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2025年11月

SUPER FORMULA LIGHTS

第18戦もてぎ決勝 野村勇斗が今大会3連勝、Mクラスは清水康弘が2勝目、両チャンピオンが有終の美を飾る

ドライバーとチームチャンピオンに輝いたB-MAX Racing Team

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第18戦の決勝が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、前レースに続いて小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)の追走を抑えて、ポール・トゥ・ウィンで今大会3連勝、今シーズン12勝目を飾った。

 マスタークラスも、クラスポールの清水康弘(GNSY RACING 324)が逃げ切って、今大会2勝目を挙げ、両チャンピオンが有終の美を飾って、2025シーズンを締めくくった。

 午前中のアクシデントにより、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)はマシンの修復が間に合わずに出走を取り消した。松井啓人(B-MAX RACING 324)は、ぎりぎりまで作業を続け、何とかグリッドにクルマを並べることができた。

 スタートは、この週末、三度(みたび)野村が制し、第16、17戦と同じく小林が続く。小林はスタートで少しホイールスピンをして、2位を守ることに専念せざるを得ず、その間に野村がリードを広げる。

 3位には三井優介(DELiGHTWORKS)が上がるが、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)との競り合いでやや失速してしまい、山越陽悠(DELiGHTWORKS)にも先行を許して、三井は5位に後退してしまう。

 1周目は、野村、小林、佐野、山越、三井、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、卜部和久(B-MAX RACING 324)の順。ここからトップ2台はハイペースで3位以下とのギャップを広げていく。

 空力マシンであるSFライツは、もてぎのコースでは順位を入れ替えることは難しく、隊列は徐々に縦に長くなっていく。

 レース折り返しとなる10周目。野村と小林の差は1.1秒。2.8秒遅れて3位佐野、さらに6.8秒遅れて、4位山越と5位三井が4位争いを繰り広げるという展開となった。

 レース後半も、各車の間隔は広がることはあっても、順位が変わることはなく、野村が19周を走りきって、この週末3連勝となるチェッカーを受けた。

 2位小林、3位佐野と、この週末3戦の表彰台は、すべて同じ顔ぶれ、同じ順位となった。

 マスタークラスは、クラスポールの清水が、DRAGON(TEAM DRAGON 324)とKEN ALEX(BUZZ RACING)が競り合う間に差を広げ、最終的に6秒近い差をつけて、今大会2勝目を飾った。

 2025年シーズンは、最終戦で野村と清水のチャンピオン二人が有終の美を飾って幕を閉じた。チームタイトルは2023年以来1年ぶりにB-Maxが獲得した。

優勝は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝2位は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL)

決勝3位は佐野雄城(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL)

マスタークラス優勝は清水康弘(GNSY RACING 324)

マスタークラス決勝2位はDRAGON(TEAM DRAGON 324)

マスタークラス決勝3位はケン・アレックス(BUZZ RACING )

優勝した野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)

表彰式

マスタークラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI

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第18戦もてぎ決勝結果

もてぎチャンピオンカップレース第5戦 -RIJ- (2025/11/30) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 18 モビリティリゾートもてぎ 4.801km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Team
LapTimeBehindGap
150野村 勇斗HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1933'19.957--
238小林 利徠斗モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL
TOM'S
1933'20.952 0.995 0.995
335佐野 雄城モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL
TOM'S
1933'23.645 3.688 2.693
42山越 陽悠DELiGHTWORKS
DELiGHTWORKS RACING
1933'31.82211.865 8.177
53三井 優介DELiGHTWORKS
DELiGHTWORKS RACING
1933'32.61512.658 0.793
637古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S SFL
TOM'S
1933'44.26524.30811.650
71卜部 和久B-MAX RACING 324
B-MAX RACING TEAM
1933'46.86426.907 2.599
836エステバン・マッソンPONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL
TOM'S
1933'47.64727.690 0.783
960伊東 黎明LMcorsa OTG 320
LM corsa
1933'48.76028.803 1.113
108M1清水 康弘GNSY RACING 324
GNSY RACING
1934'16.65656.69927.896
1130M2DRAGONTEAM DRAGON 324
B-MAX RACING TEAM
1934'22.4121'02.455 5.756
126M3ケン・アレックスBUZZ RACING
Buzz Racing
1934'22.9731'03.016 0.561
134M4今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1934'32.6451'12.688 9.672
1458松井 啓人B-MAX RACING 324
B-MAX RACING TEAM
1733'59.9842Laps2Laps
---- 以上規定周回数(90% - 17 Laps)完走 ----
-51ザック・デビッドB-MAX RACING 324
B-MAX RACING TEAM
-d.n.s--
  • Fastest Lap: CarNo. 38 小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL ) 1'44.424 (3/19) 166.514 km/h

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第18戦鈴鹿決勝記者会見 優勝・野中誠太「ポイントが縮まったのですごくポジティブ」

優勝 野中誠太(TOM'S)

決勝記者会見:優勝した野中誠太(TOM\'S)

 「第17戦のミスがあったので慎重にスタートして、うまく決まりました。荒尾選手が近い距離にいて、昨日の展開を考えると後半、かなりいいペースで来るのかなと思っていました。余裕のある展開ではなかったですが、、タイヤマネジメントを考えて走った結果、最後の落ちもなくて、昨日以上にいいレースになったと思います。次のもてぎですが、ここに来る前のポイント差を考えたら、今週これだけ縮まったのはすごくポジティブです。チームがいいクルマを作ってくれて、初めてのポールを取って、ペースもよかったです。しっかり切り替えて、僕にとっての最後のライツになるので悔いのないように戦いたいと思います」

2位 荒尾創大(TODA RACING)

決勝記者会見:2位の荒尾創大(TODA RACING)

 「今回のレースは周回が少なくて、抜けない可能性があったので、序盤にプッシュしました。最初の数周で抜けなければ厳しいと思っていました。序盤にタイヤを使ったので、ラスト数周はタレが一気に来てペースが落ちました。前回のレースから改善して、今回すごく成長できたと思うので最終戦に向けて準備をしていきたいと思います。今年最初のテストがもてぎで、そのときのペースがよかったので、データを見直して、ポールトゥウインしたいと思います」

3位 中村仁(TOM'S)

決勝記者会見:3位の中村仁(TOM\'S)

 「スタートは今週末で一番よかったです。最初、タイヤが若いときからトップ2に離されて、全力で走っても、ついていけませんでした。周を追うごとに、タイヤも厳しくなって、差が開いていきました。週末3レースとも同じように展開だったので、そこは見直さないといけません。もてぎですが、今回速さはあったのにロングランがだめだったので、改善できることはたくさんあり、全部勝ち切ってチャンピオンを目指したいと思います」

決勝フォトセッション:トップ3のドライバーたち

Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

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第18戦鈴鹿決勝結果

第23回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2024/11/10) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 18 鈴鹿サーキット 5.807km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Team
LapTimeBehindGap
136野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1222'49.810--
22荒尾 創大HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
1222'52.861 3.051 3.051
335中村 仁モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1222'57.076 7.266 4.215
438小林 利徠斗モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
1222'58.612 8.802 1.536
550小出 峻HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
1223'00.25510.445 1.643
637古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
1223'02.05012.240 1.795
7*1ケイレン・フレデリックPilot ONE Racing with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
1223'03.11613.306 1.066
85入山 翔IRISアルビレックス-RT
ALBIREX RACING TEAM
1223'32.73142.92129.615
94M1今田 信宏JMS RACING TEAM
JMS RACING TEAM
1223'45.68955.87912.958
108M2清水 康弘GNSY 324
GNSY RACING
1223'46.47356.663 0.784
1130M3DRAGONTEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1223'46.99257.182 0.519
12*13M4藤原 誠TEAM DRAGON 324
TEAM DRAGON
1223'47.32657.516 0.334
---- 以上規定周回数(90% - 10 Laps)完走 ----
  • Fastest Lap: CarNo. 36 野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC) 1'37.751 (3/12) 182.780 km/h
  • CarNo. 1は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第31条10(スタート手順)違反により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。
  • CarNo. 13は、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権統一規則第31条10(スタート手順)違反により、競技結果に対して5秒加算のペナルティーを科した。

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第18戦鈴鹿決勝 野中誠太が今季5勝目

野中誠太と荒尾創大の争い

 2024全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第18戦の決勝が11月10日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が後続を寄せ付けない走りで今季5勝目を挙げた。

 第18戦決勝は午後0時25分より12周で行われた。天候は曇り。路面はドライだ。5番手スタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)とマスタークラスのDRAGON(TEAM DRAGON 324)がここでニュータイヤを投入してスタートに臨んでいる。

 ポールポジションの野中は第17戦でのペナルティのこともあってか、スタートではやや慎重な動き出し。それでも鋭い加速で後続を制し、トップで1コーナーに飛び込んだ。2番手スタートの荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)がそのまま2番手、4番手スタートの中村仁(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC)がチームメイトの小林利徠斗(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC)をかわして3番手で1コーナーに飛び込んだ。小林は続くS字コーナーでケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)にも抜かれて5番手に後退する。

 しかし競技団はフレデリックに対して反則スタートの判定。5秒加算のペナルティを下したため、実質上は小林が4番手だ。

 トップの野中は序盤の4周を1分53秒台のハイペースで飛ばし、後続を引き離しにかかるが、荒尾も懸命に追い縋る。しかし9周目から荒尾のペースが1分54秒台後半に下がったことでその差は徐々に開いていき、最後は野中が3秒051のリードを築き上げてフィニッシュ。

 ペナルティで10秒加算のペナルティを受けた第17戦を含めて今週末の3レースを全てトップでチェッカーを受け、今季の勝利数を5に伸ばした。

 2位は荒尾創大、中村仁が3位につけて小林利徠斗が4位を獲得している。

 一方、小出峻はこのレースを5位で終えたため、ドライバーズポイントは85ptにとどまる。勝利した野中はここで76までポイントを伸ばし、3位の中村と4位の小林が共に62Ptとこの4人がチャンピオンの可能性を残したまま、最後のもてぎ大会を迎えることになった。

 今シーズン最後の戦い、第1戦、第2戦、第3戦は11月30〜12月1日に栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで行われる。

12周の決勝がスタートした

今田信宏と藤原誠の争い

優勝は野中誠太(PONOS Racing TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝2位は荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)

決勝3位は中村仁(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝4位は小林利徠斗(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝5位は小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝6位は古谷悠河(Deloitte. HTP TOM\'S 320)

マスタークラス優勝は今田信宏(JMS RACING TEAM)

表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

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第16~18戦もてぎ 木村選手が逆転でチャンピオンに輝く チーム、マスタークラスも制しトリプルタイトルを獲得(B-Max)

 B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、11月18~19日、モビリティリゾートもてぎで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16~18戦に参戦し、木村偉織選手が逆転でチャンピオンに輝きました。マスタークラスの今田信宏選手も3年連続チャンピオンとなり、チームタイトルと合わせ、4年ぶりのトリプルタイトル獲得という、最高の結果で2023年シーズンを締めくくりました。

■第16, 17戦予選(11月18日(土)午前9時25分~9時55分)

前日の雨も上がり、晴れ渡った予選日。逆転でドライバーズタイトルを狙う木村選手はミスが許されないだけに、いつも以上に集中して予選に臨みました。

第16戦の予選は、木村選手が2度目のアタックで全区間ベストタイムという完璧なラップを見せ、ポールポジションを獲得。スポット参戦の菅波選手が3位、フラガ選手が4位とチームとしても好結果で終えました。

第17戦の予選でも、木村選手は勢いそのままに最初のアタックで1分43秒386をマークしてトップに立つと、2回目には更にタイムを縮めてライバル勢を突き放しました。フラガ選手は2位、菅波選手は4位と、揃って上位グリッドを確保しました。

ダブルポールポジションを獲得し2pを加えたことで、木村選手は10pあった平良選手との差を8pにし、逆転チャンピオンに向け反撃の狼煙を上げました。

なお、ヴィダーレス選手は、電気系のトラブルで出走できませんでした。

ドライバー Rd16予選タイム(順位) Rd17予選タイム(順位) Point(累計)
50号車 木村偉織 1分43秒285( 1) 1分43秒277( 1) 1+1(84)
51号車 D.ヴィダーレス —————– —————– 0(19)
52号車 I.O.フラガ 1分43秒917( 4) 1分43秒457( 2) 0(47)
53号車 菅波冬悟 1分43秒916( 3) 1分43秒568( 4) 0(21)
  • 天候:晴れ、コース:ハーフウェット(Rd16)/ドライ(Rd17)、気温:13度、路面温度:16度

■第16戦決勝(11月18日(土)午後1時45分~14周)

 ポールポジションの木村選手は、トップを守ったまま1コーナーへ。菅波選手が小出選手をかわして2位、フラガ選手も1周目に3位に上がり、早くもチームでワン・ツー・スリー態勢を築きました。

 トップを快走する木村選手は、序盤からハイペースを維持し、6周目にはレースのファステストラップとなる1分44秒823をマーク。2位菅波選手との差を4秒まで広げると、以降はタイヤを温存するためにペースを若干落として周回を重ねました。

 縦に長い展開となったレースは、結局そのままの順位でフィニッシュ。チームとしては初の表彰台独占という最高の結果に加え、木村選手は優勝10pとファステストラップの1pを加え、ポイントリーダーの平良選手に並びました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
50号車 木村偉織 1位 1分44秒823( 1/11) 10+1(95)
51号車 D.ヴィダーレス DNS —————– 0(19)
52号車 I.O.フラガ 3位 1分45秒354( 2/11) 5(52)
53号車 菅波冬悟 2位 1分45秒376( 3/11) 7(28)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:16度、路面温度:20度

■第17戦決勝(11月19日(日)午前8時55分~20周)

 シーズン最後となる日曜日も絶好のレース日和となりました。

 木村選手は、ポールポジションから好スタートを切り、フラガ選手、小出選手、そしてタイトルを争う平良選手を従えて1周目を終えました。菅波選手はスタート後の競り合いのなかでコースオフを喫し、順位を大きく落としてしまいました。

 トップを快走する木村選手は、1分44秒台のハイペースを安定して刻み、折返しの10周目までに2位フラガ選手との差を4秒にまで開きますが、その後も手を緩めることなくプッシュし続け、20周を走り切って第16戦に続く連勝を飾りました。

 レースでは上位陣に順位変動はありませんでしたが、4位フィニッシュの平良選手に走路外走行のペナルティ(+5秒)が課されて5位となりました。この結果、シリーズポイントは木村選手が逆転し106p、平良選手97pとなり、最終戦で決着することとなりました。

 この勝利で、現シリーズの前身である、2019年全日本F3選手権以来のB-Max Racing Teamのチーム部門タイトル獲得が決まりました。

 ヴィダーレス選手は、車両のパーツが調達できずに、この日の出走を取り消しました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
50号車 木村偉織 1位 1分44秒609( 1/11) 10+1(106)
52号車 I.O.フラガ 2位 1分45秒030( 4/11) 7( 59)
53号車 菅波冬悟 11位 1分46秒555( 7/11) 0( 28)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:12度、路面温度:14度

■第18戦決勝(11月19日(日)午後1時00分~14周)

 午後になり気温が上がるなか、今シーズン最後のスタートを迎えました。

 見事なスタートダッシュを見せたのは2番グリッドの菅波選手。このレースのために状態の良いタイヤを残していた菅波選手は、1コーナーで木村選手をかわしトップに躍り出ました。チャンピオンを視野に入れている木村選手も、あえてリスクを冒すことはせずに、菅波選手の背後につけました。

 トップを快走する菅波選手は、1分45秒台を連発しながら木村選手を少しずつ引き離し、レース折返しの7周目には2秒以上のマージンを築きました。木村選手の1秒後方に平良選手、4秒離れてフラガ選手を古谷選手が追うという展開になりました。

 レースは膠着状態のまま後半に入りますが、菅波選手は10周目にファステストを記録する快走を続け、狙いどおりの展開で今季2勝目を飾りました。そして、菅波選手の2秒後に、木村選手がチャンピオン決定という歓喜のチェッカーを受けました。

 この結果、チームとして、最終大会の3レースはすべてワンツーフィニッシュ。特に1レース目は表彰台独占、そして、ドライバー、チーム、マスターのタイトルをすべて獲得するという最高の結果でシーズンを締めくくりました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
50号車 木村偉織 2位 1分44秒835( 2/11) 7(113)
52号車 I.O.フラガ 4位 1分46秒317( 5/11) 3( 62)
53号車 菅波冬悟 1位 1分45秒757( 1/11) 10+1( 39)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:18度、路面温度:27度
SFLチーム代表 組田龍司コメント

 ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成ドライバーを預かるようになって2年目ですが、今シーズンは是が非でも結果を残さなければならないという使命感を持って臨みました。ドライバーの木村選手も背水の陣で臨んだシーズンでしたので、チームとしてできることはすべてやろうという思いでした。

 ドライバー部門、チーム部門、マスタークラスのタイトルを獲得する“トリプルクラウン”は、2019年の全日本F3選手権以来4年ぶり、スーパーフォーミュラ・ライツ選手権になってからは初めてのことです。エンジンチュナー部門はうちのチームの力だけではありませんが、これもスピースが制し、本当にこれ以上ない結果ですので、感無量です。

50, 51号車チーム監督 高木真一コメント

 専有走行は金曜日が雨予報でしたので、木曜にテストメニューを詰め込む形になりましたが、走り始めからポテンシャルの高さを感じることができました。偉織選手にとって、専有走行が実質1日になったことは有利に働いたように思います。

 でも、それを抜きにしても今週末の偉織選手の速さは際立っていたように思います。完全勝利を飾った開幕大会に近い雰囲気がありました。課題となっていた予選での速さもしっかり示すことができましたし、タイトルのかかるプレッシャーのなかでスタートもうまく決めることができました。パーフェクトな最終大会だったと思います。

 タイトルは1人にしか与えられないものですし、チャンピオンの称号を持つか持たないかは、この先大きな違いとなりますから、来シーズンは心置きなくステップアップしてくれることを願っています。偉織選手にとって人生を変えた最終大会だったと思いますし、監督を務めた身としても、2年間の成長を目の当たりにでき幸せでした。

52号車チーム監督 松浦孝亮コメント

 木曜日の専有走行が非常に良かったので、この勢いでいけると思っていましたが、金曜日の雨で路面の状況が変わってしまったことがマイナスに働いてしまったようです。

 ただ、そのなかでもイゴール選手は持てる力を発揮し、岡山大会に続いて速さを示すことができたと思います。シリーズ終盤の速さを、もっと早い段階で発揮することができていたら、面白いシーズンになったと思います。でも、イゴール選手の可能性を十分に感じることができた1年でした。

50号車ドライバー 木村偉織選手コメント

 6歳で始めたカート時代から数多くのレースに出て優勝はしてきましたが、実はチャンピオンは獲ったことがなく、それが自分としてはコンプレックスでした。最高の形で殻を突き破ることができて本当に嬉しいです。

 この週末、チャンピオンのことはできるだけ意識しないようにしていました。自分自身でやれることはすべてやり切って臨んだ最終大会でしたので、緊張するというより集中することができていたと思います。とにかくシンプルにポールを2つ獲って3連勝しようと、それだけを考えていました。

 2年目の今年はチャンピオン獲得が使命でしたので、ファクトリーの近くに住まいを移すなど環境を変え、私生活でも日々のトレーニングや食事などで自分を律してきました。それだけに、最後のチェッカーを受け、チャンピオンが決まった瞬間は、サポートしていただいた人の顔が浮かんで涙が出てきました。年末までは自分に課した制限を少しだけ解放して、また来年に向け精進しようと思います。

52号車ドライバー イゴール・オオムラ・フラガ選手コメント

 今シーズンは、参戦が決まったのが開幕直前で慌ただしかったのに加えて、事前のテスト走行も雨に見舞われるなど走り込みが十分にできないまま開幕を迎えました。序盤の数戦はほとんどぶっつけ本番でしたが、逆にそれが他の選手との差を生まずに、自分にとっては有利に働いて予選でも好位置につけることができました。

 シリーズ中盤、各車のセットアップが進むと徐々に遅れを取るようになってしまったので、前大会の岡山から体制を強化しました。専有走行も天候に恵まれ十分走り込みができたので、岡山では3レースともに表彰台、今回も2レースで表彰台を得ることができました。できれば優勝がほしかったですが、終盤2大会は大きな進歩を遂げることができたと思います。

53号車ドライバー 菅波冬悟選手コメント

 最終戦で優勝することができて、本当に嬉しいです。

 SFライツへの参戦は、昨年1シーズンだけのチャレンジのつもりでしたが、結果が振るわずに終わってしまいました。今年も何とか参戦したいと組田代表に相談をして、今田選手にも快諾をいただき鈴鹿で参戦することができました。天候による運もありましたが、そこで優勝と2位を獲得して、次の富士大会での参戦に繋がりました。富士ではトムス勢にやられてしまいましたが、最終大会でまたチャンスをいただけることになりました。

 今回は、関口雄飛選手にアドバイザーとしてついてもらい、内間エンジニアとのコミュニケーションも良く、すべてが上手くハマったという感じです。

 昨シーズンは結果が出せなくて、自信を失いかけていたことも含めて、上手く噛み合っていない状態でした。それが、今年は巡ってきたチャンスのなかで、実力どおりの結果しか出ないのだからと、気負わずにいけたことが良かったと思います。自分の実力をいかに底上げするかを考えて、小さなことを積み上げる努力をしましたし、他のカテゴリーで自分の速さを再認識することができ自信も取り戻すことができました。

 組田代表をはじめ、多くの方の協力で結果を残すことができ、感謝しています。

マスタークラス

■第16, 17戦予選

 最終大会前のシリーズポイントは、今田選手が116p、DRAGON選手が105pと11点差。エントリー台数の少ないマスタークラスではこの差を逆転するのは至難の業という状況のなか、2人は予選に臨みました。

 第16戦予選では、今田選手がウォームアップを1周、DRAGON選手は2周の後にアタックをするという異なる作戦を取った二人でしたが、3周連続のアタックで1分46秒017までタイムアップした今田選手に軍配が上がりました。

 第17戦予選も、両者は同様のアタック方法を取りましたが、セッティングを変えて1分45秒台にタイムアップした今田選手が、DRAGON選手を抑えてクラスポールポジションを獲得しました。

ドライバー Rd16予選タイム(順位) Rd17予選タイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 1分46秒017(M1) 1分45秒356(M1) 1+1(118)
30号車 DRAGON 1分46秒476(M2) 1分46秒300(M2) 0(105)

■第16戦決勝

 スタートを決めた今田選手が、1分47秒台のラップタイムを刻んでDRAGON選手を引き離そうと試みますが、DRAGON選手も食い下がり、その差は5周目で約2秒。ところが、6〜7周目に、スタートで遅れ最後尾から追い上げてきた若手の小川選手を挟んだことで、両者の差は開くことになり、終盤は今田選手がマージンを築いてゴールしました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合10位) 1分47秒268(M1) 10+1(129)
30号車 DRAGON M2位(総合11位) 1分47秒887(M2) 7(112)

■第17戦決勝

 タイトル争いでは、今田選手にリードを広げられたDRAGON選手ですが、スタートから7周目までは今田選手から1秒以内につけ、プレッシャーをかけ続けます。

 しかし、8周目以降はタイヤが厳しくなり、1分46秒から47秒台のラップタイムを刻む今田選手に対し、DRAGON選手は47秒から48秒台へと徐々にタイムが落ち込み、15周目にはその差は5秒にまで広がりました。

 安定した走りを見せる今田選手は、そのまま逃げ切ってクラス優勝。シリーズポイントを140pに伸ばし、この時点でDRAGON 選手が逆転する可能性は消え、今田選手の3年連続チャンピオンが決定しました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合9位) 1分46秒915(M1) 10+1(140)
30号車 DRAGON M2位(総合10位) 1分47秒086(M2) 7(119)

■第18戦決勝

 三タテは食らうまいと、スタートから先行する今田選手に食い下がるDRAGON選手でしたが、今田選手もチャンピオンらしくミスのない走りで、つけ入る隙を与えることなくレースは進みました。

 1分48秒台前半のラップタイムで安定して走る今田選手は、終盤になってもペースを落とすことなく、フルプッシュしたままチェッカーを受け、最終大会を3連勝という最高の形で終えました。

 前に出るチャンスを見いだせなかったDRAGON選手は、最後は根負けしたようにやや引き離されてフィニッシュ。一矢報いることはできませんでしたが、ファステストラップを僅差で奪い、意地を見せました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M1位(総合10位) 1分47秒983(M2) 10(150)
30号車 DRAGON M2位(総合11位) 1分47秒915(M1) 7+1(127)
4号車ドライバー 今田信宏選手コメント

 今シーズン序盤は、体力的にもかなりしんどかったです。特に暑いときのレースは倒れるかと思うほどでした。コースにもよりますが、SFライツはオジサンにはかなり厳しいカテゴリーであることは間違いないと思います。

 タイトル争いは、最終大会までDRAGON 選手と2勝1敗のペースだったにもかかわらず、ファステストラップのポイントを奪われたりして、ポイント差はあまりついていなかったですね。シーズン前はもっと楽勝かなと思っていましたが、蓋を開けてみると最後までもつれてしまい、その意味でもしんどかったですね。

 来年は、ジェントルマンの参戦台数が増えるなら、引き続きやりたいと思っています。そのために、シーズンオフの間に身体のケアをしっかりして備えたいと思います。

30号車ドライバー DRAGON選手コメント

 今シーズンも、畑選手のスポット参戦はありましたが、ほとんどが今田選手との2台によるレースで、お互いに勝ったり負けたりがあって楽しむことができました。最終大会は自分なりに精一杯やりましたし、仕掛けるチャンスはあったとは思いますが、そこを巧みに今田選手に抑えられてしまいました。勝った今田選手が速かった、それに尽きると思います。素直に完敗です。

B-Max Racing Team Press Release

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2023年度ドライバーズチャンピオン記者会見 木村偉織「チャンピオンを取るぞという一人一人の思いがどのチームより強かった」

ドライバーズチャンピオン記者会見:木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

2023年度ドライバーズチャンピオン 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「第18戦チェッカー後のラップは、2年間のライツでホンダさん、B-Maxさん、エンジニアさん、スポンサーさんとかお世話になった方全員の顔が思い浮かびました」

 「ポールを2回取って、3連勝するしかチャンピオンはないと思っていたので、そこしか考えていませんでした。そのために開幕戦から頑張ってきて、思い残すことがないようにと、もてぎに入るまでにできることはやりました。練習でウェットになって走れなかったりで、流れをつかみにくいなかでも、気持ちをぶらさずに最後まで集中できました」

 「レース人生のなかでも一番つらかったのは何をやってもかみ合わなかった1年目でした。練習ではトップでも予選では5番手に沈んでしまうとか、自分でも思い悩みました。2年目はアドバイザーとして武藤英記さんに来ていただいたり、ホンダさんの強力なバックアップとB-Maxが一体になって、チャンピオンを取るぞという一人一人の思いが、どのチームよりも強かったのだと思います」

 「第17戦が終わった時点で、チームでの『写真撮影どうする?』とかいう会話が耳に入るんです。『おれがやらかしたら無くなるよな』というプレッシャーもあって、チェッカーを受けるまでドキドキしていました」

 「カートの時から海外でレースをしたいという気持ちでやってきたので、ホンダさんに入ったのも国内トップカテゴリーもあるんですが、海外でもF1、GT、IMSAとかやっているので最終的には海外で日本人なめるなよというのを見せていきたいと思います」

ドライバーズチャンピオン記者会見:木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Mizue NOINE

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第18戦もてぎ決勝記者会見 優勝・菅波冬悟「28歳からチャレンジして予想以上に苦労した」

優勝 菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見:優勝した菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)

 「今週調子がよく、第16戦で2位になれたことで優勝のチャンスがあり、今日の第18戦にフォーカスしてすべて組み立ててきました。結果それが機能して優勝でました」

 「他のドライバーとは違う作戦を取っていて、第17戦でフレッシュを入れずに温存してこのレースに使いました。それもうまく機能したし、木村選手がチャンピオンがかかっていたので、はらはらしましたけど、クリーンなバトルで前に行くことができました」

 「鈴鹿で雨のなか優勝していますが、自分の力で優勝した実感が無く、今日やっと最終戦で勝てたという気持ちで終れたので、チャンスをいただいた皆さんに感謝しています」

 「このカテゴリーはFIA-F4からステップアップした直後に参戦するのが順当な流れですが、ぼくはスーパーGTとか他のカテゴリーを挟んで、もうひとつ上へのステップアップを目指して、去年28歳になってからチャレンジしました。予想以上に苦労したというのが本音で、結果が出ずに終わってしまう可能性もあったなかで、最終戦で優勝でき本当によかったと思います」

2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見:2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「菅波選手が違うタイヤの戦略でスタートするというのは聞いていたので、序盤からペースは速いんだろうと思っていました。スタートは悪くなかったんですが、菅波選手にロケットスタートを決められて、完走することがチャンピオン獲得には大事だったので、そのまま2位という形で終わりました」

 「平良選手は勝ってファステストを取らないとチャンピオンになれないと聞いていたので、ミラーに映る平良選手のマシンはすごいオーラを放っていました」

 「ポールを2つ取って2勝するのがマストだったので、背水の陣でこの大会に挑みました。ホンダの皆さんやスクール時代の佐藤琢磨校長にもおいでいただいて、その前でいいレースを見せることができたのでよかったと思います」

3位 平良響(TOM'S)

決勝記者会見:3位の平良響(TOM\'S)

 「僕が優勝して、木村選手がノーポイントという首の皮一枚も無い状況でした。目指すのは優勝でしたが、4番手からなのでそれは非常に遠くて、スタートで3番手に上がれたのはよかったですが、その後は木村選手、菅波選手についていけませんでした。後ろも離れていて前だけ見るレースでしたが、徐々に離されてくやしい思いがこみ上げてきました」

 「トムスは全体的に調子が悪くて、いいセットアップ、いいドライビングというのがチーム内に無かったので、ライバルのB-Max勢にどう近づくかという週末でした。この最後のレースだけは一緒に走れていたので、ドライビング的にもクルマ的にも成長できたのかと思います」

 「3年目ということで、シリーズチャンピオン必須でした。途中タイヤメーカーも代わるなか、流れが良かったり悪かったりで、しっかり負けたので今後のレースに生かしていけたらと思います」

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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第18戦もてぎ決勝 菅波冬悟が今季2勝目 2位に入った木村偉織が戴冠

2023年度のドライバーズチャンピンを獲得した木村偉織

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権(SFL)第18戦は19日、モビリティーリゾートもてぎで決勝を行い、菅波冬悟(B-MAX ENGINEERING 320)が今季2勝目を飾った。また2位に入った木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)がドライバーズチャンピオンを獲得した。

 第18戦決勝は午後1時にフォーメーションラップが始まった。天候は快晴、気温も午前中より上昇するなか11台がグリッドに着いた。

 好スタートを切ったのは2番グリッドの菅波冬悟(B-MAX ENGINEERING 320)でインからポールポジションの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)に並びかける。この2台は1コーナーで並走するが、チャンピオン獲得のため接触してリタイアだけは避けたい木村が引き、菅波がトップに立った。

 4番グリッドで優勝がチャンピオン獲得の必要条件でである平良響(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC)は、1コーナーでインから3番グリッドのイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)を攻略し3位に浮上した。4位にはフラガが、5位には古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が、6位にはエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京TOM'S 320)が、7位には野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、8位には小出峻(HFDP WITH TODA RACING)が続く。

 トップに立った菅波はオープニングラップで2位木村を0秒9離して戻ってくる。3周目には木村がここまでのファステストラップ1分45秒835を出して詰め寄る気配を見せたが、その後は菅波が周回を重ねるごとにその差をじりじりと広げ始める。3位の平良は、2位木村との差を1~2周目までは0秒5と背後につけていたが3周目以降は安定して1秒後を走り、木村を攻略する手がかりをつかめないでいる。

 4位のフラガもペースが上がらない。3位平良との差は開くばかりで、背後から攻め立ててくる5位古谷の防戦に手一杯の状態だ。その後ろ、6位トゥルーリ、7位野中、8位小出は接近戦だが互いに攻略するには至っていない。

 10周目には菅波が1分45秒757と木村の持つファステストラップを更新し、その差を3秒に広げる。その後木村との差をコントロールし、悠々と14周を走って今季2勝目を挙げた。

 2位に入った木村は今シーズン2023年度のドライバーズチャンピオンを決めた。この大会、優勝、優勝、2位とほぼ完璧にまとめ文句の無い逆転戴冠となった。

 3位に入ったのは平良。優勝して逆転チャンピオンへの一縷の望みをもって最終戦に臨んだがかなわなかった。出だしの予選からつまずいたのが最後まで尾を引いた。

 4位にはフラガが、5位には古谷が、6位にはトゥルーリが入った。

 マスタークラスはすでにチャンピオンを決めている今田信宏(JMS RACING with B-MAX)のリードで始まる。背後には2位のDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)が終盤までつけていたが、最後は力尽きたか逆転はならなかった。優勝は今田、2位にDRAGONが入った。

 この大会で今シーズンの全日程はすべて終了。ドライバーズチャンピオンは木村、マスタークラスチャンピオンは今田、チームチャンピオンはB-Max Racing Teamで幕を閉じた。

 来シーズン2024年度のSFLは大きく変貌を遂げる。長年マルチメークで争われていたエンジンがワンメークとなり、トヨタ製3気筒1.6リッターターボ(G16E-GTS)をベースにトムスが開発したTGE33エンジンに変更される。開幕大会はここモビリティーリゾートもてぎで4月27、28日に行われる予定だ。ニューヒーローの誕生に期待したい。

14周の決勝がスタートした

スタート直後1コーナーの攻防

優勝は菅波冬悟(B-MAX ENGINEERING 320)

決勝2位は木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝3位は平良響(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

マスタークラス優勝は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

優勝した菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)

オーバルとマスタークラスで優勝した菅波冬悟と今田信治(B-Max Racing Team)

表彰式

シャンパンファイト

2023年度のドライバーズチャンピンを獲得した木村偉織

2023年度のチームチャンピオンを獲得したB-Max Racing Team

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Kazuhiro NOINE

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第18戦もてぎ決勝結果

もてぎチャンピオンカップレース第4戦 -RIJ- (2023/11/19) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2023 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 18 モビリティリゾートもてぎ 4.801km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Team
Engine
LapTimeBehindGap
153菅波 冬悟B-MAX ENGINEERING 320
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1424'49.067--
250木村 偉織HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1424'51.432 2.365 2.365
31平良 響モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
TOM'S TAZ31
1424'55.006 5.939 3.574
452イゴール・オオムラ・フラガFANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1424'58.231 9.164 3.225
536古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
TOM'S TAZ31
1424'59.29310.226 1.062
637エンツォ・トゥルーリモビリティ中京TOM'S 320
TOM'S
TOM'S TAZ31
1425'03.42614.359 4.133
735野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC
TOM'S
TOM'S TAZ31
1425'04.28115.214 0.855
82小出 峻HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
SPIESS A41
1425'05.69516.628 1.414
910小川 颯太Rn-sports F320
Rn-sports
SPIESS A41
1425'13.11724.050 7.422
104M1今田 信宏JMS RACING with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1425'27.57738.51014.460
1130M2DRAGONTEAM DRAGON B-MAX 320
B-MAX RACING TEAM
ThreeBond TOMEI TB14F3
1425'29.67240.605 2.095
---- 以上規定周回数(90% - 12 Laps)完走 ----
  • Fastest Lap: CarNo. 53 菅波冬悟(B-MAX ENGINEERING 320) 1'45.757 (10/14) 163.427 km/h

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2022チャンピオン記者会見 小高一斗「オートポリスが転機でした」

2022シリーズチャピオン 小高一斗(TOM'S)

2022年度スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンの小高一斗(TOM\'S)

Q: 午前中のレースでチャンピオンを決めて今の気分は?

 「今はかなりリラックスしています」

Q: 今季ターニングポイントになったレースは?

 「ある意味オートポリスかな、と思います。3レースとも6位になって1ポイントしか取れないレースが続いて、せっかく鈴鹿で良い流れで終わったのに、オートポリスで駄目になって、この先もそういう状況になりかねないと思いました。今回の岡山もチャンピオンがかかっていましたので、しっかり準備してきました。オートポリスのような結果にならないようにという思いがありましたので、やはりあそこで気が引き締まったと思います」

Q: チャンピオンを獲得して次のステップは?

 「日本で走るとなればスーパーフォーミュラになると思いますが、どこになってもステップアップした先でしっかり結果を残せるドライバーになりたいです」

Q:SFライツに参戦した3年間で心に残っていることは?

 「2年前に富士スピードウェイで初優勝したときですね。宮田選手と一緒に走っていた年です。あの同世代のメンバーのなかでの優勝はすごく印象に残っています」

Q: あの年は優勝キャップが自分は1つしかないと嘆いていましたが、今年はたくさん取りました。今はすっきりした気分でしょうか?

 「はい、かなり(笑)。優勝するまでのプロセスは本当にすごく苦しいものでした。F3からSFライツになって、走らせ方やセットアップなどが上手くいかなくて、良くて2番、常に3番という状態が2年間続いて、本当に苦しみました。でも、それがあって今があるので良い経験になっています」

2022年度スーパーフォーミュラ・ライツ選手権チャンピオンの小高一斗(TOM\'S)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第18戦岡山決勝記者会見 優勝・太田格之進「良い終わり方ができました」

優勝 太田格之進(TODA RACING)

決勝記者会見: 優勝した太田格之進(TODA RACING)

 「チームの地元の岡山で2勝できて大変嬉しく思っています。前大会はスタートが不安がありましたが、チームといろいろ準備をしてきて、今回もポジションを失うことなくトップで逃げ切ることができて本当に良かったです」

 「今年はルーキーイヤーということで、楽しくとできるよう考えていましたが、シーズン中盤でトップに立ってからはチャンピオンを意識して、自分にもプレッシャーをかけてしまって考えすぎたこともありました。最終大会は楽しくやろうと思って岡山に来ました。その結果として来年に向けて良い終わり方ができたと思います」

2位 木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

決勝記者会見: 2位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

 「レース1(第16戦)と同じような状況で1コーナーに入ることになりましたが、レース1よりは粘ることができたと思います。抜けなかったのは悔しいですが、気持ちを切り替えてファステストを取るということに集中して、取って終わることができたので、やることはやったという感じです」

 「今年、ゼッケン1を背負って、チャンピオンを前年に取ったチームで走るということで、ホンダとB-Maxに素晴らしい環境でレースをさせていただきました。でも、自分のミスで台無しにしてしまったりして、速さを結果に繋げられず、シーズンを通して歯痒い思いをしていました。太田選手と戸田レーシングにも迷惑をかけたりしましたが、こういうことがないよう気持ちを引き締めてシーズンオフを過ごしたいと思います」

3位 野中誠太(TOM'S)

決勝記者会見: 3位の野中誠太(TOM\'S)

 「3レース目でタイヤのチョイスが僕だけ異なるという、チャンスがあるなかでのレースだったので、スタートから集中していきました。1、2周目でもっと順位を上げたかったところでしたが、なかなか上手くいかず、その後もチャンスを窺ってはいましたが、同等のペースで走ることが精一杯でした。タイヤのマージンを考えたら、接近したレースのなかで、もっとスピードを上げなければいけないというのは感じました」

 「昨年はFIA-F4とライツをスポットで参戦しましたが、切り替えに時間がかかってしまったという面がありました。今年はライツに集中して参戦できたのですが、考えすぎてしまったところがありました。シーズンオフに、チャンピオンを取った小高選手のデータを見たりして、自分のレベルを上げていけるように頑張っていきたいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

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第18戦岡山決勝 太田格之進が有終の美

優勝した太田格之進(TODA RACING)

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権最終第18戦は25日、岡山国際サーキットで18周の決勝を行い、ポールポジションからスタートした太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)が優勝した。

 第17戦決勝は午後3時5分、21台が参加しフォーメーションラップが始まった。気温もぐんぐんと上昇、汗ばむほどの陽気となった。

18周の決勝がスタートした

 スタートでは2番グリッドの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)の蹴り出しが良く、1コーナーでポールシッター太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)のインをうかがうも太田が木村を抑え込み順位は変わらず。3番グリッドの小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)は、4番グリッドの野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320)にモスSで並びかけられ、アトウッドでインから野中が小高をパス。野中が3位に、小高は4位に落ちた。

 5位には6番グリッドから平良響(Kuoモビリティ中京TOM'S 320)が上がり、6位には7番グリッドから古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が続く。5番グリッドからスタートした菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)はスタートに失敗し、8番グリッドの元嶋成弥(KデンタルオフィスRn)にもかわされ8位に落ちた。

 トップに立った太田は1周目に2位木村を0秒5離すと、3周目と5周目にはここまでのファステストラップをたたきだし、徐々に木村をリード。7周目には木村もこのレースのファステストラップを出すもその後は、差を詰めることができず、15周目には1秒9まで差を広げられてしまう。

優勝は太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)

決勝2位は木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝3位は野中誠太(PONOS Racing TOM\'S 320)

決勝4位は小高一斗(Kuoモビリティ中京TOM\'S 320)

決勝5位は平良響(Kuoモビリティ中京TOM\'S 320)

決勝6位は古谷悠河(Deloitte. HTP TOM\'S 320)

 レースは18周を回って太田が今季4勝目。木村はこの岡山大会をすべて2位で終えることとなった。

 3位の野中も一時は木村との差を0秒7まで縮めるもそのままの3位でゴールを迎えた。4位の小高は上位3人に付いていくことができず、この順位のまま最終大会を終えた。

 5位には平良が、6位には古谷が入った。

マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)

 マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)のリードで始まったが、3周目にDRAGONが今田をパス。このままの順位でフィニッシュした。

表彰式

チャンピオン表彰: 2022年のタイトルを獲得した小高一斗(TOM\'S)

 2022年度のスーパーフォーミュラ・ライツ選手権はこれで全スケジュールが終了。小高のチャンピオンで幕を閉じた。年末には公式テストが行われ、来シーズンは2023年4月8~9日に富士スピードウェイで開幕する予定だ。来年も白熱したシリーズを期待したい。

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum

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第18戦岡山決勝結果

全日本スーパーフォーミュラライツ選手権第16/17/18戦 -RIJ- (2022/09/25) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2022 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 18 岡山国際サーキット 3.703km

PosNoClsCls
Pos
DriverCar
Team
Engine
LapTimeBehindGap
12太田 格之進HFDP WITH TODA RACING
TODA RACING
SPIESS A41
1825'14.493--
21木村 偉織HFDP WITH B-MAX RACING
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1825'15.592 1.099 1.099
335野中 誠太PONOS Racing TOM'S 320
TOM'S
TOYOTA TOM'S TAZ31
1825'17.152 2.659 1.560
437小高 一斗Kuoモビリティ中京TOM'S 320
TOM'S
TOYOTA TOM'S TAZ31
1825'19.493 5.000 2.341
538平良 響Kuoモビリティ中京TOM'S 320
TOM'S
TOYOTA TOM'S TAZ31
1825'25.98511.492 6.492
636古谷 悠河Deloitte. HTP TOM'S 320
TOM'S
TOYOTA TOM'S TAZ31
1825'27.12412.631 1.139
710元嶋 成弥KデンタルオフィスRn
ルーニースポーツ
SPIESS A41
1825'32.68118.188 5.557
850菅波 冬悟Byoubugaura B-MAX Racing 320
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1825'33.60819.115 0.927
998ロベルト・メルヒ・ムンタンB-MAX Racing 320
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1825'34.10619.613 0.498
1030M1DRAGONTEAM DRAGON B-MAX 320
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1825'47.83233.33913.726
114M2今田 信宏JMS RACING with B-MAX
B-MAX RACING TEAM
SPIESS A41
1825'49.26134.768 1.429
---- 以上規定周回数(90% - 16Laps)完走 ----
  • Fastest Lap: CarNo. 1 木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING) 1'23.492 (7/18) 159.666 km/h

SUPER FORMULA LIGHTS

ロベルト・メリ選手インタビュー「きっと明日は良くなるはず」

スーパーフォーミュラ・ライツ初参戦のロベルト・メリ(B-MAX Racing)

 急きょ参戦が決まったロベルト・メリ(登録名:ロベルト・メルヒ・ムンタン)選手は、今回の参戦を足がかりに来シーズン、スーパーフォーミュラのシートを得たいと思っている。その点でメリ選手にとって今回の結果は重要だ。

 フリー走行の順位は、セッション1(ドライ)7位、2(ウェット)4位、3(ドライ)8位、4(ドライ)8位と、ウェットでは速いところを見せているが、ドライコンディションでは僅差ではあるものの決して思い描いていた結果ではない。

 2日間、4セッションのフリー走行を終えたメリ選手に聞いた。

 「今日はウェット、セミウェット、ドライと、すべてのコンディションで練習することができました。それぞれのコンディションでベストは尽くしましたが、僕にとっては初めてのクルマなので、理解するのに時間を費やしました」

 「トラブルも出てしまい、必ずしも思ったような結果は出ていませんが、今はあまり考え込まないようにしています」

 「スーパーフォーミュラ・ライツは、パワーはあまりありませんが、エアロダイナミクスは効いていてコーナリングスピードは速いですし、ドライブしていてとても楽しいクルマです」

 「タイヤはグリップも良いですし、寿命の面でも非常に優れているように感じます。これは重要で、何周かアタックを続けることができます」

 「明日の予選、そして決勝レースはどうなるか分かりませんが、できるだけ上位に食い込むつもりですし、きっと明日は今日より良くなるはずです」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:2019年シリーズチャンピオン記者会見 サッシャ・フェネストラズ「来年はスーパーフォーミュラとGT500。長く日本でキャリアを築きたい」

2019年全日本F3チャンピオンのサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark)

チャンピオン サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark)
2019年全日本F3チャンピオンのサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) 「長い1年でした。チャンピオンを獲得できたのは本当にうれしいです。全日本F3の最後のチャンピオンになれたのを誇りに思います。チームが1年間をとおして頑張ったのも誇りです。この1年間トムスを超えるような速い体勢を目指してきましたが、シーズンのはじめにはこんな結果が得られるとは思っていませんでした。去年はタフなシーズンで、自信を失いかけていましたが、今年は自信を取り戻すことができました。F1ドライバーなど、有名な選手が書かれたトロフィーにぼくの名前が刻まれるのは光栄です。日本に来る話はマカオの前後から始まりました。テストに来ることが決まったときはうれしかったです。日本は文化もこの選手権もファンも素晴らしくて気に入りました。すべてが経験のないトラックだし、タイヤも使ったことが無く、チームとともに学ぶことがたくさんありました。冬の間、多くのテストをしました。ぼくは来年も日本に残りたいし、できれば長く日本でキャリアを築いていきたいと思っています。日本が好きでレースも生活もエンジョイしています。来年はスーパーフォーミュラとGT500にステップアップしたいと思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第18戦決勝記者会見 優勝・フェネストラズ「無線で話されるのは嫌です」

決勝フォトセッション: トップ3のドライバーたち

優勝 サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark)
決勝記者会見: 優勝したサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) 「いいスタートが切れ、運よく宮田選手を押さえることができました。彼はぼくよりもいいタイヤでプッシュしてきていたので、ミスも無く守り切れて良かったです。宮田選手がファステストを取ってるのを知りませんでした。無線で話されるのは嫌だし、常にベストを尽くして走っているので、彼がファステストを取ってもぼくが勝てばチャンピオンなので、余計な情報は不要ですね」
2位 宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 2位の宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM\'S) 「2番手スタートで、ニュータイヤを履いてスタートに賭けていました。フライングの選手が前にいて、5コーナーまでのポジション取りで時間がかかってしまいました。その後は常にプッシュしました。ファステストよりも勝たないといけなくて、離されずに付いていき、相手がミスしたときは絶対抜けるようにしていました。フルブレーキからターインするコーナーが多いレイアウトなのでチャンスはありませんでした」
3位 大津弘樹(THREEBOND RACING)
決勝記者会見: 3位の大津弘樹(THREEBOND RACING) 「1レース目で4位を獲得できたことがこの成績につながってます。1レース目も表彰台を獲得できたレースだったのに落としてしまったし、今回も大湯選手のフライングで上がれたので、まだスピードが足らないですね。3レース目に向けてセットアップを変更したのがいい方向にいっているので、岡山大会に向けて速さを磨いていきたいと思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ決勝 優勝したサッシャ・フェネストラズが今シーズンのシリーズチャンピオンに輝く

 全日本F3選手権第18戦は18日、ツインリンクもてぎで決勝を行い、サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)がポールトゥウィンで優勝。今シーズンのシリーズチャンピオンも獲得した。

20周の決勝レースがスタートした 優勝はサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3) 決勝2位は宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM\'S F317) 決勝3位は大津弘樹(ThreeBond F318) マスタークラス優勝はDRAGON(TEAM DRAGON F3) トップでゴールするサッシャ・フェネストラズと2位の宮田莉朋 優勝したサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark) 表彰式 チャンピオン表彰式

 ツインリンクもてぎの上空には雲も広がり、日中より涼しくなった午後4時45分、定刻より10分遅れでフォーメーションラップが始まった。

 好スタートを切ったかに見えたのは予選3位の大湯都史樹(TODA FIGHTEX)でトップに立ったポールポジションのサッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)と2位グリッドの宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)の間に割って入る。3位に落ちた宮田は3コーナーで大湯をとらえ2位まで順位を戻すが、オープニングラップでフェネストラズとのバトルに持ち込むことができなくなってしまった。

 大湯は、ジャンプスタートと判定されドライビングスルーペナルティーを科され3周目にピットインして後退。

 トップに立ったフェネストラズは、優勝すればチャンピオンを決めるが、これを許さじと2位の宮田は0秒6前後の差でフェネストラズに食い下がる。終盤の17周目には0秒4の僅差まで追い詰めるが、決め手も無く20周を走ってフェネストラズが今季8勝目。最終大会の岡山を待たずに今季のシリーズチャンピオンを決めることとなった。

 4位でレースを始めた大津弘樹(ThreeBond F318)は大湯のペナルティーで3位に繰り上がりこの順位でゴールを迎えた。

 第16戦のリタイアで12番グリッドからのスタートとなった小高一斗(カローラ中京Kuo TOM'S F317)は、オープニングラップで7位に上がると、14周目に片山義章(YTB by Carlin)をとらえ6位。河野駿佑(RS FINE K&N F318)とエナム・アーメド(B-Max Racing with motopark F3)の接触に乗じて4位に上がりそのままゴールした。

 5位にはシャルル・ミレッシ(YTB by Carlin)が、6位には笹原右京(B-Max Racing with motopark F3)が入った。

 マスタークラスはDRAGON(TEAM DRAGON F3)が優勝。今季9勝目を飾った。

 最終大会の第19,20戦は9月28日、29日に岡山国際サーキットに舞台を移し開催される。

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ決勝結果

2 & 4 RACE -RIJ- (2019/08/18) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2019 Japanese Fomura3 Championship Round 18 ツインリンクもてぎ 4.801379km

PosNoClsDriverCar
Maker Model
EngineLapTotal_Time
Behind
111サッシャ・フェネストラズB-Max Racing with motopark F3
Dallara F314
Volkswagen
Spiess A41
2035'25.095
236宮田 莉朋カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
200.632
312大津 弘樹ThreeBond F318
Dallara F318
ThreeBond
TOMEI TB14F3
2016.694
437小高 一斗カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
2028.554
57シャルル・ミレッシYTB by Carlin
Dallara F317
Volkswagen
Spiess A41
2031.555
650笹原 右京B-Max Racing with motopark F3
Dallara F316
Volkswagen
Spiess A41
2032.167
7*2大湯 都史樹TODA FIGHTEX
Dallara F319
TODA
TR-F301
2032.720
830MDRAGONTEAM DRAGON F3
Dallara F314
Volkswagen
Spiess A41
2047.018
98片山 義章YTB by Carlin
Dallara F315
Volkswagen
Spiess A41
2050.346
105M久保田 克昭Planex・スマカメF3
Dallara F315
TOYOTA
TOM'S TAZ31
201'12.935
11*65エナム・アーメドB-Max Racing with motopark F3
Dallara F312
Volkswagen
Spiess A41
201'13.690
1251アメヤ・ベイディアナサンB-Max Racing with motopark F3
Dallara F315
Volkswagen
Spiess A41
191Lap
---- 以上規定周回数(90% - 18Laps)完走 ----
-35河野 駿佑RS FINE K&N F318
Dallara F318
Mercedes-Benz
HWA 414
155Laps
  • Fastest Lap: CarNo.36 宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317) 1'45.740 (6/20)
  • CarNo.2は、全日本F3選手権統一規則第31条7(反則スタート)により、ドライビングスルーペナルティーを科した。
  • CarNo.65は、全日本F3選手権統一規則第15条1-1違反により、競技結果に40秒を加算した。

Japanese F3

JF3:第18戦決勝富士記者会見 優勝・坪井翔「1コーナーを回って後ろを見たら誰もいませんでした」

優勝 坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
決勝記者会見: 優勝・坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S) 「予選は路面温度が低かったのでレコードが出るかと思っていましたが、赤旗でリズムを崩してしまいました。ポールポジションを取れ、決勝は有利でしたが富士は抜けるので心配していました。1コーナーを回って後ろに宮田選手が着いていると思っていましたが、バックミラーを見たら誰もいませんでした」
2位 阪口晴南(TODA RACING)
決勝記者会見: 2位・阪口晴南(TODA RACING) 「スタートでアクシデントがあって上に上がれました。今年の中では一番いいレースだったと思います。前を走っていた大湯選手とはマシンは同じですが違いもあるので、抜ける自信はありました。戸田の2人で表彰台に立てれば良かったんですが、明日は2人で表彰台に上がって、いい忘年会をしたいですね」
3位 河野駿佑(RS FINE)
決勝記者会見: 3位・河野駿佑(RS FINE) 「チームもぼくも1年目でドライビングもマシンも完璧でなく、予選は9位でした。でもそれが良くてアクシデントに巻き込まれずに、表彰台に立ててうれしいです。決勝のペースは良くて、大湯選手もタイヤが厳しそうだったので抜けると思っていました」
Nクラス優勝 ジェイク・パーソンズ(NODA RACING)
決勝記者会見: Nクラス優勝・ジェイク・パーソンズ(NODA RACING) 「ハッピーです。予選の問題をチームと改善してレースに臨みました。序盤からポジションを維持し前の集団に付いていけるようにしていました。残り3周で燃料系のトラブルがあってピットインしましたが、完走できて良かったです」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第18戦富士決勝 優勝した坪井翔が11連勝、今季16勝目でいずれも単独での連勝・年間最多勝記録を達成

 全日本F3選手権第18戦はFIA WEC第4戦「富士6時間耐久レース」で決勝レースを行い、ポールポジションからスタートした坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が21周・33分5秒828で優勝した。坪井は11連勝、今季16勝目でいずれも単独での連勝・年間最多勝記録を達成した。

21周の決勝レースがスタートした

大湯都史樹と阪口晴南の2位争い

優勝は坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)

決勝2位は阪口晴南(TODA FIGHTEX)

決勝3位は河野駿佑(HubAuto F318)

Nクラス優勝はジェイク・パーソンズ(NODAレーシング)

優勝した坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)

表彰式

 第18戦決勝は午後3時30分に曇り空の下フォーメーションラップが始まった。気温16度、路面温度21度と予選時とほぼ同じコンディションだ。

 ポールスタートの坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)は完璧ではなかったというもののトップで1コーナに向かう。予選2位の宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)は予選3位の片山義章(YTB F318)を従えて1コーナーに侵入するも片山が宮田のリアにヒットして宮田はスピン。片山はフロントタイヤにダメージを負い3周目にピットインして大きく順位を落とす。またこの2人の直後を走っていた笹原右京(THREEBOND)もこの接触を避けようとして金丸悠(B-MAX RACING F3)とヒット。笹原はこの場でリタイアし、ダメージを負った金丸も3周目にピットインして大きく遅れた。

 この間2位に上がってきたのは予選7位の大湯都史樹(TODA FIGHTEX)。3位にはチームメートの阪口晴南(TODA FIGHTEX)が続く。

 トップに立った坪井は後方のアクシデントを尻目に悠々と独走劇を演じる。15周目にはファステストラップを叩き出し21周を走り、終わってみれば2位以下を24秒離してぶっちぎりの優勝を飾った。

 2位でレースを始めた大湯はペースが上がらない。8周目の1コーナーでは阪口にかわされ3位に落ちると、予選9位から4位まで上がっていた河野駿佑(HubAuto F318)と18周目の13コーナーからレクサスコーナーにかけて併走。ついに19周目の1コーナーで河野が大湯をパスして3位に上がった。2位には阪口が入り、河野はうれしいF3初表彰台の3位でゴールした。

 大湯は、スタートミスから5位に上がってきた大草りき(Planexスマカメ・F3)にも背後まで迫られるがなんとかしのぎきり4位でゴール。大草はF3初レースを5位と上々の成績で終えた。

 6位にはスタート直後のスピンから追い上げた宮田が入った。

 Nクラスは1台参加のジェイク・パーソンズ(NODAレーシング)が終盤燃料トラブルでピットインするも19周を走り、総合14位で完走。クラス優勝を飾った。

 優勝した坪井は第8戦から11連勝で単独での連勝記録を達成した。また今季16勝目で単独での年間連勝記録も達成した。

 第18戦決勝は明日14日午前9時10分より15周で行われる。坪井が自身の連勝・年間最多勝を更新するか? またチームトムスのシリーズ完全制覇なるかも注目だ。

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦富士決勝結果

WEC Rd.4 6 HOURS of FUJI -RIJ- (2018/10/13) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2018 Japanese Fomura3 Championship Round 18 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoClsDriverCar
Maker Model
EngineLapTotal_Time
Behind
136坪井 翔カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
2133'05.828
22阪口 晴南TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA
TR-F301
2124.110
335河野 駿佑HubAuto F318
Dallara F318
Mercedes-Benz
414
2130.493
493大湯 都史樹TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA
TR-F301
2132.293
55大草 りきPlanexスマカメ・F3
Dallara F312
TOYOTA
TOM'S TAZ31
2132.397
637宮田 莉朋カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
2135.266
73三浦 愛EXEDY B-Max F317
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
2137.051
828山口 大陸タイロクレーシング28号
Dallara F316
Volkswagen
A41(0XY)
2150.307
930DRAGONTEAM DRAGON F3
Dallara F314
Volkswagen
A41(0XY)
2151.306
1014太田 達也Albirex-RT
Dallara F315
Mercedes-Benz
414
201Lap
118片山 義章 YTB F318
Dallara F318
Mercedes-Benz
414
201Lap
1213吉田 基良B-MAX ENGINEERING F3
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
201Lap
131金丸 悠 B-MAX RACING F3
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
201Lap
1410Nジェイク・パーソンズNODAレーシング
Dallara F312
Volkswagen
A18
192Laps
---- 以上規定周回数(19Laps)完走 ----
-12笹原 右京THREEBOND
Dallara F318
ThreeBond
TOMEI TB14F3
021Laps
  • Fastest Lap: CarNo.36 坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317) 1'34.209 (15/21) 174.4km/h

Japanese F3

JF3:第18,19戦富士公式予選 坪井翔がダブルポール。単独連勝、単独年間最多勝記録に向け好発進

 全日本F3選手権第18,19戦はFIA WEC第4戦「富士6時間耐久レース」の併催レースとして13日、公式予選が行われ坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)両戦ともポールポジションを獲得した。

第18,19戦ともポールポジションの坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317) 第18,19戦とも予選2位の宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317) 第18戦予選3位、第19戦予選4位の片山義章(YTB F318) 第18戦予選4位、第19戦予選3位の笹原右京(THREEBOND) 第18,19戦とも予選8位、初参戦の大草りき(Planexスマカメ・F3) 第18,19戦とも予選13位、初参戦の太田達也(Albirex-RT)

 全日本F3選手権もいよいよ最終大会。久しぶりにWECの併催レースとして富士で行われ、ここで大団円を迎える。午前11時30分より30分間で争われる予選は、ベストタイムで第18戦の、セカンドベストタイムで第19戦のグリッドが決定する。天候は曇り、気温15度、路面温度20度と絶好のコンディションだ。

 予選は開始10分前ころ、各ドライバー、ワンセット目のタイヤでアタックに入ろうかというときに、1コーナーでバックミラーを脱落させた車両がありその回収のために赤旗が提示される。

 赤旗が解除され再びアタックが始まると坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が1分33秒905でトップに立ち、2位にはチームメートの宮田莉朋(同)が続く。

 各車2セット目のタイヤに履き替え、残り10分あたりで再びコースイン。3周ウォームアップを行い4、5周目でアタックに入る予定だった坪井は、残り時間が少ないため2周のウォームアップで3、4周目にアタックを敢行。それでも坪井は1分33秒309、33秒330とコースレコードを上回るタイムを並べ18、19戦両戦でのポールポジションを獲得した。

 2位には両戦とも宮田が入り、18戦の3位には「ようやく一発のタイムの出し方がわかってきた」という今季急成長の片山義章(YTB F318)が飛び込んできた。19戦の3位には笹原右京(THREEBOND)が入った。

 F3初参戦で昨年のスーパーFJ東北、富士シリーズチャンピオンの大草りき(Planexスマカメ・F3)は両戦とも8位と健闘。急遽参戦が決まったやはりF3初参戦の太田達也(Albirex-RT)はマシンに手こずり両戦とも13位と下位に沈んだ。

 両戦ともポールからスタートする坪井は第18戦で勝てば単独でのF3連勝記録の11連勝を達成。どちらかで勝っても単独での年間最多勝利記録の16戦を達成することとなる。

 第18戦決勝は本日13日午後3時30分より21周で、第19戦決勝は明日14日午前9時10分より15周で行われる。坪井の記録更新に注目だ。

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦富士公式予選結果

WEC Rd.4 6 HOURS of FUJI -RIJ- (2018/10/13) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2018 Japanese Fomura3 Championship Round 18 富士スピードウェイ 4.563km

PosNoClsDriverCar
Maker Model
Engine TimeBehindGapkm/h
136坪井 翔カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
R1'33.309--176.047
237宮田 莉朋カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA
TOM'S TAZ31
R1'33.435 0.126 0.126175.810
38片山 義章 YTB F318
Dallara F318
Mercedes-Benz
414
1'33.640 0.331 0.205175.425
412笹原 右京THREEBOND
Dallara F318
ThreeBond
TOMEI TB14F3
1'33.720 0.411 0.080175.275
52阪口 晴南TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA
TR-F301
1'33.728 0.419 0.008175.260
61金丸 悠 B-MAX RACING F3
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
1'33.888 0.579 0.160174.962
793大湯 都史樹TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA
TR-F301
1'34.006 0.697 0.118174.742
85大草 りきPlanexスマカメ・F3
Dallara F312
TOYOTA
TOM'S TAZ31
1'34.310 1.001 0.304174.179
935河野 駿佑HubAuto F318
Dallara F318
Mercedes-Benz
414
1'34.437 1.128 0.127173.945
103三浦 愛EXEDY B-Max F317
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
1'34.724 1.415 0.287173.418
1130DRAGONTEAM DRAGON F3
Dallara F314
Volkswagen
A41(0XY)
1'35.089 1.780 0.365172.752
1228山口 大陸タイロクレーシング28号
Dallara F316
Volkswagen
A41(0XY)
1'35.473 2.164 0.384172.057
1314太田 達也Albirex-RT
Dallara F315
Mercedes-Benz
414
1'36.354 3.045 0.881170.484
1410Nジェイク・パーソンズNODAレーシング
Dallara F312
Volkswagen
A18
1'38.143 4.834 1.789167.376
1513吉田 基良B-MAX ENGINEERING F3
Dallara F312
Volkswagen
A41(0XY)
1'38.519 5.210 0.376166.737
  • 'R'マークは従来のコースレコード(1'33.451)を更新しました。

Japanese F3

JF3:第18戦オートポリス決勝 ポールの#1坪井が6連勝達成も、フルマークならず。Nクラスは#55元嶋が2連勝

全日本F3選手権第18戦の決勝は9月10日、大分県のオートポリスで行われ、#1坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が前日に続いてポール・トゥ・フィニッシュを達成、今季通算8勝目を挙げた。Nクラスもスポット参戦の#55元嶋佑弥(Planexスマカメ・F308)が2連勝を達成している。

f3-rd18-r-start

f3-rd18-r-1

f3-rd18-r-36

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第18戦決勝は午後3時45分より21周で行われた。ポールポジションの坪井がトップに立ち、2番手にはチームメイトの#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)、予選3位の#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)が3番手と、上位陣は予選通りの順位で周回を重ねていく。

このレース、坪井は優勝するだけでなくファステストラップも記録してポールポジションの1ポイントと合わせて12点を獲得し、ポイントリーダー高星との差を少しでも縮めようと懸命にプッシュしていたが、7周目にあろうことかチームメイトの宮田が坪井を上回るラップタイムを記録してしまう。坪井は9周目に宮田のタイムを上回るが、16周目に今度は一番ポイントを取らせたくない相手、高星が1'39.364を叩き出し、ファステストラップを更新してきた。

これを上回ろうと懸命にプッシュした坪井だったが、セクターベストは時折記録するものの1周トータルのタイムアップにはなかなか結びつかない。それでもファイナルラップで自己ベストタイムを更新した坪井だったが、それでも1'39.376と僅かに及ばず、高星がこのレースのファステストラップを記録し、貴重な1ポイントを獲得した。

レースは坪井が優勝。宮田が2位につけ、高星が3位という結果に終わったが、高星がファステストラップを記録したことにより坪井の獲得ポイントは11に留まり、シリーズポイントでは高星142、坪井123とその差は19ポイントとなった。残るレースは最終大会スポーツランドSUGOの2戦のみ。ここで高星が6ポイントを獲得すれば2017年のシリーズチャンピオンが決まる。追う坪井はとにかくフル得点目指してプッシュあるのみだ。

一方、Nクラスは予選トップの元嶋佑弥がそのまま逃げ切って2連勝を達成。上位クラスの#30DRAGON(B-Max Racing F314)を後ろに従えての堂々の勝ちっぷりだ。2位もスポット参戦の#50澤田真治(B-Max Racing F306)が2戦連続での表彰台獲得を達成。#11植田正幸(Rn山下製作所F308)が周回遅れと絡んでコース上にストップしたことで一つ順位を上げた#77大塚隆一郎(DPS.LBJレーシングCMS)が3位と、このクラスは二日連続でスポット参戦組が表彰台を占める結果となった。

f3-rd18-r-winner f3-rd18-r-podium f3-rd18-r-podium-n

次戦スポーツランドSUGOは9月23-24日に行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦オートポリス決勝結果

SUPER 2&4 RACE -RIJ- (2017/09/10) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2017 Japanese Fomura3 Championship Round 18 オートポリス 4.674km

PosNoClsDriverCar
Maker Model
EngineLapTotal_Time
Behind
11坪井 翔カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA TOM'S TAZ312134'57.505
236宮田 莉朋カローラ中京Kuo TOM'S F314
Dallara F314
TOYOTA TOM'S TAZ31213.083
323高星 明誠B-MAX NDDP F3
Dallara F312
Volkswagen A412110.564
412アレックス・パロウTHREEBOND
Dallara F314
ThreeBond TOMEI TB14F32112.783
52大津 弘樹TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA TR-F3012115.781
67阪口 晴南HFDP RACING F316
Dallara F316
TODA TR-F3012120.213
721ブルーノ・カルネイロAlbirexRT-WILSON
Dallara F315
Mercedes-Benz 4142130.771
83三浦 愛EXEDY B-Max F317
Dallara F312
Volkswagen A412142.840
978片山 義章OIRC F315
Dallara F315
Mercedes-Benz 4142154.301
1028山口 大陸タイロクレーシング28号
Dallara F316
Volkswagen A41211'12.819
1155N元嶋 佑弥Planexスマカメ・F308
Dallara F308
TOYOTA TOM'S 3S-GE211'18.601
1230DRAGONB-Max Racing F314
Dallara F314
Volkswagen A41211'21.242
1350N澤田 真治B-Max Racing F306
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE211'22.928
14*33イェ・ホンリーKRC with B-Max F315
Dallara F315
Volkswagen A41211'33.621
15*77N大塚 隆一郎DPS.LBJレーシングCMS
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE201Lap
165Nアレックス・ヤンHuaJiangHU F3
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE201Lap
1713N吉田 基良B-Max Racing F306
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE192Laps
---- 以上規定周回数(90% - 18Laps)完走 ----
-11N植田 正幸Rn山下製作所F308
Dallara F308
TOYOTA TOM'S 3S-GE156Laps
  • Fastest Lap: CarNo.23 高星明誠(B-MAX NDDP F3) 1'39.364 (16/21) 169.341km/h
  • CarNo.33は、国際モータースポーツ競技規則 付則H項 第2章 4.5.1b)違反(黄旗区間の追越し)により、競技結果に対し40秒加算及び、ペナルティポイント1点を科す。
  • CarNo.77は、2017年 全日本フォーミュラ3選手権統一規則 第15条1. 違反により、競技結果に対し40秒加算及び、ペナルティポイント1点を科す。

Japanese F3

JF3:第17-18戦オートポリス予選 Nクラス2位#50澤田真治のコメント

クルマにトラブルが出ましたし、時間の使い方も思いどおりにいかなかったですね。赤旗がタイムにどのくらい影響しているかわかりませんけど。後半もトラブルを抱えながらの走りになりました。
F3には出たいとずっと言っていました。今回GTドライバーの元嶋(佑弥)さんという比較対象もあって、自分のスキルアップやアピールの場になるんじゃないかと思って、参戦させてもらいました。チームとしても元嶋さんが出てくるということで参戦を認めてくださいました。元嶋さんとめちゃくちゃ大きな差があるとは思っていないので、特に一発以外のレースラップは負けてないと思うので、しっかり前に出て走りたいと思います。
今後の参戦については今の所決まってないです。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Japanese F3

JF3:第17-18戦オートポリス予選 Nクラストップ#55元嶋佑弥予選後のコメント

f3-rd17-rd18-q-motojima 気持ちよくアタックはできなかったんですけど、最低限の結果は出せたなと思います。赤旗がアタックラップにかぶってしまい、不完全燃焼でした。1セット目は赤旗でうまくいかず。2セット目は自分のミスでうまくいきませんでした。でもF3で走れて楽しいです。
何年か前にスポットでアジアのフォーミュラマスターズに出ましたけど、本格的なレースは久しぶりです。こんな次元でコーナー走るのは初めてなのでびっくりしました。
去年はGTで来なかったですし、今年はレギュラーじゃないし、S耐はトラブルが出たので意外とオートポリスは走っていないんですよ。おかげさまでいろんなクルマに乗せていただいて。
もっと若い時に乗りたかったですね。この数年自分の中でフォーミュラという選択肢はなくなっていたんですけど、気持ちの中では乗りたいと思っていました。今回こんなチャンスをいただいて、また改めてフォーミュラ乗りたいと思いました。まだ自分の中で「できるな」と思ったんで、またフォーミュラを視野に入れて頑張りたいなと思っています。
今回はオーナーの久保田(克昭)さんが乗らない、と聞いていて、応援してくださる方がいたので乗ることができました。菅生に関しては全然予定がありません。これで来年またフォーミュラのチャンスに繋がれば嬉しいです。また自信がつきました。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

Japanese F3

JF3:第17-18戦オートポリス ポールポジション#1坪井翔、予選後のコメント

f3-rd17-rd18-q-tsuboi 二つ目のアタックでミスしてしまい、まともにアタックできませんでした。もう1周行きましたけど、すでにタイヤが厳しい状態でしたし、赤旗も出てしまいました。でも再開後にそのタイヤでトップタイムが出たので、このタイヤでポールが取れるなら、と思って2本目のタイヤでは普通にアタックできました。赤旗の関係でなぜか18分延長になって、待ってる人がたくさんいたので、とりあえずいつでも出られるように準備だけはして、周りを見ながら走りました。結構バタバタなセッションでした。
F3でオートポリスを走るのは初めてですが、基本的にF3は最初の1コーナーで前に出てしまえば抜かれないと思うので、まずはポールという課題をクリアしたので、あとはしっかり逃げたいです。F4では勝ってるし、ここで勝ってファステストラップも記録したいです。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI

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JF3:第17−18戦オートポリス公式予選 トムス勢が2戦連続でフロントロー独占!Nクラスはスポット参戦の#55元嶋佑弥

全日本F3選手権第17,18戦の公式予選が9月9日、大分県のオートポリスで行われ、#1坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が2戦連続でポールポジションを獲得した。Nクラスも今回スポット参戦が決まった#55元嶋佑弥(Planexスマカメ・F308)が2戦連続でクラストップとなっている。

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全日本F3がこのオートポリスで開催されるのは2010年以来。実に7年ぶりのこととだ。
当然シャシーやエンジンも当時とは全く別物であり、全くデータのない状況で各チーム現地入りしたが、金曜の専有走行では全セッションで坪井がトップタイムを記録、#36宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F314)が総合で2位につけ、トムス勢が頭ひとつ抜け出した格好だ。

そうした中、公式予選は9日朝10時20分より30分間で行われた。今回の予選はベストタイムで土曜日決勝、セカンドベストで日曜日決勝のグリッドを決める方式が採用されたが、各ドライバーが3周めに入り、本格的なアタックが始まった直後にコース後半の上りセクションで#3三浦愛(EXEDY B-Max F317)と#33イェ・ホンリー(KRC with B-Max F315)が絡んでコース上にストップしたために赤旗中断となってしまった。

予選は10時37分に一旦再開されたが、今度は14コーナーで#13吉田基良(B-Max Racing F306)が立ち往生してしまい、すぐに2回めの赤旗が出てしまった。

これによりタイヤの一番状態のいいところでアタックできないという、ドライバーにすれば実にフラストレーションのたまる状況になったわけだが、それでも坪井は10時47分に走行が再開されると1'37.422を叩き出し、2セットめを投入した終盤のアタックでも1'37.925を記録して2戦連続ポールを獲得、2番手も2戦連続で宮田がつけ、トムスが2戦連続でフロントローを独占するという結果になった。3番手は第17戦が#12アレックス・パロウ(THREEBOND)、第18戦はポイントリーダーの#23高星明誠(B-MAX NDDP F3)という結果になった。

Nクラスは今大会のみのスポットながら久保田克昭に変わって#55Planexスマカメ・F308
をドライブすることになった元嶋が不完全燃焼と言いつつ2戦連続でクラストップタイムを記録、2番手もまた今季NクラスチャンピオンのDRAGONが今回からダラーラF314にスイッチしたのを受け、それまで乗っていたダラーラF306をドライブすることになった#50澤田真治(B-Max Racing F306)が2戦連続で2番手という結果になった。澤田も予選開始当初からトラブルを抱えての走行を強いられていたとのことで、決勝での巻き返しに期待のかかるところだ。

第17戦決勝は今日午後4時20分から15周で、第18戦決勝は明日午後3時45分より21周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦オートポリス公式予選結果

SUPER 2&4 RACE -RIJ- (2017/09/09) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2017 Japanese Fomura3 Championship Round 18 オートポリス 4.674km

PosNoClsDriverCar
Maker Model
Engine TimeBehindkm/h
11坪井 翔カローラ中京Kuo TOM'S F317
Dallara F317
TOYOTA TOM'S TAZ31R1'37.925-171.829
236宮田 莉朋カローラ中京Kuo TOM'S F314
Dallara F314
TOYOTA TOM'S TAZ31R1'38.224 0.299171.306
323高星 明誠B-MAX NDDP F3
Dallara F312
Volkswagen A41R1'38.699 0.774170.482
412アレックス・パロウTHREEBOND
Dallara F314
ThreeBond TOMEI TB14F3R1'38.725 0.800170.437
52大津 弘樹TODA FIGHTEX
Dallara F316
TODA TR-F301R1'38.874 0.949170.180
67阪口 晴南HFDP RACING F316
Dallara F316
TODA TR-F301R1'39.004 1.079169.957
721ブルーノ・カルネイロAlbirexRT-WILSON
Dallara F315
Mercedes-Benz 4141'40.113 2.188168.074
83三浦 愛EXEDY B-Max F317
Dallara F312
Volkswagen A411'40.382 2.457167.624
978片山 義章OIRC F315
Dallara F315
Mercedes-Benz 4141'40.657 2.732167.166
1028山口 大陸タイロクレーシング28号
Dallara F316
Volkswagen A411'40.955 3.030166.672
1155N元嶋 佑弥Planexスマカメ・F308
Dallara F308
TOYOTA TOM'S 3S-GE1'41.438 3.513165.879
1230DRAGONB-Max Racing F314
Dallara F314
Volkswagen A411'42.131 4.206164.753
1350N澤田 真治B-Max Racing F306
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE1'42.232 4.307164.590
1411N植田 正幸Rn山下製作所F308
Dallara F308
TOYOTA TOM'S 3S-GE1'43.491 5.566162.588
1577N大塚 隆一郎DPS.LBJレーシングCMS
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE1'44.144 6.219161.569
165Nアレックス・ヤンHuaJiangHU F3
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE1'44.801 6.876160.556
---- 以上基準タイム(110% - 1'48.110)予選通過 ----
-13N吉田 基良B-Max Racing F306
Dallara F306
TOYOTA TOM'S 3S-GE13'48.41812'10.49320.311
-33イェ・ホンリーKRC with B-Max F315
Dallara F315
Volkswagen A41no time--
  • 'R'マークは従来のコースレコード(1'39.013)を更新しました。

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JF3:第18戦SUGO決勝記者会見

全日本選手権クラス
優勝 カルロ・ヴァン・ダム(PETRONAS TOM'S)
f3_r18_r_pc_van-dam  「チャンピオンとしての証明をしたかったので、予選から強さを見せることができ、決勝でも2つ勝ててハッピーです。今日はオーバーステアでトラクションもかからず、黄旗が出たりで、後ろのクルマに接近されて引き離せなかったので、楽なレースではありませんでした」
決勝2位 国本京佑(TDP TOM'S)
f3_r18_r_pc_kunimoto  「最終戦は有終の美で飾りたかったんですが、2位で悔しいです。でもチームメート3人で戦えたのは、チームの人たちが毎日工場で一生懸命働いてくれた成果だと思います。ヴァン・ダム選手にセクター2で近づけて何度かチャンスはあったんですが、抜ききれませんでした」
決勝3位 井口卓人(TDP TOM'S)
f3_r18_r_pc_iguchi  「スタートでミスして国本選手に抜かれてしまい、3位になってしまいました。国本選手の近くまでは行けたのですが、抜くのは難しかったです。ドライバーズ選手権で3位になってマカオに行けないのは残念ですが、1年間一生懸命やってきた結果なので悔いもないし、今日は楽しいレースができたので良かったです」
ナショナルクラス
優勝 安岡秀徒(ルボーセ)
f3_r18_r_pc_yasuoka  「スタートでは、松下君に抜かれて5位に落ちて、そこから1周目2周目は追突しないように慎重に行きました。前が見えるようになってプッシュしたら、ペースが速かったのでトップに立ちたいなと思って走っていました。ロガーにタイムが出ていなかったので、自分のタイムが分からなくて、ずっとプッシュして走っていました。ぶっつけ本番のウェットでしたが、ロベルトのデータを見て走りました」
決勝2位 松下昌揮(AIM)
f3_r18_r_pc_matsushita  「今日はスタートがうまくいって1台パスして、その後1コーナーでザヒールをパスしましたが、山内選手のペースが遅くてアレックスもぼくも引っかかっていました。早くパスしたかったんですが、トラックコンディションが難しかったのでかわすことができませんでした。最後は安岡選手とぼくのハナシマエンジンでワンツーが取れたのでうれしいです。安岡選手のペースが速いのは分かっていたので、最後まで何があるかわからないし、抜かれても、付いていけば混戦になると思っていました」
決勝3位 アレクサンドラ・インペラトーリ(PTRS)
f3_r18_r_pc_imperatori  「コンディションがウェットでトリッキーななかでスタートで3位から2位に上がりました。山内選手に追いつこうと必死になってんですが、コースのコンディションは場所によって違うし、時間によっても違うし、ドライだったり雨がまた降り出したり、ドライな部分ではもう少しスピードを上げられたんですが、それ以外ではスピードが落ちたり、難しい状況でした。後半は順位が上がって3位になれたのは満足しています」

まとめ & Photo: Yoshinori OHNISHI

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JF3:第18戦SUGO決勝 カルロ・ヴァン・ダムが今季9勝目。ルボーセ勢大活躍!

 全日本F3選手権第18戦(最終戦)は21日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、25周を走って、カルロ・ヴァン・ダム(トムス)が今季9勝目を上げた。

 早朝から降り続いた雨も午後になると少し小ぶりになってきた。予報では天候は回復傾向にあるようだが、気温も20度前後と低く、路面は依然としてフルウェット状態だ。12時45分、スターティンググリッドへのフォーメーションラップが始まる。予選不通過となった桜井基樹も出走を許され、全16台がスターティンググリッドに着き、25周で争われる今シーズン最後のスタートが切られた。

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 ポールシッターのカルロ・ヴァン・ダム(トムス)がすばらしいスタートでトップで1コーナーへ。予選2位の井口卓人(同)は、同3位の国本京祐(同)に並ばれ1コーナーで国本の先行を許し3位に落ちた。4位には予選順位のままケイ・コッツォリーノ(ナウ)が、5位も予選順位のままで安田信裕(スリーボンド)と続く。

 5周目、トップはヴァン・ダムだが、国本が0.7秒差で背後に迫ってきた。3位井口と4位コッツォリーノの間隔は互いに1秒5ほど。今シーズン雨のレースで2勝を飾っている安田はさらに5秒以上離され、背後から迫る山本尚貴(リアル)を抑えるのに防戦一方の状態だ。

 ナショナルクラスでは、ポールポジションの山内英輝(トムス)がトップでレースを始めるが、昨日第17戦決勝で2位以下を20秒近くを離した勢いはなく、背後にはアレキサンドラ・インペラトーリ(PTRS)が迫る。その後ろ、松下昌揮(AIM)、安岡秀徒(ルボーセ)まで4台が僅差で1列縦隊。

 10周目、2位を走る国本と3位の井口の差が詰まってきた。どちらか上位で入賞した方がドライバーズ選手権2位を獲得できるとあってこの2人の争いも熾烈だ。

 13周目、トップを走るヴァン・ダムのペースが上がらない。2位の国本、3位の井口、4位のコッツォリーノまで2秒以内での争いになってきた。

 17周目、山本と中山友貴(リアル)をパスした嵯峨宏紀(ルボーセ)が安田に迫る。またチームメートの安岡もインペラトーリ、松下をパスしてクラストップの山内の背後に着いた。

 そして19周目、山内が最終コーナーでスピン。安岡がクラストップに立った。

 22周目、ここまで健闘していた4位を走るコッツォリーノのエンジンから煙が。コッツォリーノはコースサイドにクルマを止め、ここでリタイアとなった。

 最終ラップ、接近戦を演じていた上位3台のトムス勢だが結局、互いに決め手がなくこのままの順位でゴール。優勝はヴァン・ダム、2位国本、3位井口。4位に終盤、安田をパスした嵯峨が入った。嵯峨はなんと最終ラップにこのレースのファステストラップも記録している。

 この結果、ヴァン・ダムは今季9勝目を上げ、全戦表彰台という偉業を達成した。また、ドライバーズ選手権2位は国本のものとなった。

 ナショナルクラスは、安岡がうれしい今季2初優勝。2位に松下、3位はインペラトーリとなった。

Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Motorsports Forum

Japanese F3

JF3:第18戦SUGO決勝結果

全日本F3 -RIJ- (2008/09/21) Race Results Weather:Rainy Course:Wet
All Japan F3 Championship Round 18 スポーツランドSUGO 3.704256 km

PNoClsDriverCarChassisEngineLapTime/
Behind
11Cカルロ・ヴァン・ダムPETRONAS TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FE2537'35.245
236C国本 京佑TDP TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FE250.543
337C井口 卓人TDP TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FE251.207
462C嵯峨 宏紀DENSO・ルボーセF308DALLARA F3081AZ-FE2526.062
512C安田 裕信ThreeBondDALLARA F308SR20V2530.512
68C中山 友貴Honda Team RealDALLARA F308MF204C2531.397
77C山本 尚貴Honda Team RealDALLARA F308MF204C2533.860
82C中嶋 大祐Honda・戸田 FIGHTEXDALLARA F308MF-204C2552.937
963N安岡 秀徒ピンクリボン・ルボーセF305DALLARA F3053S-GE251'22.468
1018N松下 昌揮EBBRO AIM 307DALLARA F305/3073S-GE251'30.078
1120Nアレキサンドラ・インベラトーリPTRS F307DALLARA F3073S-GE251'30.963
1219Nザヒール・アリPTRS F307DALLARA F3073S-GE241 Lap 
1374N桜井 基樹エクシード F306DALLARA F3063S-GE232 Laps
1438N山内 英輝TDP SPIRIT F307DALLARA F3063S-GE223 Laps
-------- 以上規定周回数 ( 22 Laps ) 完走 --------
-33Cケイ・コッツォリーノ広島トヨタ・ダラーラF308DALLARA F3081AZ-FE214 Laps
-5N久保田 克昭プラネックスF306DALLARA F3063S-GE196 Laps
  • Fastest Lap: CarNo.62 嵯峨宏紀(DENSO・ルボーセF308) 1'28.835 (25/25) 150.113km/h

Japanese F3

JF3:第17戦,18戦SUGO公式予選 またもカルロ・ヴァン・ダムが連続ポール!

 全日本F3選手権第17戦、第18戦はスポーツランドSUGOで公式予選を行い、カルロ・ヴァン・ダム(トムス)が連続ポールポジションを獲得した。

 F3の公式予選は、予定より15分遅れの11時45分より30分間で始まった。少し薄日が差してきたが、相変わらず過ごしやすい気候である。

 開始早々から各ドライバーが精力的にタイムアタックを開始。カルロ・ヴァン・ダム(トムス)、井口卓人(同)、国本京祐(同)の3名が予選をリード。国本が1分15秒890でまずはトップに立つが、すでにドライバーズチャンピオンを決めているヴァン・ダムが1分14秒905、14秒753、14秒733と立て続けにタイムを更新。国本を逆転してトップに君臨する。2位に国本が、3位には井口が着ける。

 予選中盤、コースアウトしたマシンの回収のため赤旗が8分間にわたり掲示される。しかし、予選時間の延長は行われず、ナショナルクラスの予選はこの時点で終了。残り6分で全日本選手権クラスのアタックが始まった。

f3_r17_q_van-dam  ここでもヴァン・ダムは盤石。さらにタイムを更新し、1分14秒483で第18戦のポールポジションを確定。セカンドタイムでもトップに立ち第17戦でのポールも決めた。

 第17、18両戦とも予選2位は井口、3位は国本といつものトムス勢。4位はケイ・コッツォリーノ(ナウ)、5位は安田信裕(スリーボンド)も両戦ともこの順位となった。

 ナショナルクラスは、こちらもすでにドライバーズチャンピオンを決めている山内英輝(トムス)が2位以下を0.5秒ほどちぎってクラスポールを決めている。

 第17戦決勝は本日16時5分より18周で、第18戦決勝は明日21日12時45分より25周で行われる。

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Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Motorsports Forum

 

Japanese F3

JF3:第18戦SUGO公式予選結果

全日本F3 -RIJ- (2008/09/20) Qualifying-Session: Weather:Cloudy Course:Dry
2008 All Japan F3 Championship Round 18 スポーツランドSUGO 3.704256 km

PNoClsDriverCarChassisEngineTimeDelayGapkm/h
11Cカルロ・ヴァン・ダムPETRONAS TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FER1'14.483--179.04
237C井口 卓人TDP TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FER1'14.5680.0850.085178.83
336C国本 京佑TDP TOM'S F308DALLARA F3081AZ-FER1'14.6780.1950.110178.57
433Cケイ・コッツォリーノ広島トヨタ・ダラーラF308DALLARA F3081AZ-FER1'15.0240.5410.346177.75
512C安田 裕信ThreeBondDALLARA F308SR20VR1'15.1190.6360.095177.52
67C山本 尚貴Honda Team RealDALLARA F308MF204CR1'15.7871.3040.668175.96
78C中山 友貴Honda Team RealDALLARA F308MF204CR1'15.8241.3410.037175.87
862C嵯峨 宏紀DENSO・ルボーセF308DALLARA F3081AZ-FE1'16.3601.8770.536174.64
92C中嶋 大祐Honda・戸田 FIGHTEXDALLARA F308MF-204C1'16.4201.9370.060174.50
1038N山内 英輝TDP SPIRIT F307DALLARA F3063S-GE1'16.5092.0260.089174.30
1119Nザヒール・アリPTRS F307DALLARA F3073S-GE1'17.0362.5530.527173.11
1220Nアレキサンドラ・インベラトーリPTRS F307DALLARA F3073S-GE1'17.1102.6270.074172.94
1363N安岡 秀徒ピンクリボン・ルボーセF305DALLARA F3053S-GE1'17.5833.1000.473171.88
1418N松下 昌揮EBBRO AIM 307DALLARA F305/3073S-GE1'17.8603.3770.277171.27
155N久保田 克昭プラネックスF306DALLARA F3063S-GE1'19.5055.0221.645167.73
以上予選通過 基準タイム ( 110% ) 1'22.0347.5502.529162.56
1674N桜井 基樹エクシード F306DALLARA F3063S-GE1'22.0397.5560.005162.55
  • 従来のコースレコードは、1'16.257。'R'マークはコースレコードを更新した。

Japanese F3

JF3:第18戦仙台決勝結果

Kosuke Honda Memorial HI-LAND F3 CHAMPIONSHIP RACE -RIJ- (2007/10/07) Race Results Weather:Cloudy Course:Dry
All Japan F3 Championship Round 18 仙台ハイランドレースウェイ 4.063 km

PNoDriverCarChassisEngineLapTime/
Behind
137石浦 宏明TDP TOM'S F307DALLARA F3073S-GE2439'33.020
21オリバー・ジャービスDHG TOM'S F307DALLARA F3061AZ-FE244.243
33ロベルト・ストレイトINGING F306DALLARA F3063S-GE249.665
410塚越 広大Honda Real F307DALLARA F307MF204C2410.420
533関口 雄飛広島トヨタ・ダラーラF305DALLARA F3053S-GE2424.603
614安田 裕信ThreeBondDALLARA F306SR20VE2430.575
711伊沢 拓也Honda Real F307DALLARA F307MF204C2454.253
862嵯峨 宏紀DENSO・ルボーセF306DALLARA F3063S-GE241'15.234
916石川 資章Mainte・ShiOnFmuDALLARA F3063S-GE231 Lap 
-------- 以上規定周回数 ( 21 Laps ) 完走 --------
-2中山 友貴Honda・戸田 FIGHTEXDALLARA F307MF204C204 Laps
-36大嶋 和也TDP TOM'S F307DALLARA F3061AZ-FE123 Laps
  • Fastest Lap: CarNo.37 石浦宏明(TDP TOM'S F307) 1'38.080 (4/24) 149.131km/h

Japanese F3

JF3:第18戦仙台公式予選結果

Kosuke Honda Memorial HI-LAND F3 CHAMPIONSHIP RACE -RIJ- (2007/10/06) Qualifying-Session: Weather:Fine Course:Dry
2007 All Japan F3 Championship Round 18 仙台ハイランドレースウェイ 4.063 km

PNoDriverCarChassisEngineTimeDelayGapkm/h
1*37石浦 宏明TDP TOM'S F307DALLARA F3073S-GE1'37.428--150.13
2*3ロベルト・ストレイトINGING F306DALLARA F3063S-GE1'37.6510.2230.223149.79
31オリバー・ジャービスDHG TOM'S F307DALLARA F3061AZ-FE1'37.6670.2390.016149.76
410塚越 広大Honda Real F307DALLARA F307MF204C1'37.9650.5370.298149.31
5*36大嶋 和也TDP TOM'S F307DALLARA F3061AZ-FE1'38.0410.6130.076149.19
6*33関口 雄飛広島トヨタ・ダラーラF305DALLARA F3053S-GE1'38.2690.8410.228148.84
711伊沢 拓也Honda Real F307DALLARA F307MF204C1'38.5811.1530.312148.37
8*14安田 裕信ThreeBondDALLARA F306SR20VE1'39.1461.7180.565147.53
92中山 友貴Honda・戸田 FIGHTEXDALLARA F307MF204C1'39.1461.7180.000147.53
1062嵯峨 宏紀DENSO・ルボーセF306DALLARA F3063S-GE1'39.8532.4250.707146.48
1116石川 資章Mainte・ShiOnFmuDALLARA F3063S-GE1'44.3276.8994.474140.20
以上予選通過 基準タイム ( 110% ) 1'47.3409.9123.013136.27
  • CarNo.37,3,33,14の、黄旗掲示から撤去に至るまで(11:55.03~11:55.20)に当該区間を走行した周回のタイムは、公式予選結果として採用されない。
  • CarNo.37,36,33,14の、黄旗掲示から撤去に至るまで(12:05.42~12:08.10)に当該区間を走行した周回のタイムは、公式予選結果として採用されない。

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ 決勝暫定結果(改訂版)

天候:晴れ コース:ドライ

Pos. No. Driver Team Car Engine Lap Total/Delay Gap
1 14 マルコ・アスマー ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 20 - -
2 62 嵯峨 宏紀 DENSO・ルボーセF306 DALLARA F306 3S-GE 20 23.578 23.578
3 4 ロベルト・ストレイト INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 20 23.739 0.161
4 3 ジョニー・リード INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 20 25.430 1.691
5 2 伊沢 拓也 Honda・戸田FIGHTEX DOME F107 MF204C 20 25.938 0.508
6 33 石浦 宏明 広島トヨタDALLARAF305 DALLARA F305 3S-GE 20 26.790 0.852
7 75 池田 大祐 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 20 32.203 5.413
8 74 岡田 暁 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 20 40.588 8.385
9 50 磯崎 元彦 GOLDON ZAP F305 DALLARA F305 3S-GE 20 49.544 8.956
10 37 松村 浩之 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 20 1'00.840 11.296
11 10 塚越 広大 Honda 無限 F107 DOME F107 MF204C 19 1Lap 1Lap
12 - 以上完走 - - - - - 11.296
- 12 ファビオ・カルボーン ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 2 18Laps 17Laps
- *1 エイドリアン・スーティル DHG TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 0 失格 -
- *36 大嶋 和也 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 0 失格 0.000

Best Time : No.14 マルコ・アスマー 1'47.482 18/20 160.82km/h
規定周回数:18

Penalty
No.1,36は車両規定違反により、失格とした

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ決勝 トムスの2台に失格裁定!

スーティルノポール・トゥ・ウィンで幕を閉じた全日本F3選手権第18戦の決勝だったが、レース終了後に行われた再車検で、優勝した#1エイドリアン・スーテルと3位の#36大嶋和也の車両が規定違反とされ、両者は失格となった。

まず、決勝レース終了後にホンダレーシング・無限よりNo.1の車両が技術規則違反ではないかとの抗議があり、競技会審査委員会が審議を行うこととなった。
再車検を実施した結果、トムスの2台、No.1とNo.36のブレーキダクト形状が規定に合致していないとの裁定が下され、両者は失格。
これにより2位の#14マルコ・アスマーが1位、4位の嵯峨宏紀が2位、5位のロベルト・ストレイトが3位に繰り上がることとなった。

トムスは裁定後直ちに抗議を行い、JAF控訴となったため、正式結果はJAFの裁定待ちとなった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ 決勝上位3人のコメント

エイドリアン・スーティル(優勝)
061022_f3win 今年最後のレースをポールからスタートして勝つことができて嬉しいです。
後ろとのギャップも広げることができましたし、僕のレース人生におけるベストレースになったと思います。
昨日もいいクルマだったので勝つ自信があったのですが、スタートでミスをしてしまい、残念な結果になり、フラストレーションも溜まっていましたが、今日はクルマも完璧でポール・トゥ・ウィンもでき、特別嬉しいです。
来年については、70%の確率でF1にいけるのではないかと思います。まだ何も決定していないのでGP2も考えていますが、一番の目標はF1です。
今年乗ったチームからは評価してもらえて、「もう一年走って欲しい」と言われています。ですのでスパイカーに乗る可能性が高いですが、まだ決定ではないので他のいくつかのチームとも話をしています。

マルコ・アスマー(2位)
061022_f32nd まずはエイドリアンがチャンピオンを獲ったことと、オオシマがランキング2位になったことに「おめでとう」と言いたいです。
今日のレースは、状況を考えれば悪くない結果だったと思います。
できればファビオと2-3フィニッシュをしたかったのですが、エンジントラブルがおきて残念です。
昨日のクラッシュから懸命にクルマを修復してくれたエンジニアには感謝しています。今日はエイドリアンが速くて、レース後半は一人ぼっちで走ることになってしまいましたが、クルマはいい状態でした。ただ、まだブレーキングに関しては課題が残っているようです。
来年はF1の可能性はまずないと思うので、GP2のチームと話をしていますが、もしかしたらまた日本で走ることになるかもしれません。

大嶋和也(3位)
061022_f33rd 昨日あんなレースをやっちゃったので、今日は確実にポイントを獲るレースを心がけて走りました。
スタートで嵯峨選手に前に出られてしまいましたが、そのあとはいい走りができていました。それでもスーティル選手のペースにはついていけなかったので、自分の足りないところは来年に向けて練習していきたいです。
今日の状態では3位はベストの結果だったと思います。
来年の希望はユーロF3ですが、もし駄目ならもう一年全日本F3をやります。

まとめ:Kazuhisa SUEHIRO

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ決勝 スーティルがパーフェクトウィン

全日本F3選手権第18戦の決勝は、昨日タイトルを決めたエイドリアン・スーティルが磐石の走りで20周を走りきり、シーズンを優勝で締めくくった。

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フォーミュラニッポンのフリー走行で赤旗中断があった影響で、18戦の決勝は予定より15分遅れの10時50分からフォーメーションラップがスタートした。

ポールのスーティルがトップで1コーナーに飛び込むと、2番手にはアスマーがつけ、スタートで出遅れた塚越は3番手で1コーナーを立ち上がった。

しかし塚越はオープニングラップの3コーナーでインをついてきたカルボーンと接触、スピンアウトして最後尾に後退してしまった。
これで3位に繰り上がったカルボーンだったが、2周目の最終コーナーを立ち上がったところでいきなりエンジンがブロー、戦列を去ることとなった。

トップのスーティル、2位のアスマーが後続をぐんぐん突き放していく中、3位以下は激しいバトルが繰り広げられた。

懸命に抵抗する#62嵯峨宏紀を#36大嶋和也が攻略して3位に上がると、その後方からは#3ジョニー・リード、#2伊沢拓也、そして最後尾スタートから次々と前車をパスして順位を上げてきた#4ロベルト・ストレイトらが追いついてくる。

ストレイトは9周目にリードを抜き去って5位に上がると、すぐに嵯峨の後方に張り付く。
伊沢もストレイトに続いてリードを攻略しようとするが、ここはリードも引かない。

嵯峨とストレイト、リードと伊沢のテール・トゥ・ノーズの戦いは10周目から延々とファイナルラップまで続いた
執拗に攻め立てるストレイトを嵯峨は最後まで押さえきり、自己ベストリザルトの4位で最終戦を終えた。

結局スーティルは最終戦をポールポジション、ファステストラップ、優勝と満点の内容で終え、初めてのマカオに臨むこととなった。
2位にアスマー、3位は大嶋和也だった。

Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

Japanese F3

JF3:第18戦もてぎ 決勝結果

天候:晴れ コース:ドライ

Pos. No. Driver Team Car Engine Lap Total/Delay Gap
1 1 エイドリアン・スーティル DHG TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 20 35'52.451 -
2 14 マルコ・アスマー ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 20 9.846 9.846
3 36 大嶋 和也 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 20 18.443 8.597
4 62 嵯峨 宏紀 DENSO・ルボーセF306 DALLARA F306 3S-GE 20 33.424 14.981
5 4 ロベルト・ストレイト INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 20 33.585 0.161
6 3 ジョニー・リード INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 20 35.276 26.890
7 2 伊沢 拓也 Honda・戸田FIGHTEX DOME F107 MF204C 20 35.784 6.638
8 33 石浦 宏明 広島トヨタDALLARAF305 DALLARA F305 3S-GE 20 36.636 0.852
9 75 池田 大祐 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 20 42.029 19.562
10 74 岡田 暁 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 20 50.434 16.681
11 50 磯崎 元彦 GOLDON ZAP F305 DALLARA F305 3S-GE 20 59.390 17.681
12 37 松村 浩之 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 20 1'10.686 11.296
13 10 塚越 広大 Honda 無限 F107 DOME F107 MF204C 19 1Lap 1Lap
- - 以上完走 - - - - - -
- 12 ファビオ・カルボーン ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 2 18Laps 17Laps

Best Time : No.1 エイドリアン・スーティル 1'46.666 17/20 162.05km/h
規定周回数:18

Japanese F3

全日本F3第18戦もてぎ 公式予選結果(訂正版)

予選2回目

Pos. No. ドライバー エントラント シャシー エンジン Time Delay Gap
1 1 エイドリアン・スーティル DHG TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 45.736 - -
2 10 塚越 広大 Honda 無限 F107 DOME F107 MF204C 1' 45.888 -0.152 -0.152
3 12 ファビオ・カルボーン ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 1' 46.157 -0.421 -0.269
4 14 マルコ・アスマー ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 1' 46.328 -0.592 -0.171
5 36 大嶋 和也 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 46.496 -0.760 -0.168
6 62 嵯峨 宏紀 DENSO・ルボーセF306 DALLARA F306 3S-GE 1' 46.525 -0.789 -0.029
7 33 石浦 宏明 広島トヨタDALLARAF305 DALLARA F305 3S-GE 1' 46.526 -0.790 -0.001
8 2 伊沢 拓也 Honda・戸田FIGHTEX DOME F107 MF204C 1' 46.653 -0.917 -0.127
9 3 ジョニー・リード INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 46.773 -1.037 -0.120
10 75 池田 大祐 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 47.066 -1.330 -0.293
11 37 松村 浩之 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 47.745 -2.009 -0.679
12 74 岡田 暁 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 47.780 -2.044 -0.035
13 50 磯崎 元彦 GOLDON ZAP F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 48.232 -2.496 -0.452
以上 予選通過車両
14 4 ロベルト・ストレイト INGING F306 DALLARA F306 3S-GE   計測できず

予選通過基準タイム(110%) 1'56.310

【訂正理由】
2006全日本選手権レース ブルテンNo.002-2006により黄旗提示中のタイムを不採用とし、Car No.2のベストタイムを訂正した。

Japanese F3

全日本F3第17、18戦もてぎ公式予選 石浦が初ポール獲得!

全日本F3選手権第17、18戦の公式予選が10月21日ツインリンクもてぎで行われ、第17戦は#33石浦宏明(広島トヨタ ダラーラF305)、第18戦は#1エイドリアン・スーティル(DHGトムスF305)がそれぞれポールポジションを獲得した。

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2006シーズンの全日本F3もこれが最終ラウンドを迎えた。
ここまでのポイントリーダーは212ポイントを獲得しているエイドリアン・スーティル。
ルーキーの大嶋和也が185ポイントで2位につけている。
両者の差は27ポイントと決して少なくはないが、まだ逆転の可能性がなくなったわけではない。
しかし17戦2位、18戦ポールと好タイムを連発したスーティルに対して、大嶋は第17戦7位、第18戦5位とタイムが伸びず、決勝でも苦しい戦いを強いられそうだ。

今季4回のポールを獲得して速さを見せ付けているもう一人のルーキー、塚越広大は第17戦3位、第18戦は2位と好調。あとはスタートをうまく決めて決勝で結果を出すだけだ。

こうしたいつもの上位陣に割って入ったのが石浦だ。
石浦は第17戦最後のアタックで1分46秒421を叩き出し、自身初のポールポジションをこの最終ラウンドで遂にもぎ取った。
続く18戦では46秒526で8番手に留まったが、ここでいい結果を出して来季につなげたいところだ。

全日本F3第17戦の決勝は今日午後1時30分より17周で、
第18戦は明日午前10時35分より20周で戦われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO Photo:Keiichiro TAKESHITA

Japanese F3

全日本F3第18戦もてぎ 公式予選結果

天候:晴れ コース:ドライ

Pos. No. ドライバー エントラント シャシー エンジン Time Delay Gap
1 1 エイドリアン・スーティル DHG TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 45.736 - -
2 10 塚越 広大 Honda 無限 F107 DOME F107 MF204C 1' 45.888 0.811 0.811
3 12 ファビオ・カルボーン ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 1' 46.157 1.106 0.295
4 14 マルコ・アスマー ThreeBond DALLARA F305 SR20VE 1' 46.328 0.828 0.247
5 2 伊沢 拓也 Honda・戸田FIGHTEX DOME F107 MF204C 1' 46.369 1.541 0.188
6 36 大嶋 和也 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 46.496 0.672 0.287
7 62 嵯峨 宏紀 DENSO・ルボーセF306 DALLARA F306 3S-GE 1' 46.525 0.845 0.187
8 33 石浦 宏明 広島トヨタDALLARAF305 DALLARA F305 3S-GE 1' 46.526 2.137 0.122
9 3 ジョニー・リード INGING F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 46.773 2.174 0.037
10 75 池田 大祐 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 47.066 2.780 0.606
11 37 松村 浩之 TDP TOM'S F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 47.745 2.893 0.113
12 74 岡田 暁 EMS F306 DALLARA F306 3S-GE 1' 47.780 3.028 0.135
13 50 磯崎 元彦 GOLDON ZAP F305 DALLARA F305 3S-GE 1' 48.232 5.104 2.076
以上 予選通過車両
14 4 ロベルト・ストレイト INGING F306 DALLARA F306 3S-GE   出走せず

予選通過基準タイム(110%) 1'56.520

Japanese F3

F3第17戦,18戦MINE トヨタモータースポーツニュース


平成17年9月12日
トヨタ自動車(株)広報部

全日本F3選手権
第17/18戦 MINE

全日本F3第9大会 J.P.デ・オリベイラがチャンピオン獲得!
第17戦では、波乱のレースでJ.リードが初優勝。
第18戦は3冠確定のトムスが1-2フィニッシュ

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第17戦、チームの地元MINEでJ.リード(左)が初優勝。
3位に入ったJ.P.デ・オリベイラ(右)はチャンピオンを確定した

 2005年の全日本F3選手権の第9大会(第17戦、第18戦)「MINE F3レース」が9月10日(土)~11日(日)に山口県のMINEサーキットで開催された。今季2度目となるMINE大会には、シリーズエントリーの14台に2台を加えた16台が出場、トヨタ・トムス3S‐GE型エンジン搭載車はこのうち10台を占めた。
 シリーズも終盤を迎えてチャンピオン争いはJ.P.デ・オリベイラ(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)と中嶋一貴(トムス/トヨタ・トムス3S‐GE)の2人に絞られ、9日(金)に行われた練習走行ではJ.P.デ・オリベイラがトップ、中嶋一貴が2番手タイムにつけた。

◆予選◆

 30日(土)は朝から断続的に小雨が落ちる不順な天候。午前10時15分から15分間づつ行われた公式予選は序盤にごく少量の雨が落ちたもののその後は曇天となり、実質ドライ路面で行われた。
 第17戦のセッションでは、激しいタイムアタック合戦が展開され、終了間際にただ一人1分22秒台に入ったJ.P.デ・オリベイラがポールポジション、中嶋一貴が2番手、R.ストレイト(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が3番手で続き、トヨタ・トムス3S‐GEエンジンが上位3番手までを独占した。
 10分間のインターバルをおいて実施された第18戦のセッションは、路面状況の向上により序盤からめまぐるしく順位の入れ替わる展開。その中でJ.リード(INGING/トヨタ・トムス3S‐GE)が6周目にトップに立つと、その後はコースアウト車両による黄旗提示状態が続きタイム短縮は果たせず、J.リードがポールポジション。J.P.デ・オリベイラが3番手、中嶋一貴が4番手、R.ストレイトが5番手グリッドをそれぞれ獲得した。

◆第17戦決勝◆

 第17戦の決勝レースは午後2時50分より今にも雨の降り出しそうな曇天の下、20周で行われた。
 スタートでは、ポールポジションのJ.P.デ・オリベイラがホイールスピンで遅れ、2番手の中嶋一貴がトップで1コーナーへ。3番手に後退したJ.P.デ・オリベイラまでを含む上位3台は、じわじわと後続を引き離しながら周回を重ねるが、間もなく雨が降り出し、路面はハーフウエット状態へ。そんな状況で迎えた6周目、1コーナーで中嶋一貴は痛恨のスピンを喫し、コースオフ。2番手の武藤英紀(M-TEC MF204C)、J.P.デ・オリベイラも続いてコースアウトしたが、自力でコースに復帰し、この間隙にJ.リードが首位に立った。
 周回遅れとなった中嶋一貴は雨が強くなるとのチームの判断からピットに戻り、レインタイヤに履き替えて追撃を開始したが、グラベルで拾ったと思われる石が原因でエンジンがストップ。11周で無念のリタイアとなり、この瞬間にJ.P.デ・オリベイラのチャンピオンが確定した。
 一方5番手までポジションを下げたJ.P.デ・オリベイラは小雨の降り続く中、スリックタイヤのままで渾身の猛追を続け、8周目に4位、11]周目には3位まで浮上してチェッカー。
 その一方で、逃げ切ったJ.リードがチームの地元となるMINEで初優勝を果たした。

◆第18戦決勝◆

 11日(日)も朝から曇天。第18戦の決勝レースは午後3時より30周で行われた。ポールポジションのJ.リードを先頭にスタートが切られると、3番手グリッドのJ.P.デ・オリベイラは2番手の横溝直輝(ニッサンSR20VE)を1コーナー進入までにパス。さらに4番手スタートの中嶋一貴も、3コーナーの進入で前に出て、トヨタ勢が上位3台を占める。
 ところが首位を行くJ.リードは、フライングスタートによるピットドライブスルーペナルティを受けて後退を余儀なくされてしまう。
 これで首位に立ったJ.P.デ・オリベイラはファステストタイムを記録しながら快走。2位の中嶋一貴はこれを追うが届かず、そのままチェッカー。J.P.デ・オリベイラは見事今季7勝目を挙げ、2位で続いた中嶋一貴とともにトムスチームのワン・ツー・フィニッシュとなった。
 今大会の結果により、J.P.デ・オリベイラは最終戦を待たずにシリーズチャンピオンを確定。トムスチームはチーム部門とエンジンチューナー部門のタイトルと合わせて3冠を確定した。トヨタ・トムス3S‐GEエンジンによるチャンピオン獲得は2003年以来3年連続となる。


トヨタ・チームトムス J.P.デ・オリベイラのコメント:

 念願のチャンピオンを獲得することが出来て本当に嬉しい。自分を支えてくれたチームスタッフや関係者には感謝の気持ちで一杯だ。チャンピオンは確定したが、最終戦も全力で戦い、第18戦をノーミスで勝ち取ったように、勝利を目指し、その勢いを保ってマカオGPでも勝ちを狙って行く。

トヨタ・チームトムス 中嶋一貴のコメント:

 第17戦は残念な結果に終わり、シリーズチャンピオンも確定してしまったが、残る最終戦では、シリーズランキング2位獲得を目標とするのではなく、あくまでも勝ちを狙って、全力で攻めて行きたい。

TDPスーパーバイザー 関谷正徳のコメント:

 第17戦での中嶋一貴君は、降りだした雨の中、トップを走るという厳しい状況で、よく頑張ったと思う。トムスチームとしては3冠を達成することが出来、池田大祐君も第18戦の後半は集中力の高い走りを披露するなど、それぞれ良いところを見せてくれた。最終戦では今季の総決算としてさらなる健闘を期待したい。

Text: © トヨタ自動車

Japanese F3

F3第18戦MINE決勝記者会見

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優勝 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ZENTトムスF305)

 「勝つのは嬉しいです。チャンピオンになったからといってモチベーションの下がるようなレースはしたくありませんでした。マシンも良かったので自信をもって、出来るだけプッシュをしました。ミスもせずに24~25秒台で毎ラップ走れたし、リラックスして楽しみながらレースができました。もてぎでもいいレースをして出来るだけ多くの勝利をチームに捧げたいと思います」

2位 中嶋一貴(TPDトムスF305)

 「スタート自体は普通でした。1コーナーでJP(オリベイラ)と競ってたので加速が良くなくて横溝選手に前に行かれましたが、2コーナーで横溝選手のインに寄ってブレーキを我慢してかわせました。あそこで順位をひとつ上げられたことが大きかったです。ベストタイムを出したあたりからマシンバランスが良くなくて、そこをうまく乗りこなせなくてタイムが安定せず、厳しいレースになりました。最終戦は、開幕戦と同じもてぎで、開幕戦は調子も悪くなかったし、自分もあのときより速くなっているという自信もあります。シリーズ2位もかかっているので、2つ勝って決めたいです」

3位 横溝直輝(ThreeBond)

 「1コーナーでJPと並んで入っていって、2コーナーのアプローチで後ろも近づいているのがわかってたので、前と同じようなラインでイン側に寄ってたんですけど、トップ2台が思いのほかブレーキングが早くて詰まってしまいました。そのときに中嶋選手にアウト側から行かれてしまいました。3コーナーまでは併走したんですけど、無理は出来なかったです。予選のドライコンディションに比べると、前のレースの影響で路面状況が変わっていたので、そのへんをアジャストしました。マシンのバランスはそんなに悪くなかったし、ぼくもベストを尽くしたんですけど、今日は前に離されてしまいました。何が悪いってこれといったものはないんです。最終戦のもてぎでは、シリーズ2位もまだ残っていますし、最後まであきらめずに優勝を目指したいです。最終戦のレースというのは印象に残るレースになるので、最後のレースをF3の卒業レースとなれるように頑張りたいと思います」

まとめ & Photo: Yoshinori OHNISHI (FMOTOR)

Japanese F3

F3第18戦MINE決勝 オリベイラが今季7勝目、2位に中嶋、3位横溝!

 全日本F3選手権第18戦は11日、山口県のMINEサーキットで決勝を行い、予選3位からスタートしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ZENTトムスF305)が、スタートで2位に立ち、トップを走るジョニー・リード(INGING F107)のペナルティでトップに立つとそのまま逃げ切り優勝。今季7勝目を上げ、シリーズチャンピオンに花を添えた。

観客: 3,900人(主催者発表)

 山口県内は終日雨の予報だったが、朝方雨は上がり、MINEサーキットは午後から曇は多いものの蒸し暑い気候となってきた。決勝前に行われたランボルギーニ走行会でクラッシュしたクルマが破損させたガードレール修復のため、フォーメーションラップ開始時間が予定の午後3時から午後3時20分に変更された。

0911_r18_oliveira-s 各車、フォーメーションラップで1周を回りグリッドに整列、レッドシグナルのブラックアウトでスタート。トップで1コーナーに飛び込んだのは、ポールシッターのジョニー・リード(INGING F107)。スタートで横溝直輝(ThreeBond)をかわしたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ZENTトムスF305)と中嶋一貴(TPDトムスF305)が争いながら2位と3位に上がる。横溝は中嶋に並びかけるが抜けず。4位に落ちた。5位に武藤英紀(Honda・M-TEC F107)、6位ロベルト・ストレイト(INGING F107)と続く。

 しかし、3周目にトップを走るリードにジャンプスタートによるドライビングスルーのペナルティが課せられた。リードは6周を終わったところでピットイン。トップ争いから脱落した。

 トップを走るオリベイラは磐石。2位中嶋との差を徐々に開き、10周目を終わって1.7秒、20周で5.6秒、ゴール時には7.7秒の差をつけ、余裕の7勝目を上げた。

 中嶋、横溝、武藤の3台はスタート直後から僅差の争いを演じていたが、このグループから中嶋が徐々に抜け出す。横溝と武藤は終始1秒前後の差。しかし、この狭いMINEでは抜きどころがなくこのままの順位でゴールを迎えた。

 最終第10大会(第19戦、第20戦)は、10月22から23日にかけてツインリンクもてぎで開催される。チャンピオンは決まってしまったが、中嶋と横溝の選手権2位をかけた争いはまだ決着がついていない。

Text & Photo: Yoshinori OHNISHI (FMOTOR)

Japanese F3

F3第18戦MINE決勝結果

全日本F3 -RIJ- (2005/09/11) Race Results Weather:Cloudy Course:Dry
All Japan F3 Championship Round 18 MINEサーキット 3.330839 km

PNoDriverCarChassisEngineLapTime/
Behind
136ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラZENTトムス F305DALLARA F3053S-GE30
237中嶋 一貴TPDトムス F305DALLARA F3053S-GE307.750
312横溝 直輝ThreeBondDALLARA F305SR20VE3010.447
410武藤 英紀Honda・M-TEC F107DOME F107MF204C3011.263
51ロベルト・ストレイトINGING F107DOME F1073S-GE3014.788
614パオロ・モンティンThreeBondDALLARA F305SR20VE3019.832
738池田 大祐TPDトムス F305DALLARA F3053S-GE3021.991
816塚越 広大Honda・M-TEC F106LOLA-DOME F106MF204C3025.881
933番場 琢DeODEOダラーラF305DALLARA F3053S-GE3028.323
102高崎 保浩Honda・戸田 FIGHTEXDOME F107MF204C3032.276
1119折目 遼佐川印刷 With M&O ダラーラDALLARA F3043S-GE3049.315
125ジョニー・リードINGING F107DOME F1073S-GE3049.425
1362嵯峨 宏紀DENSO・ルボーセF305DALLARA F3053S-GE3058.505
1411河内 浩成ドリームファクトリーF106LOLA-DOME F106MF204C301'00.195
1550磯崎 元彦ZAP-SPEED F305DALLARA F3053S-GE301'08.594
-------- 以上規定周回数 ( 27 Laps ) 完走 --------
-3安岡 秀徒INGING F107DOME F1073S-GE1515 Laps
  • Fastest Lap: CarNo.36 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ZENTトムス F305) 1'24.368

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