4月14日に岡山国際サーキットで行われたGTアソシエイション(GTA)の定例会見では、GT300クラスへのカーボンニュートラル燃料の使用や、タイヤの持ち込み本数の削減など、現在行なっている環境対策の今後の展開や、それに関連するGT500クラスの新たな車両規定の採用についての現状と今後のスケジュール、そして海外戦の復活など、今後のスーパーGTを取り巻く様々な重要課題について坂東正明代表取締役が答えた。要旨は下記の通り。
(2024シーズンに向けた抱負)
フォーミュラEに始まり、F1、秋にはWEC、WRCという4つの世界選手権が行われる中で、自分達としては学べるものを学んで日本のモータースポーツのあり方を考え、オーガナイザーや自動車メーカーとの関係、チームとの関係を踏まえて作り上げていく。
自分達の部分としては、今年からGT300にも合成燃料50%の新しい燃料を使用する。我々はカーボンニュートラル燃料と呼んでいるが、近い将来にE-Fuelと呼べるものを使用したい。これを作る方法、作っていただけるところを検討し、最終的にはこれを国産化していくという考え方は今も変わっていない。
それをやっていくために、今年のレギュレーションでは環境というものを考え、生産から運搬、組み込むタイヤの本数、リサイクルの方法まで見直して、本数を削減していく。岡山大会においては各チームの持ち込みセット数を4セットとしている。かなり大きな変化になるが、これをやりながら、E-Fuelの採用や環境に応じたクルマ作り、GT500クラスの将来像を考える。HEVを入れるのか、キャパシタの方向性など、どういった形で2027年規定を作り上げるのか。そういうものを踏まえる大事な年になる。2027年にテスト走行をしたいとなると、レギュレーションは2026年には決まっていないといけない。そのために2025年にはきちんとした方向を定めないといけないということで、昨日(13日)にもステアリングコミッティーを開催している。
安全性については、GT500について5mmの車高アップを行った。これによりダウンフォースの削減を図ったが、クルマによって影響の出方は様々だ。いかなる状況においても技術陣は勝つためにスピードを取り戻そうとする。追いかけっこになるかもしれないが、いかにカーボンモノコックであっても(アクシデントの際の)痛みとかは出るので、今後もコーナリングスピードの低減に取り組んでいく。
(予選インターバルの変更、リザーブドライバー制度について)
公式テストでの予選シミュレーションの結果から、今の8分間だとタイヤの温まりが不十分だということで、エントラント側から変更を求めてきた。そこでGTE(GTエントラント協会)とコミニュケーションを取りながら、(GTAの)テクニカル部会などと話し合った結果、導き出された結果だ。
リザーブドライバー制度については、先日の富士テストで牧野任祐が体調不良で欠席となった時に、GT300のドライバー(小出峻)を代役に起用した実例がある。それならマニファクチャラーの側でGT300のチームのフォローをきちんとやるべきである、という考えのもとに設定した。
(海外ラウンドの復活について)
スーパーGTは全日本選手権ではなく、インターシリーズであるので、海外戦を再度構築することはやっていかなければならないと考えている。コロナ禍の中でのロジスティクスの問題、実際コストを計算して費用対効果を検証しているが、まだ着地点が見つかっていないというのが現状だ。現時点で可能性があるのはマレーシアだと考えている。今のカレンダーだと6月、7月が空いているので、もし開催するならばそこになると思う。また海外戦が多くなって来れば、ウィンターシリーズを構築するという格好で東南アジアで何戦かを行うということを常に考えている。
可能であれば来シーズンにもマレーシア戦をやりたいと思っているが、どこまで煮詰まるか。JAFのカレンダー申請が6月にあるので、そこまでに目処を立てたい。立たなければ再来年という格好になると思うが、できる限り努力していく。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラス 36号車au TOM'S GR Supra(TGR TEAM au TOM'S)
- 坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)
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「3連勝ってGTではまずできることではないので、ここまでできたのはチームと、相方の山下選手と、みんなの力だと思うので、今回はすごく良かったと思います」
「僕のスティントはセーフティーカーのあとのリスタートで3秒くらい離せたのかな、あれがかなり効いて余裕が生まれました。最初にチームと山下選手から『20秒ちぎってくれ』と言われていましたが、10秒ちょっとしかちぎれなかったので『あとは山下選手頼む』という感じでした」
「次まではまだ(勝機が)あると思います。富士ですし。ですので第1戦、第2戦、第7戦、第8戦の四つを取れれば自ずと(チャンピオンが)見えてくると思いますので、この4つを取りに行くます」
- 山下健太(TGR TEAM au TOM'S)
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「本当に内容的にいいレースで、チームにも坪井選手にも本当に感謝しています」
「自分のスティントは、坪井選手が10秒くらい(リードを)築いてくれたのもあって、割と余裕を持って走れました。長いスティントだったので、チームから『タイヤをしっかりマネージしてね』と言われており、かなりマネージしたつもりでしたが、ちょっとやりすぎて4秒差くらいまで詰められる場面もありました。最後はもういいかなと思ってペースを上げて、10秒くらいまで差を広げられましたので、組み立てとしてはまあ良かったのかなと思いました」
GT300クラス 2号車muta Racing GR86 GT(muta Racing INGING)
- 平良響(muta Racing INGING)
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「初優勝ということで非常に嬉しいです。去年は悔しい2位が何回もあったので、今年こそは、と挑んだシーズンでした。優勝で始めるシーズン、非常に流れがいいのかなと思います」
「スタートしてからは65号車を追っていく形でしたが、僕らは最初からタイヤ無交換でいく作戦だったので、タイヤを痛めず、残したまま堤選手に渡そうかなと。最後に周回遅れの集団にひっかったタイミングでピットに入れたので、非常にいいタイミングだったなと思います。その辺はチームとの連携がうまく取れましたし、自分の判断も良かったと思います」
- 堤優威(muta Racing INGING)
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「非常に嬉しく思います。昨年は2位を3回取りましたが、勝てないシーズンを送ったので、開幕戦で勝てたことは非常に良かったです」
「レース展開としては、最初から無交換でいくとチームから聞いていましたが、正直乗っていても非常にキツくて、ライバルとしては埼玉(トヨペット)勢を目安としてタイムを見ていましたが、タイムがどんどん落ちていく中で、どうやって走るかを自分なりに試しながら走って、なんとかLEONに追い付かれずに勝てたというところで。平良選手からもらったギャップがあったので、少しは楽に走れましたが、少しのミスも許されない展開で、非常に疲れました」
※ なお、会見前に行った抽選により、第2戦の公式予選Q1ではGT300クラスはグループB(このレースの決勝順位偶数のチーム)が先に走行することが決まった。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

4月14日に岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われた2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」のGT300クラス決勝は、予選2番手からタイヤ無交換作戦を敢行した2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が待望の勝利を挙げた。

第1戦決勝はポールシッターの篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)がスタートからトップを快走。予選2番手の平良響(muta Racing GR86 GT)が2位、井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が3位と序盤は予選順位のままでオープニングラップを完了する。その後方では和田久(アールキューズAMG GT3)に柴田優作選手(#48 脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R)がアトウッドカーブで追突、22号車がコースを飛び出すアクシデントが発生し、セーフティーカー導入の一因となっている。
8周目にセーフティーカーがピットインし、レースが再開されると、トップ3には変動はないものの、その後方では片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)を荒聖治(Studie BMW M4)が猛追する熾烈な4位争いが展開される。
片岡は荒の猛攻を退けつつ、3位61号車との差を詰めていき、29周目にこれを捉えて3位に浮上する。
33周目には2位の2号車がピットイン。タイヤ無交換で平良から堤優威に交代する。3位の4号車もこの周でピットイン、タイヤ交換を行って谷口信輝に交代した。
一方、トップの65号車は50周目まで引っ張ってようやくピットイン。タイヤ4本を交換して蒲生尚弥が吉田広樹(Green Brave GR Supra GT)の後ろ、3位でコースインした。52号車も25周目のピットインでタイヤ無交換作戦を敢行しており、順位を上げることに成功していた。
これでトップに立ったのは堤優威(muta Racing GR86 GT)だ。
後方では藤波清斗(マッハ車検エアバスターMC86マッハ号)と井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が8位争いをしていたが、59周目のダブルヘアピンで山内が藤波に追突してしまい、5号車はスピン。藤波がコース復帰に手間取ったこともあり、競技団からはFCYが宣言される。これにより5号車は22位まで後退することとなった。
一方、3位に後退していた65蒲生は消耗したタイヤで周回を重ねる52号車を追い詰めていき、65周目のヘアピンでアウトから並びかけ、続くリボルバーでインを取って2位に浮上する。
しかしトップの2号車との間には大きなギャップができており、蒲生は1周あたり1秒以上上回るペースで追い上げを図ったもののついに2号車のテールを捉えることはできなかった。
この結果、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)はコンビ結成以来初の勝利をここで達成、2位には65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が続き、71周目のヘアピンで52号車を捉えた7号車Studie BMW M4(荒聖治/ニコラス・クルッテン)が3位に入った。




Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」の決勝が4月14日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が他を寄せ付けない速さでスタートから逃げ切り、見事ポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
(観客動員数:予選日8,500人/決勝日15,500人/大会総入場者数24,000人)
第1戦決勝は午後1時30分より82周で行われた。スタート時点の気温は26℃、路面温度は39℃だ。
なお前日の予選Q1でタイム抹消となり、Q2への出走を見合わせた8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8は規定によりピットスタートとなったため、岡山県警の先導によるパレードランを終えるとそのままピットイン、若干量の給油をおこなって最後尾で戦列に加わった。

スタートでトップに立ったのはポールシッターの坪井翔(au TOM'S GR Supra)。予選2番手の関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が2位、3番手の牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が3位、大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が4位とここまでは予選順位通りだ。
しかしその後方では予選6番手のロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z)が大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)に押し出される形で1コーナー立ち上がりで膨らみ、9位まで順位を落とす。

14号車の大嶋はベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z)とのバトルの末、12号車に押し出される格好でリボルバーの立ち上がりでスピン、これを避けきれなかった太田格之進(Astemo CIVIC TYPE R-GT)が14号車に追突してしまい、コース外でストップしてしまった。
またGT300クラスでも2台がアトウッドカーブで接触して1台がコースを飛び出すアクシデントが発生したため、早くも2周目からセーフティーカーが入った。
14号車はリヤフェンダーとカウルにダメージを負っており、12号車も右フロントにダメージ。このためSC中に2台はピットに戻ってきたが、12号車がガムテープでの補修でコースに復帰したのに対し、14号車はガレージで大掛かりな修復作業をすることになり、コースに戻った時には39周遅れとなっていた。なおこの接触により12号車にはドライビングスルーペナルティが課せられることになった。
7周終わりでSCはピットイン。8周目からレースは再開となる。すかさず逃げを打つ36号車の坪井の後方では39号車の関口、100号車の牧野、38号車の大湯が接近戦を展開。高星明誠(Niterra MOTUL Z)が5番手で続く。
トップの坪井は12周を終えたところで3秒628のリード。その後ろで展開されている2位争いには3号車の高星も加わってきた。
14周目のヘアピンで38号車の大湯がアウトから100号車の牧野に並びかける。押さえる牧野。すかさずリボルバーでインを狙って行く大湯。ここでも押さえる牧野。しかし18周目のアトウッドカーブで大湯は牧野にアウトから被せ、3位に浮上する。
後方ではピットスタートを選択した野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)がSC導入にも助けられて着実に順位を上げていき、20周目の1コーナーで伊沢拓也(Modulo CIVIC TYPE R-GT)のインに飛び込んで10位に浮上。21周目には名取鉄平(リアライズコーポレーションADVAN Z)をも捉えて9位に浮上すると、後半を担当した松下信治も46周目に12号車を攻略して8位に浮上、見事ポイント圏内でフィニッシュしてみせた。
一方、トップの36坪井は20周終わりで9秒667。規定周回の3/1を超える28周終わりには12秒071と着実にリードを広げていった。
29周目には38号車と100号車が同時にピットに飛び込むが、ここで38号車は右フロントの交換に手間取ってしまい、100号車の先行を許してしまった。
2位の39号車は31周終わりで23号車、64号車と共にピットイン。
トップの36は32周終わりでピットイン。山下に交代する。これで暫定トップは笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)に。笹原はトップの山下と比較しても遜色のないペースで53周目まで引っ張り、ようやくジュリアーノ・アレジに交代。この作戦が功を奏して37号車は予選11番手から7位でフィニッシュすることに成功している。
これでトップに返り咲いた36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は55周目に8秒213。70周目には7秒418、75周目には10秒421と着実にリードを広げていき、最後は2位以下に11秒011の大差をつけてチェッカーを受けた。これによりTGR TEAM au TOM'Sは昨年の第7戦オートポリスから負け無しの三連勝を達成。39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が100号車の追撃を退けて2位でフィニッシュしたことにより、トヨタGRスープラは開幕戦を1-2フィニッシュで飾ることとなった。
また惜しくも3位に終わった100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)だが、シビックType Rのデビュー戦での表彰台獲得は必要最低限の結果だったとも言えるだろう。
次戦の舞台はシリーズ最大の観客動員数を誇る富士スピードウェイ。5月4日に今季初の3時間レースが行われる。






Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

坂東GTA代表とオートバックスセブン会長の小林氏
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は4月14日、シリーズ第1戦が行われている岡山県美作市の岡山国際サーキットで、長年同シリーズのタイトルスポンサーを務めてきたオートバックスセブンとの共同会見を行った。
2024年はスーパーGTの前身である全日本GT選手権(JGTC)が本格始動した1994年から数えて30年目の節目の年でもあり、オートバックスセブンにとっても大阪府大東市にオートバックス第1号店がオープンした1974年11月から数えて50周年の節目の年でもある。
会見にはGTAの坂東正明代表と、オートバックスセブン取締役会長の小林喜夫巳氏が出席。
小林会長は「昨シーズンはコロナ禍が明けたか明けてないかという中で始まり、本当に五感で感じられるレースが展開された。今シーズンもあの感じを忘れないように坂東代表と進めていきたい。スーパーGTは30年、我々も50年の節目の年を迎える。色んなところでモータースポーツファンをたくさん作っていきたいという思いで、さまざまなイベントをサーキットの近隣の店舗で行い、ファンに楽しんでいただきたい」と挨拶。
坂東代表も「本当に長い間タイトルスポンサーとしてご協力いただいた。今後も引き続きやっていただく。モータースポーツの振興発展、認知度の向上をきちんとやっていく上でも、既存の600店舗という基盤の上に乗せていただいて、一緒に作り上げてくることができて本当によかった。それがあるから今があると思っている。継続して日本のモータースポーツ界を引っ張っていくリーダーとして、認知度の向上、価値観。そしてモータースポーツに関わる人々の手によって産業が成立し、経済効果を生み出す。それがモータースポーツの歴史、文化になっていくと思う。スーパーフォーミュラ、スーパー耐久といった国内レースを含めて、日本のモータースポーツのあり方というものを、F1やフォーミュラE、WRC、WECといった世界選手権から学びながら、方向性を固めて作り上げていきたい」とスーパーGTのみならず日本のモータースポーツ界全体を視野に入れた抱負を語った。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
GT500クラス 36号車au TOM'S GR Supra(TGR TEAM au TOM'S)
- 山下健太(TGR TEAM au TOM'S)

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「ポールを取れたということで、最高のスタートを切れましたが、嬉しい反面、自分の結果は5番手という微妙な結果で、そこから大どんでん返しというぐらいの坪井選手のアタックが凄くて、坪井選手に感謝、チームに感謝という感じです。今後は足を引っ張らないようにしないと、という気持ちの方が強いです」
「アタックは必ず1周で終わらせるというのと、インラップもなるべくタイヤを使わないで帰ってくる、というのを公式テストの段階から意識していましたが、アタック自体を控えめにするという意識はありませんでした」
「自分が新品タイヤでアタックしたタイムを中古タイヤで肥えられてしまうのは非常複雑ですが、助けてもらえる部分もあるので、今までとは明らかに違いますね。やることは違いますが、今までよりも面白い感じはあります」
「ロングランの調子はまずまずなので、決勝では自分が順位を落としたりしないように、しっかり開幕戦を優勝できるよう頑張ります」
- 坪井翔(TGR TEAM au TOM'S)
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「朝から調子は割と良くて、特に僕が走った時のコンディションが良く、1分17秒台が出せるほどでした。予選でも割とその景色感に近い感じで走ることができました。1コーナーでは大失敗してしまったので、まだ伸び代があるなと思っていたので、帰ってきてポールだと聞かされた時にはびっくりしました。クルマのバランス的にもまだ詰め切れていない部分があり、乗り辛い中でQ1、Q2を走ることになりましたが、伸び代が感じられるという意味では凄くいい流れだし、テストからずっと好調できているので、この流れをしっかりキープして、明日につなげたいなと思います。岡山は時期的にもQ2の時間に気温や路面温度が下がるので、あまりタイムが落ちないんです」
「そういえば僕がちゃんと走ってポールを取るのはこれが初めてなんです。嬉しいです。この予選方式だとQ2はそれなりにしか行けないので、Q1を走る方が負担は大きいんじゃないかと思いました」
「いつも36号車は決勝が強いと思っていますが、今年パッケージが変わったので、やってみないとわからない部分はありますが、予選よりは決勝に自信を持っているつもりです。朝のフリー走行でも手応えは悪くなかったので、充分チャンスがあると思います。岡山は300kmとレース距離が短いので、予選順位が大事になることはわかっていました。一番前からスタートできることは有利ですし、あとは展開次第です。混乱に巻き込まれないように注意すれば勝機はあると思うので開幕戦を優勝したいです」
GT300クラス 65号車LEON PYRAMID AMG(K2 R&D LEON RACING)
- 篠原拓朗(K2 R&D LEON RACING)
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「ものすごく嬉しい気持ちでいっぱいです。Q1ではちょっとだけ悔いの残る部分がありましたが、Q2での蒲生選手のものすごいアタックで全てをひっくり返していただいたので、本当に感謝しかないです。合算の予選ということで今までのようQ1に通ればいいということでは無くなったので、結構緊張する予選でした。こういう結果で終われて本当にホッとしています」
「公式テストの段階から、周回数を少なくしないといけない、という課題を持ってやってきたので、今回もその課題を感じながら走りました」
「この予選方式のおかげで自分もポールを取ったと言えるのは嬉しいです」
「予選Q1、Q2で使ったタイヤでまた明日スタートしますが、気温が上がる中でどこまで持つかわかりませんが、できるだけ持たせて勝ち切るレースがしたいなと思っています」
- 蒲生尚弥(K2 R&D LEON RACING)
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「シーズンの開幕戦で最高のスタートを切れたので、大変嬉しく思っています。Q1を走った篠原選手からのフィードバックと、チームのクルマのアジャストがうまく行ってQ2もうまく走ることができてよかったです」
「ここまで来たら第1スティントのタイムを見て判断すると思いますが、明日も同じようなコンディションだろうと思うので、このままの調子で行けたら最高だなと思います」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われている、2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300kmレース」GT300クラスの公式予選は、予選Q2で蒲生尚弥がトップタイムを叩き出し、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)がポールポジションを獲得した。
予選Q1 復活の25号車HOPPY Schatz GR Supra GTがグループ1進出!
グループAは午後2時に走行開始。 天候は晴れ。気温は23℃、路面温度29℃とTシャツで過ごせる暖かさだ。
まずは吉田広樹(#52 Green Brave GR Supra GT)がウォームアップ2周で1分26秒933でトップに立つ。
ケイ・コッツォリーノ(PONOS FERRARI 296)は1分28秒237で2番手、山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)は1分30秒135で3番手だ。
山内は4周目に1分25秒862までタイムを縮めてトップに浮上。2番手はコッツォリーノで1分26秒258、吉田が3番手、平中克幸(シェイドレーシングGR86 GT)が4番手。このトップ4は5周終わりで早々とピットイン。
小林利徠斗(apr GR86 GT )もピットに戻ってくるが、こちらは2周をしたのみで最下位の13位に終わった。
その後、小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)が1分27秒051で4番手に浮上、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)が5番手で続くが、終了間際に小暮卓史(JLOC Lamborghini GT3)が1分26秒849で4番手に割って入った。
この結果、61号車、45号車、52号車、88号車、18号車、56号車と20号車、そして25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟)がグループ1でQ2を走ることとなった。
グループBは2時18分に走行開始。4周目に1分26秒118を記録した平良響(muta Racing GR86 GT)がトップに立ち、篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)が1分26秒182で2番手につける。ニコラス・クルッテン(Studie BMW M4)が3番手だ。
平良は次の周で1分25秒985までタイムを縮めるとそのままピットへ。上位陣はいずれもチェッカーを待たずにピットへ。Q2に向けてタイヤを温存したいということか。
結局、Bグループは2号車がトップ、65号車が2番手、7号車が3番手で終了。以下96号車K-tunes RC F GT3(新田守男)、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口夏月)、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)、4号車グッドスマイル初音ミクAMG(片岡龍也)そして5号車マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(藤波清斗)までがグループ1に進出した。
予選Q2 蒲生尚弥が地元岡山でPPを獲得!!
予選Q2は2時54分にグループ2の走行で始まった。
まずは河野駿佑(Syntium LMcorsa GR Supra GT)が3周目に1分27秒141(2分53秒678)でトップに立つが、これを冨林勇佑(PACIFICぶいすぽっNAC AMG)が4周目に1分26秒664(2分53秒439)で上回る。3番手は小高一斗(apr LC500h GT)で1分26秒900(2分53秒703)だ。
9号車、60号車はここでピットイン。31号車はアタックを継続、5周目に1分26秒807(2分53秒610)でグループ2番手を確保した。
グループ1の走行は3時10分に走行開始。グループAトップの井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1分26秒651(2分52秒513)を叩き出すと、蒲生尚弥(LEON PYRAMID AMG)がこれを上回る1分26秒016(2分52秒198)を叩き出してトップに。蒲生はそのまま終了まで3分を残してピットに戻ってきた。
続いて堤優威(muta Racing GR86 GT)が1分26秒360(2分52秒345)を叩き出して61号車を上回る。堤はなおもアタックを続行するが、タイムは1分26秒280(2分52秒265)と65号車には一歩及ばず、2番手に終わった。3番手は61号車だ。
その結果、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)がポールポジションを獲得、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)が2番手、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が3番手となった。
また、グループ2トップの9号車PACIFICぶいすぽっNAC AMG(阪口良平/冨林勇佑)は全体でも8番手のタイムを記録したことになり、順位入れ替えにより13番グリッドから明日の決勝に臨む。31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)も14番手、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)は15番手スタートとなった。


Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI

2024オートバックス スーパーGT第1戦「岡山GT300km」の公式予選が4月13日、岡山県美作市の岡山国際サーキットで行われ、公式練習トップの36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が新方式で初めての予選を制し、ポールポジションを獲得した。
(天候:晴れ コース:ドライ)
ニスモ新加入の千代勝正がトップタイム
GT500クラスの予選Q1は午後2時34分に走行開始。既報の通り今シーズンから予選2セッションと決勝スタートを1セットのタイヤで戦うことになり、それに伴って公式予選はQ1とQ2に全車が参加し、タイム合算でスターティンググリッドを決めることとなった。このため全てのドライバーがタイヤの消耗を最小限に抑えながら順位を争うという難しいミッションに取り組む必要に迫られた。
コースオープンとともに走行を開始するチーム、やや遅れてピットを離れるチームと判断が分かれるなか、高星明誠(Niterra MOTUL Z)、福住仁嶺(ENEOS X PRIME GR Supra)、千代勝正(MOTUL AUTECH Z)らはやや遅れてコースへ。松下信治(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)も残り5分でようやくピットを離れていった。
まずは山下健太(au TOM'S GR Supra)がアウトラップに続いてウォームアップラップを2周行い、1分17秒813でトップに立つ。牧野任祐(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)も1分17秒841で2番手。平峰一貴(MARELLI IMPUL Z)が1分18秒033で続く。
しかしその直後、新たにトヨタ陣営に加わった大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が1分17秒649を叩き出し、山下のタイムを上回る。
続いて千代勝正(MOTUL AUTECH Z)が1分17秒489と大湯のタイムをも上回ってトップに躍り出た。
松下もセクター1で全体ベストを叩き出す攻めの走りを見せるが、最終コーナー手前で痛恨のオーバーラン。10番手相当のタイムを記録するも、タイム抹消となり、惜しくも最下位の15番手に終わった。
この結果23号車がトップタイム。38号車が2番手となり、3番手には福住仁嶺のドライブした14号車ENEOS X PRIME GR Supraが続き、36号車は39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(中山雄一)に次ぐ5番手に終わった。
終盤の大逆転劇!! 36号車au TOM'S GR SupraがPP獲得
予選Q2は3時24分に走行開始。Q1ではタイム抹消で15番手に終わった8号車を除く14台がコースイン、タイムアタックに取り掛かる。結局8号車最後までピットに留まったため、明日の決勝をピットからスタートすることになった。
コース上ではまずは三宅淳詞(Niterra MOTUL Z)が1分18秒301(2分36秒434)でトップに。これを石浦宏明(KeePer CERUMO GR Supra)が1分18.504(2分36秒151)で上回る。
続いて山本尚貴(STANLEY CIVIC TYPE R-GT)が1分18秒042(2分35秒883)、関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が1分17秒995(2分35秒787)と次々にタイムが更新されていく。
そしてチェッカーフラッグ直前、坪井翔(au TOM'S GR Supra)が1分17秒748とQ1の山下をも上回るタイムを叩き出し、合算2分35秒561でトップに躍り出た。
これにより36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)がポールポジションを獲得、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が予選2番手、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が3番手という結果に。
Q1でトップタイムを記録した23号車MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)は日産勢最上位ではあるものの、Q2のベストタイムが1分18秒757(2分36秒246)に留まり、6番手に終わっている。
第1戦決勝は明日の午後1時30分より82周(300km)で行われる。初戦を制するのは果たしてどのチームになるのだろうか。


Text:Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
今シーズンのエントリーリストの中で、唯一埋まっていなかった55号車(TGM GP SF23)のシートは最終的に松下信治が獲得することになった。松下がスーパーフォーミュラをドライブしたのは昨年12月に鈴鹿で行われたルーキーテスト以来。実に3ヶ月以上のブランクを経て今週末を迎えたわけだが、終わってみれば予選9位、決勝は8位で3ポイントを獲得と、幸先の良いスタートを切ることができた。
「元々チームが強いのはわかってたんで、最低限の結果かなと思います。ただ個人的にはこの週末はすごく楽しめましたね。フリー走行で今年初めて乗るクルマだったんで、それに対して自分がやるべきタスクは多かったんですし、その全てを消化できたわけではありませんが、与えてもらったチャンスを喜びたいし、ポイントを取れたってことで良い結果だったんじゃないでしょうか」
「12月の時は最終戦のすぐあとだったんで違和感はなかったですし、ずっとGTのテストはやらせてもらっていたんですが、速度域が全く違うので、最初は『おおっ』ってなりました。予選に関しては自分のドライビングについてタラレバがありました。Q1を突破できたのはチームのおかげです」
そして開幕戦で手応えを掴んだ松下は、次戦オートポリスでさらなる高みを目指す。
「オートポリスでは絶対表彰台に上がりたいですね。今回もレースは速かったんで、予選順位をもう少し前でスタートしていれば、圧倒的にレースタイムも良くなりますから。スーパーフォーミュラはやっぱり予選が大事です。予選を頑張ってトップ3でスタートできればいいんじゃないでしょうか。レースは僕強いんで。チームもこれで自信がついたと思うんで、頑張りたいです」
「クルマは良かったです。みんなテストをしてるけど、僕らはしてないって部分でビハインドはありましたが、ここから上げていきたいなと」
松下信治とTGM Grand Prixの挑戦は続く。
Text: Kazuhisa SUEHIRO

これまでフランスF4、FIA-F3そしてFIA-F2とヨーロッパを拠点に活躍してきた岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。今シーズンは心機一転、日本でスーパーフォーミュラを戦うことになった。
そして開幕戦。岩佐は予選11番手からスタート、レース終盤の26周目までタイヤ交換を引き伸ばす作戦が功を奏し、ポジションを二つ上げて9位でフィニッシュ。見事2ポイントを獲得した。
「決勝レースは確実にポイントを取れたなとは思います。トータルのパフォーマンスを考えても、悪くないレースだったんじゃないかと思います。第1スティントを引っ張るストラテジーでしたが、最後はタイヤが悪い中でもペースは良かったですし、そのあともオーバーテイクもできました。だからこそ予選の結果が悔やまれます。それも踏まえて、次戦以降はトータルのパフォーマンスを更に上げられるように準備していきたいです」
「ストラテジーについてはケースバイケースでその場で判断するという具合に事前に決めていました。今回は基本的にエンジニアの判断で引っ張りました。自分のタイヤマネジメントと、あとは前が空いた時にペースを上げていくということをこなしていたので、それを見てエンジニアが判断したという形です」
これまで海外で活動していた岩佐にとって、次戦の舞台オートポリスをはじめ、スーパーフォーミュラで使用されるサーキットのほとんどが未経験だ。走ったことがあるのはスクールの開講されていた鈴鹿サーキットと、あとはモビリティリゾートもてぎくらいだという。
「オートポリスは走ったことがないので、難しいレースになると思いますが、そこは着実に組み立てていかないとと思います。今回一番の反省点は、フリー走行の90分間から予選に向けての組み立て方が重要だった、ということなので、そこをしっかり事前準備して積み上げていきたいと思いますし、そこが野尻さんの強みなんかないかと思うので、そこをうまく吸収して自分の強みにつなげたいなと思います」
共にF2を戦ったテオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が18位という悔しい結果に終わったのとは対照的に、初戦からポイント獲得というまずまずの結果を残した岩佐。今後の更なる成長に期待したい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Kastuhiko KOBAYASHI
2024年の開幕戦で自身初のポールポジションを獲得した阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)。決勝では初勝利が期待されたが、スタートで野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)の先行を許してしまう。
「路温がめちゃめちゃ低いのを考慮し切れませんでした。クラッチミートは良かったんですけど、ホイールスピンさせてしまった。そこが一番ダメでした。スタート練習は決まっていたんですけど、思ったより冷えちゃった」
この結果、前半を3位で走行していた阪口は、10周目から相次いてタイヤ交換を敢行したライバルたちを尻目に周回を重ね、レースが終盤に差し掛かろうという19周目にようやくピットに飛び込む。しかし今回のこの作戦は裏目に出てしまい、コースに戻った時は11位にまで後退していた。
「当初予定していたプランだったんですけど、今日は失敗です。僕以外にも引っ張った選手は軒並み損していたので、選択を間違ってしまったかなと。それプラス、僕はペースが良くなかったですね。ピットアウト後もそうだし、その前もでしたので、そこは考え直さないと勝てないなと思いました。今朝のフリー走行で初めてロングランをしましたが、そこで上位陣との差が明らかだったので、そこで勝つことはないなと。表彰台で終われたら理想だなと思っていたんですが、それも叶いませんでした」
それでもなんとか7位まで追い上げ、4ポイントを獲得。ポールポジションの3ポイントと合わせて7ポイント、ドライバーズランキング5位でシーズンをスタートした。
「今回の予選で速かったことをオートポリスでも活かしつつ、チームの戦略面で今回はコミニュケーションが取れてなかった部分があったので、そこも次に向けて改善していきたいです。臨機応変に対応できるようにしたいし、ロングランも一からやり直しですね」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

- 優勝チーム監督 田中洋克(TEAM MUGEN)
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「今シーズンが始まって、最高のスタートが切れたことを本当に嬉しく思っています」
「みなさんご存知のように、今シーズンからレギュレーションが変わって統一ダンパーを使うことになりました。我々もルーキーテストで初めてこのダンパーを使って、あまりの違いに『このダンパーに合わせていけるのか』と非常に驚きましたが、ルーキーテストと前回の公式テストでデータを取りましたが、まだ引き出しにいろんなデータがない状況です。まあ全チーム一緒かなとは思いますけど、我々も不安がある中で鈴鹿にきました。走り出しの野尻選手は好調な部分と、セットを変えると真逆に振れてしまう状況もあり、それをどのように反転させるかが重要な課題になっています。それを今週全て整理できるわけでもなく、悩んでいたところでした」
「予選はポールを取れるかな、という油断した状況もあった中、Q2に向けてセットを変えたのが若干裏目に出たようで、残念ながらポールを取れなかったんですね。それを踏まえて、悪いところを理解しつつ、レースセットにどう反映するか、というところで色々考えて今日の午前中とウォームアップを走ったんですが、野尻選手はなかなか良いペースで走れなかったので、今日のレースは苦戦するかな、と思いました」
「スタートを決められないと難しいかと思っていましたが、ご覧の通り野尻選手はすごく良いスタートを決めてくれて、1位で1コーナーに入ってくれました。そうなると野尻選手の得意のパターンでもありますので、うまく逃げ切ってくれたと。野尻選手がすごく頑張ったレースだったと思います」
「岩佐選手についてもセットアップに苦労はしていました。リザルトだけ見ると悪いところばかり見えちゃうんですが、良いところも当然あって、この先の可能性があるなとすごく期待しています。SFというクルマのスピードを上げていくためにどう取り組んでいくかが課題だと思いますし、自分のフィーリングだけでクルマを作っていけるのか、という点で修正しないといけない部分があります。またエンジニアもドライバーのコメントを元にどう修正するかということを予選とレースでやってみて、お互いの課題がわかってきました」
「結果論になるんでなんとも言えないんですが、元々岩佐選手は周りの様子を見ながらできるだけ引っ張ろうという当初の作戦で、たらればで言えばもうちょっと早くピットインするべきだったかなと思いますし、データを取るために今回はこういう作戦で進めたというところもあります」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
- 第1戦優勝 野尻智紀(TEAM MUGEN)
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「今朝のフリー走行のペースが少し良くなかったので、『劣勢なのかな?』と思っていました。今日は気温、路面温度が低かったので、スタートの蹴り出しでホイールスピンしやすいかなという懸念がありましたが、すごくうまくスタートが決まりました。スタート直後の1コーナーにトップで入ってからは、自分の流れでレースが進められると確信しました。そのあとは後続の様子を見ながらタイヤのマージンを保ってセーブしながら走っていました。あとはアウトラップが難しいところなので、後ろの選手や先にピットインした選手とのタイム差やラップタイムをチームに見てもらいながら、ピットストップのタイミングを決定しました。チームには素晴らしい判断をしてもらいました。昨日は僕としてもチームとしても課題の見える一日でしたが、今日は非常に良いレースがチームと一緒にできたので、そこは嬉しく思いますし、次のレースにつながる、チャンピオンシップにもつながる大きな一日だったなと。寒い中、たくさんのお客さんにもきてもらいましたし、今後も盛り上がっていくスーパーフォーミュラでありたいなと思います」
「クルマの状態は先頭で走っている分には良かったんですが、集団の中に入るとまだまだ劣っている部分もあるのではと感じています。今回は先頭に利のある状況でした」
「(足裏を削ってペダル操作が繊細になったとXで書き込んだ件について)あれは気のせいです(笑)削るとヒリヒリして敏感になったような気がするでしょ?ただそれだけでした」
- 第1戦決勝2位 山下健太(KONDO RACING)
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「過去2回のテストと似たようなコンディションの中でレースができました。テストでは常に上位にいられるような良いパフォーマンスがあったので、予選ではもうちょっと上に行きたかったんですが、今日はすごく良い組み立てができたなという感じでした。アウトラップの難しさはありましたが、自分としては(タイヤ交換のタイミングは)ミニマムかな? という実感が昨日からありました。11周目で入ったのは良い判断だったと思いますし、タイヤ交換作業が早かったのに自分もびっくりしました。アウトラップも想像より速かったので、自力では1台も抜いていませんが、戦略がうまくいって2位が取れたのを嬉しく思います」
「近藤監督からは『トンネル抜けたな』って言われましたが、自分としてはまだまだトンネルの中にいる感じです」
「(Juju選手の参戦についての感想を求められて)僕としては女性が参加するのはすごく良いことだと思いますけど、正直メディアの盛り上がり方は微妙かなと思っています。実力のある選手が上がってきて盛り上がるなら良いと思いますけど、そうではないので。ちょっとどうかなと思います」
- 第1戦決勝3位 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)
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「去年も表彰台に絡める場面がありましたが、自分のミスも含めてチャンスをフイにしてしまっていました。今週末はクルマの調子も良かったし、自分も落ち着いて走ることができ、チームとしてミスなく戦うことができたことがこの3位につながったのかなと思います。開幕戦で表彰台に上がれたということは嬉しかったです」
「スタートは良かったんですが、行き場がなくてポジションを2つ上げるに留まりました。そこからミニマムでピットに入ることは事前に決めていて、一緒にピットインした中では一番前でコースインできたので、アウトラップが勝負だと思って一生懸命頑張りました。オーバーカットされることも予想できたので福住選手と太田選手が前に出てきたとこまでは想定内でした。ただし山下選手はかなり前にいたので、あそこまでは追いつけないな、とは感じていました」
「昨年のアクシデントで自分の体にメスを入れるという経験をして、他のアスリートが怪我から復帰してきたことに対して、今まで以上のリスペクトを感じるようになりました。メスを入れる怖さ、再起にかける大変さを身をもって実感しました」

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
3月10日に三重県の鈴鹿サーキットで行われた日本レースプロモーション(JRP)主催のサタデーミーティングでは、カーボンニュートラル燃料(CNF)の導入やF1との併催、そしてイベント数の拡大と海外でのレース開催についてメディアの質問に答えた。
まず今シーズンの観客動員について近藤会長がコメント。今年は年間入場者数の目標を22万人とし、かつて行われた全日本F3000選手権に匹敵する盛り上がりを期待したいとしている。
懸案となっているCNFについても、今シーズン中に導入する方向で検討しているという。ただしサプライヤーの選定などはまだ正式には決定していないとのこと。
また、近藤会長が就任当初F1日本グランプリとの併催については、簡単には行かないと感じつつも、交渉を行ったF1側の歩みよりも見られたといい、いつの日か実現するように、引き続き働きかけをおこなっていくという。
上野社長からもF1に限らず様々な方法でイベント数を拡大していくことにより、シリーズとしての価値を上げていきたいとの発言が出あった。
今シーズンはテオ・プルシェール一人だけとなっている外国人選手についても、F2に参戦中のドライバーを中心に増やしていきたいとしており、そのためにも来年以降はイベント数の拡大に取り組んでいくという。
その一環として、海外でのレース開催についても、ロジスティクスの問題やチームの経済状態などを考慮する必要はあるとしつつも、イベント数拡大の一環として視野に入れていくとしており、上野社長からは、「決して現状のイベント数に満足しているわけではない」との認識も示された。
シリーズの価値を高めるためのこうした取り組みがいつどれだけ実現していくのか、スーパーフォーミュラの今後の動向に注目していきたい。
Text: Kazuhisa SUEHIRO

スーパーフォーミュラをオーガナイズする日本レースプロモーション(JRP)は3月9日、恒例のサタデーミーティングの中で、今月5日に締結したばかりのアライヘルメットとのパートナーシップ契約について、その趣旨と内容を説明した。これはJAFの発行する全日本スーパーフォーミュラ選手権統一規則2024年版より、世界最高基準「FIA Standard 8860-2018 ABP」に適合されたヘルメットのみに使用が限定たことに対応したもの。これを満たすには帽体の素材がカーボンファイバー製でなければならないという。
会見出席した取締役副社長の新井章仁氏によれば、従来製品においても一般市販品と変わらぬ安全性が担保されており、今回の変更においても軽量化を意図するのではなく、安全性の確保に主眼をおいて製造、供給していくという。また今回供給する「GP7ABPカーボン」は開口部分の前端部を従来品より1cm下げ、前方からの衝突物に対応した。
スーパーフォーミュラに供給することにより、サーキット内でアクシデントが発生した際にヘルメットがどのように機能したかを検証することができ、それを市販製品にフィードバックできるという点で同社のビジネスへの活用も期待できるとのこと。
JRP会長の近藤真彦氏もこの機会にヘルメットの採寸をおこなっており、「山下と小高、どっちか遅い方を降ろして自分が乗ろうかな」とジョークを飛ばして会場の笑いを誘っていた。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
- レース2優勝 ミハエル・サウター(BIRTH RACING PROJECT【BRP】)
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「すごく嬉しいです。スタートは良くなかったけど、自分のペースが速いのはわかっていたのでオーバーテイクはできると思っていました。セバスチャン(マンソン)を抜かしたあと、セーフティーカーがギャップを詰めてくれました。奥住はシケインで早めにブレーキを踏んでいることがわかったので、次の周でオーバーテイクできました」
「リスタートでもアウトサイドから抜こうとしたけど、奥住が真ん中のラインを取っていたのでスペースがありませんでした」
「クルマはレース2から何も変えていません。S字はダーティエアの影響でアンダーが出ていたので、西コースでスリップストリームを利用して追い上げました。次のSUGOでも二連勝したいです」
- レース2決勝2位 奥住慈英(SUTEKINA RACING TEAM)
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「途中までのペースと作戦は完璧だったんですけど、シフトダウンできないトラブルが出てきちゃって、ブレーキを強く踏めなくなってしまいました。それでスプーンの入りからシケインまでが厳しくなって追いつかれてしまいました。そこは仕方ありませんが、なんとか2位でフィニッシュできてランキングもトップのまま終われたのは良かったです」
「次のSUGOに出られるかどうかはまだ決まっていませんが、出られればもちろん上位を狙って、ポイントランキングもキープできるように頑張りたいと思います」
- レース2決勝3位 セバスチャン・マンソン(BIRTH RACING PROJECT【BRP】)
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「いいレースでした。スタートも良かったし、マイケル(サウター)をオーバーテイクできました。第2戦に向けて色々学ぶこともできました」
「クルマは良かったです。乗りやすかったですし、次のラウンドが待ち遠しいです。レース1で使った方のタイヤを履いていて、かなり消耗していましたが、うまくマネジメントできました」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第1戦のレース3決勝が3月10日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートしたミハエル・サウター(#5 G FORCE F111/3)がレース2に続いて2連勝を挙げた。
レース3決勝は午前10時10分より12周で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。
フォーメーションラップは今回も2周。まずはポールポジションの奥住慈英(#3 Sutekina Racing)がトップで1コーナーへ。予選3番手のセバスチャン・マンソン(#55 G FORCE F111/3)が2位につけ、2番手スタートのサウターは3位に後退した。
その後方では1周目のシケインでAKITA(#16 AKITA Cars & Racing)がジェシー・レイシー(#53 G FORCE F111/3)に追突、2台は再スタートを切ったものの大きく順位を落とすことになった。
トップの奥住は1周目で早くも後続に1秒653の大差をつけ、その後もぐんぐんリードを広げていくが、3位のサウターも2周目の130Rで大外からマンソンを抜いて2位に浮上すると、そこからは奥住を上回るペースで追い上げにかかる。これにより2周目には3秒4あった奥住のリードは3周目に2秒9、4周目には2秒0まで縮まってきた。
その後方では予選5番手の廣田が3周目に中村を抜いて4位に浮上した。
さらに4周目のS字でレイシーがコースアウトをしたためにセーフティーカーが導入され、奥住のリードは失われてしまった。
車両回収ののち、8周終わりでSCはピットイン、レースは9周目より再開となる。すかさず2コーナーでインを伺うサウターだったが、奥住はこれを退ける。その後方ではマンソンと3位争いをしていた廣田が1コーナーでコースを飛び出し、5位に後退した。
だがトップの奥住はSC導入あたりからシフトダウンに問題が生じており、スプーンの進入やシケインの飛び込みで苦しい走りを強いられていた。この影響もあり、10周目のシケインでサウターにインをつかれ、遂にトップを明け渡してしまう。
後方では廣田が再び中村を捉え、4位に浮上するが、11周目の最終コーナーでコースを飛び出し、ここでレースを終えた。
結局サウターは奥住に2秒387の差をつけてチェッカーを受け、レース2に続いて連勝を飾った。2位は奥住。マンソンが3位で初の表彰台を獲得している。
FRJ次戦の舞台は宮城県のスポーツランドSUGO。5月10-11日にレース4、レース5が行われる。







Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Katsuhiko KOBAYASHI
- レース2優勝 ミハエル・サウター(BIRTH RACING PROJECT【BRP】)
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「スタートがうまくいって、その後のペースも良かったし、ミステイクもしなかった。ペースのコントロールもうまくいって、勝つことができました」
「タイヤはQ2で使ったものを履きました。奥住はレース1で走ったタイヤを使っていたので、その分のアドバンテージもありました」
「レース3はレース1でスピンしたタイヤを使いますが、大きなダメージもありませんので、引き続き頑張ります」
- レース2決勝2位 奥住慈英(SUTEKINA RACING TEAM)
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「ラッキーな2位でした。レース1で使ったタイヤを履いたので、予想では3位に入れれば、位に思っていました。スタートでは前に出る自信があったので、そこでトップに出れれば2番でゴールできるかなと思っていました。トップチェッカーを受けるのはだいぶ厳しいと思っていたので、2番を取れたのはだいぶ大きいですね」
「明日はいいタイヤを残しているし、トップスタートなので、そのまま逃げ切りる作戦で行きたいです。最初からそうする予定でしたので、2番を取れたのはすごくポジティブですね。明日はぶっちぎって逃げ切ります」
- レース2決勝3位 廣田築(Bionic Jack Racing)
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「なんとか表彰台に上がれました。奥住選手を抜いて2位に上がれたんですが、その後シケインでラップ遅れのジェントルマンの方を抜く時に少し当たってしまい、ウィングにダメージを負ってしまったために次の1コーナーで全然曲がれませんでした」
「タイヤは予選で使っただけの状態のいいタイヤを使いました。今日1日を通して車のフィーリングはいいし、セットアップも決まっているので、明日のレース3も勝負できると思いますが、スターティンググリッドが3列目なので、どれだけ前を抜くことができるか、という部分で頑張りたいです。自分のミスやアンラッキーが続いていますが、明日はそういうことのないようにしたいです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第1戦のレース2決勝が3月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ミハエル・サウター(#5 G FORCE F111/3)がポール・トゥ・ウィンで今季初優勝を挙げた。
レース2決勝は午後4時25分より2周のフォーメーションラップを行った後にスタートした。天候はレース1とは打って変わって晴れ。路面はドライだ。
ポールシッターのサウターがホールショット。2位にはレース1優勝の奥住慈英(#3 Sutekina Racing)が上がり、予選2番手の廣田築(#51 G FORCE F111/3)は3番手に後退。後方では中村賢明(#28 TOM'S FORMULA F111)、セバスチャン・マンソン(#55 G FORCE F111/3)、ジェシー・レイシー(#53 G FORCE F111/3)がストールしてしまい、順位を落とす。
さらにS字では猪爪杏奈(#62 ユピテル羽衣6 F111/3)がコントロールを失ってバリアに突っ込んでしまったため、早くも2周目からセーフティーカー(SC)が導入された。猪爪は自力でクルマを降りている。
1周を終えての順位はサウター、奥住、廣田、AKITA(#16 AKITA Cars & Racing)そしてワン・ジョンウェイ(#36 SKY MOTORSPORTS F111/3)が5番手だ。
SCは2周終わりでピットイン、3周目からレースは再開される。一気に逃げるサウターの後ろでは奥住と廣田が接近戦を展開する。3周終わってサウターのリードは2秒062。4周目には3秒001、5周目には4秒077まで広がった。
その後方では廣田が奥住を0秒331差で追う展開だ。6周目に奥住は廣田とのギャップを0秒758とするが、7周目には廣田がその差を0秒525に再び詰めてきた。8周目にその差は0秒413。そして廣田は9周目の最終コーナー立ち上がりで奥住がアンダーステアを出してしまったのを見逃さず、インに飛び込んで2位に浮上した。
しかしこの時点でサウターのリードは6秒867。残り周回を考えるとトップを捉えるのは難しい。
そして11周目の1コーナーで廣田は痛恨のオーバーランを喫し、ここで再び奥住の先行を許してしまった。
結局レースはサウターがそのまま逃げ切って今季初優勝を達成。奥住が2位、廣田は3位でフィニッシュした。
FRJ第1戦のレース3決勝は明日の朝10時10分より12周で行われる。





Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Katsuhiko KOBAYASHI
- レース1優勝 奥住慈英(SUTEKINA RACING TEAM)
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「タイヤを温めていて、どれぐらい滑るのかを感じられるレベルでしたが、とりあえずタイヤを温めることよりも生き残ることを優先しようと頭を切り替えました。なんとか生き残れて勝てたので、結果は良かったのかなと」
「クルマは何も変えていません。路面は乾いていく方向だと思ったので、変えるつもりもありませんでした」
「次は3番スタートですが、追い上げます。雨が降ってくれることを願って(笑)ドライでもウェットでも両方自信はあります」
- レース1決勝2位 中村賢明(TOM'S FORMULA)
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「あんまり嬉しくないですけど、初めてリージョナルに参戦させていただいているので、形の上では悪くないのかなと」
「まだまだクルマに慣れていませんし、レースペースも良くないので、そこは改善点だと思いますし、そこを改善していければ通常のコンディションでトップ争いができると思います。速さは負けているとは思っていないので」
「昨年はFIA-F4に出させていただきましたが、今年はこれに専念する予定です。オファーがあれば出るつもりではいますが」
- レース1決勝3位 ジェシー・レイシー(Bionic Jack Racing)
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「いい結果でしたね。大変なレースでしたが、グリーンフラッグ中は最大限プッシュして走りました」
「スタートから雨や雪が降ってトリッキーなコンディションでしたが、最大限の注意を払って走りました」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第1戦のレース1決勝が3月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートした奥住慈英(#3 Sutekina Racing)が優勝した。

レース1決勝は、スタート進行の最中に霙まじりの雨が降ってきたためにスタートディレイとなり、午後1時20分過ぎにセーフティーカー(SC)の先導でスタート。グリーンフラッグが提示される前からスピンやコースアウトが相次ぐ大荒れの展開となる。
まずは1周目の200RでAKITA(#16 AKITA Cars & Racing)、130Rでセバスチャン・マンソン(#55 G FORCE F111/3)が相次いでスピン。そして2周目の2コーナーではなんとレース2のポールシッターであるミハエル・サウター(#5 G FORCE F111/3)までがコースアウトしてしまった。
4周終わりでSCはピットイン、レースは5周目から追い越し可能となったが、その直前にポールシッターの廣田が130R立ち上がりでスピンアウト。これにより、予選2番手の奥住がトップに繰り上がった。廣田は順位を落としつつも自力でコースに復帰している。
しかし5周目のヘアピンで4位につけていた猪爪杏奈(#62 ユピテル羽衣6 F111/3)がスピンしたため、再びコースにセーフティーカーが入る。この間に廣田は4位まで挽回していた。猪爪は6位に後退してコースに復帰。7周終わりでセーフティーカーはピットに戻り、レースは再開された。
すかさず廣田が1コーナーでジェシー・レイシー(#53 G FORCE F111/3)を捉えて3位に浮上。その後方では8位でリスタートしたAKITAが辻子と猪爪を次々に捉え、6位でコントロールラインに戻ってくる。AKITAは10周目の1コーナーでMOTOKIをも捉えて5位に。レースは奥住、中村、廣田、レイシーそしてAKITAの順だ。
11周目には廣田が130Rで大外から中村賢明(#28 TOM'S FORMULA F111)をかわして2位に浮上、ここでレースは制限時間の30分に達したため、この周の終了をもってチェッカーフラッグが出され、レース1は奥住、廣田、中村の順で終了した。
しかしレース後、SC中にスピンを喫した廣田とAKITAに対して30秒加算のペナルティが課せられることになり、最終順位は優勝が奥住、2位が中村、そしてレイシーが3位という結果となった。
FRJ第1戦はこのあと午後4時25分よりレース2決勝を行う。




Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
Katsuhiko KOBAYASHI
- レース1ポールポジション、レース2予選2位 廣田築(Bionic Jack Racing)
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「昨日のセッションからセット変更をして、チェックを兼ねて走りましたが、悪くなかったので、それがタイムにつながった感じです」
「ベストラップの2、3周前からアタックはしていましたが、ずっとバックマーカーに引っ掛かっていて、3回目のアタックでようやくクリアラップが取れました。実質的には1回だけクリアラップが取れた格好ですが、まだまだタイムは出せる感触がありました」
「フォーミュラに出るのは2016年以来です。クルマ関係の仕事をしているんですが、その繋がりでこのパッケージを用意していただけることになり、参戦することになりました」
「セットの変更がSFのラバーグリップを見越しての変更なので、それが決勝のコンディションでどう影響するか。上手くハマったらいいなという感じです」
- レース1予選2位、レース2予選3位、レース3ポールポジション 奥住慈英(SUTEKINA RACING TEAM)
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「僕は練習走行でニュータイヤを持っていなくて、50kmくらい走ったタイヤで走行していました。ですからこの予選が初めてのニュータイヤでのアタックでした。その割にはいいタイムが出せたかなと思います。あとちょっとのところはタイミングが合わなくて、アタックラップでトラフィックに引っかかったり、肝心のところで赤旗が出たりしていました」
「このタイヤは3周目から4周目あたりがピークなので、その美味しいところで走っている時に引っかかってしまったんです。そこをもっと上手く使えれば、さらにいいタイムが出ていたと思います」
「走り出しからタイムは出ていたので、そこはポジティブに捉えています。あとは足りないところを見つめ直し、決勝に向けて準備して、今日の2レースを勝ちたいです。明日はトップからのスタートですし、そこも勝ち切れるように準備したいです。ロングランには自信があるので、3レースともスタートで前に出て、そのまま逃げ切ります」
- レース1予選3位、レース2ポールポジション、レース3予選2位 ミハエル・サウター(BIRTH RACING PROJECT【BRP】)
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「最初は水温が上がりすぎたので、途中でピットに入らなければなりませんでした。それからアタックに入りましたが、ベストラップとはいきませんでしたね。最後のアタックでタイムアップできそうでしたが、少しミスをしてしまって」
「予選2回目は少しトラップに引っかかりましたが、なんとか1位を取ることができました。クリアラップを取るのが難しかったですが、なんとか1ラップはアタックできましたよ」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第1戦の公式予選2回目が3月9日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ミハエル・サウター(#5 G FORCE F111/3)が1分57秒747でレース2のポールポジションを獲得した。
予選2回目は午前9時35分に走行開始。まずはミハエル・サウターがアウトラップ、ウォームアップラップに続いて1分58秒540を記録してトップに。続いて奥住慈英(#3 Sutekina Racing)が1分58秒910で2番手につけ、中村賢明(#28 TOM'S FORMULA F111)が1分59秒929で3番手につける。
サウターは2周目のアタックで1分57秒747までタイムを縮めるが、奥住はここで一旦ピットへ。タイヤの内圧を調整し、シートベルトを締め直してもう一度アタックに出ていった。
この間に廣田築(#51 G FORCE F111/3)が1分58秒509で2番手に浮上する。ところがその直後、ファンチョ・ロドルフォ・P・ブロビオ(#29 ES oneFormulaPHL)がS字でスピン。そのままコースサイドで停止してしまったため、ポストからは赤旗が提示されることに。これで奥住は再アタックの機会を失い、そのままピットに戻ってきてしまった。
予選は午前9時55分に残り3分30秒で再開されたが、今度はYUGO選手(#23 S2R Racing)がスピンしてしまい、再び赤旗中断に。
結局、予選2回目はこの赤旗をもって終了との決定が下され、レース2はサウターがポールポジションを獲得、廣田が2番手、奥住は3番手という結果となった。
FRJ第1戦レース2はこのあと午後4時25分より13周または30分間で行われる。



Text: Kazuhisa SUEHIRO
8月1日、フォーミュラ・リージョナル選手権の開幕戦決勝(15周)が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、ポールシッターの#3阪口晴南(Sutekina #3)がスタートでやや出遅れる場面はあったものの、3周目にトップを奪い返すと残る周回を危なげなく走りきり、独走でフォーミュラ・リージョナルの初ウィナーに輝いた。
予選のタイムを見る限りスタートさえ失敗しなければ#3阪口の独走が確実視されたが、あろうことか#3阪口は出遅れ、代わって3番手スタートの#5金丸ユウ(Sutekina #5)がトップに躍り出る。
#3阪口より手痛い失敗を犯したのが#6高橋知己(Super License)。エンジンをストールさせグリッドから動けず。大きく順位を落とすことになってしまった。
1周目、#5金丸の先行を許した#3阪口はやや焦ったのかテクニカルセクションでもミスを犯し、一時#8篠原拓朗(Sutekina #8)にもかわされてしまう。しかし、そこで我に返った#3阪口は冷静に#8篠原をかわすとトップ#5金丸を追う。
明らかにペースの速い#3阪口は、ベストラップを更新しながら猛追し、3周目の1~2コーナーで#5金丸に並ぶと難なく前に出てトップ奪還に成功。
トップに立ってからの#3阪口の走りは見事だった。1分37秒2から37秒5のタイムを正確に刻み続け、2位#5金丸との差を確実に開いていき独走状態に持ち込むと、最後は10秒近い差をつけフィニッシュ。記念すべきフォーミュラ・リージョナルの初ウィナーになった。
スタートで最後尾まで落ちた#6高橋は、マスターズドライバーを掻き分けて、時折トップ#3阪口に匹敵するタイムを刻みながら順位を回復。14周目に6位まで順位を上げフィニッシュを迎えた。ベストタイムでは#3阪口に続く2番目。しかもほとんど差がないだけに返す返すもスタートミスが悔やまれるレースとなった。
マスターズクラスは、クラスPPの#11植田正幸(RnーsportsF111/3)が逃げ、#4今田信宏(J-MS-RACING-SAR)が追うという展開が続いたが、10周目の1コーナーでトップ#11植田がスピン。労せずして首位の座を手に入れた#4今田がクラス優勝(総合7位)。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Shigeru KITAMICHI
8月1日、新カテゴリー、フォーミュラ・リージョナル選手権(FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP)が富士スピードウェイで開幕を迎えた。
空には雲はあるものの時折日が射し梅雨明けを感じさせる天候となった。新型コロナの影響でスケジュールの組み直しを余儀なくされ、この週末は3レースが行われる。このため、それぞれのグリッドは第1戦が予選Q1のタイム、第2戦が予選Q2のベストタイム、第3戦が予選Q2のセカンドタイムで決まる。
この変則的な予選で圧巻の速さを見せたのが今シーズンはスーパーGT、フォーミュラ・ライツなど多くのカテゴリーにエントリーしている#3阪口晴南(Sutekina #3)。#3阪口はQ1で2位に0.8秒、Q2でも0.3秒引き離す速さを見せ、3レースすべてでポールポジションを奪った。
予選Q1
ドライバーの経験や実績からポールポジション争いは、同じチームで走る#3阪口晴南(Sutekina #3)、#5金丸ユウ(Sutekina #5)、#8篠原拓朗(Sutekina #8)の3人、#6高橋知己(Super License)、#28古谷悠河(TOM'S YOUTH)により行われるものと見られていた。
開始早々トップタイムをマークしたのは#5金丸(1分37秒745)。昨年このマシンのシェイクダウンを担当し一日の長があるように見える。9分が経過しスポット参戦で気合の入る#8篠原がこれを逆転(1分37秒156)するが、本命#3阪口が即座にトップに躍り出る(1分36秒408)。#3阪口は次の周にさらにタイムを縮め(1分36秒315)その座を不動のものとした。
2位#8篠原、3位#5金丸、以下#6高橋、#28古谷、#78阪口良平(Field Racing)と続き、この後方に#11植田正幸(RnーsportsF111/3)を筆頭にマスタークラスのドライバーが続いた。
予選Q2
Q1から10分のインターバルを経て始まったQ2ではコースコンディションも良くなったせいか全体的にタイムアップが見られた。Q2ではセカンドタイムが第3戦のグリッドを決めるため、最低でも2周タイムを記録しなければならない。
最初に1分37秒台に乗せたのは#78阪口(1分37秒904)。ベテランらしい走りで次の周には更にタイムを削ってきた(1分37秒442)。15分の予選が半分を過ぎたあたりから順位変動が激しくなり、#8篠原(1分36秒927)、#6高橋(1分36秒608)が相次いでトップに立つ。しかし、Q1と同様にここから#3阪口が1分36秒080、1分36秒237を立て続けに叩き出し、あっさりとポールポジションを決めてしまった。
2位はQ1から1秒もタイムアップした大健闘の#6高橋、3位#8篠原、4位#28古谷、5位#5金丸、6位#78阪口と続き、7位マスターズトップはQ1に続いて#11植田が獲得した。
第3戦のグリッドとなるセカンドタイムでは、#3阪口、#6高橋に続いて#28古谷が入った。#28古谷は第1戦から尻上がりにグリッド順位を上げている。
決勝は、第1戦が11時40分から、第2戦が午後2時10分から15週で行われる。第3戦は明日の午後2時10分から。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum