スーパー耐久シリーズ2016第3戦「SUZUKA”S耐”サバイバル」の公式予選が6月11日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
ポールポジションを獲得したのは、Bドライバーの藤井誠暢が2’01.823のコースレコードを叩き出した#24スリーボンド日産自動車学校GT-R(内田優大/藤井誠暢/平峰一貴組)。合算タイムは4’05.998だった。
「”S耐”サバイバル」と銘打たれた今大会は特別ルールが導入された。
ST-X、ST-1については従来通りAドライバー、Bドライバーが通常通りの計時セッションを走り、その合計タイムでスターティンググリッドを決定するが、ST-2以下のクラスについては計時予選で各クラス上位3台のみに決勝進出の権利が与えられ、残りのチームは午後に行われるレース形式の「セカンドチャンス100」で再度ふるいにかけられることになる。
その最初の計時セッションは午前10時5分にST-4、ST-5からなるグループ2、それに続いてST-X、ST-1、ST-2、ST-3のグループ1の順で行われた。
この日の鈴鹿サーキットの天候は晴れ。朝から汗ばむ陽気の中、各ドライバーとも決勝進出をかけて懸命のタイムアタックを行った。
ST-Xクラスは#8ARN AMG GT3を駆る白石勇樹がAドライバーのトップ。#24スリーボンド日産自動車学校GT-Rの内田優大が2番手につけ、#3ENDLESS ADVAN GT-RのYUKE TANIGUCHIが3番手。
しかしBドライバー予選で24号車をドライブする藤井誠暢が2’01.823と従来のレコードを大幅に更新したため、タイム合算では24号車がポールポジションを獲得、2位にはAドライバー、Bドライバーともに4位にまとめた#5Mach MAKERS GTNET GT-Rが続き、Aドライバー3位、Bドライバー5位の3号車が3番手に。
8号車はBドライバーの佐々木孝太が2’08.840とクラス10番手にとどまったためにクラス10位に終わった。
ST-2クラスはAドライバーの大澤学がクラス1位、Bドライバーの後藤比東至が2位を獲得した#59DAMD MOTUL ED WRX STiがトップ。以下#20RSオガワADVANランサー、#6新菱オートDIXCELエボXの3台が決勝に駒を進めた。
以下、ST-3クラスは#38MUTA Racing TWS IS350、#14岡部自動車KYOSHIN195Z34、#62DENSO LeBeausset RC350の3台が、ST-4クラスは#86TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86、#95SPOONリジカラ S2000、#52埼玉トヨペットGreenBrave86の3台が、そしてST-5は#69BRP★J’s RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT、#19BRP★J’s RACINGホンダカーズ三重北FIT、#4THE BRIDE FITの3台がそれぞれ決勝に駒を進めることになり、残りのチームは午後のセカンドチャンス100で決勝進出を目指すことになった。
セカンドチャンス100はこのあと午後4時10分より100分間で、第3戦決勝は明日午後3時15分より4時間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
鈴鹿サーキットで行われている全日本F3選手権第8戦の公式予選は、#36山下健太(ZENT TOM’S F312)が第7戦に続いてポールポジションを獲得。#37坪井翔(ZENT TOM’S F314)も2番手につけ、2戦連続でトムスがフロントローを独占した。
Nクラスは#78片山義章(Petit LM Racing)が連続でポールを獲得した。
第8戦の公式予選は午前8時50分より10分間で行われた。
第7戦では山下がたった1周だけのアタックを行ったが、このセッションではチームメイトの坪井もそれに倣い、トムス勢は揃って1周だけのアタックを行った。
その結果、山下が1’52.314、坪井は1’52.593といずれも第7戦のタイムを上回っていた。
一方B-MAX勢はここでも2周のアタックを敢行。
しかし#23千代勝正が4周めに記録した1’53.018が最高でトムス勢の後塵を拝する結果に。
#22ヤン・マーデンボローが4番手、#21高星明誠が5位にとどまる。
#12牧野任祐、#2石川京侍の戸田レーシング勢が6位、7位を占め、HFDPの#7阪口晴南、#8大津弘樹は8、9位に終わった。
Nクラスは片山がここでも速さを見せ、2位にコンマ6秒の差をつけてトップ。
2番手には#9廣田築(アルビレックスRT)がつけ、#30DRAGON(B−MAX)は3番手に終わった。
第8戦決勝は明日午後1時40分より17周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
全日本F3選手権第7戦の公式予選が6月11日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
ポールポジションを獲得したのはポイントリーダーの#36山下健太(ZENT TOM’S F312)。
Nクラスは#78片山義章(Petit LM Racing)がトップだった。
第7戦、第8戦はスーパー耐久第3戦との併催。
S耐が午前中予選、午後に100分間の敗者復活戦を予定位している関係もあってか、今回の公式予選は朝8時30分と普段より早めの走行となった。
予選当日の天候は晴れ。朝から蒸し暑い気候の中、午後の決勝に向けての戦いが始まった。
ポイントリーダーの山下はアウトラップと2周めをウォームアップに充てて3周めにアタックを開始、1’52.521を記録してそのままピットへ。
チームメイトの#37坪井翔は3周め、4周めと連続して2周のアタックを行ったが、1’52.715、1’53.169とタイムアップを果たせず、予選2番手にとどまる。
一方、富士、岡山とフロントローを独占して好調ぶりを見せていたB-MAX勢は#22ヤン・マーデンボローが3位、#21高星明誠が4位、#23千代勝正が5位という結果に。
これまで苦戦の続いていたHFDPの#7阪口晴南が6番手と、戸田レーシングの2台を上回ってきた。
Nクラスは今季5勝を挙げている片山が2位以下をコンマ4秒引き離してトップ。#30DRAGON(B-MAX)が2番手につけた。
第7戦決勝は今日の午後1時20分より12周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
5月29日に岡山国際サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ第2戦の決勝レースは、スタ−ト前に降り始めた雨のためセーフティーカースタートとなったが、天候は一向に回復せず、9周目に入ったところで赤旗が提示され、そのまま終了となった。
優勝はポールシッターの#1石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)。予選2位の#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がトラブルによりストップしたため、2位には予選3位の#10塚越広大(REAL SF14)が繰り上がり、#11伊沢拓也(REAL SF14)が3位に入った。
この日の岡山国際サーキットはお昼のピットウォークが行われている頃から次第に雨が降り始め、F3の決勝が終了した頃になると雨足はさらに強まってきた。
このため、午後3時からの決勝はセーフティーカースタートとなり、隊列を組んでの走行が始まった。
すると3周目に入ったところで突然#8小林可夢偉(チームルマン)がピットに飛び込んできてステアリングを交換して出て行った。
続いて#41ストフェル・バンドーン(ダンデライアン)がピットイン。こちらは燃料を継ぎ足して、再開後はそのまま最後まで走りきる作戦だ。
バンドーンに続いてこの給油作戦をとったのが#20関口雄飛(インパル)、#65ベルトラン・バゲット(ナカジマレーシング)、#34小暮卓史(ドラゴコルセ)、#7ナレイン・カーティケヤン(インパル)たち。
レースがそのまま進行していれば実に興味深い展開になったであろうことは想像に難くない。
小林はその後も2回ステアリング交換を行った。原因は電気系のトラブルであり、雨水の影響で漏電が生じていたとのことだ。
同様のトラブルは何人かのドライバーにも生じており、中でも深刻な影響を被ったのが2番手スタートのオリベイラだ。
彼は電気系のトラブルのためギヤチェンジができなくなり、6周目のダブルヘアピン手前でストップ。その場でレースを終えてしまった。
レースはセーフティカー先導のまま9周目に入ったところでついに赤旗が提示されてしまう。
その後エントラントの代表がコントロールタワーに集められ、協議した結果午後4時5分まで待機して再開の可否を判断することに。
しかし結局天候は回復しなかったため、レース終了の決定が競技団より出され、第2戦決勝は8周終了時点の順位で確定。規定周回数の75%を満たしていないためシリーズポイントは半分が与えられることとなった。
次戦の舞台は富士スピードウェイ。
7月17日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
待ちに待った初勝利!!
5月29日に岡山国際サーキットで行われた全日本F3選手権第6戦の決勝レースは、ポールポジションからスタートした#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が2位以下を25秒8突き放し今季初優勝を達成した。
Nクラスは#78片山義章が今季5勝目を挙げた。
第6戦決勝は午後1時より25周で行われた。
スタート前に行われたピットウォークの途中から小雨が降り始めたため、全車ウェットタイヤを装着しての走行。このことがこれまでの4戦とは全く異なる展開を演出した。
ホールショットを奪ったのは2番手スタートの#23千代勝正(B-MAX NDDP)。ポールポジションのマーデンボローは出遅れて一時は3位に後退したものの、すぐさま追い上げに転じ、バックストレートで早くも千代のインに並びかけて、ヘアピンで激しいブレーキング競争に持ち込んだ。
ここで千代は痛恨のオーバーラン、これに後続の#21高星明誠(B-MAX NDDP)も巻き込まれる形でスピンしてしまい、揃って後方に沈んでしまった。
この間に4位を走行していた#12牧野任祐(戸田レーシング)はヘアピンで#36山下健太(トムス)をアウトからかわして2位に浮上。
3位#37坪井、4位#36山下、5位#2石川京侍(戸田レーシング)の順でオープニングラップを終えた。
しかし今日のトムス勢はペースが上がらない。ウェットコンディションへの対応が今ひとつうまくいってなかったようだ。
山下は2周めに石川の先行をも許し、坪井も牧野のペースについていけないでいる。
4位に浮上した石川は坪井の背後に迫り、隙を窺っていたが、9周目のヘアピンで痛恨のオーバーラン、逆に#7阪口晴南の先行を許してしまう。
石川はその後も順位の挽回を狙い、トップのマーデンボローにも劣らないハイペースで阪口を追い上げたが、19周目のアトウッドで2度目のコースオフを喫してしまい、万事休す。
こうした中、トップのマーデンボローは序盤から後続を突き放し、1周1秒以上の差を牧野につけて25周を走りきり、待望の初勝利をものにした。
2位にはこれがF3初表彰台となる牧野、坪井は今季6戦すべてで表彰台に上がった唯一のドライバーとなった。
Nクラスは予選トップの片山が今季5勝目。
スタートでは目の前でストールしたクルマを回避しようとスロットルを戻したために出遅れた片山だったが、隅々まで知り尽くした岡山でのレースとあって、その後は落ち着いて前車を追い上げ、瞬く間にトップを奪い返してそのまま逃げ切った。
2位は#30DRAGON(B-MAX)、#10岡崎善衛が3位を獲得して第1戦鈴鹿以来の表彰台をものにした。
次戦の舞台は今季2度目の鈴鹿サーキット。
スーパー耐久との併催で6月11-12日に行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦のフリー走行2回目が5月29日、岡山国際サーキットで行われた。トップタイムを記録したのはポールシッターの#1石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)で1’16.256だった。
決勝日を迎えた岡山の朝の天候は曇り。
決勝のスタートする午後3時頃から雨との予報が出ているが、午前9からのフリー走行は終始ドライコンディションで行われた。
序盤トップに立ったのは#7ナレイン・カーティケヤン(チームルマン)。しかしカーティケヤンは、1’16.323のベストタイムを記録した次の周のアトウッドカーブでスピンアウトしてグラベルにリヤからヒット、赤旗中断の原因を作ってしまう。
走行再開は9時17分。
徐々に燃料タンクが軽くなっていく中で何人かのドライバーがタイムを上げていく。
まず残り時間10分で#20関口雄飛(インパル)が1’16.894を記録してカーティケヤンに次ぐ2番手に浮上、その3分後には石浦が1’16.256を出してトップに浮上した。
昨日はまさかのQ1落ちを喫した#8小林可夢偉(チームルマン)も1’16.659で3番手に。このほか#36アンドレ・ロッテラー(トムス)、#19J.P.デ・オリベイラらも1分16秒台のタイムを終盤記録して4位、5位につけた。
しかし決勝レースがウェットになれば、ここで得られたデータがどの程度役立つのかは未知数。
ここでの順位はあくまで参考でしかないのかもしれない。
また、走行開始直後には興味深い場面がみられた。
小林、#37中嶋一貴(トムス)、ロッテラーらがインスタレーションラップでニュータイヤを装着、すぐにユーズドタイヤに交換したのだ。
これは次戦富士で「ほぼ新品同様の」持ち込みタイヤとして使用するものと思われる。
すでに次の戦いも始まっているのだ。
決勝レースは午後3時より68周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorpsorts Forum
5月28日に岡山国際サーキットで行われた全日本F3選手権第5戦決勝は序盤から波乱が相次ぐ中、スタートでトップに立った#36山下健太(ZENT TOM’S F312)がそのまま逃げ切って今季3勝目を挙げた。2位にも#37坪井翔(ZENT TOM’S F314)が入り、トムスが今季2度目の1-2フィニッシュを遂げた。
Nクラスは#78片山義章(Petit LM Racing)が見事な追い上げを見せて今季4勝目を獲得した。
第5戦決勝は午後3時45分から18周で行われた。
ホールショットを奪ったのは2番手スタートの山下。チームメイトの坪井が2位につける。
一方、ポールシッターの#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP)はスタートで出遅れて3位に後退した上、テールライトの脱落という不運に見舞われてオレンジディスクの提示を受けてしまい、一気に後方に沈んでしまった。
さらには予選5、6番手につけた戸田レーシング勢も、#12牧野任祐が燃料ポンプのトラブルでバックストレートにストップ、#2石川京侍も後方から上がってきた#3三浦愛(エクセディ)との接触で左フロントサスを痛めてしまい、大事をとってリタイヤを決断することになった。
この結果、トムス勢の後方には#23千代、そして今回から参戦してきた#21高星明誠のB-MAX勢が僅差で続く展開に。
高星はコンマ6秒、コンマ8秒の僅差で千代を追い上げると、千代も前を行く坪井との差を徐々に縮めていき、レース終盤は3台が団子状態になった。
トップの山下はこの間に後続との差を着実に広げ、最後は2位以下に5.698秒の大差をつけてチェッカーを受け、今季3勝目をものにしてポイントリーダーの座を守った。
3台による2位争いも、結局抜きどころの少ない岡山では今ひとつ決め手を欠き、2位坪井、3位千代の順でそのままフィニッシュ。千代は今季初の表彰台をものにした。
Nクラスは、予選トップの#30DRAGON(B-MAX)がスタート直後の1コーナーで後ろから並びかけてきた#9廣田築(アルビレックスRT)に押し出される格好で最後尾に後退すると、代わってトップに立った廣田を8周めのヘアピンで#78片山がアウトから抜き去り、そのまま逃げ切って今季4勝めを挙げた。
廣田に対してはDRAGONを押し出した件でレース後に40秒加算のペナルティが課せられたため、2位には#5アレックス・ヤン(ハナシマ)が繰り上がり、廣田は3番手と成っている。
第6戦決勝は明日午後1時より25周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の公式予選が5月28日、岡山国際サーキットで行われ、#1石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)が昨年に続いてポールポジションを獲得した。
2位は#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)、3位は#10塚越広大(REAL SF14)だった。
公式予選は午後2時10分よりノックアウト方式で行われた。
開始前に若干雨がぱらついたものの、路面は終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
20分間のQ1では最初に「バンカー」と呼ばれる押さえのタイムを出した後でニュータイヤでの全開アタックというのが通常の流れだ。
今回は最初のアタックでニュータイヤを投入するチーム、ユーズドタイヤで走り出すチームと判断が分かれ、ニュータイヤを使用したドライバーが順当に上位に来たが、20分間のセッションが大きなアクシデントもなく進行したため、結果的には2セット目のアタックの順位で決着することになった。
ここでトップに立ったのはチェッカー寸前に1’14.095を出した石浦。#11伊沢拓也(リアル)が2番手につけ、#2国本雄資(セルモインギング)が3番手とトヨタ勢、ホンダ勢が入り乱れる結果に。
石浦はあえてフリー走行でニュータイヤを投入せずに、時間いっぱいまでセッティング変更に充てたという。それでも1セット目の走行では状態が思わしくなかったが、2セット目で出て行く前に不調の原因を突き止め、それが好結果につながったのだという。
結局終わってみればこのセッションはトップから最後尾までの差がわずか1.5秒といういつもながらの接戦となり、その結果なんと#8小林可夢偉(チームルマン)、#34小暮卓史(ドラゴコルセ)、#41ストフェル・バンドーン(ダンデライアン)らの上位常連組が脱落することになった。
予選Q2
全長わずか3.703kmのコースということもあり、予選Q2もまたトップから14位までがわずか0.6秒という接戦となったが、ここでもまたチェッカー寸前に石浦が1’13.897を叩き出してトップに。
2位は伊沢、3位にはオリベイラがつける。オリベイラもまた、ニュータイヤをQ1まで温存した上、Q2の直前までセッティングをいじっていたという。
これまで使っていたブリヂストンタイヤと、今季から採用されたヨコハマタイヤの特性の違いや摩耗による変化、路面へのラバーの載り方など、まだまだ未知の要素が多く、各ドライバーとも様々な試行錯誤をギリギリまで繰り返しているようだ。
こうした影響からか、いつもはポール争いに加わっているはずのトムス勢がここで揃って脱落。
しかし9位に終わった#37中嶋一貴と石浦の差はわずか0.288秒だった。
予選Q3
Q1、Q2と快調にトップでまとめてきた石浦は予選Q3においても1’13.620と更にタイムを上げてきた。
これに対しQ2を3位で終えたオリベイラはやや遅れてコースインし、前のとギャップを広げる作戦に出た。
更に他のドライバーがアウトラップから3周をウォームアップに充てて4周目に全開走行を行うという方法をとったのに対し、3周めから全開走行に入ったが、運悪く遅いクルマに引っかかってしまい、1周クールダウンして再び5周めにアタックを行うことに。
その結果、充分にラバーの載った路面でアタックを行うことになって大幅なタイムアップには成功したものの、1’13.842とわずかに石浦には及ばなかった。
3番手には昨日から今日にかけて大幅にクルマの方向性を見直したという塚越がつける。
塚越が予選トップ3に入ったのは2012年以来のこと。ダンデライアンからリアルに戻ってきてからは初めての予選会見ということになる。
第2戦決勝は明日午後3時より68周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
日本レースプロモーション(JRP)は5月28日、岡山国際サーキットで開催されたサタデーミーティングの席上で、第4戦もてぎにおいて、2スペックのタイヤを使い分ける新ルールを採用することを明らかにした。
詳細なレギュレーションは今後詰めていくとのことだが、決勝中に2種類の異なるスペックのタイヤを使用することが義務付けられることは決まっており、JRPこれにより「パレードラン」との批判を受けがちなもてぎのレースに戦略の幅を持たせ、よりエキサイティングなものにしたいという。
新スペックのタイヤはすでに開発が始まっており、今月中旬に富士スピードウェイで行われたエンジン開発テストに持ち込まれている。 今回のミーティングに出席したTRDの永井洋治氏は「軽くコースレコードが出せるタイヤ」と評価している。
このタイヤが後半戦の予選、決勝の展開にどのような効果をもたらすか、大いに期待したいところだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO Photo: Yoshinori OHNISHI
マーデンボローダントツの速さ!
全日本F3選手権第6戦の公式予選が5月28日、岡山国際サーキットで行われ、#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が1’20.990を叩き出し、2戦連続、今季3度目のポールポジションを獲得した。
Nクラスは現在ランキングトップの#78片山義章(Petit LM Racing)がトップだった。
マーデンボローの速さが止まらない。
第5戦でコースレコードを大幅に上回るタイムを叩き出したこのルーキーは、第6戦の予選が始まっても最初のアタックで1’21.165と早くも第5戦のポールタイムを上回ると、次の周回では1’20.990とただ一人1分20秒台を記録、他をまったく寄せ付けない走りで2戦連続でポールポジションを獲得。
チームメイトの#23千代勝正も1’21.335で続き、B-MAX NDDPがフロントローを独占と、富士大会に続いて好調ぶりを見せた。
3番手には#36山下健太、4番手には坪井翔とトムス勢が続き、#12牧野任祐(戸田レーシング)、#21高星明誠(B-MAX NDDP)、#2石川京侍(戸田レーシング)までの7人が1分21秒台のタイムを記録した。
Nクラスは#78片山が走り慣れたホームコースという強みを生かし、2位以下を1.3秒突き放す1’24.677を記録、2番手には#30DRAGON(B-MAX)がつけた。
第6戦決勝は今日午後3時45分より18周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第5戦の公式予選が5月28日、岡山国際サーキットで行われた。
上位6人がコ−スレコードを更新するという激しいタイムアタック合戦を制したのは#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)。タイムは1’21.171だった。
Nクラスは#30DRAGON(B-MAX)が第3戦富士に続いて2度目のトップを獲得した。
佐々木大樹の2連勝で終わった第2大会富士。
2週間のインターバルをおいて開幕した第3大会岡山では、佐々木に代わって高星明誠が21号車をドライブすることになった。
今季からヨーロッパのブランパンGTシリーズに参戦を始めた高星にとっては久々のフォーミュラカーだったが、金曜日の専有走行では1回目1位、2回目2番手で総合1位と申し分のない滑り出し。28日朝10時15分から行われた予選でもこの好調ぶりを発揮するかと思われたが、蓋を開けてみればマーデンボローが他を圧倒する結果となった。
マーデンボローは5周目に1’21.173と先年ニック・キャシディが樹立したコースレコード(1’22.048)を大幅に上回るタイムを叩き出すと、6周目には1’21.171と更にタイムを更新して見せた。
マーデンボローに続いたのは#36山下健太、#37坪井翔のトムス勢。
山下はマーデンボローのコンマ2秒落ちである1’21.381を5周目に記録、坪井も1’21.736とコンマ5秒落ちながらキャシディのレコードを上回る好タイムを5周目に記録した。
一方高星は昨日のタイムこそ上回ったものの、ベストタイム1’22.226で7番手という結果に終わった。
Nクラスは#30DRAGONが#78片山義章(プチルマン)にコンマ19秒差をつけて今季2度目のトップタイム。
しかし4位の#10岡崎善衛(アルビレックスRT)までが1秒以内の近さにつけており、決勝では富士大会を彷彿とさせる激しいドッグファイトが期待できそうだ。
第5戦決勝は今日午後3時45分より18周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の舞台は岡山国際サーキット。
5月28日朝に行われたフリー走行は#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40Y SF14)が1’13.622でトップだった。
公式予選日を迎えた岡山は上空を分厚い雲が覆い尽くした。
この影響でフリー走行開始時刻である午前9時の気温も20℃を下回り、その結果前日の専有走行を上回る好タイムが相次いで記録されることとなった。
特に顕著だったのがホンダエンジン勢の好調ぶりだ。
開始13分で#11伊沢拓也(リアル)が1’15.007といきなり前日の#1石浦宏明(セルもインギング)のトップタイム1715.758を上回ると、24分過ぎには#65ベルトラン・バゲット(ナカジマレーシング)が1’14.585でトップに。その10分後にはチームメイトの#64中嶋大祐が1’14.251を記録し、赤旗中断を挟んで残り8分で#16山本尚貴(TEAM無限)が1’13.944。これを伊沢が1’13.780と上回り、最後は#40野尻が1’13,622を叩き出すという展開。
終わってみれば上位7台がホンダエンジン搭載車という圧倒的な結果だった。
対するトヨタ勢は最上位の#3ジェームス・ロシター(コンドーレーシング)がトップからコンマ7秒落ちの8位に留まったほか、セッション終盤に#8小林可夢偉(チームルマン)が2コーナーでスピンアウト、バリアに激しく突っ込んで赤旗の原因を作るなど、苦しい滑り出しとなった。
ただしこのセッションでは終盤までユーズドタイヤで通したチームも幾つかあったため、この結果がそのまま午後の予選に反映されるとは言い切れない状況。
昨年ポール・トゥ・ウィンを達成した石浦をはじめとするトヨタエンジン勢の巻き返しに期待したいところだ。
第2戦の公式予選は今日午後2時10分より、ノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
#21佐々木大樹ぶっちぎりの2連勝!!
全日本F3選手権第4戦の決勝が5月15日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#21佐々木大樹(B-MAX NDDP F3)が後続に2.644秒差をつけ、昨日に続いて2連勝を飾った。
Nクラスは終盤のドッグファイトを制した#78片山義章(Petit LM Racing)が今季3勝目をあげた。(天候:晴れ コース:ドライ)
第4戦決勝は午前10時55分より21周で行われた。
接戦につぐ接戦となった第3戦決勝に続き、この日もCクラス、Nクラスともにコースのいたるところで激しいバトルが展開された。
ホールショットを奪ったのは2番手スタートの#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP)。
しかし2周めのコカコーラコーナーでマーデンボローがコースを飛び出してしまい、あっさり佐々木にトップを明け渡したばかりか、#36山下健太(トムス)にも先行を許してしまう。
さらには、5番手スタートから3周めの1コーナーで#37坪井翔(トムス)をパスしてきたチームメイトの#23千代勝正にも追いつかれてしまい、レース中盤は接近戦を演じることになってしまった。
そして15周め。1コーナーでアウトから並びかけた千代とマーデンボローのホイール同士が接触。
スピン状態に陥った千代はコースを飛び出し、四輪にフラットスポットを作ってしまった。
マーデンボローもその周のコカコーラコーナーで飛び出し、順位を一つ落としてしまった。
今季のF3参戦はこの富士大会までと決まってる佐々木は、ペースをコントロールする余裕すら見せてトップを快走、21周の長丁場を逃げ切り、今週末2連勝という申し分のない内容で有終の美を飾った。
2位には山下、3位には坪井とトムス勢が続き、依然として山下がポイントリーダーの座を守っている。
Nクラスもまた昨日に勝るとも劣らない激戦となった。
オープニングラップを制したのは予選3番手の#10岡崎善衛(アルビレックスRT)。
しかし2周めには#30DRAGON(B-MAX)が岡崎をかわしてトップに立つと、3周めには予選トップの片山も岡崎を抜いてDRAGONに追いつき、レース中盤からは一騎打ちの様相を呈してきた。
1コーナー、コカコーラ、ヘアピン、ダンロップと執拗にDRAGONの隙を伺う片山だったが、DRAGONも巧みに片山をブロック、ギリギリの攻防が延々と続いたが、18周めの1コーナーでレコードラインを走ろうとしたDRAGONの隙を片山は見逃さず、インに飛び込んでトップに立つと、そのまま一気に後続を突き放して今季3勝目をもぎ取った。
2位に後退したDRAGONはその後#9廣田築(アルビレックスRT)の猛追を受けたが、最後までポジションを守りきった。
次戦の舞台は岡山国際サーキット。5月28-29日開催だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
全日本F3選手権第3戦の決勝レースが5月14日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選3番手からスタートした#21佐々木大樹(B-MAX NDDP F3)が終盤トップに立ち、今季初勝利を挙げた。2位にもポールシッターの#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が入り、B-MAXが1-2フィニッシュを達成した。
Nクラスはフィニッシュ直前に#5アレックス・ヤン(ALEX YANG Hanashima F3)が#30DRAGON(B-MAX)を鼻差でかわして優勝した。
(天候:曇り コース:ドライ)
午後2時10分より15周で行われた第3戦決勝は、序盤から終盤まで接戦につぐ接戦の激しいレースとなった。
ホールショットを決めたのはポールシッターのマーデンボロー。
予選2番手の#37坪井翔(トムス)は2周めのダンロップコーナーで果敢にマーデンボローのインに飛び込んだが、曲がりきれずにアウトへ膨らんだところをかわされて再びマーデンボローの先行を許したばかりか、その周終わりのホームストレートで佐々木に並びかけられ、1コーナーで3位に後退してしまう。
坪井は4周めの1コーナーで佐々木のインを突くが、佐々木もアウト側で踏ん張り、両者は並走のままコカコーラコーナーへ。
ここで佐々木は坪井の鼻先を抑えて2位を守り切ると、5周めには1’35.113とこのレースのファステストラップを叩き出し、一気にマーデンボローとの差を縮めにかかる。
5周終わりで1.032秒あった両者の差は6周終了時点ではわずか0.465秒と、佐々木はマーデンボローを完全に射程圏内に収めた。
そして7周終わりのホームストレートで佐々木はインからマーデンボローに並びかける。これに対してマーデンボローも1コーナーでアウトから佐々木を抑え込みにかかり、両者はコカコーラコーナーまで並走。
ちょうど4周めの佐々木と坪井のバトルそのままの状態でマーデンボローがポジションを守りきった。
その後は数周にわたってコンマ4秒、コンマ5秒というギャップでにらみ合いが続く。
セクター3をうまくまとめるマーデンボローは最終コーナーの立ち上がりで佐々木を引き離し、なかなかスリップストリームに入れさせない。
それでも13周めにはうまく走りをアジャストした佐々木が1コーナーでマーデンボローを仕留め、そのまま2周を逃げ切って今季初勝利をものにした。
佐々木にとってF3での総合優勝は2014年10月の第15戦富士以来1年半ぶり、通算3勝めとなる。
2位はマーデンボロー、3位には坪井が入った。
一方、Nクラスの戦いもまた、フィニッシュ直前まで接戦が続く激しいものとなった。
まずスタートで予選トップの#30DRAGON(B-MAX)がエンジンをストールさせて出遅れると、続く2コーナーでは予選2番手の#78片山善博(プチルマン)が最後尾スタートのヤンに追突されてスピン、この際に右リヤのプッシュロッドを傷めてしまい、早々とレースを終えることに。
これでトップに立ったのは#9廣田築(アルビレックスRT)。しかしスタートで出遅れたDRAGONが次第に追いついてきて接近戦となり、ここにチームメイトの#10岡崎善衛割って入る形になってトップの座を明け渡すことに。さらにこの三つ巴のバトルが展開されている間に最後尾スタートのヤンにも追いつかれてしまった。
その結果この4台はレース後半には団子状態となり、コースのいたるところで順位を入れ替える激しいバトルを展開することに。
ファイナルラップをトップで迎えたのはDRAGON。
しかし最後のストレートでヤンがスリップストリームを使い、フィニッシュライン直前でDRAGONに並びかけた。
勝ったのはアレックス・ヤン。しかし両者の差はわずか0.014秒だった。
3位には#9廣田が入り、今季3度目の表彰台を獲得した。
次戦決勝は明日午前10時55分より21周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
富士スピードウェイで行われている全日本F3選手権第4戦の公式予選はフォルクスワーゲン勢がフロントローを独占!
#21佐々木大樹(B-MAX NDDP F3)が1’33.885を記録してポールポジションを獲得。第3戦ポールの#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)が2番手につけた。
Nクラスは#78片山義章(Petit LM Racing)が1’1’37.895でトップだった。
第3戦の公式予選終了から10分間のインターバルをおいて第4戦の公式予選が同じく10分間で行われた。
今週末好調なB-MAX勢はここでも速さを見せつける。第3戦で3番手グリッドにつけた佐々木は最初のアタックで1’34.217を記録すると、2周めにはこのセッションで唯一の1分33秒台となる1’33.885を叩き出してトップに躍り出た。
今週末を通じてクルマの仕上がりに好感触を得ていた佐々木は第3戦の予選結果を受けて更に上乗せできる部分を見つけたといい、それを見事にタイムに結びつけた。
第3戦ポールのマーデンボローも更なるタイムアップを果たし、佐々木からコンマ128秒差の2位につけた。
一方、開幕2連勝中の#36山下健太(トムス)は予選3位に終わったものの、佐々木との差は0.136秒、マーデンボローとはわずか0.008秒差につけており、鈴鹿で懸念していたほどの差はつけられてはいない。
明日の決勝も激しい戦いが繰り広げられそうだ。
Nクラスは第3戦の反省を生かしてCクラスのスリップストリームを積極的に利用した片山が1’37.895と1秒近いタイムアップを果たしてポールポジションを獲得。コンマ3秒差で#30DRAGON(B-MAX)が続いており、こちらも目が離せない。
第4戦決勝は明日午前10時55分より21周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第3戦の公式予選が5月14日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、今季から日本再上陸を果たしたフォルクスワーゲンエンジンを搭載した#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F312)が1’34.608で早くもポールポジションを獲得した。
Nクラスはベテランの#30DRAGON(B-MAX)が1’38.789でトップ。念願の初勝利に向けて好発進を見せている。
公式予選は午前9時30分開始。
この日の天候は晴れ。朝から汗ばむ陽気の中、10分間のタイムアタックが行われた。
序盤トップに立ったのは#37坪井翔(トムス)。計測3周めに1’34.628とまずまずのタイムを記録してきたが、その翌周にマーデンボローが1’34.608を記録して一気にトップへ。
前日の専有走行で総合5位に終わったマーデンボローは大きくセッティング変更を行って予選に臨んだといい、それが功を奏した格好だ。
3番手には山下健太(トムス)が1’34.638で続き、4番手には#12牧野任祐(戸田レーシング)が1’34.702と、終わってみればトップ4がコンマ1秒以内という接戦ぶり。午後の決勝も激しいバトルが大いに期待できそうだ。
Nクラスは#30DRAGONが今季初ポール。一番勝負をかけていたラップでスピンするなど、本人としては決して納得のいく内容ではなかったようだが、念願の初優勝に向けて好位置を得た。
一方、開幕2連勝中の#78片山義章(プチルマンレーシング)はクリアラップを得ようと前とのギャプを大きく取った代償として、後続にスリップを使われる格好となり、2番手という結果に終わった。
第3戦決勝はこのあと午後2時10分より15周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
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VIDEO
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は5月15日(日)、広島県広島市安佐南区のイオンモール広島祇園店にて、『体感!スーパーフォーミュラ』と題したプロモーションイベントを開催する。
これは“モータースポーツの魅力を体感しよう!!”をテーマに全国各地で行われているもので、イオンモール広島祇園店では2014年12月の「スマイルキッズat広島〜広島土砂災害復興チャリティー〜」に続いて2年ぶり2回目の開催となる。
今回は小林可夢偉選手(SUNOCO TEAM LEMANS)が登場。
アンバサダー・本山哲とオフィシャルコメンテーター・小倉茂徳、ピエール北川も加わって、トークショーや熊本地震チャリティオークションなどのイベントを行うほか、SUNOCO TEAM LEMANSやP.MU/CERUMO・INGINGのSF13を使用した車両展示、搭乗体験や解体・組立ショー、タイヤ交換体験会が予定されており、子どもから大人まで誰もが楽しめるイベントになっている。
岡山国際サーキットでの第2戦も目前に迫っている今、予習を兼ねて一度足を運んでみてはいかがだろう。
詳細は下記のリンクをご参照ください。
日本レースプロモーション
イオンモール広島祇園店
Text:Kazuhisa SUEHIRO
SUPER GTシリーズを運営するGTアソシエイション(GTA)とドイツツーリングカー選手権(DTM)をプロモートするITRは5月11日、都内のホテルで第5回「ステアリングコミッティ会議」を開催した。
この会合には坂東正明GTA代表とハンス・ヴェルナー・アウフレヒトITR会長のほか、日本自動車連盟(JAF)や両シリーズの参戦メーカー6社が参加し、様々な議題について意見交換を行った。
その結果、坂東GTA代表とアウフレヒトITR会長は「統一技術規則 Class One規則」を2017年9月に公表することで合意。会議後の記者会見にて合意書への調印式を行った。
この統一技術規則は『日本・ドイツメーカー/チームが一緒に走行する機会、ワールドファイナルの実現』を目的の一つとして2019年シーズンから両シリーズに導入される。
現在の60品目を超える共通部品に加え、日本ではタイヤメーカー間の競争に対応してオリジナルパーツとされていたアップライトや、図面が統一されているだけの空力部品等の共通化も検討されており、共通部分の拡大を図ることでモータースポーツにかかる予算を継続的に削減し、マーケティング活動の活発化を促進。これを国際的に拡大させることを目指す。
ステアリングコミッティは、GTA(日)、ITR(独)、IMSA(米)の各シリーズの持続的な発展を目指し、各プロモーター、各国のASN、参戦自動車メーカー各社の代表者らによる運営委員会として、2013年7月に設立され、過去4回の会議を開催して技術規則統合やジョイントイベントの開催に向けた協議を重ねてきた。
この結果を受けて2014年からはGT500クラスでモノコックやギヤボックス、ブレーキなどの部品が共通化されており、当初は2017年からDTMとエンジン規格の統一化も予定されていた。
しかし昨年発生したフォルクスワーゲン社の不正問題の影響から、DTM側の3メーカーはエンジン開発計画の見直しを余儀なくされ、それを受けてGTAとITRの間では今後の方向性についての話し合いが続けられていた。
今回の会議でそれも合意に達し、今後は具体的な規則の立案と、それに沿った各メーカーの車両開発が進められていくことになる。
なお、今回の会議ではIMSA代表者は所用のため欠席となった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
5月4日に静岡県の富士スピードウェイで行われた、オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の決勝は終盤まで相次ぐ波乱の末に#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が開幕2連勝を飾る結果となった。
GT300クラスは#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組)が今季初優勝。マーデンボローは参戦2戦目にして早くもポディウムの頂点に立った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日35,700人/決勝日50,100人/大会総入場者数85,800人)
第2戦決勝は午後2時より110周で行われた。
スタートからトップを快走したのはポールポジションの#12カルソニックGT-R。
スタートドライバーのJ.P.デ・オリベイラは着実に後続との差を広げながら最初のスティントを38周までピットイン、そのままトップでコースに復帰した。
その後方では2番手スタートの#46S Road GT-Rから5番手スタートの#39デンソーRC Fまでの4台が序盤から激しい接近戦を展開。
4位を走行していた#1モチュールGT-Rのクインタレッリが15周めの最終コーナーで#38ZENT RC Fをドライブする立川祐路のインを突くと、立川も17周めの1コーナーで周回遅れに詰まったクインタレッリをインから抜き返す。
すると31周めの1コーナーでは5位の#39ヘイッキ・コバライネンがクインタレッリのインに並びかけて前に出て行ったが、最初のピットストップを39周まで引っ張った#1モチュールGT-Rに再逆転を許してしまった。
3位に浮上した#38ZENT RC Fは前を行く#46S Road GT-Rが31周めに最初のピットインを行った次の周にピットへ。ここで石浦宏明が46号車の前でピットアウトして実質2位へ浮上する。
しかし46号車を本山から引き継いだ千代勝正は43周めの1コーナーで石浦のインをつき、そのままコカコーラコーナーまで並走の末にねじ伏せて2位に浮上。
これで順位は12-46-38-1-39となった。
2位に浮上した千代はそこから猛然と追い上げにかかる。
すると一時は12秒以上あった#12カルソニックGT-Rとの差はわずかづつ縮まっていき、規定c周回数の長と半分となる55周めには8.9秒に。
懸命に逃げにかかる#12安田裕信だったが、一進一退を繰り返しながらも2台の差は次第に縮まって行き、68周終了時点では7.4秒差となった。
さらに追い討ちをかけるように、トップが72周めに差し掛かったところで#100レイブリックNSXの左リヤタイヤがバースト。この影響でリヤ周りのボディーワークの殆どとドライバー側のドアがめちゃめちゃに破壊されてコース上にばらまかれたため、コース清掃のためにセーフティーカーが導入されることに。
これで46号車との差は完全になくなると思われた。
ところが。
31周めに最初のピットストップを行った46号車の燃料残量は既に底をつきかけており、SCラン中の77周めに給油のためにピットインせざるをえなくなってしまった。
スーパーGTでは2016年度のスポーティングレギュレーションからSC中のピット作業の一切を禁止することになっており、これに違反すると60秒以上のペナルティが課せられることがあらかじめ決まっていたのだ。
このルールが上位集団を直撃し、給油を行った46号車には90秒のペナルティストップが課せられ、32周めにピットインした38号車はコースに留まり続けたために、リスタート直後の78周めにガス欠のためコース上にストップしてしまった。
これで2位に浮上したのが#1モチュールGT-Rだ。
1号車はこの状況を見透かしたかのように39周めの最初のピット作業に50.2秒を費やし、他より多めの燃料を積み込むと、2度めのピットストップを81周まで引っ張ってクインタレッリをわずか38.5秒でコースに送り出した。
78周めにピットインした12号車ははるか後方だ。
しかし最後のスティントを担当した#12オリベイラは猛然と追い上げを開始。
84周終了時点で1.152秒差とすると、87周めにはテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込み、96周めの1コーナーでついに#1クインタレッリのインに飛び込んだ。
しかしクインタレッリも負けじとラインをクロスさせてオリベイラに並び返す。
両者は軽い接触を伴いながら並走状態でコカコーラコーナーへ。
ここではオリベイラが前に出た。
ところが107周めの100Rで12号車の左リヤタイヤが突然バースト。
リヤセクションを大破しながらスピンアウトしていき、そこでレースを終えることになってしまった。
これにより#1モチュールGT-Rは40kgのウェイトハンデを背負いながら見事開幕2連勝を達成。
2位には2013年のセパン以来の表彰台となる#39DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平/ヘイッキ・コバライネン組)、#37KeePer TOM’S RC F(ジェームス・ロシター/平川亮組)が3位に入った。
GT300クラスの死闘もGT500に勝るとも劣らないものだった。
ポールシッターの#55ARTAが序盤快調にトップをひた走るその後方では#31aprプリウスの中山雄一、#7Studie BMWの荒聖治、#61スバルBRZの山内英輝、#88マネパランボルギーニの平峰一貴、#21一ツ山R8のリチャード・ライアン、#3B-MAX GT-Rのマーデンボローらが抜きつ抜かれつのバトルを展開。
9周目の終えた時点での順位は55-31-3-7-88-61-0-51-21。
しかし#7Studie BMWは14周終わりでメカニカルトラブルにより緊急ピットイン、大きく順位を落としてしまう。
#31プリウスも30周めに最初のピット作業を行った直後、嵯峨宏紀が1コーナーでコースオフ。その後も不安定な挙動を見せながらそのままピットに戻り、後方に沈んでしまった。
88マネパランボルギーニもレース後半の72周めに右リヤタイヤの脱落によりストップしてしまった。
そうした中、トップの55号車は29周めに最初のピットイン。
2番手に繰り上がった3号車は33周まで引っ張ってピットイン。
この結果#3星野は#55高木の前でコースインすることに成功。
高木の激しい追い上げを受けながらも星野は懸命に抑え込み、マーデンボローにステアリングを託す。
すると77周めに2度めのピット作業をタイヤ無交換で終えた#25Vivac 86MCが2台の間に割って入る格好となり、#55小林は#25松井の攻略に十数周を費やす羽目に陥ってしまった。
これにより3号車は55号車に3.7秒のリードを保ったままチェッカーを受けることに成功。
惜しくも2位に終わった昨年の富士500kmの雪辱を果たした。
2位には#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志組)、3位には#25Vivac 86 MC(土屋武士/松井孝允組)が入った。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。7月24日決勝だ。
なお、当初5月22日に予定されていた第3戦オートポリスは熊本地震の影響により中止がこの日のGTA定例会見で正式発表されている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Motorsports Forum
小高一斗会心の2連勝!!
FIA-F4選手権第4戦の決勝が5月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。
前日にも増して激しい戦いが繰り広げられる中、序盤でトップに立った#37小高一斗(トムススピリット)が後続に5.6秒の差をつけ、第3戦に続いて2連勝を達成した。
午前9時40分より15周で行われた第4戦決勝は前日の第3戦以上に激しい戦いがコースのいたるところで繰り広げられた。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#50澤田真治(B-MAX)。
しかし予選3番手から2位に浮上した小高が2周めの1コーナーでアウトから澤田をねじ伏せてトップに立つ。
予選2番手の#36宮田莉朋(トムススピリット)はスタートでクラッチミートを失敗して4位に後退、さらに1周めのプリウスコーナーでまたしても#88川端伸太朗(sサクシードスポーツ)が#11大湯都史樹(Rn-Sports)に接触、これを回避する間に8位まで後退してしまった。
しかし宮田はそこからファステストラップを連発するハイペースで追い上げを開始。3周めには6位に上がると、6周めのコカコーラコーナーで#60川合孝汰(ル・ボーセ)を、7周めには#14根本悠生(KCMG)を抜いて4位に浮上する。
さらには10周めの1コーナーで「絶対に負けたくないライバル」と語る#9阪口晴南(HFDP)をも攻め落として3位。12周目には澤田をも捉えて2位にのし上がってきた。
その後方では根本、川合に加えて#4河野駿佑(フィールド・モータースポーツ)、#16篠原拓朗(カゲヤマレーシング)の4台による激しいドッグファイトがコースの各所で展開され、最終的に河野が4位、川合が5位、根本が6位でフィニッシュ。篠原はファイナルラップで大きく順位を落として15位に終わっている。
一方、トップの小高は12週終了時点で後続に4.7秒のリードを築き上げており、その後も13周めに1’46.316のファステストラップを記録するなど、全く付け入る隙を与えない走りで15周を走りきり、前日の第3戦に続いての2連勝を達成。シリーズポイントを52に伸ばし、開幕2連勝の川端が2戦連続ノーポイントに終わったため一気にトップに躍り出た。
次戦は当初予定されていたオートポリス大会が熊本地震の影響で中止となったため、7月23-24日のスポーツランドSUGOまで持ち越されることになった。
優勝 #37小高一斗(トムススピリット)のコメント
スタートに関しては、自分の中ではもっと上があると思っているんですが、今日の結果から言うとまあうまくいったかなと。1周めからガンガン行って、序盤のタイヤが冷えてるときからマージンを作っていけば余裕を持ってレースできるかなと思っていました。1周めは抑えられましたが、2周めアウトから前に出てそこから本当にプッシュして、後ろがいなくなりました。
今日は自分の思っていたことが本当にうまくいって、正直怖いです。
昨日の路面とは全然違う状態だったので、前半はそれに慣れるのに時間がかかりましたが、最初から今日の終盤くらいのペースで走れていればもっと引き離せたかなと思います。
去年からずっとタイトルを狙っていましたけど、これでやっと現実的になったなと思います。
菅生は去年もそんなに悪くなかったので、今の自分なら大丈夫だと思うんで、自信を持って取り組みます。
2位 #36宮田莉朋(トムススピリット)のコメント
スタートでクラッチを繋ぐのが短すぎてエンスト気味になりました。そこで4番手まで落ちてしまって、そのあとプリウスコーナーで川端選手と大湯選手が接触して。僕の目の前で、昨日みたいに巻き込まれそうだったんで、とにかく避けようと思っていたら8番手に落ちてしまい、そのあと1コーナーで接触してさらに落ちてしまいました。
岡山の第2戦から当てられてリタイヤ、というのが続いていたので2番手スタートでも勝つ前に完走しようという意識が強くて、昨日みたいに前へ前へというのじゃなく、落ち着いて一つずつ上げていこうという気持ちでいました。その気持ちでも2台一気に抜けたりとかができたので、そういう部分では自分が追い上げるのに力強い、というのは見せられたと思うので、あとは序盤からいいペースで走れるようにすることだと思います。
3位 #50澤田真治(B-MAX)のコメント
スタートはうまくいったってほどじゃなかったんですが、ポジションキープできたのは昨日より良くなってるとは思います。ただ小さなミスを積み重ねてしまって、それがタイム差になっていることが今回ポールから3位まで落ちた原因だと思います。クルマを作っていくということでも、僕はまだまだインフォメーションをエンジニアさんに伝えられていないことがたくさんあると思います。前回から今回にかけても自分では勉強できた部分があって、それがあるからこその表彰台だと思いますが、やっぱり優勝してないのは足りてないからだと思います。
あと基礎体力がもっとあればもっと余裕ができると思います。今も別段きついわけじゃないんですけど、もっと体力があればクルマとのコミニュケーションもうまくいくと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
スーパーGT第2戦「富士500kmレース」のフリー走行が5月4日朝、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)、GT300クラスは#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)がトップタイムを記録した。
富士スピードウェイ周辺は昨夜激しい風雨に見舞われたが、決勝日の朝にはそれも止み、上空には青空が広がり始めた。
フリー走行はウェット宣言の出される中、午前8時30分より30分間で行われた。
すでに路面は乾き始めていたため、ほとんどのチームがスリックタイヤでコースインしていく中、ポールシッターの#12カルソニックGT-Rは浅溝タイヤでコースイン。しかしここもすぐにスリックに交換してコースに戻っていった。
結局上位陣は1分30秒後半の争いとなり、チェッカー直後に1’30.689を記録した#1松田がトップタイム。2番手に#6ワコーズRC Fがつけ、#39デンソーRC Fが3位という結果に。
ポールシッターの#12カルソニックGT-Rはセッション中盤にJ.P.デ・オリベイラが1’30.973で一時トップに立つが、最終的には6位に終わっている。
しかしトップから1秒以内に11台が入る接戦での順位であり、決勝の行方を予想するのは難しい状況だ。
GT300クラスはセッション中盤に山内が1’37.848を記録した#61BRZがそのままトップでセッションを終えた。2番手には#7Studie BMW M6、3番手には#51JMS LMcorsaフェラーリ488とFIA-GT3勢が続き、ポールの#55ARTA BMW M6は5番手で走行を終えている。
第2戦決勝は午後2時より110周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
オートバックス スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の公式予選が5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)、GT300クラスは#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志組)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。
当日の天候は晴れ。終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
GT500クラスはいつものように残り時間が7分を切ってからようやく全チームが動き出す展開。
2〜3周のウォームアップののち、本格的なタイムアタックが始まった。
ここでいきなり#46S Road GT-Rの千代勝正が1’27.366のコースレコードを叩き出す。従来のレコードは昨年の同大会でロニー・クインタレッリが#23モチュールGT-Rで記録した1’27.552だった。
公式練習トップの#12カルソニックGT-Rも1’27.931で2番手につけ、#24フォーラムエンジニアリングGT-Rが3番手と、終わってみればニッサンGT-Rは参加全4台がQ2進出を果たすことになった。
レクサス勢は#38ZENT、#39デンソーの2台、ホンダ勢は#15ドラゴモデューロと#100レイブリックの2台が生き残った。
GT300クラスは上位3台が昨年樹立されたコースレコードを上回るハイレベルの戦いとなり、#55ARTA M6の高木真一がトップ。2番手には終盤見事な追い上げを見せた#88マネパランボルギーニの平峰一貴がつけ、#7Studie M6のヨルグ・ミューラーが3番手。
以下トップから1秒以内に10台という接戦の中、トップから1.304秒差の#31プリウスの嵯峨宏紀までがQ2進出を果たしたが、前回優勝の#65LEON AMG GT3は18番手に終わり、惜しくもここで予選を終えることになった。
予選Q2
GT500クラスはQ1以上にペースが上がり出走8台中5台が1分27秒台に入る接戦に。
まずは#12オリベイラが1’28.118でトップに立つと、#1ロニー・クインタレッリが40kgのウェイトハンデをものともせず1’27.987を叩き出す。続いて#46本山哲も1’27.708を記録。
するとオリベイラは次の周に1’27.453とタイムを縮めて再びトップに立った。
このタイムはQ1の千代には及ばないものの昨年のレコードを上回るものだ。
これにより#12カルソニックGT-Rは昨年の第7戦オートポリス以来3戦ぶりにポールポジションを獲得。2番手に#46S Road GT-Rがつけ、ニッサン勢が1-2という結果に。
3位の#38ZENT RC Fを挟んで4位には前回優勝の#1モチュールGT-Rがつけた。
GT300クラスも出走14台中7台が昨年のコースレコードを更新する激しいタイムアタック合戦となり、4周めに1’35.707を小林が叩き出した#55ARTA M6がQ1、Q2を共にトップで終えて今季初ポールを獲得。2番手には前回の岡山でポールポジションを獲得した土屋武士の駆る#25Vivac 86MCがつけ、昨年コースレコードを樹立した中山雄一も1’36.036とタイムをさらに縮めて3番手につけた。
第2戦決勝は明日午後2時より110周(500km)で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
参戦満1年で待望の初勝利!!
FIA-F4選手権第3戦の決勝が5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#37小高一斗(トムススピリット)が接戦を制し、自身初優勝を達成した。
ポールシッターの#36宮田莉朋(トムススピリット)は終盤アクシデントに巻き込まれ、惜しくもリタイヤとなった。
決勝レースは午後1時30分より15周で行われた。
スタートは上位陣揃って失敗という状況の中、ホールショットを奪ったのは小高。動き出しでは宮田が先んじたかに見えたが、1コーナーへのアプローチでイン側の小高が先行、そのまま徐々に宮田を引き離しにかかる。
その後方では予選5番手の#9阪口晴南(HFDP)が巧みな位置取りで3位に浮上してきた。
逆に3番手スタートだった#50澤田真治(B-MAX)はなれないスタンディングスタートで順位を落とすと、その後もジリジリと順位を落とし、一時は8位にまで後退してしまった。
大量リードとまではいかないものの、徐々にリードを広げていた小高だったが、7周めのコカコーラコーナーで周回遅れに行く手を阻まれ、一気に宮田に追いつかれてしまうと、その周のダンロップコーナーではうまくラインをクロスさせてきた宮田に一旦はトップを奪われてしまう。
しかし小高は離されずに宮田を追い上げ、9周めの1コーナーでインに飛び込んでトップを奪い返す。
2台が接戦を演じている間に3位の#88川端伸太朗、4位の#11大湯都史樹(Rn-Sports)、5位の阪口もトップ争いに追いついてきた。
9番手スタートながらハイペースで追い上げてきた川端はスタートで5位に浮上すると、5周めには1コーナーで大湯、ヘアピンで阪口を一気にかわして3位に浮上していた。
阪口はこの周の13で大湯の先行をも許したが、この2台に離されずに懸命に食い下がっていた。
宮田は9周めのプリウスコーナーでアウトに膨らんだ小高を抜いて再びトップに。
しかしその先のホームストレートでは小高、川端、大湯が並びかけてきてなんと4ワイド状態で1コーナーへ飛び込むことに。
このバトルを制してトップに立ったのは小高。
2番手に川端がつけ、大湯が3番手。宮田は立ち上がりでアウトに押し出される格好で4位に後退してしまう。
続くヘアピンでは大湯が川端をかわして2位に浮上。
しかしダンロップコーナーの二つめで大湯のインをこじ開けようとした川端が大湯に接触、跳ね返ってきた川端がインから2台をかわそうとした宮田に当たり、その場で大湯と宮田はストップ。川端もピットに戻ってきてクルマを降りた。
この結果、2位には一時8位まで後退しながら着実に順位を挽回していた澤田、直後を走っていた阪口も3位に復帰するが、この時点でトップの小高とは大きな差が開いてしまっていた。
小高はヘアピンで大湯が川端を抜いたあたりで危険を察知してスパートをかけたという。
この判断が功を奏し、小高は2015年5月の第3戦富士大会でデビューしてからちょうど1年目のレースで、初めての表彰台を優勝という最高の形で手にした。
2位の澤田はフォーミュラデビュー3戦めで運に助けられたとはいえ初表彰台という快挙。
3位の阪口は第1戦岡山以来今季2度め、通算3度めの表彰台を獲得した。
次戦第4戦決勝は明日午前9時40分より15周で行われる。
優勝 #37小高一斗(トムススピリット)のコメント
スタート失敗したつもりだったんですけど、結構みんな失敗してて、(宮田)莉朋は同じくらいの位置で、1コーナーでインに入れたのでとりあえず抜いていこうと。
前に出てからはペースが良かったので、このまま離せればいいかなと思っていましたが、周回遅れにAコーナーで詰まっちゃって、後ろがぐちゃぐちゃになってバトルが始まっちゃいました。
多分莉朋は僕がペース速かったので抜ける時に抜いちゃおうと思ったのか、作戦とは違う展開でバトルになってしまいましたが、とりあえず僕は落ち着いてここをしのいで、前に出たらそのまま逃げようと思っていたら、後ろで色々あって飛んでってくれたんで、そこからは落ち着いてミスしないように最後まで走りました。
明日はベストラップ抹消で3番手スタートになりましたが、自信を持ってうまくまとめて優勝したいです。
もっと早い段階で優勝したかったし、もっと早い段階で表彰台にも乗りたかったんですけどうまくいかなくて。ちょっと長すぎたなあと思います。でも優勝できてよかったです。
2位 #50澤田真治(B-MAX)のコメント
2位という結果だけを見ればよかったなと思うんですが、僕としては納得いってなくて。スタートも失敗しましたし、そこから悪い流れができて序盤3周7番手くらいまで順位を落としてしまいました。一人に抜かれたらその度にラインを外してタイヤを汚してしまい、次のコーナーのスピードが遅れてまた次に抜かれる、みたいな感じで、それが途切れた頃には前が空いてしまいました。タイヤがあったまってからのペースは良かったんですけど、2位という結果は本当にたまたまなんで。課題の残るレースになったと思います。最後2位に上がってからも自分のミスが目立ちましたし。
明日はレインになりそうで、経験がないので緊張しますけど、現時点でできることをやります。
影山正美さんがアドバイザーにいて、GT300をやってる宮田さんがエンジニアについてくださっていい環境でレースできることが結果に繋がってるんじゃないかなと思います。
まだスタート直後など、僕の改善するべき部分がたくさんあるので、そこを直していけば優勝もできるかなと思います。
3位 #9阪口晴南(HFDP)のコメント
(9周目のアクシデントについて)真後ろにいましたが、とりあえず早く抜けることより確実に抜けることが大事だと思っていました。澤田君に詰められたかもしれないけど、落ち着いていこうと。まさか目の前の莉朋まで当たるとは思いませんでした。
前3台がすごく速かったので、ペース的には全く自信がなかったんですけど、無理せずついてって前の混乱を抜けようと思っていましたが、まさかああいう展開になるとは思いませんでした。
昨日の練習走行から調子が悪くて、そこから考えると今日の表彰台というのはすごいよかったかなと思いますけど、本来の速さを取り戻さないと。そこが課題点です。
明日は天候が怪しいので、セッティングを見直して。ウェットも練習させてもらっているので、前の方でゴールできるように頑張ります。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
スーパーGT第2戦「富士GT500kmレース」の公式練習が5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1’28.761でトップタイム。
GT300クラスは#51JMS LMcorsa 488 GT3(都筑晶裕/新田守男/脇阪薫一組)が1’37.091でトップだった。
公式予選日の天候は晴れ。霊峰富士の見守るもと、公式練習は午前9時より105分の予定で始まった。
前回の岡山に続いてここでも好調ぶりをみせたのはGT-R勢。
#12カルソニックGT-Rのオリベイラが走り出して7周目に1’28.761のトップタイムを記録したほか、セッション終盤には千代勝正が1’28.915を記録して#46S Road GT-Rも2番手につける。
開幕戦を制し、40kgのウェイトを積んで富士にやってきた#1モチュールGT-Rでさえもトップからコンマ4秒落ちの1’29.195を松田次生が記録して5番手につけた。
#12カルソニックGT-Rは3月に富士で行われた公式テストでもトップタイムを記録しており、このセッション最後でも専有走行にも姿を現さないなど、余裕すらうかがえる仕上がりぶりだ。
対するレクサス勢は#38ZENT RC Fが1’29.092で3番手、#39デンソーRC Fも1’29.094と僅差で続く。
一方ホンダ勢は参加5台全てが11位以下に並ぶ有様で、ここでも苦戦が続いている。
GT300クラスは今季初めて登場したフェラーリ488GT3を駆る新田守男が1’37.091を記録し、#51LMcorsaがトップに。#21一ツ山アウディR8が2番手につける。
第1戦優勝の#65LEON AMG GT3も40kgのウェイトハンデをものともせず、5番手で走行を終えている。
公式練習は開始1時間1分とGT300専有走行の終了直前の1時間34分の2回の赤旗中断を挟みながら当初予定より5分遅れの10時50分に終了。
このあと公式予選が午後2時30分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第3戦、第4戦の公式予選が5月3日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#36宮田莉朋(トムススピリット)が1’45.518で第3戦のポールポジションを獲得。セカンドタイムで決定される第4戦のグリッドは、参戦1年目ながら1’45.695を出した#50澤田真治(B-MAX)がポールポジションを獲得した。
この日の富士スピードウェイの天候は晴れ。爽やかな五月晴れのもと、公式予選は午前8時15分より30分間の予定で開始されたが、開始わずか5分で複数の車両が絡むアクシデントが1コーナーでー発生し、#15勝亦勇雅(シーエムエスモータースポーツ)と#70平優弥(Leprix Sport)がコース脇にストップしたため、赤旗中断となってしまう。
車両回収ののち7分後に予選は再開。
ここでトップに立ったのは#7石坂瑞樹(HFDP)で1’46.417。
これを残り9分の時点で澤田が1’46.230と上回り、更にその1分後に宮田が1’45.518とタイムを一気に縮めてトップに躍り出た。
宮田のチームメイトの#37小高一斗(トムススピリット)も1分45秒中盤のタイムを立て続けに記録して2位に浮上。
各ドライバーともチェッカーギリギリまでタイムアップを図ろうとアタックを続けていたが、残り時間3分となったところで#14根本悠生(KCMG)を1コーナーでかわそうとした#8上村優太(HFDP)と#11大湯都史樹(Rn-Sports)が接触、この2台を回収するために再び赤旗が提示され、予選はそのまま終了となった。
この時点でのベストタイム順位は宮田、小高、澤田。
セカンドタイムは小高、澤田、宮田の順だったが、セッション終了後に小高は走路外走行、澤田は赤旗中にピットロードで追い越しを行ったとしてそれぞれにベストタイム抹消のペナルティが課せられることになった。
この結果第3戦は宮田、小高に続いて大湯が3番手に繰り上がることに。第4戦は澤田、宮田、小高の順でスタートすることになった。
第3戦決勝はこのあと午後1時30分より、第4戦決勝は明日朝9時40分より、それぞれ15周で行われる。
第3戦ポール、第4戦2位の#36宮田莉朋(トムススピリット)のコメント
今週ずっと調子よくて、ポールタイム狙えるクルマだったので「今回がチャンスだな」と思って行った結果でした。今までトップタイムを出すことができなくて、いけても5番手くらいだったんですけど、今やっとトップタイム出さなきゃな、という感じなれたので、そこが一番成長できたかな、と思います。岡山は赤旗が多くて、調子は悪くなかったんですけど待ってから出て行ったために後ろの方のグリッドになってしまいました。その失敗を富士では繰り返さないように予選の作戦を考えて、またチームメイトの方が速いところ、いいところがあるんで、それを上回れるように、上回れなくてもついていけるように考えながら取り組んできた結果がポールにつながりました。
少ない時間の中でもタイムを出す、というのが世界に出ていくためにも大事だと思うんで、それがやっとできたことが嬉しいです。
第4戦ポールの#50澤田真治(B-MAX)のコメント
アタックを二回に分けて走ろうと思っていて、とりあえず最初に5周走ったところで一発出して、そのあと少し様子を見てもう一度行こうと思っていたんですが、1回目のアタックの時にちょうど赤旗が出ました。2回目のアタックの時は赤旗が出なくてよかったです。
走れば走るほどタイムが出る状況で、最後の赤旗の時も区間ベストが出ていました。そういう意味では何発か連続でアタックしていけました。
フォーミュラは去年から今年に入るぐらいで練習を始めて、前回が初めてのレースでした。
今日は結果としていい場所に居られてよかったなと思います。
決勝はレース経験の差はあると思いますが、そこはタイムでカバーしていけたらなと思います。スタートも集中していけたらなと思います。
第3戦2位、第4戦3位の#37小高一斗(トムススピリット)のコメント
岡山は10分待って失敗してて、今回は待ちたくないなと思ったんですが、事前のテストで待ったほうがいいのかな?という結果だったので、5分待って出て行ったらそこで赤旗でした。
岡山は練習中から赤旗が多かったんですが、富士は練習中に赤旗が出なかったので、待っても大丈夫かな?と判断したんですが、ちょうど出てったところで赤旗でした。でも時間がなかったのでそのまま出て行って10周ぐらい走りたいな、と思ったんですけど、また赤旗が出ちゃって。自分としてはもうちょっと走りたかったですが、結果的には悪くなかったんで、決勝は余裕を持っていけるかなと思います。
第3戦3位の#11大湯都史樹(Rn-Sports)のコメント
微妙な3位です。それよりもセカンドタイムが遅かったので、明日のレースが微妙です。
普通に考えたら午後のレースは行けそうです。
(接触の時の状況は)前に根本くんがいて、上村くんがいて、で僕という状況で、僕が最初にインに出て、そこへ上村くんがインに出てきて、3台並んで1コーナーに向かったんですけど、上村くんが僕に気がつかなかったのか、普通に入ってきたので当たってしまいました。
明日も雨の予報なので、スタート決めて1コーナー入っていけば、富士は抜けるんで、どんな展開であれ表彰台は狙えると思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
ブリヂストンタイヤで最後のウィナーがヨコハマタイヤ最初のレースを制す!!
全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の決勝が4月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#16山本尚貴(TEAM無限)がポール・トゥ・ウィンを達成。山本は昨年の最終戦JAFグランプリに続いて鈴鹿2連勝を達成した。
2位には#2国本雄資(P.MU/CERUMO INGING)が入り、注目の#41ストフェル・バンドーンは初戦にして見事3位表彰台を獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選日22,000人/決勝日32,000人)
43周で戦われた第1戦決勝は午後3時15分にフォーメーションラップを開始。ところがここで予選3番手の#20関口雄飛(TEAM IMPUL)がストール。この時、グリッド上の全車が通過する前にメカニックがエンジンを再始動させてしまったため、スタート後に関口には全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則第31条5項違反との裁定が下され、10秒ストップペナルティが課せられてしまった。
ホールショットを奪ったのはポールの山本。2番手に国本がつけ、予選4位のバンドーンが関口を交わして3番手に上がる。
関口は序盤4番手を走行していたが、前述のペナルティにより7周終わりでピットイン、大きく順位を落とすことになった。
山本は序盤から快調に後続との差を広げていき、31周目まで引っ張ってピットイン。3番手のバンドーンもこれに続き、2台はタイヤ無交換でピットを出て行った。
2番手の国本は32周めにピットへ。同じくタイヤ無交換で給油のみを行って山本とバンドーンの間でコースに復帰する。
ヨコハマタイヤでの最初のレースとなった今回は、多くのチームがタイヤ無交換作戦を選択。
逆にタイヤ交換を行ったチームルマンの2台は#8小林可夢偉が右リヤタイヤ、#7ナレイン・カーティケヤンが右フロントタイヤの脱落によってレースを失う結果となった。(小林は2周遅れの16位、カーティケヤンはコースアウトによりリタイヤ)
結局、山本は一度も後続にトップの座を脅かされることなく43周を走りきり、11.7秒もの大量リードを築き上げて優勝。昨年のJAFグランプリに続く鈴鹿2連勝を達成した。
2位国本と3位バンドーンは終盤激しいドッグファイトを展開したが、国本は最後までバンドーンの先行を許さず、2014年の第5戦オートポリスと並ぶ自己最高位でフィニッシュ。バンドーンも日本でのデビュー戦を見事表彰台で飾った。
次戦の舞台は岡山国際サーキット。
5月29日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第2戦の決勝が4月24日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションの#36山下健太(ZENT TOM’S F312)が昨日に続いて開幕2連勝を飾った。
Nクラスは予選1位の#78片山義章(Petit LM Racing)がスタートで出遅れながらも見事な挽回を見せ、こちらも2連勝を達成した。
第2戦決勝は午前10時05分より17周で行われた。
鈴鹿サーキットは昨夜からの雨も上がり、上空には次第に青空が広がってきた。
ホールショットは昨日に続いてポールシッターの山下。
2位にはチームメイトの#37坪井翔がつけ、#21佐々木大樹(B-MAX NDDP)が3番手、そのすぐ後ろに#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP)という順位でオープニングラップを終了した。
マーデンボローは4周めのヘアピン立ち上がりで佐々木のインに並びかけると、そのままスプーン手前で3位に浮上する。
しかし前を走るトムス勢のペースにはついていくことができず、結局3位でレースを終えることになった。
それでも130R手前で記録された速度やセクター3のタイムではトムス勢を上回るものを見せており、VWエンジンのポテンシャルの高さをうかがわせていた。
一方、トップの山下は序盤から坪井を突き放そうとしたが、5周めに入ったあたりで坪井のペースが山下を上回るようになり、2周終了時点で1.3秒あった差は6周めにはわずか0.8秒に詰まってきた。
そこで山下は終盤までタイヤを温存しながらファイナルラップで一気に突き放す作戦に切り替えた。
コンマ7秒前後の間隔を保って追い上げていた坪井だったが、山下を抜き去るには今ひとつ決め手を欠き、結局山下がそのまま17周を走りきり、開幕2連勝をものにした。
一方Nクラスはス予選トップの片山がなんとスタートでエンジンストール。
一時は最後尾まで後退したが、圧倒的なペースの違いを見せつけてあっという間に2位まで浮上、10周めの1コーナーではトップの#30DRAGON(B-MAX)をパスしてそのままトップでチェッカーを受けた。
2位に終わったDRAGONだったが、こちらも昨日の決勝でのアクシデントにより3グリッド降格のペナルティを受けており、そこから見事なスタートであっという間にトップに立っており、片山に抜かれた後も離されずに隙を伺うなど、今後に向けて収穫はあったようだ。
3位には#9廣田築(アルビレックスF306)が昨日に続いて表彰台を獲得した。
全日本F3選手権第3戦、第4戦は5月14-15日に富士スピードウェイで開催される。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2016全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の2回目のフリー走行が4月24日朝、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#11伊沢拓也(REAL)が1’39.976でトップタイム。2位に#65ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、3位には#34小暮卓史(DRAGO CORSE)と、上位3台をホンダエンジン勢が占める結果となった。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは昨夜からの小雨も上がり、曇りながらも幾分暖かい陽気。
絶好のレース観戦日和となった。
スーパーフォーミュラのフリー走行は全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの走行に続いて午前8時50分より30分間で行われた。
2014年に現行のNREエンジンが導入されて以降、スーパーフォーミュラはトヨタ勢優位の状況が続いていたが、今週末はポールポジションを獲得した#16山本尚貴(TEAM無限)を筆頭にホンダ勢の好調ぶりが目立つ。
このセッションでも開始10分で伊沢拓也が1’39.976と唯一の39秒台を記録したほか、終盤にはバゲットが次第にペースを上げて1’40.027までタイムを縮めてきた。
伊沢、ブラー、小暮に続いては5番手に#40野尻智紀(DANDELION)、8番手に#41ストフェル・バンドーン(DANDELION)、9番手に#10塚越広大(REAL)とトップ10のうち6台がホンダユーザー。
ポールシッターの山本は1’42.795と19番手にとどまったが、14周と充分な距離を走り込んでおり、トラブルを抱えているわけではなさそうだ。
トヨタ勢最上位は#36アンドレ・ロッテラーの4位で1’41.227。
今週末は今ひとつパッとしない印象だが、昨年の勝者でもあり油断は禁物だ。
第1戦決勝は午後3時15分より43周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)は4月23日、第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の開催されている三重県の鈴鹿サーキットで恒例のサタデーミーティングを開催した。
今回の話題は先日発表された白井裕代表取締役社長の任期満了に伴う退任と、倉下明新社長の就任について。
白井氏はホンダでF1エンジンの開発やスーパーGTのプロジェクトリーダーとしてNSXの開発を指揮したのち、2010年4月にJRP社長に就任。
フォーミュラニッポンからスーパーフォーミュラへの呼称変更や、「クイック・アンド・ライト」を目標に掲げた新シャシー、SF14の採用など、これまでに数々の改革に取り組んできた。
この席では就任以来の6年間を振り返り、「就任前のリーマンショックや2011年の東日本大震災など、決して良い環境でスタートしたわけではなかったが、そんな環境下でフォーミュラカーのレースをどのように活性化していけばいいか、名実ともに日本最高峰のレースとしていくにはどうするか、を課題にしてきた。そのためにはスポンサーを、日本だけでなく海外にも目を向けていかなければならない。そのために高性能なレース車両を投入してアピールしていかないとと。そうした発想で『クイック・アンド・ライト』を掲げてSF14を導入し、コーナリングスピードにおいては日本、アジア最速というだけでなく世界最高水準にあることを証明できた。今後は認知度を上げていくことが課題になる。アジア展開などやり残したことは多々あるが、それは倉下明新社長にお願いし、今後は技術顧問として質の高い競技、という分野を領域に取り組んでいきたい」と挨拶した。
倉下明新社長は1986年にフジテレビに中途入社。以来約20年にわたりプロ野球ニュースを始め、オリンピックやバレーボール中継などスポーツ番組の現場で活躍し、Jスポーツの立ち上げにも深く関わってきた。今後はそうした経験を生かし、放送を中心としたプロモーションをメインに取り組んでいきたいと抱負を語った。
なおハード面、競技運営に関しては技術顧問に就任する白井氏と二人三脚で頑張っていくとのことだ。
ミーティングの最後には中嶋悟取締役会長をはじめ多くのドライバーやチーム監督、エンジンを供給するホンダやトヨタの歴代プロジェクトリーダーが登場。
白井氏に花束とモデルカーを贈り感謝の言葉を述べた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本F3選手権第1戦の決勝が4月23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36山下健太(ZENT TOM’S F312)が後続をまったく寄せ付けずに12周を走りきり、見事ポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
Nクラスは予選1位の#78片山義章(Petit LM Racing)がデビュー戦を勝利で飾った。
先に行われたスーパーフォーミュラの公式予選が相次ぐ赤旗で遅延したため、第1戦決勝は当初予定から20分遅れの午後3時50分より12周で行われた。
好天に恵まれたこの日の鈴鹿サーキットだったが、F3の決勝が始まる頃には分厚い雲が上空を覆い尽くした。しかしレースは最後までドライコンディションで行われた。
ポールシッターの山下はそのままトップで1コーナーに飛び込むと、一気に後続を突き放しにかかったが、後方でNクラス同士の接触があり、2周目からセーフティーカーが導入されてしまった。
アクシデントを起こしたのは#30DRAGON(B-MAX)と#5アレックス・ヤン(ハナシマ)。場所はホームストレートだった。
これで一気にマージンを失った山下だったが、3周終わりのリスタートをうまく決めて再び後続との差を広げにかかった。
その後方では予選4番手の#23千代勝正(B-MAX NDDP)がスタートで今回がデビュー戦となる#37坪井翔(トムス)と#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP)の間隙をすり抜けて2番手に浮上していた。
その後もこの3台は数周にわたって接戦を繰り広げ、5周めの130Rでマーデンボローが坪井に並びかけると、坪井も一歩も引かずに並走のままシケインへ。
ここでは3位を守った坪井だったが、マーデンボローは続く6周めの1コーナーでアウトからかぶせて坪井を抜き去り、次の周には同じ1コーナーで千代をも攻略して山下の追撃に取り掛かった。この時点でのトップとの差は2.8秒余り。
マーデンボローはその後も山下との差を着実に削り取っていったが、山下もファイナルラップでセクター1、セクター2と区間ベストを出す走りで応じ、最後は1.3秒差でマーデンボローを退けて開幕戦を制した。
なお3位には11周めの1コーナーで千代をアウトから抜き去った坪井が入った。
一方Nクラスはスタートで出遅れながらも1周終わりのDRAGONとヤンのアクシデントをかわした片山がそのままトップで走りきり、デビュー戦で勝利をものにすることに。
2位には#9廣田築、3位には#10岡崎善衛とアルビレックスレーシングチームの二人が入った。
全日本F3選手権第2戦の決勝は明日朝10時5分より17周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の公式予選が4月23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#16山本尚貴(TEAM無限)が昨年の最終戦に続いて2戦連続でポールポジションを獲得した。
2番手は#2国本雄資(P.MU CERUMO INGING)、3番手にはこれがデビュー戦となる#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がつけた。
タイヤサプライヤーがブリヂストンからヨコハマに変わって初めての公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われたが、Q1、Q2と立て続けに赤旗中断となる荒れた展開となった。
予選Q1
20分間で行われる予選Q1は、各チームともいつものようにユーズドタイヤでコースインした後に残り7分を切ったあたりで一旦ピットイン、ニュータイヤに履き替えて本格的なアタックに取り掛かるという流れて進行した。
ところがこのアタックの最中に#19J.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がダンロップコーナーを立ち上がったところでスピン、コース上にストップしたために最初の赤旗が提示されてしまう。
セッションは2時23分から規定通り残り3分で再開したが、今度は#4ウィリアム・ブラー(KONDO)がスピン、ここが黄旗区間となってしまった。
これの煽りを食ったのが前年チャンピオンの#1石浦宏明(CERUMO INGING)と64中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)。アタックの真っ最中にここを通過したためにタイム抹消のペナルティを受け、それぞれ15位と19位に降格となった。
このほかスピンしたオリベイラとブラー、そして1’40.908におわった#18中山雄一(KCMG)がノックアウトされ、ここで予選を終えることになった。
トップは山本で1’38.609だった。
予選Q2
Q2もまた、肝心な残り1分で#37中嶋一貴(TOM’S)がスプーンカーブでスピンしたことにより2度目の赤旗中断に。
中嶋はこの時点で8位につけていたが、自力でピットに戻ることができずにそのままクルマを降りたため、ノックアウトが確定。
セッションは2時55分に残り3分で再開されたが、この時点で既に1’38.187を記録してトップに立っていた山本、1’38.427で3位に付けていた国本はコースインせず、この時点で1’38.329で2位にいた#8小林可夢偉も少し遅れてコースには出たものの、アタックには加わらずにそのままピットに戻ってしまった。
結局この3人のタイムを上回るドライバーはなく、4位#41ストフェル・バンドーン(DANDELION)、5位#34小暮卓史(DRAGO CORSE)、6位#20関口雄飛(TEAM IMPUL)、7位塚越広大(REAL)、8位#40野尻智紀(DANDELION)らがQ3に進出した。
予選Q3
相次ぐ赤旗中断の影響でQ3は当初予定より21分遅れの午後3時8分にコースオープン。
ここでは順当に2周のウォームアップ走行ののちにアタックが開始され、ルーキーの関口が1’37.952と最初に1分37秒台のタイムを記録すると、すぐ後ろを走っていた国本が1737.820とわずかにそれを上回ってきた。
続く小林、バンドーン、野尻らは二人のタイムにわずかに及ばなかったが、最後の最後に山本が1’37.459とこの日の最速タイムを叩き出し、昨年のJAFグランプリに続いて2戦連続でポールポジションを獲得。
金曜の専有走行ではトラブルに苦しみ、今朝のフリー走行では16番手と今ひとつの結果に終わった山本だったが、終わってみれば全ての予選セッションでトップという申し分のない結果をものにした。
先日のF1バーレーンGPで10位入賞を成し遂げたバンドーンも4番手とまずまずの位置から明日の決勝に臨む。
第1戦決勝は明日午後3時15分より43周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
トムス勢強し!
全日本F3選手権第2戦の公式予選は、第1戦でポールポジションを獲得した#36山下健太(ZENT TOM’S F312)がコースレコードをさらに更新、見事2戦連続ポールを達成した。
2番手には又しても#37坪井翔(ZENT TOM’S F312)が続き、チームトムスがフロントローを独占した。
第1戦の予選終了から10分間のインターバルを置いて第2戦の公式予選が始まった。
陽射しはますます強まり、汗ばむ陽気の中、好調トムス勢は第1戦同様に2周をウォームアップに充ててたった1回のアタックを敢行、山下が1’51.575、坪井が1’51.915を記録した。
これに続いたのは#23佐々木大樹(B-MAX NDDP)で1’51.923。
以下、#22ヤン・マーデンボロー、#21千代勝正とB-MAX NDDP勢が続き、#2石川京侍、#12牧野任祐の戸田レーシング、#7阪口晴南、#8大津弘樹のHFDP勢と終わってみればエンジンメーカーごとにグリッドが分かれる結果となった。
Nクラスは#78片山義章(Petit LMレーシング)が再びトップ。#30DRAGON(B-MAX)が2番手という結果だった。
第2戦決勝は明日朝10時5分より17周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第1戦の公式予選が4月23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、参戦3年目を迎えた#36山下健太(ZENT TOM’S F312)が1’51.681のコースレコードを樹立してポールポジションを獲得した。
全日本F3選手権の2016シーズンは選手権クラス11台、Nクラス5台がエントリー。
毎戦予選落ちが出ていた1980年代とは比べるべくもないが、次第に盛り上がりをみせつつある。
昨年のチャンピオン、ニック・キャシデイがスーパーGTのGT500クラスへ、ランキング3位の高星明誠がヨーロッパのブランパン耐久シリーズへ、同4位の福住仁嶺はGP3へと巣立っていったが、変わってFIA-F4からチャンピオンの坪井翔と同2位の牧野任祐、同3位の大津弘樹がステップアップ。引き続きFIA-F4を戦う阪口晴南も今シーズンはF3とのダブルエントリーに挑戦するなど、今季も時代を担う若者たちが激しい戦いを繰り広げそうだ。
その最初の公式予選は午前10時45分より10分間で行われた。
2周目から徐々にペースを上げていく作戦をとったのが#23千代勝正、#21佐々木大樹、#22ヤン・マーデンボローらのB-MAX NDDP勢。
今季からフォルクス・ワーゲンエンジンを搭載し、開幕前のテストでも好タイムを連発していたが、今回は3周目に1回だけアタックを行ったトムス勢に軍配が上がった。
ポールポジションは#36山下、ルーキーの#37坪井が2番手につけ、それぞれ1’51.681、1’51.916を記録した。
山下のタイムは従来のコースレコードである1’51.877をも上回っている。
3番手には今季から日本でレース活動を始めた#22マーデンボローが続いた。
彼はGP3でも勝利を挙げており、フォーミュラでの実力は折り紙付きだ。
一方NクラスはこちらもFIA-F4から活躍の場を移してきた#78片山義章(Petit LMレーシング)がトップ。開始早々にアクシデントによりフロントウィング左側を失った片山だったが、見事リカバーをして見せた。
第1戦決勝はこの後午後3時30分より12周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権の2016シーズンがついに開幕!!
第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」最初のフリー走行が4月23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#34小暮卓史(DRAGO CORSE)が1’38.686でトップ。
注目の#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION)は0.414秒差の7位だった。
公式予選日の鈴鹿サーキットは好天に恵まれ、朝から薄着で過ごせる初夏の陽気。
フリー走行は午前9時30分から60分間で行われたが、途中2回の赤旗中断が入るなど、開幕戦らしい荒れた幕開けとなった。
最初の赤旗は開始5分。
#34小暮が2コーナー先でスピン、コースを半分塞ぐ形でストップしてしまったためだ。
同時にスプーンでは#3ジェームス・ロシター(KONDO RACING)がスピンアウトしていた。
この2台のピットインを待って9時42分に走行は再開したが、それからわずか8分後にデグナーカーブの二つ目で#18中山雄一(KCMG)がコースアウト、クラッシュバリアに真横から突っ込んで止まってしまったため、2回目の赤旗が出てしまった。
その直前には新スポンサーを獲得してカラーリングも一新した#19J.P.デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がロシターと同じ場所でコースを飛び出していた。
中山の車両回収ののち9時57分に走行は再開、各ドライバー様々なトライを行ったのち、残り7分を切ったところでほとんどのドライバーがニュータイヤに履き替えて予選シミュレーションを行った。
ここで最初に1分38秒台に入ってきたのが#2国本雄資(CERUMO INGING)で1’38.839、これを#8小林可夢偉(TEAM LeMans)が1’38.818と上回り、チェッカー寸前に小暮が1’38.686で一気にトップに躍り出た。
4番手には#11伊沢拓也が1’38.882で続いており、今回はホンダ、トヨタが全く互角の状況だ。
公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsprots Forum
2016オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月10日、岡山国際サーキットで行われ、予選3番手からスタートした#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)が巧みなピット戦略でトップに立ち、そのまま逃げ切って開幕戦を制した。
GT300クラスは#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)がチーム設立3年目にして待望の勝利を挙げた。
(天候:曇り コース:ドライ 観客動員数:予選9,600人/決勝19,000人/大会総入場者数28,600人)
第1戦決勝は午後2時40分より82周で行われた。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#37KeePer RC F。2番手に#6ワコーズRC F、3番手#1モチュールGT-Rとオープニングラップはほぼ予選順位どおり。
トップの37号車をドライブしたジェームス・ロシターは快調にトップとの差を広げにかかり、一時は7秒以上のマージンを築き上げたが、15~20周あたりから路面にで始めたタイヤカスを拾ってしまい、次第に苦しい走りを強いられるようになってきた。
その後方では3番手スタートの#1モチュールGT-Rをドライブするクインタレッリが36ワコーズRC Fのアンドレア・カルダレッリとのギャップを次第に詰め、26周めのヘアピンで6号車のインに飛び込む。
これを懸命にこれを押さえ込み、2位をキープしたカルダレッリだったが、28周めのアトウッドカーブ立ち上がりで再びクインタレッリがインに並びかけ、ヘアピン手前で前に。そのままロシターを追い上げにかかる。
大量リードを築き上げながらクインタレッリの追撃を受ける格好になったロシターは35周めにピットイン。その頃にはタイヤに付着したタイヤカスのために非常に滑りやすい状態になっており、37号車がピット入り口にさしかかったときには1号車は真後ろまで接近していた。
37号車のピットインで暫定トップに立った1号車は39周終わりで松田にチェンジ。
ここでピットワークの迅速さでは定評のあるニスモのピットクルーは40.8秒の作業時間で松田をコースへ送り出した。
この時点で37号車を駆る平川亮は10秒後方にいた。
先月の岡山、そして富士スピードウェイで行われた公式テストでは今ひとつの結果に終わったミシュラン勢だったが、気温の上がった今週末に持ち込んだタイヤが路面コンディションに見事にマッチしており、懸命に追い上げる平川を尻目に松田は徐々にリードを広げ、最後は2位以下に15.3秒の大差をつけて久々の開幕戦優勝をものにした。
逆に平川はレース終盤、後方から追い上げてきたクルマを抑え込むので手いっぱいの状況に陥ってしまう。今回がGT500デビュー戦となる#46S Road GT-Rの千代勝正だ。
36周めに本山哲からステアリングを託され、#6ワコーズRC Fの後ろ、4位でコースインした千代は49周目でアウトから、50周目もアウトから、51周目はインからヘアピンで#6大嶋和也に並びかけるが、大嶋はこのアタックをことごとく退け、3位の座を守りにかかる。
しかしそれでも千代は52周目のヘアピンでもう一度アウトから大嶋にかぶせ、そのまま並走状態で立ち上がると、続くリボルバーコーナーでようやく前に出た。
この時点で2位平川は10秒以上前にいたが、1分24秒〜25秒台で周回を重ねる平川に対して千代は1分23秒台を連発、次第にその差を詰めていき、70周を過ぎた頃には完全にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。
しかし平川は巧妙にGT300の周回遅れを利用し、コースの要所要所を押さえて千代の追撃をかわし続け、最後まで2位を守りきった。
惜しくも3位に終わった千代だったが、コース幅をいっぱいに使ったエキサイティングなバトルは確実にファンの心をつかみ、チームの信頼を勝ち取ったようだ。
滅多にチームメートを褒めないという本山からもレース後に「最高だった」と声をかけられたという。
GT300クラスは、ポールポジションからスタートした#25Vivac 86MCがトップを快走する中、予選2番手の#65LEON GT3も離されずに25号車を追う展開に。
1秒前後の僅差で#25土屋武士を追った#65黒澤は当初の予定より早めの31周目にピットインすると左側2本のタイヤのみを交換して蒲生に交代した。
レース後に黒澤が語ったところでは、ピットタイミングは早めたものの、タイヤ交換については最初からこうする予定だったという。
公式テストを通じてタイヤメーカーと話し合い、「いける」と判断したとのことだ。
この作戦が功を奏し、蒲生は34周目のアトウッドカーブで前を行く#25松井孝允のインをついにこじ開け、トップに浮上することに成功すると、そのまま一気に後続を突き放し、最後は2位に12.9秒もの大差をつけて、念願の初勝利をものにした。
一方抜かれた松井はその後もペースが上がらず、#4初音ミクAMG GT3の谷口信輝、#7Studie M6の荒聖治、#11ゲイナーAMG GT3の平中克幸、#51JMS 488GT3の新田守男らに次々と抜かれて順位を落とし、6位でフィニッシュすることとなった。
次戦は富士スピードウェイでの500kmレース。
5月4日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Motorsports Forum
さる2月4日、トヨタのモータースポーツ活動計画発表の席で現役引退を発表した脇阪寿一の引退セレモニーが4月10日、スーパーGT第1戦が行なわれている岡山国際サーキットで行われた。
ファンや関係者に向けて感謝の言葉を述べる脇阪に、GTA代表の坂東正明氏は「これからはスーパーGTの広告塔になってほしい。監督なんかつまんねえな、ドライバーに戻りてえなと思ったらすぐに電話してきてほしい」と声をかけた。
またこのセレモニーには参加全ドライバーが参加。
集合写真や胴上げが行われる間は笑顔で応じていた脇阪だったが、最後に二人の愛息が壇上に上がってこれまでの労をねぎらう言葉を口にすると、とうとう堪えきれずに涙してしまった。
脇阪は最後にトヨタクラウンのオープンカーに乗り込んでパレードランを行い、コースサイドのファンに向かって手を振ったが、そのもう一方の手には今は亡き恩師松本恵二さんのヘルメットを大事そうに抱えていた。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
今回のGTA定例会見では、今後の動向が注目されているDTMとの車両規則統一についても坂東代表が言及した。
スーパーGTのGT500クラスと、ヨーロッパで人気のドイツツーリングカー選手権(DTM)の車両規則は、当初2017年からエンジンも統一されることになっていたが、昨年発生したVWによる排ガス不正事件の余波はドイツの自動車業界全体にも及ぶ深刻な状況となっており、このあおりを食らった状態でドイツのメーカー3社は2017仕様の新規エンジン開発を2019年まで延長することに決めてしまった。
しかしこれで規則統一の話がなくなったわけではなく、GTアソシエイションとDTMを運営するITRの間では「費用対効果を優先する」との前提で今も話し合いが続けられているといい、来月11にはメルセデスベンツ、BMW、アウディの担当者と、ITRのハンスベルナー・アウフレヒトが来日してステアリングコミッションが開催される予定になっているとのことだ。
GT500クラスとDTMクラス1車両の規則が今後どうなっていくのか、5月11日にはその答えがわかりそうだ。
なお、この話とは別にGT500車両については来年モノコックの更新が予定されており、それに伴って安全性確保の観点から25%以上のダウンフォース削減が図られるという。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
GTアソシエイション(GTA)は4月10日、スーパーGT第1戦の開催されている岡山国際サーキットで定例会見を行い、今シーズンのレギュレーション改正の概要と狙いについて、坂東正明代表がコメントした。
まず、スーパーGTを参加型のレースからプロフェッショナルなシリーズへと確立していくため、今季からチームにはシリーズ全戦の参加義務が課せられる。
ただしタイ大会については現地チームのワイルドカード参戦を認めるとのこと。
またウェイトハンデについては、GT500クラスで昨年まで認められていた50kgを超えた分をリストリクターで調整するというやり方を改め、最大100kgまでのウェイトを積まなければならなくなった。
これはサーキットレイアウトによっては燃料リストリクターの制限が有効に機能しないケースがあるためだ。
またこれにはヨーロッパのDTMとの規則統一のスケジュールが延期になっていることも背景にあり、そちらの統一規則が確立されるまではGTAが独自のスタンスで運営をしていくことにしたという。
またこれとは別個に、安全性の向上を目的に、燃料リストリクターは一律で5%縮小されているとのことだ。
さらに今年から予選結果へのポイントが復活し、ポールシッターには1ポイントが与えられることになったが、これは土曜日をこれまで以上に盛り上げるためだという。
またピットレーンの安全確保のため、今年からセーフティーカーが導入されている間は一切のピット作業が禁止されることになった。
昨年のSUGO大会ではSC中に多くのチームがピットへ殺到し、出口で渋滞が起きるなどのアクシデントが発生したが、こうした事態を防止するための措置だという。
なお、この間にガス欠などの理由でピット作業を行った場合はペナルティの対象となる。
さらにセーフティーカーが隊列をうまくコントロールできず、SCランが何周も続くような状況になった場合はタワーの判断で赤旗中断もありうるとのことだ。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
川端開幕2連勝!!
FIA-F4選手権第2戦の決勝が4月10日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#88川端伸太朗(SUCCEEED SPORTS)が終始危なげのない走りで15周を走りきり、昨日の第1戦に続いて連続でポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
朝一番に行われたスーパーGTのフリー走行が相次ぐ赤旗中断により5分延長となったため、第2戦決勝は予定より5分遅れの午前10時5分にフォーメーションラップを開始した。
ホールショットを奪いトップを快走する川端の後方では、予選2番手の#4河野駿佑(FIELD MOTORSPORT)、#8上村優太(HFDP)、#7石坂瑞基の3台が僅差で続き。さらに11番手からスタートした#9阪口晴南(HFDP)もこの集団に加わる展開となった。
阪口は5周めのアトウッドカーブで石坂のインをついて4位に浮上、するとその前方では上村がヘアピンで河野をアウトから攻略して2位に浮上し、一気に川端との差を詰めにかかる。
4位に浮上した阪口も河野との差を一気に詰めていくが、10周めのヘアピンでインに飛び込んだ際に河野と接触してしまい、グラベルに飛び出してレースを終えてしまう。
河野もこの接触でフロントウィングにダメージを負い、後続に次々とパスされてしまった挙句、ポストからオレンジディスクを提示されてしまい、11周でレースを終えることになった。
こうした中、トップの川端は終始安定したペースで上村の追撃を退け、最後は1.8秒差でチェッカーを受け、開幕戦に続いて勝利をものにした。
3位は石坂。参戦2年目にして待望の初表彰台となった。
優勝 川端伸太朗のコメント
昨日と同様、前半には自信があったので、前半である程度のマージンを稼げたのが良かったかなと。上村選手が2番手に上がったんですけど、1戦目を見てもペースが良さそうだったので、とりあえずプッシュし続けて。最後は後ろのペースが落ちてきたので、こっからまたひきはなしにかかろうと思ってプッシュしました。
2位 上村優太のコメント
昨日よりもいいスタートを切ることができたんですけど、順位アップには至りませんでした。 トップの川端選手に離されるのが怖かったので、河野選手を早い段階で抜きたかったんですが、実際にはコーナーによって近づくところ、離されるところがあって、なかなか自分で分析できずに抜くための作戦が作れなくて。最終的にはヘアピンでアウトからオーバーテイクすることができて、そこから切り替えてトップを取りに行ったんですけど、終盤タイヤがタレてきたときに僕が合わせることができなかったのが敗因かなと思います。 河野選手は締め方もうまいし、苦戦しましたね正直。次頑張ります。
3位 石坂瑞基のコメント
スタートは無難に決まって、1周目で4番手に上がることができました。ヘアピンでアウトから並んで入って抜いたときも躊躇なく動けたのは良かったです。4番手に上がってからも3位2位の選手をおびやかしていければ良かったんですけど、ペースが上がらなくて逆に後ろの阪口選手に抜かれてしまって。そこからはペースが上がってきたので前の選手と勝負しないとなと思っていたところで、前の2台がああいう形でいなくなってしまいました。その後は自分のペースをしっかり保って、むしろ前の2代に近づいていけたんじゃないかなと思います。今後は前半のペースを上げていかないといけないな、というのが課題です。それと予選の順位をなんとかしないと。6位からトップに行くまでにはあれだけの差がついてしまうので、予選をもっと。2列目、フロントロー、もちろんポールポジション取れたら一番いいですけど、予選がすごく大事だなと思いましたね。
TEXT: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum