ついにでた1分35秒台!!
2017全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦「NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」の公式予選が4月22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、1'35.907を叩き出した#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が通算5回目のポールポジションを獲得した。
予選2番手の#2国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)も1'35.997につけるなど、今回も終盤まで接戦が展開された。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。
予選Q1は各車午前中に使用したユーズドタイヤを装着して走行を開始、残り時間が7分を切ったあたりでニュータイヤに履き替えるといういつもの展開。
ここでトップに立ったのが#37中嶋。1'36.465と早くも2014年にアンドレ・ロッテラーの記録した1'36.996のコースレコードを破ってみせた。
結局Q2進出を果たした上位14人がトップから1秒以内という接戦になり、そのうちの8人がロッテラーのレコードタイムを上回るという結果になった。
投入から4シーズン目に突入したSF14シャシーだが、エンジンやタイヤの進化がタイムアップに結びついたと言えるだろう。
なお、注目のルーキーの一人、マカオGPで2勝のフェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)は終盤痛恨のコースアウトを喫し、15番手で予選を終えた。
チームを移籍した#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)はシフトチェンジと燃料ポンプの不具合から予定外のピットイン、アタックのチャンスを逃し18位、新規参戦のB-MAXからエントリーの#50小暮卓史(B-Max Racing team SF14)に至ってはまさかの最下位という結果に終わった。
予選Q2に入るとタイムはさらに上がり、前年王者の#1国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が1'36.083を叩き出してトップに。チームメイトの#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)も1'36.241とセルモインギングが1-2を占める。
#37中嶋も1'36.310と自己ベストを更新して3位につけた。
昨年度のGP2チャンピオンで今季無限からエントリーする#15ピエール・ガスリー(TEAM無限SF14)も1'36.654で7番手につけ、見事初戦からQ3進出を果たした。
そして注目の予選Q3。
アウトラップともう1周のウォームアップ走行を終えて始まったアタック合戦は熾烈を極めた。
まずはガスリーが1'36.930とまずまずのタイムを記録すると、その直後に国本が1'35.997とついに1分35秒台のタイムを記録する。
しかしその直後、中嶋一貴は1'35.907とさらにタイムを縮めてきた。
その後方でアタックしていた#16山本尚貴(TEAM無限SF14)はセクター1で二人を上回るタイムを記録したものの、本人曰く「逆バンクとデグナーで突っ込みすぎた」とのことで僅かに及ばず3番手。しかしタイムは1'36.004とトップの中嶋からコンマ1秒も離れておらず、さらにはQ3に出走した8人のうち7人までが中嶋から1秒以内のタイムを記録するという、スーパーフォーミュラではすっかりおなじみの接戦が今回も繰り広げられた。
中嶋一貴のポール獲得はこれが通算5回目だ。
第1戦決勝は明日午後1時40分スタート。
周回数は35で最低1本のタイヤ交換が義務付けられている。
各チームがどんな作戦を用意してくるのかに注目したい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
日本レースプロモーション(JRP)はサタデーミーティングにもう一人のゲストを招待していた。
スーパーフォーミュラにシャシーをワンメイク供給しているダラーラオートモビリ社のアンドレア・ポントレモーリ社長だ。
今回が初来日となるポントレモーリ氏は世界有数のパワフルなシリーズにシャシーを供給していることを光栄に思うと語り、スーパーフォーミュラの次期シャシーについてもすでにJRPと話し合いを始めていると語った。
新シャシーについては現行のSF14と同様にトヨタとホンダのそれぞれからテストドライバーを招いてドライビングシミュレータを使ってもらい、そこで得た意見を集約して開発を進めていくとのこと。
具体的な投入時期、スペックについては今後明らかになっていくと思われる。
その動向に今後も注目していきたい
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は4月22日、シリーズ第1戦の開催されている三重県の鈴鹿サーキットで恒例のサタデーミーティングを行った。
今回はゲストにヨコハマモータースポーツインターナショナルの秋山一郎開発本部長を招き、今年ワンメイク供給されるヨコハマタイヤの開発状況について話を聞いた。
今季はスリック、レイン共に構造変更がされており、コンパウンドについてはスリックは昨年のミディアムと同じものを採用、レインはSUGOから使用しているソフトコンパウンドに一本化されるとのこと。
これによりスリックは舵角がついた時のコーナリングフォースの落ち込みをなくし、限界付近でいきなりグリップダウンするような挙動を押さえ込んだという。
レインについては接地性の向上。フロントに関してはアンダーステアの解消、リヤはトラクションの向上を狙ったとのこと。
これにより開幕前の鈴鹿テストでは1分35秒台の好タイムが記録され、今回の鈴鹿大会でもフリー走行1回目でもコースレコードを上回るタイムが出ている。秋山本部長はこうした結果を踏まえ、公式予選でもレコードが更新されることを期待していると語った。
また昨年のもてぎ大会で採用された2スペック制についても前向きに検討していることをこの席で明らかにしている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2017全日本スーパーフォーミュラ選手権がついに開幕!
三重県鈴鹿サーキットで開催される「NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4レース」のフリー走行1回目は4月22日朝から60分間で行われ、#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が従来のコースレコードを上回る1'36.513でトップだった。
待ちに待った2017シーズン開幕戦の公式予選日は朝から好天に恵まれ、午前10時10分からのフリー走行1回目は気温22℃、路面温度30℃という絶好のコンディションで行われた。
序盤からトップに立ったのは#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)。1'37.187を記録したが、その直後に新規参戦のB-MAXに移籍した#50小暮卓史(B-Max Racing team SF14)がスプーンカーブ一つ目でスピンアウト。これにより赤旗中断となってしまった。
小暮車を回収したのち走行は再開され、各車ロングランに移行。残り時間7分を切ったところでニュータイヤに履き替えて予選シミュレーションを始めたが、ここでまた小暮が1-2コーナーでグラベルに飛び出してしまった。
しかし今回は2コーナーポストで黄旗が提示されるに留まりセッションは続行、この結果アンドレ・ロッテラーの持つ1'36.996を中嶋一貴と石浦が相次いで上回り、トップは1'36.513の石浦、中嶋一貴は1'36.664で2番手につけた。
ホンダ勢最上位は#16山本尚貴(TEAM無限SF14)で5番手。
一方注目の外人勢は昨年のGP2王者#15ピエール・ガスリー(TEAM無限SF14)が17位、マカオGPで2勝している#7フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)が16位と今一つの結果に。
今季チームルマンからKCMGに移籍した#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)は11位に終わっている。
スーパーフォーミュラ第1戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2017オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月9日、岡山国際サーキットで行われた。
スタートからホンダ勢にトラブルが相次いだほか、3度もセーフティーカーが入る荒れた展開を制したのは#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)。
GT300クラスは#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)が3年ぶりの勝利を挙げた。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日9,700人/決勝日17,300人/大会総入場者数27,000人)
スーパーGTは今年から朝のフリー走行が廃止され、スタート前のウォームアップ走行が7分から20分に延長されることになった。
同時に開幕セレモニーで選手紹介が行われることになったため、それとウォームアップの間に4分間のインターバルを設けることが9日朝の段階で決まり、決勝スタートは当初予定されていた午後2時30分から2時34に変更となった。
ところが岡山県警の先導でパレードランを始めたところで予選5位の#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)がエンジン始動に手間取り、一旦は隊列を追いかけに行ったもののコース上でストップしてしまった。
続いてなんとポールシッターの#8野尻智紀/小林崇志組(ARTA NSX-GT)も最終コーナー付近でストップ。ガレージに戻されてそのままリタイヤとなってしまう。
これにより赤旗が提示され、レースは1周減算の81周をセーフティーカースタートで行うことになった。
ところがそのグリッド上で今度は#64ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)が動き出せずにガレージへ押し戻されてしまう。
さらには#100山本尚貴/伊沢拓也組(RAYBRIG NSX-GT)もスタートから5周でスローダウン、そのままストップしてしまった。
結局公式予選でトラブルのでた#16武藤英紀/中嶋大祐組(MOTUL MUGEN NSX-GT)を除く全てのNSXが序盤で脱落する有様。
ニッサンGT-Rも予選で下位に沈んだため、これで上位陣は6台のレクサスLC500が優勝を争う展開となった。
レースは2周目にセーフティカーがピットイン。3周目から追い越し可能となった。
すると#8ARTA NSX-GTのリタイヤによりトップに繰り上がった#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)を予選3番手の#37ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)がその周のヘアピンでインから抜き去ってトップに躍り出る。
しかし6周目のダブルヘアピンで#52番場琢(埼玉トヨペットGreenBraveマークX MC)がクラッシュしたために再びセーフティカーが導入され、コース上は10周目まで追い越し禁止に。これでキャシディのマージンはなくなってしまったが、大嶋はキャシディを抜き返すどころか22周目のヘアピンでGT300車両に詰まったところを#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)にアウトから抜かれて3位に後退してしまった。
これに助けられてキャシディはトップのまま37周を走って平川にステアリングを託した。
#38ZENT CERUMO LC500と#6WAKO'S 4CR LC500は38周目に同時にピットイン。ここで#6アンドレア・カルダレッリ(WAKO'S 4CR LC500)が#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)よりも先に作業を終わらせてピットアウト。
先にピット作業を終えていた平川の前でコースに戻った。
バックストレートで何度も進路を変更して平川を押さえにかかるカルダレッリに対し、平川は落ち着いてその先のダブルヘアピンでかわしていく。
続いて39周目に#36ジェームス・ロシター(au TOM'S LC500)がピットイン。
これで再び37号車がトップに立った。
しかし第2スティントで硬めのタイヤをチョイスした37号車はペースが上がらず、平川は一旦抜いたはずの#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)に攻め立てられる展開に。懸命に中嶋を押さえ込む平川。
しかし中嶋もまた6号車の猛攻を受ける状態となり、42周目のヘアピンでカルダレッリにインを突かれ、中嶋は痛恨のコースオフを喫してしまった。
カルダレッリはそのまま平川に追いつき、1コーナーやヘアピンで何度も並びかけようとするが、平川も巧みにこれを押さえ込んで81周を逃げ切り、初戦を勝利で飾ってみせた。
結局GT500クラスは上位6台をレクサスLC500が占め、予選で下位に沈んだ#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)がNSX勢の脱落にも助けられて7位に滑り込むという結果に。
序盤のトラブルを唯一免れた#16MOTUL MUGEN NSX-GTも9位で貴重なポイントを獲得した。
GT300クラスは序盤から#65黒澤治樹(LEON CVSTOS AMG)と#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が激しいトップ争いを展開、19周目のダブルヘアピンで片岡が黒澤をかわしてトップに立つと、30周目から後半を担当した谷口信輝がそのまま逃げ切って2014年の第2戦富士以来の、実に2年11ヶ月ぶりの勝利をもぎ取った。
#65 LEON CVSTOS AMGはその後、#25松井孝允/山下健太組(VivaC 86 MC)の猛追を受け、ピット作業を終えて出て行った29周目の2コーナーで#65蒲生尚弥が#25松井にかわされて一時は3位に後退するが、蒲生はその後も諦めずに松井を追い立てた。
結局、70周目のダブルヘアピンで松井がGT500に進路を譲ろうとしてスピンアウトしてしまったため、蒲生は2位を取り戻してフィニッシュ、3位には#9ジョノ・レスター/峰尾恭輔組(GULF NAC PORSCHE 911)が入ることに。
25号車は4位でレースを終えた。
次戦は富士スピードウェイでの500kmレース。
5月4日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
Motorsports Forum
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は4月9日、シリーズ開幕戦が行われている岡山国際サーキットで定例会見を開いた。
今回の話題は1)今シーズンから車両規定が一新されたGT500車両について、2)GT300クラスの新規参入車種について、そして先ごろ10時間耐久レースの開催を発表した3)鈴鹿サーキットにおけるシリーズ戦の開催についてと、4)今後のプロモーション活動について、GTAの坂東正明代表がコメントした。
概要は以下の通り。
1) GT500車両について
GT500はクラス1車両という位置付けで、引き続きITR(ドイツツーリングカー選手権の運営団体)との規則統合を目指して進めている。今回はモノコックの更新と空力の見直しによりダウンフォースの約25%削減を図った。これによりコーナリングスピードは落ちるが、反面ドラッグの低減でストレートが速くなる。これによりGT300との差異が是正される。
この方向で継続して進化させていきたい。
新車開発には各チーム、マニファクチャラーが取り組んでいる。
レクサスではLC500という新車種導入により車体への空気の「入り」と「抜け」が大幅に改善されたと聞いている。さらにTRDが昨年最終戦で投入した新エンジンは、今シーズンからの「年間2基まで」という規定を睨んで耐久性とパワーを両立させたものになっている。
これによりレクサス勢が他を一歩リードしているようだ。
またホンダはこれまでコンセプトカーだったものが市販車という位置付けになったが、昨日の予選では「どう転んだらこんなにうまくいくのか?」理解できないくらいいい結果が出た。
チームの戦略であんな展開になるとは思えない。ああいう計算外のことが起きるからレースは面白い。この面白さをどうやってお客さんに伝えるかも今後の課題だ。
また、岡山国際サーキットはコース改修により路面のクオリティが上がった。これにより去年よりタイムが上がっている。こうしたサーキットの努力、オーガナイザーの考え方をきちんと評価したい。
2)GT300車両について
ベントレーが新たに加わり、これで10車種になった。今季はマクラーレンがいないだけでFIA-GT3が揃ったのではないか。レクサスRC Fも新しくなったが、あの重いクルマをどうやって速くしていくのかも注目だ。BPO(性能調整)についてはFIAやSROの動向をきちんと見極めていきたい。
またJAF-GTについては埼玉トヨペットからマークXが加わった。マザーシャシーはホイールベースを2700mmと規定しているが、従来の86では「伸ばす」方向であった。しかしマークXの市販車は2800mmあり、「縮める」方向での開発で苦労されていると聞く。他にオーバーハングなども切り詰めなければならない。
いずれにせよ、より多くの車種が出てくれるとJAF-GTも盛り上がる。
プライベーターが技術的に学びながらクルマを作ってマニファクチャラーの売るGT3に挑んでいく、という基本はこれからも崩さない。
3)鈴鹿大会について
GTAとしてはアジア各国での選手権開催と、そのオリンピック的な位置付けの統一戦を開催したいと考えていた。
GT3での耐久レースとなると、ブランパンやインターコンチとの交流ということになりヨーロッパからワークスがやってくることになる、その調整が難しいと思う。また10時間耐久となると1600kmくらいのレース距離になるはずで、それにテストでの走行距離を加えると2000km程度の耐久性が必要で、そのぶん予算もかかる。
スーパーGTのシリーズ戦としてあの距離は難しいので、カレンダーの見直しが必要になるだろう。
5月の富士までには方向性を出したいと考えている。
4)プロモーション活動について
今年から朝のフリー走行を廃止した。代わりにドライバートークショーをビジョンで見せるなど、お客様に対してもっと身近に、親しみやすくしたいと考えている。
午後のレースではドライバー紹介を行う。これもうまくいけば継続していきたいと考えている。
またライブタイミングアプリも一新した。お客様に場内で提供するコンテンツを今後も充実させていきたい。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
角田貫禄の最年少優勝!!
