2009オートバックス スーパーGT第7戦、「富士GT300kmレース」の決勝が9月13日、富士スピードウェイで行われ、
エンジン交換により10グリッド降格となった#8ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)が序盤から猛烈な追い上げをみせ、
今季初勝利をもぎとった。
GT300クラスは#81ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢組)がピットストップで左タイヤ2本のみ交換というギャンブルを敢行、
終盤#11JIM GAINER ADVAN F430(田中哲也/平中克幸組)の猛追を受けるが、
最後まで抑えきってこちらも待望の今季初勝利を挙げた。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:33000人)
雨に翻弄された公式予選日とは打って変わり、決勝日の富士スピードウェイは快晴の下で決勝レースを行うこととなった。
フォーメーション開始は午後2時。
スタートでは予選3番手の#36ペトロナスSCを駆るアンドレ・ロッテラーが得意のスタートダッシュでインから一気にトップに躍り出る。
後れをとったポールシッターの#32エプソンNSXは後方集団に飲み込まれた挙句、#6エネオスSCと接触してスピン、
すぐにコースには復帰したものの一気にクラス最後尾まで順位を落とすこととなった。
#6エネオスSCはスタートドライバーのビヨン・ビルドハイムのアグレッシブな走りで2位の#1モチュールGT-R、
トップのペトロナスSCを次々に攻略して3周目にはトップに立つ。
しかし32号車との接触に対しドライブスルーのペナルティが課せられてしまい、ビルドハイムは6周終わりでピットイン、
これにより再びペトロナスSCがトップに復帰した。
2位には6周目の1コーナーでモチュールGT-Rを攻略した#24HIS GT-Rが上がってきた。
しかしその後方からは24号車をも上回るハイペースで追い上げてくるクルマがいた。
それがファーマンの駆る#8ARTA NSXだった。
昨日の予選で2位タイムを記録しながら、エンジン交換によるグリッド降格で12番手からスタートした8号車だったが、
オープニングラップで9位、2周目8位、3周目7位と着実に順位を上げて10周目には4位、13周目にはモチュールGT-Rを抜いて3位、
そして20周目、リヤタイヤが苦しくなってきた24号車がプリウスコーナーでアウトにはらんだところにファーマンが飛び込み、
2位をもぎ取った。
残るは1台、トップを快走するペトロナスSCのみだ。
ファーマンは手綱を緩めることなく首位ロッテラーとの差を詰めていく。
そして遂に25周目、ファーマンは最終コーナーでロッテラーのインにノーズをねじ込み、トップに躍り出た。
当初40周あたりでピットストップを行う予定でハードタイヤを選択していた8号車だったが、結局32周終わりでピットイン、
残り34周を伊沢に託すこととなった。
伊沢はアウトラップの100Rで一旦はペトロナスSCを駆る脇阪寿一に先行を許すこととなったが、
タイヤに熱が入ってからはハイペースで周回を重ね、脇阪とのギャップを詰めていく。
そして38周目のダンロップコーナーで、遂に伊沢は脇阪のインに飛び込みトップを奪い返した。
抜かれた脇阪はその後、3位モチュールGT-Rの猛追を受け、伊沢を追うどころではなくなってしまう。
伊沢は2位以下のバトルを尻目に34周を走りきり、今季待望の、
そして伊沢自身にとってはGT500デビュー以来初の勝利をものにした。
2位には65周目の最終コーナーでペトロナスSCのインに割って入ったブノワ・トレルイエの駆るモチュールGT-Rが入った。
なお、ポールシッターのエプソンNSXは結局9位。序盤トップ3に絡む活躍をみせていたHIS GT-Rは46周目に、
前を走っていた#55J-TRUSTポルシェから脱落した運転席側のドアにボンネットを直撃され、
その弾みでキルスイッチが作動してしまってダンロップコーナーでストップという不運に見舞われ、
その後レースには復帰したものの13位に終わっている。
毎回荒れに荒れるGT300クラスだが、今回も最後まで目の離せない接戦が展開されることとなった。
オープニングラップを制したのは予選2番手の#81ダイシンフェラーリ。
しかし2周目に入ったところで#33ハンコックポルシェ、#87ガイヤルドに立て続けに抜かれて3位に後退してしまう。
スタートドライバーの藤井はその後、
8周目に87号車に抜かれて2位に落ちた33号車を駆る影山正美と抜きつ抜かれつの接戦を30周近く繰り広げながら35周終わりで同時にピットイン。
ここで81号車は左タイヤ2本交換というギャンブルに踏み切って大幅に作業時間を短縮、見事33号車を出し抜いたばかりか、
トップを快走していた87号車をも抜き去ることとなった。
87号車はピットストップを終えてからペースが上がらず、終盤は左リヤタイヤとフェンダーが干渉するトラブルなどに見舞われたため、
結局11位でレースを終えた。
大胆な作戦でトップに立ったダイシンフェラーリだったが、タイヤの磨耗は予想以上に激しく、終盤ペースダウンを余儀なくされる。
このため、一時は8秒以上あった2位とのギャップも、周回を重ねるにつれて徐々に削り取られていく。
2位を走っていたのは#11ジムゲイナーF430。
トップ争いは奇しくもフェラーリ同士の戦いとなった。
11号車の後半を担当した平中は1周1秒近いペースで81号車との差を詰めていき、
ついにGT300クラスにとっては残りあと2周となった60周目にはテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。
完全に山のなくなった右側タイヤのため、左コーナーが苦しくなってきた81号車の青木を平中は執拗に攻め立てる。
そしてその左コーナーの一つ、プリウスで遂に平中は青木に並びかけた。
懸命に押さえ込む青木。
2台はもつれ合うようにしてファイナルラップに突入した。
平中は61周目の13コーナーで再び青木に並びかける。
プリウス、パナソニックと両者は接触も辞さない激しい併走状態を続け、そのままフィニッシュラインに飛び込んだ。
駆ったのはダイシンフェラーリ。
その差は僅か0.372秒だった。
3位には#66ムルシエラゴが入り、前半81号車と熾烈なバトルを繰り広げていた33号車は結局6位に終わった。
なお、ポールスタートの#88ガイヤルドはオープニングラップを4位で終えると、その後も3~4位あたりの走行に終始し、
中盤移行は更に順位を落としていくこととなり、10位に終わっている。
次回第8戦の舞台は九州のオートポリス。
10月18日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
GTアソシエイション(以下GTA)は9月13日、
スーパーGT第7戦が行われている富士スピードウェイでフリー走行終了後に定例会見を行った。
今回の話題は、終盤戦の見どころ、それと関連して今シーズンより導入された新しいウェイトハンデ制の狙い、
第7戦より実施された特別性能調整、来年に予定されているオールスター戦の進捗状況など。
終盤戦の見所とオールスター戦の進捗については坂東正明GTA代表取締役、
特別性能調整についてはレース事業部の佐藤直樹執行役員より説明があった。
内容は下記のとおり。
終盤戦の見所と、今シーズンのウェイトハンデ制について
基本的な考え方は、
昨年のもてぎ以降見られたような9位狙いの戦略など、お客さんにとってわかりにくい展開を是正する、ということ。
第1戦から第6戦までは獲得ポイント掛ける2kg、第7戦と第8戦は掛ける1kgで、最終戦はノーハンデのガチンコ、ということにしたが、
ここまで非常に白熱した展開になったと感じている。
終盤戦も昨年以上に盛り上がると思う。
(フル参戦していないハンコックポルシェなどへの対応について)フルシーズンエントリーしているチーム、スポンサーさんを尊重する意味で、
例えば4戦しか出ない、というところへはそれなりに対応する。
9戦に関しても、9戦出ているチームはノーハンデ、ということだ。
(実際に第7戦にエントリーしている#33ハンコックポルシェは従来どおり40ポイント×2kgのウェイト80kgを搭載している)
特別性能調整について
今シーズン、NSXとGT-Rは特認ということになっているが、
6戦までのは接戦が続き、お客様にも喜んでいただけてると思う。
しかしレクサスSC、NSXの3.4リッターエンジンに対し、GT-Rは4.5リッターエンジンを搭載している。
このトルク特性の違いにより、単独タイムでは同等でも、例えばGT300を抜いていくときなどに有利に働いていると考えられる。
そこで今回から、GT-Rを厳しくするのではなく、SCとNSXのリストリクターを半ランク緩和する方向で調整を行った。
今シーズンは第9戦までこのままで行く予定だ。
オールスター戦について
フォーミュラニッポンを統括するJRPとはまだ会議を持っていないが、
富士スピードウェイとは話を始めたところだ。
より多くの方にモータースポーツ、特に四輪を知ってもらうため、丸一日、朝から晩までいて楽しめるものをやりたい。
2ディにするか3ディにするかはこれから考えていく。
またパドック裏にも出来るだけ多くのお客さんがフリーで入っていただけるようにしたい。
色々なイベントも開催したいので、地域の方々とも話し合っていくし、
異業種にも入ってもらうという意味でブルーインパルスにも要請を出している。
クラシックカーも走らせたいし、往年の名選手である監督たちにも走ってもらいたいと思っている。
実現に向けて今動いているところなので、詳細についてはもう少し待って欲しい。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第7戦、富士GT300kmレースの決勝前フリー走行は、#6ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・
ビルドハイム組)が1分35秒422でトップタイム。GT300は#26UP START
タイサンポルシェ(黒澤治樹/阿部翼組)が1分45秒026でトップだった。
公式予選に大きな影響を及ぼした雨は夜半過ぎに上がり、決勝日を迎えた富士スピードウェイは薄曇りの天候となった。
しかしまだ路面には濡れた箇所が残っているため、午前8時30分開始のフリー走行はウェット宣言の元で行われることとなった。
しかし実際には全車スリックタイヤでほぼ問題なく走行でき、開始早々から#3ハセミGT-Rのロニー・
クインタレッリが1分39秒086を記録して昨日の予選タイムを大幅に上回ってきた。
GT500クラスはその後、#6エネオスSCを駆るビルドハイムがセッション中盤に1分35秒422までタイムを縮めてトップに立ち、
これがそのままベストタイムとなった。
2番手にはハセミGT-R、3番手には#24HIS GT-Rがつけ、ポールシッターの#32エプソンNSXは8番手で走行を終えている。
GT300クラスは、
序盤#46エスロードZの柳田と#19ウェッズスポーツIS350の織戸学が互いにタイムを上げながらトップを争う格好になっていたが、
開始10分過ぎに#26タイサンポルシェの黒澤がトップに立ち、1分45秒026までタイムを縮めてきた。
さらに終盤に入って#81ダイシンフェラーリ、#43ARTAガライヤらもタイムを上げ、終わってみれば#26タイサンポルシェがトップ、
2番手に#19ウェッズスポーツIS、3番手に#81ダイシンフェラーリがつけるという結果に。
#46エスロードZは星野一樹に後退したセッション終盤にダンロップコーナーでストップ。すぐにコース復帰してピットに戻ったが、
決勝への影響が心配される。
決勝レースはこのあと午後2時から、66周で戦われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #32EPSON NSX
- ロイック・デュバル
-
最高です。今シーズンはここまで大変な一年でしたが、今日はクルマの状態も良く、ポールが取れたので最高の気分です。
雨という難しいコンディションも僕らに有利に働きましたね。
スーパーラップのときは、過去に1コーナーでミスをしたことがあるので緊張しました。それでコース前半はなるべく慎重に走って、
後半部分で思い切りプッシュしました。1周を通じて全くミスをしないでいけたのが良かったのだと思います。
明日はどうなるか想像も付きません。今週末ドライでは誰も走っていませんからね。だから今夜は明日もレインコンディションで走れるよう、
レインダンスをやることにします。きっとサプライズだらけの一日になると思いますよ。
- 中山 友貴
-
デュバル選手は先日フォーミュラニッポンのチャンピオンを獲得したので、今日はやってくれると思っていました。
僕は午前中の練習走行と、予選一回目では基準タイムを出すために走っただけですが、午前中は雨が強く、
それなのにワイパーの調子が良くなくて視界の悪い中での走行になりました。それでもクルマのバランスは良かったので、
攻めて走ることが出来ました。
明日はミスなく走るのが一番の仕事だと思います。精一杯、自分にできることをやって、集中力を高めて走ります。
GT300クラス #88triple aガイヤルドRG-3
坂本 祐也
今日は最初タイヤの選択で迷いましたが、ウチのチームは3台も走らせていますし、そのうち2台がガイヤルドで、
お互いにデータを共有していたのでそこから決めることが出来ました。
クルマはドライでも良かったし、ウェットでもそこそこ良かったんですが、ハンコックの雨タイヤの強さも知っていたので、正直、
ハンコックにポールはとられると思ったんですが、モニターで正美さんがミスったとこをみつけて、「いけるかも」と思い、終わってみれば
「あら?とっちゃった」みたいな感じでした。
明日はドライだと思いますが、皆同じ条件です。ドライでもやれる自信はあります。松田さんがクルマを仕上げてくださっているので、
あとは僕が結果を残すだけです。
明日もここ(記者会見場)に呼ばれるように頑張ります。
松田 秀士
坂本君には去年の鈴鹿1000kmから走ってもらって、今年初めて組ませてもらったんですが、
1000kmのときから順応性の高い選手だと知っていたので、今日はそんなに心配していませんでした。
スーパーラップで実際の走りを見ていて「とれるかも?」ってわくわくしていました。
明日は自分の仕事をこなすだけです。ここ3戦、体制を一新し、チーム全員が力を入れてクルマを作ってくれてますし、
今回も新兵器を投入しています。ウェットでこれだけよかったのだから、ドライでもきっといいだろうと思います。
この歳でポールをとらせてもらって嬉しいので(笑)、明日は何とかしないと、と思ってます。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO / Photo:Keiichiro TAKESHITA
2009オートバックス スーパーGT第7戦、「富士GT300kmレース」
のスーパーラップはセミウェットの難しいコンディションの下で行われ、GT500クラスは#32EPSON NSX(ロイック・
デュバル/中山友貴組)が今季初のポールポジションを獲得。32号車は今日行われた全てのセッションで一番時計を記録、
好調ぶりを見せ付けた。
GT300クラスは#88triple aガイヤルドRG-3(松田秀士/坂本祐也組)がポール。ランボルギーニ・
ガイヤルドは参戦3年目にして遂にスーパーラップに2台を送り込んだだけでなく、初のポール獲得をもものにした。
スーパーラップは午後2時35分、GT300クラスから行われた。
朝からの雨は一旦止んだが、気温が18℃と低いこともあって路面は中々乾かず、
終始ウェット宣言のもとでタイムアタックが行われることとなった。
この難しい路面コンディションが影響し、スピンやコースオフする車両が相次ぎ、
2番目に出走した#87ガイヤルドの井入宏之がコカコーラコーナーでオーバーランを喫したほか、
#43ガライヤを駆るベテラン新田守男も1コーナーとダンロップでオーバースピードから姿勢を乱して大きくタイムロスする羽目に。
#26タイサンポルシェの阿部翼は13コーナー立ち上がりでスピンしてしまいノータイムという結果になってしまった。
そんな中、
今季好調の#81ダイシンフェラーリを駆る青木孝行は1'56.638といちはやく1分56秒台を記録して2番手にジャンプアップしてきた。
しかし予選1回目を3番手で終えた#88ガイヤルドの坂本は青木のタイムを僅かに上回る1分56秒623を叩き出し、自身初、
ガイヤルドという車種にとっても初めてのポールポジションをもぎとった。
予選1回目トップの#33ハンコックポルシェも、80kgのウェイトハンデをものともせず、
ベテラン影山正美が果敢にアタックしたものの1分56秒926と、惜しくも2台の後塵を拝することとなった。
続いて行われたGT500クラスのアタックにおいても、#18ロックスター童夢NSXの小暮卓史、
#12カルソニックGT-Rの松田次生といったトップクラスのドライバーたちがスピンにより後方に沈む波乱の展開となった。
小暮はそれでも1分53秒155でコントロールラインを通過したが、松田はそのままグラベルでストップ。
最終的には、両者ともSL手順違反によりノータイムの裁定が下っている。
その一方で、最初に出走した#36ペトロナスSCのアンドレ・ロッテラーは1分47秒407と健闘、
このセッションで4位にジャンプアップしてみせた。
ポイントリーダーの#1モチュールGT-Rも久々にアタッカーを務めるブノワ・
トレルイエが1分46秒700の好タイムを記録して3番グリッドをものにした。
しかし今日の主役はなんといっても#32エプソンNSXだ。
デュバルは1分46秒111とトレルイエを大幅に上回り、今シーズン初のポールポジションを、
今日行われた全てのセッションで一番時計を叩き出すというおまけつきで達成した。
また#8ARTA NSXのラルフ・ファーマンも1分46秒373とトレルイエを上回ってみせたが、
こちらはエンジン交換による10グリッド降格が決まっているため、明日の決勝は12番手からのスタートとなる。
なお、今回のスーパーラップにおいて、#32、#8、#18、#74、
#26が計測ラップ以外でヘッドライトを点灯したとして訓戒のペナルティが下されている。
第7戦決勝は明日午後2時より、66周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
スーパーGT第7戦、富士GT300kmレースの公式予選1回目は、#32EPSON NSX(ロイック・
デュバル/中山友貴組)が公式練習に続いてのトップタイム。FN王座獲得で勢いに乗ったデュバルが1分45秒842を叩き出した。
GT300クラスは#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/木下みつひろ組)がトップ。
ここまで2戦して2勝と与えられた僅かなチャンスを確実にものにしてきたベテランコンビが奇跡の3勝目に挑む。
公式予選1回目は午後0時50分開始。
一時上がっていた雨は予選開始と同時に再び降り始め、
以降GT500の専有走行終了まで降ったり止んだりの難しいコンディションでのアタックとなった。
25分間で行われた2クラス混走セッションでは公式練習で後方に沈んでいたGT-R勢が息を吹き返したかのように好タイムを連発。
まず#12カルソニックの松田次生が1分46秒328でトップに立つと、
それをペナルティポイントの累積により前戦鈴鹿を欠場した#1モチュールのブノワ・トレルイエが1分46秒066で上回ってトップ浮上。
しかし開始20分過ぎに#6エネオスSCの伊藤大輔が1分46秒271を記録し、2台のGT-Rに割って入った。
この時点でのNSX最上位は#100レイブリックの4位。公式練習トップの#32エプソンは7位に終わっていた。
しかしGT300に続いて行われた10分間の専有走行では、雨が止み、路面の水量が減っていくにつれて#18ロックスター、
#32エプソンの2台のNSXがタイムを縮めていく。
ドライバーはロイック・デュバルと小暮卓史だ。
混走終了時点ではSL圏外にいた18号車を駆る小暮が9位、8位、4位と走るたびにじわじわと順位を上げると、
フォーミュラニッポンではチームメイトのデュバルも最初のアタックで1分46秒267を記録して2位浮上、
次のラップでは1分45秒842とこのセッションで唯一の45秒台を叩き出し、堂々トップに躍り出た。
12号車を駆る松田も懸命にタイムを削ってくるが、1分46秒032と一歩及ばず。
暫定2位でこのあとのスーパーラップに臨むこととなった。
3位にはポイントリーダーの#1モチュールGT-Rがつけた。
なお、#8ARTA NSXはこのセッションを4番手で終えているが、予選後にエンジン交換を行ったため、
予選結果から10グリッドの降格が決定している。
GT300クラスは、富士を得意とする#26タイサンポルシェが混走序盤にトップに立つが、
開始20分過ぎに#43ガライヤの高木真一が、続いて専有走行では#33ハンコックポルシェの影山正美が阿部翼のタイムを上回り、
終わってみれば今季まだ3戦目のハンコックポルシェが80kgのウェイトハンデをものともせず、1分55秒357で暫定ポールをもぎとった。
タイサンポルシェは終盤阿部が1分55秒945を記録して2番手に食い下がり、奇しくもポルシェ911の暫定1-2という結果となった。
3位には#88ガイヤルドがつけ、ポイントリーダーのガライヤは結局4番手でこの予選を終えることとなった。
スーパーラップはこのあと午後2時35分、GT300クラスより行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA
2009オートバックス スーパーGT第7戦、「富士GT300kmレース」の公式練習が9月12日午前、
富士スピードウェイで行われ、#32EPSON NSX(ロイック・デュバル/中山友貴組)が1分45秒453のトップタイムを記録した。
GT300クラスは#81ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢組)が1分55秒078でトップだった。
公式予選日の富士は朝から雨に見舞われた。
このため、午前9時5分から1時間40分間で行われた公式練習は冒頭からウェット宣言と「ライトオン」の指示が出されることとなった。
この状況の中、最初にトップタイムを記録してきたのは第5戦、第6戦と勝利まで後一歩のレースが続いている#6エネオスSC。
伊藤大輔が1分46秒051を記録したが、
開始30分過ぎに先日オートポリスでのフォーミュラニッポン第7戦で見事シリーズチャンピオンを獲得したデュバルが1分45秒453を記録、
一躍トップに躍り出た。
32号車は先日の第6戦鈴鹿でのアクシデントによりエンジン交換を余儀なくされていたが、GTAより
「事故の検証が出来たためスポーティングレギュレーション第12条参加車両9で定めた罰則を免除する」
との文書が9月3日付けで出されており、これによるグリッド降格などは行われない。
続いて#36ペトロナスSCのアンドレ・ロッテラー、#39サードSCのアンドレ・クートらも伊藤のタイムを上回り、39号車が2位、
36号車が3位となり、6号車は4位に落ち着いた。
雨はその後、走行開始から40分が経過したあたりで一時かなり強まり、路面はヘビーウェットの状態となったため、
各車とも最初の40分間で記録したタイムがこのセッションのベストとなった。
結局トップ6はNSXが2台、SC430が4台という結果になり、
GT-R勢最上位は#12カルソニックの7位と苦しい滑り出しとなった。ランキングトップの#1モチュールGT-Rは12番手に終わった。
GT300クラスは#81ダイシンフェラーリが序盤から好タイムを記録、
そのまま最後までトップの座を明け渡さずに100分間を走りきる結果となった。
2番手にはストレートの長い富士を得意と知る#26タイサンポルシェがつけ、ランキングトップの#43ARTAガライヤが3番手となった。
なお、今季のレギュレーション改訂により、この第7戦から各車のウェイトハンデは獲得ポイント×1kgに軽減されているが、
#26タイサンポルシェ、
#33ハンコックポルシェの2台については参戦数が7戦に満たないことを理由にこれまで同様にポイントの2倍のウェイトを積むことが決まっている。
これにより2クラス全体でも最大の80kgを積むこととなった#33ハンコックポルシェだが、
それでも7番手タイムを叩き出して気を吐いてみせた。
第7戦の公式予選1回目はこのあと、午後0時50分より行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

第7戦の優勝記者会見に続いて、ドライバーズチャンピオンを獲得したロイック・デュバルと、
チームタイトルを獲得したナカジマレーシングの記者会見が行われた。
- ロイック・デュバル(ドライバーズチャンピオン NAKAJIMA RACINGドライバー)
-
一言で言ってグレートな気分です。
今日はスタート直後のことがあったので、チャンピオンが獲れてこの喜びはひとしおです。
チーム全員がいい仕事をしたと思うし、とにかく凄くグレートなフィーリングだしとてもハッピーです。
正直どっちかというとブノワを警戒していたんですが、予選で後ろに下げられたときより、
1コーナー過ぎてからのほうがプレッシャーを感じました。ブノワは5以下6位まで上がっていたのがわかって、
そのときは本当にやばいと思いました。
今週は土曜がああいうことになって、1コーナーもああいうことがおきて、最悪のウィークエンドだと思ったが、
ピットストップのあと上位に上がれ、気が付いたら3位でフィニッシュできて良かった。
チームには本当に感謝しています。
皆さんに恩返しすることができて最高だと思います。
- 小暮卓史(NAKAJIMA RACNGドライバー)
-
チームチャンピオンは素晴らしいと思うし、チームスタッフが喜んでる姿を見てよかったと思う。
本当は前回、前々回で決めてあげたかったです。
ここでチームチャンピオンが獲れて良かったですし、ロイックとはドライバー同士お互いに刺激し合えたし、いい戦いが出来てよかった。
ロイック選手には心からおめでとうといいたいです。
自分が優勝したレースなのに僕のことが忘れられてるみたいで少し寂しかったけど、
とるべきときにポイントをとっていないと大変なことになるとは判っていたが、ロイックは着実にそれを実現していたので、
今年はロイックにチャンピオンの資格があったのかなと思います。
- 中嶋悟(NAKAJIMA RACING監督)
-
結果的にドライバータイトルもチームタイトルも獲れて嬉しいんですけど、この二人であればもう少し早く結果を出せたと思うんですが、
プレッシャーもあっただろうし、それがレースの難しさなんだと思います。
今の心境は、とにかく嬉しいです。
何年も後ろに居たもので、そういう意味では本当にうれしいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2009全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦オートポリスの決勝が8月30日、大分県のオートポリスで行われ、
ポールシッターの#32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が今季2勝目を挙げた。
小暮はスタートで出遅れたものの、ピット戦略で見事にトップを奪い返すと、最後は後続に19秒以上の大差をつける独走状態に持ち込んだ。
2位にはロケットスタートで一気に順位を稼いだ#36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、
3位には#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)が入り、ランキング2位のブノワ・トレルイエ(LAWSON
TEAM IMPUL)は8位に終わったため、最終戦を待たずしてデュバルのシリーズチャンピオンがここで決定した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:11,630人)
決勝レースは午後2時30分にフォーメーションラップが開始された。
ところがここで#48立川祐路のクルマにギヤボックストラブルが見つかり、立川はスタートできず。修復作業は長引き、
立川は結局13周遅れでコースに加わったが、26週を走ったところで再びピットイン。そのままレースを終えた。
スタートでトップに立ったのは、なんと2番手スタートの#41伊沢拓也だった。
小暮は出遅れてロッテラーにもかわされてしまい、一気に3位に後退してしまう。
一方、昨日の予選の混乱で結局10位からのスタートとされたデュバルも、
1コーナーでアウトに押し出されて12位で1周目を終えることになった。
トップの伊沢と2位のロッテラーはほぼ同ペースで周回を重ねるが、伊沢は徐々に差を広げていく。小暮、塚越、国本、トレルイエ、
石浦らはほぼ1秒前後の等間隔だ。
その4秒後方には、#40リチャード・ライアンを先頭に5台の集団が形成されていった。
その中にはエンジン換装で最後尾スタートとなった#36大嶋和也が含まれていたが、大嶋は早くも11周目にピットイン。
タイヤ交換と給油を済ませると、13周目には1分36秒台のラップタイムを叩き出し、
その後もトップの伊沢をも上回るハイペースで追い上げを開始する。
トップ集団は小暮が22周目、ロッテラーが23周目にピットイン。
この間の作業時間の差と、インラップ、アウトラップの差で小暮はロッテラーの前に出たばかりでなく、
10秒以上のマージンを築くことに成功した。
続いて伊沢が24周目にピットイン。ところが右前輪の交換に手間取って31秒もの間ピットに留まる羽目に陥って順位を落とし、
つかみかけた勝利を逃す結果となった。
レースが全周回数の半ばを過ぎ、上位陣が一通りピットストップを済ませたとき、トップに居たのはなんと大嶋だった。
下位グリッドからのスタートが決まっていた大嶋は予選からニュータイヤを温存する作戦をとり、1スティト目、
2スティント目とニュータイヤで飛ばしに飛ばしていたのだ。
しかしこのトップ進出にはもう一つの理由があった。
それが判明したのは35周目だった。
ここで大嶋は2度目のピットイン。
初めから2ストップ作戦を想定して軽めのタンクで走っていたのだ。
ここで3セット目のニュータイヤを投入した大嶋だったが、2スティント目に充分なマージンを築くことが出来なかったために後退、
結局9位でレースを終えることとなった。
2ストップ作戦を採用したのはもう1台、リチャード・ライアンが居たが、ライアンは結局10位。
今回に関しては2ストップ作戦は正解ではなかったようだ。
これで労せずしてトップに立った小暮は快調に周回を重ね、最後はロッテラーに19秒626の大差をつけて、
第3戦もてぎ以来の勝利をものにした。
一方、チームメイトにしてポイントリーダーのデュバルは1周目に12位まで後退したものの、
自身のピット戦術がうまくいったことに加えて、
前述の伊沢のトラブルやトレルイエのピットでのエンジンストールによる大幅なタイムロスなどもあり、
レース中盤を過ぎた頃には3位まで順位を上げていた。
結局デュバルはそのまま3位でフィニッシュ、トレルイエは8位に終わったために、第7戦終了時点でデュバル51ポイント、
トレルイエ40ポイント、小暮は36ポイントとなり、最終戦を待たずしてデュバルのドライバーズタイトルが確定した。
最終戦、第8戦の舞台はスポーツランドSUGO。
9月27日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
8月30日、オートポリスで開催された全日本F3選手権第14戦決勝は、#36井口卓人(PETRONAS TOM'S
F308)がポールポジションから後続を突き放して20周を走り切り、昨日に続いての2連続でのポール・トゥ・フィニッシュを達成。
ファステストラップも獲得してシリーズランキングでもトップに躍り出た。
Nクラスも#7山本尚貴(HFDP RACING)が後続に全く付け入る隙を与えずに5連勝を達成。ランキング2位の#佐藤公哉(NDDP
EBBRO)がスタートに失敗して6位に終わったため、こちらは最終ラウンドを待たずしてチャンピオンを獲得した。
第14戦決勝は午後0時45分にスタート。
ポールの井口がトップで1コーナーを通過していくと、その後方ではチームメイトの#1マーカス・エリクソンと#37国本雄資が2位を争い、
併走状態で1コーナーに飛び込んだものの、両者とも曲がりきれずにグラベルに飛び出し、後方集団に飲み込まれてしまった。
1周終わっての順位は井口、安田、コッツォリーノの順。
エリクソンと国本は、Nクラスの集団を1台ずつ抜きながらCクラス最後尾の#33岩崎裕貴を追いあげていく。
安田とスリーボンドチームも調子は上向いていたのだが、好天で気温が上がったことがマイナスに働き、
ここでは井口とトムスのコンビネーションには全く太刀打ちできなかった。
その後方のケイ・コッツォリーノもセッティングとドライビングに悩みながらの走行となっており、
表彰台圏内とはいえ決して満足のいくないようではなかったという。
その結果、レースは昨日に続いて井口の圧勝劇に終わり、井口は昨日今日で想定しうる最大限のポイント数である24ポイントを獲得、
エリクソンが結局岩崎を攻略できずに6位1ポイントに終わったため、獲得ポイントを98に伸ばし、
92ポイントのエリクソンに逆に6ポイント差をつけて次のSUGOに臨むこととなった。
Nクラスはスタートで佐藤が痛恨のストール。この間に#20アレキサンドレ・インぺラトーリ、#8小林崇志が順位を上げて2位、
3位に浮上する。
山本は後方から激しい追い上げを見せたCクラスのエリクソンと国本をうまくやりすごして2位とのギャップを広げ、
危なげない走りで第10戦鈴鹿からの連勝記録を5に伸ばし、最終戦を待たずしてシリーズチャンピオンの座をものにした。
次回はいよいよ最終ラウンド。
決戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGOだ。
Cクラスは依然として井口、エリクソン、国本のトムス勢3人にチャンピオンの権利があり、全く先が読めない状況だ。
一方のNクラスは既にタイトル争いは決着したとはいえ、山本が7連勝を全力で狙っていくと宣言しており、こちらも要注目だ。
第15戦、16戦SUGOは9月26-27日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦オートポリスのフリー走行2回目は、予選8番手の#8石浦宏明(Team
LeMans)が1分34秒296でトップタイム。#20平手晃平(ahead TEAM IMPUL)が2番手につけ、
ポールシッターの#32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)は6番手に終わった。
フリー走行2回目は8月30日、午前9時15分より30分間で行われ、途中大きなトラブルやアクシデントもなく終了した。
石浦は走り始めてすぐに1分34秒台のタイムを記録、その後も1分35~37秒台の安定したペースで走行を重ねた。
競技団のミスでQ3を走れなかった石浦だが、仕上がりは順調のようだ。
セッション中盤まで2位につけていたのは、前戦もてぎでのトラブルによりエンジン換装を行いグリッド降格となった#37大嶋和也、
3位は小暮だったが、チェッカー直前に平手が1分34秒911を記録、2番手に滑り込んできた。
このほかQ2のベストタイム抹消により10番手に降格となった#31ロイック・デュバルが4番手、
昨日の予選2位と久々にフロントローからスタートすることになった#41伊沢拓也が5番手のタイムをそれぞれ終了直前に出し、
最終的に大嶋が3番手、小暮は6番手でこのセッションを終えた。
第7戦決勝は午後2時30分より、54周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
フォーミュラニッポン第7戦の公式予選は、競技団の裁定ミスによりQ2で予選を終えているはずの31号車がQ3を走行した、
とする暫定結果に対してナカジマレーシングより抗議が出されていたが、結局8月29日20時05分付けで正式結果が出され、
審議の対象となっていた#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)の予選タイムはQ2の1分48秒331、
10番手で確定した。
これにより当初Q2を9位で終えていた#8石浦宏明(TeamLeMans)が8位、#2ブノワ・トレルイエ(LAWSON
TEAM IMPUL)が9位となった。
また、#40リチャード・ライアン(DOCOMO DANDELION)もQ3で黄旗区間中にベストタイムを出したとされ、
セカンドタイムの1分48秒689により予選7番手と決まった。
このほか、#37大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)は前戦もてぎでのトラブルによりエンジンを載せ換えているため、
10グリッド降格となり12番手から最後尾の13番手に下げられている。
第7戦決勝はこのあと午後2時30分より54周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本選手権フォーミュラニッポン第7戦、オートポリスの公式予選は先ほど#32小暮卓史(NAKAJIMA
RACING)がコースレコードを樹立して今季3度目のポールを獲得という形で終わったが、
その後競技団よりQ2の黄旗提示区間における各ドライバーのタイムの取り扱いに関して裁定ミスがあったとして、
それまで予選8位だった#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA
RACING)の予選タイムをQ2における1分48秒331として10位に、同じく9位でQ2落ちしていた#8石浦宏明(Team
LeMans)を繰上げで8位とする暫定結果を発行した。
これに対し、デュバルの所属するナカジマレーシングより公式予選Q2選出に関する抗議が提出され、現在、
当該競技会審査委員会で審議中である旨のインフォメーションが17時30分付けで発行されている。
このため、第7戦の予選結果はこの審議結果如何によって更に変更となる可能性が出てきている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2009全日本F3選手権第13戦の決勝が8月29日、オートポリスで行われ、
Cクラスはポールポジションからスタートした#36井口卓人(PETRONAS TOM'S
F308)が後続に全く付け入る隙を与えずに14周を走り切り、今季4勝目を挙げてポイントランキングでも2位に浮上した。
Nクラスは#7山本尚貴(HFDP RACING)が第10戦鈴鹿以来の4連勝を達成、早くもシリーズタイトルに王手をかけた。
(天候:晴れ コース:ドライ)
第13戦決勝は午後3時25分にフォーメーション開始。
スタート直後に#19関口雄飛と#5久保田克昭が絡むアクシデントによりいきなりセーフティーカーが導入される波乱の幕開けとなった。
2台はフロントを大破し、揃ってピット出口付近にストップ。そのままレースを終えることとなった。
セーフティーカーは3周終わりでコースを離れ、レースは再開。
福岡出身でこれがホームレースといえるポールの井口が序盤から2位以下を突き放しにかかり、5周終了時点では早くも2位#1マーカス・
エリクソンに1秒差をつけてきた。
懸命に追いすがるエリクソンだったが井口は徐々にその差を広げていき、ファイナルラップを迎える頃にはその差は3秒にも達していた。
最終的に井口はエリクソンに3秒6の大差をつけてフィニッシュ。
第3戦岡山以来、今季通算4勝目を挙げ、ポイントランキングで#37国本雄資を抜いて2位に浮上した。
Nクラスは上位争いの中にCクラスの#33岩崎裕貴が紛れ込むという見慣れた展開の中、
ランキングトップの山本が落ち着いて後続とのマージンをコントロールし、2位佐藤公哉に2秒032差でフィニッシュ。
第10戦鈴鹿以来の4連勝、今季通算6勝を挙げてランキング2位の佐藤との差を21ポイントとした。
山本は明日の第14戦でもポールポジションを獲得しているため、明日のスタート時点でその差は22ポイントに開く。
そのまま佐藤が山本の前でフィニッシュしなければ、最終戦を待たずして山本がNクラス王者になる。
第14戦決勝は明日午後0時45分より、20周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2009全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第7戦、オートポリスの公式予選は、
#32小暮卓史が1分32秒556と午前中に更新したレコードタイムを更に短縮、今季3度目のポールポジションを獲得した。
2位にはQ1から好タイムを連発してナカジマ勢に食い下がった#41伊沢拓也(DOKOMO DANDELION)、
3位にはルーキーの#10塚越広大(HFDP RACING)がつけ、ホンダエンジンユーザーが1-2-3位を独占する結果となった。

公式予選は午後1時45分より、ノックアウト方式で行われた。
Q1でトップタイムをたたき出したのは2年目の伊沢。
ここまで数戦の不振が嘘のように、セッション終盤に1分33秒015を叩き出し、小暮を僅か1000分の1秒差で退けた。
2位はその小暮。3位にはチームメイトの#31ロイック・デュバルがつけ、ナカジマ勢が相変わらずの速さを見せ付けた。
一方、Q2進出をかけたボーダーライン上の戦いは、#7国本京佑が1分34秒200で11位、
#36大嶋和也が1不34秒443で12位に終わり、大嶋は13位立川とともにここで予選を終える結果となった。
ただし大嶋は前回のリタイヤでエンジン換装を余儀なくされ、今回最初から10グリッド降格が決まっているため、
あるいは無理を避けての結果なのかもしれない。
10分のインターバルの後に行われたQ2でも伊沢の勢いはとどまることを知らず、
最初のアタックでいきなり1分32秒808をたたき出してみせる。
前回優勝の#36アンドレ・ロッテラーも1分32秒935で続くが、最後は小暮が1分32秒724を記録して堂々のトップ。
デュバルも1分32秒749で続き、このセッションはナカジマレーシングの1-2という結果に。
一方、Q3進出をかけた8位争いは、一旦は#20平手晃平のものとなったかに見えたが、
終了後に黄旗提示中のタイムの扱いを巡って審議が行われ、結局平手と、#2ブノワ・トレルイエの出したベストタイムが抹消とされたため、
それまで10位となっていた#7国本京佑が8位に繰り上がり、Q3へ駒を進めることとなった。
ここで平手、トレルイエとともに、#8石浦宏明が予選を終えた。
Q2の審議が行われた影響により最後のQ3セッションは開始が約10分遅れることに。
ここではまずロッテラーが1分33秒202を記録すると、その直後に伊沢がまたしても1分32秒814の好タイムを出してくる。
続いてアタックに入ったのはポイントリーダーのデュバル。
しかしデュバルは1コーナーでコースを飛び出し、タイヤバリアに突っ込んでしまった。
これによりフロントウィングとホイール1つを失ったデュバルはそのままピットに戻ってクルマを降り、8位が確定した。
しかしその直後、チームメイトの小暮は午前中のベストタイムをも上回る、1分32秒556の新コースレコードを叩き出し、
前回開催の2006年同様、ポールポジションから明日の決勝に臨むこととなった。
小暮のポール獲得は今季通算3度目。ナカジマレーシングは第3戦もてぎ以来5戦連続のポール獲得となった。
また予選2位は伊沢、3位には塚越が入り、ホンダエンジンが上位3台を独占することとなった。
第7戦決勝は明日午後2時30分より、54周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2009全日本F3選手権は、第13戦の公式予選に続いて行われた第14戦の公式予選でも#36井口卓人(PETRONAS
TOM'S F308)が1分40秒328と第13戦のタイムには及ばないながらも2戦連続でポールポジションを獲得した。
Nクラスもまた#7山本尚貴(HFDP RACING)が2戦連続ポールを獲得、Nクラス王座に向けて磐石の態勢だ。
第13戦の予選終了から10分間のインターバルをおいて午前11時25分より第14戦の公式予選が開始された。
ここでも山本、#23佐藤公哉、#8小林崇志、#20アレキサンドレ・インペラトーリらのNクラス勢が先にアタックに取り掛かり、
その5分後にエリクソンらのCクラス勢がアタックを開始する展開となった。
まずは開始8分過ぎにエリクソンが1分40秒998を記録、これを井口が1分40秒328で上回ると、
続いて#12安田裕信が1分40秒751で2位につける。
エリクソンもタイムを挙げてくるが、1分40秒761に留まり、結局井口、安田、エリクソンの順位はそのまま。
井口は終了まで2分以上を残して早々に走行を切り上げ、安田もそれに続いた。
4番手には#37国本雄資がつけ、#2ケイ・コッツォリーノは5番手から明日の決勝に臨むこととなった。
一方Nクラスにおいても山本の好調ぶりは揺るがず、1分42秒773と第13戦のベストタイムを上回って2連続ポールを決めてみせた。
クラス2番手はまたしても#23佐藤公哉、3番手には#20アレキサンドレ・インペラトーリがつけた
第14戦決勝は明日午後0時45分より、20周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第13戦の公式予選が8月29日、快晴のオートポリスで行われ、#36井口卓人(PETRONAS TOM'S
F308)が1分40秒159でポールポジションを獲得した。
Nクラストップは#7山本尚貴(HFDP RACING)で1分42秒920だった。
第13戦公式予選は午前11時より15分間で行われた。
最初にアタックを開始したのは#20アレキサンドレ・インペラトーリらのNクラス勢。
Cクラス勢は開始7分過ぎ辺りから本格的にタイムを出してきた。
まずは井口が7分40秒経過時点で1分40秒873を記録すると、その直後に#12安田裕信が1分41秒113、続いて#1マーカス・
エリクソンが1分40秒873を記録してきた。
しかしエリクソンはその次の周の第2ヘアピンで#2ケイ・コッツォリーノと絡み、早々と走行を切り上げることに。
コッツォリーノはそのままアタックを続行したが、このアクシデントにより予選終了直前まで黄旗が提示されることとなったため、
この後に出した1分41秒261は採用されず、前回優勝のコッツォリーノは午後の決勝を6番グリッドからスタートすることとなった。
井口はこの黄旗提示前に1分40秒159を記録、チェッカー提示を待たずして走行を切り上げている。
一方Nクラスは、ここまで3連勝中の山本が1分42秒920でトップ。連勝記録更新に大いに期待がかかる。
クラス2位には#23佐藤公哉がつけ、この2台はそれぞれ総合7位、8位と、Cクラスの#33岩崎裕貴を上回る結果となった。
第13戦決勝は今日の午後3時25分より、14周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2009全日本選手権フォーミュラニッポン第7戦オートポリスは、フリー走行1回目から続々と好タイムが記録され、
最終的には前13人中7人がコースレコードを更新することとなった。
そんな中、トップタイムを記録したのは#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)。タイムは1分32秒649だった。
2番手には#32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、3番手には#10塚越広大(HFDP RACING)がつけ、
ナカジマレーシングが1-2、ホンダエンジンユーザーが1-2-3を占めることとなった。

2006年以来3年ぶりの開催となったフォーミュラニッポンのオートポリスラウンド。
最初の走行となるフリー走行1回目は8月29日、午前9時45分より60分間で行われた。
公式予選日の天候は晴天に恵まれている。
開始早々から好タイムを記録してきたのは#8石浦宏明。
全開のもてぎではギヤボックストラブルに見舞われて惜しくも表彰台を逃したが、コンスタントに速さを見せるようになってきている。
#41伊沢拓也、#40リチャード・ライアンのダンディライアン勢が序盤2-3位につける。
一方、今季好調のナカジマレーシング勢は開始10分過ぎにコースイン。
小暮が開始15分過ぎに1分34秒111でトップに立つと、その3分後にはデュバルが1分34秒097で小暮を上回る。
二人はその後1分33秒代後半までタイムを縮め、早くもコースレコードに迫ってきた。
しかし3年前のレコードタイムを最初に打ち破ったのは2年目の伊沢だった。
終了10分前に彼が記録したタイムは1分33秒169。それまでのレコードである1分33秒424をコンマ3秒近く縮めてみせた。
しかしナカジマ勢はその伊沢のタイムを大きく上回り、遂に1分32秒台に突入。
デュバルが1分32秒649を叩き出すと、小暮も終了間際に1分32秒668までタイムを縮め、僅差の2位につけてきた。
このほか、ルーキーの#10塚越広大、ランキング2位の#2ブノワ・トレルイエ、前述の伊沢、前回優勝の#36アンドレ・ロッテラー、
石浦までの7人が最終的にコースレコードを更新する結果となった。
なお、10時10分頃に#20平手晃平のコースアウトにより赤旗中断があったが、その4分後には再開となり、
平手自身も無事走行を再開している。
第7戦の公式予選はこのあと午後1時45分より、恒例のノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum
2009オートバックス スーパーGT第6戦、「PokkaGTサマースペシャル」の決勝が8月23日、鈴鹿サーキットで行われ、
#35KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)がGT500初勝利を見事ポール・トゥ・フィニッシュで飾った。
GT300クラスのトップ争いはレース終盤までもつれにもつれ、ラスト2周でトップに立った#46エスロードMOLA
Z(星野一樹/柳田真孝組)が優勝。星野一樹は昨年の鈴鹿1000kmに続き、2年連続で夏の鈴鹿を制することとなった。
86周目から行われたセーフティーカーランは90周目まで続いた。
この間にGT500、GT300とも最後のピットストップを行うチームが相次いだ。
そんな中、88周終わりで最後のピットストップを行った#36ペトロナスSCから出火、火はメカニックにも燃え移る事態となったが、
36号車はなんとかレースに復帰、レースが再開してみれば総合2位に浮上していた。
トップは依然としてKRAFT SC。
石浦、大嶋コンビはピットストップ以外では一度もトップを明け渡すことなく121周を走り切るという、
これ以上ない形でGT500初勝利をものにした。
混乱の中、2位に浮上した36号車だったが、その後はペースが上がらず、
95週目のシケインで#3ハセミGT-Rを駆る安田裕信にインに飛び込まれて2位の座を明け渡した上、
103周目の130RではGT300クラスの#81ダイシンフェラーリと接触してしまい、
このことでドライビングスルーペナルティを課せられてしまう。
この結果、#36ペトロナスSCはこのレースを8位で終えることになってしまった。
この接触事故の間に3位に浮上したのは、第2戦鈴鹿を制した#38ZENTセルモSC。
このレースで引退を表明している金石勝智の乗る#17ケーヒンNSXは結局10位に終わり、金石勝智がラスト2周を担当、
最後のチェッカーを受けた。
GT300クラスもまたSCランの間に最後のピットストップを行うチームが相次ぎ、
レースが再開したときには#2アップルK-one紫電がトップに躍り出ていた。
しかし2位につけた#46モーラZ、3位の#43ガライヤとの差は僅か2秒足らず。
終盤46号車のステアリングを握った柳田は徐々に#2紫電の加藤寛規を追い詰めていき、
111周目のシケインで遂にアウトから加藤に並びかけると、そのままトップを奪い去ってチェッカーを受けた。
抜かれた加藤はその直後のホームストレートで#43ガライヤを駆る高木真一にも先行され、3位でこのレースを終えた。
レース中盤までトップを争っていた#11ジムゲイナーF430は結局5位。
#81ダイシンフェラーリは36号車との接触などもあって8位でレースを終えている。

次戦は富士スピードウェイ。
9月13日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA, Yoshinori OHNISHI
スーパーGT第6戦決勝はスタートから500kmとなる87周を消化した。
トップは依然として#35KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)だが、
85周目に左リヤタイヤのスローパンクチャーによりスロー走行していた#8ARTA NSX(ラルフ・
ファーマン/伊沢拓也組)が130Rに差し掛かったところでリヤから出火、そのままコース脇にストップしてしまったため、
この消化と車両排除のためにセーフティーカーが86周目に導入され、そのままSCランが続いている。
GT300クラスはこの時点で#81ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢/青山光司組)が再びトップに立っている。
中盤に差し掛かったGT第6戦。
快調にトップをひた走る35号車は58周目に2度目のピットストップを行い、再び石浦がステアリングを握った。
この間にトップに立ったのは、56周目の1コーナーで#3ハセミGT-Rを捉えて2位に浮上していた#6エネオスSC430。
しかしこの6号車は63周終わりで2度目のピットストップを行い、再びビヨン・ビルドハイムにスイッチしたところで突如スローダウン、64周目の立体交差下でストップしてしまい、そのままレースを終えることとなった。
全車が2度目のピットストップを終えた時点で35号車は再びトップに。
#3ハセミGT-Rがピットアウトの際に#1モチュールGT-Rに引っかかって遅れるなどした結果、#8ARTA NSXが2位に浮上した。
ところがこの8号車は左リヤタイヤにスローパンクチャーを発生させてしまい、ファーマンは我慢の走りを強いられてしまう。
その結果、85周目に入ったところで1コーナーをオーバーランしてしまい、その後もスロー走行でピットに向かう。
ところが不運はそれだけでは終わらなかった。
8号車は130Rに差し掛かったところでリヤから出火、火はどんどん燃え広がって後ろ半分が丸焼けの状態となってしまった。
これにより、消火活動と車両排除のために86周目にセーフティーカーが導入されることとなった。
GT300クラスは中盤に入っても変則的なピット作業を行うチームが相次いだ。
まずは#43ARTAガライヤが45周終わりで2度目のピットイン。これを給油のみの10秒ストップとした。
次に69周終わりで#81ダイシンフェラーリも給油のみのピットストップを行い、クラス2位のままピットアウト。
これにより、74周終わりで通常のピット作業を行った#11ジムゲイナーに代わり、81号車がトップに立っている。
なお、808号車は61周目の立体交差下でトラブルによりストップ、レースを終えている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA, Mami OKUDA
2009オートバックススーパーGT第6戦、「PokkaGTサマースペシャル」
はスタートから3分の1の周回数となる44周を消化した。
現在のトップはポールシッターの#35KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)、2番手には#3HASEMI TOMICA
EBBRO GT-R(ロニー・クインタレッリ/安田裕信組)、3番手には#6エネオスSC430(伊藤大輔/ビヨン・
ビルドハイム)がつけている。
GT300クラスは現在#11ジムゲイナーF430(田中哲也/平中克幸組)がトップを快走している。

決勝レースは午後3時にスタート。
スタート進行の途中から時折雨がぱらついてきたものの、全車スリックタイヤで走行を開始した。
幸い雨は強まることはなく、ここまではドライコンディションのままレースが進行している。
GT500クラスはポールシッターの#35KRAFT SCが序盤からトップを快走。
一時2番手の#3ハセミGT-Rに0.4秒差まで詰め寄られるが、
何とか凌ぎきってトップのまま28周終わりで1回目のピットストップを追え、石浦から大嶋にチェンジして走行、
全車がピットストップを終えた35周目に再びトップに返り咲いて2位に11秒差をつけて走行している。
2番手は、
序盤から#3ハセミGT-Rを駆るクインタレッリと#6エネオスSCを駆るビルドハイムとの間でドッグファイトが展開されたものの、
周回遅れが絡むにつれて両者の差は徐々に開き始めた。
そして30周前後から始まった各車のルーティンストップの間隙を縫って一時#8ARTA
NSXが33周目にピットストップを終えた直後に一時3号車の前に躍り出るが、8号車は41周目のシケインで痛恨のオーバーラン、
ここで一気に3号車と6号車の先行を許し、4位に交代している。ドライバーはスタートがラルフ・ファーマン、
2スティント目を伊沢拓也が担当していた。
また、今回で引退を表明している金石勝智をドライバーに迎えた#17ケーヒンNSXは、クラス最後尾からのスタートながら、
最初のピットストップをリヤ2本交換で済ませ、アウトラップから2番手の塚越広大がハイペースで飛ばしたことが功を奏し、
現在6番手まで浮上している。
なお、#32エプソンNSXは10周目に#808初音ミクBMW Z4との接触によりS字コーナーでコースアウト、
これがもとでエンジントラブルに見舞われて12周でリタイヤしている。
なお、接触した808号車に対してはドライビングスルーペナルティが課せられている。
GT300クラスは序盤から荒れに荒れた。
オープニングラップこそ#81ダイシンフェラーリがホールショットを奪ったものの、
ストレートスピードに勝る#26タイサンポルシェがスタートで2位に浮上、
3周目の1コーナーでは早くもダイシンを捕らえてクラストップに躍り出る。
しかし26号車は5周目に右リヤタイヤのバーストにより突如スローダウン。
場所がダンロップコーナーだったためピットに辿り着くまでに大きく遅れ、一気にトップから4周遅れとなってしまった。
その後も26号車は立て続けにリヤタイヤのバーストに見舞われており、上位進出はほぼ絶望的だ。
これでトップに返り咲いたダイシンフェラーリだったが、今度は#5マッハ号の追撃を受け、
23周目の130Rでアウトから抜かれてしまう。
しかしその5号車も、27周終わりで行ったピットストップの際にエンジンが再始動せず、いまだにガレージで修復作業を行っている。
変わってトップに立ったのは、予選2番手からスタートの#11ジムゲイナーF430だ。
マッハ号に続いてダイシンをスタートドライバーの平中克幸が攻略し、34周終わりで最初のピットストップを消化、
現在田中哲也がドライブしている。
なお今回3回のピットストップが義務付けられていることに対し、GT300クラスではエンジン停止のみのストップ・アンド・
ゴーや給油のみのスプラッシュ・アンド・ゴーで作業時間の大幅短縮を目論んだチームがいくつかみられている。
#2紫電は3周終わりで8秒間の給油のみを敢行、
#74カローラアクシオは9周目にエンジン停止のみで一切の作業を行わずにコースに戻っている。
また、#19ウェッズスポーツIS350は28周目のピットストップをリヤタイヤ2本交換のみで済ませている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA, Mami OKUDA
GTアソシエイション(GTA)は8月23日、スーパーGT第6戦が開催されている鈴鹿サーキットで定例会見を行い、
坂東正明代表が来年度のカレンダーについて説明した。

日程については既にJAFから8月10日付で発表されているが、
今後F1開催の申請が出されることになれば調整が入る可能性があるとのことだ。
また、今回オートポリス戦が外されることとなった経緯については、エントラントの経費削減という観点で様々な方法を検討した結果、
他に有効な方法がなかったことと、どうしても遠征費の高騰をカバーできなかったことなどから「断腸の思い」で決断したとのことであり、
GTAとしては将来的にオートポリス戦の復活にむけて取り組んでいくとしている。
また、今回初めてフォーミュラニッポンとの併催という形で予定されている特別戦に関しては、開催日が11月13-14日であることと、
開催地が富士スピードウェイであることだけが決定しており、内容については未だ検討中とのこと。
坂東代表は「決まり次第、きちんとした形で発表したい」としつつも、
FNにGT両方に出場しているドライバーを考慮してレース距離などを考えねばならないこと、
往年の名ドライバーに走ってもらうことも検討していることなどに言及している。
2010シーズンは3月20-21日の鈴鹿サーキットを皮切りに、10月23-24日のツインリンクもてぎまでのシリーズ全8戦と、
11月13-14日富士スピードウェイでの特別戦が開催される予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Yoshinori OHNISHI
2009オートバックス スーパーGT第6戦、「PokkaGTサマースペシャル」のフリー走行2回目が8月23日午前、
鈴鹿サーキットで行われ、#8ARTA NSX(ラルフ・ファーマン/伊沢拓也組)がトップタイムを記録した。
GT300クラスは昨日予選後の車検でエアボックスの違反によりタイム抹消とされた#66triple
aムルシエRG-1(山西康司/余郷敦組)がトップタイム。決勝での雪辱に向けて準備は万端だ。

昨夜のナイトセッションに続く2回目のフリー走行は午前10時10分より、30分間で行われた。
今年からレース距離が700kmに短縮されたことを受け、タイムスケジュールも従来より遅めとなっているようだ。
ARTA NSXは開始早々に1分57秒985を記録、これがそのままこのセッションのトップタイムとなった。
ポールシッターの#35KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)が2番手とここでも好調ぶりを見せている。
3番手には#24HIS KONDO GT-R(J.P.オリベイラ/荒聖治組)がつけており、ホンダNSX、レクサスSC、
ニッサンGT-Rがそろってトップ3を占める格好となった。
このレースを以って引退を表明している金石勝智がCドライバーに加わった#17ケーヒンNSX(金石年弘/塚越広大/金石勝智組)はこのセッションを12番手で終えている。
ポールの66号車が予選後の車検でまさかの失格となり、スタート前から波乱の様相を呈しているGT300クラスは、
そのムルシエラゴがセッション序盤に2分07秒371のトップタイムを記録。
最後尾スタートながらどこまで挽回できるか要注目だ。
繰上げポールとなった#81ダイシンADVAN Ferrari(青木孝行/藤井誠暢/青山光司組)はクラス11番手に留まった。
また、#46MOLA Zが右リヤタイヤのバーストで予定外のピットインを強いられたが、無事修復を終えてコースに復帰、
星野一樹がクラス3番手のタイムを記録して走行を終えている。
第6戦決勝はこのあと午後3時より、121周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #35KRAFT SC430
- 大嶋 和也
-
とにかくほっとしました。
1回目の走行はぎりぎりで通過して、2回目も周りが凄くタイムを上げていたので、
3回目は自分が今まで出したことのないようなタイムを出さなきゃいけなくなりましたが、なんとかミスなくまとめられました。
ポールは嬉しいですけど、逆に明日失敗すると目立っちゃうので....
ノックダウン方式は、二人ともタイムを出さなければいけないので、高い緊張感が続いて楽しかったです。でもスーパーラップも好きなので、
そっちもやってみたいです。
明日はスタートは石浦選手にお任せして、きっとトップで帰ってくると思うので、そこからはひたすら全開で逃げたいです。
SUGOも調子良かったのに結果が出なかったので、今回は絶対結果を残そうと思っています。
- 石浦 宏明
-
このレースの前にテストをやって、二人で走りこんだり、ニュータイヤを経験しました。
今日は最初から大嶋選手においしいとこを持ってってもらおうということになってましたが、ちゃんと有言実行してくれて、
安心してみていられました。
(大嶋にアタックを任せたことについて)二人でもそういう話をしていましたし、チームでもやらせようということになっていました。
(ノックダウン方式について)フォーミュラニッポンに近い感じで問題ありません。
二人とも緊張感もって取り組むところがいつもと違う感じですね。
GT300クラス #66triple a ムルシエRG-1
- 山西 康司
-
走り始めた時点では期待してなかったし、ウチは3台も走らせているので、
3台ともトップ10に残れればいい名くらいにしか思ってなかったんですけど、今日は走るたびに良くなってきたので、セッティングに関しては、
エンジニアとか余郷選手が今までやってきたことの積み重ねがうまくいったのかなと。
予選の出走順位はどっちがどう走るか直前まで手探りの状態でしたが、僕らにとってはうまくいきましたね。
でもスーパーラップはスーパーラップで違った面白さがあります。
明日は今日のことを忘れてがんばります。
- 余郷 敦
-
この順番で走ることは直前になって決めました。
午前中はアンダーが強すぎたんですが、予選までの短時間でうまくハマるセッティングが見つかりました。
普段だと予選は最初から役割分担が決まってて、一人だけがアタックをするんですが、今回は二人とも緊張感があって楽しかったです。
クルマのバランスも良くて調子いいので明日にも期待しています。燃費だけが心配ですけど、うまくまとめていきたいです。
※ この記者会見終了後、予選後の車検で#66ムルシエRG-1はエアボックスの違反がみつかり、予選タイムを抹消されることとなった。このため2番手タイムを記録した#81ダイシンADVAN Ferrari(青木孝行/藤井誠暢/青山光司組)が繰上げでGT300のポールポジションとなっている。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2009オートバックス スーパーGT第6戦、「ポッカGTサマースペシャル」の公式予選が8月22日、
鈴鹿サーキットで初のノックダウン方式を採用して行われ、#35KRAFT SC(石浦宏明/大嶋和也組)が初ポールを獲得した。
GT300クラスは#66triple a ムルシエRG-1(山西康司/余郷敦組)が、こちらも今季初のポールポジションを獲得した。
(天候:曇り コース:ドライ)

公式予選は午後2時40分開始。
ツインリンクもてぎでは一昨年より採用されているノックダウン方式による公式予選が今回初めて鈴鹿で採用された。
ただし、決勝レース距離が700kmということでCドライバーの登録が認められていることもあり、もてぎ方式とは異なり、
鈴鹿なりのアレンジが加えられた。
まず最初の走行となるセクション1は、30分間の2クラス混走と各クラス10分間の専有走行で構成され、
この間に登録ドライバー全員が予選通過基準タイムをクリアすることが求められることとなった。
また、もてぎにおいてはセッション1、セッション2、セッション3のいずれかで二人のドライバーが1回以上アタックをすれば、
出走順自体は自由であったが、今回はセッション2でアタックしたドライバーはセッション3に参加できないこととなった。
こうしたルールの下で行われたセッション1は、
混走終了まであと3分というところで今回初参戦の#62R&DスポーツレガシィB4(山野哲也/密山祥吾組)がデファレンシャルトラブルによりヘアピン先の200Rでストップしたため赤旗中断となり、
レガシィはここで惜しくも予選落ちとなった。
この時点でのGT500トップは第2戦鈴鹿で優勝している#38ZENTセルモSC(立川祐路/リチャード・ライアン組)。
GT300は#81ダイシンアドバンフェラーリ(青木孝行/藤井誠暢/青山光司組)がトップだった。
漏れたデフオイルから出火した62号車の消火活動と車両回収により10分間の中断の後、予選は再開。
3分足らずですぐにGT300の専有走行となったが、ここで菊池靖から番場琢にドライバーチェンジした#808初音ミクBMW
Z4が11番手タイムを叩き出し、見事セクション2進出を決めてみせる。
昨年のPokka1000kmでデビューして以来苦戦の続いていた初音ミク号だったが、
まる一年を経過して着実にポテンシャルを上げてきたようだ。
結局このセッション、トップはダイシンフェラーリ、2位には午前中の公式練習でトップタイムを叩き出した#66ムルシエRG-1がつけた。
一方、エンジンブローに見舞われたレガシイのほか、#31aprカローラアクシオ、#666フィールズBOMEX320R、
#4BOMEXライアンボクスター、#55J-TRUSTおうときっとポルシェらがここで予選を終えることとなった。
GT500クラスは#8ARTA NSX、#6エネオスSC、#38ZENT SCの3台が交互にトップを奪い合う展開となり、
最終的には#38ZENT、#6エネオス、#8ARTAの順でこのセッションを終えることに。
午前中の公式練習でクラッシュした#39サードSCと、
今回で引退を表明している金石勝智のドライブする#17ケーヒンNSXがここで予選を終えることとなった。
10分間のインターバルの後に行われたセッション2。
GT300クラスは#66ムルシエRG-1を駆る余郷が終始トップタイムを記録し続ける展開となり、
これに#43ARTAガライヤの高木真一、#81ダイシンフェラーリの藤井誠暢が続く。
ここで#5マッハ号、#2紫電、#87ガイヤルド、#46モーラZ、#10ジムゲイナーF360らとともに、#808BMW
Z4も脱落することとなった。
続いて行われたGT500クラスの専有走行は、#1モチュールGT-Rが本山哲、#36ペトロナスSCはアンドレ・ロッテラー、
#38ZENT SCは立川祐路と、
ウェイトハンデの大きいランキング上位陣がS3進出を確実にするために普段アタックを担当するドライバーをここで投入する作戦に出る一方で、
#8ARTA NSXは伊沢拓也、#6エネオスSCはビヨン・ビルドハイム、#3ハセミGT-Rは安田裕信を送り出してファーマン、
伊藤大輔、ロニー・クインタレッリを温存してきた。
それでも6号車は3位、8号車は4位、3号車は5位で無事S3進出を果たしたが、
#1モチュールGT-Rは結局このセッションを最下位の12位で終えることに。
トップは#38ZENT SCの立川。2番手にはフォーミュラニッポンでも好調な#35KRAFT SCの石浦がつけた。
このほか、#12カルソニック、#24HISとGT-R勢は3台がここで脱落、
#100レイブリックNSXもここで予選を終えることとなった。
ポールポジションを書けた最後の戦い、予選セッション3は午後4時20分に開始された。
GT300クラスは午前の公式練習から好調な#66ムルシエRG-1の速さがここでも際立ち、
山西は2分06秒952というこの日一番のタイムを残り時間2分で叩き出して見事ポールポジションをもぎ取って見せた。
2番手には#81ダイシンフェラーリ、3番手には平中克幸の健闘が光った#11ジムゲイナーF430がつけた。
GT500クラスは#6エネオスSCの伊藤が計測1周目から1分58秒台を記録、2周目には1分56秒656までタイムを縮めるが、
#8ARTA NSXのファーマンがそれを上回る1分56秒294を出してきた。
しかし、それを上回る好タイムを最初のアタックから叩き出して見せたのが#35KRAFT SCを駆る大嶋だ。
今季からGT500にステップアップしたルーキーはここで1分55秒724を出し、堂々トップに躍り出た。
続いて#3ハセミGT-Rのクインタレッリも1分55秒781と、大嶋に100分の5秒差まで迫る。
結局#6エネオスSCは伊藤が1分56秒013までタイムを縮めたが3位に終わった。
鈴鹿2連勝のかかった#38ZENT SCは結局、ライアンが4番手タイムを出すに留まり、NSX勢の最上位は#8ARTAの5位と、
依然として苦戦が続いている。
第6戦決勝は23日午後3時より、121周で行われる。
※ 予選後の車検で#66ムルシエRG-1はエアボックスの違反がみつかり、予選タイムを抹消されることとなった。このため2番手タイムを記録した#81ダイシンADVAN Ferrari(青木孝行/藤井誠暢/青山光司組)が繰上げでGT300のポールポジションとなっている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2009オートバックス スーパーGT第6戦、「PokkaGTサマースペシャル」の公式練習は、#38ZENT CERUMO
SC430(立川祐路/リチャード・ライアン組)が1分56秒883でトップ。2位には#35KRAFT
SC430(石浦宏明/大嶋和也組)がつけ、レクサスSCが1-2という結果になった。
GT300クラスは#66triple a
ムルシエRG-1(山西康司/余郷敦組)が終了間際に2分08秒843を記録してトップとなった。また、#88triple
aガイヤルドRG-3(松田秀士/坂本祐也組)もクラス4位につけ、ランボルギーニ勢が好調のようだ。

スーパーGT第6戦の公式予選日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から薄曇り。一時雨の予報も出ていたが、
午前10時40分から1時間45分間で行われた公式練習は終始ドライコンディションでの走行となった。
これまで「鈴鹿1000km」として長い間親しまれてきた夏の耐久レースだが、今年は経済状況などを鑑みて700kmレースとされ、
それに伴って名称も「サマースペシャル」と変更になっている。
それでもシリーズ中盤戦の山、という位置づけが変わることはない。
特に今年のレギュレーションにおいてこの鈴鹿戦は、シリーズポイント1点あたり2㎏というウェイトハンデで行われる最後のレース。
ランキング上位で重いハンデに苦しむチームにとっては最後の正念場。
逆にここまで好成績を挙げられていないチームにとっては最後のチャンスでもある。
いずれにせよ、ここでの結果がシリーズに大きな影響を及ぼすであろうことは間違いないだろう。
にもかかわらず、ランキングトップの#1モチュールオーテックGT-Rは、ペナルティポイントの累積によってブノワ・
トレルイエを欠く状態でこの鈴鹿戦に臨むこととなった。トレルイエの代役は今季FIA-GTでGT-Rを駆るミハエル・クルムが務める。
その1号車は、このセッションを6位とまずまずのタイムで消化した。
このほか、GT-R勢はセパンで優勝の#3ハセミGT-Rが最上位で総合3位、#12カルソニック、#24HISはそれぞれ9位、
11位に終わっている。
一方、この公式練習で好調ぶりを見せたのがレクサスSC勢だ。
セッション開始早々に#6エネオスSCがトップに立つと、その後も#35KRAFT、#38ZENTが次々にトップに立ち、
最終的に立川の出した1分56秒883がこのセッションのトップタイムとなった。
2位に#35KRAFT、4位にも#6エネオスがつけ、#36ペトロナスが7番手だ。
ここがホームコースのNSX勢は#8ARTAの5位が最上位と苦戦が続く。
GT300クラスは、開始早々から#81ダイシンフェラーリが好タイムを連発。
途中#43ARTAガライヤや#26タイサンポルシェ、#74aprカローラらがこれを上回るタイムを出してもすぐにトップを奪い返し、
チェッカー直前までタイミングモニターの最上位に位置していたが、
最後の最後になって突如#66ムルシエラゴを駆る山西が2分08秒843を叩き出してトップに立った。
また、
今回からの参戦を表明して注目を集めているR&Dスポーツの#62レガシィB4のタイムは結局2分15秒203に留まり、
最下位に終わっている。
一方、ここまで苦戦の続いていた#808初音ミクBMW Z4は今回Cドライバーで参加した番場琢が好タイムを記録、総合25位、
GT300クラス11位で走行を終えている。
スーパーGT第6戦の公式予選はこのあと午後2時40分より、鈴鹿では初めてのノックダウン方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
ナカジマレーシング、敗れる!
2009年全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦の決勝が8月9日、ツインリンクもてぎで行われ、
予選5位からロケットスタートを決めた#36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が今季初勝利を挙げ、
ナカジマレーシングの連勝に待ったを掛けた。
2位はポイントリーダーの#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA RACING)、3位には#2ブノワ・トレルイエ(LAWSON
TEAM IMPUL)が入った。
ポールスタートの#32小暮卓史(NAKAJIMA
RACING)はジャンプスタートによりドライビングスルーペナルティを課せられて最後尾に落ち、懸命に追い上げたものの6位に終わった。

第6戦決勝は午後2時30分スタート。
終始曇天の下でのレースとなったが、心配された雨は降ってこなかった。
最初に1コーナーに飛び込んでいったのは小暮、同じくフロントローのデュバルは出遅れ、後方から凄まじい勢いで飛び出してきたロッテラーの先行を許しただけでなく、予選3位の石浦にまで抜かれてしまった。しかしかろうじて石浦だけは5コーナーまでに抜き返し、デュバルは3位でオープニングラップを終えた。
その後方ではトレルイエ、#1松田次生のインパル勢2台とドッグファイトを展開していた#10塚越広大が130Rでアウトにはみ出し、一気に8位に後退してしまう。
トップの小暮は序盤からハイペースで飛ばし、
2周目にはこのレースのファステストラップとなる1分37秒612を記録して2位ロッテラーに早くも3秒差をつける。ところがその小暮に対し、ジャンプスタートという判定が下され、ドライビングスルーが課せられることとなった。
これにより小暮は4周終わりでピットイン。最後尾で戦列に戻ることとなった。
小暮のペナルティによりトップに繰り上がったロッテラーだが、すぐ後ろにはここまで3連勝中のデュバルが迫ってくる。
0.5秒から0.7秒の間隔を保って執拗に追い上げるデュバルだったが、ロッテラーも全く付け入る隙を見せずに周回を重ねていく。
結局、二人はテール・トゥ・ノーズの状態で30周を走って同時にピットストップを行うこととなったが、
ここでロッテラーがデュバルよりも4秒速く作業を終えてピットアウト、その上ロッテラーとデュバルの間には、
コースに留まり続けていた塚越が割ってはいる格好に。
この間にロッテラーは一気にデュバルとの差を広げ、32周終わりには8.483秒ものリードを築き上げることに成功する。
32周目の3コーナーで塚越を抜き返し、ロッテラーの追い上げに取り掛かったデュバルだったが、
ロッテラーも落ち着いてペースをコントロールし、一度もトップを脅かされずに52周を走り切り、今季初勝利を挙げた。
デュバルは最終的に2.259秒差まで追い上げたものの惜しくも2位。しかしランキング2位のトレルイエが3位に終わったため、
ポイントリーダーの座は守りきった。
一方、ペナルティにより最後尾に落ちた小暮は、14周終わりではやめのピットストップを行い、
前が開けた状態でハイペースの追い上げを計ったが、20周め以降はピットアウトしてきた#37大嶋和也に前を抑えられる展開となってしまい、
最終的に大嶋のリタイヤで一つ順位を繰り上げたものの6位でレースを終えることとなってしまった。
次戦の舞台は3年ぶりの開催となる九州のオートポリス。8月30日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
2009全日本F3選手権第12戦の決勝は、ポールポジションの#2ケイ・コッツォリーノ(TODA
FIGHTEX)がスタートから後続を突き放し、F3参戦2年目にして初優勝を達成した。
戸田レーシングにとっては2006年7月の第10戦鈴鹿以来、3年ぶりの勝利となった。(当時のドライバーは伊沢拓也)
Nクラスは#7山本尚貴(HFDP RACING)が昨日に続いて連勝、第8戦鈴鹿から3連勝を達成した。
Nクラス予選トップの#18関口雄飛(EBBRO AIM F307)はエンジントラブルからピットスタートとなり、
クラス5位でレースを終えた。
第12戦決勝は午後0時45分にフォーメーション開始。
ここでNクラスポールの関口のエンジンがかからず、ピットレーンに押し戻されることになった。
スタートを制したのはコッツォリーノ。凄まじいダッシュで2位の#37国本雄資を全く寄せ付けずに1コーナーに飛び込んでいった。
その後方では4位スタートの#12安田裕信が3位にジャンプアップ。先行された#36井口卓人は懸命にテールに喰らいつき、
順位挽回を図るが、安田は巧みなライン取りで井口のアタックを退ける。
この3位争いに昨日優勝の#1マーカス・エリクソンが僅差で続き、Cクラスはこの順位のまま周回を重ねていく。
トップのコッツォリーノは終始ハイペースで逃げに逃げ、11周目にはファステストラップも記録して、国本との差はどんどん開いていく。
最終的にコッツォリーノは2位以下に5秒近い大差をつけて20周を走り切り、F3参戦2年目にして念願の優勝を達成。
2位は国本、3位は安田となり、無限ホンダ、トムストヨタ、
スリーボンドニッサンと3メーカーのエンジンユーザーが揃って表彰台に上がる結果となった。
Cクラスは関口がピットスタートとなったことより先頭からスタートすることとなった山本が序盤から会長に後続を突き放し、
2位の#20アレキサンドレ・インペラトーリに14秒もの大差をつけて第8戦鈴鹿からの3連勝、今季通算5勝目を飾った。
3位はランキング2位の#23佐藤公哉。チームメイトの#22千代勝正を序盤に攻略し、インペラトーリに迫ったが、
こちらの攻略は叶わなかった。
ピットスタートの関口はトップと同等のハイペースで追い上げを計ったが、クラス5位に終わっている。
次戦オートポリスラウンドは8月29、30日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦もてぎのフリー走行は、#41伊沢拓也(DoCoMoDANDELION)がトップタイム。
ポールポジションの#32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)は3番手だった。
決勝日を迎えたツインリンクもてぎ上空には朝から分厚い雲が覆いかぶさっており、いつ雨が降り出してもおかしくない状況となったが、
午前9時35分より30分間で行われたフリー走行は終始ドライコンディションだった。
ここでのトップタイムとなった伊沢は開始早々に1分35秒961を記録、その後は決勝を睨んだロングランに終始した。
昨日の予選は12番手に終わり、Q1落ちを喫しているが、そのときのタイムをここで更新しており、
決勝に向けてクルマは改善されてきていることが伺える。
2番手には今週好調な#8石浦宏明がつける。オーバーテイクボタンを使用した際、4コーナーで市井を乱す場面も見られたが、
こちらも決勝に向けて準備は万全のようだ。
3番手はポールシッターの小暮。過去にもてぎでは2ピット作戦やハーフタンクでのスタートなど、
変則的な戦略で勝利をものにしてきたNAKAJIMA陣営だが、少なくともフリー走行に関する限り、
今回は特に目立ったことはしてきてはいない。
4、5、6番手には100分の1秒以内の僅差で#1松田次生、#36アンドレ・ロッテラー、#31ロイック・デュバルが続く。
ルーキー勢最上位は#37大嶋和也で8番手。
第3戦もてぎを多いに沸かせた#10塚越広大は9番手。
前回の鈴鹿でファイナルラップにクラッシュした#7国本京佑は10番手につけた。
第6戦決勝は午後2時30分より、52周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
ツインリンクもてぎで行われた2009全日本F3選手権第11戦の決勝は、ランキングトップの#1マーカス・
エリクソン(PETRONAS TEAM TOM'S)が危なげない走りでポール・トゥ・フィニッシュ。今季4勝目を挙げた。
Nクラスも#7山本尚貴(HFDP RACING)がスタートからクラストップを快走、
こちらも今季4勝目を挙げて2位佐藤公哉との差を更に広げてみせた。
決勝レースはフォーミュラニッポンの予選終了後、午後4時より14周で行われた。
ポールのエリクソンがホールショットを決め、序盤から2位のケイ・コッツォリーノとの差を徐々に広げにかかる。
3番手はエリクソンと同じトムスの#36井口卓人。予選3位の#12安田裕信はスタートで出遅れて4番手、
懸命に井口のテールに喰らい付くが、攻略の糸口が中々見つからず、逆にじりじり引き離されながら周回を重ねることになる。
シリーズポイント同点でエリクソンを追う#37国本雄資は5位。
Cクラスはこの順位のまま淡々と14周を消化していき、ポイントリーダーのエリクソンが今季4勝目を手にすることとなった。
Nクラスはトップの山本がCクラスの#33岩崎祐貴を抜いて7位浮上。
岩崎は序盤#20アレキサンドレ・インペラトーリ、#18関口雄飛、
#22千代勝正らのNクラス勢にも次々に抜かれて一時総合11位まで後退するが、徐々に順位を盛り返し、
最後は13周目の5コーナーで山本を抜いて総合7位でフィニッシュした。
一方、Nクラスの順位自体には変動はなく、山本が前戦鈴鹿に続いて2連勝、今季通算4勝を手にした。
2位はインペラトーリ、3位には関口が入り、第4戦岡山以来4ヶ月ぶりに表彰台に上がった。
次戦第12戦は明日午後0時45分より、20周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦の公式予選が8月8日、ツインリンクもてぎにおいてノックアウト方式で行われ、#32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が第3戦以来、
今季2度目のポールポジションを同じもてぎで獲得、#31ロイック・デュバル(NAKAJIMA
RACING)の連続ポールを2でストップさせた。
Q1は午後2時20分開始。
午前中のフリー走行で1-2とここでも好調はナカジマレーシング勢は最後にピットアウトし、最初のアタックで小暮1分34秒839、
デュバルは1分34秒982。
1周のクールダウンの後、小暮はセクター1、セクター2とベストタイムを更新するが、ラップタイムは1分34秒898に留まる。
一方のデュバルはここで1分34秒824を記録、トップに躍り出た。
なんとデュバルはここでQ1の走行を切り上げるという大胆な作戦に出た。
結果的にこれは吉とでて、誰一人デュバルのタイムを上回れず、2位に小暮、
3位には最後のアタックで#1松田次生を上回った#8石浦宏明が入った。
一方、ここで脱落したのは#41伊沢拓也、#40リチャード・ライアンのダンディライアン勢だった。
10分間のインターバルの後に開始されたQ2でもナカジマレーシングの速さは変わらない。
他のドライバーが1周流した後にピットインしていくのを尻目にデュバルはいち早くアタックに取り掛かり、
1分34秒388を叩き出して悠々とピットイン。そのまま走行を終えた。
しかしここでトップに立ったのはチームメイトの小暮のほうだった。
デュバルと入れ替わるようにアタックを開始した小暮のタイムは1分34秒295。
今回もポールポジション争いはこの二人の間で繰り広げられそうな展開だ。
3番手はここでも石浦がつけ、松田が4番手。Q2開始までのインターバルでリヤスプリング交換を行った#2ブノワ・
トレルイエが5位につけた。
一方、ナカジマ勢とともに開幕以来全てのレースでQ3進出を果たしていた#20平手晃平は、
チェッカー直後の最後のアタックでもタイムをあげることが出来ず、なんと11位で今季初のQ2落ちを喫することとなった。
このほか#48立川祐路、#7国本京佑がここで予選を終えた。
再び10分間のインターバルをおいてQ3開始。
ここでもトレルイエはスプリングを交換してきた。
石浦もエアロバランスを変更、コースオープンと同時にハイペースで走行して感触を確かめた。
また第3戦同様、先にフロントタイヤの皮むきを行うドライバーが居る一方で、Q1、
Q2とトップタイムのデュバルとトムスの2台はピットで待機。残り5分30秒というところで漸くコースに出て行った。
石浦もエアロバランスのチェックはユーズドタイヤで行っており、アタックに際しては一度に4本のニュータイヤを投入している。
こうした中、残り時間3分というところで最初にアタックを開始したのは石浦。
しかしヘアピンでウォームアップ中の松田に引っかかってしまい、アタックを断念、1周の仕切りなおしの後に再びアタックに取り掛かった。
反対に一番最後にアタックに出て行ったのは小暮。
小暮は残り3分50秒でピットアウトすると、2周のウォームアップの後にいきなり1分33秒979を叩き出し、一気にトップに躍り出た。
対するデュバルはこのセッション、2回のアタックを行ったものの1分34秒112に留まり、2番手。富士、
鈴鹿と続いてきた連続ポールは2でストップ。
逆に小暮は第3戦もてぎにつづく今季2度目のポール獲得となった。
ナカジマレーシングによるフロントロー独占はこれで4戦連続だ。
3番手には、チェッカー直前に1分34秒798を出した石浦が入り、
前回のもてぎで観客を多いに沸かせた#10塚越広大が4番手と今回も好位置につけてきた。
ランキング2位でデュバルを追うトレルイエは結局7位に留まり、ここでの逆転は難しくなりそうだ。
第6戦決勝は明日午後2時30分より、52周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第12戦もてぎの公式予選は、#2ケイ・コッツォリーノ(TODA FIGHTEX)が1分46秒442で、
第9戦鈴鹿以来のポールポジションを獲得。
Nクラスも#18関口雄飛(EBBRO AIM F307)が第4戦岡山以来、今季4度目のポールを獲得した。

第11戦の予選終了から10分間のインターバルをおいて、第12戦の公式予選が開始された。
ここでも最初のアタックでトップに立ったのは#1マーカス・エリクソンで1分46秒875。
しかしその直後にエリクソンは4コーナーでコースアウト、2周目のタイムアップに失敗してしまう。
この間に#36井口卓人が1分46秒661でトップに。#37国本雄資も1分47秒000で続く。
3周目のアタックでは国本が1分46秒534でトップにたち、2位に井口、3位にはコッツォリーノが上がってきた。
エリクソンは47秒台と振るわない。
そして終了2分前に1分46秒442までタイムを上げてトップに立ったのはコッツォリーノ。
国本もセクター1、セクター2とベストタイムを更新してトップを奪い返そうとしたが、90度コーナーで惜しくもコースオフ、
タイム更新はならなかった。
結局この予選でコッツォリーノのタイムを破るものは現れず、今シーズン唯一の無限ユーザーである2号車は、
グリッド降格で幻に終わった第9戦鈴鹿の無念をここで晴らすこととなった。
2位に国本、3位に#36井口卓人が続き、スリーボンドエンジンの#12安田裕信が4番手、第11戦ポールのエリクソンは5位に終わった。
Nクラスは関口雄飛が最終的に1分48秒889を叩き出し、第4戦岡山以来、実に4ヶ月ぶりのポールを獲得。
中盤戦で苦戦の続いた関口だが、ここで流れを変えることが出来るだろうか。
一方、ポイントリーダーの#7山本尚貴も2番手と好位置につけて明日の決勝に臨む。
第12戦決勝は明日の午後0時45分より、20周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA
全日本F3選手権第11戦もてぎの公式予選は、Cクラスは#1マーカス・エリクソン(PETRONAS TEAM TOM'S)、
Nクラスは#7山本尚貴(HFDP RACING)と、いずれも現時点でのポイントリーダーがポールポジションを獲得した。

第11戦の公式予選は午前11時35分開始。
蒸し暑いコンディションの中15分間の走行がはじまった。
最初のアタックでトップに立ったのはエリクソンで1分48秒779
しかし、2周目には#37国本雄資が1分47秒636でトップ、2位には#36井口卓人が1分47秒983で続く。
エリクソンも最終コーナーで後輪をダートに落としつつ、1分47秒375までタイムを縮めるが、
その直後に国本が1分47秒041を出してきた。
更に残り5分をきったところで#12安田裕信が1'46秒827といち早く46秒台にはいってくると、#2ケイ・
コッツォリーノも1分46秒905で2位につける。
しかしエリクソンも終盤タイムを上げ、残り3分を前に1分46秒499、再びトップを奪い返した。
結局このまま予選は終了、エリクソンが前戦鈴鹿の第10戦に続いてポールを獲得することとなった。
Nクラスは#20アレキサンドレ・インペラトーリ、#18関口雄飛、#7山本の間でトップが目まぐるしく入れ替わったが、
最後の最後に山本が1分48秒956を記録してポールを獲得した。
第11戦決勝は今日の午後4時より14周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA

GT500クラス #1MOTUL AUTECH GT-R
本山 哲
菅生はずっと勝ってないんですが、それはウェイトハンデが重かったこともあったし、たまたまだと思います。それでも周囲から「勝てない」
と言われるたびに「頑張んなきゃ」と思ってましたから、今回勝てて本当にうれしいです。
今日の作戦は、当初から途中から雨が降る作戦でしたが、予報が今日になって変わり、
降らない可能性が出てきたので一旦は作戦を考え直しましたが、グリッド上で空が暗くなっていたのに気が付いて当初どおりの作戦に戻しました。
タイヤチョイスも作戦も全てチームに任せていました。僕からは雨の状況と酷い場所などを無線で伝えていただけです。
チーム、クルマ、スタッフみんなが強くなっていますし、モチベーションも凄く上がってて、いい流れが来ているので、
これからもいいレースをしてチャンピオン獲得に向けて進んでいけると思います。
ブノワ・トレルイエ
サトシがいい状態でクルマを渡してくれたので、ボクのスティントは良かったです。
インターミディをチョイスしていたので雨が酷いときは出来るだけ気をつけながらも、トップとの差が開き過ぎないように心がけて走り、
止んでからは思い切りハードにプッシュしました。
トップに追いついてからもミスをせず、チャンスが来るのを狙っていましたが、何度か危ない場面がありましたね。
特に最終コーナーでラインをカットされたときは「ペナルティじゃないの?」って思ったくらいです。
雨の中では少しでもラインを外すとオーバーステアやアンダーステアが出る状態でしたが、
雨が止んでからは絶対チャンスを逃さないつもりでプッシュしました。
GT300クラス #33HANKOOK PORCHE
影山正美
さっきまで泣きそうなくらい感動してたんですよ。本当にうれしいです。
今シーズンは4戦しか出れない資金状況で、僕らにとってはこれが第2戦でしたからね。
ハンコックもいいタイヤを作ってくれて、予選1回目ではポールが取れました。
ツキもありましたが、木下選手も頑張ってくれましたし、
あの状況で50周ももつインターミディエイトタイヤを作ってくれたハンコックにも感謝しています。
鈴鹿はボクのお陰で勝てたんですけど(笑)、今回は木下選手とハンコックのお陰です。
木下みつひろ
そんなに雨は多くならないと思ったし、ウェットだと残り周回数もたせるのはきついと思ったので、インターミディでいくことにしました。
コンパウンドがドライよりなので後半乾けば絶対有利な状況でしたからね。
でもそのせいで、雨が酷いときには氷の上を走ってるような状態でしたが。
全勝する自信なんかありませんでしたが、天候とタイヤのパフォーマンスが味方してくれました。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
遂にジンクス破れる!
2009年スーパーGT第5戦「SUGO GT 300kmレース」は、#1MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・
トレルイエ組)がGT選手権におけるニッサン勢として初の勝利を勝ち取った。
GT300クラスは#33HANKOOK PORCHE(木下みつひろ/影山正美組)が第2戦鈴鹿に続いて今季2勝目を上げた。
(天候:晴れ>雨>晴れ コース:ドライ>ウェット 観客動員数26,000人)
全日本GT選手権が発足してから16シーズン。途中名称はスーパーGTとなり、全日本選手権から国際格式のシリーズ戦となったが、この間、
ニッサン勢がただの一度も勝てないサーキットがあった。それがこのスポーツランドSUGOだ。
GT-Rがあれほどの強さを見せた昨年でさえ、SUGOはTAKATA童夢NSXが勝利している。
そのため、「菅生には魔物が棲んでいる」とさえ言われるほどだった。
しかしその魔物をブノワ・トレルイエの激走がついに打ち破ったのだ。
決勝スタートは午後2時。
ホールショットを奪ったのはポールスタートの#3ハセミGT-Rだったが、その後中々ペースが上がらず、2位の#6エネオスSC、
3位の#24HIS GT-Rらが次第に接近していき、一時は上位5台が団子状態でトップを争う展開となった。
そして遂に9周目、最終コーナーで周回遅れに詰まった#3ロニー・クインタレッリを#6ビヨン・ビルドハイムが抜き去った。
トップに立ったビルドハイムは快調にペースを上げ、2位以下を引き離しにかかるが、25周目に入った辺りから懸念されていた雨が振り出した。
レース距離の3分の1となる27周目が近かったこともあって、ここで各車相次いでピットイン、
レインタイヤ装着に併せて給油とドライバー交代も済ませることとなった。
ここから6号車勝利のシナリオが狂い始めた。
30周終わりで交代した伊藤大輔の刻む、1分30秒台のラップタイムは他と比べて決して遅いものではなかったのだが、
その後方から伊藤を2秒近く上回る凄まじい勢いで追い上げているドライバーがいた。
#1モチュールGT-Rを駆るトレルイエだ。
ピットストップが相次いだ26周~30周の混乱をうまく凌いで2位に浮上したモチュールGT-Rがチョイスしたタイヤはインターミディエイト。
このため、レース中盤までは苦しい走りが続き、一時はエネオスSCに12秒以上もの大差をつけられたものの、
レースが50周を過ぎた辺りで雨は止み、徐々に路面が乾き始めたことで一気に形勢が逆転し、みるみるうちにトップとの間隔が縮まっていった。
60周を過ぎる頃にはGT300クラスを中心にスリックタイヤに履きかえる車両が続出、
ポールスタートながら順位を落としていたハセミGT-Rもその中の1台だった。
こうした状況の中、トレルイエは遂に65周目に伊藤に追いつき、馬の背コーナーで最初のアタックを試みる。
しかし伊藤も簡単には順位を譲らない。最終コーナーではあわや接触の場面もあったが、トレルイエは落ち着いてチャンスを待ち、
66周目の1コーナーでアウトから抜き去っていった。
トップに立ったトレルイエはその後もペースを上げ、スリックで走行する3号車をも凌ぐ1分25秒台まで記録しながら後続を突き放し、
最後は2位に21秒もの大差をつけてニッサン勢のGTにおけるSUGO初勝利を見事達成してみせた。
また、これによりモチュールGT-Rは20ポイントを獲得、シリーズポイントを43に伸ばし、13位に終わった#24HIS
GT-R、7位に終わった#36ペトロナスSCを抜き去ってランキングトップに躍り出た。
GT300クラスは、ポールスタートの#81ダイシンフェラーリが序盤から着実に2位以下を引き離し、ほぼ独走状態に持ち込んだが、
こちらも天候の変化に翻弄される結果となった
降り出した雨に対応して31周終わりでウェットタイヤを装着したダイシンフェラーリに対し、
#33ハンコックポルシェの木下は残り周回数や空の明るさを見てインターミディエイトを選択。
このため、ピットアウトして暫くは、強い雨にペースを上げられず、一時クラス6番手まで後退するものの、雨が止み、
コースが乾き始めた50周過ぎから俄然勢いを取り戻し、#46エスロードZ、#11ジムゲイナーF430、
#26タイサンポルシェらを次々に抜き去って一気に3位まで順位を戻すと、
59周目には#2紫電をも攻略して一気にダイシンフェラーリに迫った。
反対に終盤ペースの落ちたダイシンは抵抗する余地もなく、ハンコックポルシェは見事トップを奪い去り、第2戦鈴鹿以来、
今シーズン参戦2戦目をまたしても勝利で締めくくった。
木下/影山組の次のチャレンジは第7戦富士、その次は最終戦もてぎを予定しているという。
次回第6戦は鈴鹿サーキット。
伝統の1000kmレースとはいかなくなったが700kmの長丁場、8月23日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2009年スーパーGT第5戦SUGOの競技団は、フリー走行終了後に#1MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・
トレルイエ組)に対し2グリッド降格のペナルティを課すと発表した。
これは今朝行われたフリー走行中に同車が黄旗追い越しを行ったことによるもの。
これにより昨日の予選を4位で終えていた1号車は6番グリッドから決勝をスタートすることとなった。
また、昨日田ヶ原章蔵が通過基準タイムを満たせなかったために予選落ちとなっていた#808初音ミクStudio GLAD BMW
Z4(菊池靖/田ヶ原章蔵組)は菊池をスタートドライバーとすることを条件に決勝出走が許可されたことも併せて発表されている。
決勝スタートは午後2時からだ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2009スーパーGT第5戦SUGOの決勝前フリー走行は、#6ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・
ビルドハイム組)が1'18.858でトップタイム。2番手にも#35KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也組)がつけ、
レクサスSCが1-2という結果になった。ポールシッターの#3HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニー・
クインタレッリ/安田裕信組)は5位だった。
GT300クラスは#33HANKOOK911(木下みつひろ/影山正美組)が1分25秒563でトップ。#2アップル・
K-ONE紫電(加藤寛規/吉本大樹組)が1分26秒164で続き、ポールの#81ダイシンADVAN
Ferrari(青木孝行/藤井誠暢組)は7位だった。
フリー走行は午前9時45分より30分間で行われた。
当初雨が予想された決勝日のスポーツランド菅生だったが、朝から強烈な日差しが降り注ぐ晴天での走行となった。
午後の天候は現時点の予報では曇りとなっており、なんとかゴールまで持ちこたえそうな気配。
暑さに強いミシュランの特性を生かして#3ハセミGT-Rがニッサン勢初の優勝を勝ち取る公算が強くなってきた。
それを裏付けるかのようにセッション序盤は#12カルソニックGT-R、#3ハセミGT-Rが1-2位を占める場面もあったが、
15分が経過したところで#6エネオスSCがいち早く1分18秒台を記録してトップに立ち、#35KRAFT SCがそれに続いた。
更に#39サードSCも2台のGT-Rに割って入る4番手タイムを記録。
予選とは一転してレクサスSCが上位を占める結果となった。
一方NSX勢はここでも苦戦が続く。
最上位の#18ROCKSTAR童夢は7番手につけたが、他の4台は11位から14位に連なる結果に。昨年優勝の童夢だが、
連勝はかなり厳しそうだ。
GT300クラスは開始早々から#33ハンコック911が好タイムを記録。#11ジムゲイナーF430がそれに続いていたが、
チェッカー直前になって#2紫電がタイムを上げて2番手に割って入った。
4番手には#74カローラアクシオが続き、ポールシッターの#81ダイシンフェラーリは7番手でこのセッションを終えている。
第5戦決勝は今日の午後2時より81周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

GT500クラス #3HASEMI TOMICA EBBRO GT-R
ロニー・クインタレッリ
今日は朝からクルマもタイヤも調子よくなかったけど、午後になって路面温度が上がり、
表面にゴムが載ってくるといっぺんにバランスが良くなりました。
それからは予選1回目もスーパーラップも、クルマ、タイヤ、ドライビングの全部がすばらしかったです。
菅生は抜きにくいサーキットなので、トップでスタートするのは凄く有利ですから、明日はきっといい結果が獲れると思います。
チーム関係者もすごい頑張ってクルマを準備してくれました。
安田 裕信
気温が上がってきたお陰でミシュランに有利な展開となりました。ロニー選手もすばらしい走りをしてくれたので、
それがポールにつながりました。
今回も優勝が狙える状況だと思うので、明日も頑張ります。できれば今日同様にあったかいコンディションを期待しています。
GT300クラス #81ダイシンADVAN Ferrari
青木 孝行
菅生は僕らが一番速いとみんなからも見られていたし、セパンでは悔しい思いをしたので、今回は絶対に勝つつもりで来ました。
午前中はトップタイムでしたが、クルマはベストな状態じゃなかったので、午後に向けて色々セット変更をしました。
それで予選1回目では自分の中でベストのタイムが出せたはずだったんですが、ハンコックにトップを奪われてしまったので、あのときは
「ポールは厳しいな」と思いました。
それでスーパーラップに向けてまたセッティング変更をして、その結果思ったとおりの走りができました。
今回はミケロットのスタッフも来てくれていて、エンジンを調整してくれましたし、自分もミスなく走れたのが良かったです。
明日は勿論優勝を狙います。
ただ天気がどうなるかわからないし、皆さんご存知のように菅生には魔物が棲んでいるらしいので、喰われないようにしたいですね。
イレギュラーなことがおきないよう、淡々と走って、明日もここ(記者会見場)にこられるように頑張ります。
藤井 誠暢
QF1でトップになれそうな感じだったのに、ハンコックが予想外に速かったですね。あのあと影山選手と話したら、
まだタイムが上がりそうな印象でしたし、青木さんは頑張ってくれましたがこちらの上がり代はもうないかなという感じでした。
それでも青木さんがセット変更をしてスーパーラップを走って、セクター1でベストタイムが出たときにはポールを確信しました。
今回はどうしても優勝しなければならないと思っています。チームは勝てるクルマを用意してくれていますから。
あめか晴れかハッキリして欲しいですけど、どちらでも勝ってここへこれるように頑張ります。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
2009スーパーGT第5戦「SUGO GT300kmレース」の公式予選とスーパーラップが7月25日、
スポーツランドSUGOで行われ、前回セパンを制した#3HASEMI TOMICA EBBRO GT-R(ロニー・
クインタレッリ/安田裕信組)がスーパーラップにおいて1分16秒248と圧倒的な速さを見せつけてポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#81ダイシンADVAN
Ferrari(青木孝行/藤井誠暢組)が唯一の1分23秒代前半となる1分23秒435で予選1回目トップのハンコックポルシェを逆転、
今季度目のポールを獲得してみせた。
(天候:晴れ コース:ドライ)
スーパーラップは午後3時40分、GT300クラスから始まった。
朝から照り付けていた強い陽射しもこの頃になると幾分和らいできた。好タイムが期待できそうなコンディションだ。
最初のアタッカーは#66ムルシエRG-1の山西康司。
タイムは1分26秒037と予選1回目の自己ベストにも届かない残念な結果に終わった。
続く#11ジムゲイナーF430の田中哲也、#46エスロードZの柳田真孝、#2アップル紫電の加藤寛規らは自己ベストを更新、
1分24秒台に入れてきた。
一方、#19ウェッズスポーツIS350の織戸学はタイムが伸びず、1分25秒363、田中、柳田、加藤の後塵を拝して7位に終わる。
残る3台、#43ARTAガライヤの高木真一、#81ダイシンフェラーリの青木、
#33ハンコックポルシェの影山正美らも自己ベストを大幅に更新、中でも青木のアタックは圧倒的で、セクター1だけで高木、
影山をコンマ6秒上回って唯一の1分23秒台、
しかも前半の1分23秒435を叩き出してGT300クラスのポールポジションをもぎ取って見せた。
続いて行われたGT500クラスは、#1モチュールオーテックの本山哲、#24HIS
KONDOのJ.P.オリベイラらのGT-R勢が大幅なタイムアップに成功、順位を上げる一方で、
上昇した気温と路面温度が影響したかコーナー立ち上がりで姿勢を乱すドライバーが相次ぎ、#18ROCKSTAR童夢NSXの小暮卓史、
#36ペトロナストムスSCのアンドレ・ロッテラー、#35KRAFT SCの石浦宏明らが順位を落としてしまった。
それでも#6ENEOS SCの伊藤大輔は1分16秒785と自身の予選1回目タイムを大幅に更新してみせる。
しかし、最後にアタックした#3ハセミGT-Rののスピードは伊藤のそれを遥かに凌駕するものだった。
上昇した路面温度と充分にラバーの載った路面は、暑さに強いミシュランタイヤに見事にマッチしたのが功を奏し、
クインタレッリはセクター1だけで伊藤をコンマ32秒上回り、トータル1分16秒248を叩き出し、
ミシュランにGT500復帰以来初のポールポジションをもたらし、連勝に向けて大きな一歩を踏み出した。
第5戦決勝は明日午後2時より81周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2009スーパーGT第5戦SUGOの公式予選1回目は、前回セパン優勝の#3HASEMI TOMICA EBBRO
GT-R(ロニー・クインタレッリ/安田裕信組)がトップタイム。
GT300は#33HANKOOK PORCHE(木下みつひろ/影山正美組)が走行終了間際にベストタイムを更新してトップになった。
公式予選1回目は午後1時35分、2クラス混走の25分間から始まった。
しかし公式練習でのペナルティにより、#32エプソンNSXは最初の5分間、
#43ARTAガライヤは最初の10分間は走行を禁じられている。
混走セッションでトップに立ったのは終了2分前に1分18秒284を出した本山哲の駆る#1モチュールGT-R。
混走終了間際に小暮卓史が1分18秒533を出した#18ROCKSTAR童夢NSXが2番手につけ、アンドレ・
クートのアタックで1分18秒552を出した#39サードSCが3番手。
前回優勝の#3トミカGT-Rはボーダーラインぎりぎりの8番手だった。
GT300クラスの専有走行の後に始まった10分間のGT500専有走行では、
終了5分前辺りから熾烈なタイムアタック合戦が展開された。
最初にトップに躍り出たのは#39サードSC。しかし他のチームもあっという間に39号車のタイムを上回り、
順位はめまぐるしく変わっていった。
そんな中、混走を8位で終えた#3トミカGT-Rを駆るクインタレッリがチェッカー直前に1分17秒170を叩き出し、
一気にトップに躍り出た。
2番手には#6エネオスSC、3番手は#35KRAFT SCがつけ、4番手に#24HIS GT-Rと、GT-R、
レクサスSCががっぷり四つの展開になる一方、NSX勢は6位の#18ROCKSTARを除く4台が揃って下位に沈み、
スーパーラップ進出を逃した。
このほか、9位の#38ZENT SC、10位の#12カルソニックGT-Rらもここで予選を終えることとなった。
GT300クラスは、公式練習から好調な#81ダイシンFerrari、#43ARTAガライヤが今総会氏から一貫して上位に居座り、
ここに#11ジムゲイナーF430、#19ウェッズスポーツIS350らが割ってはいる展開となったが、
専有走行の終了間際になって#33ハンコックポルシェの影山正美が1分24秒282を叩き出して一気にトップに躍り出た。
経済不況やウォン安の影響からフル参戦が叶わなかった33号車だが、第2戦鈴鹿同様、
数少ないチャンスをベテランドライバーの力で確実にものにしてきている。
第5戦のスーパーラップはこのあと午後3時40分より各クラス8台づつで行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2009スーパーGT第5戦SUGOの公式練習は、#12IMPULカルソニックGT-R(松田次生/セバスチャン・
フィリップ組)がトップタイムを記録。
GT300クラスは#81ダイシンアドバンFerrari(青木孝行/藤井誠暢組)がトップだった。
公式練習は午前9時45分より、1時間45分で行われた。
鈴鹿サーキットで行われたフォーミュラニッポン第4戦決勝でのアクシデントにより左手を負傷し、出場が危ぶまれた松田次生だったが、
欠場することなく第5戦に参加。
12号車はセッション開始早々に1分18秒397を記録、これがそのまま公式練習のベストタイムとなった。
途中、#26タイサンポルシェがSPコーナーで、
#52クムホタイヤIS350がレインボーコーナーでほぼ同時にコースアウトしたことにより、赤旗中断となる場面もあったが、
それ以外には大きなクラッシュもなく公式練習は終了。
終了25分前に伊藤大輔が1分18秒667を記録した#6エネオスSC430が2位、
終了5分前に1分18秒670を記録した#35クラフトSC430が3位となり、ポイントリーダーの#24HIS ADVAN KONDO
GT-Rは8位だった。
GT300クラスも#81ダイシンフェラーリが序盤に記録した1分25秒824がベスト。
2番手にはセッション終盤に1分25秒946を記録した#2アップルK-ONE紫電が2位、#43ARTAガライヤがつけている。
第5戦の公式予選1回目はこのあと午後1時35分より45分間で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO