待ちに待ったポール・トゥ・フィニッシュ! しかしシリーズチャンピオンの座はあまりに遠すぎた。
2017オートバックス・スーパーGT第8戦「もてぎGTグランドファイナル」は11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで決勝レースを行い、GT500クラスはポールポジションからスタートした#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が最後までトップを守りきり、念願の今季初優勝を達成した。しかしポイントリーダーの#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が2位入賞を果たしたため、ドライバーズチャンピオンは平川/キャシディ組が獲得した。GT300クラスは予選3位からスタートした#65黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)が終盤トップに立って今季2勝目を達成。ドライバーズチャンピオンは3位入賞を果たした#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)が獲得した。(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日19,500人/決勝日36,000人)
決勝レースは午後1時30分にパレードラップを開始。スタート前のローリングではポールの#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)と#6アンドレア・カルダレッリ(WAKO'S 4CR LC500)が最終コーナーで接触するという波乱の幕開けに。23号車は左リヤバンパー、6号車は右フロントフェンダーにダメージを負ったものの走行に支障はなく、クインタレッリはそのままトップを快走し、24周を走ってピットイン。松田にあとを託すと、松田も後続を寄せ付けない走りでそのまま53周を消化、2位以下に6.263秒差をつけてチェッカーを受け、開幕から苦戦の続いた2017シーズンを勝利で締めくくった。
しかし松田/クインタレッリ組は自身が勝利した場合でも平川/キャシディ組が3位以下にならなければチャンピオンは獲得できない。その37号車コンビは予選3位からのスタートだったが、4周目の1コーナーでキャシディが#6カルダレッリを捉えて2位に浮上、トップの23号車を射程に捉えるペースではなかったものの、キャシディ、平川のりょうめいとも着実に自らのポジションを守って周回を重ね、2位15ポイントを得てトータル84とポイントを伸ばし、見事2017年のドライバーズチャンピオンを獲得した。平川とキャシディはともに1994年生まれの満23歳。これはスーパーGT史上最年少記録となった。
3位には予選9位から着実に順位を上げてきた#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)が入った。
GT300クラスはポールポジションからスタートした#4片岡龍也がレース序盤はトップを快走、16周目に早めのドライバー交代を行なったが、タイヤ4本を交換した4号車に対し、#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)はタイヤ無交換、#65号車はフロント2本交換を選択。このことがレース後半の展開に大きく影響することになった。
上位陣がドライバー交代を終えた時点で#55ショーン・ウォーキンショーはトップに浮上。#65蒲生尚弥が2位につけ、同じくタイヤ無交換の#25松井孝允(VivaC 86 MC)を挟んで#4谷口信輝は4位に後退することになる。39周目に#25松井を捉えて3位に浮上した谷口だったが、2位の蒲生には10秒以上の差をつけられてしまっており、それ以上の追い上げは難しかった。
一方、2位につけていた#65蒲生は47周終わりの最終コーナーで#55ウォーキンショーがリヤをスライドさせたのを見逃さずにインに飛び込み、1コーナーでトップを奪うことに成功、そのまま逃げ切って第6戦鈴鹿に続いて今季2勝目を達成した。2位は#55高木/ウォーキンショー組、#4谷口/片岡組が3位でフィニッシュした。
これによりシリーズポイントは#4谷口/片岡組が77、#55黒澤/蒲生組が72、#55高木/ウォーキンショー組は61に終わり、#4谷口/片岡組がチャンピオンを獲得した。
毎戦熱い戦いを繰り広げたスーパーGTの2017シーズンはこれで閉幕。2018シーズンは4月7-8日に岡山国際サーキットで開幕する。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)とドイツツーリングカー選手権(DTM)を運営するITRは11月11日、スーパーGT第8戦が開催されているツインリンクもてぎで共同会見を開き、かねてより話し合いの続いているクラス1ツーリングカーの規則統一や、スーパーGTとDTMの交流戦についての状況を明らかにした。
会見にはITRからゲルハルト・ベルガーチェアマン、GTAからは坂東正明代表が出席。今週末開催されるDTM車両とGT500車両の混走によるデモランの感想と、今後の展望を語った。
またコース上ではメルセデス、アウディ、BMWの各メーカーから1台ずつのDTMマシンが来日。それぞれマロ・エンゲル、ロイック・デュバル、アウグスト・ファルフスのドライブで#1DENSO KOBELCO SARD LC500、#8ARTA NSX-GT、#23MOTUL AUTECH GT-Rらを交えてのデモンストレーションランを予選日、決勝日の二日間にわたって実施した。
- ゲルハルト・ベルガーITRチェアマン
- 本日はご招待いただきありがとうございます。日本に来るのは本当に楽しみです。ドライバーとしてホンダとともに戦い、多くのファンができましたし、多くのメカニックやエンジニアとも仕事をして来ましたから。今週末も3年一緒に戦ったエンジニアのタナベさんと再会して楽しい時間を過ごしましたよ。
ヨーロッパのDTM選手権の責任者となった今年はまずGTAとの協力関係がどうなっているかを確認しました。DTM最終戦のホッケンハイムではGT500マシンをヨーロッパのレースファンに紹介することができました。今回は逆に日本のファンの前でDTMのマシンとドライバーを紹介することができ、嬉しく思います。
車両規則の統一については、先日DTMでも2リッターターボエンジンを搭載することが決まりました。これで日欧の高級車ブランドがともに戦えるようになり、開発コストの抑制にもつながります。今週末もGTAとミーティングを行って今後のことを話し合い、交流戦の開催を実現します。
- 坂東正明GTA代表
- 先日のホッケンハイムでGT-RとLC500をお客さんに見せることができました。今回もてぎでDTMの3台を日本のファンに見せることができたのはベルガーさんとドイツのマニファクチャラーの協力によるものです。ホッケンハイムのデモランでは胸が熱くなりました。今週末も生で見ると涙腺が緩むんで、モニターで見ることにしました。これでスーパーGTとDTMの交流戦に向けてまた一つステップを上げたなと。交流戦のこと、コスト削減のことなどをベルガーと話し合い、距離が縮まったと感じます。すでに決まったので仕方ありませんがベンツが抜けても道を間違えないように、ともに進んでいきます。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
#5大湯会心の3勝目!!
2017FIA-F4選手権最終戦の決勝が11月12日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、予選3番手からスタートした#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)が終盤トップに立ち、今季3勝目を挙げてシーズンを締めくくった。また前日の第13戦でポイントリーダーに浮上した#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)もこのレースを3位で終え、ランキング2位の#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)が5位に終わったため、2年連続でシリーズチャンピオンを獲得した。
第14戦決勝は朝8時15分より12周で行われた。今年からGTのフリー走行がなくなったにもかかわらず、この日の朝はゲートオープン前から多くの観客が詰めかけ、シーズン最後の戦いを見守っていた。天候は晴れ。申し分のないコンディションでの戦いとなった。
スタートでトップに立ったのは予選2番手の#50澤田真治(B-MAX RACING F110)。予選3番手の大湯が2位で続き、ポールポジションの宮田は冷えた路面に手こずり、スタートで3位に後退してしまうが、1-2コーナーで並びかけて来た笹原を懸命に抑え込んでポジションを守った。笹原は逆に#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)にかわされて5位に後退してしまった。
そこからは澤田、大湯、宮田、角田の接近戦が何周も続いたが、追い抜きの難しいもてぎのレイアウトと、近づけばダウンフォースの抜けるフォーミュラカーの特性から4人とも決め手を欠き、ライバルのミスを待つ展開となった。
そして転機は10周目にやって来た。
スタートからギリギリの走りで攻め続けた澤田が90度コーナーでホイールをロックさせて僅かにオーバーラン。大湯はそれを見逃さずに最終コーナーでピタリと背後につけ、続く1コーナーでアウトから仕掛けていった。しかし澤田も一歩も引かず、二人は並走のまま1-2コーナーを走り抜け、3コーナーの手前でようやく大湯が前に出た。
両者がバトルに没頭する間に3位の宮田も澤田を射程圏内に入れ、3-4コーナーで追い抜きを試みるが、これは成功せず。これに乗じて宮田のアウトに並びかけた角田はグラベルにはみ出したがなんとかポジションをキープした。
一方笹原はブレーキングで挙動が安定しないなど終始苦しい走りを強いられ、宮田を追い詰めるどころか周回ごとに差を広げられる状態。なすすべなく5位でレースを終えた。
大湯は結局澤田に1.073秒差をつけて12周を走りきり、第10戦富士に続いて今季3勝目を挙げてシーズンを締めくくった。澤田は今季初の連続表彰台ながら目前の勝利を逃した格好だが、それも今の実力と自らを納得させている様子。宮田はこのレースで3位表彰台を得てシリーズポイントを231と伸ばし、昨年に続いてFIA-F4のチャンピオンを獲得した。
- 第14戦優勝 大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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今日は前に近づけばダウンフォースが抜ける、という状況の繰り返しで、前の選手もなかなかミスをしないし、後ろは迫ってくるし、残り周回数は減っていくしでどうしよう?と思っていたところ「来た!!」という感じで。あそこはもう絶対引くわけにはいかないと思って頑張りました。FIA-F4は技術的な差が本当に少ないので、ほんのちょっとしたきっかけで大きく結果が変わってしまいます。そういう中で、去年はとにかく勝ちたい気持ちばっかりでしたが、今はレース全体を考えて戦うことができるようになりました。今シーズンを通じて大きく成長できたと思います。
- 第14戦2位 #50澤田真治(B-MAX RACING F110)
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優勝が目の前にあったので、悔しいレースになりました。今シーズンは表彰台に上がることもなかったので、もてぎ大会で表彰台に上がれたことは良かったですが、最後を優勝で飾れなかったのは残念です。スタートからずっとギリギリで、あまり余裕を持って走っていなかったので何回かホイールロックをさせる状況でした。ギリギリでやってる中でああなったので、これが今の自分の実力だと思います。やれることはやりました。ただ自分が足りてなかったのだと思います。クルマは今シーズンで一番いい状態でした。勝てるクルマだったので残念です。
- 第14戦3位 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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勝って終わりたかったんですけど、今はなんか...チャンピオンを取ったってボードを見せられて、ガッツポーズはしたかったんですが、レースに勝ったわけでもないのでちょっと複雑な気持ちでした。チャンピオン取れたことは嬉しいし、多分今後も2年連続ってのはないと思います。何より今年僕が出ることをチームが引き受けたことや、それに対して支援してくれた皆さんに本当に感謝しています。今後は坪井選手のように僕自身がFIA-F4を戦うドライバーの目標になるような選手になりたいです。今シーズンはずっとポイントリーダーになれなくて、最後に逆転する結果になりました。今までカートではなんども同じようなことをやってますが、フォーミュラでも同じことが経験できたことはすごく嬉しいです。チームや自分を信じてレースをすれば結果がついてくることがわかってすごく嬉しいです。今日は勝てなかったけど、昨日までやって来たことが全て結果に繋がったと思うので。こうして自力でチャンピオン取れたのは鈴鹿の2戦目が大きかったかなと思います。何よりホンダのホームコースだったので「負けちゃいけない」と今まで以上に準備していったので。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
コースレコード更新で逆転タイトルへ!!
2017オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGTグランドファイナル」の公式予選は11月11日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスで#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)が1'36.316と旧規定で樹立されたコースレコードを上回る圧倒的な速さをみせ、今季初のポールポジションを獲得した。GT300クラスも#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)も1'46.076と従来のレコードを大幅に上回り、第2戦富士以来今季2度目のポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。気温はやや上昇したものの強い風が吹き、空力マシンのGT500クラスには難しいコンディションとなったようだ。
予選Q1
各クラス15分間で行われる予選Q1。GT500クラスはミシュランタイヤを履く2台のニッサンGT-Rが好タイムを記録。#46千代勝正(S Road CRAFTSPORTS GT-R)が1'37.224でトップ。#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)は最初のアタックでコースを飛び出したものの、次の周にうまく仕切り直して1'37.345を記録し、2番手でQ2進出を果たした。最初のミスを受けての「置きに行ったタイム」での2位という結果に、NISMOは逆に自信を深めることとなった。3位には#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)がつけたが、優勝候補の一角であるはずの#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)が僅か0.01秒及ばず9位。ディフェンディングチャンピオンの#1ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)も11位という結果に終わり、揃ってQ1落ちを喫する結果となった。
GT300クラスは前戦タイでポールポジションを獲得した#21リチャード・ライアン/柳田真孝組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)がメカニカルトラブルにより出走できないという波乱の幕開け。トップタイムを記録したのは#4谷口信輝(グッドスマイル初音ミクAMG)で、#88平峰一貴(マネパランボルギーニ GT3)が2位。#25山下健太(VivaC 86 MC)が3位につけた。朝のフリー走行でドライブシャフトのトラブルに見舞われた#5藤波清斗(マッハ車検MC86 GTNET)も13位に入り、見事Q2進出を果たしている。
予選Q2
12分間で争われる予選Q2。GT500クラスは残り時間が7分を切ったあたりで各チーム続々とコースイン。まずは#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)が1'37.207でトップにつけ、これに#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)が1'37.366で続く展開に。しかしやや遅れてコースインした#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)がセクター1から飛ばしに飛ばし、途中5コーナーで危ない場面はあったと本人は振り返ったものの、そこでもどうにか踏みとどまって1周をまとめてコントロールラインに飛び込んできた。記録されたタイムは1'36.316。2位以下を0.891秒も引き離す圧倒的な速さでポールポジションを獲得してみせた。これは現行規定よりもダウンフォース量の多い旧規定の車両で平手晃平(DENSO KOBELCO SARD RC F)が記録した1'36.491をも上回るものだった。
GT300クラスは第2戦富士で自身通算初のスーパーGTでのポールポジションを獲得した#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が今度は自らの手でQ2を走り、こちらも昨年中山雄一(TOYOTA PRIUS apr GT)の樹立した1'46.760を大幅に上回る1'46.076を叩き出して自力での初ポールを達成してみせた。2位には#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)が1'46.300で続き、#65蒲生尚弥(LEON CVSTOS AMG)が1'46.341、#25松井孝允(VivaC 86 MC)が1'46.451と、こちらは上位4チームがレコードを更新する結果となった。
第8戦決勝は明日午後1時30分より53周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
ついに逆転!#1宮田連覇に着実な一歩!
11月11日に栃木県のツインリンクもてぎで行われたFIA-F4選手権第13戦の決勝レースは、ポールポジションからスタートした#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が独走で今季4勝目を達成。シリーズポイントで#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)を僅かに上回ってポイントリーダーに浮上した。
第13戦決勝は午後1時10分より12周で行われた。スタートを制したのは宮田。予選2位の#50澤田真治(B-MAX RACING F110)がそれに続く一方で、予選3番手の#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)は同4番手の笹原と1コーナーで接触、揃って順位を落とすことになってしまった。
澤田は1周目の90度コーナーでアウトから宮田に並びかけるが、惜しくもオーバーラン。その隙に#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)、#16篠原拓朗(Media Do ADVICS影山F110)らの先行を許してしまう。しかしその大湯も4周目のS字に差し掛かったところで突如サスペンションアームの折損に見舞われ、惜しくもリタイヤとなってしまった。
こうしてライバル達が次々と後退していく中、トップの宮田は終始安定したペースでリードを広げて12周を走りきり、第12戦鈴鹿に続いての2連勝、今季通算4勝目を挙げた。
2位は篠原、3位には澤田が入り、いずれも昨年の最終戦もてぎ以来の表彰台を獲得した。
また、この勝利により宮田はシリーズポイントを216に伸ばしたため、5位に終わった笹原をわずか2ポイント上回ってドライバーズランキングトップに浮上。シリーズ連覇をかけて明日の決勝に臨むことになった。
果たして最後に笑うのは宮田か笹原か。第14戦決勝は明日の朝8時15分より12周で戦われる。
- 第13戦優勝 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
- とにかく勝てたことがすごく嬉しいし、レースペースもよかったので、明日に向けての課題というか、そこが見つかったかなと。終盤は試し試し走って、それが最後うまくまとまったのでファステストが取れた、という感じです。まだまだ詰めれるところがあるし、ベストを更新できるクルマでもありました。とにかくチャンピオンより優勝。勝ちにこだわって走りたいです
- 第13戦決勝2位 #16篠原拓朗(Media Do ADVICS影山F110)
- 去年の最終戦はポールスタートで抜かれて2位で、かなり後ろからも追われてる展開だったので。今日は運もありますけど、そういう意味でもよかったと思います。最初は自分が遅いポイントがあり、そこは分かっていたんですけど、うまく修正できて引き離せてよかったです。
- 第13戦決勝3位 #50澤田真治(B-MAX RACING F110)
- 悔しいです。結果を受け止めるしかないなと。明日も2位からスタートなので今日の反省をしっかりして、優勝で終われるように頑張ります。序盤は速かったんですけど、終盤伸び悩んだので、そこが課題かなと。自分のダメなとこがたくさん出たので、もう一回考え直します。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2017スーパーGT第8戦「もてぎGTグランドファイナル」の公式練習が11月11日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、GT500クラスは#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が1’37.530でトップタイム。GT300クラスは#4谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)が1'47.139でトップだった。
2017シーズン最終戦の公式練習は午前8時45分より105分間で行われた。FIA-F4の公式予選では少しだが雨が降っていたものの、GTの走行が始まると空は次第に晴れていき、気温も徐々に上がってきた。
序盤トップに立ったのは#37KeePer TOM'S LC500。それを開始1時間あまりで#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'37.902を記録してトップに浮上。その後も伊沢拓也が終盤の専有走行で1'37.837まで縮めてみせたが、チェッカー寸前にキャシディが1'37.530を叩き出して再びトップに返り咲いた。2位には#100 RAYBRIG NSX-GT、3位には#36中嶋一貴/ジェームス・ロシター組(au TOM'S LC500)が続いた。
GT300クラスは序盤でトップに立った#4 グッドスマイル初音ミクAMGがそのままトップで走行を終了。専有走行でもこれを上回るチームは出てこなかった。2位には#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)、3位は#21リチャード・ライアン/柳田真孝組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)とFIA-GT3勢が上位を占めた。JAF-GT勢の最上位は#25松井孝允/山下健太組(VivaC 86 MC)の4位だった。
スーパーGT第8戦はこのあと午後2時よりノックアウト方式で公式予選を行う。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
#1宮田逆転へ好感触!!
FIA-F4選手権第13戦、14戦の公式予選が11月11日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、2016年王者の#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)がベストタイム、セカンドベストタイム共にトップとなり、2戦連続でポールポジションを獲得した。
2017シーズン最終大会の公式予選は午前8時より30分間で行われた。朝のもてぎは曇り。気温も10度を下回る中、コースの一部では小雨も降ってくるという難しいコンディションでの走行となった。
真っ先にコースに飛び出したのはSRS-Fの4台。ポイントリーダーの#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)が計測2周目に1'58.850でトップに立つが、その次の周回では宮田が1'58.150を記録。さらに次の周では1'57.649と最初に1分57秒台に入り、最終的には1'57.585までタイムを縮めてきた。宮田は金曜日の専有走行でも1'57.178の総合トップタイムを記録しており、今週末は頭一つ抜き出ている印象だ。
宮田に続いたのは今シーズン不本意なレースが続いていた#50澤田真治(B-MAX RACING F110)。昨年は表彰台に上がっているこのもてぎで昨年のセッティングをベースに調整を進めてきたのが功を奏したようだ。9月にオートポリスでスポット参戦した全日本F3選手権Nクラスでの経験も影響したのかもしれない。澤田はセカンドベストでも宮田に次ぐ2位につけており、2戦連続でフロントローからスタートすることになった。
ベストタイム3番手にはここまでランキング3位の#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)。本人の感触としては今ひとつのようだったが、この気温の低いコンディションに影響されたのは彼一人だけではなかったということか。セカンドベスト3番手は#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)がつけ、笹原は結局両レースとも4番手からスタートすることに。依然として宮田に対して13ポイント差をつけている笹原だが、宮田が連覇する可能性も無視できなくなってきている。
注目の第13戦決勝は今日の午後1時10分から。第14戦決勝は明日の朝8時15分から、いずれも12周で行われる。
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第13戦予選PP、第14戦予選PP #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
- 昨日よりもコンマ5秒くらい遅く、そこらへんが自分的には「トップなのかな?」って不安でした。あとはスタートと1周目、あんまり緊張せず、しっかり自分のメンタルな部分を引き締めていきたいと思います。
去年はレース1でドライタイヤかレインタイヤかで悩みましたが、今回はしっかりドライで予選できたし、決勝もうまく合わせ込めればと思います。
もてぎでは昨年すごく悔しい思いをしてるし、そういう意味ではチャンピオンどうこうより勝ちたい気持ちしかないんで。次のマカオGPにいい流れを持っていきたいなと思います。
- 第13戦予選2位 、第13戦予選2位 #50澤田真治(B-MAX RACING F110)
- ここまで自分の中でうまくいかないことが多かったので。今週は割と周りのことを気にせずに落ち着いて自分のことだけやれたので、予選でも淡々と上がってこれたという。これだけ冷えてるんで、タイヤが温まるのに時間がかかると思っていました。そこでタイヤを温めるという意味も込めて序盤から攻めてはいました。
本当はポールを取りたかったんですが、フロントローが取れたのは良かったです。決勝に向けてまたアジャストしてうまくやれればと思います。
F3に出たことは、乗ったことのないクルマに乗ったことで新たな収穫もありました。それが少し活きている部分もあると思います。それ以外はカートしか乗ってなくて、本当に鈴鹿ぶりにFIA-F4に乗ったので、最初は結構戸惑いました。徐々にタイムを上げていくことができました。
クルマは基本的に去年のもてぎのセッティングで、それを今週に合わせていった感じです。
フロントローからのスタートなので、最低でも表彰台。優勝をしたいと思います。
- 第13戦予選3位、第14戦予選5位 #8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)
- 予選はあまり思うような結果にはなんなかったんですけど。第13戦はとりあえずスタートを決めて、最後まで諦めずに挑んで。一番いいのは優勝したいです。昨日のフリー走行からしたらあんまり調子は良くなかったんですけど。自分の感触では全然3位いける感じじゃなかったんで、ホッとはしていますけど、できればもうちょっと行きたかったですね。
- 第13戦予選5位、第14戦予選3位 #5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
- ちょっとタイヤの内圧が低くて。後半はそこそこいいペースで走れて、セカンドベストは良かったんですが、内圧が高ければもうあとコンマ1くらいはいけてたと思うので、惜しかったなと思います。もうちょっと、コンマ05くらい縮められそうだなって時に黄旗が出ていて。もう緩めるしかなかったんで。
レースペースはいいと思うので、そこで力を発揮できればと思います。
5番手スタートなので混戦になればいいですが、ならなかった時にどうやってトップを狙おうかなあと。やっぱりスタートを決めるしかないでしょうね。4番手以上ならもっとチャンスがあるんですが、これだけ僅差の中で5番手っていうのは厳しそうです。僕は後半のペースがいいと思うので、そこで勝負していきたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- ドライバーズチャンピオン #2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)
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キッズウォークをやってる最中に突然(決勝は中止と)聞かされたんで、びっくりしている状況です。僕たちは明日どうなるか決められる立場じゃないので、ただレースがないかもなんて考えると集中できなくなるので、全力でやるつもりでついさっきまでどう戦おうか考えていました。
こういう結果になって....チャンピオンは素直に嬉しいですし、シーズンを考えると、一戦一戦しっかり戦ったことがこの結果につながっていると思います。才能あるドライバーたちと戦えたことがいい経験になったし、自信につながりました。
今日明日は残念でしたけど、いいシーズンを送れたと思うし、チームにもすごく感謝しています。毎レースいいクルマを準備してくれて、時にはぼくもたくさん要求することがあったんですけど、今回も一生懸命最善の準備をしてくれました。そういう小さな積み重ねがチャンピオンシップに繋がったと思います。チームにとっては3年連続のドライバーズタイトル、2年連続のチームタイトルなので、自分にもチームにもしっかり実力がついて来たんだなというのがすごく嬉しいですし、感謝しています。
- チームチャンピオン 立川祐路監督(P.MU/CERUMO · INGING)
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明日いいレースができれば最高だったんですけど。ここまでの積み重ねが石浦のタイトルとチームのタイトルに繋がっているので、そこはやっぱりみんなの力でこうして連続で取れたと思います。チームスタッフ一人一人と石浦、そして今ここにはいないけど昨年のチャンピオンの国本の力もあってのことだと思うので、全てのチームスタッフに感謝しています。
ドライバーズタイトルを3年、チームタイトルを2年連続でとってますけど、結果ほど楽な戦いをしてるわけじゃないんです。ヨコハマタイヤに昨年から変わって、今年もスペックが変わってという中で、苦労している部分ももちろんあります。そんな中でもみんなが頑張って仕事をしてくれて結果がついて来ているということです。
ライバルも、こうしてガスリー選手やローゼンクヴィスト選手のように一年目でいきなり成績を残してくるすごい選手が海外から参戦してくる中でタイトルを取るのは大変なことだし、それを可能にしてくれるのはドライバー、エンジニア、メカニックみんなが本当に一つになって勝とうと頑張ってくれている結果だと思うので、今後クルマが変わろうが何しようがやっていけると思います。でもライバルも力をつけて来ているので気を緩めずに毎年少しずつでもレベルアップを続け、前進していくだけです。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAFグランプリ」は公式予選日から悪天候に見舞われ、朝のフリー走行、午後の公式予選ともに赤旗中断の相次ぐ展開となり、22日の決勝への影響も危ぶまれていたが、21日午後5時15分の段階で正式に決勝の中止が決まり、日本レースプロモーション(JRP)からプレスリリースが発行される事態となった。
これは台風21号の接近によりレース運営の安全性だけでなく来場する観客の安全にも考慮した結果。
この中止決定に伴い、観戦チケットは払い戻しとなることも併せて発表された。
詳細については鈴鹿サーキットの公式ウェブサイトを参照のこと。
またこれによりシリーズは第7戦の予選をもって終了。第6戦までに32.5ポイントを獲得した#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が2年ぶり2度目のドライバーズチャンピオン、P.MU/CERUMO · INGINGが2年連続のチームチャンピオンを獲得することになった。
惜しくもドライバーズランキング2位に終わった#15ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN SF14とはわずか0.5ポイント差であり、これは2013年にアンドレ・ロッテラーと同ポイントでタイトルを獲得した山本尚貴につぐ僅差だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAFグランプリ」の公式予選は降り続く雨と相次ぐ赤旗中断によりQ1のみが実施され、レース1は#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が、レース2は#20ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)がポールポジションを獲得した。
朝から降り続く雨のため、路面コンディションはウェット。このため公式予選は当初予定より5分遅れの午後1時55分に開始されたが、コースのいたるところに川が流れる状況で130Rは全くアクセルが踏めない状況。ホームストレートでもリアが流れる有様だったため、計測が始まる前に早々と赤旗が提示されることになった。
その後天候の回復を待って午後2時40分に予選は再開されたが、コースオープンとなった直後に#7フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)が1コーナーで飛び出し、2度目の赤旗中断。午後2時50分に走行再開されたものの、今度は#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)のコースオフで3度目の赤旗。午後3時00分の再開後も#15ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN SF14)のコースオフにより4度目の赤旗という散々な状況。結局この4度目の赤旗をもって予選は終了し、Q2以降の予選は行われないことになった。
こうした混乱の中、各ドライバーは与えられた時間を最大限使ってアタックを行い、3度目の赤旗中断後に1'54.395を記録したロッテラーがトップタイム。ロッテラーはその次の周でも1'53.664を記録していたが、こちらはシケインでのショートカットがあったために無効とされた。2番手タイムは#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)の1'54.454、#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が1'54.606で続いた。
結局Q1のみで予選が終了したため、朝の公式通知に従ってレース2はQ1のセカンドベスト順でスタートすることとなり、こちらは1'56.961を記録していたマーデンボローがトップに。自身初のポールポジション獲得となった。2番手は1'57.144の野尻、3番手には1'57.744の#41伊沢拓也(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)がつけた。
一方、ポイントリーダーの#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)はベストタイム4位、セカンドベストタイム9位という結果に。石浦を0.5ポイント差で追う#15ガスリーはベストタイム8位、セカンドベストタイム6位に終わっている。
第7戦決勝はレース1が明日午前9時25分から19周で。レース2は午後2時20分から36周で行われる予定。しかし台風21号の接近により予定通りレースが実施されるかは微妙な状況となっている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は10月21日、第7戦「JAFグランプリ」が開催されている鈴鹿サーキットで恒例のサタデーミーティングを開催。この中で時期SF車両であるSF19の概要を明らかにした。
現行のSF14が導入から来年で5シーズン目に入ること、FIAの2016年安全基準に対応することなどから車両更新を行うもので、より洗練された空力性能と、オーバーテイクしやすい特性を目指して開発を進めていくという。今年の11〜12月を目処にCFDによる開発を進め、来年1月から2月には風洞実験、6月にはテスト車両の完成、7月からは走行テストを始め、10月に最終仕様を確定させて量産を開始する予定。各チームへは2019年1月からデリバリーを開始する。
エンジンは引き続き2リッターターボエンジンのNREを搭載し、ヨコハマ製の13インチタイヤを使用するが、その他の詳細なスペックは未定。
サタデーミーティングには倉下明社長、白井裕技術顧問のほか、シャシーを製造するイタリアのダラーラ社からアンドレア・ポントレモーリCEOが出席。白井顧問はシャシーで1秒、タイヤで1秒のタイムアップを目指すと語り、ポントレモーリCEOはこれまでは性能重視で車両製作を行ってきたが、SF19はパフォーマンスの向上とともに見た目の美しさにも力を入れていくと語った。
なお、倉下社長からは将来の目標としてVSCの導入やオンボード映像の生配信、ドライバーのバイタルデータの公開などの構想が語られ、SF19にはそうした機能の搭載も想定して開発を進めるという。またF1などで導入が予定されているHALOへも対応する準備があるとのことだ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
Illustration: Japan Race Promotion
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAFグランプリ」のフリー走行が10月21日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#41伊沢拓也(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)が1'54.694でトップタイム。午後の予選が中止になった場合はそのままポールポジション獲得の可能性も出てきた。
台風21号の接近の影響で公式予選日を迎えた鈴鹿は朝からあいにくの雨。今後も天候回復の可能性は低いとみられ、朝の時点で大会事務局から「決勝レースのグリッド決定方法および選手権ポイント付与に関して」と題する公式通知が発行された。
これによると公式予選が実施されなかった場合はフリー走行のベストタイム、セカンドベストタイムを元にレース1、レース2のグリッドを決めるとのこと。ただしそれもフリー走行のコースオープン状態が20分間を超えた場合、が条件であり、これをクリアできない場合は第6戦終了時点のシリーズランキング順でレース1が、レース1終了後のシリーズランキング順でレース2がスタートすることになる。
結論からいうとこのセッションは午前9時10分に予定通り開始され、4度の赤旗中断に見舞われながらもコースオープン状態が39分54秒に達したため、実施したとみなされることになった。
セッション開始から9分が経過したところで伊沢が1'54.694を記録、これがそのままセッションのベストタイムとなり、午後の予選が実施されなかった場合、伊沢がポールポジションからスタートする見込みとなった。伊沢はセカンドベストでも1'56.099を記録しており、このままいけばレース2でもポールスタートとなる可能性が高い。
雨はセッションが進行するにつれて激しさを増し、伊沢がベストタイムを記録した直後には#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)がスプーンカーブでスピンアウトしたために最初の赤旗が提示された。その後も9時35分の再開直後に#65ナレイン・カーティケヤン(TCS NAKAJIMA RACING SF14)が逆バンクでスピンアウト、トップタイムの伊沢もダンロップコーナー先でスピン、終了直前には#10塚越広大(REAL SF14)が同じダンロップでスピンアウトしたため、いずれも赤旗中断となっている。
こうした劣悪なコンディションの中、#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)は懸命のアタックを続け、セッション中盤に1'56.657の自己ベストタイムを叩きだすと、その2周後には1'57.066を記録。ベストタイムで9番手、セカンドベストでも4番手に食い込んで見せた。
これをみてポイントリーダーの#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)もコースに飛び出し、1'59.743とセカンドベストを更新、#1国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)も1'56.932を記録してベストタイムで11番手まで浮上した。
結局フリー走行は塚越のコースオフによる4度目の赤旗を持って終了となり、ベスト、セカンドベスト共に伊沢がトップという結果に終わった。ベストタイム2番手は#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)、セカンドベスト2番手には1'56.686を記録した#15ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN SF14)がつけた。ガスリーは一時F1USGP参戦のため欠場ではとの情報も流れたが、結局14日付で正式に参戦が発表されている。
第7戦の公式予選はこのあと午後1時50分よりノックアウト方式で行われる予定だが、天候次第では中止となる可能性も否定できない状況だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第18戦の決勝は9月10日、大分県のオートポリスで行われ、#1坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が前日に続いてポール・トゥ・フィニッシュを達成、今季通算8勝目を挙げた。Nクラスもスポット参戦の#55元嶋佑弥(Planexスマカメ・F308)が2連勝を達成している。
第18戦決勝は午後3時45分より21周で行われた。ポールポジションの坪井がトップに立ち、2番手にはチームメイトの#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)、予選3位の#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)が3番手と、上位陣は予選通りの順位で周回を重ねていく。
このレース、坪井は優勝するだけでなくファステストラップも記録してポールポジションの1ポイントと合わせて12点を獲得し、ポイントリーダー高星との差を少しでも縮めようと懸命にプッシュしていたが、7周目にあろうことかチームメイトの宮田が坪井を上回るラップタイムを記録してしまう。坪井は9周目に宮田のタイムを上回るが、16周目に今度は一番ポイントを取らせたくない相手、高星が1'39.364を叩き出し、ファステストラップを更新してきた。
これを上回ろうと懸命にプッシュした坪井だったが、セクターベストは時折記録するものの1周トータルのタイムアップにはなかなか結びつかない。それでもファイナルラップで自己ベストタイムを更新した坪井だったが、それでも1'39.376と僅かに及ばず、高星がこのレースのファステストラップを記録し、貴重な1ポイントを獲得した。
レースは坪井が優勝。宮田が2位につけ、高星が3位という結果に終わったが、高星がファステストラップを記録したことにより坪井の獲得ポイントは11に留まり、シリーズポイントでは高星142、坪井123とその差は19ポイントとなった。残るレースは最終大会スポーツランドSUGOの2戦のみ。ここで高星が6ポイントを獲得すれば2017年のシリーズチャンピオンが決まる。追う坪井はとにかくフル得点目指してプッシュあるのみだ。
一方、Nクラスは予選トップの元嶋佑弥がそのまま逃げ切って2連勝を達成。上位クラスの#30DRAGON(B-Max Racing F314)を後ろに従えての堂々の勝ちっぷりだ。2位もスポット参戦の#50澤田真治(B-Max Racing F306)が2戦連続での表彰台獲得を達成。#11植田正幸(Rn山下製作所F308)が周回遅れと絡んでコース上にストップしたことで一つ順位を上げた#77大塚隆一郎(DPS.LBJレーシングCMS)が3位と、このクラスは二日連続でスポット参戦組が表彰台を占める結果となった。

次戦スポーツランドSUGOは9月23-24日に行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
ガスリーまさかの2連勝!!
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝が9月10日、大分県のオートポリスで行われ、#15ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN SF14)が第4戦もてぎに続いて2連勝を達成した。
第5戦決勝は通常より早い午後1時05分より54周で行われた。決勝前の天候は晴れ、気温25℃、路面温度33℃という絶好のコンディションだった。また今回は第4戦に続いてソフト、ミディアムの2種類のタイヤの使用が義務付けられていたが、上位陣の多くがミディアムタイヤ、中団以降のドライバーがソフトを選択するという状況だった。しかし予選5番手のガスリーはメカニック退去寸前にソフトタイヤへの交換を決断。この判断がレースに大きな影響を及ぼした。
スタートでトップに立ったのはポールシッターの#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)、土壇場でソフトに履き替えたガスリーが2位に浮上し、#1国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が3位、#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)が4位とポジションを一つずつ落とした。
ガスリーは野尻を僅差で追い、オーバーテイクのチャンスを伺ったが、ミディアムタイヤの野尻はソフトタイヤのガスリーと遜色ないタイムで周回を重ね、付け入る隙を与えなかった。ガスリーは順位を上げることなく23周目にピットイン、ミディアムタイヤに交換し、作業時間12.4秒でコースに復帰した。この時点での野尻とのギャップは33秒以上。そのままなら野尻はピット作業を終えてもトップのままコースに復帰できる計算だった。
ところがレース中盤を過ぎて野尻のペースが落ち始める。攻撃性の高いオートポリスの路面はミディアム対してもその牙を剥いていたのだ。28周終了時点で野尻とガスリーのギャップは31秒となり、35周目には30秒となった。野尻は38周目にピットインしたが、ここで作業に16秒以上かかってしまい、ピットアウトした時にはガスリーははるか前方、それどころか15周目にピットインした#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、17周目にピットインした小林らの後塵を拝する結果となってしまった。
さらに40周目に入ったところでピットから出てきた国本を避けようと動いた小林に接触、ノーズを破損して1コーナーで飛び出し、大きく順位を落としてしまった。
こうしてトップに浮上したガスリーは残り周回を安定したペースで走りきり、第4戦もてぎに続いて2連勝を達成した。
ガスリーに続いて2位に浮上したのはなんと予選10位の#7フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)。ミディアムタイヤでスタートしたローゼンクヴィストは4周目にピット作業を行い、残りの50周をソフトタイヤで走りきる作戦に出ていたのだ。チームメイトの#8大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS SF14)もミディアムタイヤでスタートして6周目にソフトに交換、3番手で続いていた。この一見無謀にも見えるチームルマンの作戦は結果的に成功し、ローゼンクヴィストは第3戦富士から3戦連続で表彰台を獲得。今シーズン久々にトップフォーミュラに復帰した大嶋は2012年7月の第4戦富士以来5年ぶりの表彰台獲得となった。
4位に石浦、5位には国本がつけ、ポイントリーダーはポイントを30.5に伸ばした石浦で変わらず、ガスリーが25ポイントで2位に浮上した。しかし現在ガスリーにはトロ・ロッソ加入の噂があり、本人も2、3日中には最終決定がなされると記者会見でコメントしているため、残り2戦の出場が微妙な状況だ。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。9月24日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
クルマにトラブルが出ましたし、時間の使い方も思いどおりにいかなかったですね。赤旗がタイムにどのくらい影響しているかわかりませんけど。後半もトラブルを抱えながらの走りになりました。
F3には出たいとずっと言っていました。今回GTドライバーの元嶋(佑弥)さんという比較対象もあって、自分のスキルアップやアピールの場になるんじゃないかと思って、参戦させてもらいました。チームとしても元嶋さんが出てくるということで参戦を認めてくださいました。元嶋さんとめちゃくちゃ大きな差があるとは思っていないので、特に一発以外のレースラップは負けてないと思うので、しっかり前に出て走りたいと思います。
今後の参戦については今の所決まってないです。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
気持ちよくアタックはできなかったんですけど、最低限の結果は出せたなと思います。赤旗がアタックラップにかぶってしまい、不完全燃焼でした。1セット目は赤旗でうまくいかず。2セット目は自分のミスでうまくいきませんでした。でもF3で走れて楽しいです。
何年か前にスポットでアジアのフォーミュラマスターズに出ましたけど、本格的なレースは久しぶりです。こんな次元でコーナー走るのは初めてなのでびっくりしました。
去年はGTで来なかったですし、今年はレギュラーじゃないし、S耐はトラブルが出たので意外とオートポリスは走っていないんですよ。おかげさまでいろんなクルマに乗せていただいて。
もっと若い時に乗りたかったですね。この数年自分の中でフォーミュラという選択肢はなくなっていたんですけど、気持ちの中では乗りたいと思っていました。今回こんなチャンスをいただいて、また改めてフォーミュラ乗りたいと思いました。まだ自分の中で「できるな」と思ったんで、またフォーミュラを視野に入れて頑張りたいなと思っています。
今回はオーナーの久保田(克昭)さんが乗らない、と聞いていて、応援してくださる方がいたので乗ることができました。菅生に関しては全然予定がありません。これで来年またフォーミュラのチャンスに繋がれば嬉しいです。また自信がつきました。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
二つ目のアタックでミスしてしまい、まともにアタックできませんでした。もう1周行きましたけど、すでにタイヤが厳しい状態でしたし、赤旗も出てしまいました。でも再開後にそのタイヤでトップタイムが出たので、このタイヤでポールが取れるなら、と思って2本目のタイヤでは普通にアタックできました。赤旗の関係でなぜか18分延長になって、待ってる人がたくさんいたので、とりあえずいつでも出られるように準備だけはして、周りを見ながら走りました。結構バタバタなセッションでした。
F3でオートポリスを走るのは初めてですが、基本的にF3は最初の1コーナーで前に出てしまえば抜かれないと思うので、まずはポールという課題をクリアしたので、あとはしっかり逃げたいです。F4では勝ってるし、ここで勝ってファステストラップも記録したいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦オートポリスは9月10日朝、フリー走行2回目を行い、#3ニック・キャシディ(FUJI x raffinee KONDO SF14)が1'28.558でトップタイムを記録した。ポールポジションの#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)はロングランを優先したためか、タイム的には最下位に終わっている。
決勝日を迎えたオートポリスは予選に続いて爽やかな秋晴れに恵まれた。フリー走行2回目は併催の全日本ロードレース選手権JSB1000クラスの走行のあと、午前8時50分より30分間で行われた。
決勝でソフトとミディアム、2種類のタイヤの使用が義務付けられる今大会、特にソフトタイヤのライフを確認するという重要な作業がこのフリー走行では求められており、各チームはそれぞれのメニューに従いソフトとミディアム両方のタイヤで走行を続けた。最初にミディアムタイヤを装着したのは#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)、#15ピエール・ガスリー(TEAM MUGEN SF14)、#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、#4山下健太(FUJI x raffinee KONDO SF14)の4人。他の15人はソフトで走り始めて6周から12周の連続走行を実施、このコースでの性能低下の状態を確認していた。
そうした中、キャシディはセッション序盤に1分28秒台と他をコンマ5以上引き離すタイムを出してトップに浮上しているが、彼と2番手の#64中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING SF14)は他のドライバーとはタイム差が大きく、これが決勝でのペーストは考えにくい状況。おそらくは1分29秒後半から1分31秒前半あたりでの戦いになると想像される。逆にミディアムタイヤで1’31.911を出した山本などは不気味な存在だ。
またチェッカー寸前に最終コーナーで#20ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)がコースオフしており、クルマのダメージなど、決勝への影響が懸念される。
第5戦決勝は普段より早めの午後1時5分より54周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
#1坪井翔ポイントフルマークで逆転に手応え?!
全日本F3選手権第17戦の決勝が9月9日、大分県のオートポリスで行われ、ポールポジションの#1坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が後続を12秒以上突き放す圧倒的な速さで逃げ切って5連勝、今季通算7勝目を挙げた。Nクラスは今回スポット参戦の#55#55元嶋佑弥(Planexスマカメ・F308)が上位クラスにも迫る走りでこちらもポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
第17戦決勝は午後4時20分より15周で行われた。ポールの坪井がスタートを決めてトップで1コーナーに入っていく一方で、2番手スタートの#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)は出遅れて4位に後退。2位には#12アレックス・パロウ(THREEBOND)、3位にはポイントリーダーの#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)がつけた。
パロウの背後にピッタリついて隙をうかがう高星、そのさらに後ろで宮田も高星を追い抜くチャンスを待って周回を重ねていたが、タイヤの消耗からペースを上げられないパロウを二人はなかなか抜き去ることができない。その間にトップの坪井は着々とリードを広げていった。
今回何としてもポールポジション、ファステストラップ、優勝の全てを達成して12ポイントを獲得したいと考えた坪井は9周目にこのレースのファステストラップとなる1'38.648を記録すると、その後も全く手綱を緩めずに後続を突き放し、11周終了時点で2位に10秒8、最終的には12秒8という圧倒的な差をつけてフィニッシュ、見事に目標通りの12ポイントを獲得した。2位にパロウ、3位に高星が入ったことにより、前戦まで31ポイントだった高星と坪井の差は、明日のポールポジションの1ポイントも含めて23ポイントと縮まった。
Nクラスは久保田克昭に代わって55号車をドライブした元嶋がスタートから他を寄せ付けない走りでトップを独走、今回からダラーラ314にスイッチした#30DRAGON(B-Max Racing F314)をも後方に従えてデビュー戦を勝利で飾った。2位にはこれまでDRAGONの乗っていたダラーラ306を今回ドライブした#50澤田真治(B-Max Racing F306)が入り、地元九州でレース活動をしている#77大塚隆一郎(DPS.LBJレーシングCMS)が3位といずれもスポット参戦のドライバーが表彰台を占める結果となった。

第18戦決勝は9月10日午後3時45分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦は9月9日午後に公式予選を行い、#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)が1'26.196のコースレコードを叩き出して自身通算2度目のポールポジションを獲得した。
第5戦の公式予選は午後1時45分よりノックアウト方式で行われた。この日の天候は晴れ。幾分涼しさの漂う秋の気候の中での走行となった。
予選Q1
第4戦もてぎに続いてソフトタイヤが導入された今大会。予選Q1は大会特別規則によりミディアムタイヤでの計測のみが許されるセッションとなった。ここでは一部のドライバーがいつも通り持ち越しのミディアムで走り出したものの、大半のドライバーがミディアムのニュータイヤを2セット投入する作戦をとった。
ところが残り時間7分を切って各ドライバーが最後のアタックに取り掛かったところで#10塚越広大(REAL SF14)がジェットコースターストレート先の右コーナーでクラッシュしたために赤旗が提示され、セッションは中断となってしまった。10号車は前後の足回りにダメージを負い、そのまま予選を終えてしまった。
車両回収ののち規定どおり残り3分間でQ1は再開され、各ドライバー最後のアタックに取り掛かる。ただしこの時点でトップの#1国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)と8位の#2石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)のセルモインギングの二人はすでにソフトタイヤに交換を済ませており、残り時間をガレージで過ごした。結局このセッションは国本がトップ、#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が2位で終了。#3ニック・キャシディ(FUJI x raffinee KONDO SF14)や#64中嶋大祐(TCS NAKAJIMA RACING SF14)ら5名がQ1敗退となった。
予選Q2
ソフトタイヤでの走行が許される予選Q2は規則上持ち越しソフトの使用も許されていたが、全車ニュータイヤで走行を開始。ここで真っ先にコースに飛び出し、唯一ウォームアップ走行を2周行った#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)が従来のコースレコード(1'26.569 / 2014年アンドレ・ロッテラー)を上回る1'26.317を記録してトップに立った。2位には野尻がつけ、国本が3位。
一方、前回初のポールポジションを獲得した#4山下健太(FUJI x raffinee KONDO SF14)は8位の#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)に僅か0.059秒及ばずここで予選を終えた。
予選Q3
最後の予選セッションにおいても#18小林可夢偉は最初にコースインして2周のウォームアップ走行を行ってからのアタックという作戦に出るが、タイムは1'26.414とQ2のタイムにわずかに及ばず。一方1周のウォームアップですぐにアタックに入った野尻が1'40.196と小林が打ち立てたばかりの新レコードをさらに更新、2016年第5戦岡山レース2以来の、自身通算2回目のポールポジションを獲得した。奇しくもこのレースは熊本大地震でキャンセルとなったオートポリス大会の代替レースだった。2位は国本で1'26,387だった。
第5戦決勝は明日午後1時05分より54周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第17,18戦の公式予選が9月9日、大分県のオートポリスで行われ、#1坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が2戦連続でポールポジションを獲得した。Nクラスも今回スポット参戦が決まった#55元嶋佑弥(Planexスマカメ・F308)が2戦連続でクラストップとなっている。
全日本F3がこのオートポリスで開催されるのは2010年以来。実に7年ぶりのこととだ。
当然シャシーやエンジンも当時とは全く別物であり、全くデータのない状況で各チーム現地入りしたが、金曜の専有走行では全セッションで坪井がトップタイムを記録、#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)が総合で2位につけ、トムス勢が頭ひとつ抜け出した格好だ。
そうした中、公式予選は9日朝10時20分より30分間で行われた。今回の予選はベストタイムで土曜日決勝、セカンドベストで日曜日決勝のグリッドを決める方式が採用されたが、各ドライバーが3周めに入り、本格的なアタックが始まった直後にコース後半の上りセクションで#3三浦愛(EXEDY B-Max F317)と#33イェ・ホンリー(KRC with B-Max F315)が絡んでコース上にストップしたために赤旗中断となってしまった。
予選は10時37分に一旦再開されたが、今度は14コーナーで#13吉田基良(B-Max Racing F306)が立ち往生してしまい、すぐに2回めの赤旗が出てしまった。
これによりタイヤの一番状態のいいところでアタックできないという、ドライバーにすれば実にフラストレーションのたまる状況になったわけだが、それでも坪井は10時47分に走行が再開されると1'37.422を叩き出し、2セットめを投入した終盤のアタックでも1'37.925を記録して2戦連続ポールを獲得、2番手も2戦連続で宮田がつけ、トムスが2戦連続でフロントローを独占するという結果になった。3番手は第17戦が#12アレックス・パロウ(THREEBOND)、第18戦はポイントリーダーの#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)という結果になった。
Nクラスは今大会のみのスポットながら久保田克昭に変わって#55Planexスマカメ・F308
をドライブすることになった元嶋が不完全燃焼と言いつつ2戦連続でクラストップタイムを記録、2番手もまた今季NクラスチャンピオンのDRAGONが今回からダラーラF314にスイッチしたのを受け、それまで乗っていたダラーラF306をドライブすることになった#50澤田真治(B-Max Racing F306)が2戦連続で2番手という結果になった。澤田も予選開始当初からトラブルを抱えての走行を強いられていたとのことで、決勝での巻き返しに期待のかかるところだ。
第17戦決勝は今日午後4時20分から15周で、第18戦決勝は明日午後3時45分より21周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が9月9日に大分県のオートポリスで開幕。フリー走行1回目のトップタイムは#36アンドレ・ロッテラー(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)で1'27.198だった。
熊本大地震の影響で昨年のレースが中止となり、2年ぶりの開催となるオートポリス大会は前戦ツインリンクもてぎに続いてソフトとミディアム、2種類のタイヤが使用されることになった。ただし今回はニュータイヤはソフト、ミディアとも2セットずつであること、前戦からの持ち越しのソフトが使えることなどがもてぎ大会とは異なる。さらにエントランド側からの要望もあり予選Q1ではミディアムタイヤのみ使用が許されることが大会特別規則で決まっており、予選、決勝を通じて様々な戦略を採りうる、非常に興味深いレースとなった。
そうした変更点を受け、朝9時からのフリー走行も各ドライバー様々なタイヤを試しながらの走行となり、通常は予選シミュレーションが行われる終盤の時間帯でもQ1を想定してミディアムのニュータイヤで走行するドライバーも数名出るほどだった。
そうした中でトップタイムを記録したのはユーズドのソフトタイヤで1'27.198を記録したロッテラー、そして2番手にはミディアムのニュータイヤで1'27.253を記録した#37中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)とトムス勢が1-2という結果になった。
3番手にはソフトタイヤで1'27.631を記録した#40野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)がつけている。
この結果だけを見るとソフトとミディアムの差はそれほどないように思われるが、ヨコハマタイヤのコメントとしてはニュータイヤ同士の比較ではソフトとミディアムには2秒程度のギャップがあるとのこと。
これが予選Q2、Q3そして決勝にどのような影響を及ぼすのか、興味の尽きない大会になりそうだ。
公式予選はこのあと午後1時45分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
最後の鈴鹿1000kmを制したのはナカジマレーシング!!
2017オートバックス スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝が8月27日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レースはセーフティーカーが2度入った影響から、規定により171周で終了となったが、#64ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)がレース後半にトップに立ち、2007年以来10年ぶりの勝利を挙げるという感動的な幕切れとなった。GT300クラスは1周目に最初のピット作業を行うという奇策に出た#65黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)が終盤トップに浮上して今季初優勝を達成している。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日27,500人/決勝日45,000人/大会総入場者数72,500人)
1966年から続いてきた鈴鹿1000kmの最後の決勝は午後0時35分に三重県警の白バイとパトカーの先導によりパレードランが開始された。スタートでトップに立ったのはポールポジションの#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)。2位には#19関口雄飛(WedsSport ADVAN LC500)がつけ、3位に#64ベルトラン・バゲット(Epson Modulo NSX-GT)、予選3位の#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)はスタートで4位に後退するが、9周目にバゲットを抜き返して3位に上がってきた。
オリベイラは最初の5周で2位の関口を2.4秒引き離したが、10周目に入ったところで突如ペースダウン、一気に0.655秒差まで詰め寄られる。24号車はパワーステアリングにトラブルが出ていたようだ。
しかし関口も12周目のスプーンカーブでアウトに膨らんでしまい、塚越の先行を許してしまう。塚越は13周目の130Rでオリベイラのインをこじ開けてトップに浮上すると、そのまま一気に後続を引き離し、30周目に最初のピット作業を行なって小暮卓史に交代した。
ところがGT300クラスの#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)がシケイン立ち上がりで#3星野一樹(B-MAX NDDP GT-R)に追突されてスピン、イン側のガードレールに突っ込んでしまったため、42周目に入ったところでセーフティーカーが導入され、17号車のリードは失われてしまった。さらに95周目に入ったところでも#31嵯峨宏紀(TOYOTA PRIUS apr GT)が130Rでクラッシュしたことにより2度目のセーフティーカーが入ってしまった。この時点での2位は#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)、3位に#64松浦孝亮(Epson Modulo NSX-GT)、4位が#19関口。しかし松田はピットアウト時に#111植田正幸(エヴァRT初号機Rn-s AMG GT)の進路を横切ったとして「ファストレーン優先権違反」を取られ、ドライビングスルーペナルティーを受けて後退してしまう。
度重なるセーフティーカーランでことごとくリードを削られてしまった#17KEIHIN NSX-GTは、その度に猛チャージを繰り返して後続を突き放していった。しかし120周目に4回目のピット作業を終えて塚越がコースに戻ってみると、目の前には#64ベルトラン・バゲット(Epson Modulo NSX-GT)の姿があった。
それまでもトップ集団に加わって周回を重ねていた64号車は他に先んじて113周目に4度目のピットイン、その後は路面温度の低下に持ち込んだダンロップタイヤがピタリとハマり、バゲットはペースアップに成功していたのだ。
しかしその差はわずか2秒あまり。バゲットを激しく追い上げ、テール・トゥ・ノーズの状態まで持ち込んだ塚越だったが、147周目のスプーンでタイヤバーストにより痛恨のクラッシュ。そのまま戦列を去った。2位には#23 MOTUL AUTECH GT-Rが繰り上がったが、ペナルティの影響もありその差は10秒以上。
これでライバルのいなくなった64号車は146周目に最後のピット作業を終え、松浦孝亮が最後のスティントを担当、そのままトップでコースに戻った。
レースは2度のセーフティーカーランがあった影響で171周に入ったところで規定の午後6時28分に達したため、そのまま終了となった。
ナカジマレーシングの優勝は2007年11月の富士以来10年ぶり。これもGT100戦記念というメモリアルレースでの勝利だった。レース後の記者会見では松浦が感極まって泣き出す場面も。国内外のレースで戦ってきた38歳ベテランの「自分はまだやれる」という喜びと安堵が大粒の涙を引き出したようだ。
2位は#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、3位には#100山本尚貴/伊沢拓也組(RAYBRIG NSX-GT)が入った。100号車は終盤#1ヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD LC500)と熾烈な3位争いを展開、ドリンクシステムの不具合を抱えながら競り勝った山本は表彰式後に脱水症状でメディカルセンターへ運び込まれ、破れた平手は直後にデグナーでコースアウト、そのままリタイヤという壮絶なバトルだった。
GT300クラスは序盤#25松井孝允/山下健太/近藤翼組(VivaC 86 MC)、#18中山友貴/川端伸太朗組(UPGARAGE BANDOH 86)、#5坂口夏月/藤波清斗/玉中哲二組(マッハ車検MC86 GTNET)の3台のMC86が他を引き離してトップ争いを展開したが、5号車はレース中盤にトラブルによりピットガレージで長時間の修復作業を行うことになり脱落、18号車も2度目のセーフティーカーランの際にタイロッドのボルトが脱落したことで予定外のピットストップを強いられることになった。
これで25号車が独走状態になるかと思われたが、終盤思わぬ伏兵が現れる。1周目で最初のピットストップを行うという奇策に出た#65 LEON CVSTOS AMGだ。ピットストップ5回以上という大会特別規則を逆手に取った作戦でクリアラップを多めに確保してハイペースで周回を重ね、全車が5回のピット作業を終えた時点で上位に進出しようという目論見だ。
65号車の最後のスティントを担当したのは蒲生尚弥。蒲生はトップを走る#25松井孝允を猛然と追い上げ、150周目の1コーナーでついにトップに立った。一方松井は最後のピット作業で装着した柔らかめのタイヤが路面にマッチせず、苦しい走りを強いられた挙句155周目の逆バンクでコースアウト、クルマが上下逆さまの状態でバリアに突っ込む激しいクラッシュにより大破、そのままリタイヤとなっている。
蒲生はそのままトップでチェッカー、昨年4月の岡山以来1年4ヶ月ぶりの勝利を挙げた。2位には#88織戸学/平峰一貴/山西康司組(マネパランボルギーニ GT3)、3位には#87細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥組(ショップチャンネルランボルギーニ GT3)とJLOCの2台が久々の表彰台を得ている。
スーパーGT第7戦の舞台はタイのチャン・インターナショナルサーキット。10月8日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2017スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝は規定により午後6時28分に171周をもって終了。GT500クラスは#64ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)が逃げ切って今季初優勝。ナカジマレーシングの優勝は2007年11月の第9戦富士以来、松浦の優勝は2013年7月の第4戦富士以来だ。
2位には#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)がつけ、終盤接戦の末#1ヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD LC500)を攻略した#100山本尚貴/伊沢拓也組(RAYBRIG NSX-GT)が3位入賞を果たした。
GT300クラスは#65黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)が150周目の1コーナーで#25松井孝允/山下健太/近藤翼組(VivaC 86 MC)を捉えてトップに返り咲き、今季初勝利を飾った。#25 VivaC 86 MCは残念ながら155周目の逆バンクでコントロールを失ってコースオフ、惜しくもリタイヤとなった。2位には#88織戸学/平峰一貴/山西康司組(マネパランボルギーニ GT3)、3位には#87細川慎弥/佐藤公哉/元嶋佑弥組(ショップチャンネルランボルギーニ GT3)とJLOC勢が揃って表彰台を獲得した。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
2017スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝はいよいよ終盤戦に突入したが、147周目に入ったところで#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)がタイヤバーストに見舞われ、スプーンカーブでクラッシュしてしまった。乗っていた塚越は無事だったが、17号車はそのまま戦列を去ることになった。
現在もトップはベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)。146周目に最後のピット作業を行い、松浦がゴールを目指して周回を重ねている。2位には#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、その後方で#1平手晃平(DENSO KOBELCO SARD LC500)と#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が激しい3位争いを展開している。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2017スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝は規定周回数の4分の3となる130周を消化。トップは#64ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)に変わり、#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)が僅差で追い上げる展開となっている。
2度目のセーフティーカーは102周目にピットイン。103周目にリスタートとなった。ここで目覚ましいポジションアップを見せたのが#100山本尚貴/伊沢拓也組(RAYBRIG NSX-GT)だ。山本は103周目のシケインで#6大嶋和也(WAKO'S 4CR LC500)を抜き去ると、105周目に#24佐々木大樹(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)、106周目には平手晃平(DENSO KOBELCO SARD LC500)、109周目には安田裕信(カルソニックIMPUL GT-R)を次々に抜き去り、111周目に#19WedsSport ADVAN LC500がピットインしたことで3位に浮上すると、すぐさま#64松浦孝亮(Epson Modulo NSX-GT)をもスプーン進入で攻略して2位に上がってきた。
しかし64号車は113周目に早めのピット作業を行なったことで119周目に4度目のピット作業を行なった#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)の前に出ることに成功した。3位には#19関口雄飛/国本雄資/小林可夢偉組(WedsSport ADVAN LC500)がつけ、山本の頑張りで2位まで浮上したレイブリックNSXは116周目に伊沢拓也に交代してからはペースが上がらず5位に後退している。
GT300クラスは105周目のピット作業をタイヤ無交換で終えた#25松井孝允/山下健太/近藤翼組(VivaC 86 MC)が再びトップに立っている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2017スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝はスタートから3時間余りが経過し、規定周回数の半分以上を消化した。トップは依然として#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)。91周目に3度目のピット作業を行なった際、目の前に飛び出してきた#5藤波清斗(マッハ車検MC86 GTNET)とあわや接触という場面があったが、小暮がうまくこれを回避し、そのまま10秒以上のリードを保ち、トップでコースに復帰している。
ところが#31嵯峨宏紀(TOYOTA PRIUS apr GT)
が130Rで飛び出してバリアに激しく突っ込んだため、GT500の上位陣が95周目に入ったところで2度目のセーフティーカーが導入されることになった。嵯峨は自力でクルマを降りており大事には至っていないようだ。
GT500クラスの2位は#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)だが、ここは89周目に3度目のピット作業を行なった際、ピットインしてきた#111石川京侍/山下亮生/植田正幸組(エヴァRT初号機Rn-s AMG GT)の進路を横切ってコースに復帰したため、ピットからの危険なリリースとして競技団から審議対象とされている。3位には#64ベルトラン・バゲット/松浦孝亮組(Epson Modulo NSX-GT)がつけている。
またこの間にGT300クラスのトップを走行していた#18中山友貴/川端伸太朗組(UPGARAGE BANDOH 86)がタイロッドのボルトが脱落するというトラブルにより予定外のピットインを強いられ、そのままガレージに引き込まれるという事態が発生している。
これによりGT300クラスのトップは#65黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)に。65号車はスタートしてすぐの2周目に最初のピット作業を行うという奇策で順位を稼いできている。2位は#33藤井誠暢/スヴェン・ミューラー組(D'station Porsche)、ポールポジションの#25松井孝允/山下健太/近藤翼組(VivaC 86 MC)が3位につけている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2017スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝はトップが50周を消化。依然として#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)がトップを走行しているが、GT300クラスの#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)が#3星野一樹(B-MAX NDDP GT-R)に38周目最終コーナーで追突されてガードレールに突っ込み、そのままストップしてしまったため、GT500クラスが42周目に入ったところでセーフティーカーが導入されることになった。高木はすでにクルマを降り、55号車はリタイヤとなった。また#3B-MAX NDDP GT-Rに対してはドライビングスルーペナルティの裁定が下された。
セーフティーカーは46周目にピットイン。47周目にレースは再開されているが、この間に#21リチャード・ライアン/柳田真孝組(Hitotsuyama Audi R8 LMS)の左リヤタイヤがバーストするアクシデントが発生。大きく後退する結果となっている。
GT300クラスのトップは依然として#18中山友貴/川端伸太朗組(UPGARAGE BANDOH 86)だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の決勝レースが8月27日午後0時30分にスタート。現在は#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)が38周を終えて2位を5.6秒離す独走状態に持ち込んでいる。
ホールショットを奪ったのはポールシッターの#24佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)だったが、スタートドライバーのオリベイラは10周目に入ったところでペースが上がらなくなり、2位の#19関口雄飛(WedsSport ADVAN LC500)にテールをつつかれる状態に陥ってしまう。
ところが関口は12周目のスプーンでアウトに膨らんでしまい、その隙をついて#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が2位に浮上、さらに13周目の130R手前でオリベイラのインをこじ開けてトップに躍り出た。
その後オリベイラは15周目のヘアピン立ち上がりで関口、そして#46千代勝正(S Road CRAFTSPORTS GT-R)に並びかけられて3ワイド状態になったが、ここで大外に位置した千代がタイヤバリアに突っ込むアクシデントが発生。アウトに牽制したオリベイラと、それをかわそうとした関口のあおりを食って行き場をなくした格好だ。これにより46号車はリヤウィングを失って16周目にピットイン。修復作業を行なって16周遅れでコースに復帰している。
#17ケーヒンNSXは30周目に最初のピット作業を終え、小暮卓史がトップのままでコースに復帰している。
GT300クラスは#25山下健太(VivaC 86 MC)、#18川端伸太朗(UPGARAGE BANDOH 86)、#5坂口夏月(マッハ車検MC86 GTNET)のMC86が接戦を繰り広げながら後続を引き離したが、坂口は9周目、山下は31周目ににピットイン、それぞれ藤波清斗、松井孝允に交代したが、川端は28周目のピット作業でドライバー交代を行わなかったため、現在は#18UPGARAGE BANDOH 86がトップを独走している。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
#1宮田莉朋してやったりの3勝目!
FIA-F4選手権第12戦の決勝が8月27日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選4番手から見事なオーバーテイクを連発した#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が今季3勝目を挙げて#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)とのポイント差を13にまで縮めた。
この日の鈴鹿サーキットは早朝から好天に恵まれ、数多くの観客がゲートオープン前から詰め掛ける中、第12戦決勝は午前8時5分より10周で行われた。
スタートではポールポジションの#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)にチームメイトの笹原と#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)が一気に襲いかかり、笹原がトップ、大湯が2位に浮上する。角田は3位に後退して1コーナーを通過、さらにダンロップコーナーの立ち上がりでも痛恨のミスを犯し、宮田の先行をも許してしまった。
序盤からトップに立った笹原だったが、実は前日の第11戦決勝から原因不明のトラブルに悩まされており、コース上に留まるだけでも精一杯の状況だったという。2位の大湯もまた万全のコンディションとはいえず、なかなかペースを上げることができない。
これに対し、宮田は6周目の1コーナーでアウトから大湯を抜き去って2位に浮上すると、7周目にはファステストラップを記録する走りで一気に笹原との差を詰めていく。そして9周目のシケインで笹原のミスを誘ってホームストレートで並びかけ、1コーナーでアウトから抜き去ってトップに浮上、そのまま一気に笹原を突き放して今季3勝目を挙げた。笹原は悔しい2位に終わり、3位には9周目の1コーナーで大湯を抜き返した角田がつけた。
これにより、富士大会終了時点で26ポイントあった笹原のリードは13に縮まり、シリーズチャンピオンの行方はわからなくなって来た。
2017シーズン最終戦はツインリンクもてぎにて11月11-12日に行われる。
- 第12戦優勝 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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4番手スタートだったので最低限表彰台を、という状況でしたが、スタートで順位を上げられませんでした。4番手で1コーナーを迎えましたが、路面状況が昨日より良くないことが確認できたのでS字でしっかりミスせずに追いついていければ、と思っていたらたまたま角田選手がミスをしたので抜くことができたし、今週ずっと速かった角田選手を1周目に抜けたっていうのが優勝につながったのかなと思います。セクター3、4が速かったので、セクター1で変に食らいついてダウンフォースが抜けたりしないように、距離を離してセクター3で追いつこうということをずっとやっていたら、最後の最後で逆転できるように合わせられたのが本当に良かったと思います。
- 第12戦2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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いいスタートを切ってトップに立てるとこまでは自分で展開をうまく持っていけたので、良い流れでした。昨日からトラブルを抱えていて、それを修正しながら走っていましたが、後ろが徐々に離れて来たので、そこまでは自分に有利な展開でした。ただもうコース上に留まるだけでも大変な状況で、とにかくミスなく走っていたんですけど、残念ながら宮田選手が大湯選手をオーバーテイクしてからペースをどんどん上げて来て、一気に追いつかれてしまい、最終ラップの1コーナーでかわされてしまったので、チームとしてもドライバーとしても悔しい形で終わってしまったのは間違いありません。次に向けて何をしなくちゃいけないかは明白だと思うので、また前を向いてやれることをやっていきます。
- 第12戦3位 #8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)
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スタートがあまり良くなくて。それがなければ少なくとも3位じゃなかった。そのあとのペースも良かったし。ダンロップで自分がミスして宮田選手に抜かれてしまいましたが、宮田選手に抜かれてなかったらまた結果も違っていると思うので、今はただ反省しかありません。次の大会で前の二人がこけてくれないとチャンピオンはないと思いますが、関係ないとしても勝ちにこだわって、次こそ2連勝できるように頑張りたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
角田祐毅会心のポール・トゥ・フィニッシュ!
FIA-F4選手権第11戦の決勝が8月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)が終始トップを快走し、今季通算3勝目を挙げた。
第11戦決勝は午後4時35分より10周で行われた。最初の1コーナーを制したのはポールの角田。その後方では予選3位の#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が予選2位の#39浦田裕喜(SACCESS RACING F4)に競り勝って2位に浮上、予選5位の#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)もポイントリーダーの#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)をかわし、浦田を追い上げていく。
序盤から独走状態に持ち込もうとした角田だったが、宮田は離されずについていき、9周目のシケイン立ち上がりでの角田のミスに乗じてテール・トゥ・ノーズの状態に持ち込んだ。しかし角田も要所要所をきっちり押さえて宮田に付け入る隙を与えず、終始トップのままで10周を走りきり、今季3勝目をものにした。宮田は2位ながら笹原とのポイント差を縮めることに成功、シリーズ連覇の望みをつないだ。
その後方では浦田と大湯が接近戦を繰り広げていたが、9周目の1コーナーで大湯が大外から浦田に並びかけると、そのままS字コーナーまで並走した挙句に両者は接触、浦田はその場でリタイヤし、大湯もフロントサスにダメージを負うという後味の悪い結果となった。それでも大湯は最後まで後続の笹原を押さえきり、表彰台の一角に滑り込んだ。
次戦第12戦決勝は27日朝8時5分より、同じく10周で行われる。
- 第11戦優勝 #8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)
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序盤は余裕がありましたが、タイヤなどのセッティングの影響で後半きつくなっちゃって。(9周目の)シケインの立ち上がりでミスをしたために宮田選手が追いついてきましたが、あの距離だったら大丈夫だろうと思い、1コーナーをきっちりブロックして、最後まで押さえきれたのは良かったと思います。ぶっちぎろうと思いましたが、3秒は無理でした。序盤のペースのままならもう少しは、とは思いますけど。明日もきっちりスタートを決めて、今回のレース内容も踏まえてきっちり勝ちたいと思います。3番グリッドの大湯選手が練習から好調なので僕としては2番グリッドの笹原選手よりも大湯選手を意識しています。
- 第11戦2位 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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スタートで浦田選手の前に出られたことが2位につながりました。その後は角田選手の後ろでセクター1の走り方などを見ながら走っていました。最後の1コーナーで追いつきましたが、あれがもう少し手前のコーナーだったら抜けたかもしれません。もちろん勝ちたかったですけど、2位表彰台ということで最低限の結果は出せたし、笹原選手とのポイント差も縮めることができたので、いいレースをできたと思います。終盤は角田選手に追いついていけたので、そういう面で自分の成長を実感できました。予選から決勝にかけて、僕自身の走り方を改善しようと考えていました。アベレージタイムも安定していたし、明日に向けてのレースの組み立て方も考えられる状況でしたので、今日の結果を明日につなげて少しでもポイント差を縮められるように頑張ります。
- 第11戦3位 #5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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(浦田選手とのバトルについて)1コーナーから僕がアウト側で並走していました。片輪がダートに落ちるとこまで寄せられてしまいましたが、それほどスピードが落ちなかったのでもう一度並び返しました。そのままS字の二つ目まで行ったら、僕を押し出すような寄せてきたため、僕のフロントタイヤと彼のリヤタイヤが当たってしまいました。接触の影響はだいぶあったと思います。フロントが全然入らない状態になって笹原選手に追いつかれてしまいました。もう何周か残っていたら抜かれたかもしれません。ラストラップのシケインはブレーキングで負けなければ抜かれないと思いました。明日は角田選手が相当手強いと思います。宮田莉朋選手も序盤離されていましたから。今日はミスをしたので追いつかれたと言っていましたが、普通に走っていれば速い選手です。笹原右京くんも2番手につけていて、難しい戦いになりますけど、3人ともホンダなので、お互いいいレースができればと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Photo: Yoshinori OHNISHI
スーパーGTのシリーズ戦として開催される最後の鈴鹿1000kmでポールを獲得したのはコンドーレーシング!!
2017オートバックス スーパーGT第6戦「第46回インターナショナル鈴鹿1000km」の公式予選が8月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#24佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)が従来のコースレコードを約コンマ4秒上回る1'47.074を記録し、今季初のポールポジションを獲得した。GT300クラスも#25松井孝允/山下健太/近藤翼組(VivaC 86 MC)が82kgものウェイトハンデを物ともせず1'57.543のコースレコードを叩き出してポールポジションをもぎ取った。
公式予選は午後2時35分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。ドライコンディションの下、両クラスとも激しいタイムアタック合戦が繰り広げられた。
予選Q1
今回の Q1で最大の注目点は#16MOTUL MUGEN NSX-GTのタイムアタックを第3ドライバーのジェンソン・バトンが担当したことだろう。バトンは残り時間7分を切ったところでコースインすると、1’48.588とまずまずのタイムを記録するが、チェッカー寸前に#12
ヤン・マーデンボロー(カルソニックIMPUL GT-R)がバトンをコンマ09秒上回ったために9位に転落、惜しくもQ2進出はならなかった。
一方、トップタイムはチェッカー直前に1’47.576を記録した#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)。2番手には#19関口雄飛(WedsSport ADVAN LC500)がつけた。
GT300クラスはルーキーの#5藤波清斗(マッハ車検MC86 GTNET)が1'58.680でトップ。#60吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が2位につけた。
予選Q2
GT500クラスは#12安田裕信(カルソニックIMPUL GT-R)、#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)、#46本山哲(S Road CRAFTSPORTS GT-R)の3台のニッサンGT-Rが接戦を繰り広げる中に#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)が割って入る展開となり、従来のコースレコードである1'47.456を大幅に上回る1'47.074を叩き出したオリベイラがポール。国本が2番手につけ、ヨコハマタイヤ勢がフロントローを独占することになった。
3位には#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)がつけた。
GT300クラスは61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)、#60飯田章(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)、#18中山友貴(UPGARAGE BANDOH 86)とめまぐるしくトップが入れ替わる展開となったが、最後の最後に1'57.543と唯一57秒台のタイムを記録した#25山下健太(VivaC 86 MC)が昨年牧野任祐が#2ロータスエヴォーラで記録したコースレコード1'57.811を上回って先週のスーパーフォーミュラ第4戦に続き、2週連続でポールポジションを獲得した。2位には#18中山、そして3位には#5坂口夏月(マッハ車検MC86 GTNET)がつけ、終わってみればMC86の1-2-3という結果になった。
最後の鈴鹿1000km、第6戦決勝は明日午後0時30分より173周(1000km)で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
角田今季2度目の連続ポール!!
FIA-F4選手権第11戦、第12戦の公式予選が8月26日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、昨年のこのレースでこのカテゴリーにデビューした#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)が第7戦、第8戦SUGOに続いて連続ポールを獲得した。
FIA-F4の公式予選は通常朝一番の走行となることが多い。しかし今回はスーパーGTの公式練習終了後の午前11時45分に開始されることになった。またこの日の鈴鹿は早朝から激しい雨が降り、金曜日までの専有走行で付いていたラバーを洗い流してしまったため、路面コンディションの変化が予選を難しいものにしたようだ。
さらに開始10分で#7大滝拓也(SRS/コチラレーシング)が立体交差下でクラッシュしたことにより赤旗中断となったことで、タイムアタックのチャンスを逸したドライバーたちもいた。
前回の富士大会で連続ポールを獲得している#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)は区間ベストを連発して西ストレートを戻ってくる途中で赤旗が提示されたことにより、タイヤ性能のピークをうまく使うことができず、ベストタイムで5番手に終わる結果になった。それでも再開後にセカンドベスト3番手のタイムを記録したことで第2レースに望みをつないだ。
ポイントリーダーの#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)はGTのラバーによるグリップも向上を期待していたが、雨の影響もあり期待通りの効果を実感することなく、2分8秒6前後のタイムを連発。これによりベストタイムでは4位に止まったが、セカンドベストでは2位に入り、連続表彰台の期待がかかる。
そうした中、角田はベストタイム2'08.338、セカンドベスト2'08.360と頭一つ抜け出た状況で連続ポールを獲得。それでもまだ本人はミスがあったといい、あとコンマ1、2秒は詰められたと悔しがる。
またデビュー2年目の#39浦田裕喜(SACCESS RACING F4)は予選再開後に2'08.464を叩き出し、終盤一気に2位に食い込んできたものの、こちらも燃料搭載量をギリギリに絞ってアタックをおこなった影響でもう1周のアタックができず、セカンドベストでは中団以降に埋もれる結果となった。それでも初のフロントロースタートとなる第11戦決勝では優勝を目指して闘志を燃やす。
注目の第11戦決勝は午後4時30分から、第12戦決勝は明日午前8時5分から、それぞれ10周で行われる。
- 第11戦予選PP、第12戦予選PP #8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)
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少しミスもあったので、もう少しいけたかな?という感じで、あまり満足のいく予選ではありませんでしたが、二つともポールポジションが取れたのは良かったです。大湯選手がセクター1、セクター2でベストタイムを出していましたが、そこで赤旗が出て助かったなと思いました。決勝はスタートをバッチリ決めて、後ろを3秒以上離せるように頑張りたいです。
- 第11戦予選2位 #39浦田裕喜(SACCESS RACING F4)
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タイヤの一番いいところを使えたのが良かったです。最初にタイムアタックに入った周で赤旗が出てしまい、一旦ピットに入って、もう一度出ていったらS字の上りあたりからグリップし始めたので少しペースを落とし、スプーンから加速し始めて、130Rで少し戻し、シケインを立ち上がり重視で出ていって、で一周まとめたらあのタイムが出ました。もう一周いきたかったんですが、前に詰まってしまったのと、ガソリンがギリギリだったため、できませんでした。コース上でガス欠したらペナルティを受けるので、諦めました。予選再開後にまだタイヤのグリップが残っていたのはラッキーでした。
決勝はスタートを決めたいです。もう一回気を引き締めて臨みます。
- 第11戦予選3位 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
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今週はずっとうまく走れておらず、トップとのコンマ1秒、コンマ2秒という差をずっと詰めきれていないのが悔しいです。今朝の雨の影響はそれほど気になりませんでしたが、今年初めてGTが走った後に予選をやったので、路面コンディションの変化に合わせきれませんでした。最初のアタックのあと、もうちょっとタイムが出るかと思ってプッシュしている最中に赤旗が出ました。あそこでセカンドベストタイムが出せていたかなとは思います。今日の決勝は3番手スタートですし、まずは当たらずに前に行くことだけ考えて走りたいと思います。
- 第12戦予選2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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昨日までマシンバランスで苦しんでいて、角田選手だけ上にいる状況でした。そこから徐々に徐々に良くなってきていましたが、あと僅か足りませんでした。明日はフロントローで、今日は4番手ですが、セカンドローまでに入れたのは悪くはないかなと思います。GTの走行の影響は思ったほどありませんでした。もう少しグリップが上がると期待していたんですが、意外と普通でした。今朝雨が降ったのが影響したのかもしれませんね。
- 第12戦予選3位 #5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
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普通にぶっちぎりでポールが取れたと思っていたんですが赤旗に阻まれてしまいました。レースなのでこういうことも起きるとわかってはいましたけど、勿体無かったです。タイヤ性能のピークの時にいかにしてタイムを出すかが重要なので、それを踏まえて作戦を立て、うまく決まりかけていたところでの赤旗中断でしたので、惜しいというか勿体無かった。1レース目は5番手なので、スタートを決めないといけないと思いますし、状況を見て焦らず、着実に順位を上げていって、隙があればトップを狙えるような組み立て方をしていきたいですね。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Yoshinori OHNISHI
オートバックス スーパーGT第6戦「インターナショナル鈴鹿1000km」が開幕。公式練習が8月26日午前に三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#100山本尚貴/伊沢拓也組(RAYBRIG NSX-GT)、GT300クラスは#65黒澤治樹/蒲生尚弥組(LEON CVSTOS AMG)がそれぞれトップタイムを記録した。
伝統の「夏の1000キロ」は来年から装いも新たに鈴鹿10時間耐久レースとして生まれ変わる。スーパーGTとしてはこれが最後の開催だ。そういった意味でも注目の鈴鹿大会だが、今回はさらに#16MOTUL MUGEN NSX-GTの第3ドライバーに元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンが、そして#19WedsSport ADVAN LC500の第3ドライバーには小林可夢偉が起用されるなど、見所満載な一戦となっており、すでにパドックパスやグランドスタンドのV席などが完売になる盛況ぶりだ。
そうした中、公式練習は朝9時20分より1時間45分で行われた。26日の鈴鹿は朝から強い雨が降ったため、走行開始時の路面はウェット。しかしすでに空は晴れてきていたため、走行が進むにつれて路面はどんどん乾いていき、中盤以降はスリックで支障なく走行できる状態となった。
序盤にトップに立ったのは#37平川亮(KeePer TOM'S LC500)。ハーフウェットの路面で1’59.212、1’56.083と着実にタイムを上げていったが、完全なドライコンディションになると#16武藤英紀/中嶋大祐/ジェンソン・バトン組(MOTUL MUGEN NSX-GT)、#24佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ組(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)らのヨコハマタイヤ勢が台頭。開始43分で#24佐々木大樹が1'49.806でトップに立つと、#16武藤英紀も混走終了直前に1’49.284を記録してトップに浮上した。
専有走行が始まっても#24佐々木が1'48.677までタイムを縮めて再びトップに立ったが、チェッカー提示直後のラップで#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'48.560と佐々木をわずかに上回ってトップで走行を終えた。2位は佐々木の#24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R、3位には千代勝正が1'48.678を記録した#46S Road CRAFTSPORTS GT-Rがつけた。
バトンは専有走行でも予選シミュレーションを担当したが1分50秒台にとどまり、#16 MOTUL MUGEN NSX-GTは5位で走行を終えている。
GT300クラスも専有走行終了間際に#65蒲生尚弥(LEON CVSTOS AMG)が1'59.357を記録してトップ。#33藤井誠暢/スヴェン・ミューラー組(D'station Porsche)が2位、#51中山雄一/坪井翔組(JMS P.MU LMcorsa RC F GT3)が3位だった。
なお#35ナタウッド・ジャルーンスルカワッタナ/ナタポン・ホートンカム組(ARTO 86 MC 101)はセッション中盤に2コーナー出口でクラッシュ、赤旗中断の原因となっており、午後の出走が危ぶまれる状況だ。
スーパーGT第6戦の公式予選はこのあと午後2時35分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
ARTAプロジェクト20年目の快挙!!
オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT300kmレース」の決勝が8月6日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/小林崇志組(ARTA NSX-GT)が、GT300クラスは#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)がいずれもポール・トゥ・ウィンを達成した。1997年に発足したAUTOBACS RACING TEAM AGURI(ARTA)が両クラスでポール・トゥ・ウィンを達成したのは今回が初めてだった。
(天候:晴れ コース:ドライ)
第5戦決勝は夏の強い日差しのもと、午後3時25分と普段より約1時間遅くスタートした。
GT500クラスのポールシッター、#8 ARTA NSX-GTのスタートを担当したのは野尻。トップで1コーナーに進入すると、その後も安定したペースで少しずつ後続との差を広げていった。
2位に#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)、3位には#36ジェームス・ロシター(au TOM'S LC500)が続き、ここまでは予選の順番どおり。そして4位には2周目の1コーナーで#17小暮卓史(KEIHIN NSX-GT)を捉えた#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)が浮上してきた。さらにその後方から#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)も9周目のヘアピンで小暮のインを突き、
5位に浮上すると、22周目の最終コーナーでオリベイラのインに並びかけ、そのまま23周目の1コーナーで前に出た。
この22周目に小暮はピットイン。塚越広大に後半を託すが、31周目に周回遅れの#60飯田章(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)と最終コーナーで接触、#17 KEIHIN NSX-GTはホームストレート脇にストップして戦列を去った。
続いて28周目に#36au TOM'S LC50、#24フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R が揃ってピットイン。その2周後に#23 MOTUL AUTECH GT-Rと#38 ZENT CERUMO LC500がピットインし、相次いで#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)の前でコースに復帰した。
その後は#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)と#38石浦宏明(ZENT CERUMO LC500)が熾烈なドッグファイトをコースのいたるところで展開したが、前戦SUGOから新スペックのエンジンを搭載している23号車に対し、第2戦優勝などで60kgのウェイトハンデを課せられた38号車は17kgのウェイト軽減と引き換えに燃料リストリクターを絞ったことも影響し、石浦はストレートで松田を捉えることができず、ヘアピンやダンロップ、その先の13コーナーや最終コーナーで懸命にアタックを続ける。しかし松田はこれを冷静に退けていった。
そうした中、トップの#8 ARTA NSX-GTは31周目にピットイン、37秒の作業時間で小林崇志をトップのままでコースに送り出すと、小林も62周目の100Rで周回遅れに詰まってコースアウトを喫する危ない場面はあったものの、それ以外は後続との差を測りながら冷静に周回を重ねて66周を走りきり、待ちに待った今季初優勝を手にした。2位には#23 MOTUL AUTECH GT-R、3位には#38 ZENT CERUMO LC500が入った。
GT300クラスもまた、#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)が序盤から安定したペースで後続との差を広げ、9秒のマージンを築いて35周目にピットイン。給油とタイヤ交換を39.1秒で完了させてショーン・ウォーキンショーを送り出した。その背後からはタイヤ無交換作戦でタイムを稼いだ#31嵯峨宏紀(TOYOTA PRIUS apr GT)が迫ってきたが、タイヤに熱が充分に入ってからは次第にウォーキンショーがリードを広げていき、そのままトップでチェッカーを受けた。
2位には41周目のプリウスコーナーで嵯峨を捉えた谷口信輝の乗る#4グッドスマイル初音ミクAMGが続き、 #31TOYOTA PRIUS apr GTが3位で今季初表彰台を得た。
ARTAが両クラスで優勝したのは2013年7月の第4戦スポーツランドSUGO以来。ポール・トゥ・ウィンでの制覇は今回が初の快挙となった。
次戦はスーパーGTのシリーズ戦としてはこれが最後の開催となる鈴鹿1000km。
8月27日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第10戦の決勝が8月6日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、第9戦を欠場した#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)がポール・トゥ・ウィンで今季2勝目を挙げた。
第10戦決勝は午前8時40分より15周で行われた。この日の富士は快晴。朝から強い日差しが降り注ぐ中での戦いとなった。
ポールシッターの大湯は前日の第9戦決勝をリタイヤしたため他のドライバーよりもタイヤの消耗が少なく、この決勝では大きなアドバンテージを得ているとみられていた。実際大湯はスタートでトップに立つと、2位につける#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)との差を一気に広げにかかる。
4周終了時点で1.070秒、6周終わりでは1.389とそのリードは広がっていったが、大湯が期待したほどのアドバンテージはなかったといい、それを裏付けるかのようにレースが8周を過ぎたあたりからは逆に笹原がその差を縮めていく。10周目には1.042秒、12周目には0.697秒、そしてファイナルラップを迎えた時点でその差は0.505秒となった。
しかし笹原も懸命に大湯に食らいついて周回を重ねていたこともあり、すでにタイヤは限界に達しており、セクター2、セクター3ではクルマを滑らせないように心を砕くだけで手いっぱいの状況。結局大湯がそのまま逃げ切り、今季2勝目、自身通算4勝目を手にすることになった。
3位には3番手スタートの#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が入った。序盤こそ#35河野駿佑(HubAuto F110)の猛追を受けたが、中盤以降は完全に単独走行で3位をキープしていたが、実は序盤からスロットル系の動作不良に悩まされており、終始苦しい走りを強いられていたとのことだ。
また、今回の富士大会がデビュー戦となった#18名取鉄平(ATEAM Buzz Racing F110)は予選15番手からのスタートながら着実に順位を稼ぎ、最後は8位でフィニッシュと、まずまずの結果を残している。
次戦の舞台は鈴鹿。スーパーGTのシリーズ戦としては今回が最後となる鈴鹿1000kmのサポートレースとして8月26-27日に行われる。
- 優勝 #5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
- 今までは勝ちたいという気持ちが強過ぎました。SUGOの1レース目も両側から挟まれてリタイヤでしたが、一旦2位に下がってもいいという気持ちだったらぶつかってなかったかもしれません。2レース目に関してはもう謝るしかありませんけど。右京選手もすごく勝ってるからポイントリーダーってわけじゃなくて、無理をせず着実に2位3位をとって、確実に行けるところは勝つ。そこの差というか気持ちの部分が直せる部分だなと思いました。そこに気がつくことができたという意味ではSUGOは成長できたレースでした。他の人には本当に申し訳ないと思いますけど。
- 2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
- できればスタートで前に出たい気持ちでしたが、そううまくはいかなくて。大湯選手が1レースぶん走行していないこともあって、タイヤの状態が僕らよりはるかに良かったので、最初はとにかくついていければ御の字だと思っていました。僕は前半からタイヤを酷使していたので、レース中盤から後半は本当に厳しかったのですが、諦めずにミスなく走っていたら、最後に本当に差が縮まってきました。もちろん優勝できなかったことは悔しいですが、今回の2位は誇りに思えるというか、すごく頑張って100%出し切れたと思います。 鈴鹿は僕らHFDP勢によってはホームコースなので、2連勝目指して頑張りたいです。ポイント差を広げてはいますが、そこで気を抜かずに鈴鹿でさらに有利に進められたらと思います。
- 第10戦3位 #1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
- 常にセクター2、3が遅かったので、そこが課題点だと思っています。それからレース序盤からでトラブルが起きていて、1速に入れたらエンジンが止まったり、シフトダウンの時にブリップしてくれなくて回転落ちちゃったりして。最初の数周はアクセル踏んでも失速したり、後半もシフトダウンの最中にコントロールしてくれなくてショック受けたり、そのために自分の満足する走りができなかったのは残念ですが、その中でスタートから順位を落とさず、3番手で終えられたのは良かったです。ただ前の2台は速かったので、今後はしっかりついていけるようにしたいと思います。昨日と違って追いつけなかった分悔しいですし、序盤苦しかったです。自分もまだF3が残っており、FIA-F4で走る機会はあまりないと思いますが、いきなりレースウィークに入っても優勝できるように、そしてポイントランキングも上がっていけるようにしたいと思います。頑張ります。
Text:Kazuhisa SUEHIRO

ARTA初のダブルポールを鈴木亜久里監督は予言していた?!
オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT300kmレース」の公式予選が8月5日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/小林崇志組(ARTA NSX-GT)が前戦スポーツランドSUGOに続いて今季3度目のポールポジションを獲得、GT300クラスも同じARTAの#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)が今季初ポールを獲得した。
公式予選は午後2時35分よりノックアウト方式で行われた。この日の天候は曇りながら、雨の心配はなく、終始ドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
GT500クラスは例によって残り時間8分を切ったあたりから始まった。ここでトップに立ったのは#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)。アタック2周目で1'29.423を叩き出した。2位には前回のSUGOで2位に入った#46千代勝正(S Road CRAFTSPORTS GT-R)、#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)もそれに続き、一時はニッサンGT-Rの1-2-3となったが、チェッカー寸前に#37平川亮(LEXUS TEAM KeePer TOM'S)が3位に割って入った。
一方前回優勝の#1ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)は終了間際まで懸命のアタックを続けたが9位で惜しくも予選を終えた。NSX勢は#8小林崇志(ARTA NSX-GT)が7位、#17小暮卓史(KEIHIN NSX-GT)が8位と2台が残った。
GT300クラスは上位14台中9台がFIA-GT3という結果に。トップは#7ヨルグ・ミューラー(Studie BMW M6)、2位には#65黒澤治樹(LEON CVSTOS AMG)がつけた。一方、前回優勝の#11ビヨン・ビルドハイム(GAINER TANAX AMG GT3)は19位と振るわず。70kgのウェイトハンデの影響は少なくなかったようだ。
予選Q2
GT500クラスはQ1同様に残り8分を切ったところで#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)を先頭に各車続々とコースイン。最初のアタックでクインタレッリが1'29.475を記録してトップに立ったが、#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)がセッション終盤に1'29.104を記録、前戦SUGOに続いて2戦連続でポールポジションをもぎ取った。チームとしては小林崇志がQ2を担当した第1戦岡山と合わせ、通算で3回目のポール獲得だ。Q1走行時点での小林の感触は今ひとつだったようだが、セッティングの方向性は野尻向きのはず、とも感じたという。その小林の予想に野尻は見事に応えてみせた。2番手はクインタレッリ、#36ジェームス・ロシター(au TOM'S LC500)が72kgものウェイトハンデをものともせずに3番手につけた。
GT300クラスはBMW M6、メルセデスAMG GT3らのドイツ車が上位を独占。最初のアタックで#4片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が1'38.240を記録してトップに立つと、これを#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)が上回って1'37.700でトップに。高木は2周目のアタックで1'37.525とタイムをさらに縮め、今季初のポールポジションを獲得した。2番手には同じM6を走らせる#7荒聖治(Studie BMW M6)が続き、片岡が3番手。4番手にも#65黒澤治樹(LEON CVSTOS AMG)がつけている。
JAF-GT勢では#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が最上位の5番手。#31久保凜太郎(TOYOTA PRIUS apr GT)が6番手で続いた。
GT500、GT300の両クラスでARTAがポールポジションを獲得したのは今回が初めて。しかし予選前に行われていたトークショーでは鈴木亜久里監督が「目を閉じれば2台がポールポジションを獲得するのが見える」と語ったという。果たして決勝レースでも亜久里監督のお告げは出るのか?決勝レースは明日午後3時25分より66周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
#8角田待望の2勝目!!
FIA-F4選手権第9戦の決勝が8月5日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)が#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)の追撃を振り切り、今季2勝目をあげた。
第9戦決勝はポールポジションの#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)のリタイヤというまさかの展開で幕を開けた。チームによればスタート前にマシントラブルが見つかったとのことだが、詳細は不明。明日の第10戦決勝には支障なく出走できるという。
ポールの大湯を欠いたままレースは午後1時30分より15周で行われた。
繰り上げポールの角田が無難にスタートを決め、そのままトップで1コーナーへ。笹原がアウトから並びかけてきたが、角田はそのままトップを守りきった。笹原は2周目の1コーナーでも角田に並びかけるが、またしても前に出るには至らず、立ち上がり加速が鈍ったことで逆に差を広げられることに。
その後はセクター2の速い笹原とセクター3の速い角田による一進一退の攻防が0.4秒〜0.6秒という僅差で続いた。
その後方では予選での走路外走行により3グリッド降格のペナルティを受けた#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が徐々に順位を上げてきていた。宮田は1周目をポジションキープの6位で終えると、5周終わりのホームストレートでインから#60川合孝汰(DENSOルボーセF4)をかわして5位、その後も#62平木湧也(DENSOルボーセF4 FTRS)、#35河野駿佑(HubAuto F110)らを次々に抜き去り、8周目に3位に浮上してきた。しかしトップ2台はその4秒前方。8周目にファステストラップを記録するなど、トップ2台をも上回るハイペースで後半は周回した宮田だったが、この差を埋めるには至らなかった。
そのトップ2台の戦いはファイナルラップをまでほぼ膠着状態。最終コーナーでのトラクションが不足していた、と笹原がレース後に語ったことを裏付けるかのように、笹原はホームストレートであと一伸びが足りず、角田を攻略できないでいた。
ところがファイナルラップのヘアピン立ち上がり、リヤタイヤのグリップを失いつつあった角田のリヤが大きく流れた。
一気に間合いを詰めてきた笹原は続くダンロップコーナーでインを伺うが、ここは角田ががっちり閉めてきた。
最終コーナーでも笹原はアタックを試みたが、角田に近づきすぎたのが影響してかフロントが入っていかずにステアリングを切り足したため、今度は笹原のリヤが立ち上がりで流れて万事休す。角田は第2戦岡山以来のFIA-F4通算2勝目をものにした。2位は笹原、3位には宮田が入った。
次戦第10戦決勝は明日朝8時40分より同じく15周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
FIA-F4選手権第9戦、第10戦の公式予選が8月5日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)がベストタイム、セカンドタイム両方でトップとなり、2戦連続でポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時10分より30分間で行われた。この日の天候は曇り。朝から汗ばむ陽気の中での走行となった。
最初にトップに立ったのは#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)。1'46.516をアタック開始直後に記録してきた。2番手には#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)、3番手に大湯が続く。しかし開始から14分が経過したところで大湯が1'46.111を記録してトップに浮上、結局このタイムを誰一人上回ることができず、大湯は第6戦オートポリス以来、今季3度目のポールポジションを獲得、さらに後半のアタックでも1'46.238を出し、2戦連続でのポールポジションを獲得した。
ポイントリーダーの笹原は第9戦3位、第10戦2位と優勝の狙えるポジションを確保、角田も第9戦2位、第10戦4位となり、このHFDP勢に割って入る形で#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が第10戦で3位のポジションを得た。
第9戦決勝はこのあと午後1時30分より、第10戦決勝は明日朝8時40分より、いずれも15周で行われる。
- 第9戦予選PP、第10戦予選PP #5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)
- みんなペース的な部分は速いと思いますし、その中で僕自身の作戦がうまく決まったかな、というところがあると思います。
僕自身も調子が良いいですし、僕の中では順当です。無理しなくてもポール取れたし、しっかり自分の力を出し切れたという気持ちです。練習走行の段階から路面温度や天気も予想がついていたので、その中でしっかり引き離せたのは良かったです。ホンダとしてもチーム力の底上げをするためにしっかりテストをしてきましたし、レースに向けての気持ちはもチーム全体が強いと思います。トムスの宮田選手も結構速いと思いますし、僕自身のマージンがそれほどあるとは思っていません。接戦になると思います。でも前回の富士ではくらいつくので精一杯って感じでしたが、今回はやれるんじゃないかなと思います。決勝は、焦らず、集中しながらも周りをみることも忘れずに頑張ります。まだ菅生のこと引きずってるんで(笑)
- 第9戦予選2位 、第10戦予選4位 #8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)
- 練習から調子が良かっただけに悔しいのもありますが、ポールをとった大湯選手は練習から予選のことを考えてコツコツと準備をしてきていたので、そこでもう負けていたのかなという感じでした。2位は悔しいけど、納得です。セカンドタイムはもうちょっと行きたかったです。練習から単独走行を意識しすぎて、スリップの練習をしてこなかったので、スリップのつき方がうまくなかったと思います。そこは今後の課題です。富士はスリップが特に重要で、それができないと4位以内に入るのも難しいと思います。第1レースはしっかりスタートを決めて優勝したいと思います。
- 第9戦予選3位、第10戦予選2位 #6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)
- 比較的クリアラップが取りづらい状況でしたが、そうした中でもうまく場所どりができ、結果的に3周連続でほぼ同じくらいのタイムが出ました。ベストを取れるはずのラップは第3セクターで前に引っかかってしまいました。それまではポールを取れるくらいのペースだったので勿体無かったです。今週末は練習走行の順位はあまり良くなかったのですが、いろいろトライした中での順位でした。ですから予選はうまくまとめることができれば3位以内に入ると思っていましたので、最低限の結果は出せたと思います。富士はスリップも効き、オーバーテイクも可能なので。決勝はいつものように、しっかり楽しんで前を目指していければと思います。
- 第9戦予選4位、第10戦予選3位 宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)
- 譲っている時に走行ラインが他の車両と重なったことと、四輪脱輪があったことで1レース目はペナルティで3グリッド降格になりましたが、2レース目は3番ならまあいいかなと。抜けるコースだし、チャンスはあるんで。1レース目はどうなるかわかりませんけど、ベストを尽くしてやるだけなんで。練習走行の木曜日は調子が良かったんですが、金曜にいろいろセッティングを試して、そこから正しい判断ができなくて予選を失敗してしまいました。でも予選の中で原因は見つかったので、そこは良かったです。自分としては去年の8月のように優勝したいし、今年の5月の富士も優勝しているし、とにかく結果を残すしかないと思います。今年2回目のホームコースですからね。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
菅生の魔物が今年も牙を剥いた!!
2017オートバックス スーパーGT第4戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝が7月23日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。序盤からアクシデントが相次ぎ、3度もセーフティーカーが入る荒れたレースを制したのは#1ヘイッキ・コバライネン/平手晃平組(DENSO KOBELCO SARD LC500)。ピットインのタイミングがドンピシャにハマり、終盤#46本山哲/千代勝正組(S Road CRAFTSPORTS GT-R)の猛追を見事に押さえ切った。GT300クラスは#11平中克幸/ビヨン・ビルドハイム組(GAINER TANAX AMG GT3)が3年ぶりの勝利を挙げている。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選日9,600人/決勝日26,200人/大会総入場者数35,800人)
決勝レースは午後2時30分より81周で行われた。
決勝日を迎えた菅生は朝からあいにくの雨模様。それでもウォームアップ走行、スタート進行とスケジュールが進むにつれて天候は回復傾向にあったため、GT500クラスでは浜島裕英監督率いる#38ZENT CERUMO LC500をはじめとする4台、GT300クラスではJLOCの2台と#26TAISAN SARD R8 FUKUSHIMAがグリッド上でスリックタイヤを選択した。ところが宮城県警のパトカー先導によるパレードランが始まると再び雨が路面を叩き始め、スリックタイヤ組はスタートから大苦戦を強いられることになった。
序盤からレースをリードしたのはホンダNSX勢。
ポールシッターの#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)をはじめ、#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)、#16武藤英紀(MOTUL MUGEN NSX-GT)らが1周めからテール・トゥ・ノーズのトップ争いを演じ、2周めのレインボーコーナーで山本が野尻をかわしてトップに立ち、武藤もそれに続いたが、その一方で#17小暮卓史(KEIHIN NSX-GT)はエンジンカバー脱落というアクシデントに見舞われてオレンジディスクの提示を受け、大きく後退、代わって#64ベルトラン・バゲット(Epson Modulo NSX-GT)が4位に浮上してきた。
ところがこの山本の快進撃に待ったをかけたのが相次ぐアクシデントによるセーフティーカーランだった。5周め、41周めそして48周めと、3度のセーフティーカー導入は山本に充分なリードを築き上げることを許さなかったばかりか、天候の回復を待ってピットインを引き延ばしたことが仇になり、100号車は53周めにドライバー交代を終えてコースに復帰した時点で6位まで後退、その後もじりじりと順位を落とす結果となった。
野尻も武藤を激しく追い上げている最中の16周め、馬の背コーナーで痛恨のスピンを喫して一時10位まで後退、武藤は21周めにバゲット、29周めに#1ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)にかわされた挙句、30周めの1コーナーでオーバーラン、8位に後退。バゲットも山本と同じ周にピット作業を行い、順位を落とすことになった。
代わって上位に浮上したのが2度めと3度めのセーフティーカーランの合間にピット作業を行なったチーム達だ。
まず46周めのピットオープンと同時に作業を行なったのが#6大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ組(WAKO'S 4CR LC500)、#8野尻智紀/小林崇志組(ARTA NSX-GT)、#12安田裕信/ヤン・マーデンボロー組(カルソニックIMPUL GT-R)、#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)。その次の47周めには1 号車と46号車がピットイン、46周組が冷えたスリックで苦しい走りを強いられている間に熱の入ったウェットでリードを築いた47周組が先行することになる。そして52周めのピットオープンと同時に残りの車両がピットに飛び込み、ついに1号車がトップ、46号車が2位に浮上。レース終盤はこの2台の一騎打ちとなった。
トップを走行する#1平手を激しく追い上げる#46本山。
一時5秒以上あった平手のリードは74周めには3.1秒、75周めには2.1秒となり、76周めにはついにその差は1秒を切った。
そして迎えたファイナルラップ。
1コーナーでクロスラインをとって2コーナーのインに本山が飛び込む。押さえ込む平手。
コースには再び雨が落ちはじめ、馬の背からSPにかけては再びウェット路面に変貌していた。
これに足を取られて平手がSPインで四輪はみ出す。
本山も続いて二輪はみ出す。
両者SPアウトで交錯。意地と意地のぶつかり合いを制したのは平手。本山は失速するもなんとかポジションをキープしてフィニッシュラインへ。
#1コバライネン/平手組は今季初勝利。#46本山/千代組は今季初の表彰台。3位には#6大嶋/カルダレッリ組が入って今季3度めの表彰台を獲得した。
GT300クラスもまたタイヤチョイスとピット戦略が明暗を分ける結果に。
ポールポジションの#25松井孝允/山下健太組(VivaC 86 MC)がソフトコンパウンドのウェットタイヤを選択したことで前半苦しい走りをしいられる一方で、このコンディションにマッチしたダンロップタイヤで序盤から着実に順位を上げ、3度めのSC前にピット作業を済ませた#11平中/ビルドハイム組が52周めにトップに立ち、そのまま逃げ切って2014年11月の最終戦もてぎ以来、2年8ヶ月ぶりの勝利を手にした。
2位には今季初表彰台となる#50都筑晶裕/新田守男組(Ferrari 488 GT3)がつけ、#25松井/山下組も後半の追い上げで3位表彰台をもぎとってみせた。
次戦は2週間後の富士スピードウェイ。8月6日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
#7大滝歓喜の地元優勝!!
FIA-F4選手権第8戦の決勝が7月23日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。雨の中接触やアクシデントが相次ぐ波乱のレースを制したのは予選6番手の#7大滝拓也(SRS/コチラレーシング)。昨年の第11戦鈴鹿以来、約1年ぶりの勝利をものにした。
第8戦決勝は午前11時45分にスタート。
前夜から降り続く雨で路面がウェットとなったこともあり、セーフティーカーの先導でレースは始まり、4周目から追い越し可能となった。
ホールショットを奪ったのは#8角田裕毅(SRS/コチラレーシング)だったが、2コーナーで滑ったところに#5大湯都史樹(HFDP/SRS/コチラレーシング)が大外から並びかけ、3コーナーで並走状態に。そのまま4コーナーで大湯がトップに立った。角田はこのコーナーの立ち上がりで#6笹原右京(HFDP/SRS/コチラレーシング)にも抜かれるが、ハイポイントコーナーで笹原がわずかに姿勢を乱したのを見逃さずに抜き返し、2位でコントロールラインに戻ってきた。
しかしその後方で何台かの車両がコース上にストップしてしまったため、5周目から再びセーフティーカーが入ることになった。
レースは7周目に再開されたが、リスタート直前にSCに接近しすぎた大湯がポストの表示を視認できずにそのままピットへ入ってしまったため後方が大混乱に。2位の角田と3位の笹原が急減速した大湯をかわそうとして接触、揃ってリタイヤとなってしまった。このアクシデントによりコースにはまたセーフティーカー導入された。
この混乱の最中にトップに立ったのは4番手スタートの#25高橋知己(点天&イーストアップwith Field)。接触ギリギリのところで3台をかわしてきた。2位には予選5番手スタートの#1宮田莉朋(FTRSスカラシップF4)が浮上してきた。
レースが再開されたのは12周目。すでに残り時間は4分を切っており、30分で終了となることがほぼ確定した。宮田を従えてホームストレートを駆け下りてきた高橋だったが、1コーナーで大きくアウトにはみ出してしまい、宮田の先行を許すことに。しかし宮田も2コーナーの立ち上がりでアウトに膨らんでしまったため、その隙をついて大滝、そして#3石坂瑞基(DADSFC SUTEKINA F4)が2台をかわしていった。
結局、レースは14周に入ったところで30分が経過、そのまま終了となり、大滝は石坂に1.1秒の差をつけて自身通算2勝目を多くの地元応援団の前で達成した。
次戦の舞台は今季2度目の富士スピードウェイ。8月5-6日開催だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は7月23日、第4戦の開催されているスポーツランドSUGOで定例会見を開催。坂東正明代表が各クラスの性能調整に関する見解や来シーズンの日程について語った。それによると鈴鹿1000kmが来年からFIA-GT3主体の10時間耐久レースに変貌するのに伴い、スーパーGT鈴鹿戦は通常の300kmレースとして開催されることになるという。概要は以下のとおり。
第3戦で実施したNSXの性能調整について基本的には目指している均衡化が図られていると思う。それに伴う他メーカーからの批判も公には届いていない。ただ、「ウェイトハンデの軽減で前に行きました」じゃホンダの技術陣はなんなんだ、さくら(研究所)は何をしているんだ?という話になる。前回の結果はホンダの技術陣、さくらの努力があったからだと考えている。
- GT300のBOPについて
- FIA-GT3についてはSROにBOPを委託している。現状コース特性に応じて低速、中速、高速の3つの値があり、岡山は中速、富士は高速、オートポリスは低速という判断だったため、毎戦BOP値が変更されることになった。ただ、タイヤに関して向こうはワンメイクで、こちらは競争があるということで差異が出ている。プリウスの性能調整については、ご存知のように開発の終わったレーシングエンジンが搭載されているため、今年のリストリクターを用いるとそれに合わせた開発が必要になり、費用負担の上昇を招いてしまう。そこでデータを確認した上でリストリクター径を見直し、出力が向上したぶんをリカバーする意味で重量を増やした。
- GT500とGT300の速度差が詰まっていることに関して
- かつて10秒くらいあったタイム差が7秒~8秒近くに縮まっており、特に菅生のようなレイアウトだと差が出にくい状況はある。500のエントラントからも「GT3が速すぎる」との声も上がっている。しかし混走でやるという前提のレースなので、現状の中でやってもらうしかないと考えている。GT500は今年からダウンフォースを削減したが、その中でも安定したコーナリングスピードは出せている。もしこれ以上マニファクチャラーの開発によりGT3が速くなるようなら見直しが必要になるだろう。安全のためにコンーナリングスピードを落とそう、ということでGT500はやってきた。F1などでは速さを求める風潮があるが、きちんと安全を確保した上で速さをコントロールするという方向でやっていきたい。
- 2018年のカレンダーについて
- すでに申請は出しており、27日にJAFで審議委員会が行われてそこで承認される予定だ。鈴鹿1000kmに関してはスーパーGTとしての開催は今年が最後。来年から鈴鹿は300kmレースとしてシーズン前半に行われる。これに対応し、8月の富士戦でレース距離を伸ばすつもりだ。タイに先日行ってきたが、向こうの景気が悪くなっていることもあり、1年契約となるが来年も開催する。ただ開催日程に関してはMotoGPが10月に開催されるということで、昔やっていたセパンの日程(6月か?)に移動させる。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Shigeru KITAMICHI