FIA-F4選手権第2戦の決勝が4月9日、岡山国際サーキットで行われ、予選3位からスタートした#8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)が1周目にトップに立ち、そのまま逃げ切って同選手権の最年少優勝記録を更新する快挙を成し遂げた。
第2戦決勝は午前9時5分より15周で行われた。
前日からの雨はいったん収まったものの路面はウェット。
コースインでは何人かのドライバーがスリックタイヤを選択したものの、#11小村明生(Rn KomulaRT F110)以外は全員がグリッド上でウェットに履き替えてスタートに臨んだ。
ホールショットを奪ったのは予選2位の#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)。
しかし第1戦決勝では2コーナーで笹原のインを突こうとして押さえ込まれた角田がアウトから笹原を抜き去ってトップに躍り出た。
笹原の追撃を退け、リードを広げにかかった角田だったが、#54ゲルハルド・ヴェンツェル・リッケルト・ジュニア(PAM KOTARACING)、#21神晴也(RSS F110)がコースサイドにストップしたことにより2周目から4周目にかけてセーフティーカーが入ったため、そのリードは帳消しにされてしまった。
それでも角田はリスタートを無難に決めて再び笹原を突き放そうとするが、セクター2、セクター3では笹原に分があり、その差は一向に開いて行かなかった。
海外でのレース経験が豊富な笹原のプレッシャーは相当なものだったと角田はレース後に語ったが、それでもコーナー進入でミスを犯さなければ抜かれることはないと気持ちを奮いたたせ、何度も笹原のアタックを押さえ込んみつつ両者はファイナルラップへ。
すると最後のパイパーコーナーに差し掛かったところで角田に接近し過ぎたのか、笹原はフロントのダウンフォースを失って痛恨のオーバーラン。
これにより角田は16歳と342日にしてFIA-F4選手権での初優勝という快挙を達成。
これは昨年8月の富士で#1宮田莉朋(FTRSスカラシップ F4)が成し遂げた16歳362日を上回る最年少記録となった。
その宮田はポールポジションからスタートしたにもかかわらず、スタートで出遅れ、その後もペースが上がらないまま#7大滝拓也(SRS/コチラレーシング)、#50澤田真治(B-MAX RACING F110)、#5大湯都史樹にもかわされて6位でレースを終えることとなった。
3位に入った大滝は、昨年8月の鈴鹿で優勝して以来の表彰台となった。
- 優勝 #8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)
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岡山に入るまでは勝てるとは思っていなかったので本当に嬉しいです。
昨日2コーナーで(笹原に)押さえられたので、今日は逆にやり返さないと気が済みませんでした。その後もなんとか押さえきって2周目にリードを広げようとしましたが、セーフティーカーが入っちゃって。
リスタート後も離そうとしたんですけど、笹原選手もすごく速くてセクター2、3と追いつかれてしまいました。でも進入でミスらなければ抜かれないと思ったので、気持ちを強く持って走りました。
- 2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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非常に悔しいですね。今日は通常のレインコンディションじゃなくて。予選で浅溝のウェットタイヤを使いましたが感触が良くなかったので、今日は溝のあるものに変更しました。タイヤ選択自体は成功したと思いますが、スタート前に施したセッティング変更のためにセクター1が辛くなったのがわかって。でもスタートしたらもうどうにもできないので、なんとしてでもチャンスを見出して、モノにしようとしましたが、肝心のところでフロントのダウンフォースが抜けてしまいました。
角田選手はアンダーステアが出ていて、僕はオーバーステアが強く出ていましたが、1周トータルでは同じくらいのペースだったので、スタートで前に出られてしまうと抜き返すのは難しかったです。
- 3位 #7大滝拓也(SRS/コチラレーシング)
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去年の鈴鹿で優勝したことで気づいたことがあり、自信にもなったんですけど、自分の理想に体がついてこなくて空回りしていた部分がありました。ブレーキを遅らせようとしてやり過ぎてしまったり。そこで自分の身の丈にあった走りができるように修正しました。今回はそれが上手くいったのだと思います。
今年の体制も、チームメイトのレベルがすごくて。笹原さんなんか僕が子供の頃に世界大会出てるわけで。中学生からレースを始めた僕からすれば、身にあまる環境でレースをさせていただいているので、きちんと結果を出さないといけません。表彰台に上がった他の二人に追いついて、勝てるように、後半に向けて頑張ります。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
終盤まさかの大波乱!!
2017オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の公式予選が4月8日、岡山国際サーキットで行われ、予選Q2が相次ぐ赤旗中断に見舞われる中、#8ARTA NSX-GT(野尻智紀/小林崇志組)が2010年8月の鈴鹿1000km以来6年8ヶ月ぶりのポールポジションを獲得した。
GT300クラスもまた予選Q2が残り3分で赤旗中断となったものの、#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)が中断前に1'25.044を記録してポールだった。
公式予選は午後2時45分よりノックアウト方式で行われた。
今にも降り出しそうな曇天の下、午後3時の時点でウェット宣言が出されるという難しいコンディションでの走行となり、GT300、GT500共に赤旗の相次ぐセッションとなった。
予選Q1
GT500クラスは朝の公式練習同様にレクサス勢が好調、ニッサン勢が下位に沈む展開となり、終わってみればGT-R全4台がQ1落ちというまさかの結果に終わった。
トップタイムを記録したのは石浦宏明のドライブする#38ZENT CERUMO LC500で1'18.521。以下#6WAKO'S 4CR LC500(アンドレア・カルダレッリ)、#37KeePer TOM'S LC500(ニック・キャシディ)と8台中5台がレクサスという状況。そうした中で前年チャンピオンの#1DENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン)のみがまさかのQ1落ちとなった。
久々のGT500参戦となった#16MOTUL MUGEN NSX-GTも武藤英紀のドライブで7位と見事Q2進出を果たした。
GT300クラスは開始約6分で今季より参戦の#52埼玉トヨペットGreen Brave マークX MC(番場琢)が1コーナーで飛び出したために赤旗中断となり、再開後は小雨の降り始める中熾烈なタイムアタック合戦が展開された。
その結果#4グッドスマイル初音ミク AMG-GT(片岡龍也)がトップ、2位に#30TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木孝太)が2位につけ、#65LEON AMG-GT(黒澤治樹)が3位という結果に。
高星明誠の国内復帰で注目される#3B-MAX NDDP GT-Rは高星の懸命のアタックも実らず16位で予選を終えることになった。
予選Q2
Q2はGT500、300共に赤旗が続出する結果に。
GT500クラスは残り時間2分を切ったところで#36au TOM'S LC500(中嶋一貴)が1コーナーで飛び出し赤旗中断に。
この周でアタックに入っていた#38ZENT LC500(立川祐路)らがチャンスをフイにする結果になってしまう。
予選は午後4時35分に残り3分とされて再開したが、今度は#16無限NSX(中嶋大祐)がアトウッドカーブの先でストップしてしまい、二度目の赤旗を出してしまった。
結局GT500の予選はこの赤旗をもって終了となり、中断前に1'20.604を記録していた#8ARTA NSX-GTがポールポジションを獲得することになった。
Q2を担当した小林は、2010年8月の鈴鹿1000kmでも第3ドライバー扱いにもかかわらずチームの手続きミスからQ3を任され、見事ポールタイムを叩き出しており、その時以来のGT500ポールとなった。
2位には#6ワコーズLC500(大嶋和也)、3位には#37KeePer LC500(平川亮)がつけた。
GT300クラスも残り3分44秒で#30apr プリウス(永井宏明)がパイパーコーナー立ち上がりでコンクリートウォールに突っ込み、赤旗の原因を作ってしまった。
これにより中断前に1'25.044を記録していた#65LEON AMG-GT(蒲生尚弥)がポールポジションを獲得。#4初音ミクAMGは再開後も谷口が最後の最後まで懸命のアタックを続けたがわずかに及ばず、2位で明日の決勝をスタートすることになった。
3位には前年王者の#25Vivac 86 MC(松井孝允)がつけた。
スーパーGT第1戦決勝は明日午後2時30分より82周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
2017FIA-F4選手権第1の決勝は、予選2番手からスタートした#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)がオープニングラップでトップに立ち、そのまま逃げ切って見事FIA-F4初勝利を挙げた。
第1戦決勝は午後1時50分より15周で行われた。
スタートでトップに立ったのはポールシッターの#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)。
しかしタイヤの冷えているうちにレースの主導権を握ろうと考えていた笹原は最初のヘアピンで宮田のインをついてトップに立つとそのまま一気に後続を突き放しにかかった。
金曜の練習走行、午前の予選と好調だった宮田はドライタイヤで臨んだこの決勝ではマシンバランスの悪化に苦しんでおり、笹原の後塵を拝したまま周回を重ねることに。
それでもレース後半にはドライビングで修正を果たし、ファステストラップをも記録することになった宮田だったが、最後まで笹原との間にできた差を埋めることはできず、無念の2位に終わった、
笹原は序盤で3秒弱のリードを築き上げると、その後はペースをコントロールして15周をトップで走りきった。
フォーミュラルノーや英国F3などでレース経験の豊富な笹原だが、カート時代からヨーロッパを拠点に活動してきた彼にとってはこのレースが国内デビュー戦。
その大事なレースを見事勝利で飾った格好だ。
3位には昨年中盤にF4デビューを果たした#8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)がつけた。
序盤には笹原に並びかけるなど元気なところを見せたものの、その後はペースが上がらず苦しい戦いを強いられた。
FIA-F4選手権は明日午前9時5分より第2戦決勝を行う。
- 優勝 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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スタートで前に出られれば、と思っていましたが、F4のスタート練習は今までほとんどしてこなかったので、うまく決まりませんでした。その後は何としても1周目のどこかで前に出てやろうと決めていて、アトウッドで前に追いついたので「ヘアピンで抜くしかない。これを逃したら次のヘアピンまでチャンスはない」と思ってインに飛び込みました。
イン側は濡れているかと思ったけど、思ったよりグリップしましたね。
- 2位 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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スタートは悪くなかったんですけど、ヘアピンで前に行かれたのはよくなかったかなと。
ただクルマのバランスが今ひとつで、アンダーもオーバーも出てる状態で。後半はドライビングでアジャストできましたが、そこまでは苦しかったです。
練習走行、予選とうまくいってたんですけど、決勝でドライタイヤを履くと苦しくなりました。ですから明日はセットアップを考え直さないとな、と思います。
- 3位 #8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)
-
スタートで2位ぐらいに上がれれば、と思っていたんですけど。その後は3位のポジションを守ろうと頑張りました。なかなかペースが上がらなくて、でもいろんなトライができたので、その点ではいいレースになりました。
次はスタートで順位を上げて優勝できるように頑張ります。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
GT500クラスの車両規定が一新され、新時代に突入した2017オートバックス スーパーGTシリーズ。
4月8日、岡山国際サーキットで行われた第1戦「岡山GT300kmレース」の公式練習では、1’18.600を記録した#38ZENT CERUMO LC500(立川祐路/石浦宏明組)を筆頭に上位4台をレクサスLC500が占めるという結果となった。
GT300クラスは1’25.869を記録した#4グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)がトップ、#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)が2位とこちらはメルセデスAMG GT3の速さが目立つセッションとなった。
2017シーズン、GT500クラスは2014年以来の車両規定変更が行われ、全チームがニューマシンで開幕に臨むことになった。
これに伴いレクサス勢はRC-FからLC500にベース車両を変更、ホンダ勢もNSXの販売開始に伴い車名から「CONCEPT」の文字が消えた。
なお、今回の規定変更によりダウンフォース量は約25%の削減が図られたが、それでも開幕前の合同テストでは従来のコースレコードに迫る1’18.149を#37KeePer TOM’S LC500(平川亮/ニック・キャシディ組)が記録するなど、各メーカー、チームの熾烈な開発競争が今もなお進行中であることが伺えた。
そうした中で開幕を迎えた今週末、最初の走行セッションは前日の雨によるウェットパッチが残る難しいコンデイションでの走行となったが、ここでも上位3台が1分18秒台を記録したほか、トップから1秒以内に9台がひしめく接戦が展開された。
その中には2003年以来14年ぶりにGT500にカムバックしてきた#16MOTUL MUGEN NSX(武藤英紀/中嶋大祐組)の姿も。2012年にGT300クラスでCR-Zを走らせたこのコンビと共に復活した#16無限NSXは武藤英紀が専有走行で1’19.269を記録し、ホンダ勢最上位の6位とまずまずの位置につけた。
一方、上位を独占したのはレクサス勢だ。
終盤の専有走行で立川の駆る#38ZENT LC500が立て続けにトップタイムを更新したほか、#36au、#37KeePerのトムス勢もチェッカー寸前に2位、3位のタイムを記録。チャンピオンチームの#1DENSO KOBELCO SARD LC500もトップからコンマ3秒落ちの4位につけた。
それに続いたのが久々にオリベイラを迎えた#24フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)で1’19.228。
GT-R勢はこの5位が最上位となったが、BSタイヤを装着する#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ヤン・マーデンボロー組)が10位、ミシュランタイヤを履く#23MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)は12位、#46S Road MOLA GT-R(本山哲/千代勝正組)は15位と下位に沈んでいる。
GT300クラスはメルセデスAMG GT-3にスイッチして2年目の#4初音ミク、#65LEONが速さをみせ、#3B-MAX NDDP GT-3(星野一樹/高星明誠組)が3位、中山、坪井の若手コンビが走らせる#51JMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一/坪井翔組)が4位とFIA-GT3勢が上位につけた。
土屋武士の引退に伴い新たに全日本F3チャンピオンの山下健太を迎えた昨年王者の#25Vivac 86MC
(松井孝允/山下健太組)は9位で、これがJAF-GT勢の最上位という結果に。今期新たにマザーシャシーでマークXを製作した#52埼玉トヨペットGreen Brave マークX MC(番場琢/脇阪薫一組)は24位と苦戦している。
スーパーGT第1戦はこのあと午後2時45分よりノックアウトで公式予選を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権の2017シーズンがついに開幕!!
第1戦、第2戦の公式予選は4月8日朝に岡山国際サーキットで行われ、昨年のシリーズチャンピオン、#1宮田莉朋(FTRSスカラシップ F4)がベスト、セカンドベスト共にトップとなり、2戦連続PPと快調な滑り出しを見せた。
公式予選は午前8時10分より30分間で行われた。
夜半の雨も上がっていたが路面はウェット。各車レインタイヤを装着しての走行となったが、周回を重ねるにつれて路面はどんどん乾いていき、セッション終盤にはポールの宮田、2位の笹原らが前日の練習走行を上回る1分42秒台を記録して熾烈なポール争いを展開した。
序盤から好タイムを連発したのは参戦2年目の#25高橋知己(点天&イーストアップwith Field)。
前日の公式練習でも4番手につけた高橋はセッション中盤に1’42.9までタイムを縮めたが、運悪くこの周が#68チア・ウィング・ホン(B-MAX RACING F110)のクラッシュによる赤旗提示と重なったためにこれは無効とされてしまった。
この赤旗中断は7分間に及び、予選は午前8時28分に残り12分で再開された。
すると残り4分で宮田が1’42.731、#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)が1’42.960を記録。笹原は次の周で1’42.892までタイムを縮めてきた。
これまでヨーロッパを主戦場にフォーミュラルノーやF3を戦ってきた笹原は前日の練習走行を総合トップで終えており、FIA-F4への国内デビュー戦を見事フロントローからスタートすることとなった。
セカンドベストも宮田1’42.910、笹原1’42.960であり、2戦続けてこの二人がフロントローを獲得する結果に。
3番手にもベスト、セカンドベストともに昨年途中から参戦してきた#8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)がつけ、高橋が4番手という結果になった。
第1戦決勝はこのあと午後1時50分より、第2戦決勝は明日の午前9時5分よりそれぞれ15周で行われる。
- 第1戦ポールポジション、第2戦ポールポジション #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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雨量がどんどん減っていく方向で、昨日はこの状態だとホンダ(HFDP)とかFieldが速かったので、トップで終えられてちょっと安心しました。
(先週の)F3も似た状況で、走り続けているとタイムが上がっていく状態でした。F3はドライタイヤで、F4はレインじゃないとグリップしない状況でしたが、この状況にクルマを合わせきれるかどうかでタイムが大きく違ってくる感じでしたね。
決勝はどういうコンディションかわかりませんが、ドライになってくれれば、スタートさえ決められれば勝てると思います。
- 第1戦予選2位、第2戦予選2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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僕にとっては国内デビュー戦で、岡山もほとんど走ったことがないなか、目まぐるしく天候の変わるコンディションできっちり前でフィニッシュでき、レースも前からスタートできるということで、今からレースが楽しみというか、すごくワクワクしています。
FIA-F4はフォーミュラルノーと比べるとパワーもダウンフォースも少なくて、デフもないので挙動とかが全然違いますが、開幕までにこのマシンにあった乗り方をわかったつもりですし、チームのみなさんがいいクルマを用意してくれました。
岡山はほかの日本のコースと違って海外のオールドコースに雰囲気が似ているので好きです。
- 第1戦予選3位、第2戦予選3位 #8角田祐毅(SRS/コチラレーシング)
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最初は前と間隔が詰まってて、うまく距離を開けられずにタイムがいまいち出せなかったので、赤旗をきっかけに一番後ろに下がって間隔をあけて走ろうと思いました。2周くらいしかアタックのチャンスがありませんでしたがプッシュし続けました。
満足な結果、走りではありませんでしたが、前の方からのスタートなので決勝に向けて頑張りたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
全日本F3選手権第3戦「スーパーF3レース in 岡山」の決勝が4月2日午後、岡山国際サーキットで行われ、#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)が開幕戦に続いて今季2勝目を挙げた。
Nクラスも#30DRAGONが2勝目を獲得。B-MAX勢が両クラスを制することになった。
(天候:晴れ コース:ドライ)
第3戦決勝は午後3時10分より18周で行われた。
1大会3レース制の今回、第3戦のスターティンググリッドは大会特別規則に基づいて第1戦の決勝順となっており、ポールポジションは第1戦の勝者である高星。以下2番手に#1坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM’S F317)、3番手#36宮田莉朋(カローラ中京 Kuo TOM’S F314)そして第2戦優勝の# 12アレックス・パロウ(THREEBOND)は4番手からスタートに臨むことになった。
ところがフロントローを獲得した坪井がここでまさかのストール。一気に9位まで順位を落としてしまった。
これによりトップはポールの高星、パロウが2位につけて宮田が3位で1周目を終えた。
坪井はここから猛追を開始。
1周目に2台をかわしてコントロールラインを7位で通過すると、4周目には5位に浮上、4位を走る#2大津弘樹(TODA FIGHTEX)の背後にまで迫ってきた。
その前方を走る高星、パロウ、宮田の3人はそれぞれ1秒弱の間隔を保って周回を重ねながら次第にペースを上げていく。規定周回数の3分の1である6周を終えた段階での高星とパロウの差はわずか0.906、パロウと宮田の差も1.045に過ぎなかった。
しかし第2戦でニュータイヤを投入したパロウ、宮田に対し、トップの高星はここまでニュータイヤを温存しており、レースが中盤に差し掛かるとその差は次第に広がっていった。
10周目に1’21.606、11周目には1’21.524を叩き出した高星はパロウとの差を2.046とする。
パロウは12周目、13周目に高星のペースを上回って1.698までその差を縮めるが、追撃もそこまで。
再びペースを上げた高星は17周目に2.376までリードを広げると、最後は1’22.635までペースを落とす余裕をみせてフィニッシュ、今季2勝目を上げてシリーズポイントを30とし、ランキングトップで次戦鈴鹿大会を迎えることになった。
2位にはパロウ。ルーキーの宮田も3戦連続の3位表彰台という申し分のない結果でデビュー戦を終えた。
Nクラスはクラス1位からスタートしたDRAGONが第2戦優勝の#77霜野誠友(CMS ADVANTECH F306)をわずか0.563秒差に抑え込んで今季2勝目。#11植田正幸(Rn 山下製作所 F308)が3位で今季初の表彰台を獲得した。
次戦鈴鹿大会は2週間後の4月22-23日に2レース制で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第2戦「スーパーF3レース in 岡山」決勝が4月2日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#12アレックス・パロウ(THREEBOND)が#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)の追撃を振り切り、早くも来日初勝利を挙げた。
Nクラスも#77霜野誠友(CMS ADVANTECH F306)が今季初勝利をものにした。
(天候:晴れ コース:ドライ)
岡山大会二日目は朝から快晴に恵まれ、肌寒かった気温も徐々に上昇してきた。
そうした中F3第2戦決勝は午前10時35分より18周で行われた。
抜群のスタートを決めてトップに立ったのは予選3番手の高星。
ポールシッターのパロウは予選4位の#1坪井翔(カローラ中京 Kuo TOM’S F317)にも抜かれて一時は3位に後退してしまう。
一旦はトップに立った高星だったが、今シーズンから採用された新しい空力パッケージ(ノーズコーン先端のローダウン、フロントウィングの拡幅、フロアパネルの形状変更)の影響もあってか本人の予想以上にスリップストリームが効いたようで、バックストレッチからヘアピンにかけて坪井と2台で激しいドッグファイトを展開することになり、その間隙を縫ってパロウがトップを奪い返してコントロールラインに戻ってきた。
2位には高星がつけ、予選6位の#2大津弘樹(TODA FIGHTEX)が3位に浮上、#1坪井、#36宮田莉朋のトムス勢と接戦を繰り広げていく。
その後はパロウが徐々に高星との差を広げていく展開に。
高星も6周目、9周目、10周目、15周目とパロウのラップタイムを上回って食い下がるが、パロウは13周目と18周目にファステストラップを更新するハイペースで付け入る隙を与えず、最後は2.994秒差で逃げ切って来日初優勝を達成。今季から再び全日本選手権にカムバックしてきたスリーボンドエンジンに2011年8月の第10戦岡山以来5年7ヶ月ぶりの勝利をもたらした。
2位は高星。
接戦の3位争いはファイナルラップのダブルヘアピン一つ目で大津に並びかけてきた坪井を大津が立ち上がりで押し出す格好になり、坪井はそのままコース脇にストップ、大津はそのまま3位でチェッカーを受けたものの、レース後に40秒加算のペナルティを受けて7位に後退、この結果宮田が3位に繰り上がることなった。
Nクラスは予選トップの#77霜野が後続を大きく引き離してF3初優勝を達成。
予選クラス6位から序盤の混乱を縫って順位を上げた#5アレックス・ヤン(HuaJiangHU F3)が2位でチェッカーを受けたが、こちらも他者との衝突による40秒加算のペナルティを受けて4位に後退。
その結果、エンジン始動に手間取ってピットスタートとなりつつもクラス3位まで順位を挽回してきた#22長谷川綾哉(Alb新潟第一ホテルSuger)がクラス2位に、4位でフィニッシュした#55久保田克昭(Planex スマカメ・F308)が3位を獲得することになった。
第3戦決勝はこのあと午後3時10分より18周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
モータースポーツバーミュルサンヌ(大阪市北区)では今年も2月26日(日)に同店内にてモータースポーツジャーナリストの小倉茂徳さんを招いて恒例のトークショーを開催する。
F1、WEC、インディカーと幅広く活躍されている小倉さんが、毎回モータースポーツに関する最新情報をわかりやすくかつユーモラスに紹介するこのトークショーは毎回関西のレースファンに好評だ。
果たしてどんな話題が飛び出すかは、当日のお楽しみ。
テレビでは見られない小倉さんの新たな魅力を発見できるかも?
今回もトークショーは昼、夜の二部構成。 定員は各回18名の先着順で会費は3500円。
詳細は下記のリンクを参照のこと。
小倉茂徳さんトークショーin Mulsanne 2017
鈴鹿サーキットで開催されている「SUZUKA Sound of ENGINE2016」最後のメニューとなるグループCカーのデモレースが午後3時40分より10周で行われた。
スタートでトップに立ったのは星野一義「選手」のドライブする#1カルソニック日産R92CP。
ややフライング気味かなと思われるタイミングで一気に後続をぶっちぎって1コーナーに飛び込んだ。
しかしそれを#3シルクカットジャガーXJR-8(ケント・アブラハムソン)が2周目にパス、そのままトップでチェッカーを受けた。
R92CPはレース半ばにピットイン。「血が寄っちゃって」とのこと。一旦はコースに戻った星野選手だったが、今度はスプーン入り口で右リヤタイヤがバーストしたため、結局4周
で走行を終えることになった。
長谷見昌弘「選手」のドライブする#11トミカスカイラインスーパーシルエットもレース開始早々にピットに戻って来たが、こちらは間も無くコースに復帰し、派手なアフターファイヤを披露しつつ7周を走りきり、7位でチェッカーを受けている。
またウェットタイヤを用意していなかったため19日の走行を見合わせた1991年ルマン24時間優勝車の#55マツダ787Bもこの日は寺田陽次朗「選手」のドライビングで4ローターの快音を響かせながら3位でフィニッシュしている。
このほか#023日産NP25、#23シルビアターボCニチラ(マーチ83G)、タイサンスターカードポルシェ962Cなど9台が走行に参加し、この日詰め掛けた19,000人の観衆を魅了してチェッカーを受けた。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
グループCカーによる20分間のデモレースは19日午後1時15分より20分間で行われた。
この日参加したのはエントリー11台中の9台。
1991年のルマン24時間を制したマツダ787BとシルビアターボCニチラ(マーチ83G/日産)はウェットタイヤの用意がないということで残念ながら走らなかったが、ニスモフェスティバルなどでもおなじみのカルソニック日産R92CPや日産NP35のほか、シルクカットジャガーXJR-8が2台、レイトンハウスポルシェ962C(クレマーレーシング)、ロスマンズカラーのポルシェ962LM(バーン・シュパンが1993年に販売した公道仕様)、タイサンスターカードポルシェ962(1994年全日本GT選手権優勝車)、グッピーMCS、さらに1980年代に人気を博したスーパーシルエットレースで活躍したスカイラインスーパーシルエットらが走行した。
トップでチェッカーを受けたのは日産R92CP。
ドライブしたのは当時ステアリングを握った星野一義さんご本人だ。
デモンストレーションということでペースを抑えて走ったことが災いし、ブレーキが充分に暖まらなかったことから1周目のシケインで飛び出すハプニングはあったが、その後も柳田真孝選手の駆るNP35とデッドヒート(?)を繰り返し、スタンドのファンを大いに喜ばせた。
またスカイラインスーパーシルエットも当時ドライブしていた長谷見昌弘さんがドライブ。
スパークプラグの不調から充分なパワーが出ていなかったと語りながらも快音を響かせてコースを周回していた。
グループCのデモレースは明日20日も午後3時35分より10周(20分間)で行われる。
2日目は晴れの予報であり、マツダ787Bの走行が大いに期待される。
ドライブするのはあの「ミスター・ルマン」寺田陽次朗さんだ。
- 星野一義さん(カルソニック日産R92CP)のコメント
- パワーの半分も使えない。怖くて。4速でもういいかなと踏んだらウワン!!て(ホイールスピンしちゃう)。ペースが遅いからタイヤもブレーキもなかなかあったまらなかった。でも飛び出たときはヤバイと思ったね、年甲斐もなく(笑)
これだけの数のポルシェや日産、モーターサイクルはホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキが集まってて、これがセオリーになって毎年続けたらすごいものになると思う。今まで日本にはこういうイギリスみたいなイベントがなかったから。今できるのはホンダさんだけだと思う。こうやって自費でもでていいみたいなムードになるのはいいと思うね。そういうのがステイタスになる。
これにサイドカーやモトクロスやトライアルがあって、何々があって、と四日間くらい楽しめるものになるといいね。レースとは違うビッグイベントの楽しみ方、盛り上げ方を、イギリスなんかを参考にしていけばいいんじゃないかな。
- 柳田真孝選手(日産NP35)のコメント
- 実際ぼくはテレビでCカーのレースを見ていたので。まさかそのクルマをイベントとはいえ実際にコース上で、憧れの先輩二人と走れるのはすごく幸せなことでした。
クルマもよくできてるし、レースやってた頃とは違いますけど、いいクルマに仕上げてくれて、しっかりお客さんに見せられることはいいことですね。
このクルマには4、5年前にちょろっと乗ったことはありますが、ほぼ初めてです。とにかく音が素晴らしい。エンジンのレスポンスも申し分ないです。フルコースで走ると全開区間も多いので、ダウンフォースもよく効いて。特にヘアピン立ち上がってスプーンカーブに行くところとか、「こんなに吸い付くんだ?!」って。タイヤもグリップするし、よくできてます。乗ってても音がいいんで、多分外で見ているお客さんにはもっといい音が届いてるんじゃないでしょうか。
- 長谷見昌弘さん(トミカスカイラインスーパーシルエット)のコメント
- 1周目はエンジンがばらついちゃってどうしようもなかったね。フォーメーションでついていけなかった。1周回ったらばらつきも無くなったけど。(電子制御のフューエル)インジェクション使ってないから仕方ないよね。プラグもレース用の特別仕様で今のものに変えられないんだって。NGKの10番じゃどうもねえ。昔はよく使ってたんだよ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
鈴鹿サーキットは11月19-20日の二日間「SUZUKA Sound of ENGNE 2016」と題し、国内外から多数のヒストリックカー、レーシングカーやオートバイを集めたイベントを開催する。
パドックやグランプリスクエアには多くのクルマやバイクが展示されたほか、コース上でもありとあらゆるレーシングカー、オートバイ、新旧のスポーツカーのデモレースが行われる。
最大の目玉は世界スポーツプロトタイプ選手権(WSPC)や全日本スポーツプロトタイプ選手権(JSPC)で活躍したクルマたちによるグループCカーのデモレースと1960年代から2000年代まで、幅広い年式のF1のデモレースだ。
グループCは11台、F1は15台がエントリーしたが、第1日目は路面がハーフウェットだったことから走行を見合わせるクルマもあり、グループC9台、F1は12台が走行した。
またクラシックバイクのデモレースには1960年代〜1972年までに製造されたレーシングバイクが参加。
その中にはかつてマッハ3と呼ばれて人気を博したカワサキ500SSや750SSと同型のエンジンを積むH1R、H2Rの姿もあり、2ストローク3気筒の独特のエンジンサウンドと、当時を思わせるおびただしい白煙でスタンドのファンを魅了した。
このほかトライトンやノートン、マチレスといった海外のオールドバイクやかつて日本で製造されていたトーハツやブリヂストンといった昭和の名車たちも多数参加して東コースを元気に走り回った。
1960年代のプロトタイプレーシングマシンのデモレースには9台が参加。
北野元さんのドライブするプリンスR380や砂子義一さんのドライブするスカイラインGT(S54B)、鮒子田寛さんのドライブするトヨタ7をはじめ、タキレーシングのステッカーが懐かしいローラT70やポルシェ906”カレラ6”、ロータス23や、日本オリジナルのマクランサやコニリオといった希少なレーシングカーが元気に東コースを走り回った。
そして今回最も多くの参加台数をを集めたのが、1960年代のいわゆる「葉巻型」のフォーミュラカーたち。
「ヒストリックフォーミュラ・レジスター」と銘打たれたカテゴリーにロータスやシェブロン、ブラバムといった往年のコンストラクターが製造したF2やF3、フォーミュラフォードがなんと34台も参加してストレートマフラーが奏でる迫力のサウンドと軽快な走りを披露した。
第1日目は朝からあいにくの雨となったが、それでも多くの観客が朝からスタンドやパドックに詰めかけ、ヒストリックカーたちの走行や展示を大いに楽しんでいた。
「SUZUKA Sound of ENGNE 2016」は11月20日も同様のデモレース、展示が行われる。
第2日目は晴れの予報。
より多くの車両の走りが楽しめそうだ。
Text:Kazuhgisa SUEHIRO
チームサード会心の初勝利!!
2016スーパーGT第8戦「もてぎGTグランドファイナル」の決勝が11月13日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポールポジションからスタートした#39DENSO KOBELCO SARD RC F(へイッキ・コバライネン/平手晃平組)が見事ポール・トゥ・ウィンで今季初勝利を挙げるとともに、GT参戦以来初のGT500シリーズチャンピオンを獲得した。
GT300クラスは#25Vivac 86 MC(土屋武士/松井孝允組)が今季2勝目を挙げ、マザーシャシーに初めてのタイトルをもたらした。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:36,000人)
第8戦決勝は午後1時30分より53周で行われた。
当日の天候は晴れ。スタート時の気温20℃、路面温度は27℃とこの時期には珍しい暖かさだった。
ポールポジションの#39デンソーRC F(平手)が昨日に続いて抜群のスタートを決め、一気に後続を突き放しにかかると、その後方では予選3位の#6WAKO'S 4CR RC F(アンドレア・カルダレッリ)が#37KeePer TOM'S RC F(平川亮)を3コーナーでパスして2位に浮上、平手に離されずについて行った。
予選で好位置を得るためにソフト側のタイヤを選択した平手は20周を消化したところでピットイン。タイヤ交換と給油を行なってコバライネンに後半を託す。ピット作業時間は37.3秒だった。
続いて21周目にカルダレッリがピットへ。しかし6号車は給油に手間取って40秒以上の作業時間を要したため、後半を担当した大嶋和也は再びサードの後ろでコースに復帰せざるを得なかった。
トップのコバライネンは大嶋に対して一時5秒以上のリードを築き上げたが、大嶋はコバライネンを上回るペースで追い上げを開始、43周目には1.2秒差、44周目には完全にテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。
しかしコバライネンも大嶋に全く付け入る隙を与えずに残り周回を走りきり、スーパーGT参戦2年目にしてついに初勝利を挙げるとともにシリーズポイントも82に伸ばして見事年間王者の座を手にした。これはチームサードに取っても初の快挙。平手にとってはセルモ在籍時代の2013年以来の3年ぶりの栄冠だ。
一方、ポイントリーダーとしてもてぎ入りしながら土曜の第3戦で9位という結果に終わり、ランキング2位に後退した#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)は予選9位ながらタイヤ無交換という大胆な作戦で挽回を図ったが、結局7位に終わっている。
GT300クラスは、ポールポジションの#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀)が序盤からトップを快走する一方で、ポイントリーダーの#6Vivac 86(土屋)は予選6位から徐々に順位を落としてしまい、一時は10位あたりまで後退してしまう。
しかしこれには理由があった。
当初タイヤ交換を予定していたつちやエンジニアリングは、グリッド上位陣が皆タイヤ無交換でいくという情報をグリッド上で得て急遽作戦を変更。タイヤ無交換で走りきるために内圧を極端に落としてスタートしており、10周目あたりまではタイヤのグリップが充分ではなかったのだ。
そんな苦しい状況の中、土屋は17周をしのぎ切ってピットに飛び込み、松井にステアリングを託すと、松井はそれに応えるようにアウトラップの3コーナーで#65LEON CVSTOS AMG-GT(蒲生尚弥)を抜き去ると、25周目の90度コーナーで#18UPGARAGE BANDOH 86(山田真之亮)を、そして34周目のV字コーナーで遂にクラストップの#31プリウス(中山雄一)のインに飛び込んでトップに浮上、そのまま中山を従えてチェッカーを受け、今季2勝目を挙げるとともに見事初のシリーズチャンピオンを手にした。
チームオーナーにして松井のパートナーの土屋に取ってもこれは初のタイトルだ。
一方ランキング2位で25号車を追っていた#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/ヤン・マーデンボロー組)は予選14位という苦しい位置から一時3位まで浮上するが、#4グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝)との接触などもあって結局6位に終わった。
スーパーGTの2017シーズンは来年4月8-9日に岡山国際サーキットで開幕。
GT500は車両規則が一新されることが既に決まっている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
待ちに待った表彰台のてっぺん!!
2016FIA-F4選手権最後のレース、第14戦決勝が11月13日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#62平木湧也(DENSO ル・ボーセ FTRS)が#16篠原拓朗(Media Do Kageyama F110)との接戦を制し、今季2勝目を挙げた。シリーズチャンピオンはこのレースを11位で終えた#36宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が獲得することとなった。
第14戦決勝は午前9時55分より12周で行われた。
このレースのスターティンググリッドは前日の第6戦決勝でのベストラップ順というルールが採用され、ファステストラップを記録した篠原がポールポジション。2番グリッドは#62平木、#4河野駿#佑(グッドスマイル初音ミクF110)が3番手という位置につけた。
スタートで1コーナーにトップで入ったのは#62平木。しかし2コーナーの立ち上がりから篠原が並びかけて3コーナーでトップに立つ。
するとすかさず#62平木は続く5コーナーでアウトから篠原に並びかけていき、再びトップを奪い返した。
その後方からは7番手スタートの#50澤田真治(B-MAX RACING F110)が追い上げてきて、レース中盤にはこの3台による接近戦が繰り広げられたが、抜きにくいもてぎのコースレイアウトと、近づけばダウンフォースが抜けるフォーミュラカーの特性から、篠原、澤田とも今ひとつ決め手を欠き、そのまま#62平木がトップで12周を走りきって、今季2勝目。第10戦での初勝利がトップでチェッカーを受けたドライバーにペナルティが課せられたことによる繰り上げ優勝だったことを考えれば、初めて実力でもぎ取った勝利と言えるだろう。
2位は篠原、3位は澤田がそのまま入った。
一方この時点でシリーズチャンピオンの権利を残していたのは宮田と#11大湯都史樹(エヴァRT弐号機 tanzen Rn-s)、#9阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)の3名のみ。
しかしウェットタイヤでスタートした大湯と宮田は第6戦決勝でラップタイムが伸び悩み、それぞれ20番手と25番手というスタート位置。リタイヤした阪口に至っては33番手という厳しい状況に陥っていた。
それでもスタートから猛烈な勢いで追い上げを開始した3台だったが、1周目のヘアピンで2台の車両が絡むアクシデントが発生、これを排除するために3周目までセーフティーカーが導入されてしまい、彼らの目論見を挫く展開になってしまう。
結局大湯は10位で1ポイントを獲得するにとどまり、宮田は11位、9阪口も15位といずれもノーポイントに終わったため、第13戦終了時点で142ポイントを獲得していた宮田が2016シーズンのチャンピオンを獲得することになった。
昨年のスタートから毎戦激しい戦いを繰り広げ、全日本F3選手権やスーパーGTにも優秀な若手を送り出してきたFIA-F4選手権。
2017シーズンは来年4月8-9日に岡山国際サーキットで開幕する。
- 優勝 #62平木湧也(DENSO ル・ボーセ FTRS)
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なんかもう「やっとか〜?!」みたいな感じですっごく嬉しいです。初優勝の時とは全然違いますね。グリッドもこないだの富士と同じようなシチュエーションで。なんとか今度は自分の力で勝ちたいという意思もありましたし、最初にトップに立って、最後の周までトップを走ってた時は「また(去年の)鈴鹿みたいなことが起きるんじゃないか」と思ってドキドキしました。あれすっごいトラウマになってるんですよ。
- 2位 #16篠原拓朗(Media Do Kageyama F110)
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めちゃめちゃ悔しいです。(1周目の3コーナーで平木をパスしたことについて)あそこで行かないともうどうしようもないなと思って行ったんですけど、そのあとの5コーナーでブレーキ踏んだ時に「このままだと止まれないかな?」という感覚があって。もっと勝負強くならないとな、と思います。去年は表彰台にも乗れなかったけど、今年は乗れたんで、成長してるとは思いますけど、自分の目指してるところは違うんで。もっともっと強くなって、早く勝ちたいです。
- 3位 #50澤田真治(B-MAX RACING F110)
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本当に悔しいですね。表彰台に乗れたことはよかったんですけど、今シーズン通して優勝がなかったので。抜きたいけど、なかなか抜ける距離に行けない。他のコースより抜きにくいレイアウトで、近づくとダウンフォースが抜けて、追いつけない。お互い本当に同じペースだったと思うんですよ。ストレートで少し追いつくけど、コーナーで離されての繰り返しで、抜けなかったですね。
- シリーズチャンピオン #36宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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目標としてはポイント圏内だったんですけど、阪口選手も後ろにいて、大湯選手が僕の前にいたので、大湯選手の真後ろぐらいにいられればいいかなと。ただファステストラップだけは取りたいと思って、とにかく全力で攻めたつもりだったんで、一番いい走りができたかなと思います。
セーフティーカーがなければもうちょっと前に行けたかなと思いましたが、結局チャンピオンは取れたんで。
(シーズンを振り返って)やっぱり富士で最年少優勝したのが大きいですね。それまで5、6番手にいたのに、あそこでランキングトップに上がれたのが大きかったです。
来シーズンステップアップはしたいですね、どんな形でも。最終的には世界で通用するドライバーになりたいと思っているので。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
コースレコード続出の激戦を制したのは又してもチームサード!!
2016スーパーGT第8戦「もてぎGTグランドファイナル」の公式予選が11月13日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポイントリーダーの#39DENSO KOBELCO SARD RC F(へイッキ・コバライネン/平手晃平組)が昨日に続いて連続ポールを達成。上位4台がレクサス勢という結果になった。
GT300クラスは中山雄一が終盤に1’46.760を叩き出した#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/中山雄一組)がポールポジションを獲得した。
第8戦の公式予選は朝8時40分より各クラス15分間で行われた。
13日の天候は快晴。場内には朝から多くの観客が詰めかけ、周辺道路も大渋滞になる程だ。
2014規定車両での走行はこれが最後となるGT500クラスは全車が昨年のコースレコードを上回るという激しいものとなった。従来のレコードは1’38.258だった。
最初にレコードタイムを更新したのは#39サードの平手で1’38.111。平手は次の集会で1’37.115と順調にタイムを上げていき、最後は1’36.491まで縮めてみせた。
2番手につけたのは#37KeePer TOM’S RC F(平川亮/ジェームス・ロシター組)。昨日は惜しくもリタイヤとなった37号車だが、ロシターが1’36.774を叩き出した。
このほか3番手には#6WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)、4番手に#19WedsSport RC F(関口雄飛/国本雄資組)がつけるなど、上位4台をレクサスが占め、GT-R最上位は#12カルソニックIMPUL GT-R(安田裕信/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組)の5位、NSX勢は#17KEHIN NSX CONCEPT-GT(小暮卓史/塚越広大組)の10位が最高という結果となった。
ランキング2位の#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)は9位に終わっている。
GT300クラスはポールの#31中山をはじめ上位12台が従来のレコード(1’47.717)を更新。
2番手に#65LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥組)がつけ、昨日3位の#88マネパランボルギーニGT3(織戸学/平峰一貴組)が3番手と好調を維持している。
ポイントリーダーの#25Vivac 86 MC(土屋武士/松井孝允組)も6位とまずまずの位置につけた。
上位7台にチャンピオンの可能性を残す大激戦だ。
しかし一方で、昨日の決勝でのクラッシュでフロントを大破した#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一/小林崇志組)は残念ながら修復が間に合わずにリタイヤとなっている。
第8戦決勝は午後1時30分より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
宿命のライバル対決を制したのは阪口!!
FIA-F4選手権第13戦の決勝が11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、予選3位からスタートした#9阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)が接戦を制して待望の今季初勝利を挙げた。
二日間で3レースを戦う最終大会もてぎ。
その2レース目となる第13戦決勝はスーパーGTの決勝終了後、午後3時44分より12周で行われた。
先陣争いを制したのは予選2位の#36宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)。並びかけてくる阪口を抑えて1-2コーナーを立ち上がったが、阪口は続く3コーナーで宮田を抜いてトップに立った。
宮田はこの周で#11大湯都史樹(エヴァRT弐号機 tanze Rn-s)にも抜かれて3位に後退するが、5周目の1コーナーで大湯のインをつき、2位を奪い返して阪口を追い上げ、6周目の5コーナーでアウトから仕掛けていった。
しかし阪口を抜くには至らずに両者は接触、宮田はフロントウィングの翼端板を失って再び3位に後退した。
その後8周目の90度コーナーで大湯がアウトに膨らんだ隙をついて再び2位に浮上した宮田は阪口を上回るペースで差を縮めていったが、阪口は最後までトップを守りきり、ついに待望の勝利を手にし、ポイントリーダーの宮田に4ポイント差にまで迫った。
しかし第6戦のベストラップ順でスタートする第14戦において、リタイヤした阪口は35番手、タイヤ選択に失敗して後方に沈んだ宮田は27番手からスタートすることになっており、いずれも上位入賞は非常に難しい状況だ。
このレースで3位に入賞した大湯も最終戦は22番手スタートであり、宮田との17ポイント差をひっくり返すのは阪口以上に難しい状況になってしまった。
第14戦決勝は13日朝9時55分より12周で行われる。
- 優勝#9 阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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「2位3位が多くなかなか優勝できない中、しっかり練習して来たのが良かったかなと思います。1レース目の結果はショックでしたが、とりあえず第2レースはシリーズチャンピオンとか関係なく、一つのレースで優勝するんだ、という強い気持ちで走りました。(5コーナーで宮田選手が並びかけて来た時について)宮田選手が思いのほか粘って来ましたが、絶対引かないぞと思って抑えました。明日のレースで勝つのは正直難しいと思いますが、(宮田選手と)4ポイント差というのはすごい近いし、宮田選手も大湯選手もグリッドが後ろからなので、そこは諦めずにしっかり頑張っていきます。」
- 2位 #36宮田莉朋(FTRSスカラシップ F4)
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「スタートは今までで一番じゃないかというくらいに良くてトップに出られました。そのあとの3コーナーの勝負の仕掛け方がまずくて失敗してしまいました。それと5コーナーでアウトから勝負していったのが失敗したなというのが今回勝てなかった要因かなと思います。クルマがすごく速いのはわかっていたので、その中で僕のバトルの仕方がまずくて勝てなかったのが悔しいし、チームにも申し訳ないと思います。明日は27番手からのスタートだと思いますが、焦らずに一つ一つ順位を上げていってポイント圏内で終わってチャンピオンを取りたいと思います。ランキング上位3人が得点圏内にいなければチャンピオンなので、そんなに守りに入る必要はないし、焦らずに行けたらいいなと思います。」
- 3位 #11 大湯都史樹(エヴァRT弐号機 tanzen Rn-s)
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「シグナル消灯からの反応は悪くなかったんですが、ホイールスピンをさせてしまいました。そこが全てでしたね。その後の展開もいろんなミスがありました。クルマの面でも厳しくて後ろを気にしなきゃいけない状況でした。練習走行の時点からセッティングの方向性に悩み続けていて、その中でセッティングを大きく変えて臨んだ決勝でした。トレーニングの時より良くなった感触はありますが、ポイントランキング的には厳しくなったし、明日は22番手からのスタートなので、チャンピオンは厳しくなりました。いま早急に改善すべきなのはスタートだと思うので、明日はスタートをうまく決めて、少しでも多くポイントを取れるように頑張ります。」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
もうギャンブルとは言わせない!!
2016スーパーGT第3戦「もてぎGTグランドファイナル」の決勝が11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、予選2位からスタートした#24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R(佐々木大樹/柳田真孝組)が第4戦SUGOで見せたタイヤ無交換作戦を今回も的中させ、今季2勝目を挙げた。
GT300クラスは#21Hitotsuyama Audi R8 LMS(リチャード・ライアン/藤井誠暢組)が今季初勝利を達成した。
「熊本地震復興支援大会」と名付けられた2016シーズン最終戦は、5月に大分県のオートポリスで予定されていた第3戦の代替戦を土曜日に、本来の最終戦である第8戦を日曜日に行うという未だかつてないスケジュールが組まれた。
しかも第3戦は獲得ポイントx1kgのウェイトハンデ、第8戦は従来通りウェイトハンデとこちらも異例の運用だ。
その第3戦決勝は12日午後1時10分より53周で行われた。
ポールポジションの#39DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平)はスタートから一気に後続を引き離しにかったが、2周目にGT300クラスの#5マッハ車検MC 86(玉中哲二)がファーストアンダーブリッジでスピン、コースを塞ぐ形で止まってしまったために3周目からセーフティーカーが入ってしまう。さらにその直後、セカンドアンダーブリッジでも#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一)もフロント部分を大破するクラッシュを演じてしまったため、セーフティーカーランは7周目まで続いて8周目にようやくリスタートとなった。
39号車ははここでもトップを守ったが、1周目に#24佐々木大樹を抜いて2位に浮上していた#36au TOM’S RC F(伊藤大輔)も今度はトップに離されずについてきた。
その後方では#24フォーラムエンジニアリングGT-R(佐々木大樹)を挟んで#100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴)と#19WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛)が激しい4位争いを展開、ペースの上がらない山本を関口が抜きあぐねている間に#6WAKO’S 4CR RC F(大嶋和也)もこの2台に追いついて、レース中盤には3台の団子状態に突入した。
トップの39号車は21周目にピットイン、給油とタイヤ交換を行なって平手からへイッキ・コバライネンに交代したが、ここで1周早くピット作業を済ませていた#36au RC Fの先行を許してしまった。
さらに#24フォーラムエンジニアリングGT-R、#19ウェッズスポーツRC Fのヨコハマ勢がレース後半まで第1スティントを引っ張り、19号車が29周目、24号車は34周目にようやくピットイン。この2台はいずれもタイヤ無交換作戦をとった。
その結果24号車がトップに浮上したばかりか、2位以下に5秒のマージンを築き上げてしまった。
しかしここで引き下がってはF1ウィナーの名が廃る。
コバライネンは38周目に#36ニック・キャシディを抜き去ると、#24柳田真孝を上回るハイペースで追い上げにかかった。
36号車とのバトルの間に6秒以上に広がっていたトップとのリードは43周目には3.9秒に、その1周後には2.1秒差にまで縮めてきた。
これをみて柳田もペースを上げ、45周目にリードを2.6秒に広げてきたが、コバライネンはその後も47周目に1.6秒、48周目に1.1秒とじわじわ詰め寄り、ファイナルラップに入った時点ではわずか0.2秒差にまで迫った。
だが柳田は周回遅れを巧みに使ってコバライネンの追撃を封じ、そのままトップでフィニッシュラインへ。チェッカーを受けた時の両者の差はわずか0.239秒だった。
コンドーレーシングは近藤真彦監督のギャンブルと言われた第4戦SUGOに続いてここでもタイヤ無交換作戦で勝利をもぎ取り、今季2勝目を獲得。
2位に入ったチームサードもポールポジションの1ポイントに続いて2位15ポイントを積み上げ、シリーズポイントを61として9位2ポイント獲得にとどまった#1MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ組)を逆転、ランキングトップに浮上して日曜の最終戦を迎えることとなった。
GT300クラスもポールポジションの#11GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)をピット作業で逆転した#21一ツ山アウディが今季初勝利。
2位には予選10位から追い上げてきた#33Excellence PORSCHE(山野直也/ヨルグ・ベルグマイスター)が入り、一時はトップにも立った#88マネパランボルギーニGT3(織戸学/平峰一貴組)が3位で待望の表彰台を獲得。11号車は4位に終わった。
またランキングトップの#25Vivac 86 MC(土屋武士/松井孝允組)も7位でフィニッシュしてシリーズポイントをトータル58とし、最終戦で2位以上なら無条件で初タイトル獲得というところまでこぎつけた。
この結果GT500クラスは上位8台、GT300クラスは上位7台がチャンピオン獲得の可能性を残したまま、最終戦を迎えることになった。
第8戦決勝は13日朝8時40分より公式予選、午後1時30分より決勝レースを行う。
予選は各クラス15分間の一発勝負、決勝は53周だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
タイヤチョイスが分けた明暗!!
FIA-F4選手権第6戦の決勝レースが11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、#60川合孝汰(DENSO ル・ボーセF4)が予選11番手から大きくジャンプアップを果たし、F4初勝利をものにした。#62平木湧也(DENSO ル・ボーセFTRS)も3位につけ、ル・ボーセ勢がホームレースで1-3を達成した。
第3戦決勝は午前9時45分より12周で行われた。
この日のもてぎは朝から快晴だったが、前日の雨により路面はまだハーフウェットの状態。先に行われたスーパーGTの公式予選はウェットタイヤが正解という状態。
このためポールポジションの#11大湯都史樹(エヴァ弐号機RT F110)、予選2位の#36宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)らはウェットタイヤを選択下が、予選3位の#9阪口晴南(HFDP/SRS/コチラレーシング)以下、後続のドライバーの何人かはスリックタイヤを選択。
これがレース展開を大いに左右する結果となった。
スタートでトップに立ったのは大湯。予選4位の#10大滝拓也(SRS/コチラレーシング)とドッグファイトを展開しながら序盤リードを広げていった。3位に阪口、4位には#16篠原拓朗(Media Do Kageyama F110)が続く。
一方宮田はスタートで出遅れて5位に後退、阪口に仕掛けようとした篠原がヘアピンでコースオフしたことで一つ順位を戻してホームストレートに戻ってくると、続く1コーナーで阪口のインをついて3位に浮上する。
一方阪口は後方にいた#8上村優太(HFDP/SRS/コチラレーシング)のスピンに巻き込まれてコースアウト、序盤でレースを終えることになった。
ここまではウェットタイヤ勢が上位を独占した格好だ。
しかし路面コンディションは急速に回復しており、2周目に入ると予選11位の川合、予選9位の#4河野駿佑(グッドスマイル初音ミクF110)、予選14位の#88川端伸太朗(SUCCEED SPORTS F110)らが次々に宮田をパスしていった。
彼らはいずれもスリックタイヤ装着組だ。
川合はその後も大湯、大滝のトップ争いとの差をぐんぐん詰めていき、5周目のバックストレートで大滝を抜き去って2位に浮上すると、6周目の4コーナーでは早くも大湯を捉えてトップに浮上する。
続いて河野も6周目の90度コーナーで大湯を捉えて2位に上がってきた。
その後方では#70平優弥(Leprix Sport F110)、#50澤田真治(B-MAX RACING F110)、平木湧也らが激しい3位争いを展開、平木がこのバトルを制して3位に浮上した。
結局川合は河野に4.21秒の差をつけて12周を走りきり、デビュー1年目にして見事初優勝をものにした。2位は河野、平木湧也が3位でフィニッシュ。
一方、ウェットタイヤでスタートした大湯は13位、宮田はなんと22位に終わってしまい、ランキング上位5人がノーポイントというまさかの結果となった。
なお、第14戦の決勝グリッドはこのレースで述べストラップ順となるが、序盤にコースアウトした篠原がコース復帰後の6周目に1’58.620を記録してポールポジションを獲得。
2位に平木湧也、3位が河野という結果になり、ウェットタイヤ勢大湯は22位、宮田は27位とここでも大きなハンデを背負う格好となった。
第14戦決勝は明日午前9時55分より12周で行われる。
優勝 #60 川合孝汰(DENSO ル・ボーセ F4)
「コースインする前はウェットにしようと思っていましたが、1周回ってみてドライで行こうと決心しました。SUGOの時にタイヤ選択でミスっちゃったので、今回は自分の意思で決めました。乾くか乾かないかという難しい路面で、最初の数周はポジションキープを心がけて慎重に走りましたが、路面の回復が結構早く、前の方にもウェット勢がいたのでそこから攻めていきました。ハーフウェットの状態に対してクルマのセットも決まっていたので安心して攻めていくことができました。次も7番手スタートですが、路面は完全に乾くと思うし、もともとここはホームコースなので、しっかりとみんなに勝てるように準備したいです。」
2位 #4 河野駿佑(グッドスマイル 初音ミク F110)
「ドライかウェットか悩むとこだったんですけど、気温などを考えたら絶対ドライだと思い、自信を持ってチームに言いました。スタートはよくなかったんですけど、前が潰れてってくれたのはラッキーだったなと思います。その中でドライ勢がトップに立ちましたが、その時に自分が勝てなかったのが残念というか、悔しいです。宮田選手を抜くのに1周半もかかったのがよくなかったかなと思います。今年一度も表彰台がなくて辛いシーズンだったんですけど、チームやグッスマのファンの人たち、応援してくださっている方々が喜んでくれたのが嬉しかったです。でも優勝したかったですね。次は9番手スタートですが、落ち着いて一つずつ順位を上げていければいいなと思います。」
3位 #62 平木湧也(DENSO ル・ボーセ FTRS)
「レコードラインは乾いていたので普通に走る分にはスリックタイヤでよかったんですが、僕は18番手スタートで、抜く時には濡れたところを走らなきゃいけないということでタイヤ選択の難しい状況でした。そこで順位を上げるというより最後の方でいいタイムを出すつもりでスリックを選びました。ただ思ったよりペースがよく、混乱もあったのでうまく順位を上げられました。残り2戦は3レース目でニュータイヤを履いていい状態でレースができるように。また2レース目もしっかり順位を上げて、3レース目に繋げられたらと思います。」
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
F1ウィナーがついにその実力を見せつけた!!
2016スーパーGT第3戦の公式予選が11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われた。
GT500クラスはへイッキ・コバライネンのドライブする#39DENSO KEBELCO SARD RC F(へイッキコバライネン/平手晃平組)が1’45.885で今季初ポール。
GT300クラスはビヨン・ビルドハイムがドライブした#11GAINER TANAX AMG GT3(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組)がポールポジションを獲得した。
本来であれば5月に大分県のオートポリスで行われたはずのスーパーGT第3戦。
しかしご承知のように4月に発生した熊本大地震のためにその開催はキャンセルされ、もてぎでの最終ラウンドで代替レースを行なうこととなった。
これにより今年のもてぎ大会は土曜日に第3戦の予選と決勝、日曜日に第8戦の予選と決勝を行うという未だ嘗てないスケジュールが組まれることになり、その予選方式も各々15分間、1人のドライバーが走行するという変則的なスタイルとなった。
第3戦の公式予選は午前8時35分にGT300の走行から行われた。
当日の天候は晴れ。しかし前日の雨により路面はまだ濡れており、タイヤ選択の難しい状況だったが、走行時間が短いこともあり、ここではウェットタイヤが正解だったようだ。
GT500クラスはポイントリーダーの#1モチュールGT-R(松田次生)が1’48.727で序盤トップに立ったが、セッション中盤に#64エプソンNSX(ベルトラン・バゲット)が1’46.442、#24フォーラムエンジニアリングGT-R(佐々木大樹)が1’46.441とダンロップ勢、ヨコハマ勢もペースを上げ、残り時間1分を切ったところで1’45.885を記録したコバライネンがトップに。
佐々木も最後の周回で区間ベストを叩き出すなど懸命にタイムアップを図ったが、1’45.950とわずかに及ばず2位で予選を終えた。
一方松田は1’47.816までしかタイムを上げられずに12位に後退。苦しい位置から午後の結晶をスタートすることになった。
ポールを獲得した#39デンソーRC Fは1ポイントを得て#6ワコーズRC F(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組)と並ぶランキング2位に浮上。逆転チャンピオンに向けて大きな一歩を踏み出した。
GT300クラスは#3B-MAX NDDP GT-R(星野一樹)、#7Studie BMW(荒聖治)らがスリックタイヤを選択したが、この試みは惜しくも外れ、最初からウェットタイヤで走行したチームが上位を独占。
残り5分を切ったところで1’54.932を記録した#11ビルドハイムのほか、リチャード・ライアンのドライブする#21一ツ山アウディR8が2位、井口卓人のドライブする#61スバルBRZが3位とダンロップユーザーが上位を独占する結果となった。
第3戦決勝は今日の午後1時10分より53周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- ドライバーズチャンピオン #2国本雄資(P.MU/CERUMO INGING SF14)
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長いシーズンが終わってホッとしています。昨シーズン石浦さんがチャンピオンを取って、自分は不甲斐ない結果で苦しいシーズンを過ごして、今年こそはと思ってシーズンオフからいろんなことにトライして、全てを変えないといけないと思って挑んだ今シーズンでした。
開幕戦から2位を取ることができて、岡山の2レースめで優勝することができ、今年やってきたことが少しずつ形になってるという実感があったし、自分の中でも自信がついて、最後のレースも絶対にチャンピオン取ってやる、という強い気持ちで鈴鹿に入ったし、そのためにたくさんのことを準備してやってきました。
第1レースで今までで一番いいレースができました。最高のスタートができて、勝つことができました。第2レースはうまく行かないレースだったんですけど、周りの状況を冷静に見ながら自分のレースをすることができたので、去年悔しい思いをした分、今年のシリーズタイトルがすごく重みがある感じがしますし、すごく嬉しいです。
多分昨シーズンが終わった時点で僕がチャンピオンだと予想した人は誰もいなかったと思います。でも自分は絶対にとってやるんだという強い気持ちがあったから、こうやって取ることができたし、たくさんの方が常に支えてくれたのでこの結果になったのかなと思います。
本当に長くて辛いシーズンでしたが、最後に勝つことができて嬉しいですし、ホッとしています。
- チームチャンピオン 立川祐路監督(P.MU/CERUMO INGING SF14)
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昨シーズンは石浦がドライバーズチャンピオンを取ってくれましたが、チームタイトルは逃してしまいました。
今年はもちろんドライバーズタイトルは取るし、それプラスチームタイトルも取るというのを目標にやってきました。
今年は二人とも勝ってるし、タイトルを取ってくれた国本だけでなく、石浦も最後までチャンピオン争いをしてましたし、二人が揃って速いということで、チームとしては一番いい状態になりました。
去年石浦がチャンピオンを取ったことで一番悔しい思いをしたのは国本だと思うし、今年にかける意気込みをものすごく感じたので、チームとしてこれをきちんとサポートしていこうと。去年に関しては国本のクルマに問題があったので、その辺もきちんと解決して、二人でいい戦いをしてもらおうという思いが、こうしていい結果につながったと思います。スタッフ一人一人が頑張ってくれました。今日の結果はすごくうれしく思います。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2016全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース2が10月30日午後、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2位からスタートした#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)が今季2勝めを挙げた。
またこれによりシリーズチャンピオンはこのレースを6位でフィニッシュした#2国本雄資(P.MU/CERUMO-INGING SF14)が獲得することとなった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:21,000人)
第7戦決勝レース2は午後2時45分より35周で行われた。
見事なスタートを決めてトップに立ったのはバンドーン。ポールポジションの#1石浦宏明(P.MU/CERUMO-INGING SF14)は2位に後退し、予選5位の#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が3位にジャンプアップ。逆に予選3位の国本はスタートで出遅れて後続に飲み込まれ、6位に後退してコントロールラインに戻ってきた。
なおこのレースでは最低1回のタイヤ交換が義務付けられており、後方グリッドのドライバーたちが早めにピット作業を済ませて順位を挽回する作戦に出た。
ポイントリーダーながら予選13位に終わった#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)もその一人で、2周めにピットに飛び込んでタイヤ交換を行なったが、同じ周にピットインした#8小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)にピット出口で前を塞がれる格好になってしまい、その目論見は外れてしまった。
トップのバンドーンと2位の石浦はスタートから1秒強の間隔を保って周回を重ね、16周めに2台同時にピットイン、揃って給油とタイヤ交換を行い、そのままバンドーンが前でコースに復帰する。
3位のロッテラーは12周めにタイヤ交換を済ませており、ピットアウトした石浦の背後に一気に迫ってきたが、石浦もスプーンカーブでオーバーテイクボタンを作動させるなどして押さえ込んだ。
するとトップが24周めに入ったところで最後尾スタートの#11伊沢拓也(REAL SF14)がスプーンでクラッシュ、これにより2周にわたってセーフティーカーが導入されることになった。
するとここまでピット作業を引き延ばしていた国本がすかさずピットイン、#10塚越広大(REAL SF14)の後ろ、7位でコースに復帰した。
レースは27周めにリスタート。
うまく加速のタイミングをずらしたバンドーンが石浦を大きく引き離して1コーナーに飛び込む。
石浦の背後には再びロッテラーが迫ってきたが、ここでも石浦はロッテラーの先行を許さなかった。
ところが28周めの最終コーナーで今度は#16山本尚貴(TEAM無限 SF14)がスピン、外側のタイヤバリアに後ろから突っ込んでしまい、2度めのセーフティーカーランの原因を作ってしまった。
2度めのリスタートは32周め。
ここでもバンドーンは危なげなくトップをキープするが、石浦はシケインの立ち上がりでオーバーステアを出してしまい、1コーナーでアウトからロッテラーにかわされて3位に後退してしまった。
2位に浮上したロッテラーはバンドーンを上回るペースで追い上げていく。この時点で国本の順位は6位。ここで優勝すれば逆転チャンピオンも可能な状況となったのだ。
33周を終えた時点でその差は1.1秒に、さらにファイナルラップを迎えた34周終了時点では0.95秒までロッテラーはその差を削り取ったが、あと一歩及ばず、最後はわずか0.726秒差でバンドーンが逃げ切り、第5戦岡山のレース2以来の今季2勝めを獲得した。
2位はロッテラー、3位は石浦という結果になった。
これによりシリーズチャンピオンは6位1.5ポイントを獲得し、トータル33ポイントとした国本のものとなった。
ランキング2位は30ポイントのロッテラー、このレースを8位で終えた関口が28.5ポイントで
3位となった。
スーパーフォーミュラの2017シーズンは現時点では4月15-16に開幕予定だが、この日程が世界耐久選手権(WEC)とバッティングしているため、今後変更になる可能性もある。
またスーパーGTや全日本F3選手権で活躍しているB-MAXが来年から参戦することを明らかにしており、そちらの動向も今後注目していきたいところだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
王手をかけたのは#2国本!!
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レース1が10月30日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートした#2国本雄資(P.MU/CERUMO-INGING SF14)が抜群のスタートでトップに立ち、そのまま逃げ切って今季2勝めを挙げ、シリーズポイントでもトップに浮上した。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは朝から快晴。
絶好のレース日和のもとで決勝レース1は午前9時45分より19周で行われた。
ホールショットを奪ったのは予選2位の国本。
レース後の会見でスタートへの不安を昨夜解消したと語った国本は動き出しからポールポジションの#1石浦宏明(P.MU/CERUMO-INGING SF14)を抜き去り、そのままトップで1コーナーに飛び込んだ。
続いて予選4位の#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S SF14)もインに寄せてきた石浦を1コーナーでアウトからかわして2位に浮上、石浦は3位でコントロールラインに戻ってきた。
1周めから一気に後続を突き放しにかかった国本だったが、ロッテラーも4周めにファステストラップを記録して国本に離されずについていく。
しかし近づけばダウンフォースが抜けてしまう現代のフォーミュラカーの特性から、ロッテラーはいまひとつ国本を捉える決め手を見つけられず、1秒後方で国本のミスを待つしかなかった。
結局レースは最後までノーミスでまとめあげた国本がそのまま逃げ切り、第5戦岡山の決勝レース2以来2度めの勝利をものにした。
2位はロッテラー、3位には石浦がつけた。
一方、ポイントリーダーとして鈴鹿入りしながら今日の決勝をいずれも13番手からスタートすることになった#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)はスタートで10位に浮上すると、2周めに#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)を抜いて9位、そのまま8位の#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)のテールに食らいついて熾烈なドッグファイトを展開したが、14周めのシケインでアウトから並びかけた際、立ち上がりでバンドーンのテールをヒットしてしまった。
これによりバンドーンはスピン、関口は8位に浮上する。17周めに一旦はオリベイラに1コーナーでパスされたものの、18周めにはオリベイラが進路を譲ったため、関口は8位でチェッカーを受けた。
しかしレース後にバンドーンとの接触の件で30秒のタイム加算を受けることになり、結局関口は18位に後退、ノーポイントに終わってしまった。
これによりシリーズポイントは優勝した国本が31.5、2位のロッテラーが30、3位の石浦が24となり、国本がトップに浮上。
チャンピオン争いはこれに28ポイントの関口を加えた4名に絞られることになった。
ロッテラーはレース2で最低5位以上、関口は最低2位以上、石浦は優勝が逆転の条件だ。
しかし関口はレース2も13位から、ロッテラーも8位からスタートすることになったため、実質的には国本と石浦、セルモインギングの二人によるマッチレースになる可能性が濃厚。
決勝レース2はこのあと午後2時45分より35周で行われる。
なおこのレース2は例年通り最低1回のタイヤ交換が義務付けられている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
#1石浦宏明会心のダブルポール!!
2016全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」の公式予選が10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
2レース制で行われる今大会は予選Q1の結果でレース1のスターティンググリッドを決め、レース2は他のレースと同様にQ1、Q2、Q3の結果でグリッドを決める方式が今回も取られたが、レース1、レース2ともに#1石浦宏明(P.MU/CERUMO-INGING SF14)がポールポジションを獲得、ポイントランキングを4位に上げて明日の決勝に臨むことになった。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:13,000人)
公式予選は当初予定より5分遅れて午後2時20分よりノックアウト方式で行われた。
予選Q1
Q1は20分間の走行でレース1のグリッドを決めるとともに、上位14名が次のQ2進出の権利を得て、15位以下はそのままレース2のグリッドとなる。
今週末使用できるタイヤは前戦SUGOから持ち越しのユーズドが2セットとニュータイヤ4セットの計6セットだが、大半のチームがこのQ1での2回のアタックでニュータイヤ2セットを使ったようだ。
最初のアタックでは石浦が1’38.438でトップ。以下、#65ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING SF14)、#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)、#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40Y SF14)、#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)の順。
このあと各車一般ピットに戻り、残り7分を切ったあたりから2回目のアタックが始まったが、ここでも石浦の速さが際立っており、1’37.453でレース1のポールを獲得。シリーズポイントを20としてランキング5位の#37中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S SF14)に並んだ。
2位にはチームメイトの#2国本雄資(P.MU/CERUMO-INGING SF14)がつけ、野尻が3番手という結果に。
ところがチェッカー提示後に#8小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)がデグナー二つ目で飛び出してタイヤバリアにヒット。小林はこの時点で10位につけていたが、これにより予選Q2に参加できなくなってしまった。
この影響でデグナーが黄旗区間となってしまい、2周目のアタックに入っていたポイントリーダーの関口はペースを落とさざるを得なかったが、13位ギリギリでQ2進出を果たすことになった。
予選Q2
Q2は7分間の走行で上位8名がQ3進出の権利を得る。
大半のドライバーが3セット目のニュータイヤを投入する中、#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)と関口のインパル勢だけがユーズドタイヤでコースイン。
第4戦もてぎでも独自のタイヤ戦略を用いて好結果を得たチームインパルだったが、今回のこの目論見は不発に終わり、オリベイラが10位、関口は走行した中で最下位の13位という結果に終わった。
関口はこれで明日の決勝をいずれも7列目からスタートすることになり、チャンピオン獲得に木信号が灯った格好だ。
一方好調ぶりを見せたのがセルモインギング勢。国本が1’37.364でトップ。石浦が1’37.589で2位につけた。
以下、バンドーン、野尻、バゲット、#64中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)、中嶋一貴、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S SF14)とダンデライアン、ナカジマレーシング、トムスがチーム順に並ぶ結果となった。
予選Q3
Q3も7分間の走行。ここで各チーム4セット目のニュータイヤを投入した。
最初にアタックした国本は1’37.168と大幅なタイムアップを果たしたが、Q1、Q2とトップの石浦はここでも速さを見せ、最初のアタックで1’37.055で国本を上回ると、次の周でも1’37.026までまでタイムを縮めてみせた。
さらにチェッカー直前にバンドーンが1’37.031と石浦にわずか0.005秒差まで迫った。
野尻も1’37.438で4位と、ダンデライアンも好調だ。
これで連続ポールを達成した石浦はシリーズポイントを21とし、中嶋一貴を抜いてランキング4位に浮上、関口との差を7とした。
第7戦決勝は午前9時45分よりレース1が19周で、レース2は午後2時45分より35周で行われる。
果たしてチャンピオンの座を射止めるのは誰なのか、全く予測がつかない状況になってきた。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行が10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#1石浦宏明(P.MU/CERUMO-INGING SF14)が1’38.082でトップタイムを記録した。
2016年のスーパーフォーミュラもいよいよ最終ラウンド。
第7戦は今年もJAF鈴鹿グランプリのタイトルのもと、毎年恒例の2レース制で行われる。
現在のランキングトップはルーキーながら今季2勝を挙げた#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)で28ポイント。
以下、#2国本雄資(P.MU/CERUMO-INGING SF14)が23.5ポイント、3位の#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S SF14)が22ポイント、#37中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S SF14)20ポイント、#1石浦19ポイント、#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)19ポイントと続き、上位12人までにチャンピオンの可能性が残っている。
そうした混戦模様の中、公式予選日朝のフリー走行は爽やかな秋晴れのもと、午前9時10分より60分間で行われた。
序盤トップに立ったのはポイントリーダーの関口で1’39.850。それをバンドーンが開始12分で上回って1’39.354を記録、続いて国本も開始後17分で1’38.972を記録してトップに立った。
バンドーンのチームメイト、#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40Y SF14)も1’39.359で3位に食い込んできた。
しかしここまでは各チームとも前戦で使用したユーズドタイヤでの走行だ。
残り7分過ぎから始まったニュータイヤでの予選シミュレーションでは様相が一変。
いち早く1’38.309を記録した関口をロッテラーが上回って1’38.294、続いて石浦が1’38.082を記録してトップに躍り出る。
さらに#34小暮卓史(DRAGO CORSE SF14)もチェッカー直前に1’38.164を記録して2位に食い込んできた。
ロッテラーはさらにもう1周アタックを行ったが、1’38.189とわずかに及ばず3位に終り、4位に関口、5位には最後の最後に1’38.360を記録した#8小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)がつけた。
しかし今回もトップから1秒以内に14人がひしめく接戦となっており、午後の公式予選も全く予測がつかない状況だ。
公式予選は午後2時15分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
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ラスト3分に泣いたルマン24時間の敗戦から4ヶ月、トヨタTS050がついに勝った!!
2016 FIA 世界耐久選手権(WEC)第7戦「富士 6 時間耐久レース」が10月14〜16日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#6TOYOTA GAZOO Racing(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)が僅か1.439秒差で#8AUDI SPORT TEAM JOEST(ルーカス・ディ・グラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス組)を退け、今季初勝利を飾った。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:金曜6,000人/土曜14,500人/日曜32,700人/大会総入場者数53,200人)
WECが復活して今年で5回目を迎える富士6時間は大会三日間を通じて好天に恵まれ、絶好のレース日和のもとで14日にフリープラクティス、15日に公式予選、16日に決勝レースが行われた。
15日の予選はドライバー2名のベストラップの平均でスターティンググリッドを決めるというWEC独特の方式で行われ、1’23.570を記録した#8アウディがポールポジション、1’23.595の#1PO CHE TEAM(ティモ・ベルンハルト/マ=ク・ウェバー/ブレンダン・ハートレー組)が2番手につけ、トヨタ勢は#5(アンソニー・デビットソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴)が3位、#6(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉組)が4位という結果になったが、いずれもトップからはコンマ2秒差につけており、決勝での巻き返しが大いに期待できる状況だ。
そして16日午前11時にスタートした6時間の決勝レースでは、ポールポジションの#8アウディ8が序盤からトップに立ち、それを#1ポルシェ、#6トヨタが2位争いを展開しながら追う展開に。#5トヨタは4位につける。
スタートドライバーは#8ジャービス、#1ウェバー、#6小林、#5中嶋だ。
一方#7アウディは16周目の13コーナーでコースアウトした後に突如スローダウン、フロントのハイブリッドシステムのトラブルで惜しくも戦列を去る結果に。
#8アウディは33周目に最初のピットイン。#5トヨタは35周目、#6トヨタは36周目、ポルシェは2台とも37周目にピットへ。
その後もアウディ、トヨタ、ポルシェの順でピット作業が行われながらレースは進行していく。
残り1時間を切ってもトップの#8アウディと2位の#6トヨタの差は6〜8秒を推移する接戦だ。
そして迎えた最終スティント。
#8アウディは210周目に最後のピット作業を行い、給油とニュータイヤへの交換を行ってデュバルが連続で2スティントを走る作戦に出た。
一方#6トヨタは214周目にピットイン。こちらは給油のみで小林がそのままドライブを続行。この作戦が功を奏し#8アウディの前でコースインすることに成功した。
#1ポルシェは220周目にピットイン。今シーズンで引退を表明しているウェバーに交代して左側2本のタイヤを交換して出て行った。
この時点での順位は1位#6トヨタ、2位#8アウディ、3位#1ポルシェ。
221周終えた段階での#6トヨタのリードは8.920秒だった。
ここから#8アウディが猛追撃を開始。
デュバルは1周あたり0.3〜0.7秒のペースで#6小林との差を削り取りながら周回を重ねていく。
しかし#6小林もタンクが軽くなるにつれて次第にペースを上げ、懸命にトップをひた走る。
そして両者が244周目に入ったところで6時間が経過、これがファイナルラップとなった。
この時点で両者の差は1.7秒。
1コーナーで、ヘアピンで、ダンロップで、着実に小林の背後に迫るデュバルだったが、そこに周回遅れが立ちはだかり、デュバルはついに小林攻略の糸口を見つけられないままチェッカーを受けることになってしまった。
逃げ切った#6トヨタと2位#8アウディの差は僅か1.439秒。
まさに死闘と呼ぶにふさわしい6時間だった。
トヨタの勝利は2014年のバーレーン以来2年ぶり。ホームコースである富士で雪辱を果たした格好だ。
中嶋一貴の乗る#5トヨタも4位で完走した。
この他日本勢では中野信治がドライブした#45マノー(オレカ05/日産)が29位(LMP2クラス11位)、山岸大のドライブした#50ラルブルコンペティション(シボレーコルベット)が30位(LMGTE Amクラス6位)だった。
FIA世界耐久選手権はこのあと舞台を上海サーキットに移して第8戦を行う。
11月6日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Katsuhiko KOBAYASHI
ピット戦略が分けた明暗。
2016全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦のレース2決勝が9月11日、岡山国際サーキットで行われ、5番手スタートから1周めでタイヤ交換という作戦を見事に的中させた#2国本雄資(P.MU/CERUMO INGING SF14)が自身初のシリーズ戦優勝を達成した。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:10日4,000人/11日6,000人/大会総入場者数10,000人)
レース2決勝は午後3時より51周で行われた。
なお午前中の予選で3位に入った#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)は予選中にブレーキ冷却用のファンをつけたままピットアウトしてしまったということで3グリッド降格の裁定が下り、6番グリッドからスタートすることに。
これにより予選4位の#3ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーションKONDO SF14)から予選6位の国本までが一つずつグリッドを繰り上げることになった。
スタートでトップに立ったのはポールの#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40Y SF14)。
#1石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)が2位につけてレース序盤は野尻を追い上げる展開に。
しかしその一方で国本、#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)、#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)、#16山本尚貴(TEAM無限 SF14)、#4ウィリアム・ブラー(フジ・コーポレーションKONDO SF14)、#65ベルトラン・バゲット(GREENTEC NAKAJIMA SF14)らが1周めで規定により義務付けられたタイヤ交換をすませる作戦に出ていた。
2周めには#64中嶋大祐(GREENTEC NAKAJIMA SF14)、#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)もピットに飛び込む。
彼らは前が開けた状態を作ってペースアップし、上位に食い込もうと目論んでいた。
この作戦は見事に的中し、上位陣がピットインしていくたびに国本の順位は繰り上がっていく。
一方の石浦は野尻に頭を押さえられる格好で思うようにペースが上げられないでいた。
石浦はレース前半でオーバーテイクボタンをすべて使い切って野尻の前に出ようとしたが、野尻も巧みなライン取りで石浦を抑え込み、トップを守る。
結局野尻は21周終わりでピットへ。
これでようやくトップに立った石浦だったが、既にその時点で国本とのタイム差は27秒強まで縮まっていた。
これからピット作業を行ってなおかつ国本の前でコースインするには最低でも32〜33秒のリードが必要だ。
しかし両者の差はなかなか広がっていかない。
そうこうするうちにレースは30周目に突入。
ここで#7ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)がモスエスでスピン。コースを塞ぐ格好でストップしてしまったため、セーフティーカーが導入されることに。
これを見てすかさず石浦はピットイン。
しかしピット出口では国本と中嶋一貴が目の前を通り過ぎて行き、石浦は野尻と並走する格好で1コーナーへ。
ここで野尻は合流ラインを超えてから石浦の前に出てしまい、「SC中の追い越し」ということでレース終盤にドライビングスルーペナルティを受けてしまった。
これでレースは国本、中嶋一貴、石浦の順に。
既にオーバーテイクボタンを使い切ってしまった石浦はダブルヘアピンや最終コーナーで一貴のインをこじ開けて2位に上がろうとするが、一貴は冷静にこれを退け、フィナルラップのホームストレートとバックストレートで自身のオーバーテイクボタンを使って逆に差を広げ、そのまま国本に次ぐ2位でチェッカーを受けた。
それでも3位3ポイントを計上したことで石浦はポイント合計19でランキング2位に浮上、ポイントリーダーの国本とともにセルモインギングがランキング1,2位を占めることになった。
優勝した国本は2013年11月の富士スプリントカップ以来のスーパーフォーミュラ優勝。シリーズ戦ではこれが初めての勝利だ。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。9月25日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第14戦の決勝レースが9月11日、岡山国際サーキットで行われ、今回も千代勝正に代わって参戦した#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)がポール・トゥ・フィニッシュで今季3勝目。
Nクラスは今回も#78片山義章(Petit LM Racing)が独走で今季8勝目を挙げた。
先に行われたスーパーフォーミュラの予選で赤旗中断があったため、第14戦決勝は午前11時15分より25周で行われた。
ポールの高星は自ら「自分のレース人生でも上位に入る出来」と語る見事なスタートでトップに立つと、そのまま後続を引き離していった。
2番手には#7阪口晴南(HFDP RACING F312)がつけ、#12牧野任祐(TODA FIGHTEX)が3番手。
#37坪井翔(ZENT TOM’S F314)が4番手。この3台が集団を形成し、少し離れて#21イェ・ホンリー(KRC with B-MAX F315)、#36山下健太(ZENT TOM’S F312)はスタートで出遅れてホンリーの後ろにつくことになった。
コース幅の狭い岡山で、しかも前に接近すればダウンフォースが抜けてしまうというF3の特性もあり、2位争いはこう着状態のまま周回を重ねていくことになった。
その間に高星は着実にリードを広げ、最後は阪口に15.8秒もの大差をつけて25周を走りきり、21号車をドライブして連勝した第8戦鈴鹿に続いて今季3勝目を挙げた。
2位はこれがF3初表彰台となる阪口、3位には牧野が入った。
なお予選でコースアウトした為に最後尾スタートとなっていたポイントリーダーの#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP F3)は高星と同様のハイペースで追い上げを図ったが、抜きにくい岡山では8位まで挽回するのが精一杯だった。
Nクラスは予選トップの片山が今回も独走。
予選2位の#9廣田築(アルビレックスF306TLM)がオープニングラップで#30DRAGON(B-MAX)にかわされて3位に落ちた上にジャンプスタートの裁定がくだってドライビングスルーペナルティを受けた為、2位DRAGON、3位にはアレックス・ヤン(ALEX YANG Hanashima F3)という結果になった。
これによりチャンピオン決定は最終ラウンドに持ち越しとなったが、そこでの3レースのいずれかで片山が2ポイント獲得した時点で決着することになった。
第15、16、17戦は9月24-25日にスポーツランドSUGOで行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦岡山のレース2公式予選が9月11日、岡山国際サーキットで行われ、#41野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40Y SF14)が自身初のポールポジションを獲得、昨日優勝した#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)も3番手につけるなど、ダンデライアン勢が昨日に続いて好調ぶりを見せつけた。
レース2公式予選は午前9時50分よりノックアウト方式で行われた。
ただし通常の方式とは違い、20分間のQ1と10分間のQ2の2本立てとなり、Q1の上位10人がQ2に進む権利を得る。
予選Q1
ここでは多くのドライバーがスクラブタイヤでコースに出ていく中、チームルマンの2台、#7ナレイン・カーティケヤンと#8小林可夢偉の二人だけは最初からニュータイヤを選択した。
カーティケヤンはそれが功を奏し最初のアタックで1’16.225を記録して一時トップに立つが、
セッション後半に入ると、他のドライバーたちも次々にニュータイヤに履き替えてアタックを開始、ここではチェッカー提示後に1’14.690を叩き出した#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)がトップ。2位に野尻、3位にバンドーンが続いた。
一方、昨日ポールポジションを記録した#37中嶋一貴は1’15.271を記録して早々とアタックを切り上げたことが災いし、10位の#1石浦宏明(P.MU/CERUMO INGING SF14)に0.01秒及ばずにQ2進出を逃してしまった。
予選Q2
午前10時20分より始まったQ2では既にニュータイヤを使い切ったカーティケヤンと、まだニュータイヤの持ち合わせがあるはずの小林の2台がユーズドタイヤを選択。ところが小林は2周目に入ったところでブレーキトラブルによりアトウッドカーブで飛び出し、昨日に続いて赤旗の原因を作ってしまった。
8号車の車両回収ののち、セッションは10時33分に残り4分47秒で再開された。
ギリギリで4周いけるかどうか際どい残り時間であり、ウォームアップに2周を要する現在のヨコハマタイヤの状態から逆算すると、アタックは2周できるかどうかという状況で、早めにピットアウトした石浦が3周めを8割の力で走って4周めに全力投球という作戦をとったのに対し、隊列の後ろの方でコースインした野尻は4周できないケースを想定して3周目から全開走行を開始した。結果的にはこれがうまくタイヤに作用して野尻は1’14.404を4周めに記録、石浦の1’14.656をコンマ2以上上回って見事ポールポジションを獲得することに成功した。
チームメイトのバンドーンも4周めに1’14.712までタイムを縮めて3番手という好位置につけた。
レース2決勝はこのあと午後3時より51周で行われる。今回は昨日のレース1とは異なり、最低1回1セットのタイヤ交換が義務付けられる。
なお、オーバーテイクシステムの使用回数はレース1、2を通じて5回までとなっているが、現在の残数は以下の通りとなっている。
#1石浦宏明 3
#2国本雄資 5
#3ジェームス・ロシター 3
#4ウィリアム・ブラー 4
#7ナレイン・カーティケヤン 4
#8小林可夢偉 5
#10塚越広大 3
#11伊沢拓也 5
#16山本尚貴 3
#18中山雄一 5
#19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 5
#20関口雄飛 4
#36アンドレ・ロッテラー 4
#37中嶋一貴 4
#40野尻智紀 4
#41ストフェル・バンドーン 4
#64中嶋大祐 4
#65ベルトラン・バゲット 5
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
岡山国際サーキットで9月10日に行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦のレース1決勝は先日F1昇格が決まったばかりの#41ストフェル・バンドーン(DOCOMO DANDELION M41S SF14)が来日初優勝を達成、2位に#2国本雄資(P.MU/CERUMO INGING SF14)がつけてシリーズポイントでトップに立った。
レース1決勝はスタートからいきなりの大波乱で幕を開けた。
ポールポジションの#37中嶋一貴(VANTELIN COWA TOM’S SF14)が正規のグリッド位置を通り過ぎ、GT用のダミーグリッドに停止してしまったのだ。
このためにレースはスタートディレイとなり、中嶋は最後尾グリッドに下げられることに。
レースは2周減算されて28周で行われることになった。
ホールショットを奪ったのは予選3番手のバンドーン。
凄まじい勢いで1コーナーに飛び込み、そのまま一気に後続を突き放しにかかる。
2位には国本がつけ、予選6番手の#7ナレイン・カーティケヤンが一気に3位にジャンプアップしてきた。
懸命にバンドーンを追いかける国本だったが、バンドーンは安定したペースで着実にリードを広げていき、レース折り返し点となる14周を終える頃には3.4秒、23周めにはついに5秒のリードを獲得、その後は若干ペースを落としながら28周を走りきり、来日5戦めにして遂にスーパーフォーミュラ初優勝をものにした。
国本もまたこの2位入賞により4ポイントを獲得。トータル18.5ポイントとし、前回のもてぎで初優勝を遂げて17ポイントでポイントリーダーに立っていた#20関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)を抜いてトップに立った。
3位はカーティケヤン。昨年の開幕戦鈴鹿に続いて通算2度めの表彰台だ。
一方、スタート手順違反で最後尾スタートとなった#37中嶋一貴はレース序盤に#8小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)に追突されてテールランプを破損。この修復のためにピットインを強いられて最下位に終わったが、自身の14周めに1’17.353を記録。これがこのレースのファステストラップとなった。
第5戦決勝レース2は明日午後3時より51周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum