FIA-F4選手権第13-14戦の公式予選が11月10日、栃木県のツインリンクもてぎで行われ、ポイントランキング2位の#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がベストタイム、セカンドタイム共にトップで2連続ポールを獲得した。
公式予選は午前8時より30分間で行われた。前日に降った雨の影響で路面はウェット。競技団からはウェットレースが宣言された。
しかし昨夜半には雨は止んでおり、今後は路面コンディションの回復が見込めることから、各ドライバーともタイヤ選択に頭を悩ませる走り出しとなった。しかし結果的には#25細田輝龍(DRP F4)、#55金澤力也(SPASHAN Works Racing)らがスリックを選択したのみで、それ以外の上位陣の殆どがウェットタイヤ を選択している。
序盤好タイムを記録していたのはポイントリーダーの#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)だったが、テールライトが点灯していないということで一旦ピットに呼び戻されることに。本人曰くこれでリズムを乱されたとのことで、以降はなかなかタイムを上げることができない状況に陥った。
その一方で、名取はアタックする周、クールダウンする周とメリハリをつけた走りを心がけてクリアラップを伺い、残り時間が10分を切ったところで2'09.633を記録してトップに立つと、その後も2'09.507、2'09.404と着実にタイムを縮め、2戦連続でポールポジションを獲得、逆転チャンピオンに向けてこれ以上ない結果を得た。
2番手につけたのはルーキーの#62小倉祥太(DENSOルボ一セJSS F4)。今シーズンここまでなかなか結果を出すことができなかった小倉だが、もてぎは昨年4戦全勝でスーパーFJのタイトルを獲得したホームコース。その地の利と意地でも結果を出したいとの思いが実り、予選終了間際に2'09.587を叩き出し、自身初のフロントローを獲得した。唯一の心残りはタイムアタックを仕掛けるタイミングが遅かったこと。乾いて行く路面でウェットタイヤ が痛めつけられるのを気遣ったためだが、この影響でセカンドタイムでは6番手に留まることになった。
ベスト、セカンド共に3番手につけたのは#7大滝拓也(SRS/コチラレ一シング)。自分にとってはこれが最後のチャンスと予選後に語った大滝だが、得意のウェット路面、煮詰められたセッティングを生かして好位置を得た。
予定外のピットインでリズムを崩された角田は結局ベストタイムでは4位と不本意な結果に終わったものの、セカンドタイムでは2位を獲得、明日の第14戦ではフロントローからタイトル獲得を目指す。
第13戦決勝はこのあと午後1時5分より12周で行われる。
- 第13戦ポールポジション、第14戦ポールポジション #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- このぐらいの水量でドライタイヤかウェットタイヤ か選択するのをすごく悩見ましたが、結局チーム全員でウェットタイヤを選択して、それがミスなく決まったのがすごく良かったです。アタックする周とクールダウンする周でメリハリをつけて走り、クリーンな場所を見つけてしっかり決めるとこを決めることができました。練習から雨は苦手で、他の選手より3秒も遅かったりしてヤバイ時もあったんですけど、今日はタイムを詰められてよかったです。もてぎは2年前にスーパーFJの日本一決定戦で走ったくらいで、殆ど初めてだったし、雨も昨日の練習が初めてだったんですけど、 うまくポールを取れるよう準備を進めてこれてよかったです。勿論目標はチャンピオンなので、しっかり2連勝して、チームにも感謝の気持ちを形で表すようにしたいです。
- 第13戦予選2位、第14戦予選6位 #62小倉祥太(DENSOルボ一セJSS F4)
- とても微妙なコンディションで始まったので、最初ドライで行くかウェットで行くか悩んでたんですけど、最初のピットに戻ってくるラップで全然水しぶきが上がったんで、ウェットで行こうと決めました。ガンガンいっちゃうとタイヤがボロボロになっちゃうのを懸念して、抑えながらどのラインで行くかを見極めていって、最後に良かったラインをまとめて行ったらいいタイムがでたという感じです。ただもう少し早めにまとめにかかっていたら、セカンドタイムももうちょっと上げられたのかなあという反省点はあります。去年はここのスーパーFJのシリーズに参戦して、4戦全勝でチャンピオンを取っているので、そのプライドっていうか、そこも少しは見せられたのかなと思います。今まであまり争ったことのないドライバーたちと決勝で争うことになるので、まずは気持ちで負けないように。あとはもてぎを知っているという優位性を見せていければと思います。
- 第13戦予選3位、第14戦予選3位 #7大滝拓也(SRS/コチラレ一シング)
- 予選は得意な雨のコンディションだったんですけど、最後のベスト2周でS字の中とかで引っかかってしまいました。それがなければポールが取れるぐらいのタイムが出ていたので、運が悪かったですね。かなりセットは自身もあるし、あとは走りに集中するだけだなと。スタートも得意なんで、角田に抜かれないように、1位目指して頑張ります。今回は優勝を狙える位置ですし、僕にとってはこれが最後なんで、頑張って落ち着いていきます。
- 第13戦予選4位、第14戦予選2位 #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 途中までよかったんですけど、ライト点けてないってことでピットに戻されちゃって、リズムが崩れましたね。それまでだいぶよかったんですけど、そんな感じです。コース上もだいぶ混んでましたけど、行くしかなかったです。タイヤ選択は悪くなかったと思います。決勝はチャンピオンを取れるよう、一つでも上の順位を目指して頑張ります。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
- 2018ドライバーズチャンピオン #16山本尚貴(TEAM MUGEN)
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2回目のチャンピオンですけど、1回目は2013年で、今回と同じように最終戦で勝たないとチャンピオンになれないという状況でした。似たような状況ではあったんですけども、ロイック(デュバル)とアンドレ(ロッテラー)が欠場した中で獲得したチャンピオンということで、見ているファンもそうでしたでしょうし、自分としても真のチャンピオンではないな、という思いをずっと持っていました。今年もオートポリスが1戦中止になって、全戦で戦ったわけではありませんが、最後までしっかりライバルと戦った中で獲得できたということで、1回目のチャンピオンの時よりも今回の方が重みと実感があるなというのが正直なところです。2013年も今年も楽なシーズンではなかったですし、ニックと最後ああいう秒差がついたということで、本当に良きライバルがいたことで盛り上がったレースだったと思います。ライバルたちに感謝していますし、自分としてもいいシーズンを過ごしたなと思ってます。
- 2018チームチャンピオン 近藤真彦監督(KONDO RACING)
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チーム創設から20年かかってやっとトップチームと肩を並べるところまできました。長かったなというのが率直な気持ちです。夢みたいといえば夢のような感じです。チームスタッフみんなに感謝しています。チームの人事をはじめ、いろんな改革をここ2、3年でスピードをあげてやったので、その成果が出たんじゃないかと、大きな要素だと思っています。あと二人の若いドライバーをトヨタさんからお預かりして2年目なんですけど、3年目くらいでチャンピオン争いができればなと思っていたら、想像以上に二人が速いドライバーでした。またエンジニアやメカニックも、総合的に力が上がったというのが現状じゃないでしょうか。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
接戦を制し、山本尚貴が2018ドライバーズチャンピオンに!!
2018全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝レースが10月28日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)が#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)の猛追を退け、今季3勝目を獲得。シリーズポイントを38に伸ばして2013シーズン以来のドライバーズタイトルを手にした。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選13,000人/決勝23,000人)
決勝レースは午後2時15分より43周で行われた。山本、#4山下健太(ORIENTALBIO KONDO SF14)、#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)らがソフトタイヤでスタートに臨む一方でキャシディはミディアムを選択。これがレース展開に大きく影響を及ぼすことになった。
スタートでトップに立ったのはポールシッターの山本。2位のとの差を序盤から一気に広げにかかる。10周を終えた時点で山本のリードは6秒に達した。一方キャシディは2周目の1コーナーで#17塚越広大(REAL SF14)に抜かれて5位に後退してしまい、苦境に立たされたかに見えた。
ところが19周目にタイヤ交換を行った山本に対し、キャシディは29周目までピットインを引き延ばす作戦を敢行。そればかりかレース中盤にはソフトタイヤの山本を上回る速さをみせてピットアウト後は実質2位に浮上、その後も山本との差をジリジリと縮めて来た。キャシディがピット作業を終えてコントロールラインに戻って来た時点での山本との差は7.579。その後はソフトタイヤのキャシディが1周あたりコンマ5~6秒速いペースで次第に山本を追い詰めていく。一方山本はミディアムタイヤ装着後のブレーキの温度管理に問題を抱え、その影響がタイヤの内圧にも及んだことでなかなかペースを上げることができない。その結果、33周目を終えた時点でその差は4秒。34周目には3.543差まで詰め寄った。キャシディが山本を捉えるのは時間の問題かと思われた。
ところが35周目。
S字コーナーでキャシディは一瞬姿勢を乱してしまう。この直前にピットアウトして来た#37ジェームス・ロシター(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)が同じ場所でコースアウトしており、その際にコース上に砂が撒かれていた模様。キャシディ自身も「何かを踏んだ」とレース後の会見で語っており、その影響とみてほぼ間違いないだろう。これにより2秒近いタイムロスをしたキャシディはその後も懸命に追い上げたが、山本との差は35周終了時点で4.822秒に広がって締まった。
それでも決して諦めることなく山本を追い上げたキャシディ。ファイナルラップを迎える頃には0.835秒差にまで迫ったが、山本を捉えるには僅かに及ばず、2位に甘んじることに。フィニッシュラインを越えた時の両者ギャップは僅か0.654秒だった。3位には山下が入り、KONDO RACINGの二人が揃って表彰台を獲得した。
これにより山本は第1戦鈴鹿、第3戦SUGOに続いて今季通算3勝目をものにし、ポールポジションの1ポイントとともに今週末だけで14ポイントを獲得、年間ポイントを通算38とし、通算37ポイントに留まったキャシディを1ポイント逆転して2018シーズンのドライバーズタイトルを手にした。破れたキャシディも3位山下とともに14ポイントを獲得して初のチームタイトル獲得に大きく貢献した。
全日本スーパーフォーミュラ選手権の2019年開幕戦は4月21日決勝。ニューマシンSF19とともに新たな戦いが始まる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行2回目が10月28日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が1'39.215でトップタイム。2位に#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が1'40.602で2位につけた。
決勝日を迎えた鈴鹿サーキットは快晴。早朝から多くの観客が詰めかける中、フリー走行2回目は午前8時45分にスタートした。
予選では17位と不本意な結果に終わった関口だったが、この日は走り始めて3周目に1'39.215のベストタイムを記録。これがそのままこのセッションのトップタイムとなった。平川は残り10分となったところでS字でスピンアウトし、赤旗中断の原因を作ったが、クルマのダメージは大きくなく、終盤にタイムを上げて2位で走行を終了。インパル勢の好調ぶりがうかがえる結果となった。
ポールシッターの#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)も終盤タイムアップを果たし、1'41.203の4位、ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)も5位につけた。
また、昨日の予選Q1で出火し、赤旗の原因となった#5野尻智紀(DOCOMO DANDELION M5S SF14)も修復が間に合い、7位で走行を終えている。
最終戦決勝はこのあと午後2時15分より43周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権 第7戦「JAF鈴鹿グランプリ」は10月27日に三重県の鈴鹿サーキットで公式予選を行い、#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)が今季2度目、自身通算10度目のポールポジションを獲得した。
公式予選は12時35分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。気温21℃、路面温度は25℃。朝はウェットだった路面も完全ドライで全車スリックタイヤを装着しての走行となった。
予選Q1
Q1は開始直後に#5野尻智紀(DOCOMO DANDELION M5S SF14)の車両がピットレーンで炎上するアクシデントにより赤旗中断という波乱の幕開け。コース上にもオイルが撒かれたため、これを処理したのち12時55分に残り時間14分5秒でコースオープンとなった。ここでのトップタイムは#16山本。赤旗直前に1'38.591を記録してトップに立つと再開後は残り6分までピットで待機したのち、最後の最後に1'38.477までタイムを縮めて見せた。2位には#17塚越広大(REAL SF14)がつけた。その一方で前戦岡山を制した#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)は早めに走行を切り上げたのが裏目に出て終盤17位までじりじりと後退、ここで予選を終えることになった。
予選Q2
Q1の赤旗中断の影響でQ2の開始時刻は当初予定より15分遅れの午後1時20分。ここでも山本の速さが光った。山本は残り3分でコースインすると、2周目からタイムアタックに入って1'38.008を記録。Q1に続いてトップでQ3進出を果たした。2位は#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)、#17塚越広大(REAL SF14)が3位につけた。ポイントリーダーの#3キャシディも7位でQ3進出を果たしたが、同2位の石浦はまさかの11位に終わり、9位の#2国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)とともにセルモインギング勢はここで予選を終えてしまった。
予選Q3
Q3もQ2に続いて15分遅れの午後1時37分開始。ウォームアップ2周でアタックに入った山下とキャシディ、1周でアタックに入った山本や中嶋とチームにより判断が分かれるセッションとなったが、ここでも残り3分でコースインした山本が1'37.909とこの日唯一の37秒台のタイムを叩き出してトップに。山本は全セッションをトップで通過して開幕戦鈴鹿以来のポールポジションを獲得した。一方、2周ウォームアップを選択した山下も1'38.193の好タイムを記録して2位につけ、キャシディも1'38.435で4位とまずまずの位置。3位には中嶋がつけた。
これにより山本は1ポイントを獲得。Q2でノックアウトされた石浦と並び、シリーズポイントを25として明日の決勝に臨むことになった。
第7戦決勝は明日午後2時15分より43周で行われる。
Text:vKazuhisa SUEHIRO
Pohoto: Motorsports Forum
日本レースプロモーション(JRP)は10月27日、スーパーフォーミュラ第7戦の開催されている三重県の鈴鹿サーキットで記者会見を行い、来年からスタートするTCRジャパンシリーズの開催概要を発表した。
会見には倉下明JRP社長と、WTCRを運営するWSC(World Sporting Consulting)のマルチェロ・ロッティ代表、そして横浜ゴムモータースポーツ推進室の阿部義朗室長が出席。2019年から6年間の開催が決定したこと、オフィシャルタイヤサプライヤーを横浜ゴムが担当することなどを倉下社長が明らかにするとともに、ロッティ代表からは現在5大陸35カ国を舞台に30のTCRシリーズが開催されていることや、日本開催を機に、現在参戦しているホンダ以外の日本のマニファクチャラーの参戦を期待していることなどが語られた。
2019年のTCRジャパンシリーズは全5大会の開催が確定、さらに1大会の開催が調整中となっており、確定した5大会は全てスーパーフォーミュラとの併催となる。第1戦は5月18~19日のオートポリスだ。なおSF第1戦鈴鹿と第5戦もてぎは2&4となるためTCRJは行われない。
レースフォーマットは金曜日にオフィシャルプラクティス、土曜日はTCRサタデーシリーズの予選(20分間)と決勝(23分間+1周)、そして日曜日はTCRサンデーシリーズの予選(20分間)と決勝(23分間+1周)とされており、土曜、日曜それぞれで独自のシリーズ戦が行われる。これは多忙なジェントルマンドライバーにも広く参加を促すためのアイディアであり、1日のみの参戦や土曜と日曜で別々のドライバーがレースカーをシェアすることでレースコストを折半するなど、様々な参戦形態を提案できる内容となっている。
また土曜日曜はFIAの定めるプラチナ、ゴールドの各グレードのドライバーやTCRJのプロ規定に合致するドライバーは参加できないが、金曜はこの制限がないため、プラチナやゴールドのドライバーがセットアップしたクルマをシルバー以下のグレードのドライバーがドライブすることも可能だ。またシルバー以下といっても2018年のFUAリストでは井口卓人や平峰一貴、阪口良平など、現在スーパー耐久やスーパーGT300クラスで活躍している多くのドライバーがこれに該当しており、現在の86/BRZプロレースに匹敵する熾烈なバトルが展開される可能性は大いにある。賞典は総合順位のほかジェントルマンクラスが設けられることになっており、プロドライバーだけでなくアマチュアドライバーにも門戸を広げることになっている。
また参戦車両は新規に各マニファクチャラーから購入するほか、既にスーパー耐久のTCRで使用されているシビックやアウディRS3、フォルクスワーゲンゴルフなどをABSの作動を制限するなどの処置を施すことで使用することが可能とのことだ。
開催日程は以下の通り
Test 3/26~27 富士スピードウェイ
Rd1 5/18~19 オートポリス
Rd2 6/22~23 スポーツランドSUGO
Rd3 7/13~14 富士スピードウェイ
Rd4 9/28~29 岡山国際サーキット
Rd5 10/26~27 鈴鹿サーキット
Rd6 TBA
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本スーパーフォーミュラ最終戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行1回目が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、#18小林可夢偉組(KCMG Elyse SF14)が1'46.471でトップタイム。#17塚越広大組(REAL SF14)が2番手で続いた。
この日最初に行われた86/BRZレースの予選で赤旗中断があった影響で、フリー走行1回目は当初予定より5分遅れの午前9時より50分間で行われた。
公式予選日朝の鈴鹿サーキットは曇り。しかし前夜に降った雨の影響で路面はウェットコンディション。このためコースオープン時は各車ウェットタイヤ で走行を開始した。また現時点では午後の予選がドライコンディションで行われるとみられていることもあり、路面コンディションの回復を待ってガレージで待機するドライバーも何人かあり、#2国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)などは終了まで10分を切ったところで漸くコースインしたが、ソフトタイヤの皮剥きをしただけでピットに戻っている。チームメイトの#1石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)もわずか4周の走行にとどまった。
一方、積極的に周回を重ねたのが今回限定で車体のカラーリングを一新した#18小林。19周を走り、最後の最後に1'46.471を叩き出してトップに躍り出た。#17塚越も序盤に1'50.504でトップに立つと、その後も13周を走り、1'46.592までタイムを縮めた。
ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)はセッション中盤に1'48.104を記録して一時トップに立っていたが、最終的に5位で走行を終えている。
SF最終戦の公式予選はこのあと12時35分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
GT500クラスはついに同ポイントで最終決戦に!!
