨン・ビルドハイム)、#61スバルBRZ(山野哲也)のランキング上位勢。ここでは#16無限、#11ゲイナー、#61スバルの順となった。
また#4初音ミクBMW(片岡龍也)も終盤10番手に割って入り、なんとかQ2進出を果たした。
予選Q2
続いて行われた予選Q2はGT500が上位8台、GT300は上位13台によって戦われた。
GT500クラスは残り時間10分からコースインが始まり、#6エネオスSCを駆る大嶋が最初のアタックでいきなり1'41.367とQ1のトップタイムを上回ってきた。
他のドライバーもセクター1、セクター2でベストタイムを更新しながらアタックを重ねたが、この大嶋のタイムを上回ることが出来ず、大嶋和也は2010年5月の富士400km以来、3年6ヶ月ぶりのポールポジションを獲得した。
予選2番手にはシリーズランキング4位の#17ケーヒンHSV(塚越広大)がつけ、ポイントリーダーの#38ZENT SC(立川祐路)は予選4番手に終わり、チャンピオン争いの行方は全く判らない状況になってきた。
GT300クラスは、まず平中克幸の駆る#11ゲイナーSLSが1'48.354と従来のコースレコードを上回る好タイムを叩き出したが、すぐに佐々木孝太の駆る#61スバルBRZが1'48.264と平中のタイムを更に上回り、今季5度目のポールポジションを獲得。
ポイントリーダーの#16無限CR-Z(武藤英紀)もコースレコードを更新するタイムを記録したものの、上記2第二は僅かに及ばず3番手に。ポイント差では頭一つ抜け出した缶のある16号車だが、61号車、11号車がフロントロースタートとなったことで逆転の可能性も少なくはなくなった。
一方ランキング2位の#4初音ミクBMWは谷口信輝の健闘も実らず7番手に終わり、厳しい状況からのスタートとなっている。
第8戦決勝は明日午後1時30分より53周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2013スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」が11月2日、栃木県のツインリンクもてぎで開幕。
公式練習では#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が1'41.887を記録してGT500クラスのトップに。
GT300クラスは#11GAINER DIXCEL SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が1'49.264でトップだった。
スーパーGTの2013シーズンもいよいよ最終戦。
第7戦オートポリスでモーラGT-Rタイトルを決めた昨シーズンとはうって変わり、今年のGT500クラスは上位8台がチャンピオンの可能性を残して最終戦を迎えるという近年まれに見る接戦となった。
しかもランキングトップの#38ZENT SC430の58ポイントに対し、2位の#36ペトロナスSC430は54ポイント、3位の#18ウイダーモデューロHSV-010は52ポイント、#17ケーヒンHSV-010も同じく52ポイントと、トップから僅か6ポイント差の大接戦だ。
一方GT300クラスも#16無限CR-Zが70ポイントで頭一つ抜け出した感があるが、それでも2位の#4初音ミクBMW Z4Mが62ポイント、3位の#11ゲイナーDIXCEL SLSが60ポイントと充分逆転可能な位置につけており、上位5台に計算上の権利が残る状況となっている。
またGT300クラスにおいては、最終戦を前に性能調整が実施され、#16、#55、#61のリストリクターが1ランク緩和されることになった。これは#16無限CR-Zに有利に働くものと思われる。
また、ランキング5位につけている#61スバルBRZをドライブするベテランの山野哲也が今シーズンを持ってスーパーGTのシートを後進に譲ることが昨日付けの富士重工業からのリリースで明らかになった。
これまで3度のチャンピオンに輝いている山野が最後のレースで4度目のタイトルを獲得するかどうかにも、これまで以上に注目が集まるところだ。
そして勿論、この最終戦はウェイトハンデ無しのガチンコ勝負。
各チームが一年がかりで仕上げてきた、2013仕様の真の実力が露になるレースでもある。
こうした沢山の注目点を抱えながら、土曜朝の公式練習は午前9時より120分間で行われた。
途中開始約15分で#37KeePer SCが最終コーナーでコースアウト、開始40分では#38ZENT SCが2コーナー先でコースアウトしたため、2度の赤旗中断があり、その他にもコースの至る所でスピンやコースアウトが相次いだが、それ以外は各車順調にロングランを消化。セッション前半で38号車が1'42.006でトップに立ち、終盤さらに1'41.887までタイムを縮めてチャンピオン獲得に向けて好スタートを切った。
2位には専有走行の終盤にタイムを上げてきた#100レイブリックHSVが続き、#39デンソーサードSCが3番手。
一方GT-R勢は#23モチュールの9位が最高とやや出遅れた格好だ。
GT300クラスは#16無限CR-Zが序盤から好タイムを記録してトップに立っていたが、セッション中盤に#11ゲイナーSLSがこれを上回り、専有走行に入ってもそのままトップを守った。
ランキング2位の8番手、注目の山野がドライブする#61BRZは9番手でこのセッションを終えている。
スーパーGT第8戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
日本レースプロモーション(JRP)は10月26-27日の二日間、京都府相楽郡のアピタ精華台店で「スマイル・キッズ at APITA精華台店」と題するプロモーションイベントを開催する。
これはJRPがスーパーフォーミュラマシンやドライバーを街に送り込み、地域住民との触れ合いの場を設けようという狙いで開催しているもので、今シーズンは7月に神奈川県川崎市の等々力競技場で行われたJリーグの川崎フロンターレとのコラボレーションイベント、9月に宮城県仙台市、岩沼市の小学校を訪問したのに続いての3回目。
日本全国に大型ショッピングモールを展開するアピタとの提携企画は2011年11月にアピタ宇都宮店で開催して以来2回目となった。
第一日目の26日は朝10時30分からのトークショーやFN06(ロイック・デュバル/DoCoMoダンデライアン車)へのコクピット乗車体験を行った後、午前11時30分と午後2時30分の二回にわたって屋上駐車場でデモンストレーションランを実施した。
今回デモランを行ったのはナカジマレーシングの中嶋大祐とセルモインギングの国本雄資。
最初に国本、続いて中嶋の順で交互に走り始め、多数詰めかけた地元の買い物客の前で迫力あるエキゾーストノートと派手なスピンターンを披露した。
会場には開店前から大勢の家族連れが詰めかけ、迫力ある走りを大いに楽むとともに、午後からの乗車体験には長蛇の列ができる盛況ぶりとなった。
スマイル・キッズは明日27日もトークショーやデモンストレーションランが予定されている。
- デモランを行った国本雄資のコメント
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「今までにもイベントなどでのデモンストレーションの経験はありますが、ショッピングセンターの屋上でやったのは初めてです。もうちょっと迫力あることがやりたかったんですけど、中々難しかったです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間耐久レース」が10月18-20日に静岡県の富士スピードウェイで開催され、スーパーフォーミュラやスーパーGTで活躍するチームやドライバーも多数参戦した。
公式予選は10月19日に曇天ながら終始ドライコンディションで公式練習と予選が行われ、#1Audi Sport Team Joest(アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ/トム・クリステンセン組)がポールポジションを獲得。
2カーエントリーで地元レースに臨んだToyota Racingは8号車(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組)が予選2位、7号車(アレキサンダー・ブルツ/ニコラス・ラピエール/中嶋一貴組)は3位だった。
しかし決勝日は朝から小雨の降り続くあいにくの天候となり、午前11時からのスタートはセーフティーカー先導で始まったが、開始22分で赤旗が提示され、中断となってしまった。
その後、天候の回復を待って午後1時30分に再びセーフティーカー先導でレースは再開されたが、約20分の走行の後再び赤旗中断に。
結局15:35分にレース再開後すぐに三度目の赤旗とともにレース終了の決定がなされる残念な結果となってしまった。
こうした中、LMP1クラスでは、スタート進行の際に予選2位のトヨタ8号車がピットレーン閉鎖に間に合わずピットスタートとなり、また最初のリスタート時にエアインテークから異物を吸い込んだアウディ1号車が修復作業のためピットストップを繰り返したことで後方に沈むアクシデントが発生。
これによりトヨタの7号車が隊列の先頭に繰り上がることになり、このレースの勝者となった。
以下、LMP2クラス、LMGTEProクラス、LMGTEAmクラスは予選トップチームがそのままクラス優勝という結果になり、#35OAK Racing(ベルトラン・バゲット/リカルド・ゴンザレス/マーティン・ブラウマン組)、#97Aston Martin Racing(ダレン・ターナー/ステファン・ミュッケ/フレデリック・マコヴィッキィ組)、#95Aston Martin Racing(クリスチャン・二ゴール/クリスチャン・ボウルセン/ブルーノ・セナ組)が表彰台の頂点に立った。
この他、日本勢では#27チームゲイナー(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム/植田正幸組)がLMP2クラス3位に入ったほか、中野信治の参加した#25Delta ADRがLMP2クラス4位、松田次生、小泉洋史の参加した#47KCMGがLMP2クラス5位に井原慶子の参加した#45OAK RacingはLMP2クラス8位に入った。
WECはこのあと11月9-10日に上海で第7戦を開催する.
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第15戦の決勝が10月20日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#50千代勝正(B-MAX)が昨日に続いて二連勝を飾った。
2013シーズンのF3もいよいよ最終戦。
第15戦決勝は朝8時より15周で行われた。
この日の富士は朝から小雨が降り続き、コース上は完全なウェットコンディション。
そのため、スタート直後からコースのあちこちで激しいバトルとアクシデントが相次ぐ大変荒れた展開となった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#37勝田貴元(トムス)。
予選2番手の千代は最初の1コーナー進入でリヤをロックさせてしまってハーフスピン状態に陥り、一気に5位あたりまで後退してしまう。
しかし千代はその周のダンロップコーナーでスポット参戦のチームメイト#45関口雄飛をパスすると、続く2周目の1コーナーで#7松下信治と#8清原章太のHFDP勢が接触、コースアウトしたことにより2位に復帰した。
この間に着々とリードを広げつつあったトップの勝田だったが、滑りやすい路面と中々熱の入らないタイヤに苦しみ、3周目のダンロップ進入でホイールをロックさせてしまって痛恨のコースアウトを喫してしまった。
これでトップに立った千代は次第にペースを上げて後続を突き放しにかかり、最後は2位以下に17秒の大差を付けてフィニッシュ。第14戦に続く連勝で今シーズンを締めくくった。
2位には勝田、3位には来月のマカオ参戦を睨んでスポット参戦してきた#45関口雄飛が入った。
Nクラスは予選トップの#23高星明誠(NDDP)が終始トップを快走、一時は上位クラスをも脅かす走りで今季11勝目をものにした。
2位には#38ナニン・インドラ・パユーング(トムススピリット)、3位は#6小泉洋史(ハナシマ)といういつもの顔ぶれとなった。
全日本F3選手権はこのレースで終幕。
しかし中山雄一、千代勝正、関口雄飛らは来月開催されるマカオグランプリへの出場を予定している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第14線の決勝が10月19日、富士スピードウェイで行われ、#50千代勝正(B-MAX)が今季初優勝。
今季から投入された戸田エンジンにも念願の初勝利をもたらした。
第14戦決勝は午後2時50分より21周で行われた。
スタート進行が進む中、セクター3方面ではわずかに小雨が降り始めたが、全車スリックタイヤを装着したままフォーメーションラップを開始した。
ホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートした#50千代。予選2位の#37勝田貴元がそのまま2番手で続く。
その後方では予選4番手の#2野尻智紀(戸田レーシング)が1周終わりのホームストレートで#7松下信治(HFDP)を捉えて3位に浮上。しかし野尻は5周目のダンロップコーナー進入でオーバーラン。この間に再び松下が3位に浮上する。
野尻はこのコースアウトの際にタイヤにフラットスポットを作ってしまい、それ以降は苦しい走りを強いられることになった。
その結果7周目のホームストレートでは#8清原章太、10周目のヘアピンでは今回スポット参戦の#45関口雄飛にも先行され、結局野尻は6位でレースを終えることになった。
路面温度の低下と僅かな雨により、レースが進むにつれてコースコンディションは次第に悪化。
これにより野尻だけでなく、2位を走行していた勝田もレース中盤に1コーナーでホイールをロックさせてしまってコースオフ。この間に松下が2位に浮上したが、トップの千代との間には6秒以上のギャップが出来てしまっていた。
トップの千代は天候の回復してきたレース終盤に更なるペースアップを図り、20周目にはこのレースのファステストラップを記録するなどして最終的に後続に7秒以上の大差を付けて独走優勝。
自身初のF3での総合優勝をものにするとともに、新エンジン規定に則って今季から投入された戸田オリジナルエンジンに初の勝利をもたらした。
2位は松下、3位には勝田が入った。
一方Nクラスは、スタートでトップに立った#38ナニン・インドラ・パユーング(トムススピリット)が最後まで#23高星明誠(NDDP)につけいる隙を与えず、今季4勝目をものにした。
2位は高星、3位には今回WECとのダブルエントリーとなる#6小泉洋史(KCMG)が入った。
第15戦決勝は明日朝8時より15周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsprts Forum
富士スピードウェイで行われている全日本F3選手権第15戦の公式予選は#37勝田貴元(トムス)が今季2度目のポールポジションを獲得した。
第14戦の予選終了から10分間のインターバルを置いて第15戦の公式予選が始まった。
当初雨が懸念されていた富士スピードウェイだが、結局この日は曇天のまま終始ドライコンディションで予選が行われることになった。
既に今季のタイトルを決めている#36中山雄一を欠いた状態で行われることになった最終大会だが、第14戦に続いて#37勝田と#50千代勝正(B-MAX)による接戦が展開されることになり、チェッカーフラッグ提示直後に1'34.373を記録した勝田が第6戦岡山以来、今季通算2度目のポールポジションを獲得することになった。
2位は千代。昨年仕様のエンジンで臨んだ#45関口雄飛はクラス最後尾の6位に終わった。
Nクラスは#23高星明誠(NDDP)が第14戦に続いてトップ。#38ナニン・インドラ・パユーング(トムススピリット)
が2位につけた。
第15戦決勝は明日朝8時より15周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsprts Forum
全日本F3選手権第14戦の公式予選が10月19日、富士スピードウェイで行われ、#50千代勝正(B-MAX)が1'33.760で今季初のポールポジションを獲得した。
昨年に引き続いて全日本F3選手権の最終ラウンドはWEC富士6時間との併催に。
公式予選は午前11時30分より各10分間で行われた。
今大会は来月のマカオGPに出場を予定している関口雄飛がB-MAXからスポット参戦。
昨年仕様のエンジンで戦われるマカオの規定に合わせ、トヨタ1AZ-FEをダラーラ312に搭載、シーケンシャルシフト仕様で出走したが、最新スペックの直噴エンジンにパドルシフトを組み合わせたレギュラー参戦組には今一歩及ばず、このセッションは5番手に終わる。
また、関口と同様に1AZ-FEでの出走を予定していた#36中山雄一(トムス)は体調不良により残念ながら今大会をリタイヤすることになった。
そうした中、ポールポジション争いは#37勝田貴元(トムス)と#50千代勝正(B-MAX)との間で展開されることになり、最終的に1'33.760を記録した千代が今季初のポールポジションを獲得することになった。
また、Nクラスは既にタイトルを決めている#23高星明誠(NDDP)が1'35.748でトップ、#38ナニン・インドラ・パユーング(トムススピリット)が2番手だった。
第14戦決勝は今日の午後2時50分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
GT500クラス優勝 #36PETRONAS TOM'S SC430
中嶋一貴
今日は本当にいいレースになりました。予選はかなりフラストレーションがたまりましたが決勝でうまく返すことが出来ました。
ジェームスがいいスティントをしてくれて、ピットストップで折角抜いたクルマに前に行かれたりはしましたが、その後じっくりと前に上がっていくことが出来ました。
2位に上がった時は前との差が大きかったのでどうかな?と思ったんですが、前が思った以上にペースが辛そうで、最後は周回遅れがスピンしているところで上手く前に出ることが出来ました。
シーズンの頭から最終戦のもてぎは自信があると言ってきたし、テストも良かったので、最終戦にチャンピオンの権利を残して臨みたいと思っていましたが、最高の結果になりました。
この勢いで最終戦も勝ってチャンピオンを決めたいです。
ジェームズ・ロシター
とてもいい結果でしたし、レースを楽しむことが出来ました。予選も決勝も予想外の展開でしたが、コースの至る所でアグレッシブなファイトを楽しめて、これぞスーパーGTって感じでした。
一貴もパーフェクトな仕事をしました。
チャンピオンシップを考えれば今回は勝たなければならない状況で、勝つことが出来ました。今回同様もてぎも勝ちたいです。クルマは完璧な状況です。
GT300クラス優勝 #4GSR初音ミクBMW
谷口信輝
スタートから2台ピットスタートだったりで前が開けていたし、片岡選手が3番手まであげてくれていたので、アウトラップでGT-R勢の前に出ようという作戦で、その後もアストンマーチンを追う予定でしたが、その通りに出来て、僕らとしては完璧なレースが出来ました。
富士で優勝して、チャンピオンの望みが繋がって、ここともてぎと3連勝したいと思っていましたが、ここで勝てたことでランキング2番まで上がりました。ここはなんとしてももてぎでチャンピオンがとりたいですね。
鈴鹿の車検落ちとか、アジアンルマンの欠場など、たらればをいえばキリがありませんが、先ほどの車検でエンジンが止まったと聞いてほっとしています。
なんとしても僕らがチャンピオンをとるんだ、という意思だけは持っています。
片岡龍也
非常に楽しいレースでした。
今回はスケジュールが変則的になって、タイヤも選べてなくて、予選は苦しかったんですが、レースが始まってみると、周りよりも安定したペースで走れるタイヤだったので、自分のスティントとしては楽しかったし、クルマも良かったです。
自分たちとしては最大限のポイントをとって相手を待つ状況なので、出来ることをやるだけです。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2013スーパーGT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」の決勝レースが10月6日、大分県のオートポリスで行われ、予選10番手からスタートした#36PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/ジェームス・ロシター組)が終盤見事な大逆転劇を演じ、今季2勝めを挙げた。
GT300クラスも#4GSR初音ミクBMW(谷口信輝/片岡龍也組)が前戦の富士に続いて今季2勝目を挙げた。
(天候:曇り時々雨 コース:ドライ>セミウェット 観客動員数:予選11,600人/決勝22,100人/
総動員数33,700人)
悪天候により公式予選が日曜朝に順延された今回のレースだったが、決勝は当初予定通り午後2時より65周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールポジションの#38ZENT SC。2位以下が序盤から激しいドッグファイトを展開するのを尻目にスタートドライバーの平手晃平は着実にリードを広げ、2位以下に10秒以上のマージンを築き上げて規定周回数半ばすぎの33周目にピットイン、立川祐路に交代した。
その後方では4番手スタートの#1REITO GT-Rを駆る本山哲が3周目に#18ウイダーHSVの山本尚貴をかわして3位に浮上。続いてGT300車輛の周回遅れが出始めた8周過ぎから一気に2位#23モチュールGT-Rとの差を詰め、23号車を駆るロニー・クインタレッリが10周目にコースをはみ出した好きを見逃さずに前に出る。
しかしその周の最終コーナーで本山は後方から接近してきた#12カルソニックGT-Rにかわされてしまった。
12号車のスタートを担当していたのは松田次生だった。
レース前半はこのまま#38ZENT SC、#12カルソニックGT-R、#1REITO GT-Rの順で順次ピットストップに入ることに。38号車は前述の33周目。
12号車と1号車はそれに先立つ30周目に揃ってピットイン。更には#36ペトロナスSC、#18ウイダーHSVも同時にピットに飛び込んできた。
この結果#18ウイダーHSVが#1REITO GT-Rの前でピットアウトすることに成功したが、1号車の後半を担当した関口雄飛が35周目の第3コーナーでアウトから#18フレデリック・マコヴィッキィに並びかけ、4コーナーで前に出た。
更にその後方からは#36ペトロナスSC、#23モチュールGT-Rが接近し、38周目に立て続けに18号車を攻略して順位を上げた。
一方、レース前半を2位で折り返した#12カルソニックGT-Rは33周目にスピンアウトを喫し、ガードレールにつっこんで大きく順位を下げ、そのままピットに戻ってレースを終えている。
この時点でのトップ38号車と2位1号車のギャップは17秒。
このまま独走で前戦富士に続いて今季2連勝を飾るかと思われたが、レース終盤に入って#38立川は周回遅れと接触してしまい、この影響でハンドリングに異常を来してペースが上がらなくなってしまった。
一方、2位以下の集団は激しいバトルを繰り返しながらも徐々にトップとの差を縮め始める。
中でも後半目覚ましいペースで順位を上げてきたのが36号車だった。
後半を担当しな中嶋は44周目のに#23モチュールGT-Rをかわして3位に浮上すると、48周目の最終コーナーで周回遅れに詰まった#1関口をアウトからかわして2位に浮上。
その後もトップの#38立川との差を徐々に詰めていき、60周を過ぎる頃には完全にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。
そして62周目。
中嶋は周回遅れに詰まった立川を遂に捉えてトップに浮上すると、そのまま一気に38号車を突き放して65周を走り切り、第2戦富士500km以来の今季2勝目を挙げた。
一方、GT300クラスはポールポジションの#3S Road GT-Rを#50アストンマーチンを駆る安岡秀徒が7周目に捉えてトップに浮上、その後も着実にリードを広げ、最初のスティントを38周目まで引っ張ってピットストップを行い、そのままトップでコースに復帰したが、予選8番手からスタートして#4初音ミクBMWが安定したペースで着実に順位を上げて50号車に追いつき、45周目の1コーナーで#4谷口が#50加納政樹のインをついてトップに立つと、そのまま62周を走り切って第6戦富士に続く今季2勝目をものにした。
惜しくも破れた安岡/加納組だったが、参戦初年度のアルナージュレーシングにとってはこれが初の表彰台獲得となった。
またレース資金不足からドライバー二人が交代でレース車輛を陸送するという事態に陥った#52OKINAWA SLSが竹内浩典、土屋武士の両ベテランの懸命の走りで3位に入っている。
次戦はいよいよ最終戦もてぎ。
11月3日決勝だ。
昨年はここオートポリスでGT500クラスのドライバーズタイトルが決着したが、今シーズンはトップの#38ZENT SCが58ポイント、2位の#36ペトロナスSCが54ポイントという僅差で最後の戦いに臨むことになる。
GT300クラスもトップの#16無限CR-Zが9位に終わったため、2位#4初音ミクBMWとの差は一気に詰まった格好だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2013スーパーGT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」の公式予選が10月6日、大分県のオートポリスで行われた。
GT500クラスは上位12台が従来のコースレコードを更新する激戦となったが、#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が1'38.174をポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#3S Road NDDP GT-R(星野一樹/佐々木大樹組)がポール。こちらも上位6台がレコードを更新する激戦だった。
当初予定されていた公式予選が雨と濃霧のためにキャンセルとなったため、第7戦の公式予選は決勝日の朝、本来ならフリー走行が予定されていた時間に行われることになった。
これに伴い、実施方法も当初のノックアウト方式ではなく、各クラス25分間の走行が1回だけ行われた。
まずは午前9時よりGT300クラスの走行がスタートした。
雨は時折霧雨が降っていたものの、コース上はセミウェットの状況。
ウェット宣言は出されていたが、最初にウェットタイヤでコースインしたチームもすぐにスリックに履き替えてタイムアタックを行った。
序盤から好タイムを連発していたのは#48DIJONレーシングのGT-R。ドライバーは千代勝正だ。
千代は1'48.862から走り始めて徐々にタイムを上げ、開始から10分が経過したところで1'47.238とコースレコードを更新した。
しかしこれと前後して#3S Road GT-R、#50Exeアストンマーチン、#11ゲイナーSLS、#30IWASAKI GT-Rらも1分48秒台にペースを上げ、終了3分前に3号車を駆る星野一樹が1'47.222と千代を上回ってトップに立った。
結局、終わってみればトップの#3S Roadから6位の#11ゲイナーSLSまでが従来のレコードを更新する結果となったが、一方で今シーズン常に予選上位につけていたJAF-GT勢は#31aprプリウスを除く3台がリストリクター1ランクダウンのBOPが課せられた影響もあってか今回は苦戦を強いられ、#61スバルBRZの4位が最上位という結果に終わった。
9時25分にメインポストから「GT500」ボードが提示され、ここからはGT500クラスのアタックが始まった。
GT300クラスで好タイムが相次いだのと同様に、GT500クラスも開始早々に#23モチュールGT-Rを駆るロニー・クインタレッリが1'39.361といきなりコースレコードを上回ってきた。
続いて開始8分で#1REITOモーラGT-Rの本山哲が1'39.347、更にその3分後には#18ウイダーHSVをドライブするフレデリック・マコヴィッキィが1'39.171を叩き出す。
奇しくもこの3台は全てミシュランタイヤユーザーだった。
最初のアタックを終えた後、各チームは残り10分のところで一旦はピットへ。
2セット目のスリックタイヤを装着して最後のアタックに取りかかった。
すると今度はブリヂストン勢が好タイムを連発。
残り時間1分のところで#12カルソニックGT-RのJPオリベイラが1'38.385、続いて#37KeePer SCの伊藤大輔も1'38.573を叩き出す。
#18マコヴィッキィも1'38.220までペースを上げたが、その直後に#38ZENT SCを駆る立川が1738.174を叩き出して一気にトップに躍り出た。更には#23クインタレッリも1'38.209を記録。終わってみればトップの#38立川から11位の#24安田裕信までが1秒以内にひしめく接戦となり、更には12位の#6大嶋和也までがコースレコードを更新する結果となった。
なお、#1REITO GT-RについてはスーパーGTスポーティングレギュレーション第34条4項(燃料補給)違反という裁定が下されたが、ペナルティは監督への訓戒と本件作業までのタイム抹消というものに留まったため、本山がセッション終盤に記録したタイムは有効となり、午後の決勝を4番手からスタートすることとなった。
第7戦決勝は午後2時より65周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
大分県のオートポリスで開催されている、スーパーGT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」の大会審査委員会は10月5日14:00付の公式通知で、悪天候によりキャンセルとなった公式予選を決勝日の朝9時より行うことを決定したと発表した。
これに伴い、予選方式は当初予定されていたノックアウト方式ではなく、各クラス25分間の走行を1回だけ行うことになった。
まず、午前9時より9時25分までがGT300クラスの予選走行。続いて9時25分より9時50分までがGT500の走行となる。両クラスの走行時間帯の切り替えはクラスボードの表示により行う。
また通常であれば参加ドライバー全員が予選に出走しなければならないが、今回はいずれかのドライバーが出走すれば可とされた。
使用できるマーキングタイヤは、当初のタイムスケジュールに伴って識別のマーキングを受けたQAタイヤおよび、5日中に実施される識別マーキングを受けたQBタイヤのみとなり、決勝スタート時に使用するタイヤもこのどちらかでなければならない。
これを決定するための抽選は今後大会事務局により行われ、審査委員会の承認を持って公式通知にて公示される。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
10月5日午後2時から予定されていたスーパーGT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300KM」の公式予選は、雨と切りによる視界不良のため、13時50分に審査委員会の判断でキャンセルとなった。
沖縄に上陸した台風23号の影響により、第7戦の舞台となった大分県のオートポリスは朝から強い雨と濃い霧がコースを覆い尽くした。
このため、朝9時からの公式練習は予定時間の半分も消化できずに終了となったが、公式予選の開始予定時刻が迫っても天候は一向に回復の兆しを見せなかった。
こうした中、各チームはQ1出走タイヤ(=決勝スタートで使用するタイヤ)のマーキングや出走ドライバーの申請など、いつも通りの準備を進めて予選開始時刻を待ったが、結局開始10分前の段階で残念な決定がなされることになった。
なお、今後のスケジュールについてはこのあと行われる監督ミーティングの結果を待って決定される模様だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第7戦の公式練習が10月5日、大分県のオートポリスで行われたが、コースアウト車輛の改修のため開始早々に赤旗中断となり、一旦走行は再開されたものの、間もなく天候悪化による視界不良のため二度目の赤旗が出され、結局そのまま終了となった。
懸念された台風23号の直撃は無くなったものの、公式予選日を迎えたオートポリスは朝からあいにくの雨模様。
このため午前9時から始まった公式練習は、開始早々に#18ウイダーHSV-010を駆る山本尚貴がクラッシュ。
これにより開始13分で早くも赤旗中断となった。
18号車の回収の後、9時22分より走行は開始されたが、次第に雨脚が強まり、霧による視界不良なども重なって9時48分に二度目の赤旗が提示され、結局そのまま終了の判断がなされた。
このため各車とも僅か3~5周の計測となったが、その中で#36PETRONAS TOM'S SC430(中嶋一貴/ジェームズ・ロシター組)がGT500クラスのトップ、GT300は#10GAINER Rn-SPORTS DIXCEL SLS(田中哲也/植田正幸組)がトップだった。
午前11時45分現在もコース上は依然として霧がたちこめており、サポートイベントとして予定されていた86/BRZワンメイクレースの公式予選は中止されているが、スーパーGTの公式予選は現時点では実施の方向で準備が進められている。
ただし現在の状況を考えれば、予定通り予選を行うのはかなり難しいと思われる。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われる予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
アジアンルマンシリーズ第2戦「3Hours OF FUJI」の決勝レースが9月22日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#18KCMG(モーガン/日産/ジェームス・ウィンスロー/小泉洋史/リチャード・ブラッドレー組)が今季初勝利を挙げた。
また、スーパーGTのシリーズポイントが付与されるということでGT300車輛11台がエントリーしたSGTクラスは#16無限CR-Z(武藤英紀/中山友貴組)が終始クラストップを快走して優勝。無限CR-ZにとってはスーパーGTのシリーズ戦も含めて念願の初勝利となった。
(天候;晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選/5,800人、決勝/7,800人 大会総入場者数/13,600人)
決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。汗ばむ陽気の中、レースは午後2時より3時間で行われた。
ホールショットを奪ったのは2番手スタートの#18KCMG。スタートドライバーの小泉洋史が1コーナーのブレーキングで#24OAKレーシングのジェフリー・リーを捉えてトップに立ち、そのまま一気にギャップを広げていった。
24号車は序盤中々ペースが上がらず、総合3位を走る#16無限CR-Zに詰め寄られる場面もあったが、なんとか6周目にはペースを取り戻し、後続との差を広げにかかったが、トップとの差は中々縮まらない。
#18小泉は8周目にコースアウトを喫し、一時は総合6位まで後退したものの、すぐにハイペースで追い上げて13周終わりのホームストレートで#24リーに追いつき、再びトップに躍り出た。
その後は再び24号車との差を広げ、32周を走ったところで最初のピットイン。
2ストップで走り切るにはやや厳しいかというタイミングだったが、24号車が先に27周目にピットストップしていたために難なく24号車の前でピットアウト。
その後は後続のSGTクラスの上位陣がスタートから1時間前後で最初のピットストップを住ませたことにより再びトップに。
結局18号車はその後も着実にリードを広げながら66周目と99周目のピット作業を無難にこなし、トップのまま108周を走り切り、今季初勝利をものにした。
#24OAKレーシングは第3スティントを担当したコン・フー・チェンが59周目にファステストラップを叩き出すなどして一時1分以内まで追い上げたものの、早め早めのピットストップが仇となったか終盤ペースが上がらず、2位に終わった。
一方、11台ものエントリーを集めて今大会最大勢力となったSGTクラスは、予選トップでスタートした#16無限CR-Zが後続のトラブルやペナルティなどにも助けられて終始トップで106周を消化。
総合でも3位に入る大活躍で見事クラス優勝を達成。
無限CR-Zは昨年7月のスーパーGT第4戦SUGOで実践投入されて以来1年2ヶ月目にして念願の初勝利をものにした。
一方、予選2番手からスタートした#55ARTA CR-Zはメカニカルトラブルにより僅か34周で戦線を離脱。
予選3番手の#61スバルBRZは#55CR-Zや#11ゲイナーSLSとバトルを展開しながら徐々に順位を落とした挙げ句、#91AAI-RSTORADAのマクラーレンMP4-12Cと接触したことにより10秒ストップのペナルティを貰ってしまい、大きく後退することに。
終盤佐々木孝太がトップ2に肉薄するペースで追い上げたが3位まで挽回するのが精一杯だった。
この結果、2位には#11ゲイナーSLSが入った。
この他、GTEクラスは唯一のエントリーとなった#70タイサン剣エンドレスのフェラーリ458(中野信治/飯田章/密山祥吾組)が総合12位で完走を果たし、GTCクラスはスーパーGTに参戦しているアルナージュレーシングからアストンマーチンヴァンテッジGT3を借り受けて参戦した007CRAFTレーシング(フランク・ユー/リチャード・ライアン組)が#77AFコルセのフェラーリ458との接戦を制してクラス優勝を果たしている。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
アジアンルマン第2戦と併催されているインタープロトシリーズ第3戦。
大会二日目はジェントルマンクラスの決勝レース2とプロフェッショナルクラスの決勝が行われ、ジェントルマンクラスは#3永井宏明(INGING)がレース1につづいて独走で2連勝を飾った。プロフェッショナルクラスは#4平川亮(RSS)が優勝、見事初年度のシリーズチャンピオンを獲得した。
9月22日の富士スピードウェイも朝から好天に恵まれ、絶好のレース日和の中、午前8時10分よりジェントルマンクラスの決勝レース2がローリングスタートで始まった。周回数はレース1と同じく12周だ。
ホールショットを奪ったのはポールポジションの#3永井。そのまま4周目まで1周あたり1秒の差を2位の#50DRAGONに付けていく。
その後方では5番手スタートの#37澤田透が#16渡邊久和をオープニングラップで抜いて4位に浮上してきた。
序盤トップの澤田に一気に突き放された#50DRAGONだったが、5周目からは澤田とほぼ同ペースにタイムを上げてきた。しかしそれでもトップとの差を詰めるには至らず、永井は2位以下に7.221秒の差をつけて2連勝。
2位#50DRAGON、3位AKIRAと、終わってみれば表彰台の顔ぶれは昨日と全く同じという結果になった。
続いて午前11時50分よりプロフェッショナルクラスの決勝レースが22周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#37中山雄一。しかし3周目に#4平川が100Rでアウトから並びかけ、続くヘアピンコーナーでインを奪ってトップに躍り出た。
平川の先行を許した中山は、立ち上がりで3番手を走行していた#50関口雄飛にもパスされるが、5周目の1コーナーで関口のスリップから抜け出し、アウトから並びかけて2位を奪い返した。
この間にトップの#4平川は後続に2秒以上の差をつけると、そのまま中山につけいる隙を与えず22周を逃げ切り、開幕戦に続いて今季2勝目を上げ、インタープロトシリーズの初代王者となった。
2位は#37中山。#50関口が3位だった。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO