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2012年11月

Formula Nippon | JAF Grand Prix

FN:JAF GP富士決勝 #1ロッテラーまさかの失格で優勝は#40伊沢のものに

11月18日正午から行われたJAF GP「富士スプリントカップ」フォーミュラニッポン決勝において、圧倒的な速さで22周を走り切り、トップでチェッカーを受けた#1アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)だったが、レース後の再車検でなんとスキッドブロックの規定違反が発覚、失格の裁定を受けることになった。

これにより優勝は2番目にフィニッシュした#40伊沢拓也(DoCoMo DANDELION)のものとなった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Formula Nippon | JAF Grand Prix

FN:JAF GP富士決勝 #1ロッテラーが独走優勝!PP塚越は無念のリタイヤ

JAFグランプリ「富士スプリントカップ」のフォーミュラニッポン決勝が11月18日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした前年チャンピオンの#1アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が後続を14.073秒突き放す圧倒的な速さで22周のレースを制した。 2位には#40伊沢拓也(DoCoMo DANDELION)、3位には#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が入った。

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激しい雨に見舞われた公式予選とはうって変わり、決勝日の富士は朝から快晴。絶好のレース日和のもとで22周の決勝はスタートした。 ホールショットを奪ったのは予選2番手のロッテラー。 ポールポジションの#41塚越広大は1コーナーでロッテラーに詰まったところをアウトから伊沢にかわされ、その後もオリベイラ、#8ロイック・デュバルらに次々と抜かれてそのままピットへ。その後一旦はコースに復帰したものの、1コーナーでコースアウトした挙げ句、そのままガレージに入って早々にリタイヤとなった。

トップに立ったロッテラーに対し、伊沢は序盤こそ差を詰める動きを見せたが、後方から次第にオリベイラが接近、これを押さえ込んでいる間にロッテラーとの差はじりじりと開いていってしまう。そのため、4周終了時点では僅か0.9秒だったロッテラーとの差は8周目には3.3秒、レースが折り返し点をすぎた12周目には6.3秒と広がってしまった。 更には4位の#8ロイック・デュバルもこの2位争いに加わり、3台はファイナルラップまで団子状態を繰り広げることになった。

そして後方では、最後尾スタートとなった2012年王者の#2中嶋一貴が着実に順位を上げ、7周目で8位にまで浮上してきた。 その前では#38平手晃平、#20松田次生、#39国本雄資らが接近戦を展開しており、中嶋もこの集団のコンマ8秒後方に迫ったが、結局それ以上順位を上げることは叶わず、最終的に国本、松田、平手、中嶋の順で22周を終えた。

一方、今季終盤戦からスポット参戦している注目の#15佐藤琢磨はじりじりと順位を落とし、結局14位でこのレースを終えた。

こうした後続の動きを尻目にトップのロッテラーは着実に後続との差を広げ、最後は14秒もの大差を築き上げて2010年以来のJAFグランプリ優勝を果たした。 なお、この年は2レース制で開催されているため、これが通算3勝目だ。 JAFグランプリはこのあと、GT500、GT300の2クラスのレース2が同じく22周で行われる。

 ※優勝したアンドレ・ロッテラーは、レース後の車検でスキッドブロック規定値不足により失格となった。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Formula Nippon | JAF Grand Prix | SUPER GT

FN,SGT:JAF GP富士合同会見

■フォーミュラニッポン

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ポールポジション #41塚越広大(ダンデライアン)
fn_jaf_q_pc_tsukakoshi 先ほどのGTがあまりにも不甲斐なくて、今は人前に出るのが恥ずかしいんですけども。
今年一貴さんにチャンピオンをとられちゃったので、JAF GPは勝っておきたいなと思っていました。
昨日のドライではあまり良い感じではなく、順位も下の方でしたが、予選はウェットということで、雨の合同テストで走った時のセットをベースに、状況を判断しながらクルマをどうしようかと考えていたんですけども、すごく良いセットでした。気温も低かったので自分が速いのか不安でしたが、出てって1周目がそこそこ良かったので、2周目をまとめればいけるかな、という感触で、しっかりポールが獲れて良かったと思います。
川崎フロンターレ賞(最高速1位) #2中嶋一貴(トムス)
fn_jaf_q_pc_nakajima 僕はもっと恥ずかしいんですけども。僕もドライは良くなくて、今日はスーパーラップなので運が試されるなぁ、と思っていたら気合いが空回りしてしまって1コーナーで飛び出し、Aコーナーで回ってしまいました。
それはまぁしょうがないんですけど、まさかの最高速ということでここにきてしまいました。
別に最高速を狙ったから飛び出した訳じゃありませんが、川崎フロンターレ賞ということで、塚越と二人、今年いろいろご縁があったので、良かったなと思いますし、ある意味「もってる」なあと思いました。
明日のレースも頑張りたいと思います。
■スーパーGT決勝レース1

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GT500クラス優勝 #1ロニー・クインタレッリ(モーラGT-R)
gt_jaf_r1_pc_quintarelli 昨日の予選は思った通りにいかなくて、フリー走行が終わった時点では上位4台に入れると思いましたが、9位に終わり、すごく落ち込んでいました。
今日は天気予報が雨で、ウェットは2種類のタイヤを用意していましたが、ウォームアップで履いた方のフィーリングが良くなかったのでグリッド上で別の方に換えました。スタート直後はいつもほど食いつきませんでしたがそこそこのグリップはあり、何台か抜いて塚越選手の真後ろにつきました。ハイドロもアクアプレーンも同じ場所であったので、ずっと後ろにつけて同じペースで100%集中して走りました。そうしたらちょうどSCの看板が出る直前に彼がスピンして優勝することになりました。すごく嬉しいです。
GT300クラス優勝 #33藤井誠暢(ハンコックポルシェ)
gt_jaf_r1_pc_fujii 昨日この記者会見に来まして、今日も来ることが出来ました。
昨日はドライの予選でクルマも自分もタイヤも良かったんですが、ウェットに関してはオートポリスでももてぎでも苦戦したので正直言いまして自信がありませんでした。でもこの短い間にハンコックさんがウェットタイヤを頑張って作って下さいました。今年の途中でパターンが変わったんですけども、今日は新パターンで初めての優勝です。そう言う意味でも嬉しいですし、今年3回勝った中でも一番嬉しいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

JAF Grand Prix | SUPER GT

SGT:JAFGP富士決勝レース1 悪天候により12周で赤旗終了に。勝ったのは#1クインタレッリ

JAF GP「富士スプリントカップ」GT500クラスの決勝レース1は、天候悪化により12周目に赤旗が出され、そのまま終了となった。
この結果、規定により10周終了時点でトップに立っていた#1ロニー・クインタレッリ(S Road REITO MOLA GT-R)が優勝となった。

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レース1決勝は午後3時15分にフォーメーション開始。
朝から降り続く雨が次第に強さを増す中、#12JPオリベイラ(カルソニックGT-R)がホールショットを奪い、ポールシッターの#6大嶋和也(エネオスSC430)は2位でコントロールラインに戻ってきた。
オープニングラップで大嶋に3秒差を付け、一気に逃げ切ろうとしたオリベイラだったが、2周目の最終コーナーでまさかのスピン、更にはジャンプスタートの裁定が下って4周目にドライブスルーペナルティを受けることになり、8位に後退した。

代わってトップに立ったのは、4周目のプリウスコーナーで大嶋を攻略した塚越。
序盤からペースの上がらない大嶋は同じ周にクインタレッリにも抜かれて3位に後退した。

少しずつクインタレッリとのさを広げていた塚越だったが、9周目に激しさを増す雨に足下をすくわれて9周目のプリウスコーナー手前で痛恨のスピン、2位に後退してしまう。

この天候悪化により時を同じくしてコース上にはセーフティカーが導入され、12周目に入ったところで赤旗中断。結局そのままレース成立となった。
これにより、クインタレッリが優勝、塚越は2位、大嶋は3位に。
後方から猛然と追い上げていたオリベイラは6位に終わった。

GT500クラスの決勝レース2は明日の午後3時30分より、22周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

Formula Nippon | JAF Grand Prix

FN:JAF GP富士公式予選 #41塚越がPP獲得。最高速は#2中嶋がトップ

JAFグランプリ 富士スプリントカップ2012、フォーミュラニッポンの公式予選が11月17日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#41塚越広大(DoCoMo DANDELION)がポールポジションを獲得した。
また今回、最高速度上位3名に送られることになっていた川崎フロンターレ賞は、281.177km/hを記録した#2中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、278.854km/hの#1アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)、274.460km/hの#40伊沢拓也(DoCoMo DANDELION)が獲得している。

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今年で3回目を迎えた富士スプリントカップ大会第2日目は朝からあいにくの雨。
午前10時15分に始まったフォーミュラニッポンの公式予選は、今シーズンのランキング下位のドライバーから順番に出走するスーパーラップ方式で行われたため、雨量の増減がそのままダイレクトにタイムに影響する波乱含みの展開になった。

序盤好タイムを記録したのは4番手出走の#15佐藤琢磨、6番手出走の#39国本雄資。
国本は雨脚の弱まったことにも助けられて1'40.927を記録して暫定トップに立つが、続いてアタックに入った#10金石年弘は再び強まってきた雨に苦しめられて1'44.537に留まる。
それ以降に出走した#16山本尚貴、#32小暮卓史、#20松田次生らは同様に1分44秒台で中断以下に沈むが、そんな悪コンディションの中でも#38平手晃平だけは1'42.439を叩き出してみせた。

天候は13番目に出走した#8ロイック・デュバルの辺りから再び回復の兆しをみせ、デュバルは1'43.178、続いてアタックを行った#19JPオリベイラは1'41.801、そして遂に15番目に出走の#1アンドレ・ロッテラーが1'40.927を記録、国本を上回ると、塚越も1'40.577を叩き出してトップに立った。

そして最後に今シーズンのチャンピオンとなった#1中嶋一貴が出走、1コーナー手前では281.177とダントツの最高速を記録したが、中嶋は直後の1コーナーをオーバーラン、続くコカコーラコーナーの立ち上がりではスピンアウトを喫し、惜しくもノータイムに終わり、明日の決勝を最後尾からスタートすることに。
これにより塚越のポールポジションが確定した。

富士スプリントカップ、フォーミュラニッポン決勝は明日正午より22周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

 

Formula Nippon | SUPER FORMULA

SF:スーパーフォーミュラのロゴマークが明らかに。キーワードは「スピード」「コンペティション」「エモーション」

日本レースプロモーション(JRP)は11月4日、フォーミュラニッポン第7戦が開催された鈴鹿サーキットで、2013年4月1日から使用する新名称「スーパーフォーミュラ」のロゴマークを発表した。

モータースポーツの最高峰をイメージしてデザインされたもので、「F」を連想させる三本の横線は「スピード」「コンペティション」「エモーション」の三つの要素を表し、これが今後のスーパーフォーミュラのキーワードになるという。
公表は決勝レース1と決勝レース2の間、ピットウォークの時間帯にスタンドに向かってロゴマークを染め抜いた旗を広げるという形で行われ、白井裕JRP社長が挨拶と趣旨説明を行った。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Formula Nippon | SUPER FORMULA

SF: JRPサタデーミーティング 2013年は韓国戦を開催。システムEは2015年から

日本レースプロモーション(JRP)は11月3日、フォーミュラニッポン第7戦の開催された鈴鹿サーキットでサタデーミーティングを行い、来年のカレンダーと2014より導入予定のSF14の開発進捗状況について、白井裕社長が明らかにした。

まず、11月1日付けでJAFから発表になったカレンダーで5月のツインリンクもてぎ戦が無くなり、全6戦とされたことについては、8月25日に韓国でシリーズ戦を行う予定があり、それへの調整(シーズン7戦という形を維持するため)として外されたとのことだ。 現時点では韓国戦のJAFへの手続きが完了していないため、暫定的に6戦となっているという。 このサーキットについては5月にスーパー耐久でもシリーズ戦を予定しており、年内には完成する見込みだ。

そして気になる新車「SF14」の進捗状況だが、3日のサタデーミーティングで白井社長が語ったところによると、先週ダラーラとキックオフミーティングを行ったとのこと。そこでエンジンのスペックなどを伝えて設計に反映させていくということで、ダラーラの技術者は第7戦の会場にも視察に訪れている。 来年7月のシェイクダウンに向けて制作していくとのことで、そこへ既に公表された通り2リッター直4の直噴ターボエンジンが組み合わされる。 また、かねてから開発中だったシステムEと呼ばれる回生装置を伴うパワーアシストシステムについても搭載が予定されており、ダウンサイジングとエネルギー回生という、環境に配慮したトレンドを取り入れた格好だ。 ただしシステムEに関しては現在のところ採用が一年遅れて2015年からの搭載になるようだ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Formula Nippon

FN:2012年度シリーズチャンピオンのコメント

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ドライバーズチャンピオン 中嶋一貴(トムス)
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チームチャンピオン ダンデライアン/村岡潔監督
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一貴君がチャンピオンになるということはやはり相当な力があると思うし、勝つことへの執着と言う面でやっぱり我々のチームの二人よりも大きかったのかなと思うんですけども、逆に経験が少なくてもいい子達だったので、チームタイトルをくれたのかなと思いますし、どこかで最後はチームのために、というようなところがあったのだと思うので、それがチームタイトルになりました。チームタイトルの表彰式で見たことも無いようながっかりした姿を見たので、来季に向けて二人は一貴君のようなしぶとい走りが出来るようになるのかなと。
我々のチームは皆さんご存知のように弱小チームから少しづつ積み上げてきてるので、来年また少しステップアップしてドライバーもチームも強くなれるかなと。
ゼロから立ち上げてメーカーの力も借りずにここまで来れるというのを示した一年だったと思います。これからはホンダさんとパートナーシップを強く持って、トヨタさんと戦っていけるようになれると期待しています」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿決勝レース2 上位3人のコメント

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優勝 中嶋一貴(トムス)
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良いスタートを切れて、1周目のピットイン、そこからの自分のペース、というのがこのレースのキーになったと思いますし、そこからは今週見られなかった非常に良いペースで走ることが出来たので、28周があっという間に感じるぐらい、本当に気持ちよくプッシュできました。
チームとしては朝までは非常にきつい流れで、僕のエンジニアもがっくりとしたムードでいましたが、最後まで諦めずに、クルマのセットアップも詰めていったのが結果的に上手くハマったのかなと。チームに恩返しできて今はほっとしています。
スタート前は『いくっきゃない』状況で、9番手からやれることをやるしか無かったので、プレッシャーはありませんでした」
2位 ロイック・デュバル(キグナススノコ)
fn_r07_r2_pc_duval 「両レースとも凄く良いスタートが出来ました、1コーナーまでに何台かパスしたら前にコグレがいたので、そこから先はコンサバに行きました。ダウンフォースを削るという難しいストラテジーを採りましたが、12周目にピットインしてからは、前がクリアな状態で自分のペースで走ることが出来、どんどん追い上げてツカコシをオーバーテイクするチャンスをつかめました。その時点では何位にいるのかも分かっていませんでしたが、カズキが前に見えてきたときには『もしかして』と感じました。
シーズンを通じてチームは凄く良い仕事をしてきて、ステップアップもしていました。今日は優勝したかったけど、カズキが優勝したことを嬉しく思うので、この場を借りておめでとうと言いたいです」
3位 塚越広大(ダンデライアン)
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ピットに入って出て行った瞬間に一貴さんが前に行っちゃったので、『こりゃやばい』という感じになり、プッシュはしましたが力及ばず、デュバル選手にも前に行かれてしまい、ベストは尽くしましたが結果に結びつかない悔しいレースになりました。
自分の中では、とりあえず前に行こうというシンプルな気持ちでしたし、チャンピオンがどうこうよりも勝ちたいなぁ、という気持ちで頑張りました」
優勝チーム監督 舘信秀
fn_r07_r2_pc_tachi 「一貴は『諦めないでよかった』と言ってますけど、僕は1レース目が終わった時点で諦めてました(笑)その諦めたレースがこういう結果に終わったので非常に感動しました。
レースは脚本の無いドラマなんで面白いな、とつくづく感じた一日でした」
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿決勝レース2 #2中嶋一貴が逆転優勝でドライバーズチャンピオンを獲得!

全日本選手権フォーミュラニッポンという名称での最後のレース、第7戦の決勝レース2は、予選9番手からスタートした#2中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が巧みなピット戦略でトップに立ち、今季2勝目を挙げるとともに、参戦2年目にして初のドライバーズチャンピオンに輝いた。
2位には#8ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、3位は#41塚越広大(DoCoMo TEAM DANDELION)が入った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:土曜日12,000人、日曜日14,000人)

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レース2は午後2時30分より、28周で行われた。
このレースはタイヤ交換義務があり、レース中のどこかで最低1回のピットストップを行わなければならない。給油については義務は無く、各チームの判断に委ねられていた。
このことが影響し、レースは#40伊沢拓也の独走に終わったレース1とは全く異なる展開となった。

スタートでトップに立ったのはポールポジションの#19JPオリベイラ。#41塚越が2番手で続いて#20松田次生が3番手。
しかし松田はドライブシャフトのトラブルにより1周でピットへ、そのままリタイヤとなった。
その後方では予選9番手から#1アンドレ・ロッテラー、#40伊沢拓也を抜いて7位に浮上してきた#2中嶋が1周終わりで早々とタイヤ交換を敢行。伊沢、大嶋、嵯峨、国本らもこれに続いた。
交換作業に手間取ったトムス陣営だったが#2中嶋はなんとか伊沢の前でピットアウトし、上位2台を上回るハイペースで追い上げを開始、見事7周目にタイヤ交換を行った塚越の前に出ることに成功する。

一方、トップのオリベイラは周回を重ねるごとに2位塚越との差を広げていき、8周終わりでピットへ。
ところがこの前後からオリベイラはハンドリングに異常を感じていたようで、1周しただけで再びピットへ戻り、二度目のタイヤ交換を行った。
しかしトラブルの原因はそこではなかったようだ。

13周目に3度目のピットインを行ったオリベイラのリヤウィングはフラップを根こそぎ失った状態だった。
この時点でチームインパルの2012シーズンは終わりを告げた。

これにより#2中嶋の逆転優勝の可能性が大いに高まった。
彼の前にいたのはタイヤ交換をすませていない#32小暮卓史、#8ロイック・デュバル、#38平手晃平、そして前戦SUGOに続いてスポット参戦の#15佐藤琢磨の4台のみ。

21周目まで引っ張った平手がピットに戻ったところで、遂に#2中嶋はトップに浮上すると、その後も後続に付け入る隙を与えず、開幕戦鈴鹿に続いて今季2勝目をものにした。
2位には18周目のシケインで塚越をオーバーテイクしたデュバルが入り、塚越は3位に終わった。

これによりシリーズポイントは#2中嶋がトータル46となり、見事フォーミュラニッポンとしての最終シーズン、2012年のドライバーズチャンピオンを獲得。
同時に1986年に中嶋悟氏が全日本F2選手権の最後のチャンピオンを獲得して以来、親子二代での国内トップフォーミュラ制覇という快挙を達成した。

シリーズポイントでも43に留まり、ランキング2位に終わったが、チームタイトルについては、このレースで伊沢が6位、ロッテラーが8位に終わったため、ダンデライアン84.5ptに対しトムス81.5ptで、ダンデライアンのものとなった。

「フォーミュラニッポン」としての全日本選手権はこのレースを持って終了。あとは再来週のJAFスプリントカップを残すのみとなった。
来年からは新たにスーパーフォーミュラという名称で開幕を迎える。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿決勝レース1 上位3人のコメント

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優勝 #40伊沢拓也(ダンデライアン)
nf_r01_r1_pc_izawa 「2番手スタートということもあり、チャンピオンシップのことを考えると、このレースで絶対勝たないといけないと思ってましたし、自分は比較的スタートが得意だと思っているので、まずスタートで絶対前に出ようと思って臨みました。レースは前半非常に良いペースで走っていたと思いますし、そこでできるだけ離せば絶対勝てると思ったので、最初の10周は猛プッシュで頑張りましたが、最後の5周ぐらいはタイヤが辛くなってペースを落としたので、そこが2レース目に向けての過大になるかなと思っています」
2位 #20松田次生(インパル)
nf_r01_r1_pc_matsuda 「ここで真ん中に立つ予定だったんですけど、ちょっと伊沢選手に良いスタートを決められて。僕自身もそんなにミスした訳じゃありませんが、伊沢選手がそれを上回ったのが敗因でした。ただ伊沢選手の前半のペースにうちはついていけなかったですね。後半伊沢選手はタイヤがタレたと言っていましたが、うちはタレるってことはなく、一定のまま落ちていくという状況だったので、その分最後追いつけました。ただ前半のペースを考えると、もし前に出ていても押さえるのは難しかっただろうと思います。そのぐらい『速いな』という印象を受けました。次は3番手スタートなんで。ピットで上手く順位が変われるように、良いレースをしたいと思います」
3位 #41塚越広大(ダンデライアン)
nf_r01_r1_pc_tsukakoshi 「僕もスタートでポジションを上げたかったんですけど、それができなくて3番手でずっとレースすることになりました。トップ2台に最初からついていけなくて、非常に厳しいレースになりました。今聞く感じだと、クルマの状態は伊沢さんと同じなので、このあと第2レースに向けていい幹事に進められたらと思います」
優勝チーム監督 村岡潔(ダンデライアン)
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まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿決勝レース1 #40伊沢が今季2勝目を挙げ、#41塚越と同ポイントでランキング首位に立つ!

全日本選手権フォーミュラニッポン第7戦の決勝レース1が11月4日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートした#40伊沢拓也(DoCoMo DANDELION)がスタートでトップに立ち、そのまま20周を逃げ切って今季2勝目を挙げた。
2位にはポールシッターの#20松田次生(TEAM IMPUL)が入り、#41塚越広大(DoCoMo DANDELION)が3位につけた。

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決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から快晴。絶好のレース日和のもと、レース1決勝は午前10時20分にスタートした。周回数20の超スプリントだ。
ところが前回のSUGOに続いてスポット参戦を果たした注目の#15佐藤琢磨がフォーメーションラップ開始の際にエンジンストール。隊列に加わることが出来ずに最後尾に後退してしまう。

スタートでトップに立ったのは予選2番手の#40伊沢。ポールポジションの#20松田が2番手、#41塚越が3番手で1コーナーを通過した。
前回のSUGOで念願の初優勝を達成した伊沢は序盤から一気に後続を突き放しに掛かり、最初の10周で松田に4秒の差を付けると、そのリードを最後までキープして20周を走り切り、今季通算2勝目を挙げ、シリーズポイントを40に伸ばした。
チームメイトの塚越もこのレースを3位で終えたことで3ポイントを獲得。合計40で伊沢に並ぶ。

一方ここまでポイントリーダーだった#2中嶋一貴はこのレース12位とノーポイントに終わったため、38ポイントのままランキング3位に後退することになった。
ここまで33ポイントだった#1アンドレ・ロッテラーは5位2ポイントを獲得して35ポイント、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラは4位2.5ポイントを追加して34.5ポイントと上位5人が5.5ポイントという僅差で最後のレース2に臨むこととなり、タイトルの行方は更に分からなくなってきた。

第7戦決勝レース2はこのあと午後2時30分より28周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Formula Nippon

FN:第7戦鈴鹿 懐かしのフォーミュラマシンがデモラン、ノバ532Pを星野一義がドライブ

11月3〜4日に鈴鹿サーキットで開催される、全日本選手権フォーミュラニッポン第7戦で、かつて国内トップフォーミュラで活躍した2台の名車がデモンストレーションランを行う、と鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎを運営するモビリティランドが10月30日明らかにした。

今回走行するのはノバ532P(F2)とローラT98/51(フォーミュラニッポン)。
ノバ532Pは1978年にノバエンジニアリングが製造、ヒーローズレーシングが走らせた国産F2で、当時のドライバーは星野一義と中嶋悟。のちの国内トップフォーミュラを牽引する2大スターも当時はチームメイトとして戦っており、この年は全日本F2選手権を星野が、鈴鹿F2選手権を中嶋が制するという接戦のシーズンとなった。
今回のデモランではその星野がステアリングを握る。

ローラT98/51は国内フォーミュラが欧州のF3000と袂を分かって3年目のシーズンにローラがデビューさせたもの。
この年はフラットボトム規定の最終年に当たり、ローラとレイナードが勢力を2分する状況の中、新たにGフォースが参戦してきたシーズンだった。
ドライバーでは現在もスーパーGTで活躍する本山哲、道上龍、脇阪寿一、ラルフ・ファーマンらに加え、当時F1へもスポット参戦したノルベルト・フォンタナや現在もWTCCで活躍するトム・コロネルらが参戦。そこへこのシーズンから加わったのが、英国F3や国際F3000での活躍をステップに、ラルースからF1デビューを果たした野田英樹だった。
今回はその野田が久々にフォーミュラカーをドライブする。

デモンストレーションランは11月4日のピットウォークの時間帯に東コースで実施される。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:2012年シリーズチャンピオンのコメント

GT500クラスチャンピオン #1S Road REITO MOLA GT-R
大駅俊臣監督
gt_2012_oheki 非常に嬉しいです。昨年はGT500初年度ながら素晴らしい結果を残せましたが、今年はGT-Rで連覇が出来るのだろうか、という戦いでした。スピードはあっても中々結果が残せない戦いが続きましたが、菅生で表彰台に上がったのをきっかけに、鈴鹿、オートポリスを勝つことが出来ました。同じクルマ、ドライバー、タイヤで連覇するのは史上初だそうで、嬉しく思うと同時に、タイヤメーカーさん、ニスモさんの努力でどんどん良くなったことに大変感謝しています。
出来れば来年も同じパッケージでやりたい。来年は今年以上にこのレースがもっと盛んになっていけば良いなと思います。
柳田真孝
gt_2012_yanagida オートポリスでチャンピオンを決めて、この会見に来ることが出来たこと、ロニーやチームの皆さん、ミシュランタイヤさん、Sロードさんをはじめとするスポンサーの皆さん、応援して下さるファンの皆さんに感謝します。
今日はチャンピオンをとって挑んだ1戦でしたが、ウェイトもゼロだし、何が何でも勝ちたかった。終わってからは泣きたくなるくらい悔しかったです。
ロニー・クインタレッリ
gt_2012_ronie 去年と同じパッケージということで自信はありましたが、なかなか結果が出ませんでした。でも第4戦から5回連続で表彰台に上がれて、終わってみれば凄く嬉しい一年でした。去年獲得した90点を上回るチームは永遠に出てこないと思いましたが、今年僕らが93点を取ることが出来たのも素晴らしいです。
応援して下さった多くの人々に感謝しています。
GT300クラスチャンピオン #911エンドレスTAISAN 911
千葉泰常監督
gt_2012_chiba 2003年以来、8回目のチャンピオンを獲れました。1983年のWEC in ジャパンでアドバンさんとチームを立ち上げてから30年経ち、今回僕の年齢と同じ通算68勝目を二人のドライバーが飾ってくれたことを嬉しく思います。
GT3というクルマはジェントルマンドライバーが1時間のレースで使うクルマで、これを2時間、3時間のスーパーGTで使うことは安全面も含めて非常に難しいんですよ。来年こそは日本のパーツを作って戦わないと、と持っています。日本のGTカーで世界のレースを盛り上げていきたいです。
実は今年、ポルシェの仲間が一つ消えてしまったので、来年は2台のポルシェで参加したいと思っているんです。1台は「0」番、もう1台は「26」番で、と思っています。
横溝直輝
gt_2012_yokomizo 今年はエンドレスの花里社長、タイサンの千葉社長と二人の名物社長のもと、横浜ゴムさんのバックアップで同じポルシェを使うハンコックとのタイヤ戦争と、大変なプレッシャーの中で戦ってきましたが、最後のレースもこの2台でガチンコの勝負になり、それに勝利できたことが嬉しかったです。
峰尾恭輔
gt_2012_mineo 今まで色んな人に拾ってもらって、色んな人に育てていただいて、今年は素晴らしいドライバーと一緒に走れて、本当に素晴らしい一年になりました。
最後にこの場にこられたことも本当に嬉しいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

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SGT:第8戦もてぎ決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス #38ZENT CERUMO SC430
平手晃平
gt_r08_r_pc_hirate 急にウェットコンディションになり、8分間のウォームアップでしか確認が出来ませんでしたが、走ってみてクルマは外してないなと感じました。BSさんが持ってきたレインタイヤは全く新しいものだったので、何周持つのかも分からない状態でスタートして、他のBS勢の様子を無線で聞きながら走っていて、「意外と悪くないな」と
思っていました。
同じウェットコンディションのオートポリスで負けていた分、今回の勝利は「良い仕事ができたな」と思いました。
今シーズン中盤は重たいクルマで苦しい戦いを強いられましたが、TRDさんがどんどん新しいパーツを作って下さったし、最初と最後のハンデの無いガチンコの戦いで勝って自分たちの強さを見せつけられたのは良かったです。
立川祐路
gt_r08_r_pc_tachikawa タイヤを交換するかどうかは微妙な状況でした。全くデータのないタイヤだったので、ギリギリまで悩みました。それで、前半を引っ張ってのチームの様子を見ることにして、先に入った1号車がタイヤを換えなかったので、こっちも換えずに行きました。
オートポリスで完敗した悔しさもあったし、今日ウェットタイヤで1号車に勝てたのは嬉しかったんですけど、同時に、「結局1号車との戦いになるんだな」とも思いました。
チャンピオンをとれなかったのは残念ですが、最後に勝って終われたのは良かったと思います。また来年チャレンジします。
GT300クラス #911エンドレスTAISAN 911
横溝直輝
gt_r08_r_pc_yokomizo 急にレインコンディションになって、自分たちのパッケージにどれだけのポテンシャルがあるのか分からない状態でしたが、チームもタイヤメーカーさんもセットアップを頑張って下さったので、自信を持ってスタートに臨むことが出来ました。前を行く影山選手は実力のあるドライバーなので、抜くならワンチャンスしかないと思っていたら、それが8周目に訪れました。
峰尾恭輔
gt_r08_r_pc_mineo 交代した時点で後ろとのギャップがそこそこありましたが、決して楽なレースじゃありませんでした。途中で周回遅れに引っかかって87号車に迫られましたが、ポルシェのトラクションの良さを生かして逃げ切ることが出来ました。
チャンピオンがとれるかどうかは分からなかったので、とりあえず1勝、と思って走っていました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ決勝 #911エンドレスポルシェが今季初勝利を挙げて逆転王座に!GT500は#38ZENT SCが今季2勝目

2012オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の決勝が10月28日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が接戦を制し今季2勝目を挙げた。
上位3台がタイトルの権利を残して最終戦を迎えたGT300クラスは、#911エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)が勝利を挙げ、シリーズポイントでも#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)を上回ってタイトルをものにした。(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:27,000人)

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朝のフリー走行を終えた直後からコース上には小雨が降り続くあいにくのコンディションとなった。
このため午後2時からの決勝レースはセーフティーカーの先導で始まり、3周目から追い越しが解禁となった。
ポールシッターの#38平手が快調にトップで周回を重ねる一方、予選2番手の#6エネオスSCを駆る伊藤大輔は1周目の90度コーナーでまさかのコースオフ、大きく順位を落として13位でコントロールラインに戻ってきた。
それとは逆に順位を上げてきたのが#1SロードGT-Rだ。
#1Sロードはスタートを担当したロニー・クインタレッリが4周目に#18ウイダーHSVのカルロ・ヴァン・ダムを抜いて4位に上がると、5周目の90度コーナーでは#100レイブリックHSVの伊沢拓也のインをこじ開けて3位、さらに10周目の1コーナーで#23モチュールGT-Rのミハエル・クルムを抜いて2位に上がってきた。
更に一時は6秒以上あった#38平手との差をも着実に削り取り、14周を終えた時点では3.8秒、各チームのピット作業が始まった23周目には僅か1.7秒にまで接近してきた。

ここからは#38平手もペースを上げ、1−2位の差は2秒前後を推移するようになる。
両者の戦いに変化が訪れたのは32周目。38号車より先にピットに飛び込んだ1号車はタイヤ無交換作戦を敢行。給油とドライバー交代のみでわずか21秒でピットアウトしていった。
対する#38ZENT SCも34周目にピットに飛び込むと、こちらもタイヤを変えずに立川を#1柳田の前でコースに送り出す。
ここからは19周にわたって一進一退の攻防が続く。しかし徐々に#1柳田が間隔を詰め、39周を終えた時点で両者のギャップは1秒を切った。
しかし立川は最後まで柳田に付け入る隙を与えず、最後は僅か0.138秒差で53周を逃げ切り、今季2勝目を挙げて2012シーズンを締めくくった。
また、3位には一時はコースアウトにより順位を落としつつも、ウェットコンディションの中、第7戦オートポリスを彷彿とさせるハイペースで追い上げた#32エプソンHSVが入った。

#33ハンコックポルシェ、#66アストンマーチン、#911エンドレスポルシェの三つ巴のタイトル争いとなったGT300クラスは、予選2番手からスタートした#911エンドレスポルシェを駆る横溝が8周目のヘアピンでポールスタートの#33ハンコックポルシェ/影山正美のインをついてトップに躍り出る。
抜かれた#33影山はペースが上がらず、10周目には#87、12周目に#88と2台のランボルギーニに相次いで抜かれ、その後もじりじりと順位を落としていくことになった。

これで9ポイントあった差を一気に逆転する可能性が濃厚となった#911エンドレスポルシェは33周目にピットイン、峰尾に交代してコースに復帰するが、レース終盤#87ランボルギーニを駆る山内英輝がテールに食らいついてきた。
しかし峰尾は最後まで山内の先行を許さず、0.735秒差で逃げ切って今季初勝利を挙げた。
これにより911号車の獲得ポイントは82となった。

一方、ポールスタートの#33ハンコックポルシェは結局7位でフィニッシュすることになり、獲得ポイントは75にとどまった。
予選でのトラブルにより最後列からのスタートとなった#66アストンマーチンも、前半を担当した星野一樹が次々とオーバーテイクを繰り返し、一時は3位まで上り詰めたが、29周目にドライバー交代を行った際にピットレーン速度違反という痛恨のミスを犯してしまい、ドライブスルーペナルティーを課せられてしまった。
その後は前を行く#3SロードGT-Rの攻略に手間取って上位陣との差を縮められず、5位でレースを終えたため獲得ポイントは73に留まった。
これにより#911エンドレスTAISAN 911が2012シーズンのGT300クラスチャンピオンを獲得することになった。

また、レース後のセレモニーで吉本大樹の口からA speedの解散が告げられ、66号車の参戦が今季限りであることも明らかとなった。今シーズンのGT300を盛り上げた主役の一つがスーパーGTを去ることは残念という他ないだろう。

スーパーGTはこのあと、11月16-17日に富士スピードウェイで行われる特別戦「富士スプリントカップ」をもって2012シーズンを終了する。
そしてGT500クラスが現行車両で戦う最後のシーズン、2013年のスーパーGTの開幕は4月6-7日、舞台は岡山国際サーキットだ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎGTA定例会見 GT500はマニファクチャー選手権の制定を目指す

GTアソシエイション(GTA)は10月28日、スーパーGT第8戦の開催されているツインリンクもてぎで定例会見を行い、これまでの観客動員実績や先頃契約を締結したITR(DTMシリーズの運営団体)との車両規則統一などについて坂東正明代表が語った。
詳細は以下の通り

(今シーズンを振り返って)
早かったなという印象だ。震災から一年経っての開幕戦ということで、FIA-GT3の導入と、安全性を考慮したGT500の2リスアップ。
観客動員数はどこも前年増。オートポリスだけは台風の影響もありマイナスとなったが、ここまでの7戦で36万4900人で前年比122.5%だ。
一昨年のお客様に戻ってきていただいたと思っている。これからもリピーターになっていただけるよう、環境づくり、満足度の向上に取り組んでいきたい。

(*ITRとの契約の件)
今回、DTMと車両規則を統一したが、レース運営については今まで通りだ。250km〜1000kmのレース距離を2名のドライバーが走り、タイヤ、エンジンのコンペティションも行う。
DTMに合わせることでコストダウンを計りながら、お客様に納得していただけるクルマを作っていく。
上半分は市販車の形状を保ちつつ、下半分で工夫を凝らす。
車体を構成するパーツのうち50アイテムをITRからGTAが窓口となって一括購入するほか、20アイテムを国内で一括生産するが、その他の部分に関してはマニファクチャーではなくチームが作っていく。500クラスのチームが今後も存続していけるよう、触れる部分は確保する。
モノコックについては国内生産で、ミッドシップも基本的に同じものを使用する。ただしITRとの取り決めで剛性や強度はDTMと同じものになる。

来年の5〜6月頃に3メーカー合同でシェイクダウンを行うが、その後の空力やタイヤの開発は各自が2014年の開幕に間に合うように行っていく。タイヤについては、たとえ使用しないメーカーであっても開発のための時間は作るよう、各マニファクチャーには伝えてある。

(DTMとのレースの相互乗り入れについて)
シリーズ戦にスポットで参戦することについては、DTM側はマニファクチャー選手権への影響があるため反対している。スーパーGTとしてもシリーズを引っ掻き回されては困るという思いは同じで、現実にはシリーズせん以外で行うことになるだろう。ただし、向こうがシリーズ参戦したいというならウェルカムだ。

またアジア圏での開催については、現在DTMはロシア、中国、インドでの開催を希望している。参戦するマニファクチャーが今後開拓したい市場ということでマーケティング上重要とのことだ。
スーパーGTとしてもアジア各国でGT3の選手権をやり、ACOの選手権にGT300クラスを参戦させ、GT500はマニファクチャー選手権にしていきたいと考えており、アジア圏へ拡大していきたいとの考えはあるので、開催日程など、必要に応じてITRと調整していく。
日本ではまだ開発部隊と営業さんがバラバラで、レースのマーケティングへの活用が確立されていない。これについては今後GTAがアドバイスしていきたい。スーパーGTでは現時点でマニファクチャー選手権をかけることには3メーカーが揃って反対している。しかし今後は開発だけでなく営業にも使えるように、こうした選手権もやっていきたい。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第8戦もてぎフリー走行 #19ウェッズスポーツSCがトップタイム

スーパーGT第8戦のフリー走行は、#19ウェッズスポーツADVAN SC430(荒聖治/アンドレ・クート組)が1'43.373でトップタイム。2番手に#6ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也組)が2番手につけ、ここでもレクサスSC430が1-2という結果となった。
GT300はシリーズチャンピオンを争う3台が#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)、#911エンドレスTAISAN 911(峰尾恭輔/横溝直輝組)、#66triple a Vantage GT3(星野一樹/吉本大樹組)の順でトップ3を占めた。

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好天に恵まれた公式予選日と打って変わって決勝日の天気予報は雨。朝から時折り小雨がぱらついていたものの、朝9時からのサーキットサファリが始まる頃には一旦やみ、9時15分から45分間のフリー走行は終始ドライコンディションで行われた。
開始早々にトップに立ったのは#23モチュールGT-R。これを開始10分で#12カルソニックGT-Rが上回る。タイムは1'43.871。3番手には#18ウイダーHSVがつける。
暫くはこの順位のまま各車ロングランを行っていたが、残り15分のところで#17ケーヒンHSVが1'43.798を記録、それを残り7分で#6エネオスSCが1'43.637上回り、終了2分前で#19ウェッズスポーツSCが1'43.373を記録してトップに躍り出た。
一方、ポールシッターの#38ZENT SCはこのセッションを10番手で終えている。

GT300クラスはシリーズランキング上位3台がトップ3を占める展開。
昨日トラブルによりノータイムに終わった#66アストンマーチンも3番手につけており、後方グリッドからの巻き返しが大いに期待される。
JAF-GT勢は#2エヴァンゲリオンRT紫電の6位が最上位だった。

しかし現時点での予報では午後の決勝はかなりの雨量があるものとされており、この結果がどの程度影響するかは疑問が残る。

第8戦決勝は午後2時より53周(250km)で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ公式予選 ポールシッターのコメント

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GT500クラス #38ZENT CERUMO SC430
立川祐路
gt_r08_q_pc_tachikawa チャンピオンをとれなかったことで、オートポリスが終わった時点では気持ち的に「燃え尽きた」感じでしたが、そのぶん今回はプレッシャーも無く、同じメーカー同士で争っちゃいけない、みたいな制約も無くて、来年につながるように、という思いで走ることが出来ました。
今シーズンは序盤からウェイトを積んで苦しんできましたが、今回はノーハンデということで何が何でもアタマをとりたかったです。クルマは走り出しから順調でしたが、6号車も同様に速かったので、Q3はあそことの戦いになると思っていました。最後も勝って気持ちよく終わりたいですが、GT300のチャンピオン争いの邪魔だけはしないように気をつけます(笑)
平手晃平
gt_r08_q_pc_hirate オートポリスから手応えを感じていましたが、今回も朝のフリー走行からクルマはいい感じだったので、朝の時点でQ3まで行けると思いました。でもフリー走行、予選Q1、Q2と6号車に負けっぱなしだったので、Q3で立川さんがトップをとってくれて嬉しかったです。
今回はノーハンデの状態で僕らの力をアピールできるので、やれるだけのことをやって大暴れして勝ちたいです。
GT300クラス #33HANKOOK PORSCHE
影山正美
gt_r08_q_pc_kageyama (タイトル争いについて)早く楽になりたいです(笑)今回はポールをとることが大事だと来る前から思っていましたが、予選は上手くまとめることが出来ました。
藤井選手はここまで乗る時間が少ない中でいろいろと助けてくれて、今回もQ2でトップをとってくれました。明日はどんな状態であろうと勝ってチャンピオンをとりたいです。
藤井誠暢
gt_r08_q_pc_fujii フリー走行の結果がエンドレス、アストン、ぼくら、の順で、お客さんにとっては面白い展開になったでしょうね。予選Q2は10位以内で良かったんですけど、あそこで流れを掴みたかったのでトップを狙っていきました。
こういう戦いはやってる本人は辛いけど、お客さんは楽しかったんじゃないでしょうか。
明日は全セクションでトップタイムを記録して、トップをとって勝ちたい。どんな天候であっても自信があります。
まとめ: Kazuhire SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ公式予選 #38立川通算17回目のポール獲得!GT300は#66アストンマーチンがまさかのQ1落ち

2012オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT250kmレース」の公式予選が10月27日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#38ZENT CERUMO SC430(立川祐路/平手晃平組)が開幕戦岡山以来、今季2度目のポールポジションを獲得。立川はPP通算獲得回数を17に伸ばした。
GT300クラスは#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)がポールポジションを獲得する一方で、ランキング2位の#66triple a Vantage GT3(星野一樹/吉本大樹組)はメカニカルトラブルによりまさかのQ1落ちを喫するという波乱の結果となった。(天候:晴れ コース:ドライ)

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公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ、コースはドライながら、さすがに風は冷たさを感じさせる。
予選Q1では、公式練習でトップタイムを叩き出した#6エネオスSCが速さを見せ、伊藤大輔が1'41.280でトップに立つと、2番手には#38ZENTの立川祐路、3番手には#39デンソーの石浦宏明が続き、レクサスSCが1-2-3で他を圧倒する結果になった。
GT300クラスはタイトル争いの一角をなす#66triple aヴァンテッジがいきなりコース上にストップ、ノータイムに終わる波乱が。66号車は公式練習でもトラブルからストップしており、予選までに充分な修復作業ができなかったようだ。
一方トップタイムを記録したのは#911エンドレスポルシェの横溝直輝、#33ハンコックポルシェの影山が2番手につけた。

Q2では今週絶好調の#6エネオスSCを駆る大嶋和也と#39デンソーSCの脇阪寿一があわや接触という危ない場面があったものの、大嶋は最初のアタックから1分41秒台を叩き出す圧倒的な速さでここでもトップに立った。
2番手にもまた#38ZENTの平手晃平が続き、アンドレ・クートの駆る#19ウェッズスポーツSCが3番手と、またしてもレクサス勢が1-2-3。
結局2コーナーでのスピンによりタイムアップのチャンスを逃した#39デンソーSCと、第2戦富士でのロイック・デュバル欠場によりウェイトハンデを0に出来なかった#36ペトロナスSC、そして#12カルソニックGT-R、#17ケーヒンHSVの4台がここで脱落することとなった。
GT300は#33ハンコックポルシェの藤井がトップタイム。1'49.666を記録すると、#0初音ミクBMWの谷口信輝も1'49.712と僅差で続く。
一方JAF-GT勢は#31プリウスの新田守男、#16CR-Zの中嶋大祐が8、9番手でQ3進出を果たす一方で#61BR-Zの佐々木孝太はフロントサスの仕上がりが充分でなかったか、アンダーステア症状に苦しめられて13番手に終わった。

ポールポジションを決める最後の予選セッション、Q3でも#6エネオスは走りはじめから速さを見せつけ、伊藤は1'41.045と、Q1、Q2のベストタイムを更に上回ってみせたが、終了15秒前に#38立川が1'40.982とこの日唯一の1分40秒台を叩き出し、自身通算17回目のポールを獲得した。
3番手には本山哲の駆る#23モチュールGT-Rが食い込み、伊沢拓也の駆る#100レイブリックHSVが4番手につけた。
GT300クラスはここでもポルシェ同士の熾烈なポール争いが展開されたが、最後に笑ったのは影山正美の駆る#33ハンコックポルシェ。横溝の#911エンドレスポルシェはわずかコンマ2秒及ばなかった。

第8戦決勝は明日午後2時より53周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ公式練習 トップタイムは#6エネオスSC

2012スーパーGT第8戦の公式練習が10月27日、ツインリンクもてぎで行われ、#6ENEOS SUSTINA SC430(伊藤大輔/大嶋和也組)がトップタイムを記録した。
上位3台が僅差でチャンピオン争いを展開するGT300クラスは#911エンドレスTAISAN911(横溝直輝/峰尾恭輔組)がトップだった。

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スーパーGTの2012シーズンもいよいよ最終戦。公式予選日は爽やかな快晴に恵まれた。
既に前回のオートポリス大会でGT500クラスは#1S Road MOLA GT-Rのシリーズ2連覇が確定したものの、GT300クラスはランキングトップの#33ハンコックポルシェと2位の#66triple aヴァンテッジが僅か4ポイント差。ランキング3位の#911タイサンポルシェも9ポイント差と、この3台までがタイトル獲得の可能性をもつ接戦となっている。

公式練習は午前9時30分より120分間で行われた。
序盤トップタイムを記録したのは#12カルソニックGT-R。#23モチュールGT-Rも2番手に続くが、セッションが進むにつれてレクサス勢がタイムを伸ばし、最後の専有走行で#6大嶋和也が1'41.788と唯一の41秒台を記録してトップに立った。
3番手には#38ZENT SC、4番手には#100レイブリックHSVがつけ、チャンピオンの#1SロードGT-Rはこのセッションを8位で終えている。

一方、接戦の続くGT300クラスは、シリーズランキング上位3台がこのセッションでもトップ3を独占。
ランキング3位の#911タイサンポルシェが序盤にトップタイムを記録してみせた。
一方、ランキング2位の #66アストンマーチンはこのセッションを2番手で終えたものの、途中オイルポンプを駆動するベルトが外れるというトラブルでコース脇にストップしてしまった。軽微なトラブルのため予選出走は問題ないと思われるが、最後の専有走行を走れなかったことが結果にどう影響するか、その点が不安材料だ。

第8戦の公式予選はこのあと午後2時より、ノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:SUPERGT クラス1(GT500)新車両規則の概要(GTAリリースより)

【ご参考】SUPER GT クラス1(GT500)新車両規則の概要
SUPER GT GT500

(2012年)
SUPER GT GT500
新車両規則
(2014年~)
DTM

(2012年~)
車両寸法
(mm)
全 長4,675±304,6504,650
全 高1,1001,1501,150
全 幅2,0001,9501,950
ホイールベース2,700±302,7502,750
オーバー
ハング
FR
RR
950
1,025
875
1,050
875
1,050
タイヤ
サイズ
FR総幅
外径
14inch以下
28inch以下
300/680R18300/680R18
RR総幅
外径
14inch以下
28inch以下
320/710R18320/710R18
エンジン3.4ℓV8NA2ℓ直列4気筒
ターボ
4ℓV8NA
モノコック基本車両の骨格をベースに、オリジナル車両の寸法に合わせて製作。カーボンファイバーの使用可。単一モノコック(共通パーツ)。
※SUPER GT については、国産統一モノコック。性能(重量、剛性、重心高)はDTMと同一とする。
単一モノコック(共通パーツ)。
空力部品規定された寸法内で各社が開発。フロントスポイラー、アンダーフロア、リヤディフューザー、リヤウイングは共通部品。
※形状は2012 年DTM 車両と同様とする。
フロントスポイラー、アンダー フロア、リヤディフューザー、リヤウイングは共通部品。
主要部品トランスミッションギヤは共通パーツ共通パーツ共通パーツ
タイヤマルチメイク(ブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップ、ミシュラン)マルチメイクワンメイク(ハンコック)
その他全車左ハンドル
SUPER GT については、給油口、排気管の位置を変更する。(ドライバー交替があるため)

SUPER GT

SGT:SUPER GTとDTMが2014年より車両規則を統一することに合意(GTAプレスリリース)

SUPER GT のシリーズプロモーターである株式会社 GT アソシエイション(GTA)と Deutsche TourenwagenMasters(DTM)の運営団体であるInternationaleTourenwagen-Rennene.V(. ITR) は、2014 年以降の SUPER GT クラスI(GT500)と DTM の車両規則を、基本的に統一することに合意した。

当車両規則の統一に関する協議は、2010 年 1 月以降、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)と ドイツの ITR、Deutscher Motor Sport Bund e. V.(DMSB)との間で協議がスタートしたもので、 本年 1 月より SUPER GT のシリーズプロモーターである GTA が JAF から調整業務を引き継ぎ、 2014 年の車両規則制定に向け、交渉を進めていたものである。

DTM は、Deutsche Tourenwagen Meisterschaft として 1984 年にスタートした選手権で、当初 はグループ A 規定、その後は FIA クラス 1 規定によって開催された。

1996 年からは ITC(International Touringcar Championship)も開催されたが、同年をもって 一時終了。

2000 年から新生 DTM(Deutsche Tourenwagen Masters)として再スタートが切られた。現在 は市販車をベースとした〝4lV8 エンジン・2 ドア・後輪駆動〟というパッケージのツーリングカ ーで争われるレースとなっており、本年はアウディ、BMW、メルセデス・ベンツの車両が参戦し、 ドイツ他 5 ヶ国で年間 12 戦が開催されている。

今回の合意により、この車両規則に則って製作された車両は、2014 年以降 SUPER GT クラスI (GT500)と DTM の双方のシリーズへの参加が可能となり、両シリーズのさらなる発展に寄与す るものと考える。

【Hans Werner Aufrecht (ハンス ヴェルナー アウフレヒト) ITR President】
今日は我々全員にとって、そして特にモータースポーツにとって特別な日である。新しい技術規則に基づく GTA と ITR との提携によって、夢が現実のものとなったのだ。 このプロジェクトの実現は、アウディ、BMW、メルセデスベンツ、トヨタ、ニッサン、ホンダという参入しているマニュファクチャラー各社、および DMSB と JAF という統括団体の協力 なしには、成し得なかっただろう。
 モータースポーツの歴史の中でも画期的なこの出来事が、コストの劇的な低減に寄与するだけでなく、安全性の向上、そして特にマニュファクチャラーとチームに等しくチャンスが与えられ、世界中の何百万ものファンの目を引きつけて離さないレースの創出へとつながるものと、我々は信じている。
坂東氏と GTA ならびに JAF に対して、ここに至るまでのご尽力とご支援に、私から個人的 にお礼を申し上げたい。
2014 年のシーズン開幕が今から待ち遠しく、このパワフルな提携が導く、今後の可能性が楽し みである。

【坂東正明 GTA 代表取締役】
DTM の運営団体である ITR から、我々GTA が規則統一の提案を受けたのは、2009 年 SUPER GT 最終戦開催中のツインリンクもてぎでのことだった。以来、JAF を中心に協議が重ねられてきた。
今年からは、我々GTA がプロモーターとして、ITR との調整業務を引き継ぎ、ようやく合意に 至った。本日、ここにその発表のはこびとなったことを、心からよろこんでいる。
DTM に代表されるとおり、モータースポーツ発祥の地であるヨーロッパでは、そこに参画す る自動車メーカーが、レースを自社製品のマーケティング、プロモーションのツールとして活用 している。ITR とのコラボレーションによって、日本のメーカー各社が、このヨーロッパ方式を 一層強く意識され、それを実行できる体制を作られることを、我々GTA は期待している。
また、コストの低減とともに国内 3 メーカーが協力し、日本のものづくり、産業を発展させる 上で、DTM から学ぶことは少なくないと思われる。
その一方で、GT500、GT300 というふたつのクラスに、数多くのメーカーの数多くの車種が参 加し、さらにタイヤメーカーも 5 社がチャンピオンを競うという、世界でも有数の魅力を持つ SUPER GT が、DTM にもたらす好影響も少なくないだろう。
ヨーロッパの DTM とアジアの SUPER GT が、今後さらに協力関係を深めれば、両シリーズの交流戦開催など、世界中のファンの皆様によろこんでいただける、様々な展開も現実のものとなるだろう。 この合意に至るまでの、アウフレヒト氏と ITR、ならびにDMSB のご尽力に重ねて感謝する。

以上

GTアソシエイション

Japanese F3

JF3:第15戦富士決勝 各クラス上位3人のコメント

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総合優勝 #36中山雄一(トムス)
f3_r15_r_pc_nakayama 佐々木選手のペナルティで、繰り上がりでポールスタートになりました。朝は寒いコンディションで、WECのクルマも走って、路面状態が変わるかなと思ったんですけど、グリッドまでの試走でクルマのバランスが悪くなかったので、そのままのセッティングで行こうと思いました。レース中もマシンのバランスが良かったので、最後まで思い通りに走ることが出来ました。
今年は最初の鈴鹿でトラブルがあってイライラしたり、その後も新しいマシンのセッティングとドライビングのバランス取りに手こずって、苦しい序盤、中盤戦でしたが、後半になって自分のドライビングを対応させ、それに伴ってマシンのセッティングも良くなり、菅生と富士で結果を出すことが出来、シーズンを有終の美で飾れて嬉しいです。
マカオはフォーミュラBMWで一度走っていますが、F3で走るとなるといろいろと違ってくると思うので、一年目というつもりで臨みます。チームメイトになるドライバーはマカオの経験があるので、彼から学んで、最終的には優勝できるようになりたいと思います。
2位 #2ラファエル・スズキ(戸田レーシング)
f3_r15_r_pc_suzuki 昨日よりはスタートが良かったです。昨日のレースの経験が今日のレースにいい影響を及ぼしました。それでも序盤は上位にいるのが大変で、最初の5、6周は出来る限りハードにプッシュしました。
その後は安定してタイムが出せるようになりましたが、最後まで中山選手を捉えることは出来ませんでした。
F3は予選が全てだと思います。今シーズンはそこでのニュータイヤの扱いで苦労しましたが、シーズンが進むにつれてクルマも仕上がってきました。優勝はありませんでしたがいいシーズンでした。
3位 #4平川亮(RSセリザワ)
f3_r15_r_pc_hirakawa 今日はスタートが良くなくて、順位を落としてしまい、それを挽回しようとしてオーバーランして4位になってしまいました。山内選手がミスをしたお陰で3位に上がれ、2位を追いましたがペースが上がりませんでした。
でも昨日よりはクルマの状態は良くなっているので、マカオに向けていいレースだったと思います。
マカオは走ってみないと分かりませんが、日本のF3のレベルの高さを示せれば、と思います。
一度フォーミュラBMWで走っていて、面白いサーキットだと思いましたが、周回数を重ねることが出来ず、よくわかりませんでした。F3とはスピード差もあるので、その違いを感じられれば、と思います。
自分のためにも、芹沢さんのためにも頑張って結果を出したいです。
Nクラス優勝 #23佐々木大樹(NDDP)
f3_r15_r_pc_sasaki 今日はCクラスと序盤で争うためにも、スタートにかけていました。攻めてスタートして出だしは上手くいったんですけど、クラッチミートでミスをしてしまいました。そこからはもうプッシュプッシュで、8台くらい抜いたと思うんですけど、早く抜かないと平峰選手が前に行ってしまうと思って、隙があればすぐ抜きにいきました。
最終的にクラス1位で帰って来れたのは良かったと思います。
今年一年チームの皆さんや監督と話し合って、一丸となって戦うことが出来ました。それによって速さや強さが身に付いたと思いますし、最高のシーズンになりました。
2位 #7平峰一貴(HFDP)
f3_r15_r_pc_hiramine スタートが上手く行って、佐々木選手のストールが見えたのでしっかりプッシュしないとと思いました。追いつかれたのは僕のミスで何度かタイムを落としてしまった影響があるのかなと思います。
真っすぐスタートしたかったんですが、前でストールしていたのでよけなければなりませんでした。最後まで走りきれたのは良かったと思います。
今年一年HFDPというチームで走ることが出来、チーム代表や監督に感謝しています。
自分の中ではまだまだ課題が残っていますが、悔いはありません。「やりきれた」と思っています。
3位 #19蒲生尚弥(KCMG)
f3_r15_r_pc_gamo 予選が上手く行きませんでしたが、今日のスタートは決まって、1周目でかなり順位を上げることが出来ました。
昨日のレースで終盤オーバーステアがでたので対策をしましたが、それがいきすぎてしまって前半はペースが上げられませんでした。後半はペースを落とすこと無く走ることが出来たので、いいレースだったと思います。
F307はNクラスで何年も走っていて、セッティングも決まっていますが、F308は今年が初めてでした。今は差がありますが、テストをしていけば308の良さがでてくると思うので、チャンスがあればまた出させていただきたいと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshiniro OHNISHI

Japanese F3

JF3:第15戦富士決勝 #36中山5連勝! Nクラスは#23佐々木が今季9勝目

全日本F3選手権第15戦の決勝は10月14日、富士スピードウェイで行われ、1番グリッドからスタートした#36中山雄一(PETRONAS TOM'S F312)が昨日に続いて独走優勝、今シーズンを見事5連勝で締めくくった。
Nクラスはスタートでのストールから見事に順位を挽回した#23佐々木大樹(S Road NDDP F3)が昨日に続いて連勝を飾った。

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第15戦決勝は午前8時30分スタート。
富士6時間対九レースの決勝日を迎えた富士スピードウェイは薄曇りながら、レースは終始ドライコンディションで行われた。

昨日の予選では#23佐々木がNクラスの車両ながら総合トップタイムを叩き出したが、13コーナーでの走路外走行という裁定により、この日は4番グリッドからのスタートとなり、#36中山が先頭に繰り上がった。
その中山は上手くスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込んだが、その後方で#23佐々木と#37リチャード・ブラッドレーが揃ってストール、大きく順位を落とすことに。
2番グリッドからスタートの#4平川亮も1コーナーで#2ラファエル・スズキの先行を許したばかりか、順位を挽回しようと飛び込んだダンロップコーナーでオーバーラン、逆に#1山内英輝にかわされて4位でオープニングラップを終えた。

#1山内は2周目の1コーナーで#2スズキのインをつくが、#2スズキはラインをクロスさせて抜き返す。#1山内はつづくコカコーラコーナーでもオーバーテイクを試みたが、ここでミスをして突き放され、逆に4位の#4平川に追いつかれてしまい、3周目の1コーナーで4位に後退してしまった。

その後ろでは1周目に11位まで後退した#23佐々木が凄まじい勢いで追い上げを開始、4周目には#35勝田貴元を抜いてNクラス3位まで挽回すると、次の周終わりのホームストレートでは同2位の#19蒲生尚弥をも抜去った。
一方#35勝田は5周目のダンロップコーナーで#8野尻智紀と接触。野尻はそのままリタイヤとなり、勝田に対しては10秒のペナルティストップが課せられた。

このように2位以下のドライバー達がバトルを展開している間に、トップの#36中山は着々とリードを広げ、最後は2位#2スズキに7.2秒の差を付けて15周を走りきり、今季通算6勝目を挙げた。

Nクラスはスタートで大きく順位を落とした#23佐々木が見事な追い上げを見せ、12周目の1コーナーで#7平峰一貴を抜き去って今季通算9勝目をものにした。
また3番手には、今回久々にF3に参戦した#19蒲生が入った。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

Japanese F3

JF3:第14戦富士決勝 各クラス上位3人のコメント

総合優勝 #36中山雄一(トムス)
f3_r14_r_pc_nakayama 今日はポールポジションからスタートできました。金曜日のフリー走行ではクルマのバランスがよくなくて、ニュータイヤを履いた最後のアタックもいいバランスでは走れませんでしたが、今日までに調整することが出来て、予選はポールポジションをとることが出来ました。
かなりいいスタートが切れたので、後続を引き離すことが出来、クリーンに1コーナー入っていくことが出来ました。その後も何一つ文句の無いマシンで走ることが出来たので優勝できました。
明日もポールからスタート出来るようなので、今日と同じようなレースが出来たらと思います。
菅生からマシンがずっと調子がいいので、このマシンを用意して下さったチームの皆さんに感謝したいと思います。
総合2位 #37リチャード・ブラッドレー(トムス)
f3_r14_r_pc_bladley スタートはすごくよかったので、ポジションを一つ上げることが出来ました。ターン1で上位に上がれたことがアドバンテージになりました。しかし5周目にミラーが外れて僕のヘルメットをヒットする事態になり、そこからは右コーナーの視界が制限されてライン取りが上手く行かないまま走ることになりましたが、2位に入ることが出来て本当に嬉しいです。今週はずっと熱が出て睡眠も充分に取れない状態でした、今日こんな結果が出せて嬉しいですし、チームにも感謝しています。もてぎ大会からずっと調子が上向いています。
色んな事情があり、チームとも話し合った結果、マカオは不出場になりました。兎に角このレースに集中しようと言うことです。
明日のレースも自分の力を100%出し切ろうと思います。
総合3位 #4平川亮(RSセリザワ)
f3_r14_r_pc_hirakawa スタートは普通だったんですけど、リチャード選手が凄いスタートをして前に行かれてしまいました。最初は食らいついていこうと思ったんですが、中々上手くついていけず、自分のミスも多かったレースでした。
金曜日の調子が良かったので、まだ改善の余地はあると思います。
上手くスタートを決めて前に出られればいいレースを出来ると思います。前に出られなくても追いつめるようなレースをしたいです。
Nクラス優勝 #23佐々木大樹(NDDP)
f3_r14_r_pc_sasaki 久しぶりのフロントローからのスタートで、わくわくしたんですが、やっぱりNクラスは加速で劣るので、リチャード選手と平川選手に前に行かれてしまい、1コーナーの立ち上がりの加速も鈍かったので山内選手にAコーナーでいかれてしまいました。そこからは総合の表彰台を目指してプッシュしていたんですけど、なかなか山内選手を抜くことが出来なくて。自分のペースとしては中山選手に匹敵するものを持っていたと思うんですが、中々オーバーテイクできなくて。最終的にNクラスの優勝をすることが出来たのは嬉しいんですが、明日に向けてもっともっと上を目指せるように、総合での表彰台に乗れるように頑張りたいと思います。
Nクラス2位 #35勝田貴元(トムススピリット)
f3_r14_r_pc_katsuta 昨日のフリー走行から佐々木選手は次元の違う速さを見せていて、今日の予選でも1秒以上はなされていました。
クルマ、ドライビング、色んな要素で佐々木選手に負けているのかなと感じていたので、少しでも佐々木選手の後ろを走って、ドライビングやクルマの動きなどを見ながらレースしようと思いました。
スタートでポジションをキープできて、100Rで前がごちゃごちゃになったので、その間に平峰選手の前に出ました。その後佐々木選手が混乱でポジションを落として僕の1車身分くらい前にきたので、行ければ行ってやろうと思ったのですが、チャンスが中々無く、単独走行になると離れてしまう状況だったので、ミスだけはしないように限界内で走っていました。
今週末佐々木選手が飛び抜けて速いので、チームとも相談して速くなる要素を沢山見つけて、来て下さっているトヨタの関係者の皆さんの前で恥ずかしくないレースをしたいと思います。
Nクラス3位 #20ギャリー・トンプソン(KCMG)
f3_r14_r_pc_thompson いいスタートを切れて、1コーナーに入るまではチャレンジが必要な状況になりました。Aコーナーまでは周り中にクルマがいるような状況でクリーンなラインがとれずに走るのに苦労しました。Cクラスのクルマを抜くのにも苦労しましたが、終盤は自分のペースで走れるようになりました。
シーズンの後半に来て調子が上向くのはちょっと遅いですが、今日の結果には満足しています。
明日もクラス優勝は非常に難しいと思いますが、一生懸命プッシュして戦いたいと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第14戦富士決勝 #36中山ポール・トゥ・ウィンで4連勝達成!

全日本F3選手権第14戦の決勝レースが10月13日、富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#36中山雄一がそのままトップで逃げ切り、前回SUGO大会から4戦連続、今季通算5勝目を挙げた。 Nクラスは総合2番手からスタートした#23佐々木大樹(S Road NDDP F3)がCクラスの#1山内英輝とドッグファイトを繰り広げながら21周を走りきり、今季8勝目をものにしている。

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第14戦決勝は、WEC富士6時間レースの公式予選終了後の午後2時40分より21周で行われた。 ポールシッターの#36中山がそのままトップで1コーナーに飛び込み、一気に後続を突き放しにかかるその後方では、セカンドグリッドの#23佐々木を#37リチャード・ブラッドレー、#4平川亮、#1山内英輝らのCクラス勢が次々にパス、オープニングラップを終える頃には佐々木は総合5番手に後退してしまった。

しかし#23佐々木はそこから#1山内に離されずについていき、4周目の最終コーナーでインに飛び込んで#1山内の前に出ようとする。 しかしストレートスピードに勝るCクラス車両を駆る#1山内は易々とホームストレートで追いつき、1コーナーで再び#23佐々木の前へ。 こうした抜きつ抜かれつのバトルはその後もヘアピンやダンロップ、第13コーナーで何度も繰り返され、幾度かは#23佐々木が前に出るものの、結局は次の1コーナーまでに#1山内が抜き返すというこう着状態。 遂には#35勝田貴元もこの2台に追いつき、終盤は三つ巴の様相を呈するが、結局#1山内が4位の座を守りきって21周を消化した。 総合5位に終わった#23佐々木だったが、それでもNクラス首位の座は揺るがなかった。

その前方では、#36中山が完全に独走態勢を築き上げ、最後は2位#37ブラッドレーに7.64秒もの大差を付けてチェッカーを受け、今季通算5勝目を前大会SUGOからの4連勝という形で飾った。 3位にはそのSUGO大会で早くも2012タイトルを決めた#4平川亮が入った。

第15戦決勝は明日朝8時30分より、15周で行われる。 #23佐々木へのグリッド降格ペナルティにより、ここでも#36中山が先頭でスタートすることになった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

Japanese F3

JF3:第15戦公式予選 Nクラスの#23佐々木が総合トップもペナルティの裁定

全日本F3選手権第15戦の公式予選は、Nクラスの#23佐々木大樹(S Road NDDP F3)が総合でもトップタイムを記録をしたが、予選終了後に3グリッド降格のペナルティを科せられることになった。
これにより明日の決勝は#36中山雄一(PETRONAS TOM'S F312)がポールポジションからスタートする。

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第14戦の公式予選から10分間のインターバルを置いて、第15戦の公式予選が開始された。こちらも走行は10分間。わずか数周のタイムアタック合戦だ。

ここでも1周目のトップは#37リチャード・ブラッドレーで1分37秒台、2周目に#36中山雄一が1分36秒台に上げてトップに立つが、すぐにこのタイムを上回ってきたのが#23佐々木だった。佐々木は5周目に1'36.138までタイムを縮め、堂々の総合トップに躍り出る。
6年落ちのシャシー、旧型のエンジン、更にはCクラスより小さなリストリクターの装着というハンデを考えれば、1.4kmもの長大なホームストレートを抱える富士で総合トップのタイムを記録することは容易ではないはずだが、佐々木はこの悪条件の中でも金曜の走りはじめから最速タイムを記録、この予選でも最終的にCクラストップの#36中山に0.273秒の差をつけてチェッカーを受けた。
総合3番手には、前回のSUGO大会で総合チャンピオンを決めている#4平川亮(広島トヨペットF312)がつけた。
Nクラス2番手には#7平峰一貴(HFDP RACING F307)がつけたが、トップの佐々木とは1.142秒差をつけられた。

しかし予選終了後に佐々木の第13コーナーでの縁石の使い方に対して走路外走行の裁定がくだされた。
これにより佐々木は3グリッド降格となり、明日の決勝を4番手からスタートすることに。
代わって#36中山が1番グリッドからスタートすることになった。

第15戦決勝は明日14日の朝8時30分より15周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

Japanese F3

JF3:第14戦富士公式予選 #36中山が4連続ポール達成。Nクラスは#23佐々木のタイトルが確定

全日本F3選手権第14戦の公式予選が10月13日、富士スピードウェイで行われ、#36中山雄一(PETRONAS TEAM TOM'S F312)が1'36.226でポールポジションを獲得した。 Nクラスは総合でも2番手につけた#23佐々木大樹(S Road NDDP F3)がトップ。佐々木はこれにより1ポイントを獲得、決勝スタートを待たずして2012年のNクラスチャンピオンを獲得した。

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全日本F3選手権最終ラウンドは、24年ぶりに復活したWEC富士6時間耐久レースとの併催となった。 公式予選はWECのフリー走行3回目の終了後、午前11時25分より10分間で行われた。 天候はさわやかな秋晴れ、コースはドライの絶好のコンディションだ。 ここでトップに立ったのは前回SUGO大会で3連勝を果たした#36中山。誰よりも早く1分36秒台の好タイムを記録すると、最後は1’36.226まで短縮してポールポジションをものにした。 2番手にはなんとNクラスの#23佐々木がつける。 佐々木は金曜日のフリー走行でも午前中にトップタイムを記録しており、今週末は絶好調のようだ。この予選でも1’36.297と、Cクラス中山の0.071秒差につけ、総合でもフロントローを獲得した。 これにより佐々木のシリーズポイントは1点が加算されて123。ランキング2位の#7平峰一貴は100ポイントであるため、このあと第15戦でポールを獲得し、第14、15戦の決勝レースでいずれもファステストラップと優勝を記録しても優勝回数の差で佐々木を上回ることが出来なくなったため、この時点で2012年のF3Nクラスチャンピオンは佐々木のものとなった。

なお、#8野尻智紀(HFDP RACING F312)と、今回スポット参戦している#19蒲生尚弥(KCMG)については走路外走行のため3グリッド降格のペナルティが課せられ、それぞれ10番手、14番手から決勝をスタートすることになった。

第14戦決勝はこのあと午後2時40分より21周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
Yoshinori OHNISHI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス決勝 優勝ドライバーのコメント

GT500クラス #1S Road REITO MOLA GT-R
柳田真孝
本当にチームがいいクルマを用意してくれて、ミシュランもいいタイヤを用意してくれて、僕はただ走るだけでした。前半はロニーがきつい状況でよく頑張ってくれて、ホンダのクルマを抜けそうで抜けない時も冷静に走ってくれたし、なんとかつなげよういう気持ちも伝わったし、何台か抜いてきてくれたから、僕もなんとかつなげたいと思って走っていました。僕の方は結構ロングスティントになったので、タイヤが厳しくなると思い、ペースを上げつつもタイヤを労って走り、最後の20周だけペースを上げました。路面が乾いてきたので正直難しいと思っていましたが、最後まで諦めずに全力でプッシュしました。
最終ラップは1コーナーで抜けると思いましたが締められてしまったので、そこからは絶対抜いてやろうという気持ちになりました。
正直、チャンピオン争いのことは分かってなくて、無線で何を言われてるのかも分からず、戻ってきてからスタッフが喜んでるのを見て理解しました。去年とは違う決まり方で、まだ実感がありません。
ロニーやチーム全員に感謝しています。
ロニー・クインタレッリ
予選でいい結果が残せなくて後ろからスタートしてしまい、決勝のペースは良かったのにホンダ勢に引っかかってしまったので、リスクをとらなくちゃいけないので、ミニマムの周回数でピットに入る作戦を選びましたが、最終的にそれが正解でした。
後半に関してはマー(柳田選手)が最高の走りだった。だから今日は彼の優勝です。
チャンピオンに関してはまだ実感できていません。4位を走っている時は38番が5位だったので、もてぎに向けて差を広げたいと思って走っていました。24号車が見えてからは表彰台を狙えるな、と思い、19番を抜いたときにはこれでもてぎが楽になると思いました。でも最終ラップでマーがやってくれて凄く嬉しかった。
勝てたのはチームメンバーの力、タイヤメーカーの力、全員でとりました。
GT300クラス #66triple a Vantage GT3
星野一樹
富士で悔しい思いをして、落としちゃいけないレースを落としてしまったので、今度は最初からチーム全員が勝とうと思ってきて、イギリスからエンジニアも来てくれて。彼が来たレースは勝ててるんですけど。ヨコハマさんが用意してくれたタイヤは全部調子よくて、スタートの時はギリギリまでスリックを履こうかと迷ったんですけど、ヨコハマさんの指示でインターを選択して、それが正解でした。今回はタイヤが素晴らしかったです。
今回はスタートして2、3周でGT-Rとのマッチレースになると分かってたんで、チャンスをうかがってたら、1回だけチャンスが訪れたので、ここしかないと思って1コーナーで飛び込んで、そこでトップに立って引き離せたんで、後半はヨッシーに任せておけば大丈夫だと思ってたんで安心して見てました。最後トラブルで残念な結果になったんですけど、こういう形でロニーとマーと会見に来れて本当に嬉しいです。
吉本大樹
ここまで6戦終わって、3回リタイヤして、3回表彰台に上がって、でチャンピオンシップも可能性のある状態でオートポリスに来て、雨になったら3号車があれほど速いとは思ってなかったんですけど、決勝もウェットコンディションになれば簡単には行かないと思っていました。始まってみたら上回るペースで走れて、これはいけると確信できました。トップになって渡してくれると確信してたし、僕に変わってからは路面が乾いてきてタイヤへの攻撃性が増えてきて、すぐ3号車に追いついたんですけど、完走するまでタイヤ持たせないと行けないんで様子を見ていました。関口もタイヤを労ってるのが見ていて分かりました。3号車は立ち上がりが速くてなかなか抜けませんでした。
全てが上手く進んだことで今回の勝利があったのだと思います。スタッフ全員に感謝したいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス決勝 #1S Road GT-Rが大逆転勝利で早々とシリーズ2連覇を達成! GT300は#66アストンマーチンが接戦を制す

2012スーパーGT第7戦「スーパーGT in 九州300km」の決勝レースが9月30日、大分県のオートポリスで開催され、前年王者の#1S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)が終盤見事な追い上げで逆転優勝を果たし、最終戦を待たずしてシリーズ2連覇を達成した。
GT300クラスは#66triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹組)が今季2勝目を挙げ、シリーズポイントでもトップの#33HANKOOK PORSCHEに4点差と迫った。
(天候:雨 コース:ウェット)

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朝のフリー走行が濃霧のためにキャンセルとなり、決勝への影響が懸念されたが、午後2時のスタートまでにはどうにか進行可能な状態となった。しかし依然として路面はウェットであったため、今回はセーフティーカー先導のもとで65周の決勝はスタート、3周目から追い越し可能となるや、すかさず2番手スタートの#23モチュールGT-RがS字でポールシッターの#19ウェッズスポーツSCを抜いてトップに立つ。スタートドライバーは#23本山哲、#19アンドレ・クートだ。

本山は序盤から一気に後続を突き放しにかかり、2位クートとの差を12周終了時点で8秒まで広げたが、ここでGT300の#52グリーンテックSLSが4コーナーでコースを飛び出し、バリアに激しく突っ込んでストップしたたことにより、これを排除するために再びセーフティーカーが導入され、本山のリードは帳消しとなってしまった。

幸いドライバーの竹内浩典に大事は無く、レースは車両回収の後に17周目から再開となった。
すると3位につけていた#24D'station GT-Rを駆るビヨン・ビルドハイムが8コーナーで#19ウェッズスポーツを抜いて2位に浮上、#23モチュールを追い上げにかかる。
すると#23モチュールGT-Rは26周目に突然ペースを落とし、続く27周目の1コーナーで#24D'station #19ウェッズスポーツに立て続けに抜かれて3位に後退する。
たまらず28周終わりでピットストップを行い、クルムに交代した#23モチュールだったが、その後もタイヤの消耗に悩まされ、51周終わりでタイヤ交換のために2度目のピット作業を行って大きく順位を落としてしまった。

これでレース中盤のトップ争いは#24D'station、#19ウェッズスポーツの2台のヨコハマ勢に絞られたが、抜きつ抜かれつを繰り返すこの2台の背後で着々と順位を上げてくる車両があった。
予選後のエンジン交換により決勝スタート直後に15秒ストップのペナルティを科せられた#32エプソンHSV、そして予選10番手からのスタートとなった#1SロードGT-Rだ。

#32エプソンはペナルティストップを終えた後に道上龍がトップグループをも上回るハイペースで追い上げを開始し、SC明けの17周目には11位、24周目には6位集団に追いつき、その後も42周目まで引っ張って暫定トップでピットインすると、ピットクルーも道上の頑張りに応え、2番手の中山友貴をトップのままでコースに送り出した。後ろに迫るは#24D'stationだ。
24号車の後半を受け持った安田裕信は#32中山を激しく追い立て、ジェットコースター手前でインをつくが、中山も懸命に踏ん張ってトップを守りきる。中山は45周目に周回遅れの#11ゲイナーR8と接触、ここで一旦は24号車の先行を許すが、50周目に再び抜き返してトップに立ち、一気に後続を突き放しにかかった。
55周を終えた時点での24号車との差は10秒。これで勝負は決まったかに見えた。

しかしその後方から猛然と追い上げてきたのが1号車だ。
後半を受け持った柳田は中山を1周1秒以上上回るハイペースで追い上げ、58周目に3位の#19ウェッズスポーツを抜き去ると、続く59周目の1コーナーで#24D'stationも抜いて2位に浮上、一気に#32エプソンの背後に迫った。

そして迎えたファイナルラップ。
1コーナーでインを狙う#1柳田。
押さえ込む#32中山。
柳田は再び3コーナーで中山に並びかけ、両者は並走状態で何度も接触しながらジェットコースター手前の左コーナーへ。
ここでダートにはみ出した32号車がたまらずスピンしてしまい、1号車は遂にトップに立ってそのままチェッカー受けた。2位は#32エプソンHSV、3位には#19ウェッズスポーツSCが入った。

なお、#1S Road GT-Rはこれにより20ポイントを獲得。ランキング2位の#38ZENT SCが7位に終わったため、1号車78ポイント、38号車は54ポイントとなり最終戦を待たずして1号車のシリーズ2連覇が確定した。

一方、GT300クラスは、ポールシッターの#3S Road NDDP GT-Rと予選2番手の#66アストンマーチンが序盤から激しいトップ争いを展開、21周目の3コーナーで一旦は星野の駆る#66アストンマーチンがトップに立ったものの、34周目に行ったピットストップで給油ホースからガソリンが漏れて出火、この消火作業のために大いにタイムロス、再び#3GT−Rの先行を許してしまった。
テールに食らいついて隙をうかがう2番手の吉本だったが、欠場明けの関口雄飛も一歩も引かずにトップを守って周回を重ねる。しかし3号車は不運にも55周目に左リヤタイヤ脱落というまさかのトラブルで去ることに。
これにより#66アストンマーチンが第5戦鈴鹿1000kmに続いて今季2勝目を挙げ、シリーズポイントでもトップの#33ハンコックポルシェに4点差と迫って最終戦を迎えることとなった。
2位は#911エンドレスポルシェ、3位は#33ハンコックポルシェだった。

2012シーズンの最終ラウンド、第8戦は10月28日にツインリンクもてぎで行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT | その他

SGT:GTA定例会見 来年の韓国戦にはヒュンダイジェネシスがスポット参戦。DTMとの規則統合も順調に進展。

GTアソシエイション(GTA)は9月30日、スーパーGT第7戦が開催されている大分県のオートポリスで定例会見を行い、来年韓国で予定されているエキシビジョンレースや、DTMを主催するITRとの車両規則統合についての進捗状況を明らかにした。

まず韓国ヨンナムサーキットでのエキシビジョンについては、坂東代表が先々週韓国に渡航して現地プロモーターと話し合いの場を持ったとのこと。
政治的な問題が懸念されるものの、GTA、現地プロモーターの双方が開催を希望しているという点で一致しており、あとはレース内容やロジスティックについて細かい詰めをしていくだけだという。
また、このレースにはインディゴというチームがGT300クラスへの参戦を希望しており、現在ヒュンダイジェネシスクーペをベースに、技術的なアドバイスをGTAが行いながらJAF-GT規定で車両制作を進めているという。今のところは韓国戦への参戦を目標に準備しているが、チームは2014年以降のフルシーズン参戦を希望しているとのことだ。

また、DTMとの車両統合については、DTMを運営するITRと基本的な合意に達したという。今後はレース運営やアジア・パシフィックでのレース展開やカレンダーのあり方などの契約について話し合いを進めていくとのこと。
車両規則についてはコンポジット(モノコック)やパーツの売買については合意に至っており、近いうちに都内で調印式を開催したいとしている。

これに伴い、GT500クラスの車両規則は2014年から変更となるが、同時にエンジンについても変更になる。
これはスーパーフォーミュラ(現フォーミュラニッポン)を主催する日本レースプロモーション(JRP)の白井社長が2014年からの車両変更に伴いエンジンをダウンサイジングするとした話と符合しており、両者は引き続き同じエンジンを使用することになりそうだ。
ただしDTMに関しては2017年まで現行の4リッターV8エンジンを継続使用することが決まっているため、仮にBMWなどがスーパーGTへ参戦してきた場合にはBOPで対応するとのことだ。

また、10月のWEC富士開催に合わせて、同シリーズを運営するACOともミーティングが予定されており、こちらはアジアシリーズへのGT300車両参戦に当たってのGTCクラスとのBOPについて話し合われる予定だ。

日本独自のシリーズとして発展してきたスーパーGTだが、今後は海外のレースシリーズと連携しての広範な市場拡大が期待される。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス 結局フリー走行はキャンセルに

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大分県のオートポリスで開催されているスーパーGT第7戦のフリー走行は、天候の回復を待って午前11時より再開される予定だったものの、依然として濃霧がコース全体を覆い尽くしているため、結局中止という判断がなされた。

なお、今後の予定等はまだ明らかになっていない。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYSHI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス 朝のフリー走行は濃霧のため中止に。天候の回復を待って再度実施予定

スーパーGT第7戦のフリー走行は濃霧による視界不良のため開始5分あまりで赤旗が出され、結局そのまま終了となった。

9月30日の決勝日を迎えた大分県のオートポリスは朝から濃い霧がコースを覆い尽くしており、昨日に続いて小雨も降り続いていた。
既に台風17号は鹿児島沖を抜けており、決勝レースの行われる午後には天候も回復することが予想されているが、朝の時点では路面は濡れており、ウェット宣言とライトオンの指示が出される中、午前9時20分より走行が開始された。

しかし濃霧はますます酷くなり、コーナーポストから出される旗も視認できないほどの状態となったため、5分あまりが経過した時点で赤旗が提示され、結局そのまま走行は終了との決定がなされた。

現時点の予定では、天候の回復を待って午前11時より再度30分間の走行が予定されている。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス公式予選 ポールシッターのコメント 

GT500クラス #19 Weds Sport ADVAN SC430
アンドレ・クート
大変嬉しいです。こんないい日はなかなかありませんから。このポールポジションを息子のアフォンソに捧げたい。また、彼と同じ境遇の子供たちにも、この場を借りて引き続き支援をお願いします。
レースに話を戻すと、クルマはすごく安定していて、今日の難しいコンディションの中でも気持ちよく走ることが出来ました。メカニックやエンジニアのみんながいい仕事をしてくれたのだと思います。
Q3ではいいタイムを出す自信はありましたがGT500は接戦なので、ポールポジションまでは予想していませんでした。
明日は天候や路面コンディションがどうなるかわかりませんが、とにかく頑張ります。
荒聖治
アンドレが凄く頑張ってくれました。ここ何戦かクルマは非常にいい状態でレースできるようになってきて、前半戦を苦しみましたが漸く他のクルマと同じレベルでレースできるようになってきて、前回は表彰台に上がれました。クルマに対して、タイヤに対して、凄く手応えを感じる状態で走れる中、こういうウェットの中でパフォーマンスを発揮できたのは嬉しかったですし、自信になりました。
今日はコンディションが変化していく中、午前中は9位だったんですけど、その後の微調整がいい状態ではまって、いい結果に結びついたので良かったですね。
GT300クラス #3 S Road NDDP GT-R
関口雄飛
今日は練習走行の最後にインターミディを履いたところでアストンに逆転されてしまいましたが、あとはずっとQ1、Q2、Q3と全部トップで通過できたので非常に嬉しく思っています。
前回の富士でも予選で雨が降る中で証明したように、土砂降りになるとGT-Rは速いので、Q1は特にクルマに助けられた部分があると思います。Q3に関しては雨も弱まって、タイヤもみんなインターミディエイトとかを履いていたと思うんですけど、そうなるとアストンなんかも速くなってくるので、状況は苦しかったんですが、そんな中で攻めた走りが出来ました。前回欠場したことで精神的にも結構辛かったんですが、そんな中で攻めた走りを出来る自分を再確認できて嬉しく思います。
千代勝正
今回は96キロハンデを背負って走るレースということで、正直雨を願っていました。クルマ自体は雨のパフォーマンスが高いですし、僕達も雨の走りは得意なので、結構自身持って走れて、僕の担当したQ2でもトップをとれました。自分のスティントでは途中で赤旗が出ましたが、その前に結構いいタイムが出ていたので、周りとのタイム差をみて再開後はQ3で関口さんが履くタイヤの皮むきと熱入れが出来て、他のチームより一歩先を行ってクルマを渡せたので、非常にいい流れで予選を進められたと思います。
最高のポジションからスタート出来るんで、明日しっかり終わるまで気を抜かないで走りきりたいと思います。
まとめ :Kazuhisa SUEHIRO

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SGT:第7戦オートポリス公式予選 GT500は#19ウェッズスポーツSC、GT300は#3SロードGT-Rが揃って初ポールを達成!!

2012オートバックス スーパーGT第7戦「ス−パーGT in 九州300km」の公式予選が9月29日大分県のオートポリスで行われ、#19Weds Sport ADVAN SC430(荒聖二/アンドレ・クート組)がGT500クラス参戦以来初のポールポジションを獲得した。
GT300クラスも#3S Road NDDP GT-R(関口雄飛/千代勝正組)が96kgのウェイトハンデを背負いながらも見事初ポールを獲得した。
(天候:雨 コース:ウェット)

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公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
台風17号の影響で開始直前にはコース上を濃い霧が覆い、走行への影響が懸念されたが、時間が経つにつれて空は明るくなり、雨も次第に小降りとなっていったが、滑りやすい路面に足下をすくわれてのコースアウトが相次ぎ、頻繁に赤旗中段となる荒れた展開となった。

予選Q1はGT500の走行が始まってすぐに#39デンソーサードSCの石浦宏明が11コーナーでコースアウト。即座に赤旗中断となり、39号車はタイム計測されないまま予選を終えることになった。
再開直後にトップに立ったのは#23モチュールGT-R、ドライバーは本山哲で1'54.541。
しかしすぐに#17ケーヒンHSVの塚越広大、#19ウェッズスポーツのクートらがそれを上回り、#19クートが1’53,531でトップに立つ。クートはその直後にコースを飛び出したが、すぐに走行を再開。しかしセッション終盤になって#1SロードGT-Rが次第にタイムを挙げ、遂には1'52.642でトップに。ドライバーはロニー・クインタレッリだった。さらに#17ケーヒンも2位に浮上してきた。
結局このセッションは#1Sロード、#17ケーヒン、#19ウェッズスポーツの順で終了。
セッション終盤にコースオフして2度目の赤旗の原因を作った#6エネオスSCと、#8ARTA、#35KeePer KRAFTの3台がノックアウトされる結果となった。

予選Q2もまた開始直後に#32エプソンHSVがヘアピンで飛び出してフロント周りを大きく破損。これを回収するために赤旗が出されることになった。
これにより他のチームは残り時間6分でのアタックを強いられることになったが、路面コンディションは次第に好転していき、タイムも上位陣は1分46秒台を記録するまでになった。
ところがこの影響により失速したのがQ1トップの#1SロードGT−R。柳田真孝は1分49秒台のタイムを記録するにとどまり、なんとこのセッションを最下位で終えることになる。その他、前回優勝の#12カルソニックGT-R、#36ペトロナスSCらもここで予選を終えることに。
一方このセッションのトップは#23モチュール、2位はD'stationとGT-Rが続き、#17ケーヒンHSVが3位という結果になった。

上位7台がポール獲得をかけて行われた予選Q3は、開始当初から#23モチュールGT-R、#19ウェッズスポーツSCの2台が熾烈なタイムアタック合戦を展開、最終的に#19クート1'46.534、#23本山1’46.535と僅か千分の1秒差で19号車がGT500参戦以来初めてのポールポジションを獲得した。
3番手には#24D'station GT-Rがつけ、ホンダHSV勢では#17ケーヒンの5位が最上位という結果になった。

GT300クラスは公式練習でクラッシュした#2紫電が出走を取りやめたため23台での走行となったが、モラルハザードポイントの累積で関口雄飛が前戦富士を欠場したためにウェイト軽減措置を受けられなかった#3GT-RがQ1から他を圧倒する速さを見せ、全てのセッションでトップタイムを記録して見事ポールポジションを獲得した。これは今シーズンデビューの千代だけでなく、関口にとっても初めてのポールとなった。
2位には#66アストンマーチン、3位に#88ランボルギーニとなり、JAF-GT勢最上位は#61BRZの8位にとどまり、終わってみれば今回もFIA-GT3勢が上位を独占する結果となった。

第7戦決勝は明日午後2時より65周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第7戦オートポリス公式練習 #1SロードGT-Rがトップタイム

オートバックス スーパーGT第7戦「スーパーGT in九州300km」の公式練習が9月29日、大分県のオートポリスで行われ、GT500クラスは#1S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)、GT300クラスは#66triple a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹組)がそれぞれトップだった。

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公式予選日を迎えたオートポリスは台風17号の接近の影響もあり、朝から小雨の降り続く肌寒い天候。
公式練習は終始ウェットコンディションのもと、午前9時より120分で行われた。
規定によりウェイトハンデが半分に減らされる今回、勢力図が大いに書き換えられることが予想されたが、始まってみればミシュランタイヤを履く#1SロードGT-R、ダンロップタイヤを履く#32エプソンHSVが1位、2位を占め、ヨコハマユーザーの#24D'station GT-Rが3位、ミシュランの#39デンソーSC430が4位と、ウェットレースに強いいつもの面々が上位を占める結果に。
GT300クラスも車重の軽くなった#66アストンマーチンがますます速さを増し、それに#0初音ミクBMW、#3S Road NDDP GT-Rが続く展開となった。3号車は前回の富士で関口雄飛が欠場したため、ハンデ半減の措置の対象外となっているにもかかわらず、上位タイムを記録してタイトルへの意欲をアピールした。

公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

SUPER GT

SGT:第6戦富士決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス #12カルソニックIMPUL GT-R
松田次生
gt_r06_r_pc_matsuda とりあえずほっとしました。第2戦でトップを走っていたのに最後に波乱の展開になってしまい、勝てなくて、それ以降もトラブルやアクシデントがいろいろあったんですが、このレースですべてを吹っ切ることができました。
昨日はオリベイラ選手がポールポジションを穫ってくれたので、スタートを担当する僕がとにかくギャップを広げてバトンタッチをするというのが一番の仕事でしたが、それを果たすことができました。オリベイラ選手はマージンを更に広げてゴールしてくれました。素晴らしいチームメイトです。
ここで勝ったことでチャンピオンシップ争いにも残れたので、とにかくあとのオートポリスともてぎで二人力を合わせて頑張っていきたいです。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
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完璧な週末でした。昨日の公式練習からクルマは調子が良くて、予選では予定通りポールポジションが獲れましたし、今朝のウォームアップでも決勝に向けてのセットアップ作業がうまく行きました。ツギオは素晴らしい仕事をしてくれて、大きなマージンを作ってくれた上にタイヤマネジメントもやってくれて、凄く頑張ったと思う。本当に感謝しています。おかげで僕の方は凄く楽になって、マージンをキープしながら最後まで持っていくだけで済みました。今回はチームだけでなくニスモやニッサンの皆さんにも感謝したいと思います。
GT300クラス #33HANKOOK PORSCHE
影山正美
gt_r06_r_pc_kageyama 予選はフロントローが獲れてすごく良かったです。今日はウォームアップからセットアップに悩んでいまして、決勝間際までクルマをいじっていました。その中で一番苦労したのは、藤井選手で、走る時間の少ない中であれだけのパフォーマンスを発揮してくれて、なおかつ危険な状態を回避してくれました。本当に感謝しています。
ハンコックタイヤやスポンサー、皆さんの応援の「気」が強かったんじゃないかと。非常にラッキーな展開で、実力的には3~4番手だと思いますがチーム全体がノーミスでパーフェクトなレースができたことが優勝につながったんじゃないかと思います。
藤井誠暢
gt_r06_r_pc_fujii 2勝目を挙げられて凄く嬉しいし、ポイントランキングもトップになって、僕らが今週末望んでいた最高の結果が得られました。予選から勝てそうな流れではあったんですが、課題もいくつかあって、みんなでクリアしていきました。スタートから影山選手もきつい状況だったと思うんですけど、タイヤマネジメントをしてバトンを渡してくれたので、僕としては後半プッシュしてでも勝ちにこだわりたいなと。勝てなくても2位を確実に穫ってシリーズを考えた戦い方をしたかったので、自分の中で序盤結構プッシュしました。プリウスが追い上げてきてからも、無理に押さえるつもりは無かったんですが、相手の速いところ、自分の速いところを分かっていたので、その中でマネジメントをしていました。最後はアクシデントがあったんですが、正直あの角度で(嵯峨選手が)入ってきたら止まれないんじゃないかと思っていて、タイヤかすも多い場所ですしスピンするなと思って回避しました。あれで当たってしまったら全てが台無しになってしまうので、そういう意味ではすごくラッキーだったと思っています。
チームの皆さん、タイヤメーカーさん、影山さんが一つになって取り組んだのがこの結果になったのだと思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第6戦富士決勝 #12カルソニックGT-Rがポール・トゥ・ウィン!ニッサンGT-Rが1-2フィニッシュを達成。GT300は#31プリウスの追撃を退けた#33ハンコックポルシェが今季2勝目

2012オートバックス スーパーGT第6戦「富士GT300kmレース」の決勝が9月9日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、ポールポジションからスタートした#12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が後続を大きく引き離して今季初勝利を挙げた。
GT300クラスは#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)が今季2勝目。ポールポジションの#31apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀組)は、スタート直後のスピンで大きく後退しながらも2位まで挽回し、33号車を追い上げたがあと一歩及ばなかった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日18,200人 決勝日33,800人 総数52,000人)

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決勝レースは午後2時にローリング開始。66周の戦いが始まった。
ホールショットを奪ったのはポールポジションからスタートした12号車。今シーズン常にトップレベルの速さを見せながらも勝利を手にすることができず、同じく富士で行われた5月の500kmレースでも終盤までトップを走りながら天候の変化に足下をすくわれたカルソニックGT-Rだったが、今回ばかりは話が違った。
スタートを担当した松田は後続の熾烈なバトルにも助けられて序盤から快調にリードを広げつつも、巧みなタイヤマネジメントで他のどのチームよりも長い34周まで引っ張ってピットイン、オリベイラに交代してトップのままコースに復帰する。
後を引き継いだオリベイラも着実に2位以下を引き離し、最後は21秒025もの大量リードを築き上げて66周を走りきり、念願の勝利をものにした。
2位には前回の鈴鹿で優勝した#1SロードGT-Rがつけ、ニッサンGT-Rが1-2フィニッシュを達成。
3位には#19ウェッズスポーツSC430が入り、昨年5月の第2戦富士以来1年4ヶ月ぶり、GT500クラスでは通算2度目の表彰台をものにした。

12号車の独走劇に終始したGT500クラスとは異なり、終盤まで目の離せない展開となったのがGT300クラスだった。
スタート直後の1コーナーではポールシッターの#31プリウスがスピンアウトするといういきなりの波乱で幕を開け、一旦は#33ハンコックポルシェがトップに立ったものの、予選6番手から追い上げてきた#66triple a Vantageが17周目に#33ハンコックを抜いてトップに立つ。
その後は快調にリードを広げていった#66アストンマーチンだったが、給油に時間がかかるというFIA-GT3の弱点のため、34周目に行ったピット作業に1分6秒もの時間を要し、5位にまで後退してしまった。

代わってトップに立ったのは#33ハンコック。後半を受け持った藤井は2位#16無限CR-Zとの差を次第に広げつつ周回を重ねる。このまま独走に終わるかと思われたが、レース終盤になって33号車を追い上げてくる1台のクルマがあった。
#31プリウスだ。

31号車はスタートに続いて2周目にも同じ1コーナーでスピンを喫し、一時は21番手まで順位を落としてしまったものの、スタートドライバーの新田はそこから着実に順位を上げ、10周目には14位、19周目には9位まで挽回して24周終わりで嵯峨にステアリングを託す。
後半を引き継いだ嵯峨もトップグループを上回るハイペースで順位を上げ、31周目には7位、34周目には5位、35周目に4位、そして36周目には3位に浮上した。
嵯峨はその後もトップを走る#33藤井を1周1秒上回るハイペースで追い上げ、45周終わりのホームストレートで中嶋大祐の駆る#16無限CR-Zを抜去って2位に浮上、48周目にはトップとの差を1.5秒とし、#33ハンコックポルシェを完全に射程圏内に捉えた。

そして遂に50周目のヘアピンで#31嵯峨は#33藤井のインに飛び込む。
一歩も引かずに押さえ込む藤井。
すると嵯峨は続く51周目のダンロップでアウトに並びかけ、両者は並走のまま13コーナーを抜けてプリウスコーナーへ。しかしここで後方から500クラスの#1SロードGT-Rが追いついてきたため、嵯峨は一旦引かざるを得なくなる。
それでも諦めずに藤井を追いかける嵯峨。53周目のヘアピンで再びインに飛び込んでいくが、ここで痛恨のスピンを喫し、31号車は3位に後退してしまった。
それでも最後まで手綱を緩めず、60周目の1コーナーで再び#16中嶋を抜き返して2位に上がる#31藤井だったが、トップの#33藤井には10秒以上の差をつけられ、そのまま2位でフィニッシュ。今季初投入されたプリウスに穫っては初の表彰台となったものの、あと一歩で勝利を取り逃すという意味では苦い結果に終わった。
3位には#16無限CR-Z。こちらも第4戦から投入されて3戦目で初の表彰台となった。

これにより優勝した#33ハンコックポルシェは全クラス通じて最初の2勝目を挙げることになり、#66アストンマーチンがメカニカルトラブルによりノーポイントに終わったことでシリーズポイントでも2位以下に12ポイント差を付けてトップに浮上した。

次戦は九州のオートポリス。9月30日決勝だ

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Katsuhiko KOBAYASHI

Formula Nippon | JAF Grand Prix | SUPER GT

JAF GP:2012年大会概要発表 今年のレジェンドカップはトヨタ86を使用

 

富士スプリントカップ実行委員会は9月9日、スーパーGT第6戦の開催されている富士スピードウェイで会見を開き、11月16日(金)〜18日(日)に予定されている”JAFグランプリ SUPERGT & Formula NIPPON 富士スプリントカップ2012"のイベント概要について発表した。

今回の発表ではレジェンドカップで使用される車両が今年発売されたばかりのトヨタ86に決定したことや、東西対抗戦のドライバー分け、場内のグッズ販売の目玉企画として2012年のスーパーGTとフォーミュラニッポン全戦分の公式プログラムをセットにした「コンプリートBOX」が限定販売されることなどが明らかになった。このコンプリートボックスは東日本大震災復興チャリティ企画に位置づけられ、売上金はすべて義援金として被災地に送られるとのことだ。

また会見には昨年同大会で優勝したジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーミュラニッポン)、柳田真孝(GT500)、谷口信輝(GT300)の3名が壇上にあがり、今大会への抱負を語っている。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
昨年素晴らしい体験をさせていただきました。今年も大変楽しみにしています。同じ週末に二つの全く異なるハイレベルなシリーズのクルマを走らせるという企画は世界的に見ても非常にユニークなものです。今年も両方のカテゴリーで速さを見せられるよう頑張りたいと思います。

柳田真孝
去年はチームとして総合優勝しましたが、自分は2位だったので、今年の目標は当然優勝することです。シリーズ戦と違ってみんなのびのびとした気持ちでレースをすると思うので、自分もそのつもりで走ります。柳田家としても、父春人がレジェンドカップに出ると思うので、親子で表彰台に乗ることを目標に頑張ります。

谷口信輝
去年はJAFグランプリが盛り上がりましたが、3年目を迎えてチームもドライバーも戦い方や落とし穴に気がついてると思いますから、よりプロフェッショナルなスプリントレースになるでしょう。シリーズ戦よりも明らかに熱く激しいレース、見ている方もやっている方も楽しいレースだと思うので、僕も楽しみにしていますし、勝ちたいと思います。

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第6戦富士GTA定例会見 2012年の観客動員は大幅増。2013年には沖縄で公道レース開催の構想も?!

スーパーGTに参加する全車両に今シーズンから装着されているLEDライト。
これはアクシデントなどで車内に搭載されているGセンサーに大きな入力があった際に点灯して周囲に知らせるもの。
これにより医療スタッフの迅速で正確な処置が可能になる。
(撮影協力 #11GAINER DIXCEL R8 LMS)

スーパーGTシリーズを運営するGTアソシエイション(GTA)は9月9日、シリーズ第6戦の開催されている富士スピードウェイで定例会見を行い、坂東正明GTA代表がここまでの5戦の総括と、今後の海外戦などの進捗状況を語った。

それによると、2012シーズンの観客動員数は昨年に比べて大幅に増加しており、今大会も同等以上の動員が見込めるという。具体的な実績は第1戦岡山が24,100人(前年実績23,500人)、第2戦富士83,000人(同60,000人)、第3戦セパン76,000人(同51,000人)、第4戦SUGO37,000人(同36,200人)、第5戦鈴鹿60,500人(同47,500人)で、現状の数字は各サーキットの駐車場のキャパシティに対してほぼ満杯の状況。鈴鹿や富士については場外の駐車場もほぼ一杯まで入ったという。しかし今後もシャトルバスなど、よりいっそうの動員が見込めるよう検討を続けていくようだ。
震災以降は野球やサッカーなども動員実績を伸ばしており、屋外で楽しむレジャーと言う国民のニーズが全体的に増加傾向にあるという背景はあるが、そうした中でも中長期的にこの傾向が続くよう、キッズウォークをはじめとしたイベントを充実させていきたい、と坂東代表は語った。

また第2戦富士、第5戦鈴鹿で発生した大きなアクシデントについて、FROの対応を評価しつつも、引き続き各サーキットと協力体制を維持していくことで安全性をより高めていきたいとした。
第5戦鈴鹿では負傷した黒澤治樹選手を迅速にドクターヘリで病院へ搬送したが、これは今シーズンから各車の屋根に搭載しているGセンサーの作動を表示するLEDランプが適切に作動し、運用されたことが大きいとのこと。これを使用することで、コースマーシャルやFROのクルーの判断を早く確実にする効果は大きいようだ。< /p>

昨今の政治状況の影響が懸念される海外戦の現状については、韓国に関しては現時点で特に具体的な動きはないといい、坂東氏は来週にもソウルへ渡航して現地プロモーターと会合を持つ予定だ。
GTAとしては、従来通り開催したいという意思に変わりはないが、チームの安全を最優先で考えていくという。東南アジアに着いてもマレーシア、タイ、インドネシアなどと引き続き話し合いを続けていく意向だ。
またこれら海外大会とは別に、GTエントラント協会(GTE)副会長の竹内浩典選手から持ち込まれた話として沖縄県の豊見城市で1.5km〜2km公道コースを設定してレースを開催する構想があるようだ。今後鈴木亜久里GTE会長とも話を詰めていくとしているが、現状では経済面など未定な部分も多く、具体的な話には至っていない模様だが、今後こちらの動向にも要注目だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT

SGT:第6戦富士フリー走行 #1SロードGT-Rがトップタイム。GT300トップの#911タイサンポルシェは直後にタイヤトラブルでストップ

スーパーGT第6戦富士の決勝前フリー走行は9月9日朝9時より30分間で行われ、#1S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)が1'34.726を記録してトップタイム。
GT300は#911エンドレスTAISAN911(横溝直輝/峰尾恭輔組)がトップタイムを記録したものの、直後にタイヤトラブルによりコース上でストップ、決勝への影響が懸念される結果となった。

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決勝日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。前夜から多くの観客が詰めかける中、午前9時よりフリー走行が開始された。
前回の鈴鹿1000kmでも優勝し、ウェイトハンデ86kgを抱えながらもフロントローを獲得した1号車は、クインタレッリのドライブにより開始僅か10分足らずで1'34.726を記録。その後は柳田に交代して決勝に向けての最後のチェックを行った。2番手には#36ペトロナス、3番手に#19ウェッズスポーツ、4番手には#39デンソーと、レクサスSCがここでも速さを見せる。
予選では1台もQ3進出を果たせず、苦戦が予想されるホンダHSV勢は#17ケーヒンが5番手タイムを記録、決勝での巻き返しに期待がかかるところだ。
またポールシッターの#12カルソニックGT-Rは6番手で走行を終えている。

GT300クラスは横溝直輝が1'41.377を記録した#911タイサンポルシェがここでのトップ。しかし911号車はタイムを出した直後に右リヤタイヤがバーストしてしまい、スロー走行に。結局ピットへはたどり着くことができず、最終コーナーを立ち上がったところでストップしてしまった。
ポールシッターの#31aprプリウスはここでも2番手タイムを記録、決勝に向けて好調ぶりをアピールした。
第6戦決勝は午後2時より66周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT

SGT:第6戦富士公式予選 ポールシッターのコメント

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GT500クラス #12カルソニックIMPUL GT-R
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
gt_r06_q_pc_oliveira もちろん気分は最高です。スーパーGTでもポールを獲れるんだと確信できました。今週末は決勝レースでいい結果を残すことを目指してきたので、ポールを穫ることは非常に大事でした。クルマは今朝から調子がよく、ポールを穫る自信はありましたが、その通りになりました。Q1、Q2でクルマのパフォーマンスを見ながらQ3にむけてバランスを整えて走りました。
松田選手のことは心配していませんでした。7位までに入ればQ3に残れるんだし、僕らのクルマには充分なポテンシャルがあると確信していましたから。
松田次生
gt_r06_q_pc_matsuda あまりいい走りじゃなかったんですけど、JPがQ1で頑張りすぎて(笑)。(1分)33秒3というタイムを見たときに「これは結構タイヤを使ってるな」という印象があって、乗った瞬間にグリップが無いのが分かったんですがクルマの調子が良かったのでQ3に残れました。最後はJPがスーパーラップを決めてくれたので、とにかく今回はツキがきてるなと。
1号車は70kg以上積んでるのになんでタイムが落ちないんだろうと思ってみていました。最後にJPが32秒9を出したときに「これは抜かれることは無いだろう」と思ったんですが、向こうも最後の最後に33秒1というタイムを出したんで、正直ほっとしました。明日は向こうのタイヤが何周もつんだろう? ということが心配です。タイムはこっちの方がいいんですが、向こうは4ラップ走って4ラップめにベストタイムを出している、ということが気がかりです
GT300クラス #31apr HASEPRO PRIUS
嵯峨宏紀
gt_r06_q_pc_saga 富士スピードウェイ自体はあまり得意としているコースじゃないので、このタイムは正直出来過ぎだな、という印象です。Q2の段階で、新田さんから「バッテリーを使いすぎた」というインフォメーションが入ってきたので、ぼくはアタックするのを遅らせて、1周め2周目をこの富士スピードウェイで培ったエコカーカップの技術を使い、回生で充電しまくって最後に吐き出してやろうと思ったらうまくいきました。ハイブリッドならではの予選の戦い方だと思うんですけど、前回のCR-Zもそういう戦いをしてると思います。予選モード、というのを使って、それで戦いました。
新田守男
gt_r06_q_pc_nitta 目標にしていた40秒台というタイムを、宏紀がQ1で使ったタイヤを使ってQ2で出すことができたので、クルマはかなりいい状態にあるなというのが分かりました。テストで使ったパーツがかなり効いてる感じで。ハイブリッドの使い方の部分で僕の場合はちょっと足らなくて、走ってる最中にバッテリーが切れちゃう、という症状があったので、走っている最中にスタッフの方にチューニングしていただいて、Q3で宏紀に挑んでもらいました。
僕たちはワークスチームとは違う流れの中でハイブリッドという難しいシステムを取り入れていて、前回の鈴鹿で先にホンダさんにポールをやられた、という点でプレッシャーを感じていたのと、今シーズンずっとGT3勢に前に行かれていた、ということで、この富士でポールを獲れるところまでポテンシャルを持ってきていただけたことに感極まってしまいました。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

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SGT:第6戦富士公式予選 GT500はGT-Rがフロントロー独占、GT300は#31プリウスがコースレコードを破って初のPP獲得!

2012スーパーGT第6戦「富士GT300kmレース」の公式予選は9月8日、静岡県の富士スピードウェイでノックアウト方式にて行われ、#12カルソニックIMPUL GT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1'32.990でポールポジションを獲得した。
GT300クラスは#31apr HASEPRO PRIUS GT(新田守男/嵯峨宏紀組)が1'40.417と、このクラスのコースレコードを7年ぶりに更新、プリウスで初めてのポールポジションをものにした。

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公式予選は午後2時にGT300クラスの予選Q1から開始された。心配された雨は最後まで降ることは無く、終始ドライコンディションのもとで熾烈なタイムアタック合戦が展開された。

予選Q1は走行時間15分間が与えられていたが、これまでのレースでも見られたように開始直後は全車がピットに待機、残り7分を切ったあたりで漸くコースインしていくことになった。
このセッションでトップに立ったのは前回の鈴鹿で優勝した#1SロードGT-R。ロニー・クインタレッリは86kgものウェイトハンデをものともせず、1'33.292を叩き出してみせた。2番手には#12カルソニックGT-Rがつけ、以下#36ペトロナスSC、#38ZENT SC…と続き、11位の#8ARTA HSVまでがQ2進出を果たした。
一方、前半戦で活躍した結果、多くのウェイトハンデを搭載してこの戦いに臨むこととなった#100レイブリックHSV(76kg)、#39デンソーSC(76kg)の2台と、今季苦戦の続く#32エプソンHSV、#18ウイダーHSVの2台、計4台がここで予選を終えることに。この時点でホンダHSVは5台中3台が脱落することとなった。

続いて行われた予選Q2では、前のセッションで上位タイムを記録した#1Sロード、#12カルソニックの2台が6位、7位とギリギリでQ3進出を果たす苦しい結果に。これはQ1で使用したタイヤをそのまま使ってアタックした影響であった模様。
ここでのトップタイムは第4戦SUGOで9年ぶりの優勝を果たした#6エネオスSCの大嶋和也。しかしタイムは1'33.837と平凡なものだった。
ここでは#17ケーヒンHSV、#38ZENT SC、#8ARTA HSV、#24HIS GT-Rの4台が脱落。結局GT-Rが3台、SC430は4台がQ3に進み、HSVは全車が脱落という結果になった。

そして予選Q3では、Q2をギリギリで通過した2台のGT-Rと、#35KeePer、#36ペトロナスの2台のSC430による接戦が展開され、残り時間30秒で唯一の1分32秒台を叩き出したオリベイラの駆る#12カルソニックがポールポジションを獲得、2位にはロニー・クインタレッリの駆る#1SロードGT-Rがつけ、ニッサン勢がフロントローを独占して明日の決勝に臨むこととなった。

一方、今季からリストリクターサイズの拡大によって大幅なタイムアップを果たしたGT300クラスは、これまでにも各地のサーキットでコースレコードを塗り替えてきたが、ここ富士においても公式練習から好タイムが相次いで記録された。予選Q1、Q2では立て続けにコースレコードを更新した#33ハンコックポルシェがいずれもトップで通過、#31プリウスがそれに続く形となり、これに#911エンドレスポルシェ、#61BRZとFIA-GT3とJAF-GTが互角の戦いを展開することとなった。
そして迎えた最後の予選Q3では、最初の2周をバッテリーへの充電に充てるという、ハイブリッド車ならではの戦法を駆使した嵯峨の駆る#31プリウスが3周目のアタックで1'40.417を叩き出して影山正美の駆る#33ハンコックポルシェを下し、今季初のポールポジションをものにした。また第4戦に初登場以来予選での速さを見せ続けている#16無限CR-Zはここでも3番手タイムを記録してみせた。
なお、第4戦SUGOで優勝の#3SロードNDDP GT-RはQ1で脱落、第5戦優勝の#66triple a vantage GT3は60kgのBOP(性能調整)と94kgのウェイトハンデを抱えながらもQ3進出を果たし、6番手で明日の決勝に臨む。

第6戦決勝は明日午後2時より66周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

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SGT:第6戦富士公式練習 GT500はGT-R、GT300はポルシェ911がそれぞれ1-2を占める

2012オートバックス スーパーGT第6戦「富士GT300kmレース」が9月8日、富士スピードウェイで開幕。
公式練習では#12カルソニックGT-R(松田次生/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)が1'33.718でトップタイム、前回鈴鹿で優勝の#1S Road REITO MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)も2位につけ、ニッサン勢が1-2という結果となった。
GT300クラスは#33HANKOOK PORSCHE(影山正美/藤井誠暢組)が1'40.438と非公式ながらコースレコードを更新してトップだった。

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公式予選日を迎えた富士スピードウェイは朝から快晴。
午後は雨の予報が出ているとはいえ、午前中の公式練習は終始ドライコンディションのもとで2時間の走行が行われた。

GT500クラスは開始早々に#12カルソニックGT-Rがトップに立つと、前回の鈴鹿1000km優勝の#1SロードGT-Rも86kgのウェイトハンデをものともせず、1'33.819で2位につけ、その後はロングランに移行した。
3位以降は#36ペトロナス、#38ZENT、#35KeePer、#6エネオス、#19ウェッズスポーツとレクサス勢が続く。しかし5月の富士500kmで優勝した#39デンソーだけは1'34.843とタイムが伸びず、14番手に終わった。
そして今回も苦戦が懸念されるのがホンダ勢だ。
7月の合同テストではフェンダーミラーを持ち込み、意欲的な開発を行ってきたものの、今日実際にこれを採用したのは#18ウイダーHSVのみ。他は従来通りのドアミラーを持ち込んで、#17ケーヒンの8位が最上位という苦しい滑り出しとなった。

一方、GT300クラスは富士のストレートではめっぽう強いポルシェ勢が1-2位を占める。トップは#33ハンコックで、開始25分過ぎに1'40.438と2005年の第2戦で黒澤治樹の駆るM-TEC NSXの記録した1'40.682を非公式ながら上回った。
JAF-GT勢ではここでも#16無限CR-Zが速さを見せ、1'41.223で4番手につけている。
第6戦の公式予選はこのあと午後2時より、ノックアウト方式で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝 優勝ドライバーのコメント

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GT500クラス #1S Road MOLA GT-R
柳田真孝
gt_r05_r_pc_yanagida 最後に表彰台の上から花火が見られて本当に嬉しかったです。一時は見られないかと思っていたので。
今週末はクルマもタイヤも良かったし、ロニーもスタートを決めてくれて、ペースも良かったんですけど、僕の判断ミスで300の車両と接触してしまいました。でも1000kmという長いレースなので、最後まであきらめずに走って、ロニーもセーフティーカー後にスーパーラップで引き離してくれたので、良かったです。
(シリーズポイントについて)点数を聞いてビックリしています。ここで勝たないともうあとが無い状況で残ることができたので、最後まで頑張りたいです。
ロニー・クインタレッリ
gt_r05_r_pc_quintarelli 去年は2位、今年は1位で表彰台の花火を見ることができ、きれいでした。
マーの接触のときに幸運にもクルマにダメージが無くて、素晴らしいタイミングで何台も抜いてくれて、最後のスティントも思い切り走ることができました。
終盤はマージンがあったのでセーブしていましたが、17号車のクラッシュでセーフティーカーが入ってしまい、チームから無線で「プッシュして下さい」と言われて、ペースを上げました。
GT300クラス #66triple a Vantage GT3
吉本大樹
gt_r05_r_pc_yoshimoto 花火は角度の関係でよく見えなかったんですが(笑)
予選で失格になって正直クサってしまい、怒りが込み上げてキッズウォークも出ず、申し訳ないことをしました。
でも晩ご飯を食べながら、あきらめずに勝とう、という話をして気持ちを切り替えました。
今朝は走りはじめから自信があったし、非公式ですけど今週末はすべてのセッションでトップでした。こんな週末は今までありませんでした。ヨコハマさんも完璧なタイヤを作って下さって、最高でした。
最後は原因は不明ですがエンジンにトラブルが出て、ミスファイヤするようになり、ストレートでも6速に入らないような状態でした。ゴールしていったんアクセルを抜いて、また踏み込んだ時点でエンジンが終わってしまい、きな臭くなってきたので降りてみたら、本当にクルマが燃え尽きてしまいました(笑)
星野一樹
gt_r05_r_pc_hoshino ここ(記者会見場)にこられて嬉しいです。GT500のマーも元チームメイトだし、素晴らしいメンバーと表彰台から花火を見ることができました。
スタートするまでは、次のヨッシー(吉本大樹)のスティントまでにトップに立てばいいやと思っていたんですが、いざ走り出すとキレてしまって行くしか無いって気分になりました。BMWが見えてきたところでやっと冷静に戻りました。
(ランキングトップになったことについて)今聞いて初めて知って、驚きすぎて言葉が見つからないんですが、未だ先は長いので、チーム一丸となって一戦一戦を戦っていくだけです。
吉田広樹
gt_r05_r_pc_yoshida 今日は走っていないんですけど、先輩方のがんばりのおかげで表彰台から花火を見ることができて嬉しかったです。
先輩方が今までどれだけこのレースに賭けてるかをそばで見て知っていたので、本当に嬉しいです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝 4年ぶり復活の1000kmレースを制したのは#1S Road GT-R!!

2012スーパーGT第5戦「ポッカ1000km」は、ポールポジションからスタートした#1S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)が一時周回遅れとの接触で後退する場面がありながらも終始他を圧倒するハイペースで173周を走りきり、ニッサンGT-Rに今季初勝利をもたらした。

GT300クラスは昨日トップタイムを記録しながら車検落ちとなり、最後尾スタートを強いられた#66tripel a Vantage GT3(吉本大樹/星野一樹/吉田広樹組)が序盤で全車を抜き返す圧巻の走りでトップに立ち、終盤エンジントラブルに見舞われながらも逃げ切ってシリーズポイントでもトップに立った。

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4年ぶりに復活した1000kmレースは12時30分にローリング開始、173周の長い戦いの火蓋が切られた。

ポールシッターの#1S Road GT-Rはホールショットを奪うと、その後も着実にリードを広げて今季初勝利に向かってひた走っていたが、最初のピットストップをすませた直後の35周目のデグナーで周回遅れの#4GSR BMWと接触、左フロントホイールを痛めてしまったためにスローパンクチャーに見舞われ、43周目に予定外のピットインを強いられることに。

これで一時は7位に後退してしまった1号車だったが、その後も1分56秒台の快調なペースで周回を重ねたことに加えて、猛暑のコンディションでライバルたちが相次いでタイヤバーストに見舞われたこと、更には#8ARTA HSVと#52GREENTEC SLSの接触によってセーフティーカーが導入されたこともあり、70周を過ぎる頃には再びトップに返り咲くことになった。1号車はその後も後続との差を着実に広げ、一時は1分以上のマージンを築き上げたが、156周目に#17ケーヒンHSVが2度目のタイヤバーストにより130Rで激しくクラッシュ、これにより2度目にセーフティーカーが導入されたことでリードは一気に吐き出されてしまう。

それでも最後のスティントを担当したクインタレッリは猛然とプッシュしてファステストラップを連発、遂には1分54秒台のタイムまで叩き出して173周を逃げ切り、今季初勝利を挙げた。

2位には#23モチュール、#12カルソニック、#24D'stationの3台のGT-Rと終盤熾烈なバトルを繰り広げた#35KeePer KRAFT SCが入り、#12カルソニックGT-Rが3位となった。

GT300クラスもまた66号車の独走劇が展開された。

燃料タンク容量違反という予想外の事態により予選タイムが抹消され、最後尾スタートとされた吉本・星野組だったが、スタートを担当した星野が序盤から切れた走りで次々に前車をパス、わずか15周でトップに浮上してみせる。

一回の給油時間が他の車両より長くなってしまうという欠点を抱えるFIA-GT3仕様のアストンマーチン・ヴァンテッジだったが、今週末のポテンシャルは他を圧倒しており、遂には後続をすべて周回遅れにしてみせる。

ところが前述のSCランによりこちらもマージンを吐き出す格好に。更にはエンジントラブルにも見舞われてストレートスピードを失い、2位を走行する#3S Rrad GT-Rに一時は10数秒様で迫られるが、最後の最後に3号車に対して黄旗追い越しのペナルティが出る結果になり、こちらも今季初勝利をものにした。2位の#3GT-Rに続いては、2度のペナルティストップに翻弄されながらも粘り強く走り続けた#88マネパランボルギーニGT3が入った。

スーパーGT第6戦の舞台は富士スピードウェイ。9月9日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝は#1S Road MOLA GT-Rが今季初勝利を挙げる。GT300は#66アストンマーチンが独走優勝

スーパーGT第5戦「ポッカ1000km」は#1S Road MOLA GT-R(柳田真孝/ロニー・クインタレッリ組)が最後まで手綱を緩めずに173周を走りきり、今季初勝利を挙げた。

1号車は141周目に最後のピットストップをすませると、その後もファステストラップを何度も更新する攻めの走りでクインタレッリがトップを独走、最後は2位に12.950秒の大差を付け、今季初の優勝をものにした。同時にこれはニッサンGT-RにとってもGT500クラスでの今季初勝利となった。

またその後方には#23モチュール、#12カルソニック、#24D'stationと一時はGT-Rが1-2-3-4を形成する。

しかし終盤に入って#17ケーヒンHSVが再び右リヤタイヤのバーストに見舞われて130Rで激しいクラッシュを起こし、このレース2度目のセーフティーカーが導入された。幸いドライバーの塚越広大は無事だったが、このSCランが上位陣の差を縮める結果となった。

ここで息を吹き返したのが#35KeePer KRAFT SCだった。35号車はレース再開となった直後から#12カルソニックGT-Rの背後に迫り、165周目の1コーナーでアウトから抜去って3位に浮上すると、167周目の130Rでは#23モチュールのインをついて2位に。この際に#12カルソニック、#24D'stationも#23モチュールを抜き去ってそれぞれ3位、4位でフィニッシュした。

一方GT300クラスは、それまでトップを独走していた#66アストンマーチンが終盤に入って失速、#3S Road GT-Rを駆る関口雄飛が一時は10秒差にまで迫ったが、3号車に対して黄旗追い越しによる10秒ストップのペナルティが下り、66号車が逃げ切る格好になった。3位には相次ぐペナルティに苦しんだ#88マネパ ランボルギーニGT3が入った。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝は予定の4分の3を消化。 相次ぐタイヤバーストでトップは再び#1S Road GT-Rに

スーパーGT第5戦「ポッカ1000km」は全行程の4分の3となる130周を消化した。

今年一番の猛暑で行われた今回のレースは、クルマにもタイヤにも想像以上のストレスがかかる状況となった。
このためレース序盤では#36ペトロナスSC、#38ZENT SCらがその餌食となり、前回優勝の#6エネオスSCも早々にリタイヤする羽目に陥った。
更にレースが折り返し点をすぎたあたりからはホンダ勢に相次いでタイヤバーストが発生、後退を余儀なくされることに。
レース前半をトップで折り返した#17ケーヒンも例外ではなく、ホームストレート上で右リヤタイヤがバースト、丸一周をスロー走行せざるを得なくなり、93周目に#35KeePer SCにトップの座を明け渡してしまった。

その35号車は94周目にピットイン、これでトップは再び#1S Road GT-Rとなった。
2位には#23モチュール、3位には#24D'station、4位には#12カルソニックとGT-Rが上位を独占することになった。
彼らはアクシデントやメカニカルトラブルで予定外のピットストップを強いられて1スティント30周前後での走行をすることになり、結果的にタイヤトラブルを回避することができたようだ。

GT300クラスはここまで快調にトップを走行している#66triple a Vantage GT3が同クラスの全車を周回遅れにする脅威の速さを見せつけている。
2位には#3S Road GT-R 、3位にはサードドライバーにリチャード・ライアンを迎えた#21ZENT Audiがつけている。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

SUPER GT | SUZUKA 1000km

SGT:第5戦鈴鹿決勝は規定周回数の半分を消化。 現在のトップは#17ケーヒンHSV

スーパーGT第5戦「ポッカ1000km」はトップグループが87周を消化、折り返し点を超えた。

#8ARTA HSVと#52GREEN TEC SLSの接触事故により63周めにセーフティーカーが導入され、いったんレースは仕切り直しとなった。

ここで2度目のピット作業を行ったのが12カルソニックGT-R、17ケーヒンHSV、18ウイダーHSV、35KeePer SCら。
反対にスケジュール通り70周前後までステイアウトで引っ張ったのが#39デンソーSC、19ウェッズスポーツSC、100レイブリックHSV、24D'station GT-R。
これによりトップは再び#1S Road GT-Rに。
しかしここも43周目に2度目のピットストップを行っているため76周目に3度目のピットイン。
続いて12カルソニックGTーRが79周目にイレギュラーなピットストップを行って順位を落とす。こちらは操作系に問題があったようだ。
GT-R勢ではこのほか、最初のピットストップを早めに行った#23モチュールが81周目に3度目のピットストップを行った。

これにより#17ケーヒンHSVがトップに浮上、2位に#35KeePer SC、3位に#1S Road GT-Rとなった。
一方ここまで好調だった#39デンソーサードSCは81周目に駆動系のトラブルでストップ、レースを終えている。

GT300クラスは#66triple a Vantage GT3が依然としてハイペースで走行している。唯一の懸念は給油時間が多めなことだろうか。
2位は#3S Road GT-R、3位には#2エヴァンゲリオンRT初号機紫電となっている。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

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