2018オートバックス スーパーGT第7戦「オートポリスGT300kmレース」の決勝レースが10月21日、大分県のオートポリスで行われ、予選5番手からスタートした#1平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が今季初優勝。2位に#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)が入り、LEXUS TEAM au TOM'Sが第5戦富士に続いて今季2度目の1-2フィニッシュを達成した。
GT300クラスは予選10位からのスタートながらタイヤ選択とピット戦略がズバリと的中した#96新田守男/中山雄一組(K-tunes RC F GT3)が第3戦鈴鹿に続いて今季2勝目を挙げている。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日10,550人/決勝日20,380人/大会総入場者数30,930人)
第7戦決勝は午後2時より65周で行われた。昨日の予選とは打って変わり、気温25℃、路面温度32℃という暖かい気候の中での戦いとなり、両クラスともタイヤチョイスとピット戦略が大きく勝敗を左右することになった。
GT500クラスはポールシッターの#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が序盤トップに立ったが、予選4位からスタートした#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)がスタートで#100ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT)3位に浮上すると、11周目の第2ヘアピンで今度は#17小暮卓史(KEIHIN NSX-GT)のインに飛び込んでみせた。懸命の抵抗を見せた小暮だったが、中嶋はそのまま併走でジェットコースターストレートを駆け下ると、その先の高速右コーナーで軽い接触を伴いながら小暮をねじ伏せ、2位に浮上、その直後の最終コーナーでトラフィックに捕まって失速した#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)をも続く12周目の1コーナーでアウトから抜き去ってトップに躍り出た。
その後は快調に後続を突き放しにかかった36号車だったが、#30永井宏明(TOYOTA PRIUS apr GT)がスピンアウトしてグラベルに捕まったため、GT500のトップ集団が20周目に差し掛かったところでセーフティーカーが導入され、36号車の大量リードは奪い去られてしまった。
車両回収ののちレースは25周目にリスタート。予選上位のNSX勢が25~26周で相次いでドライバー交代をすませる中、36号車はチームメイトの1号車とともに29周終わりまでドライバー交代を引っ張った。この判断が功を奏し、トムスの2台は1-2位でコースに復帰することに成功する。
トップを快走し、一時は2位に4.7秒もの差をつけた#36関口雄飛(au TOM'S LC500)だったが、#1平川亮(KeePer TOM'S LC500)は終盤一気に関口との差を詰め、60周目の第2ヘアピンでトップに浮上、そのまま65周を走りきって今期初勝利をものにした。
この優勝により#1平川/キャシディ組は20ポイントを獲得、ポイントリーダーの#100山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)が5位に終わったことで、ともにトータル67ポイントとして最終戦もてぎに臨むことになった。
また3位には2ピット作戦を敢行した#19国本雄資/山下健太組(WedsSport ADVAN LC500)が入り、トムスの1-2に加えてレクサスLC500が表彰台を独占するという快挙を成し遂げた。
GT300クラスはポールポジションの#25松井孝允/坪井翔組(HOPPY 86 MC)がスタートからトップを快走、それを#5坂口夏月/平木湧也組(マッハ車検MC86 Y's distraction)、#10星野一樹/吉田広樹組(GAINER TANAX triple a GT-R)が追う展開で前半は推移したが、セーフティーカーラン終了後に相次いでピットストップを行なった彼らに対し、40周目までピットインを引き延ばし、タイヤ4本を交換する作戦を採った#96新田/中山組がレーストータルのペースで上回り、第3戦鈴鹿に続く今季2勝目を達成。これにより新田は自身の通産勝利数を20とし、再び高木真一とともに通算最多タイとした。2位には同じくタイヤ4本交換で予選9位から追い上げた#87佐藤公哉/元嶋佑弥組(リーガルフロンティアランボルギーニGT3)が入り、#34道上龍/大津弘樹組(Modulo KENWOOD NSX GT3)が3位で続き、チーム発足以来初の表彰台を獲得した。
スーパーGTの2018シーズン最終戦は11月11日決勝。今年も栃木県のツインリンクもてぎを舞台にチャンピオンをかけた熱い戦いが行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
スーパーGTを主催するGTアソシエイション(GTA)は10月21日、第7戦の開催されているオートポリスにて定例会見を開催。第6戦SUGOの決勝で発生したドクターカーのコースインの件や、先ごろDTM参戦を発表したアストンマーチンについて、また来年の開催が予定されているDTMとのジョイントイベントに関連した話題などについて坂東正晃代表が語った。
- 第6戦のドクターカー導入について
- スーパーGTは主催クラブやオーガナイザーの運営体制にプラスαとして我々(GTA)が技術面、運営面でアドバイザー的に補助している。しかしGTAもJAFの公認団体として共催している立場である以上相応の責任は負わないといけないと考えている。今回の件は我々の用意するドクターカーやFROと、オーガナイザーの用意するドクターカー両方を配置して運営する中で起きた。オーガナイザーのドクターカーは14-15番ポストの間に配置されていたが、64号車が14番ポスト付近でクラッシュし、ドライバーがなかなか降りてこないのをドクターカーのドライバーとドクターが見ていた。タワーからは「待機」という指示が出ていたものの、彼にらは一刻を争う状況だと見えていたために、彼ら自身の正義感で行なった。本来ドクターカーはレッドフラッグで入れるもので、イエローフラッグで入れてはならないルールがあるが、彼らの正義感で入ってしまった。ドクター本人の意思は尊重すべきだが、問題は独自に動いてしまったことにあり、インターナショナルなレースイベントを運営する中で、あの場面が全世界に発信され得たことは残念だった。サーキットによってはオフィシャル無線が充分に届かない状況が未だにあり、タワーとの意思疎通が充分にできないままに現場が動いてしまうケースは鈴鹿などでも起きている。各オフィシャルの意欲は尊重しつつも、無線の整備や指示系統の徹底など、今後に向けて解決していかないといけない。
- アストンマーチンのDTM参戦について
- ホッケンハイムでの発表の前、夜中にITRから20何回も着信があり、最後はショートメールまで送ってきた。そこでこちらから電話を入れると彼らの興奮や喜びようが伝わってきた。アストンマーチンがプライベーターとして何台出てくるのかなど正式なものはまだ聞いていないが、2020年ではなく2019年からBMWやアウディに加えて、ワークスではない形で参戦すると聞いている。新しいクルマが出てくることは、我々とのコラボレーションにもより近づくし、クラス1という存在がより大きくなる。我々は2020年に向けて新しいクラス1を作っていくが、DTMは2019年から導入する。ターボエンジンのベンチテストも終わり、12月には車両に搭載してのテストが行われると聞いている。そこにアストンマーチンが加わるのは喜ばしいことだ。今回はHWAが開発するということで、アウフレヒトが奔走し、努力したのだろうと考えている。
クラス1についてはシャシーやサスペンションなどの標準化を進めていくが、まだ空力やホイールなど、スーパーGTとDTMですり合わせが必要な部分は残っている。我々スーパーGTとしてはあくまで300kmレース、GT300との混走など、日本の環境やファンのニーズに合った形は崩したくないが、ジョイントイベントに関しては空力やタイヤワンメイクなど、向こうに合わせる必要も出てくるだろう。特に空力の影響は一番大きいと考えているので、そこをきちんと合わせないといけない。ミッドシップのNSXに関してもどうやって空力を合わせるか、BOPをどうするかなど、トヨタや日産の意見も聞きながらクリアに決めていきたいと考えている。
そうした中で新たなマニュファクチャラーの参戦や日本のプライベーターの海外参戦などの可能性も広がっていくだろう。今回アストンマーチンがプライベーターとして参戦する、という話も、日本のチーム運営のあり方などが参考になっているのではと思う。
- 来年のゴールデンウィークが10連休になることの第2戦への影響について
- スーパーGTにとって集客や導線の見本となる、一番動員の多いイベントが第2戦だ。富士の近隣以外のお客様も来られるイベントで、レース運営に関しては、駐車場が満杯になってもきちんと導線を整理し、身動きができないくらい沢山のお客さんを集めてみたい。10日間という機会を与えていただけるのなら、体制をより強化し、富士スピードウェイとも話し合って、息もできないくらいたくさんのお客さんに来ていただいて、お客さんが満足されて、帰りの渋滞すらイベントの一つとして迎え入れてもらえるような運営をやっていきたい。そのために小山町などとも話し合い、きちんとした環境づくりをしていく。
まとめ:Kazuhisa SUEHIRO
菅波安定の二連勝!!
FIA-F4選手権第12戦の決勝が10月21日、大分県のオートポリスで行われ、ポールポジションからスタートした#81菅波冬悟(OTG DL F110)が昨日の第11戦に続いて連勝を飾った。
第12戦決勝は午前9時より13周で行われた。天候は晴れ。気温は昨日の予選と同様に10℃ちょっとという肌寒さの中での戦いとなった。
ポールの菅波がスタートを制し、トップで1コーナーへ飛び込んだその後方では、予選2位の#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)と#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がサイドバイサイドの攻防を展開、それに乗じて4番手スタートの#7大滝拓也(SRS/コチラレ一シング)が1コーナーでアウトから名取を抜いて3位に浮上した。
昨日のレースでは終盤にハーフスピンを喫し、小高の接近を許したトップの菅波だが、この日は終始安定したペースで後続を引き離し、最後は2位に2.904秒差をつけてチェッカーを受け、昨日に続いて勝利をものにした。
昨日同様に後半勝負をと目論んだ2位の小高だったが、予想以上にタイヤの消耗が激しかったこともあり、後半ペースが上がらず逆に菅波に差を広げられる結果に。それでも昨日と合わせて36ポイントを獲得したことで、逆転チャンピオンの可能性は大いに高まったと言える。
スタートで大滝の先行を許した名取は抜くのが難しいオートポリスのレイアウトに苦しみながらも大滝、そして#98石坂瑞基(TOEI BJ Racing F110)らと接戦を繰り広げ、8周目の1コーナーで大滝のインを突いて3位に浮上、昨日に続いて表彰台に上がった。
一方、ポイントリーダーの#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)は予選後のタイヤ交換によりこの日も最後尾スタートとなり、序盤から激しい追い上げをみせたが、このレースでは11位にとどまり無念のノーポイント。その結果名取とのポイント差は14、小高とは29ポイント差となり、チャンピオンの行方は分からなくなって来た。
その最終大会は11月10-11日に栃木県のツインリンクもてぎで行われる。
- 第12戦優勝(#81菅波冬悟 OTG DL F110)
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良いマシンを作っていただいたんで、昨日よりも後半楽になり、最後までペースが落ちることなく走ることができました。自分の乗りやすいマシンバランスでなおかつ速いマシンを作ってくださったチームの皆さんに感謝です。昨日よりもちょっと気持ちに余裕をもって走れたのも良かったと思います。昨日のハーフスピンみたいな大きなミスはありませんでしたが、ヒヤッとする時は何回かありました。やっぱり全力で走らないと勝てないと思ったので、前にもう1台いるような気持ちで13周フルプッシュで走りました。セッティングはちょっとスタビを触ったくらいで大きくは変えていません。昨日の予選が良かったし、今日も同じくらいの温度帯だったので、予選から大きく変えずに行きました。今回2連勝できまたんですけど、次のもてぎで前までみたいな位置を走っていたら、勝ったのはたまたまやったんかい?というような見られ方になると思われますし、シリーズも3位は難しいと思いますがまだ4位は狙えるので、最後まで勝ちにこだわって、次もこの位置でレースできるようにしたいです。今は思い切り喜んで、すぐ次のもてぎに向けて気を引き締めていきます。
- 第12戦決勝2位(#1小高一斗 FTRSスカラシップF4)
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もう引退したいくらいです。スタートは昨日よりはマシでしたが、名取選手のスタートがすごく良かったので、牽制して、菅波選手とは昨日と同じ展開に持ち込みました。スタートで抜けなかったんで、後半で勝負をと思いましたが、ペースが充分に上がらずジリジリ差を広げられました。完敗です。タイヤが終わってました。昨日の時点でもかなり厳しくて、後半は全然グリップしない状態でした。セッティングもその方向で変えたんですけど、まだ寄せきれなかったなと。全ては予選かなと思いました。もてぎ大会も最後まで諦めずに頑張ります。
- 第12戦決勝3位(#6名取鉄平 HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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スタート自体は蹴り出しがよく、2位に上がれるかと思いましたが、自分の判断ミスでポジションを上げられませんでした。また燃料系かどこかにトラブルがあり、Gのかかった状態でシフトアップをしようとすると失速する症状が出ていました。その状態でインで競り合っている間にアウトから大滝選手に抜かれてしまい、4位に下がってしまい厳しい展開になりました。オートポリスはオーバーテイクしにくいサーキットなので、なかなかポジションを上げられずに何周も走ってしまうことになりました。それが一番の敗因ですね。ペースは昨日と同様悪くはなく安定していました。スタートのポジションどりが良くなかったことが大きかったので、その点を次のもてぎに繋げていきたいです。シリーズポイント差は大きく縮まったので、チャンピオンを目指して頑張ります。トラブルは練習から出ていましたが、それが今日のレースで出てしまいました。Gの大きくかかるコーナーでパワーが落ち込んでしまうんです。原因はまだ分からないので、エンジニアさんと良く話し合って対策します。
- 第12戦インディペンデントカップ優勝(#2仲尾恵史 TCS Racing Team)
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若手のOTGのドライバーさんが迫ってきたんで、あまり張り合うのもあれやったんで行かしたんですけど、思ったほど速くなくて、抜くのも躊躇しはったんか、お互いに減速するような格好になりました。そこに2位の植田さんがぐっと近付きまして、テールにくっつかれてしまいました。最終ラップの最終コーナーの手前までで一度引き離したんですが、僕が最終コーナーでミスをしてふらついてしまったため、ストレートで並びにこられましたがどうにかセーフでした。ポイント差もあと少しのところに来たので、チャンピオン狙ってもてぎ頑張ります。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2018オートバックス スーパーGT第7戦「オートポリスGT300kmレース」の公式予選が10月20日、大分県のオートポリスで行われ、GT500クラスは上位5台が従来のコースレコードを上回る速さをみせ、予選Q2で1'31.441を叩き出した#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が今季2度目のポールポジションを獲得した。GT300クラスもまた上位2台がコースレコードを更新、予選Q2で1'42.498を記録した#25松井孝允/坪井翔組(HOPPY 86 MC)がポールポジションを獲得している。
公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。最初に行われたGT300クラスの予選Q1で#22和田久(アールキューズAMG GT3)のスピンにより赤旗中断となり、その後のスケジュールに影響を及ぼしたものの、それ以外は大きなアクシデントもなく進行した。
予選Q1
GT500クラスはQ1からコースレコードが続出する展開に。従来のレコードはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2015年に#12カルソニックIMPUL GT-Rで記録した1'32.835だったが、これを#17小暮卓史(KEIHIN NSX-GT)が1'32.650、#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)が1'32.706、#1平川亮(KeePer TOM'S LC500)1'32.769、そして#64ベルトラン・バゲット(Epson Modulo NSX-GT)が1'32.776で上回ってみせた。前回優勝の#100ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT)も初めてのオートポリスで1'32.854を記録、5位ながらレコードに迫るタイムを記録した。
その一方で不振に喘いだのがニッサンGT-R勢だ。#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)の11位が最上位に4台全てがQ1落ちという厳しい結果に終わっている。
GT300クラスは残り4分を切ったところで発生した赤旗中断により上位陣の多くがアタックを邪魔された格好に。走行は残り5分として再開したものの、朝からの低温からタイヤのウォームアップに周回数を要する状況のためほぼぶっつけ本番のアタックとなったが、そうした中でルーキーの#60宮田莉朋(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)が1'43.542を記録、見事トップでQ2進出を果たした。メカニカルトラブルにより午前の公式練習をほとんど走れなかった#61山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)もここでは1'43.559を叩き出して2位に食い込んでみせた。FIA-GT3勢最上位は#65蒲生尚弥(LEON CVSTOS AMG)の3位だった。
予選Q2
GT500クラスはQ1に続いてレコード更新が相次ぐ激しいアタック合戦に。まずは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'31.989と、チームメイトが打ち立てたばかりの新レコードをコンマ6秒も上回ってみせる。しかしその直後に#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'31.441とそれをさらに上回ってみせ、前回優勝の#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)も44kg+リストリクター1ランクダウンのハンデを物ともせずに1'32.151を叩き出し、上位3台までをホンダNSXが独占する結果となった。このほか#36関口雄飛(au TOM'S LC500)、#1ニック・キャシディ(KeePer TOM'S LC500)らのレクサス勢もオリベイラのレコードを上回るタイムを記録している。
GT300クラスも最初に#10吉田広樹(GAINER TANAX triple a GT-R)が1'42.976を記録して2015年に#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)が打ち立てた1'43.001のコースレコードをうわまわってみせると、#25坪井翔(HOPPY 86 MC)が1'42.498とそれをさらにコンマ5秒以上上回ってみせ、25号車が第5戦富士に続いて今季2度目のポールポジションを獲得した。3位には地元九州のチーム#5坂口夏月/平木湧也組(マッハ車検MC86 Y's distraction)がつけた。
第7戦決勝は明日午後2時より65周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
菅波冬悟、待ちに待った初勝利!!
FIA-F4選手権第11線の決勝が10月20日、大分県のオートポリスで行われ、ポールポジションからスタートした#81菅波冬悟(OTG DL F110)が#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)の追撃を振り切り、参戦2年目にして待望の初勝利を挙げた。
第11戦決勝は午後1時30分にフォーメーション開始。午後に入っても気温14℃という寒さのなかで13周の戦いが繰り広げられた。
ポールシッターの#81菅波は手堅くホールショットを決めると、序盤から一気に後続を突き放しにかかる。#1小高も懸命に追い上げるが、5周を終えた時点で両者の間には1.4秒のギャップができてしまった。
序盤のペースにアドバンテージがないと見て取った小高はタイヤをクールダウンしながら中盤をやり過ごし、終盤一気に勝負に出ようと目論んだが、9周目の2コーナーでフロントタイヤをロックさせてしまい、逆に菅波に差を広げられてしまった。
菅波も10周目にハーフスピンを喫し、一気に小高に差を詰められたが、序盤から築いてきたリードがここで活き、最後までトップの座を明け渡すことなくチェッカーを受けた。
菅波はGTアソシエイションが昨年発足させたスカラシップ制度である「FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE」の初代チャレンジドライバー。昨シーズンは初めての四輪レースということもあり、なかなか噛み合わないレースが続いていたが、2年目の挑戦となった今シーズンは序盤から表彰台にあと一歩というポジションで激しい戦いを繰り広げており、5月富士スピードウェイで行われた第4戦でついに初表彰台を獲得、そして今回遂に待望の初優勝を手にした。菅波は明日の第12戦もポールポジションからスタートすることになっており、連勝にも期待がかかる。
小高はわずか0.427秒及ばず2位。#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)のグリッド降格によって3番手スタートとなった#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がそのままの順位でフィニッシュして表彰台を獲得した。
一方、予選後のタイヤ交換により最後尾スタートとなったポイントリーダーの#5角田は序盤から果敢なオーバーテイクを繰り返し、1周目に17位にジャンプアップすると、2周目に13位、3周目に12位、4周目に11位と着実に順位を上げ、最後は8位でフィニッシュ、貴重な4ポイントを獲得した。
なおインディペンデントカップは予選トップの#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が接戦の末#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)を下して今季4勝目を挙げ、逆転チャンピオンに望みを繋いだ。
第12戦決勝は明日朝9時より同じく13周で行われる。
- 第11戦優勝 #81菅波冬悟 (OTG DL F110)
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とりあえず良かったです。嬉しい気持ちと、ホッとしている気持ちと、明日に向けての気持ちが混ざってる感じです。一度ジェットコースターストレートの先でハーフスピンをしてしまい、終盤はきつかったですが、序盤で築いたマージンのおかげで守り切れました。明日もポールなので、また序盤でマージンを築きたいですが、そう簡単にはいかないと思うので、チームのみんなと作戦を練って、連勝を目指して頑張りたいです。
- 第11戦決勝2位 #1小高一斗(FTRSスカラシップF4)
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スタートで抜けなかったことで、苦しいレースになるのはわかっていましたが、諦めずにプッシュしていきました。序盤は同じくらいのペースで余裕がなかったので、中盤にタイヤを一度クールダウンして最後に追い付ければいいなと思いましたが、途中一度ミスをして2コーナーでフロントタイヤをロックさせてしまい、クリップにつけませんでした。あそこで大きく引き離されてしまいました。また明日頑張ります。
- 第11戦決勝3位 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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全体的にペースは安定していましたが、そもそものペースのレベルが低かったようです。クルマ的にも思うように走れない状態だったので、そこを明日に向けて改善していきたいです。練習走行のようにうまく走れなかったので、その点をチームと話し合って、明日もまた頑張ります。明日の決勝は次のもてぎ大会に繋がる内容にしたいです。
- 第11戦インディペンデントカップ優勝 #2仲尾恵史(TCS Racing Team)
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トレーニングから2位の方とほぼ同タイムで、今回の予選もほとんど同タイムだったので、苦しい戦いになると思っていました。私は序盤が速いので、そこで離したんですが、中盤以降だんだん追い詰められました。あと何周かあったら危なかったです。勝てて嬉しいです。タイトルにも少しずつ近づいてきました。残り3レース全部勝てばチャンピオンになれます。明日も今日のように落ち着いて、最後までトップをキープしたいと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2018オートバックス スーパーGT第7戦「オートポリスGT300kmレース」の公式練習が10月20日、大分県のオートポリスで行われ、GT500クラスは#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)、GT300クラスは#25松井孝允/坪井翔組(HOPPY 86 MC)がそれぞれトップタイムを記録した。
公式予選日を迎えたオートポリスの天候は晴れ。しかし朝の気温、路面温度ともに非常に低い状況で、午前9時から行われた公式練習は事前に行われたタイヤテストとは全く異なるコンディションでの走行となった。
序盤トップに立ったのは#1平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)。タイムは1'34.618だったが、開始から40分を過ぎたあたりで#19国本雄資(WedsSport ADVAN LC500)が1'34.137を、その直後に#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)が1'33.905、さらに残り時間48分で#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'33.721と、他のチームも次第にペースを上げてきた。
混走セッションは残り時間3分となったところでGT300クラスの#88平峰一貴(マネパ ランボルギーニ GT3)が5コーナーで飛び出し、ウレタンバリアに突っ込んでしまったために赤旗中断となり、そのまま専有走行に移行することになったが、ここで#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)が1'33.096を叩き出して一気にトップへ浮上、そのままチェッカーを迎えることになった。2番手には#19国本雄資/山下健太組(WedsSport ADVAN LC500)が1'33.212が続き、終盤石浦が1'33.388を記録した#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)が3番手だった。
GT300クラスは#25松井孝允/坪井翔組(HOPPY 86 MC)が序盤から好タイムを連発、そのままトップで走行を終えた。2番手には#96新田守男/中山雄一組(K-tunes RC F GT3)が続き、#18中山友貴/小林崇志組(UPGARAGE 86 MC)が3番手とマザーシャシーとFIA-GT3が互角の戦いを展開。しかしその一方で前回のSUGO大会で今期初勝利を挙げた#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)はメカニカルトラブルによりわずか2周の走行にとどまり、タイム計測もままならない状況。予選に向けて大いに不安を残す結果となった。
公式予選は今日午後2時30分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第11戦-12戦の公式予選は10月20日、大分県のオートポリスで行われ、参戦2年目の#81菅波冬悟(OTG DL F110)が連続ポールを獲得した。
公式予選は朝8時10分より30分間で行われた。予選当日のオートポリスは晴れ。しかし標高の高い立地条件から気温、路面温度ともに冬を思わせる状況で、各ドライバーとも入念なウォームアップを行ってからアタックに入っていった。
ポールの菅波は走り出しから4周をウォームアップに充ててタイヤに充分な熱を入れたのち、5周目に1’51.499、6周目にも1’51.526を記録すると、それ以上のタイム向上は望めないと判断し、タイヤ温存のため残り8分以上をピットで待機する作戦に出た。
その菅波に迫るタイムを記録したのが1’51.569の#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)と1’51.580の#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)。しかし角田はジェントルマンカップのクルマに前を抑えられた形でアタックせざるを得ず、不満の残る内容であったと振り返る。さらに悪いことに、角田は終盤にコースアウトを喫し、決勝を前にタイヤ交換を強いられる羽目になったため、第11戦決勝は最後尾にグリッドを下げられることになってしまった。
代わって3番手から第11戦をスタートすることになったのは#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)。オートポリスは初めてと語る名取だが、ベストタイム1’51.881、セカンドベスト1’51.889とマズマズのタイムを出してみせた。
なお、インディペンデントカップは第11戦、第12戦ともに名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がトップだった。
第11戦決勝はこのあと午後1時30分より13周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2018オートバックス スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の決勝が9月16日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#100山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)がポール・トゥ・ウィンを達成。#8野尻智紀/伊沢拓也組(ARTA NSX-GT)が2位で続き、ホンダNSX-GTが1-2フィニッシュを遂げた。GT300クラスもポールポジションの#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)が終始安定した速さをみせ、今季2度目の完走で初勝利をものにした。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日12,900人/決勝日28,500人/大会総入場者数41,400人)
第6戦決勝は午後2時より81周で行われた。雨が降ったり止んだりを繰り返した予選日とうって変わり、決勝日は朝から爽やかな秋晴れに恵まれた。
ポールポジションからスタートした100号車はこれまで後半を担当していた山本がスタートドライバーを務め、序盤トップを快走するが、予選3位からスタートした#12ヤン・マーデンボロー(カルソニックIMPUL GT-R)が19周めのレインボーコーナーで#8伊沢拓也(ARTA NSX-GT)を捉えて2位に浮上すると、23周めの1コーナーで山本のインをつき、トップに浮上してきた。
しかし100号車は34周めにやや早めのピット作業を敢行、公判を担当したバトンが38周めにピット作業を行った#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)をレインボーコーナーで捉えてトップを奪い返した。
タイヤに熱が入るのを待って追撃に取り掛かった佐々木だったが、攻めすぎた結果45周めの最終コーナーで痛恨のオーバーラン、この際にラジエターグリルとブレーキダクトに芝生を吸い込んだため、以降の周回ではオーバーヒート症状とブレーキの不調に見舞われることになる。
するとその後方から#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が一気に近づき、57周めの1コーナーで佐々木のインに飛び込んで2位を奪い返した。
レースはその後、SPコーナーで#96新田守男(K-tunes RC F GT3)に追突された#31平手晃平(TOYOTA PRIUS apr GT)がクラッシュバリアに突っ込んだため、70周めからセーフティーカーが導入されるが、バトンは落ち着いてリスタートを決め、最後まで野尻を押さえきってスーパーGT初優勝を達成。チーム国光にとってもこれは2015年9月の第6戦SUGO以来の勝利となった。
また#1平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)がリタイヤ、#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)が12位に終わったため、シリーズポイントにおいても山本/バトン組がトップに浮上した。
2位には#8ARTA NSX-GTが続き、ホンダNSX-GTは今回から採用されたプラス10kgの性能調整(BOP)を物ともせずに1-2フィニッシュを遂げた。
GT300クラスは、クラスPPスタートの#61SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)の山内がスタートから2位以下を確実に引き離し、14秒の貯金を築いて井口にバトンタッチ。井口はさらにその差を開く盤石のレース運びを見せた。終盤、シリーズ2位につけていた#31TOYOTA PRIUS apr GT(嵯峨宏紀/平手晃平組)が他車に接触されクラッシュ。セーフティカーが導入されるという場面はあったものの、山内は再スタート後も危なげない走りで逃げ切った。
2位はトップには届かなかったものの、こちらも安定した走りで序盤からその座を守り続けた#10GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/吉田広樹組)が入った。3位争いは、終盤のセーフティカー導入で大混戦となったが、8番グリッドから着実に順位を上げてきた#0グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也組)が100分の5秒差で制した。
GT300クラスのチャンピオン争いは、トップの#55ARTA BMW M6 GT3(高木真一/ショーン・ウォーキンショー組)が10位、+1ポイントに終わったが、上位陣で大きくポイントを伸ばした者がなくその座を守っている。ただ、トップから10ポイント以内に8人(4チーム)、20ポイント以内には15人(8チーム)がひしめき、その行方は一層混沌としてきた。
次戦の舞台は九州のオートポリス。10月21日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Shigeru KITAMICHI
スーパーGTを運営するGTアソシエイション(GTA)は9月16日、シリーズ第6戦の行われているスポーツランドSUGOで定例会見を開催。坂東正明代表がレース業界の働き方改革やドイツツーリングカー選手権(DTM)との交流戦、今後のGT500クラスの方向性などについて語った。
- 働き方改革について
- モータースポーツ業界全体として魅力のある仕事の世界にしていくためにも、チームに対し労働条件についてアンケートを実施した。それをもとに改善して行きたいと考えている。プロモーター、オーガナイザーについても、イベントの開催が増えており、負担になってきている。これはスーパーGTだけでなくスーパーフォーミュラやスーパー耐久、F3などの状況も含めて把握して、その中でやれるものから取り組んでいきたい。我々としてはレースウィークの金土日の中で、設営の時間やサーキットに入る時間、出る時間を考えて労働時間を管理していかないといけないと考えている。もちろんその中で、集客やオフィシャルの活動の妨げとならないような配慮も必要だ。またF1で実施されているように業界全体で夏休みや正月休みを設けるような試みも、オーガナイザー含めて取り組まないといけない。チームやオーガナイザー、マニファクチャラーと擦り合わせをしながら、やれることから取り組んでいきたい。
- DTMとのジョイントイベントについて
- クラス1の規定について誤解されている側面がある。2019年以降のスーパーGTのシリーズ戦については今後も「クラス1プラスアルファ」であって、現行のT(トヨタ)N(ニッサン)H(ホンダ)の状況を変えるつもりはない。ジョイントイベントも2019年は「クラス1プラスアルファ」で当然NSXも参加できる。2020年以降についてはクラス1でという方向で調整をしているが、我々GTAとしては国内のレースを潰してクラス1とは考えていない。将来的にクラス1に辿り着ければとは考えているが、今すぐとは考えていない。あくまでTNHとGTAが作り上げる、という理念は崩さない。できるだけクラス1規定に沿って共通パーツを使ってコストを下げていくが、できない部分はプラスワンとして考えざるを得ない。クラス1規定についてはDTMの状況も加味しながらゲルハルト・ベルガーと話し合っていく。
- NSXのBOPについて
- 今大会からNSXにウェイトを10kgプラスした。まず2014年から3メーカーと話し合って決めた29kgのミドシップハンデがあり、2016年にNSXがハイブリッドシステムを廃止したことを受けて見直しを行った。さらに昨年はショートコースの岡山と高速サーキットの富士で3メーカーの均衡化をはかるために15kgを減らした。その後はホンダさんの頑張り、チームの頑張りの中での現状があり、更に均衡化をはかるために今回10kgを載せることにした。技術競争をやる部分と、魅力あるレース。その両方を加味してレースを作っていかないといけないと考えている。ただし今シーズンに関しては残り2レースでさらなるBOPは実施しない。
まとめ: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Shigeru KITAMICHI
FIA-F4選手権第10戦の決勝が9月16日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションの#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がスタートから後続をぶっちぎり、今季6勝目を挙げた。
第10戦決勝は午前9時より15周で行われた。ウェットからドライへとコンディションが移り変わった第9戦とは異なり、この日のSUGOは朝から好天に恵まれ、終始ドライコンディションでの走行となった。
ホールショットを決めたのはポールの角田。スタートで角田の先行を許した予選2番手の#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)はこの周の馬の背で再び勝負をかけようと目論んだが、バックストレート手前のレインボーコーナーでリヤを滑らせてしまい、逆に角田に差を広げられてしまった。1周を終えた時点で角田のリードは2.014秒。その後も角田は他を圧倒するハイペースで周回を重ね、最後は7.614秒もの大差をつけてフィニッシュ。第6戦鈴鹿以来の今季6勝目をものにした。角田は次のオートポリス大会で連勝すれば、2015年に坪井翔が達成した年間最多勝記録(7勝)を上回ることになる。
2位は名取。予選3位の#63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)が3位につけた。
インディペンデントカップは#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が今季3勝目。燃料ポンプのトラブルにより第9戦決勝では出走を断念せざるを得なかった仲尾だが、今日も終盤にはシフトトラブルから失速、それでも最後まで#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)の追撃を抑えきった。
次戦の舞台は九州のオートポリス。10月20-21日開催だ。
- 第9戦優勝 #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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昨日は不甲斐ないレースをしたし、富士から勝ててなかったので、メカニックの方々やチームの方々、応援してくださっている方々に今日の走りでお返しできたかなと思います。クルマはなにも変えていません。なにも問題ありませんでした。今までの流れを今日変えらたと思うので、オートポリスは二連勝を久しぶりにしたいです。
- 第9戦決勝2位 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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スタートは悪くなかったんですが、みんな変わらずで。次勝負するとしたらバックストレートから馬の背しかないと思ったんですが、レインボーコーナーでミスしてしまって、それでチャンスを失ったのが今日の敗因ですね。菅生のレースは初めてで、わかんないことが沢山あったんですが、それを今日までに改善できなかったのは自分のミスで、反省点です。次のオートポリスも初めてですが、今週末の反省を生かしたいです。
- 第9戦決勝3位 #63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)
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1周目しかチャンスなかったです。入りきれなくて。ペースは悪くなかったんですけど、前の二人が速すぎちゃって単独走行でした。思ったよりセットがあってなかったというか、路面コンディションの違いに自分が15周の間にアジャストできませんでした。GTの走行でラバーが載り、タイヤが食いつくとこと滑るとこがコーナーによってまちまちでした。それへの自分なりの調整ができてなかったなと。オートポリスはここよりも好きなコースなんで。タイヤがなくなるコースなんでしっかりタイヤメイクの仕方を把握して、タイムアタックのタイミングをうまく合わせられれば、今日よりも良い成績を残せると思います。
- 第9戦インディペンデントカップ優勝 #2仲尾恵史(TCS Racing Team)
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昨日はスタート直前にエンジンがかからなくなったんです。それが悔やまれて今日はもうやめようかなと思ったくらいです。でも今日は気を取り直して勝ててよかったです。そのトラブル(燃料ポンプ)は解決しましたが、今日もトラブルが出て失速しました。もう3周あったら抜かれてましたね。残り3周くらいでシフトが上がらなくなってリズムが狂いました。2位の方がどんどん追い上げてきたので焦りました。次のオートポリスも頑張ります。残りのレースで頑張って連勝すればチャンスはあるので。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Hiroyuki MINAMI
2018オートバックス スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」はコースレコードを更新した#100山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)が今季初のポールポジションを獲得。GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)が2014年の第5戦富士以来のポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時よりノックアウト方式で行われた。午前中の雨は上がり、路面もFIA-F4第9戦決勝が行われている間にどんどんと乾き、完全なドライコンディションでの走行となった。
予選Q1
GT300クラスで赤旗中断があったため、GT500クラスの走行は当初予定より22分遅れ、午後2時52分より10分間で行われたが、終盤に入ったところで#39ヘイッキ・コバライネン(DENSO KOBELCO SARD LC500)がSPアウトコーナーを飛び出し、スポンジバリアに突っ込んだため、ここでも赤旗が提示されることに。結局Q1は午後3時13分に残り時間2分45秒で再開となり、39号車を除く全14台が慌ただしいタイムアタックを行なった。その結果#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'11.021を叩き出してトップ通過。赤旗中断前に1'11.043を出していた#12ヤン・マーデンボロー(カルソニックIMPUL GT-R)が2位につけ、#100ジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT)が3番手につけた。
GT300クラスは全28台をチームポイント順でA組、B組に分け、各組上位7台がQ2に進出するという初の試みを実施したが、B組の走行が始まるやいなやで#22和田久(アールキューズAMG GT3)がバックストレートでスピン、ガードレールに突っ込んで止まっため赤旗中断に。このクラッシュによりガードレールの修復が必要となったため、走行は2時38分にようやく残り9分で再開された。A組トップは#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)、B組は#21リチャード・ライアン(Hitotsuyama Audi R8 LMS)がトップだった。
予選Q2
GT500クラスは終盤になって2016年に大嶋和也が#6WAKO'S 4CR RC Fで記録した1'10.516のコースレコードを上回るドライバーが相次ぐ激しいアタック合戦が繰り広げられた。まずは#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)が1'10.352を記録して最初にレコードを打ち破ると、直後に#12佐々木大樹(カルソニックIMPUL GT-R)が1'10.286で上回り、最後に#100山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)が1'10.248を叩き出してトップに躍り出た。山本にとっては昨年5月の第3戦オートポリス以来通算2回目のポール獲得、バトンにとってはもちろん来日初のポールポジションだ。
GT300クラスはQ1に続いて#61SUBARU BRZ R&D SPORTが際立った速さをみせ、山内英輝が1'17.685とコースレコードのコンマ192秒差に迫るタイムで今季初のポールポジションを獲得。61号車はこの日のすべてのセッションでトップタイムを記録する快挙を成し遂げた。2位には#25松井孝允(HOPPY 86 MC)がつけ、#9久保凜太郎(GULF NAC PORSCHE 911)が3位で続いた。
第6戦決勝は明日午後2時より81周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
ルーキー佐藤蓮ギャンブル大成功も終盤痛恨のペナルティ!!
FIA-F4選手権第9戦の決勝が9月15日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)が第1戦岡山以来の今季2勝目を挙げた。
第9戦決勝は12時55分より15周で行われた。午前中の雨はすでに上がっていたが、路面はまだウェット。このためほとんどのドライバーがレインタイヤを選択してスタートに臨んだ。
#8佐藤蓮(SRS/コチラレ一シング)と#82庄司雄磨(OTG HubAuto F110)を除いては。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)。しかしなかなかペースが上がらず、予選2位の名取と3位の#63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)が背後に迫る。
そして5周目。2コーナーで周回遅れの#23YUGO(S2R Racing)がスピンして止まっているのを回避しようとアウト側のダートに出た角田をかわして名取がトップに浮上。川合も6周目の4コーナーで角田のインに車体をねじ込んで2位に浮上。二人はそのまま角田を引き離して一騎討ちを始めたが、今日のレースはそれだけでは終わらなかった。
周回を重ねるにつれて乾いていく路面に合わせ、ぐんぐんとペースを上げてきたのがスリックタイヤの佐藤。トップの名取を3秒以上上回るハイペースで次々とライバルたちを抜き去り、11周目のホームストレートでは川合をも捉えて2位に浮上すると、12周目の馬の背手前でついに名取をも攻略してトップに浮上。最後は2位以下に19秒もの大差をつけてチェッカーを受けた。
ところが佐藤にはレース終盤に黄旗追い越しにより37秒加算のペナルティが課せられ、10位でレースを終えることに。その結果、繰り上げで名取がこのレースの勝者となった。
またインディペンデントカップは#4佐々木祐一(DayDream Sendai F110)予選トップからスタートしてそのままトップでチェッカー。二輪時代から菅生を知り尽くしたベテランが今季初勝利を挙げている。
第10戦決勝は明日午前9時より15周で行われる。
- 第9戦優勝 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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出だしだけ悪かったんですけど、そのあとの空転はコントロールできたんで、スタートはポジションキープできました。ペースも悪くなくてチャンスを探したんですけど、周回遅れがいて、自力ではありませんがトップに立てて、運もよかったなと。もっとちゃんと走れれば1分31〜32秒が見えてたんですけど、最終コーナーで黄旗が出てて、ほぼ毎周周回遅れに捕まり、思うようなペースで走れずに川合くんに詰められました。これで大きくポイントも稼げたので、チャンピオン獲得に向けて明日も頑張ります。佐藤選手はグリッドが後ろだったのでああいう選択をしたと思いますけど、僕も少し守りに入ってしまったなと思うので、明日はよくチームと話し合って臨みます。でも同じタイヤの中ではトップだったので、それは自信に繋がりました。
- 第9戦決勝2位 #63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)
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まさか彼(名取)がトップだと思わなかったんで。最後は黄旗出てるわ、周回遅れいるわで、もうダメだと思ってたら彼が1番に誘導されて、僕も2番に誘導されて戸惑いました。2年前のもてぎ以来の表彰台で、しかも天候も一緒。晴れじゃ勝てないのかと。スタートはホイールスピンさせすぎました。タイヤはムッチャきつかったです。最後は曲がんないわ止まんないわで。明日はもう少し雨が降る予報と聞いてるので、タイヤマネジメントがしやすくなると思います。好きなコースなのでビビらずいけるはずです。
- 第9戦決勝3位 #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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ペース的にはめちゃくちゃ悪かったんで、2コーナーのコースオフがなくても抜かれていたかなと思います。あのコースオフでタイヤやクルマにダメージを受けたとは考えていませんが、とにかくずっとペースが上がらなくて辛かったです。明日勝てるかどうかわかりませんが、勝てるように頑張ります。
- 第9戦インディペンデントカップ優勝 #4佐々木祐一(DayDream Sendai F110)
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途中からほとんどドライになってきていたのでタイヤがかなり厳しかったですが、後ろがずっと離れていたので、前の若い人たちを誰か一人でも食いたいなと思ったんですが、みなさん速いんで難しかったです。地元なので勝てて良かったです。練習走行でエンジンが調子悪かったんですが、予選ではインディペンデントの中でトップを取れて良かったし、決勝もそのままトップを走れました。菅生はずっと走ってたんで、感慨深いものがあります。最近は四輪の走行枠が取れなくて、年一回走れる感じです。昔は二輪をやってて、32歳の時にここの耐久で転んで大怪我をしたのがきっかけて四輪に転向しました。それからずっとFJやFT、JAF-F4をやってきました。仕事を持ってるんで若い人みたいに走れないんで。お金と時間をやりくりしながらやってます。地の利があるので明日がドライでもレインでも大丈夫です。レインなら土砂降りがありがたいです。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Hiroyuki MINAMI
2018オートバックス スーパーGT第6戦「SUGO GT 300kmレース」の公式練習が9月15日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、GT500クラスは#100山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)が1'11.928でトップタイム。GT300クラスは#61井口卓人/山内英輝組(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'18.648でトップだった。
公式練習は午後9時にコースオープン。途中2度の赤旗中断があり、当初予定よりやや遅れて10時59分に終了した。走り始めの天候は曇り。しかし残り1時間を切ったあたりで雨が降り始め、GT300クラスの専有走行が始まる頃にはレインタイヤでの走行を強いられる状況となった。
このため、GT500クラス、GT300クラス共にベストタイムはドライコンディションで行われた混走の中で記録されており、このままウェットでの走行が見込まれる午後の公式予選の予想は全くつかない状態。GT500は当初#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)が1'11.960でトップに立っていたが、セッション中盤に100号車が1'11.928と僅かに上回ってトップに立った。
その後、GT300の専有走行まで20分を切ったところで#24ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)が2コーナーでスピンアウト、そのままグラベルに捕まったために最初の赤旗が出され、混走セッションはそのまま終了となった。10時30分にGT300クラスの専有走行で公式練習は再開されたが、ウェットタイヤ での走行ではタイムアップなど望むべくもなく、100号車がそのままトップで午後の予選を迎えることとなった。3番手には#12佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組(カルソニックIMPUL GT-R)が1'12.161で続いている。
GT300クラスは序盤に#61BRZが1'18.648を記録。これがそのままトップタイムとなった。2番手には#88平峰一貴/マルコ・マペッリ組(マネパ ランボルギーニ GT3)が続き、新田守男/中山雄一組(K-tunes RC F GT3)が3番手につけた。
第6戦の公式予選はこのあと午後2時よりノックアウト方式で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
FIA-F4選手権第9戦、第10戦の公式予選が9月15日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われ、#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がいずれもポールポジションを獲得した。
公式予選は午前8時10分より30分間で行われた。途中他車と接触した#7大滝拓也(SRS/コチラレ一シング)がコース脇にストップしたことによる赤旗中断などもあったが、セッションは時間延長などもなく定刻で走行を終了した。天候は曇り。ハイポイントコーナーの向こうに霧が出るなどしていたが、路面は終始ドライコンディションだった。
練習走行でも常にトップタイムを記録し、好調ぶりを見せていた#5角田がここでも飛び抜けた速さを発揮し、赤旗中断後に1’23.463、1’23.491を立て続けに記録してきた。この予選で1分23秒台を記録したのは角田ただ一人。2番手にはチームメイトの#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)がつけたが、タイムは1’24.040に留まり、コンマ6秒近い差を角田につけられてしまった。
こちらレーシングの2台に続いたのはル・ボーセの2台。#63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)が3番手、ルーキーの#62小倉祥太(DENSOルボ一セJSS F4)は4番手と今季ベストグリッドを獲得。当初は岡山と同じセッティングを持ち込んだが、練習走行のタイムが思わしくなかったために大幅なセッティング変更を実施したことが功を奏したようだ。
なおインディペンデントカップは#4佐々木祐一(DayDream Sendai F110)がトップ。#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)が2番手につけている。
第9戦決勝はこのあと12時55分より15周で行われる。
- 第9戦、第10戦ポールポジション #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
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富士のことはあまり思い出したくないというか…あまり頭の良くないレースをしていたので、そういう悔しさとかをずっと抱えて菅生に気持ちをむけてきたので、自信を持ってアタックしました。今回落ち着いてアタックしたのが良かったかなと思います。クルマは悪くないし、いいスペースを見つけられたので、その分いいアタックができました。練習からの反省点も生かせたので、その点でも良かったです。赤旗の時にセクター1でベストが出ていたので、このあとどうなるか気になりましたが、タイヤを労わるために早めに引き上げたのは良かったかなと思います。今回は勝ちたいという強い気持ちを持っているので、チームのためにも、メカニックさんのためにも、自分のためにもいいレースをしたいです
- 第9戦、第10戦予選2位 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 順位的には2番で優勝を狙える位置ですけども、タイム差がコンマ6秒開いてしまってるので良くない予選でした。練習では1日目で大きくあったタイム差が昨日は詰められたので、最初に戻っちゃったというか、決勝ではまた詰めていかないとなと思います。自分のアタックの仕方だったり、タイヤの熱の入れ方が良くなかったと思うので、チームとよく話し合って改善していきたいです。菅生はテストで走っていますが、レースは初めてなので、正直レースウィークは不安がありました。昨日改善できたことが今日は元に戻っているので焦りもありますが、レースが始まればそんなことは言っていられないので、悔いのないレースができるようにしたいです。
- 第9戦、第10戦予選3位 #63川合孝汰(DENSOルボ一セF4)
- 自分の思ったタイミングでタイムを出せてなかったんですよ。赤旗の前の周に出てる予定だったんですけど。トップだけ飛び抜けたタイムだったので「どうしようかな」と思ったんですが、とりあえず前は速いメンバーが揃っていたので、その隊列のまま走っていようと思いました。ガソリンが少なくなってきたところでタイムが出ましたが、本当だったらもう1周行ったところでタイムが出るはずだったんですよ。最後の最後にミスしちゃったんで、その一つ前の周がベストになりました。気温が低いんで、タイヤ的にはずっと走ってても問題ありませんでした。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2018全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が9月9日、岡山国際サーキットで行われた。雨によりスタート時刻の変更やセーフティーカーの導入、赤旗中断と大荒れの戦いとなったが、ポールポジションの#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が接戦の末#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)を追撃を退け、待望の今季初勝利を飾った。
(天候:雨 コース:ウェット 観客動員数:予選日5,400人/決勝日8,000人/大会総入場者数13,400人)
第6戦決勝は当初午後2時5分より68周で行われる予定だったが、9日朝の段階でスタート時刻を10分繰り上げ、レース距離も54周または最大70分に短縮することが大会組織委員回より発表された。しかし天候の悪化によりスタート時刻は30分、60分と相次いで延期され、結局午後2時55分にセーフティーカーの先導によりスタートすることになった。
ところがスタートと同時に雨量が増したことにより、隊列が7周目に差し掛かったところでメインポストから赤旗が提示され、レースは一旦中止となる。この時点の気温は23℃、路面温度は24℃と肌寒ささえ感じさせる状況、当然タイヤやブレーキのウォームアップにも悪影響があったものと推察される。この時点での残り時間は51分23秒とされた。
その後天候はやや持ち直したため、午後4時10分にレースは再開され、12周終了時点でセーフティーカーはピットへ。13周目から追い越しが解禁となった。
1コーナーにトップで入ったのはポールの関口。しかし2位の小林はその周のヘアピンでインに飛び込んで来た。ここでは関口がなんとか押さえ込んだが、今度はダブルヘアピン二つめでラインをクロスさせてインに切り込もうとした小林のフロントノーズと関口の左リヤタイヤが接触。小林はノーズコーンにダメージを負いながらも続くマイクナイトコーナーで関口を抜いてトップに躍り出ると、一気にリードを広げにかかり、17周終了時点でその差は7.090にまで広がった。
しかし関口は19周目に入った辺りからペースを上げ、次第に小林との差を縮めていく。ところが22周目の最終コーナーで後続の#15福住仁嶺(TEAM MUGEN SF14)と#7トム・ディルマン(UOMO SUNOCO SF14)が接触、両者揃ってスピンすることに。福住はすぐにコースに復帰したが、ディルマンはその場でグラベルに捕まってストップしてしまったため、23周目から再びセーフティーカーが導入され、トップ2台の差は一気に縮まった。
セーフティーカーは26周終わりでピットイン。トップの小林は最終コーナーの加速でうまく関口を引き離し、トップのまま27周目に突入。しかし序盤で一気に勝負を決めようと攻めに攻めた結果、ダブルヘアピン一つ目でアウト側の白線に乗ってしまい惜しくもグラベルに飛び出してしまう。この隙に関口が再びトップに。小林は2位でコースに復帰して再び関口を追い上げにかかった。
ところが31周目のアトウッドカーブでまたしても福住がスピンを喫し、この日3度目のセーフティーカーが導入されることに。この時点ですでに残り時間は4分を切っていたため、レースはSC先導のまま34周をもって終了。関口が今季初、2017年の第6戦SUGO以来の通算5勝目をものにした。2位は小林、3位には#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が入った。
なお、レースは規定周回の75%に当たる51周に達しなかった為、シリーズポイントは規定の半分とされ、優勝した関口は合計16ポイント、3位の平川は同17ポイントに。ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)が5位に終わり、合計29ポイントにとどまったため、二人には辛くも最終戦での逆転チャンピオンの可能性が残った。
このほか7位入賞の#1石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)は通算25ポイントに、10位の#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)が24ポイントのままとなり、チャンピオン争いはこの5人に絞られた格好だ。
第7戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。10月28日決勝だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第14戦の決勝が9月9日、岡山国際サーキットで行われ、#36坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が今季11勝目を挙げた。
8日の第13戦に続いてこの日の岡山も朝から雨が降り続いたため、第14戦決勝は周回数を当初予定の25から18に減らし、セーフティーカーの先導でスタートすることになった。
セーフティーカーは3周を終えたところでピットに入り、4周目から追い抜きが可能となったが、ポールシッターの坪井は序盤から一気に後続を突き放しにかかり、5周目には1'39.222のファステストラップを記録してみせた。
その後も周回を重ねるごとに雨量が増していったため、トップが16周目に入ったところで再びセーフティーカーが導入され、レースはそのまま終了。坪井は昨日に続いて2連勝を飾り、シリーズポイントを145とした。2位は#12笹原右京(THREEBOND)。ランキング2位の#37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が3位に終わったため、坪井とのポイント差は59となり、午後に行われる第9戦決勝の結果次第では今日中に坪井のチャンピオンが決まる可能性が出てきた。
次戦第9戦決勝は今日の午後4時10分より13周で行われる予定だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦のフリー走行が9月9日、岡山国際サーキットで行われ、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が1’30.141でトップタイムだった。
決勝日を迎えた岡山は機能に続いて雨。コースの至る所に川が流れる難しい路面コンディション。このため午前9時に始まったフリー走行は#17塚越広大(REAL SF14)がモスエスでクラッシュしたことによりわずか数分で赤旗中断となってしまう。17号車は前後ウィングが脱落し、左側の足回りにもダメージを受けている状態。決勝への影響が懸念されるが、塚越は自力でクルマを降りており、怪我などはない模様だ。
走行は9時16分に再開となったが、雨はチェッカーフラッグの提示された9時30分まで降り続いた。
こうした中、ポールシッターの関口は車高をあげた状態で出走し、5周めに1’30.141のトップタイムを記録、その後はピット出口でのスタート練習やオーバーテイクボタンの確認など、決勝に向けて入念な準備を行った。
2番手には#2国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)が0.218秒差で続き、昨日のフリー走行でトップだった#7トム・ディルマン(UOMO SUNOCO SF14)が3番手。ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)は10番手にとどまり、チェッカーフラッグを待たずして早々とクルマを降りてしまった。
第6戦決勝はこのあと午後1時55分より54周で行われる予定。
しかし天候如何によってはさらなるスケジュール変更もあり得る状況だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2018全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦は、9月9日朝8時付けで決勝日のタイムスケジュールを変更することが発表された。
これは今後予想される荒天に対応するための措置であり、スーパーフォーミュラの決勝はスタート時刻を当初予定より10分早めて午後1時55分とし、周回数も68周から54周に減算される。
同時に併催の全日本F3選手権についても、第14戦決勝は25周から18周に、第9戦決勝は午後4時10分にスタート時刻を早め、周回数も18周から13周に減算されることになった。
詳細は下記の通り
※()内は当初予定
SFフリー走行 9:00~9:30(変更なし)
F3第14戦決勝 10:15~18周または35分(10:15~25周)
SF第6戦決勝 13:55~54周または70分(14:05~68周)
F3第9戦決勝 16:10~13周(16:25~18周)
なお、今後の天候状況によってはさらなる変更や中止の可能性も現時点では否定できない状況だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2018全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の公式予選が9月8日、岡山国際サーキットで行われ、#19関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が1'24.446で1年4ヶ月ぶりにポールポジションを獲得。2位の#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)は1'24.466でその差は僅か100分の2秒という実に緊迫した戦いとなった。
第6戦の公式予選は午後3時15分よりノックアウト方式で行われた。朝から降り続いた雨は予選開始直前に小康状態となったものの、路面は終始ウェットのまま。全車が全てのセッションでウェットタイヤを用いての走行となった。
予選Q1
Q1は開始直後にダブルヘアピン2つ目で朝のフリー走行トップの#7トム・ディルマン(UOMO SUNOCO SF14)がコースアウト。続いて2コーナーで#15福住仁嶺(TEAM MUGEN SF14)がグラベルに捕まったために赤旗中断という波乱の幕開けとなった。
車両回収ののち15:37に再開されたが、ここで速さをみせたのが前戦もてぎで2位に入った#20平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)。ウェットのニュータイヤをここで投入して1'26.895を記録してトップに立つ。ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)が1'27.017で2位につけ、ウェット路面を得意とする#17塚越広大(REAL SF14)が3位、#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)が4位で続いた。
一方、ここでノックアウトされたのは赤旗の原因を作った二人のほか#65伊沢拓也(TCS NAKAJIMA RACING SF14)、#36中嶋一貴(VANTELIN KOWA TOM’S SF14)、#50千代勝正(B-Max Racing SF14)の3名。SF14の開発に初期段階から携わり、つい先日もSF19の開発テストを担当したばかりの伊沢と中嶋がここで予選を終えるという皮肉な結果となった。
予選Q2
Q1での赤旗中断の影響もありQ2は当初予定より遅れて午後4時4分開始。ここで速さをみせたのが未だポールポジション獲得のない#18小林。開始5分で1'25.548と唯一の25秒台のタイムを記録、トップで走行を終えた。Q1トップの平川も終盤に1'26.138までタイムを縮めて2位につけ、#5野尻智紀(DOCOMO DANDELION M5S SF14)がホンダ勢最上位の3位で続いた。
その一方で開幕戦と第3戦で優勝の#16山本尚貴(TEAM MUGEN SF14)、第5戦優勝の#1石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)がここでまさかのノックアウトという結果に。石浦は終了間際にチームメイトの#2国本雄資(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)に押し出される格好で予選を終えることになった。
予選Q3
Q3では今回初めてオーバーテイクボタンを2回まで使用できるという新たな試みがなされた。トヨタ勢では最終コーナー立ち上がりと2コーナーでの使用が推奨されていたとのことで、これを忠実に守ったのがチームインパルの2台。Q2トップの小林はウェット路面では1コーナーのブレーキングポイントが手前に来ることから2コーナーでの使用を見送り、結果的にダブルヘアピン二つ目で使うことになったが、それでも1’24.466を叩き出して一時トップに立つ。しかし終盤になって関口が1'24.446と小林を100分の2秒上回るタイムを叩き出し、昨年の第2戦岡山以来のポールポジションをもぎ取った。Q1トップの平川は持ち込んだウェットのニュータイヤをQ2までに使い切ったためQ3ではユーズドタイヤでの走行を強いられたが、1'25.026を記録して3位につけた。
第6戦決勝は明日午後2時5分より68周で行われる予定だが、天候次第ではスタート時刻や周回数が変更となる可能性も出てきている。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営する日本レースプロモーション(JRP)は9月8日、シリーズ第6戦が開催されている岡山国際サーキットで恒例のサタデーミーティングを開催した。今回は中嶋一貴(#36 VANTELIN TEAM TOM’S)、伊沢拓也(#65 TCS NAKAJIMA RACING)の二選手が出席、先日行われたSF19の開発テストでの印象を語った。
- 中嶋一貴(#36 VANTELIN TEAM TOM’S)
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「よくできたクルマだなあ」というのが第一印象です。トラブルなく走ることもできましたす。空力やタイヤサイズの違いなどもあり、今年のクルマとは少しキャラクターが違うなと思う部分もありますが、1日半走る中で少しずつセットアップを進めていくことができ、クルマのいい部分を見られたのかなと思います。
1日目に、ヘアピンのブレーキングでリヤホイールをロックさせてスピンアウトし、グラベルに捕まることがありました。僕が降りたあと、クルマを吊り上げる時にロープが切れて落っことしてしまいました。そのためにダンパーや足回りを変えたりアライメントを取り直すのに時間をロスしてしまいましたが、まあ自分のクルマじゃないんで別に(笑)砂の上とはいえ落ちてもちゃんと走るクルマなんで、頑丈になっているんじゃないかなあと思います(笑)その後は順調に試したいことを試すことができたので、そこで見えた方向性を今週の岡山に活かせないかなあと思ったんですが、それは残念ながらうまくいきませんでした。早く新しいクルマに変わらないかなあと思います。
クルマもタイヤも来年もっと良くなりそうな部分がみえました。いい意味での正常進化というか。ただその分今年うまくいってるチームは来年も好調だろうし、今年ハマってるチームは来年も大変だろうなという気もしてます。
- 伊沢拓也(#65 TCS NAKAJIMA RACING)
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事前に乗った人たちの感想などを聞き、出来上がったクルマの寸法なども聞いていくく中で、多少フロント周りがピーキーなのかな、という先入観がありましたが、その前にもてぎで走ったSF14とほぼ同じセッティングでSF19を走らせてみると、違和感が全くなく、フロントの許容範囲が広がった感じで、ステアリング操作に対して自分の思った通りのグリップが出てくれるし、クルマ全体としてダウンフォースが増えた感覚があり、コーナリング自体は14より速く走れている感覚がありました。ただラップタイムは14にミディアムタイヤを履かせて予選を走ったのとほぼ同じタイムしか出ていなかったので、コーナーは速いけどストレートが遅いのかなという印象がありました。それでもスウィフトからダラーラに変わった時ほどの大きな差はありません。
個人的な好みでいうとSF19の方が走らせやすかったので、中嶋選手と同じく早くSF19でレースをしたいと思いました。でもSF19で試したことをSF14にフィードバックすれば速く走れるかなと思ったんですが、同じようなことは全く起きず、逆に混乱してしまってる状況です(笑)
また最後に、悪天候が予想される明日の第6戦決勝について、タイムスケジュールの変更またはレースフォーマットの変更なども含め、実施に向けて最大限の努力をするとの発言が倉下明JRP社長より出た。JRPとしては第2戦オートポリスに続いての中止は極力回避したいとの意向だが、勿論安全性を犠牲にしてでもレースを強行するという意味ではないとのことだ。
第6戦決勝は明日午後2時5分より68周で行われる予定だ。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI
2018全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦のフリー走行が9月8日、岡山国際サーキットで開幕。朝から強い雨が降り続く中で行われたフリー走行では#7トム・ディルマン(UOMO SUNOCO SF14)が1'26.153でトップタイム。2位には#5野尻智紀(DOCOMO DANDELION M5S SF14)が続いた。
公式予選日を迎えた岡山は朝からあいにくの雨。60分間のフリー走行が始まる午前9時45分を前に雨脚は次第に強まり、路面コンディションはヘビーウェットに。この影響からか開始数分で#6松下信治(DOCOMO DANDELION M6Y SF14)がモスエスでスピンアウトしたため、赤旗が提示されてセッションは中断。車両回収ののち午前10時に走行は再開となった。
ここで速さをみせたのがルーキーのトム・ディルマンだ。第2戦オートポリスでピエトロ・フィッティパルディの代役として起用され、フィッティパルディの負傷によりその後も参戦を続けているディルマンは難しいウェットコンディションを物ともせず、残り時間7分で1'26.509を記録してトップに立つと、その後も1'26.279、1'26.153と順調にタイムを縮めてみせた。
2位の野尻はトップから0.284秒落ちの1'26.437。前回優勝のの#1石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF14)が1'26.468、#18小林可夢偉(KCMG Elyse SF14)が1'26.515と僅差で続き、ここまでが1分26秒台。ポイントリーダーの#3ニック・キャシディ(ORIENTALBIO KONDO SF14)は1'27.280で9位に留まった。
第6戦の公式予選はこのあと午後3時15分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forrum
2018オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の決勝が8月5日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選3位からスタートした#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)がレース終盤にトップに立って今季初優勝。2位にも#1平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が入り、チームトムスが初の1−2フィニッシュを達成した。GT300クラスは#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)がレース序盤にトップに立ち、後続に大量リードを広げて昨年の第5戦、今年の第2戦に続いて富士スピードウェイ3連勝を達成。高木は通算勝利数を20とし、歴代単独トップに躍り出た。
(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数;予選日22,100人/決勝日38,300人/大会総入場者数60,400人)
第5戦決勝は午前1時30分より177周(800km)で行われた。富士スピードウェイは予選、決勝を通じて好天に恵まれ、昨年以上の観客がコースサイドを埋め尽くした。
スタートでトップに立ったのはポールポジションの#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)。しかし5番手スタートから追い上げてきた#12佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組(カルソニックIMPUL GT-R)が54周目のコカコーラコーナーで23号車を捉えてトップに浮上すると、一気に後続を突き放しにかかった。
しかし12号車は149周目にインタークーラーの配管が外れるというまさかのトラブルで突如スローダウン。代わってトップにたったのが#36au LC500だった。
36号車は3番手スタートからスタートドライバーの関口が22周目に#24高星明誠(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)を抜いてトップに浮上すると、周回遅れに行く手を阻まれた#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)との差を一気に詰め、トップを伺うが、最初と2回目のピットストップでタイヤ交換に手間取り、23号車を抜くどころか12号車の先行をも許してしまう。
それでも関口、中嶋両名は終始ハイペースで追い上げを図り、116周目に中嶋が松田を捉えて2位に浮上、149周目には12号車のトラブルに乗じてトップに浮上する。高速コースの富士で初の800km耐久ということもあり、終盤を担当した関口はブレーキを労わりながらの走行を強いられたとレース後に語ったが、それでも最後までトップで177周を走り切った。2位には7番手スタートからこちらもトップ集団を上回るペースで追い上げてきた#1平川/キャシディ組が入り、トムスが1-2フィニッシュを達成した。
また今大会は700km以上のレース距離ということで規定によりボーナスポイントが与えられるため、優勝した関口は25ptを獲得してトータル40pt(中嶋はWEC出場のため第2戦を欠席)、#1平川/キャシディ組はともに18ptを獲得してトータル47ptとし、一気にドライバーズランキングのトップに躍り出た。関口は今回5位に終わった#100山本尚貴/ジェンソン・バトン組(RAYBRIG NSX-GT)と同ポイントとなったが、上位入賞回数で現時点では単独2位。ドライバーズランキングでもトムスが1-2位を占めることになった。
逆転に次ぐ逆転で大荒れの展開となったGT500クラスとは打って変わり、GT300クラスは8周目にトップに立った#55ARTA M6が一気に後続を突き放し、このクラスで唯一164周を走り切った。2位には#0谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG)が入り、#31嵯峨宏紀/平手晃平組(TOYOTA PRIUS apr GT)が3位。ポールポジションの#25松井孝允/坪井翔/近藤翼組(HOPPY 86 MC)は2度のコースアウトなどもあり5位でレースを終えている。
次戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。9月16日決勝だ。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2018オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の決勝は、#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)が今季初優勝。#1平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S LC500)が2位とトムスが1-2フィニッシュを達成した。GT300クラスは序盤からトップを快走していた#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)がそのまま逃げ切り、第2戦富士以来の今季2勝目を挙げている。
54周目からトップを快走していた#12佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組(カルソニックIMPUL GT-R)はレース後半に入っても快調にリードを広げ、一時は2位以下に30秒近いのリードを築き上げていた。2位はポールシッターの#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)だ。
しかし116周目。レクサスコーナーで松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)がアウトに膨らんだのを#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)は見逃さずに2位へ浮上。ニッサン勢の一角が崩れた。23号車はその後125周目に4度目のピット作業を行った。残り周回を考えるともう一度燃料補給が必要になる計算だ。この時点で23号車の上位入賞の望みは絶たれた。
さらにトップの#12カルソニックGT-Rも149周目に突如スローダウン。原因はインタークーラーの配管のトラブルとのことだ。すぐにトラブルは解決してコースに戻ったが、大きく順位を落とすことになった。これで36号車は労せずしてトップに浮上。2位には#1KeePer LC500が浮上した。
その後トムスの2台は終盤まで僅差でトップ争いを展開したが、最終スティントを担当した#36関口は最後まで#1キャシディの追撃を退け、昨年の第3戦オートポリス以来の勝利を36号車にもたらした。関口自身にとっては2016年10月の第7戦タイ以来の勝利だった。これにより#36中嶋/関口組はシリーズポイントを40ptとし、5位に終わった#100山本/バトン組と並んでドライバーズランキング2位に浮上。#1平川/キャシディ組はトータル47ptでランキングトップに。トムスはチャンピオンシップでも1位、2位を占めることになった。
3位は予選でトラブルに見舞われ後方スタートとなりながらも上位陣が相次いで脱落する中で着実に順位を上げてきた。#17塚越広大/小暮卓史組(KEIHIN NSX-GT)が獲得している。
なお、前日の公式練習でクラッシュし、予選出走を見合わせた#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)はメカニックの懸命の作業で見事車両を修復。最後尾からのスタートとなった上にエンジン交換による5秒ストップのペナルティをも受けながら8位入賞を果たし、貴重な4ポイントを獲得した。
GT300クラスは序盤からトップを快走していた#55ARTA M6が後続に全く付け入る隙をたたえずに大量リードを築いてそのままフィニッシュ。第2戦に続いて富士2連勝を達成した。2位は#0谷口信輝/片岡龍也組(グッドスマイル初音ミクAMG),
3位は嵯峨宏紀/平手晃平組(TOYOTA PRIUS apr GT)だった。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
2018オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の決勝レースが8月5日、午後1時30分にスタート。規定周回の約半分となる89周を終えた段階でGT500クラスは#12佐々木大樹/ヤン・マーデンボロー組(カルソニックIMPUL GT-R)、GT300クラスは#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)がトップに立っている。
GT500クラスのポールシッター、#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)はスタートからレース序盤にかけてトップを快走していたが、54周目のコカコーラコーナーで#12ヤン・マーデンボロー(カルソニックIMPUL GT-R)が#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)を捉えてトップに浮上。そのままリードを広げながら周回を重ねているが、左側のテールライトが切れた状態になっており、今後の動向が懸念される。
現在の2位は#23モチュールGT-R。一時は#36 中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500) の先行を許す場面もあったが、36号車は2度のピットストップでいずれもリヤタイヤの交換作業に手間取り、いずれも順位を落とさざるを得なかった。
GT300クラスは8周目の1コーナーで#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)がポールスタートの#25坪井翔(HOPPY 86 MC)を捉えてトップに浮上、そのまま着実にリードを広げながら周回を重ねている。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
熱く激しい競り合いを制したのはまたしても小高!!
FIA-F4選手権第8戦の決勝が8月5日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)が抜きる抜かれつの接戦を制し、富士大会2連勝を達成した。
第8戦決勝は午前8時より15周で行われた。富士はこの日も朝から強い陽射しが降り注いだが、早朝から多くの観客がコースサイドに集まり、若いドライバー達の戦いを見守った。
序盤トップに立ったのはポールポジションの#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)。要所要所をきちんと押さえる走りで#1小高の追撃を退け、トップを快走する。#1小高は皇族の#81菅波冬悟(OTG DL F110)や#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)らにも攻め立てられ、なかなか#6名取を捉えることができない。そこへ#98石坂瑞基(TOEI BJ Racing F110)も追いついてきて、一時トップ争いは5台の集団に発展した。
1コーナーでの攻略は難しいと判断した#1小高は5周目のダンロップでブレーキを遅らせて#6名取のインに飛び込んだが、これが大誤算。ホイールをロックさせてしまい#5角田の先行を許してしまった。しかし10周目の1コーナーで#5角田がアウトから#6名取に並びかけると、#1小高はうまくラインをクロスさせて#5角田のインに潜り込み、続くコカコーラコーナーで競り勝って順位を挽回する。
そして12周め。プリウスコーナーで#6名取の隙をついた#1小高は続くホームストレートでアウトに並び、1コーナー手前でトップに浮上した。後続を押さえるためにタイヤを使い果たした#6名取にはすでに挽回する力が残っておらず、#1小高が逃げ切って第7戦に続いて2連勝を飾った。3位は#5角田。昨日に続いての表彰台だが、レース後の表情は悔しさに溢れていた。
インディペンデントカップは序盤#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が序盤からトップを快走したが、ファイナルラップで痛恨のスピンを喫し、#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)が逆転、今季2勝目を挙げている。
次戦の舞台はスポーツランドSUGO。9月15-16日開催だ。
- 第8戦優勝 #1小高一斗(FTRSスカラシップF4)
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スタートがうまくいかずポジションキープでした。そのあとの展開もセクター3は速かったのですが、スリップストリームを使ってストレートで前に出切ることができず、1コーナーで並ぶだけじゃ抜くことができないのはわかっていたので、ダンロップコーナーで抜こうとした時にフロントをロックしちゃって。そこで一旦3位に下がりましたが、なんとか持ち直すことができました、もう一度名取選手の後ろについて行って抜きました。このままピットに戻ったら怒られると思いましたし(笑)富士はホームコースなのでどこで仕掛ければいいかわかっていますから、一年多く戦ってるアドバンテージを活かしました。角田選手とはだいぶポイント差がありますが、菅生は得意ですし、オートポリスも得意です。もう負ける気は無いんで残りは全部勝つつもりで行きます。
- 第8戦2位 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 昨日の失敗をちゃんと反省して今日のレースに活かしたのでレベルアップはできてると思うんですけど、最後は自分の詰めの甘さが出てトップを奪われてしまいました。順位をもアップしてきて、走りの安定感も出ているのにイマイチ結果が出てないなと思います。次は結果を求めていきたいです。昨日のレースから自分のペースは悪くないと感じていたので、このまま逃げ切れるかなと思いましたが、この富士スピードウェイはスリップストリームが効くので逃げることができなくて。小高選手のセッティングが決まってたのか、全然スピードが違っていたので、そこはテストで克服したいです。タイヤも使ってしまっていたので、取り返すことができませんでした。今後はさらに自分の走りを高めて、メンタル面もさらに高めて、足りないところは全て克服してシリーズチャンピオンを目指します。もう一つも負けるわけにはいきません。
- 第8戦3位 #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 見ての通りで、自分のやりたいようにレースをすることができず、普通に負けてしまった感じです。抜こうと思えば抜けたんですが、いろいろあって思い通りにはなりませんでした。タイヤは特に辛くはなかったのですが、負けてしまいました。
- 第8戦インディペンデントカップ優勝 #11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)
- 昨日は僕のミスで仲尾さんのレースを台無しにしちゃったんですけども。今日はスタートがうまく決まりましたが、仲尾さんのペースが速くて、ちょっとついていけないなと思って2位キープで走っていましたが、最終ラップに仲尾さんがスピンしていて、申し訳ないなという感じで勝ってしまいました。なんとかポイントリーダーを守ることができて良かったです。先週F3に出たことで体力だけはつきました。あれは今まで乗ったことのないしんどさでしたね。ただクルマを振り回す癖がついてしまい、修正するのが大変でした。それで仲尾さんにはやられっぱなしになった格好です。速かったですよ仲尾さんは。早くチャンピオンを決めたいので、なんとか4連勝してもてぎの前に決めたいんですが、仲尾さんもすごく速くなってきているので大変だと思います。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2018オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の公式予選が8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)、GT300クラスは#25松井孝允/坪井翔/近藤翼組(HOPPY 86 MC)がそれぞれポールポジションを獲得した。
今年から800kmの耐久レースに生まれ変わった真夏の富士ラウンド。公式予選は午後2時35分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。コースはドライだ。なお残念ながら今朝の公式練習でクラッシュした#38立川祐路/石浦宏明組(ZENT CERUMO LC500)と#34道上龍/大津弘樹組(Modulo KENWOOD NSX GT3)はクルマの修復が間に合わずに予選不参加となった。38号車は決勝出走を目指していまも懸命の修復作業を続けているが、34号車の損傷はあまりに大きく、今大会の出走を取りやめることになった。
予選Q1
GT500クラスのトップに立ったのはなんと#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)。持ち込みのセットとミシュランタイヤのワーキングレンジが今日の路面コンディションにズバリとはまったことが功を奏し、ウェイト45kg+燃料リストリクター1ランクダウンというハンデを物ともせず、終了間際に1’29.006を叩き出してみせた。2番手にも#3千代勝正(CRAFT SPORTS MOTUL GT-R)がつけ、ニッサンGT-R+ミシュランタイヤが1-2という結果に。3番手にはの#36中嶋一貴(au TOM'S LC500)、4番手には#19山下健太(WedsSport ADVAN LC500)とレクサス勢が続いた。一方苦戦を強いられたのがホンダ勢だ。#8野尻智紀(ARTA NSX-GT)は7位でかろうじてQ2進出を果たしたが、公式練習終盤にトラブルによりストップした#16中嶋大祐(MOTUL MUGEN NSX-GT)は12位と低迷。#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)に至ってはエンジンが始動せず、1周も走らないまま予選を終えることになってしまった。
GT300クラスはJAF-GT勢が活躍。#2加藤寛規(シンティアム・アップル・ロータス)が1’38.030でトップに躍り出ると、#25松井孝允(HOPPY 86 MC)も1’38.089で2位に続いた。一方、前戦タイで3位表彰台を得た#60宮田莉朋(SYNTIUM LMcorsa RC F GT3)は24位と低迷。Q1で姿を消すことになった。
予選Q2
Q2に入ってもGT-R勢の速さは変わらず、#3本山哲(CRAFT SPORTS MOTUL GT-R)が1’28.872といち早く28秒台のタイムを記録すると、GT500ルーキーの#24高星明誠(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)も1’28.493とさらに上回るタイムを叩き出してみせる。さらにその直後、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)が1’28.461を記録、見事ポールポジションを獲得してみせた。レクサス勢もチェッカー直前に#36関口雄飛(au TOM'S LC500)が1’28.749でGT-R勢に割って入り、予選3位に付けた。
GT300クラスは今季初めてQ2を任された#25坪井翔(HOPPY 86 MC)が1’37.312でポールポジションを獲得。緊張のプレッシャーは半端なかった、と予選後に語った坪井だが、見事チームの期待に応えてみせた。予選2番手には#55高木真一(ARTA BMW M6 GT3)が続き、FIA-GT3勢として意地を見せた。
第5戦決勝は明日午後1時30分より177周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
小高一斗待望の勝利!!
FIA-F4選手権第7戦の決勝レースが8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、予選2番手からスタートした#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)が接戦を制し、2016年7月の第8戦SUGO以来の勝利をものにした。
第7戦決勝は午後1時35分より15周で行われた。ポールシッターの#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)を最初の1コーナーでかわしてトップに立った小高は9周目の1コーナーで一旦は#81菅波冬悟(OTG DL F110)の先行を許したものの、この周終わりのホームストレートで菅波に並びかけ、1コーナーでトップを奪い返した。
ポールの名取は2周目のダンロップコーナーで#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)、#81菅波らに相次いで抜かれ、一時は5位にまで後退したが、4周目に#16澤田真治(Media Do ADVICS影山F110)を抜き返して4位に浮上、そのままトップ集団に接近、そこからは#81菅波、#5角田、#6名取の3台によるドッグファイトがコースの至る所で展開されることになった。
これに乗じてトップの#1小高は着実にリードを広げ、最後は後続に4秒以上の大差をつけてフィニッシュ。2年ぶりの待望の勝利を手にした。
2位は#5角田、#6名取が3位に入り、#81菅波は終盤大きく順位を落とし、6位でレースを終えている。
なお、インディペンデントクラスは予選トップの#2仲尾恵史(TCS Racing Team)と#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)が1周目に接触。仲尾は大きく順位を落とし、植田にはドライブスルーペナルティが課せられることになった。代わってトップに立ったのは#28井出靖司(CSマーケティング・イディア・ES)。今季3大会目の参戦となった井出がそのまま逃げ切り、嬉しい初勝利を獲得している。
次戦第8戦決勝は5日朝8時より同じく15周で行われる。
- 第7戦優勝 #1小高一斗(FTRSスカラシップF4)
- ペースが悪かったんでやばいかなと思ったんですけど。とりあえずは運がよかったというか。後ろでごちゃごちゃやってくれたのでなんとか勝てたという感じです。ペースを上げるところと落とすところを区別つけてて、後ろがやりあった瞬間にプッシュって感じで。そこでうまく離すことができ、その後もずっとやりあっててくれたので、作戦がうまくいったと思います。ずっとプッシュしていたらペース的に5番とか6番に留まったかもしれません。うまくレースをまとめられて良かったです。
- 第7戦2位 #5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 本当はバトルしたくなかったんですが、結果的にバトルみたいな形になっちゃいました。とりあえずポイントを取れたのは良いかなと思います。菅波選手を抜いてからまた来るとは思っていませんでした。もうちょっと待って、菅波選手が小高選手を抜いた時について行けば良かったなと思いました。菅波選手はストレートがめちゃめちゃ伸びてて、抜いても抜き返されてしまうので、1コーナーなどでだいぶブレーキを詰めていきました。走りは悪くなかったと思います。あしたはリヤウィングなしで行くんで(笑)
- 第7戦3位 #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- スタートで油断してしまって入られたのが敗因だと思います。自分の走りも納得できないし、そのほかに周りの選手の走り方も納得できない部分がありました、前回僕がペナルティを受けたのと同じように、ほかの選手のスペースを残さないやり方を何回もされました。その辺はチームとも話し合って明日に備えます。明日もトップからのスタートなので、落ち着いて、今日のスタートの失敗を克服して臨みたいと思います。
- 第7戦インディペンデントカップ優勝 #28井出靖司(CSマーケティング・イディア・ES)
- 岡山と鈴鹿乗れたので富士でも乗ってみたいなと思っていて。乗る回数が少ないので心配だったんですけど先輩方に色々教えていただきました。結果を残すことができて楽しいレースでした。目の前で波乱があって怖かったんですけど、うまく切り抜けられました。5周目くらいからずっとしんどかったんですけど、サボるとすぐ追いついてくるし、サボるとスピンしちゃうので大変でした。今年はもうこの大会が最後なので、また来年出ます。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
2018オートバックス スーパーGT第5戦「富士GT500マイルレース」の公式練習が8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われた。クラッシュやタイヤトラブルで2度の赤旗中断が入る中、GT500クラスはニッサンGT-Rが上位を独占。トップは#23松田次生/ロニー・クインタレッリ組(MOTUL AUTECH GT-R)で1’29.420を記録した。
GT300クラスも#10星野一樹/吉田広樹組(GAINER TANAX triple a GT-R)が1’37.992を記録してトップだった。
昨年まで開催されていた鈴鹿1000kmが鈴鹿10hに生まれ変わってスーパーGTのシリーズ戦から外れたことを受け、新たに500マイルレースとして開催される真夏の富士ラウンド。今回も朝から強い日差しが降り注ぐ中、数多くの観客がコースサイドに集まってきた。
こうした中、公式練習は午前8時40分にスタート。しかし開始から30分余りが過ぎたところでホームストレートを走行していた#38立川祐路(ZENT CERUMO LC500)が1コーナー手前で突如コントロールを失い、ピットアウトしてきた#34道上龍(Modulo KENWOOD NSX GT3)に激しく追突するというアクシデントが発生。これにより最初の赤旗が提示された。
34号車、38号車ともに損傷は激しく、現在もチームスタッフが懸命の修復作業を行なっているものの、テレビのインタビューに答えた道上からは今週末の参加は難しいとのコメントが出ている。
走行は9時30分に一旦再開されたが、その20分後に今度は#9久保凜太郎(GULF NAC PORSCHE 911)の左フロントタイヤがバーストしたため、1コーナー手前でストップしてしまうことになり、2度目の赤旗が提示された。この影響を受けて走行時間は10分延長となった。
これにより当初予定より10分遅れて始まったGT500クラスの専有走行では、終盤にニッサン勢が立て続けにタイムを更新。トップに#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)、2位には#3千代勝正(CRAFT SPORTS MOTUL GT-R)、3位は#24高星明誠(フォーラムエンジニアリングADVAN GT-R)と1-2-3を形成した。レクサス勢最上位は#36中嶋一貴/関口雄飛組(au TOM'S LC500)の4位。ホンダ勢は#16武藤英紀/中嶋大祐組(MOTUL MUGEN NSX-GT)が5位につけている。
GT300クラスは#10GAINER TANAX triple a GT-RとこちらもニッサンGT-Rがトップタイムを記録。2位には#55高木真一/ショーン・ウォーキンショー組(ARTA BMW M6 GT3)、#34道上龍/大津弘樹組(Modulo KENWOOD NSX GT3)が3位につけているが、こちらは予選、決勝への出走は難しそうだ。
スーパーGT第5戦の公式予選はこのあと午後2時35分よりノックアウト方式で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Keiichiro TAKESHITA
FIA-F4選手権第7戦、第8戦の公式予選が8月4日、静岡県の富士スピードウェイで行われ、#6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)が2戦連続でポールポジションを獲得した。
約2ヶ月のインターバルを経てFIA-F4選手権もいよいよ後半戦に。今回の舞台となる富士スピードウェイは朝から好天に恵まれ、午前8時からの公式予選も汗ばむ陽気の中での走行となった。このため各ドライバーともタイヤの消耗を考慮してセッション序盤から積極的にアタックを開始し、チェッカーフラッグを待たずに早々と走行を切り上げる作戦をとった。
走行開始からトップを争ったのは#1小高一斗(FTRSスカラシップF4)と#81菅波冬悟(OTG DL F110)の二人。セッション中盤に入って#6名取も次第にペースを上げ、残り時間13分余りで1’45.493を記録してトップに浮上。#1小高が1’45.595でそれに続く。#81菅波はこの時点で3番手だったが、予選終了まで12分を残して早々とピットイン。それでも初優勝に向けて確かな手応えを得ていたようだ。結局ベストタイム、セカンドタイム共に#6名取、#1小高、#81菅波の順で決勝に臨むことになった。
一方、ここまで5連勝中の#5角田裕毅(HFDP/SRS/コチラレ一シング)は今回ベスト、セカンドベストともに4番手とやや苦戦。本人曰く前のクルマとの間合いの取り方、スリップストリームの使い方が今ひとつしっくりきていなかったとのこと。それでも富士で2列目のグリッドは優勝が充分狙えるポジション。「ガツガツいく」と角田は闘志を燃やしている。
また、インディペンデントカップは#2仲尾恵史(TCS Racing Team)が1’47.490でトップ。先週岡山で全日本F3選手権にスポット参戦した#11植田正幸(Rn-sports制動屋F110)が1’47.779で続いた。
第7戦決勝はこのあと午後1時25分より15周で行われる。
- 第7戦ポールポジション、第8戦ポールポジション #6名取鉄平(HFDP/SRS/コチラレ一シング)
- 練習走行から調子は良かったのですが、タイムをうまくまとめきれなかったり、いろいろドライビングを試したこともあって練習の順位はそこまで良くなかったです。でも予選ではうまく合わせきる自信がありました。決勝のペースも悪くないので2連勝して、3勝目を挙げたいと思います。
- 第7戦予選2位、第8戦予選2位 #1小高一斗(FTRSスカラシップF4)
- 昨日の練習と比べると走行時間が早いので、早めにアタックをしようかなと思っていました。そんなに悪くないアタックで終えられましたが、もうちょいスリップストリームを使えていればいけたな、と。そこで負けちゃいました。でも富士なので。今回のレースペースは自信があるので、ポール取りたかったですけど2列目までならチャンスはあると思います。角田選手が調子良くないんで、勝てるうちに勝っておかないとタイトルは狙えないと思います。
- 第7戦予選3位、第8戦予選3位 #81菅波冬悟 (OTG DL F110)
- 昨日の練習に比べて路面状態も良く、クルマもマッチしていたのでいいアタックができたと思います。いま出せる自分の力は全部出せました。それが結果に繋がりました。前方のグリッドからスタートできるので、優勝を目指してアグレッシブに頑張っていきたいと思います。自分もチームも2年目に入り、クルマも3台に増えているので、データを集めやすくなり、最近はちょっとずつ良くなっています。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
全日本F3選手権第8戦の決勝が7月28日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が今季6勝目を獲得した。
台風12号接近により、第8戦決勝は当初予定されていた29日朝から大幅に予定を繰り上げ、28日の午後3時25分より18周で行われた。
天候は晴れ。コースはドライだった。
ポールシッターの#36坪井はスタートからトップで1コーナーへ飛び込むと、2位の#37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)をじわじわと引き離していく。#37宮田はスタートで並びかけたものの1コーナーを制するには至らず、その後も懸命に追い上げたが、その差は5周終了時点で1秒。17周目には2秒となってしまった。結局#36坪井は全く危なげない走りで今季6勝目を挙げ、第6戦富士から続いた悪い流れを断ち切ることに成功した。
追い抜きの難しい岡山ということもあり、2位は#37宮田、3位には予選3位の#93大湯都史樹(TODA FIGHTEX)、4位に#2阪口晴南(TODA FIGHTEX)とここまでは予選順位どおりの結果に。
予選5位の#12笹原右京(THREEBOND)はオープニングラップで順位を落としたことが祟って7位でレースを終えることになった。
またNクラスの#10ジェイク・パーソンズ(NODAレーシング)は総合13位でフィニッシュしている。
なお、台風の接近により29日の日程は全てキャンセルされることがすでに決まっており、第9戦決勝は中止となっている。
次戦の舞台はツインリンクもてぎ。8月18-19日に第10戦、第11戦、第12戦の3レースを開催する。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
台風12号の接近に伴い、スケジュールの変更を迫られていた全日本F3選手権岡山大会だが、午後3時25分発行の公式通知により、29日の競技は全スケジュールが中止と正式に決定した。
これにより岡山大会は28日午後の第8戦決勝をもって日程終了となる。
次戦はツインリンクもてぎ。8月18-19日に第10、11、12戦を行う。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第7戦の決勝レースが7月28日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)が今季2勝目を挙げた。
第7戦決勝は当初午後3時50分より25周で行われる予定だったが、既報の通り台風の影響を考慮してスタート時刻が午後1時55分に繰り上げられ、周回数も18に短縮された。
スタート進行の段階では僅かに雨が降ってきていたが、レースは終始ドライコンディションで行われた。
ポールの#37宮田はスタートを決めてトップで1コーナーに飛び込むと、後続に全く付け入る隙を与えない安定した走りでそのままフィニッシュ、第6戦富士に続いて2連勝を飾った。
2位はチームメイトの#36坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)、#12笹原右京(THREEBOND)が3位につけた。
一方、予選3番手のタイムを記録しながらエンジン交換により3グリッド降格のペナルティを受けた#93大湯都史樹(TODA FIGHTEX)はレコノサンスラップでのイエローラインカットにより3周目にドライビングスルーペナルティを受けるという散々なレースで9位。#2阪口晴南(TODA FIGHTEX)はスタート時のエンジンストールにより一時最後尾まで後退したものの、そこから追い上げて6位でフィニッシュしている。
ここをホームコースとする#8片山義章( YTB F318)はスタートで3位に浮上したが、これがジャンプスタートと判定されてドライブスルーペナルティを受け、7位に終わった。
唯一Nクラスに参戦している#10ジェイク・パーソンズ(NODAレーシング)は総合14位でフィニッシュした。
第8戦決勝はこのあと午後5時25分より同じく18周で行われる。

Text:Kazuhisa SUEHIRO
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岡山国際サーキットで開催されている全日本F3選手権第7、8、9戦だが、台風の接近に伴いタイムテーブルを大幅に変更することが7月28日12時20分付で大会組織委員回より発表された。
これによると当初午後3時50分スタートとされていた第7戦決勝が午後1時55分スタートに。これに伴い周回数も当初予定の25周から18周に短縮されることとなった。
また当初は29日午前9時45分スタートとされていた第8戦決勝は28日午後5時25分スタートに繰り上げられた。こちらの周回数は予定通り18周とのこと。
なお、29日のタイムテーブルならびに第9戦の周回数については現時点では未定だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO
全日本F3選手権第7戦、8戦の公式予選が7月28日、岡山国際サーキットで行われ、第7戦は#37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TOM'S F317)、第8戦は#36坪井翔(カローラ中京Kuo TOM'S F317)がポールポジションを獲得した。
公式予選は午前10時20分より30分間で行われた。路面は終始ドライコンディションだったが、台風の接近により上空には雲がかかってきており、前日の専有走行よりも気温、路面温度が下がったことでタイヤのウォームアップに苦労するドライバーもいたようだった。
1本目のアタックでトップに立ったのは#36坪井。1’22.646を4周目に記録したが、3周目のアタックでミスを犯したためにもう1周予定外のアタックを行なった結果だという。#37宮田も同様の理由で4周、5周、6周と22秒台のタイムを連発。1’22.656がこの時点でのベストタイムだった。3番手には#93大湯都史樹(TODA FIGHTEX)が1’22.793と僅差で続く。
上位陣は残り10分を切ったところで2本目のアタックを開始。ここで#37宮田が1’22.395を叩き出してトップに浮上する。#36坪井は1’22.507で2番手。その後も続けてもう1周行こうとした坪井はセクター1、2と自己ベストを更新したものの、ダブルヘアピンで1台がスピンしたことで提示された赤旗に行く手を阻まれ、タイムアップはならなかった。この赤旗は#93大湯のアタックにも影響を及ぼし、こちらは3番手で予選を終えることに。しかし大湯は前戦富士でエンジンブローに見舞われたためにエンジン交換を行なっており、第7戦決勝での3グリッド降格がすでに決まっている。
また今大会は3レース開催ということでドライタイヤは3セットが使用可能となっており、これに応じて#8片山義章( YTB F318)、#12笹原右京(THREEBOND)らが3セット全てを投入してタイムアタックを行なったが、笹原は5位、片山は6位と、この試みは必ずしも成功したとは言い難い結果となった。
第7戦決勝は今日午後3時50分より25周で行われる予定だが、台風の影響からタイムスケジュールの見直しが検討されており、この結果いかんで3レースのスタート時刻、周回数などが変更となる可能性が大きい。
- 第7戦ポールポジション、第8戦予選2位 #37宮田莉朋(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
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30分間の予選なので、1アタックしてピットインし、また2回目のアタックに行くという作戦でした。1回目は失敗した部分があってタイヤのいいところを使い切れませんでした。2回目のアタックは1回目に比べればまとまっていましたが、それでもまだロスしてる部分があったので、もう1周タイムを出しに行く予定でしたが、赤旗が出てしまいました。あれがなければ2戦ともポール取れたかなとも思いますが、逆に赤旗に助けられた面があったのかもしれません。とりあえずポール取れてよかったです。1本めで3周続けてアタックできたことで、ロングランに対しても自信がつきました。
3セット目を予選で使うことは全然考えていませんでした。限られた時間の中でタイムが出せるかどうかもわからないし、3レース目のグリッドが1レース目の結果で決まることを考えれば、1レースめを新品タイヤで走った方がいいと考えました。
決勝ではスタートを普通に決めて、鈴鹿でのリベンジをしたいです。
- 第7戦予選2位、第8戦ポールポジション #36坪井翔(カローラ中京Kuo TEAM TOM'S)
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練習走行までずっとトップだったし、路面温度が高い時はずっと調子が良かったんですけど、今日の予選では路面温度が下がったことにアジャストしきれず1セット目のアタックではミスをしてしまいました。2セット目のアタックは赤旗でアタックしきれなかったので、第8戦のポールが取れたこと自体が奇跡に近い感じです。いろんなトライはしていたんですけど、なぜか3周めでアタックに行けない状態で、4周め5周目にタイムを出しました。赤旗がなければもうコンマ1いけたかなとは思いますが、まあ2番手スタートなら決勝は悪くないと思うので、決勝では集中して行きます。明日の午前のレースだと難しいので、できれば今日2レースになればと思います。第1レースでは25周きちんと組み立てて勝ちたいです。
3セット目については時間的に間に合わないと思い、最初から考えませんでした。僕らはウォームアップをゆっくり目に行うので、時間が足りないし、決勝にニュータイヤを残した方がいいという判断でした。
- 第7戦予選3位、第8戦予選3位 #93大湯都史樹(TODA RACING)
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このコンディションだったらタイムが上がるのはわかっていたので、ウォームアップの周のタイヤの熱の入れ方が肝心だと思いました。あとはもう普段通りに走ればいいなと。このレースウィークを通してクルマは悪くありません。気温が低い時は調子いいんですよ、このクルマは。あとはユーズドのレースペースが不安ですね。予選だけで終わっちゃわないように、なんとかしないとと思います。予選中にセット変更の時間を取ることを考えると3セット目を使うことは全く考えませんでした。
次は6番手からスタートしますが、スタートをうまく決めて1周目で4番手くらいで戻ってこれればと思います。そこからチャンスを見て、という感じ上がっていければ、と。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Hiroyuki MINAMI
Yoshinori OHNISHI