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2015年11月

SUPER FORMULA

SF:最終戦鈴鹿 ヨコハマタイヤ供給発表会「国内トップフォーミュラは開発のネタの宝庫」

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全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)は11月7日、最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の開催されている鈴鹿サーキットで、2016年からタイヤ供給を再開するヨコハマタイヤについての発表会を行った。

sf-rd7-yokohama-tire ブリヂストンからのワンメイク供給が2015シーズンを持って終了し、来年からヨコハマがその後を引き継ぐことは先月の東京モーターショー会場で既に明らかになっているが、今回はその意義やこれまでの経緯などが改めてJRP、横浜ゴム双方のトップから発表された形。

会場にはJRPの中嶋悟取締役会長、白井裕代表取締役社長と、横浜ゴムからは野地彦旬代表取締役社長、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナルの阿部義朗代表取締役副社長兼企画本部長、秋山一郎開発本部長らが出席。
これまでの経緯と今後の取り組みについてそれぞれにコメントを発表した。
なお白井社長によれば今回の供給は複数年契約とのことだが、具体的な年数については明らかになっていない。

JRP代表取締役社長 白井裕氏のコメント
sf-rd7-yokohama-shirai 横浜ゴムさんとは数年前から話をしていて、今年の初めから交渉が具体化しました。そこから開発を始めて5月にはもうテスト走行に漕ぎつけましたが、充分な性能と開発能力をお持ちであることがわかっています。今後どのようなスペックを揃えていくか、双方で話し合っているところです。
契約年数については具体的には申し上げられませんが、単年度契約ではなく、それなりの年数だとだけ申し上げておきます。
横浜ゴム代表取締役社長 野地彦旬氏のコメント
sf-rd7-yokohama-noji このたび帰ってくることになりました。
国内トップフォーミュラは20年ぶりですが、この間に半分以上の人間が入れ替わっており、私や秋山が最後の開発に携わった世代です。トップフォーミュラは開発のネタの宝庫。入力の大きさ、空力にも敏感でハコと大きく違う。しかも市販車の開発だと5年でやることを1年でやらなければならないスピード感があり、エンジニアの成長に大きく役立ちます。
これから大きな発見をし、大きな壁にぶち当たりながら、技術の引き出しを増やしていってほしいと思います。
個人的には「今さらもういいだろ」という思いもありましたが、うちの野呂(政樹氏。横浜タイヤ執行役員兼ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル代表取締役社長)や秋山が「やりたい」と言ってきましたし、技術の継承という意味でもやるべきだと判断しました。お伊勢さんの式年遷宮みたいなものですよ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿フリー走行 1秒以内に12台がひしめく接戦の中、#2ロッテラーがトップタイム

全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行が11月7日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
ここでトップタイムを記録したのは#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)で1’38.951だった。

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2015年のスーパーフォーミュラもいよいよ最終戦。
ここまでシリーズポイントでトップに立っているのは#38石浦宏明(セルモインギング)で45ポイント。これを#1中嶋一貴が39ポイント、#2ロッテラーと#19J.P.デ・オリベイラ(インパル)がともに31ポイントで追っており、計算上はこの4人にチャンピオンの可能性が残っている状況だ。

公式予選日の天候は曇り、今にも雨が降ってきそうな状況の中、フリー走行は午前9時15分より60分間で行われた。
今回も4月の2&4と同様にリストリクターの流量は95kg/hに設定されており、昨年ロッテラーが1’36.996を記録した時よりは若干のパワーダウンとなっているが、この2年間でSF14のセッティングが進んだこともあり、走行開始から15分で各ドライバーともに1分40秒台にペースアップ、残り時間が9分を切ったところで#39国本雄資が1`39.586を記録。
続いて前戦SUGOでも好調だった#34小暮卓史(ドラゴコルセ)が1’39.450、#38石浦が1’39.392、#19オリベイラが1’39.289、#3ジェームス・ロシター(コンドー)が1’39.145と立て続けにタイムを更新、チェッカーが提示された直後には#2ロッテラーがこのセッションで唯一の1分38秒台となる1’38.951を記録した。

結局、終わってみれば上位12人がトップから1秒以内といういつもながらの接戦となり、午後の予選でも激しい順位争いが繰り広げられそうな雰囲気になってきた。

しかし一方でランキング2位の#1中嶋一貴は1’40.348で14番手とタイムが伸びなかったほか、#20アンドレア・カルダレッリはデグナー二つ目でコースを飛び出し、フロントからスポンジバリアに突っ込んで予選シミュレーションの機会を失うなど、予選に向けて不安の残る結果となっている。

スーパーフォーミュラ最終戦の公式予選はこのあと午後1時30分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス #1MOTUL AUTECH GT-R

松田次生
gt-rd7-r-pc-matsuda 走り始めからタイヤに関しては苦しいだろうなと思っていたんですが、ロニー選手がすごい頑張ってくれて、トップから4、5秒差でピットインしてくれました。
抜けるとこがあるとすれば相手のアウトラップしかないと思っていたので、雨が降っていたんですけどプッシュして、向こうのリヤが滑った瞬間にうまく合わせてストレートで前に出ました。
タイヤのピークが向こうとこっちで違ってて、安田選手がものすごい勢いで第2ヘアピンでインに入ってきたんで避けたら向こうが飛び出してしまって。
この良い流れを最終戦につなげていきたいです。
連覇を考えるとろくなことがないんで、一戦一戦を大事にしようと思います。
夏場の悪い流れでもちっちゃいポイントを積み重ねてきたから今があると思ってます。
ロニー・クインタレッリ
gt-rd7-r-pc-quintarerri この夏場のレースでずっと流れが悪くて、富士、鈴鹿1000kmといろいろあって。
今回もタイヤに不安があったんですけど、思ったよりタレが少なかったです。
むしろ後半は僕らの方が速いくらいだった。
でもいいピット作業だったし、ツギオのアウトラップも素晴らしかった。
チャンピオンの事は今は考えたくありません。とにかく目の前のレースを勝ちにいきたいです。

GT300クラス #3B-MAX NDDP GT-R

星野一樹
gt-rd7-r-pc-hoshino とにかく嬉しいです。タイの100倍くらい嬉しい。チャンピオンシップはここで決まっちゃったんですけど、意地を見せようと。ニスモ直系の車なんだし意地を見せようと思っていました。
完璧な作戦だったんでチームにも感謝しています。
ミツは長いステイントになったんですが、彼ならやってくれると思ってたんで。
作戦も、展開も、僕らもちゃんと仕事できたし、全てがちゃんと噛み合った結果がこの勝利なのかなと思います。
僕らにできることは残り2つを勝つことだと思ってやってきたんで、一つは勝てたし、もてぎも勝って終われるように、いい形でシーズンを締めくくりたいと思います。
高星明誠
gt-rd7-r-pc-takaboshi タイで勝ってからQ1も通らない状態で悔しい思いをしていて、それでも諦めないと思ってチームと一緒にやってきて、チャンピオンは決まってしまいましたけど2勝目を挙げられて嬉しいです。
長いスティントだなあと思ったんですけど横浜タイヤが用意してくれたタイヤ、チームが用意してくれたクルマが完璧でした。
シーズンの最初は一樹さんに頼りっぱなしだったんで、今日勝てて恩返しができたかなと思います。
次も一樹さんと力を合わせて勝ちにいきたいと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス決勝 日産GT-Rが今季2度目の両クラス1-2を達成!!GT500は#1モチュール、GT300は#3B-MAXがともに今季2勝目を獲得

2015オートバックス スーパーGT第7戦「スーパーGTin九州300km」の決勝が11月1日、大分県のオートポリスで行われた。
ファイナルラップまで続いた接戦を制したのは予選3番手からスタートした#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)。わずか0.348秒の僅差でポールシッターの#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)を下し、今季2勝目を挙げた。
GT300クラスは#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠組)がレース後半に見事な追い上げを見せてこちらも今季2勝目。#10GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)も2位につけ、終わってみればGT500、GT300両クラスで日産GT-Rが1-2フィニッシュという快挙を達成した。

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第7戦決勝は午後2時より65周で行われた。
スタートでトップに立ったのはポールシッターの#12カルソニックGT-R。
スタートドライバーのオリベイラは懸命に後続を引き離しにかかるが、燃料リストリクター1ランクダウンの影響は大きく、周回遅れに引っかかるたびに2位につける#38ZENT RC Fの接近を許してしまう。
38号車をドライブする立川祐路はホームストレートの速さを利用して11周めの1コーナーでアウトから並びかけたが、オリベイラも車重の軽さを利用してハードブレーキングでこれを退ける。

更に、この2台がバトルを繰り広げている間に3位の#1モチュールGT-Rも徐々に差を詰めてきて18周目からは3台が団子状態となった。
1号車のスタートを担当したのはクインタレッリ。スタート前はタイヤのライフに不安があったと語るクインタレッリだったが、この日のコンディションにミシュランの決勝セットは思いのほかマッチしたようで、むしろスティント終盤にペースアップを図れる状況となっていた。
そして21周め。クインタレッリは第2ヘアピンで#38立川のインに飛び込む。しかし立川は一歩も引かず、両者は並走状態でジェットコースターストレートへ。ここでは立川が押さえきった。
ところが24周めの第2ヘアピンで立川はまさかのコースアウト。これで労せずして#1モチュールGT-Rは2位に浮上する。
実はこの数周前あたりから小雨が徐々に路面に落ち始めており、その影響もあったのかもしれない。

そしてレースが動いたのは40周めだった。
39周終わりでピットストップを行った#12カルソニックGT-Rに、先にピット作業を済ませていた#1モチュールGT-Rが急接近、最終コーナーで12号車がリヤを滑らせたのを1号車の松田は見逃さず、その周終わりのホームストレートで一気に12号車を抜き去ったのだった。
雨の影響もあってかタイヤのウォームアップに苦慮し、トップを明け渡さざるをえなかった12号車だったが、安田は諦めずに松田を追い上げ、42周終わりでは0.8秒差まで詰めてきた。
そして47周目。第2ヘアピンで凄まじい勢いで松田のインに飛び込む安田。
しかし立ち上がりでアウトに膨らんでしまい、すかさず松田が立ち上がりでトップを奪い返す。しかしその後も安田は執拗に松田のテールに食らいつき、最後はわずか0.348秒差でフィニッシュ。
これにより#1モチュールGT-Rは第2戦富士に続いて今季2勝目をものにしたが、ポイントランキングでは2位につけた#12安田/オリベイラ組が66pt、#1松田/クインタレッリ組が64ptとかろうじてインパル勢がトップの座を守る結果となった。
3位には終盤の雨を味方につけて怒涛の追い上げを展開した#17ケーヒンNSXがつけた。

GT300クラスは、ポールポジションの#2シンティアム・アップル・ロータスがスタートから一気に後続を突き放し、一時は30秒以上のリードを築き上げる。
しかしその後方では20周終わりで早めのピット作業を済ませた#3B-MAX GT-Rが徐々に追い上げを図っており、2号車が42周めまで引っ張ってピット作業を終えた時にはすぐ後ろにまで迫っていた。
40周という長いスティントを任されることになった高星は一気に#2髙橋一穂の背後に迫り、43周終わりのストレートで一気にトップに躍り出る。
一方#2ロータスは49周めにまさかのタイヤバースト。左リヤタイヤを失ってコース脇に車を止めてしまった。
これで2位に繰り上がったのが現在ドライバーズランキングでアンドレ・クートが独走状態の#10ゲイナーGT-R。クートと先日ブランパン耐久シリーズのチャンピオンを獲得したばかりの千代勝正が着実に順位を上げていたのだった。

結局高星はその後も安定したペースで周回を重ね、第3戦タイに続いて今季2勝目を挙げる。
2位の千代も最後までハイペースで追い上げを図ったが、予選14番手というハンデもあり、あと3.6秒及ばなかった。
それでもこの2位入賞によりクートのドライバーズタイトルが確定することとなった。

またこの結果により、日産GT-Rは第2戦の富士500kmに続いて今季2度目の両クラス1-2フィニッシュという快挙を達成した。

次はいよいよ今シーズンの最終戦となるツインリンクもてぎ。
11月15日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリスGTA定例会見 VWの不祥事がDTMとの規格統一にも影を落とす?!坂東代表からは「11月中に何らかの発表を行いたい」とのコメントが

GTアソシエイション(GTA)は11月1日、スーパーGT第7戦が開催されている大分県のオートポリスで定例会見を行った。
今回の内容は九州でレースを開催する意義についてと、先ごろ一部報道で流れた、DTMがエンジンの仕様変更を2年先延ばしするという噂についての現状について、坂東正明GTA代表が説明した。
フォルクスワーゲンの不祥事に端を発し、ドイツの3メーカーが2リッター直4ターボエンジンの導入時期を当初予定されていた2017年から2019年に先延ばしするという話が最近海外で報じられたが、今回の会見内容からも、ドイツの自動車業界において何らかの動きが出ていることは事実のようだ。
現在は日本のマニファクチャラーの間でも今後の方向について話し合いを行っているとのことであり、今月中には何らかの発表がされるとのことだ。

坂東代表のコメント
(海外戦のタイを除けば唯一本州以外での開催である九州大会の意義は?)オートポリスでのレースは1999年にオールスター戦として開催したのが初めてで、2003年からカレンダーに組み込まれました。
モータースポーツの認知度の向上、自動車大国におけるクルマのあり方の一つとしてモータースポーツはあると考えていますし、地元の自動車産業にも影響を及ぼすことでもあるので、地元の皆さんにここへ足を運んでいただき、クルマというものを楽しんでいただければと思います。
これからは運営面からも岡山やもてぎからオフィシャルなども来ていただけるような姿にしていきたい。九州だけを孤立させないで、ライセンス保持者の交流も含め、ここが存在し続けていけるようにしていきたい。
コストの部分で言えば、やはりタイに行く時、九州に行く時、チームがきちんと経費計上できればいいが、まだそこまでの運営には至っていない。
きちんとした運営ができる状況にしていけるよう、九州もそのために育てなければいけない場所です。

(DTMの現状について)噂を聞き、「なんぞやそれ」というわけでホッケンハイムに行ってきました。
「どないするんやこの落とし前」という話をしてきたつもりです。
アウフレヒトやドイツのマニファクチャラーの人間と話をし、状況をうかがってきました。
一部報道の通りのところもあり、どういう形で話をまとめるかという話し合いをしました。
今は日本のマニファクチャラーと話をしています。
白紙とかそういうことではなく、前向きな話をしたつもりです。
今後の方向性について議事録に残しあり、それを元に日本のマニファクチャラーと会議をし、11月ぐらいにはプレス発表ができるような形をとりたいと思います。
我々のところはもう(2リッター直4ターボエンジンで)始まっていることなので、このまま行きます。
あとは向こうがいつまで4リッターV8を続けるのか、という話。
向こうへ行ってみて、ドイツの自動車メーカーとしての問題の重みを感じています。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第12戦決勝 #50山田が待望の初優勝!16歳の#22宮田も初表彰台を獲得

いよいよ終盤戦に差し掛かったFIA-F4。第12戦決勝は11月1日に大分県のオートポリスで行われ、遂に3人目のウィナーが誕生する結果となった。
その3人目の勝者は#50山田真之亮(B-MAX)。前方でのトラブルをかいくぐってトップに立ち、見事待望の初勝利をものにした。

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この日のオートポリスは上空を暑い雲が覆い尽くしていたが、コース上は終始ドライコンディション。第12戦決勝は午前10時15分より13周で行われた。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#5平木涌也(RSファイン)。
後方からは予選5番手ながら見事なロケットスタートを決めた#36坪井翔(トムス)が2番手に浮上し、一気に平木の背後に迫り、3コーナーで早くもアウトに並びかけてきた。
ところがここでイン側の平木がブレーキをロックさせてしまい、二人は揃ってグラベルに飛び出してしまう。
その結果平木は26位、坪井は27位まで後退してしまった。

これでトップに立ったのが予選2番手の山田だ。
前半勝負と決めてクルマをセットアップしてきた山田はここで一気に後続を突き放しにかかるが、2位につけた#7大津弘樹もコンマ6秒差で食い下がる。

しかし大津の背後には#22宮田莉朋が迫り、6周目の第2ヘアピンでインに飛び込んできた。
大津はすかさずクロスラインをとって立ち上がり、続くジェットコースターストレートで抜き返したが、それ以降もしぶとく食い下がってくる宮田とのバトルに集中せざるを得ず、この間にトップの山田はどんどん差を広げていった。

8周を消化した時点で山田のリードは2.3秒。その後はこの差をキープしながら3周を走りって待望の初優勝。牧野任祐4勝、坪井7勝と二人のドライバーが勝利を分け合ってきた今シーズンだったが、12戦目にしてついに3人目のウィナーが誕生した。
2位には宮田の追撃を最後まで押さえきった大津。宮田はフォーミュラデビュー4戦目にして早くも表彰台に上がる快挙を成し遂げた。

一方、1周めに後退した坪井は懸命に挽回を図ったものの17位に終わり、牧野が5位入賞を果たしたことにより、シリーズポイントでは坪井182pt、牧野164ptとなり、タイトル争いは最終もてぎ大会に持ち越される結果となった。

第13-14戦は11月14-15日に栃木県のツインリンクもてぎで行われる。

優勝 #50山田真之亮のコメント
fiaf4-rd12-r-yamada 満足できるスタートではなくて出遅れてしまい、1コーナーでアウトから坪井選手に抜かれてしまいました。本当に「やばいな」と思ったんですけど、その後の混乱で運が良かったというかうまく切り抜けられてトップに立ち、その後は全力でプッシュしました。前半勝負でクルマを作ってきたので、本当に全力でプッシュして、ラストは厳しい状態でした。後ろが離れてくれたので前半のマージンを保って勝つことができました。
(前で2台が飛び出したのを見たときは)これは来たなと。もう今日勝つしかないなと思いました。
2位 #7大津弘樹のコメント
悔しいですね。昨日エンスト気味だったので、今日は無難にスタートを決めました。その後の1コーナーの位置どりがうまくいけなくて。次回は坪井選手に同じことをされないようにしたいです。後半タイヤが厳しかったですが、それはみんな同じ条件だったと思います。宮田選手は1レース分タイヤの磨耗が少ないだったので、厳しい戦いになりましたが、要所要所を守りつつ、前をしっかり見て走りました。
もてぎは何回かテストしていて調子はいいので、出だしからずっと高い順位でいけるように頑張ります。
3位 #22宮田莉朋のコメント
昨日ほとんどレースできていないので、実質的には3回目のレースでしたが、表彰台に上がるという今回の目標は達成できました。16歳の中で最初に表彰台に上がったことはもちろん嬉しいですけど、2位に上がるチャンスがあったし、できればもう一つ上の順位で終わりたかったです。速さとか、自分のペースの良さは前回の菅生から改善されていると思うので、あとはバトルの仕方を身につけられるように頑張ります。
昨日は牧野選手のウィングに乗り上げた時にタイヤをカットしてしまってリタイヤしました。
でもそもそもスタートを失敗しなければ起きなかったアクシデントだし、ミラーを確認して避けるのも自分の仕事だったと思っています。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリスフリー走行 PPの#12カルソニックGT-Rがここでもトップタイム。GT300ポールの#2ロータスはトラブルのため走行できず

スーパーGT第7戦オートポリスのフリー走行は、ポールシッターの#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組) がここでも速さをみせつけ、1’35.454でトップだった。
GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がトップだった。

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決勝日を迎えたオートポリスは朝から厚い雲が上空を覆い尽くしていた。予報では夕方から雨が降る模様だが、朝9時からのフリー走行は終始ドライコンディションで行われた。

ポールシッターの#12カルソニックGT-Rは走行開始から10分で1’35.454を記録、トップに躍り出ると、その後は1’39~1’40前後の安定したペースで走行、決勝に向けて準備は万全のようだ。
2番手には#24D’station GT-Rがつけ、日産GT-Rが1-2という状況。
3番手には#37KeePer RC Fがつけた。

一方GT300ポールの#2シンティアム・アップル・ロータスはスターターのトラブルによりこのセッションを全く走ることができず、決勝への影響が懸念される状況に陥っている。
フリー走行トップは#61スバルBRZがつけ、#31aprプリウスが2番手、3番手には#88マネパランボルギーにGT3が続いた。

第7戦決勝は今日午後2時より65周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Keiichiro TAKESHITA

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11戦オートポリス決勝 好調#36坪井が6連勝を達成!!

FIA-F4選手権第11戦の決勝レースが10月31日、オートポリスで行われ、予選2番手の#36坪井翔(トムス)がスタートでトップに立ち、そのまま逃げ切って第6戦富士からの連勝記録を6に伸ばした。

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第11戦決勝は午後3時35分より13周で行われた。
ポールシッターの#7大津弘樹(HFDP)がクラッチミートに失敗する脇をすり抜けてトップに立った坪井は、そのまま着実にリードを広げて3周めには2位の大津に1.2秒、レース中盤の7周めには3.2秒の差をつける。
大津もタイヤに充分熱が入ってからはペースを取り戻し、坪井との差を縮めにかかるが、坪井も冷静に後続との差を測りながら周回を重ね、3.3秒のリードを保って13周めのチェッカーを受けた。
3位は予選3番手の#50山田真之亮(B-MAX)。レース中盤からは明日の決勝に備えてペースをコントロールしながらも4位の#5平木湧也(RSファイン)を抑え込んでみせた。

一方、ここまでポイントランキング2位の#11牧野任祐(Rnスポーツ)は専有走行から続く前後のグリップ不足から苦しい走りを強いられ、12周めの1コーナーで#37小高一斗の先行を許してこのレースを9位で終えた。
この結果シリーズポイントは坪井182pt、牧野は154ptとなり、その差は28ptに広がった。
これにより明日の決勝で坪井が表彰台圏内でフィニッシュし、牧野が下位に沈めば最終もてぎ大会を待たずして今シーズンのチャンピオン争いが決着する可能性も出てきた。

第12戦決勝は明日午前10時15分より、同じく13周で行われる。

優勝 #36坪井翔のコメント
fiaf4-rd11-tsuboi 水曜日にスタート練習をする機会を与えてくださったので、そこでスタートの方式を変えてみました。今まではスタートで抜くことはあまりなかったんですが、新しいやり方にチャレンジしてみたら、すごくいい結果が出たので、今回予選は失敗して2番手だったんですが、スタートに集中しました。そうしたらうまく抜けて。スピードは自信があったので、あとは安心して走ることができました。タイヤに厳しいサーキットなので、明日のことを考えて、後半は抑えて走りました。
明日は5番手からのスタートですけど、スピードはあるので何としても勝ってできるだけポイントを引き離したいと思います。スタートで2番3番まで上がっちゃえば、抜けるチャンスはあると思うし、タイヤも残してあるので、勝ちにいきます。明日でチャンピオン決まっちゃえば嬉しいですけど、それはあまり意識しないように、明日のレースを勝つということだけに集中したいと思います。
2位 #7大津弘樹のコメント
スタートの瞬間の反応は悪くなかったんですけど、そこからのクラッチミートで回転を落としてしまい、加速が鈍ったところを坪井選手に抜かれてしまいました。
前半はついていけるかな、と思ったんですが、中盤に坪井選手に離されてしまい、後半追い上げようと思ったんですが、中盤の差を詰められませんでした。
明日はスタートを失敗しないように、気をつけてレースに臨みます。
3位 #50山田真之亮のコメント
予選のタイムからみれば戦えるかなと思ったんですけど、内圧の上がっていない1周目で離されてしまい、そのあとも自分の中ではプッシュして行ってタイムも上がって行ったんですけど、残り6周からタイヤがたれてきてリヤがグリップしなくなりました。
それで明日のことも考えてタイヤをマネジメントしながら最後まで走りきりました。
明日は平木(ポールシッター)と横並びなので、まずスタートで前に出て、そのまま勝ちたいと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス公式予選 ポールシッターのコメント

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GT500クラス #12カルソニックIMPUL GT-R

安田裕信
gt-rd7-q-pc-yasuda 今回はインパルとしてチームみんなで勝ちにこようということで。
前回のレースの影響で朝の練習走行ができなかったので、不安な部分があったんですが、チームがいいクルマを用意してくれたので予選では思い切ってアタックできて、Q1を3番手で突破できました。
そのあとはJPが素晴らしいアタックをしてくれました。
今年優勝できていないのが気になっています。今回は勝てる状況だと思うので、二人でミスなく、スタートからインパルらしくぶっちぎって勝ちたいです。
リストリクターは大きいほうが当然いいんですけど、小さい中でもコーナリングスピードを稼いでいけばイーブンじゃないかなと思います。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
gt-rd7-q-pc-oliveira 変に聞こえるかもしれませんが、実は今朝からセットアップに苦しんでいました。アンダーがひどくて、いいセッティングが見つからず、仕方なくそのまま走ったんですが、にもかかわらず結果が良かったのでびっくりしています。
バウンシングがどうしても治らなかったのにこんなタイムが出るなんて。もともとバンプの多いレイアウトで、僕らのクルマはそれに敏感に反応するんですが、それを把握してどんどん予選に向けて改善していけたと思うし、決勝に向けても更に良くしていけると思います。
ヒロが練習走行できなくて心配していましたが、Q1では3位という素晴らしい結果で戻ってきてくれました。そのあとは彼からクルマの情報をもらってQ2を走りました。
クルマ自体はポテンシャルがあるのがわかっていたので、その全てを出せたことがこの結果につながったと思います。とても満足しています。
明日はとにかくクリーンなレースをして勝つことが明日の目標です。ここはタイヤに厳しいサーキットだし、タイヤかすも多くてそれがタイヤに付着しやすいので、明日のウォームアップの中で最終的なチェックをして、それをもとに頑張りたいです。
燃料リストリクターのせいでセクター1は他より0.2秒遅いことがわかったんですが、セクター2、3は車体が軽いぶん有利だと思います。

GT300クラス #2シンティアム・アップル・ロータス

高橋一穂
gt-rd7-q-pc-kazuho なんとか Q1突破できてホッとしています。テストでクラッシュして、2週間ちょっとしかないということでメカにもかなり迷惑をかけました。不眠不休で直してくれて本当にありがたかったです。
鈴鹿でもポールでしたが、あの時は濱口くんがQ1行ったので、僕の貢献度はゼロでしたが、今回は一応Q1は自分で行ったので、そういう意味でも嬉しいです。
ここは2006年に紫電で初優勝したコースで、ロータスも紫電に似て直線は遅いけどコーナーが速いクルマなので、あの時の夢をもう一度と思っています。
多分明日は加藤ちゃんがスタートしたら1分ぐらい引き離して帰ってくる予定なので、そのあとは楽にぶっちぎれるかなと思います。
加藤寛規
gt-rd7-q-pc-kato 少ないながらもテストをやったのが今回効いてたのかなと。前回のテストで不具合があったものがセットアップも含め、時間がない中で持ち込みからかなりいい状態で走れたので、ドライバーも慣れることができました。
Q1を高橋さん行くということは、高橋さんが決めました。高橋さんが「俺が行く」と決めた以上、誰も何も言えないので、不安があろうと何だろうと(笑)。だからピットロードでずうっと見てただけなんですけど、そしたらまさか3番手で戻ってくるとは思わなかったので、それに奮起して僕も。
ブリヂストンが今回速かったので、「来るのかな」と思っていたんですが、何とか凌ぎきれて。1000分の1秒の差は行いの差かなと。
今日の予選は予想以上に気温が高かったんですけど、明日の決勝は涼しくなるはずなので、僕らには有利に働くはずです。さすがに1分のリードは無理ですけど(笑)、明日はスタートから1コーナーまで抑えきれれば、あとは逃げられるかなと思います。勝つチャンスってなかなかないので、与えられたチャンスの中で今回は本当に気合を入れていきたいなと思います。
まだ作戦は考えてないです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス公式予選 両クラスコースレコード続出の中、#12カルソニックGT-Rが今季初ポールを獲得!GT300は#2ロータスが2度目のポール

2015オートバックス スーパーGT第7戦「スーパーGT in 九州300km」の公式予選が10月31日。大分県のオートポリスで行われ、#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1’32.835という圧倒的な速さをみせつけ、今季初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#2シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組)が第5戦鈴鹿に次いで今季2度目のポール。こちらは#31aprプリウスを僅か1000分の1秒上回るという大接戦だった。

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公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。
天候は晴れ、秋の強い日差しのもとでの走行となった。

予選Q1
GT500クラスは例によって残り時間8分を切るあたりから各車続々とコースイン。2周をウォームアップに費やしてのアタックとなった。
最初にコースインしたのは朝の公式練習で赤旗の原因となった#64エプソンNSX。ベルトラン・バゲットがドライブし、1’34.003といきなり昨年のコースレコードを上回ってきた。
しかし続く#38ZENT RC Fの石浦宏明は1’33.817、#36ペトロナスRC Fの伊藤大輔も1’33.788と1分33秒台に入るドライバーが相次ぎ、チェッカー寸前には#24D’station GT-Rの佐々木大樹が1’33.176を叩き出してトップに。
モラルハザードポイント累積で公式練習への出走を禁じられた#12カルソニックGT-Rの安田も1’33.367を記録して3番手に食い込んできた。
結局終わってみれば上位13台がコースレコードを更新する大接戦となり、ここで#6エネオスRC F、#46S Road GT-R、#100レイブリックNSX、#15モデューロNSX、#8ARTA NSX、#39デンソーRC F、#37KeePer RC Fの7台が予選を終えることになった。

GT300クラスも出走27台中13台が昨年のコースレコードを更新する接戦となり、中山雄一がドライブした#31aprプリウスが1’43.417でトップに立った。
また、普段は加藤寛規にQ1を任せて確実にQ2進出を狙ってくる#2シンティアム・アップル・ロータスは今回高橋一穂がQ1を担当、見事3位でQ2進出に成功した。
一方、圧倒的な大差でポイントリーダーの座に君臨する#10ゲイナーGT-Rは74kgのウェイトハンデが祟ってか、千代勝正のドライブをもってしても14位。#11メルセデスSLSも16位と厳しい結果に終わった。

予選Q2
GT500クラスはQ2においても残り時間が半分近くになってようやくコースイン。ほぼ一発勝負のアタックとなったが、最初にアタックした#64中嶋大祐に続いて#12オリベイラが1’32.835といきなり1分32秒台のタイムを叩き出してみせた。
結局あと続いたドライバーたちは誰一人オリベイラのタイムを上回ることができず、#12カルソニックGT-Rが今季初のポールポジションを獲得、今季初勝利に向けて絶好のポジションから明日の決勝に臨むことになった。2番手には#38ZENT RC F、3番手には#1モチュールGT-Rがつけた。

GT300クラスは第5戦鈴鹿に続いて今季2度目のQ2アタックを担当した#2ロータス加藤が1’43.001を叩き出してトップに。嵯峨宏紀の駆る#31aprプリウスは1’43.002と僅か1000分の1秒差で2位につけるという大接戦となり、小林崇志がドライブした#55ARTA CR-Zが3番手につけ、九州出身の井口卓人がQ2を担当した#61スバルBRZが4番手と、JAF-GT勢が上位を独占する結果となった。
#2ロータスのポールポジションは第5戦鈴鹿1000kmに続いて今季2回目だ。
新たに導入されたマザーシャシーをもとに一から制作された2号車は開幕前テストから相次ぐトラブルに苦しんできたが、中盤戦以降は目覚ましい速さを発揮し続けている。

スーパーGT第7戦の決勝は明日午後2時より65周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第11-12戦オートポリス公式予選 第11戦は#7大津、第12戦は#5平木がそれぞれ初ポールを獲得!!

FIA-F4選手権第11戦、12戦の公式予選が10月31日、大分県のオートポリスで行われ、第11戦は#7大津弘樹(HFDP)が1’51.346で自身初のポールポジションを獲得した。
またセカンドベストタイムで決められる第12戦のポールポジションは1’51.513の#5平木湧也(RSファイン)だった。

今季からスタートしたFIA-F4も残すはあと2大会4戦となった。
今回の舞台となるオートポリスは、レースするのは今回が初めてというドライバーも多く、今までとは違った展開が期待できそうな状況だ。
それでも木曜、金曜と専有走行が始まってみれば、ポイントリーダーの#36坪井翔(トムス)
が両日ともトップタイムを記録。チャンピオン獲得に向けて好スタートを切った格好だ。

公式予選が行われた31日は好天に恵まれたものの、今までのレースではなかったほどの低温での走行となり、事前にテストを行った何人かのドライバーにとっても厳しい走行となったようだ。
午前11時30分のコースオープンからわずか6分でコースアウトした車両があり、予選は赤旗中断を挟んでの30分間の走行となったが、ここでトップに立ったのが現在ポイントランキング3位につけている#7大津だった。
大津はセッション再開10分後に1’51.346を記録すると、チェッカーまで3分を残してピットへ。
今回初めてオートポリスでのレースを迎える大津は事前にスーパーFJで1日練習を行ってからレースウィークに入ったとのこと。その成果もあってか専有走行から好感触をつかんでいたという。

それに対してポイントリーダーの坪井は序盤に赤旗でアタックのタイミングを逸してしまったようで、再開後はトラフィックに捕まったこともあって僅かに大津に届かず、1’51.398で2位に留まった。3番手には#50山田真之亮がつけた。

しかしセカンドベストタイムで決められる第12戦のグリッドでは、安定したタイムを刻んだ#5平木がポールを獲得。木曜からの走行では好感触を得ていたという平木はしかしこの結果にも満足はしていないようだ。第12戦の予選2番手は#50山田、3番手に#7大津がつけ、#36坪井は5番手と厳しい位置だ。

また、前回のSUGOで坪井の逆転を許した#11牧野任祐はここでも苦戦が続き、第11戦9番手、第12戦8番手という結果に終わっている。

FIA-F4選手権第11戦の決勝はこのあと午後3時35分より、第12戦決勝は明日午前10時15分より、それぞれ13周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス公式練習 上位10台がコースレコードを突破!トップタイムは#24D'station GT-R

2015オートバックス スーパーGT第7戦「スーパーGTin九州300km」の公式練習が10月31日、大分県のオートポリスで行われ、#24D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹/ミハエル・クルム組)が1’33.060と昨年樹立されたコースレコードを1秒以上上回るトップタイムを記録した。
GT300クラスは#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が1’43.699でトップだった。

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2015年のスーパーGTもいよいよ残り2戦となった。このオートポリス大会ではウェイトハンデが1ポイントにつき1kgと半減され、これまで重いウェイトに苦しんできたランキング上位陣の争いが一層激しくなるものと期待される。
公式予選日の天候は晴れ。気温は6℃と真冬の陽気のもと、午前9時より1時間45分の公式練習が始まった。

ところがピットオープンから5分も経たないうちに#64エプソンNSXが第1ヘアピン手前のターン4でスピンオフ。車両はスポンジバリアに後ろから突っ込み、身動きが取れない状態になってしまった。
ドライバーの中嶋大祐は無事自力でクルマを降りたものの、この車両回収とバリアの修復作業のため、9時23分まで赤旗中断となってしまった。
しかし64号車のダメージは思いのほか軽かったようで、開始から1時間あまりで走行に復帰している。
また#100レイブリックNSXもトラブルからコースインが遅れ、50分が経過したところでようやくピットを離れた。

さて最初の2クラス混走でトップに立ったのは#12カルソニックGT-R。
モラルハザードポイントの累積により安田裕信が公式練習への参加を禁じられる中、J.P.デ・オリベイラが孤軍奮闘し、開始から30分で1’33.982と、従来のコースレコードである1’34.523を早々と上回ってきた。
しかし10時35分からGT500の専有走行が始まると、ヘイッキ・コバライネンの駆る#39デンソーサードRC Fがいきなり1’33.902を叩き出してトップへ浮上。
すると#24D’station GT-Rの佐々木、#37KeePer RC Fの平川亮、#15ドラゴ モデューロNSXの小暮卓史らが続々とこれを上回り、1’33.060と大幅にタイムを縮めた24号車がトップに立った。
オリベイラもここでタイムを縮めたが、1’33.210とわずかに及ばず、3位で公式練習を終えることになった。
結局、このセッションでは上位10台もがレコードを上回ることに。午後の公式予選では一体どのくらいのタイムが記録されるのか、大いに期待できる内容となった。

一方のGT300クラスはセッション序盤に1’43.699を嵯峨が記録した#31プリウスがそのままトップとなり、#2シンティアム・アップル・ロータスが1’43.776で2位、3位には#55ARTA CR-Zが1’44.221、4位に#61スバルBRZ、5位に#20アップガレージMC86とJAF-GT勢が上位を独占する結果となっている。

公式予選はこのあと午後1時30分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

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WEC富士6時間:決勝レース 圧倒的な速さでポルシェ919ハイブリッドが独走1-2、#17ベルンハルト/ウェバー/ハートレイ組が3連勝を達成

2015年FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間」の決勝レースが10月11日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#17Porsche Team/ポルシェ919ハイブリッド(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレイ組)が優勝、#18(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組)が2位につけ、ポルシェが圧倒的な速さを見せつけた。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:9日6,000人/10日14,000人/11日32,000人/大会総入場者数52,000人)

優勝したティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレー組(ポルシェ919 Hybrid)

優勝したティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンドン・ハートレー組(ポルシェ919 Hybrid)

2位のロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組(ポルシェ919 Hybrid)

2位のロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ組(ポルシェ919 Hybrid)

3位のマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組(アウディR18 e-tron quattro)

3位のマルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組(アウディR18 e-tron quattro)

4位のルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組(アウディR18 e-tron quattro)

4位のルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組(アウディR18 e-tron quattro)

5位のアンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋 一貴組(トヨタTS040 HYBRID)

5位のアンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋 一貴組(トヨタTS040 HYBRID)

6位のアレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組(トヨタTS040 HYBRID)

6位のアレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組(トヨタTS040 HYBRID)

LMP2優勝のロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル/サム・バード組(リジェJS P2-ニッサン)

LMP2優勝のロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル/サム・バード組(リジェJS P2-ニッサン)

LMP1の表彰式

LMP1の表彰式

公式予選日までの好天とは打って変わり、決勝日の富士は朝から小雨の降り続くあいにくのコンディション。
このため午前11時からの決勝レースはセーフティーカースタートされ、開始から約30分間は隊列を組んでの走行となった。

SCは17周めにピットイン、18周めからシグナルグリーンとなったが、この周のコカコーラコーナーでなんとポールシッターの#17ウェバーがコースアウト、大きく順位を落とすことに。続いて18デュマもセクター3で失速、相次いでアウディ勢、トヨタ勢の先行を許すことになった。

しかしストレートスピードに勝る2台のポルシェは周回を重ねるにつれて次第にペースを取り戻し、20周めには相次いでアレキサンダー・ブルツの駆る#2トヨタTS-040を抜き去ると、懸命に抵抗する中嶋一貴のトヨタ1号車も最初のピットストップを利用してかわし、一気にアウディの背後に迫って行った。

そして先行する18号車は71周終わりのストレートでついにトップを走行する#7アウディR18 e-tronクワトロを捉えてトップに浮上、そのまま後続を突き放しにかかる。
2度のコースアウトにより出遅れた17号車も75周めまで激しいドッグファイトを展開、7号車の2度めのピットインに乗じて2位に浮上した。

この辺りから雨は降ったり止んだりを繰り返しながら次第に路面コンディションは向上し、各車とも次第にペースを上げていく。

圧倒的なストレートスピードを武器に1位2位を奪い返したポルシェ勢は次々にファステストラップを塗り替えるハイペースで後続との差を広げていき、3位以下を全て周回遅れに追いやると、レース終盤にはチームオーダーを発令して17号車に先行させる余裕すら見せて6時間で216周を走破、17号車は第4戦ニュルブルクリンクから続く3連勝を1-2フィニッシュで達成した。

アウディ勢もレース終盤には日本のサーキットを知り尽くしたブノワ・トレルイエやロイック・デュバルが昨年の予選タイムをも上回るハイペースで追い上げたが、一歩及ばなかった。

また昨年の覇者トヨタ勢も序盤こそ中嶋一貴の1号車がウェバーやデュマを相手に一歩もひかないドッグファイトを展開したが、ストレートスピードの差は如何ともしがたく、トップから2周遅れの5位に終わった。
また2号車は20周めのコカコーラコーナーで18号車と接触、スピンを喫したばかりかラジエターを破損してしまい、交換作業に時間を取られて大きく後退、最後まで懸命の追い上げを見せたが6位に終わっている。

このほか、LMP2クラスは#47KCMG/オレカ05日産と残り1時間まで激しい肉弾戦を繰り広げた#26G-Driveレーシング/リジェJSP2日産(ロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル/サム・バード組)が競り勝ってクラス優勝。
LMGTEプロクラスはAFコルセの#51フェラーリ458イタリア(ジャンマリア・ブルーニ/とに・ヴィランダー組)が、LMGTEアマクラスは俳優のパトリック・デンプシーがドライブする#77デンプシー・プロトンレーシングのポルシェ911RSR(パトリック・デンプシー/パトリック・ロング/マルコ・ゼーフリート組)が優勝した。

WECはこのあと戦いの舞台を中国の上海サーキットに移して第7戦を開催する。
11月1日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

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WEC富士6時間:「クルマが速かろうと遅かろうと、常にプッシュするだけです」中嶋一貴(トヨタ)予選後のコメント

(今シーズンを振り返って)ドライバーはあんまり頭が良くないので、どのレースへ行っても夢を見ちゃうというか、何かいいことがあるんじゃないかと思いながらやってるので、実際予選が終わってみると「ああいつも通りか」というのはありますけど、明日の天気も含めて、何か起きるんじゃないかと思いながらやってますし、常にモチベーションは高く持ってみんなやってます。
あと特に自分だけで乗るわけではないので。チーム内でも常に比較はされているので、クルマが速かろうが遅かろうが常にプッシュしていないといけないという状況は変わりません。
ルマンから、特に今回に向けてすごくエンジンが良くなっているのは体感できますし、来年に向けてクルマが大きく変わることも分かっているので、ドライバーとしては大きなモチベーションになっています。来年クルマが良くなった時のためにも今頑張らないといけないという気持ちを持って頑張ってます。

(東富士研究所へ行った時の感想は)いろいろなものを見たり、人と会って話をする中でただ単にサーキットで話を聞くよりもドライバーみんな実感は持てていると思うので、すごく良かったと思いますし、こういう状況の中でも応援してもらっているということを実感できたので、さらに頑張ろうという気持ちになりました。

(ライバルたちがさらに速くなっていたことを目の当たりにしてどう思ったか)やはりびっくりはしますよね。ポルシェはだいぶ速くなるだろうなあと想像はしていました。でもその幅がでかかった。アウディは去年と同じくらいかと思っていたんですが、さらに速くなってた。来年僕らもさらに速くなっているといいですが、周りも速くなってくるだろうから、その中でどこが一番伸びたか、という勝負になるんでしょうね。

(フルシーズン1年目だが)意外と違わないですね。いろんなサーキットに行きましたが、オースティン以外は知ってるサーキットだったし。耐久とはいえ走っても2スティントなので、時間で比較すればF1と変わらないかなと。ルマン以外は普通のレースと変わりません。当時のF1に比べればGフォースなんかも違うし、フィジカル的にはむしろ楽ですね。
オースティンとかニュルみたいに暑いと辛いですが、それ以外は問題ありません。

(ルマンで勝つにはあと何が必要だと思うか)あとは運がついてくれば、と。勝つまでやり続けるしかないんでしょうね。ツイてればいきなり勝つこともあるでしょうし、運は巡るものだと思うので、巡ってくるまでやり続けるしか。チームの力的には過去にも勝つ力があることを何度も証明しているので、あとはその力を維持して、勝てるまでやるしかないです。

(決勝に向けて一言)天気が微妙ですし、天気が崩れてくれた方が多少いつもとの違いは出せると思いますけど、だからって急に頑張ってもしょうがないし、いつも頑張ってはいますので。僕らは常にベストを尽くすだけです。

(ウェットでの走行は十分に行ってきたか)スパでクラッシュした時は雨でしたし、ルマンでちょっと降ったかもしれませんが、今年はそのぐらいでした。大して雨で乗っていないことはみんな同じですから。

(日本との往復でスーパーフォーミュラとWECを戦うことで体力的に厳しくはないか)あんまり変わらないですね。富士と中国はすぐ近所ですし、ヨーロッパが増えたのと、バーレーンも何度か言ってますし、アメリカの時差ぼけがちょっと、というぐらいです。
スケジュール的にはスーパーGTがなくなった分暇になってるくらいです。テストもないので。
GTやってた去年の方が忙しかったと思います。

(スーパーフォーミュラの後半戦について)思っている通りになってるので、次の菅生で勝てればなんとかなるんじゃないかなと思っています。去年に比べて自分自身が安定しているというのはあると思うし、うまく行った時のことを繰り返しできるようになっているので。あとは周りもうまくなってきていると思うのですが、スタートを活かせるようになったこと、予選も含めて全てがうまくかみ合うようになってきました。その割にポイントが縮まらないなと(笑)
石浦選手は去年もポイントポイントで速かったんですけど、今年は大事なところで全部速い。オートポリスの差を見ると圧倒的に速いので、これはなんとかしなきゃなと。菅生に向けて車も見直してもらっているので、期待しています。それをうまく結果に結びつけられればなと。
菅生は石浦くんも速いだろうし、アンドレも速いでしょう。JPはちょっと速くない気がします。あとはホンダ勢がどこまでくるか、可夢偉もくるでしょうし。スタートで菅生は稼げないので、フロントローにいれば、という感じです。
まずは菅生で優勝できればベストですが、ポールを取って1ポイント取りたいです。
最終戦はボーナスポイントがあるので、例年通り最後に勝って美味しいところを持ってこうかなと(笑)

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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WEC富士6時間:「来年は30秒速くしますよ」村田久武プロジェクトリ−ダー(トヨタ)予選後のコメント

このレースに備えてエンジンの馬力を上げてきました。詳しい数字は言えませんが、エンジン単体でウン十馬力です。
燃費を犠牲にして馬力を上げても仕方がないので、ポンピングロスとかフリクションを下げて実馬力を上げました。
すでに東富士では来年のエンジンが回っているんですが、そこで使っているものの中から入れられるものを全部入れてれてきました。
空力についてはコース特性とドライバーの要求に合わせて調整してきました。

(他のライバルと比較して)そんなに甘くないなと。ルマンから少しでも差を縮めようとしてきているんですけど、そんなに世の中甘くないなあと。

ルマンも特別ですが日本も特別なレースです。自分たちのパワートレーンを作ってくれている仲間が日本に一杯いて、彼らが生で見られる唯一のレースが富士なんです。
自分たちのプロジェクトを応援してくださる日本のファンも生で見られる唯一のレースでもあるので、手ぶらでくるわけにはいかないと。今自分たちが出来る最善の策を持っていかんといかんよねと話し合って、一人1馬力ずつでいいので掻き集めてこいと。それを足してウン十馬力にしました。ドライバーも体感してくれています。
ただこれは絶対的な努力で済む話ではなく競争ですから、自分たちが頑張っても相手がもっと上げてくるかもしれない。その結果が今日に繋がったということです。

前半戦はアウディのハイダウンフォースのクルマが強く、ポルシェのローダウンフォースのクルマですが何が何でもチャンピオンを取ろうと、後半さらにアップデートしてきました。
今回我々はハイダウンフォースのパッケージを持ち込んでいます。富士はストレートが長いので直線を重視した方がいいと思われていますが、セクター3をどう切り抜けるか、ハイスピードコーナーをどう切り抜けるかがすごく重要なんですよ。

今までいろんなところで「申し訳ございません」と言い続けてきました。
役員にも怒られてるし、ファンの人からは「来年こそがんばってくださいね」と言われています(笑)まずは「申し訳ございません」と。「来年頑張ります」と。

(来年の開発状況は)すでに回っています。東富士で回っていて、今回もドライバーが日本に来た時に彼らを勇気付けるために本社の鋳物工場やマシニング工場に連れてって現場のみんなと触れあってもらい、来年のユニットも見てもらってモチベーションを上げてもらいました。
今年ポルシェが6秒速くしてきましたので、来年僕らは30秒速くしてやろうと(笑)
アウトラインは相当前に決めていて、ポケットにあるものを掻き集め、持ってるものを全部出して開発しています。そうしないと来年も同じようになってみなさんに問い詰められることになりますから。

こういう厳しい状況になると諦めたり投げやりになったりすることもあると思いますが、チームも、ドライバーも、開発陣もひたすら前を向いてやってきました。そういう諦めへん気持ちを培ったのが今年の収穫です。半分泣きながらやってますけど(笑)鼓舞しながら。そういう精神的な強さを再確認できました。
去年チャンピオンとったけど、その前はずぅっと負け続けていましたよね。
だから「去年はたまたまチャンピオンとったんだ。もともとこうだったやんけ」とみんなで言いながら、「そんな偉そうなこと言える立場やないやろう」って。

(30秒という目標は達成可能なのか)出来るできないじゃなく、やるんだ、と。できなかったらまた同じ思いをすることになるんですから。

(来年型のコンセプトについて)今言ったら3月に書くことがなくなるじゃないですか(笑)もうちょっと待っててください。

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

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アジアンルマン第1戦富士決勝 ポールの#8中野/ロイトウィラー組が独走優勝

WEC富士6時間と併催のアジアンルマンシリーズ第1戦の決勝レースが10月10日、富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#8RACE PERFORMANCE/オレカ03Rジャッド(ニコラス・ロイトウィラー/中野信治組)が70周を走破し、総合優勝を飾った。

決勝レースは午後3時より2時間で行われた。
スタートでトップに立ったのは#99ユーラシアモータースポーツのオレカ03。
ポールシッターの8号車は、スタートドライバーの中野が1コーナーでオーバーランして2位に後退、その後も99号車のトリスタン・ゴメンディに徐々に引き離されてしまう。

しかしレースが中盤に入り、二人目のドライバーに交代すると、99号車をドライブしたタク・スン・キムのペースが上がらず、これを37周めに#8ロイトウィラーが捉えてトップを奪い返し、その後も一気に突き放しにかかった。
99号車はその後50周めにピットインして三人めのウィリアム・ロークに交代したが、トラブルに見舞われたか残り15分になるまでガレージに足止めされることとなり、総合10位まで後退してレースを終えることになった。

この他LMP3クラスは#1DCレーシングのリジェJSP3(デビッド・チェン/ホー・ピン・タン組)が、LMGTクラスは#3クリアウォーターレーシングのマクラーレン650s(モク・ウェン・スン/ロブ・ベル/澤圭太組)がクラス優勝を獲得した。

なお、吉本大樹と細川慎弥が参加したチームAAIの#92BMW Z4はGTクラス3位(総合5位)に入ったが、谷口信輝が参加した同チームの#91BMW Z4はオープニングラップでアクシデントによりリタイヤ、柳田真孝、松井孝允らが参加したLMP3クラスの#89ADDESS03は49周めに駆動系のトラブルでリタイヤ、同じくLMP3クラスで谷川達也、阪口良平らがドライブした#88ADDESS03は7周めのダンロップコーナーでスピン、そのままコース上にストップしてレースを終えている。

Text:Kazuhisa SUEHIROa

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WEC富士6時間公式予選 驚異の22秒台連発で#17ポルシェがPP獲得!

2015年FIA世界耐久選手権第6戦「富士6時間レース」の公式予選が10月10日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#17Porsche Team/Porsche919(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレイ組)が平均タイム1’22.763というダントツの速さを見せつけてポールポジションを獲得した。

公式予選は午後1時40分よりLMGTクラス、LMPクラス各20分間で行われた。
WECの予選は2人のドライバーがアタックを行い、そのベストタイムの平均で決勝のグリッドを決めるシステム。
最初に行われたLMGTクラスの予選ではAFコルセの2台のフェラーリ458が1-2を獲得。#71ダビデ・リゴン/ジェームス・カラド組が平均タイム1’38.295でポールポジションを獲得した。
GTAmクラスはラルブルコンペティションの#50コルベット(ジャンルカ・ローダ/パオロ・ルベルティ/ニコライ・シルベスト組)がトップだった。

続いて午後2時10分から行われたLMPクラスの予選では、#17ポルシェで最初にアタックしたティモ・ベルンハルトがいきなり1’22.888を叩き出してトップに踊り出ると、2番めにアタックしたマーク・ウェバーが1’22.639とタイムをさらに縮めてきた。
これで平均タイムは1’22.753だ。
今年5月に富士で行われたスーパーフォーミュラ第2戦のポールタイムが1’22.572だったことを考えても、スポーツプロトタイプカーでのこのタイムは驚異的と言える。
ところがセッション後半に入って#7アウディR18eトロン・クワトロをドライブしたブノワ・トレルイエも1’22.908と17号車に迫るタイムを叩き出して見せた。
しかし平均タイムでは1’23.082に留まり、ロメイン・デュマとマルク・リーブが安定した速さを見せた”#18ポルシェの1’23.071にわずかに及ばず、ポルシェがフロントローを独占する結果に終わった。
一方、昨年の覇者トヨタレーシングは、#1(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組が1’25.072、#2(アレキサンダー・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組)が1’25.327と昨年を上回るタイムを記録したものの、今回もポルシェ、アウディの後塵を排する結果となった。

この他LMP1-Lクラスではレベリオンレーシングの#13R-One/AER(アレキサンダー・インペラトーリ/ドミニク・クライハマー/ダニエル・アプト組)が1’28.492、LMP2クラスはG-Driveレーシングの#26リジェJSP2/日産(ロマン・ルシノフ/ジュリアン・キャナル/サム・バード組)が1’31.529でそれぞれクラストップだった。

富士6時間決勝は明日午前11時スタート。
現時点では雨の予報となっており、どのような結果になるか全く予想できない状況だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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アジアンルマンシリーズ第1戦富士 公式予選 中野信治の駆る#8オレカがPP

WEC富士6時間と併催で行われるアジアンルマンシリーズ第1戦は10月10日、富士スピードウェイで公式予選を行い、中野信治のドライブする#8RACE PERFORMANCE/オレカ03Rジャッド(ニコラス・ロイトウィラー/中野信治組)が1’36.613でポールポジションを獲得した。

公式予選は午前11時より30分間で行われた。
最初にトップに立ったのは#1DCレーシングのLMP3だったが、すぐに中野が1’36.978でトップに。中野はその後1’36.613までタイムを縮めてポールポジションをものにした。
同じLMP2クラスのもう一台、#99ユーラシアモータースポーツとは1.8秒差だった。

この他、澤圭太がドライブする#3マクラーレン650s(クリアウォーターレーシング)は1’39.484でLMGTクラスのトップ、総合でも4位につけ、細川慎弥、吉本大樹のドライブする#92BMW Z4(チームAAI)がLMGTクラス2位で総合5位、谷口信輝のドライブする#91BMW Z4(チームAAI)がLMGTクラス3位、総合6位につけた。

一方、柳田真孝、松井孝允、谷川達也、阪口良平らが加わって2台のLMP3車両を走らせるチームAAIの88号車、89号車は、先週走り始めたばかりのニューマシンということもあり、指定部品がまだ届いていないとのことで予選走行を見送っている。
しかし部品の到着を待って午後の決勝には出走するとのことだ。

決勝レースは今日の午後3時より2時間で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER FORMULA | その他

WEC富士6時間:フリー走行 #17ポルシェが圧倒的な速さでトップに。

2015年FIA世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間レース」が10月9日、静岡県の富士スピードウェイで開幕、初日のフリー走行では1回目に#7Audi Sport Team Joest(マルセル・フェスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ組)が1’24.497、2回目は##17Porsche Team(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ブレンダン・ハートレイ組)が1’24.460を記録してトップだった。

公式予選日の10日は午前9時50分よりフリー走行3回目が60分間で行われ、#17ポルシェが1’23.570という驚異的なタイムを叩き出してトップタイム。
昨年優勝のTOYOTA Racingは1号車(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴組)が1’25.458で4番手、2号車(アレクサンダー・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ組)は1’26.186で5番手に終わった。

LMP2クラスはフリー走行1回目がアルピーヌ/日産を駆る#36Signatech Alpine、フリー走行2回目はリジェ/日産の#26G-Drive、フリー走行3回目はギブソン/日産の#42Strakka Racingがトップだった。

天候は第1日目が晴れ、第2日目が曇りで、いずれもドライコンディションでの走行。
フリー走行3回目の気温は17.5℃、路面温度18.89℃と例年より低めで、午後の公式予選でもこうタイムが期待できそうだ。

公式予選は午後1時40分よりLMGTEクラス、LMPクラスは午後2時10分より、それぞれ20分間で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第6戦SUGO決勝 高橋国光監督の目に涙!#100レイブリックNSXが2年5ヶ月ぶりの勝利

#100レイブリックNSX、2年5ヶ月ぶりの勝利!!
2015オートバックス スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝レースが9月20日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、予選2番手からスタートした#100RAYBRIG NSX CONCEPT GT(山本尚貴/伊沢拓也組)がレース中盤にトップに立ち、そのまま逃げ切って今季初勝利を挙げた。
GT300クラスは#25VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)がレース序盤の接戦を制し、今季から導入されたマザーシャシー勢で初のウィナーとなった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日8,000人/決勝日28,500人/大会延べ入場者数36,500人)

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決勝レースは午後2時より81周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールポジションの#46S Road GT-R。
スタートドライバーの本山哲が快調に後続を引き離して序盤トップを快走するが、26周目のバックストレートで10位争いをしていた#38ZENTセルモRC Fと#39DENSOサードRC Fが接触、コースを飛び出した39号車がガードレールに激突して止まったため、これを回収するためにセーフティーカーが導入されることになった。
これで46号車のリードは失われ、ピット作業を済ませてリスタートとなった直後の36周終わりのホームストレートで100号車の先行を許してしまった。
100号車の後半を受け持った伊沢は危なげない走りで残り45周を走りきり、チームに2013年4月の第位1戦岡山以来の勝利をもたらした。
2位は#46S Road GT-R。#100レイブリックNSXに離されずについて行ったが、トップを挽回する決め手を欠いた。

レース中盤以降は淡々と進んだトップ争いとは対照的に、3位以下の争いは波乱の連続だった。
まず序盤3位につけていた#64エプソンNSXは24周目にタイヤトラブルから緊急ピットインを強いられ、一旦はピットアウトしたものの、1周もできないままに再度ピットへ。そのままレースを終えてしまった。
続いて3位に浮上した#37KeePer RC Fはピットストップの際にドライバーがエンジンを切り忘れたためにドライブスルーペナルティを受けてしまい、一気に順位を落としてしまった。
これにより3位に浮上したのは36エネオスFC F。
しかし#24D’station GT-Rを駆る佐々木大樹がレース終盤に猛チャージを敢行、77周終わりのホームストレードで6号車をドライブする国本雄資のインをついて3位表彰台をものにした。

一方、予選から苦戦続きだったポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rは2度に渡る黄旗追い越しにより20秒ストップと30秒ストップの2つのペナルティを受けて大きく順位を落とし、11位ノーポイントでレースを終えた。
前回の鈴鹿1000kmで優勝し、一気にチャンピオン争いに絡んできた#36ペトロナスRC Fもグリッド整列時にエンジンがかからず、ピットスタートとなったほか、4基めのエンジンを搭載したことによる10秒ストップペナルティと散々な状況で71周でレースを終えている。

これによりドライバーズランキングは、安田/オリベイラ組は51ptと変わらずながらかろうじてトップの座を守ったものの、このレースを制した山本/伊沢組が49ptで2点差に迫り、立川/石浦組と本山/柳田組が45ptで並び、松田/クインタレッリ組が44pt、伊藤/ロシター組が43ptと、全く予測もつかない状態になってきた。

混沌を極めるGT500クラスとは対照的に、#10ゲイナーGT-Rの独走状態になっているGT300クラス。
しかし今回は序盤からめまぐるしく順位が入れ替わる激しいバトルがコースのいたるところで展開された。
ホールショットを奪ったのはポールポジションの#55CR-Z。
しかし7周目の1コーナーで予選2番手の#25VivaC 86を駆る松井が#55高木真一のインに飛び込み、一気にトップに躍り出た。
55号車はその周終わりのホームストレートで#31プリウスを駆る嵯峨宏紀にも先行され、さらにはSC中に行ったピットストップで#8ARTA NSXに行く手を阻まれて大きく順位を落とし、48周目には最終コーナーでスピンを喫し、結局クラス12位でレースを終えた。

一方、トップに立った#25VivaC86は後続の混乱を尻目に着実にリードを広げマザーシャシーで初の勝者という栄冠を勝ち取った。
2位にはレース中盤の#88マネパランボルギーニとのドッグファイトを制した#31aprプリウスが入り、その88号車をレース終盤にバックストレートで抜き去った#11ゲイナーSLSが3位表彰台をものにした。
またポイントリーダーの#10ゲイナーGT-Rは100kgのウェイトに苦しみながらも6位につけ、着実にポイントを獲得している。

次戦の舞台は九州のオートポリス。
11月1日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第10戦SUGO決勝 好調#36坪井が破竹の5連勝

FIA-F4シリーズ第10戦の決勝が9月20日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
15周のレースを制したのはポールシッターの#36坪井翔(FTRSスカラシップF4)。
第6戦富士からの5連勝を達成し、シリーズポイントを166に伸ばした。

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第10戦決勝は午前10時20分スタート。
昨日に続いて爽やかな秋晴れのもとでの戦いとなった。
ポールポジションからスタートした坪井は予選3番手からスタートした#11牧野任祐(Rnスポーツ)を押さえて1コーナーに飛び込むと、そのまま一気に後続を突き放しにかかった。

一方牧野はスタートで2位に浮上したものの、その周終わりのホームストレートで予選2番手の#4河野駿佑(RSファイン)にインを突かれ、3位に後退してしまう。
その後は後方に迫ってきた#19篠原拓郎(VSR)を抑え込むので手一杯の状況になり、そのまま3位でフィニッシュすることになった。

2位に浮上した河野は時折坪井を上回るラップタイムを記録しながらトップを追ったが、坪井は安定したペースで最後まで走りきり、第6戦富士からの5連勝、今季通算6勝目を挙げた。
これによりシリーズポイントは坪井166pt、牧野158となり、坪井はリードを8ptに広げた。

また中団グループでは#37小高一斗、#3阪口晴南、#22宮田莉朋の3台が熾烈なドッグファイトを展開。予選4番手ながらスタートで出遅れた小高は4周目の馬の背で前を行く阪口を抜いて7位に浮上すると、阪口も9周目の馬の背でアウトから小高に並びかけたが、立ち上がりで姿勢を乱して再び小高の先行を許した。宮田もこの期に阪口をパス、小高の追撃にかかるが、次第に厳しくなるオーバーステアにより14周目のレインボーコーナー立ち上がりでラインが乱れたところを阪口に突かれてしまった。
結局3人は7位小高、8位阪口、9位宮田の順でフィニッシュした。
彼らはいずれも今年16歳になったばかり。
今後が楽しみなドライバーたちだ。

次戦の舞台は大分県のオートポリス。
ほとんどのドライバーが未経験のこのコースでは果たしてどんな戦いが待っているのか。
10月31日、11月1日開催だ。

優勝 #36坪井翔のコメント
スタートは牧野くんの方が速かったんですが、1コーナ-を抑えきれば大丈夫だと思っていました。
気負わずにスタートできて、1コーナーを守れてからは牧野くんが離れて行ったので、ひたすら自分の走りに集中しつづけました。1周目に河野くんが2位に上がってきて、なかなか離れなかったので、途中でペースを上げました。中盤は追いつかれたり離れたりしていましたが、そのうち河野くんが離れて行きました。
今回のSUGOはポールから2連勝とすごくいい流れが途切れずにきているので、オートポリスは本当に初めてなんですけど、このいい流れに乗って、後半4戦を死ぬ気で頑張りたいと思います。
2位 #4河野駿佑のコメント
スタートで行きたい、っていうのがあったので、狙いすぎてたってわけでもなかったんですけど、自分の思ってたところと(クラッチの)繋がるところが違ってて、それでスピードが伸びませんでした。多分ホイールスピンさせてたんだと思います。
それで任祐に抜かれちゃったんですけど、最終コーナーを立ち上がったところでうまくスリップに入れたので、「ここで(インに)入らないともう二度と抜けない」と思って、どっちも強引でしたけど行って、抜けたのは良かったです。
そのあともペース的にはトップと変わらないか、うまくすれば追いつけてたと思うんですが、前に行こう行こうという欲なのか、ミスをいっぱいしてしまったので、そこが今後の課題です。
オートポリスはうちの2台だけは5月にテストに行っていて、その面で少しは有利だと思うので、SUGOはせっかくいい流れできていますし、次は優勝したいと思います。
3位 #11牧野任祐のコメント
スタートは良かったんですけど、トップを食うまでには至らなくて。そのあとは防戦一方でどうしようもありませんでした。
オートポリスはまだ走ったことがないのでわからないんですけど、シリーズ的にも勝たないとダメだと思うので、頑張ります。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第6戦SUGOフリー走行 好調#46S Road GT-Rがトップタイム

スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝前フリー走行が9月20日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、昨日の予選でポールポジションを獲得した#46S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝組)がここでもトップタイムを記録した。
GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がトップだった。

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決勝日を迎えたスポーツランドSUGOは昨日に続いて快晴。
爽やかな秋晴れのもと、フリー走行は午前9時より30分間で行われた。
開始直後にS字コーナー先に落下物があるとのことでポストからオイル旗が提示され、それを回収するために赤旗中断となったが、それ以外は大きなクラッシュなどもなく9時30分の終了を迎えた。

GT500クラスでトップに立ったのは#46SロードGT-R。
セッション中盤に1’13.569を記録し、昨日に続いて好調ぶりを見せつけた。
2番手につけたのは同じミシュランタイヤを履く#1モチュールGT-R。リストリクター1ランクダウン+ウェイト28kgという状況ながら、決勝での巻き返しに期待がかかる。
そのほかNSX勢最上位は#15ドラゴモデューロの3位、レクサスRC Fのトップは#19ウェッズスポーツの4位だった。
一方ポイントリーダーでリストリクター1ランクダウン+ウェイト50kgの#12カルソニックGT-Rは14位と苦しい戦いを強いられそうだ。

GT300クラスは開始早々に井口卓人が1’20.729を記録した#61スバルBRZがトップ。
ポールシッターの#55ARTA CR-Zは2番手とこちらも好調そうだ。
また、電気系トラブルにより昨日の公式練習、予選とエンジンがかからなかった#33Excellence Porscheは昨日の夕方4時半頃になって原因が見つかり、無事エンジンがかかったとのことでこのセッションに参加。クラス11番手のタイムを記録して嘆願書での決勝出走となりそうだ。
一方、公式練習でのクラッシュによりフロント部分を大破した#5マッハ車検 86MCは修復が間に合わないとのことでリタイヤ届けを提出と、明暗が分かれた格好だ。

第6戦決勝はこのあと午後2時より81周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第9戦SUGO決勝 PP#36坪井が4連勝!!ポイントリーダーに浮上

FIA-F4第9戦の決勝が9月19日、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジ所からスタートした#36坪井翔(FTRSスカラシップF4)が終始レースをリードし、最後は後続に3.7秒差をつけて今季5勝目を挙げた。

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第9戦決勝は午後3時38分より15周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールの坪井。
しかしトップ3いずれもがあまりいいスタートとは言えず、1コーナー進入までは互いに牽制し合いながらの走行となった。
ここで予選3番手の#11牧野任祐(Rnスポーツ)が予選2番手の#4河野駿佑をかわして2番手に浮上する。

トップの坪井は序盤から安定したペースで牧野を突き放しにかかり、2周終了時点では1.13秒のリード、12周終わりでは3.4秒差とし、その後もリードを広げて3.739秒差でフィニッシュ、第6戦富士以来の4連勝、今季通算5勝目を挙げた。
また、これによりシリーズポイントは145ptとなり、このレースで2位に終わった牧野を2ポイント上回ってポイントリーダーに躍り出た。
3位の河野はレース中盤まで#37小高一斗の追撃を受けたが、後半次第に引き離して今季初の表彰台をものにした。

その後方でレースを大いに盛り上げたのが、このレースがフォーミュラデビューとなる#22宮田莉朋だった。
予選9番手からスタートした宮田はオープニングラップで8位に浮上すると、7周目の1コーナーで#3阪口晴南のインをついて7位に浮上、そのまま前を行く#7大津弘樹のテールに食らいつき、11周目の1コーナーで#37小高、#8上村優太、#7大津が3ワイドのバトルを展開した隙にインから一気に3台を抜き去り、見事デビュー戦を4位で終えている。

第10戦決勝は明日午前10時20分より15周で行われる。

優勝 #36坪井翔のコメント
スタートは上位3台ともあんまり速くなかったんですよ。でも抜かれることはなかったので、1コーナー入った時点で「あ、これはいけるな」と思いました。後ろはすぐ離れて行ったので、自分の走りだけに集中しました。
牧野くんと河野くん、どっちを守ろうかと迷いましたが、うまくおさえることができたので、そこが勝因かなと思います。
明日も晴れになる可能性があるので、タイヤを残しておくためにも後半5周くらいはセーブしました。
2位 #11牧野任祐のコメント
予選の後でクルマのセットを変えて、良くなったんですけど、それでもあれだけ離されるので、何か原因があると思うんですけど、それが何かわからないのが現状です。
まあ明日ももう1レースあるので、何か考えてなんとかできるようにしたいと思います。
スタートの時はみんなそんなに良くなかったんですけど、良くない中では僕がちょっとマシだっただけだと思います。
3位 #4河野駿佑のコメント
今までずっと結果が残らなかったので、勿論勝てなかったのは悔しいですけど、やっと表彰台に載れたのは良かったです。
鈴鹿からここまでに何が変わったということは特にありません。二十歳になったくらいですかね(笑)何かが進化したということではないんですけど、今までもレースではそんなに変わらないペースで走れていたので、予選がすごい課題でした。アタックのときの位置取りであったり、フレッシュタイヤのうまい使い方がわからなくて、予選の一発が出せませんでした。
SUGOは抜くのが難しいので予選を決めなきゃいけないなと思っていました。僕らとトムススピリットは7月に一緒にテストをやってる分有利だったのかなというのはありますし、チームがクルマを良い状態に仕上げてくれたので安心してアタックができました。
今回がデビュー戦となった#22宮田莉朋のコメント
四輪レース自体今回が初めてです。色々と目標はあったんですが予選9番手で終わってしまいました。スタート練習も一切出来なくて、レースで初めてスタート練習をしました。パッシングも、ぶつけて終わりというのだけは嫌だったので、余裕を残したかったんですけど、今回初めてギリギリのところまで攻めて抜くことができました。その部分はカートでの経験が活きたと思います。
フォーミュラの方が荷重移動の部分がカートと違うんですけど、フォーミュラでの経験はカートにも役立っています。
一番の悩みは接近戦と、後ろにつくとダウンフォースが抜けるので、その部分が難しいです。
次のレースは表彰台に上ることを目標にして、今のうちにたくさんのことを収穫して、これからのレースに役立てていきたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第6戦SUGO公式予選 GT500は#46S Road GT-Rが11ヶ月ぶりのPP獲得!GT300は#55ARTA CR-Zが今季2度目のポール

2015オートバックス スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の公式予選が9月19日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。
Q1、Q2ともに好天に恵まれる中で行われた予選ではGT500、GT300ともにコースレコードが相次いで書き換えられる激しいアタック合戦が繰り広げられ、GT500クラスは#46S Road MOLA GT-R(本山哲/柳田真孝組)が久々のポールポジション。GT300クラスは#55ARTA CR-Z(高木真一/小林崇志組)が今季2度目のポールポジションを獲得した。

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p>公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。
天候は晴れ、コースはドライ。爽やかな秋晴れのもとでの走行となった。

予選Q1
GT500クラスはいつもの通り残り時間が8分を切ったあたりから各チームがコースイン。
2周のウォームアップでタイヤに熱を入れてから本格的なアタックを開始した。
これまでにコースレコードは昨年の第4戦決勝で#18ウイダーNSXで山本尚貴が記録した1’13.667。
しかし朝の公式練習ですでに参加全15台がこれを上回るタイムを記録しており、この予選セッションでも最初にアタックを行った#39デンソーRC Fの平手晃平があっさりと1’12.850を記録すると、各ドライバー次々にこれを上回るタイムを記録。
最終的に#24D’station GT-Rの佐々木大毅が1’11.913でトップタイムとなり、コンマ7秒以内に15台が入るという接戦となった。
この結果トップからわずかコンマ3秒落ちの#17KEIHIN NSX(塚越広大)がノックアウトを喫することに。8位の#64エプソンNSX(オリバー・ターベイ)とは僅か0.14秒差だった。
このほかポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rを始めランキング4位までのチームがここで予選を終えることになった。

GT300クラスは終盤Q2進出をめぐって激しい順位争いが展開され、上位12台が2013年の予選Q2で#61スバルBRZで佐々木孝太の記録したコースレコードである1’20.341を上回った。
その結果#31プリウスで嵯峨宏紀が記録した1’19.076がトップタイム。マザーシャシーの#25Vivac 86MCを駆る松井孝允が2番手につけ、平中克幸が1’20.401を出した#11ゲイナーSLSまでがQ2進出を果たすことに。前回の鈴鹿1000kmで優勝して100kgのウェイトハンデを積んだ#10ゲイナーTANAX GT-Rもアンドレ・クートが10番手でQ2進出を果たした。
一方、エンジントラブルにより公式練習に参加できなかった#33Excellence Porscheと公式練習でクラッシュし、フロント周りを大破した#5マッハ車検86 MCの2台は修復が間に合わず、出走できなかった。

予選Q2
GT500クラスのQ2は残り時間が6分30秒を切ったところで各車が始動。
2周のウォームアップののちに1周または2周のアタックを行い、ポールポジションを争った。
最初にアタックしたのは#37KeePer RC Fの平川亮で1’12.204。
しかしすぐに#64エプソンNSXの中嶋大祐、#100レイブリックNSXの伊沢拓也らがこれを上回り、最後に#46GT-Rの本山が1’11.607を記録してトップに立った。
MOLA GT-Rのポール獲得は昨年の第7戦ブリラム以来、11ヶ月ぶりだ。
2番手には#100レイブリックNSX、3番手には#64エプソンNSXがつけた。

GT300クラスのQ2は開始早々に#2ロータスエヴォーラの高橋一穂がヘアピンでコースオフ。
脱出を試みようとした高橋だったがグラベルに足を取られてスタックしてしまい、赤旗中断の原因を作ってしまう。これにより2号車はここで予選を終えることに。
セッションは午後2時24分から残り9分30秒で再開されたが、ここでいきなり好タイムをたたき出したのが#55CR-Zを駆る高木真一だ。
高木は最初のアタックで1’19.326を叩き出すと、次の周には1’19.107までタイムを縮めてみせた。
結局このタイムを残り12人は上回れず、55号車は第4戦富士以来今季2度目のポールポジションを獲得した。
2番手には今週末好調な#25Vivac 86MCの土屋武士がつけ、#31プリウスの中山雄一が3番手という結果になった。
ポイントリーダーの#10ゲイナーTANAX GT-Rは今週末ニュルブルクリンクで開催されるブランパン耐久シリーズ参戦のため千代勝正が欠場となったが、Q2を担当した富田竜一郎が100kgのハンデを物ともせずに8番手タイムを記録、さらなるポイント獲得にむけて好感触を得ている。

第6戦決勝は明日午後2時より81周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第9-10戦SUGO公式予選 好調#36坪井が連続ポール獲得!

#36坪井ここでも絶好調!
FIA-F4第9戦、第10戦の公式予選が9月19日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、目下ポイントリーダーの#36坪井翔(トムス)がベストタイム1’24.085、セカンドタイム1’24.090で連続ポールを獲得した。

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先に行われたスーパーGTの公式練習で2どの赤旗中断があった影響で公式予選は当初予定より12分遅れの午前11時22分より30分間で行われた。
天候は晴れ、コースはドライ。
事前のテスト、前日の専有走行と雨に祟られたこともあり、各ドライバーほぼぶっつけ本番の状況だ。
そうしたこともあってか、開始6分でいきなり#38田島剛(ガレージ茶畑)がコースアウト。
これを回収するために赤旗中断となった。
また残り時間が3分を切ったところでも1台が飛び出し、2度目の赤旗が提示され、この時点で予選は終了になっている。

それでもスーパーFJや東日本F4などで経験を積んでいる選手は走り出しから好タイムを連発して上位に名を連ねてきた。
中でも好調だったのは第6戦富士から3連勝中の坪井だ。
最初の赤旗中断から走行が再開された直後に1’24.374でトップに立つと、その後も快調に周回を重ねて1’24.090、1’24.085を立て続けにマーク。2位以下をコンマ2以上引き離して堂々の連続ポールをものにした。

それに続いたのが#4河野駿佑(RSファイン)。7月にここでテストを行ったことでドライコンディションでの走行にも自信を持っていたという河野はベストタイム1’24.281、セカンドタイム1’24.354で自身初のフロントローを連続で獲得した。

3番手につけたのはポイントリーダーの#11牧野任祐(Rnスポーツ)。
東日本F4などでもSUGOは経験しており、決して苦手なコースではないとはいうものの、ドライコンディションでの走行気概がこれまであまりなかったために、まだまだセッティングを煮詰めきれていないようだ。
それでも坪井の背後につけてスタートでの挽回に賭ける。

また今回FIA-F4にデビューしたのが#22宮田莉朋(RSS)。
先月10日に16歳になったばかりの宮田はこれがフォーミュラ初レース。先週同じSUGOの西コースで開催された全日本カート選手権でも4位入賞をしたばかりだが、それを感じさせない元気な走りで第9戦、第10戦とも9番手と一桁グリッドを獲得した。

FIA-F4第9戦決勝はこの後午後3時35分から、第10戦決勝は明日午前10時20分よりそれぞれ15周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第6戦SUGO公式練習 GT500は全車がコースレコードを上回る激戦に。トップタイムは#100レイブリックNSX

スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の公式練習が9月19日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスは#100RAYBRIG NSX CONCEPT GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が1’12.295、GT300クラスは#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が1’20.038でそれぞれトップだった。

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公式練習は午前9時より1時間45分で行われた。
例年雨に祟られることの多いSUGO大会だが、9月開催となった今回は公式予選日から朝から好天に恵まれ、その結果GT500、GT300両クラスともコースレコードを上回るチームが相次いだ。

GT500クラスは開始20分過ぎに#100レイブリックNSXを駆る伊沢拓也が1’12.927を記録。早くも昨年の決勝で山本尚貴が#18ウイダーNSXで記録した1’13.667を上回ると、#37KeePer RC F、#46S Road GT-Rの2台が次々に100号車のタイムを上回ってきた。
その後、セッション開始当初からスピンを繰り返していた#5マッハ車検 86MCがバックストレートでストップしたためにセッションは赤旗中断に。
5号車はその後GT300クラスの専有走行でも最終コーナーでクラッシュ。その影響でタイヤバリアの一部がコースにころがり出てしまったために2度目の赤旗が提示されてしまう。
この影響でGT500クラスの専有走行は開始時間が12分遅れることとなったが、ここで#100レイブリックNSXが1’12.295までタイムを更新。アタックを担当したのはレコードホルダーの山本だった。
結局GT500クラスは参加全15台が昨年のレコードを上回るタイムを記録。
午後の予選でも激戦が期待できそうな状況になってきた。
ただし、前回の鈴鹿1000kmで優勝した#36ペトロナスRC Fはこの大会を前に4基めのエンジンを搭載することになったため、明日の決勝スタート後に10秒ストップのペナルティが確定しており、今回は苦戦を強いられそうだ。

GT300クラスはこれまで2013年の第4戦予選Q2で#61スバルBRZで佐々木孝太が記録した1’20.341がレコードだったが、最初の赤旗が出る前に#25VivaC 86が1’20.124を記録すると、走行再開直後に#31プリウスが1’20.038とタイムをさらに縮めてきた。
このほか#25VivaC 86、#3B-MAX GT-R、#18UPGARAGE86、#55ARTA CR-Z、#88マネパランボルギーニの上位6台従来のレコードを上回った。
なお今回#18UPGARAGEにはニック・キャシディに代わって佐々木孝太が、#87クリスタル黒子ランボルギーニには山西康司に代わって佐藤公哉が起用されている。
また#86アウディR8はエントリーを取り消している。

公式予選はこのあと午後1時30分より、ノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

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SGT:第5戦鈴鹿決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス #36PETRONAS TOM’S RC F

伊藤大輔
gt-rd5-r-pc-ito 事前テストでは調子が良かったこともあって、自信を持って鈴鹿1000kmに挑んだんですけども。
その中で出鼻をくじかれたというか、フリー走行でミッショントラブルが出て、ほとんど走れない状態で予選を迎え、その結果予選ではQ1落ちして、僕としてはかなり凹んでました。
ただレースは長いし、コンディションも今日は変わりやすいということで、諦めずに行こうと思ってました。
スタートはウェットでしたがジェームスが着実に順位を上げてくれて、またウェットの状態でバトンタッチしました。100号車、15号車との争いになって、15号車はうまく抑えることができたし、100号車はオーバーテイクできたし、スリックに換えるタイミングもうまくいったので、自分的には満足できるスティントでした。
元々は5ストップのつもりでいたのが雨やセーフティカーの関係で4ストップでいける流れに変わってきたので、セーブしながらもプッシュしていきたいという部分で難しさがありましたが、うまく速さと燃費を両立できる形になって最後にジェームスにバトンを渡しました。
うまくギャップが作れていたおかげでジェームスも燃料をセーブでき、結果としては良かったなと。
土曜日にトラブルが出てしまいましたが、それ以外はチーム全員がミスなくやれていたと思います。
非常に嬉しいです。
去年37号車でタイトルが取れなくて、その悔しさを今年の36号車にぶつけようと思ってやってきました。手応えの割には結果がついてこない状況が続いてフラストレーションが溜まる状態で1000kmを迎えましたが、36号車で優勝できたことを嬉しく思っていますし、後半残り3戦も上位でフィニッシュしてタイトルを取りたいと思います。
ジェームス・ロシター
gt-rd5-r-pc-rositer とんでもないレースでした。スタートは雨の厳しいコンディションで、非常にチャレンジングでしたが、その中でできるだけ多くのクルマをオーバーテイクして順位を上げていくことを楽しみながらやっていました。
スリックに交換するタイミングを巡ってはトージョーとサインガードでずっとディスカッションしていたんですけど、ダイスケが無線で「スリックで行こう」と言ってきて、その判断がバッチリ当たって大きなリードを築くことができました。
今の気分?このあと飛行機の予定が迫っているので今は早く帰りたいです(笑)

GT300クラス #10GAINER TANAX GT-R

アンドレ・クート
gt-rd5-r-pc-couto 今は最高の気分です。鈴鹿1000kmという日本でも有名なレースで優勝することができて本当に幸せです。
僕にとってはこれがGT100戦目にあたり、そういう意味でも心に残る思い出になります。
チームは素晴らしい仕事をしたし、素晴らしいチームメイトに恵まれました。
ファーストスティントが終わった時点ではかなり後ろの方にいましたが、そこから順位を上げて優勝を獲得できたことは本当に良かったです。これからのレースも負けられないし、チャンピオンシップを獲得するため引き続き頑張っていきたいです。
千代勝正
gt-rd5-r-pc-chiyo 結構しんどいレースでした。来る前は、ウェイトも多いし、夏場のレースということで決して楽じゃないなと思っていたんですけど、昨日の予選で自分の納得のいくアタックができて、クルマには自信を持っていました。
ウェットの感覚は非常に厳しい状態だったんですけど、ピットインのタイミングとスリックタイヤに換えるタイミングがバッチリ合って、セーフティーカーにも助けられ、他車のペナルティもあって、自分たちがみるみるトップに近づいて行きました。
最後ステアリングを渡されたときはBRZとBMW Z4に絞られてると聞いていたので、この2台を意識していました。自分が先にピットインして目の前のZ4とBRZが出てくる形でした。ここで抜かないともうチャンスがないなと思って、彼らがアウトラップの隙にかなりプッシュしてオーバーテイクが成功しました。その後は長いスティントでヨルグ選手とずっとバトルしていたんですが、GT-Rの速い部分とZ4の速い部分は自分の中で把握できていたので、しっかり考えて、最後まで集中して走ることができました。最後チェッカーを受けたときは本当に嬉しかったです。
アンドレの100戦目という記念すべきレースで勝てて本当に嬉しいです。
富田竜一郎
gt-rd5-r-pc-tomita 今日のレースは前半のスティントの時点では、今週はダメなのかな?と諦めた部分がありましたが、いろんな要素が絡んでいくうちに優勝がみえて、その瞬間は本当に信じられない気持ちでした。
アンドレのチャンピオンシップ、チームのタイトルを考えてもすごくいい結果になったと思いますし、今回はチームの力のすべてが発揮された素晴らしいレースでした。
個人的には去年ここでデビューさせていただいて、1年経った今優勝することになって、僕は本当に幸せだなと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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SGT:第5戦鈴鹿決勝 波乱の長丁場を制したのは#36ペトロナスRC F!!GT300は#10ゲイナーGT-Rが今季2勝目

2015オートバックス スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝レースが8月30日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
今回はスタート前に降ってきた雨や、途中2度にわたって導入されたセーフティカーランの影響もあってレースペースがなかなか上がらず、最終的には大会特別規則に則って午後6時25分の段階でチェッカーが振られるという結果になった。
そうした中、予選9番手から着実に順位を上げてきた#36PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)がレース中盤からトップに立ち、最後は後続に1分25秒の大差をつけて今季初優勝を飾った。
GT300クラスは予選2番手スタートの#10GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正/富田竜一郎組)がセーフティーカーの導入タイミングなどを味方につけてレース中盤トップに立ち、最後まで#7Studie BMW Z4と熾烈なトップ争いを繰り広げながらも見事逃げ切って今季2勝めを挙げた。
(天候:雨/曇り コース:ウェット/ドライ 観客動員数:予選日26,000人/決勝日34,000人/大会総入場者数60,000人)

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決勝レースは午後0時30分にスタート。
スタート前に降った雨のための路面はウェット状態であり、全車がウェットタイヤを装着してグリッドに向かう。

序盤はポールシッターの#1モチュールGT-R、#64エプソンNSX、#15ドラゴモデューロNSX、#46S Road GT-Rらが激しいトップ争いを繰り広げたが、1号車は35周めの2コーナーでコースを飛び出し、64号車はタイヤ選択とコンディションの変化の影響でじりじりと順位を落とし、そして15号車は度重なるペナルティで順位を落とした上、149周めにトラブルでコース上にストップ、46号車もスリックタイヤ投入のタイミングを見誤って1回余計にピットインせざるを得ず、じゅんいをおとしてしまった。
そうした中、トップ争いに浮上したのが#100レイブリックNSXと#36ペトロナスRC Fだった。

土曜の公式練習でミッショントラブルに見舞われて周回数をこなせず、予選Q1ではコースレコードを更新しながらも僅か1,000分の2秒差でQ2に進めなかった36号車だったが、この日はスタートからロシターが次々にライバル達を抜き去り、10周を消化したあたりでトップ集団に追いつくと、その後も安定したペースで100号車や#12カルソニックGT-Rらと抜きつ抜かれつの攻防を展開した.

そして61周めに#100レイブリックNSXと同時に2度めのピットストップを行った際に、彼らがGT300車両に前を塞がれてコース復帰に手間取るのに乗じて100号車の前でコースに復帰した。

するとその直後にスプーン手前で#50SKT EXE SLSがクラッシュしてしまい、コース上にパーツが散乱したため、これを回収するためにセーフティーカーが導入された。これによりまだ2度めのピットストップを終えていないクルマたちとの差が一気に縮まり、68周めに#12カルソニックGT-Rが2度めのピット作業を行ったことで労せずしてトップに繰り上がることになった。

36号車はそこから後続より1~2秒早いペースで周回を重ね、一気に後続を突き放しにかかる。
98周めに行った3度めのピット作業では右リヤタイヤの交換に手間取ってタイムロスし、#100レイブリックNSXとの差は一時的に詰まったものの、その後は再びリードを広げていった。

後方では113周めのシケイン手前で周回遅れに詰まった#100レイブリックNSXを#38ZENT RC Fがアウトから抜き、2位に浮上。
#12カルソニックGT-Rも138周めのヘアピンで100号車のインをつき、3位に上がってきた。

レースは序盤の雨と中盤に入った2度のSCにより例年にないスローペースで進行した。
このため大会特別規則に従って午後6時25分にチェッカーが振られることとなり、36号車が163周を消化したところでレースは終了。
#36ペトロナスRC Fが今季初勝利をものにした。

GT300クラスはポールシッターの#2シンティアム・アップル・ロータスが序盤トップを快走していたが、最初のセーフティーカーが導入されてピットクローズとなったところで2度めのピット作業を行ってしまったために90秒ストップのペナルティを受けてしまい、大きく順位を落としてしまった。
#31トヨタプリウスaprGTもこのセーフティーカー中に嵯峨宏紀がスピンを喫してしまい、ドライビングスルーペナルティを受ける羽目に。
#7Studie BMW Z4もホワイトラインカットでドライビングスルーペナルティ。

こうした上位陣の後退と、セーフティーカーの導入、自身のピットストップのタイミングがうまく噛み合って着実に順位を上げ、トップに立ったのが#10ゲイナーGT-Rだ。
120周めには#7BMWを駆る荒聖治に1コーナーでトップを奪われたが、その直後に行ったピットインで千代勝正がステアリングを握ると、122周めにはピットアウトしてきた#61BRZ、#7BMWを次々に抜き去ってトップを奪い返した。

しかしそこから7号車をドライブするヨルグ・ミューラーが食い下がってきた。
彼らの履くヨコハマタイヤはウォームアップにやや時間のかかる特性だったようで、一時はトップに3秒以上のリードを許すが、タイヤが本来の性能を発揮し始めるとミューラーはペースを上げて千代に追いつき、次第にプレッシャーをかけ始める。

しかし千代も2年ぶりのGT復帰とはいえブランパン耐久シリーズなどでFIA-GT3を知り尽くした選手。
日産GT-RとBMW Z4の長所短所を的確に把握、押えるべきところをきっちり抑えてミューラーに付け入る隙を与えない。
両者の行き詰る攻防は29周に及び、151周でチェッカーを迎えた時でさえその差は1.09秒に過ぎなかった。

これで#10GAINER TANAX GT-Rは第2戦富士に続いて今季2勝めをものにし、ドライバーズランキング(クート)、チームランキングともに2位以下を大きく突き放した。

次戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。
近年は真夏に開催されることの多かったSUGO大会だが、今シーズンは初秋の戦いとなる。
9月20日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Eiji TAKEUCHI
Motorsprots Forum

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SGT:第5戦鈴鹿決勝 大会規定により午後6時25分でチェッカー。優勝は#36ペトロナスRC F

2015オートバックス スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」は、雨によるペースの伸び悩みや度重なるセーフティカーランなどの影響もあり、大会特別規則の定めに従って6時25分にチェッカーフラッグが提示され、163周をもって終了となった。
GT500クラスは69周めにトップに立った#36PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)がそのまま逃げ切って今季初勝利。
GT300クラスは上位陣にペナルティが相次ぐ中、着実に順位を上げてきた#10GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正組)が今季2勝めを挙げた。

GT500クラスのレース展開は後半に入ってやや落ち着きを見せた。
トップの36号車がファステストラップを連発しながら後続との差を着実に広げていく。
98周めのピットストップでリヤタイヤの交換に手間取って#100レイブリックNSXの接近を許す場面はあったものの、その後も36号車は徐々にリードを広げていった。

一方100号車は113周めのシケイン手前でGT300の周回暮れに詰まったところを#38ZENT RC Fにアウトからかぶせられて3いに後退してしまった。
100号車のドライバーは伊沢拓也、38号車は立川祐路だった。

しかしその後も36号車は最終スティントを担当したロシターが134周めに1’51.435を叩き出すなど快調なペースで飛ばし続け、最後は38号車に1分25秒もの大差をつけて163周を走りきり、今季初勝利をものにした。
2位は#38ZENT RC F、3位には終盤激しい追い上げで#100レイブリックNSXと#46S Road GT-Rを立て続けにパスした#12カルソニックGT-Rが入った。

GT300クラスはファイナルラップまで熾烈な優勝争いが展開された。
レース後半にトップに立った#10ゲイナーGT-Rを#7Studie BMW Z4が猛追、120周めに一旦は#7荒聖治が1コーナーで#10クートをかわしてトップに立ったが、10号車の最終スティントを担当した千代が122周めにピットアウトしてきた#7ヨルグ・ミューラーをスプーンで抜き返し、その後も巧みなライン取りで7号車の猛攻を押さえ込み、第2戦富士に続く今季2勝めをものにした。
3位には#61SUBARU BRZがつけた

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第5戦鈴鹿決勝 規定周回数の半分を消化してトップは#36ペトロナスRC Fに。GT300は#88マネパランボルギーニがトップ浮上!

2015スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」は規定周回数の半分を消化。
GT500クラスは#36PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔/ジェームス・ロシター組)、GT300クラスは#88マネパランボルギーニGT3(織戸学/平峰一貴/佐藤公哉組)がトップを走行している。

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レースが中盤に差し掛かろうとしたところで空には晴れ間が見え、路面はどんどん乾き始めた。
これが丁度2度目のピットストップタイミングと重なり、ウェットタイヤを装着したチームとスリックの投入に踏み切ったチーム、二つの判断が周回数によって大きく分かれた。
ここでうまくスリックに交換できたのが#64エプソンNSX、逆にイレギュラーのピットインを強いられたのが52周目にピットインした#46S Road GT-Rと56周目に入った#15モデューロNSXだ。

この時点でトップを争っていた#100レイブリックNSXと#36ペトロナスRC Fはそろって61周目に2止めのピットイン。
この際に100号車は目の前にピットインしてきた#33Excellence Poroscheに行く手を阻まれ、ピットアウトが遅れてしまう。
この隙に#36ロシターが前でコースインすることになった。

ところがその直後、スプーン手前で#50SKT EXE SLSがクラッシュ、コース上に盛大にパーツをばらまいたため、コース清掃のためセーフテイーカーが導入された。
この時点のトップはまだ2度目のピットストップを行っていなかった#12カルソニックGT-R。64周目に入ったところだった。

SCは69周終わりでピットイン。70周目からレースは再開された。
隊列の先頭を走っていた12号車はピットオープンと同時に68周終わりでピットインしたため、ここで36号車がトップに繰り上がった。2位は100号車、3位には75周目の1コーナーで石浦宏明のドライブする#38ZENT RC Fをかわした#15モデューロNSXの小暮卓史が上がってきた。

しかしその直後、#51JMS LMcorsa Z4がコース上にオイルを撒いてしまったため、再びSCが導入されてコース清掃作業が始まった。
レースは79周目に再開。
依然としてトップは#36ペトロナスRC F、#100レイブリックNSXが2番手につけている。

一方GT300クラスは最初のSC導入の際にピットクローズであったにもかかわらず2ストップ目のピット作業を行った#2シンティアム・アップル・ロータスに90秒ストップの重いペナルティが下ったほか、#7Studie BMW Z4にホワイトラインカットでドライブスルーペナルティ、#31プリウスにもSC中のスピンによるドライブスルーと上位陣が次々にペナルティの対象となって順位を落とすことになった。
この結果トップに立ったのは#88マネパランボルギーニGT3、2位には#61BRZが続くこととなった。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝 250km経過時点のトップは#100レイブリックNSX

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スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝が8月30日、午後0時30分にスタート。
レース距離の4分の1に当たる44周を消化した時点では#100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴/伊沢拓也組)がトップを走行している。
GT300クラスはこの時点で40周を消化しており、最初のピットストップの後で#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一/佐々木孝太組)がトップに浮上した。

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朝から一旦落ち着いてきた雨は、スーパーGTのスタート進行が始まると再びポツポツと路面を濡らし始めた。
このため参加全車が浅溝か深溝のウェットタイヤを装着してローリングに出て行くことになった。ホールショット奪ったのは#1モチュールGT-Rだったが、3番手スタートの#64エプソンNSXのペースが群を抜いており、1コーナーで2番手スタートの#38ZENT RC Fを捉えて2位に浮上すると、その周のデグナー一つ目で早くも1号車を抜き去ってトップに躍り出る。
スタートドライバーは1号車がロニー・クインタレッリ、38号車は石浦宏明、64号車はベルトラン・バゲットだ。
そのまま一気に後続を突き放しにかかった#64バゲットだったが、6周目の1コーナーでコースオフ、ここで2位#1クインタレッリとの差が一気に縮まる。
するとその後方からは凄まじい勢いで#15ドラゴモデューロNSXが追い上げを開始、スタートドライバーの小暮卓史は他よりも2秒も速いハイペースで6周目に#12カルソニックGT-RのJ.P.オリベイラ、7周目のバックストレートで#38石浦、8周目の逆バンクでは#1クインタレッリを大外から抜き去ると、そのままの勢いでヘアピン立ち上がりで周回遅れにつまった#64バゲットをも抜き去って一気にトップに躍り出た。

そのバゲットはこの辺りからがくんとペースが落ち、10周目の立体交差下で#1クインタレッリの先行を許すと、その後も#36#36ペトロナスRC Fのジェームス・ロシター、#100レイブリックNSXの山本らに次々と抜かれて順位を落としていく。
反対に#100山本は13周目のバックストレートで#36ロシターを捉えて3位に浮上すると、18周終わりのホームストレートで#1クインタレッリを捉えて2位に浮上した。

その後15号車は30周目、100号車は31周目にピットイン。
ここで100号車が15号車の前でコースに復帰する格好になり、44周を消化した時点でもレースをリードし続けている。
2位には33周目のシケインで#15ターベイを捉えた#36ペトロナスRC Fの伊藤大輔がつけている。

GT300クラスはポールシッターの#2ロータスが序盤トップを快走していたが、35周目に最初のピットストップを終えたところで#31プリウスに追いつかれ、36周目のヘアピン先でトップを明け渡してしまった。この時点でのドライバーは2号車が濱口弘、31号車は中山雄一だった。
その後#2濱口は39周目の1コーナーで#61BRZの山内英輝にも抜かれ、3位で走行を続けている。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿GTA定例会見 2016年にもGT500車両に新規安全規定を導入か

GTアソシエイション(GTA)の第5戦鈴鹿定例会見では最後に、GT500クラスの現状についても説明。
今回も予選フロントローに燃料リストリクター1ランクダウン+ウェイトハンデの車両がつくことになったが、こうした状況は各メーカーの努力やタイヤ開発の成果によるものであって、GTAとしては公平なハンデキャップ制度で運営しているという認識を持っているという。
ただし、開催コースのエスケープゾーンの広さに合わせてコーナリングスピード全般の抑制は必要としており、この点は2016年にも対策をとるとのことだ。

現行のGT500車両は空力開発に高額の資金が投入されており、これがチーム財政を圧迫しかねない状況にあるとともに、年々高まるスピードに対して既存のサーキットのエスケープゾーンが充分でなく、GTAでは安全上の観点から何らかの対策は必要という認識を持っているとのことだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4) | Japanese F3 | SUPER GT

SGT:第5戦鈴鹿GTA定例会見 FIA-F4のスカラシップは現在各メーカーと調整中。GT500テストドライブの可能性も?!

GTアソシエイション(GTA)が8月30日に鈴鹿サーキットで行った定例会見では今シーズンから始まったFIA-F4のスカラシップについても言及、現在各メーカーやチームと具体策について調整中であることを明らかにした。
その中でネックになっているのが限定Aライセンスでツーリングカーのドライブができないという点。このため、普通免許の取得年齢に達していなくてもF3にはステップアップできるが、GT300への出走は現行制度では許可されない。
GTAではこの点を緩和してもらえるよう現在陳情を行っており、この結果を待ってスカラシップ制度 の詳細を明らかにするという。
またスカラシップ生の受け入れ先についても、現在所属しているメーカーに囚われることなく、速いドライバーを公平に選抜するといい、各メーカーとも調整しながら全日本F3のCクラスやNクラスでの出走機会を斡旋していくとのこと。
また坂東代表の腹案としてGT500マシンのテストドライブなども考えているとのことだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第5戦鈴鹿GTA定例会見 DTMとの交流戦は2017年11月に富士、翌年開幕前にヨーロッパで開催の方向

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GTアソシエイション(GTA)は8月30日、スーパーGT第5戦の開催されている鈴鹿サーキットで今回も定例会見を開催。坂東正明GTA代表が現在取り組んでいる様々な事柄の進捗状況について説明した。

その中で現在ITRと進めている車両規則の統一と交流戦の実施状況については、すでにITRチェアマンのハンス・ヴェルナー・アウフレヒト氏とは2017年11月に富士スピードウェイ、2018年のシーズン開幕前(2月または3月)にヨーロッパで交流戦を開催するということで口頭では合意しており、富士にはDTM側から各メーカー4台ずつ、ヨーロッパにはGT500クラス全車が参加するという方向で進めているとのこと。これについては日本のメーカーの合意も取り付けている。
車両規則もテクニカルワーキンググループでダンフォース値やコーナリングスピード、或いはクランクシャフトやオイルパンのサイズなどといった細かい部分の詰めを行っている段階とのことだ。
詳細については今年の12月にも何かしらの発表ができるという。

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第8戦鈴鹿決勝 ウェット対決は#36坪井に軍配!勝ち星でも#11牧野に並ぶ

FIA-F4選手権第8戦の決勝が8月30日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手の#36坪井翔(トムス)がスタートからトップに立ち、そのまま後続に付け入る隙を与えずに10周のレースを制し、今季4勝目を挙げた。

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第8戦決勝は午前8時15分より10周で行われた。
この日の鈴鹿サーキットは昨夜から降り続いた雨のため、路面はウェット状態。スタート時点で雨は止んでいたものの、全車がウェットタイヤを装着してグリッドについた。

ホールショットを奪ったのは予選2番手の坪井。
昨日ポールポジションを獲得しながらスタートで5平木湧也(RSファイン)の先行を許した坪井はこの日期するものがあったといい、その思惑通りスタートから見事なダッシュでトップに躍り出た。
ポールポジションの#11牧野任祐(Rnスポーツ)が2番手につけ、#5平木が3番手。
予選3番手の#7大津弘樹(HFDP)は痛恨のエンジンストールで一気に16位に後退してしまった。

レース序盤こそ坪井の背後に食らいついていた牧野だったが、この日のコンディションにセッティングが合っていなかった模様で、周回を重ねるにつれ坪井との差は徐々に開いていき、5周を終えた時点では1秒差となってしまった。
さらに、レースが進むにつれて路面が乾いていったこともあり、レース後半にはタイヤの消耗にも悩まされて濡れたところを選んで走らざるを得ない状況に陥った。

それを尻目に坪井は安定したペースでレコードラインに留まり続け、最後は牧野に1.96秒の差をつけてフィニッシュ。
今季4勝目と勝ち星で牧野に並び、シリーズポイントでも122ptとして125ptの牧野の3ポイント差にまで迫った。
3位には平木が入り、終わってみれば昨日と同じ顔ぶれで表彰台に上がる結果となった。

また今週末FIA-F4にデビューし、昨日は終盤のアクシデントで惜しくも30位に終わった#3阪口晴南(SUTEKINAレーシングチーム)はレース中盤以降激しいドッグファイトを演じ、6位でフィニッシュした。

次戦の舞台はスポーツランドSUGO。
9月19-20日決勝だ。

優勝 #36坪井翔(トムス)のコメント
昨日から雨になることはわかっていたので、雨のスタートのイメージだけ作って、それがうまくいって勢いよく出れました。昨日はスタート失敗しちゃったんで、ここで決められたら、と。
前に出てからは自分のペースだけ保とうと思いました。途中まで牧野くんが付いてきていたんですが次第に離れていったので、自分の走りだけに集中しました。
路面はどんどん乾いていったので、乾いたところを選んでペースを上げていきました。
(濡れたところに)寄ろうかな、と思ったんですけど、この感じだったらタレないと判断しました。
今すごいい流れに乗っているので、この流れを崩さずに菅生でも連勝してポイントリーダーになり、チャンピオンになれるように準備していきたいです。

2位 #11牧野任祐(Rnスポーツ)のコメント
1周目にスタートで前に行かれて、そのときは抜き返せると思ったんですけど、1周目のS字に入ったところで「今日は無理やな」と感じました。明らかにメカニカルグリップが足りてなかったですね。
ずっとタイヤを冷やしながら走ったんですけど、それでもどうしようもなかったですね。
菅生に向けてはもう一度考え直して、しっかりやっていきたいと思います。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第7戦鈴鹿決勝 終盤の雨が生んだ逆転劇!#36坪井が今季3勝目を獲得

FIA-F4選手権第7戦の決勝が8月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36坪井翔(トムス)がスタートで出遅れるも終盤逆転に成功し、今季3勝目を挙げた。

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第7戦決勝は午後4時30分より10周で行われた。
ホールショットを奪ったのは予選3番手の平木湧也(RSファイン)。
ポールポジションの坪井は予選2番手の#11牧野任祐(Rnスポーツ)との1-2コーナーの攻防を制して2番手で平木を追い上げる。
このままトップ2台はコンマ4秒差で攻防を続けるが、前に接近すればフロントのダウンフォースが抜けてコントロールが難しくなるという状態に手を焼く坪井はなかなか攻略のきっかけをつかめない。
そうしているうちに平木は次第にペースを上げ、6周目には2’08.875を記録して0.9秒にその差を広げた。

一時はこのまま平木が今季初勝利を収めるかに思われたが、転機は8周目にやってきた。
西コース方面から次第に雨が降ってきたのだ。
これにより坪井は再び平木との差を縮めてすぐ後ろに迫ってきた。
ダンロップコーナーで、デグナーで、ヘアピンで、しきりに平木の隙を窺うそぶりを見せる坪井。
2台はテール・トゥ・ノーズ状態のままファイナルラップに突入した。

ダンロップコーナーの立ち上がりでインに並びかけてきた坪井を押さえ込み、ヘアピンでも付け入る隙を与えなかった平木だったが、スプーンカーブで濡れた路面に足をとられて痛恨のオーバーラン。
この隙に坪井がトップを奪い返してそのままゴールへ。
坪井はヘアピンを立ち上がった時点で雨の強まりを感じ、少しペースを落としてスプーンにアプローチしたという。
この判断が功を奏し、坪井は見事逆転で今季3勝目をものにした。

一方平木は最後のシケインで牧野にもインを突かれ、結局スタート位置と同じ3位でレースを終えることに。
これでシリーズポイントは牧野が110、坪井が102とその差は8ポイントに縮まった。

注目の第8戦決勝は30日午前8時15分より10周で行われる。

優勝 #36坪井翔(トムス)のコメント
ラスト2周はドライバーとしてはヒヤヒヤでした。雨降らない限り抜けなかったんで。ドライだと前に追いつくとダウンフォースが抜けて曲がらない状態で、ついたり離れたりを繰り返していて。
雨が降り出したので、これが強くなるとチャンスがあると思いプレッシャーをかけ続けていたら最後にヘアピンを立ち上がった時に雨が強くなっているのがわかり、これは絶対滑るなと思ってスプーンの一個目をゆっくり入りました。そしたら平木くんが飛び出してしまったので、それが一番大きかったと思います。
スタートではもちろん牧野くんを意識しましたが、それ以上に平木くんの出だしがすごくて、この勢いだったら抑えにいっても抜かれてしまうので、だったら牧野くんを抑えて2番手で通過すれば、また展開が変わるかも、と思いました。
明日はこのままいけば雨ですが、このクルマで雨の鈴鹿は走ったことがないので、2番手スタートですけど明日こそはスタートを決めて前に出ることが大事だと思います。

2位 #11牧野任祐(Rnスポーツ)のコメント
スタートは普通でしたが平木くんに前に行かれて、1-2コーナーで(坪井選手に)仕掛けましたけど、あれ以上どうしようもなかったですね。ドライでスリックの状態では速さ的にも自分に余裕がなかったので、ついていくので精一杯だったしどっちかというと離されていったから。雨降って追いついては行きましたけども。まあ3番で終わるレースが2番で終わったので結果オーライかなと。
明日に向けてもう一度見直していきたいなと。明日は雨なんでどうなるかわからないですけど、できるかぎりのことをしたいです。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿公式予選 ポールシッターのコメント

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GT500クラス #1MOTUL AUTECH GT-R

松田次生
gt-rd5-q-pc-matsuda 朝のコンディションが悪くて、タイヤの評価をするのが難しかったです。それで予選に使うタイヤの選択でロニー選手と悩んでいたんですが、エンジニアとタイヤメーカー、チーム全体で考えました。それがいいタイムにつながりました。
最近Q1の争いが激化していて、今までQ2を走っていた選手がQ1に回ったりしているので、僕はとにかくQ1を突破できれば、ロニー選手がきっちりタイムを出してくれると思いました。その作戦もうまくハマってくれました。予選はうまくいったんですけど、明日は1000kmあるのできっちりミーティングして明日に備えたいと思います。
ロニー・クインタレッリ
gt-rd5-q-pc-quintarerri 次生が言ってたように、最近のQ1の緊張感は半端ないですね。なかなかうまくいかなくなってる。だから今日は次生が7番手タイムを出した時点でポールとったくらいに嬉しかった。そのあと、車のフィーリングがタイヤも含めて悪くないと言われたので、僕は2周目にかけたんですが、パーフェクトとはいかなくて2箇所くらいコースアウトギリギリでしたが、なんとかうまくいっていいタイムが出せました。すごく嬉しいです。

GT300クラス #2シンティアム・アップル・ロータス

高橋一穂
gt-rd5-q-pc-takahashi いま一番関係がないドライバーなんですけど(笑)朝の練習走行を僕と濱ちゃんで走ってみて、加藤選手がQ1を走るという選択肢もあるし、僕と濱ちゃんのタイムの良かったほうがニュータイヤの練習をしてみて、そのタイムを見てQ1を行くかどうか決めようと。
朝の走行は濱ちゃんのほうがコンマ5秒ぐらい速くて、ニュータイヤでアタック練習したときに2分フラットくらいだったので、2分フラットならQ1いけるなということで濱ちゃんでいくことにしました。
僕が乗らなかったことが一番良かったのかなと(笑)過去にもQ1さえ突破してればポールだったのかなということが今シーズンあったので、タイとか、申し訳ないなというのがあったんですけども。
クルマがよく壊れてノーポイントでここまできたので、とにかく結果重視ということで明日は頑張ってやりたいと思います。
加藤寛規
gt-rd5-q-pc-kato 今回は3人で乗るので午前中は走る時間が少なくて、クルマのバランスをとってセッティングするのが難しかったんですけど、うまくチームがアジャストしてくれて、ヨコハマタイヤさんもエヴォーラ用のタイヤをうまく開発してくださったことに感謝しています。
今回の結果は僕がQ2に行けたっていうのもあるんですが、それを支えてくれた高橋さんだったり濱口さんだったり、チームみんなの頑張りがありますので、結果につながって良かったなと。
明日は明日で別の展開になると思いますが、頑張っていきたいです。
濱口弘
gt-rd5-q-pc-hamaguchi 300もQ1がすごくタフになってて、以前のようなプロアマシリーズじゃなくて、トップの16,17チームがプロを両方それえているような中、僕と高橋さんはジェントルマンドライバーなので、我々が Q1をクリアするのは本当に大変なことなんですけども、高橋さんと加藤さんがいいクルマを開発してくれて、私に渡していただいたことでQ1を突破することができました。加藤さんも結果を出せて本当に良かったです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿公式予選 コースレコード続出の激戦を制したのは#1モチュールGT-Rと#0ロータス

2015オートバックス スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」の公式予選が8月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が昨年樹立されたコースレコードを大幅に上回る1’47.630を記録してポールポジションを獲得した。
GT300クラスも#2シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘組)がコースレコードを更新して今季初のポールポジションを獲得した。

公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。
気温27℃、路面温度は32℃と、この時期にしては幾分涼しいコンディションだ。

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予選Q1

GT500クラスの予選Q1は残り時間が9分を切ったあたりで各車一斉にコースイン、1~2周のウォームアップを経てアタックに入ったが、S字で#6エネオスRC Fがコースを飛び出してバリアに突っ込んでしまい、これを回収するために赤旗が提示されてセッションは中断。この時点で残り時間は3分だった。
ドライバーの国本雄資は無事だったが、6号車はこれで予選最後尾が確定した。
予選は午後3時10分から残り時間5分として再開されたが、参加15台中9台が昨年樹立されたコースレコードを上回る激しいタイムアタック合戦が展開された。トップタイムは#46S Road GT-Rをドライブした本山哲。1’47.749は前年に本山自身が記録した1’48.629のコースレコードを0.9秒近く上回るものだ。
一方、#36ペトロナスRC Fをドライブした伊藤大輔もまた昨年のレコードを上回ったにもかかわらずQ1で予選を終えることに。8位通過を果たしたJ.P.オリベイラの#12カルソニックGT-Rとはわずか0.002秒差、トップとのタイム差も0.82秒だった。

GT300クラスもトップから1秒以内に11台がひしめく接戦が繰り広げられ、前年のコースレコードを唯一上回って1’59.077を記録した#31aprプリウスの中山雄一がトップタイム。
そこから1.118秒落ちの#7Studie BMW Z4(ヨルグ・ミューラーがドライブ)までの13台がQ2に駒を進めた。

予選Q2

GT500クラスの予選Q2はさらにペースアップ、上位3台が1分47秒台を記録する接戦となった。
この戦いを制したのはロニー・クインタレッリのドライブする#1モチュールGT-R。
現在ポイントランキング2位の1号車は燃料リストリクター1ランクダウンに加えて28kgのウェイトハンデを搭載しながら1’47.630とコースレコードをさらに縮めてみせた。
ポールポジション獲得は第2戦富士に続いて今季2回目だ。
先週のスーパーフォーミュラで今季2勝目を挙げた石浦宏明の駆る#38ZENT RC Fが2番手につけ、公式練習トップの#64エプソンNSXが3番手につけた。

GT300クラスも上位5台がコースレコードを更新する接戦となったが、普段はQ1を担当する加藤をQ2に回し、第3ドライバーの濱口にQ1を任す作戦をとった#2ロータスが1’58.246を記録してトップに。
昨年までのマクラーレンに代えてマザーシャシーにエンジンをミッドシップマウントするオリジナルマシンで今シーズンをスタートしたものの、開幕前の鈴鹿テストからクラッシュやトラブルが相次ぎ、ここまで苦戦の続いていたカーズ東海だったが、5戦目にして漸くトップレベルの速さを手にいれたようだ。
ポールポジション獲得は未だ紫電を走らせていた2010年の第5戦SUGO以来だ。
ポイントランキングトップの#10ゲイナーGT-Rを駆る千代勝正が2番手、荒聖治がドライブした#7Studie BMW Z4が3番手につけた。

第5戦決勝は30日12時30分より173周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Eiji TAKEUCHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第7-8戦鈴鹿公式予選 第7戦は#36坪井、第8戦は#11牧野がPP獲得

FIA-F4選手権第7戦、第8戦の公式予選が8月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、第7戦は#37坪井翔(トムス)、第8戦は#11牧野任祐(Rnスポーツ)がそれぞれポールポジションを獲得した。

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今季初開催のFIA-F4選手権もいよいよ中盤戦。
毎戦盛況なこのカテゴリーは鈴鹿大会でも36台がエントリー。このうち35モーターマウスを除く35台が参加して、当初予定より5分遅れの午前11時50分より30分間の公式予選が行われた。

最初にタイムを出してきたのは#36坪井。
前日の専有走行で赤旗が相次いだことから、予選も荒れると予想した坪井は予選開始早々から積極的に周回を重ね、5周目に2’08.192を記録すると、早々と走行を切り上げた。
セカンドベストタイムはこの前の周に出した2’08.428だ。

これに続いたのが今季4勝を挙げている#11牧野だ。
牧野は坪井とは逆にセッション後半に集中してアタックする作戦に出たが、S字で#55畑享志がクラッシュしたためにイエローフラッグが出ていたことも影響してか、終了5分前に2’08.289を出すにとどまり、第7戦を2番グリッドからスタートすることになった。
しかしセカンドタイムでは2’08.314と坪井を上回っており、明日の決勝ではポールポジションを獲得している。

また、前日の専有走行では2’07.987を記録してトップだった#5平木湧也は一時は2番手につけていたものの、最終的にはベストタイム3番手、セカンドタイムは4番手という結果に。
路面コンディションの変化、アタックに入るタイミングなど、いまひとつ思い通りにはいかなかったようだ。

FIA-F4第7戦決勝はこのあと午後4時30分から、第8戦決勝は明日朝8時15分から、いずれも10周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT

SGT:第5戦鈴鹿公式練習 上位6台がコースレコード超え!!トップタイムは#64エプソンNSX

2015オートバックス スーパーGT第5戦「インターナショナル鈴鹿1000km」が8月29日、三重県の鈴鹿サーキットで開幕。
最初の走行セッションとなる公式練習では、GT500クラスで早くもコースレコードを上回る車両が続出、1’47.589を記録した64EPSON NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)がトップだった。
GT300クラスは#2シンティアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規/濱口弘組)が1’59.610とこちらもレコードに迫るタイムを記録してトップだった。

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公式予選日の鈴鹿サーキットは朝からどんよりと曇り、時折小雨がぱらつく微妙な天候。
それでも朝早くから多くの観客が詰めかけ、公式車検を楽しんでいた。

公式練習は午前9時20分に開始。
路面が所々濡れていることもあって、ウェットタイヤでコースインするチームもいくつかみられたが、すぐにスリックタイヤに履き替えてペースを上げていった。
ところが開始から25分分が経過したところで#86Racing Tech Audi R8がスプーン出口でコースオフ、右フロントフェンダーとリヤウィングにダメージを負ってしまう。ドライバーはクリスチャン・マメロウだ。
86号車は自力でピットを目指したが、この際にコース上に破片や砂利が散らばったため、清掃作業のための赤旗が提示された。
この時点でのトップはGT500が#64エプソンNSXで1’49.949、GT300は88マネパランボルギーニで2’00.662だ。

走行は9時51分に再開されたが、コースオープンから20分後に今度は#8ARTA NSXが立体交差下でストップしてしまい、これの回収のために2度目の赤旗が提示されてしまう。
8号車はその周のダンロップコーナーでアウト側のグラベルに飛び出しており、この際に車体にダメージを負った模様。FROに牽引されてガレージに戻ってきたが、その後は最後までガレージに籠りっきりとなってしまった。
この時点でのトップはGT500が#19ウェッズスポーツRC Fで1’48.774、GT300は#2ロータスで1’59.610だ。

そのロータスが、再再開後に行われたGT300の専有走行の終了間際に第3ドライバーに起用された濱口が最終コーナーでスピンアウトしてしまい、3度目の赤旗の原因を作ってしまう。

これによりGT500の専有走行は当初予定から5分遅れの午前11時から行われることに。
ここでは午後の予選をにらんだ激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
最初にトップタイムを塗り替えたのはベルトラン・バゲットの駆る#64エプソンNSX。
タイムは1’47.903。昨年の鈴鹿1000kmで本山哲(#46S Road GT-R)の記録した1’48.629のコースレコードをいきなり上回ってきた。
続いて#100レイブリックNSXの山本尚貴が1’48.514とこちらもレコードを上回る。
しかしバゲットはさらにタイムを縮めて1’47.589を叩き出した。更には先週ツインリンクもてぎで行われたスーパーフォーミュラ第4戦で優勝した石浦宏明の駆る#38ZENT RC Fも1’47.819とバゲットに迫る。#12カルソニックGT-RのJ.P.オリベイラ、#15ドラゴモデューロNSXの小暮卓史らも好タイムをマークし、トップの64号車から6位の#39デンソーKOBELCO RC Fまでが昨年のコースレコードを上回る激戦となった。

GT300クラスは#2ロータスがそのままトップに。
2位には#360RUNUP GT-R、3位には#7Studie BMW Z4が続いた。

スーパーGT第5戦の公式予選はこのあと午後2時30分よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ決勝 上位3人のコメント

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優勝 #38石浦宏明(P/MU CERUMO INGING)
sf-rd4-r-pc-ishiura 自分のレース人生でこんなに順調だったことはなかったんで。
昨日の記者会見で「逃げるレースをする」とは言ってたんですけど、スタートしたら後ろをどんどん離していけて、前回勝った時とは違って一人でレースしてる感じでしたが、後半の一貴選手のペースにはびっくりしました。後ろとのギャップを見てプッシュしてもその分追いついてくるんで、序盤の差はなんだったんだろう?と思いながらプッシュしていました。あと何周かあったら完全に追いつかれちゃったんで、全く油断できないなと。最後まで集中を切らさないように走りました。
2位 #1中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)
sf-rd4-r-pc-nakajima 今週の流れとしては決して悪くなかったですし、予選も最終コーナーで失敗していなければ2番になれてたかもしれないし、2番になってたらスタートでどうなってたか。そういう意味では何がどう転ぶかわからないなあと思いました。
スタートは狙ってました。とはいえ1コーナーでどこまでいけるかと思ったんですが、内側も濡れてましたし、全てが良い方に転がったなあと。可夢偉をアウトから抜けたのは大きかったですね。
前回2戦と比べれば、最後巻き返すことができましたし、もてぎは決して得意ではなかったのに良いレースができたので最後3戦取りにいけるかなあと思います。
3位 #19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)
sf-rd4-r-pc-oliveira 今回については全てに満足しているわけではありません。優勝したかったので、表彰台でOKってわけじゃありません。予選で僕が二つミスをしました。そのことが悔やまれます。特に今日のグリッドは右側が濡れていたので、出てすぐにトラクションが足りないのがわかりました。すぐにラインを変えることができましたが、カムイの後ろを走ることになり、このままでは表彰台も獲得できないと思って戦略を変えました。
アンドレも同じような戦略をとったようで、二人同時にピットインしました。彼はタイヤ交換に時間がかかったみたいで、僕が前でピットアウトすることができました。
その後は後ろとのギャップを見ながら走りました。
優勝チーム監督 立川祐路
sf-rd4-r-pc-tachikawa 第2戦で優勝して、こんなにすぐ2勝目がくるのかなと。僕も監督として2回目の優勝で、ちょっとはこの会見にくるのも慣れたかなあと。このところ石浦選手は絶好調で、フォーミュラ以外のカテゴリーもそうだし、ほんとこう「乗れてんなあ」という感じです。
あとは本当にチームみんなの力だと思うんで、すごく感謝しています。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ決勝 盤石の走りで#38石浦が今季2勝目を挙げる

全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ第4戦の決勝レースが8月23日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#38石浦宏明(P/MU CERUMO INGING)が盤石の走りで52周を走りきり、今季2勝目を挙げた。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選日11,000人/決勝日15,000人/大会総入場者数26,000人)

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前に行われた全日本ロードレースJ-GP2クラスで赤旗中断があったため、第4戦の決勝は当初予定より5分遅れでスタート進行が始まった。
二輪のレース中に激しい雨が降ったこともあり、8分間のウォームアップ走行では各車ウェットタイヤを装着して走り始めたが、すでに雨は止んでいたため路面はたちどころに乾き、終盤には幾つかのチームがスリックに交換、グリッド整列には全車がスリックタイヤを履いて出て行った。

フォーメーションラップは午後3時5分に開始。
ところがここでポールシッターの石浦がなかなかグリッドを離れようとしない。実は38号車のギヤボックスを制御するシステムのスイッチがオフになっており、石浦がパドルを操作しても1即にギヤが入らなかったのだ。
石浦はすぐにこれに気づいてスイッチを入れ、無事隊列に加わった。
その後の順調なレース運びを考えると、これが今回の最大のピンチだったのかもしれない。

ホールショットを奪ったのはその石浦。
まだイン側のグリッドが濡れていたこともあって予選2位の#40野尻智紀(ダンデライアン)は出遅れ、3番手スタートの#8小林可夢偉(ルマン)がその脇をすり抜けていく。ところがそのさらにアウト側から1コーナーに飛び込んできたのが予選5番手の#1中嶋一貴(トムス)だった。
4番手にはうまくアウト側にラインを降った4番手スタートの#19J.P.デ・オリベイラ(インパル)が続く。

石浦は序盤快調に後続との差を広げにかかり、中嶋との差を5周終わりで2.1秒、15周で5.8秒、20周を終了した時点では7.6秒とした。
石浦はそのまま36周を走ってピットイン、そのままトップでコースに復帰した。
しかし終盤、2位の中嶋が攻勢に転じ、徐々に石浦との差を縮め始めた。
47周目にはファステストラップを更新、その差は4.6秒まで接近する。
石浦も負けじとペースを上げるが、中嶋のペースはさらにそれを上回り、51周を迎えた時には3秒差にまで迫った。
しかし残り1周でこの差は如何ともし難く、最後は1.7秒差まで迫りながらもついに石浦を捉えることは叶わなかった。

これで石浦は今季最初に2勝目を挙げるドライバーとなり、シリーズポイントも32と伸ばしてトップの座を守った。
しかしこのレースの2位にはランキング3位の中嶋、3位にはランキング2位のオリベイラがつけたため、中嶋24ポイント、オリベイラ25ポイントとその差は残り3戦で十分ひっくり返るものだ。

なお、序盤3位を走っていた小林は32周終わりに行ったピット作業で右リヤタイヤの交換に手間取り、大きく順位を落とした上、ファイナルラップで順位を争っていた#11伊沢拓也(リアル)と接触して惜しくもリタイヤに終わった。

次戦の舞台は九州のオートポリス。
9月13日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第15戦もてぎ決勝 上位3人のコメント

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優勝 #7福住仁嶺(HFDP)
f3-rd15-r-pc-fukuzumi 昨日と同じようにスタートを無難に決めてトップを取れば勝てると思いましたが、そのとおりにスタートが決まって、途中後ろが離れないかなあ?と思いながら走っていましたが、徐々に離れていって。後半になると雨がぱらついてきて、トップにいるとコース状況がよくわからないのでヒヤヒヤしながら走っていました。プッシュしきれなかった部分もあったし、引き離しきれなかったので、車のポテンシャルを生かせなかったなあと思います。
SUGOは去年F4のFCクラスでも勝っていますから、このまま流れに乗って勝ちたいと思います。
2位 #36山下健太(トムス)
f3-rd15-r-pc-yamashita 2番手スタートだったので、スタートを決めて勝ちたかったんですが、スタートがイマイチ良くなくてポジションキープするしかなかったです。序盤は福住選手についていけたんですが、少しずつ離されて終わりました。
残り2レース勝ってチャンピオンを決めたいですね。
そのためにはスタートを速くしないと。
3位 #23高星明誠(B-MAX)
f3-rd15-r-pc-takaboshi 今週末は練習から決勝まで調子が良く、クルマのバランスも悪くなかったんですけど、予選で沈んでしまって、それが最後まで響いた格好です。あらためて予選の大事さを痛感しました。
昨日のレースはワンチャンスをものにできなかったんですが、今日はワンチャンスすらなく、淡々とついていくことになりました。クルマのポテンシャルは悪くないことがわかったんで、どうやったら勝てるかを考えてSUGOに臨みます。
SUGOは去年もCクラスで走ってるし、チームの得意とするコースなので、連勝のチャンスはあるので、相手次第にはなりますが、自分たちのできることをやりたいと思います。
Nクラス優勝 #38小河諒(トムス)
f3-rd15-r-pc-ogawa 今日はスタートで抜かれなかったので、1周目から前のクラスに続いてレースできたんですが、3周目以降離されてしまって、最後はストレートでやっと見えるぐらいの差になってしまいました。SUGOはチャンスがあるとずっと思ってきたのでSUGOでは1台でも上のクラスを抜けるように頑張ります。
Nクラス2位 #3三浦愛(EXEDY)
f3-rd15-r-pc-ai 今日はスタートで抜けませんでした。悪いスタートじゃなかったんですけど、小河くんのスタートが良かったんだと思います。その後もずっと追いかけて、昨日自分のダメだったところを改善しようと心がけながら走っていましたけど、最終的にはかなりギャップが離れてしまって。後半雨がかなり降ってきて、そこでまた自分のビビリリミッターが効いてしまって攻めきれませんでした。
順位も悔しいんですけど、自分の走りができなかったのも悔しかったです。
SUGOも正直得意ではありません。去年のF3で初めて走りました。でもシーズンの終わりまでに小河くんの連勝を止めたいので、テストができればきっちりやって最後のレースに臨みます。
Nクラス3位 #30DRAGON(B-MAX)
f3-rd15-r-pc-kumita 10周くらいまでは前になんとかついていけたんですけど、その先は体力的な問題もあって。雨も降ってきたので、前も後ろも離れてたので、順位キープの走りをして「こんなもんかな」という結果に終わりました。
14回の3位を全部返してもいいので、1個でもいいから勝ちたいです。SUGOは得意なので頑張ります。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第15戦もてぎ決勝 ルーキー#7福住2連勝!!ポイントランキングは#37キャシディと#36山下が同点で並ぶ

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ルーキー福住2連勝!!
全日本F3選手権第15戦の決勝が8月23日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#7福住仁嶺(HFDP RACING F312)がスタートからトップに立ち、昨日の初優勝に続いて通算2勝目を挙げた。
Nクラスも昨日同様に#38小河諒(KeePer TOM’S F306)が独走で今季12勝目を挙げた。

第15戦決勝は午前11時から20周で行われた。
昨日の第14戦でF3初優勝を果たした福住は今回もポールポジション。スタートをきれいに決めてトップで1コーナーへ飛び込む。
2位は#36山下健太(トムス)、3位#23高星明誠(B-MAX)、4位は#2石川京侍(戸田)とここまでは予選順位どおり。
しかしその後方ではスタートで出遅れた#50関口雄飛(B-MAX)をチームメイトの#22ルーカス・オルドネスがパス。関口は1周目のヘアピンでアウトからオルドネスを抜き去るが、つづく90度コーナーで2台が接触、関口はフロントサスを壊してそのままリタイヤ、オルドネスも10周目にピットに戻ってレースを終えてしまった。

一方、トップ集団は序盤福住を2位の山下が1~1.5秒の差で追っていたが、中盤に差し掛かったあたりで高星が山下に急接近、テール・トゥ・ノーズのバトルを展開し始める。
その後ろからは石川もじわじわと接近してきた。

この間にギャップを広げたい福住だったが、今回は前日のような独走状態に持ち込むことができず、また終盤インフィールド区間で雨が降り始めたこともあって、なかなかペースを上げられないまま20周を終了。それでも2位山下に1.1秒差をつけて今週末を2連勝で締めくくった。

山下も最後まで高星に付け入る隙を与えずにそのまま2位でフィニッシュ、ポイントリーダーの#37ニック・キャシディ(トムス)が5位に終わったため、シリーズポイントはともに105で並ぶことになった。
このレースを3位で終えた高星のポイント合計は90、2連勝の福住は65となり、チャンピオン争いは同点の二人のほか、かろうじて高星に可能性が残される結果となった。

Nクラスはスタートからトップに立った小河が2位の#3三浦愛(EXEDY)を序盤から一気に突き放し、33.457秒もの大差をつけて今季12勝目を挙げた。
2位#3三浦愛、3位には#30DRAGONと、表彰台は今年すっかりおなじみになった顔ぶれ。
DRAGON選手にとっては今季14回目の3位だ。

全日本F3選手権の2015シーズンは残り1大会を残すのみとなった。
決戦の舞台はスポーツランドSUGO。10月17~18日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎフリー走行2回目 #7平川のクラッシュによりセッションは赤旗のまま終了。トップタイムは#2ロッテラー

ツインリンクもてぎで行われている全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦のフリー走行2回目は、1’34.659を記録した#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)がトップタイム。2番手には#7平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)がつけたが、平川はセッション終盤にクラッシュしてしまい、これを回収するために赤旗が提示され、セッションはそのまま終了となった。

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決勝日を迎えたツインリンクもてぎは晴天。
しかし所々に厚い雲が出ており、時々雨が降るとの予報も出されている微妙な状況だ。
また今回は全日本ロードレースとの併催ということもあり、決勝前のフリー走行は午前9時50分といつもより遅めの時間から30分間の予定で始まった。

昨日の予選では7位に終わったロッテラーが開始早々に1’34.659を記録してトップへ。
開始10分で平川が1’35.633を出して2位に浮上してきた。
平川はその後1’35.509までタイムを縮めるが、開始から21分が経過したところで4コーナーで姿勢を乱し、イン側の壁に前から突っ込んでしまった。
これにより7号車はノーズ周りとフロントサスペンションにダメージを負い、走行が不可能になったことから車両回収のための赤旗が提示され、セッションは中断したまま終了となってしまった。
平川自身は自力でクルマを降りており、大きな怪我は負っていないようだ。
3位には#20アンドレア・カルダレッリ(インパル)がつけ、ホンダ勢最上位は#16山本尚貴(無限)の7位だった。

一方ポールシッターの#38石浦宏明(セルモ)は10位、予選2位の#40野尻智紀(ダンデライアン)は15位と、こちらは決勝に向けてのロングランに専念した模様。

第4戦決勝は午後3時より52周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第14戦もてぎ決勝 各クラス上位3人のコメント

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優勝 #7福住仁嶺(HFDP)
f3-rd14-r-pc-fukuzumi とりあえず初優勝できて、とても嬉しく思います。今週末は金曜日の走行からずっと調子がよく、その流れのまま予選に入って、ダブルでポールをとりました。あまり深く考えないでとりあえずがむしゃらに走ろうと思って、限界で走りました。
スタートも集中して、最後まで全開で走って、ファステストラップも取れて、それもよかったなと思いました。
監督からは特に指示もなく、弘さんも気を使ってくださったのだと思いますが、スタートを普通にいけば勝てるんだなと思いました。
スタートしてトップで抜けて、3周もすると後ろが少しずつ離れて行ったので、「あ、これは勝てるな」と思いました。
明日もこういう風にスタートを決めてビシッと行きたいです。勝ちます。
2位 #37ニック・キャシディ(トムス)
f3-rd14-r-pc-cassidy スタート前と同じ順位で終われたのでまあいいレースでした。勝ちたくてハードにプッシュしましたが、追いつくことはできませんでした。明日もハードにプッシュしますよ。今日初めて勝った選手には心からおめでとうを言いたいです。
(山下選手と)5ポイント差に広がったのはよかったと思いますが、まだ5ポイントしか開いていないとも言えます。明日は後ろの方からのスタートになりますが、差を縮められないよう、できるだけ多くのポイントを取りに行きます
3位 #36山下健太(トムス)
f3-rd14-r-pc-yamaken 金曜日からあんまり調子が良くなくて、そんななかで今日の予選をなんとか3位、2位になれたのはまずまずの結果でした。オープニングラップでニック選手の後ろにつくことができたので、抜けたら抜きたいと思ったんですが、そんなに簡単じゃなくてポジションキープのままオープニングラップを終えました。
その後は自分のペースが悪くて、後ろの選手に追いつかれてしまい、周回遅れにも邪魔されてあまりいいことがありませんでした。
明日は2番なんで、スタートを決めて、そこで前に出られれば抜かれることはないと思うので、スタートを頑張ります。
Nクラス優勝 #38小河諒(トムス)
f3-rd14-r-pc-ogawa スタートしたポジションで帰ってこれたので、それはよかったと思います。
前回でシリーズを決めましたが、今回も高いモチベーションを持ってレースに臨みました。
スタートは僕の失敗でした。明日はしっかりやります。
今日は中盤まではチャンピオンクラスについていけましたが、最後ちょっと話されてしまいました。
明日は最後まで食らい付いて、抜けるように頑張ります。
Nクラス2位 #3三浦愛(EXEDY)
f3-rd14-r-pc-miura 今日はスタートが決まってせっかくトップに立てたのに、2周目の4コーナーで飛び出してしまって、その隙に抜かれてしまいました。その後もプッシュはしてたんですけど、なかなか追いつけなくて、どんどん離されてしまい、結局いつものパターンに終わってしまいました。
ミスさえなければもう少し押さえられたと思うし、押さえるつもりでレースをしていたので。
マシン自体も私の中では悪くないんですけど、それ以上に小河君はどんどんタイムが出ているので、多分私のマシンは悪くないんじゃなくて、小河君に比べれば車も自分自身もまだまだやることが残っているんだなと感じました。
明日はとにかくスタートを決めて、トップでチェッカーを受けられるように頑張ります。
Nクラス3位 #30DRAGON(B-MAX)
f3-rd14-r-pc-dragon 4コーナーで飛び出したこと以外は全部愛ちゃんと同じで何も言うことはないんですけど。
まあ調子が悪いというかパフォーマンスが良くなくて、出口が見えない感じです。
スタートだけは良かったので、もう少し前に行けそうでした。序盤は前が見えるところにいたんですけど、後ろから来た速いクラスの車に譲ったところで離されてしまって、そのままずるずるといってしまいました。後半は自分のペースも悪かったです。
明日はスタートだけでも決めて、1コーナーだけでも前で入れるように集中していきます
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第14戦決勝 ルーキー#7福住が会心のポール・トゥ・フィニッシュ!Nクラスは#38小河が今季11勝目

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全日本F3選手権第14戦の決勝が8月22日、ツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#7福住仁嶺(HFDP RACING F312)が後続をまったく寄せ付けない安定した走りでF3参戦初年度にして見事初優勝を達成した。
Nクラスはすでにタイトルを決めている#38小河諒(KeePer TOM’S F306)が今季11勝目を挙げた。

第14戦決勝は午後3時35分より14周で行われた。
ポールシッターの福住は危なげなくスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込むと、そのまま一気に後続を突き放しにかかり、2位の#37ニック・キャシディ(トムス)に2周終了時点で1.9秒の差をつける。
その後も福住はハイペースで周回を重ね、最後はキャシディに7.96秒もの大差をつけてたうえにファステストラップも記録してチェッカーを受け、F3デビュー14戦目で待望の初勝利を完全優勝という形でものにした。

2位キャシディの後方ではシリーズランキング2位の#36山下健太(トムス)と同3位の#23高星明誠(B-MAX)が熾烈はドッグファイトを繰り広げたが、高星はいま一つ決め手を欠き、そのまま4位でレースを終えた。
また今回2年ぶり参戦した#50関口雄飛はこのレースを5位で終えている。

Nクラスはスタートで出遅れた小河をかわして#3三浦愛(EXEDY)が一時トップに立つが、2周目の4コーナーで惜しくもアウトに膨らんでしまい、その隙に小河がトップを奪還、そのまま三浦に大差をつけて今季11勝目を飾った。
また3位には今回も#30DRAGON(B-MAX)が入った。

第15戦決勝は明日午前11時より20周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎ公式予選 上位3人のコメント

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ポールポジション #38石浦宏明(P/MU CERUMO INGING)
sf-rd4-q-pc-ishiura 今のレギュレーションだと朝のフリー走行はいろんな走行距離のタイヤで各ドライバーが走っているため、そこでのタイムでは自分のポジションがわからないんですが、走り出しからのタイムの推移とかセクタータイムなどを見ていると、インパルやトムスに対して負けてるのは間違いない感じだったので、予選までにエンジニアさんと話をしてセットアップを変えて予選を走りました。
Q1は中古タイヤでもタイムが出たので、そんなに悪くない感じだったんですが、ニュータイヤを履いてみたら6番手だったので、これはまずいぞという感じでした。ただ、クルマのフィーリングはQ2、Q3と進めば良くなってくるのかなと感じたので、そのまま触らないでQ2、Q3を走りました。Q2で手応えを感じて、Q3は岡山と同じフィーリングになりました。でももてぎは4つのセクターをまとめあげるのが難しいコースで、実際Q2は失敗してしまったんですけど、Q3はうまく走ることができました。
予選2位 #40野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION)
sf-rd4-q-pc-nojiri 朝の走行直後の時点では、ここに来るには程遠いかな、という印象でした。しっかり走ったんですけど、なかなか光が見えてこない状況で、特にJP選手が速かったので「どうやったらあそこまでいけるんだろう」と考えて、僕たちが持ってるデータを総動員してセットアップを見直して予選を待ちました。路面コンディションのよくないときは厳しいが、ラバーが載ってくれば良くなると期待して走ったら、その通り良くなってきました。
でも2番でした。今回は行ったかなあと思ったんですけど。最近石浦さんに負けることが多いので悔しいです。
予選3位 #8小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
sf-rd4-q-pc-kamui 朝の時点で行くと、僕はQ1も通らないと思っていて、その時点ではクルマが悪いのか、それとも自分が悪いのかすらわからない状態だったんで、とりあえずセッティングをガラッと変えてみたら、それがはまった感じでした。
僕も野尻君と同じで、なんで石浦君に負けたのかなあと。それが全てです(笑)
ラバーに関しては僕は何も感じなかったんで、きっとみんなとは違うところを通っているんだろうなと思います
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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SF:第4戦もてぎ公式予選 ポイントリーダーの#38石浦が今季2度目のポール獲得!

石浦今季2度目のポール!!
全日本選手権スーパーフォーミュラシリーズ第4戦の公式予選が8月22日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポイントリーダーの#38石浦宏明(P/MU CERUMO INGING)が第2戦岡山に続いてポールポジションを獲得した。
2位には#40野尻智紀(TEAM DOCOMO DANDELION)、3位には#8小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)がつけた。

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公式予選は午後1時15分よりノックアウト方式で行われた。
天候は晴れ。温度湿度の高い中、走行を重ねるにつれて路面にはラバーが載り、これが結果を大きく左右する予選となった。

予選Q1
20分間で行われた予選Q1は、各ドライバーとも朝のフリー走行で装着したタイヤで走り出し、残り7分あたりでニュータイヤを投入するという展開に。
ここでトップタイムを記録したのは小林。以下#2アンドレ・ロッテラー(トムス)、#1中嶋一貴(トムス)と続いた。
小林は朝のフリー走行を16位という不本意な結果で終え、大幅にセッティングを変更したという。それが功を奏した結果だ。
一方ここで脱落したのが#3ジェームス・ロシター(コンドー)だ。ロシターはシフトトラブルによりアタックの機会を失ってそのままチェッカーを受けた。

予選Q2
7分間で行われるQ2は序盤から激しいアタック合戦が始まった。
気温、路面温度ともに高めなこともあり、最初のアタックから1分33秒台前半の好タイムが続出。
ここでは終了間際に1’33.063を記録した石浦がトップ。以下オリベイラ(インパル)、ロッテラー、中嶋一貴、野尻、小林、#16山本尚貴(チーム無限)、#20アンドレア・カルダレッリ(インパル)と続いた。トップの石浦と8胃のカルダレッリのタイム差はわずか0.254秒。
0.357秒差だった#64中嶋大祐以下6名がここで脱落した。

予選Q3
ポールポジションを争うQ3も序盤から激しいアタック合戦が展開された。
高い路面温度と、路面に載ったラバーの影響もあり、ほとんどのドライバーが1周のウォームアップのみでアタックに入っていく。
ここでは「ラバーグリップ待ち」のセッティングを施した野尻が1’32.677を叩き出して一躍トップへ。しかし同様に路面のラバーを期待して予選中にほとんどセッティングをいじらなかった石浦が1’32.105と野尻を上回ってトップへ。小林も1’32.935と32秒台を記録。この3人が予選トップ3となった。
石浦のポール獲得は第2戦岡山に続いて今季2回目。そのまま第2戦と同様に勝利を飾ることができるだろうか。

第4戦決勝は明日午後3時より52周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

SF:第4戦もてぎJRPサタデーミーティング ポイントリーダー#38石浦、好調の秘訣はハイボール!

日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングが8月22日、スーパーフォーミュラ第4戦の行われているツインリンクもてぎで行われた。
今回の出席者は白井裕JRP社長と、現在ポイントリーダーの#38石浦宏明選手、そして立川祐路チーム監督。
スーパーGTではチームメイトとしてペアを組む二人を迎えて、今季好調の秘訣を聞いた。

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(白井)立川監督には僕が前の会社(ホンダ)にいた頃にGTで戦っていて、一度雑誌の企画でNSXに乗ってもらったんだけど、あれなん年前だったかなあ、どんな感じでした?

(立川)あのまま走ってみたかったですね。座っただけだったんですけど、それでも各メーカーの雰囲気の違いは感じました。

(白井)石浦さんはスウィフトの最後の2年はいなかったんだけど、昨年復活してきていきなり良かったですよね。
現在ポイントリーダーってことで、SF14を走らせるにあたって何か秘訣のようなものはあるのかな?

(石浦)F3からステップアップしてくる中で、スウィフトの時は重たさというか慣性が気になっていました。その頃はGTの動きもかなり軽快になっていたので、スウィフトはGTとF3の中間ぐらいな動きで、どうしても後ろの重さを気にしながらいつも運転していました。
SF14になってから何も気にせず、自分の思った通りに攻められるようになりましたし、セットアップもイメージが湧きやすくなりました。
エンジニアとも会話が進みやすくなりました。スウィフトだとどうしても妥協しなければみたいな面があったんですけど。

(立川)いまセッティングも各車近いところになってきているみたいで、エンジニアさんからすると、遠目に見ても何をしているのかがわかってしまうらしいです。それだけSF14も突き詰められてきているのかなあと思います。

(白井)いまでもGTではチームメイトですけど、SFではドライバーと監督。やりにくさみたいなものはあります?

(石浦)特別やりにくいことはありません。両方同じチームでやってて、立場は違いますけど、特別何か変わる感じはありません。SFでもドライバーとしていてもらってるみたいな感じです。

(立川)GTになるとタメ口になるくらいかな?

(石浦)嘘を広めるのやめてもらえます?(笑)
急にタメ口になったらおかしいじゃないですか。

(立川)石浦は去年からセルモに来たんですけど、最初からチーム全員がレースを楽しみながら取り組んでる感じです。
普通はスーパーフォーミュラに来たらGTの話はしないものなんですけど、何も関係なく思いっきりGTの話をしてます。

(石浦)セットアップなんかも、全く違う車なのに、あっちでああやったからこっちでこうやってみよう、みたいな話もするし、いつも同じメンバーでいるので会話の内容も濃くなっていく感じがあります。

-ここから質疑応答-
-どのレースでも石浦選手が安定して結果を残せていますが、立川監督は何が一番変わったと思われますか?-

(立川)チームとしては何年か前から毎年ちょっとずつ良くなっているので、去年優勝がちらつくところまで来て、で今年こういう状況になっています。石浦と村田エンジニアのコミニュケーションもどんどんとれるようになってきて、石浦の開発能力を買ってチームに来てもらったんですけど、それがうまくいってクルマも良い状態に仕上がってきました。
だからどっかでたまたま速いとかじゃないんですよね。

-優勝して何が変わりましたか?-

(石浦)肩の荷がだいぶ軽くなったというか、勝ってない勝ってないってのがずっとあったので、そういう意味ではリラックスできるようになりました。
信頼関係とかも1年目2年目とだんだん良くなってきてるし、ミスを恐れなくなったというか、積極的にやれている実感がありますね。変にプレッシャーにならないというか、いつも通り楽しくレースウィークを過ごせているのが結果的に良いのかなと思います。

-リーダーズレッドをつけて走っている姿を自分の目で見た感想は?-

(石浦)前回のレースが終わってすぐに録画しておいたのを見ましたが、何がびっくりしたかって、富士の最終コーナーを立ち上がってきたときに自分のクルマだけすぐ分かりますね。サインガードのメカさんとかはやりやすいだろうなと思いますね。

-SF14になって、かなり軽いクルマになりました。その分ドライバーさんは体重管理には気を使っていると聞きますが、石浦選手はどうされていますか?-

(石浦)去年一番重いときは装備重量で80kgあったのが今は72kgくらいになっています。7キロ以上減らしました。

(立川)酒の種類を変えました(笑)

(石浦)それはバラさないほうが良いんじゃないですか。せっかく頑張ったって風に持ってっているのに(笑)

-ちなみに何から何に?-

(石浦)いいんです、そういうのは

(立川)ビールからハイボールにです。

(石浦)もちろんお医者さんのアドバイスを受けて糖質管理をきっちりやってますし、それでシーズンオフに5kg絞って、そこから1kgずつぐらい痩せてキープしています。
GTに関して軽ければ軽いほどいいんですが、スーパーフォーミュラでは前の体重でも規定の中に収まっていたんですよ。それでも体のキレというか動く感じも良くなったし、SF14は軽さっていうよりも慣性の部分がすごく軽くなって、エンジンも軽く低くなったし、その辺が1-2コーナーの挙動にもいい影響を及ぼしていますね。
それでバトル中の自由度も高くなりました。

(立川)ビールをハイボールに変えたんです(笑)

-今回持ち込んだ新エンジンの感想は?-

(石浦)エンジン単体というよりスロットル特性とか、ドライバビリティの改善がされているので、本当にターボ車に乗ってる感覚がだんだんなくなってきました。NAのころも高回転型の出力特性だったので、どっちかというとトルクバンド、パワーバンドはNAのころから上寄りな印象がありました。
それと比べても、だんだんフラットな感じに近づいているし、ドライバーの好みに合わせて特性を選びやすくなっています。それぞれのドライバーが欲しいところを支えてる感じで、自分の感覚に合うものが選べるようになったのが大きいと思います。

(白井)本当はもう少し軽くしたいんです。
もともとの性能からすると、あと10kg位軽くしたかったんですよね。
その分は石浦くんにもっと軽くなってもらおうかなと。

-酒絶ちですね-

(石浦)そういう問題じゃないと思うんですけど(笑)

-理想的なチーム監督像は?-

(石浦)僕は立川さんが理想だと思っています。
ドライバーの立場からアドバイスしてもらっています。今乗ってるドライバーじゃないと細かい部分は伝わらないけど、立川さんは今のクルマも乗ったことがあるのでやりやすいです。実は去年の中盤戦以降は立川さんのセッティングで乗っていたんですよ。他のチームではありえないですよね。

(立川)監督の仕事はドライバーやチームスタッフが気持ち良く仕事ができる環境を作ることかなと思うので、その辺を外から見ていて、直接割って入ってどうこうはしないし、うまくいくようにアドバイスできるようにとは考えています。
GTも含めると僕はこのチーム長いんで、いろいろ言いやすい面もありますね。
まあでも仕事しないと、石浦に文句言われるんで(笑)

(石浦)強いていえばあとは貫禄ぐらい(笑)

(立川)トークショーなんかで監督が集合した時に明らかに居づらいんで(笑)

まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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