2016スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」のフリー走行が4月10日、岡山国際サーキットで行われ、#39DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイッキ・コバライネン/平手晃平組)がトップタイム。1’21.771だった。
GT300クラスは65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)で1’27.982だった。
決勝日朝の天候は曇り。
フリー走行は午前9時から30分間の予定で始まったが、途中二度の赤旗中断があり、結局5分延長されて9時35分にチェッカーとなった。
最初の赤旗は#8ARTA NSX CONCEPT GTがダブルヘアピンでスピンした為。ドライバーは野尻智紀だったが、自力で再始動してピットに戻っている。
二度目の赤旗は残り時間6分を切ったあたりで#5マッハ車検 MC86が1コーナー立ち上がりでリヤを巻き込み、バリアに突っ込んだことによるもの。
ピットアウト直後でタイヤに熱が入っていなかった模様で、こちらはフロント部分を大破しており、決勝への影響が懸念される。
GT500クラスは序盤#12カルソニックGT-Rがトップに立っていたが、セッション終盤になって各車がタイムを上げ、最終的にコバライネンが1’21.771、大嶋和也の駆る#6WAKO’S RC Fが1’21.814を記録している。
ポールシッターの#37KeePer RC Fは10番手でこのセッションを終えた。
GT300クラスは序盤井口卓人のドライブする#61スバルBRZが1’28.113でトップだったが、セッション中盤に65号車が1’27.982を記録してトップに。
3番手はメルセデスAMG GT3にスイッチした#4グッドスマイル初音ミクAMGがつけた。
ポールシッターの#25Vivac 86MCは12番手。
なお、昨日の公式練習と予選に出走しなかったチームタイサン・サードの#26アウヂィR8がこのセッションから参加しており、元嶋佑弥が1’29.268を記録して15番手となっている。
一方、昨日のサーキットサファリでエンジンルームから出火し、予選出走できなかった#9GULF NACポルシェ911は残念ながらリタイヤ届けが提出されている。
第1戦決勝はこのあと午後2時40分より82周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
4月9日に岡山国際サーキットで行われた2016オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式予選は両クラス揃ってコースレコードが続出する、一瞬も目が離せない展開となった。
その結果GT500クラスは昨年1’19.008を叩き出した平川亮が予選Q2で自らの記録を0.9秒近く上回る1’18.126を記録して、#37KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)2年連続のポール獲得。
GT300クラスは先月の岡山テストで大クラッシュを喫した#25ViVac 86MC(土屋武士/松井孝允組)が昨年のレコードを1秒以上上回る1’25.586という圧倒的なタイムでポールポジションを獲得してみせた。
公式予選は午後2時50分よりノックアウト方式で行われた。
天候は晴れ。コースはドライ。少し汗ばむ陽気の中でのセッションとなった。
予選Q1
GT500クラスは残り時間は9分を切ったところで佐々木大樹の#24フォーラムエンジニアリングGT-Rがコースインしたのを合図に各車がコースになだれ込む展開に。
ここでいきなり1’18.885とコースレコードをあっさり打ち破ったのが今季GT500初参戦の千代勝正(#46S Road MOLA GT-R)だった。
2番手には#1モチュールGT-Rを駆る松田次生も1’18.918を叩き出して続き、1’19.004のヘイッキ・コバライネン(#39デンソーサードRC F)が続き、上位3台が昨年のレコードを上回ってきた。
結局、GT500クラスはトップから1秒以内に13台がひしめく接戦となり、今季からハイブリッドシステムを外したホンダNSX勢が全滅という結果に。
9位に終わった#36auトムスRC F(伊藤大輔)ですらトップから僅か0.512秒差という有様だった。
GT300クラスは今季からスポーテイングレギュレーションに変更があり、従来は13台だったQ2進出枠が14代に緩和されたが、その上位14台全てがトップから1秒以内というGT500に劣らない接戦となった。
その結果昨年チャンピオンの#0ゲイナーTANAX GT-Rを駆るアンドレ・クートや今季新たにランボルギーニ・ウラカンを投入して開幕前のテストでも好タイムを連発していた#88JLOCの織戸学らのベテラン勢がここで予選を終えることに。
一方、トップでQ2進出を果たしたのは#61スバルBRZを駆る山内英輝だった。
山内は先月富士スピードウェイで行われたニュルブルクリンク24時間の事前テストでクラッシュしたため、前回の富士公式テストではドクターストップがかかってしまったが、今回のレースで見事な復活を果たした格好だ。
2番手にはこちらも今季初登場のフェラーリ488GT3を駆る#51JMS LMcorsa(新田守男)がつけた。
予選Q2
参加した8台全てが昨年のレコードを上回るという、凄まじいタイムアタック合戦が展開されたのがGT500クラスだった。
まずは先月の公式テストで1’18.877を記録した大嶋和也の#6ワコーズRC Fが1’18.571をいきなり叩きだすと、翌周には1’18.268までタイムを縮めてみせる。
すると#1モチュールGT-Rのロニー・クインタレッリも1’18.372、#46S Road GT-Rの本山哲も1’18.419で続く。
すると昨年のレコードを記録した平川がここで1’18.126という圧倒的なタイムを叩き出して一気にトップに躍り出た。
予選Q1では6位に終わった37号車だったが、その結果を受けてセッテングに変更を加えたこと、そして14歳でGC-21をドライブして以来S-FJ、F3、スーパーフォーミュラとありとあらゆるカテゴリーで岡山を走り続けてきた平川の経験とノウハウもこの結果をもたらす大きな原動力になったようだ。
2番手には#6ワコーズRC F、3番手には#1モチュールGT-Rがつけた。
GT300クラスは新車ラッシュのFIA-GT3勢とJAF−GT勢ががっぷり四つの展開となり、上位7台がコースレコードを更新した。
中でも際立った速さを見せつけたのが土屋武士のドライブした#25Vivac 86MCだった。
25号車は先月の岡山テストにおいて、アトウッドカーブでクラッシュバリアに突っ込み、フロント部分を大破、その修復のためにチームスタッフは連日の徹夜作業を敢行、翌週の富士テストの第2日目の朝にようやく作業は完了し、そのままサーキットにやってきて3番手タイムを叩きだすという離れ業をやってのけている。
土屋によれば、この修復作業の過程でクルマ作りとドライビングについて新たな発見があったといい、それが今回の予選でうまく機能したとのことだ。
そうした経緯もあってこの岡山には自信を持って乗り込んできたチーム・サムライ。
しかし終盤戦のオートポリスでは更に早くなるだろうとのことだ。
また2番手には地元岡山出身の蒲生尚弥がドライブする#65LEON CVSTOS AMG GTがつけ、#7Studie BMW M6の荒聖治が3番手だった。
スーパーGT開幕戦決勝は明日午後2時40分より82周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
川端伸太朗待望の初勝利!
2016FIA-F4選手権シリーズ第1戦の決勝レースが4月9日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#88川端伸太朗(SUCCEED SPORTS)がそのまま逃げ切り、参戦15戦目にして待望の初勝利をものにした。
レースは2周目に発生した多重クラッシュのため、4周にわたってセーフティーカーが入る荒れた展開となったが、川端は最後まで緊張を切らすことなく後続を抑えきった。
第1戦決勝は午後1時50分より15周で行われた。
ホールショットを決めたのは川端、予選2番手の#9阪口晴南(HFDP)が2位につけ、予選3番手の#4河野駿佑(FIELD MOTORSPORT)が3位でオープニングラップを終えた。
ところが2周目のモスエスで中団グループにいた#10大滝拓也(HFDP)が単独スピン、これに#62平木湧也、#60川合孝汰のル・ボーセ勢が巻き込まれる形で多重クラッシュが発生、これを排除するために5周目までセーフティーカーが導入されることになった。
レース再開は6周めから。
ここで4位の#8上村優太(HFDP)が3位河野との差を詰め、ヘアピンで一気にインに飛び込んでいく。
続くリボルバーで抜き返す河野だったが、上村はその周のダブルヘアピンで再び河野をパス、これに5位を走っていた#7石坂瑞基も続き、7周めのウィリアムズコーナーでは#36宮田莉朋までもが河野に襲いかかり、河野はじりじりと順位を落とすことになった。
その前方では2位の阪口が徐々に川端との差を詰め始め、レース再開時点では1.6秒以上あった両者の差は11周を終えたところでついに1秒を切ってきた。
その後も予選並みのハイペースで追い上げる阪口は12周めには0.457秒差にまで迫るが、川端は最後まで阪口に攻略の糸口を与えず、0.4秒前後の僅差を保って15周を走りきり、昨年の開幕戦岡山以来15戦めにして初めての勝利をものにした。
2位の阪口は昨年の第13戦もてぎ以来2度めの表彰台。
しかし今回は敗戦の悔しさをかみしめる結果に。
そしてそれは3位初表彰台の上村に取っても同様だったようだ。
上村は前日の専有走行で総合トップタイムを記録し、このレースに自信を持って臨んでいただけに、表彰台の嬉しさよりも勝利を逃した悔しさの方が勝っていたという。
その悔しさを3番手スタートとなる明日の戦いにいかにして活かすことができるか。
そして川端は予選からの好調ぶりを明日も引き続き発揮できるのか。
中団スタートとなる阪口はどこまで順位を挽回できるのか。
FIA-F4選手権は今年も若者たちの熱い戦いがコースのいたるところで展開されることになりそうだ。
FIA-F4第2戦決勝は明日午前10時より同じく15周で行われる。
- 優勝 #88川端伸太朗のコメント
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嬉しいです。ここに来るまで辛い時期が長かったので。一発の速さはあっても精神的な弱さでレースを落としてばかりで。「今年は変わる」と心に決めて、一から鍛えなおそうと(脇阪)寿一さんとトレーニングに励んできました。その結果が開幕戦で出ました。
(阪口選手が)急にすっと接近した時があって、その時は動揺したんですけど、絶対負けない、という気持ちで落ち着いて、いつも通り走りました。
2コーナー、アトウッドと最終コーナーを抑えれば抜かれないと思っていました。
チームのみんなと頑張ってきてよかったです。チームのみんなにありがとうと言いたいです。
明日も頑張ります。
- 2位 #9阪口晴南のコメント
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前回は初表彰台で、すごい嬉しかったんですけど、今回は実力を持て余しているというか、僕の勝負弱さというか、レース展開で負けてしまいました。
仕掛けるチャンスのあるコーナーを探しながら走っていたんですけど、「ヘアピンかな?」という風にわかってきました。でも詰め切れなかったのは一番の反省点です。悔しいですね。
明日はスタートを決めて、クラッシュせず、一つでも順位を上げてフィニッシュできればと思います。頑張りたいです。
- 3位 #8上村優太のコメント
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FIA-F4今シーズン始まって初の表彰台ですけど、昨日の流れからいえば、タイムだけは自信あったので、予選からポールとって、流れを作ってぶっちぎりで勝ってやろうと思っていたのに、実際は予選4番手。それでも切り替えて決勝はスタートで前をパスして勝ってやるんや、という気持ちで臨んだんですが、スタートの出足も悪く、3位のドライバーを抜くのも手こずってしまって、単独になった時もタイムにばらつきがあって離れてしまいました。
明日は早い段階でトップに出て、逃げ切って勝とうと思います。
今日は今日で良い勉強になりました。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

2016オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式練習が4月9日、岡山国際サーキットで行われ、昨年優勝の#37KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)が1’19.018でトップ。
GT300クラスは今季新型を投入した#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)がコースレコードを上回る1’26.330を記録してトップだった。
スーパーGTの2016シーズンがいよいよ開幕。
GT500クラスは既報の通り全日本F3チャンピオンのニック・キャシディ、ブランパン耐久シリーズを制した千代勝正らがGT300クラスからステップアップしたほか、多くのチームでドライバーの移籍や新規スポンサーの獲得などが相次ぎ、例年以上に新鮮なラインナップでこの日を迎えることになった。
またGT300クラスは主にFIA-GT3勢でニューモデルの投入が相次ぎ、こちらも実に見所の多いシーズンとなっている。
さらに先月の公式テストでは両クラスともにコースレコードを上回る好タイムが記録されており、さらなる激戦が期待できそうな状況となっている。
その注目の開幕戦最初の走行となる公式練習は午前9時より混走85分、専有走行各10分で行われた。
天候は晴れ。絶好のレース日和だ。
序盤トップに立ったのは公式テストから好調の#12カルソニックGT-R。J.P.デ・オリベイラが1’19.164の好タイムを記録、その後も快調に周回を重ねていく。
2番手にはヘイッキ・コバライネンが1’19.186を出した#39デンソーKOBELCOサードRC Fが続く。
しかし終盤に行われた専有走行では#37KeePer RC Fの平川がチェッカー目前に1’19.018を叩き出して一気にトップに躍り出た。
37号車は昨年、一昨年とここ岡山を制しており、平川も昨年ここでポールポジションを獲得するなど、相性の良さは変わっていないようだ。
しかし一方で、今季からハイブリッドシステムを外したホンダ勢は最上位の#100レイブリックNSXが11位にとどまるなど、公式テストに続いて厳しい状況が続いている。
その上100号車は専有走行開始直後にピット出口でトラブルによりストップするなど、予選への影響も懸念される状況だ。
GT300クラスは混走時間に1’26.330を黒澤が記録した#65LEONがそのままトップで走行を終えることに。昨年までのSLSから新型のAMG GT3にスイッチしたLEONだが、新車の仕上がりは上々のようだ。
2番手には#21Hitotsuyama Audi R8 LMSがつけたが、21号車はセッション中盤にガレージに引き込まれて作業を始めてからは走行に参加せず、藤井誠暢は1周も走行しないまま午後の予選に臨むことになった。
3番手には岡山での公式テストでクラッシュによりフロント周りを大破し、富士テストの2日目からようやく合流した#25Vivac 86MCがつけ、先月の雪辱に向けてチーム一丸となって取り組んできた様子がうかがい知れる。
一方で4月7日にようやく参戦体制を明らかにした#26チームタイサン・サードはトラブルにより終始ガレージに止まったままという状況。午後の予選出走が危ぶまれる状況だ。
公式予選はこのあと午後2時50分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Katsuhiko KOBAYASHI
FIA-F4の2016シーズンがいよいよ開幕!
第1戦、第2戦の公式予選は4月9日、岡山国際サーキットで行われ、#88川端伸太朗(SUCCEED SPORTS)がベストタイム、セカンドタイムともトップで2戦連続ポールを決めた。
今年で2年目を迎えたFIA-F4選手権は開幕から35台ものエントリーを集める盛況ぶり。
全日本F3選手権やスーパーGTにステップアップしていった1年目の選手たちに代わって今年も若手やベテランなど様々だドライバーが岡山にやってきた。
注目の公式予選は午前8時10分より30分間で行われたが、途中2回の赤旗中断があり、特に残り時間3分を切ったところで提示された2度目の赤旗でアタックのタイムングを逸したドライバーが少なくなかったようだ。
路面コンディションが良くなるのを待って終盤にアタックを予定していたドライバーたちはこの影響で思うような結果を得ることができなかったようだが、参戦2年めのドライバーの中にはこうした事態を予想して早めにタイムを出しにいったものも複数おり、こうした経験の差が今回の予選結果に大いに影響した模様。
第1戦、第2戦の両方でポールポジションを獲得した川端、第1戦で3番手、第2戦は2番手という好位置から決勝をスタートすることになった#4河野駿佑(RSファイン)らは序盤のトラフィックの中で最初のアタックを行ったが、ベストタイムで2番手につけた#9阪口晴南(HFDP)は終盤にアタックする作戦を採った結果セカンドタイムでは11番手に終わっている。第1戦4番手、第2戦3番手の#8上村優太(HFDP)も終盤の赤旗がなければ1分33秒台も充分可能だったという。
こうした事情は中団以下のグリッドからスタートすることになった選手の中にも当てはまるものと推測され、午後の第1戦決勝、明日の第2戦決勝とも、これまで以上に激しいドッグファイトが見られそうだ。
第1戦決勝はこのあと午後1時50分から、第2戦決勝は明日朝10時から、それぞれ15周で行われる。
- 第1戦、第2戦PPの#88川端伸太朗のコメント
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序盤からそれなりにハイペースで行こうとしていたんですけど、台数が多いので様子を見ながら、とりあえず2周だけはアタックしようと思いました。コンディションもあんまり良くなかったんですが、そんな中でいいラップを刻むことができました。最後の方がタイムは出るんで、もう一回アタックしようとしたら赤旗になってしまい、不完全燃焼ではあるんですがポールだったので。
予選が良ければ前の方でレース出来るし、予選が悪ければ上には上がれない。岡山はそういうとこシビアなんで、すごく集中して走ったのが良かったと思います。
関西のチームなんで、ここと鈴鹿は走り慣れてるっていうのもあるし、コンディションに合わせる引き出しもあります。
- 第1戦2位、第2戦11位の#9阪口晴南のコメント
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終盤にアタックする作戦だったんですが、ここまで荒れるとは思いませんでした。まさかあんな感じで終わってしまうとは思っていませんでした。
でも今日はセカンドグリッドなので、決勝も狙えるかなと。明日は厳しいレースになると思いますが、しっかりポイント取って終われればと思います。
大きなチームですが、スタッフの皆さん一丸となってレースに向けて準備してくれているので。
今年はF3とダブルエントリーになります。忙しいシーズンになりますが、ありがたいことだと思います。
- 第1戦3位、第2戦2位の#4河野駿佑のコメント
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良かったのか悪かったのかよくわかんないんですけど、不完全燃焼で終わりました。赤旗がなければ33秒台はいけたと思います。最初の方は、タイヤがあったまったところで(タイミングを)待ってる組が出てきて引っかかってしまって、それでもそこそこのタイムが出ました。もうちょっとタイヤがあったまればいけるかなと思っていたんですが、スタート位置としては悪くないんで、ある意味チャンスだと思います。
とにかく早めにタイムを出そうと思ったので、あと組よりはいい結果になりました。
- 第1戦4位、第2戦3位の#8上村優太のコメント
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昨日の走行で結構いい感じの手応えがあってトップタイムをマークできたので、今回の予選は自信を持って臨めました。
ガソリンの量を減らして、クルマが軽くなったところで一発ドカン、と行こうと。ポールを取りたかったのでそういう作戦で行きました。結果イエローとか赤旗の絡む展開になっちゃって、みんなもそうなんですけど思ったようなタイムが出ず、って感じでした。
特にポールを取れなかったのは残念でした。二回目の赤旗はきつかったですね。
でもまあそれもレースなんで。決勝は切り替えて。2レースとも2列目からのスタートなんで可能性はありますから、諦めずに頑張っていこうと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
3月26-27日の二日間で行われていた2016スーパーGT公式テスト富士。
27日午後から行われた最後のセッションは#39DENSO KOBELCO SARD RC F(ヘイッキ・コバライネン/平手晃平組)と#17KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大/小暮卓史組)が同タイムで並ぶ接戦となり、先にタイムを出した#39サードがトップとなった。
GT300クラスは今週末好調な#3B-MAX NDDP GT-Rがここでもトップタイムを記録した。

GT500クラストップのヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD RC F)

GT500クラス2位の塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX CONCEPT-GT)

GT500クラス3位のジェームス・ロシター/平川亮組(KeePer TOM'S RC F)

GT300クラストップの星野一樹/ヤン・マーデンボロー組(B-MAX NDDP GT-R)

GT300クラス2位のリチャード・ライアン/藤井誠暢組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)

GT300クラス3位の土屋武士/松井孝允組(VivaC 86 MC)
公式テスト富士最後の走行となるセッション4は、午後1時30分からのセーフティーカー訓練に続いて午後1時45分より120分間で行われた。
朝から好天に恵まれたこともあり、気温、路面温度とも昨日の寒さよりは幾分緩和されたものの、終盤にはやはり厳しい冷え込みの中での走行となった。
GT500クラスは#60SYNTIUM LMcorsa RC F GT3のエンジンブローによる最初の赤旗中断が明けてから10分後に#39平手が1’28.854でトップに立つと、その約20分後に#17塚越が同じく1’28.854を叩き出した。
今週末下位に甘んじていたNSX勢だったが、最後の最後に17号車は何かを掴んだようだ。
3番手にはジェームス・ロシターの駆る#37KeePer RC Fが1’28.860とトップから僅か1000分の6秒差の好タイムを叩き出して3番手に食い込むが、37号車はその直後にプリウスコーナーでコースオフ、2度目の赤旗中断の原因を作ってしまった。
午前中トップタイムを記録した#12カルソニックIMPUL GT-Rはこのセッション7位ながら、トップからは僅かコンマ3秒差につけた。
結局このセッションでもGT500クラスはトップから1秒以内に11台入り、再来週の開幕戦、再来月の第2戦での熱戦が大いに期待できそうな結果となった。
GT300クラスは終了30分前にまたしてもマーデンボローが1’36.611と2位以下をコンマ45秒突き放す非凡な速さをみせてトップに立ち、改めて好調ぶりを見せつける結果になった。
新型のR8を投入した#21Hitotsuyama Audi R8 LMSもリチャード・ライアンが序盤トップに立つなど光るものを見せて2位に付け、3位にはなんと今朝持ち込まれたばかりの#25VivaC 86 MCが1’37.178のタイムで続き、不眠不休で修復に当たったチームスタッフの熱意にチーム代表の土屋武士がドライビングで報いる形となった。
2016オートバックス スーパーGTは再来週の4月9-10日に岡山国際サーキットでいよいよ開幕戦を迎える。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2016スーパーGT公式テスト富士、二日目の走行が3月27日に静岡県の富士スピードウェイで始まった。
午前中のセッション3では#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が昨日に続いて好調ぶりをみせ、1’28.228でトップ。
GT300クラスはここでもFIA-GT3勢がトップ3を占め、#7Studie BMW M6(荒聖治/ヨルグ・ミューラー組)が1’36.194でトップだった。

GT500クラストップは安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(カルソニックIMPUL GT-R)

GT500クラス2位はヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD RC F)

GT500クラス3位は大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組(WAKO'S 4CR RC F)

GT300クラストップはヨルグ・ミューラー/荒聖治組(Studie BMW M6)

GT300クラス2位は黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG-GT)

GT300クラス3位は星野一樹/ヤン・マーデンボロー組(B-MAX NDDP GT-R)

徹夜で修復された土屋武士/松井孝允組(GT300クラス・VivaC 86 MC)はこの日から走行

ピットウォークには大勢のファンが訪れた
公式テスト二日目を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。
寒さも幾分和らいだ印象の中、昨日に続いて朝早くからたくさんのレースファンがコースサイドに詰めかけた。
そうした中、セッション3は午前9時より120分間で行われた。
昨日の午前中にトップタイム、午後も2番手と、今週末好調ぶりをみせつけているチームインパルはここでも速さをみせ、走行開始から30分あまりでオリベイラが1’28.277を記録してトップに立つと、セッション終盤には安田が1’28.228とタイムを縮めてそのままトップで走行を終えた。
2番手につけたのは#39デンソーサードRC F。
ヘイッキ・コバライネンがセッション序盤に1’28.369を記録、これがそのままベストタイムとなった。
一方ホンダ勢最上位は#15ドラゴモデューロNSXの7位。
しかしトップとの差はわずか0.815秒であり、本番との気温、路面温度の差などを合わせて考えれば、そう悲観した結果ではないのかもしれない。
終わってみればトップの12号車から12位の#46S Road GT-Rまでが1秒以内に収まっており、今シーズンも接戦につぐ接戦が期待できそうだ。
GT300クラスはやはりFIA-GT3勢の速さが目立っており、セッション序盤に1’36.194を記録した#7Studie BMWがそのままトップに。
以下#65LEON AMG-GT、#3B-MAX NDDP GT-Rと続いてJAF-GT勢最上位の#61スバルBRZが4番手。
しかし7号車と61号車の差はわずか0.732秒であり、これからの巻き返しに期待がかかる。
なお、61号車は今回井口卓人のみがドライブしている。山内英輝は先日富士で行われたニュルブルクリンク24時間使用のスバルWRXのテストでクラッシュした影響で肋骨にヒビが入っていることが判明したため、このテストへは不参加となった。
また、先週の岡山テストでクラッシュした影響でテスト一日目には参加していなかった#25ViVac86MCは、今朝ようやく完成した車両をそのまま富士に持ち込み、このセッションから走行に参加している。
クラッシュのダメージは相当なものだったようで、フロント周りはほぼ全てのパーツを交換することになったようだ。
セッション3では1’38.341とまずまずのタイムを記録して18位に付けた。
スーパーGT公式テストはこのあと午後1時30分よりセーフティーカー訓練を行い、それに続いて120分間のセッション4が行われる予定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
富士スピードウェイで行なわれている2016スーパーGT公式テストのセッション2は#38ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明組)が1’27.936でトップ。わずか1,000分の2秒差で午前中トップの#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が続くという接戦となった。
GT300クラスはFIA-GT3勢が上位10台を独占する中、#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組)が昨年のポールタイムを上回る1’36.151を叩き出してトップだった。

GT500クラストップの立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO RC F)

GT500クラス2位の安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(カルソニックIMPUL GT-R)

GT500クラス3位のヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD RC F)

GT300クラストップの星野一樹/ヤン・マーデンボロー組(B-MAX NDDP GT-R)

GT300クラス2位の織戸学/平峰一貴/青木孝行組(マネパランボルギーニGT3)

GT300クラス3位のヨルグ・ミューラー/荒聖治組(Studie BMW M6)
公式テスト2回目の走行は午後2時より混走110分、専有走行各クラス10分で行われたが、コースオープンしてすぐに#12カルソニックGT-Rがコカコーラコーナー手前でメカニカルトラブルによりストップしてしまい、赤旗中断となってしまった。
12号車は先週の岡山でも2回トラブルに見舞われており、開幕に向けて不安の残る状況となっている。
セッションは車両回収ののに2時11分に再開。
すると富士をホームコースとするレクサス勢が相次いで上位に。
最初にトップに立ったのは#37KeePerトムスRC Fで1’28.534だったが、立川祐路のドライブする#38ZENTセルモRC Fがセッション半ば過ぎに1’28.173、1’27.936とタイムを縮めてトップに立った。
そこへ修復を終えてコースに復帰した12号車が食い込んできて、専有走行の終盤に1’27.398と僅差に迫ってきた。
3番手にはヘイッキ・コバライネンが1’28.024を叩き出した#39DENSO KOBELCO SARD RC Fがつけた。
一方、ハイブリッドシステムを下ろして身軽になったNSX勢は今回も下位に沈む。
最上位は#17KEIHIN NSX CONCEPT-GTの5位だが、他の4台は全て10位以下という結果に終わった。
GT300クラスは午後の走行でもFIA-GT3車両が上位を独占。
しかし今期のGT3はこれまでと違ってストレートスピードだけでなくコーナリング性能も格段に向上しているように見える。
特にJLOCが今季から投入したランボルギーニ・ウラカンは織戸学が1’36.978とコースレコードまであとコンマ4秒という好タイムを記録して見せた。
しかしそれをはるかに上回るタイムを叩き出したのが今季から3号車をドライブすることになったルーキーのヤン・マーデンボローだ。
彼は1’36.151と従来のレコードをコンマ4近く上回る好タイムでトップに立ち、その非凡な才能をこのセッションで見せつけた。
対するJAF-GT勢は#61SUBARU BRZ R&D SPORTの11位が最高という厳しい状況。
タイムも1’37.659と1.5秒もの差をつけられた。
なお今回、事前にエントリーしていた車両のうち#26Team TAISAN、#86braille Audi R8 LMs、そして#108Direction Racingらが直前になってエントリーを取り消している。
一説には先日発生したベルギーでのテロ事件が物流に影響を及ぼした結果とも言われている。
スーパーGT公開テストは明日27日も同じく富士スピードウェイにて午前午後2回のセッションが予定されている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
スーパーGTの2016シーズン2回目の公式テストが3月26日、富士スピードウェイで始まった。
最初のセッションでトップに立ったのは#12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)で1’28.244。
GT300クラスは#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組)で1’37.315だった。

GT500クラストップの安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(カルソニックIMPUL GT-R)

新スポンサーを獲得してカラーリングを一新した伊藤大輔/ニック・キャシディ組(GT500クラス・au TOM'S RC F)は6位

GT300クラストップの星野一樹/ヤン・マーデンボロー組(B-MAX NDDP GT-R)
先週の岡山国際サーキットに続いて今週は富士スピードウェイで行われるスーパーGT公式テスト。
寒波が押し寄せた影響で今週末の富士は3月下旬とは思えない寒さに見舞われ、金曜には降雪まで見られる状況となり、走行への影響が懸念されたものの、初日の今日は雲が多めながらまずまずの好天に恵まれ、早朝から多くのファンがスタンドやパドックに詰めかける中、午前10時から最初のセッションが120分間で行われた。
雪の影響で開始時点の路面はまだ濡れていたため、序盤はウェット宣言の出される中での走行となった。
この影響からか開始20分足らずでTeam DIRECTIONの#63ランボルギーニ・ウラカンが1コーナーでクラッシュしたため赤旗中断となったが、セッション再開後には次第に路面は乾いていき、セッション中盤以降は完全なドライコンディションとなった。
赤旗中断時点でのトップは#64エプソンNSXで1’32.713。しかし走行が再開されるやいなや#12カルソニックGT-Rが1'28.931でトップに立ち、その後も1'28.517、1'28.244と順調にタイムを縮めて午前の走行を締めくくった。
2位から6位までにはレクサス勢が続く。
2位は#38ZENTセルモRC F、3位には#37KeePerトムスRC Fがつけ、25日にKDDIをメインスポンサーに迎えると発表したばかり#36auトムスRC Fも1’29.398とまずまずのタイムで6番手につけた。
一方、岡山テストで今一つの結果だったホンダ勢は終わってみれば#17ケーヒンの9位を最高に11位、12位、13位、15位と今回も苦しいスタートとなっている。
岡山ではJAF-GT勢に席巻された感のあったGT300クラスは、今回は#3B-MAX NDDP GT-R、#55ARTA BMW M6 GT3が1位、2位を占め、マザーシャシーの#2シンティアム・アップル・ロータスが3位とFIA-GT3がやや先行する形となった。
メカニカルトラブルにより岡山テストではセッション1しか走れなかった#7Studie BMW M6も今回は4位とまずまずの位置につけている。
一方、岡山テスト二日目にクラッシュした#25VivaC 86 MCは現在も藤沢のガレージで修復作業を継続中とのことで、今日現在は富士に姿を現していない。
こちらは日曜からの参加を目指して懸命の作業を行っている模様だ。
スーパーGT公式テストはこの後午後2時よりセッション2が混走110分間、専有走行が各クラス10分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
スーパーGT公式テスト岡山、最後の走行となるセッション4は#12カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1’19.397でトップタイム。
しかし12号車はセッション中盤にアトウッドカーブの立ち上がりでトラブルによりストップしており、今後に課題の残る二日間となったようだ。
GT300クラスは#11GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)が1’27.288でトップだった。
(天候:晴れ コース:ドライ 入場者数:土曜日4,890人/日曜日9,698人/総入場者数14,588人)

大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組(GT500クラス・WAKO'S 4CR RC F)

ジェームス・ロシター/平川亮組(GT500クラス・KeePer TOM'S RC F)

安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(GT500クラス・カルソニックIMPUL GT-R)

織戸学/平峰一貴/青木孝行組(GT300クラス・マネパランボルギーニGT3)

平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組(GT300クラス・GAINER TANAX AMG GT3)

中山友貴/山田真之亮組(GT300クラス・TBN)

ピットウォーク
公式テスト二日目の最後の走行となるセッション4は、午後1時30分からのスタート練習に続いて1時45分から行われた。
午前中の走行が始まってすぐにトラブルで止まってしまった#46S Road GT-Rもスタート練習こそ欠席したものの、45分からのテスト走行には最初から参加することができた。
ところが始まって10分あまりで#25VivaC 86 MCがアトウッドカーブで飛び出し、まっすぐクラッシュバリアに突っ込んでしまい、赤旗中断となってしまう。
乗っていた土屋武士は無事だったが、25号車はそのまま走行を終えることになった。
セッションは午後2時15分頃に再開。
それから程なくしてオリベイラが1’19.397を記録して#12カルソニックGT-Rがトップに立った。
するとその20分後、今度は#55ARTA BMW M6からオイル漏れが発生。1コーナー周辺のオイル処理のために2度目の赤旗が出される。
55号車はそのまま回収されて修復作業に入ったが、セッション終盤になって漸くコース復帰を果たした。
開幕前の最初の公式テスト、しかも最後の走行ということもあり、各チーム様々なトライをしていたのだろうか、このセッションではその後もトラブルが相次ぐ。
初日の午後にトップタイムを記録したaprの2台もトラブルからセッション終了を待たずして撤収作業に入り、午後3時過ぎにはトップタイムを記録していた12号車もメカニカルトラブルからアトウッドカーブの先でストップ、3度目の赤旗の原因となってしまった。
しかし12号車は車両回収後直ちに修復作業に着手、30分後には再びコースに姿を現した。
このように3度もの赤旗中断があったため、セッションは当初予定より10分延長され、午後3時55分にチェッカー。
中盤以降はほぼ全チームがロングランに入ったこともあり、タイムの更新は見られず、そのまま12号車がトップタイムとなった。
2位には#6ワコーズRC F、3位には#37KeePer RC Fと昨日から好調な2台がつけ、NSX勢最上位は9位の#100レイブリックNSXと、ホンダ勢にとっては厳しい二日間となったようだ。
GT300クラスは今季新たにメルセデスAMG GT3を投入した#11ゲイナーTANAX AMG GT3が5周目に1’27.288を記録してトップに立ち、そのまま精力的に53周を走り込んだ。
2番手にはこれまた新型のアウディR8を持ち込んだ#21Hitotsuyama Audi R8 LMSが1’27.363で続き、こちらも新型AMG GT3にスイッチした#4グッドスマイル 初音ミク AMGが3番手と、ここではFIA-GT3が上位6台までを占めた。
JAF-GT勢トップは#2シンティアム・アップル・ロータスで7位だった。
スーパーGTはこのあと富士スピードウェイに舞台を移し、3月26-27日に開幕前最後の公式テストを実施する。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
岡山国際サーキットで行われているスーパーGT公式テストは3月20日も引き続いて行われ、午前中の走行では#37KeePer TOM'S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)がトップタイム。
セッション中盤に平川が1’18.918と昨日の大嶋和也に続いてコースレコードを上回るタイムを記録した。
GT300クラスは今季初登場のランボルギーニ・ウラカンを走らせる#88マネパ ランボルギーニ GT3(織戸学/平峰一貴/青木孝行組)がトップで、こちらも1’26.045と昨年のレコードタイムを上回ってきた。
公式テスト二日目の午前の走行は9時10分に、セーフティーカーの訓練を実施するところから始まった。
ところがこの際、#12カルソニックGT-Rがグリッド上でストップしてしまい、そのままピットに押し戻される結果に。
さらにその直後、#24フォーラムエンジニアリングGT-Rが1周もしないうちに頭からガレージに戻ってくると、ホームストレート上では#46S Road GT-Rがストップと、ニッサンGT-R勢に相次いでメカニカルトラブルが発生する事態となった。
この際、46号車がコース上にオイルを撒いてしまったため、セッションはグリーンフラッグが出てすぐに赤旗中断となってしまった。
セッションは9時33分に再開。
ガレージで修復作業を行っているGT-R勢のうち12号車と24号車は程なくしてコースに復帰したが、46号車のダメージは一番深刻だったようで、結局最後まで走行しないまま午前は終了した。
唯一トラブルを免れた#1モチュールGT-Rだったが、この日のタイムは1’20.576がベストと、12番手タイムに終わっている。
GT-R勢最上位は12号車の5位だった。
思わぬトラブルに出足をくじかれたGT-R勢とは対照的に、今日も好調ぶりを見せたのがレクサス勢だ。
ニック・キャシディの駆る#36トムスが22周めに1’19.424でトップに立つと、昨日の午後にtップタイムを記録した大嶋和也も31周めに1’19.377を記録して#6ワコーズRC Fをトップに押し上げる。更にその10分後、平川が1’18.918とこのセッションのトップタイムを叩き出して見せた。
今季ハイブリッドシステムを外して新たなスタートを切ったNSX勢はこの日もタイムが上がらず下位に沈む。
最上位は#100レイブリックNSXの8位で1’20.026がベスト。
午後の走行でどこまで挽回できるかに注目だ。
GT300クラスは初日こそJAF-GT勢に上位独占を許したが、このセッションでは#88マネパランボルギーニGT3がトップタイムを記録したほか、#11ゲイナーTANAX AMG GT3が3位、#3B-MAX NDDP GT-3が6位とFIA-GT3勢が健闘、ほぼ互角の様相になった。
なお88号車と2番手の#18トヨタ86MCはそれぞれ1’26.045、1’26.526を記録、昨年までのコースレコードである1’26.532をそろって上回っている。
スーパーGT公式テストはこのあと午後1時30分より、岡山県警も参加してのスタート練習に続いて120分間のセッション4が行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
岡山国際サーキットで行われているスーパーGT公式テストのセッション2はレクサス勢が1-2-3という結果に。大嶋和也がコースレコードを上回る1’18.877を記録した#6WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)がトップだった。

大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組(GT500クラス・WAKO'S 4CR RC F)

伊藤大輔/ニック・キャシディ組(GT500クラス・TBN)

ジェームス・ロシター/平川亮組(GT500クラス・KeePer TOM'S RC F)

高橋一穂/加藤寛規組(GT300クラス・シンティアム・アップル・ロータス)

嵯峨宏紀/中山雄一組(GT300クラス・TOYOTA PRIUS apr GT)

土屋武士/松井孝允組(GT300クラス・VivaC 86 MC)
午後の走行は2時から混走110分、各クラス専有走行が10分づつで行われた。
上空からは強い日差しが降り注ぐ完全なドライコンディションとなり、各チーム50〜60周を走り込み、開幕戦に向けての貴重なデータを収集していた。
午前中は#12カルソニックGT-Rがトップタイムを記録していたが、午後に入るとレクサス勢が好タイムを連発、開始早々には平川亮の駆る#37KeePer RC Fが1’19.534といきなり午前のオリベイラのタイムを上回ると、その後も快調にタイムを縮めていった。
そしてセッション中盤には1’19.254を記録した#6ワコーズRC Fがトップに。
メインスポンサーが変わり、カラーリングも一新された6号車は、その後も安定したペースで周回を重ね、最後の専有走行では大嶋が1’18.877と昨年の第1戦で平川が記録した1’19.008を上回ってこの日の走行を締めくくった。
2番手には新人ニック・キャシディを擁する#36トムスRC Fが、3番手には#37KeePer RC F、4番手には#39デンソーサードRC Fがつけ、終わってみればレクサスRC Fが上位を独占する結果となった。
ニッサンGT-R最上位は午前中トップの#12カルソニックの6位、今季からハイブリッドシステムを降ろしたことでその影響に注目が集まるNSX勢では#100レイブリックが5番手と健闘した。
GT300クラスは午前中ノータイムに終わった#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が一転して40周を走り込み、セッション中盤に1’27.521を記録してクラストップに躍り出た。2番手には#25VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)、3番手には#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)とJAF-GT勢が1-2-3という結果に。
今季ブランパンGTシリーズに参戦する高星明誠に代わってニッサンGTアカデミー出身のヤン・マーデンボローを迎え入れた#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組)がFIA-GT3勢トップの4位につけた。
また、今季GTデビューを果たした山田真之亮の乗るアップガレージwith坂東の#18トヨタ86(中山友貴/山田真之亮組)はクラス9番手、清原章大の加わった#360RUNUP Group&DOES GT-R(柴田優作/田中 篤/清原章太組)は15番手だった。
スーパーGT公式テストは明日も引き続き岡山国際サーキットで午前9時より行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAI
スーパーGT2016年最初の公式テストが3月19日、岡山国際サーキットで開始された。
この日午前に行われたセッション1では1’19.776を記録した#12カルソニックIMPUL GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信組)がトップタイム。
昨年度全日本F3チャンピオンのニック・キャシディを新たに起用した#36トムス RC F(伊藤大輔/ニック・キャシディ組)が1’20.198で2番手につけた。
セッション1は午前9時30分より120分間で行われた。
昨夜から降り続いていた雨は上がり、上空にはわずかながら晴れ間も見えてきていたが、開始時点の路面はまだセミウェットの状態。
このため、開始前にはウェット宣言が出されたものの、セッションが進むにつれて次第に路面コンディションは上向き、それに従ってラップタイムも上がっていった。
GT500クラスは昨年シリーズ参戦した全15台が参加。
その中でも12号車はコースオープンから積極的に周回を重ねて56周を消化、常にタイミングモニターの最上段に位置し続けた。
GT300クラスは昨年に続いてマザーシャシーベースのエヴォーラを走らせる#2シンチアム・アップル・ロータス(高橋一穂/加藤寛規組)が1’27.612でトップ。2番手には#25VivaC 86 MC(土屋武士/松井孝允組)が1’27.889で続き、JAF-GT勢が1-2を占めた。
こちらのクラスはFIA-GT3勢を中心に今年からニューモデルを投入したチームが多く、例年以上に魅力的なラインナップとなっている。
その中の一つ、日本初上陸のフェラーリ488GT3を走らせた#51LM corsa(都筑晶裕/新田守男組)はこのセッションで1’28.414を記録して3番手につけ、好調な滑り出しを見せている。
公式テストはこのあと午後2時よりセッション2が130分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーフォーミュラの2016年開催概要発表会の行われた鈴鹿サーキットで、KCMGで3年目のシーズンを迎える中山雄一選手に、今季にかける意気込みを聞いた。
-今季の感触は
昨年はQ3進出とポイント獲得を目標に戦ってきましたが、富士でQ3に残れて、最後の鈴鹿でポイントも取れました。鈴鹿もQ2に上がれて、ほとんどQ3進出と換わらないタイムも出ていたので感触はいいです。
シーズン中は箸にも棒にも、という感じでずっと来ていたんですが、菅生、鈴鹿と調子がいいし、昨年のテストもみんなと同じタイムで走れているので、後ちょっとというところだと思うので、そこをしっかり詰められるようにしたいと思います。
-昨年もQ3に残れたことから、課題は決勝ということか
去年も菅生の前まではまっすぐ走らなかったり、ブレーキを踏むと左ばっかロックしちゃって、みたいな根本的なところを直している状況でした。今はだいぶそういうのが少なくなっていて、そういうのがなくなっているので、走り出しからしっかりセッティングを変えるとか、メニューに入っていける状況なので、進歩しているのかなと思います。
-最初は苦労したんですね
そうですね。一年目は問題がクルマなのか、自分なのか、どこまでがクルマの範囲で、どこから自分がやんなきゃいけないのか、その線引きがすごく難しくて、それが二年目になると分かってきました。FCJもF3も3年めに結果が出ているんで、スーパーフォーミュラも同じようにいければいいなと思います。
-FCJもF3も三年目はぶっちぎりだったが、今回も?
そうですね(笑)、さすがにこのクラスになるとだいぶ難しいとは思いますけど、トップドライバーと同じような戦いができれば。そこにいかないと分からない経験がいっぱいあるので、まず今年もQ3に残って、ポイントを獲得するレースを続けていく。そういううちにもっと上で走ることができるような、ヒントをつかむことができるのではないかと思います。
-FCJ、F3ともに2年目の終盤に感触をつかんでシーズンオフのテストで波に乗って、という流れだったが、今その状態にあるのか
そうなりたいな、と思います。ここで振り出しに戻らないように、コースにいるときにはできるだけチームにインフォメーションを残して、データを残して、毎回成長していけるように、頑張っていきたいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーフォーミュラの2016年開催概要発表会の行われた鈴鹿サーキットで、今季GP2チャンピオンのストフェル・バンドーンをチームメイトに迎える野尻智紀選手に、今季にかける意気込みを聞いた。
-バンドーン選手の印象は
GP2って走行時間も短いし、そういう中で結果を残してきた順応性の高さはすごいなと。前に鈴鹿は走ってるんで、雰囲気は分かっててこれぐらい、てのは分かると思うんですけど、朝一の一発目の走行から普通に限界近くで飛び込んで走れるのはすごいなと感じたんで、そういう意味ではすごく速いと思います。
あとはスーパーフォーミュラの車両だったり。タイヤはみんな合わせていかなきゃいけない部分なので、僕もそうですが、彼もドライビングにあってるかどうかが重なってくると思います。でも速さはあると思いますよ。こないだ来てたほかの外人なんかとは全然違うと思うし、F1に乗ってるドライバーと比べても相当なトップレベルのドライバーなんじゃないかと、昨日今日一緒に乗ってみて思うところはありました。
-でも、負けないぞ、と
そうですね。だからといって僕たちが遅いというようなデータではなかったし、厳しい戦いになると思うし、ライバルが増えて楽しくなるのかなと。
-タイヤが変わったことの影響は?
結構違うな、と思いますね。いいところもあるし、そうじゃないところもある。いろんな性能の違いもありますが、ピークのグリップ自体はあると思います。グリップしてる分、そこを超えちゃったときの滑り出しがすごく速いところもあるので、限界を超えたところのコントロールはすごく難しいです。
-グリップがあがったことでフィジカル面への負担は増えたか
あんまり感じませんね。ハンドルとかもちょっと重いかな、という感じですが、だからといって「もう無理」っていう感じでもないので、今のところは。
ロングランをやったらちょっと変わるかもしれませんけど。
まあロングランになると難しそうですね。滑ったり、どれぐらいグリップダウンするのか、まだみんなわかってないんで。
-ピーキーな感じなのか
そうですね、ちょっとピーキー感はあります。難しい。飛び出す人も増えると思うし、スピンも増えるんじゃないかな。予選一発でも結構リスク背負って飛び出したりとか、そういうケースも多々出てきそうな気がします。
-今年の目標は
3年目で、去年は優勝もできなかったので今年はしっかり優勝もして、チャンピオンを本当に争っている中の一人でいたい、というのが最低限の目標ですね。
僕個人のタイトルもそうですし、チームのタイトルもストフェルと一緒に獲れたら最高ですね。
-3年目のホンダエンジンの印象は
よくなってる手ごたえはありますね。あれだけいろんな人が開発をがんばってくれているんで。ただ、もう少しこうしたいっていうのはまだあるし、その辺もしっかり伝えて、トヨタさんに負けないように僕たちもしっかりフィードバックしていかなきゃいけないと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
スーパーフォーミュラの2016年開催概要発表会の行われた鈴鹿サーキットで、今季待望のSFデビューを実現させた関口雄飛選手に話を聞いた。
-契約に至るまでの経緯は
年末のテストのあと、いったん話が流れたんですが、その後いろんなことがあり、星野監督に評価いただいたことなどもあって2月の末に契約のお話をいただきました。それまでにもちょくちょくお話はしていました。
-契約の決め手になったのはなんだったと思うか
やっぱり速くないと。速くないとこの話は無いわけで。結果は別としてインパクトを、「速い」っていうイメージをテストで残せたのかなと思います。
年末のテストで乗ってなかったらこの話は無かったんで。
-ステップアップまでに長い時間がかかったが、今の率直な心境は
時間がかかったなあと。FCJでチャンピオン獲ったときにフォーミュラニッポンのテストくらいさせてもらえるのかな、と思っていたんですが、そういうのはなかった。今GTAではF4のチャンピオンに1千万の奨学金とステップアップのチャンスを与えるとかやってますけど、そういうシステムがFCJのときにあればよかったなと思いますね。
-F3のチャンピオンを獲った翌年についてはどう思ったか
まあどっちにしてもお金のかかる話なんで。エンジンメーカーさんの後押しがないと難しいと思います。
僕は当時どこのメーカーにも属してなかったんで、それをカバーできるお金も無かったし。
-星野監督からはどのようにいわれているか
ガンガンいけよと。
-自信はあるか
やっぱりこのカテゴリーを長くやってる人たちがいるんで。去年チャンピオン獲った石浦さんにしても、みんな一年目は苦労しているんで、僕も苦労すると思うんですけど、それは分かった上で、自分の中でベストを尽くすと。尽くせると思います。
-開幕戦の目標は
それは勿論優勝ですけど。明日からの合同テストでやっと始まるんで。昨日今日も走りましたが、やっぱりイベント的な感じでしたし。明日あさって走ればシーズンの予想ができると思います。まだほとんど走ってないんで、よくわかんないです。
-今季からタイヤがヨコハマに変わったが、GTでの経験はプラスになると思うか
どうなんでしょうね。まだわかりませんけど、でもやっぱり根本的なところはメーカーによって癖とか特性とかあると思うんで。
ヨコハマさんとはGTで2年やってきて、それは絶対マイナスにはならないと思います。
あとスーパーフォーミュラをやることによってGTもよくなると思います。自分もドライビングに生かせるし、ヨコハマさんもいろいろデータを得るので、GTの結果にもつながるとうれしいです
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

今回のシリーズ開催概要の中で触れられていた公式アプリについて、日本レースプロモーションの中野聖二氏にお話を伺った。
今回配信されるのはスマートフォンでの使用を想定した無料のライブタイミングアプリで、iOS版、アンドロイド版の両方に対応する。
各ドライバーのラップタイムや区間タイム、トップとのタイム差などをリアルタイムで表示するもの。
既存のF1やスーパーGTのライブタイミングアプリをイメージしていただければ分かりやすいだろう。
JRPでは将来的に更なる機能充実も進めていきたいという。
導入時期は開幕戦からの運用を目指してプログラムを製作中。
今回の鈴鹿合同テスト、次の岡山合同テストで関係者向けに試験配信を実施し、それを元に調整作業を行って開幕前までに一般公開される予定になっている。
レース観戦をよりいっそう面白くするツールとして今後の動向に注目していきたい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
日本レースプロモーション(JRP)は3月13日、三重県の鈴鹿サーキットで2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開催概要発表会を行った。
会の冒頭では同社代表取締役社長の白井裕氏が登壇、概要発表骨子として今シーズン新たに昨年度GP2チャンピオンのストフェル・バンドーンとスーパーGTなどで活躍する関口雄飛が参戦することや、既報のとおりタイヤ供給がヨコハマゴムに変更されること、パワートレインについても後半戦からより大きな出力アップを目指した新バージョンを投入する予定であることなどを明らかにした。
また海外での認知度アップをはかるためにFacebook英語版の「Japanese Formula」の立ち上げや、ニュース報道映像の海外への無償提供、各国TV局との連携を図ることなどを併せて発表。一昨年から取り組んできたスカパーWAKUWAKUジャパンを通じたアジア各国への番組提供も継続するほか、海外でのエキジビジョンマッチ開催の可能性も継続して模索していくとした。
さらにサーキットでのファンの方々への満足度向上のため、新たに「スーパーフォーミュラ公式アプリ」を導入することなども発表された。
なおテレビ放送については例年同様Jスポーツが予選、決勝を生中継するほか、BSフジでダイジェスト番組をレース終了直近の金曜日に初回放送すること、CSフジでもトークショー番組の「スーパーフォーミュラTV」をF1中継の直近時間に編成し、F1ファンに魅力を伝えていくなどの取り組みを続けていく。
また昨年第3戦富士で行ったJスポーツでの朝8時からの終日生中継も引き続き行う予定とのこと。
「スマイルキッズプロジェクト」などの啓蒙活動や、日本赤十字社とのタイアップ協力による社会貢献活動の推進などにも引き続き取り組んでいくという。
最後には参加全チームの監督とドライバーが登壇し、今季への抱負を語った。
この発表会は鈴鹿サーキットモータースポーツファン感謝デーのアトラクションのひとつとしてセッティングされ、レース関係者、報道関係者のほか、多くのレースファンが参加して盛況裏に終了した。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

鈴鹿モータースポーツファン感謝デー恒例の「永遠のライバル対決」。
お馴染みの星野一義、中嶋悟の「両選手」に新たに関谷正徳「選手」が加わっての第2戦が3月13日に鈴鹿サーキット東コースを使って行われた。
使用されたのは昨日に引き続いて#12星野車が2008年型ニッサンGT-R(青い車体のしたから何か見慣れたステッカーが透けているがあえてこれ以上は触れない)、#32中嶋車は2013年型ホンダHSV-010、そして#36関谷車が2013年型レクサスSC430。
昨日の結果を踏まえて関谷車はリヤウィングをわずかに寝かせ、ストレート勝負に打って出た。
スタート順は昨日の結果に従い中嶋、星野、関谷の順。
リバースグリッド案は通らなかったようだ。
緊張からか乗り込むのに時間のかかった中嶋に対し、星野はさかんにエンジンを煽り、激しくホイールスピンさせながらローリングに出て行くなど気合十分の様子だ。
オープニングラップを制したのはポールの中嶋。
しかしそのインに星野が並びかけ、さらいその内側から関谷が隙をうかがうという、まさかの3ワイド状態で一斉に1コーナーへ。
ここで星野がトップに立ち、関谷が2番手に浮上。
さらに逆バンクで星野のGT-Rがアウトに膨らむのを見逃さず、関谷がインをついてトップに躍り出た。
その後も接近戦を繰り広げた三人だったが、ストレートスピードに勝る関谷が逃げ切ってこのレースを制した。
これにより二日間のトータルポイントは関谷3Pt、中嶋3Pt、星野2Pt。(各レース1位3Pt、2位1Pt、3位0Ptというルール)
このため関谷、中嶋によるじゃんけんで決着をつけることになった。
その結果、宣言どおり2度続けてパーを出した関谷が中嶋を退け、チャンピオンベルトは関谷が持ち帰ることに。
かくして関谷には来年の参加が義務付けられることになった。
応じなければ罰金と星野は要求。しかしこれはスタンドに詰め掛けた54万の大観衆(星野選手発表)もまた同じ気持ちであるに違いない。
注目の2017年永遠のライバル対決の日程はいずれ鈴鹿サーキットより発表があるものと思われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
鈴鹿モータースポーツファン感謝デーではおなじみとなった全日本スーパーフォーミュラ選手権のデモレース「スーパーフォーミュラ オープニングラップ」が3月13日、鈴鹿サーキットで行われた。
めまぐるしくトップが入れ替わる本番さながらの激しいドッグファイトを制したのは2015年チャンピオンの#1石浦宏明(セルモインギング)。2位の#16山本尚貴(無限)とはわずか0.231秒だった。
二日間通して好天に恵まれた今年のファン感謝デー。
この日もゲートオープン前からたくさんのレースファンが詰めかけ、スーパーフォーミュラやJSB1000の走りを思い思いに楽しんでいた。
そうした中、スーパーフォーミュラオープニングラップは午後1時15分より7周で行われた。
今回のグリッドは前年のランキングをベースにトヨタ、ホンダの2メーカーでフロントローを分け合うよう調整を加えたもの。
ただし、海外でのテストに参加したため今週末の参加が微妙な状況だった#37中嶋一貴(トムス)と#8小林可夢偉(チームルマン)は最後列でスタートに臨むことになった。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの石浦。
しかし2周目の1コーナーで山本が石浦のインをついてトップに。
さらに3番手を走っていた#40野尻智紀がこの周の130R手前で石浦のインに飛び込んで2位に浮上すると、3周目の1コーナーでは山本をも抜き去ってトップに立つが、4周目には山本が抜き返す。
二人が接近戦を繰り広げている間に石浦も次第に追いついてきた。
石浦は5周目の130Rで野尻を抜いて2位に浮上すると、6周目の1コーナーで山本のインをついてトップを奪い返し、そのままファイナルラップへ。
1コーナー、スプーン、シケインと果敢に並びかけていく山本だったが、石浦はこれをことごとく退け、そのままトップでチェッカーを受けた。
3位は野尻、4位には#36アンドレ・ロッテラーがつけ、注目のGP2チャンピオン#41ストフェル・バンドーンは13位だった。
全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦は4月23-24日にこの鈴鹿サーキットで行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権のスペシャルテストランが3月13日、昨日に引き鈴鹿サーキットで行われた。
今回トップタイムを記録したのは#34小暮卓史(ドラゴコルセ)で1'37.736。
トップから1秒以内に8台が入るという相変わらずの接戦となった。
モータースポーツファン感謝デー二日目を迎えた鈴鹿サーキットも朝から好天に恵まれ、ゲートオープン前から多くの観客が詰めかけた。
スーパーフォーミュラのテスト走行は午前8時50分から60分間で行われた。
序盤トップに立ったのは#3ジェームス・ロシター(コンドーレーシング)。しかし開始5分余りで小暮が1'38.519でトップに躍り出ると、ニュータイヤを投入して行われたセッション終盤のタイムアタックでも1'37.736までタイムを縮める好調ぶりをみせた。
2番手には終盤1'37.836を記録した#65ベルトラン・バゲット(ナカジマレーシング)がつけ、ロシター、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラとトヨタエンジン勢が3-4位に続く。
注目のGP2チャンピオン、#41ストフェル・バンドーン(ダンデライアン)はこの日も走り出しからトップレベルの速さを見せ、最終的に1'38.979で9番手につけた。
なお、#8小林可夢偉(チームルマン)と#37中嶋一貴(トムス)はヨーロッパでのテストに参加した影響で昨日に続いて出走しなかったが、午後からのオープニングラップと夕方のJRP発表会には参加予定とのことだ。
スーパーフォーミュラオープニングラップは午後1時15分より8周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

鈴鹿モータースポーツファン感謝デーではすっかりおなじみとなった「永遠のライバル対決」。
今年は星野一義、中嶋悟の「両選手」に加え、新たに関谷正徳「選手」が参戦、なんとGT500マシンを使っての国内三大メーカーの威信を賭けた戦いとして第1戦が3月12日に鈴鹿サーキット東コースを使って行われた。
使用されたのは#12星野車が2008年型ニッサンGT-R、#32中嶋車は2013年型ホンダHSV-010、そして#36関谷車が2013年型レクサスSC430。
星野だけ4.5Lエンジンで他は3.4Lってちょっとどうなのと思わなくもないラインナップだったが、ローリングスタートが始まってみれば#32中嶋が見事な加速で大外からポールの星野を抜き去り、そのまま独走状態に持ち込んで1日目の戦いを制して見せた。
スタート前は「ローリングスタートは経験無いので」と弱気な発言をしていた中嶋だったが、彼がかつてWECインジャパンやルマン24時間でトムス童夢のグループCカーを駆って活躍していたことはオールドファンには周知の事実である。経験は十分すぎるほどだ。
一方それを聞いた星野選手も「ローリングスタートでは1周目の1コーナーは追い越し禁止だ」などと怪しげな情報を中嶋に吹き込もうとしており、このライバル同士の戦いは今回もスタート前からちょっと感心しない形で始まっていたのだった。
一方、レースでは先輩二人に遠慮してか僅差の3位に終わった関谷選手だったが、レース後には明日のスタートをリバースグリッドでと主張するなど、こちらも一歩も引かない様子。
かくして三人の遺恨試合(?)はスポーティングレギュレーション不明のまま明日に持ち越された。
果たして栄光のチャンピオンベルトを持ち帰るのは誰なのか。
注目の第2戦は明日午後3時10分より同じく東コースにて3周で行われる。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権のスペシャルテスト走行が3月12日、鈴鹿サーキットで「モータースポーツファン感謝デー」のアトラクションとして行われ、#36アンドレ・ロッテラー(トムス)が1'38.151を記録してトップに。
2番手には#16山本尚貴(無限)が1'38.459で続き、トヨタ勢、ホンダ勢がほぼ互角の状況で今年最初のテスト走行を終えた。
この日の鈴鹿サーキットは朝から快晴。
まだ風は冷たい中、午後2時30分より50分間の走行が行われた。
ヨコハマタイヤの採用、GP2チャンピオンのストフェル・バンドーンの参戦、関口雄飛のステップアップと、今シーズンも話題豊富なスーパーフォーミュラだが、この日の走行で上位に名を連ねたのはロッテラー、山本、そして昨年王者の#1石浦宏明といういつもの顔ぶれ。
それでもセッション半ばには関口が1'38.946を記録して6番手に食い込み、全日本F3やスーパーGTでみせてきた非凡な速さをここでも発揮した。
一方、今年初めて活動の場を日本に移したバンドーンはトータル20周と入念に走りこみ、この日は11番手で手堅くまとめた。トップとのタイム差は1.2秒ほどだ。
なお今回の走行には#8小林可夢偉(ルマン)、#37中嶋一貴(トムス)の二人は最後まで走行に加わらなかったが、明日行われるスーパーフォーミュラオープニングラップには参加する模様。
スーパーフォーミュラオープニングラップは3月13日午後1時15分より8周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
今シーズン全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦する、2015GP2王者のストフェル・バンドーンが3月12日、鈴鹿サーキットの2016年活動計画発表会に出席、日本の印象や今季の抱負を語った。
- ストフェル・バンドーンのコメント
-
本当に初めての経験です。突然日本にやってきた、という感じで。
昨年GP2のチャンピオンを獲得しましたが、僕はずっとヨーロッパで活動してきましたから、今回は未知の世界です。
だけどスーパーフォーミュラに乗ることはすごく楽しみにしていました。このカテゴリーは世界でもよく知られていて、これまでにも多くのすばらしい選手が参加していきた、ここから巣立っていったレジェンドドライバーも多いと聞いています。
鈴鹿は昨年テストで走りましたが、本当にチャレンジングなコースで、いい経験をさせてもらいました。今年はたくさん走る機会があると思うので、多くの経験をつんでゆくゆくはF1でここを走りたいです。
ドライバーとして僕は自信がありますし、ドコモダンデライアンというすばらしいチームに加入できて大いに期待できると思っています。
この後のテストで更に経験を積んでレースに備えたいと思います。
-ファンはなんと呼べばいいでしょうか
マクラーレンの人たちは僕のことを「ストッフ」と呼んでいました。
日本の皆さんにも呼びやすいニックネームだと思います。
日本のファンの皆さんはすごく熱心で、今日もガレージの前でたくさん待っていてくださって、サインを求められたりしていました。
初めてのシーズンなので、皆さんにサポートしていただきながらがんばりたいです。
「ストッフ」でよろしくお願いします。
まとめ & Photo: Kazuhisa SUEHIRO

鈴鹿サーキットは3月12日、「モータースポーツファン感謝デー」の開催されている同コースのホスピタリティラウンジで発表会を開催、2016年の活動計画を明らかにした。
主要レースイベントのうち、国内四輪レースについては4月にスーパーフォーミュラ第1戦、6月にスーパー耐久第3戦、8月にスーパーGT第6戦、そして11月にスーパーフォーミュラ最終戦が開催される。
スーパーフォーミュラ第1戦は例年通り全日本ロードレースJSB1000クラスとの併催で、今年は日本特殊陶業が冠スポンサーについた。このため大会名称は「2016 NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」となった。
今シーズンの注目点はタイヤメーカーがブリヂストンからヨコハマに変更されたことと、そして昨年ヨーロッパのGP2シリーズで圧倒的な強さを見せてチャンピオンを獲得したストフェル・バンドーンの参戦、そして先ごろチームインパルへの加入が明らかになったばかりの関口雄飛の参戦だろう。
彼らを迎え撃つのは元F1ドライバーの中嶋一貴や小林可夢偉、そして昨年のチャンピオン石浦宏明らの有力ドライバーだ。
また併催のJSB1000はこれまでスプリントレースとして開催されてきたが、今年は200kmの耐久レースとなり、ピット作業やライダー交替など新しい見所が追加された。
6月のスーパー耐久はすでに65台もの年間エントリーが集まっており、昨年以上の活況を呈している。世界のGT3車両が集まるST-Xクラスも今年は12台が参戦することになった。
今回の第3戦鈴鹿ラウンドでは各クラスの予選上位を選抜して日曜の決勝(4時間)に出走させる勝ち抜き戦方式を採用。
さらに予選落ちしたチームを対象に土曜日には100分間の敗者復活戦を行って上位チームに決勝進出のチャンスを与えるという実に見所の多い二日間となる。
8月のスーパーGTは伝統の1000km耐久レース。
国内3メーカーがしのぎを削るGT500クラスの熱い戦いは例年通りだが、今年はGT300クラスに多くの新型車両が投入されることにも注目が集まる。
そして10月のスーパーフォーミュラ最終戦は一昨年、昨年に続いてJAFグランプリとしての開催。タイトル争いをより複雑に演出する2レース制も昨年同様だ。
そして11月には「SUZUKA Sound of ENGINE2016」が開催される。
これは昨年から始まった内外の名車、旧車を集めたヒストリックカーイベントだ。
このほか6月にはアジアロードレース選手権、7月末には「コカコーラゼロ・鈴鹿8時間耐久ロードレース」、8月にはFIA公認のソーラーカーレース、そして10月には「F1日本グランプリ」と、国際イベントも例年通り開催される。
会場にはモビリティランド取締役社長の曽田浩氏や、ストフェル・バンドーン選手が出席、今季への意気込みを語った。
Text & Photo: Kazuhisa SUEHIRO
本田技研工業(ホンダ)は2月12日、2016年度のモータースポーツ活動計画を発表した。
それによると昨年末からのうわさ通りスーパーフォーミュラには昨年のGP2チャンピオンであるストフェル・バンドーンが参戦。一方昨年全日本F3選手権でルーキーながらトップレベルの速さを見せつけた福住仁嶺がヨーロッパのGP3シリーズに挑戦することになった。
その他、主要な国内レースの体制は以下の通り。
◆SUPER GTシリーズ<GT500クラス>
| チーム名 |
No. |
ドライバー |
年齢 |
出身地 |
2015年の戦績 |
オートバックス・レーシング・チーム・アグリ
(AUTOBACS RACING TEAM AGURI) |
8 |
松浦 孝亮
(Kosuke Matsuura) |
36 |
愛知県 |
GT500
14位 |
野尻 智紀
(Tomoki Nojiri) |
26 |
茨城県 |
ドラゴ・モデューロ・ホンダ レーシング
(Drago Modulo Honda Racing) |
15 |
武藤 英紀
(Hideki Mutoh) |
33 |
東京都 |
GT500
8位 |
オリバー・ターベイ
(Oliver Turvey) |
28 |
英国 |
GT500
12位 |
ケーヒン・リアル・レーシング
(KEIHIN REAL RACING) |
17 |
塚越 広大
(Koudai Tsukakoshi) |
29 |
栃木県 |
GT500
8位 |
小暮 卓史
(Takashi Kogure) |
35 |
群馬県 |
GT500
12位 |
エプソン・ナカジマ・レーシング
(Epson Nakajima Racing) |
64 |
中嶋 大祐
(Daisuke Nakajima) |
27 |
愛知県 |
GT500
15位 |
ベルトラン・バゲット
(Bertrand Baguette) |
29 |
ベルギー |
チーム・クニミツ
(TEAM KUNIMITSU) |
100 |
山本 尚貴
(Naoki Yamamoto) |
27 |
栃木県 |
GT500
3位 |
伊沢 拓也
(Takuya Izawa) |
31 |
東京都 |
◆全日本スーパーフォーミュラ選手権
| チーム名 |
No. |
ドライバー |
年齢 |
出身地 |
2015年の戦績 |
リアル・レーシング
(REAL RACING) |
10 |
塚越 広大
(Koudai Tsukakoshi) |
29 |
栃木県 |
SF
17位 |
| 11 |
伊沢 拓也
(Takuya Izawa) |
31 |
東京都 |
SF
13位 |
チーム・無限
(TEAM MUGEN) |
16 |
山本 尚貴
(Naoki Yamamoto) |
27 |
栃木県 |
SF
5位 |
ドラゴ・コルセ
(DRAGO CORSE) |
34 |
小暮 卓史
(Takashi Kogure) |
35 |
群馬県 |
SF
15位 |
ドコモ・チーム・ダンディライアン・レーシング
(DOCOMO TEAM DANDELION RACING) |
40 |
野尻 智紀
(Tomoki Nojiri) |
26 |
茨城県 |
SF
7位 |
| 41 |
ストフェル・バンドーン
(Stoffel Vandoorne) |
23 |
ベルギー |
GP2シリーズ
チャンピオン |
ナカジマ・レーシング
(NAKAJIMA RACING) |
64 |
中嶋 大祐
(Daisuke Nakajima) |
27 |
愛知県 |
SF
10位 |
| 65 |
ベルトラン・バゲット
(Bertrand Baguette) |
29 |
ベルギー |
SF
17位 |
◆全日本F3選手権(HFDP RACING / TODA RACING)
| ドライバー |
年齢 |
出身地 |
2015年の戦績 |
石川 京侍
(Keishi Ishikawa) |
21 |
大阪府 |
全日本F3
7位 |
大津 弘樹
(Hiroki Ohtsu) |
21 |
埼玉県 |
FIA-F4
3位 |
牧野 任祐
(Tadasuke Makino) |
18 |
大阪府 |
FIA-F4
2位 |
◆FIA-F4選手権
| ドライバー |
年齢 |
出身地 |
2015年の戦績 |
上村 優太
(Yuta Kamimura) |
20 |
兵庫県 |
FIA-F4
11位 |
石坂 瑞基
(Mizuki Ishizaka) |
20 |
埼玉県 |
FIA-F4
8位 |
阪口 晴南
(Sena Sakaguchi) |
16 |
大阪府 |
全日本カート KFクラス
チャンピオン |

モータースポーツバーミュルサンヌ(大阪市北区)では2月27日(日)に同店内にてモ ータースポーツジャーナリストの小倉茂徳さんを招いてトークショーを開催する。
F1、インディカー、スーパーフォーミュラと幅広く活躍されている小倉さんが、毎回モータースポーツに関する様々な話題をわかりやすくかつユーモラスに紹介するこのトークショーは毎回関西のレースファンに好評だ。
第3回目を迎える今回は事前にファンからの質問を受け付けるとのこと。
果たしてどんな話題が飛び出すかは、当日のお楽しみ。
テレビでは見られない小倉さんの新たな魅力を発見できるかも?
今回もトークショーは昼、夜の二部構成。 定員は各回18名の先着順で会費は4000円。
詳細は下記のリンクを参照のこと。
小倉茂徳さんトークショーin大阪2016のお知らせ
新春恒例のカスタムカーの祭典、東京オートサロン2016が1月15〜17日の三日間、千葉県の幕張メッセで開催された。
「カスタムカー文化を世に広める」との目的のもと、1983年に「東京エキサイティングカーショー」としてスタートしたこの展示会は、近年ではモータースポーツ関連企業の展示も増え、ここで新シーズンの体制発表を行うメーカー、チームも次第に増えつつある。
事実、今年の展示会初日にもトヨタGAZOOレーシング、富士重工業、そしてaprらがここを体制発表の場に選び、2016シーズンのモータースポーツ活動計画を1月15日に明らかにした。
スバルは今季もスーパーGTのGT300クラスにおいて井口卓人、山内英輝のコンビを継続。引き続きJAF-GT仕様のBRZを投入する。チーム運営も引き続き東京R&Dが行う。
同時にニュルブルクリンク24時間レースにも参戦を継続。WRX STiで2年連続4度目のクラス優勝を目指す。ステアリングを握るのは山内英輝、カルロ・ヴァン・ダム、ティム・シュリック、マルセル・ラッセーの4人だ。
このほか、アメリカで人気のグローバルラリークロス選手権に参戦するスバルラリーチームUSAに技術支援を行うとのこと。
スバルブースにはGT300仕様のBRZやニュル24時間仕様のWRXが展示され、多くのファンが興味深く覗き込んでいた。
トヨタGAZOOレーシングもまた、今季のニュルブルクリンク24時間レースへの参戦体制をオートサロンの場で明らかにした。
GAZOOレーシングとして10年目の挑戦となる今回は、フランクフルトモーターショー15で世界初公開した小型クロスオーバー『トヨタ C-HR』をベースとした車両を始め、レクサスRC、レクサスRC Fの3台体制で参戦する。
C-HRには影山正彦と佐藤久美、レクサスRCには木下隆之と蒲生尚弥、レクサスRC Fには土屋武士、大嶋和也、井口卓人、松井孝允と今もスーパーGTで活躍するトップドライバー4人を揃えた。
またトヨタテクノクラフト(TRD)のブースではプリウスハイブリッドでGT300クラスを戦うaprの体制発表が行われ、今季は昨年発売されたばかりの新型、50系プリウスをベースにしたJAF-GT仕様の車両を2台投入することが明らかとなった。
カーナンバー31には昨年に引き続いて嵯峨宏紀と中山雄一が乗り、新たに投入される30号車には昨年31号車の第3ドライバーを務めた佐々木孝太と、PCCJやスーパー耐久で活躍してきた永井宏明が組むことになった。
この他にも会場内の至る所で国内トップドライバーやトップラリーストのトークショーが行われた他、屋外展示ではD1グランプリのキックオフイベントが行われるなど、幕張メッセを訪れた多くのカーマニアやレースファンを大いに湧かせていた。
東京オートサロンは大会二日目終了時点で20万人以上を動員して対前年比10.8%増を達成、最終日の17日も多くのファンが訪れており、三日間通算でも昨年以上の動員実績を達成することは間違い無いと思われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
大阪府、大阪市らが作る「御堂筋パーティー2015実行委員会」は11月29日、大阪一の目抜き通りである御堂筋を歩行者に開放するイベント「御堂筋オータムパーティー2015(御堂筋ワンダーストリート)」を開催した。
このイベントは今年を道頓堀開削400周年、大坂の陣から400年など様々な節目の年となるシンボルイヤーと位置づけたもので、その最大の呼び物となったのがF1のデモ走行だ。
使用されたのは2003年にミハエル・シューマッハがワールドチャンピオンを獲得したフェラーリF2003GA。
ドライバーには大阪府出身の元F1ドライバーとして中野信治が選ばれた。
オープニングセレモニーには松井一郎大阪府知事、橋下徹大阪市長らが出席。
「御堂筋の魅力を高めることで大阪全体の消費を拡大したい」と松井知事が挨拶すれば、それを受けて橋下市長も「国の方では公道レース実現に向けての動きがある。それが通ればぜひ大阪の公道でF1レースを開催するべきだ」と意欲を語った。
また、ドライブした中野信治も「御堂筋は子供の頃から何度も遊びに来たし、免許を取ってからは何度も通った。そこでF1を運転するとは思ってもみなかった」と緊張の面持ちで感想を述べた。
走行は松井知事によるスタートの合図で始まり、中野がドライブするF2003GAは全幅43.6m、久太郎町3丁目から南船場3丁目まで、長さ500mの特設コースを3往復、沿道に詰めかけた45万人の大観衆にそのスピードとV10サウンドを披露した。

松井一郎大阪府知事のコメント
「この御堂筋の魅力を高めることで、大阪に大勢の人が来てくれる。御堂筋に来てくれた方々が大阪各地に行かれることで大阪全体の消費の拡大を実現したい。橋下市長が当面お休みされて、このF1で自分探しの旅に出るかもしれませんが、すぐに探し出して帰って来ると思います。大阪府と大阪市が一つになればこういう大きなことができる」

橋下徹大阪市長のコメント
「松井府政と橋下市政のキーワードは『挑戦』。誰もが考えつかなかったこと、できないと思っていたことをやるのが方針。その総仕上げのイベントが今回のF1走行。やろうと思えばこういうことができる。関係者の皆様が力を合わせればこういうことができると示された。国の方では公道レース開催に向けた法改正の動きがある。法改正がされれば、僕はまずこの大阪の地で公道レース、F1をやるべきだと思っている。ぜひ実現のために頑張っていきましょう」
中野信治のコメント
「御堂筋は子供の頃から何度も遊びに来たし、免許を取ってからは何度も車で通って慣れ親しんでいるので、今日は興奮しています。F1を目指してレースを始めたが、まさか御堂筋でF1を運転することになるとは思ってもみませんでした。多くの方が関わって頂いたおかげで実現したと思うので、感謝しています。サーキットと違ってμが低いので、緊張するし、集中力が必要です。レースよりも緊張するかもしれません」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2015オートバックス スーパーGT最終戦「もてぎGT250kmレース」の決勝が11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
ウェット路面から次第に乾いていく難しいコンディションの中、コースの各所で激しいバトルが何度も展開される中、ポールポジションからスタートした#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)が接戦を制して今季2勝目を挙げた。
2位には予選12番手という苦しいスタートを強いられながらも二人のドライバーのアグレッシブなドライビングと迅速なピットワークで順位を上げてきた#1MOTUL AUTECH GT-Rが入り、見事ドライバーズタイトル2連覇を達成した。
GT300クラスもポールシッターの#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が今季2勝目を達成。セーフティーカーの導入されたタイミングとチームのピット作戦が噛み合わずに一時は順位を落としたが、見事な挽回劇を見せてくれた。
(天候:曇り コース:ウェット 観客動員数:予選日17,000人/決勝日33,000人/大会総入場者数50,000人)
決勝レースは午後1時40分より53周で行われた。
朝から降り続いた雨は止み、各チームスリックタイヤを装着してダミーグリッドへ並んだが、スタート進行の最中に再び雨が降ったため、グリッド上で急遽浅溝タイヤに履き替えてのスタートとなった。
ホールショットを奪ったのは#37KeePer RC F。2番手に#64エプソンNSX、3番手に#100レイブリックNSXとここまではスターティンググリッドどおり。
しかしその後方では#36ペトロナスRC F、#12カルソニックGT-R、#38ZENT RC Fの3台が1周目のバックストレートで3台併走状態のバトルを展開、#38ZENTが4位、#12カルソニックが5位、#36ペトロナスが6位でホームストレートに戻ってきた。12番手スタ-トとなった#1モチュールGT-Rはこの時点で9位に浮上していた。
1号車のスタートを担当したロニー・クインタレッリはその後も積極的に前を走るクルマに挑みかかり、6周目には#24D’station GT-Rを、8周目には#19ウェッズスポーツRC Fを抜き去って7位に浮上。
すると11周目に#36ペトロナスRC Fが制御系のトラブルによりスローダウン、そのままホームストレートにクルマを止めてレースを終えたため、7位以下の順位が一つずつ繰り上がり、#1モチュールは6位に浮上した。ドライバーズタイトルを争う#12カルソニックGT-Rはすぐ目の前だ。
すでにこの頃にはレコードラインが乾き始めており、浅溝タイヤでスタートした各チームは規定周回数の3分の1が過ぎた19周目に#6エネオスRC Fがピットインしたのを皮切りに、次々にドライバー交代とスリックタイヤへの交換を行った。
上位陣では5位の#38ZENTが21周目、トップの#37KeePerと3位の#100レイブリックNSXが23周目にピットイン。
そしてポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rは24周目にピットイン。他の上位陣が40秒前後の作業時間でピットアウトして行ったのに対し、チームインパルのメカニックは36秒という迅速さで安田裕信をコースへ送り出した。
ところが25周目にピットに飛び込んだ#1モチュールGT-Rの作業時間はなんと33秒。このメカニックの頑張りも後押しして、1号車は#100レイブリックNSXの前でピットアウトすることに成功した。100号車の後方には12号車も迫ってきた。
するとここでメインポストからSCのボードが提示された。
2コーナーと3コーナーの間でピットアウトしてきた#46S Road GT-RがGT300クラスの#9PACIFICマクラーレンと接触し、この際に破損したリヤカウルがコース上に散乱したためだった。
これに足元をすくわれたのがスタートから2位を走行していた#64エプソンNSXだ。
ピットタイミングを引き延ばす作戦が仇になり、SC中のピットオープンで漸くドライバー交代を終えた時には隊列の最後尾に後退する羽目に。更には後半を担当した中嶋大祐が3コーナーで飛び出すという散々な内容で結局このレースを1周遅れの13位で終えることになった。
ナカジマレーシングにとっては一年を通じてツキに見放されたシーズンだった。
セーフティーカーは31周めにピットへ。
32周めからリスタートとなったが、ここでトップの#37平川が周回遅れの#24D7station GT-Rを駆る佐々木大樹に行く手を塞がれ、濡れた路面に乗って1コーナーでオーバーラン、この隙に#1松田がトップに立った。
しかし#37平川も諦めずに食い下がり、38周めのV字コーナーで松田が周回遅れに詰まったところですかさずインに飛び込んだ。
これに対して松田も一歩も引くことなく、両者は併走状態でヘアピンへ。ここでは松田が押さえ込み、逆に平川はこの周の最終コーナーでアウトに膨らんだところを#100レイブリックNSXの伊沢、#12カルソニックGT-Rの安田にもかわされて一時4位に後退してしまった。
だが平川は続く39周目の3コーナーで#12安田を、続いて5コーナーでは#100伊沢を躊躇なく抜き返して再び2位に。
そして43周目のV字で再び#1松田のインに飛び込んでトップを奪い返すと、その後も僅差でおいすがる#1松田、#100伊沢、#12安田の4台を従えて53周のレースを走りきり、開幕戦岡山に続く今季2勝目を挙げた。
2位には#1モチュールGT-R。ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rが4位に終わったため、見事逆転でドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得した。
3位には#100レイブリックNSXが入り、ドライバーズランキング3位で2015シーズンを終えた。
GT300クラスは、ポールポジションの#31プリウスが序盤から後続を一気に突き放すが、前述のセーフティーカーランの導入時点で彼らもピットストップを終えていなかったため、#64エプソンNSXと同様に順位を落とす羽目に陥った。
しかしこの時点で31号車は4位以下を周回遅れにしていたため、ピット作業を終えてもなお順位はトップと同一周回の4位にとどまり、そのギャップも8秒と再逆転可能な範囲。
これで発奮した#31中山はリスタート後の33周目に今シーズンで参戦を終了する#55ARTA CR-Zを抜き去って3位に浮上すると、34周めには#11ゲイナーSLSも捉えて2位に、そして39周めの5コーナーではトップを快走する#0初音ミクSLSの谷口信輝を大胆にアウトから抜き去ってトップを奪い返すと、その後も全くペースを緩めず50周を走破、37号車と同様開幕戦岡山以来の今季2勝目をものにした。
2位は#0初音ミクSLS、3位には#11ゲイナーSLSが入った。
熱戦の連続だったスーパーGTの2015シーズンはこのレースを以て終了。
2016シーズンは4月9-10日に岡山国際サーキットで開幕する。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
勝つしかなかった#11牧野任祐。
勝つことしか考えてなかった#36坪井翔。
FIA-F4選手権第14戦決勝が11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
昨日に続いてのあいにくのウェットコンディションでの戦いを制したのはポールポジションの#11牧野任祐(Rnスポーツ)。しかし9番グリッドから怒涛の追い上げを見せた#36坪井翔(トムス)が2位に入ったため、2015年度のドライバーズタイトルは坪井が手にすることとなった。
第14戦決勝は午前10時05分より12周で行われた。
路面はウェットだったが、雨はすでに上がっていたため周回を重ねるごとに路面が乾いていく状況。これがレース展開に大いに影響を及ぼすこととなった。
1コーナーにトップで飛び込んだのは2番手スタートの#14根本悠生(KCMG)。
しかしポールシッターの#11牧野が2コーナーの立ち上がりでアウトから根本を押さえつけ、トップを奪い返す。
根本は続く3コーナーでアウトにはらんだところを#7大津弘樹(HFDP)に突かれるが、すぐに抜き返して2位で牧野を追う。
その後方では9番グリッドからロケットスタートを決めた#36坪井が凄まじい勢いで追い上げを開始していた。
最初の1コーナーこそ勢い余ってオーバーランしてしまった坪井だったが、そこから至る所で前を走るクルマにバトルを挑み、オープニングラップを4位で戻ってきた。
3位の#7大津はすぐ目の前だ。
#36坪井は2周めのV字で#7大津のインに飛び込み、3位に浮上すると、3周目、4周目と立て続けにファアステストラップを更新、一気に#14根本の背後に迫る。
5周を終わって根本との差は0.4秒。トップの#11牧野はそこから更に4秒のリードを築き上げていた。
S字、V字、ヘアピンと、微妙にラインを変えて根本の隙を窺っていた坪井が動いたのは8周目。
だんだんインにつけなくなってきていた根本にS字の一つ目でインから並びかけ、そのまま並走状態に持ち込んでV字コーナー手前で前に出た。
抜かれた根本も続くヘアピンでインに飛び込んで挽回を試みるが、立ち上がりで根本が抜き返し、2位でコントロールラインに戻ってきた。
この時点での#11牧野との差はなんと3.7秒。
根本との熾烈なバトルを展開しながらなおもトップとの差は詰まっていた。
雨が降ると読んでスタートでニュータイヤを選択した#11牧野は、路面コンディションが回復するにつれて次第に苦しい走りを強いられるようになっていたのだ。
背後にはユーズドタイヤでスタートした#36坪井がどんどん迫ってきた。
たとえ牧野が優勝しても、3位以内に入りさえすればシリーズタイトルは坪井のものになる。
しかし坪井は勝つことしか考えていなかったといい、その通りに牧野を追い上げにかかっていた。
その差は9周目を終えて2.8秒。10周目には最終コーナーで牧野が周回遅れ煮詰まってしまい、一気にその差が1.5秒に。ファイナルラップを迎えた時には0.6秒と完全にテール・トゥ・ノーズの状態に。
そして最後のヘアピンで坪井が動いた。
ブレーキを遅らせてインに飛び込む坪井。一歩も引かない牧野。両者は並んだままバックストレートへ。じわじわと寄せてくる牧野に対して坪井はラインを変えてアウトから90度コーナーでブレーキ勝負を挑むが、ここは牧野が制した。
続く最終コーナーにはまさかのスピン車両が。これをかわしつつも最後のストレートで懸命に追いすがる坪井。
しかし最初にフィニッシュラインを超えたのは牧野だった。坪井はわずかコンマ2秒届かず。
しかし悔し涙を流したのは今季6勝目を挙げた牧野。
敗れた坪井は年間ポイントでは牧野の追撃を振り切り、FIA-F4の最初のチャンピオンという栄冠を勝ち取った。
開幕から最終戦まで若者たちの激しいバトルが至る所で繰り広げられたFIA-F4の最初のシーズンはこうして幕を閉じた。
2016年シーズンは4月9-10日に岡山国際サーキットで開幕する。
- 優勝 #11牧野任祐(Rnスポーツ)のコメント
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最低限連続優勝しなければならなかったんですけど。それはできたけど最終的にチャンピオン取れなかったんで。僕は新品タイヤで出て行ったので、雨が降らなければ後半きつくなるかなと思っていたんですが。
シーズン前半はまだみんながクルマに慣れていない状態で、そこでは良かったんですけど、みんなが仕上がってきてからは厳しくなりました。最後の2戦も雨じゃなかったらきつかったと思います。その中で自分がやらなければならないことをやりましたけど、チャンピオン取れなかったんで悔しいです。
- 2位 #36坪井翔の(トムス)コメント
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昨日もそうでしたがスタートして1、2周で前に行けないと厳しいと思っていたので、とにかくタイヤをあっためて、序盤から一気に行きました。オートポリスから今回まで、全部のレースでスタートで2台ぐらい抜いているんで今回もそのおかげかなと思います。
シーズン序盤は牧野選手にリードされてて、結構ポイントも離れてて、正直厳しかったんですけど、途中で6連勝飾ってポイントリーダーになって「あ、これでいける」って自信はあったんですが、オートポリスで決めきれなくて。で、もてぎも「晴れだったらいける」と思っていたら雨になってしまって。予選も9番、9番と追い上げるのも厳しい中でスタートして昨日は5番までしかなれず、今日3位以内じゃないとチャンピオンになれないってことですごくプレッシャーはあったんですけど、それでも「絶対勝つ」って気持ちで今日は臨んで、最後まで諦めないで走りました。最後優勝はできなかったけど、良かったと思います。守りのレースだけは絶対したくないと思ってました。
- 3位 #14根本悠生(KCMG)のコメント
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コンディションにタイヤが合わなくて、自分がそれに合わせきれなくて、負けました。曲がらないってのもそうだし、それも全部タイヤのチョイスミスでした。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2015スーパーGT最終戦「もてぎGT250kmレース」のフリー走行が11月15日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
この日も予選日に続いてあいにくの雨模様となったが、#100RAIBRIG NSX CONCEPT GT(山本尚貴/伊沢拓也組)が終了間際に1’49.114を記録してトップに。
GT300クラスもポールシッターの#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が最後に1’57.363を記録してトップだった。
決勝日のツインリンクもてぎは昨日に続いて朝から雨の降り続く完全なウェットコンディション。午前9時からの30分間のフリー走行もウェットタイヤを装着しての走行となった。
開始早々から好調ぶりをみせたのはポールシッターの#37KeePer RC F。開始から15分が経過したところでアンドレア・カルダレッリが1’49.968でトップに立つ。
そこからしばらくは37号車がタイミングモニターの最上位に位置していたが、残り時間が5分を切ってからNSX勢が相次いでペースを上げ、#17ケーヒンNSXが1’50.034で2番手に浮上すると、#100レイブリックNSXが伊沢のドライブで1’49.993m1’49.114とタイムを刻んでトップに浮上。すると#38ZENT RC Fも1’49.676、ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rも1’49.744とタイムを上げ、結局37号車は4位でフリー走行を終えることになった。
GT300クラスは序盤から#31プリウスが終始トップ。
終盤になって#0初音ミクSLSが一時トップに立つが、31号車再びタイムを上げて1’57.363を記録。今週末の全セッションでトップという圧倒的な内容で午後の決勝に臨むことになった。
しかし午後の決勝は現時点の予報では曇りとなっており、全く異なるコンディションでの走行になることが予想され、どのような結果が待っているのかは全く予測のつかない状況だ。
決勝レースは午後1時40分より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
2015オートバックス スーパーGT最終戦「もてぎGT250km」の公式予選が11月14日、ツインリンクもてぎで行われ、#37KeePer TOM’S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮組)が開幕戦岡山に続いて今季2度目のポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)が公式練習に続いてトップタイムを記録、見事ポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
雨脚はさらに強まり、スピンやコースアウトの続出する難しい走行となった。
予選Q1
GT500クラスは開始早々から#64エプソンNSXのベルトラン・バゲットが好タイムを連発、これに#38ZENT RC Fの石浦宏明、#39デンソーRC Fのヘイッキ・コバライネンらが食いさがる展開となり、最終的に1’47.740を叩き出したバゲットがトップとなった。
2位に#38石浦、3位に#36伊藤大輔がつけ、ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rの安田裕信も5番手でQ2進出を果たした。
ところがシリーズ2位の#1モチュールGT-Rは松田次生が最後まで懸命のアタックを繰り返したものの、1’49.757で12番手と厳しい結果に終わってしまった。
GT300クラスは#31プリウスの中山雄一が1’56.223でトップ、今シーズンを持って参戦を終了する#55ARTA CR-Zが2番手とハイブリッドカーが1-2、3番手にチャンピオンの#10ゲイナーGT-Rのアンドレ・クートがつけた。
予選Q2
GT500クラスはさらに強まる雨脚の影響からセッションが進めば進むほどコンディションは悪化するものと思われたため、いつものようにガレージで待機するものはなく、コースオープンと同時に8台が一斉にタイムアタックを開始した。
そうした状況もあってタイムはQ1以上に伸び悩み、1分50秒を切ることすら難しい状況となったが、そんな中、平川がドライブする#37KeePer RC Fが終了4分前に1’49.738を記録。一躍トップに躍り出る。
すると公式練習から好調ぶりを見せている#64エプソンNSXも猛然とアタックを開始、中嶋大祐がセクター1、セクター2と立て続けに区間ベストを叩き出すが、タイムは1’49.863と僅かに及ばず、#37号車が開幕戦岡山以来のポールポジションを獲得することになった。
3番手にはシリーズ6番手の#100レイブリックNSXがつけ、同5位の#36ペトロナスRC Fが4番手、ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rが5番手に続き、優勝争い以上に熾烈なチャンピオン争いがスタートから繰り広げられそうな状況になってきている。
GT300クラスはここまで公式練習、予選Q1とトップできている#31プリウスがトップ。
開始直後にソフトコンパウンドに履き替えた嵯峨の好判断がピタリとあたり、見事ポールポジションを獲得して見せた。
一方、Q1で2位につけた#55ARTA CR-Zは対照的に小林崇志が最終コーナーで何度もスピンアウトを喫し、Q2最下位の13番手で予選を終えることに。
代わって2番手には#11ゲイナーSLSがつけ、#0初音ミクSLSが3番手から明日の決勝に臨むこととなった。
第8戦決勝は明日午後1時40分より53周で行われる。
果たして2015年のGT500チャンピオンに輝くのはどのドライバーなのか、全く予断を許さない状況だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
FIA-F4選手権第13戦の決勝レースが11月14日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
朝から降り続く雨のため、終始ウェットコンディションでの戦いとなったが、シリーズランキング2位の#11牧野任祐(Rnスポーツ)がスタートでトップに立ち、そのまま逃げ切って今季5勝目を挙げた。
これにより2015年のドライバーズタイトルの決着は明日の第14戦に持ち越しとなった。
ポールシッターの#14根本悠生(KCMG)はシーズン最高位の2位、#3阪口晴南(SUTEKINA RACING TEAM)が3位で初表彰台を獲得した。
第13戦決勝は午後1時10分より12周で行われた。
路面は公式予選に続いてウェットだったが、雨はやや小康状態に。
これを見てとった予選2番手の#11牧野は山の削れたユーズドのウェットを選択。
その効果もあってか見事なスタートを決めてトップで1コーナーへ入っていった。#14根本は2番手に後退。3番手には#3阪口。以下#7大津弘樹(HFDP)、#88川端伸太朗(サクシード)と続いてポイントリーダーの#36坪井翔(トムス)が6位に上がってきた。
ところがその後方で#52番場琢(埼玉トヨペットGreen Brave)がエンジンストール、これに#39加藤潤平(サード)が突っ込むクラッシュが発生、2周目にセーフティーカーが導入されることになった。ドライバーは双方とも無事だった。
レースは3周目からリスタート。
#11牧野はトップで1コーナーを制し、#14根本が2番手。
その後方では#3阪口、#7大津、#88川端、#36坪井らが接近戦を展開。
川端が4周めのS字でアウトから大津をにパスして4位に浮上すると、その後も#36坪井、#8上村優太(HFDP)に立て続けに大津に襲いかかり、大津は結局8位でレースを終えることに。
ポイントリーダーの坪井も懸命に#88川端に食らいつくが、あと一歩及ばず、このレースを5位で終えた。
こうしたバトルにお陰もあってか16歳の#3阪口はレース中盤以降3位単独走行となり、第7戦鈴鹿でのデビュー以来8戦目にして初の表彰台を獲得した。
一方トップの牧野はその後も#14根本に付け入る隙を与えずに12周を走りきり、8月の第5戦富士以来8戦ぶりの勝利を挙げた。
これによりシリーズポイントは坪井が190pt、牧野は182ptと8ポイント差に縮まった。
明日の決勝で牧野が勝ち、坪井が4位以下に終われば牧野が逆転でチャンピオンを獲得することになる。
スターティンググリッドから考えてもそれは不可能な話ではなくなってきた。
第14戦決勝は明日の朝10時05分より12周で行われる。
- 優勝 #11牧野任祐(Rnスポーツ)のコメント
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スタートがポイントだったと思います。その後のペースは悪くなかったんですが、スタートの時点で雨が少なかったのを考えてユーズドで出て行ったので後半タイヤがきつかったですね。明日はポールからスタートできるので、しっかり自分のやるべきことをやって頑張りたいと思います。
- 2位 #14根本悠生(KCMG)のコメント
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今までの最高位が5位とかそんなものだったので、表彰台に上がれたのは良かったと思います。今年1年見ても大きな結果ですが悔しさはあります。明日の決勝は全く逆のポジションからのスタートですが、スタートをしっかり決めれば勝てると思います。このコースは雨になるとイン側のグリッドが滑るんですよ。練習のときから分かっていたんですが、合わせ切れなくて。ただその後のペースは僕の方が良かったので「いけるかな」と思ったんですが、向こうもアジャストしてきましたし、天候の変化もあり、負けちゃいました。
- 3位 #3阪口晴南(SUTEKINA RACING)のコメント
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スタートが肝心でした。ちょっと悪かったんですけど順位を落とすことなく1コーナーに入れました。でも後ろを警戒するあまり立ち上がりで抜かれてしまいました。でもSC入る前にはぬき返せたので、そこは良かったかなと。SC明けてから川端選手を引き離して前を追いかけていたんですけど、序盤無理したせいもあって後半それが祟って厳しかったです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2015スーパーGT最終戦「もてぎGT250kmレース」の公式練習が11月14日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#64EPSON NSX CONCEPT GT(中嶋大祐/ベルトラン・バゲット組)、GT300クラスは#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)がトップタイムを記録した。
公式練習は午前8時40分より1時間45分の予定で開始された。
朝からの雨で路面はウェット。ウェット宣言とライトオンの指示が出される中での走行となった。
最終戦を迎えてGT500クラスは6台にチャンピオンの可能性が残っている。
ポイントリーダーの#12カルソニックGT-Rは開始20分で1’49.027を記録してトップに立つが、その後他のチームもタイムアップしてきて、終わってみればこのセッションは9位。
しかしトップとのタイム差は1.2秒であり、コンディション次第で予選上位も狙える状況だ。
ランキング2位の#1モチュールGT-Rも終盤の専有走行でトップタイムを争い、結局1’46.908で2番手につける。
その1号車とトップ争いを展開したのが#64エプソンNSXだった。
ここまでしばしば一発の速さを見せつけながら今一つ結果の残せていない64号車だったが、このセッションでは開始早々から常に上位につけ、最後の専有走行では中嶋大祐のドライブで1’46.631を叩き出し、トップで走行を終えている。
3番手にはランキング3位の#38ZENT RC Fがつけ、こちらも逆転王座に向けて滑り出した好調だ。
一方、すでにタイトルの決着したGT300クラスは中盤から#31aprプリウス、#55ARTA CR-ZとJAF-GTのハイブリッドカー2台が速さを見せつけていたが、最後の最後に平峰一貴の駆る#88マネパランボルギーニGT3が2番手に食い込んできた。
一方前戦オートポリスでアンドレ・クートがドライバーズタイトルを獲得した#10ゲイナーGT-Rはこのセッション19位に終わっている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
今季からスタートしたFIA-F4選手権もいよいよ最終ラウンド。
第13戦、第14戦の公式予選が11月14日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、第13戦は#14根本悠生(KCMG)、第14戦は#11牧野任祐(Rnスポーツ)がポールポジションを獲得した。
公式予選は朝8時より30分間で行われた。
この日のコンディションは朝から雨。ウェット宣言の出される中、全車ウェットタイヤでの走行となった。
16歳、17歳といったいわゆる限定Aライセンスの若者達をはじめとし、こうしたコンディションでの走行に不慣れな選手の多いカテゴリーということもあって、予選は開始早々からコースの至る所でスピンやコースアウトが続出、開始から17分が経過したところではついに赤旗中断となってしまった。この原因となったのは#20小山美姫(サード)だった。
予選は8時25分に残り時間13分で再開。
こうした荒れた展開の中で好タイムを連発してきたのが#14根本だった。
2013年のスーパーFJもてぎシリーズでは参戦した全てのレースで優勝している根本はウェットでの走行もむしろ得意としており、セッション半ばに2’10.218を記録、得意のもてぎで見事今季初ポールを獲得して見せた。
2番手につけたのが#11牧野。今季4勝を挙げながら、鈴鹿、SUGO、オートポリスとセッティングに悩み、ポイントリーダーの座を明け渡してしまった牧野だったが、この日の路面にクルマがピタリとはまり、残り18分でトップに立つと、中盤根本の先行を許すも2’10.304、2’10.630と安定したラップを刻んでセカンドベストタイムでは根本を上回り明日の決勝のポールポジションを獲得。
「稼げる時にポイントを稼いでおきます」と逆転チャンピオンに向けて好感触を得たようだ。
一方ポイントリーダーの#36坪井翔(トムス)は走り出し2’11.798でトップに立ったが、そこからタイムが伸び悩み、2’11.570で9番手。セカンドベストでも同じ9番手という結果に終わった。
第13戦決勝はこのあと午後1時10分から、第14戦決勝は明日の午前10時5分から、それぞれ12周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
#7平川亮
(第1レース)
12番グリッドからのスタートは怖かったです。セーフティーカーが先導しても視界は悪いままなので安全かどうかはわかんないです。レースも後ろについていくだけで、近づくと何も見えないので。フレッシュエアで走れなかったので空力もいいのかどうかわかりませんでした。
(第2レース)
スタート前の8分間の走行の感触は悪くなかったです。スタートで2台ぐらいパスして、中山選手とのバトルになりました。僕の方はリヤタイヤを使ってしまって立ち上がりが良くなかったので、コーナーの進入で抜いてやろうと。中山選手はスプーンのブレーキングが甘くて、目の前でミスをしていたのでチャンスと思って抜きました。
結果だけ見れば5位で元を取れた感じです。予選をもっと頑張って前の方からスタートしないとなと思います。GTでは予選がうまくいっているので、何か勘違いしている部分があるのかもしれません。
(今シーズンを振り返って)
僕もですがファンの皆さんも望んだ結果が出せなくて悔しいです。また来年もチャンスがあれば、予選をうまくやってきっちり結果を残したいです。表彰台を争って、優勝もしたいです。来年のことはまだ決まっていません。
(海外への興味は)
あります。WECとかも。僕もトヨタのドライバーなんで、機会があれば乗りたいです。アメリカは今は考えていません。危ないですよあれ。
#8小林可夢偉
(グリッド上でフロントブレーキ周りから炎が上がった件につて)
あのままスタートしてもクルマには何の問題もありませんでした。最後尾に下げられることになって帰ってしまおうかと思いました。あの位置から上位に上がるのは無理だし、危ないでしょう?
クルマは全然問題ありませんでした。混んでる中で走っていてもトップ集団と同じペースで走れていたので。
(今シーズンを振り返って)
ポールも優勝もなかったので寂しいなと。いけそうでなかなか行けない。いつも「あとちょっと」しか言ってない、毎回。それしかない。あとちょっとあれば世界が変わったんですけどね。ある意味安定はしていたんですが。
(スーパーフォーミュラの印象)
まず練習時間が短いし、タイヤセットも少ないので、完璧な状態で予選に行くことが少なかったです。まあみんな同じなんですけど。そういうことがあるので、予選は開けてびっくり、みたいなことがあるんですよ、良くも悪くも。予測しにくい状態で走るのは難しいなと思ったのと、やっぱりレベルが高いんで誰が勝ってもおかしくない。だから誰かが予選うまくいくといきなりバーンと前に来たりする。「ま、こんなもんだろう」くらいのペースじゃポールは取れない。だからレースも難しい。レースペース良かったから勝てるというわけでもない。練習時間が短いし、僕の場合初めて走るサーキットも多かったので、タイヤがどうたれていくのかも予測できない。日本のレースというものを色んな意味で勉強できました。あと一歩だったなと。
(ファンへのメッセージ)
優勝できなかったのはすごい悔しいですけど、目の前で戦える姿を見せられてるのは僕としては良かったなと。雨の中、寒い中来ていただいて感謝します。
レースって印象に残るだけじゃなくて結果も残さないとね。なかなか難しいんですよね、トップでぶっちぎってても「つまらない」って言われるし。レースってエンターテイメント、プラス結果、というのがあるから、それを同時にやるのは難しくて。ストーリー性がすごく大事なんで、そこをどうやって作るか、というのがあればファンの皆さんもさらに興味を持っていただけるのかなと。AKB戦法っていうんですか(笑)ストーリー性があるから応援のしがいがあるという。
(来年に向けて)
今年の経験が自信をさらに強くすると思います。常に行けると思ってます。行けないと思ったのは今日の第2レースぐらいですね。来年のことはまだ決まっていません、農作業してるかもしれないし(笑) 今のところはこれで無職。スーパーフォーミュラも有力な選択肢です。GTは以前フェラーリで経験してるし、日本で2つやるっていうのは今の所考えられないです。スーパーフォーミュラに乗ってるか、トラクターに乗ってるか(笑)
(海外から問い合わせがあったらどう答えるか)
いや僕一人誘ったんですけどね。約1名誘って、「よし行くぞ」ってなってたんですけど、某社が契約してしまって。本人くる気満々だったんですけどね。ただ、ここで日本がダサいのは、ここできっちりお金出さないといけないんですよ。それは向こうのほうが全然高いんで。それがあるまでは真剣にやる気でしたよ。
そうやって盛り上げていかないと。F1だって今のスター選手がいなくなったら誰が見るの? って話ですよ。逆に今のF1のスター選手がスーパーフォーミュラに乗るってなったらみんな見に来るでしょ? そのぐらいの発想があってもいいし、モータースポーツが大切というなら、そのぐらいしないとね。別にF1ほどの金額じゃなくていい。今のGTのトップクラスと同じくらいの額で「え、そんな貰えるの」てなります。F1降りるとそんなに貰えるわけじゃないんですよ、次はDTMくらいかな、まあアメリカは置いといて。でもDTMはドライバーにはあんまり評判良くないんですよ。メーカー戦争あるし、タイヤがへぼいし。うまくやれば日本も。ドライバーはすごく興味あるんです。もし向こうから来たいってなったら迎え入れられるようにメーカーさんも準備しておいて欲しいなと思いますね。それぐらい面白い事が欲しいなと思いますね。
誰かが契約切れる頃に僕が近づいてって「どう?」って声かけてみようかなって。
レースをどうやって面白く見せるか、ってもっと考えて欲しいんですよ。僕らドライバーもやれることはやるし。あとはこれをいかにしてグローバルに展開していくかだと思うんですよ。
アジアとかでも映像タダであげて「とりあえずこれ流してくれ」ってやってもいいと思うんですよ。それで興味持ってくれたら日本に見に来てくれたり、走りに来てくれたりするかもしれないじゃないですか。やっぱりそういう風にグローバルに考えて欲しいなっていうのが、スーパーフォーミュラを1年やって感じました。僕らもモチベーション上がると思うんですよ、そうなれば。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
- ドライバーズチャンピオン #38石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)
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とりあえずホッとしています。プレッシャーがあるにはあって、眠れないほどじゃないけど緊張もしていたんですが、チームの雰囲気が明るくて、予選前もふざけてたりとか、笑ったまま行かせてくれたんで、そういうのに助けられて自分の実力を出し切れました。そこはよかったです。
無事に終われてホッとしています。
今回はきっちりできた、という安心したという気持ちが大きくて、そんなに感情的にならなかったんですけど、ウィニングランから戻ってきて、体重測って、メカさんたちの顔を見たときにこみ上げてきました。チーフメカさんが開幕前に緊急入院したり、僕のためにチームを移籍してくれたメカさんがいたりしたので、彼らの顔を見ていて思わず涙が出てしまいました。
19歳でレースを始めてからずっと一貴や可夢偉とレースしてきてて、なかなか自分が目立つ番が来なかった。今年可夢偉選手が参戦してきて、また一緒にレースできたことが嬉しかったし、今まで助けてくれた人がいっぱいいて、人に恵まれてここまできたので、ここでいい結果を残せばその人たちに恩返しできるかなと思っていました。
今シーズンはあっという間でした。岡山で勝った時はずっと赤いランプをつけていられると思っていなかったんですが、2勝目を挙げたところでチームの雰囲気が変わりました。
でも、僕らはGTも同じスタッフでやっているので、毎週同じリズム、同じ流れでやってこられて、すごくやりやすかったです。
- チームチャンピオン 舘信秀(PETRONAS TEAM TOM’S)
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隣が中嶋一貴だったらもっとよかった、というのが正直な気持ちです。3年連続でチームタイトルを取れてよかったと思っています。今週末は中嶋が出だしから調子が悪くて心配していたんですが、最後2位に入ってよかったなと。
一貴は1回休んでの2位ですからね、よく頑張ってくれたなあと思います。
新チャンピオンが出るというのは大事なことだと思うので、おめでとうございます。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
山本尚貴待望の今季初優勝!そして石浦宏明涙の初タイトル!!
2015全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース2が11月8日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#16山本尚貴(TEAM無限 SF14)が終始独走、2013年の最終戦以来2年ぶりの国内トップフォーミュラ優勝を達成。#1中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)は2位に終わった。
また、これによりシリーズチャンピオンは#38石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)が2015年のドライバーズチャンピオンを獲得。石浦にとっては国内トップフォーミュラでの初タイトルとなった。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選日13,500人/決勝日16,000人/大会総入場者数29,500人)
決勝レース2は午後3時にフォーメーションラップを開始。雨は依然として降り続いていたものの、予定通りスタンディングスタートで始まった。
ところがスターティンググリッド上で#8小林可夢偉(チームルマン)のフロントブレーキ周りから炎が上がったためにスタートはディレイとなってしまう。
出火したのはディスクローターを覆っているCFRP製の「インナーディフレクター」と呼ばれるパーツ。これがカーボンディスクの熱に耐えられずに溶けてしまったのだ。
8号車の消火作業の後、レースは当初予定から1周減算され27周で行われることになり、この原因を作った小林は最後尾にグリッドを下げられる措置がとられた。
仕切り直しとなったスタートでは予選4番手の#1中嶋がイン側から凄まじい勢いで加速してきて1コーナーでポールの#16山本に並びかけてきた。
さらには予選6番手の#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラも大外からぐんぐん二人に迫ってくる。
しかし山本はギリギリの間合いで中嶋を押さえ込み、オリベイラはイン側に殺到する車群に行く手を阻まれてランオフエリアに逃れざるをえず、#40野尻智紀(ダンデライアン)にかわされて4位に後退してしまった。
トップに立った山本はそこから一気に逃げにかかり、2周目には2秒、6周目には4.4秒、20周を消化する頃には7.4秒の差を2位中嶋との間に築き上げていった。
その後方ではオリベイラが6周めのバックストレートで野尻を捉えて3位浮上、後退した野尻はその後エンジントラブルにより10周で戦列を去ることに。
続いてレース1優勝の#2アンドレ・ロッテラーも12周めのスプーン手前で突如スローダウン、そのままグリーンゾーンにクルマを止めてしまった。
これにより、7番手スタートだった石浦は労せずして4位に浮上する事になる。
石浦の後方には#34小暮卓史(ドラゴコルセ)、#3ジェームス・ロシター(コンドーレーシング)が続いていたが、2台は13周目のシケインで接触。
小暮はスピンアウトを喫して#18中山雄一(KCMG)、#7平川亮(チームルマン)らの先行を許し、ロシターはフロントウィングにダメージを負ってそのままピットに戻ってレースを終えた。
トップの山本はその後も中嶋に付け入る隙を与えず、最後は中嶋に5.7秒の差をつけてチェッカーを受け、2013年11月の最終戦鈴鹿の第1レース以来2年ぶりの勝利をものにした。
ホンダエンジンにとってもこの勝利は今季初。昨年9月の第6戦SUGOで野尻智紀以来1年2か月ぶりの勝利となった。
このレースでの優勝が逆転の条件だった中嶋は惜しくも2位に終わり、石浦がこのレースを4位でフィニッシュしたために、シリーズポイントは石浦51.5pt、中嶋45.5ptとなり、2008年にフォーミュラニッポンにデビューし、途中2年のブランクを経て昨年カムバックしてきた石浦宏明が悲願の初タイトルを6シーズン目にしてついに手にすることになった。
なお、思わぬトラブルから最後尾スタートとなった小林はトップの山本をも上回るハイペースで激しい追い上げを展開、コースの至る所でオーバーテイクを披露して場内を大いに湧かせたが、わずかにポイント圏内には届かず9位で2015シーズンを終えることになった。
なお、このレースを持って1973年以来続いてきたブリヂストンの国内トップフォーミュラへのタイヤ供給はひとまず終了。来季からは横浜ゴムが新たにワンメイク供給を開始する。
2016シーズンの開幕は現時点で4月16-17日に鈴鹿サーキットで予定されているが、この日は世界耐久選手権(WEC)第1戦シルバーストンと日程が重なっているため、FIAのカレンダー調整の結果に応じて変更になる可能性が大きい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2015全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝第1レースが11月8日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションの#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)がそのままリードを広げて逃げ切り、今季3勝目を挙げた。
2位にはポイントリーダーの#38石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)がつけたが、ランキング2位の#2中嶋一貴(PETRONAS TOM’S SF14)が4位に入ったため、選手権の行方は第2レースの結果に持ち越された。
決勝日の天候はあいにくの雨。
このため午前10時から予定されていた20周の決勝第1レースは、セーフティーカーの先導でスタート、3周目より追い越しが解禁となった。
ポールシッターの#2ロッテラーは後続に全く付け入る隙を与えず、序盤から独走状態に持ち込み、6周を消化する頃には2位の#38石浦に6秒弱のリードを築き上げる。
3位は#3ジェームス・ロシター(コンドーレーシング)、4位には#8小林可夢偉(チームルマン)がつけ、#1中嶋は5位につけた。
もしこのままの順位でレースが終了すれば、石浦の得点は49pt、中嶋は41ptとなり、第2レースの結果を待たずして石浦のチャンピオンが決定する。
ところが石浦の後方からは#3ロシターが激しく追い上げてきた。
ロシターは5周目のバックストレートでオーバーテイクボタンを使って石浦との間隔を詰め、続くシケインでインを伺う。
接触を伴いながらもかろうじて抑え込んだ石浦だったが、16周めにロシターがコースを飛び出してレースを終えてしまったため、後方の中嶋が4位に繰り上がってしまった。
この状況では中嶋の獲得ポイントが41.5ptと成ってしまうため、第2レースで中嶋が優勝し、石浦がノーポイントに終わると逆転で中嶋がチャンピオンということになってしまう。
更にはロシターの脱落で3位に浮上した#8小林も石浦の背後に迫り、18周目のシケインでインに飛び込んできた。しかし小林は勢い余ってオーバーラン、その後は石浦も小林に付け入る隙を与えなかったため、レースはロッテラー、石浦、小林、中嶋の順で終了。
これにより獲得ポイントは石浦49pt、中嶋41.5pt、ロッテラー40ptとなり、また#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル)は9周目のヘアピンで飛び出してリタイヤに終わったため、この時点でロッテラーとオリベイラがチャンピオン争いから脱落、かろうじて中嶋の可能性が首の皮一枚残るという状況になった。
決勝第2レースはこのあと午後3時より28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- #7平川亮
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(予選結果について)Q1はニュータイヤの時に間合いが取れずに、タイヤを暖めきれないうちに残り時間がなくなって、止むを得ずタイヤが暖まりきらない状況でアタックをしました。Q2はエンジンが不調でストレート区間で伸び悩んで、悔しい予選でした。
(クルマの状態について)方向は見えていたので、特に迷うことなくセットアップを進めていく上でタイムも上がっていったので、予選のクルマのバランスは悪くなくて、感触は良かったです。
(決勝に向けては)ドライなら予選のセットアップで良いと思いますし、雨だとチームがデータを持っているので、それに変えてタイヤを替えて走るだけかなあと思います。
スタート次第ですね。スタートがうまくいけば入賞県内もいけると思いますし、失敗しないように完走します。スタートして一気に前に出たいですね、フライングギリギリで。
(エンジンの不調とは?)まだ分かっていなくて、今調べています。
- #8小林可夢偉
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(予選について)Q1は一発目走り出したタイヤとニュータイヤで2秒も上がってしまいました。最初はもう戦えないペースだったんで、諦め半分でニュータイヤで出て行ったらびっくりするぐらいのグリップでした。あれぐらいのグリップで練習からQ1を走り出せてたら多分トップとか取れたんだろうなと。あまりにもフィーリングが違いすぎたんで、平凡に行くしかありませんでした。あのグリップで最初からバーンといけてたら、コンマ15ぐらいは稼げたと思うんで。
Q2は通ればいいな、くらいの気持ちで行ったら2番で。「もしかしたらこれはいけるかも?」と思ってQ3行ったんですけど、思ったより攻めきれなかった。攻めたんですけど、足りなかった。あとホンダ勢が突然バーンと前に来ちゃったのが予想外でした。一応タイムは上がっているんで、何か失敗したとかそういうんじゃないんです。
正直僕Q1で落ちると思っていたんで、Q1が余裕のない状態なんですよ。だからそこまで上がり幅がなかった。
(朝のフリー走行について)この寒い路面に対して、一回使ったタイヤって硬くなるんですよね。タイヤの熱入れに入らない温度帯にいたから、ズルズルで。グリップがなくてダメだったんですけど、ニュータイヤを入れてたらちょうど(作動レンジに)入るところに行くから、タイム差がすごいある。今まで2秒も違ったことがなかったので、感覚的にも明らかに違うかったんで、グリップが上がってよかった反面、僕は今までスタンダードにQ3来てるんで、中古タイヤでしか走れない、タイヤに関して貯金のない状態で来てるのでこうなったというところです。
セッティングが詰め切れなかったのもあるんですけど、何より感覚の違いが大きかったです。
(決勝について)どちらのレースも僕はチャンピオンシップに一番影響するスターティングポジションにいるので、もしチャンピオンシップ勝ちたかったら、スタートまでの僕のところに来ていただければ、ちょっと考慮したレース展開にしようかなと、思っているということだけ書いといてください(笑)
朝の段階で一回目、で「やばいな」と思ったらお昼の段階で二回目、受け付けてるんで。
二回とも僕はいいところにいるんで、お陰さんで。
明らかに威嚇してきたら、僕も威嚇するスタートをするしかないなと。もしかしたら、1位走ってても、イラっとしてたらダーンていくかもしれない。それは交渉次第です。
雨なんで、あんまり優勝しても嬉しくない。「雨のお陰で勝てた」みたいに言われてもしょうがないし。ラッキーで勝ててもしょうがないし、ドライで勝てないとチャンピオンシップなんか戦えないのはわかってるんで。そういう意味でもポールは取りたかったです。ポールを取れなくて悔しいし、シーズン的にも悔しいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
全日本選手権スーパーフォーミュラ・シリーズ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」の公式予選が11月7日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
シーズン唯一の2レース制で行われる今大会では予選Q1の結果で第1レース、Q2、Q3の結果で第2レースのスターティンググリッドが決定するという独特の予選方式が採用されたが、その結果第1レースは#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S SF14)が、第2レースは#16山本尚貴(TEAM無限SF14)がそれぞれポールポジションを獲得して明日の決勝に臨むこととなった。
公式予選は午後1時30分よりノックアウト方式で行われた。
この日の鈴鹿サーキットは朝から分厚い雲が上空を覆い尽くしていたが、幸い終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
20分間の走行で第1レースの全グリッドと第2レースの15位以下が決まるこのセッション。いずれのドライバーも朝のフリー走行で使用したタイヤを装着して走り出し、残り時間6分前後でニュータイヤに履き替えて本格的なアタックに取り掛かった。
ここでポイントリーダーの#38石浦宏明(セルモインギング)が1’38.392を叩き出してトップに躍り出ると、その直後に#3ジェームス・ロシター(コンドーレーシング)も1’38.392と全くのどうタイムを出してきた。
しかしチェッカーフラッグが提示された直後に朝のフリー走行でトップタイムを記録していた#2ロッテラーが1’38.354と二人のタイムをわずかに上回ってトップに。
結局このタイムがQ1のベストとなり、ロッテラーは第6戦SUGOに続いて今季2度目のポールポジションを獲得した。
また、ここではトップから1秒以内に16人ものドライバーが名を連ねる結果となり、#65ベルトラン・バゲット(ナカジマレーシング)はロッテラーからわずか0.796秒差だったにも関わらず15位に終わり、Q1で姿を消すこととなった。この他#10塚越広大(リアルレーシング)、#20アンドレア・カルダレッリ(インパル)、#64中嶋大祐(ナカジマレーシング)、#4ウィリアム・ブラー(コンドーレーシング)がここで予選を終えた。
予選Q2
7分間の走行でレース2の9位~14位のグリッドを決めるQ2では開始直後から2周をウォームアップに使って各車1周ずつのタイムアタックを行った。
ここでもロッテラーが他を圧倒する速さをみせ、1’38.158とさらにタイムを縮めてトップに。
以下#8小林可夢偉(チームルマン)、#16山本、#40野尻智紀(ダンデライアン)、#38石浦と続き、#34小暮卓史(ドラゴコルセ)、#18中山雄一(KCMG)、#7平川亮(チームルマン)、#11伊沢拓也(リアルレーシング)、そしてなんと#3ロシターと#41ナレイン・カーティケヤン(ダンデライアン)がノックアウトされる結果となった。
第1レース3位につけたロシターはQ2に向けてセットアップやタイヤの内圧は一切行わなかったとのことだが、Q2が始まると原因不明のグリップ不足に直面してタイムを伸ばすことができなかった。
予選Q3
第2レースの上位8グリッドを決める予選Q3。ここでもまた2周のウォームアップののちにたった1周のタイムアタックという流れで進行して行った。朝のフリー走行から好調ぶりをみせつけている#2ロッテラーはここでも1’38.023とさらなるタイムアップを果たしたが、これを上回ったのが開幕戦ポールの#16山本だった。
Q3に向けてダウンフォースを削る賭けに出た山本が出したタイムは1’37.963。この日の全セッションを通じて唯一の37秒台のタイムだ。これにより山本は今季2度目のポールポジションを同じ鈴鹿で獲得、2位に#2ロッテラー、3位に#40野尻とトップ3のうちの2台をホンダエンジン勢が占めるという結果になった。
一方、ポイントリーダーの#38石浦はQ1でこそ2番手タイムを記録したものの、Q2、Q3と進むにつれていつものようなフィーリングの向上が感じられなかったといい、なんと7番手からのスタートになってしまった。一方シリーズポイント2位につける#2中嶋一貴(トムス)はQ3で4位につけており、石浦は何としても第1レースで中嶋を突き放さなければならなくなった。
スーパーフォーミュラ最終戦決勝は明日午前10時より第1レースが20周で、第2レースは午後3時より28周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum