優勝 柿沼一峰(G/P@恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)

「久しぶりの優勝と初めてのポール・ツー・ウインでした。レースは後半タイヤがきつかったです。路面温度が上がりすぎてなのか、朝の予選の時とはぜんぜん違っていたので、後半はとにかく苦しかったです。今シーズンは勝ったり、スピンしてポイント取れなかったりで、もうちょっと自分の精度を上げて、もっとまともに戦えたらなと思います。それが来年以降の課題ですね」
2位 カワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)

「1周目のオーバーテイクは偉大な大先輩がブロックもなしで、正々堂々とやってくれたので、私は単にすっと行っただけで、大それたことはやっていません。精いっぱい、レース中も自分の弱さと向き合って、何が悪いのか、いいのか考えながら。先輩たちの背中を見て、学べたことがあったので、とてもいいシリーズでした。ベテラン勢から学ぶことと共に自分の弱さと向き合えたこと、これがシリーズ通してよかったですし、このレースに関していったら、精いっぱい真っ白になって追いかけて、心おきなく走って追いつかなかったのが結果なので、心の中は晴れ晴れしています。足りない部分は今後また練習して、続けていきたいと思います」
3位 窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)

「レースウィークに入って、初日が一番よくて、木曜日がいまいちで、金曜日になってスーパーフォーミュラ・ライツが走り出したら路面が変わってきて、それでうまくアジャストできた感じです。昨日最後のセッションをトップタイムで終われたのですが、今日の予選は人間の方がまだ起きていない感じで(苦笑)。あと朝イチだったので日陰と日照しているところの路面が全然違うので、それの合わせ込みがうまくできなくて、2位に甘んじてしまったのですが、昨日の最後のセッションの感覚があったので、決勝は何とかなるかな、と思っていました。1周目にカワモトさんにオーバーテイクされたのですが、そこは無理せずに、機会があれば取り返せばいいやと思っていたのですが、今回はうまくいかなくて。2位だと無条件にチャンピオンだと思っていたのに3位で終わってしまったので、36年のレース人生、万年2位で終わっているので。また今年もか、と思っていましたがチャンピオンでした。いっしょに遊んでいただいた周りのドライバーさんも、コース上ではライバルですが、クルマ降りている時は仲良くさせて頂いて、すごく楽しいシーズンでした」
4位 小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)

「スタートで失敗してしまって、後ろの人に抜かれそうになったのですが。なんとかしのいで、その後は前の人に一生懸命ついて行ったのですが、少しずつ細かいミスをして、ちょっと離れてはそこから近づいてみたりした感じです。なんとかファステストラップを出せたので、よかったかなと思います。ちょっと悔しいですが。今シーズンは夏が不振な感じでスランプに入っていたのですが、気温が落ちてきて、自分の走りができるようになった、という感じで、いまいちな時といい時と、山あり谷ありな感じでした(笑)。でもいい感じでシーズン終われたので、有終の美を飾れたんじゃないかなと思います」
5位 志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)

「ストレートのスピードも上がらないし、ペースが作りづらくて、71号車の方と90度手前で接触してしまって。その後もやっぱりペースが上がらなくて、なかなか厳しいというかつらいレースでした。今年初めてVITAをやるにあたって、マシンのコントロールから勉強始まってここまで来たのですが、シーズン前半はよかったのですが、後半にかけて徐々に、いい方向に向かっていなかったです。気が緩んだのかもしれないので、来年もっと引き締めて、1年間通して戦えるシーズンを迎えたいなと思っています」
6位 平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)

「スタートで大ポカしてしまって、ホイールスピンさせて。それで前に出られてしまって、その後何回か抜きかけたのですが、自分が突っ込み切れず、難しいバトルになってしまいました。でもバトル自体はずっと接近戦で楽しかったです。後半の志賀とのバトルは終盤になるとリヤタイヤがかなり摩耗してしまって、オーバーステアで、詰め切れず、悔しいところです。リベンジできるならしたいところですね。今シーズンはSUGOともてぎで2戦レースに出ました。前の2戦はセットアップもうまく行かず、調子も上がり切れずだったのですが、今回のもてぎでかなりクルマもよくなって、自信がついてきたところで接近戦ができたので、個人的にはかなりいいシーズンだったなと思います。ぜひまたリベンジできるならやっていきたいです」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
Asako SHIMA
Junichi SEKINE


VITAもてぎSUGOシリーズ第6戦決勝が11月29日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションからスタートの柿沼一峰(G/P@恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)がカワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)の追撃を振り切って優勝。注目のチャンピオン争いは3位表彰台獲得の窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)が柿沼を1ポイント差で上回り王者となった。

決勝は12時10分フォーメーションラップ開始。晴れ間が広がるもてぎは気温12度、路面温度14度まで上昇し、絶好のレースコンディション。レッドライトが消灯し10周のレースがスタート。ポールポジションの柿沼はスムーズに発進しホールショットを奪って第1コーナーへと飛び込む。蹴り出しがよかったのが3番手スタートのカワモトで、2番手の窪田のテールに張り付いてターンイン。逆に出足が悪かったのが5番グリッドから出た平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)で、第1コーナーまでの加速でややもたつくと、6番手の志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)の後塵を拝する形になり、6位にポジションを落としてしまう。志賀はチームメイトの小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)にアウトから並びかけてターンインするが、小松が5位を守る。
カワモトは窪田のテールでコーナーごとにスキを伺い、V字コーナーではインを狙うそぶりを見せてプレッシャーをかけると、テール・ツー・ノーズ状態でダウンヒルストレートを駆け降りる。90度コーナーへのブレーキングでインを差すと、窪田をオーバーテイク、2位のポジションを奪い取る。
オープニングラップを終えてトップ柿沼は2位カワモトに1.222秒の差。カワモトと窪田0.265秒差、0.514秒差で小松4位、0.488秒差の志賀5位、6位平川0.419秒差と2位集団がほぼ等間隔で連なった状態でコントロールラインを通過。
2周目に入ってカワモトはトップ追撃を開始。2分14秒679と約0.3秒速いペースで柿沼のリードを0.936秒に削り取る。後方では3位窪田に小松が接近。ダウンヒルストレートでは1車長差まで詰めて0.458秒差で3周目へ。ここまでランキングトップの窪田だが、小松を前に出してしまうと柿沼に逆転チャンピオンの目が出てきてしまうので、3位のポジションを死守しなければならない。状況を知ってか窪田がペースを上げたようで、じわりと小松を引き離し、カワモトへと接近する。
カワモトは4周目、5周目と0.5秒差で柿沼に迫る。窪田も2分13秒387とここまでの最速ラップを刻んで小松を1.367秒差と振り切りながらカワモトに0.349秒とテール・ツー・ノーズ状態でコントロールラインを通過。後方ではスタートで6位に落ちた平川が前を行く志賀に接近、テール・ツー・ノーズ状態でダウンヒルストレートを降りると、90度コーナーへのブレーキングでイン~アウトへ位置を入れ替えながら勝負を挑むが、ここは志賀が5位を守る。
7周目、今度は小松が2分13秒286とこの日のファステストラップを出して窪田との差を0.879秒と再び詰める。トップ柿沼と2位カワモトも0.479秒差、3位窪田はダウンヒルストレートからビクトリーコーナーにかけてカワモトに接近するが、メインストレートでの加速でカワモトが引き離す展開で0.408秒差。トップ3台はと一触即発の状況でレースは終盤戦。しかしここから波乱は起きず、10周を走り切り、柿沼がトップでフィニッシュラインを通過。ポール・ツー・ウインを飾った。2位カワモト、3位窪田というトップ3となった。ファステストラップを叩き出した小松4位、志賀5位、平川6位。そこからやや離れたが山口浩昭(RSかなやエンドレスVITA)7位、山川敏宏(RSかなやエンドレスVITA)8位と無事に全車チェカードフラッグを受けた。
パルクフェルメに戻った窪田は自分は3位だとチャンピオンの目がないと思っていたそうで、周囲の祝福で初めて戴冠を知り、とまどいながらも笑顔になり、ポディウムへと上がった。







これにて2025年VITAもてぎ・菅生シリーズは終了。すでに来年に向けて決意を語る選手もおり、盛り上がりが期待される。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
ポールポジション 柿沼一峰(G/P@恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)2分12秒821

「練習通りだったのかな。タイムはもうちょい行けるかなと思ったですが、ちょっとミスしたりあったから、こんなものかと。路面温度の低さはそこまで感じなかったです。滑るという感じは先週筑波で走ったときほどではなかったです。ここまで来たら頑張ってチャンピオン取りたいですが、自分だけじゃなく、自力だけではだめなので、窪田さんがもうちょっと下がってくれたら(笑)」
2位 窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)2分14秒13(+0.377秒)

「ちょっと気負いすぎてしまったです(苦笑)。でも優勝を狙える位置なので、いいですね。ポール取って1点稼ぎだかったのですが、そうは世の中甘くなかったということです。チャンピオンをあまり意識はしていませんが、とりあえず今回のレースウィークは各セクショントップタイムで、予選も1位で決勝も1位という感じできたのですが、それはもう、ことごとく崩れていますから(笑)。でも楽しいですね」
3位 カワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)2分13秒343(+0.522秒)

「納得ですね。自分なりに精いっぱい走って、限界までやってみてこの結果なので、状況的に納得です。足りなかった部分は、自分の弱さだったり、まだ自分を向き合わないといけないことがたくさんあるなというのを痛感したので、今後につなげていきたいな、と思います。チャンピオンについては、まだまだ勝負はあきらめていないので、淡々と、集中して、自分とも向き合って決勝を走りたいと思います」
4位 小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)2分13秒595(+0.774秒)

「まだまだですが、決勝もがんばります。予選の走りはV字とヘパピンはうまくいったのですが、他の所がまだもうちょっと行けるな、だったのでもうちょっと頑張れたような、という反省点があります。(『セクター3全体ベスト』」の掛け声)そうですね(笑)」
5位 平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)2分13秒946(+1.125秒)
「最初は路面温度の低さに戸惑ったのですが、意外と今回のタイヤの熱入れがよくて、セットも今までよりリヤが出やすい状態になっていて、温度にはあまり苦しめられなかったと思います。でも結果的にうまくまとめきれず、もうちょっと順位を上げたかったところだな、というのが正直な気持ちです。あとグリル閉めすぎて水温が爆上がりしてしまって(苦笑)、そこも影響あるのかというところです。決勝は 意外と前とタイム差が絶望的なところまででもないので、できれば上がっていきたいなと思います」
6位 志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)2分14秒123(+1.302秒)

「ちょっと今週思うようにクルマを操れていなくて、思ったほどは伸びないなという。自分でもわかっているようなタイムというか、自分を超えられていないな、という感じはあります。今週は仕方ないかなと思います。体重の方は前回とくらべて4キロくらいは落としてきたのですが、あまり体感はないです(苦笑)」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA

VITAもてぎSUGOシリーズ第6戦予選が11月29日(土)にモビリティリゾートもてぎで行われ、シリーズランキング3位の柿沼一峰(G/P@恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)がポールポジションを獲得した。
今年のシリーズ最終戦となる本大会。ポイントランキング上位4名にチャンピオンの可能性がある。ここまでのランキングはトップ窪田俊浩(A-PEX☆TOKAIDENSO☆VITA)63ポイント、2番手カワモトミツル(シンエイジャパン&オートルックVITA)56ポイント、3番手柿沼一峰(G/P@恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)53ポイント、4番手志賀卓弥(シードソリューション・マーズ01)52.5ポイントと続いている。
15分間の予選は午前8時ちょうどにコースオープン。朝は0度近くにまで冷え込んだもてぎは今も気温2.5度。路面温度もかなり低い。すっきりと晴れた空の下でランキング首位の窪田を先頭に全車コースイン。
各車タイヤに熱をいれつつ残り時間8分、計測3周目からタイムアタックが本格化。まずカワモトが2分14秒095のトップタイム。2番手に小松寛子(XCEL-LITEマーズ01)が15秒050で通くが、直後に柿沼が14秒596でこれを上回り2番手。4番手平川圭介(ELEVレーシングドリームVITA)、5番手志賀と続き窪田は6番手だ。
残り時間5分40秒、カワモトがタイムを2分13秒608まで短縮するが、柿沼が0.002秒差で上回り、さらに窪田が13秒777で3番手へ上がってくる。4番手志賀、5番手平川で小松は6番手までダウン。
残り3分30秒、カワモトが13秒361を出して再度トップへ。柿沼13秒399で0.038秒差、窪田3番手にドロップ。周回ごとにトップが入れ替わるの激しい予選だ。
残り1分20秒、首位のカワモトは2分13秒343までタイムを更新するが、柿沼が12秒821を叩き出して逆転。トップの座を奪い取る。さらに窪田もチェッカー周に13秒196をマークし2番手浮上、これでカワモト3番手にダウン。以下4番手小松13秒595、5番手平川13秒946、6番手志賀14秒123、7番手山口浩昭(RSかなやエンドレスVITA)16秒054、8番手#山川敏宏(RSかなやエンドレスVITA)17秒054という順位になった。
柿沼はポールポジションの1ポイントを加算、シリーズランキング上位3台が順番を入れ替えてスタートを迎えることになる。
決勝は本日12時10分スタート予定だ。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
優勝 YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKS II)

「S-FJでは初優勝、初表彰台です。もっとバトルになるかもしれないと思っていたのですが。ミスすることなく最後まで走り切って、最終戦でやっと優勝できて、本当に良かったと思います。後ろからのプレッシャーはけっこう感じましたね。離れたり自分のミスで追いつかれたりしたのですが、それでもなんとか差を保って、冷静にできたので、そこはよかったなと思います」
2位 酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)

「チャンピオン取ることが最終的な目標だったので、優勝できなかったことはすごく悔しいですが、何とか吉田選手の前でゴールできて、そこはチャンピオンしっかり決めることができたので、よかったと思います。(吉田に抜かれた状況は?)ちょっと僕の焦りがでてしまって、第3コーナーで進入スピードがすごく速く入ってしまってアンダー出してそとに膨れてアクセル踏み遅れるというのがあって『ミスした』と思ったらそこに吉田選手が合わせてきたので。でもその後吉田選手もミスが出て、運よくまた前に出られたので、その後のペースはよく、自分のペースで走れたので逃げ切れたのかなと思います。(終盤に合わせたタイヤだった?)序盤のタイヤの暖めが足りなかったのか、逆にペースがなくて、後半タイヤが来てから自分のペースも、タイヤの暖まりも大きかったので、それもよかったのかなと思います。来週の鈴鹿も吉田選手との一騎打ちなので、そこも前に出た方がチャンピオンなので、しっかり決めて頑張ります」
3位 吉田馨(TAKE FAST KKS-2)

「自分のミスでポジション落としてしまったので、取り返そうと思っていたのですが。酒井選手のペース速くて、追いつかないで差が縮まらないままでレース終わってしまったので、悔しいレースではありました。悔しいのは今日で切り替えて、来週の鈴鹿のタイトルも残っているので、あと日本一も。それに向けて切り替えてやっていけたらなと思います」
4位 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)

「一度前と離れて、今までは一度離れるとどうしても詰められなかったのですが、そこをなんとか詰め切れたところはよかったです。あとは単独での走り方というより、相手がいての走り方。どこで抜くというのもそうですし、そういうバトルのところをもっと学ばないといけないなと思います」
5位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)

「上位4人に比べたらペースがなくて、それでついて行けずに、ブンちゃんとのバトルになって。バトルはけっこうよくて、最終的には離してよかったのですが、もうちょっとやるべきことはあっただろうなと思います。今シーズンは中盤のSUGO以外は全然ダメで、鈴鹿行って、富士はボチボチ行って、去年は表彰台乗れていたのですが、今年は乗れなくて、得意なはずの夏のシーズンの不調の原因が見つけられなくて、上昇できなかったのは悔しいです。あとは日本一決定戦なので、優勝の一点目指して頑張ります」
6位 小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)

「何もしていないのですが、運がよかったです(笑)。小林選手がヘアピンで中村選手を抜きにかかって、差し切れなかった感じで絡んでしまってグラベルへ行って。こちらはちょっと距離を取って減速していたので、脇をすっと抜けました。なにか起こりそうな予感がしたので、ちょっとマージン持って自分もボトムスピードを下げて入ったら当たらなくてよかったです。うまく見極めができたと思います。タナボタでした(苦笑)。一応入賞ですからうれしいです。でもやはり予選が課題ですね。もうちょっと前に行かないと、10周というレースでは予選で前に行かないと。これが20周ぐらいあればまた話は別ですが。予選がうまく行かなかったです」
す」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
Junichi SEKINE


2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第7戦決勝が11月30日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催され、YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKS II)がポールポジションから飛び出すと一度もトップを譲らず10周を走り切り優勝した。チャンピオンを賭けた激しい2位争いは酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)が吉田馨(TAKE FAST KKS-2)に競り勝ち王座についた。
決勝は定刻12時25分フォーメーションラップ開始。小春日和のもてぎは気温15度と10月下旬並みの暖かさ。路面温度も23度と絶好のレースコンディションとなった。17台がグリッドに整列してレーススタート。

ポールシッターのYOSHIDAが好ダッシュを決めたのに対して2番グリッドの酒井はやや蹴り出しが弱く、3番グリッドの松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)が並びかけて加速。しかし第1コーナーに向けてイン側を抑えた酒井がポジションを守る。後方で出足がよかったのが5番グリッドの吉田で、逆転チャンピオンの為には酒井の前でフィニッシュが必須な状況で、まずスタートからの加速で4番手の石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)に並びかけるとのアウトから第1コーナーに入り立ち上がりで先行、さらに第3コーナーへのアプローチで松原のインを突いてオーバーテイク。あっという間に酒井の後ろ、3位にポジションを上げる。松原はラインがワイドになり第4コーナーでは石井に4位を明け渡す。6番手スタートだった中村ブンスーム(ファーストガレージ゙KKSⅡ)に対して7番手小林留魁(アルビ新潟第一ホテルGIAED)が襲い掛かるが、ここは小林のラインがワイドになり、逆に8番手スタートの小田部憲幸((株)フォースリンク ZAP ED)が接近し3台がワンパックで加速する。
3位に上がった吉田はさっそく酒井攻略を開始、ヘアピンではテール・ツー・ノーズ状態で旋回するとダウンヒルストレートへ。そしていったん5位に落ちた松原も石井のテールを捕らえるとダウンヒルストレートで左サイドに並びかけると90度コーナーへのブレーキングでオーバーテイク。大外刈りで4位のポジションを取り返す。中村を挟んで、小林と小田部もサイド・バイ・サイドで90度コーナー勝負へ。こちらはイン側を取った小田部が小林を差して7位に浮上する。
トップYOSHIDAは2位酒井を僅かに引き離すが、その差はコントロールライン上で0.230秒、酒井と吉田の差も0.469秒と僅差だ。バトルがあった4位松原はそこから1.333秒差となっている。5位石井、6位中村。いったん7位に上がった小田部だが続く2周目の第1コーナーでは小林がアウトから逆襲。順位を取り戻す。
2周目に入り吉田は酒井への攻勢を強め、第5コーナーへのブレーキングで酒井のインにノーズをねじ込むが、ここは酒井が抑える。酒井はポジションを守りつつもYOSHIDAを追うペースを緩めず、3台はそれぞれ1車長の間隔でダウンヒルストレートを駆け降りると、そのままの順位で90度コーナーを通過。今はまだ互いの有利不利を見きわめている状態か。3周目もトップ3台の膠着状態は変わらず、第1セクターのストップ アンド ゴーのセクションで吉田が詰めると、ダウンヒルストレートから最終コーナーにかけて酒井が突き放すという展開で、その間にYOSHIDAが2台を振り切るまでには至らず、それぞれ0.3~0.4秒の間合いで連なっている。緊張が増してきたのが5位石井と6位中村のファーストガレージ勢同士の争いで、0.228秒差のテール・ツー・ノーズ状態で4周目に入る。
4周目を終えて今度は酒井がYOSHIDAをロックオン。0.175秒差でコントロールラインを通過する。吉田も0.375秒の間合いで続いて3台によるトップ争いへと状況が変化、さらに4位の松原が5周目に2分4秒226の最速ラップで吉田の背後にじわじわと迫っている。松原は6周目も3秒958と最速ラップを更新。これでトップ4台が1.119秒以内のワンパック状態となる。
酒井の後ろではチャンピオンの目がない吉田が満を侍して攻勢に転じたのが7周目。まず第5コーナーに向けての加速で酒井の背後から抜けだすとアウトから仕掛けるが、ここは酒井が守る。続く130Rで今度はイン側から差しに行ってS字の2つ目でオーバーテイクに成功。2位のポジションンを奪取する。しかし酒井もここで引き下がるわけがなく、ダウンヒルストレートで吉田のスリップストリームから出てアウトから90度コーナーへのブレーキング勝負。吉田はアウト側ぎりぎりで踏みとどまり前に出てビクトリーコーナーへ。0.161秒差で8周目にはいると、第1コーナーで酒井はアウトから大外刈りを仕掛けるが吉田が守り、そこを松原が突くという三つ巴に。第4コーナーからの加速で吉田が一瞬失速すると3ワイド、インに酒井、アウトに松原、真ん中に吉田という並びで第5コーナーへと殺到する。抜け出したのは酒井で2位に躍り出てファーストアンダーブリッジへ。3位松原で吉田は4位にドロップするが、V字コーナーで松原のアウトから仕掛けてオーバーテイク、3位のポジションを取り戻す。しかし松原は吉田のリヤに張り付いた状態でダウンヒルストレートを通過、90度コーナーでの攻防を見せるが、この間に酒井は吉田とのギャップを0.742秒までひろげてしまう。トップYOSHIDAは後続のバトルに助けられてリードを1.688秒まで拡大。2位酒井、3位吉田、4位松原で、5位石井と6位中村が依然0.093秒差でやりあっている。そこにこの2台より1秒以上速いペースで追い上げてきているのが7位小林と8位小田部だ。
9周目、酒井を追いたい吉田だが松原の攻勢は続きディフェンシブにならざるを得ない状況。このすきに酒井は本日のファステストラップ、2分3秒231を刻んで吉田を1.113秒差まで突き放す。吉田と4位松原は0.265秒差だ。そして石井を先頭とした5位グループが6位中村、7位小林、8位小田部まで1.1秒の間に4台の集団になってファイナルラップに突入する。
ファイナルラップ、酒井は最後まで優勝を目指してプッシュ、ギャップを0.907秒まで削り取るがYOSHIDAが逃げ切りに成功。うれしい初優勝を遂げた。酒井は2位でシリーズチャンピオンを確定。吉田は3位。2位に上がった時点ではチャンピオンの目があったが松原のハイペースが流れを暗転させた。台風の目となった松原は4位、5位石井とここまでは前の周と同じだったが、波乱があったのが中村~小林~小田部による6位争いで、ヘアピンへのアプローチで仕掛けた小林が中村と接触。2台は絡み合うようにグラベルへと飛び出してストップ。一瞬小林のマシンが中村の上に乗り上げヒヤリとさせられるアクシデントだった、小林は足を、中村は腰を痛めたとのことだったが、大きな怪我にはつながらなかった。これで漁夫の利を得たのが小田部で、6位の座を射止めて喜びのウィービングでチェッカードフラッグの下を通過した。唯一出場のジェントルマンクラスは総合7位フィニッシュの畠山退三(Hobbybase&zap-ED)が優勝した。また、今回レースデビューを飾った佐久間俊(CMSC ZAP 10VED)も無事14位でゴール、目標だった完走を果たした。
優勝のYOSHIAはパルクフェルメにマシンを戻すとガッツポーズ。シーズンを支えてくれたスタッフと抱擁を交わすと表彰台の真ん中へ上った。そして今回チャンピオン獲得が必須課題だった酒井も結果を出した満足げな顔で表彰台へ。一方掴みかけた王座が手から零れ落ちた吉田は気持ちの整理がつかない表情、と三者三様の表彰式となった。
2025年もてぎ・菅生スーパーFJ地方選手権はこれにて終了。残るは鈴鹿岡山シリーズの最終戦と富士での日本一決定戦だ。今回悔しい結果となった吉田には、まだ鈴鹿で酒井を倒すチャンスがある。









Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第5戦 -RIJ- (2025/11/30) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 7 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
| 1 | 2 | | | YOSHIDA KODAI | T's TECHNO RF KKSII MYST KK-S2 | 10 | 20'50.683 | - | - |
| 2 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 10 | 20'51.590 | 0.907 | 0.907 |
| 3 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 20'53.117 | 2.434 | 1.527 |
| 4 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 20'53.187 | 2.504 | 0.070 |
| 5 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 10 | 21'03.375 | 12.692 | 10.188 |
| 6 | 78 | | | 小田部 憲幸 | (株)フォースリンクZAP ED MYST KK-S2 | 10 | 21'05.344 | 14.661 | 1.969 |
| 7 | 38 | G | 1 | 畠山 泰三 | Hobbybase&zap-ED MYST KK-S2 | 10 | 21'08.558 | 17.875 | 3.214 |
| 8 | 15 | | | 松下 彰臣 | Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'15.234 | 24.551 | 6.676 |
| 9 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 10 | 21'15.541 | 24.858 | 0.307 |
| 10 | 31 | | | 木曽川 一輝 | 新潟国際自動車ワコーズED RD TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'17.852 | 27.169 | 2.311 |
| 11 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED MYST KK-S2 | 10 | 21'18.211 | 27.528 | 0.359 |
| 12 | 18 | | | 鈴木 大翔 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'29.737 | 39.054 | 11.526 |
| 13 | 59 | | | 村上 太晟 | ファーストガレージKK-S2/Blau MYST KK-S2 | 10 | 21'30.105 | 39.422 | 0.368 |
| 14 | 8 | | | 佐久間 俊 | CMSC ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'43.263 | 52.580 | 13.158 |
| 15 | 30 | | | 菅原 遙希 | 新潟国際自動車大学校ワコーズED KKS MYST KK-S | 10 | 21'57.823 | 1'07.140 | 14.560 |
| 16 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKSII MYST KK-S2 | 9 | 18'58.787 | 1Lap | 1Lap |
| 17 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルGIA ED TOKYO R&D RD10V | 9 | 18'59.146 | 1Lap | 0.359 |
| ---- 以上規定周回数(90% - 9 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 22 酒井翔太(ファーストガレージKK-S2) 2'03.871 (9/10) 139.529 km/h
ポールポジション YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKS II)2分4秒697

「赤旗が出てタイムを出しにくい状況だったのでが、それでもうまく前を空けてスリップストリームを使って、いいタイムを出せたというのはよかったと思います。1周目で決まりましたね、というか1周しかなかったです。寒いですが路面はグリップしますし、一番タイムが出やすい路面だったと思います」
2位 酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)2分5秒113(+0.416秒)

「赤旗出なかったら、そのまま(アタックに)行けたかなと思いますが、結局赤旗が出てしまって、再開で出て行ったときに場所取りが悪くて、自分のペースで走れなかったのが結果に響いてしまったと思います。でもシリーズ考えれば吉田選手の前にいれば僕がチャンピオンなので、そこはしっかり決勝は無理なく、淡々と走れればなと思います。絶対にリタイヤとは避けたいので、しっかり走ってチャンピオン取りたいと思います」
3位 松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)2分5秒197(+0.500秒)

「昨日の練習から調子はよくて、今日も赤旗前まではよかったのですが。赤旗が出て、再開後にちょっと前と距離が詰まってしまったのもありますし、タイヤも暖まっていなくて路面温度も低いので、グリップがぜんぜんない状態でした。ベストラップが出た周もクルマを完全には動かし切れてはいなくて、攻めた感じはしなかったです。タイムを早めに出しておいたのはよかったです。(予選の)立ち上がりを意識して走ってはいたので、そこが速かったのはよかったです」
4位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)2分6秒179(+1.482秒)

「まあ及第点かなと思います。早めにタイム出しておいてよかったですが、タイヤも温められなくて、コーナーのクリップを2,3か所外してしまったので、」そこがなければ2分5秒には入っていたのかな。なので勝負県はあると思います。そこを目指して、そろそろダルマの目もいれないとまずいので(苦笑)がんばります」
5位 吉田馨(TAKE FAST KKS-2)2分6秒293(+1.596秒)

「赤旗明けはスピンしてしまって、アタックできなかったです。マシンの調子も昨日までに比べていまひとつな感じで、決勝までに見直していきます。チャンスはあると思うので、チャンピオン目指してがんばります」
6位 中村ブンスーム(ファーストガレージ゙KKSⅡ)2分6秒546(+1.849秒)

「赤旗が出る前はこの路面に対応しきれていなくて、クルマも安定せずで、最後のアタックでぎりぎりこの結果です。S字から後半のセクターでクルマをまったく曲げることができなくて、タイヤも温めきれずでした。レースの時間帯には気温も上がってくると思うので、路面温度が高くなった時に自分の得意なセクターで勝負できると思って挽回したいです」
Text & Photo: Junichi SEKINE

2025年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第7戦公式予選が11月30日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催され、YOSHIDA KODAI(T's TECHNO RF KKS II)が2番手酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)に0.416秒の差をつけてポールポジションを獲得した。
長かったシーズンもいよいよ最終戦。ここまで6戦を終えてシリーズランキングのトップは酒井翔太(ファーストガレージ゙kks2)の98ポイント、2位で追う吉田馨(TAKE FAST KKS-2)は88ポイント。しかしJAF選手権は有効ポイント制があり、ここまで全戦で表彰台を獲得している酒井に対して吉田は1戦欠場しており今回もフルに加点できる点が有利だ。一方酒井にすれば、今年はこのもてぎSUGOの他筑波富士、鈴鹿岡山、オートポリスとすべてのS-FJに参戦、現在鈴鹿岡山では1戦を残してランキング首位、オートポリスのチャンピオンを取り、筑波富士は惜しくもシリーズ2位に終わったが、S-FJジャパンリーグのタイトルも獲得しており、もてぎSUGOでもタイトルを取ればまず3冠ということになる。
15分間の予選は午前8時15分コースオープン。明け方には氷点下まで気温が下がったモビリティリゾートもてぎだが、日差しがコースを温めており、気温4.4度、路面温度6.4度まで上昇している。逆転チャンピンを狙う吉田を先頭に全車がコースイン。
計測2周目のトップタイムは酒井の2分7秒560と、まだタイヤの発熱を待っている状態。続いて残り時間8分にYOSHIDAが6秒162でトップ、2番手には松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)が6秒606で続く。3番手吉田6秒704、4番手酒井6秒765、5番手石井大雅(ファーストガレージ制動屋SⅡ)、6番手小林留魁(アルビ新潟第一ホテルGIAED)。
残り時間6分、S字で村上太晟(ファーストガレージKK-S2/Blau)がスピン、グラベルストップして赤旗が提示して予選はいったん中断。中団時点での上位は、酒井2分5秒419、YOSHIDA6秒142、吉田6秒293、松原6秒493、石井6秒619、小林8秒190という順。ジェントルマンクラスは唯一参戦の畠山退三(Hobbybase&zap-ED)が総合9番手につけている。
村上の車両がレスキューされ、午前8時31分から残り時間6分10秒で予選再開。各車は冷えてしまったタイヤのウォームアップから仕切り直しとなり、残り時間3分40秒ごろからペースアップする。残り時間1分40秒に松原が2分5秒420で2番手へ浮上。
チェカードフラッグが振られる中各車は最後のタイムアタック。まずYOSHIDAが2分4秒697でトップに立つ。石井が6秒179の4番手タイム、続いて中村ブンスーム(ファーストガレージ゙KKSⅡ)が6秒546の6番手にそれぞれ順位を上げる。酒井は5秒113まで自己ベストを短縮するが2番手、松原5秒197で3番手にダウン。そしてチャンピンを争う吉田はタイムが伸びず終了間際にピットインして5番手で予選を終えた。ジェントルマンクラスの畠山は総合11番手となった。
決勝は12時25分スタート予定。シリーズ最終戦を迎えて酒井が3つ目のタイトル獲得なるか注目だ。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第5戦 -RIJ- (2025/11/30) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2025 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 7 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
| Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Maker Model | Time | Behind | Gap | km/h |
| 1 | 2 | | | YOSHIDA KODAI | T's TECHNO RF KKSII MYST KK-S2 | 2'04.697 | - | - | 138.605 |
| 2 | 22 | | | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-S2 MYST KK-S2 | 2'05.113 | 0.416 | 0.416 | 138.144 |
| 3 | 14 | | | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'05.197 | 0.500 | 0.084 | 138.051 |
| 4 | 53 | | | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋SII MYST KK-S2 | 2'06.179 | 1.482 | 0.982 | 136.977 |
| 5 | 6 | | | 吉田 馨 | TAKE FIRST KKS-2 MYST KK-S2 | 2'06.293 | 1.596 | 0.114 | 136.853 |
| 6 | 57 | | | 中村 ブンスーム | ファーストガレージKKSII MYST KK-S2 | 2'06.546 | 1.849 | 0.253 | 136.580 |
| 7 | 33 | | | 小林 留魁 | アルビ新潟第一ホテルGIA ED TOKYO R&D RD10V | 2'06.666 | 1.969 | 0.120 | 136.450 |
| 8 | 78 | | | 小田部 憲幸 | (株)フォースリンクZAP ED MYST KK-S2 | 2'07.368 | 2.671 | 0.702 | 135.698 |
| 9 | 15 | | | 松下 彰臣 | Abel HOSHO&PARM ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'07.427 | 2.730 | 0.059 | 135.635 |
| 10 | 81 | | | 小野 大地 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 2'07.963 | 3.266 | 0.536 | 135.067 |
| 11 | 38 | G | 1 | 畠山 泰三 | Hobbybase&zap-ED MYST KK-S2 | 2'08.217 | 3.520 | 0.254 | 134.800 |
| 12 | 82 | | | 三ツ井 光輝 | 群馬トヨペットTeam RiNoA KYB ED MYST KK-S2 | 2'08.915 | 4.218 | 0.698 | 134.071 |
| 13 | 31 | | | 木曽川 一輝 | 新潟国際自動車ワコーズED RD TOKYO R&D RD10V | 2'09.078 | 4.381 | 0.163 | 133.900 |
| 14 | 59 | | | 村上 太晟 | ファーストガレージKK-S2/Blau MYST KK-S2 | 2'09.469 | 4.772 | 0.391 | 133.496 |
| 15 | 18 | | | 鈴木 大翔 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'10.080 | 5.383 | 0.611 | 132.869 |
| 16 | 8 | | | 佐久間 俊 | CMSC ZAP 10V ED TOKYO R&D RD10V | 2'11.681 | 6.984 | 1.601 | 131.254 |
| 17 | 30 | | | 菅原 遙希 | 新潟国際自動車大学校ワコーズED KKS MYST KK-S | 2'14.034 | 9.337 | 2.353 | 128.949 |
| ---- 以上基準タイム(130% - 2'42.503)予選通過 ---- |

2025年JAF地方選手権、スーパーFJ筑波・富士シリーズ第7戦は11月30日にモビリティリゾートもてぎで開催された。17台のエントリーの中には今回初のJAF公認レースを迎えた選手がいた。
8号車「CMSC ZAP 10VED」をドライブする佐久間俊は28歳の社会人、前日の練習走行前に話を聞いた。
――今までのモータースポーツ歴は?
「普段は草レース出ていまして、ハコ車の方で、福島県のエビスサーキットの12時間耐久レースとかをやっていました。ミラージュとかシビックとか1.6リッタークラスの車両です。あとは先日行われたS耐チャレンジにもロードスターの33号車で参加させて頂きました。フォーミュラカーは初めてです」
――練習はどのくらい積んだ?
「今年で2年目になります、練習はもてぎと筑波で練習していました」
――クルマへの習熟度合いは?
「だいぶ習熟しましたが、今回ドライブするのは違うクルマ(RD10V)なので、普段乗っていたクルマはウエスト07Jの一世代前のタイプとかZAPさんの109に乗っていたので、ちょっと感覚が違う部分があって、10Vに乗り慣れていない部分があります。そこは今日の練習走行で慣れたいと思っています」
――10Vの走行は何回め?
「実は今日でまだ3回目で、まずはクルマとコースに慣れることからです」
――今大会の目標は?
「まずクリーンなレースを心掛けること。あとはシングル順位を狙いたいと思っています」
――念願かなってのレース参戦?
「幼いころからレーシングドライバーをやってみたいな、と思っていたので、その夢がようやく叶ったのかなと思っています。明日にむけて頑張りたいと思います」
社会人らしく、はきはきした話しぶりに落ち着いて現場の空気に呑まれない振る舞いで、レースでの活躍に期待したい。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Junichi SEKINE
Kazuhiro NOINE

コンストラクターの(株)イケヤフォーミュラ、およびZAP SPEEDは新たなフォーミュラマシン「IFZ-02」を開発。モビリティリゾートもてぎで開催のもてぎチャンピオンカップレース第5戦において純白のマシンがデモ走行を行った。
「IFZ-02」は入門フォーミュラカテゴリーとして4年をかけて企画、設計、開発された純国産マシンで、オリジナルのアルミ製ツインチューブモノコックにオリジナルカウルを装着。
- 全長4410ミリ
- 全幅1685ミリ
- 全高990ミリ
- ホイールベース2695ミリ
- 車両重量500~515㎏
と、現行のスーパーFJよりやや長く、車重は50キロほど重い。ホンダのバイク「ホーネット」用をベースとした「SC89」リッターエンジンを搭載、現在の出力は112KW(152PS)/11,000rpm、トルク104Nm(10.8kg)/9,000rpm 程度ということで、P/Wレシオ的には0.32kg/PSと現行S-FJをわずかに上回る。最大の特徴は4気筒エンジンを横置きにして、チェーンで駆動力をデフに伝達している点だ。タイヤは市販のラジアルタイヤを装着している。
純国産のものづくり、そして廃棄が難しいカーボン素材を使わないことで環境負荷を減らすといった点にも配慮されている。
車両を製作した(株)イケヤフォーミュラの池谷代表に、開発の経緯等を伺った。
――どのような経緯で開発されたマシンなのか?
「もてぎさんと、ZAP SPEEDの笹川さんと3者で入門用のクルマを立ち上げようということで、できるだけ低価格でフォーミュラカーを、と。上に乗せるための手段というのもあるのですが、それだけではない、ホビーで楽しめるというところも視野にいれて、ある程度体の大きい人が乗車したりとか、チャンスを与えられないかな、ということでもてぎさんと一緒に動いたものです。いろいろなテストをして、当初パイプフレームとかも検討したのですが、やはり安全性ということになると、モノコックという方向になりました。これはツインチューブのモノコックで作ってあります」
――すべて独自開発で?
「独自でやりました。FIA-F4と同等のクラッシュテストも行って、十分な強度と持っていることを確認してあります。まず安全というところを最初に考えて、ちょっと時間はかかったのですが、何とか完成できたというところです」
――レースのグレードでいうと、FIA-F4相当を想定している?
「もっと下のクラスですね。当初はS-FJよりちょっと下を狙っていたので、このタイヤもラジアルです」
――テストでえらく速かったという噂もあるが?
「ちょっとそこは性能調整しないとならないかもしれません。ラジアルタイヤで「そこそこ」のタイムが今出ているので、そこはちょっと調整します」
「ラジアルタイヤはライフも長いですし、こういうタイヤでコストもあまりかからないように、車両もできるだけ安くできるように。ホンダさんのエンジンをつかわせてもらったりしています」
――バイクのエンジンと聞いているが?
「音はすばらしい、いい音で回ります。デザインも何種類も作って、ある程度形になったので、見てくれもかなりいいと思います。ラジアルタイヤということで細いタイヤを履くと、どうしても(バランスが)おかしくなってしまったので、それを車体のカーブのラインを変えることによって、けっこう見た目もいいと思います(笑)」 「当初は来年の頭からという計画だったのですが、最初エンジンがCBRというのを選んで、それで一度クルマを立ち上げてみたのですが、ものすごく速くて(苦笑)。これだと危険が伴い入門用ではなくなってしまうので、今はホーネットというバイクの、割と低価格で買えるエンジンを選択して、それで作り直しました。だから3種類作りましたね。モノコックもこれが3機種目で、完成形です。超高張力鋼板を使っていて、1ミリの鉄板なのですが、すごい強い素材です。こういう新しい素材が生まれてきたので、このぐらいの形状であればカーボン同等の強度を持つというところまでいきました」
――レースの開催については?
「来シーズン半ばくらいからは順次始めたいと思っています」
――ちなみに価格はどのくらい?
「今は500万円という数字を目標にしています。S-FJの方がもうちょっと高いですね。バイクのエンジンにしたので、その分がコストを下げることができたと思うので」
「乗っていただくと分かるのですが、すごくコントロールしやすいです」
――エンジンさえ替えれば上のカテゴリーも行ける?
「(笑)CBRを一度やったので、どのぐらいの速さまでいけるかはだいたい見えたのですが、とてつもなく速くて、FIA-F4よりも速かったです」
本日のデモランのドライバーは伊藤駿。昨年のS-FJ筑波・富士シリーズチャンピオンであり、先日来、次期F-FJと言われる「FJ1500」のテストも経験している(https://www.fmotor.jp/2025-new-super-fj-myst-kk-f-shake-down)。前日にもスポーツ走行で「IFZ-02」を走らせていたとのことで、走行後のインプレッションを聞いた。
――ドライブしての感想を
「とてもできがよくて、エントリーカテゴリーにありがちな安っぽい感じとか、どこかシャキっとしていない感じとかが一切なくて、ひとつふたつ上のカテゴリーのクルマぐらいの質感があっていいですね。あと車高(地上高)とかエントリーカテゴリーのクルマだと車高がけっこう高かったりして、そのせいで動きがぎこちなかったりするのですが、これはそういうことがなくて、ブレーキングの時も、コーナリングの時も、ピタっとしていて、ピュアなレーシングカーです。乗っていても楽しくて」
――現行のS-FJとFJ1500と比較しては?
「比べ物にならないですね。MEFの方が上級カテゴリーのクルマと言われても違和感ないくらいで。FJ1500もS-FJよりも車高の制限がなくなって、だいぶよくなりましたが、それよりもさらに純粋なレーシングカーという感じで、FJ1500よりも、どういう運転が速いのかというのがわかりやすく教えてくれるクルマだと感じました」
――タイム的にはどの程度?
「この前のテストでは2分4秒フラットくらいまで行けたので、今日は時間が足りないのでともかくですが、3秒台は入れるかなと思います(今回のS-FJ予選ポールタイムは4秒697)」
――エンジン横置きでチェーン駆動というのは違いを感じる?
「特に違和感もないですし、言われなければ気が付かない程度の差しかありませんね」
当日のデモ走行では時間の都合もありアウトラップ~計測1周後にコントロールライン上で停止、と本格的な走行ではなかったが、10,000回転越えという最近のフォーミュラカーでは聞けないレーシングサウンドをアピールしていた。来年からのレース開催に期待したい。





Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Junichi SEKINE
Asako SHIMA