
フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース9の決勝を行い、予選2位からスタートしたミハエル・サウター(G FORCE F111/3)が最終ラップの最終コーナーで逆転し優勝を飾った。
決勝は午後3時55分に相変わらず蒸し暑いなか、フォーメーションラップが始まった。直前までマシンの修復作業を行ってた猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)はグリッド試走に間に合わず、ピットスタートとなった。
スタートではポールポジション、セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)の動き出しが鈍く、予選2位のサウターがインから並びかける。マンソンもサウターをけん制し、なんとかトップを死守。このため、1コーナー立ち上がりの鈍ったサウターを、予選3位の堀尾風允(Sutekina Racing)が2コーナーアウトからパスし2位に上がった。4位にはジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、5位には中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が続く。
1周目、トップに立ったマンソンは2位堀尾を0秒7離して戻ってきた。直後に3位に落ちたサウターが続く。ピットスタートとなった猪爪はマシンのトラブルが完治してなかったようでピットに滑り込んできた。
トップのマンソンは2位の堀尾を1秒前後リードしつつレースは周回を消化。堀尾は3位のサウターの追撃に防戦一方だ。そこから大きく遅れて、レイシーと中村も接近戦を演じている。
5位の中村は、10周目、13周目にヘアピンでアウトから並びかけ、バックストレートで並走するも90度コーナーではレイシーにインを閉められパスするに至らない。
終盤の14周目にはスピードに勝る3位のサウターがついに堀尾の攻略に成功。2位に上がり、トップのマンソンを追う。しかし、マンソンも最後の力を振り絞り二人の間隔は1秒前後から詰まらない。
最終ラップとなった16周目、このままレースは終了するかと思われたが、トップのマンソンが最終ビクトリーコーナーアウトにマシンのタイヤを落とし、失速。立ち上がりの鈍ったマンソンをストレートでサウターがかわし優勝を飾った。マンソンは2位に落ち、堀尾は3位でゴールした。
チェッカー後、なんと2位のマンソンと3位の堀尾がストレートで激しく接触。両車ともマシンに大きなダメージを負うことになった。
4位レイシーと5位中村の接近戦は、最終コーナー立ち上がりで中村がレイシーに接近するも0秒088差と鼻先でレイシーが逃げ切った。
2台参加のマスタークラスは、YUKI(NILZZ Racing)が2位のYUGO(S2R Racing)を大きくリードして優勝した。
表彰式では、2位のマンソンと3位の堀尾がメディカルチェックのため欠席。サウター一人が登壇し、後味悪い結末となった。
レース後、マンソンに1周減算のペナルティーが科された。このため、2位堀尾、3位レイシー、4位中村、5位YUKIと繰り上がり、マンソンは6位に降格となった。
レース10は明日午前10時10分より16周または30分で行われる。大きくマシンを損傷したマンソンと堀尾が出走できるのか懸念される。







Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 16 | 30'21.137 | - | - |
| 2 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 16 | 30'22.230 | 1.093 | 1.093 |
| 3 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 16 | 30'37.775 | 16.638 | 15.545 |
| 4 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 16 | 30'37.863 | 16.726 | 0.088 |
| 5 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 16 | 31'16.221 | 55.084 | 38.358 |
| 6 | *55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 15 | 30'22.043 | 1Lap | 1Lap |
| 7 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 15 | 30'59.635 | 1Lap | 37.592 |
| ---- 以上規定周回数(75% - 12 Laps)完走 ---- |
| - | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | 3 | 10'29.379 | 13Laps | 12Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 55 セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3) 1'52.915 (3/16) 153.067 km/h
- CarNo. 55は、2024 FR統一規則16.1.1違反により1周減算とした。


フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦選手権は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース9、10の公式予選を行い、レース9はセバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)が、レース10はミハエル・サウター(G FORCE F111/3)がポールポジション(PP)を獲得した。
■レース9公式予選(午前10時50分~11時5分)
もてぎは朝から上空に雲が広がっていたが、レース9の予選が始まる頃、雲間から強烈な太陽が顔を出し、酷暑の予選となった。
計測1周目にはサウターが1分54秒142でまずはトップにつける。2位にはマンソンがつけていたが、そのマンソンが同2周目に51秒452までタイムを伸ばしトップに立つ。サウターもタイムを1分51秒470まで縮めるも届かず。
路面温度が高いため、タイヤのライフが短いようで、サウターはセクター1で全体ベストを更新しながらアタックを継続するも全体をまとめきれず、マンソンのタイムに届かない。
結局、サウターが計測2周目に出したタイムでPPを獲得。サウターは2位で予選を終えた。
3位にはジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が顔を出していたが、計測3周目に1分51秒661をたたき出した堀尾風允(Sutekina Racing)が逆転で予選3位を獲得した。
4位にはレイシーが、5位には中村が入った。
マスタークラスのPPはYUKI(NILZZ Racing)が獲得した。
猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)は練習中から悩まされていたミッショントラブルが解消せず、この予選とレース10の予選を含めてタイム計測ならなかった。
■レース10公式予選(午前11時15分~11時30分)
相変わらず、厳しい日差しが降り注ぎ、酷暑のなかで予選は進行した。
ここでは、サウターが予選を圧倒。レース9予選では、タイヤの内圧が作動域に入っていなかったそうで、調整して見違えるように息を吹き返した。
計測1周目にはいきなり1分51秒992でトップに立つと、同2周目には50秒407と2位以下を1秒近くリード。最終の同4周目にはさらにタイムを50秒404まで伸ばし、PPを獲得した。
2位には0秒521差でマンソンが、3位にはレース9と同じ堀尾が入った。以下、中村、レイシーと続いている。
マスタークラスはここでもYUKIがPPを獲得した。
レース9決勝は本日午後3時55分から16周で、レース10決勝は明日午前10時10分から16周で行われる。両戦とも予報は雨、波乱含みの展開になるかも知れない。


Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'51.452 | - | - | 155.077 |
| 2 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'51.467 | 0.015 | 0.015 | 155.056 |
| 3 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 1'51.661 | 0.209 | 0.194 | 154.786 |
| 4 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 1'51.969 | 0.517 | 0.308 | 154.361 |
| 5 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 1'51.985 | 0.533 | 0.016 | 154.339 |
| 6 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 1'58.661 | 7.209 | 6.676 | 145.655 |
| 7 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 2'01.552 | 10.100 | 2.891 | 142.191 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'02.596)予選通過 ---- |
| - | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | 6'00.053 | 4'08.601 | 3'58.501 | 48.003 |
- 優勝 酒井翔太(ファーストガレージ F108)
-

「(7周目のオーバーテイクは?)レインボーコーナーの2個目で合わせて、馬の背で普通に抜けました。僕の方が新品タイヤだったというのもあって、金井先生はユーズドだったはずなので、序盤暖まってフィーリング来るのが遅かったのですが、暖まってからはいいペースで走れたので、それがよかったと思います。(思い通りの展開?)そうですね」
- 2位 宇高希(TAKEFIRST F108)
-

「今回も前より大きなラッキーが来たので、でもよかったです。(9周目のオーバーテイクは?)最終コーナーで金井先生が接触の影響でアクセル踏めなかったと言っていましたが、それでギリギリまで粘って、1回目は失敗したのですが2回目に成功して前に出られました。けっこう今日のレースで(トップに)近づいたかな、と思っているので、次のオートポリスでトップ取りたいです」
- 3位 金井亮忠(チームNATS 正義 001)
-

「(スタートのバトルは?)横まで並んでいたので、抜けるかなというところだったのですが。向うも引かなくて並走で行ければよかったのですけど、全然行き場がなくて、完全に(インに)入っていたのでどうしようもなくて、僕のフロントタイヤにハンマーさんのリヤタイヤが乗ってしまって飛んだ感じですね。クルマには当たっていないのですが、それでタイヤと足が曲がっちゃって。ハンドルもまっすぐではなくて。あれはちょっと避けられるとかそういうレベルではなかったです」
- 4位 ISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)
-

「前が離れちゃって、後ろ誰もこないし、気持ち良くひとりで走らせてもらいました(笑)。昨日からセットも変えて。それがよかったのかひとりだから気持ちよく走れたのかわからないですけれど」
- 5位 舩井俊仁(ファーストガレージ FG108)ジェントルマンクラス優勝
-

「昨日はちょっと失敗したので、今日は後ろの方にも追いつかれなくて、自分のペースで走れたので、よかったです」
- 6位 三浦勝(NUTEC ルノー)ジェントルマンクラス2位
-

「クルマがまだ出来上がっていないので、もうちょっとイケるかな、と思ったのですが。次はもう少しクルマ仕上げて、タイムを出せるようにしたいと思っています」
- R ハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーRハヤテ)
-
「スタート直後の第1コーナーで並んで入って、僕も前に行かせたくなかったし、金井先生も前に出たいという、互いにそういう気持ちだったのだと思います、仕方なかったですね。マシンのダメージは結構大きいので、次戦(8月18日オートポリス)に向けて修復します」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

2024年Formula Beat(F-Be)地方選手権第9戦決勝は7月21日(日)にスポーツランドSUGOで開催され、ポールポジションからスタートのハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーRハヤテ)に対して第1コーナーでの先陣争いで接触しつつもトップを奪い取った金井亮忠(チームNATS 正義 001)を7周目に酒井翔太(ファーストガレージ F108)が攻略。鈴鹿での開幕戦以来のシーズン2勝目を飾った。
前日の第8戦に続いてSUGOで開催の第9戦。スターティンググリッドは第8戦の各車のベストラップによって決定される。
- ポールポジション ハンマー伊澤(アルカディア☆ハンマーRハヤテ)
- 2番手 金井亮忠(チームNATS 正義 001)
- 3番手 酒井翔太(ファーストガレージ F108)
- 4番手 宇高希(TAKEFIRST F108)
- 5番手 植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)
- 6番手 ISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)
- 7番手 舩井俊仁(ファーストガレージ FG108)
- 8番手 長嶋重登(ミスト☆T.U.CGROUP)
- 9番手 渡邊義人(チームNATS エクシズWXR)
- 10番手 KENBOW(ファーストガレージRK01)
- 11番手 三浦勝(NUTEC ルノー)
- 12番手 杉山寛(ミスト☆菱洋商事株式会社)
- 13番手 KAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)
という順になった。またタイヤについては2レースで2セットが使用可能ということで、この第9戦でニュータイヤを投入するもの、第8戦の予選で使ったユーズドタイヤを使用するもの、と選択が分かれた。
15周で行われる第9戦決勝は午前10時35分コースイン。今日も夏空がひろがるスポーツランドSUGOの気温は31度、路面温度は早くも53度まで上がっている。13台全車がフォーメーションラップ開始するが、メインストレートに戻ってきたところで、5番グリッドの植田がピットレーンへと入っていく。植田によると前日の第8戦と同じくウォーターポンプのベルトが切れたそうで、このままリタイヤ。連日のトラブルに渋い顔をしていた。植田を除き12台がグリッドに整列してレーススタート。
フロントロウのハンマー伊澤と金井はともに好スタート。ハンマー伊澤が金井を牽制するように寄っていくが、金井はひるまずに加速し2台は横並びで第1コーナーへと先陣を争い、サイド・バイ・サイドでターンインする。しかしここで両車僅かに接触。アウト側のハンマー伊澤がバランスを崩して回りながらアウト側へと飛び出す。ベテラン同士のプライドがぶつかり合い、お互い引くわけにはいかないバトルだったか。ハンマー伊澤はリヤの足回りにダメージがありマシンを降りてリタイヤ。この接触はレーシングアクシデントという裁定が下った。
アクシデントがあったものの金井はトップをキープ、2位酒井がチャンスとばかりに激しく揺さぶりをかけるが金井が守り、3位宇高、4位にISHIKENが続き、後方では8番手スタートの長嶋が7番手スタートの舩井を第1コーナーで仕留めて5位に進出している。
ここでハンマー伊澤のマシン撤去の為にSCの投入が宣言され、いきなりボルテージが上がった現場を落ち着かせる。
SCランは3周目まで続き、4周目のコントロールラインでグリーンフラッグが降られてレースはリスタート。最終コーナー立ち上がりで加速を始めた金井に対し酒井は合わせ込めず僅かに出遅れ、逆に出足のよかった宇高がぎりぎり並んだ状態でスタートする。そのまま第1コーナーまで並走するが、イン側の酒井がポジションを守ってターンする。両車がやり合う間にトップの金井はギャップをひろげ、0.740秒のマージンを作って4周目を終了。酒井と宇高は0.1秒の間合いで再び第1コーナー勝負となり、今回も酒井が2位の座を守る。
酒井は宇高を振り切るべくペースを上げて、5周目に1分24秒873とここまでのファステストラップを出して宇高を0.601秒差に追いやり、トップ金井との間合いを0.581秒と削り取る。4位ISHIKENはそこから2秒以上離されている。
ジェントルマンクラスの戦いはリスタート時点で全体5位クラストップの長嶋、同6位でクラス2番手の舩井、7位でクラス3番手の三浦という順だったが、5周目に舩井が長嶋を仕留めて全体5位のクラストップに進出、長嶋は三浦のオーバーテイクも許して、舩井~三浦~長嶋というクラス順位に。
さらに6周目も酒井は24秒345とファイナルラップを更新して、金井と0.500秒の差。宇高は酒井から0.831秒とじわじわ離されている。そしてレース折り返しの7周目、酒井は第4セクターで金井をオーバーテイク、トップに立ってレース後半戦へ。
トップに立った酒井は一気にスパート。8周目に1分24秒146のファステストラップで金井を1.403秒差まで突き放す。オープニングラップの接触でダメージがあったのでは? と危惧されていた金井だが、やはり無傷ではなかったようで、酒井を逃がすと今度は宇高の接近を許し0.126秒差まで詰め寄られる。
マシンのダメージとは別に、金井は前日の第8戦で予選、決勝とニュータイヤを投入、本日の第9戦は前日予選を走ったユーズドタイヤでスタートしている。一方宇高は本日の決勝の為に温存したニュータイヤと、この点でもやや有利か。金井のテールを捕らえた宇高は一気に勝負をかけ、9周目の第1コーナーでインから金井をオーバーテイク、2位にポジションを上げる。
金井と宇高のバトルの間に酒井は9周目に1分23秒990とファステストラップを更新。宇高とは2.215秒の差。さらに11周目23秒769、12周目23秒568とファステストラップを連発、13周目には宇高との差を3.331秒まで拡大。宇高もペースを上げて金井との差を2.323秒までひろげ、2位の座は安泰そうだが酒井に勝負を挑むにはスピードが足りない。
後方ではジェントルマンクラスの3番手争いが激化。長嶋にKAMIKAZEが0.659秒まで接近している。
ファイナルラップも酒井は1分23秒545とファステストラップを叩き出して、宇高を4.078秒ちぎってチェッカードフラッグの下を通過。トップに立って以降の後半戦はまったく危なげのない走りで優勝した。酒井の優勝はF-Beデビュー戦の鈴鹿での第1戦以来。雨の中で2位以下を30秒以上ぶっちぎるという鮮烈な走りを見せて以来、速さはあるが勝ちにつながらないレースが続いていたが、ようやくトンネルを抜けてシリーズランキングトップの座も奪い返した。
2位は宇高、前回の富士からの途中参戦だが、4位→3位→4位→2位と表彰台を少しずつ上っている。次は昨年スーパーFJでチャンピオンとなったオートポリスだけに初優勝の期待が高まる。
スタート直後の接触が悔やまれる金井だが、ダメージのあるマシンを労わりつつ前日に続いての表彰台獲得。日本自動車大学校モータースポーツ科の実習でもあるレースの場で、メカニックを務めた学生たちが、表彰式では弾けて金井先生のシャンパンシャワーを浴びて喜ぶ様が見られた。
以下4位にISHIKEN、5位ジェントルマンクラス優勝の舩井、6位同2番手の三浦というトップ6になった。
2024年Formula Beat(F-Be)地方選手権第10戦/11戦は舞台を九州に移してオートポリスで8月18日に開催予定だ。シリース全15戦もここから後半戦。オートポリス~岡山を経て11月10日には再びSUGOにやってくる。









Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA
SUGOチャンピオンカップレースシリーズ第4戦 -RIJ- (2024/07/21) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 Formula Beat Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージFG108 FG108 | 15 | 23'27.400 | - | - |
| 2 | 40 | | | 宇高 希 | TAKE FIRST F108 ZAP F108 | 15 | 23'31.478 | 4.078 | 4.078 |
| 3 | 72 | | | 金井 亮忠 | チームNATS正義001 NATS 001 | 15 | 23'34.995 | 7.595 | 3.517 |
| 4 | 16 | | | ISHIKEN | HMRハンマーR☆ハヤテ 疾風 | 15 | 23'43.840 | 16.440 | 8.845 |
| 5 | 3 | G | 1 | 舩井 俊仁 | ファーストガレージFG108 FG108 | 15 | 23'55.196 | 27.796 | 11.356 |
| 6 | 34 | G | 2 | 三浦 勝 | NUTECルノー Renault FC106 | 15 | 24'01.183 | 33.783 | 5.987 |
| 7 | 63 | G | 3 | 長嶋 重登 | ミスト☆T.U.C.GROUP Dallara F301 | 15 | 24'10.214 | 42.814 | 9.031 |
| 8 | 9 | G | 4 | KAMIKAZE | FIRST GARAGE & 04W TOKYO R&D SYNERGY RD04W | 15 | 24'10.505 | 43.105 | 0.291 |
| 9 | 92 | | | KENBOW | ファーストガレージRK01 B-MAX RK01 | 15 | 24'11.380 | 43.980 | 0.875 |
| 10 | 0 | G | 5 | 渡辺 義人 | チームNATSエクシズWXR WXR MK-II | 15 | 24'12.365 | 44.965 | 0.985 |
| 11 | 33 | D | 1 | 杉山 寛 | ミスト☆菱洋商事株式会社 DOME F110 | 15 | 24'48.656 | 1'21.256 | 36.291 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 13 Laps)完走 ---- |
| - | 19 | | | ハンマー 伊澤 | アルカディア☆ハンマーRハヤテ 疾風 | 0 | - | 15Laps | 15Laps |
| 13 | - | G | - | 植田 正幸 | Rn-sports制動屋KK-ZS MYST KK-ZS | - | d.n.s | - | - |
- Fastest Lap: CarNo. 6 酒井翔太(ファーストガレージFG108) 1'23.545 (15/15) 154.544 km/h
SUGOチャンピオンカップレースシリーズ第4戦 -RIJ- (2024/07/20) Starting Grid
2024 Formula Beat Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 19 | | | ハンマー 伊澤 | アルカディア☆ハンマーRハヤテ 疾風 | 1'23.674 | - | - | 154.306 |
| 2 | 72 | | | 金井 亮忠 | チームNATS正義001 NATS 001 | 1'23.844 | 0.170 | 0.170 | 153.993 |
| 3 | 6 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージFG108 FG108 | 1'24.026 | 0.352 | 0.182 | 153.660 |
| 4 | 40 | | | 宇高 希 | TAKE FIRST F108 ZAP F108 | 1'24.624 | 0.950 | 0.598 | 152.574 |
| 5 | 11 | G | 1 | 植田 正幸 | Rn-sports制動屋KK-ZS MYST KK-ZS | 1'25.466 | 1.792 | 0.842 | 151.071 |
| 6 | 16 | | | ISHIKEN | HMRハンマーR☆ハヤテ 疾風 | 1'25.691 | 2.017 | 0.225 | 150.674 |
| 7 | 3 | G | 2 | 舩井 俊仁 | ファーストガレージFG108 FG108 | 1'25.821 | 2.147 | 0.130 | 150.446 |
| 8 | 63 | G | 3 | 長嶋 重登 | ミスト☆T.U.C.GROUP Dallara F301 | 1'25.974 | 2.300 | 0.153 | 150.178 |
| 9 | 0 | G | 4 | 渡辺 義人 | チームNATSエクシズWXR WXR MK-II | 1'26.671 | 2.997 | 0.697 | 148.970 |
| 10 | 92 | | | KENBOW | ファーストガレージRK01 B-MAX RK01 | 1'27.414 | 3.740 | 0.743 | 147.704 |
| 11 | 34 | G | 5 | 三浦 勝 | NUTECルノー Renault FC106 | 1'27.428 | 3.754 | 0.014 | 147.680 |
| 12 | 33 | D | 1 | 杉山 寛 | ミスト☆菱洋商事株式会社 DOME F110 | 1'31.029 | 7.355 | 3.601 | 141.838 |
| 13 | 9 | G | 6 | KAMIKAZE | FIRST GARAGE & 04W TOKYO R&D SYNERGY RD04W | no time | - | - | - |
B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、6月22〜23日、スポーツランドSUGOで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7~9戦に参戦し、小出選手が第7戦でポール・トゥ・ウィン、荒川選手は3戦ともコンスタントに上位入賞を果たしました。フレデリック選手は第8戦でポールポジションを奪う速さを見せましたが、不運なトラブルに見舞われるなど入賞1回にとどまりました。
マスタークラスは、ドライコンディションの第7戦は今田選手が制しましたが、第8、9戦はDRAGON選手が、雨のなか速さを見せて連勝。この結果、二人の勝敗は今田選手の4勝2敗となりました。
■第7、8戦予選(6月22日(土)午前11時~11時30分)
蒸し暑い天候のなか行われた予選。第7戦では、「うまくハマった」と小出選手が1分13秒260をマークしてポールポジションを獲得。フレデリック、荒川選手も僅差で続き、グリッド上位を独占しました。
第8戦は、路面状況が変化するなかで全体的にタイムアップ。フレデリック選手が最後に1分13秒025をマークしてポールポジションを獲得しました。小出選手は路面の変化を読みきれずに4位、荒川選手は攻めた結果、ミスもあってタイヤの一番良い状態を使い切れず6位でした。

|
ドライバー |
Rd7予選タイム(順位) |
Rd8予選タイム(順位) |
Point(累計) |
| 1号車 |
K.フレデリック |
1分13秒332( 2) |
1分13秒025( 1) |
1(14) |
| 50号車 |
小出 峻 |
1分13秒260( 1) |
1分13秒236( 4) |
1(14) |
| 51号車 |
荒川 麟 |
1分13秒336( 3) |
1分13秒328( 6) |
0( 8) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:33度、路面温度:45度
■第7戦決勝(6月22日(土)午後3時35分~26周)
スタートを決めた小出選手は、1周目から2位以下を引き離しにかかりました。他の選手がタイヤの摩耗からタイムが大きく落ち込むなかで、小出選手は毎周コンスタントに約0.5秒のマージンを築き、10周目には2位フレデリック選手との差を4.4秒にまで広げました。
フレデリック選手は、この頃から左リヤタイヤにトラブルが出てペースダウン。大きく順位を落とし、21周目にピットでレースを終えました。タイヤは完全に剥離した状態でした。
フレデリック選手の情報を無線で聞いた小出選手は、ペースをコントロールしながら残り周回を走りきって今季2勝目のチェッカーを受けました。荒川選手も堅実に走って3位フィニッシュ。2人揃って表彰台に上がりました。

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ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 1号車 |
K.フレデリック |
DNF |
1分14秒782( 2/12) |
0(14) |
| 50号車 |
小出 峻 |
1位 |
1分14秒466( 1/12) |
10(24) |
| 51号車 |
荒川 麟 |
3位 |
1分15秒002( 8/12) |
5(13) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:35度、路面温度:44度
■第8戦決勝(6月23日(日)午前9時~18周)
レースは完全なウェットコンディションとなり、セーフティカー(SC)先導でのスタートとなりました。3周終了時にSCラン解除になりますが、マスタークラスの藤原選手がスピン、ストップしてしまい、さらに2周のSCランが続いた後にリスタートとなりました。
PPスタートのフレデリック選手は、3コーナーでやや膨らんで2位に落ち、その後は、中村、フレデリック、荒尾、小出選手のオーダーでレースは進みました。終盤になると、独走状態となった中村選手の後方で繰り広げられていた2位争いがヒートアップ。
16周目に馬の背コーナーでミスをした荒尾選手を抜き3位に上がった小出選手は、最終ラップにも馬の背でフレデリック選手にアウトから仕掛けました。しかし、抑えようとしたフレデリック選手が小出選手に接触。小出選手は順位を落としてしまいました。3位でコースに復帰したフレデリック選手は、この接触でプラス5秒のペナルティとなり、正式結果は5位になりました。
なお、レースは規定の30分を経過したため、予定されていた19周より1周少ない18周でチェッカーとなりました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 1号車 |
K.フレデリック |
5位 |
1分33秒082( 8/12) |
2(16) |
| 50号車 |
小出 峻 |
8位 |
1分32秒767( 4/12) |
0(24) |
| 51号車 |
荒川 麟 |
4位 |
1分32秒456( 2/12) |
3(16) |
- 天候:雨、コース:ウェット、気温:18度、路面温度:22度
■第9戦決勝(6月23日(日)午後0時35分~16周)
雨は降り続いていましたが、若干コンディションが回復したため、スタンディングスタートとなりました。「フォーミュラで雨のレースはほとんど経験がない」というPPスタートの小出選手は、タイヤのグリップ感を十分に掴みきれず、スタートダッシュを見せた4番グリッドの野中選手の先行を許すことになってしまいました。
荒川選手は1つポジションを落として4位、最後尾スタートのフレデリック選手は1周目にマスタークラスの4台を抜いて8位となってレースは進みますが、徐々に霧が出始め、7周終了時に視界不良のためSCが導入されました。
SCランが続くなかで、各車はタイヤを冷やさないようにウィービングをしながら再開を待ちましたが、視界は回復せずに規定の30分を超え、SC先導のまま16周でチェッカーとなりました。
今大会を終えて、ポイントリーダー野中選手と2位小出選手の差は、12ポイントから7ポイントに縮まりました。

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ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 1号車 |
K.フレデリック |
8位 |
1分33秒063( 8/12) |
0(16) |
| 50号車 |
小出 峻 |
2位 |
1分32秒651( 4/12) |
7(31) |
| 51号車 |
荒川 麟 |
4位 |
1分32秒853( 6/12) |
3(19) |
- 天候:雨、コース:ウェット、気温:20度、路面温度:23度
- 1号車ドライバー ケイレン・フレデリック選手コメント
-
複雑な気持ちのレースウィークでした。オートポリスからさまざまな修正を加えた結果、本来のペースを発揮することができ、希望通りの位置で予選を通過することができました。PPと2位を取れたことには満足しています。
しかし、レース1では私たちのコントロールが及ばない事態が起こって、レースを終わらせることになってしまいました。その結果レース3も最後尾スタートになってしまいました。レース2はPPスタートでしたが、ウェットでのSUGOは未経験でしたので、非常に難しいレースとなり、期待していた結果は得られませんでした。
次の富士に臨むにあたって、チームの実力には自信を持っていますので、良い結果を残せるよう全力を尽くしたいと思います。我々にはもう少し運が必要ですね。
- 50号車ドライバー 小出 峻選手コメント
-
今週末は調子は悪くなかったですね。一発に関してもロングに関しても良かったと思います。ただ、1レース目は満足のいく内容でしたが、2、3レース目に関しては、細部の詰めがまだ足りなかったように感じています。ベースの部分は他に比べて優位に立っていると思いますので、細部の足りない部分を埋めていけば、思い描く形になるはずです。
シリーズポイントはまだ少しビハインドがありますが、ポイント差は縮まっていますし、何よりも手応えは十分感じていますので、やるべきことをやって、きちんと実力を出せば自ずと結果はついてくると思っています。
- ■51号車ドライバー 荒川 麟選手コメント
-
オートポリスに続いて2大会目ですので、クルマにも慣れていますし、専有走行からスムーズに進めることができました。予選では少しミスもありましたが、ポールを狙える速さはありました。レースに関しては、オートポリスで失敗続きだったスタートに重点的に取り組んだ結果、徐々に改善され、3レース目では決めることができました。
全体的に成長していることは実感できましたが、望んだ結果が出せていないので、悔しさの残る週末でした。
マスタークラス
今大会は、今田選手、DRAGON選手、清水選手に加え、SFライツデビューとなる2023年FIA-F4インディペンデントカップチャンピオンの藤原誠選手がエントリーし、マスタークラスのフルメンバーが揃いました。
■第7、8戦予選
木曜日の専有走行で好調だったDRAGON選手は、金曜日の走行でクラッシュしてしまい、十分な走り込みができないまま予選を迎えました。
ドライコンディションとなった予選では、今田選手がディフェンディングチャンピオンの貫禄を見せ、第7戦では0.2秒、第8戦では0.5秒の差をDRAGON選手につけ、ダブルクラスPPを獲得しました。
清水選手と藤原選手の二人も僅差の争いを見せ、第7戦では藤原選手が0.1秒上回り、第8戦では二人とも大きくタイムアップするなかで、清水選手が0.1秒上回るという五分の速さを見せました。

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ドライバー |
Rd4予選タイム(順位) |
Rd5予選タイム(順位) |
Point(累計) |
| 4号車 |
今田信宏 |
1分15秒336(M1) |
1分15秒023(M1) |
1+1(34) |
| 8号車 |
清水康弘 |
1分17秒201(M4) |
1分15秒952(M3) |
0(10) |
| 13号車 |
藤原 誠 |
1分17秒067(M3) |
1分16秒060(M4) |
0( 0) |
| 30号車 |
DRAGON |
1分15秒585(M2) |
1分15秒554(M2) |
0(21) |
■第7戦決勝(26周)
スタートで前に出るチャンスを狙っていたDRAGON選手が今田選手に並びかけますが、抜くまでには至らず、トップを守った今田選手が2周目以降も少しずつDRAGON選手との差を開いていきました。その差は、10周目には2.7秒まで広がり、その後もタイヤの摩耗によるタイムの落ち込みを最小限に抑えた今田選手が、今季無傷の4連勝を飾りました。
このレースがデビューとなった藤原選手は、スタートから清水選手を従えて周回を重ねると、折り返しの13周目以降は3秒の差を保ったまま3位でチェッカーを受けました。

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ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 4号車 |
今田信宏 |
M1位(総合 8位) |
1分16秒549(M2) |
10(44) |
| 8号車 |
清水康弘 |
M4位(総合11位) |
1分17秒977(M3) |
3(13) |
| 13号車 |
藤原 誠 |
M3位(総合10位) |
1分18秒131(M4) |
5( 5) |
| 30号車 |
DRAGON |
M2位(総合 9位) |
1分16秒505(M1) |
7(28) |
■第8戦決勝(18周)
悪天候のためSCスタートとなりましたが、雨のペースに自信を持つDRAGON選手は、SCランが解除されると、今田選手の背後からチャンスを窺い、8周目の1コーナーで前に出ると、1分35秒台を連発して徐々に今田選手を引き離しました。今田選手も終盤にはペースを上げますが、時すでに遅し。DRAGON選手が今田選手の連勝をストップするとともに、今季初優勝を飾りました。
清水選手と藤原選手の争いは、藤原選手がSCラン中にスピンをしてしまい、早々に決着。清水選手は単独走行になりましたが、1分38秒から37秒へと徐々にペースを上げ、安定した走りを見せて3位でフィニッシュしました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 4号車 |
今田信宏 |
M2位(総合10位) |
1分35秒429(M2) |
7(51) |
| 8号車 |
清水康弘 |
M3位(総合11位) |
1分37秒091(M3) |
5(18) |
| 13号車 |
藤原 誠 |
M4位(総合12位) |
1分39秒657(M4) |
3( 8) |
| 30号車 |
DRAGON |
M1位(総合 9位) |
1分34秒919(M1) |
10(38) |
■第9戦決勝(16周)
雨が降り続き視界が悪い状況でしたが、DRAGON選手は1周目のバックストレッチで今田選手の背後につけると、アウトから一気に前に出てトップに立ちました。今田選手も食い下がりますが、DRAGON選手のペースが良く、差は徐々に広がっていきました。後方では、藤原選手が清水選手を従える形でレースは進みました。
しかし、徐々に霧が出てきたことで視界不良となり、7周終了時にSCが入りました。その後も状況は変わらず、SC先導のまま規定の30分を超え、16周でレースは終了となりました。
DRAGON選手が雨のレースで連勝しましたが、今田選手はPPポイントを獲得しているため、二人の差は1ポイント縮まったのみで、依然10ポイントの開きがあります。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 4号車 |
今田信宏 |
M2位(総合10位) |
1分35秒893(M2) |
7(58) |
| 8号車 |
清水康弘 |
M4位(総合12位) |
1分38秒700(M3) |
3(21) |
| 13号車 |
藤原 誠 |
M3位(総合11位) |
1分39秒448(M4) |
5(13) |
| 30号車 |
DRAGON |
M1位(総合 9位) |
1分35秒270(M1) |
10(48) |
- 4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
-
1日目のドライの予選、第7戦決勝は良かったのですが、2日目はウェットにドライビングを合わせきれなかったという感じです。とにかく視界が真っ白でしたから、DRAGON選手を抑えるためにはかなりリスクを冒す必要がありました。少しマージンを取りすぎたかもしれませんが、今回はクルマを壊さないよう手堅く走りました。次の富士はコースが広く、ドライでもウェットでも攻めることができますので、逆襲したいと思います。
- 8号車ドライバー 清水康弘選手コメント
-
2大会目の今回はコースコンディションが週末を通して移り変わるなか、SFLの経験値をしっかり積み重ねられたのでよかったです。今大会から影山正美さんをコーチとしてお招きし、学びのペースも格段にアップしました。自分に足りていない部分を丁寧に、確実に克服していきたいと思います。次の富士戦は気温も更に上がりますから、体調含めしっかり調整して迎えたいです。
- 13号車ドライバー 藤原 誠選手コメント
-
ダウンフォースが何なのかということが、まだ掴みきれないというのが現状です。少しずつ詰めはしましたが、全体的に詰めきれていないという感じです。特に雨を想定していなかったので、単独走行になるとラインも分からずに戸惑いました。予習不足を反省しています。
それでも難しいコンディションのレースで、クラッシュもなく無事デビュー大会を終えたことにはほっとしています。次の富士はランオフエリアも広いので、今回は試すことのできなかった限界を探る走りにトライしたいと思います。
- 30号車ドライバー DRAGON選手コメント
-
金曜日の専有走行でクルマを壊してしまったので、ぶっつけの予選でクルマのチェックをしながら攻めることになりました。しかし、それでは今田選手に勝てるはずもなく、予選は完敗でした。ドライの第7戦も、最終コーナーの走りやタイヤの持たせ方を工夫して、ワンチャンスあるかと思っていましたが、ペースは今田選手の方が上回っていました。
ただ、2日目は雨予報でしたので、雨になれば自信もありましたし、勝てる可能性はかなり高まると思っていました。結果2連勝できましたが、両レースとも今田選手の後ろからスタートしてコース上で抜いて勝てたことは大きかったですね。特に2レース目は1周目のチャンスを逃していたら、SCが入って2位で終わっていたと思います。
次の富士は今田選手の得意コースですが、ここまで一度も勝てていない予選で何とか一矢報いたいと思います。

B-Max Racing Team Release
- 優勝 野中誠太(TOM'S)
-

「少ない周回数でしたが、スタートを決めることができました。ライツで雨のレースを経験している人は少ないと思いますが、ぼくは経験値があるので前に出ることができたと思います。特別なことはやっていませんが、ドライとグリップレベルが違って、ホイールスピンをしやすいので、クラッチのつなぐ量とかを少なくしています。1コーナーでは余裕で前に出ていたわけではなくて、ブレーキング勝負でリスクを背負っていきいました。今週はドライもレインもペースがなかったので、SCには助けられました」
」
- 2位 小出峻(B-MAX RACING TEAM)
-

「午前中がSCスタートになったので、レインタイヤがどれくらい路面に食いつくかというのを確かめられませんでした。4番手の野中選手がすごいいいスタートで、1コーナーでサイドバイサイドになって、守りたかったんですが、野中選手の1コーナーのグリップがよかったので、前に出してしまいました。そこから追い抜こうとプッシュしたんですがSCが出て、そのまま終わってしまいました」
- 3位 中村仁(TOM'S)
-

「敗因はスタートでした。朝からスタート練習を何回もして、エンストだけは避けようと思いましたが、反応が悪かったです。エンストしなかったので5点くらいは与えてもいいのかなと思います。5位まで落ちましたが、その後はいい位置取りができました」

Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

スーパーフォーミュラ・ライツ第9戦は23日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、4番グリッドから好スタートを切った野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)がトップに立つと、セーフティーカーランで終了したレースを制して今季3勝目を飾った。
レースは午後0時35分にフォーメーションラップが始まった。雨は間断なく降り続き、霧も立ちこめてきたが、今回はセーフティーカー(SC)先導ではなく、スタンディングスタートとなった。
好スタートを切ったのは4番グリッドの野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)。ストール気味だった、前方グリッドの中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)の左側をすり抜け、ポールポジションの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)、3番グリッドの荒川麟(B-MAX RACING 324)にアウトから並びかけると、1コーナで並走しつつトップに立った。2位には小出が、3位には好スタートを切った古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が上がるが、3コーナーでコースオフ。中村が3位に浮上し、4位には荒川が、5位には古川が、6位には小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が続く。
トップの野中は1周目に2位の小出を1秒5離すと、2周目には1秒8まで広げる。しかし3周目からは小出が徐々に野中との差を詰め始めその差は1秒7、4周目には1秒3、5周目には0秒9と接近する。
しかし、レースは7周目に霧が濃くなり、視界不良のためSCが導入された。
この後も視界は回復することなく、レースは16周目に規定の30分間を経過したためSCランのまま終了。野中が今季3勝目を飾った。2位には小出が、3位には中村が、4位には荒川が、5位には2周目に古谷をパスした小林が、6位には古谷が入った。
マスタークラスは1周目にポールポジションの今田信宏(JMS RACING TEAM)をかわしたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が2連勝を飾った。
レースは規定周回数の75%、14周以上を周回したためフルポイントが与えられる。この結果、野中はドライバーポイントを38まで伸ばしリーダーを守った。2位には31ポイントで小出が、3位には30ポイントで中村が続いている。
第10戦~12戦は、富士スピードウェイに舞台を移し、7月20日、21日に決勝が行われる。





Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum
東北大会 in スポーツランドSUGO -RIJ- (2024/06/23) Final Race Weather:Rain Course:Wet
2024 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 36 | | | 野中 誠太 | PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | 16 | 30'27.157 | - | - |
| 2 | 50 | | | 小出 峻 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'29.776 | 2.619 | 2.619 |
| 3 | 35 | | | 中村 仁 | モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | 16 | 30'31.096 | 3.939 | 1.320 |
| 4 | 51 | | | 荒川 麟 | B-MAX RACING 324 B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'32.631 | 5.474 | 1.535 |
| 5 | 38 | | | 小林 利徠斗 | モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC TOM'S | 16 | 30'33.837 | 6.680 | 1.206 |
| 6 | 37 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S 320 TOM'S | 16 | 30'34.613 | 7.456 | 0.776 |
| 7 | 2 | | | 荒尾 創大 | HFDP WITH TODA RACING TODA RACING | 16 | 30'35.181 | 8.024 | 0.568 |
| 8 | 1 | | | ケイレン・フレデリック | Pilot ONE Racing with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 16 | 30'35.525 | 8.368 | 0.344 |
| 9 | 30 | M | 1 | DRAGON | TEAM DRAGON 324 TEAM DRAGON | 16 | 30'44.418 | 17.261 | 8.893 |
| 10 | 4 | M | 2 | 今田 信宏 | JMS RACING TEAM JMS RACING TEAM | 16 | 30'45.093 | 17.936 | 0.675 |
| 11 | 13 | M | 3 | 藤原 誠 | TEAM DRAGON 324 TEAM DRAGON | 16 | 30'45.888 | 18.731 | 0.795 |
| 12 | 8 | M | 4 | 清水 康弘 | GNSY 324 GNSY RACING | 16 | 30'46.529 | 19.372 | 0.641 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 14 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 35 中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC) 1'32.454 (6/16) 139.652 km/h

B-Max Racing Team(SFチーム代表 宮田雅史)は、10月28~29日、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第8、9戦「JAF鈴鹿グランプリ」に参戦し、松下選手が最終戦で最低限の目標としていたポイントを獲得。苦しかった2023シーズンを締めくくりました。
■第8戦予選(10月28日(土)午前9時30分〜)
前戦で多重クラッシュに巻き込まれた松下選手の車両は新しいモノコックとなり、これが走りにどう影響するのか、期待と不安のなか予選に臨みました。松下選手は予選Q1を6位で通過。Q2はアタックラップにコースアウトした車両があり中断となったため、満足なアタックができずに10位でした。ハイマン選手は19位で予選を終えました。
|
ドライバー |
セッション |
タイム/順位 |
| 50号車 |
松下信治 |
予選 |
Q1(順位) |
1分38秒351( 6/11) |
| Q2(順位) |
1分38秒840(10/12) |
| 総合順位 |
10位 |
| 50号車 |
ラウル・ハイマン |
予選 |
Q1(順位) |
1分39秒802(10/11) |
| Q2(順位) |
—————- |
| 総合順位 |
19位 |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:21度、路面温度:23度

■第8戦決勝(10月28日(土)午後2時30分~3周)
松下選手がスタートの混乱のなかで他車と軽く接触して遅れ、ハイマン選手も順位を落としてコントロールラインに戻ってきました。しかし、序盤の混戦のなかでまだ順位は落ち着いておらず、巻き返しのチャンスは十分残されていました。
ところが、4周目の130Rで競り合っていた笹原選手と大津選手が接触、クラッシュするという大きなアクシデントが発生。レースは一旦中断となりますが、コース設備の修復が難しいとの判断で、3周終了時点で成立となりました。

|
ドライバー |
セッション |
タイム/順位 |
| 50号車 |
松下信治 |
決勝 |
順位 |
13位 |
| ベストタイム |
1分43秒148(12/22) |
| 51号車 |
ラウル・ハイマン |
決勝 |
順位 |
21位 |
| ベストタイム |
1分43秒843(20/22) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:23度、路面温度:27度
■第9戦予選(10月29日(日)午前8時50分〜)
松下選手は、予選で第8戦を上回るパフォーマンスを発揮。Q1を3位で通過すると、Q2でも6位と健闘し、今季最高位のグリッドを獲得しました。ハイマン選手は第8戦と同じく19位でした。

|
ドライバー |
セッション |
タイム/順位 |
| 50号車 |
松下信治 |
予選 |
Q1(順位) |
1分37秒700( 3/10) |
| Q2(順位) |
1分36秒988( 6/12) |
| 総合順位 |
6位 |
| 50号車 |
ラウル・ハイマン |
予選 |
Q1(順位) |
1分38秒683(10/10) |
| Q2(順位) |
—————- |
| 総合順位 |
19位 |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:19度、路面温度:21度
■第9戦決勝(10月29日(日)午後2時30分~31周)
松下選手は、スタートを決めて5位にポジションアップ。さらに上位を狙って規定で許される10周終了時にタイヤ交換を行いました。ハイマン選手も次の周にピットインしますが、運悪く手前のピットの車両が発進時に停止し、これに進路を阻まれタイムロスしてしまいました。
タイヤ交換後、プッシュし続けた松下選手は、上位陣がすべてタイヤ交換を終えた24周目には4位を走行。しかし、この頃からタイヤがグリップを失いはじめ徐々にペースが落ちてしまいます。そして、終盤にタイヤ交換をして明らかにペースが速い野尻選手、坪井選手を抑えきれず、最終ラップには平川選手にもかわされ7位でフィニッシュ。終盤は苦しいレースでしたが、今季初のポイントを獲得しました。ハイマン選手は、コンスタントに走行を続け18位でチェッカーを受けました。

|
ドライバー |
セッション |
タイム/順位 |
| 50号車 |
松下信治 |
決勝 |
順位 |
7位 |
| ベストタイム |
1分40秒698( 4/20) |
| 51号車 |
ラウル・ハイマン |
決勝 |
順位 |
18位 |
| ベストタイム |
1分43秒024(20/20) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:23度、路面温度:29度
■チーム監督 本山 哲コメント
最終戦でようやく良いレースができました。予選からきちんと戦えていましたし、決勝では正直トップ3は見えませんでしたが、野尻選手と渡り合うなど手応えを感じました。チームにとっても大きな収穫のあったレースでした。今シーズンに関しては、物足りない内容が多かったですが、最後にポイントが取れて頑張ってくれたスタッフも報われたと思います。来シーズンは今回のようなレースを積み重ね、さらに上を目指していきたいと思います。今シーズンの応援ありがとうございました。
- 50号車チーフエンジニア 宮田雅史コメント
-
最後にやっとまともなレースができたという感じです。好位置からのスタートでしたので、リスクを承知で表彰台を狙ってアンダーカットを試みました。終盤タイムが落ちるのは織り込み済みでしたが、途中ペースの遅いクルマに引っかかって2〜3秒ロスしてしまったのは勿体なかったですね。あれがなければもう1つ上に行けたかもしれません。
今シーズンは不運なアクシデントもありましたが、全体的に流れが悪かったですね。でも、最後は手応えを感じて終わることができて良かったです。12月の合同テストから来シーズンに向けて動き出しますので、また新たな気持で臨みたいと思います。
- 51号車チーフエンジニア ティム・ネフ コメント
-
最後までラウル選手が満足できるクルマに仕上げられなかったことは心残りです。彼が自信を持って走れるようにするため、やるべきことはまだ残されていたように思います。私個人としては、苦労もありましたが、日本で新たな経験を積むことができ、またチームと仕事ができて楽しいシーズンでした。
- 50号車ドライバー 松下信治選手コメント
-
今大会から車両が新しくなり、その効果が目に見えて発揮されたように思います。昨日の第8戦は赤旗中断で戦わずに終わってしまいましたが、最終戦は予選から良い戦いができました。タラレバですが、決勝も作戦がはまっていればもっと良い結果が得られたかもしれません。でも、きちんとレースをしたうえでの7位という結果には満足しています。辛いことが多かったシーズンでしたが、最後にポイントが取れて本当に良かったと思います。応援ありがとうございました。
- 51号車ドライバー ラウル・ハイマン選手コメント
-
最終レースはタフなレースになりました。フリー走行でメカニカルな問題が発生し、マシンを良い方向に持っていくことが困難でした。ポジティブな結果で終わることができれば良かったのですが、そうはなりませんでした。マシンが抱える問題はシーズンを通して続き、パフォーマンスを発揮する機会はありませんでした。日本でのシーズンはとても難しいものでしたが、思い出に残るものになりました。応援してくれた皆さんに感謝します。

B-Max Racing Team
- 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)
-
「フロアに大穴が空いてしまって、走行不能になってしまいました。最初の数周の車高が下がっている時に底を打って空いちゃったのかなあと思います。SUGOの大湯選手と同じ状況でした」
「今シーズンは移籍して初年度でしたが、最初の時は調子が良く、シーズンが進むにつれて尻すぼみになってしまったのが残念です。来年はスペックも変わりますし、また一からやり直せたらと思います」
「昨年までのチームも、今のチームも非常に細かいところまでデータの分析をやっていますが、進め方という点でNAKAJIMA RACINGの方がドライバーの意見が反映されやすいなと。やりやすく思っています。チームとしての方向性の違いを感じました」
「山本選手のレースウィークの進め方、テストのやり方、走らせ方などで自分とは違う部分がかなりあって、すごく勉強させていただきました」
「まだ来年どういった体制になるかはわかりませんが、スーパーフォーミュラへは継続して参戦したいですし、優勝したいと考えています。来年に向けて準備を頑張っていきます」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
- 野尻智紀(TEAM MUGEN)
-
「予選から前に行きたかったなあ、というところで、非常に難しい1日になってしまったという印象です。チームメイト同士でタイトルを争うと、必然的に一番意識してしまうところがあるので、駆け引きについての線引きについても難しく、やりにくさを感じていましたが、少なくとも予選で前に行けなかったというところで流れを作れませんでした」
「宮田選手の前に出られていれば結果は違っていたのかなあと考えると、本当に小さなところでシリーズの結果が変わるという状況で、そういう小さなところの積み重ねができなかったなあという印象です」
「とはいえ走っているところでは全力を尽くしました、もちろん悔しさはありますが。また三連覇をするためにはこれから二連覇をしないといけないという、壁みたいなものを感じます。また頑張らないとなあと思います」
「スタート自体は前の2台よりも良かったと思いますが、抜きん出るほどの良さではなかったですね。だからラインが交錯するような中途半端な形になって、減速せざるを得ませんでした。もう少し勢いがあれば自分でスペースを見つけられたと思いますが、すごく微妙な位置関係になってしまった結果、宮田選手に前に行かれてしまいました」
「ペースが良くなかったし、後ろからは松下選手ぐらいしかきていなかったので、この状況なら最初のスティントを引っ張ってチャンスを待つしかないという判断をチームがしたんだと思いますし、僕もそれを理解したので、とにかく自分の持っている古いタイヤでコンマ1秒でも稼ぐしかないという風に切り替えて走っていました。これしかなかったという印象です。スタート後のペースや予選順位が違っていれば違った戦略も取れたでしょうけど、ついていくのが苦しかったんで、どんどん選択肢が少なくなってしまいました。基本的な速さも足りませんでしたし」
「非常にアップダウンのあるシーズンでした。過去を振り返った時に『これがなければ』というものを残してしまうとシリーズは苦しいですし、そういった意味で第3戦の鈴鹿での大湯選手とのクラッシュは大きかったなという印象です。あとは病気のこともありましたが、それは致し方ないとして、そこからチャンピオン争いまでカムバックできたので、そこは応援してくださった方々の応援の力かなあと思います。チームも支えてくれましたし。タイトルを取った時以上に皆さんの支えのありがたみを感じたシーズンでしたね」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

- 2023ドライバーズチャンピオン 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
-
「TGRの皆さんとチームトムス、スポンサーの皆さん、応援してくださるファンの皆さんに本当に感謝しています。チャンピオンを取るのは決して楽ではありませんでしたし、正直今年はチャンピオンを取れるとは思っていませんでした」
「スーパーフォーミュラにデビューしてから今まで一度もポールポジションも優勝も獲得できていなかったので、それを取るために何をすべきかをチームと一緒に考えてきました。それが4月の鈴鹿での優勝につながりました。そこからクルマやドライビング、メンタル的な部分にも自信がつきました」
「今年からWECのプログラムにも加わって海外に行くことが増えました。その中で自分が何をすべきなのかも見えてきました。自分は世界に行きたいという思いでレースを始めましたので、それが原動力となってこの結果にもつながったと思いますし、それによってチャンピオンを取れたことが嬉しいですし、ホッとしています。トヨタエンジンユーザーとしては久々のチャンピオンでもあるので、そういう部分でも誇りに思います」
「海外のレースに帯同させていただいて肌で感じたのは、日本は自動車文化の国であるはずなのに、海外では日本のモータースポーツに関心を持っている方が少ないということです。僕がスーパーフォーミュラでシリーズを引っ張っているといっても、海外では僕のことを誰も知らないんです。この現状がすごく悔しいし、スーパーフォーミュラのレベルの高さを知らしめるためにも、今まで以上に努力して、海外でも活躍したいです」

- 2023チームチャンピオン 田中洋克(TEAM MUGEN)
-
「今シーズンを一緒に戦った宮田選手のチャンピオン獲得に、まずはおめでとうと申し上げます」
「チームとしては9戦中6勝という数字を残すことができまして、チームの強さという部分では皆さんの期待にお応えできたかなと思います。今シーズンを振り返ってみますと、新しくリアム選手を迎えてスタートしたわけですが、ここまでの結果を出すとは正直思っていませんでした。本当にすごい、良い走りをしてくれました。野尻選手も途中欠場ということがありましたが、シーズンを通じて良い走りをしてくれました。チームチャンピオン二連覇というのは目標としていたところでもあるので、ホッとしています」
「ドライバーズチャンピオンが取れなかったのは残念ですが、宮田選手がいい走りをした結果だと思います。宮田選手の走りはチャンピオンにふさわしかったと思います。スーパーフォーミュラを盛り上げるという意味でも、来年チャンピオンを取り返せるように頑張ります」

- 2023ルーキー・オブ・ザ・イヤー リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
-
「正直いってアメイジングなシーズンになりました。タフなシーズンでもありました」
「過去にスーパーフォーミュラに参戦したニック・キャシディとは親しくて、結果が出るまでは大変からね、と聞いていました。ピエール・ガスリーからも同様に、結果を出すまでに時間がかかるぞ、と聞いていました。僕にとっても大きなチャレンジだと思っていたので、得られる限りの助けをいただいて、自分の糧にしようと思っていました。本当に素晴らしいシーズンになりました」
「残念ながらチャンピオンシップは獲得できませんでしたが、宮田選手はシーズンを通じて本当に素晴らしい走りをしていましたし、安定していました。常に表彰台に上がっていましたし」
「チーム無限で1年間戦うことができたことを本当に光栄に思います。僕がF1に行く上で本当に勉強になりました。このチームで成長できたことがF1参戦につながったと思いますので、本当に感謝しています」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

- 優勝 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-
「初優勝を嬉しく思います。スタートは昨日同様に不安を抱えていましたが、やってみたらうまくいきました。トップに立ってからもペースが良く、後ろを引き離していく展開になりましたが、リアム選手のロングランのペースも良くて、終始気の抜けないレースになりました」
「自分自身のペースも良く、マシンも本当に良かったんで、1年間やってきたことの集大成というか、来年につながる良いレースになったと思うし、本当に最後までミスなく走れました。外から見ると単調なレースに見えたかもしれませんが、僕自身の中ではリアム選手がどこでOTSを使っているのか、どこまで余裕があるのかを考えて、駆け引きをしながら走っていました。特にラスト10周はメンタル的にも本当に苦しかったです」
「最終ラップに入った時に『勝ったな』と思ったんですけど、コントロールラインを通過した瞬間に涙が出てきました。苦しい前半戦から始まって優勝で締められたのは本当に良かったと思うし、来年はこの勢いでチャンピオン争いができるように頑張ります」
- 決勝2位 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
-
「本当にトリッキーなレースでした。スタートがうまくいかなかったのが一番悔しかったですね。週末の始まりから今ひとつの感触だったので、今回の結果は残念でした」
「序盤からプレッシャーをかけてみたり、アンダーカットを狙った戦略をとったり、やれることをいろいろやってみたんですが、太田選手はとても速かったです。最後の10ラップはプレッシャーをかければミスをするんじゃないかと思いましたが、彼は最後まで本当にスムーズな走りをしていて、全くチャンスがありませんでした」
「」
- 決勝3位 宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
- 「スタートが4番手だったの、そこで順位を上げないと厳しいのはわかっていました。今までスタートがうまく決まったことがなかったので、チームと入念にコミニュケーションを取って臨みました。スタートはうまくいって、位置取りもうまく2コーナーに入れたので、オーバーテイクできました。レースペースに自信があったわけではなかったんですが、最後まで諦めずにベストを尽くせばついていけるかな、と思っていたので、その点では良かったと思います」
「この週末ずっとホンダ勢が力強いレースをしました。僕はチャンピオン争いをしていることもあり、なかなかトリッキーなことはできませんでしたが、ここへきてホンダが強くなったという点で、どうしてそうなったのかは来年に向けての課題だと思いました」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

- 優勝チームプリンシパル 村岡潔(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-
「太田くん新人ですからね。スタートがうまくいって、そこからハラハラドキドキ、何をするかわからない展開でしたね。全周無線で話しながらやりました。当然優勝したのは嬉しいですけどね。このところずっとウチはホンダさんの若い子の育成をやってるんで、責任を果たしたなと。太田くんには感謝とおめでとうを言ってあげたいです」
「一番ドキドキしたのはファイナルラップですかね。途中でタイムを見ていても余裕があるのがわかったんで、後ろを見てレースができるようになっていました。序盤リヤが厳しくなった時も、後ろのリアム選手、宮田選手も同じようにタイムが落ちていましたからね。セクターを見れば太田くんの方がタイムは良かったんで、余裕を持って後ろの2台を見てからタイヤ交換を引っ張りました。太田くんはしっかりしていましたよね、私たちよりも(笑)」
「(タイヤ交換後にトラフィックに引っかかった時は)同一周回ですから言いにいけませんが、これも太田くんへの試練かなと思っていました。抜かれる側もよくわかってくれていて、変に邪魔するドライバーはいませんでしたね。そこら辺はみんなレベルアップしているのかなと思います。中でも関口くんはいい仕事をしてくれましたよね、私たちにとっては期待通りでした(笑)」
「太田くんは開幕前のGTのテストでクラッシュがあったせいで、シーズン中盤のテストまでクルマのことを理解しきれていませんでした。ウチも新しいクルマになってセットを外してしまっていましたが、そこで牧野くんがチームの立て直しに奔走してくれたんです。牧野くんがチームを引っ張ってくれて、それが富士での彼のポールポジションにつながって、あそこからチームが一気に元に戻れました。太田くんもクルマを理解することができて、それがこの優勝につながりました。牧野くんの貢献がすごくありがたかったです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

2023年全日本スーパーフォーミュラ第9戦「JAF鈴鹿グランプリ」の決勝が10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、予選2番手からスタートした太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が待望のSF初優勝を達成した。ポールポジションのリアム・ローソン(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は2位に終わり、このレースを3位で終えた宮田莉朋(VANTELIN TOM'S SF23)が今シーズンのドライバーズチャンピオンに輝いた。(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:25,500人)

2023年最後の戦い、第9戦決勝は午後2時30分より31周で行われた。スタート時の気温は23℃、路面温度は31℃だ。
ホールショットを奪ったのは予選2番手の太田。2位で1コーナーに侵入したローソンに進路を塞がれる格好になった野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)を宮田がアウトから交わして3位に浮上、野尻は4位で1周目を完了した。太田はこの周だけで1秒350のリードを築き上げた。
後続を引き離しにかかる太田のリードは2周目に1秒438。3周目は1秒467と徐々に開いていったが4周目に入ると1秒257、5周目は1秒334に落ち着く。この辺りから太田は無線でリヤのグリップ不足を訴えていた。6周目に入るとそれまで1分41秒台だった太田のペースは1分42秒607に落ち着き、リードは1秒201。7周目は1秒046。徐々にローソンが迫ってきた。
一方、3位の宮田もローソンとの差を縮めにかかり、8周目には1秒256に詰まってきた。
大会特別規則で定めたタイヤ交換義務の対象となる10周目には松下信治(BYOUBUGAURA B-MAX SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING SF23)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF23)のホンダ勢がピットイン。これを皮切りに各ドライバーが相次いでタイヤ交換を行うようになる。
12周目には3位の宮田がピットイン。5秒2で作業を終えてコースに復帰する。すでにタイヤ交換を終えていた佐藤はここで2度目のピットイン。65号車はそのままガレージへ引き入れられてレースを終えた。
続いてローソンが13周目にピットイン。6秒5の作業時間で宮田の前でコースインしてきた。すでに熱の入ったタイヤで追い上げてきた宮田がヘアピンでアウトからオーバーテイクを試みるが、ここはローソンが押さえ込んだ。
続いてトップの太田が14周目にピットイン。タイヤ交換を5秒4で終え、ローソンと宮田に先行する形でコースへ復帰した。
この時点でのトップは野尻。太田は9位だったが、太田は先行する大草りき(TGM GP SF23)と関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)を次々に抜き去って17周目には7位に浮上する。続いてローソン、宮田も次々に関口を捉えた。
野尻はその後もコースに留まり、レースも終盤に差し掛かる23周目にようやくピットへ。この作戦が裏目に出て、野尻は宮田の後ろ、4位でコースに復帰するが、アウトラップでペースを上げられない間に逆バンクで松下に抜かれて5位に後退してしまった。
26周目のシケインで松下のインをつき、4位を奪い返した野尻だったが、3位の宮田とは15秒674の大差がついてしまっていた。
一方、トップに返り咲いた太田は27周目に0秒926差までローソンに詰め寄られるが、最後までローソンに付け入る隙を与えずに31周を走り切り、太田格之進が参戦1年目にして殊勲の初優勝を達成した。
リアム・ローソンは2位、宮田莉朋は3位、野尻智紀は4位ででこのレースを終えた。
これによりドライバーズポイントは宮田が114.5ポイント、ローソンが106.5ポイント、野尻が106ポイントとなり、宮田が2023年のシリーズチャンピオンを獲得した。
なお、チームチャンピオンはTEAM MUGEN188.5ポイント、VANTELIN TEAM TOM’Sが109.5ポイントとなり、2年連続でTEAM MUGENが獲得している。
全日本スーパーフォーミュラ選手権は、このレースをもって2023年の全日程が終了。2024年は3月8~10日に同じく三重県の鈴鹿サーキットにて2&4レースとして開幕する。











Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
第22回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2023/10/29) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2023 SUPER FORMULA Round 9 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 31 | 53'19.831 | - | - |
| 2 | 15 | リアム・ローソン | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 31 | 53'21.370 | 1.539 | 1.539 |
| 3 | 37 | 宮田 莉朋 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 31 | 53'25.454 | 5.623 | 4.084 |
| 4 | 1 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 31 | 53'39.444 | 19.613 | 13.990 |
| 5 | 38 | 坪井 翔 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 31 | 53'42.991 | 23.160 | 3.547 |
| 6 | 20 | 平川 亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 31 | 53'46.134 | 26.303 | 3.143 |
| 7 | 50 | 松下 信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 31 | 53'49.207 | 29.376 | 3.073 |
| 8 | 18 | 国本 雄資 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 31 | 53'57.077 | 37.246 | 7.870 |
| 9 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 31 | 53'58.036 | 38.205 | 0.959 |
| 10 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 31 | 54'05.212 | 45.381 | 7.176 |
| 11 | 39 | 阪口 晴南 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 31 | 54'13.416 | 53.585 | 8.204 |
| 12 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 31 | 54'16.902 | 57.071 | 3.486 |
| 13 | 53 | 大草 りき | TGM GP SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 31 | 54'18.902 | 59.071 | 2.000 |
| 14 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 31 | 54'19.431 | 59.600 | 0.529 |
| 15 | 55 | ジェム・ブリュックバシェ | TGM GP SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 31 | 54'30.761 | 1'10.930 | 11.330 |
| 16 | 19 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 31 | 54'33.585 | 1'13.754 | 2.824 |
| 17 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 31 | 54'35.820 | 1'15.989 | 2.235 |
| 18 | 51 | ラウル・ハイマン | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-Max Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 31 | 54'44.410 | 1'24.579 | 8.590 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 27 Laps)完走 ---- |
| - | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 26 | 46'36.207 | 5Laps | 5Laps |
| - | 65 | 佐藤 蓮 | TCS NAKAJIMA RACING SF23 TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 12 | 21'40.312 | 19Laps | 14Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 19 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23) 1'39.720 (29/31) 209.639 km/h

2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の予選が、10月29日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、リアム・ローソン(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が自身初となるポールポジションを獲得した。
サーキット上空は晴れ渡っている。予選の注目は、波乱となった昨日の第8戦で優勝を遂げた野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と2位に入った宮田莉朋(VANTELIN TOM'S SF23)の順位。チャンピオン争いに大きく影響するだけに二人の順位が気になるところだ。
Q1 Aグループ
最初にアタックの入った野尻のタイムは1分37秒607。この後、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が37秒893、松下信治(BYOBUGAURA B-MAX SF23)が37秒700をマークするが、野尻のタイムには届かない。最後に太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が37秒686と迫るが、Aグループのトップは、虎視眈々と逆転王者を狙う野尻が奪った。
順位:野尻-太田-松下-平川-国本-佐藤/-山下-阪口-大草-大嶋
Q1 Bグループ
まずは福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE SF23)が1分37秒743をマークするが、即座に宮田がAグループの野尻のタイムを大きく上回る1分37秒014をマークしてトップに立つ。しかし、終了間際にローソンが唯一37秒を切る36秒881を叩き出して宮田を逆転。3位には終了間際に37秒113をマークした坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF23)が入った。
順位:ローソン-宮田-坪井-牧野-福住-関口/-小林-小高-ブルクバシェ-ハイマン




Q2
最終戦になってようやく本来の速さを取り戻しつつある松下が最初にアタックして1分36秒988をマーク。しかし、野尻が36秒704でこれを上回る。野尻が第8戦に続く連続ポールかと思われたが、直後にローソンが36秒442というやや抜き出たタイムでトップを奪う。
終了間際に、昨日初の表彰台を射止めた太田が36秒613で2位に浮上。そしてチャンピオン獲得のために是が非でも予選ポイントの欲しい宮田は果敢にアタックをするが、ややミスがあり36秒817で4位に終わった。
この結果、シリーズポイントは、宮田103.5p、野尻98p、ローソン91.5pで最終戦の決勝を迎えることとなった。
順位:ローソン-太田-野尻-宮田-坪井-松下-国本-関口-平川-牧野-福住-佐藤
第9戦の決勝は、本日、午後2時30分から31周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

- 第9戦ポールポジション リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
-
「シーズンを通じてチームは常に良いクルマを用意してくれましたが、ポールポジションを獲得するのは難しかったです。でもチームは今日に向けてセッティングを見直し、素晴らしいクルマを用意してくれました。本当に最高でした」
「(チャンピオン争いについて)上位二人とのギャップはまだまだ大きいと考えています。自分に今何ができるか、に集中して、このレースに勝つことが一番重要だと考えています。他のドライバーのことはコントロールできないので、そこは祈るだけです」
- 第9戦予選2位 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
-
「今回はすごく自信があり、特にQ2のラップは今年一番と言って良いほどの出来だったんです。コントロールラインを通過した時に自分がポールだ、と思ったら15番の表示が見えたので、悔しかったです。でもフロントローからレースできるので、決勝も頑張ります」
「(チャンピオン争いをする選手に挟まれている状況について)正直嫌ですね。僕は僕のレースをしたいし。(ここでローソンが「僕たち友達だよね?」と割り込む)。そうですけど、野尻さんも先輩なんで(笑) フロントローには苦い思い出もありますが(笑)、スタートで3人の前に出てしまえば良いと思うので、スタートを頑張ります」
- 第9戦予選3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
-
「リアムが速かったと思います。あのタイムは僕たちには見えていなかった、というのが正直なところです。あとは決勝をどうするかですね。宮田選手が後ろにいて、ポイントランキングの1、2、3位が逆順でスタートすることになったので、より激しいレースになるだろうなと思いますし、ここまで来たら誰がチャンピオンになってもおかしくないと思うので、難しいですね。捨て身でいくのか、堅実にいくのか、これから考えたいと思います」
「リアムがポールを取って、僕も予選でポイントを積み重ねて、宮田選手が予選ポイントを取り逃がして、と見ている方からは面白い展開になりましたが、僕はポールが取れなかった事実を受け入れて、やれることをやるしかないです。展開次第ですが、一つのポジションも明け渡すわけにはいきません。難しいレースですね。どうなるかわかりません」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
第22回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2023/10/29) Knock Out Q2 Weather:Fine Course:Dry
2023 SUPER FORMULA Round 9 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Gr | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 15 | B | リアム・ローソン | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.442 | - | - | 216.764 |
| 2 | 6 | A | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'36.613 | 0.171 | 0.171 | 216.381 |
| 3 | 1 | A | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'36.704 | 0.262 | 0.091 | 216.177 |
| 4 | 37 | B | 宮田 莉朋 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'36.817 | 0.375 | 0.113 | 215.925 |
| 5 | 38 | B | 坪井 翔 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'36.977 | 0.535 | 0.160 | 215.569 |
| 6 | 50 | A | 松下 信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'36.988 | 0.546 | 0.011 | 215.544 |
| 7 | 18 | A | 国本 雄資 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'37.073 | 0.631 | 0.085 | 215.355 |
| 8 | 19 | B | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'37.503 | 1.061 | 0.430 | 214.406 |
| 9 | 20 | A | 平川 亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'37.531 | 1.089 | 0.028 | 214.344 |
| 10 | 5 | B | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.761 | 1.319 | 0.230 | 213.840 |
| 11 | 12 | B | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'37.768 | 1.326 | 0.007 | 213.825 |
| 12 | 65 | A | 佐藤 蓮 | TCS NAKAJIMA RACING SF23 TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'37.834 | 1.392 | 0.066 | 213.680 |
■Aグループ
第22回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2023/10/29) Knock Out Q1 Weather:Fine Course:Dry
2023 SUPER FORMULA Round 9 class 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 1 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'37.607 | - | - | 214.177 |
| 2 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'37.686 | 0.079 | 0.079 | 214.004 |
| 3 | 50 | 松下 信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-MAX Racing Team HondaM-TEC HR-417E | 1'37.700 | 0.093 | 0.014 | 213.973 |
| 4 | 20 | 平川 亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTATRD01F | 1'37.893 | 0.286 | 0.193 | 213.552 |
| 5 | 18 | 国本 雄資 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'38.066 | 0.459 | 0.173 | 213.175 |
| 6 | 65 | 佐藤 蓮 | TCS NAKAJIMA RACING SF23 TCS NAKAJIMA RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'38.114 | 0.507 | 0.048 | 213.071 |
| ---- 以上Q2進出 ---- |
| 7 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'38.162 | 0.555 | 0.048 | 212.966 |
| 8 | 39 | 阪口 晴南 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'38.308 | 0.701 | 0.146 | 212.650 |
| 9 | 53 | 大草 りき | TGM GP SF23 TGM Grand Prix HondaM-TEC HR-417E | 1'38.643 | 1.036 | 0.335 | 211.928 |
| 10 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTATRD 01F | 1'38.750 | 1.143 | 0.107 | 211.698 |
| ---- 以上基準タイム(107%)予選通過 ---- |
■Bグループ
第22回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2023/10/29) Knock Out Q1 Weather:Fine Course:Dry
2023 SUPER FORMULA Round 9 class 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 15 | リアム・ローソン | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'36.881 | - | - | 215.782 |
| 2 | 37 | 宮田 莉朋 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTATRD 01F | 1'37.014 | 0.133 | 0.133 | 215.486 |
| 3 | 38 | 坪井 翔 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'37.113 | 0.232 | 0.099 | 215.267 |
| 4 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'37.707 | 0.826 | 0.594 | 213.958 |
| 5 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing HondaM-TEC HR-417E | 1'37.743 | 0.862 | 0.036 | 213.879 |
| 6 | 19 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTATRD 01F | 1'37.809 | 0.928 | 0.066 | 213.735 |
| ---- 以上Q2進出 ---- |
| 7 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'38.121 | 1.240 | 0.312 | 213.055 |
| 8 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'38.281 | 1.400 | 0.160 | 212.708 |
| 9 | 55 | ジェム・ブリュックバシェ | TGM GP SF23 TGM Grand Prix HondaM-TEC HR-417E | 1'38.370 | 1.489 | 0.089 | 212.516 |
| 10 | 51 | ラウル・ハイマン | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-Max Racing Team HondaM-TEC HR-417E | 1'38.683 | 1.802 | 0.313 | 211.842 |
| ---- 以上基準タイム(107%)予選通過 ---- |

2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権第8,9戦「JAF鈴鹿グランプリ」の専有走行が10月27日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ディフェンディングチャンピオンの野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)がトップタイムをマークした。
いよいよ2023年シーズンの最終大会を迎えた。チャンピオン候補は、今季2勝しコンスタントに入賞を重ねている宮田莉朋(VANTELIN TOM'S SF23)94ポイント、F1デビューも飾った3勝のリアム・ローソン(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)86ポイント、1戦欠場しているものの2勝を飾っている野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)84ポイントの3人に絞られた。
また、スーパーGTのクラッシュで負傷欠場の山本尚貴に代わって出場する大津弘樹(TCS NAKAJIMA RACING SF23)に加え、最終大会直前になって、TGMグランプリから大湯都史樹に代えて大草りき(TGM GP SF23)がドライブするというサプライズ発表もあり、チャンピオ争い以外にも見どころの多い最終大会となった。
午後2時から始まった90分間の専有走行は、開始早々に赤旗提示が続いて、各ドライバーはなかなかリスムに乗ることができない。
折返しの45分を経過した時点のトップ10は、大島(1:40.386)-国本-山下-宮田-坪井-松下-阪口-牧野-太田-関口。注目のSF初走行の大草はトップタイムから約5秒遅れ。
残り20分を切ったところで、各車ピットに滑り込み、そろそろ予選を想定したアタックに向けて準備をしている感じだ。
ここまでの順位は、国本(1:39.988)-宮田-大嶋-牧野-佐藤-山下-松下-太田-野尻。大草は42秒台まで詰めている。
そして、最後のアタックはラスト1周で繰り広げられ、野尻(1:38.895)-宮田(39.125)-坪井(39.182)-ローソン(39.189)-太田(39.223)-山下(39.299)-阪口(39.313)-大津(39.418)-佐藤(39.429)-牧野(39.434)とここまでがトップ10。以下、福住(39.436)-松下(39.508)-関口(39.591)-国本(39.676)-大嶋(39.785)-平川(39.926)-大草(40.016)-笹原(40.194)-可夢偉(40.378)-ブリュックバシェ(40.505)-ハイマン(43.182)-小高(48.656)と続いた。
野尻の速さはさすがだが、2位宮田、4位ローソンも僅差で好位置につけ、チャンピオン争いは熾烈を極めそうだ。
初走行で野尻から1.1秒差まで詰めてきた大草は想定以上の大健闘だ。なお、最初の赤旗の原因をつくった小高は最初の4周しか周回していない。
明日の第8戦の公式予選は午前9時30分からノックアウト方式で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
第22回JAFグランプリ鈴鹿 -RIJ- (2023/10/27) Occupancy Session Weather:Fine Course:Dry
2023 SUPER FORMULA Round 8 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | № | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 1 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'38.895 | - | - | 211.388 |
| 2 | 37 | 宮田 莉朋 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'39.125 | 0.230 | 0.230 | 210.897 |
| 3 | 38 | 坪井 翔 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'39.182 | 0.287 | 0.057 | 210.776 |
| 4 | 15 | リアム・ローソン | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'39.189 | 0.294 | 0.007 | 210.761 |
| 5 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.223 | 0.328 | 0.034 | 210.689 |
| 6 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'39.299 | 0.404 | 0.076 | 210.528 |
| 7 | 39 | 阪口 晴南 | P. MU/CERUMO・INGING SF23 P.MU/CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'39.313 | 0.418 | 0.014 | 210.498 |
| 8 | 64 | 大津 弘樹 | TCS NAKAJIMA RACING SF23 TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.418 | 0.523 | 0.105 | 210.276 |
| 9 | 65 | 佐藤 蓮 | TCS NAKAJIMA RACING SF23 TCS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.429 | 0.534 | 0.011 | 210.253 |
| 10 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'39.434 | 0.539 | 0.005 | 210.242 |
| 11 | 12 | 福住 仁嶺 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'39.436 | 0.541 | 0.002 | 210.238 |
| 12 | 50 | 松下 信治 | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-MAX Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'39.508 | 0.613 | 0.072 | 210.086 |
| 13 | 19 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'39.591 | 0.696 | 0.083 | 209.911 |
| 14 | 18 | 国本 雄資 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'39.676 | 0.781 | 0.085 | 209.732 |
| 15 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'39.785 | 0.890 | 0.109 | 209.502 |
| 16 | 20 | 平川 亮 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'39.926 | 1.031 | 0.141 | 209.207 |
| 17 | 53 | 大草 りき | TGM GP SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'40.016 | 1.121 | 0.090 | 209.019 |
| 18 | 36 | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'40.194 | 1.299 | 0.178 | 208.647 |
| 19 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'40.378 | 1.483 | 0.184 | 208.265 |
| 20 | 55 | ジェム・ブリュックバシェ | TGM GP SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'40.505 | 1.610 | 0.127 | 208.002 |
| 21 | 51 | ラウル・ハイマン | BYOUBUGAURA B-MAX SF23 B-Max Racing Team Honda M-TEC HR-417E | 1'43.182 | 4.287 | 2.677 | 202.605 |
| 22 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'48.656 | 9.761 | 5.474 | 192.398 |

2023年のスーパーフォーミュラもいよいよ10月28-29日に行われるJAF鈴鹿グランプリで閉幕する。
現在のポイントリーダーは宮田莉朋(VANTELIN TOM'S SF23)。第3戦鈴鹿、第5戦SUGOと今季2勝を挙げたほか、第4戦オートポリスで2位、第6戦富士で3位と全戦で入賞を果たし、94ポイントを獲得している。
ランキング2位はリアム・ローソン(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。今季初参戦のローソンは、第1戦富士でデビューウィンを果たしたほか、第4戦オートポリス、第6戦富士と今季3勝を挙げて86ポイント。トップの宮田まで8ポイント差につける。レッドブルおよびアルファタウリのリザーブドライバーとして各グランプリに帯同しているローソンだが、今週末はメキシコグランプリではなく鈴鹿での最終戦に参戦、王座獲得に挑戦する。
前年王者の野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は肺気胸により第4戦オートポリスを欠場したものの、第2戦富士および前戦もてぎで勝利したほか、第1戦富士、第5戦SUGOでいずれもローソンに次ぐ2位に入り、84ポイントを獲得してランキング3位につける。
今シーズン優勝しているのはこの3名のみだが、今季2度目の鈴鹿大会は第8戦、第9戦の2レース制となるため、予選、決勝合わせて最大46ポイントが獲得可能であり、51ポイントで第4位の平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)、50ポイントで第5位の坪井翔(P. MU/CERUMO・INGING SF23)にもチャンピオンの可能性が残っている。
残り2戦となってもまだまだ混戦は続く。
このほか、第6戦富士でポールポジションを獲得した牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、第3戦鈴鹿と第5戦鈴鹿で2度のポールポジションを獲得した大湯都史樹(TGM GP SF23)にも今季初勝利の期待がかかるところだったが、24日になって突如TGM Grand Prixよりリリースが出され、大湯の欠場がアナウンスされた。
リリースによれば欠場は大湯本人からの申し入れによるものとのこと。「鈴鹿へ向けて戦うため、勝つための準備を整えることが非常に難しい状況になったため」というのが本人のコメントだが、詳細は不明。
不運なトラブルやアクシデントにより、決勝ではなかなか結果を残せていない今季の大湯だったが、前戦もてぎでは3位表彰台を獲得して復活への足がかりを掴んでいただけに、この決定は残念というほかない。
その大湯に代わって53号車をドライブするのが誰になるか、現時点では明らかになっていないが、TGMは後日詳細を告知するとしており、空席にするつもりはないようだ。
JAF鈴鹿グランプリは10月28日にシリーズ第8戦の予選と決勝が、29日には最終第9戦の予選と決勝が行われる。果たして最後に笑うのは誰なのだろうか。
Text: Kazuhisa SUEIHRO
Photo: Motorsports Forum
- 第9戦優勝 野村勇斗(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
-
「嬉しいです。久しぶりの1位だったんで。丁度1年ちょっとぶりぐらいですね、フランスで勝って以来の」
「精神的にもペースもきついんだろうなと思って。どうやって押さえようかと考えていたんですけど、タイヤが暖まってからはいいペースで走れたんで、ミスしないように心がけて走りました。SUGOはオーバーテイクポイントがなかなかないので、スタートに集中していきましたね」
「明日は追い上げます。接触せずにクリーンに行って、上位を目指します」
- 第9戦決勝2位 三井優介(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
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「最初の3周に関しては確かにペースはあったと思います。ただ新品タイヤの皮剥きはオープニングラップだけじゃできない面もあるので、最初の1周でしっかり皮を剥いて、そこからペースを上げていこうと思っていました。確かにペースは良かったです。(1周あたり)コンマ1秒のリードはあったと思いますが、そのコンマ1のリードだけじゃ追い抜きまでにはいきません。あの距離で走り続けるのが現実だと思うので、そこでプッシュして相手のミスを誘えればと考えていたんですけど....悔しいけど、これでランキングトップになれましたので、悪くないレースだったなと思います」
- 第9戦決勝3位 佐野雄城(TGR-DC Racing School)
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「フォーミュラで表彰台に登ったのは初めてです。1回だけ少しミスがありましたが、それ以外はほとんどノーミスで走れました。一度でも飛び出したり、脱輪しちゃうとすぐ抜かれてしまう状況だったし、中村選手の方がペースがあったので、本当にミスしないで、どうやって走ったら抜かれないかとか、ずっと考えて走りました。そんな中でペースも落とさないように心がけて走りました」
「明日は今日ペースが上がらなかったところを話し合って、ドライビングも改善すれば、もっと上の順位も見えてくると思うので、しっかりやって上のポジションでゴールしたいです」
Text: Kazuhisa SUEHIRO

2023年FIA-F4選手権シリーズ第9戦の決勝が9月16日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP RACING TEAM)が待望の国内初優勝を挙げた。
第9戦決勝は午後1時30分より17周で行われた。天候は曇り、路面はドライだ。


スタートでトップに立ったのはポールの野村。予選2番手の三井優介(HFDP RACING TEAM)を牽制しながら1コーナーに飛び込んでいく。予選3番手の奥住慈英(BJ Racing F110)が三井に続き、ここまでは予選順位通りでコントロールラインに戻ってきた。
しかし1周目の3コーナーで大宮賢人(PONOS F110)と中村賢明(トムスフォーミュラカレッジ F110)が接触、中村がコースオフしたため、今回も2周目からセーフティーカーが導入された。
セーフティーカーは5周終わりでピットイン。レースは6周目から再開となる。トップの野村は三井を押さえて1コーナーを立ち上がる。その後方では予選4番手の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が奥住に1コーナーでアウトから並びかけ、そのまま並走状態で2コーナーを立ち上がり、3コーナーでついに3位に浮上した。
その後方では中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4)と森山冬星(HFDP RACING TEAM)が予選5番手の卜部和久(BJ Racing F110)を捉えて5位、6位に浮上。卜部の後ろには小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)も迫ってきた。
中村仁は8周目の1コーナーでアウトから奥住を捉えて4位に浮上。小林も卜部を捉えて7位に浮上した。
ここまでの予選A組の躍進には理由があった。彼らは公式予選をウェットタイヤで戦っており、この決勝には新品のスリックで臨んでいるのだ。その後も9周目に森山と小林が相次いで奥住を抜き去って5位、6位に浮上している。
一方、トップの野村はテールに食らいつく三井にただの一度も隙を見せずに17周を走り切り、シリーズ第9戦にしてついに待望の優勝をものにした。
野村勇斗にとっては昨年5月にマニクールで行われたフランスF4選手権第3戦のレース2以来、もちろん国内では初めてののFIA-F4優勝だ。2位は三井優介、3位には佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が入り、こちらもフォーミュラでは初の表彰台を獲得することとなった。
第10戦決勝は明日の午前8時45分より、同じく17周で行われる。





Text: Kazuhisa SUEHIRO
- 第9戦ポールポジション 野村勇斗(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
-
「前にいたインディペンデントカップのクルマがレインタイヤで走っていたので、なかなかアタックに入れませんでした。ベストタイムを出したあとも前との間隔を広げてアタックに行ったんですが、目の前でチェッカーが出てしまったため、セカンドベストを上げることができませんでした。」
「初めてのSUGOですが、練習走行からいい感じで、自分が得意としているコースなのかもしれないと感じました。それだけにセカンドタイムでもポールが撮りたかったんですけど」
「午後の決勝では絶対に勝てるように頑張ります。明日は後ろからのスタートになるので厳しいかと思いますが、今日は優勝して、明日は追い上げる展開にしたいですね」
- 第10戦ポールポジション 卜部和久(BJ Racing F110)
-
「もともとこういう濡れてる路面が得意なので、自信を持って予選に行けましたが、最後の一番コンディションの良い時に位置取りがうまくできていなかったことは反省すべき点かなあと思いました。でも初めてFIA-F4でポールを取れましたし、素直に嬉しいです」
「終盤はどんどんコンディションが良くなっていたので、1分25秒台に入る自信がありました。25秒9とかは出せたと思います」
「僕は嫌いなサーキットとかはないので、どこでも好きだし、SUGOも走っていてすごく楽しいです」
「決勝ではベストを尽くすだけです」
- 第9戦、第10戦予選2位 三井優介(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)
-
「去年はテストが雨で、レースウィークで初めてドライを走ったんですが、今回はテストからドライで走れたので、クルマを良くして行って木曜に持ち込めました。その成果もあったと思います」
「最近はチーム一丸となって戦うことを心がけているので、チームとコミニュケーションを取りながらやってきました。決勝は自分にとって有利な条件だと思います。A組はドライタイヤが残してありますから、自信を持って攻め続けていきたいです」
「B組とのコンディションの違いについては覚悟していたことですし、A組のトップを取って2番手スタートを確実にしようと頭を切り替えて走りました。それが実行できたのはよかったです。コース後半の馬の背から先はドライでしたが、前半セクションが濡れていたので、ちょっとドライタイヤだと厳しい感じでした。あれた予選でしたけど、自分には良い風が吹いていましたね」
「決勝は新品スリックで行けるので、圧倒的に有利だと思いますし、普通に行けば問題なく良いレースができると思うので、自信を持っていきたいなと思います」
- 第9戦、第10戦予選3位 奥住慈英(BJ Racing F110)
-
「予選スタートする前に路面を確認したらウェットパッチが残っていたので、前半はそこまで攻めすぎずに、残りの3周にかけてタイヤをベストなコンディションに持っていけるように心がけて走りました。位置も開けて走りましたし、それが全てうまくいきました。それでもトップにコンマ1足りなかったのは悔しいですね」
「TGRの時にもてぎで一度3位スタートがあったんですが、それ以来のプライベートとしてはベストのグリッドです。ただA組が新品のドライタイヤなのが懸念材料ですね。そこをどう攻略するかが難しいです。抜けないSUGOのレイアウトを生かして、最低でもポディウムに登りたいです」
「もちろん優勝を目指しますが、今週は時間が足りず、テストもできないぶっつけ本番になりました。今週末もトラブルで1日潰してしまって、二日目からがスタートみたいになりました。ちょっと出遅れちゃったんですけど、雨を見てラッキーだなと。これはもう行くしかないなと思いました」
Text: Kazuhisa SUEHIRO
SUGO GT 300km RACE -RIJ- (2023/09/16) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2023 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 6 | | | 野村 勇斗 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 17 | 27'06.594 | - | - |
| 2 | 5 | | | 三井 優介 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 17 | 27'07.213 | 0.619 | 0.619 |
| 3 | 37 | | | 佐野 雄城 | TGR-DC RSフィールドF4 TGR-DC Racing School | 17 | 27'11.296 | 4.702 | 4.083 |
| 4 | 35 | | | 中村 仁 | TGR-DC RSトムススピリットF4 TGR-DC Racing School | 17 | 27'11.871 | 5.277 | 0.575 |
| 5 | 7 | | | 森山 冬星 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 17 | 27'14.910 | 8.316 | 3.039 |
| 6 | 36 | | | 小林 利徠斗 | TGR-DC RSトムススピリットF4 TGR-DC Racing School | 17 | 27'15.906 | 9.312 | 0.996 |
| 7 | 81 | | | 卜部 和久 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 17 | 27'18.855 | 12.261 | 2.949 |
| 8 | 88 | | | 荒川 麟 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 17 | 27'23.356 | 16.762 | 4.501 |
| 9 | 62 | | | 佐藤 樹 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 17 | 27'23.878 | 17.284 | 0.522 |
| 10 | 97 | | | 奥住 慈英 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 17 | 27'24.879 | 18.285 | 1.001 |
| 11 | 12 | | | 洞地 遼⼤ | HIROTEX AKILAND F110 AKILAND RACING | 17 | 27'26.171 | 19.577 | 1.292 |
| 12 | 38 | | | 奥本 隼士 | TGR-DC RSフィールドF4 TGR-DC Racing School | 17 | 27'26.658 | 20.064 | 0.487 |
| 13 | 46 | | | 徳升 広平 | フジタ薬局アポロ電工M.T フジタ薬局レーシング | 17 | 27'29.739 | 23.145 | 3.081 |
| 14 | 34 | | | 清水 啓伸 | Drago CORSE F110 Drago CORSE | 17 | 27'30.046 | 23.452 | 0.307 |
| 15 | 80 | | | 野澤 勇翔 | OTG DL F4 CHALLENG OTG MOTORSPORTS | 17 | 27'31.893 | 25.299 | 1.847 |
| 16 | 87 | | | 下野 璃央 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 17 | 27'32.328 | 25.734 | 0.435 |
| 17 | 98 | | | 三島 優輝 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 17 | 27'36.644 | 30.050 | 4.316 |
| 18 | 16 | | | 西村 和真 | Media Do YBS影山F110 Media Do Kageyama Racing | 17 | 27'37.085 | 30.491 | 0.441 |
| 19 | *45 | | | 大宮 賢人 | PONOS F110 PONOS RACING | 17 | 27'37.799 | 31.205 | 0.714 |
| 20 | 48 | | | 堀尾 風允 | MOST-HM Racing F4 フジタ薬局レーシング | 17 | 27'43.448 | 36.854 | 5.649 |
| 21 | 77 | | | 小松 響 | WARMTECH Skill Speed スキルスピード | 17 | 27'45.484 | 38.890 | 2.036 |
| 22 | 13 | IC | 1 | 藤原 誠 | B-MAX ENGINEERING B-MAX RACING TEAM | 17 | 27'54.885 | 48.291 | 9.401 |
| 23 | 44 | IC | 2 | 今田 信宏 | JMS RACING with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 17 | 27'55.357 | 48.763 | 0.472 |
| 24 | 55 | IC | 3 | KENTARO | Baum Field F4 フィールドモータースポーツ | 17 | 28'01.110 | 54.516 | 5.753 |
| 25 | 8 | | | 半田 昌宗 | SD-STYLE GMB F110 TEAM GMB | 17 | 28'01.407 | 54.813 | 0.297 |
| 26 | 30 | IC | 4 | DRAGON | B-MAX TEAM DRAGON B-MAX RACING TEAM | 17 | 28'03.130 | 56.536 | 1.723 |
| 27 | 96 | IC | 5 | 齋藤 真紀雄 | CSマーケティングAKILAND F110 AKILAND RACING | 17 | 28'05.717 | 59.123 | 2.587 |
| 28 | 99 | IC | 6 | 近藤 善嗣 | アドバンスドIoTくじらルーニースポーツ Rn-sports | 17 | 28'05.926 | 59.332 | 0.209 |
| 29 | 2 | IC | 7 | 仲尾 恵史 | TCS AKILAND F110 AKILAND RACING | 17 | 28'06.100 | 59.506 | 0.174 |
| 30 | 71 | IC | 8 | 大山 正芳 | ダイワN通商AKILAND F110 AKILAND RACING | 17 | 28'07.168 | 1'00.574 | 1.068 |
| 31 | 10 | IC | 9 | 植田 正幸 | アキランドwith Rn-sports AKILAND RACING | 17 | 28'08.203 | 1'01.609 | 1.035 |
| 32 | 21 | IC | 10 | 小嶋 禎一 | Classic Car.jp Eagle イーグルスポーツ | 17 | 28'08.269 | 1'01.675 | 0.066 |
| 33 | 63 | IC | 11 | 鳥羽 豊 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 17 | 28'11.854 | 1'05.260 | 3.585 |
| 34 | 49 | IC | 12 | ⾚松 昌⼀朗 | SHOEI EAGLE F4 イーグルスポーツ | 17 | 28'16.499 | 1'09.905 | 4.645 |
| 35 | 11 | IC | 13 | 中島 功 | Rn. SHINSEI. F110 Rn-sports | 17 | 28'17.316 | 1'10.722 | 0.817 |
| 36 | 4 | IC | 14 | 佐々木 祐一 | 仙台DayDream with Rikou DAYDREAM RACING | 17 | 28'17.531 | 1'10.937 | 0.215 |
| 37 | 86 | IC | 15 | 大阪 八郎 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 17 | 28'29.296 | 1'22.702 | 11.765 |
| 38 | 18 | IC | 16 | 塚本 法生 | フィールドAKILAND F110 AKILAND RACING | 17 | 28'30.248 | 1'23.654 | 0.952 |
| 39 | 23 | IC | 17 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 16 | 28'06.095 | 1Lap | 1Lap |
| ---- 以上規定周回数(90% - 15 Laps)完走 ---- |
| - | 26 | IC | - | 山崎 令二郎 | Media Do影山F110 Media Do Kageyama Racing | 11 | 19'26.315 | 6Laps | 5Laps |
| - | 78 | | | 小野 陽平 | Reversal Spirit スキルスピード | 10 | 17'58.766 | 7Laps | 1Lap |
| - | 22 | | | 藤原 優汰 | 藤原オートAKILAND F110 AKILAND RACING | 8 | 14'44.252 | 9Laps | 2Laps |
| - | 31 | | | 平安山 良馬 | ATEAM Buzz Racing Buzz Racing | 7 | 13'05.323 | 10Laps | 1Lap |
| - | 28 | | | 中村 賢明 | トムスフォーミュラカレッジ F110 TOM'S YOUTH | 1 | 1'39.037 | 16Laps | 6Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 35 中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4) 1'24.438 (11/17) 152.910 km/h
- CarNo. 45は、FIA-F4 SpR.15.1.1(危険なドライブ行為)により、競技結果に対して10秒加算のペナルティーを科した。


2023FIA-F4選手権シリーズ第9戦、第10戦の公式予選が9月16日、宮城県村田町のスポーツランドSUGOで行われ、第9戦は野村勇斗(HFDP RACING TEAM)、第10戦は卜部和久(BJ Racing F110)が、いずれも自身初のポールポジションを獲得した。
公式予選は今回もA組、B組各20分間で行われた。前夜の雨の影響から路面はハーフウェット、上空を厚い雲が覆い尽くす中での走行となった。
A組の走行は午前8時にコースオープン。ドライバーによりスリック、レインとタイヤ選択が分かれる展開となったが、スリックタイヤでコースインした鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F110)のコースオフにより、残り16分を目前に早くも赤旗中断となってしまった。この時点でタイムを出せているのは小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)のみで1分37秒816だ。
車両回収ののち、A組の走行は午前8時08分に走行再開。まずは平安山良馬(ATEAM Buzz Racing)が1分35秒893を記録するが、これを三井優介(HFDP RACING TEAM)が上回って1分34秒374でトップに。佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が1分35秒124で2番手。小林は1'35.912でこの時点で4番手だ。
三井はアタック2周目に1分33秒931にタイムアップ。佐野も1分34秒771を出してきた。小林は1分35秒143で3番手。しかしその次の周のセクター1で全体ベスト、これはすぐに三井が上回ったが、その後も小林はセクター2で全体ベスト、セクター3で自己ベストと快調にアタックを進めていく。
ところが3コーナーで小松響(WARMTECH Skill Speed)がクラッシュしてしまい、この日2度目の赤旗が出されてしまう。残り時間はこの時点でまだ7分余りあったが、レースコントロールはこの赤旗をもってA組の予選を終了すると宣言した。
その結果トップは5三井。2番手は佐野。3番手は赤旗直前に1分34秒836を出した森山冬星(HFDP RACING TEAM)が続いた。赤旗によってアタックを中断せざるを得なかった36小林は残念ながら5番手で予選を終えることになった。
小松の77号車を回収したのち、B組の予選は当初予定通り午前8時35分から始まったが、コースオープン直後に半田昌宗(SD-STYLE GMB F110)がピットアウト直後にストップしたためすぐさま赤旗に。午前8時42に再びコースオープンとなった。この頃には路面コンディションもかなり改善してきたため、B組の多くのドライバーがスリックタイヤを装着してアタックに臨んだ。
まずは徳升広平(フジタ薬局アポロ電工M.T)が1分29秒251でトップに。これを野村が上回り、1分27秒889でトップに。2番手には1分28秒701で卜部、大宮賢人(PONOS F110)が1分28秒840で3番手と続く。
さらに荒川麟(Dr. Dry F110)が1分27秒773で野村を上回ると、徳升はそれをも上回る1分27秒365で再びトップ。奥住慈英(BJ Racing F110)が1分27秒535で2番手につけ、あっという間に荒川は3番手となってしまった。
続いて卜部が1分26秒391でトップに浮上、徳升も1分26秒432で2番手。3番手には洞地遼⼤(HIROTEX AKILAND F110)が1分26秒727で続く。
その後も卜部は1分26秒380までタイムアップするが、残り2分を切ったところで野村が1分26秒113でトップを奪い返すと、奥住も1分26秒233で2番手に浮上してきた。
結局B組は野村がトップ、奥住が2番手、卜部が3番手となったが、セカンドタイムでは1分26秒391の卜部がトップで、1分26秒585の奥住が2番手となり、野村はアタック中に遅い車両に引っかかった影響もあって1分26秒762に止まり、1分26秒680の徳升に次ぐ4番手という結果となった。
この結果、第9戦、第10戦共にB組が奇数列を獲得、ポールポジションは第9戦が野村、第10戦が卜部となり、A組トップの三井が両レースともに2番手で、奥住が3番手という結果となった。
第9戦決勝はこのあと午後1時30分より、第10戦決勝は明日朝8時45分より、いずれも17周で行われる。


Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI
SUGO GT 300km RACE -RIJ- (2023/09/16) Group B Qualifying Weather:Cloudy Course:Wet
2023 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 6 | | | 野村 勇斗 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 1'26.113 | - | - | 149.936 |
| 2 | 97 | | | 奥住 慈英 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 1'26.233 | 0.120 | 0.120 | 149.727 |
| 3 | 81 | | | 卜部 和久 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 1'26.380 | 0.267 | 0.147 | 149.472 |
| 4 | 46 | | | 徳升 広平 | フジタ薬局アポロ電工M.T フジタ薬局レーシング | 1'26.432 | 0.319 | 0.052 | 149.382 |
| 5 | 22 | | | 藤原 優汰 | 藤原オートAKILAND F110 AKILAND RACING | 1'26.695 | 0.582 | 0.263 | 148.929 |
| 6 | 12 | | | 洞地 遼⼤ | HIROTEX AKILAND F110 AKILAND RACING | 1'26.727 | 0.614 | 0.032 | 148.874 |
| 7 | 88 | | | 荒川 麟 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 1'27.055 | 0.942 | 0.328 | 148.313 |
| 8 | 34 | | | 清水 啓伸 | Drago CORSE F110 Drago CORSE | 1'27.092 | 0.979 | 0.037 | 148.250 |
| 9 | 28 | | | 中村 賢明 | トムスフォーミュラカレッジ F110 TOM'S YOUTH | 1'27.285 | 1.172 | 0.193 | 147.922 |
| 10 | 45 | | | 大宮 賢人 | PONOS F110 PONOS RACING | 1'27.328 | 1.215 | 0.043 | 147.849 |
| 11 | 38 | | | 奥本 隼士 | TGR-DC RSフィールドF4 TGR-DC Racing School | 1'27.338 | 1.225 | 0.010 | 147.833 |
| 12 | 13 | IC | 1 | 藤原 誠 | B-MAX ENGINEERING B-MAX RACING TEAM | 1'32.134 | 6.021 | 4.796 | 140.137 |
| 13 | 16 | | | 西村 和真 | Media Do YBS影山F110 Media Do Kageyama Racing | 1'32.823 | 6.710 | 0.689 | 139.097 |
| 14 | 26 | IC | 2 | 山崎 令二郎 | Media Do影山F110 Media Do Kageyama Racing | 1'32.983 | 6.870 | 0.160 | 138.858 |
| 15 | 55 | IC | 3 | KENTARO | Baum Field F4 フィールドモータースポーツ | 1'33.120 | 7.007 | 0.137 | 138.653 |
| 16 | 99 | IC | 4 | 近藤 善嗣 | アドバンスドIoTくじらルーニースポーツ Rn-sports | 1'33.585 | 7.472 | 0.465 | 137.964 |
| 17 | 21 | IC | 5 | 小嶋 禎一 | Classic Car.jp Eagle イーグルスポーツ | 1'34.506 | 8.393 | 0.921 | 136.620 |
| 18 | 2 | IC | 6 | 仲尾 恵史 | TCS AKILAND F110 AKILAND RACING | 1'34.523 | 8.410 | 0.017 | 136.595 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 1'34.866)予選通過 ---- |
| - | 11 | IC | - | 中島 功 | Rn. SHINSEI. F110 Rn-sports | 1'35.864 | 9.751 | 1.341 | 134.685 |
| - | 18 | IC | - | 塚本 法生 | フィールドAKILAND F110 AKILAND RACING | 1'37.778 | 11.665 | 1.914 | 132.048 |
| - | 23 | IC | - | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 1'45.165 | 19.052 | 7.387 | 122.773 |
| - | 8 | | | 半田 昌宗 | SD-STYLE GMB F110 TEAM GMB | no time | - | - | - |
SUGO GT 300km RACE -RIJ- (2023/09/16) Group A Qualifying Weather:Cloudy Course:Wet
2023 F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 スポーツランドSUGO 3.5865km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 5 | | | 三井 優介 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 1'33.931 | - | - | 137.456 |
| 2 | 37 | | | 佐野 雄城 | TGR-DC RSフィールドF4 TGR-DC Racing School | 1'34.410 | 0.479 | 0.479 | 136.759 |
| 3 | 7 | | | 森山 冬星 | HFDP RACING TEAM Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト | 1'34.836 | 0.905 | 0.426 | 136.145 |
| 4 | 35 | | | 中村 仁 | TGR-DC RSトムススピリットF4 TGR-DC Racing School | 1'34.994 | 1.063 | 0.158 | 135.918 |
| 5 | 36 | | | 小林 利徠斗 | TGR-DC RSトムススピリットF4 TGR-DC Racing School | 1'35.143 | 1.212 | 0.149 | 135.705 |
| 6 | 31 | | | 平安山 良馬 | ATEAM Buzz Racing Buzz Racing | 1'35.676 | 1.745 | 0.533 | 134.949 |
| 7 | 77 | | | 小松 響 | WARMTECH Skill Speed スキルスピード | 1'36.288 | 2.357 | 0.612 | 134.091 |
| 8 | 62 | | | 佐藤 樹 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | 1'36.572 | 2.641 | 0.284 | 133.697 |
| 9 | 98 | | | 三島 優輝 | BJ Racing F110 Bionic Jack Racing | 1'36.621 | 2.690 | 0.049 | 133.629 |
| 10 | 80 | | | 野澤 勇翔 | OTG DL F4 CHALLENG OTG MOTORSPORTS | 1'37.041 | 3.110 | 0.420 | 133.051 |
| 11 | 87 | | | 下野 璃央 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 1'37.074 | 3.143 | 0.033 | 133.006 |
| 12 | 44 | IC | 1 | 今田 信宏 | JMS RACING with B-MAX B-MAX RACING TEAM | 1'38.368 | 4.437 | 1.294 | 131.256 |
| 13 | 78 | | | 小野 陽平 | Reversal Spirit スキルスピード | 1'39.147 | 5.216 | 0.779 | 130.225 |
| 14 | 48 | | | 堀尾 風允 | MOST-HM Racing F4 フジタ薬局レーシング | 1'39.324 | 5.393 | 0.177 | 129.993 |
| 15 | 30 | IC | 2 | DRAGON | B-MAX TEAM DRAGON B-MAX RACING TEAM | 1'39.599 | 5.668 | 0.275 | 129.634 |
| 16 | 96 | IC | 3 | 齋藤 真紀雄 | CSマーケティングAKILAND F110 AKILAND RACING | 1'40.600 | 6.669 | 1.001 | 128.344 |
| 17 | 71 | IC | 4 | 大山 正芳 | ダイワN通商AKILAND F110 AKILAND RACING | 1'40.859 | 6.928 | 0.259 | 128.014 |
| 18 | 49 | IC | 5 | ⾚松 昌⼀朗 | SHOEI EAGLE F4 イーグルスポーツ | 1'41.215 | 7.284 | 0.356 | 127.564 |
| 19 | 10 | IC | 6 | 植田 正幸 | アキランドwith Rn-sports AKILAND RACING | 1'41.299 | 7.368 | 0.084 | 127.458 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 1'43.832)予選通過 ---- |
| - | 4 | IC | - | 佐々木 祐一 | 仙台DayDream with Rikou DAYDREAM RACING | 1'45.451 | 11.520 | 4.152 | 122.440 |
| - | 86 | IC | - | 大阪 八郎 | Dr. Dry F110 ZAP SPEED | 1'46.265 | 12.334 | 0.814 | 121.502 |
| - | 63 | IC | - | 鳥羽 豊 | HELM MOTORSPORTS F110 HELM MOTORSPORTS | no time | - | - | - |
- 優勝 97号車・奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)
-

「とりあえず今は嬉しいです。でも途中のペースはあまりよくなかったのかな、っていう反省も。そこは明日の決勝で改善するところではあると思うので。まだ(他にも)改善点はあると思うので、そこに向かって。今はとりあえず嬉しいですけれど、明日もまだレースあるので、そこに向かって気持ち変えて、明日も勝てるように頑張ります」
- 2位 14号車・エンツォ・トゥルーリ(TOM'S FORMULA)
-

「難しいレースでした。スタートがよくなかった。このカテゴリーでのスタートの経験がなかったので、クラッチの使い方もよくわかっていなかったです。そこはこの後のレースに向けて改善しなければなりません。細かいミスがあったし、最終コーナーでミスをしたりいくつかのコーナーのタイムがちょっと良くないかなと思いますが、レース中のペースはよかったと思います。チームやトヨタ・ガズー・レーシング、トムス、山田さんをはじめ多くの関係者からチャンスをもらったので、明日のレースも頑張ります」
- 3位 27号車・リアム・シーツ(Sutekina Racing)
-

「3位はいい結果です。スタートは良かったと思います。レース前半はいい感じで3番手に上がりましたが、2、3ミスをしてしまいました。3位という成績には満足していますが、次のレースでは表彰台のもっと高いところを狙いたいです。(明日のレースに向けてはマシンの改善が必要?)そうですね、エンジニアと話して、マシンをよりよくするためにセッティングしてくれているので、不安はありません。勝つために戦えるマシンに仕上げてくれると思いますので、明日は優勝を目指します」
Text: Junichi SEKINE
Asako SHIMA
Photo: Mizue NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第4戦RACE9決勝は7月22日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)が16周のレースを制し初優勝を飾った。
今シーズン6大会、全16レースで行われるシリーズの第4戦。エントリーは7台とやや寂しいがトップを行く小川颯太(Bionic Jack Racing F111/3)とランキング2位のリアム・シーツ(Sutekina Racing)を始め、スポット参戦のエンツォ・トゥルーリ(TOM'S FORMULA)やミハエル・サウター(Sutekina Racing)など注目の選手が揃っている。
RACE9決勝は午後1時5分にフォーメーションラップ開始。ポールシッターの小川を先頭に全車グリッドにつくと、レッドライトが消灯してレースが開始された。

ポールポジション小川の蹴り出しがよかったのに対して2番グリッドから発進のトゥルーリはスタートを失敗、セカンドロウの奥住、シーツ、さらに5番手スタートのサウターが順位を上げて第1コーナーに飛び込む。トゥルーリは5位までポジションを落としてしまう。
先頭に立つ小川は快走、じわじわと奥住以下を引き離して行く。スタートに失敗したトゥルーリは前を行くサウターを捕らえにかかり、V字コーナーで間合いを詰めるとダウンヒルストレートでサウターのスリップストリームを利用して接近、90度コーナー立ち上がりでサウターの右サイドに出るとビクトリーコーナー出口でオーバーテイク、最終コーナーでインを奪うとサウターをアウトに追いやり前に出る。これでトゥルーリは4位に浮上。
オープニングラップを終えてトップは小川、0.957秒差の2位奥住、1.795秒差で3位シーツ、やや離れて3.253秒差の4位トゥルーリと続く。2台がエントリーのマスタークラスは7番グリッドからスタートのYUKI(NILZZ Racing)がスタートで6番手スタートの近藤善嗣(KUJIRA Rn-sports-)をかわしてクラストップに立つが、続く2周目の第3コーナーで近藤がインからYUKIをオーバーテイク、順位を戻す。
2周目、小川は僅かずつだが奥住を突き放し1.498秒差。この2台のペースについて行けないかシーツは2.611秒と遅れを取っている。さらに3周目、小川は1分51秒044とここまでのファステストラップを出し奥住との差を2.005秒までひろげる。一方シーツの後方にはトゥルーリが接近、3周目を終えて0.455秒と射程圏内に入ってくる。
4周目、トゥルーリはS字でシーツの背後につけるとテール・ツー・ノーズ状態でダウンヒルストレートを駆け降りる。2台並んで90度コーナーへアプローチ。インにシーツ、アウトにトゥルーリでターンイン。ここはシーツが抑えるが、トゥルーリは続くビクトリーコーナーで今度は左サイドに出て並びかけると最終コーナーではシーツのイン側にラインをスイッチ、右サイドから並走してストレートを立ち上がると、0.018秒と僅かだが前に出てコントロールラインを通過、3位に浮上しその勢いのままで第1コーナーへ飛び込みシーツを完全に追い落とす。
5周目、小川はセクター1、2と全体ベストを連発し、1分50秒943とファステストラップを更新。奥住との差を2.469秒までひろげる。さらには6周目、7周目と奥住を突き放しその差を3.122秒とする。一方シーツを仕留めたトゥルーリは奥住より速いペースで差を詰めており、6周目に2.232秒あった差は7周目1.992秒差とする。
トップを独走する小川に異変が起きたのは8周目で、第5コーナーで大きくラインが膨らみコースアウト、グラベルの手前で踏みとどまったものの大きくタイムをロスする。コースには復帰したものの勢いを失って奥住以下が一気に接近する。そこから小川はペースを取り戻したかギャップを維持してメインストレートに戻ってくるが、2位奥住との間隔は僅か0.660秒の差だ。2位奥住と3位トゥルーリは1.491秒差。シーツはこのペースについていけず2.685秒後方に置いて行かれる。
小川は再びペースを取り戻したか9周目0.771秒、10周目1.440秒と再び奥住を突き放そうとする。奥住を追うトゥルーリだが9周目に0.884秒差まで詰めたものの、続く10周目、最終コーナー手前のブレーキングで姿勢を乱してイン側のグラベルに飛び出し失速、コースアウトこそ免れたものの大きく後れをとってしまい、シーツに0.529秒差まで追い詰められてしまう。
小川は11周目も奥住とのギャップを1.306秒と維持して調子が戻ったかと思われた12周目、V字コーナーで再びコースアウト。今度はグラベルまで進んでしまってストップしてしまう。V字コーナーへのアプローチからコントロールを失ったようにまっすぐアウト側のグラベルへ進んだ。レース後小川に聞いたところ、レース前ににも電子系のトラブルがあって、パドルシフトのシフトダウンができなくなるトラブルがあったとのこと。8周目にトラブルが出てからはブレーキングにも気を付けて走っていたのだが、11周目のV字で全く操作できなくなったそうだ。
これでトップは奥住。2位トゥルーリは10周目のミスで3.516秒までギャップがひらき、3位シーツは0.832秒差でトゥルーリを追う。4位サウターで5位マスタークラストップの近藤、クラス2位のYUKIは近藤から5秒以上の遅れを取っている。
13周目、14周目、15周目と奥住は落ち着いたペースでトゥルーリとの差を3秒前後に保っている。トゥルーリもシーツとの間隔を0.909秒→1.320秒と維持して走行している。そしてファイナルラップ、奥住は僅かにペースを緩めたがトゥルーリに2.42秒の差をつけてチェッカードフラッグの下を通過、フォーミュラ・リージョナルでの初優勝を遂げた。2位トゥルーリ。急に決定したスポット参戦との事だったがスタートでの失敗から挽回して表彰台を獲得した。3位シーツに続いて4位にはサウター、3日前に来日して初めての日本、初めてのFR、初めのもてぎと初めて尽くしのレースを無事に終えた。5位はマスタークラス優勝の近藤、6位クラス2位のYUKIという結果になった。
FRJ第4戦RACE10決勝は翌7月23日(日)の午前9時35分スタート予定だ。








Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
- 98号車・小川颯太(Bionic Jack Racing F111/3)
RACE9:ポールポジション 1分49秒776
RACE10:ポールポジション 1分49秒132
RACE11:ポールポジション 1分49秒927
-

「昨日あまりデータが取れなかったので、結構トラブルもあって。でもとりあえず今日予選に向けて合わせられたので、よかったかな、と思ってます。(トラブルは何が?)フロントウイングが外れちゃって、それを取り換えるのに時間かかっちゃって、セッション無駄になったりとか。でもそれは仕方ないことなので、気にせずに。走れなかった分はいろいろセットとかを想定して予選走ったので、昨日自体も新品(タイヤ)履いてもそれはタイム出すというよりか、ガソリン減らしてタイム出すわけでもなく。満タンにしてしっかりどんな動きなのか確認して、今日の予選に向けて、想定通りのバランスに持って来れたので。そういう意味では自分のドライビング次第で予選はもうちょっとタイムは出せたのかな、と思っていて。(3戦ともエンツォ・トゥルーリが隣ですが)特には気にしていなくて、誰がきても、抜かれる時は抜かれるので、僕スタート下手なので(笑)。とりあえず予選でそういう速さを、タイムを出すというのはしっかり自信がついているので、後はどんなレースになるかわからないので。レースだけは想定ができないので。まぁ抜かれてもとりあえずは落ちついて、焦らず行こうかな、と思っています」
- 14号車・エンツォ・トゥルーリ(TOM'S FORMULA)
RACE9:2位 1分49秒873(+0.097)
RACE10:2位 1分49秒293(+0.161)
RACE11:2位 1分50秒194(+0.267)
-

「金曜日に初めてフォーミュラ・リージョナルに乗って、もてぎのコースを走るのも初めてだったので、目標は少しでもよいタイムを出して完走することで経験を積むことです。(もてぎのコースはどうですか?)初めて走ったけれどいいコースだと思います。他のコースとも違う、好きですね。(スーパー・フォーミュラ・ライツと比べると?)全然違います。スーパー・フォーミュラ・ライツに比べてフォーミュラ・リージョナルは重いです。(ライツは)スピードは高くないけれどマシンは軽いのでコーナーでは速く、全然違うマシンなので、ライツとは全く違う走り方をしないといけません。本当にゼロから始めている感じですが、初めてにしてはうまく走れていると思います。(レースに向けての作戦は?)練習が十分にできているわけではないので、作戦はと問われても答えるのは難しいですね。自分のペースをきちんとキープして少しでも速く走りたいです」
- 97号車・奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)
RACE9:3位 1分50秒689(+0.913)
RACE10:3位 1分49秒541(+0.409)
RACE11:4位 1分50秒849(+0.992)
-

「(予選結果は?)嬉しいです。フォーミュラ・リージョナルが前回初めてだったので、今回2回目で、今週も木曜日の走行でニュータイヤもそんなに経験がなくて、正直どうなるかあまり定かではなかったので。だからどうなるかなと思っていたのですけれど、ちょっと頑張れば(タイムが)出そうな感じだったので。けっこうギリギリだったのですけれど、悔しいですね(笑)。(今日のRACE9に向けては?)スタートですね。スタートはそんなに苦手ではないので、普通に行って、それでどういう展開になるか。もてぎなので前に出られれば、けっこうチャンスあるのかなと思うので、スタートを狙って。スタート行けなくてもレースペース悪くないと思うので、昨日ロングやって悪くないので、そこを様子見ながら、前回表彰台で終わっちゃったので、今回は優勝めざして頑張ります」
- 27号車・リアム・シーツ(Sutekina Racing)
RACE9:4位 1分50秒747(+0.971)
RACE10:4位 1分49秒770(+0.638)
RACE11:3位 1分50秒812(+0.885)
-

「(レース11では3番手スタートになりました)本当に?予選では4番手と思ったけれど。(セカンドベストタイムで3番手です)予選で3番手になれたのはとても嬉しいです。最大限に力を出して予選を走ってはいますが、グリッドをあげるためにもう少しタイムを削れたらいいと思います。カーバランスについては少し不安というか違和感があるのですが、タイムアップするように、ちょっと新しいことを試しながら前にいるドライバーたちに追いつけるようにしたいです。(前回のレースでは優勝をしましたが、何か変わりましたか?)少しずつ、クルマに慣れてきて、サーキットの雰囲気にも慣れてきていると思います。ただ、この週末はちょっと自信がなくなっているように感じることもありますが、レースを通していろいろ学んでいきたいです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)第4戦は7月22日(土)にモビリティリゾートもてぎで公式予選が行われた。
3レースが行わる本大会は、各選手1回目の予選のベストタイムでRACE9、セカンドベストタイムによってRACE11の、それぞれグリッドが決まり、2回目の予選ではRACE10のグリッドが決まることとなる。
エントリーは7台、ここまでの3大会でそれぞれ1勝、計3勝でランキングトップを行く小川颯太(Bionic Jack Racing F111/3)を筆頭に前回の岡山大会で初優勝を遂げたランキング2位のリアム・シーツ(Sutekina Racing)が出場するほか、同じ岡山大会でFRJ発参戦ながらRACE7で表彰台に上がった奥住慈英(Bionic Jack Racing F111/3)も参戦。そして注目されたのがスポット参戦のエンツォ・トゥルーリ(TOM'S FORMULA)。F1ドライバーを父に持つ18歳は先週のスーパーフォーミュラ・ライツで初優勝を飾った勢いをそのままにもてぎにやってきた。そしてもう一人、スイス人の父親と日本人の母親の間に生まれたこちらも18歳のミハエル・サウター(Sutekina Racing)。欧州のFIA-F4レースに参戦経験を持つ彼が19日に来日していきなりもてぎのレースということで適応力が試される。
■予選1
まずは予選1回目が午前8時から開始。連日の猛暑が伝えられるもてぎだが、さすがにこの時間は気温25度。ただし日差しは強い。小川を先頭に7台がコースインし、15分間の予選にいどむ。
各車ウオームアップを終えて残り9分を切り、まずトゥルーリが1分50秒731でトップに立ち、2番手はサウターが51秒591とスポット参戦組が続く。3番手には51秒841でシーツがつける。
残り6分40秒、小川が1分50秒022でトップに立ち、トゥルーリは50秒543と自己ベストを更新するが2番手に後退。小川は次の周回で50秒006と1分49秒台に迫るタイムを出す。
残り3分、小川は1分50秒を切って49秒927、50秒221で2番手のトゥルーリを挟んで50秒689の奥住とBionic Jack Racing勢が1、3位態勢となるが、残り1分を切ってトゥルーリが49秒873をマークして逆転、トップに立つ。小川2番手にドロップ、奥住3番手に続く4番手はシーツの50秒812。
これでトゥルーリのポールポジションで決まりかと思われたがチェッカードフラッグ後の最後のタイムアタックで小川が1分49秒776をたたき出して0.097秒差でトップを奪回、第9戦のポールポジションを獲得した。、小川はセカンドベストタイムでもトップで、第11戦でもポールポジションをゲット、トゥルーリは第9戦、第11戦の両方でフロントロウに並んだ。以下第9戦の3番手は奥住、4番手シーツがセカンロドウに並び、第11戦では逆にシーツ3番手、奥住4番手となった。
マスタークラスはrace9、11共に近藤善嗣(KUJIRA Rn-sports-)が全体6番手のクラストップにつけ、YUKI(NILZZ Racing)が続いた。
■予選2
予選1回目に続いてRACE10の為の予選2は僅か10分間のインターバルで午前8時25分に開始。2回目の予選も15分間、気温は1回目からほぼ変化なく25.6度、しかし日差しが強くなり路面温度も上昇してきているようだ。
まずは残り9分で小川が1分49秒344をマークしトップに立つ。2番手は奥住の50秒181で0.837秒の差。3番手はシーツ、4番手にサウターがつける。奥住は続く周回で49秒817と1分49秒台に入れるが小川には及ばない。
残り6分30秒、トゥルーリが1分49秒791を出して福住を追い落とし2番手へ。トゥルーリはさらにタイムを削り取り49秒456とするが小川も49秒238を出して0.218秒の差。福住も49秒748と自己ベストを更新するが3番手で変わらず、4番手はシーツ。
残り1分30秒、奥住はさらにタイムを詰めて1分49秒566の自己ベストを出すが3番手は変わらず。トゥルーリも49秒293と小川に迫るが0.055秒追いつかない。
チェッカードフラッグが降られる中小川が最後のタイムアタックで1分49秒132とさらにダメ押しでrace10のポールポジションを決めた。2番手トゥルーリは0.161秒差でフロントロウに並び、セカンドロウは奥住~シーツの順に。
マスタークラスは予選1回目と同様に近藤善嗣(KUJIRA Rn-sports-)が全体6番手のクラストップにつけ、YUKI(NILZZ Racing)が続いた。
FRJ第4戦Race9は7月22日(土)午後0時55分スタート予定、RACE10およびRACE11の決勝は翌7月23日(日)に行われる。




Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2023/07/22) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2023 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 97 | | | 奥住 慈英 | Bionic Jack Racing F111/3 Bionic Jack Racing | 16 | 29'52.911 | - | - |
| 2 | 14 | | | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S FORMULA TOM'S FORMULA | 16 | 29'55.331 | 2.420 | 2.420 |
| 3 | 27 | | | リアム・シーツ | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 16 | 29'56.703 | 3.792 | 1.372 |
| 4 | 3 | | | ミハエル・サウター | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 16 | 30'03.375 | 10.464 | 6.672 |
| 5 | 99 | M | 1 | 近藤 善嗣 | KUJIRA Rn-sports Rn-sports | 16 | 30'30.542 | 37.631 | 27.167 |
| 6 | 18 | M | 2 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 16 | 30'40.553 | 47.642 | 10.011 |
| ---- 以上規定周回数(75% - 12 Laps)完走 ---- |
| - | 98 | | | 小川 颯太 | Bionic Jack Racing F111/3 Bionic Jack Racing | 11 | 20'31.121 | 5Laps | 5Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 98 小川颯太(Bionic Jack Racing F111/3) 1'50.943 (5/11) 155.788 km/h
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2023/07/22) Qualifying Weather:Fine Course:Dry
2023 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 98 | | | 小川 颯太 | Bionic Jack Racing F111/3 Bionic Jack Racing | 1'49.776 | - | - | 157.444 |
| 2 | 14 | | | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S FORMULA TOM'S FORMULA | 1'49.873 | 0.097 | 0.097 | 157.305 |
| 3 | 97 | | | 奥住 慈英 | Bionic Jack Racing F111/3 Bionic Jack Racing | 1'50.689 | 0.913 | 0.816 | 156.146 |
| 4 | 27 | | | リアム・シーツ | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 1'50.747 | 0.971 | 0.058 | 156.064 |
| 5 | *3 | | | ミハエル・サウター | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 1'50.961 | 1.185 | 0.214 | 155.763 |
| 6 | 99 | M | 1 | 近藤 善嗣 | KUJIRA Rn-sports Rn-sports | 1'52.351 | 2.575 | 1.390 | 153.836 |
| 7 | 18 | M | 2 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 1'55.552 | 5.776 | 3.201 | 149.574 |
| ---- 以上基準タイム(110% - 2'00.753)予選通過 ---- |
- CarNo. 3は、2023 FRJ SpR.20-2(走路外走行)により、当該ラップタイムを採用しない。
B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、7月1~2日、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7~9戦に参戦し、ハーフウェットの難しいコンディションとなった第7戦で、スポット参戦の菅波冬悟選手が初優勝。第8戦では木村偉織選手がポール・トゥ・ウィンで4勝目を飾りました。
マスタークラスは、今田信宏選手が欠場したことで、チャンピオンを争うDRAGON選手は、同一条件で勝負をするため今回マスタークラスにはエントリーせず。畑享志選手が3戦とも制することになりました。
■第7,8戦予選(7月1日(土)午後0時45分~1時15分)
上空は雲が多くどんよりとした天候でしたが、前日までの雨予報は外れ、気温30度を超える蒸し暑いなかでの予選となりました。木、金曜日の専有走行ではライバルチームにやや遅れをとっている状況でしたので、各車がそれぞれ対策を施して臨みました。
第7戦の予選は、ライバル勢が先行しこれを追う形となりました。木村選手は終盤まで3位につけていましたが、最後にイゴール・オオムラ・フラガ選手がこれを僅かに上回り、フラガ選手3位、木村選手5位、デビッド・ヴィダーレス選手6位、菅波選手8位、DRAGON選手11位となりました。
第8戦の予選は、ウォームアップを短めにしてアタックをかけた木村選手が、第7戦より大幅にタイムアップすることに成功し見事ポールポジションを獲得。ヴィダーレス選手と菅波選手はタイムを伸ばすことができずに7、8位。フラガ選手とDRAGON選手はマシントラブルで出走できませんでした。

|
ドライバー |
Rd7予選タイム(順位) |
Rd8予選タイム(順位) |
Point(累計) |
| 50号車 |
木村偉織 |
1分54秒207(5) |
1分53秒773(1) |
1(49) |
| 51号車 |
D.ヴィダーレス |
1分54秒261(6) |
1分54秒605(7) |
0(9) |
| 52号車 |
I.O.フラガ |
1分54秒184(3) |
出走せず |
0(21) |
| 4号車 |
菅波冬悟 |
1分54秒563(8) |
1分54秒636(8) |
0(0) |
| 30号車 |
DRAGON |
1分57秒834(11) |
出走せず |
0(0) |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:31度、路面温度:36度
■第7戦決勝(7月1日(土)午後4時40分~17周)
決勝スタート前になって、それまで堪えていた空から雨が落ちてきて僅かにコースを濡らしました。この微妙なコンディションのなか、上位陣はすべてスリックタイヤを選択してスタートを迎えました。ところが、1周目に木村選手とフラガ選手の接触でセーフティカーが入ると、B-Maxチームは雨が降り続くと読んで、ヴィダーレス、菅波選手をピットに入れ、レインタイヤに交換。コースに送り出します。
この作戦がはまり、リスタート後の5周目にヴィダーレス選手がトップに浮上。菅波選手もこれに続きました。ところが雨脚は強くならずに、ヴィダーレス選手はタイヤがオーバーヒートして9周目に後退。スリックタイヤを履くライバル勢が菅波選手に迫ることになり、逆転は時間の問題かと思われました。
しかし、ここから菅波選手は見事なタイヤマネジメントを見せ、コースの水が残る箇所でタイヤを冷やしてペースを維持。終盤には天も味方し、再び雨が強くなり、結局6秒近い差を築いて、初優勝のチェッカーを受けました。ヴィダーレス選手は終盤持ち直して6位、コースに戻ったフラガ選手はファステストラップをマークしました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 50号車 |
木村偉織 |
11位 |
2分10秒466(2/12) |
0(49) |
| 51号車 |
D.ヴィダーレス |
6位 |
2分12秒168(5/12) |
1(10) |
| 52号車 |
I.O.フラガ |
DNF |
2分09秒724(1/12) |
1(22) |
| 4号車 |
菅波冬悟 |
1位 |
2分11秒386(3/12) |
10(10) |
| 30号車 |
DRAGON |
10位 |
2分13秒636(12/12) |
0(0) |
- 天候:雨、コース:ウェット、気温:28度、路面温度:31度
■第8戦決勝(7月2日(日)午前9時15分~12周)
快晴となった日曜日、PPスタートの木村選手は、スタートを決めると、後続を牽制するようにして1コーナーに飛び込み、2周目に早くも2秒のマージンを築きました。以降は周回を重ねるたびに2位との差を確実に開き、ファステストラップも記録すると、開幕大会を彷彿させる貫禄のレース運びで独走優勝を飾りました。
1周目にポジションを上げたヴィダーレス選手は6位でポイントを獲得。菅波選手は8位、予選で出走できずに11番グリッドからのスタートとなったフラガ選手は9位でした。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 50号車 |
木村偉織 |
1位 |
1分54秒919(1/12) |
10+1(60) |
| 51号車 |
D.ヴィダーレス |
6位 |
1分56秒422(9/12) |
1(11) |
| 52号車 |
I.O.フラガ |
9位 |
1分55秒947(5/12) |
0(22) |
| 4号車 |
菅波冬悟 |
8位 |
1分55秒776(4/12) |
0(10) |
| 30号車 |
DRAGON |
12位 |
1分58秒757(12/12) |
0(0) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:30度、路面温度:37度
■第9戦決勝(7月2日(日)午後1時55分~12周)
ポールシッターの菅波選手は、悪くはないスタートでしたが、2番グリッドの平良選手に先行を許し、序盤にやや差を開かれてしまいます。しかし、4周目以降は2秒の差を少しずつ削り取っていきました。結局、チャンスは訪れずに2位チェッカー。今大会2度目の表彰台に上がりました。
6番グリッドからスタートしたヴィダーレス選手は、1周目から非常にアグレッシブな走りを見せ、1周目に5位に上がると、2周目の1コーナーでアウト側から前車をオーバーテイク。抜きどころの少ない鈴鹿で4位まで順位を上げました。しかし、序盤のハイペースが影響し終盤はペースダウン。最後は競り合いの中で接触し、スローパンクチャーを起こしてしまい、最終ラップにピットに入りレースを終えました。
最後列からスタートした木村選手とフラガ選手は、積極的な走りで揃って順位を上げ、木村選手はポイント圏内の5位、フラガ選手は7位でフィニッシュしました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 50号車 |
木村偉織 |
5位 |
1分56秒623(3/12) |
2(62) |
| 51号車 |
D.ヴィダーレス |
10位 |
1分56秒875(6/12) |
0(11) |
| 52号車 |
I.O.フラガ |
7位 |
1分56秒632(4/12) |
0(22) |
| 4号車 |
菅波冬悟 |
2位 |
1分56秒942(7/12) |
7(17) |
| 30号車 |
DRAGON |
12位 |
1分59秒265(11/12) |
0(0) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:35度、路面温度:49度
- 50,51号車チーム監督 高木真一コメント
-
偉織選手は、第7戦の予選ではクルマのバランスやウォームアップの入れ方などで少し上手く行かずに課題が残りました。第8戦はその反省から修正を加えて、ポールポジションを取ることができました。これは100点満点でした。
第7戦の決勝はチームメイト同士での接触になってしまいましたが、避けようがなかったように思いますので、運が悪かったものと考えています。対して、第8戦はポールからきっちり勝って、ファステストも取りましたし、言うことはありません。第9戦は後方スタートでしたが、暑くなったことでタイヤの使い方でパフォーマンスの差が出て、そのなかで無理せず5位まで順位を上げることができました。悪いときも諦めずに走りきったことは評価できると思います。
デビッド選手は、随所で速さを見せてくれましたが、なかなか結果に結びつかないレースが続いています。今回、大津選手がアドバイザーとして帯同してくれましたが、SFライツに対する理解を深めていけば、必ず結果はついてくると思います。
- 52号車チーム監督 松浦孝亮コメント
-
専有走行ではあまり良くありませんでしたが、走り込むたびに速さを取り戻していきました。予選できっちり速さを見せるところはさすがだと思います。第8戦の予選がトラブルで走れなかったこともありますが、今大会は第7戦の接触で流れがすべて決まってしまったという感じです。後方スタートとなった最後のレースはよく追い上げましたし、結果としては残念でしたが得るものもありました。次戦に期待したいと思います。
- 50号車ドライバー 木村偉織選手コメント
-
第7戦の接触は、仕方ないものとして自分のなかで消化しています。もっと前から、さらにポールからスタートすれば、ああいうリスクも減らせるわけですし、そこは自分にもやれることはあったと思っています。今日の2つのレースは、その悔しさをぶつけて、結果も出せた良いレースだったと思います。
特に、最後のレースは後方スタートながら、バトルのしづらいSFライツというカテゴリーで、しっかりポジションアップすることができました。チャンスを逃さず冷静に仕留めるというところは、他のドライバーにはない強みだと思っています。納得できたレースでした。
- 51号車ドライバー デビッド・ヴィダーレス選手コメント
-
あまり良い週末ではありませんでした。なかなかクルマを納得できるレベルに仕上げることができていません。特に強くブレーキを踏むことができないという問題をずっと抱えています。チームメイトの車両のセットアップに近づけたりもしていますが、問題の解消には至っていません。
今大会も3レースでさまざまなことを試しましたが、とても敏感なSFライツの車両は、極わずかな変更で、バランスがまったく逆の方向へいくこともあります。とにかく今は次の富士戦に向けて問題を解消することが必要です。
- 52号車ドライバー イゴール・オオムラ・フラガ選手コメント
-
アップダウンの激しい週末でした。専有走行はドライよりウェットの方が良くて、予選日は雨予報だったのでチャンスはあると思っていました。結局ドライの予選になりましたが、クルマの変更がうまくはまって、第7戦は3位を取ることができました。第8戦はトラブルで出走できませんでしたが、この時点では第7戦と第9戦でポイントを稼げば良いとポジティブに考えていました。
後で考えると、逆に2レースは落とせないという気持ちがあって、それが焦りに繋がったように思います。第7戦は結果的に生き残りレースのようになりましたので、あそこでリスクを冒す必要はなかったわけですから。
予選はここまで割りと良い感じですので、次の富士戦でもきっちり前のポジションを確保して、堅実に走りたいと思います。
- 4号車ドライバー 菅波冬悟選手コメント
-
今回は今田選手の代役という形での出場でしたが、4号車は基本的に佐々木大樹選手がコーチとしてクルマを仕上げていますので、佐々木選手に遠隔でアドバイスを貰いながらセッティングを進めました。ハンコックタイヤは走ったことはありましたが、十分に理解していませんでしたので、木、金曜日の専有走行、土曜日の予選まではすごく苦労しました。徐々には良くなってはいきましたが、順位を上げることはできませんでしたので、この時点では厳しい週末になるだろうと思っていました。
そんな状況のなか迎えた第7戦は、運が味方してくれて優勝することができました。これは素直に嬉しかったです。この優勝で第9戦もポールからスタートすることができました。改めて、SFライツでは良い位置からスタートすることの重要性、そして予選にフォーカスして戦わないと結果は得られないということを認識しました。今回チャンスを与えていただいたB-Max Racing Team、そして今田選手に心より感謝いたします。
- 30号車ドライバー DRAGON選手コメント
-
今大会は総合クラスでの出場ということで、レースをするというよりはクルマのセットアップの進め方に重きを置いて、なるべく気負わずにやろうと心掛けました。今まで気付けなかったクルマの特性が分かりましたし、収穫はありました。ただ、やはりライバルである今田選手がいなかったのが寂しかったですね。現状では若手の何秒落ちを目標に掲げるというレベルにまで至っていませんので、今田選手との勝負がモチベーションとなっています。次の富士では勝負ができるので楽しみにしています。
マスタークラス
■第7,8戦予選
マスタークラスは参戦1台となりましたが、畑選手は今大会の3レースを確実に完走することによって、ポイントリーダーの今田信宏選手、1ポイント差で追うDRAGON選手に肉薄することができるため、それを意識しての予選となりました。
1台とはいえ、やはり相手となるのはDRAGON選手です。第7戦予選では、DRAGON選手の1分57秒834に対して、畑選手は0.8秒離されてしまいました。第8戦予選では挽回しようとタイムアップしましたが、DRAGON選手がスタータートラブルで出走できなかったため、1勝(不戦勝)1敗という五分の予選でした。
|
| ドライバー |
Rd7予選タイム(順位) |
Rd8予選タイム(順位) |
Point(累計)
|
| 53号車 |
畑 享志 |
1分58秒721(M1) |
1分58秒024(M1) |
1+1(20) |
■第7戦決勝
スタート前の雨で非常に難しいコンディションとなりましたが、リスクを冒す必要はないため、畑選手はレインタイヤを選択しました。レース前半はDRAGON選手に遅れをとっていましたが、徐々にペースアップ。8周目にDRAGON選手をかわすと、若手とほぼ変わらないラップタイムで周回し、ミスで順位を落としてきた古谷選手とバトルを繰り広げるなど、マスタークラスとは思えない速さを見せ、総合8位でフィニッシュしました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 53号車 |
畑 享志 |
M1位(総合8位) |
2分13秒224(M1) |
10+1(31) |
■第8戦決勝
1周目に遅れ最後尾まで順位を落としてしまった畑選手ですが、2周目にDRAGON選手の背後に迫ると、そこから5周に渡ってプレッシャーをかけ続けます。そして、6周目にDRAGON選手の攻略に成功すると、終盤は1分58秒台をコンスタントにマークして、ややペースの落ちたDRAGON選手との差を開いてチェッカーを受けました。
|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 53号車 |
畑 享志 |
M1位(総合11位) |
1分58秒156(M1) |
10+1(42) |
■第9戦決勝
グリッド後方に、第7戦で下位に沈んだ木村選手とフラガ選手がいましたが、1周目に2人を前に出すと、以降は第8戦同様にDRAGON選手との一騎討ちになりました。今回は第8戦とは逆に畑選手が先行し、DRAGON選手が追うという形です。両者のペースはほぼ同じで1分59秒台前半から半ばで周回し、その差は終盤になっても開くことはなく、1周目から12周目のチェッカーまで1秒以内の差で攻防が続きました。結局、畑選手が0.6秒差で抑えきりました。
畑選手はクラス3連勝でフルポイントを重ね、今回のレースを終えて、今田選手55ポイント、DRAGON選手54ポイント、畑選手53ポイントとチャンピオ争いも混沌としてきました。

|
ドライバー |
決勝順位 |
ベストタイム(順位) |
Point(累計) |
| 53号車 |
畑 享志 |
M1位(総合11位) |
1分59秒349(M1) |
10+1(53) |
- 53号車ドライバー 畑 享志選手コメント
-
専有走行で、グリップしない路面にセッティングを合わせてしまい、予選でもタイムが伸びませんでした。これを打開するために、決勝では、チームの他の車両のセッティングを参考にして修正をしました。これが正解ですごくアクセルを踏めるようになりました。おかげで予選タイムと決勝のラップがあまり変わらないということになりましたが(笑)。
決勝は、第7戦は古谷選手が、第8,9戦はDRAGON選手が相手をしてくれましたので、十分楽しめました。次の富士大会は欠場ですが、9月の岡山大会では、今田選手、DRAGON選手と三つ巴の戦いができることを楽しみしています。

B-Max Racing Team Press Release
- 優勝 平良響(TOM'S)
-

「2番手から優勝してファステストを狙う作戦でした。完全に実現できてうれしいです。スタートで抜けなかったらというのも頭に入れていたんですが、午前中、野中選手の後ろを走ってもペースがよかったし、行けるという自信はありました。ファステストを狙った後は後ろのペースに合わせて落としました。ハンコックタイヤが初めてこの路温で走るので、バーストの可能性もあるしリスクを負わず、チェッカーまで行くというのを優先しました」
- 2位 菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)
-

「スタートに集中しましたがミスがあって、平良選手が抜群のスタートを決めたので負けてしまいました。その後も平良選手のペースがよく、3位の野中選手もいいペースで空力が乱れるなか、近いところにつかれていました。前に追いつこうという気持ちと、後ろからオーバーテークされるかもの心理戦で神経をすり減らしました。途中からは後ろを気にせずに、今週を通してドライビングに課題があったので、今後のレースに生かせるように1周1周走りました。代役で2回表彰台に乗れたのはうれしいです。引き続き乗りたいのでチャンスをつかめるようにしたいと思います」
- 3位 野中誠太(TOM'S)
-

「3戦連続3位ですが、最後のレースは悔しい気持ちもあります。序盤からプッシュできるクルマに仕上がっていていいペースで走れました。菅波選手とタイヤの状況も違うなかで、どうしてもトラクション方向で差ができてしまいました。ラインを変えたり、セクター1は押さえて、セクター2、3でプッシュしたりとかいろいろ工夫をしましたが、オーバーテークするところまでは行けませんでした」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第9戦は7月2日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、2番グリッドからスタートした平良響(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC)が、スタートでトップに立つのそのまま逃げ切り優勝した。
決勝は午後1時55分にフォーメーションラップが始まった。初夏の太陽が照りつけ気温35度、路面温度47度という厳しいコンディションのなか12台(うちマスタークラス1台)が1周を回ってグリッドに着いた。
好スタートを切ったのは2番グリッドの平良響(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC)。ポールポジション位置の菅波冬悟(JMS RACING with B-MAX)をかわし1コーナーまでにトップに立った。菅波は2位に落ち、3位に野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、4位に小出峻(HFDP WITH TODA RACING)、5位にデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)、6位にエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京TOM'S 320)が続く。
トップの平良は徐々に2位以下との差を広げる。2周目にはビダーレスが小出をかわし4位に浮上した。11番グリッドからスタートした木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)は早くも8位まで順位を上げてきた。
3周目にはトップの平良がこのレースのファステストラップをマークし2位との差を2秒6とする。4周目にはペースの上がらない7位の古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が、木村とイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)にかわされ9位までポジションダウン。
7周目には5位を走る小出が1コーナーでオーバーラン。トゥルーリ、木村にかわされ7位まで落ちた。木村はポイント圏内の6位まで浮上した。
トップの平良は終盤、2位争いを繰り広げる菅波と野中との差をコントロールし、12周を回って優勝。今季3勝目を挙げた。


2位争いは最終ラップまで繰り広げられたが、3位の野中は2位の菅波を攻略できず、2位菅波、3位に野中の順でゴールを迎えた。
4位争いはビダーレス、トゥルーリで争われていたが、これに木村が追いつく。11周目にはシケインでトゥルーリがビダーレスのインを差して前に出るが、このときビダーレスが失速。その横をすり抜け木村が5位に浮上した。
続く最終ラップ、12周目の1コーナーではビダーレスと木村が並走。ビダーレスはオーバーランし、順位を大きく落とすこととなった。
4位にはトゥルーリが、5位には木村が、6位には小出が入った。
優勝した平良はファステストラップの1ポイントも加算し選手権ポイントを64とした。木村が2ポイントを加算したものの62ポイントにとどまったため、平良が木村を逆転してポイントリーダーに立った。

第10、11、12戦は富士スピードウェイに舞台を移し2週間後の7月15~16日に行われる。次大会からドライタイヤも含めてハンコックからヨコハマにタイヤメーカーが変更となる。果たして勢力図に変化はあるのであろうか。
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI
鈴鹿クラブマンレース第3戦 -RIJ- (2023/07/02) Final Race Weather:Fine Course:Dry
2023 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 Round 9 鈴鹿サーキット 5.807km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team Engine | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 1 | | | 平良 響 | モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC TOM'S TOYOTA TOM'S TAZ31 | 12 | 23'28.856 | - | - |
| 2 | 4 | | | 菅波 冬悟 | JMS RACING with B-MAX B-MAX RACING TEAM SPIESS A41 | 12 | 23'30.101 | 1.245 | 1.245 |
| 3 | 35 | | | 野中 誠太 | PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC TOM'S TOYOTA TOM'S TAZ31 | 12 | 23'31.093 | 2.237 | 0.992 |
| 4 | 37 | | | エンツォ・トゥルーリ | モビリティ中京TOM'S 320 TOM'S TOYOTA TOM'S TAZ31 | 12 | 23'33.147 | 4.291 | 2.054 |
| 5 | 50 | | | 木村 偉織 | HFDP WITH B-MAX RACING B-MAX RACING TEAM SPIESS A41 | 12 | 23'34.639 | 5.783 | 1.492 |
| 6 | 2 | | | 小出 峻 | HFDP WITH TODA RACING TODA RACING SPIESS A41 | 12 | 23'35.080 | 6.224 | 0.441 |
| 7 | 52 | | | イゴール・オオムラ・フラガ | FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX B-MAX RACING TEAM SPIESS A41 | 12 | 23'36.806 | 7.950 | 1.726 |
| 8 | 36 | | | 古谷 悠河 | Deloitte. HTP TOM'S 320 TOM'S TOYOTA TOM'S TAZ31 | 12 | 23'40.261 | 11.405 | 3.455 |
| 9 | 10 | | | 堤 優威 | Rn-sports F320 Rn-sports SPIESS A41 | 12 | 23'41.107 | 12.251 | 0.846 |
| 10 | 51 | | | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING 320 B-MAX RACING TEAM SPIESS A41 | 12 | 23'45.530 | 16.674 | 4.423 |
| 11 | 53 | M | 1 | 畑 亨志 | A-NeKT with B-MAX 320 B-MAX RACING TEAM SPIESS A41 | 12 | 24'00.536 | 31.680 | 15.006 |
| 12 | 30 | | | DRAGON | TEAM DRAGON B-MAX 320 B-MAX RACING TEAM ThreeBond TOMEI TB14F3 | 12 | 24'01.138 | 32.282 | 0.602 |
| ---- 以上規定周回(90% - 10 Laps)数完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 1 平良響(モビリティ中京TOM'S 320 TGR-DC) 1'56.217 (3/12) 179.881 km/h
- ドライバーズチャンピオン 野尻智紀(TEAM MUGEN)
-

「今年から少しタイヤが変わって、開幕戦の予選は、あれ?ちょっと今年は厳しくなるのかなと思ったりもしました。でも、そこはチーム力で翌日の第2戦ではポールを取って、ポール・トゥ・ウィン。ここでシーズンの流れを作れたと思っています。そこからもチームはミスなく僕を毎回送り出してくれました。皆の頑張りが常に形になり続けるという、奇跡のようなシーズンでした」
「ここにあるチャンピオントロフィーもずっと僕のものであってほしいと思います。それほど、このチャンピオンというものは素晴らしいものだと思っています。去年もこの(会見の)ときに思いましたが、何回でも経験したいです」
- チームチャンピオン TEAM MUGEN監督 田中洋克
-

「これまでチームタイトルを取ったことがなく、初のタイトルです。昨日のワンツーフィニッシュも初めてでした。そういう最高の形でドライバーとチームタイトルが決まって、これ以上ないという形で決められたので、どう表現して良いのか……強い無限を見せることができて本当に良かったと思います」
「シーズンを振り返ると、チームタイトルを取りたいという気持ちは当然ありましたが、野尻選手の2年連続タイトルというのをメインにチームとしては考えていました。そのためにも2台体制でお互いにフィードバックしながら、チーム力を高めながらチャンピオンを取りに行くということが非常に上手くいったと思います」
「笹原選手には前半トラブルが出ましたが、それも後半には修正でき優勝もできましたので良かったと思います。野尻選手については、序盤ポールを連続で取ったり優勝したり凄い勢いでしたが、中盤からチャンピオンを意識して少し守りに入ったかなと感じ、何とか修正できないかと思っていました。でも昨日、今日のレースを見てほっとしています」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
- PP 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)

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「今シーズン始まる前にはここまでポールポジション(PP)をたくさん取れるとは思っていませんでした。選手全員がほしいPPを6回も取れたことは嬉しく思います。チームの支えとファンの皆さんの支えがあってこそです。優勝を待ち望んでいる方も多いと思いますので達成できるよう、がんばります」
- 2位 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)
-

「今日も2番グリッドですが、タイム差は縮まったと思います。昨日からポテンシャルを上げることができたので安心しました。過去は(同じ状況で)悪い流れになることがありましたが、良いポテンシャルで走ることができました。昨日はチーム側のミスもあって順位を大きく落としてしまったので、最後のレースは皆で達成感を味わえる素晴らしいレースにしたいと思います」
- 3位 大津弘樹(DOCOMO DANDELION M6Y SF19)
-

「昨日の予選、決勝ともにペースが良くなくて、特に予選を大きく改善しなくてはいけないという状況だったのですが、チームと昨日夜遅くまでミーティングを重ねて、これまで良かったテストの雰囲気などを思い返して、データと照らし合わせて今日に臨みました。Q1の走り出しからタイヤのグリップが全く違って、Q1を2番手で通過でき、さらにそこからトップを取るしかないという気持ちで、攻めたセッティングを試みましたが、トップとは差がついてしまいました。でも、3番手で予選を終えられたことは嬉しく思っています」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

金曜日のフリー走行から好調だったにもかかわらず、決勝では苦しみながらの4位フィニッシュを果たした大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)。レース後に話を聞くと意外にもペースが上がらないのは走る前から分かっていたという。
「かなり厳しいレースでした。ペースは序盤から……というより走る前からダメだろうな、というのはありました。フリー走行や予選もそうでしたが、予選だから何とか前へ行けましたが、ロング(ラン)は相当ダメだろうなという想定のもと決勝に臨みました。それでも何とか4位を死守できたので、良かったのは良かったですけど、ただ、やっぱり普通に考えたらポイント取れないレベルのペースしかないので、ちょっと厳しいですね」
「ピットインは11周あたりですけれど、あれはペースがないのでそのタイミングしかなかったという感じです。それに合わせて上位のどちらかは入るだろうとも思っていました。あの(ピットインの)判断は間違っていなかったと思います。あのまま走ってもどんどんペースが悪くなってどうにもならなくないという状態になりかねなかったと思います」
「ペースの改善策は今から考えるんですが、すぐ無限チームのレベルに行けるかというと、そんなことはないので、少しでも……今日でいうと佐藤蓮選手に後半抜かれましたけれど、あそこで抜かれない程度のペースは欲しいという感じですね」
「(終盤の宮田選手とのバトルは)あそこで守らないと、その後ろも来ていましたし、1周で2~3台抜かれかねない状況だったので、あそこは引けないところです。意地ですね。バトルはクリーンだったと思います」
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
- 優勝チーム監督 田中洋克(TEAM MUGEN)
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「嬉しいの一言です。ワンツーを取りたいというのはどのチームも思っていることですが、とてつもなく難しいことなんです。ドライバーとチームタイトルの決まったレースでワンツーというのは本当に嬉しいです。サポートしていただいた多くの皆さまに感謝します。言葉にできないくらい嬉しいです。ありがとうございました」
「右京選手が2勝目を挙げることができましたが、前回はペースカーの入るタイミングなどがあって、運も味方につけての勝ちでした。でも、今日に関してはガチで、スピード、テクニックなども含めて勝てました。」
「これまでも予選さえ前に行ければ勝てるというドライバーでしたので、今日は野尻選手を抜い優勝できたというのは本当に良かったと思います」
「戦略的には野尻選手と(ピットインのタイミングが)被らないようにというのは考えていました。野尻選手のチャンピオンがかかっているので、オーダーを出すか出さないかはチーム内でも議論はしましたが、基本は自由に戦うということにして、自分たちのレースをしてくれということにしました」
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
- 優勝 笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)
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「率直に嬉しいです。昨日からなかなかペースを上げることができなかったのですが、決勝に関してはチームが用意してくれたクルマが素晴らしくて、スタートもうまく決まりましたし、その後のペースも良く、自分が思うように操れるマシンでした」
「前回の優勝はいろいろな要素があって、流れもありましたので、実力で勝ちきったとはいえませんでした。今回は純粋に鈴鹿を楽しんで全力で走り切るということができました。結果よりも自分の今あるものをすべて出し切れれば良いと思っていたので、最後の最後までプッシュしし続け、チェッカー受けたときは疲れたというのが率直な印象でした」
- 2位 野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)
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「今日に関してはチャンピオンシップもあるので、どれだけリスクを負うかというのが軸となった部分と思います。最初はトップでスタートを切れてペースを作っていましたが、プッシュしても笹原選手が追いついてきたので、これは厳しいなぁと。特にピットイン後は低内圧でプッシュしてしまうとタイヤ壊してしまうことが多いので、無理せず状況が整うまでプッシュしなかったというところもありました」
「チャンピオンシップが取れたことは非常に嬉しいのですが、最近勝てないレースが続いて勝ち方を忘れてしまっているので、明日はしっかりと勝ち方を思い出させてもらうよう、優勝だけを狙って戦いたいと思います」
- 3位 佐藤 蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)
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「前日のフリープラクティスでは少しハマっているところがあって、そこを夜遅くまでチームが分析してくれて、予選で大幅に改善することができ、決勝では更に良いクルマをつくってくれたので、本当に良いペースで走れてオーバーテイクもでき、この順位まで来ることができました。初表彰台は嬉しいですが、明日に向けてさらに期待が持てるよう、予選を改善できるよう分析して備えたいと思います」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Yoshinori OHNISHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦は29日、鈴鹿サーキットで決勝を行い、予選4位からスタートした笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が今季2勝目を飾った。2位に入った野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)は昨シーズンに続き2年連続のチャンピオンに輝いた。
決勝は午後2時30分にフォーメーションラップが始まった。秋晴れの好天の下、21台が参加してグリッドを離れた。ストレートではやや強いフォローの風が吹く。

スタートではポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN MOTUL SF19)がトップで1コーナーへ向かう一方、予選2位の宮田莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S SF19)はスタートをミス、4位までポジションを落とす。2位には予選3位から大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が、3位には予選4位から笹原右京(TEAM MUGEN BINGO SF19)が上がった。
5位には坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING SF19)が、6位には関口雄飛(carenex TEAM IMPUL SF19)が続く。
4周目には3位を走る笹原が、1コーナーでアウトから前の大湯をパスして2位に上がる。
10周目には2位に上がった笹原が、11周目にはトップの野尻と無限コンビが相次いでピットイン。野尻は笹原の前で戦列に復帰するが、タイヤが暖まってないため後方から笹原が迫る。ヘアピンでは笹原がインから野尻をパスすることに成功する。
これでトップに立ったのは宮田。2位には佐藤蓮(Red Bull TEAM GOH G01 SF19)が上がり、3位には阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING SF19)が、4位には関口が付ける。
各車ピットインを行うと、トップはピットインを引き延ばした宮田のまま。同じくピットインを行っていない平川亮(carenex TEAM IMPUL SF19)が2位に上がってきた。
宮田は25周でピットインを行うも、左リアタイヤの交換に手こずり、ピットでタイムを失う。平川は27周に最後のドライバーとしてピットイン。



全車ピットインを行うと、トップに立ったのは笹原で2位に上がった野尻との差は6秒弱。笹原はこのまま31周を走り、今シーズン2勝目を飾った。2位には野尻が入り、最終第10戦を待たずして昨シーズンに続き2年連続のチャンピンを決めた。また、チーム無限は1-2フィニッシュを決めたため今シーズンのチームタイトルも同時に獲得した。
4位を走っていた佐藤は、29周目の1コーナーで大湯をパスし3位に浮上。そのまま逃げ切り初の3位表彰台をものにした。
4位に落ちた大湯の背後には宮田が迫る。この大湯と宮田の4位争いは最終ラップまでもつれた。31周目の1コーナーで大湯に並びかけた宮田はS字入口まで並走。ここは大湯がなんとか宮田を押さえきり4位を守った。
5位には宮田が入り、6位には関口が続いた。
第10戦は明日30日、午前9時5分から公式予選が、午後2時30分から決勝が31周で行われる。

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI